ゆり「『だるまさんがころんだ』をするわよ」 音無「は?」 (137)

校長室

ゆり「・・・みんな集まったわね」

日向「いったい何の用だ?休日くらいゆっくり休ませて欲しいぜ・・・」

ひさ子「ガルデモメンバーまで集められたってことは・・・」

関根「嫌な予感しかしませんね」

ゆり「今日みんなを招集したのは他でもない・・・」

ゆり「天使を陥れる新しい作戦を考え付いたのよ」

大山「あ、新しい作戦!?」

藤巻「ほー・・・そいつはどんな作戦なんだよ、聞かせてくれよゆりっぺ」

ゆり「・・・『だるまさんがころんだ』をする」

音無「・・・は?」

ゆり「作戦名は・・・オペレーション『だるま殺し』よ!」

野田「ゆりっぺ、何の冗談だ」

ゆり「冗談なんかじゃないわ。真面目も真面目、大真面目よ」

音無「大真面目に『だるまさんがころんだ』をやろう、ってのもどうなんだよ・・・」

ユイ「な~んだ楽しそうじゃないッスか!やりましょうよ!」

高松「いえ、ちょっと待ってください。最後に物騒な言葉が聞こえた気がするのですが・・・」

松下「たしか・・・『だるま殺し』と・・・」

入江「こ、殺し!?」

ゆり「そう・・・今日が天使の最期となるのよ・・・!」

日向「また訳のわからん作戦だな。何で『だるまさんがころんだ』で天使の最期になるんだよ?」

ゆり「日向くん、あなた、『だるまさんがころんだ』のルールは知ってる?」

日向「それぐらい知ってるよ・・・

『まず鬼を1人決めて、木や壁に向わせ、他の参加者たち(子)はその後ろ、離れた場所に横一列に並ぶ。
鬼は木に顔を伏せて「だるまさんがころんだ」と10拍数え、素早く後ろを振り向く。
子は鬼が顔を伏せて数えている隙に鬼に接近、タッチしようとするが、鬼が振り向きこちらを見たら動きを止めなければならない・・・鬼が見ている間に動いたらアウトで捕虜になっちまうからな。
これを繰り返し、鬼は子を全員捕虜にすれば、子は鬼にたどり着きタッチすれば勝ちとなる』

・・・だろ?」

ゆり「だいたいそんなところね」

音無「やけに説明口調だったな・・・」

ゆり「ま、その他にも鬼にタッチしたら子は全員鬼から逃げ・・・」

日向「・・・ってそんなことはどうでもいいんだよ!このお遊戯でどうやって天使を倒すってんだ!?まずはそれに答えろ!」

ゆり「ハァ・・・ルールのおさらいもしたのに、まだわからないの?がっかりだわ」

椎名「あさはかなり・・・」

日向「ならお前はわかったのかよ椎名っち!」

椎名「・・・・・・」

日向「・・・・・・」

椎名「・・・・・・」

日向「・・・・・・」

椎名「あ、あさはかなり・・・」

日向「ほら見ろわかってねぇじゃねぇか!」

竹山「ルールにヒントがある、ということですか?」

ゆり「そうね」

ひさ子「話を聞くに、天使も参加させるんだろ?」

ゆり「そうね」

ユイ「うぇえ!?マジっすかぁ!?」

高松「つまり、このゲームが持つ何らかの特徴を利用し、天使を陥れると・・・」

大山「どういうことだろう・・・」

野田「」プシュー

藤巻「おい、1人パンクしてるぞ」

TK「Hum…」パチン パチン

音無(鬼が後ろを向く・・・接近・・・タッチ・・・)

音無「・・・・・・」

音無(はは、まさかな)

ゆり「やれやれ・・・ホントにアホばっかね・・・いいわ、説明しましょう・・・!」

ゆり「我々が天使に負け続けているのは、いつも正攻法で、真正面から対峙しようとするから・・・」

ゆり「なら、どうすればいいと思う?」

藤巻「そりゃ裏をかいたり・・・真正面から対峙しなけりゃいいんじゃねぇか?」

ゆり「そう!そこよ!!つまり、『後ろ』を取ればいいのよ!!」

大山「ああ、なるほど!」

日向「何納得してんだ、それが出来りゃ苦労は・・・い、いや、まさかっ!?」

ゆり「気づいたわね」ニヤリ

ユイ「どういうことッスか!?」

日向「ゆ、ゆりっぺは天使を『だるまさんがころんだ』に参加させ鬼にし、後ろから接近・・・背後を取って倒すつもりなんだ!!」

ゆり「その通りよ!!!」

一同「な、なんだってーーーーーっ!?」

音無(マジかよ・・・)

藤巻「なるほどな・・・天使をゲームに誘い油断させ・・・」

高松「背後から・・・例えば銃をつき付けることも可能というわけですか」

野田「天才かゆりっぺぇ!」

松下「! 待て、背後だけではないぞ・・・!」

ゆり「・・・・・・」ニヤリ

松下「『横』もだ!!横には・・・捕虜となったメンバーが配置できる!!」ドン

一同「!!??」

野田「天才かゆりっぺぇ!!」

関根「ちょっとちょっと!それを言ったら『前』もですよ!!『前』には・・・木が!!」ドン

一同「!!!???」

野田「天才かゆりっぺぇええええ!!!」

TK「Tasty Candy!」

ゆり「あーっはっはっは!!!」

音無「・・・・・・」

ユイ「完璧じゃないッスかぁ!!」

音無「いやいや流石に無理g

関根「だね、これはまさにだるま殺し!!」

音無「天使の役はだるまじゃなくて鬼d

TK「DARUMA is Dead! Fooooooooo!!」

日向「それだTK!天使の背後を取った合図は『DARUMA is Dead・・・だるまは死んだ・・・』でどうだ!?」

音無「なんだそのだs

大山「か、かっこいい!!」

ゆり「いいわ、採用!!」

藤巻「うぉぉおおカッケー!!言いてぇぜえええええええ!!」

野田「いや俺が言うううううううう!!」

高松「そこは私でしょおおおおおお!!」

音無(駄目だこりゃ)

???「フン・・・くだらない・・・」

日向「あ?今何つった?・・・直井」

直井「くだらないと言ったんだ、愚民どもめ・・・」

音無(おお、初めて直井がかっこよく見える・・・)

ゆり「あなたも参加するのよ直井くん。参加者は多いほどいいわ」

直井「なぜ神である僕がそんな茶番に付き合わなければならないんだ・・・僕は音無さんと『はないちもんめ』でもしている。お前たちで勝手にやれ」

音無(前言撤回)

日向「2人でどうやってやるんだよ馬鹿か!」

直井「ええい寄るな汚らわしい!さぁ行きましょう音無さん!!」グイッ

日向「音無は俺たちとだるまさ・・・長いな・・・『だるころ』するんだよ!!なっ!!」グイッ

音無「お、お前ら落ち着k

直井「『はないちもんめ』!!」

日向「『だるころ』!!」

野田「ちょっと待てぇ!!略すなら『さんころ』だろぉ!!」

音無「話をややこしくするな!!」

ゆり「めんどくさいわねー。音無くん、あなたが決めなさい」

音無「はぁ!?」

ゆり「『はないちもんめ』なの?『だるころ』なの?」

野田「うぉぉ・・・ゆりっぺは『だるころ』派だったぁーーーっ!!」

音無(ど、どっちも嫌だ・・・どうすれば・・・・)

ゆり「ああ遊佐さん、音無くんが『はないちもんめ』をとったら音無くんと直井くんはデキてるって情報を流してね。全校に」

遊佐「了解しました」

音無「『だるころ』で」

日向「よっしゃ音無とったああああ!!」

直井「えーっ!音無すぁーん!!」

ゆり「音無くんが参加するんだから、もちろんあなたも参加するわよね?」

直井「フン・・・こうなったら僕が『DARUMA is Dead』と言ってやる・・・!」

日向「どうせお前には無理だろうけどな」

直井「誰に向かって言っている・・・僕は神だぞ。神は転ばない!!」

音無(ノリノリじゃねぇか・・・)

ゆり「さて、早速天使を誘ってきて、音無くん」

音無「また俺か・・・場所は?」

ゆり「ああ・・・考えてなかったわ。天使に都合のいい場所聞いてちょうだい」

音無「そんな適当でいいのかよ・・・」

ゆり「天使の警戒心を解くためでもあるんだから、いいのよ。親睦を深めたい、とでも言えばお人よしの天使さんはホイホイついてくるわ」

音無「だからそんな簡単にいくわけ・・・」

生徒会室

かなで「わかったわ」

音無「そりゃそうだよな、ゆりにも無理だったって伝え・・・」

音無「・・・え?今何て?」

かなで「参加する、と言ったのよ」

音無(ま、まさか1秒で了承を得られるとは・・・)

かなで「時と場所は?」

音無「あ、ああ・・・時間はこれから、場所はお前に任せるって・・・」

かなで「・・・そうね・・・グラウンドで待ってるよう伝えて」

音無「ちょ、ちょっと待った!」

かなで「?」

音無「何で参加するんだ!?」

かなで「おかしなことを言うのね・・・誘ってきたのはあなたの方じゃない?」

音無「それはそうだが・・・ゆりの罠なんじゃないか、とかもっと怪しんだり・・・」

かなで「? 『だるまさんがころんだ』のどこに罠が仕掛けられるの?」

音無「・・・・・・」

かなで「小学生以来だわ・・・腕が鈍ってないといいのだけれど」

音無(ああそうか・・・ゆり基準で考えていたが、普通『だるまさんがころんだ』と聞いてあんなゲスな作戦思いつかないよな・・・)


ゆり「ぶえっくしょーーーーん!!」

遊佐「風邪ですか、ゆりっぺさん?」

ゆり「うーん?誰かが噂でもしているのかしら」

野田「お、お、俺は別にななな何も考えてないぞ!?」

日向「誰も何も言ってねぇだろ」

遊佐「こちら遊佐です・・・はい。・・・はい。了解しました」ピッ

遊佐「・・・音無さんが交渉に成功、グラウンドに集合とのことです」

ゆり「グラウンドか・・・遊佐さんは屋上から、竹山くんは体育倉庫から監視よ」

遊佐「了解しました」

竹山「了解です。ですが僕のことはクラ

ゆり「よっし!今日こそ天使を倒し、神を見つけ・・・この世界を手に入れるのよ!!」

一同「おう!!!」

TK「Take it to the Lucky!!」

ゆり「あ、そうそう」

一同「・・・・・・」ピクッ

ゆり「・・・もう言いたいこと、わかるよな?」ニコッ

一同「・・・はい」

岩沢「え、何?」

ひさ子「いつもの死より恐ろしい罰ゲームだろ・・・ってお前やけに静かだったけど、ちゃんと話聞いてたんだろうな?」

岩沢「聞いてないよ。それより例の新曲のBメロについてなんd

ゴツンッ

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

グラウンド

日向「おっす音無、お勤めご苦労さん」

音無「お、みんな来たか・・・って岩沢どうしたんだ、そのたんこぶは」

岩沢「ステージ上で衝動を抑えられなくなったひさ子がギターで殴りかかってきた」

ひさ子「平然と嘘を付くな!そして何でこんなところまでギター持ってきてんだ!」

岩沢「あたしのハートは常にこいつとあるんだよ」

ゆり「はいはいそこまで。早速始めるわよ。・・・準備はいい?今日はいつものいざこざは忘れて楽しみましょうっ!」

かなで「・・・・・・」コクリ

ゆり(ハッ・・・まんまと罠にかかりやがったなァ・・・!)ニタァ

音無「かお、かお」

かなで「ところで、最初の鬼はどうするの」

ゆり「う~んそうね~誰かやりたい人は?」

日向「仕方ない、俺がやるよ」

野田「いや俺に任せろゆりっぺぇ!」

藤巻「何言ってんだ、俺からだろ」

ユイ「あたしやります!」

TK「I kiss you!」

オレガ・・・ワタシガ・・・イヤボクガ・・・

かなで「・・・・・・」ソワソワ

かなで「・・・ならあたしも

一同「どうぞどうぞ」ササッ

かなで「!?」

音無「っておい!!」

ゆり「じゃあ最初の鬼はてん・・・かなでちゃんからで!」

音無「待て待ておかしいだろ!」

ゆり「何よ。譲り合いの精神よ」

音無「ダチョウ倶楽部のあれじゃねぇか!仕組んでたな!?」

ゆり「うっさいわねぇ。本人が納得してるんだからいいでしょ」

かなで(これがかの有名なダチョウ倶楽部のお家芸なのね・・・)ドキドキ

音無(た、確かに嬉しそうだ・・・)

ゆり「で?グラウンドのどこでやるのよ?」

かなで「? グラウンドよ?」

ゆり「だからそのどこで・・・」

かなで「・・・・・・」スチャ

ゆり「・・・メ、メガホン・・・?」

かなで『テステス・・・』

日向「お、おいまさか・・・」

かなで『ここから・・・あっち端の木まで、よ』

一同「グラウンド全体!?」

かなで「あなたたちとやるなら妥当な長さじゃない?」

大山「ど、どうするのゆりっぺ?」

ゆり「面白い・・・乗ったわ!」

日向「マジかよ・・・」

直井「この学園は無駄にでかいからな・・・500m近くあるぞ・・・」

音無「気が遠くなるな・・・」

入江「ていうか、そんな先まで見えないじゃないでしょうか・・・」

かなで「双眼鏡も用意したわ。それに細かいジャッジは・・・この子たちに任せるわ」

ゆり「この子たち・・・?」

かなで「ガードスキル・・・『ハーモニクス』」ブォン

赤目1「・・・・・・」ドン!

赤目2「・・・・・・」ドン!!

赤目3「・・・・・・」ドン!!!

一同「」

音無「これは・・・かなでの分身を生み出す能力・・・」

赤目1「フフ・・・」ジリッ

ユイ「ひ、ひぃぃぃぃ!殺されるぅ!!」

ゆり「・・・椎名さん!」

椎名「・・・・・・」スッ

天使「大丈夫よ。この分身たちは『だるまさんがころんだ』のジャッジをするという強い意志の元に生まれた、『だるまさんがころんだ』のためだけの存在だから」

ゆり「は?」

赤目2「その通り・・・我らは『だるまさんがころんだ』を司る者・・・」

赤目3「ちょっとでも動いたら・・・」

赤目1「お仕置きね・・・」

一同「・・・・・」

日向「アホな分身だな」

かなで「じゃああたしは向こうに行くわね」

松下「いいのかゆりっぺ?どんどん天使ルールが追加されていくが・・・」

ゆり「・・・問題ないわ!受けてたつ!」

赤目1「フフ・・・そうこなくっちゃね」

赤目2「それじゃあ位置についてくれるかしら・・・」

赤目3「『はじめの一歩』、でスタートよ」

高松「ついに始まるんですね・・・」

ゆり「ええ・・・みんな、心してかかるように!!」

一同「・・・・・・」コクッ

赤目ズ「それでは、ゲーム・・・スタート!!!」

一同(オペレーション『だるま殺し』・・・スタート!!!)

一同「はじめのいっっっぽ!!!」バッ

音無(何やってんだろ俺たち・・・)

ターン1

かなで『だ~る~ま~・・・』

藤巻「よっしゃ行くぜぇ!!」ダッ

野田「うぉおおおおおお!!」ダッ

TK「Easy Come, Easy Go!!」ダッ

音無「やれや・・・うおっ!?」

ビュンッ

かなで『・・・がころんだ』クルッ

ピタッ

???「・・・・・・」ヒュォォォォ

赤目1「なっ・・・」

赤目2「もう・・・半分も距離を詰めた・・・!?」

ゆり「流石ね・・・!」

椎名「あさはかなり・・・」ドン

一同「椎名っち!!」

直井「化け物か・・・!」

ひさ子「椎名っちはえー・・・」

関根「早速うまくいきそうですね!!」

椎名「・・・・・・」

赤目3「しかも微動だにしない・・・!」

日向「こりゃ次で天使の背後をとるぞ!」

野田「俺の出番が・・・」

大山「セリフ言いたかったな・・・でも椎名さんには敵わないか・・・」

ゆり「そうね。流石我が戦線きっての・・・」

音無「いや・・・駄目じゃないか、これ?」

ゆり「え?」

ターン2

かなで『だ~~~~るま~~~・・・』

日向「何が駄目なんだ音無?」

音無「これは、かな・・・天使を油断させて四方を囲むって作戦なんだろ?」

ゆり「そうよ?」

藤巻「何が言いてぇんだ?今まさにそれが達成されようと・・・」

音無「いや・・・まだ『横』に誰もいないじゃん・・・」

一同「・・・・・・」

一同(あっ・・・)


かなで『・・・がころん

椎名「だるまいずでっど・・・だるまを殺す」ピタッ

ゆり「椎名さぁーん!!」

高松「聞こえていないようですね」

日向「つかもう遅ぇ!短剣を突きつけてる!」

大山「でも椎名さんの身体能力があれば、天使を倒せちゃうんじゃない?」

ゆり「いや・・・」

藤巻「おお!突き刺したぜ!?」

直井「普通に横にかわされたな」

ひさ子「・・・あれは何をしてるんだ?」

入江「短剣が木に刺さって抜けないんじゃ・・・」

関根「あ、逆に後ろからやられた」

松下「天使が椎名を担いで戻ってくるぞ」

音無「・・・・・・」

ユイ「戦線きってのアホですね」

かなで「・・・これはどういうこと?」

ゆり「椎名さんは『だるころ』初めてでルールがよくわからなかったみたい!背後から鬼をブッ刺したら勝ちと勘違いしちゃったのね!」

音無「物騒なゲームだな・・・」

椎名「あさはかだったなり・・・」

ゆり「あたしに免じて今回は大目にみてあげて!お願い!」

かなで「仕方ないわね・・・じゃああなたはアウトということで」スッ

椎名「・・・なんだこの手は?」

かなで「アウトになったら鬼と手をつないで捕虜となるのよ」

椎名「捕虜だと・・・!?私は何も吐かん!!殺せ!!」

日向「そんなリアル捕虜じゃないですから・・・」

野田「やっぱりコイツ怖いぃーーーーっ!!」

赤目ズ「・・・・・・」

ターン3

日向「さて、椎名っちは天使と仲良く手を繋いで木まで向かったと」

ひさ子「異様な光景だったな・・・」

音無「別に向こうで繋げばいいのであってここから繋いで行く必要はないからな」

赤目1「・・・さぁ、再開よ」

赤目2「・・・・・・」

赤目3「・・・・・・」

音無(なんだ?こいつらさっきと様子が・・・っと、こっちに集中しねぇと・・・)

かなで『だ~る~ま~さ~ん~が~・・・ころんだ』

ピタッ

ゆり「・・・・・・」

赤目1「・・・・・・」ジロジロ

岩沢「・・・・・・」

赤目2「・・・・・・」ジロジロ

ひさ子「・・・おい、チェック時間長くねぇか?」

赤目2「それはあなたたちが決めることじゃないわ」

ひさ子「ああそうかい・・・」

赤目3「・・・・・・」ジロジロ

野田(ふん・・・分身どもめ・・・どんなに時間を取ろうとも俺は動かない・・・!!)

野田(この作戦でこそ!ゆりっぺにいい所をみせ

赤目3「ふぅっ・・・」

野田「あひゅんっ」ガクッ

かなで『野田くんアウト』

日向「何やってんだよ野田・・・」

野田「ちょっと待てぇーーーっ!!」

赤目3「さ、早く向こうに」

野田「ふざけるな!これは反則だろう!」

藤巻「何かあったのか?」

野田「耳ふぅ~って!耳ふぅ~ってしたぞこいつ!!」

音無「はぁ!?」

赤目3「さぁ?何のことかしら」

野田「こんの・・・!」

かなで「何かあったの?」スタスタ

野田「お前の分身が耳に息を吹きかけてきたんだ!!」

かなで「・・・本当?」

赤目3「やってないわ」シラッ

野田「こ、こいつ・・・!」

日向「まぁ落ち着けよ野田・・・むしろ天使の横を取れるんだ、これはこれで大役だぞ?」ボソッ

野田「!」

ユイ「つーか耳に息吹きかけられて脱力ってかっこ悪いですね」

椎名「集中力が足りん」

野田「」

かなで「で?結局・・・」

野田「え、ええい!俺はアウトだ!!い、いやぁまいったぜ!!おっかしいなぁ!!『後はがんばれ』よ、お前たち!!」パチンッパチンッ

音無(ウインクまでしてわざとアウトになった感を出そうとしている・・・)

かなで「それじゃあ行くわよ」スッ

野田「な、何だこの手は・・・」

かなで「アウトになったら鬼と手をつないで捕虜となるのよ」

野田「そ、そんなことができるかぁ!!」

ゆり「早く行きなさい」

野田「・・・はい」

日向「おお・・・野田、天使、椎名っちが仲良く手を繋いで歩いていくぞ」

ひさ子「異様な光景だな・・・」

音無「だから別にここから繋いで行く必要はないからな・・・」

赤目3「フフ・・・それじゃあゲームを再開するわよ・・・」

ゆり「・・・・・・」

ターン4

かなで『・・・がころんだ』

ピタッ

日向(しかし野田の言ったことが本当だとすると・・・)

赤目3「・・・・・・」ジロジロ

音無(こいつら、また何か仕掛けてくるんじゃ・・・)

赤目2「・・・・・・」ジロジロ

入江(動いちゃ駄目動いちゃ駄目・・・うわぁこっちきたぁ!)

赤目1「・・・・・・」

入江(動いちゃ駄目動いちゃ駄目動いちゃ・・・)

赤目1「・・・ねぇ、こんな話を知ってるかしら?」

入江「へっ?」

ヒュードロドロドロ・・・

お風呂に入って頭を洗っている時、「だる
まさんがころんだ」と口にしてはいけません。頭の中で考
えることも絶対にヤバイです。何故なら、前かがみで目を閉じて頭
を洗っている姿が「だるまさんがころんだ」で遊んでいるように見える
のに併せて、水場は霊を呼び易く、家の中でもキッチンやおふ
ろ場などは霊があつまる格好の場となるからです。さて、洗髪中に
いち度ならず、頭の中で何度か「だるまさんが
ころんだ」を反芻してしまったあなたは気付くでしょう。青じ
ろい顔の女が、背後から肩越しにあなたの横顔を血ば
しった目でじっとみつめていることに・・・。さて、あな
たは今からお風呂タイムですか? 何度も言いますが、
いけませんよ、「だるまさんがころんだ」だけは・・・


入江「きゃぁぁああああああ!!!」ダキッ

関根「ちょっ・・・どわぁ!!」バタッ

かなで『入江さん関根さんアウト』

赤目1「はい2人脱落ね」

入江「ふぇぇぇ怖いよしおり~ん!」

関根「おーよしよし・・・って今のは完全に反則だろ!!」

赤目1「独り言を言ってただけよ」

関根「そっちのもう1人が『ヒュードロドロドロ』とか言って思いっきり雰囲気作りしてただろうが!!」

赤目2「~♪」ヒュー

入江「もうどうしてくれるんですかぁ!夜お風呂に入るとき絶対思い出しちゃいますよぅ!!」

関根「わかったわかった、一緒に入ってやるから・・・」

ひさ子「可愛そうに・・・」

ゆり「・・・で?今のはジャッジの度合いを越えてるんじゃない?」

赤目3「・・・・・・」

かなで「今度はどうしたの?」スタスタ

ゆり「こいつら、わざとあたしたちを妨害して動かそうとしたのよ」

かなで「! ならさっきの耳に息を吹きかけたっていうのも・・・」

赤目1「・・・本当だとしたら?」

ゆり「茶番ね。分身を解いてちょうだい。ゲーム終了よ」

かなで「・・・わかったわ・・・あたしの分身がご迷惑を・・・あら?」

音無「どうしたんだ?」

かなで「・・・ガードスキル・・・『アブソーブ』」

シーン

かなで「ガードスキル・・・『アブソーブ』・・・!」

シーン

かなで「ガードスキルが発動しない・・・」

一同「えええええええ!!?」

赤目ズ「・・・・・・」ニヤリ

直井「おいおいどうなっているんだ!」

かなで「・・・・・・!」

赤目1「いくらがんばっても無駄よ」

かなで「!」

赤目2「あたしたちも同時にアブソーブを発動することで効果を打ち消しあっているのよ」

大山「そんなことが!?」

かなで「・・・何が目的なの」

赤目3「フフフ・・・決まってるじゃない・・・」ギラッ・・・

一同「・・・・・・っ!!」ゴクリ

赤目3「『だるまさんがころんだ』よ・・・!」

一同「・・・・・・」

一同(は?)

赤目3「あたしたちは『だるまさんがころんだ』をするという強い意思の元に生まれた」

赤目2「そしてそれはまだ達成されていない」

赤目1「あたしたちを消したいのなら・・・終わらせてみせなさい、このゲームを!」ドン

ゆり「シリアスな雰囲気の割にアホな内容ね・・・」

音無「お前どんだけ『だるまさんがころんだ』したかったんだよ・・・」

かなで「お恥ずかしいわ・・・」

藤巻「はっ・・・こんな訳の分らん分身に囲まれて『だるころ』ができるか。俺は寮に帰らせてもらうぜぇ」

日向「お前それって死亡フラグじゃ

ズブシュ

赤目1「途中で降りることは・・・許さないわ」

藤巻「」

一同「藤巻ぃぃーーー!?」

ゆり「みんな!臨戦態勢に・・・」

赤目2「止めておいた方がいいわよ」

赤目3「あたしたち分身もガードスキルが使えること・・・忘れていないわよね?」

ゆり「くっ・・・抵抗すれば分身を増やして応戦すると・・・!」

赤目1「そういうこと」

ゆり(ならわざと『溜め』を長くして鬼にタッチすればいいわ)チラッ

かなで「・・・・・・」コクン

赤目3「そうはいかないわ。ガードスキル『ハーモニクス』」ブォン

一同「!?」

赤目4「フフ・・・」

ゆり「なっ・・・新しい分身を生み出した!?そいつでいったい・・・」

赤目4「あたしは『だるまさんがころんだ』の鬼をするためだけに生み出された存在・・・!!」ドン

一同「・・・・・・」

赤目4「ここからはあたしが鬼よ。あなたは子として参加してもらうわ」

かなで「はぁ」

日向「・・・どうすんだゆりっぺ」

ゆり「アホらしいけどやらなきゃいけないみたいね・・・もう作戦どころじゃなくなっちゃったじゃない・・・」

赤目4「行くわよ。藤巻くんも捕虜にしておくわ」

関根「岩沢さん・・・頑張ってください!」

入江「よろしくお願いします!」

岩沢「ああ、後は任せろ」

ひさ子「ギター担ぎながらよくやるよ・・・」

赤目3「あなたたちの誰かが鬼までたどり着けたら、あなたたちの勝ち・・・」

赤目2「全滅したら、また最初からよ・・・」

音無「鬼にたどり着くまでやるのか!?また500m地点から!?」

赤目1「いいじゃない、時間は無限にあるのだから・・・さぁ、ゲーム・スタート!!」

ターン5

赤目4『だ~~~~~る~~~~~ま~~~~~』

ゆり「みんな!いくわよ!!」ダッ

一同「おう!!」ダッ

日向「いつまでもこんなことやってるわけにはいかねぇしな!」

赤目4『さ~~~~~~~』

高松「随分ゆっくりですね・・・今のうちに距離を詰めましょう!」

大山「よ~~し!」ダダダ

赤目4『んがころん!!・・・』

大山「おっと・・・ってまだいけ・・・」

赤目4『だ!!』

大山「ええ!?う、うわぁ!?」バタッ

赤目4『大山くんアウト』

一同(アウトのなり方も普通だ・・・)

大山「うう・・・みんな頑張って・・・」

ゆり(鬼のフェイントにも注意ね・・・天使のように馬鹿正直にはこない・・・)

ひさ子(そしてここからが鬼門の・・・)

ユイ(ジャッジタイム・・・!)

赤目1「・・・・・・」ジロジロ

松下「・・・・・・」

赤目2「・・・・・・」ジロジロ

直井「フン・・・」

赤目3「・・・・・・」ジッ

TK「・・・・・・」

赤目3「・・・・・・」スッ

音無(ラ、ラジカセ!?いつの間に!?)

日向(狙いはTKか!?)

赤目3「・・・・・・」カチッ

デンデンデンデケデンデンッ デケデンデンッ

TK「・・・・・・」ピクッ

岩沢(この曲は・・・)

ひさ子(マイケル・ジャクソンの・・・!)

ゆり(Smooth Criminal!)

TK「・・・・・・」ウズウズ

ゆり(た、耐えるのよTK・・・!!)

ラジカセ<Aaou!!

TK「Annie Are You Ok!」ズンチャッ

一同「」

赤目4『TKアウト』

TK「Don’t Stop Dancin’!」

ゆり「馬鹿!!ストップダンシン!!馬鹿!!」

ユイ「キング・オブ・ポップなら仕方ないですよ」

日向「何がだよ・・・」

赤目3「フフフ・・・次いくわよ?」

松下「1人1人に狙いを定めてくる気か・・・」

直井「フン・・・足を引っ張るなよ愚民ども・・・もちろん音無さんは気高き貴族ですが!」

かなで「あたしが最後まで残れば問題ないわ」

音無「いや、早い段階で誰か1人にしちまったらそいつが狙われる回数が増える・・・俺たちも簡単にやられる訳にはいかない」

ゆり「ええ・・・ただあたしたちの弱点はアホなこと!そこを突かれるとまずいわね・・・」

ひさ子「リーダーが言うなよ・・・」

ターン6

赤目4『・・・・・・ころんだ!!』

ピタッ

ゆり(さて・・・今度は誰を・・・)

赤目2「重そうね」スッ

岩沢「!!」

ユイ(い、岩沢先輩のギターが!)

赤目2「・・・・・・」ジャーン ジャーン

日向(あ、煽ってやがる・・・)

岩沢「・・・・・・」

ひさ子(い、いいぞ岩沢・・・そのまま大人しく・・・)

赤目2「まだだぁ~れも~~~~」ジャーン

一同「!?」

かなで「」

赤目2「よるのなかいまは~~ただぁ~~~」ジャジャーン

音無「こ、これは・・・なかなか・・・」

日向「ああ・・・ゆりっぺといい勝負だぜ・・・」

ゆり「ああん!?何か言ったか!?」

かなで「あ、あたしはもっとうまいわよ。分身したことにより歌唱力が分散したのね」

音無「そういうことにしとくよ・・・」

岩沢「・・・・・・」

ひさ子「は、はは・・・これもお前に言わせればロックってもんだろ?」

岩沢「・・・るな・・・」

ひさ子「え?」

岩沢「それに・・・触るなぁぁーーーーーーっ!!!」バッ

ひさ子「」ガクッ

赤目4『岩沢さんひさ子さんアウト』

ゆり「ひさ子さんあなたまで・・・」

ひさ子「ワリぃ・・・力抜けちまって・・・」

岩沢「何やってんだひさ子、捕虜だってさ。行くぞ」

音無「ギターを取り戻して満足そうだな・・・」

日向「まぁあいつが生き残るとは思ってなかったよ・・・」

ゆり「にしてもガルデモ全滅か・・・」

ユイ「いやいやまだあたしがいますって!」

ゆり「・・・全滅か・・・」

ユイ「どういう意味じゃコラァ!!」

赤目2「さぁ再開よ」

ターン7

赤目4『・・・ろんだ!!』

ピタッ

ゆり(1回平均30~40m・・・ようやく半分か)

赤目1「・・・さっきからずっと気になっていたのだけれど」

高松「はい、なんでしょうか」

赤目1「・・・どうしてあなたは上半身裸なの」

高松「こうやってポーズをとっている方が集中できるんです」ムキッ

赤目1「・・・・・・」

音無(もうみんな突っ込まなくなったな・・・)

一同「・・・・・・」

高松「・・・・・・」

赤目1「・・・・・・」ジッ

一同「・・・・・・」

高松「・・・・・・」

赤目1「・・・・・・」ジッ

一同「・・・・・・」

高松「・・・・・・」

赤目1「・・・すごい筋肉ね」

高松「!? わ、わかりますか!!」

赤目1「ええ」

高松「は、始めて私の筋肉を褒めてくれる人が・・・」

赤目1「特に大胸筋がすごいと思うわ」

高松「フフ・・・これは私独自のベンチプレストレーニングで・・・」ウンタラカンタラ

赤目1「なるほどね・・・こんなにすごい大胸筋なら、『あれ』もできるんじゃないの?」

高松「『あれ』ですね・・・もちろんできますとも!!」

ピクピク

赤目4『高松くんアウト』

高松「し、しまった!!!」

一同「」

高松「ま、待ってください!!筋肉の僅かな脈動など、生命活動に付随する動きはセーフなのでは!?」

赤目1「意識的に、はっきり動かしていたでしょう」

高松「くっ・・・まさかこの肉体が仇となるとは・・・」

ゆり「それよりも馬鹿な脳みそが仇だわ」

直井「本当にお前の組織には馬鹿しかいないんだな・・・もちろん音無さん以外ですが!」

ユイ「確実に1人ずつ落とされていきますね・・・次はあたしなんじゃ・・・」

松下「うろたえるでない」ドン

音無「松下五段・・・」

松下「心頭滅却すれば火もまた涼し・・・冷静さを欠けば奴らの思う壺だ」

日向「さっすが松下五段だぜ!」

ターン8

赤目4『だ~~~る~~~』

ユイ「感動した!確かにびびっても仕方ない!行くぞひなっち先輩!」ダッ

日向「ちょっ・・・引っ張るなよ!?」

ユイ「なら置いていっちゃいますよ!オラオラオラァ!」ダダダ

日向「おいおいそんなに走ったら・・・」

ユイ「あ」コケッ

ズサー

赤目4『・・・がころんだ!!』

ピタッ

ユイ「うおおぅ・・・危なかった・・・」

赤目3「・・・・・・」ジッ

ユイ「な、なんだ!?転んだのは数え終わる前だったからセーフだろ!?」

赤目3「確かにセーフだけれど・・・」

ユイ「?」

赤目3「スカートがめくれてパンツ丸見えよ」

ユイ「・・・・・・」

ユイ「~~~~っ!!??」

赤目4『松下くんアウト』

ユイ「ってあれ?何で松下先輩が?」

松下「後は頑張れよ、お前たち」ドクドク

音無「煩悩まみれじゃねぇか・・・」

ユイ「さ、さっさと始めろやゴラァ!!」

赤目3「・・・・・・」シレッ

ユイ「この・・・ってちょっとひなっち先輩!ここぞとばかりに凝視してたりなんか・・・!」

日向「してねぇよ。こうなることは予想できたからな、目つぶってるから安心しろ」

ユイ「あ、そうですか」

日向「・・・・・・」

ユイ「・・・・・・」

日向「ふぁ・・・眠ぃ」

ユイ「・・・・・・」

日向「なぁさっさと始めてくんn

ユイ「少しは見ろやこのボケェ!!!」ドゴォ

日向「なんでっ!?」

赤目4『ユイ、日向くんアウト』

ユイ「ひなっち先輩の馬鹿!アホ!難聴鈍感系主人公!」ギリギリ

日向「あがががが・・・な、何切れてんだテメェ!そして最後何だって!?」

ユイ「そこは普通見るだろーが!!」

日向「知るかぁ!テメェの貧相なケツになんか興味ねぇんだよ!!」

ユイ「んだとぉ!?これから張ってくるんじゃい!!」

赤目3「喧嘩なら後にして。あなたたちはアウトよ」

日向「くそっ、またこいつのせいで・・・後は頼んだぜ音無・・・!」

音無「あ、ああ・・・」

ゆり「はぁ・・・これで一気に・・・」

赤目1「残り4人ね」

直井「フン・・・」

かなで「・・・・・・」

ターン9

赤目4『・・・がころんだ!!』

ピタッ

赤目2「・・・・・・」ジロジロ

直井「しつこいな。僕は何をされても動かないぞ」

直井(・・・いや待てよ。催眠術でこいつを操ってしまえば・・・!)ギンッ

赤目2「!」

直井「貴様は今から『僕の分身』だ・・・!」ボソボソ

赤目2「・・・!!・・・・・・」トローン

直井(くくく・・・この調子で全員洗脳していけば、大手柄だ・・・音無さんに褒めてもらえるぞ!)

ターン10

赤目4『~~~~んだ!!』

ピタッ

赤目3「・・・・・・」スタスタ

直井(きたな・・・!)

赤目3「・・・・・・」ジロジロ

直井(次は貴様だ・・・!僕のコマとな

赤目2「おっとなっしさぁ~~~ん///」ダキッ

音無「!?」

直井「!?」

かなで「!?」

ゆり「・・・・・・」

赤目2「~~♪」ギュー

音無「な、何がどうなって・・・っ!?」

直井「き、貴様何をやっている!?音無さんから離れろ!!」ダダダ

赤目2「貴様に命令される筋合いはないわ、この愚民。さぁ音無さん、こんな奴らほっといてあたしと『はないちもんめ』でもしにいきましょう?」

直井「2人でどうやってやるんだ馬鹿か!!いいから離れろ!!」グイグイ

赤目2「ええい触るな汚らわしい!!・・・フフ、こんなときまで動こうとしないなんて素敵です音無さん・・・」

直井「貴様それ以上音無さんに

ズブシュ

赤目1「・・・・・・」

直井「」バタリ

赤目2「ハッ・・・」

赤目4『直井くんアウト』

赤目2「あたしはいったい・・・」

赤目1「どうやらこいつの催眠術にかかっていたようね」

赤目2「くっ・・・あたしとしたことが・・・」

音無「と、とりあえず離れてくれないか?」テレッ

赤目2「! っ・・・」バッ

音無「あの・・・」

赤目2「か、勘違いしないで・・・これはあたしの意思でやったんじゃないわ」フイッ

音無「あ、ああ・・・」

赤目2「つ、次いくわよ」

音無「はぁ・・・まったく直井は・・・ってどうかしたか?」

かなで「・・・別に」ブスッ

ゆり(どいつもこいつもいちゃつきやがって・・・)イラッ

ターン11

赤目4『だ~~~る~~~~』

ゆり「鬼まであと100mを切ったわ!一気に攻め込むわよ!!」

音無「ああ!」

かなで「・・・・・・」

日向「おお!音無たちがあんなに近くまで!」

野田「ゆりっぺ!!俺はここだぁ!!俺の胸に飛び込んでこぉい!!」

TK「Come on Everybody!!」

ゆり(仲間の前で恥を晒すわけにはいかない・・・あたしが決める!)

赤目1「・・・・・・」

赤目4『~~ん~~~~~~~~~だ』

ピタッ

ゆり「今回はいつも以上にゆっくりだったわね・・・もう観念したのかしら?」

赤目3「そうね・・・お腹が空いてきちゃって」

赤目2「何かあったかしら」

赤目1「いい匂いのこれがあるわよ」スッ

ゆり「い゛っ!?」

音無「そ、それは・・・納豆!?」

赤目1「フフフ・・・」

ゆり「ちょっ・・・こっちこないで!」

赤目1「ほら、開けるわよ」

ぷ~ん

ゆり「う゛うっ」

赤目1「よくかき混ぜないとね」ネバネバ

ゆり「ぐおおおおお・・・」

ゆり(くっそ・・・走った後だから余計に・・・ゆっくりカウントしていたのは罠だったか・・・!)

直井「・・・お前んとこの無能なリーダーは何をやっているんだ」

日向「おお復活したか・・・ゆりっぺは納豆が大大大ッ嫌いなんだよ・・・」

大山「昔僕と日向くんの友情の納豆も窓から放り捨てられちゃったっけ・・・」

直井「何だそれは」

赤目1「・・・・・・」パクパク

ゆり「ぐぎぎぎぎ・・・」

赤目1「・・・・・・」ネバネバ

ゆり「ふぬぬぬぬ・・・」

ゆり(負けるもんですか・・・!絶対納豆なんかに・・・負けたりしない!)キッ

赤目1「・・・ごちそうさま」フキフキ

ゆり(勝っ・・・!!)

赤目2「もう1パックあるわよ」ネバネバ

ゆり「げげごぼぅおえっ」

一同「」

赤目4『仲村ゆりアウト』

音無「いいから誰かエチケット袋を!!」

ゆり「あなたげげごぼ・・・覚えておきなぅおえっ・・・」

音無「吐くかしゃべるかどっちかにしろよ・・・お前らもやりすぎだぞ!」

赤目3「好き嫌いするのが悪いのよ・・・そうでしょう?」

かなで「・・・それでも、嫌いなものを押し付けるのは悪趣味だわ」

赤目2「そう・・・なら、好きなものならどうかしら・・・」

かなで「・・・?」

ゆり「音無くん、後は頼ぅおえっ」

音無「わかったわかったもうしゃべるな・・・」

ターン12

音無(さっきのターンでだいぶ鬼に近づいた・・・もう普通の『だるまさんがころんだ』の距離!!だが・・・)

赤目4「だるまさんがころんだ!」

ピタッ

音無(やはりそう簡単には進ませてくれないか・・・!)

日向「いいぞ音無!もう少しだ!」

ひさ子「天使もあと2回くらいで到達するんじゃねぇか!?」

かなで「とらえたわ・・・!」

ユイ「『だるまさんがころんだ』やってるとは思えないセリフっすね」

赤目1「フフフフ・・・」

かなで「・・・何がおかしいの?」

赤目1「甘い・・・あなたは甘いのよ・・・もう少し・・・『これ』を見習いなさい!!」スッ

かなで「!!」

赤目1「そう・・・この激辛麻婆豆腐をね・・・!」

かなで「・・・それをどうする気」

赤目2「麻婆豆腐をどうするか?決まってるじゃない」

赤目3「食べるのよ」ドン

かなで「」

赤目1「はいあーん」

赤目2「・・・うまいわ」モグモグ

赤目3「やっぱり疲れたときはこれね」モグモグ

かなで「・・・・・・」

音無「か、かなで!釣られちゃ駄目だ!これが終わったらいくらでも奢ってやる!だから今は我慢するんだ!!」

赤目1「そう言うと思ったわ・・・でも残念。今日の学食のマーボーはこれでお終いなのよ!!」

かなで「!?」

音無(もう何なんだよこれ・・・)

赤目1「でもあたしたちはあなたの分身・・・」

赤目2「あなたのマーボーへの思いはあたしたちが一番よく理解してる」

赤目3「だから・・・あたしたちに勝てたら、この残ったマーボーをあげるわ」

かなで「!!」

赤目1「さぁ・・・ターン13!いくわよ!マーボーを賭けて!」

かなで「・・・・・・」ゴゴゴゴゴ

入江「ひ、ひぃっ!?」

関根「なんかすごいオーラが!」

音無(すごい集中力だ・・・これならいけるぞ!墓穴を掘ったな!)

ダルマサンガッ

かなで「・・・!」バッ

コロンダッ!!

かなで「・・・・・・!!」ビタッ

日向「・・・惜しい!あと数センチ届かない!!」

ユイ「でも次で確実に!!」

直井「やっと終わるのか・・・!」

TK「Knockin' on heaven's door…」

かなで(もらっ・・・)

赤目1「そういえばあなたにあげるのを忘れていたわね」

赤目4「ひどいわ。やけ食いよ」パクパクパクパクパク

一同「」

音無「」

かなで「    」

ガクッ・・・

音無「か、かなで・・・」

赤目4「ご馳走様・・・そしてかなで、アウトよ」

大山「あの天使が・・・負けた!?」

ゆり「あの天使だから負けたというか・・・おえっ・・・」

日向「大丈夫かよ・・・」

赤目1「フフフ・・・さて・・・」

ゆり「残るは・・・」

一同(音無1人!!!!)ドン

音無(帰りたい・・・)

ターン14

赤目4「いくわよ・・・」

音無(くそっ・・・集中だ・・・ここまできて最初からなんてやってられるか!それに・・・)

直井「音無すぁーん!頑張ってくださぁい!!」

日向「お前に全てを託すぞ音無ー!」

野田「負けたら承知しないぞぉ!!」

ひさ子「頼んだー!」

ゆり「げげごぼぅおえっ・・・」

音無(早くゆりを保健室に連れて行ってやりたい!)

かなで「」ボー

音無(かなでには明日たらふく麻婆豆腐を食わせてやろう・・・)

赤目4「だるまさんがころんだ!」

音無「・・・っ!」ザンッ

ターン15

赤目4「だるまさんがころんだ!」

音無「っと!」ビタッ

ターン16

赤目4「だるまさんがころんだ!!」

音無「ふっ!!」ビタッ

日向「すげぇ!一糸乱れぬ攻防戦だ!」

岩沢「でもなんか馬鹿っぽいな」

ひさ子「それを言うな・・・あたしたちのために頑張ってんだから・・・」

高松「そういえば・・・分身の邪魔が入りませんね」

赤目2「さ、最後くらい真剣勝負にしてあげるわ。どうせ勝つのはあたしたちだけど」

日向「あれ?なんかこっちは攻略されてるぞ・・・」

赤目ズ(必死に『だるまさんがころんだ』をする姿・・・素敵・・・)

ターン20

赤目4「だるmさんgころnだ!!」

ビタッ

赤目4「はぁ・・・はぁ・・・(もう呂律が・・・)」

音無「ハァ・・・ハァ・・・(くそっ・・・足が・・・)」

野田「何をやっているんだ音無!!手を伸ばせば・・・!!」

松下「いや・・・お互いもう限界のようだな・・・」

日向「ああ・・・音無は足がもう限界だ。次に天使が言い切る前にタッチできれば勝ち・・・」

藤巻「先に言い切られちまうと音無の足が崩れ落ち負けか・・・」

大山「ねぇ・・・!どうにかしてあげられないの・・・!?もう見てられないよ!」

直井「黙れ・・・!一番つらいのは音無さんなんだぞ・・・!信じるんだ・・・!」

高松「その通りです・・・信じましょう、音無さんを!!」

TK「Just One Victory…!」

ユイ「何なんスかねこの状況」

関根(がんばれ・・・!)

入江(音無先輩・・・!)

ひさ子(頼んだ・・・!)

岩沢(さぁどうなる・・・)

赤目4「いくわよ・・・!」ザッ

音無「・・・こい!」グッ

ゆり「音無くん・・・!」

椎名「いけ・・・!」

かなで「結弦・・・!」

赤目4「だるm ゲプッ

音無「」ズルッ

一同「」ズルッ

赤目ズ「」

赤目4「あ、あらごめんなさい」

ゆり「この緊張の一瞬でげっぷなんかするなぁーーーーーーっ!!!」

赤目4「せ、生理現象よ。仕方がないわ。それより吐き気は・・・」

ゆり「んなもん吹っ飛んだわ!!」

かなで「マーボー一気食いなんてするからよ・・・!」

野田「勝敗はどうなったんだ!?」

音無「と、とりあえず靴にはタッチしてるけど・・・」

ユイ「天使は言い切ってないから・・・」

大山「音無くんの勝ちだーーーっ!!!」

日向「いよっしゃあ!!胴上げだーーーーっ!!!」バッ

音無「う、うわぁぁぁああ!?」

一同「いやっほーーーぅ!!!ばんざーーーい!!!」

ゆり「釈然としねぇーーーーーーっ!!!」

バンザーイ! ウンガー! ワーワー・・・

赤目1「・・・あたしたちの負けね」

赤目4「・・・ごめんなさい・・・あたしのせいで」

赤目2「いいのよ。それに・・・」

赤目3「お祭りみたいで・・・楽しかったな・・・」

赤目ズ「・・・・・・」ニコッ・・・

赤目1「・・・あれ・・・?あたしたち・・・消えるのk

かなで「早く消えて。『アブソーブ』」シュン

赤目ズ「ちょっ

かなで(もう絶対にこのスキルは使わないわ・・・)

音無(たしかに今回の一番の被害者はかなでだな・・・)

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

後日

ゆり「『だるまさんの一日』をするわよ」

直井「何だそれは」

高松「『だるまさんがころんだ』の応用バージョンですね」

ゆり「ええ・・・鬼が『だるまさんがころんだ』の代わりに『だるまさんが車を運転した』のような指示を出すのよ。そして子はその動作を真似するの」

日向「!! まさかゆりっぺ・・・!」

ゆり「そのまさかよ!!今度はあたしたちが鬼になって『だるまさんが神を呼んだ』って言うのよ!!」

藤巻「天使はまんまと神を呼び出しちまうってわけか!!」

野田「天才かゆりっぺぇ!!」

ユイ「よっしゃあ!いくぞお前らぁ!!」

一同「おおう!!!」

音無「いい加減にしろぉ!!」

椎名「あさはかなり・・・」


終わり

読んでくれた方ありがとうございます
ABゲーム化がやっと正式に決まってめちゃくちゃ嬉しい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月05日 (土) 04:02:28   ID: yAu2v0SR

フルーツバスケットと同じ人っぽい?
この人の見やすくていいなぁ

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