まどか「1回10枚でいいよ」(154)

ほむら「まどか。今日もまたお願いしていいかしら」

まどか「もちろんだよ!」

ほむら「ありがとう」

まどか「でもその前に、いつも通りお金は前払いしてね」

ほむら「ええ。分かっているわ。はい、どうぞ」

まどか「ありがとー! ほむらちゃんだーい好き!」

ほむら「……えへへ」

まどか「うらっしゃあああああああ!!!!!!!!」


ほむら「ほむうっ!!!!!!!!!!!」

まどか「はい、今日はここまで」

ほむら「ありがとう、まどか。気持ちよかったわ」ホムー

ほむら「え?さやか?誰?」
マミ「さやかさん?どちらさまかしら?」
まどか「知らないよ…そんなひと…」
杏子「ん?なんだそれ?食えんのか?」

1時間半後


ほむら「今日もとってもよかったわ……」

まどか「またいつでもどうぞ!」

ほむら「あ、あの……」

まどか「どうしたのほむらちゃん? 言いたいことがあるなら何でも言って欲しいな」

ほむら「今度はお金抜きで……」

まどか「は?」

ほむら「……やっぱりなんでもないわ」

まどか「そう? ならいいんだけど」

まどか「ね、ほむらちゃん。勘違いしないで欲しいから釘を刺しておくね」

ほむら「……」

まどか「わたし、お金を貰いさえすれば誰とでも寝るわけじゃないよ。
      相手がほむらちゃんだから、こういうことができるの」

ほむら「私だから……」

まどか「そう! ほむらちゃんは特別だから、10万でこういうことをしてあげるの」

ほむら(そうだったのね……。私はまどかの特別になれていたんだ)

ほむら「ごめんなさいまどか。私、今でも十分幸せな筈なのに、欲張ったりなんかして……」

まどか「いいよいいよ! それよりまた一緒にしようね?」

ほむら「ええ」

まどか「それじゃあほむらちゃん。わたしちょっと用事があるから、これで」

ほむら「用事?」

まどか「うん。とっても大事な用事なの」

ほむら「それなら仕方ないわね」

まどか「ごめんね。今日は本当にありがとう」

ほむら「こちらこそ、とっても幸せだったわ」

まどか「じゃ、ばいばーい!」

ほむら「ええ、さようなら」

まどか「まみさぁーん!」

マミ「あら、鹿目さん」

まどか「こんにちは!」

マミ「ええ。こんにちは」

まどか「今日もまた……、いいですか?」

マミ「もちろん。私でよければいつだって」

まどか「ありがとうございます! あ、これお礼です」

2時間後


まどか「ふうっ……」

マミ「汗まみれね。はい、タオル」

まどか「ありがとうございます!」

マミ「それにしても……」

まどか「??」

マミ「お金の方は大丈夫なの? 結構出費も馬鹿にならないんじゃ」

まどか「わたし達2人の幸せな時間のためですもん! 問題ないです!」

マミ「それならいいのだけど・……」

まどか「それにしても、なんだかんだで大分お金がたまってきたなぁ」

まどか「そろそろ……、かな」

まどか「ほむらちゃーん!」

ほむら「まどか? ごめんなさい、今日はお金が……」

まどか「ううん、今日は違う用事があるの」

ほむら「えっ?」

まどか「はい、これ」

ほむら「……アパートの資料? どうしてこんなものを」

まどか「一緒に暮らそう、ほむらちゃん」

ほむら「ええっ!?」

まどか「嫌だった?」

ほむら「そ、そんなことない! だけど、えっと……」

まどか「ああ。物件選びはマミさんに協力してもらったんだよ。
      マミさんは1人暮らしで、そういうことにはわたしより詳しそうだから」

ほむら「そうじゃなくって……、まどかは嫌じゃないの? 私と暮らすの」

まどか「言ったでしょ。わたしにとってほむらちゃんは特別だって」

ほむら「でも、どうして急に……」

まどか「急じゃないよ。10万円で寝始めた時からずっと考えてたことだもん」

ほむら「そうだったの!?」

まどか「うん。あのお金は全部手つかずなままとってあるから、
      当面の資金はそこから捻出しようね」

ほむら「まどかぁ……」

まどか「でもその代わり1つ条件!」

ほむら「条件?」

まどか「ほむらちゃん、わたしのことになるとお金遣いが荒くなるよね?」

ほむら「……」

まどか「だから家計の紐は全部私が握ります!」


                                   _

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   .厶イ   /{i:i:》;i:i:∧   ト,厶孑==      )i }!_::::/{;/  l/L::::⊥::::::|::::::::|
    ./   /i:i:i{i:∧;i/  ',   l´  、、、   、 ^ミメ!ん'`    |ハ::::/::`ヽ|::::::::|   ほむらちゃぁ~ん♪
    ′ ,/i:i∧i:}/   i{じヘ  |          、 、 |i;ン 》、__r=ァミメ、 /::::;i::::::::|
   /   // }i '   八ソ }   |       ` ー -   |_〃  {i 以i|}厶イ::::::::::|
    { /        {/{ >iハ  |              ノ '' ''  '  ヾ ヒツ _〃}::::::::::|
   i(,           rー-..ヽ ト             イ    ― 、'' ¨¨,, /イi ::::::::::|
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              ノ{_:/   /^⌒ゞ===7'ー‐┴‐‐` ¨¨  ̄ ¨¨¨`ヽ  }::::::::!:::}
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           〈i:i/            {i:i}__(              _丿::::::|::::}、
              》'            {i:i}___)ーァ…v,広777  ̄ ̄    i::::::::::|::::}::}

ほむら「えっ? じゃ、じゃあ、毎号の百合姫とワイルドローズと
      つぼみとひらりときららMAXとなかよしを買う費用は……」

まどか「そんなに雑誌買ってるの!?」

ほむら「……ええ」

まどか「まあ、それぐらいならいいか……」

ほむら「本当!?」

まどか「うん! その代わり、寝る度に10万円払う約束は継続だからね」

ほむら「全然構わないわ!」

ほむら(今日は同棲初日)

ほむら(なんだか緊張してきたわ……)

ほむら(そういえば、夜はどうするのかしら?)

ほむら(一緒の布団で寝るなんてことになったらどうしましょう!)

まどか「ボーっとしてどうしたの、ほむらちゃん?」

ほむら「い、いえ、なんでもないわ!」

まどか「そう……? ならいいんだけど」

ほむら(ああもう、何をしているのよ私は)

ほむら(今はとにかくまどかとの生活を堪能しましょう!)

まどか「ああー、それにしても暑いなぁ」パタパタパタ

ほむら(まどかっ!? そ、そんなに上着をぱたぱさせりなんかしたら……)

まどか「こうすると涼しいぃー」バッサバッサバッサ

ほむら(もう我慢できないわ……)

ほむら「まどか。昼間からであれなのだけど、今から……」

まどか「ん。いいよ」

ほむら「ありがとう」

まどか「その代わり、10枚は渡しだよ」

10枚は渡しだよ→×
10枚は先渡しだよ→○

ほむら(そろそろ日も落ちてきたわね……)

まどか「ね、ほむらちゃん」

ほむら「何かしら」

まどか「今日は一緒にお風呂入ろうね」

ほむら「いいいい一緒にお風呂ぉ!?」

ほむら(そんなことしたら、が、我慢しきれないわ……)

まどか「嫌だったかなぁ……?」

ほむら「いえ。構わないわ」

まどか「わっ、本当!? わーい!」

ほむら(でも誘いを拒めない自分が恨めしい)




まどか「一緒のお布団で寝ようねー!」

ほむら「ええ。か、構わないわ」

まどか「わたしね。何かをぎゅーっと抱きしめないと上手く寝付けないの……」

ほむら(そんなまどかが可愛いわ……)

まどか「だからほむらちゃんに抱きついて寝てもいいかなぁ?」

ほむら「問題ないわ」

まどか「本当!? ありがとうほむらちゃん!」

ほむら(お昼と、お風呂。今日はもう20万も使ってしまった)

ほむら(夜は頑張って耐えましょう……)

翌朝


ほむら(けっきょく昨日は30万も使ってしまったわ……)

ほむら(今日は頑張ってまどか断ちしなくては……)

まどか「ふわぁー。おはよー、ほむらちゃん」

ほむら「ええ。おは……、よ、う……?」

まどか「どうしたの??」

ほむら(ま、まま、まどか!?)

ほむら(どうしてそんなに着崩れているの!?)

ほむら(うっ。さ、鎖骨が色っぽい……)

ほむら(もう我慢できないわ……!)

まどか「ほむらちゃんったら、朝から激しいんだからー」

ほむら「だってあんまりまどかが可愛いから……」

まどか「ありがとう!」

ほむら(ああ、まどか。貴女はどうしてそんなに魅力的なの……)

まどか「あ、そうそう。キスは無料でいいよ」

ほむら「えっ!? ほ、本当!?」

まどか「うん。だってほむらちゃんはわたしのト・ク・ベ・ツ、だからね!」

ほむら「それなら……、さっそく今からキスしても……」

まどか「いいよー。はい、ちゅー」

ほむら(キスをしたら興奮してきて、けっきょくもう一度まどかと寝てしまったわ……)

ほむら(これでもう2日で50万円……)

ほむら(これはまずいわ……)

まどか「あ、そうそう。今日は用事があるからちょっとでかけるね」

ほむら「用事?」

まどか「うん!」

ほむら「私もついていっても……」

まどか「それは駄目」

ほむら「そう……。分かったわ。それなら留守番してるわね」

まどか「うん! わたし達のお家を守っててね!」

ほむら(わたし達のお家……)

ほむら(えへへ……)

まどか「はあっ、はあっ……」

まどか「こんなの大きすぎるよぉ……」

まどか「ただいまー」

ほむら「おかえりなさい」

まどか「ああ、疲れたぁー」

ほむら(汗に濡れたまどかがいつにもまして色っぽく見えるわ……)

ほむら(もう我慢できない……)

ほむら「まどか、今から一緒に―――」

まどか「ごめんね。今はちょっと疲れてるから、また後にしてくれるかな」

ほむら「そう。分かったわ……」

まどか「今着てる上の服を5万円で売ってあげるから、それで適当に発散しといてくれる?」

ほむら(5万!? なんてお買い得なのかしら!!)

ほむら「ふうっ……」

ほむら(まど服オナニーは気持ちいいわね……)

ほむら(でも私の体液がついてしまったから、このまど服の価値はほとんどなくなってしまったわ……)

ほむら(もっと大事に使えば良かったわね……)

1ヶ月後


ほむら(今月は1390万円もつかってしまったわ……)

ほむら(まどかが事あるごとに無防備な行動をとるものだから、つい制止がきかなくって……)

ほむら(昨夜なんて、寝ぼけながら私の指をしゃぶってきて……)

ほむら(その前の日も、お風呂で思い切り抱きついたりしてきたし……)

ほむら(天然すぎるのも罪ね)

マミさんに全額渡してるとは限らんだろ
てか関係が不明

まどか「おはようほむらちゃん!」

ほむら「おはよう、まどか」

まどか「今日はね。ほむらちゃんに見て欲しいものがあるの」

ほむら「……?」

まどか「はい、これ。土地付き一戸建ての資料!」

ほむら「どうしてこんなものを……?」

まどか「1ヶ月かけて探し回ったんだよ! どうせずっと2人で暮らすなら、
      もうはやいところ一軒家に移った方が早いと思ってね」

ほむら「ずっと……、2人で……?」

まどか「うん!」

ほむら「まどか……、そんなに、私のことを……」

まどか「2人暮らしにちょうどいいサイズとなると、逆になかなか見つからなくってねー。
      大きすぎても掃除が大変だし費用もかさむから……。いい候補を探すのに結構手間取っちゃった」

まどか「あ。お金は今月のベッド代があれば一括でいけそうだよ!」

まどか「それと、今度から寝る時のお金はただでいいよ」

ほむら「本当に!?」

まどか「うん! わたしのこと……、たくさん楽しんでね?」

ほむら(とうとう私の思いが通じたのね!!)

まどか「その代わりといってはなんだけど……」

ほむら「??」

まどか「ちょっと受取人わたし名義で保険に入ってくれないかなぁ?」

ほむら「保険に……?」

まどか「うん。何が起きるか分からない時代だから、わたし不安で……」

ほむら(まどか、小動物みたいに震えちゃって……)

ほむら(なんて可愛い……、いえ、可哀想なの)

ほむら「分かったわ。保険でもなんでも、好きなだけ入ってあげる!」

まどか「ありがとうほむらちゃん!」

>まどか「あ。お金は今月のベッド代があれば一括でいけそうだよ!」

>まどか「それと、今度から寝る時のお金はただでいいよ」

つまり今は月末なのか

70年後


ほむら「まどかのいなくなってしまった家は広すぎるわ……」

ほむら「あの時は綺麗だったこの家も、今ではあちこちガタがきている……」

ほむら「それでもね。リフォームする気になんてなれないのよ……」

ほむら「まどかとの思い出が詰まっているから……」

ほむら「まどか……、どうして先にいってしまったの……?」

ほむら「まだいっしょにいたかったよ……」

ほむら「……あら?」

ほむら「何かしら、この封筒は」

ほむら「手紙……?」

    , --‐―‐ 、
   /  「ニニニiヽ
   l i| |ノ/ノハノ))!
   | (| | ┰ ┰| |  結婚を申しほむ!
   | ハN、''' - ''ノN
  ノノ /,}| {.介} l_つ

  ((バCく_/_l_j_,ゝリ
       (__j__)  ヽヾ\
          丶____

           \三/   (
              ̄   (⌒
            ⌒Y⌒

「ほむらちゃんへ」

「この手紙に、わたしの罪を記しておきたいと思います」

「70年以上前。最初にほむらちゃんから10万円を貰った時」

「わたしはほむらちゃんのことを、体の良い金づるとしか見ていませんでした」

「一緒にアパートで暮らそう、なんて言ったのも、純粋に2人で暮らしたいからじゃない」

「色仕掛けをして、もっとハイペースでお金を集めるのが目的だった」

「懐かしいなあ、マミさんと一緒に物件を探しまわった、夏のあの日」

「暑くて、汗をたくさんかいちゃったっけ……」

「それからあと、一軒家を時は、更に暑さがひどかった」

「荒い息を吐きながら、色んな家を見て回ったなぁ」

「その頃には、わたしの気持ちは少し変わり始めてた」

「ほむらちゃんから更にお金を絞りとろうする自分がいる一方でね」

「だんだんほむらちゃんと寝ることが好きになり始めた自分もいたの」

「だから、さ」

「ほむらちゃんに飽きるまでは、一緒に暮らしてもいいかなって、そう考えた」

「保険をかけたのは、飽きてさよならする時に、まとまったお金を得るため」

「この時にベッド代をただにしたのは、わたし自身ほむらちゃんと寝たかったから」

「……だけどけっきょく、何年経っても、わたしはほむらちゃんに飽きることがなかった」

「それどころか、年月が経つ内に、ほむらちゃんのことがどんどん好きになっていって……」

「気がつけば死期も間近だっていうんだから、おかしな話だよね」

「これがわたしの罪です」

「生きている間になにもかも曝け出せなくてごめんね」

「それでも、この家で暮らし始めてからほむらちゃんにいった言葉は、全部本当だったよ」

「お金よりもっと大事なものを、わたしはほむらちゃんから貰い続けてたと思う」

「だから、ありがとう。わたしは幸せでした」

ほむら「まどか……」

からっぽの家に、少女の嗚咽が響き渡る
やがてその泣き声が止む瞬間
かわりに小さく、パリンと、ガラスか何かが弾けるような音がした

ほむら「……」

寸前まで泣き続けていた少女の身体には、今はもう力が入っておらず
ただぎゅっと、封筒と手紙を握りしめる右手の指だけが、かたくかたく握りしめられていた

はらりはらりと、10枚の紙幣が、封筒からこぼれ落ちた






おわり

              .,-'''''~~~ ̄ ̄~~''' - 、
 \      ,へ.人ゝ __,,.--──--.、_/              _,,..-一" ̄
   \  £. CO/ ̄            \       _,,..-" ̄   __,,,...--
      ∫  /         ,、.,、       |,,-¬ ̄   _...-¬ ̄
 乙   イ /    /   ._//ノ \丿    ..|__,,..-¬ ̄     __,.-一
      .人 | / ../-" ̄   ||   | 丿 /  ).  _,,..-─" ̄   ._,,,
 マ    .ゝ∨ / ||        " 丿/ノ--冖 ̄ __,,,,....-─¬ ̄
        ( \∨| "  t-¬,,...-一" ̄ __--¬ ̄
 ミ  ⊂-)\_)` -一二 ̄,,..=¬厂~~ (_,,/")

     .⊂--一'''''""|=|( 干. |=| |_      (/
   /  ( /      ∪.冫 干∪ 人 ` 、    `
 /      )         ノ '`--一`ヽ  冫
                 く..          /
                .  ト─-----イ |
                  ∪       ∪



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