日向「強くてニューゲーム」 (1000)

ダンガンロンパ2のネタバレあり

この日向は第5章までの記憶を引き継いでます

地の文あり

まったり更新

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380701157

5回目の裁判


左右田「日向が裏切り者だろ!」

七海「違う!日向くんは裏切り者なんかじゃ…」

日向「そうだ!俺が裏切り者だ!だから狛枝を殺したのは俺だな」

終里「日向てめぇ!」

ソニア「そんな……日向さんが……」

九頭龍「マジなのかよ日向……」

七海「だから日向くんは!」

日向「七海!お前は生きろ!」

七海「違う!私は未来機関の…」

モノクマ「うぷぷ、それじゃあ投票ターイム!」

モノクマ「クロは日向くんじゃありませんでしたのでクロ以外はオシオキされまーす」

七海「日向くんなんで!」

日向「…………じゃあな」

七海「……死なせない!日向くんは死なせない!」

モノクマ「うぷぷ、そんなの無理だよ」

七海「できるよ。日向くんだけの」




七海「wnj5joi76ti2jt@d6g」

……なんだ

頭がクラクラする……

そういやモノクマにオシオキされたんだっけ……

「ーーーだ!」

なんだか周りが騒がしいな…

え?なんで……

モノクマ「ボクに危害を加えたらこうなるよ。アーヒャッヒャ」

なんでモノクマがモノケモノを連れてるんだよ!

コテージに戻った俺にはなにが起きたのか理解できなかった

オシオキで死んだはずの俺が生きてること

モノケモノが全て直っていること

一番不思議なのは

死んだはずのみんなが生きていたことだ

これはなにが起こっているんだ?

夢なのか?

夢だとしても今が夢なのか今までのコロシアイ生活が夢なのかさえわからない

もしかして

タイムスリップか?


それなら全てが繋がるけど

日向「そんな非現実的な……」

いや、今の状況がもう非現実的だったな

少し……様子を見るか……


違います


ヒナツミです

ヒナナナはないです

十神「おいお前ら、今日の夜にパーティーを開くぞ」


花村「料理なら僕に任せてよ!」


狛枝「あはは、僕が掃除当番だね」




まるっきり……同じなのかよ……

じゃあ……この記憶は、夢なんかじゃなくて……

日向「本当に起こった…こと?」


……じゃあ今日のパーティーで十神が死ぬってのかよ!

そんなこと、させるか!

日向「十神!」

十神「なんだ、日向か」

日向「お前のコテージに手紙が届かなかったか!?」

十神「……あれを送ったのはお前なのか?」

日向「俺じゃない!送ったのは狛枝だ」

十神「狛枝が送っただと?ふん、バカバカしい。あんなやつが人を殺すなどと言う脅迫文を送れるとは思えんな」


日向「十神……お前、本当は十神じゃないんだろ?」

十神「な!?……なにをバカなことを言っている!」

日向「超高校級の詐欺師……それがお前の才能だ」

十神「っ!?キサマ、それをどこで…」

日向「お前が十神か十神じゃないかなんてどうでもいいんだよ……俺は本物の十神 白夜に会ったことがないし」

日向「ここにいる『十神 白夜』はお前だろ?俺たちのリーダーの『十神 白夜』はお前だけだ」

十神「………僕は……」

日向「お前はここにいる。それは俺が証明するよ。誰もお前を認めなくても俺はお前を凄いやつだって認めてる」

日向「俺はお前の味方だ」

十神「……ふん、愚民が俺を気遣うか」

十神「だけど……………ありがとう」

十神「この島を脱出できたら聞いてほしいことがあるんだ……」

日向「あぁ、だけどまずはこの島から脱出するぞ」


もうわかった

俺がなぜここにいるのか

日向「狛枝、掃除終わったのか?」

誰も犠牲を出さずにこの島からみんなで出るためだ

狛枝「今終わったところだよ。日向クンは?」

日向「花村に話があってさ。苦手な食べ物を言っておきたくてさ」

狛枝「ハハ、日向クンらしいね」

正直俺はお前が嫌いだ

だけど誰も死なせたりしない


日向「綺麗に掃除出来てるかも確かめておくよ」

狛枝「…………ねぇ日向クン。君はここから出たいかい?」

日向「……当たり前だろ。十神じゃないが誰も犠牲を出さずにここから出るよ」

狛枝「君はすぐにここから出たいとは思わないの?」

こいつは……

日向「誰かを殺してまで出たいとは思わない」

狛枝「…………そっか。じゃあね」

……お前はまた誰かを殺そうとするのかよ?

日向「狛枝……お前の思い通りにはさせないぞ」

そのためには花村を安心させるしかない

日向「花村」

花村「信じない……信じないぞ……」

日向「花村?」

花村「え!?あ、あぁ。なんだい日向くん。ぼくになにか用かい?」

日向「お前、狛枝が誰かを殺す準備をしてるのを見たよな?」

花村「!?……あはは、なんのことかな」

日向「狛枝に床下を通れることを聞いたんだよな?」

花村「ぼぼぼぼくはそんなこと聞いてなんかないよ!」

日向「狛枝が誰かを殺す前に自分で殺すつもりじゃないのか?バカなことはやめろよ」

花村「…………君になにがわかるってのさ。ぼくには家で帰りを待ってくれてる母ちゃんがいるんだ!」

日向「なぁ花村。母親が心配なのはわかるよ。でもさ、そんな方法で出てきた息子を母親は喜ぶか?」

花村「あ……だ……だったら、どうしたらいいのさ!すぐに帰って母ちゃんを安心させてあげたいんだよぉ!」

………花村、お前は優しいやつだよな。

だからお前に誰かを殺させるわけにはいかないよ

日向「怖いんだよな?いつ殺されるかわからないこの生活が」

花村「当たり前だよ!」


日向「だったら俺がお前を支える。辛いなら、恐いなら俺がそばにいる。だから俺を信じてくれないか?」

花村「あ……う……ぐ…」

日向「泣くなっての、男だろ?」

花村「僕は君を信じていいのかい?」

日向「あぁ!それでみんなでここから出よう!」

花村、約束だ。

一緒にここから出よう

〔夜〕

日向「十神、旧館のチェックは終わったぞ」

十神「ふん、さすがだな」

日向「だからお前もこのパーティーを楽しめよ」

前は楽しむ間もなかったしな

十神「あぁ。だがまだ来ていないやつもいるな」

九頭龍か…

日向「連れてくるよ。おーい辺古山」

辺古山「なんだ?」

日向「九頭龍を連れてきてくれないか?九頭龍にも楽しんでもらいたいんだ」

辺古山「……わかった。では連れてこよう」

日向「あとは……」

十神「モノクマか……」

またモノミに頼むか

日向「少し待っててくれ」

十神「どこに行く気だ?」

日向「モノミの所だよ。足止めくらいはできるだろうし」

十神「なるほどな」

〔旧館前〕

日向「おーい、モノミ!」

モノミ「なにか用でちゅか?」

毎回どこから出てくるんだよ……

日向「パーティーやるのは知ってるよな?モノクマが来ないように見張っててほしいんだ」

モノミ「モノクマをでちゅか!?……わかりまちた。これも先生の仕事でちゅよ!」

日向「あとさ、あとで呼びにくるから一緒にパーティーに参加しないか?」

モノミ「先生も参加していいんでちゅ………いやいや、先生は生徒には干渉できないんでちゅよ」

こいつもなかなか強情だな。みんなで脱出するためにはこいつの力も借りないといけないしな

日向「だったら先生と生徒の交流だ。生徒と交流しない先生なんていないだろ?」





モノミ「……ホントにいいんでちゅか?」

日向「みんなには俺から説明しとくよ」

モノミ「よーし、やりまちゅよー!」

チョロいな

日向「じゃあな、モノミ」

モノミ「日向さんもここはあちしに任せて楽しんできてくだちゃい!」ニコ

〔旧館〕

十神「どうなった?」

日向「頼んできたよ。でも中間くらいでモノミも参加させていいか?」

十神「なっ!?あの得体の知れないやつをか!?」

日向「あいつはここから脱出するのに必要かもしれない。だったら敵対するよりも友好的な関係の方がいいだろ?」

十神「そうだが……」

日向「毒を食らわば皿までだ。あいつはモノクマと敵対してることは明らかなんだ。そこを利用すればいい」

十神「…………俺はお前を信じよう」

俺を信用してくれるのか……ありがとな、十神

十神「……無茶はしないで……」

日向「あぁ、わかった」

十神「……ふん、俺はもう行くぞ」

……心配かけてごめんな、十神

でも誰も犠牲になんか出さない。

一度死んだはずの命だ。俺が死のうがお前らだけは助けるからな

田中「……ぬぅ」

日向「どうしたんだ?」

田中「魔犬のイヤリ……ふっ、なんでもない」

田中「なにかあろうが貴様ら凡夫に俺を助けられるとは思えん!ふははははは!」


まったく……意地はりやがって

日向「魔犬のイヤリングを落としたんだろ?」

田中「なんと!……貴様、意志看破(サイコメーデ)を使えるのか!?」

日向「まぁな。少し待ってろ」

田中「抜かった…ここにも俺と同じ領域の者がいるとは…」

少しは俺を頼れよ

日向「たしか倉庫から床に入れたよな」

狛枝「あ、日向クン」

日向「どうしたんだ?狛枝」

狛枝「日向クンがどこかに行くのを見かけてね」

日向「田中がイヤリングを落としたから取りに行くだけだ。誰かを殺す準備のためじゃない」

狛枝「いやだなぁ、まだなにも言ってないじゃないか」

白々しいやつだ

日向「そういうわけだ。それと、後でモノミもパーティーに参加させるぞ」

狛枝「……へぇ。わかったよ、じゃあね」


〔倉庫〕

たしかアイロンがあったはずだよな

日向「あれ?」

アイロンがない……なんでだ?

日向「イヤリングが先だな……あった」

床下は埃っぽいな

バチンッ

え?

まだ時間じゃないだろ……



なんで電気が消えるんだよ!

終里「なんにも見えねえぞ?」

罪木「きゃあぁぁぁ!」

十神「全員動くな!」

クソ!狛枝お前!

こうなることを読んでたってのかよ!

だったら……

日向「十神!狛枝を突き飛ばせ!」

十神「!?…わかっている!」ドンッ

狛枝「うわっ!」

左右田「なにが起こってんだよ!」

日向「左右田、動くな!」

左右田「日向?お前どこにいるんだ?」

パチンッ

やっと明かりがついたな

〔大広間〕

日向「みんな無事か!?」

左右田「日向お前どこにいたんだよ」

ソニア「あの、罪木さんと狛枝さんが転んだ以外は無事ですよ」

終里「だべごもごぶごご」

澪田「食べてから喋るっすよ」

モノミ「なにがあったんでちゅか!?」

十神はどこにいるんだ!?

十神「ふん、なにを探している」

日向「……あ」

…………よかった

九頭龍「おいおい、なにがあったんだよ」

辺古山「ふむ、誰も怪我をしていないか?……ぐっ!」

九頭龍「おい辺古山、腹痛いならトイレ行っとけ」

辺古山「……すまん」

七海「停電したのかな?」

弐大「なにがあったんだ?クソをしてるというのに暗くなりよった」

花村「みんな無事かい?」

小泉「もう、なんなのよ」

西園寺「ぷーくすくす。ゲロブタが転んでるよ」

罪木「ふぇぇ」

…………よかった……

みんな無事だった……


十神「おい日向、なにを泣いている」

日向「え?」

…ホントだ……

日向「誰も死んでなくてよかった……」

モノクマ「えー、つまんないなぁ」

左右田「うぉっ!いつの間に!」

モノクマ「ちぇっ、ボクはもう帰るよ」





日向「誰か罪木を助けてやれよ。はい」

罪木「すいませぇん」

日向「田中、お前のイヤリングってこれか?」

田中「どこでそれを!」

日向「床下に潜った」

狛枝「……………」

日向「もう落とすなよ」

田中「フハハハハ!わかっている………あ、ありがとう」

日向「気にすんな」

さてと…………

日向「おい、狛枝」

狛枝「なんだい?」

日向「これはお前の仕業だよな?」

狛枝「そうだよ」

十神「なんでこんなことをした?」

狛枝「僕はね、超高校級のみんなが協力しあえばどんな絶望だって乗り越えられる希望になるんだって信じてるんだ」

日向「自分が絶望になってより強い希望を作ろうとしたのか」

狛枝「さすが日向クン!僕の考えがわかるなんて、君も同じ考えなのかな!」

日向「俺はお前とは違う!」

狛枝「アハハ、冗談だよ。僕なんかが超高校級の才能を持つ君たちと同じなんておこがましいよ」




狛枝「今日はもう殺せそうにないし、帰ろうかな」

十神「キサマッ!行かせるか!」

左右田「おいおいおいおい!なにがなんだってんだよ!」

弐大「お前は少し反省せんといかんな」

モノミ「やめるでちゅ!みんなで仲良く…」

モノクマ「モノミは黙ってろよ」ゴッ

モノミ「ぎゃあぁぁぁ!」

日向「やめろ!」

日向「なんで仲良くできないんだ!みんなの力を合わせないと脱出なんてできないだろ!」

狛枝「アハハ!僕は希望の踏み台になれるなら死のうがどうでもいいんだ」

ソニア「狛枝…さん」

狛枝「こんな役にたたない才能を持つ僕が希望の一部になれるならなんだってするよ!アハハ!アハハハハハ!」

俺は………こんなやつを救えるのか?

こんな……狂った…やつを…

七海「諦めちゃダメだよ、日向君」

日向「な…なみ?」

七海「日向君が諦めちゃったら誰がみんなを引っ張っていくの?」

日向「十神が……いるだろ」

七海「十神君は日向君がいるから頑張れてるんだよ」

日向「………やるしか……ないよな」

田中「どこに行く?狛枝よ」

狛枝「どこって、コテージに帰るんだよ?」

九頭龍「行かせると思ってんのかよ」

弐大「少し大人しくしておいてもらおうかのう」

終里「お、やんのか?やっちゃうぞー」

狛枝「アハハ、まいったなぁ。わかったよ、大人しく捕まってあげる」

モノミ「みんな仲良く…」

モノクマ「黙ってろって言ってるだろー」ゴス

モノミ「いやぁぁぁ!」

西園寺「パーティって終わりなの?」

十神「こんな状況で続けられるわけがないだろう」

弐大「狛枝は捕まえておくぜよ」

花村「今日は解散ってことなのかな!」

終里「ちぇー、もう終わりかよ」

狛枝「アハハ、僕のことは気にしないでくれていいよ?」

左右田「うっせ、うっせ!お前のせいだろ!」

小泉「……仕方ないよね」

九頭龍「ちっ」

田中「これも運命か……」

罪木「わ、私は楽しかったですっ!!」

澪田「心残りっす!」

日向「………………」

七海「日向君、帰ろ?」

……俺は狛枝を救えなかった

クソッ!

狛枝…

俺は必ずお前も、みんなも救うぞ



〔チャプター1〕終わり

〔チャプター2〕

モノミ「皆さん、あちしやりまちたよ!」

あぁ、第一の島にいるモノケモノを倒したのか

左右田「なにをやったんだよ」

モノミ「モノケモノを一匹やっつけまちた!」

九頭龍「じゃあ他の島にも行けるってのかよ」

モノミ「はい!皆さん、らーぶらーぶでちゅよ」

終里「そんなことより飯だろ飯」

花村「ンフフ、これから毎朝僕の頬がとろけ落ちるほど美味しい料理が食べられるよ!」

十神「たしかに……美味いな」

西園寺「……………」クンクン

小泉「どうしたの?」

西園寺「な、なんでもない!」

日向「小泉、少しこっちに来てくれ」

小泉「へ?どうしたの?」

弐大「なんだか臭うのぅ」

田中「む!魔界の毒霧か!?」

西園寺「ぅぅ………」ジワッ

まったく………西園寺も少しは俺たちを頼れよな

日向「西園寺もこっちに来てくれるか?」

西園寺「………うん、わかった」ウルウル

罪木「どこ行くんですか、日向さん」

日向「悪い。少し小泉と西園寺に話があるんだ」

七海「クソねみぃ……」

〔プールサイド〕

日向「西園寺って着付けできるのか?」

西園寺「え?いきなりなに?」

日向「少し着物がずれてるぞ」

西園寺「!…なに見てんのよ、おにぃのロリコン!」

日向「そうじゃない!食堂で服のこと気にして涙目になってただろ?ずれてるのが直せないからだと思ってさ」

西園寺「それも……あるけど…………臭いが……」

日向「小泉って前に着付けなら少しできるって言ってなかったっけ?」

小泉「はぁ?できるけどあんたに言った覚えはないんだけど」

前の記憶で知ったことだからな……

日向「あー、じゃあ違うやつか。すまん、間違えた」

小泉「ホント適当に覚えるのやめてくれる?」

日向「ごめん!」

日向「ごめん、二人とも。俺の勘違いだった」

西園寺「別に……。ねぇ、小泉おねぇ」

小泉「どうしたの?」

西園寺「着物の帯の結び方、教えて?」

小泉「えっと…簡単なのしかできないけどそれでもいいなら教えてあげる」

西園寺「うわーい、小泉おねぇだーいすきー!ちゅーしてあげるー!」

小泉「ちょ、ちょっと、日寄子ちゃん。抱きつかないでいいって!」

こっちは……解決したかな

まだ解決してない問題もあるな……

俺の記憶のことだってそうだ

みんなに俺の記憶のことを話せばこれから起こる事件のほとんどは回避できるんだろうけど……

日向「信じてもらえないだろうな」

なによりコロシアイを望むモノクマがこんなイレギュラーなことを放っておくわけがない

まだだ……まだ言うべきじゃない…


〔食堂〕

日向「ごめん、遅くなっ……みんないないか」

小泉「はぁ、みんな薄情なのね」

西園寺「じゃあ先にお風呂入ろうよ小泉おねぇ!一緒に洗いっこしよ!」

小泉「ちょ、ちょっと……」

罪木「あ、あのぉ……」

日向「罪木?なんでいるんだ?」

こんなことは記憶にないぞ?

罪木「す、すいません。えへへ、日向さんを待ってました」

西園寺「ちっ!ゲロブタなんか誰も待ってないっての。こんなビッチに付きまとわれて日向おにぃも災難だね」

罪木「ふええぇ!ご、ごめんなさい日向さん!あ、あの……迷惑をかけてるだなんて思ってなくて……」

西園寺「その考え方が迷惑なんだよゲロブタ!」

日向「西園寺!いくらなんでも言いすぎだ。俺は罪木のことを迷惑だなんて思ってないぞ」


西園寺「…ふん。それよりも小泉おねぇ、お風呂入ろ!」

小泉「あ、ちょっと!ごめん日向、遅れて行くことになっちゃう」

日向「気にすんな。ちゃんと帯の結び方教えてやれよ」

罪木「……………」

日向「どうした?」

罪木「えっと……あの…その……」

日向「ゆっくりでいいから言いたいことを言えよ」

罪木「ノロマですいませぇん!あの、連帯保証人でもブタの鳴きマネでもなんでもしますから嫌わないでください!」

罪木は罪木で変わらないよなぁ

日向「落ち着け、罪木」

罪木「は、はいぃ」

日向「お前が昔イジメられてたかどうか詳しく知らないが俺はお前に危害を加えたりしないししたくない。それに俺にはお前が必要だ」

罪木「わ、私が、ですか?」

日向「俺はお前から離れていかないよ。そばにいるから安心しろ」

じゃないといつ記憶が戻る病気になって澪田を殺すかわからないしな……

罪木「ずっと………ずっとそばにいる……えへへ……」

ずっとなんか言ったっけ?

罪木「日向さん……あの、私頑張りますから!……だから、嫌わないでください!」

日向「だから嫌わないって……」

罪木「えへ、えへへ……ずっと一緒。ずっとずっとそばにいてくれる……えへへ」

日向「おーい、罪木?」

なんか罪木の目ハイライトが消えてるような……

嫌な予感が……もしかしてまた病気になったとか……なのか?

罪木「えへへ…日向さぁん」

モノクマ『オマエラ、公園に集まりやがれー!』

日向「…………え?」

集合呼び出しは夜だったはずだろ?

罪木「………あ、公園に集合ですよ。日向さん。あ、私なんかに言われなくてもわかってますよね……」

日向「罪木?」

罪木「ひぅ!あ、あの…私なにかダメでした?すいません!すぐ直しますから許してくださぁい!」

日向「いや、なんでもないよ」

普段の罪木か……

さっきの罪木はなんだったんだ?

日向「ほら、行くぞ」

罪木「あっ……手……握って……」

………あ……無意識に……

日向「……ごめん!嫌だったよな!」

罪木「ち、違うんです!あの…驚いたんですけど、その、嬉しくて…握ったままでいてください…」

日向「………わかった…」

俺は恥ずかしさで罪木を見ないで手を繋いだまま公園を目指した…

〔ジャバウォック公園〕

モノクマ「うぷぷ、レクリエーションタイムを開始したいと思いまーす!」

日向「どうせそこのゲームのことだろ」

モノクマ「お、日向君は鋭いねぇ。そう!このゲームは日向「トワイライトシンドローム殺人事件か?」

モノクマ「…………なんで知ってんの?」

日向「勘だ」

左右田「勘ってレベルじゃねーぞ!」

モノクマ「まぁいいよ。これは日向「俺たちが人を殺すための『動機』か?」

モノクマ「ボクがまだ喋ってるだろ!被せてくるなよ!」


日向「じゃあ話せば?」

モノクマ「そうだよ!これが次の動機だよ!やれよ!お前らなんか早くゲームをやってコロシあえよ!フンッ!」スタスタ

あ、モノクマ帰っていった

左右田「日向、お前すげぇな。モノクマを黙らせるなんてよ」

日向「そうか?適当に言ったら当たっただけだぞ」

弐大「たしか次の人を殺す動機だと言っていたのぅ」

日向「触らないほうがいいだろ」

十神「ふん……わざわざ危険な目にあうやつなどいるか」






西園寺「豚足ちゃんに言われなくても触んないって」

ソニア「図書館に戻ってもよろしいですか?まだ全部を調べたわけじゃないので」

花村「じゃあ僕は昼ご飯を作ってくるね」

田中「解散というわけか」

今ゲームをするわけにはいかないよな

全員がいなくなってからクリアすればいいか

罪木「あのぉ……日向さん」

日向「どうした?」

罪木「迷惑じゃなければなんですけど……一緒に島の探索をしませんか?」

日向「……あー…」

早くトワイライトクリアしないと九頭龍がやるからなぁ…

罪木「ご、ごめんなさいー!私なんかが調子に乗っちゃってごめんなさい!」

日向「別に悪いことしてないんだから謝んなよ。じゃあ一緒に行こうか」

罪木「あぅ………ワガママ言っちゃってごめんなさい……」

前の記憶では罪木からなにかに誘うなんてなかったよな

罪木も前向きになってくれればいいけど

罪木「えへへ、誰かと話しながら歩くなんて夢みたいです」

日向「俺に遠慮なんかするなよな」

九頭龍「…………けっ」

〔ドラッグストア〕

罪木「わぁぁー……………」

凄く罪木がイキイキしてる…

罪木「これだけあればどんな怪我でも治せますよ!注射もほら!」

日向「あ、危ないから注射を振り回すのはやめようか」

罪木「大丈夫ですよぉ。怪我しちゃっても私が治療しますから!」

いや、怪我したくないから

日向「なぁこの薬ってなんて名前なんだ?」

罪木「それはアコニチンです」

日向「じゃあこれは?」

罪木「……アトロピンですぅ」

日向「へー、これは?」

罪木「さ、サキシトシキンです……けど」

ホント罪木って薬のことならなんでも知ってるな

罪木「あ、あの………日向さん……私、なにかしました?」

日向「へ?なんでだよ」

罪木「だってだって…日向さんが手に持ってるのって、全部毒薬ですよ……」

………マジかよ……

日向「違う違う!毒薬なんて知らなかったんだって!」

罪木「ひ、日向さんの気持ちなのかなって…思って…飲まされるのかなって……」

日向「そんなことさせないから!」

罪木「他のことならなんでもしますから!体に落書きしてもダーツの的でもしますからぁ」

日向「悪かったよ。だから落ち着けって」ナデナデ

罪木「ひぅ………えへへ…」

なんか罪木の扱い方がわかった気がした

つか昼飯食べ忘れてたな……

日向「そろそろ夕方だしホテルに戻るか」

罪木「は、はい」

〔ホテル〕

日向「ただいま」

罪木「も、戻りましたぁ」

左右田「お前らどこ行ってたんだ?昼飯も食べずに……まさかお前ら!」

日向「あー、違う違う。罪木にドラッグストアで薬について聞いてたんだよ」

終里「ドラッグストアって美味いのか?」

西園寺「サッチュウザイっていうのとショウシュウザイっていうのも美味しいらしいよ?」

終里「ホントか!あとで食べてみるな!」

日向「全部食べ物じゃないから……」

日向「狛枝は?」

左右田「あー、あいつならまだ旧館に縛ったままだわ……」

小泉「えっ!?それってヤバいんじゃ……」

田中「だが奴の封印を解けば面倒なことになるぞ」

たしかに狛枝を自由にさせたらなにするかわからないけど、このままってわけにもいかないし……

日向「仕方ないな……俺が夕食をあいつに食わせてくる」

十神「一人だと危険だぞ」

七海「だったら私もついていくよ」

罪木「ふぇ!?じ、じゃあ私も行きますぅ!」

日向「いや、なにが起こるかわからないし……田中、ついてきてくれるか?」

田中「フハハハハ!俺様の加護が欲しいのか?いいだろう、一緒に行ってやろう」

日向「助かるよ」

花村「はい、これ。簡単なものだけど食べさせてあげやすいものだから」

日向「おう。サンキュー花村」

花村「僕にはこんなことしかできないからね」



〔旧館〕

日向「ええっと、狛枝は大広間か」

田中「たしかにその方向からよからぬ魔力を感じる…」

日向「じゃあ入るぞ」

狛枝「やぁ日向クン、それに田中クンもひさしぶりだね。縛られてるからお構いはできないけどゆっくりしていってよ」

日向「お前はいつも通りだな」

田中「…………」

狛枝「あれ、どうしたの、田中クン。黙ったままボクなんかを見て」

田中「貴様……なにか考えているな?」

え?俺にはあまり普段の様子と変わってないように見えるけど

狛枝「アハハ、さすが超高校級の飼育委員だね。そんなこともわかっちゃうんだ」


田中「やはりッ!また誰かを殺す算段か!?」

狛枝「いやだなぁ、そんなボクなんかが誰かを殺せるわけないだろ。完璧だと思ってた計画も失敗しちゃうし」

狛枝「ボクのゴミみたいな才能じゃ誰も殺せないよ」

田中「くっ!俺の言霊が通じないだと!?」

日向「もういいよ田中。こんなやつの相手なんかしなくていい」

狛枝「それに次はボクがなにかしなくても誰かがやってくれるんじゃないかな?」

日向「トワイライトシンドローム殺人事件のことか……誰から聞いたんだ」

狛枝「モノクマがここに来て教えてくれたよ。縛ってるものは外してくれなかったけどね。ボクはあのゲーム好きだったからなんか残念な気分だよ」

日向「お前の好き嫌いなんてしるか!早く食べろよ」

狛枝「君たちはこんなちっぽけな絶望にすら立ち向かわないつもりなのかな?君たちは希望の象徴なんだよ」

日向「……うるさい」

狛枝「ただ問題を先送りにしているだけだよね?」

日向「黙れ!」

狛枝「黙らないよ。君たちには素晴らしい才能があるんだ!だったらもっともっと…」

田中「チャンP」

チャンP「ヂュ」ガリッ

狛枝「イタッ!」

田中「少し落ち着くがいい」

日向「…………」

狛枝「アハハハハ、これ田中クンのハムスターかい?」

田中「黙れ。貴様の思い通りにはさせん」

日向「……そうだ。誰も殺させない」

狛枝「へぇ。もし誰かを殺したくなったらボクに相談してよ。全力で手助けするから」

日向「田中、行こう」

田中「わかっている」

狛枝「ねぇ、食べさせてくれないの?ねぇってば」

>>96
毒薬は第3の島にしかなかったような…。

〔プールサイド〕

田中「大丈夫か?」

日向「あぁ……ごめん、少し休んでから戻るよ」

田中「ただの人間があの障気の中で理性を保てたのは驚きだが、これからなにがあるかわからんからな。お前を見張っていてやろう」

日向「ありがとな」

田中「ふん……魔犬のイヤリングの礼だ」

田中ってホントは優しいんだな

言葉は難解だけど

日向「俺は全員を助けられるのかな……」

田中「何故俺様にそれを問う?」

>>110

…………このやり取りがやりたかっただけなんや………


特に本編に関係ないからスルーでお願い

日向「狛枝と話したら不安になってさ……誰も犠牲を出さないまま脱出するのなんか無理じゃないのかって」

田中「………俺は言葉を話すものは信用しない。いずれ裏切るだろうからな」

日向「…そうかもな」

田中「だがお前は他の人間に言っていただろう。少しは俺を頼れ。みんなをここから脱出させる、と」

日向「それは…そうだけどさ…」

田中「だが日向よ、お前は他の人間のことを頼らないのはなぜだ?自分は他の者に頼れと言うのにお前は他の者を頼らないのか?」

田中「それは誰も信用していないからではないのか?」

日向「!?…違う!俺はッ」



田中「仲間だと信用しているのなら少しくらい頼れ」

田中「俺には暗黒四天王がいるがな!フハハハハ!」

日向「………田中」

田中「…なんだ?弱々しい人間よ」

日向「ありがとな」

田中「……フハハハハ!俺様にしてみればお前の悩みなど小さいものだ!」


田中「これ以上は心配されるだろう。そろそろ戻るぞ」

日向「あぁ。田中、これからはお前やみんなに迷惑かけたり頼ったりするかもしれない」

田中「…児戯に付き合ってやらんこともない」

日向「よろしくな」

田中「なんだ、その手は」

日向「なにって、握手だろ?」

田中「人間が俺様に触れるとどうなるかわからんぞ?」

日向「関係ないさ。俺が田中を信じてるってことには変わりないからな」ギュッ

田中「………お前は特異点なのかもしれんな……」

日向「特異点?」

田中「わからなくてもいい。だが、勝手に死ぬことは許さんぞ」

日向「お前こそな」

そうだ

俺たちは仲間なんだ

信頼してるから頼るんだよな……


〔レストラン〕

日向「ごめん。遅くなった」

終里「きにふんは、おへはほうはへてふぼ」

花村「食べきってから喋ろう……」

日向「あれ?九頭龍は?」

七海「おかえり。九頭龍君はまだ来てないよ」

左右田「ほっとけって。どうせ俺たちがいなくなった後に勝手に食うだろ」

十神「だが奴の協調性のなさは問題だぞ」

たしか九頭龍と仲がいいのは……

日向「なぁ辺古山。悪いけど九頭龍のこと頼めるか?」

辺古山「わかった。できる限りのことはしよう」

九頭龍「その必要はねぇ」

日向「九頭龍!どこ行ってたんだよ」

九頭龍「どこでもいいだろうがコラッ!俺はどこに行くにも報告が必要なのか?」

日向「そういうわけじゃないけどさ」

ソニア「皆さんはただ心配していただけで…」

九頭龍「誰がそんなこと頼んだ!俺のことなんかほっとけよ」

左右田「てめぇ心配してくれてるソニアさんになんてことを!」

九頭龍「んだコラァ!やんのか!」

小泉「やめなよ!そういうのはどこか違う所でやってよ!」

九頭龍「うっせぇんだよボケが!」

小泉「な!?あんたねぇ………」

日向「あーもうッ!ケンカすんな!」



澪田「うっはー!すごいカオスっすね!」

罪木「ケンカはダメですよぅ……」

西園寺「ゲロブタは黙ってなよ!」

罪木「ご、ごめんなさーい!」

弐大「ガハハハハハ!みな元気じゃのう」

十神「フン……くだらんことで騒ぐな」

花村「なんだかパーティーみたいだね」

終里「もごがごごご」

なんでこいつらはこんなにマイペースなんだよ!?

九頭龍「………ケッ。気分ワリーから帰るわ」

日向「おい九頭龍!」


辺古山「私が行こう」

日向「…ごめん。俺が行っても口論になりそうだから任せた」

辺古山「一緒に九頭龍の夕食も持って行こう」

花村「はい。できたら感想も聞いてきてほしいかな」

辺古山「わかった」

…………九頭龍はどうすれば俺たちを信用してくれるんだ?

罪木「あのぅ、日向さん。食べないんですか?」

日向「あ、あぁ。ボーっとしてた」

早く夕食を食べてゲームをクリアしないとな

〔ジャバウォック公園〕

日向「またこのゲームをやるのか……」

たしか九頭龍や罪木の学校の話だったよな

日向「スタート画面で五回下、と」

画面が変わっていく。成功か

日向「さっさとクリアするか」

あとはここに行けば……よし、クリアだ

しかし攻略法を知ってるゲームほど達成感がないな

モノクマ「うぷぷ、クリアおめでとう。よくわかったね」

日向「どうでもいいだろ。クリア特典を渡せよ」

モノクマ「あのねぇ、日向くん。クリア特典は一番最初にクリアした人にだけあげるんだよ?」

日向「じゃあ俺より最初にクリアしたやつがいるのかよ!」

モノクマ「うぷぷぷぷ。そういうことになるねぇ」

日向「クソ!」

誰がクリアしたんだ?

なんで記憶通りにならないんだよ……

すいません


今日はもう書けそうにないのでまた明日書きます

モノクマ「もうそろそろ夜時間だから帰ってね」

日向「………クソ!」

モノクマ「うぷぷ。日向君、君は少しイレギュラーな存在のようだね。ま、それもおもしろいからいいけどね。ぶひゃひゃひゃひゃ」


〔コテージ〕

日向「……やっぱり九頭龍なのか?」

思考がぐるぐる頭の中を回って眠れない

どれだけ考えても誰がクリアしたのかがわからなかった

日向「……夜風にでも当たるかな」

〔プールサイド〕

日向「はぁ」

?「どうしたの?ため息なんかついて」

日向「…小泉か?」

小泉「正解。悩んでるみたいだけど」

日向「小泉も元気ないように見えるぞ」

小泉「あはは……………ちょっとね」

二人並んでプールサイドに座ったけど……

気まずい!

こんなときってなにを話せばいいんだよ

小泉「日向はさ………記憶がないこと……どう思う?」

日向「え?」

小泉「例えば……例えばだよ?私たちって記憶を奪われてるでしょ?」

日向「あぁ」

小泉「自分は覚えてないけどわるいことをしたことを他の誰かは知ってて、いきなり『これがお前の罪だー!』って言われたら、日向ならどうする?」

日向「それって……」

トワイライトシンドロームのことか?

小泉「……あはは。ごめんね?急に訳わかんないこと言っちゃって」



日向「小泉は小泉だろ?」

小泉「え?」

日向「小泉が昔どんな悪いことをしたのかは知らないけど今いる小泉はそんなことしないだろ?」

小泉「でも……ホントに私がやってたら?」

日向「謝って済む問題かはわからないけど謝ればいいんじゃないか?そこは小泉がしたいようにすればいい」

小泉「…………私は……償う必要があるなら、償いたいけど……その方法もわからなくて……」

日向「なら後悔だけはしないようにすればいい。自己満足かもしれないけど、俺はそうする」

小泉「………あは。なーんでこんな冗談に本気になってくれるのかな」

日向「さぁな。愚痴くらいならいくらでも聞いてやるよ」


今調べたら一応ドラッグストアには毒かわからないけど申請が必要なくらいヤバい薬も置いてたみたい


そこにある薬で西園寺眠らしたし

小泉「んー、そろそろ寝るね。日向はまだ寝ないの?」

日向「もう少し風に当たってから帰るよ」

小泉「そうなんだ。私は寝るね、おやすみ」

日向「おやすみ」

小泉「ねぇ日向!」

小泉「ありがとね」

日向「俺たちは仲間なんだから相談に乗るのは当然だろ?」

小泉「おやすみ」

日向「うん、おやすみ」

さて、小泉のおかげで誰がクリアしたかもわかったな

寝るか……

〔レストラン〕

日向「おはよ」

十神「やっと来たのか」

罪木「お、おはようございます」

花村「やぁ、朝から元気そうだね」

花村「あ、違うよ!?別に変な意味で言ったんじゃないからね!」

西園寺「朝からキモイって」

七海「……………」スースー

日向「七海がフォーク持ったまま寝てるぞー」

小泉「危ないから預かっておくね」

日向「今日はどうするんだ?」

十神「昨日の島の探索だ。まだ調べきれていないかもしれないしな」

小泉「あの……今日は少し用事があって……」

日向「すまん、俺も少し…」

十神「なんだと!?一人だけじゃなく二人もだと?」

澪田「しかも抜けるのが男と女すよ!これは恋の予感っす!」

罪木「ふぇぇ!?そうなんですか、日向さん!」

西園寺「小泉おねぇがこんなアホ毛相手にするわけないでしょ!少しは考えて喋れよ根暗!」

罪木「だ、だってだって…すみませぇん!」

左右田「てめぇら用事ってどんな用事だコラ!」

日向「お前ら落ち着けって!そんなんじゃないから!」

弐大「ガハハハハ!朝から元気じゃのぅ!」


辺古山「二人がそんな関係だったとはな」

ソニア「ジャパニーズ一目惚れですね!」

終里「結婚式は呼んでくれよ。美味いもん食い放題だし」

花村「じゃあ料理は僕に任せて!」

田中「ならば俺と暗黒四天王でスピーチを担当しよう!」

日向「だから落ち着けお前ら!俺は狛枝の所に行くだけだ!小泉と一緒に行動しない」

十神「フンっ、それならそうと早く言え」

左右田「なんだ……てうおっ!小泉の顔が真っ赤だぞ!」

七海「…………コード蹴らないで……データがぁ」スースー

罪木「………」ジー

小泉「な、なによ!暑いから顔が火照っただけよ!うるさいわね!」

小泉「もう私は行くから!」

西園寺「あ、待って小泉おねぇ!」

十神「おい!……もう今日は自由行動だ!」

日向「ホントにお前らは……」

花村「はい、日向くん。これあげる」

日向「なんだこれ」

花村「サバイバルでは水を入れたり、水風船にして遊べたりする代物だよ!ヤるならこれを付けないとね!」

日向「いるか!」

ていうかどこに置いてたそんなもん!

辺古山「では私も失礼する。やりたいこともあるからな」

ソニア「私もキラキラちゃんのセリフを覚えないといけないので」


罪木「あ、あの!日向さん!」

日向「どうした?」

罪木「用事が終わったら一緒に探索しませんか?」

日向「あー……ごめん。今日は無理かもしれない」

罪木「……………小泉さんですか?」

日向「え?」

罪木「小泉さんの所に行くからですか?そうなんですか?あれあれあれあれ?でも日向さんは私から離れないって言いませんでした?もしかして忘れちゃいました?あ、大丈夫です。日向さんが覚えてなくても私は覚えてますから。言いましたー、たしかに日向さんは私と一緒にいるって言ってましたー。これって愛してるってことじゃないんですか?違うんですか?ねぇ日向さん。日向さん!!」

…………あれ?罪木ってこんな子だっけ?

罪木「やっぱり日向さんも私から離れていくんですね……なんでですか?私、日向さんにならなにされても大丈夫ですから…………なんでもしますからぁ………離れていかないでくださいよぉ……」

あぁ、そっか

怖いんだ

自分がいらない存在になるのが、怖いんだ

日向「……なぁ罪木」

罪木「……えへへ……私、勘違いしてたから……一人で舞い上がってただけだから気にしないでください」

日向「罪木、ここから出たら結婚しよう」

罪木「………えぇぇぇ!?」

日向「口約束だけでもいい」

罪木「え?……あの、え?……なにがどうなって…」

日向「俺が罪木を好きだってことだ」

罪木「…………えへへ、私を元気付けるために嘘までつくなんて日向さんは優しいですね」

日向「嘘じゃない!ホントのことだよ」

罪木「………うぅぅぅ……」

日向「どうした!?」

罪木「私なんかでいいんですか……………私みたいなので……」

日向「俺は罪木じゃなきゃ嫌なんだ」

罪木「……私も……私」


罪木「私も……日向さんじゃないと嫌です!」

日向「…ありがとな」

罪木「うぅぅ」ポロポロ

日向「泣くなって……」

罪木「嬉しくって……涙がとまらないんです……」

日向「俺は…泣き止むまで傍にいるからな」

とりあえずここまで


クソねみ……

日向「泣き止んだか?」

罪木「え、えへへ……迷惑かけちゃいました……」

日向「気にすんなよ。これくらいで迷惑だなんて思わないから」ナデナデ

日向「じゃあ俺は狛枝にご飯食わせてくるよ」

罪木「えっと……あの……日向さんが落ち込んじゃっても、私が……今度は私が慰めますから!」

日向「……あぁ、その時はお願いするよ」

さて……狛枝に食事渡したらすぐに図書館に向かうか……

〔旧館〕

日向「おい狛枝」

狛枝「あ、日向クンだ。なんだか少し嬉しそうだね。なにかあったの?」

日向「お前には関係ないだろ。これを持って来ただけだ」

狛枝「ご飯を持って来てくれたんだ。ちょうどお腹が空いてたんだ」

日向「…………なぁ狛枝、俺はお前がなにもしないと約束するのならその拘束を外してもいいと思ってる」

狛枝「あは、日向クンが僕のことを気にかけてくれるなんて僕のことを嬉しいよ」

日向「勘違いするな。俺は『全員で』ここから出るつもりだ。その全員にはお前も含まれてるだけだ」

狛枝「素晴らしい希望だね。でも残念ながら僕は頷けないよ」

日向「……誰かに殺人を誘導するようなことを言ったり、お前が誰かを殺そうとするのをやめろって言ってるだけだ。なにも難しいことじゃないだろ!」

狛枝「怒鳴らないでよ日向クン。ただ僕はみんなが作る大きな希望に貢献したいだけなんだよ」



日向「それが殺すことには繋がらないだろ!」

狛枝「この島ではね、コロシアイ生活があるじゃないか。こんなに希望を大きくするのに便利なものはないよ!」

クソ!……こいつは変われないのか?

狛枝「そうだ、日向クン。僕が協力するから僕を殺してみないかい?」

日向「ッ!!ふざけるなよ狛枝ぁ!」

狛枝「アハハ、冗談だよ。前と違って君の目には強い決意がある。さっき嬉しそうだったのと関係してるのかな?」

………そこまで分かるなんて……こいつの洞察力は侮れないな……

日向「お前のその洞察力の高さを違うことに約立てろよ……」


>>159

うわミスった……

「約立てろ」→「役立てろ」

だた

日向「もう喋らなくていいから早く食えよ、ほら」

狛枝「うぷ…………っん、日向クンって意外と強引なんだね」モグモグ

日向「うるさい」

狛枝「む……けほっ……少し顔にこぼれちゃった……」

日向「あーもう!拭いてやるからこっち向け!」

狛枝「日向クンのせいじゃないか」

日向「拭けたから大人しく食え」


日向「俺は帰るからな」

狛枝「じゃあついでにこの鎖を解いて行ってよ」

日向「お前なにするかわからないから駄目だ」

狛枝「今回は僕がなにもしなくても事件が起こりそうな気がするんだよね」

日向「俺がそんなことさせないさ」

狛枝「アハハ、そんな日向クンが好きだよ」

日向「俺の持つ希望が、の間違いだろ?」

狛枝「そうとも言うね」

日向「狛枝。俺はお前が大嫌いだ。だけどお前を見捨てたりなんかしない。必ずこの島から助け出す」

狛枝「それは頼もしいなぁ。でも僕は希望の一部にさえなれたらいいんだよ」

日向「はぁ………じゃあな」

狛枝「またね、日向クン」

〔プールサイド〕

日向「さて……図書館に行くか」

左右田「おい、日向……少しいいか?」

日向「悪いが女子の海水浴に混ざりたいとかなら嫌だぞ」

左右田「な、なんでわかったんだよ!?」

日向「エスパーだからな」

左右田「ハハ……わ、笑えねぇって」

日向「スマンが少し用事があってな。たぶん田中なら大丈夫だと思うぞ」

左右田「なんで田中の名前が出てくるんだよ!」

日向「ソニアは田中のことを気に入ってるだろ?だから田中を誘えばソニアもいいって言ってくれると思うんだけどなぁ……」

左右田「俺は田中を誘ってくるわ。あとで後悔しても知らねーから!」

日向「はいはい、うまく田中を誘えよー!」


〔図書館〕

ソニア「あ、日向さん。こんにちは」

日向「あれ?ソニアは海水浴に行かないのか?」

ソニア「いえ、今から行くつもりだったんですけど…………どうして日向さんがそのことを?」

日向「あ…………左右田が言ってたからな。俺も参加したいって」

ソニア「そうですか…………女子だけのつもりですし…………」

日向「そういえば左右田は田中も誘うって言ってたな……」

ソニア「左右田さんといえどここから脱出する仲間、団結して仲良くならないといけませんよね!」

日向「あ……あぁ。そうだな」

ソニア「では日向さん、私は準備がありますのでこれで。日向さんもよろしければ来ませんか?」

日向「あー……用事があってさ。それが終わったら行くかもしれない」

ソニア「わかりました。失礼しますね」

日向「これくらいでいいか?……そろそろビーチハウスに行くか」

〔チャンドラービーチ〕

日向「あ、小泉」

小泉「ひ、日向!?どうしてここに?」

日向「用事があってな」

小泉「そうなんだ……私も日寄子ちゃんに相談したいことがあってさ」

日向「そっか。西園寺は中にいるのか?」

小泉「たぶんいると思うけど」

日向「よし、入るか」


〔ビーチハウス〕

九頭龍「やっと来たか……てなんで日向もいるんだよ!」

小泉「それよりも日寄子ちゃんは!?」

九頭龍「知らねーよ。つかお前、あのゲームのことはホントなのかよ」

小泉「わかんないよ……その時のこと、覚えてないもん」

九頭龍「覚えてないだぁ!?嘘つくならもっとマシな嘘つけやゴラァ!!」

小泉「仕方ないでしょ!本当のことだもん!」

小泉「それよりもなんでE子を殺したのよ!」

九頭龍「…あ?てめぇ、こっちはそいつに妹を殺されてんだぞ!?」

小泉「もしそうだとしても殺すことないじゃない!!」

九頭龍「クソが……やられたらやり返す、それが極道ってもんだろが!」

小泉「考えられない!そんなやり方でなにが残るの?」


日向「小泉!言い過ぎだ!」

小泉「…………だって……」

日向「九頭龍も熱くなるな」

九頭龍「てめぇになにが分かるってんだよ!」

日向「あと辺古山、そこにいるんだろ?」

九頭龍「は?あの女がいるわけねぇだろ?」

日向「出てこい辺古山」

辺古山「……気配は消していたのだがな」

九頭龍「なっ!?」

小泉「え!?」

辺古山「なぜわかった?」

日向「九頭龍が小泉を殺そうとした時に動いただろ。代わりに自分が殺すために。だから俺は止めたんだ」

辺古山「なるほどな……」

小泉「私を…殺す?」

日向「俺が小泉を殺させない。安心しろ」

小泉「…………うん」

辺古山「そんなこと、できると思っているのか?」

日向「……もうやめろ。絶対にバレるぞ」

辺古山「ふっ、私は超高校級の剣道家だぞ?二人くらいなら問題ではない」

九頭龍「おい、なにする気だ」

辺古山「すぐ済みますので……少し待っていてください」

九頭龍「おいやめろ!」

日向「小泉、危ない!」

辺古山「ハァッ!」ブンッ

頭を狙うことぐらい知ってるさ!

辺古山「!?…だからどうした!」ブンッ

日向「ぐはっ!」グシャッ

途中で面を打ちかけたのを胴に変えるなんて芸当まで出来るのかよ……

辺古山「…………」

小泉「ねぇ日向、大丈夫!?」

日向「いってぇ……危ないから離れてろ」

小泉「もうやめてよ……九頭龍、ペコちゃん。アタシが憎いならアタシだけ殺せばいいでしょ」


日向「はぁ?なに言ってんだよ小泉!」

小泉「助けてくれてありがとね。でも日向には関係ないことだからさ」

日向「おい九頭龍!お前はこれでいいのかよ!」

九頭龍「な、なにがだよ」

日向「このままじゃ絶対にバレるぞ。今ならまだなかったことにできる……」

辺古山「ぼっちゃん、聞かないでください」

九頭龍「こ、ここまでやっておいて……なかったことになんてよ……」

日向「だったら辺古山が犠牲になってもいいのか!」

辺古山「ぼっちゃん!」

九頭龍「……わかってるよ…………こんなことしたって無駄だなんてことはよ……」

九頭龍「でもどうしようもねぇだろ!いきなり妹が殺されたなんてこと……信じられるかよ……」

日向「九頭龍……俺にはお前の苦しみは分からない。だけどお前にはそれを分かち合える奴がいるだろ」


辺古山「ぼっちゃん……」

日向「それを犠牲にしてまで、大事な女をまた失うつもりか?」

九頭龍「分かってんだよ……そんなことはよぉ…………チクショウ!どうすれば正解なんだよ!なぁ日向!俺は………どうすればいい……」

日向「俺は……九頭龍が後で後悔しない選択をすればいいと思う……俺は大切なものを絶対に守る。後で後悔したくないからな」

九頭龍「……日向……お前はつえぇな……」

日向「俺は強くないさ。みんながいるから強くなれるんだ」

九頭龍「…ちっ!もういい。この話はこれで終わりだ。日向、小泉…………悪かったな」

日向「気にすんなよ」

小泉「アタシこそ…その、ごめんなさい」

九頭龍「妹のことはまだ心の整理がつかねぇけどよ…もうお前は悪くねぇだろ」

九頭龍「ほらペコ、お前も日向に謝れ」

辺古山「すまない日向」

小泉「あっ!お腹の傷!バットで殴られたのになんで平気そうなのよ!」


辺古山「そういえば当たったときの感触が変だった気がするのだが、なにを入れていたんだ?」

日向「一応図書館の本をお腹に入れてたんだ。保険のつもりだったけど助かったよ」

辺古山「…すまない」

日向「いいって。辺古山も気にしなくて大丈夫だ」

小泉も辺古山も守れたしな

小泉「それでも一応蜜柑ちゃんに診てもらわないと」

日向「それもそう…イテテ」

本でもさすがに全部の衝撃を吸収できなかったか……うわ……青く腫れてる……もしかしてヒビ入ってるとか?

日向「あ、駄目だ……確認したら急に痛くなってきた」

九頭龍「ちっ、仕方ねぇな。肩貸してやるから掴まれ」


日向「ありがとな、九頭龍」

九頭龍「てめぇの為じゃねぇ。俺自身の仁義のためだ」

日向「わかった。わかったから揺らすなって。痛いから」

ビーチハウスから帰る途中でダイナーにいたみんなに見つかってしまった

その中にいた罪木の顔がもの凄く怖かったのは覚えている

罪木「やっぱり小泉さんと一緒にいたんじゃないですか……それに水着姿の辺古山さんも……日向さん、どういうことですか?」

泣きながら俺を睨む罪木が可愛かったが右手に持ってたハサミがかなり怖かった

一応、九頭龍にみんなと馴染めないことを相談されてる時にたまたま写真を撮っていた小泉と会ったと説明したらなんとか納得してくれたみたいだった

みんなで誰も欠けずにこの島から出られるかもしれないと思えた


〔チャプター2〕終わり

>>178
ってすまない。投稿中にコメントしてしまった。

モノクマ「うぷぷ、日向くん。君はホントにイレギュラーみたいだね。邪魔だなぁ。ホントに」

モノクマ「邪魔だなぁ……」

狛枝「それと僕を解放することになにか意味があるのかい?」

モノクマ「うぷぷ、狛枝くんは面白いことをしてくれるからね。それにコロシアイ生活はみんなで楽しまなゃね!ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!」



>>180

いや、大丈夫

今日はもう終わるつもりだから

今日はここまで


今日かなり更新したから明日はしなくていいような…………なんて甘い考えは通用しないよねハハハ


続きはまた明日で

〔チャプター3〕

辺古山「…………すまない」

西園寺「謝って済むわけねーだろメガネブス!」

日向「まぁまぁ、落ち着けよ西園寺」

西園寺「日向おにぃは黙ってて!」

小泉「ごめんね日寄子ちゃん」

西園寺「小泉おねぇもひどいよ。でも一番悪いのはコイツらだもん」

九頭龍「ペコもワビ入れてんだからもういいだろ」

西園寺「うっさいチビ!」

九頭龍「あぁ!?テメェもチビだろうが!しかもすぐに泣くチビだろ!」

西園寺「うっ……うぐぐ……」

日向「九頭龍もやめろって。ごめんな、西園寺」ナデナデ


西園寺「泣いてないし!嘘泣きだもん」

なんで西園寺が騒いでるかというと

眠らされていた西園寺を忘れていたんだ

西園寺は起きた後も律儀に小泉をビーチハウスで待っていたらしい

でも夜になっても小泉が来なくて寂しさから泣きながら帰ってきたとかなんとか

西園寺「絶対に許さないから!」

小泉「今日はずっと傍にいるから、ね?」

そのせいで西園寺は拗ねてるんだよなぁ……

モノミ「えぇっと……お取り込み中でちゅか?お取り込み中なら出直しまちゅけど……」

西園寺「うるさい!ブッサイクなぬいぐるみは黙ってて!」

モノミ「いやぁ!いきなり罵倒されまちた!」

日向「またモノケモノでも倒せたのか?」

モノミ「はい!頑張りまちた!」

左右田「じゃあ次の島に行けるってことかよ!」

モノミ「行けまちゅよ!」

狛枝「それはすごいね」

弐大「さすがモノミだのう」

終里「むぐごごぐ?」

十神「だから口の中に食べ物を入れて喋るな!」

終里「むぐ……なんで狛枝がいるんだ?」

日向「は?」

狛枝「おはよう、日向クン」

左右田「うおわぁぁぁぁぁ!?」

七海「くぁ……あふ……なんで狛枝くんがいるのかな?」

狛枝「いやぁ、昨日モノクマが鎖を解いてくれたんだよね」

左右田「なんでモノクマは狛枝なんか助けるんだよ!?」

花村「はい、追加の料理だ……うわぁぁぁ!なんでいるのさ!」




モノクマ「みんなひどいよねぇ……狛枝くんだって生徒なんだから団結しなきゃ」

モノミ「出まちたね!諸悪の根源!」

モノクマ「うぷぷ、雑魚は黙っててよね」

日向「おいモノクマ、生徒に干渉しない。それがこの島のルールじゃないのか」

モノクマ「うぷぷぷぷ。イベントはみんな強制参加だからねぇ」

終里「じゃあまた捕まえちまえばいいんじゃねーか?」


モノミ「ダメでちゅ!みんなで仲良くしなきゃダメでちゅ!」

弐大「しかしのぅ……」

澪田「おはようございまむ!どうしたんすか?みんな集まって」

田中「ふむ…なにか不穏な気配を感じる…」

ソニア「おはようございます」

日向「おはよう。実はさ…」

狛枝「やぁ。久しぶりだね」

澪田「あばばばばば。なんで凪斗ちゃんがいるんすか!?」

狛枝「ひどいなぁ。でもたしかにこんな才能の欠片もないような僕の顔なんて見たくもなかったよね」

西園寺「そう思うんだったら目障りだから出てこないでよ」



モノクマ「そういえば次の島には電気街とライブハウスがあるよ」

左右田「おいお前ら!俺は先に次の島に行ってるぜ!」

十神「おい左右田!勝手な行動は慎め!」

澪田「あのあのー………唯吹も次の島に行きたいんすけどー……」

十神「……もういい!行くぞ、澪田」

澪田「さすが白夜ちゃんっす!」

日向「それでいいのか十神…」

狛枝「それじゃあ僕らも行こうか」

七海「立ち止まってるわけにもいかないしね」

……行っても次の島にはなにもないんだよなぁ……

今日はここまで



また明日更新するよ

モノクマ「うぷぷ、やっと来たね。ここからは楽しい楽しい強制参加のイベントの時間だよ」

日向「は?イベント?」

モノクマ「そう!ボクは思ったんだよ。たまには妹に協力してあげてもいいんじゃないかってね」

モノミ「アンタなんかお兄ちゃんじゃないでちゅよ……協力?」

モノクマ「たまには妹に優しい所も見せないとね」

モノミ「お兄ちゃん………」

左右田「どうでもいいから早くこの島に入らせろよ!」

モノクマ「まぁまぁ。なぁモノミ、オマエがコイツらをこの島に連れてきた理由ってなんだっけ?」

モノミ「えぇっと……それは」

モノクマ「オマエらがらーぶらーぶするためだよ!なのにオマエらはそれを守らずに狛枝くんを縛り付けたりなんかして……先生は悲しいよ」

日向「お前……なにを企んでる」

モノクマ「なにって……ただペアを組ませて次の島を探索させるだけだよ」

日向「はぁ?」

罪木「ペア……ですか?」

モノクマ「そう!だけどこの島ではペアを組んだらその人以外と行動してはいけません!」

モノクマ「破ったりしたらオシオキだからね」

九頭龍「意味わかんねぇぞ……」

モノクマ「だから例えばだけど九頭龍くんが愛しの辺古山さんとペアを組んだとするよ。」

モノクマ「他の人はその二人に干渉しちゃダメ!他のペアの人と話したりなんて言語道断だからね」

小泉「つまりペア以外の人は無視しろってこと?」

モノクマ「Exactly!みんなで仲良くできないならまずはだれか一人と仲良くならないとね」

終里「めんどくせぇなぁ」

モノクマ「それ以外ならなにをしてもいいよ。コロシアイでも逢い引きでもね」

日向「コロシアイなんかするか!」

十神「期間はいつまでだ?」

モノクマ「とりあえず今日1日だよ」

左右田「ならソニアさん!ペアになりましょう!」

モノクマ「あとね、ペアはボクがくじ引きで決めておいたよ」


左右田「それを早く言えよ!」

モノクマ「うぷぷ、じゃあ発表していくよ。16人だから残念ながらぼっちになる人はいないんだよねぇ」

西園寺「もう罪木がぼっちでいいじゃん」

罪木「ぼっちは嫌ですぅ!」

モノクマ「えっとね、田中くんとソニアさん、十神くんと澪田さん、弐大くんと終里さん、九頭龍くんと辺古山さん、狛枝くんと小泉さん、左右田くんと西園寺さん花村くんと罪木さん、日向くんと七海さんがペアだよ」

ソニア「田中さん、よろしくお願いします」

田中「フハハハハ!人間が俺に付いてこれるか?」

十神「フンッ……俺の足を引っ張るなよ」

澪田「うっきゃー!かっけーっす!」

終里「おっしゃ!またやろうぜ弐大のおっさん!」

弐大「弩えれぇやる気じゃのう」

九頭龍「おいペコ。後で話してぇことがある」

辺古山「はい、ぼっちゃん」

狛枝「小泉さんのペアだなんて光栄だな」

小泉「はぁ……アンタがペアなんて最悪」

左右田「だー!!なんでお前なんだよ!」

西園寺「うっさい!だっさい服装してるくせに!」

花村「ヨダレが止まりませんな!」

罪木「………………よ、よろしくお願いします」

七海「日向くん、よろしくね」

日向「あぁ」

モノクマ「うぷぷ、モノミはボクとペアだからね。じゃあ解散」

『田中・ソニアパート』
〔図書館〕

田中「キサマ……探索はどうした」

ソニア「十神さんが今日はろくに探索できないだろうから自由だとおっしゃってましたので」

田中「しかしなぜ図書館なのだ?こんな静寂が支配する領域はあまり好まん」

ソニア「なぜですか?」

田中「昔を思い出すからな……」

ソニア「田中さんの子どものころの話ですか?ぜひ聞きたいです!」ギュッ

田中「ぬぉぉ!!俺に触るな!毒が感染するぞ!」

ソニア「田中さんがその毒で苦しんでいるのなら、私もその毒の苦しみを味わいましょう。そうすればもっと田中さんのことを理解できますから!」

田中「…………貴様も特異点なのかもしれないな……」

ソニア「特異点?」

田中「フッ、気にするな。よかろう、聞かせてやろう!この俺の血塗られた過去をな!」

ソニア「はい♪」


『十神・澪田パート』
〔ライブハウス〕

澪田「うわー!懐かしいっす!」

十神「たしか貴様は軽音をやっていたのだったな」

澪田「おっ、白夜ちゃん軽音に興味ある感じすか!?」

十神「フンッ!俺が?笑わせるな。俺は貴様ら愚民どもが演奏するのを聴くだけだ」

澪田「うっはー!さすが白夜ちゃんっす!唯我独尊ってやつっすね!」

十神「なっ!?…………そうか……お前にはそう見えていたか……」

澪田「あれ?どうしたんすか?白夜ちゃん。つか唯我独尊なんて言ってみたけどなんて意味なんすかね」

十神「フンッ、仕方ない。この俺自ら意味を教えてやろう」



『弐大・終里パート』
〔ビーチ〕

終里「ここまでくりゃいいだろ」

弐大「おう!やるからには手加減せんぞぉぉぉぉ!」

終里「はっ!そのツラ砂浜に叩きつけてやんぜ!」



モノクマ「えー……ボクがここまでお膳立てしてやってるのになにこれ」

モノミ「はわっ!?ケンカはダメでちゅよ!」

モノクマ「先生がルールを破ってどうする!」バキッ

モノミ「痛いでちゅ!」

今日はここまでで



また明日更新しますわ

『九頭龍・辺古山パート』
〔ビーチ〕

九頭龍「なぁペコ」

辺古山「なんでしょう」

九頭龍「俺はよ……お前が傍にいてくれるだけでいいんだよ」

辺古山「それはどういうことでしょうか?」

九頭龍「だから!お前は自分のことを道具だとか思ってるみてぇだけどよ……俺はお前を一人の人間として傍にいてほしいんだよ」

辺古山「ぼっちゃん……」

九頭龍「九頭龍組も金もなにもいらねぇ!お前が傍にいてくれるだけでいいんだよ!」

辺古山「…………はい、ぼっちゃん。私は生涯ぼっちゃんの傍におります」

九頭龍「……ありがとな」

辺古山「この島から出たらまずは妹さんに報告ですね」

九頭龍「なんの報告だよ」

辺古山「ぼっちゃんにプロポーズされたという報告ですよ」

九頭龍「………はぁ!?ちょっと待て!傍にいてほしいってのはその……あれだよ……」

辺古山「私はぼっちゃんのこと、好きですよ」

九頭龍「なんだよいきなり!」

辺古山「ふふ、顔が真っ赤ですよ」

九頭龍「誰のせいだと思ってやがる!」

『小泉・狛枝パート』
〔プールサイド〕

小泉「はぁ」

狛枝「そんなにため息ばっかりついてると幸せが逃げてくよ?」

小泉「アンタがペアだからよ」

狛枝「ボク小泉さんになにかしたっけ?」

小泉「アタシはアンタが嫌いなの!わかった!?」

狛枝「ボクは小泉さんが好きだよ」

小泉「そういう所も嫌いなの!アタシのことなんかこれぽっちも興味ないのにそんなこと言うとか信じらんない」

狛枝「興味はあるよ。君たちが持つ希望がどれほどのものなのかとかね」

小泉「……ホントアンタってわかんないわ」


『左右田・西園寺パート』
〔モーテル〕

左右田「なんでペアがお前なんだよ……」

西園寺「いつまでも五月蝿いよ?いやならどっか行けばいいじゃん」

左右田「一人で行動したらモノクマにオシオキされんだよ」

西園寺「ずつと脈ないのにあの女に鼻伸ばしてるよね。ぷぷっ、いつも相手にされてないのにね」

左右田「うっせ!俺はいつかソニアさんを振り向かせるんだよ!」

西園寺「



間違えて途中で投稿しちゃった……

西園寺「はいはい、フられたらわたしに教えてよ!罵倒してあげるからさ」

左右田「やだよ!なんで傷口に塩塗り込むようなことしなきゃならないんだ!」





『花村・罪木パート』
〔病院〕

罪木「………………」カチャカチャ

花村「いやー、病院に二人きりだね。もう興ふ……緊張してたってしまうよ!あ!別に変な意味はないからね!」

罪木「…………はい」

花村「日向くんが気になるのかい?」

罪木「ひ、日向さんは関係ないですぅ!」

花村「日向くんと七海さんのペアが気になるんだね」

罪木「…………はい。で、でも花村さんといるのが嫌とかじゃなくって!」

花村「分かってるよ。じゃあ二人を見に行こうか」

罪木「で、でもぉ……オシオキが……」

花村「じゃあ……おーい、モノクマー」

モノクマ「呼んだ?」

花村「他のペアに干渉しなかったらいいんだよね」

モノクマ「そうだね。直接干渉しないならなにをしてもいいよ」

花村「だったらたまたま僕たちが行った所に他のペアがいたら?まさか他のペアに出会ったらオシオキなんて言わないよね?」

モノクマ「うーん……それなら話しかけないなら大丈夫ってことにしよう」

花村「ありがとう。ほら、罪木さん。行くよ」

罪木「えっと……えぇ!?どこに……」

花村「僕たちはたまたま散歩してたら日向くんたちを発見しちゃうんだよ。ね?」

罪木「……花村さんありがとうございます!私なんかのワガママに……」

花村「罪木さんよワガママじゃなくて僕が散歩したくなっただけだから。行こうか」

罪木「は、はい!」



モノクマ「うぷぷ、どうなるんだろうね。ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!」

モノミ「い、いきなり走らないでくだちゃい!」

モノクマ「遅い!」ガスッ

モノミ「痛いでちゅ!」

『日向・七海パート』
〔ジャバウォック公園〕

七海「クソねみぃ……」

日向「大丈夫か?」

七海「昨日徹夜でずっとゲームしてたから……眠くて……」

日向「お前は変わらないな」

七海「スー……スー」

日向「しかも寝るの早いな」

七海「ん……ごめん。寝てた」

日向「知ってるよ。今日は大人しく寝てろ」

七海「……うん。少し失礼するね」ポテ

日向「なッ!?なんで俺の膝を枕にするんだよ」

七海「おぉ……凄い…膝……枕……だ…ね……」スー

日向「まったく……俺がみんな助けるから……でもこの記憶がホントならお前は………」

七海「スー……むにゃ……」

いや、そんなの関係ない

七海が未来機関の人間だとしても俺は助けるだけだ

日向「にしても髪の毛ボサボサだな……罪木の髪の毛はサラサラそうなんだけどな……」ナデナデ

罪木「………………あ……」

花村「あ……あぁー……いこ、罪木さん」

日向「!?」

なんでここに罪木たちが……

日向「つ、罪木!」

花村「そういえば罪木さん。他のペアに干渉すればオシオキだったっけ!」

……そうだった

罪木「う…………うぅ……うぅぅぅ……」

花村「早く行こう。手を引いてあげるから付いて来て」

…………クソ……

日向「罪木が泣いてたのに……なにもできないなんて……」

そもそも七海に膝枕なんかして……なにしてんだよ俺……

日向「最低だな……」

七海「ん………どうしたの?ひどい顔だよ?」

日向「…あぁ……自己嫌悪してただけだ」

七海「…………えい」ギュッ

日向「…え?」

七海「お父さんがね……慰めてあげるにはこうしろって言ってたの」

七海「だから私も日向くんを元気づけてあげようと思ってね」


日向「違うんだ…………俺が悪いんだよ……」

七海「ううん。日向くんは悪くないよ。大丈夫、私がいるから」

日向「違う…………違うんだよ……」

七海「男の子でしょ?少しへこたれただけで落ち込むな」

日向「……………ごめん」

七海「謝らなくていいよ。なにか相談したいことがあったら私が聞くよ?」

日向「大丈夫。俺だけね解決しなきゃいけないことだから」

七海「そっか……頑張れ、日向くん」


モノクマ『オマエラ、今日の探索はもう終わりだよ。ホテルに戻ってね。あ、でも夜の放送まではペアで行動だから間違っても他のペアに干渉しちゃダメだよ』

七海「あ、モノクマアナウンスだ。帰ろ?日向くん」

日向「ああ」


〔コテージ〕

左右田「あー……かったりぃ」

西園寺「なんでー?一緒にアリたんプチプチして遊んであげてたじゃん」

左右田「楽しくねーよ!たまに俺の足踏んだりしてたろ」

澪田「白夜ちゃんって案外物知りっすね!」

十神「当たり前だ。十神家の次期当主だぞ」

九頭龍「おいペコ!ニコニコしすぎだ!あと誰にも言うなよ!」

辺古山「わかっておりますよぼっちゃん。ふふ……」

終里「くっそぉ……勝てねぇなあ」

弐大「まだまだじゃな。まだ体のバネの使い方が悪い」

小泉「はぁー、やっと終わった。これでアンタの相手から解放される」

狛枝「あはは。僕はまだ話し足りないよ」

ソニア「今日はありがとうございました」

田中「聞きたいのならまた話してやろう」

罪木「………………」

花村「コテージについたよ」


日向「あ…罪木」

七海「まだ終わってないから油断しないで」

日向「……すまん」

モノクマ「うぷぷ、みんな揃ったかな?じゃあここからはどちらかのコテージで辛抱を深めてね。夜の放送まで出てきちゃダメだよ」

全員『!?』

モノクマ「ボクもモノミとレストランにいるからね」ガシッ

モノミ「ほわっ!?耳を掴むのはやめてくだちゃい!」

モノクマ「あ、破ったらオシオキだからね?」

とりあえずここまで


テストやら風邪やらで更新遅くなってごめん



『田中・ソニアパート』
〔ソニアのコテージ〕

田中「…………」

ソニア「なんで正座してるのですか?」

田中「……理由などない」

ソニア「あ、もしかしてこれがジャパニーズ『ワビサビ』ですね!」

田中「……ま、まぁそんなところだ」

ソニア「私もご一緒してもよろしいですか?」スッ

田中「な!?なぜ隣に座る!」

ソニア「ダメでしたか?」

田中「……勝手にしろ……」

ソニア「はい♪」


『十神・澪田パート』
〔澪田のコテージ〕

澪田「だからこの指でこのコードを抑えればいいんすよ」

十神「わかっている!……くっ!指が届かんッ!」

澪田「あー………ドラムやってみるっすか?」

十神「ふざけるな!この十神白夜にできないことなど……ッ!」

澪田「どうしたんすか!?」

十神「指が…………つった……」

澪田「いくら白夜ちゃんでも物理的に無理なものは無理っすよ」

十神「俺は諦めん…………諦めんぞ!」

澪田「不屈の闘志を燃やす白夜ちゃんもカッコいいっすね!」


『弐大・終里パート』
〔弐大のコテージ〕

終里「なぁ弐大……またアレ……やってくんねーか?」

弐大「仕方ないのう。ほれ、そこに寝ろ」

終里「へへっ、悪いな」

弐大「選手の体調管理もマネージャーの仕事じゃ」

終里「弐大のマッサージはクセになりそうな気持ちよさがあんだよな」

弐大「褒めてもなにも出んぞ」


『九頭龍・辺古山パート』
〔九頭龍のコテージ〕

辺古山「こうやって二人きりで話すのは久しぶりですね」

九頭龍「そうだな」

辺古山「子どものころはよく二人で探検したり誘拐されましたけど……」

九頭龍「この状況も拉致られてるようなもんじゃねーか」

辺古山「でもあの頃とは違うものもありますよ」

九頭龍「なんだよ」

辺古山「坊ちゃんと同じ気持ちだということがです」

九頭龍「なんでそうやって掘り返してくんだよ!」

辺古山「坊ちゃん……」

九頭龍「……なんだよ」

辺古山「好きですよ」

九頭龍「お前キャラ変わりすぎだろぉぉぉ!」


すいません(汗


用事あるので休憩します

『狛枝・小泉パート』
〔小泉のコテージ〕

小泉「なんでアタシのコテージなのよ」

狛枝「小泉さんのことをもっと知りたくてさ」

小泉「はいはい、勝手に言ってれば?」

狛枝「ひどいなぁ。あれ?この写真……」

小泉「なによ」

狛枝「日向クンの写真が多いね。なんでなの?」

小泉「……うるさいなぁ!勝手に触らないでよ」

狛枝「へー、もしかして小泉さんって日向クンが好きなのかな?」

小泉「う・る・さ・いっての!」ギリギリ

狛枝「アイアンクローは痛いよ!」

小泉「じゃあ黙ってなさい!」

狛枝「わかった!わかったから!」


『左右田・西園寺パート』
〔左右田のコテージ〕

西園寺「うっわー、汚ーい、臭ーい」

左右田「うっせぇ!汚くねーし臭くもねーよ!」

西園寺「あ、そっか!左右田おにぃ自身が臭いんだ!」

左右田「臭くねーよ!」

西園寺「ねぇ、このマッサージイスみたいなのってなに?」

左右田「無視かよ…………ケケケッ、それはただのマッサージイスじゃねーぜ」

西園寺「……ふーん。じゃあ座ってみるけど……変な機能とか付いてたら左右田おにぃを社会的に殺すからね」

左右田「弐大とか用にパワーが強いだけのマッサージイスです!」

西園寺「あんな筋肉ダルマ用なんて私潰れちゃうじゃん!」バシッ

左右田「痛っ!悪かったって……」


『罪木・花村パート』
〔花村のコテージ〕

花村「はい、ハーブティーだよ」

罪木「すみません……」

花村「落ち着いた?」

罪木「はい…………心配かけてすみません」

花村「迷惑だなんて思ってないさ。僕じゃ力になれないかもしれないけど悩みがあるなら聞くよ?」

罪木「すみません……大丈夫です……」

花村「……少し待ってて」

罪木「え?」

花村「えーと……あ、あった」ガチャガチャ

罪木「……どうしたんですか花村さん」

花村「これ食べてみてよ」

罪木「おにぎり……ですか」

花村「夜の放牧が終わった後に日向君のコテージに行って少し話しあってみたらどうかな。なにがどうなってるのかはわからないけど本人同士で話しあったほうが解決すると思うし」

罪木「……花村さん……ありがとうございます。そうですよね!日向さんと話してます!」

花村「そうそう、その意気だよ!」

罪木「おにぎりいただきますね」ニコッ


『日向・七海パート』
〔日向のコテージ〕

日向「……なぁ七海、女の子とケンカとかして気まずい時ってさ、どうやって仲直りすればいいんだ?」

七海「いきなり変なことを聞くね」

日向「まぁ色々あってさ。そういえば七海っていろんなゲームやってるよな。恋愛ゲームとかそういうのだったらこういうときどうするんだ?」

七海「ごめんね日向君、残念だけど力になれそうにないよ」

日向「なんでだよ」

七海「私は恋愛ゲームとか苦手なんだ」

日向「そうか……ありがとな」

七海に苦手なゲームがあるなんて意外だな

七海「日向君はどうしたいの?」

日向「え?」

七海「日向君はその子と仲直りがしたいの?」

日向「あぁ…」

七海「なにが原因でどっちが悪いのかしらないけどケンカしちゃったのなら日向君が先に謝っちゃえばその子と仲直りできると思うけど」

日向「……そうだよな」

七海「みんな仲良くしよ。ほら、らーぶらーぶって」

日向「……ありがとな、七海」

七海「ううん、私はなにもしてないよ」

日向「アドバイスくれただろ」

七海「役に立てたなら嬉しいな」

日向「……なぁ七海、お前ってみら…」

モノクマ『おいオマエラ!そろそろ寝る時間だから自分のコテージに戻りやがれ!』

七海「なにかな、日向君」

日向「…悪い、なんでもない」

七海「そっか。じゃあ私は帰るね。今日は楽しかったよ」

日向「俺も楽しかったぞ。おやすみ」

七海「うん。おやすみなさい」

日向「さて……寝るかな」

?『あの………日向さん』

日向「ん?罪木か」ガチャ

罪木「あのぅ…………迷惑じゃないならお話ししてくれませんか?」

日向「…いいよ。俺のコテージでいいか?」

罪木「大丈夫です…日向さんとお話しできるのなら……」

日向「わかった。入ってくれ」

罪木「お、おじゃまします…」


〔日向のコテージ〕

日向「…………」

罪木「…………」

気まずい…………

罪木はコテージに入ってから全く目を合わせてくれないし……

俺から話しかけた方がいいよな

日向「あのさ……」

罪木「あ、あの……」

日向「悪い、罪木から言ってくれ」

罪木「そんな!私なんかより日向さんからどうぞ!」

日向「いいよ、罪木から話してくれて」

罪木「わかりました……あの……」


罪木「わ、私……日向さんのことが大好きです……私なんかに好きになられたら、迷惑ですよね……えへへ……ごめんなさい……」

罪木「で、でもぉ!日向さんが他の誰かを好きだったとしても……私は……日向さんが大好きなんです……日向さんのことを考えただけで胸が苦しくなって……」

罪木「なにも考えられなくなるんです。……ごめんなさい…いきなりこんな気持ち悪いこと言い出してごめん……なさい」

罪木……

罪木「私は日向さんが幸せならそれでいいんです。日向さんが七海さんを好きになっても仕方ないんです……胸は苦しいけど私……日向さんが幸せなら……」

日向「あのさ、罪木」

罪木「ひぅっ!ご、ごめんなさい!す、すぐに帰りますからぁ!」

日向「違う!罪木、よく聞いてくれ」


日向「昼間は悪かった!」

罪木「えっ……えぇぇ!なんで日向さんが頭を下げるんですかぁ!」

日向「罪木をこんなに不安にさせてたなんて……本当に悪かった!」

罪木「も、もういいですからぁ!頭を上げてください!」

日向「俺は罪木のことが好きだ……大好きだ。七海に膝枕してたこと……怒ってるんだよな」

罪木「あ………うぅぅぅ」



罪木「許してなんて……あげません……」

日向「……ごめん」

罪木「だ、だから……日向さんは…わ、私を名前で呼んでください!」

日向「…え?」

罪木「こ、これは罰なんですぅ!わ、私が名前で呼ばれたいとかじゃなくて!あの、だから!日向さんは私のことを罪木じゃなくて……蜜柑って呼んでください……」

罪木「ダメ……ですか?」

日向「……わかったよ、蜜柑…」

罪木「えへ……えへへ……あ、あの、日向さん」

日向「どうした?」

罪木「えい」ギュッ

日向「うわっ!なんで抱きついてくるんだよ」



罪木「私…日向さんが七海さんに膝枕してるのを見て……胸が苦しくなりました……」

日向「…ごめん」

罪木「……七海さんと日向さんお似合いだなって……七海さんなら仕方ないかなって思おうとしてたんですけど……」

罪木「でも諦められなくて……ふゅ……うぅぅ……花村さんに…話しあったほうがいいって言われて……諦めたくなくて……」

日向「ごめんな……もう蜜柑から離れたりしないから」

罪木「えへへ……苦しかったけど…今は諦めないでよかったって思ってます…」



罪木「あ、あの……創さんって…呼んでもいいですか?」

日向「あぁ、蜜柑の好きに呼んでくれ」

罪木「ふぇ……は、恥ずかしいですね」

日向「蜜柑から言い出したことだろ」ナデナデ

罪木「そ、そうですけどぉ」

日向「蜜柑……」

罪木「なんですか?」

日向「いや、なんでもない」

罪木「…そろそろ自分のコテージに帰りますね」

日向「わかった。おやすみ」

罪木「おやすみなさい」ガチャ

蜜柑……

お前を絶対に死なせやしないからな




すいません……風邪引いたっぽいので今日はここまでにします

明日更新できたら更新します

〔食堂〕

日向「おはよー」

小泉「あ、日向!助けて!」

日向「そんなに慌ててなにがあったんだよ」

小泉「狛枝が変なの!」

日向「あいつが変なのはいつものことだろ」

小泉「そうじゃなくて!」

狛枝「あれ?日向クンじゃないか。そういえばボクね、この島から脱出する方法を見つけたんだよ」

日向「はぁ?」

狛枝「それにさっき罪木さんを見かけたんだけど凄いスピードでプールの上を走ってたんだ!」

日向「……おい狛枝、お前もしかして……」

狛枝「アハハハ、なんだか最っ高にハイってやつだよ!アハハハハハハ!」

日向「……やっぱりかよ…」

狛枝が絶望病にかかってるってことは…

日向「小泉!みんなを食堂に呼んでくれ!」

小泉「え?なんで……」

日向「いいから早く!狛枝は病気だ!」

小泉「あ……わかった!すぐ戻ってくるから!」



狛枝「アハハハ、酷いなぁ。ボクは病気なんかじゃないよ。ほら、この通り元気だもん」フラフラ

日向「いいから座ってろ。モノクマ、出てこい!」

モノクマ「はいはい呼んだぁ?」

日向「またお前の仕業か」

モノクマ「そうだけどそうじゃないよ。これはねぇ、絶望病だよ」

日向「早く治せよ」

モノクマ「うぷぷ、イヤだよ」

日向「お前ッ!」

モノクマ「怖いなぁ。暴力反対だよ。まぁボクに危害を加えたらオシオキだけどね」

日向「ッ!……クソ!」

小泉「日向!みんな連れてきたよ!」


十神「これはどういうことだ!」

澪田「澪田 唯吹、ただいま食堂に到着しました!」

罪木「創さん!なにがあったんですかぁ!?」

日向「蜜柑!狛枝が病気にかかったんだ。狛枝だけとは思えないから診察してくれ」

罪木「わ、わかりましたぁ!」

弐大「なんの騒ぎじゃ?」

終里「ひっ!ご、ごめんなさい!」

九頭龍「おいペコ!少しは離れろ!それにお前熱っぽいぞ」

辺古山「いーやーでーすー!冬彦ぼっちゃんの傍にいたいんです!」キュッ

花村「さぁお嬢さん、入り口の段差に気をつけてお入りください」

左右田「おいおいおいおい!なにがどうなってんだよ!お前そんなキャラじゃなかっただろ!?」


西園寺「ちょっと左右田おにぃうるさい!ほら帽子。別に左右田おにぃのためってわけじゃないけど洗っといてあげたから」

左右田「え?お、おう……サンキュ。なんかお前顔赤いな」

ソニア「なにがあったんですか?」

日向「狛枝が絶望病にかかったんだ。だけど狛枝だけってことはないと思う」

田中「なるほど、俺たちはそれを調べればいいというわけか」

十神「なら俺は澪田と狛枝を病院に連れて行こう」

日向「助かる」

罪木「すぐ終わりますからぁ!」

西園寺「触んなゲロブタ!ミンチにするぞ!」

左右田「あーもう暴れんなって!」

七海「たぶん西園寺さんも病気だよ」

九頭龍「なんでもいいから早くこいつらを病院に連れていくぞ!」



〔病院〕

罪木「絶望病にかかってそうなのは狛枝さんと花村さん、終里さんと辺古山さんと西園寺さん、澪田さんです」

日向「多いな……」

十神「おいモノクマ!こいつらはいつになったら治るんだ!」

モノクマ「さぁね?3日くらいじゃないかな」

九頭龍「てめぇ!」

七海「暴力はダメ。モノクマの思う壺だよ」

九頭龍「クソが!!」

十神「……なら病院に残って看病するグループと島を探索するグループに分けるぞ」

左右田「ちょっと待てよ!こんなになったやつらを置いて島を探索すんのかよ!」

十神「島に治療薬があるかもしれんだろう。それにもうあそこでは眠れん。病原菌が蔓延しているかもしれんからな」

田中「よかろう。ならば俺様は島を探索してやろうではないか!」

日向「探索組は病院に近づかないようにしてくれ。全員が絶望病にかかったらもう手の施しようがないからな」

罪木「わ、私はみなさんの看病をするので残ります」



日向「俺も残るよ」

小泉「だ、だったらアタシも残る!」

弐大「ワシも残ろうかのう。選手の管理が出来てなかったワシの責任でもあるんじゃ」

九頭龍「だったら俺も……」

日向「すまん……九頭龍は探索組に回ってくれ」

九頭龍「あぁ!?なんでだよ!」

日向「探索組の人数が少なすぎるんだ。それにもしお前まで絶望病になったら誰が辺古山を守るんだよ」

九頭龍「……ちっ!そういうことなら仕方ねぇ」

十神「日向……そっちは頼んだぞ」

日向「任せてくれ」

十神「行くぞ愚民ども!この俺が導いてやる!」



日向「俺たちは罪木のサポートをするぞ」

小泉「わかった」

弐大「おう!」

罪木「よ、よろしくお願いします!」

日向「俺たちはなにをすればいい?」

罪木「まずお湯を沸かしてください。それから…………」

俺たちは罪木のサポートをした

なにか嫌な予感を感じながらもそれを振り払うようにみんなの看病をした



少し休憩します

再開


てかパンツハンター言うなw

日向「ふぅ…」

モノクマ「やぁ日向クン。精が出るね」

日向「お前のせいだろ……」

モノクマ「おやおやぁ?お疲れのようですね」

疲労のせいでモノクマの一言一言が腹立たしく感じるぞ……

モノクマ「まぁいいや。ボクはね、みんなの病名を言いに来てあげたんだよ。ま、病名がわかったところで治るわけじゃないんだけどね」

日向「早く言えって」

モノクマ「もう、せっかちだなぁ。うぷぷ、花村クンは紳士病、狛枝クンは嘘つき病、終里さんは弱虫病、西園寺さんはツンデレ病、辺古山さんは甘えん坊病、澪田さんは素直病だよ」

日向「意外と大したことないな……」

蜜柑が発症しないように気をつければ大丈夫そうだな

モノクマ「うぷぷ、ボクは殺人の動機を与えるだけだよ」

日向「用はそれだけか?だったら早く消えてくれ」

モノクマ「日向クンが怖いよ!これが現代のキレる子どもなんですね……」

モノクマはとぼとぼとどこかに行ったみたいだ

さて……そろそろ戻るか


『ぴんぽんぱんぽーん。オマエラ、夜時間になりました。波の音を聞いてゆっくり眠ってね。あ、あと病院には一人しか泊まれないからね』

小泉「誰が残るの?アタシ残ってもいいけど」

罪木「あ、私が残ります」

日向「いや、俺が残ろ……くっ」フラッ

なんだ?頭が痛い……

弐大「そんなフラフラしとるのに残るもクソもあるか」

日向「俺は大丈夫だ!1日くらい……」

小泉「はいはい、帰るよ日向。ごめん蜜柑ちゃん。今夜だけ任せていい?明日はアタシが残るから」

罪木「……あ、はい。任せてください!」

日向「だから俺がっ!」

弐大「お前さんは少しくらいワシらを頼らんかい。仲間じゃろう」


小泉「もう担いでいった方が早いかもね。弐大、日向のこと担げる?」

弐大「おう!」ガシッ

日向「やめろ!弐大、小泉!」

罪木「あ、あの!おやすみなさい!」

小泉「うん、おやすみ」



用事できたから今日はここまで


夜中に書けたら書きます

〔コテージ〕

日向「……クソ…」

小泉「ちょっと日向!?アンタ相当ヤバそうなんだけど!」

弐大「そういえばやけに体が熱かったのう」

小泉「それってまさか絶望病なんじゃ…」

日向「……俺は、そんなもんなんかに…負けてらんねぇ……んだよ……」

頭がフラフラする……

意識も……限界か…

小泉「日向!?日向しっかりして!」

弐大「とりあえず日向をコテージで寝かせ……」




あれ?どこだここ

?「……ツマラナイ」

……誰だコイツ

いや、俺はコイツのことを知っているはずだ

?「本当にツマラナイ……」

俺はコイツをどこかで、見たことがある?

いや、俺はコイツを知っているはずだ

…思い出せない

?「僕は君で、君は僕だ。忘れているのならそれでもいい。オモシロイのなら、どうでもいい」

なんだ?

コイツは一人でなにを言っているんだ?

「…た………ひな」


?「だけど君はなにも守れない。全てを犠牲にした僕ではなにも、ね」

お前は誰なんだよ!

「…お……なた!」

?「…時間みたいだね。呼ばれてるみたいだから早く行けば?ついでだし治しておくよ。あぁ、ツマラナイ」

治す?呼ばれてる?なにを……

?「こんなことならカムクラ……なんて……」




小泉「日向!」

日向「うわっ!」


小泉「よかった……ホントにもう…心配ばっかりかけて」

日向「あれ?俺は……」

小泉「コテージについた途端に倒れたの。覚えてない?」

日向「あー……うっすら……」

じゃあ今さっきのは夢か?

小泉「額出して」

日向「え?」

小泉「熱測るから額出して!」

日向「あ、はい!」

近い近い近い!小泉の顔が近い!

日向「普通手じゃないのか!?なんで額でやるんだよ!」

小泉「あ、アタシだって恥ずかしいんだから!……あれ?」

日向「どうしたんだ?それより測ったんなら離れてくれ!」

小泉「あ、ごめん。……熱が引いてる」


とりあえず休憩します

授業終わったらまた書きます




日向「え?どういうことだ?」

小泉「わかんない……けど熱引いてよかったんじゃない?」

日向「それはそうだけど……」

なぜかさっき見た夢が気になる…

あいつが「治しておく」と言っていたけど関係あるのか?

小泉「日向?ねぇ、日向」

日向「…あ、すまん」

小泉「まだどこか調子悪い?」

日向「いや、大丈夫だよ。少しぼーっとしてただけだから」

小泉「そう…でも今夜はちゃんと寝なさい。わかった?」

日向「今夜?」

まだ朝になってないのか?

日向「今何時なんだ?」

小泉「今?夜中1時」

日向「1時!?ごめん、俺のせいで迷惑かけた…」

小泉「ホントにいい迷惑よ。ふわぁ……そろそろアタシも寝るから」

日向「そうか……今日はありがとな」

小泉「別にアンタのためじゃないからお礼なんていいわよ。日向、おやすみ」ガチャ

日向「あぁ、おやすみ」

小泉は今まで寝ずに看病してくれてたのか…

明日なにかお礼しなくちゃな


〔病院〕

日向「おはよう」

罪木「お、おはようございますぅ」

弐大「おう日向、もう体の調子はええんか?」

日向「昨日はすまなかったな」

罪木「昨日ってなにかあったんですか!?」

日向「少し熱が出ただけだから大丈夫だよ」

弐大「少しじゃなモゴガゴ」

日向「余計なこと言うなって!」

罪木「どうしたんですか?」

日向「あはは、なんでもないよ」

小泉「ふわ……蜜柑ちゃんおはよ」

罪木「お、おはようございます、小泉さん。なんだか眠そうですけど大丈夫ですか?」

小泉「少し寝付けなかっただけだから大丈夫。それより蜜柑ちゃんも寝てないんじゃないの?」

罪木「わ、私は大丈夫です」

小泉「いいからほら、少しでもいいから仮眠とってきなって。ここはアタシたちに任せて」

罪木「そんな!悪いですよぅ」

日向「小泉もああ言ってるし少し休憩した方がいいぞ」

罪木「…………わかりました。じゃあ少しだけお願いしますね」



小泉「さぁて、蜜柑ちゃんの分まで頑張ろっか」

日向「小泉も少し休んだらどうだ?ほとんど寝てないんだろ」

小泉「アタシは平気だよ。それよりも日寄子ちゃんとかの看病しなきゃ」

弐大「小泉よ、顔色が悪いぞ」

小泉「そ、そんなことないよ」

日向「やっぱり俺のせいで……」

小泉「だから日向のせいじゃないって」

日向「でもさ……それで小泉まで倒れたら俺、どうすればいいんだよ」

小泉「……もう!わかったからそんな顔しないの。少しだけ休むからさ」

弐大「そうした方がええのぅ。健康の秘訣は1に睡眠2に快便、つまりクソじゃあぁぁぁ!」

小泉「ちょっと弐大ウルサい!病院の中なんだから静かにしてよね」

弐大「す、すまん」


小泉「じゃあ二階の空き部屋で仮眠取ってるから、30分くらいしたら起こしてね」

日向「わかった」

小泉「おやすみ。ふぁ」

やっぱり無理してたんだな

凄い大きな欠伸してたし

モノクマ「やっほー、元気してる?」

日向「モノクマ!何しに来た!」

弐大「事によっては全面戦争じゃぞ」パキパキ

モノクマ「暴力反対!ただ遊びにきただ……てあれ?なんで日向クンがいるの?」

日向「俺がいちゃいけないのかよ」

モノクマ「そういうわけじゃないけど……おっかしいなぁ。日向クンには思い出し病をかけたはずなんだけどなぁ」

日向「は?それ、どういうことだよ!」

モノクマ「ま、いっか。ボクは帰るよ。じゃあね」

日向「待て、モノクマ!」

俺に思い出し病をかけた?

昨日のあれは絶望病だったってことか?

弐大「今はわからんことを考えても仕方ないしのう。やれることだけやらんか?」

日向「……そうだな。まずはみんなの看病をしなきゃな」

モノクマが言ってたことの意味はわからないけど

今俺にできることだけをしよう


〔数時間後〕

小泉「ねぇ日向」

日向「はい……すいません」

罪木「あ、あの…別に悪気があったわけじゃ…」

小泉「アタシは今日向と話してるんだけど」

罪木「ひぅッ!ご、ごめんなさい」

小泉「日向のおかげですっかり体調もよくなったし元気になったよ」

日向「…はい」

小泉「でもさ、アタシは30分くらいで起こしてって言ったわよね」

日向「はい……言いました」

小泉「アタシが仮眠取ったのが13時ごろ。今は何時?」

日向「夜の8時です……」


小泉「7時間よ!?30分って言ったのに!自分でもよくそんなに寝れたんだって思ったわよ。それに日向、アタシ起こす時にほっぺた引っ張ったりしてたでしょ」

罪木「……………そうなんですか創さん?」

日向「……………………申し訳ありません」

小泉「あ、アタシは別に嫌じゃなかったけど恥ずかしいでしょ!」

日向「……はい、もうしないです」

小泉「別に……気にしてないからいいけど。もういいよ、許したげる」

日向「すまん」

罪木「お話終わりました?はーじーめーさん♪向こうで私とお話しませんか?しますよね?しなさいほら早く行こう行こう行こう♪」ガシッ

日向「蜜柑!?あ、ちょっと!」ズルズル

小泉「……ん?今蜜柑ちゃん、日向を創さんって呼んでた?それに日向も蜜柑って……」



少ないけど今日はここまで

睡魔が…

日向「あれ?小泉に言ってなかったか?俺たち付き合ってるぞ」

小泉「そ、そんなこと初耳なんだけど!」

弐大「やっぱりそうじゃったか」

小泉「弐大アンタ気づいてたなら言いなさいよ
!」

弐大「普通二人の空気でなんとなく分からんかのう」

小泉「………………そう」

弐大「どこに行くんじゃ?」

小泉「どこでもいいでしょ」



携帯壊れたから代機から書いてるけどかなり使いずらいです……

誤字が多くなったりや更新が遅くなったりします(汗)

小泉「そう……だったんだ……」

小泉「あの二人……付き合ってたんだ」

小泉「……なんだろ。胸が苦しい……」

小泉「………………」

小泉「邪魔」



〔病院〕

日向「いてて……」

罪木「創さんが悪いんですよぉ」

日向「ごめん」

罪木「わ、私は幸せでしたから……」

弐大「おぅ、帰ってきた……なぜ罪木は日向の腕を抱き締めておるんじゃ」

日向「……罰だから仕方ないんだよ」

罪木「えへへ、そうですよ。罰だから私がこうしてるのも仕方ないんですよ」

弐大「……そうか」

日向「すまん」

弐大「気にせんわい」

日向「小泉は?」

小泉「ここにいるわよ」ガチャ

日向「どこ行ってたんだよ」

小泉「どこでもいいでしょ。それよりもうそろそろ夜時間じゃない?」

すっかり忘れてたけどもうそんな時間か

小泉「今日はアタシが残るから」

罪木「わ、私が残りますぅ!」

小泉「大丈夫。今日アタシなにもしてないしこれくらいはさせてよ」

罪木「でもぉ……」

小泉「今さっき日寄子ちゃんたち見てきたらほとんど熱も下がってたし大丈夫だよ。それに蜜柑ちゃんは昨日やってくれたでしょ」

弐大「まぁ2日徹夜は厳しいしのう」

小泉「決まり!さ、ここはアタシに任せてみんな帰った帰った」

日向「……悪い」

小泉「気にしないで」



もうなんの話だwww

更新してきます

〔コテージ〕

日向「ホントに小泉一人で大丈夫かな……」

罪木「創さん……」クイッ

日向「どうした?」

罪木「あの……小泉さんが心配なのは分かります。でも、今隣にいるのは私なんです……だから今だけでも私だけを見ていてください……」

日向「‥……ごめん。そうだよな」ナデナデ

罪木「えへへ」

弐大「わしがおることを忘れとらんか?」

日向「あ……忘れてないぞ」

弐大「まぁいいがの」


弐大「二人とも今日はゆっくり休むんじゃぞ」

日向「分かってるよ。おやすみ」

罪木「あ、あの……弐大さんおやすみなさい」

弐大「おぅ」

罪木「創さん……あ、あの!」

日向「どうした?」

罪木「えっと……その……も、もう少し近くに来てください!」

日向「こうか?」

罪木「えい!」

日向「!?」

罪木「あ、あの!嫌じゃなかったですか?」

頬に柔らかい罪木の唇が……キス、された?

日向「え?蜜柑、今」

罪木「ご、ごめんなさい!迷惑でしたよね。すみません」

日向「いや、いきなりだったから驚いただけだよ」


罪木「えへへ、よかったぁ」

日向「でも蜜柑顔真っ赤だぞ」

罪木「あぅぅ……」

日向「蜜柑、好きだよ」ナデナデ

罪木「えっ!?あああの!急に言われると恥ずかしいですよぉ!」

日向「あはは」

顔を真っ赤にしながら慌てる蜜柑は本当に可愛いな

モノクマ『ピンポンパンポーン。オマエラ、夜時間です。波の音を聞いてゆっくり寝ましょう』

日向「もうそんな時間か」

罪木「そう、ですね」

日向「蜜柑、おやすみ」

罪木「はい、おやすみなさい」



〔日向のコテージ〕

日向「………寝るか」

モノクマ「もう寝ちゃうの?うぷぷ、ボクとお話しない?」

日向「モノクマ!?」

なんでモノクマがここにいるんだよ!

モノクマ「ボクね、少し日向クンとお話したかったんだ。でもそんな機会にも恵まれずにこんな時間になっちゃったよ」

モノクマ「もうボクのお肌が荒れちゃったらどうするんだよ」

日向「相変わらずくだらないことばっかり言うのなら帰れよ」

モノクマ「せっかちだなぁ。じゃあさ、一つ聞きたいんだけど」

モノクマ「今の日向クンは日向クンなのかい?」

日向「はぁ?俺は俺に決まってるだろ」

いきなり何を言い出すんだこいつは

モノクマ「……うぷぷ、そうだね。日向クンは日向クンなんだね」

日向「……ああ、俺は日向 創だ」

モノクマ「ならいいんだよね。よかった、もう一回リセットなんてめんどくさくてやってらんないよね」


モノクマ「いやー、これでボクも安心して眠れますわ」

日向「なら帰れよ」

結局なにが言いたかったんだよ

モノクマ「……ねぇ、今までは頑張ってコロシアイを止めてたみたいだけど、そう何度も上手くいかないよ」

日向「お前には関係ないことだろ。それに俺には信頼できる仲間がいる」

モノクマ「うぷぷ、うぷぷぷぷぷ」

日向「なにがおかしい!」

モノクマ「その信頼できる仲間の誰かが誰かを邪魔だなんて思ってても信頼できるのかな?」

日向「そ、そんなことあるわけないだろ」

モノクマ「お互い信頼しあうなんて幻想なんだよ」




日向「なにを証拠にそんなことを言うんだよ!」

モノクマ「うぷぷ、ならキミにだけ教えてあげるよ」







モノクマ「日向クンの言うところの信頼しあえる仲間は今まさにコロシアイを始めようとしているよ」

日向「!?」

モノクマ「あ、これは言っちゃダメだったかな。ボクとしたことがコロシアイを妨げるようなこと言っちゃった」

日向「誰だ!誰がどこでコロシアイを始めようとしてるんだ!」

狛枝か?いや、あいつは絶望病で動けないはずだ

それに病院には小泉もいる

モノクマ「あれ?日向クンは仲間を信頼してるんじゃなかったの?」

日向「……くっ!」


モノクマ「ボクの相手なんてしてていいの?ほら、急がなきゃ」

日向「クソ!」ダッ

モノクマ「頑張ってね?」





モノクマ「やっとおもしろくなってきたね」

モノクマ「うぷぷ、うぷぷぷぷぷ」

モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃひゃ」

日向「はぁ…………はぁ……」

誰がどこでコロシアイなんて始めようとしてるんだよ!

日向「もう夜時間だしみんな寝てるはず……寝てる?」

そういえば……小泉はみんなの看病のために今日は起きてるはずだ……

日向「……一応確認しておくか」



〔病院〕

日向「小泉!いるのか?」

頼む、返事をしてくれ!

日向「小泉!」

西園寺「あれぇ?日向おにぃどうしたの?」

日向「西園寺!起きて大丈夫なのか」

西園寺「まだしんどいよ。でも……仕方なく」

日向「仕方なく?」

西園寺「うっさい!トイレ行きたかったから起きただけ!」

日向「あ、ごめん」


西園寺「そんなだからデリカシーないって言われるんだよ。それよりなんで日向おにぃはここにいるの?」

日向「あ、そうだった。小泉がどこに行ったか知らないか?」

西園寺「小泉おねぇ?そういえばゲロブタをどこかに呼び出してたけど」

日向「蜜柑を?」

西園寺「あとビンとか色々持っていってたような。ビンであのゲロブタの頭でもかち割るのかな?それならわたしも手伝うのに」

日向「!?……どこに連れて行ったんだ!」ガシッ

西園寺「イタッ!冗談だってば!そんな怒らなくたっていいじゃん」

日向「ホントに小泉が蜜柑を殺すかもしれないから焦ってるんだよ!」

西園寺「え……そ、そんなこと小泉おねぇがするわけないじゃん」



日向「モノクマが言ってたんだよ。誰かがコロシアイを始めようとしてるってな」

西園寺「だ、だからって小泉おねぇだとは限らないでしょ!」

日向「あぁ、だけど今一番可能性が高いのは小泉だろ。それに違ってたなら謝るよ」

日向「それにもし本当に小泉が蜜柑 を殺そうとしてたらどうするんだよ!」

西園寺「……………………」

日向「……もういい。一人で探してくる」

西園寺「……………多分ライブハウスだと思う」

日向「え?」

西園寺「だからライブハウス!小泉おねぇが呟いてたから」



少し晩飯食べてくるノシ

西園寺「ライブハウスならなんとかなる、て言ってたから……」

日向「ありがとう、西園寺」

西園寺「で、でも小泉おねぇを怒らないであげて!きっと小泉おねぇにも理由があったんだと思うの……」

日向「……任せとけ」ナデ

日向「俺がなんとかしてくるから」

西園寺「……ありがと」

日向「じゃあ行ってくる」



〔ライブハウス〕

日向「ここに小泉たちがいるのか」ガチャ

小泉「邪魔なの。だから死んで」

罪木「ど、どうしちゃったんですか小泉さん!?」

日向「小泉!」

小泉「あれ?なんで日向がここにいるの?まぁいいや、ちょっと待ってて。すぐにこの泥棒猫を殺すから」ギュッ

罪木「ぐぅ……うあ……」

日向「やめろ!」

小泉「放してよ!こいつさえ……こいつさえいなかったらアタシは日向と……ッ!」

日向「こいつ……もうやめてくれ」

小泉「……なんで泣いてるの、日向」


日向「もう、やめてくれよ」

小泉「だったらアタシだけを見てよ」

日向「それは…………」

小泉「なんで……」

小泉「なんでなんでなんでなんでなんでなんで!?アタシはこんなに日向のことが好きなのに!」

小泉「なんでアタシだけを見てくれないの!?アタシはただ……日向のことが好きなだけなの……」

日向「……ごめん。俺は蜜柑が好きだ」

小泉「うん、知ってたよ。……アタシも蜜柑ちゃんみたいに可愛く生まれたかったな……」スッ

日向「大丈夫か?」

罪木「けほ……は、はい」

小泉「あはは、ねぇ日向。アタシさ、欲しい物が手に入らないなんておかしいと思うの。そんな世界なんてさ」

小泉「生きてる意味ないよね」シュッ

日向「…え?」

罪木「あ、あぁぁぁ!!」

小泉が持っていた果物ナイフで

首を切っていた

日向「小泉!おい、なにやってんだよ!」

罪木「は、創さん!これで首の傷を押さえてくたさい!」

日向「わかった!蜜柑はモノクマを呼んできてくれ!」

罪木「な、なんでモノクマさんなんですかぁ」

日向「いいから早く!」

罪木「は、はいぃ!」

クソッ!全然血が止まらない!

小泉「ね……ぇ………日向………」

日向「喋るな!クソッ!止まれよ!」

小泉「今……日向を………独り占めでき………て……る」

小泉「……なんで……こんなこと……しちゃった………のかな」

日向「もういいから喋るなよ!」

罪木「モノクマさん連れて来ましたぁ!」

日向「おいモノクマ!小泉を助けろ!」

モノクマ「えー、面倒だなぁ」

日向「お前の好きなコロシアイの人数が減ってもいいのか!?」

モノクマ「仕方ないなぁ。ほら、表に救急車呼んでるから乗せてね」

小泉「ひ……なた…」

日向「大丈夫だ!絶対に助ける!」

小泉「みか……んちゃん……」

罪木「喋っちゃダメですよぉ!」

小泉「ごめ……んね」

日向「おい小泉……小泉!」

モノクマ「はい、早く貸してね」

日向「あっ……」

小泉を乗せた救急車が走って行く

それを俺は見ていることしかできなかった


休憩します

〔病院〕

西園寺「あ、日向おにぃ。小泉おねぇは!?」

日向「……ごめん」

西園寺「え?なんで謝るの?」

日向「………………」

罪木「え、えっと、小泉さんは」

西園寺「お前には聞いてないんだよ!黙ってろ、ゲロブタ!」

罪木「ひぅッ!」

西園寺「なんで黙ってるの?小泉おねぇはどこにいるの?ねぇ…………ねぇってば!!」

日向「小泉は…………モノクマに任せた」

西園寺「はぁ?なんで小泉おねぇをあのブサイクなぬいぐるみに任せたの!?意味わかんない!」

日向「小泉は……自分で首を切って死のうとしたんだ」


西園寺「………意味わかんない……なんで小泉おねぇがそんなこと……」

日向「………………」

罪木「………………」

西園寺「なんとか言ってよ!!」

辺子山「なにを騒いでいるんだ」

狛枝「こんなにうるさいと眠れやしないよ」

澪田「どうしたんすか、今夜中っすよ」

罪木「ご、ごめんなさぁい!騒ぎ過ぎちゃいました」


西園寺「日向おにぃ、なんで小泉おねぇがそんなことになったのか教えて」

日向「それは……」

モノクマ「昼ドラみたいな安っぽいドラマだよ。くっだらない話だけど聞く?」

日向「モノクマお前!小泉は無事なのか!?」

モノクマ「ボクの口からはなんとも。助かるかどうかは彼女次第だね」

西園寺 「早く教えてよ!」

辺子山「小泉がどうかしたのか?」

モノクマ「あのねぇ、小泉さんは罪木さんを殺そうとしたんだよね」

西園寺「……そんな……ホントに小泉おねぇは……」

辺子山「!?……待て、それは全員が知っていることなのか?」

モノクマ「知ってるのはここにいる人たちだけだよ」

辺子山「わかった。なら澪田と狛枝は他のみんなを呼んできてくれ。罪木は終里たちを起こしてきてくれ」


澪田「はいはーい!了解したっす!」

狛枝「ボクは早く話を聞きたいな。希望の匂いがするんだ!」

辺古山「早くいけ!」ガッ

狛枝「痛い!うぅ、どうしてここにいる女の子はすぐ暴力を振るうんだろうね」

罪木「花村さんと終里さんたち起こしてきます」タッ

辺古山「さて…………日向よ。お前は坊っちゃんに言ったことを覚えているか?」

日向「………………」

辺古山「お前は坊っちゃんに後で後悔をするような行動だけはするなと言っていたな。お前はどうだ?坊っちゃんには偉そうなことを言うのに自分はメソメソと後悔しているだけか?」

辺古山「私や坊っちゃんはお前になら付いて行ける、信頼できると思っていたんだ。それなのにお前は黙って落ち込んでいるだけか!」

日向「!」

辺古山「お前がみんなを引っ張っていかないのなら私や坊っちゃん、十神がみんなを引っ張っていこう」

日向「……ごめん、もう大丈夫だ」

そうだ。俺はみんなを、大切な人を守るためにここにいるんだ

日向「俺は……みんなを守る。俺の大切な仲間を守るんだ」

辺古山「そうか……」


ご飯の時間かなーって

あとハーレムルートはないよ

ホントは弐大に自分がロボだと勘違いする絶望病をかけようかと思ってたけど忘れてた(笑)

少し休憩します




夜中に更新すると思います

辺古山「西園寺よ、なにがあったのか知らないがこれだけは言っておく」

辺古山「日向は自分の命を捨てても大切な人を守ろうとするだろう」

西園寺「……」

辺古山「だから日向の行動に不満はあるだろうが日向の仲間を守る意志だけは信じてやってくれ」

西園寺「……初めから日向おにぃのお人好しなところは好きだよ」ボソッ

辺古山「なにか言ったか?」

西園寺「なにも言ってない!」

澪田「連れてきたっすよ!」

左右田「夜中に叩き起こされる身にもなってくれよ」

十神「おい、早く話せ」

罪木「こっちも連れてきましたぁ!」

終里「なにがどうしたんだよ」

弐大「そういえば小泉がおらんのう」

モノクマ「みんな安い昼ドラ展開が好きなのかな」

十神「いいから早く話せ」

モノクマ「わかったよ。仕方ないなぁ」

モノクマ「えーっと、まず初めに……みなさんが寝ている間にコロシアイが起きました」

『!?』

モノクマ「正しくは起きかけました、だったね」



左右田「おいおい、なにが起きたんだよ!」

モノクマ「まあまあ、そう焦らないでよ。リラックスリラックス」

十神「……」

モノクマ「まずね、小泉さんは日向クンのことが好きだったみたいなんだよね」

十神「それがどうした」

モノクマ「ここで重大発表!日向クンは罪木さんと付き合っちゃってまーす!」

日向「!?」

罪木「!?」

左右田「はぁッ!?日向てめぇ!」

十神「今はそんなことを言っている場合ではないだろう」

十神「だが日向よ、後でそのことについて詳しく聞かせてもらおうか」

……マジかよ……


モノクマ「二人が付き合ってるのと小泉さんは日向クンが好きだっていうことが前提で今回の事件は起こったんだよね」

田中「まさか小泉が罪木を殺そうとしたとでも言うのか?」

ソニア「小泉さんはそんな方ではありません!」

モノクマ「実は嬉しいことにその通りなんだよね」

ソニア「そんな……」

モノクマ「普段の小泉さんならそんなことにはならなかっただろうけどね」

花村「だ、だったらなんで」

七海「……絶望病、だね」

日向「え!?」

小泉が絶望病にかかっていた?

ならいつ絶望病に感染したんだ

日向「まさか……」

モノクマ「そう!小泉さんが寝てる間に感染しちゃいました!」



モノクマ「しかもその絶望病はヤンデレ病だったのです!」

罪木「だからあんなことを……」

モノクマ「でもヤンデレ病なんてきっかけでしかないんだよ。元々小泉さんは自覚してたわからないけど罪木さんに嫉妬してたんじゃないかな」

狛枝「で、その小泉さんはどこにいるのかな?」

モノクマ「集中治療室にいます。相当危険な状態だったからね」

九頭龍「小泉は無事なんだろうな!?」

モノクマ「あれぇ?小泉さんを殺そうとしていた人から意外な発言が出てきたね」

九頭龍「!?」

西園寺「九頭龍、アンタ……」

日向「九頭龍の話は後で俺から話す」

西園寺「……わかった」



モノクマ「続きだけどヤンデレになっちゃった小泉さんは日向クンと罪木さんの関係に嫉妬しちゃったというか罪木さんが邪魔だったんだろうね」

モノクマ「それで罪木さんを殺しちゃおうとしてライブハウスに呼び出したんだ」

モノクマ「結局殺せなかったんだけど」

狛枝「なんだ……それだけなの?」

弐大「お前は黙っとれ!」

モノクマ「小泉さんは日向クンが手に入れられないなら生きてる意味ないって言って」

七海「自分で首を切った……」

モノクマ「これならまだB級映画の方がおもしろいよね。くだらないことに時間使っちゃったなぁ」

日向「まだ聞いてないことがあるぞ!」

モノクマ「小泉さんのこと?もういいじゃん。彼女のことは忘れなよ」

モノクマ「どうせ元には戻れないんだからさ」

モノクマ「ま、明日には会えるようにしておくよ」

日向「元に戻れない?」

モノクマ「じゃあね」

日向「あ、おい!」

左右田「………………これからどうすんだよ」

十神「…………」

辺古山「…………」

終里「とりあえずさ、もう寝ねーか?」

花村「な、何言ってるのさ!?小泉さんのこと心配じゃないの!?」

終里「ならオレたちがこのまま辛気くせー雰囲気でウダウダしてるのになんの意味があんだよ。そんなことしてるくらいなら明日に備えて少しでも寝てる方がいいんじゃねーのか?」

十神「……それもそうだな」

田中「たまには人間もいいことを言うではないか」

西園寺「な!?」

西園寺「なんでアンタたちはそんな考え方ができるの!?」



コメわろたw

どんだけ小泉メカ化させたくないのw

更新してきます

終里「だからここにいても意味ねーって言ってるだけだろ」

西園寺「意味なくなんかないもん!」

左右田「あーもうわかったわかった!俺が付き合ってやるから」

西園寺「え?」

左右田「だから俺が一緒に待っててやるって言ってんだよ」

西園寺「……ホント?」

左右田「今回だけだけどな」

西園寺「……わーい!絶対だよ!」

日向「ごめん左右田。本当は俺が残ってあげたいけど」

左右田「気にすんなって。それよりもお前、罪木をどうやって落としたか絶対教えろよ」

日向「あ、あぁ」


それからみんなコテージやモーテル、病室に帰っていった

俺も明日に備えて自分のコテージに戻ったが全く寝付けなかった

日向(眠れないな……)

日向「少し散歩でもするかな」


〔ビーチ〕

日向「はぁ……」

終里「おらぁ!」ドンッ

日向「うわ!びっくりした」

終里か

あいつ寝たんじゃなかったのか?

なんでヤシの木なんか殴ってんだ

終里「クソ!クソ!」ガッ

日向「なにやってんだよ!手が血だらけじゃないか」

終里「ん?……なんだ日向か」

日向「なんだじゃないだろ!どうしたんだよその手」

終里「ほっといてくれ」

日向「なに言ってんだよ!?早く手当てしないと」

終里「小泉はさ……間違っても自分から誰かを殺そうなんて思わないやつだ」

終里「オレが病気のときも優しくてさ、安心できた」

日向「終里……」

終里「そんな小泉をあんなにしやがったモノクマが許せねぇんだよ!」バキッ


も、モノモノヤシーンやから大丈夫(震え声)

終里「小泉の代わりにモノクマをぶっ倒す」

日向「だったらなおさらその手の傷を手当てしないとダメだろ。それにその時は俺も手伝うよ」

終里「日向も暴れたいのか?」

日向「違う!ほら、病院行くぞ」

終里「うわ、引っ張んなよ」



〔食堂〕

日向「ふわぁ……おはよう」

罪木「お、おはようございます創さん」

日向「おはよ」

十神「やっと起きたか」

日向「もうみんな起きてるのか」

澪田「遅いっすよ創ちゃん」

花村「みんなー、朝ごはんできたよー」

終里「お、飯だ飯!」

十神「お前はもっと落ち着け、それにどうしたんだその手は!」

西園寺「ほらほら左右田おにぃあーん♪」

左右田「あっつ!熱いっての!」

辺古山「………………」ジー

九頭龍「なに見てんだよ」

辺古山「坊っちゃん、はいあーん」

九頭龍「やるわけねぇだろ!」

弐大「がははははは!元気があっていいわい!」



十神「さて日向、そろそろ話してもらおうか」

日向「なにを?」

十神「決まっているだろう。罪木との馴れ初めをだ」

日向「ぶはっ」

終里「うわっ!きたねぇな!」

日向「ご、ごめん」

十神「どうした?」

日向「いきなり変なこと言い出すから」

十神「昨日聞けなかったからな」

左右田「そうだ!教えろよ」


日向「別にそうたいしたことはなかったぞ。蜜柑、言っていいか?」

罪木「うぅ……どうぞ」

日向「まず俺が蜜柑の傍にいるって言っていたんだよ。その後にここから出たら結婚しようって約束しただけだぞ」

十神「えんだぁぁぁぁぁぁ!」ガタ

花村「いやぁぁぁぁぁぁ!」ガタ

日向「!?」ビク

十神「…………続けてくれ」

日向「いや、それで終わりだけど」

辺古山「坊っちゃん、ここから出たらお話しませんと」

九頭龍「はぁ?誰にだよ」

辺古山「両親にですよ。冬彦坊っちゃんをお嫁にくださいと」

九頭龍「お前じゃなくて俺が嫁かよ!逆だろうが!」

辺古山「私が嫁ならば貰ってくれますか?」

九頭龍「…………考えとく」

辺古山「ふふ」

ソニア「あれがジャパニーズ一目惚れですか?


田中「ふっ、即答できないとはしょせん人間だな」



ソニア「田中さん!」ギュッ

田中「うおぁ!な、ななななぜ手をにぎる!」

ソニア「わたくしと一緒に黄金のマカンゴを捕まえてくださいませんか?」

田中「……黄金のマカンゴ?」

ソニア「はい!………ダメ、ですか?」

田中「ふふふ、よかろう!俺様がその黄金のマカンゴとやらを捕まえてやろう!」

ソニア「!………ありがとうございます!」ニパー

田中「あ……うん」

左右田「おいコラ田中!ソニアさんといい雰囲気になってんじゃねぇよ!」

左右田「ソニアさん。その黄金のマランヨ、俺が捕まえますよ」

ソニア「マカンゴです!それに田中さんじゃないと嫌です」

左右田「」


田中「その黄金のマカンゴとやらを捕まえるとどうなるのだ?」

ソニア「わたくしの国で勇者と称えられ、王になれます」

田中「王?王だと!ふふふ、フハハハハ!よかろう、必ず捕まえると約束しようではないか!」

ソニア「ありがとうございます!わたくしと田中さんで黄金のマカンゴをハッとしてグーです!」

ソニア「そうして初めてラブラブバカップルになれるのですよ!」

田中「ふふふ、ラブラブバカッ……………え?」

ソニア「ラブラブバカップルですよ」

左右田「」

田中「え?あの……え?」

ソニア「さあ田中さん」

ソニア「生存戦略、しましょうか」

田中「」


モノミ「皆さんでらーぶらーぶしてて先生嬉しいでちゅよ」

日向「モノミか。今までどこにいたんだ?」

モノミ「モノケモノを駆逐してまちた!エッヘン」

日向「あー…………それはありがたいんだけど」

モノミ「どうかしたんでちゅか?」

七海「今ね、小泉さんが怪我しちゃったからみんなで待ってるところなの」

モノミ「ほぇっ!?なんででちゅか!?」

左右田「理由なんてどうでもいいだろ。小泉を待ってるだけなんだからよ」

辺古山「小泉と合流してから新しい島に向かっても遅くはあるまい」

モノミ「それもそうでちゅね!皆さんが仲良くやってくれているようで嬉しいでちゅ」

西園寺「早く小泉おねぇに会いたいなぁ……」

モノクマ「うぷぷ、そんなに会いたいなら会わせてあげようか?」

日向「モノクマ!」



モノクマ「病院にいるから行ってきなよ」

日向「……本当に病院にいるのか?」

モノクマ「いるよ」

西園寺「早く行こうよ!」

左右田「わかったから引っ張るなって」

狛枝「小泉さんの持つ希望の光は輝きを増したのか、それとも輝きを失ったのか。あはは、楽しみだなぁ」

日向「さ、行こう」

罪木「……はい」


〔病院〕

モノクマ「この部屋に小泉さんはいるよ。ボクは最善の治療を尽くしたってことだけは言っておくからね」

日向「小泉、入るぞ」コンコン

『…………』

小泉からの返事はなかった

モノクマ「起きてるから入ってもいいんじゃない?あ、着替え中とかそんなベタな展開はないから」

日向「ご忠告どうも。入るぞ」ガチャ

小泉「…………」

西園寺「小泉おねぇ!」ガッ

左右田「おいおい、いくら嬉しいからって怪我人に抱きつくなよ」

西園寺「あ、ごめんね小泉おねぇ」

小泉「…………」フルフル

日向「小泉……その、大丈夫か?」

小泉「…………」コクッ

モノクマ「うぷぷ」

ん?なにか小泉の様子がおかしいな

十神「小泉、俺たちはお前がしたことを怒っていない。これから色々聞いたりはしないから安心するがいい」

小泉「…………」キョロキョロ

澪田「今日の真昼ちゃんは無口っすね!」

田中「フハハハハ!疲れているのだろう、今日くらいゆっくりさせてやればいい」

小泉「…………」フルフル

辺古山「どうした?なにを探している」

モノクマ「はい、小泉さん」

日向「なんで紙とペンなんか……」

罪木「あ………あぁ……ぁぁぁぁ」

七海「もしかして……」

モノクマ「うぷぷぷぷぷぷ」

小泉「…………」サラサラ

小泉『日向、蜜柑ちゃん。迷惑かけてごめんなさい』

小泉『こうなったのはアタシの罰だから気にしないで』

左右田「……嘘だろ」

西園寺「え、なに?」

小泉「……………」サラサラ

小泉『アタシはもう、喋れません』

モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!」

モノクマ「超高校級の写真家であり、みんなのお姉さんだった小泉 真昼さんは」

モノクマ「もう二度と話すことができない体になっていたのでしたー!」

それを聞いた時、ここにいた全員が絶望していた

笑顔で話しかけてくる小泉はもう

死んでしまっていた


『To be continue』

〔モノクマ劇場〕

モノクマ「うぷぷ、改造はされないけどもう二度と話すことのできなくなるのと」

モノクマ「少しだけ改造されて首元に機械を取り付けて話すことのできる体」

モノクマ「みんなはどちらを選ぶのかな?」

モノクマ「ま、写真家なんだから口なんていらなかったよね」

モノクマ「と言ってももう友達と楽しくお喋りしたり、好きな人と話したり」

モノクマ「自分の親に『ありがとう』の一言も言えないんだけどね」

モノクマ「うぷぷぷぷぷ」


今日はここまでなんだよ


RGのデスティニー作るんだ(白目)

〔チャプター4〕

日向「…………」

罪木「…………」

西園寺「…………」

澪田「…………」

終里「…………」イライラ

十神「…………」

小泉「…………」カキカキ

小泉『なんでみんな黙ってるの?』

西園寺「あ……う……」

狛枝「ねぇみんな、新しい島を探索しなくていいの?」

左右田「てめぇ今がどういう状況かわかってんのかよ」

狛枝「だからこそだよ。この絶望を乗り越えることなんて超高校級のみんななら簡単にできるはずだよ」

九頭龍「てめぇ……」

小泉「…………」サラサラ

小泉『アタシも新しい島を探索したい!』トンッ

ソニア「そんな!小泉さんはゆっくり休んでてください」

十神「別に連れていってもいいだろう。だが次の島では全員ペアで行動するんだ」

十神「ペアならなにかあってもどうにかできるはずだ」

間接的に小泉のことを言っているのだと全員がわかった

十神「小泉、誰とペアになりたい?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『狛枝』

日向「え?」

西園寺「なんで!?」

俺を選ぶと思っていたのに……

罪木「えっと……あの……」

小泉「…………」サラサラ

小泉『狛枝がいい』

狛枝『で』いいではなく狛枝『が』いいだった

日向「……いいのか」

小泉「……」コクッ

狛枝「あはは、嬉しいなぁ。小泉さんから誘ってもらえるなんて今日はツイてるや」

西園寺「コイツになにかされそうになったら殴ってもいいから逃げてね!」

小泉「……」コクッ

十神「まぁ……小泉がそれでいいならいい」

十神「前と同じペアでいいな」

七海「だったら私は花村くんとがいいかな」

花村「ぼくをご指名かい?なら全力でイカせてもらうよ」

花村「あっ!?今のは変な意味じゃないからね!ホントだよ!?」

左右田「絶対嘘だろ!」


日向「やっぱり4人グループにしたほうがいいんじゃないか?」

十神「なぜだ?」

日向「ほら、なにがあるかわからないしさ」

西園寺「私もそっちの方がいい!」

左右田「別に小泉の所だけ4人にしたらいいんじゃねーの?」

日向「小泉はそれで…」

小泉「…………」バンッ

日向「うわっ!」ビクッ

小泉「…………」カキカキ

小泉『アタシのことは放っておいて』

小泉『狛枝行くよ』グイ

狛枝「引っ張らないでよ」

西園寺「小泉おねぇ!私も行く!」

小泉「…………」サラサラ

小泉『誰も付いてこないで』



日向「…………」

田中「なぜ小泉は怒っていたのだ?」

七海「……たぶん自分がお荷物扱いされたからじゃないかな」

西園寺「!?」

日向「俺たちはそんなつもりなんてッ」

七海「私たちにそんなつもりがなかったとしても小泉さんはそう思ったんだと思う」

罪木「…………」

辺古山「小泉には……悪いことをしたな」

西園寺「小泉おねぇ……私……そんなつもりじゃ……」

左右田「あー……日向、俺先に行くわ」

日向「…わかった」

左右田「ほら西園寺、行くぞ」


十神「……フンッ、各自ペアで行動してくれ。俺は行く」

澪田「あ、白夜ちゃん」

七海「花村くん、行こっか」

花村「あ……日向くん…ぼく先に行くね」

日向「あぁ」

終里「










うわぁ……


間違えて投稿した……

書き直そ

十神「……フンッ、各自ペアで行動しろ。俺は先に行く」

澪田「あ、白夜ちゃん!」

七海「花村くん、行こっか」

花村「あ…日向くん…ぼく先に行くね」

日向「あぁ」

終里「おっさん……付き合え」

弐大「おう」

ソニア「田中さん、わたくしたちも」

田中「…わかった」

九頭龍「ペコ」

辺古山「はい」

罪木「創さん……」

日向「わかってる……いつまでもクヨクヨしてられないよな。行こう」

罪木「…はい!」



『十神・澪田パート』
〔ネズミー城〕

十神「…………」

澪田「うきゃー!遊園地っすよ白夜ちゃん!」

十神「わかっている」

澪田「ならなんではしゃがないんすか?」

十神「そんな気分じゃないからだ」

澪田「いつもなら付き合ってくれるじゃないすかー。『うおー!遊園地だー!』って」

十神「俺がいつそんなことを言った!」

澪田「もう、恥ずかしがらなくていいっすよ。普段通りに行動すればいいっす!」

十神「フンッ!俺は貴様ら愚民とは違うんだ。そんな姿を見せると思うか?」

澪田「……やっといつもの白夜ちゃんに戻ったっすね」ニコ

十神「いつもの?」

澪田「傍若無人で唯我独尊、自分以外を格下だと見下す、ちょっと寂しがり屋で素直じゃない」

十神「お前ッ!」

澪田「それが唯吹から見た白夜ちゃんすよ」


十神「……生まれたことに意味すらない。戸籍も、名前もない人間がいた」

澪田「なんの話すか?」

十神「そいつは誰かのカタチを借りなければ生きていけなかった。自分の正体を知られてはならない。だから誰も信用せず、他人を騙し生きてきた」

澪田「……馬鹿な人っすね」

十神「なに!?」

澪田「だって誰かにならないと生きていけないなんて初めから自分も信じてないってことじゃないっすか。自分すら信じられないのに他人なんて信じられないしそんな人生楽しくないっすよ」

十神「…………」

澪田「唯吹の前にそんな人がいたらまずは一緒に音楽でも始めますかね」

十神「なぜだ?」

澪田「だってぇ、知りたいじゃないすか。その人がどんな音楽を好きなのか、どんな楽器を使うのか、どんな風に楽器を引くのか。なによりその人自身を」

十神「あ……」

澪田「まぁ唯吹は自分が好きなようにするだけっすけどねー!」

十神「澪田」

澪田「はいはい」

十神「前に誘ってくれていたな、一緒にバンドを組もうって。なにか俺に教えてくれないか?」

澪田「……うっはー!白夜ちゃんからのお願いっすか!唯吹におまかせあれっす!」

十神「……フン、やるからには頂点を目指すぞ。妥協は許さん!」




『花村・七海パート』
〔ドッキリハウス〕

花村「ねぇ七海さん」

七海「どうしたの?」

花村「みんな大丈夫かな……」

七海「なんで?今までもケンカなんてあったよね」

花村「今回のは今までのケンカとは違うような気がして……」

七海「…………」

花村「やっぱりさ……みんな無事に脱出なんて無理なんじゃ……」

七海「えい」ペシ

花村「うわ!なになに!?」

七海「弱気はダメだよ。日向くんだって頑張ってるんだよ?それなのに私たちが諦めちゃダメだよ」

花村「…………うん」

七海「ね、一緒に頑張ろ?」

花村「……ありがとう」

七海「偉い偉い」ナデナデ

花村「頭撫でないでよ!」

『終里・弐大パート』
〔ビーチ〕

終里「おらぁぁ!」ガッ

弐大「…………」スッ

終里「おらおらおらおらぁ!」ドドド

弐大「ふん」シュッ

終里「うわッ!」

弐大「なにを焦っとるんじゃ?」

終里「…………」

弐大「まぁだいたい察しはつくがの」

終里「……なぁおっさん。オレが鍛えてなにか意味あんのかな……」

弐大「ん?」

終里「いつもオレはなんの役にも立たねぇしさ……今回だってオレにもなにかできたはずだろ」



弐大「それならワシもなんもできんかったぞ」

終里「弐大はみんなの看病とか色々してくれただろ。それにおっさんはいてくれるだけで安心感があるっつーかよ……」

弐大「がっははは!嬉しいこと言ってくれるのう」

終里「それに比べてオレはなんの役にも立たねぇしさ……」

弐大「……ふむ」

終里「だったらオレがここにいる意味あんのかって……」

弐大「くっだらんのう。そんなクソみたいなことのどこに悩む必要があるんじゃ?」

終里「てめぇ……オレは真剣に悩んでんだよ!」

弐大「ならお前に十神のようなことができるんか?日向のようにみんなを引っ張っていけるか?」

終里「それは……」

弐大「日向や十神にもできんことがある。じゃあそれをワシらで補えばよかろう」

終里「…………」


弐大「頼まれもしないことをしても相手に迷惑がかかるだけじゃぞ」

終里「だったらよ……」

終里「耐えなきゃならねーのかよ……」

弐大「今自分のできることを考えて行動するだけじゃ」

終里「……」

弐大「今日の訓練は終わりか?ならワシは……」

終里「休憩はしてただけだ」

終里「特訓続けっぞ!」



『ソニア・田中パート』
〔モノミハウス前〕

ソニア「…………」

田中「休んでいた方がよいのではないか?」

ソニア「いえ……まだ大丈夫です」

田中「無理をされて倒れられる方が面倒だ。少し休め」

ソニア「……お強いんですね」

田中「小泉のことか?」

ソニア「はい……私は小泉さんをお荷物扱いしたつもりも、仲間外れにしたつもりもありません!わたくしは小泉さんのことを思って……」

田中「なぜ俺にそんな言い訳染みたことを言う必要がある」

ソニア「言い訳だなんて!」

田中「小泉が罪木を、仲間を殺そうとしたのは消しようもない事実だ。少しくらい監視をつけられても仕方あるまい」


ソニア「そんな!わたくしは小泉さんを信じてます!」

田中「……それは好きにするがいい。だが一つ気にくわないことがある」

ソニア「気にくわないこと……ですか?」

田中「なぜ小泉は罪木を殺そうとしておいて病院でのような態度でいたか、だ」

ソニア「それは……」

田中「小泉ほどの女があんなことをしておいて一言謝って終わり、はないだろう」

ソニア「……なにが言いたいのですか?」

田中「…………モノクマが小泉になにかをしたのかもしれんな」

ソニア「え?」

田中「なんでもない。小泉のことはもう気にするな。納得できないなら俺ではなくちゃんと小泉に対して言え」

ソニア「……はい」



『九頭龍・辺古山パート』
〔ネズミー城〕

辺古山「…………」

九頭龍「なにしょげてんだよ」

辺古山「ぼっちゃん……」

九頭龍「小泉のことはアイツの自業自得だろうが」

辺古山「そうではなくなにかおかしいような気がして……」

九頭龍「小泉がか?」

辺古山「なぜあのような行動をしたのかと」

九頭龍「ハッ!知るかよ。そんなことアイツにしかわかんねーよ。ほっとけほっとけ」

九頭龍「……そんなことよりよ……なんで手繋いでんだよ」

辺古山「それは……ぼっちゃんがいなくなってしまうのではないかと心配で……」

九頭龍「いなくなんねぇよ!つかテメェまだ絶望病引きずってんじゃねぇよな!?」

辺古山「違います!ただ甘えたいだけです!」

九頭龍「やっぱり治ってねぇじゃねえか!戻るぞ」



今日はここまでです

『西園寺・左右田パート』
〔プール〕

左右田「そんな落ち込むなって」

西園寺「うるさい!あっち行け!」

左右田「なんでそんなにキレてんだよ!」

西園寺「………………」

左右田「はぁ………つうかよ……お前ってつえぇよな」

西園寺「……意味わかんないんだけど…深爪拗らせて死ねば?」

左右田「ひでぇ言い様だな!……まぁ、あれだよ。なんでそんなに小泉のことを好きになれるのかってことだよ」

西園寺「小泉おねぇがこの中で唯一の常識人だし何より優しいからだよ」

左右田「でもよ……アイツが罪木を殺そうとしたんだぞ?俺には無理だわ」

西園寺「それはあのクソタヌキのせいだし……」

左右田「そうでも俺はよ、小泉のことが怖いよ。次は俺が殺されるんじゃねぇかって思うとアイツと喋ることさえできねぇよ」

西園寺「臆病者………チキン……グズ……」

左右田「最後は違うだろ!あー……だからよ、俺が言いてぇのはさ」

左右田「お前だけでも小泉の味方でいてやってくれよ」

西園寺「え?」

左右田「だからそのまんまの意味だっての。俺はアイツのことが怖いけどさ、仲間だと思ってんだ」

左右田「それにアイツに味方になってくれるヤツがいねぇと壊れちまうと思うんだよ」

西園寺「…………」

左右田「お前が何に悩んでんのかわかんねぇけどさ、俺がずっとお前の味方でいるからお前は小泉の味方でいてやってくれよ」

西園寺「……味方?」

左右田「おう!」

西園寺「…………ふん!いきなり意味わかんないこと言い出すしわたしが小泉おねぇの味方でいるだなんて当たり前のこと言い出すしキモいし」

左右田「お前ちょくちょく毒吐いてるよな!」

西園寺「でも……ありがとう……」

左右田「あ、え?……おう」

西園寺「今日から左右田おにぃはわたしの下僕だね!喜んでいいんだよ?」

左右田「下僕じゃねぇよ!」




『小泉・狛枝パート』
〔ジャバウォック公園〕

狛枝「次の島の探索しないの?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『今はみんなに合わせる顔がないし』

狛枝「なんで?あ、聞かない方がよかったかな?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『別に』

小泉『アタシさ、蜜柑ちゃんを殺そうとしてたときの記憶がないの』

狛枝「へぇ?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『起きたら声が出なくなってるし、病院にいるしモノクマにいきなり事件のこと聞かされたけど記憶になかったから意味わかんなかったんだけど』

小泉『みんなと会ったときの反応で本当のことなんだなって思ってさ』



狛枝「だったらなんであんなに怒ってたの?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『みんながアタシを……腫れ物のように扱うから……』

小泉『この喉はアタシの罪の証だし、自分がやったことだから日向たちが気にするようなことじゃないのに』

狛枝「それは無理じゃないかな。日向クンの性格上」

小泉「…………」カキカキ

小泉『日向は世話焼きだからね』

狛枝「それは小泉さんもでしょ」

小泉「…………」スラスラ

小泉『そんなことないよ』

小泉『喋れないしみんなに気を使われてたら世話ないよ』

狛枝「あはは、そんなものなのかな」




小泉「…………」カキカキ

小泉『なんだか嫌になってきちゃうよね』

狛枝「…………ふぅん」

狛枝「ねぇ小泉さん。ボクはね、そんな風に希望の見えない行動や考え方が嫌いなんだ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『ごめんね』

狛枝「それにさ、小泉さんには超高校級の才能があるじゃないか」




小泉「…………」カキカキ

小泉『なんで今その話になるの』

狛枝「え?だってカメラなら喋れなくても写真で自分の考えを伝えられるじゃないか」

狛枝「小泉さんならその才能でまたみんなの役に立てるよ。小泉さんはボクたちに必要な人だよ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『みんなの踏み台として?』

狛枝「うん!」

小泉「…………」ガッ

狛枝「痛ッ!すぐ暴力を振るうのはやめてよ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『なんかすごくムカついたからつい』

小泉『でもありがと。アンタには励ますつもりなんて全くなかっただろうけど少し元気になれた』

狛枝「ボクなんかの言葉で元気にできたなんて嬉しいな」



狛枝「あ、あとこれ」

小泉「!!」

狛枝「モノクマから預かっておいたよ。必要でしょ?そのカメラ」

小泉「…………」パクパク

狛枝「え?あ、り、が、と、う?あはは、口でパクパクしてバカみたいだね。書けばい……」

小泉「……」ゲシッゲシッ

狛枝「痛い!ごめん、謝るから蹴らないで!」



〔ジェットコースター〕

罪木「…………」

日向「……小泉のことか?」

罪木「はい……私のせいで……」

日向「蜜柑のせいじゃないだろ」

罪木「で、でもぉ……」

日向「絶望病を防げなかった俺のせいだ」

罪木「そ、そんなことないです!小泉さんが病気になってたのに気づけなかった私のせいなんです!」

日向「強情だな」ポフ

罪木「ひゃっ!?な、なにするんですかぁ」

日向「お前一人でそんなに抱え込まなくてもいいんだよ」

罪木「それは私のセリフですぅ!いつも創さんは一人で抱え込んで、一人で悩んで…………私にも相談してください」

日向「…………」



罪木「どうしたんですか?」

日向「いや、蜜柑は相変わらず可愛いなって思ってさ」

罪木「ふぇっ!?話を反らさないでくださいよぉ」

日向「ごめんごめん」

罪木「………あの……創さん……」

日向「どうした?」

罪木「もう少し……近くに…」

日向「………わかった」

狛枝「やぁ、日向クン」

罪木「ひゃあぁぁぁぁ!!」

日向「うわっ!!狛枝!」

狛枝「みんなを探してたら日向クンたちが見えてさ」

小泉「…………」ゲシッゲシッ

狛枝「痛いよ小泉さん!やめて!蹴らないで!」

小泉「…………」カキカキ

小泉『このバカ』

狛枝「ひどいなぁ、ボクがなにしたって言うのさ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『存在が邪魔』

狛枝「そこまで言わなくても……」

罪木「あ………ぁぅぁぅ………あ、あのぅ………」カァァァ

狛枝「どうしたの?」

罪木「み、見ましたか?」

狛枝「…………?」

罪木「…………よかったぁ」ホッ

狛枝「ばっちり見てたよ!罪木さんもだいだんだなぁ」ニコォ

罪木「あ……あわわわ…」カァァァ

日向「おい狛枝」

狛枝「ごめんなさい謝りますからその振り上げた拳を納めてくださいすいませんでした」

小泉「…………」クイクイ

日向「……どうした?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『日向と蜜柑ちゃんに言いたいことがあるの』

日向「……ん」

罪木「はい……」

小泉「…………」カキカキ

小泉『二人ともごめんなさい。特に蜜柑ちゃんには迷惑かけちゃったね』ペコ

罪木「そ、そんなことないですよぉ!私の方こそごめんなさい」

日向「ごめん……」

小泉「…………」カキカキ

小泉『なんで二人が謝るの?悪いのはアタシだよ』


罪木「だって……その……」

狛枝「小泉さんはそんな風に気を使われるのが嫌なんだよ」

日向「……悪い、小泉」

小泉「…………」フルフル

狛枝「それに小泉さんは罪木さんを殺そうとしてたときの記憶がないらしいんだ」

日向「!?……それは本当か?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『だからってアタシが蜜柑ちゃんを殺そうとした罪は消えないよ』

左右田「なんだよ、そんなことならさっさと言えばよかったのによ」

日向「左右田!!」

西園寺「小泉おねぇ!」

小泉「!?」

辺古山「もう仲直りはしたのか?」

九頭龍「ケッ、いつまでも世話焼かせんなよ」

狛枝「ねぇ、なんで辺古山さんと九頭龍クンは手を繋いでるの?」

九頭龍「うるせぇな!黙ってろ!」


田中「やはり、か。モノクマめ、俺様の煉獄の焔で焼き払ってくれようか」

ソニア「ごめんなさい、小泉さん。そんな事情があったなんてつゆにも思わなくて」

弐大「小泉よ、終里も言いたいことがあるんじゃ」

終里「はぁ!?なに言ってんだよ弐大のおっさん!」

弐大「早い内に言った方がいいじゃろ」

終里「…………小泉、もう遅いかもしんねえけど、次になんかあったらオレがお前を絶対に守ってやる」

十神「フンッ!お前にできるのか?」

終里「なんだとぉ?」

十神「俺はお前と違って口だけじゃないからな。俺がお前たちを導いてやる。十神の名にかけてな」

十神「小泉お前もだ」

澪田「やっぱ白夜ちゃんかっけーっす!」



花村「小泉さん、僕ともっと仲良くなるためにあっちの茂みに行こうよ!あ、別に変な意味はないからね!?ホントだよ!」

七海「花村くん」ニコ

花村「ごめんなさい」

七海「ごめんね小泉さん」

モノミ「久々にあちし登場でちゅよ!」ババーン

左右田「安っぽい効果音だな」

モノミ「がーん!あちしの登場効果音は安っぽいでちゅか………これもモノクマのせいでちゅ!」

日向「それまでモノクマのせいにしてやるなよ……」



狛枝「ほら小泉さんも」

小泉「…………」カキカキ

小泉『アタシには罪が…』

狛枝「みんなそんなの気にしてないんだよ。ボクなんか今でもみんなの役に立つなら誰でも殺せるし殺されるつもりだしね」

左右田「やっぱこいつ縛っとかね?」



狛枝「それにそんなに罪罪言ってたら田中クンみたいだよ?」

田中「フハハハハ!踊れ踊れ、魂の舞踏(ロンド)をなッ!」

モノミ「やめてー!回すのはやめてー!」

七海「可哀想だからやめてあげなよ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『それならアタシはどうすればいいの?』

狛枝「なにもしなくていいんじゃないかな。小泉さんは辺古山さんになにか償って欲しいの?」

小泉「…………」フルフル

狛枝「なら罪木さんが小泉さんを責めたときに何らかの形で償いをすればいいんじゃないかな」

小泉「…………」

狛枝「ほら、行こうよ」スッ

小泉「…………」ギュッ



狛枝「みんな、小泉さんが写真を撮ってくれるみたいだよ」

小泉「!?」

左右田「いいな、それ」

七海「いいんじゃないかな」

モノミ「みなさんでらーぶらーぶでちゅよー」

狛枝「これで後には引けなくなったね」

小泉「…………」カキカキ

小泉『バカ………』

小泉『ありがと』

日向「おーい……蜜柑?」

罪木「私なんかが勇気を振り絞ったからあんなことになってしまったんです…………マヌケな私なんかがすみません………」ウジウジ

日向「大丈夫だって。その時は俺がフォローするからさ」




少し休憩します


今日はいっぱい書くつもりです

小泉「…………」カキカキ

小泉『みんな、迷惑をかけてごめんなさい。こんなどうしようもないアタシでよければこれからも仲良くしてください』

九頭龍「かてぇこと言ってんなよな」

罪木「そうですよぅ。小泉さんは私たちの仲間じゃないですかぁ」

七海「私たちの方こそよろしくね」

小泉「…………」カキカキ

小泉『みんな、ありがとう』

花村「あれ、写真はどうやって撮るの?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『アタシがみんなを』

左右田「それだったら小泉が写んねーだろ」




モノミ「はいはーい。みなさんの役に立つモノミでちゅよー!」

田中「小泉よ、そのカメラはタイマーにできんのか?」

小泉「…………」フルフル

弐大「ならワシがシャッターボタンを押して根性で走ってくれば……」

左右田「ぜってー無理だよ!」

モノミ「無視はイヤー!」

ソニア「どうしたんですか、モノミさん?」

モノミ「あちしが撮りまちゃよ!」

西園寺「ブサイクなぬいぐるみに写真が撮れんの?」

モノミ「それくらいならやれまちゅよ!」



小泉「…………」カキカキ

小泉『なら任せていい?ピントを合わせてここのボタンを押すだけなんだけと』

モノミ「大丈夫でちゅ!任せてくだちゃい!」

小泉「…………」スッ

モノミ「ここのボタンでちゅね。あ、狛枝くんが入ってないでちゅ」

狛枝「ボクはいいよ。その中に入るのはおこがましいし」

小泉「…………」グイッ

狛枝「うわ!引っ張らないでよ!」

モノミ「みなさん撮りまちゅよー!ハイチーズ」

俺たちは油断していたんだ

そんな一瞬の油断をモノクマが見逃すはずなかったのに……

今思えばその時の幸せな時間はこれから起こる悲劇の幕開けだったのかもしれない


モノクマ「ねぇねぇみんな」

終里「出やがったな、オレがてめぇをボコって終わりにしてやる」

日向「やめろって。で、なんの用だモノクマ」

モノクマ「うぷぷ、みなさんに朗報です。今ジェットコースターに乗れば前のコロシアイ学園生活についての情報をあげるよ」

十神「前の学園生活の……だと」

モノクマ「そうだよ。あれ?なんだか乗り気じゃない感じ?」

十神「くっ!」

そうか!まだ十神は自分が十神 白夜じゃないことを言っていなかったな

日向「俺ジェットコースター苦手だからあまり乗りたくはないな……」

左右田「俺もできれば遠慮したいんだけど……」

罪木「あのぅ…………私も少し……」



モノクマ「ダメだよー。全員で乗らないとあげないからね」

十神「日向…………俺なら大丈夫だ」

日向「いいのか?」

十神「俺一人の都合のせいで出るためのヒントを逃すわけにはいかん」

日向「……わかった」

左右田「おいおい!まさか乗る気じゃないだろうな!俺は絶対に乗らないからな!」

弐大「よっこいしょっと」ガシ

左右田「や、やめろー!」

日向「これは腹を括るしかないか……」

罪木「創さぁん……」ギュッ

日向「恐かったら俺に抱きつけばいいよ」

罪木「は、はい……」



〔ジェットコースター〕

モノクマ「そろそろ出発の時間だよ」

左右田「嫌だー!降ろしてくれー!」

弐大「ここまできたんじゃ。腹括らんかい!」

罪木「…………」ギュッ

日向「蜜柑…………そこ首……」

モノクマ「しゅっぱーつ!」ガチャ

左右田「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

罪木「イヤァァァァァァ!」ギュウゥゥゥ

日向「蜜柑…………苦し……」

終里「いやっほぉぉぉ!」

日向「息………できな……」

…………意識が……




ジェットコースターはそんなに関係ない


ドッキリハウスの汽車がアウトなだけ

…………………

……あれ?

日向「……………どこだ……ここ」

壁も天井も床も全てが赤い部屋

周りを見渡せばみんなが寝ていた

日向「あ……クソ……クソ!」

また……ここに来たのか……

モノクマ「うぷぷ、早いねぇ。初めから気絶してたから起きるのが早かったのかな?」

日向「モノクマ……」

モノクマ「あれあれ?なんでそんなに無気力なの?」

日向「ここはドッキリハウスか…」

モノクマ「そうだよ。よくわかったねぇ」

日向「………クソ!出せよ、ここから!」

モノクマ「でもここに来たいって言ったのはみんなだよ。ま、誘ったのはボクだけどね」

罪木「むにゃ………んん」

モノクマ「ねぇ日向クン、君は何なんだい?日向 創なのかカムクラ イズルなのか」

またカムクラかよ……

日向「一体なんなんだよカムクラって!」

モノクマ「…………」

日向「なんとか言えよモノクマ!」


左右田「んぁ……なに騒いでんだよ日向」

罪木「……あ、創さん!ごめんなさぁい!私が抱きついたから」

モノクマ「うぷぷ」

弐大「なんじゃここは?」

モノクマ「さぁて、楽しい楽しいコロシアイの時間だよ!」

九頭龍「……言ってる意味がわかんねぇな」

辺古山「お前がここに来ればこの島から出すと言ったのだろう?」

モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ!あれは嘘でーす。オマエラが全然コロシアイをしないから無理やりやってもらうことにしました」

日向「…………」

十神「フンッ!お前の嘘とコロシアイになんの関係がある」




モノクマ「オマエラはここから出られません。コロシアイが起きたら出してあげるよ」

左右田「は……はは……意味わかんねぇよ」

田中「……」

モノクマ「食料もないから飢え死にしないようにね。あ、あとどこかから出られるなんて幻想は抱かない方がいいよ。出口なんてないから」

狛枝「へぇ、ワクワクするなぁ」

左右田「こんなときに冗談言ってる場合かよ!」

狛枝「冗談なんかじゃないよ。ボクはこの絶望的な状況をどうやって打破するか楽しみなだけだよ」

小泉「…………」ゲシッ

狛枝「痛!」

日向「…………」

罪木「創さん?」



日向「……どうした」

罪木「どこか痛むんですか!?わ、私のせいで……」

日向「違うよ。少し考え事してただけ」

ソニア「あの、出口を探してみませんか?ここに連れてこられたと言うことはどこかにその入口もあるんじゃないでしょうか」

左右田「それはいい考えですねソニアさん!」

西園寺「…………」ゲシッゲシッ

左右田「痛いっての!なんだよ」

西園寺「うるさい!」

左右田「なに怒ってんだよ……」




すいません(-_-;)
待たせてしまいました


吐いて薬飲んで吐いてしてたら治ったので書いていきます(笑)



なんじゃそりゃww心配して損したぜww

十神「フンッ!何にしてもまずはこの建物がどんな構造になっているのか、どこにあるのかを調べなければ話にならん」

狛枝「へぇ……さすが超高校級の詐欺師だね。まるで十神クンみたいじゃないか」

十神「…………」

そうか、十神はみんなに自分の正体を話したのか

九頭龍「ケッ、ずっと俺らを騙してたくせになにリーダーぶってんだよ」

日向「九頭龍!」

小泉「…………」カキカキ

小泉『十神にも事情があったんだからそんな言い方ないでしょ』

九頭龍「お優しいこった。この状況でその偽善がどこまで続くか見ものだぜ」

九頭龍「俺はこんなやつと一緒にはいらんねぇよ」

辺古山「ぼっちゃん!みんなすまない、私はぼっちゃんに……」

花村「行ってきなよ。九頭龍くんも混乱してるだけだと思うし、あとで落ち着いたらゆっくり話そうよ」

辺古山「……すまない」



>>550
でも熱は38.0超えてたんだぜw

親には微熱と言われたけど


あと昨日携帯が修理から返ってきたけど使いづらい……

ソニア「ですが……九頭龍さんの気持ちも少しわかります……」

終里「ま、得体の知れないもんと一緒にはいられないわな」

弐大「裏切り者かもしれんしのう」

田中「…………」

日向「待ってくれよ、みんな!」

左右田「日向、お前は気絶してたから知らないだろうけどそいつは俺たちを騙してた裏切り者なんだよ」

日向「十神が裏切り者なわけないだろ!」

左右田「今は信じらんーよ」

西園寺「……裏切り者」ボソッ

十神「…………」

日向「十神……ごめん」

十神「気にするな。これは俺が選んだ道だ」

十神「日向のせいではない」



狛枝「ボクはそろそろここの探索をしてくるよ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『十神、アタシたちは先に何かないか探してるから後で合流しよ』

十神「……フンッ」

罪木「創さん、私たちも行きませんか?」

日向「でも十神が…」

十神「俺のことは気にするな!今はここから脱出することが先決だろう、行け!」

日向「…ッ!……分かった。また後でな」

十神「……フンッ……おい、お前も行ったらどうだ」

澪田「どこにすか?」



…………プレッシャーがハンパない……



考えてたストーリーをさらに煮詰め直さないといけないな……




カムクラ、江ノ島、戦刃は別格なので比較なし。
それ以外だとさくらちゃん>(生物の壁)>弐大>霧切(ネタ枠ので無視して良し)>大和田>終里(実は大して強くないとの事。
装備ありだと左右田(兵器あり)がさくらちゃんの次点に来るらしい。

十神「ここの探索にだ」

澪田「白夜ちゃんは行かないんすか?」

十神「貴様ッ!俺はお前たちを騙していたんだぞ!怖くないのか!?」

澪田「んー……」

澪田「唯吹にとって今ここにいる白夜ちゃんだけが白夜ちゃんだと思ってるっす。希望ヶ峰学園にいた白夜ちゃんのことを唯吹は知らないし興味もないっす」

十神「……」

澪田「それに白夜ちゃんは唯吹と一緒に楽器を弾いてくれたし、カッコイイし、唯吹にとって大切な人っすよ」

十神「……俺は……僕は……ここにいていいのかな」

澪田「なに言ってんすか」スッ

十神「あ……」

澪田「白夜ちゃんは唯吹たちの仲間じゃないすか。みんなが認めてくれなくても唯吹が傍にいるっすよ」

十神「…………」

澪田「かーっ!唯吹らしくないことばっか言ってた気がするっすね!白夜ちゃん。ほら、行こ?」

十神「……フンッ!お前一人だとなにも見つけられんだろうしな、俺も行ってやろう。……僕の本当の名前はーーーー」

澪田「……そうっすか。ーーちゃん、これからよろしくっす!」


〔ラウンジ〕

九頭龍「……クソ!アイツが裏切り者だったのかよ……」

辺古山「ぼっちゃん……」ギュッ

九頭龍「ま、でもこれで少しは安心だな。あとはここから出るための出口を探すだけか」

辺古山「……彼が私たちを騙していたのは本当でしょう。ですが……」スリスリ

九頭龍「だったらなんで否定しないんだよ!」

辺古山「ここに着いて全員混乱していたからではないですか?これ以上の混乱を招かないように」ギュゥゥ

九頭龍「…………」

辺古山「ぼっちゃん?」ナデナデ

九頭龍「お前は真面目に話してるのかふざけてるのかどっちだよ!!」

辺古山「そんな!私はいつも真面目に……」ダキッ

九頭龍「じゃあ抱きつくのやめろや!」

辺古山「イヤです!」

九頭龍「なんでだよ……」

モノミ「らーぶらーぶ」

九頭龍「!?」

七海「らーぶらーぶ」

九頭龍「おいてめぇ!」

花村「あ、ボクたちで出口探してるからもう少し休憩してて大丈夫だよ」

九頭龍「」



左右田「なんかあったか?」

西園寺「何もなかったよ」

ソニア「こちらもなにも……」

田中「……」

左右田「……なに暗い顔してんだよ」

田中「大したことではない」

左右田「どうせ十神のことだろ」

田中



左右田「なにかあったか?」

西園寺「なにも」

ソニア「こちらもなにも……」

田中「…………」

左右田「……なに暗い顔してんだよ」

田中「大したことではない」

左右田「どうせ十神のことだろ」

田中「……貴様には関係ないだろう」

左右田「関係なくはないだろ。アイツが十神じゃなかったってことは俺たちにも関わることだ」



田中「……この状況もモノクマに仕組まれていたような気がしただけだ」

ソニア「モノクマさんにですか?」

左右田「ここに閉じ込めることまでか?いやいや、さすがにそれはないだろ」

田中「…………忘れろ。俺の戯言だ」

西園寺「………」キョロキョロ

左右田「なに探してんだ?」

西園寺「私は真面目に出口探してんの!邪魔しないでよ!」

左右田「うぉあ!なんでそんなに怒ってんだよ!」



終里「なんもねーな」

弐大「そうじゃのう」

小泉「…………」カキカキ

小泉『こっちもなにも』

狛枝「ボクは変な部屋とエレベーターを見つけたよ」

終里「お、ホントか!」

小泉「…………」サラサラ

小泉『なんかドアの模様が凄く禍々しいんだけど』

弐大「嫌な予感がするのぅ」

終里「んなもんさっさと開けちまえばいいだろ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『……なんだか嫌な感じがするし、ここを調べるのは十神や日向が来てからにしよ』

終里「はぁ?なんで十神まで待たなきゃなんねぇんだよ」



小泉「…………」カキカキ

小泉『十神も仲間じゃない』

終里「あんなやつもう仲間でもなんでもねーな。オレたちを騙すようなやつはモノクマ同様敵だ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『それは十神の才能が超高校級の詐欺師だったからでしょ』

終里「そうだったとしてもこんなコロシアイの最中まで騙さなくてもいいだろ」

弐大「裏切り者と疑われてもしかたないじゃろ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『それは……たぶん十神にもみんなを騙さなきゃいけなかった事情があったんだよ』

終里「事情ってなんだよ」

小泉「…………」




狛枝「まあまあ、今ボクたちが争っても仕方ないんじゃないかな。とりあえずみんなを待とうよ」

モノクマ「それがいいよ。この部屋の説明を何度もするのは面倒だしね」

弐大「ということはこの部屋になにかあるんじゃな?」

終里「出口か!?」

狛枝「あっても出口へのヒントくらいだよ。少し考えればわからないかなぁ……そんなだからオワコンとか言われるんだよ?人気投票だって……」

終里「おらぁっ!」ドゴッ

狛枝「う、」

狛枝「うわぁぁぁぁぁ!」ヒュー、ガン

弐大「なにも壁まで飛ばすほど強く蹴らんでもよかろう」

終里「言ってる意味はわかんなかったけどケンカ売られてたことだけは分かったからさ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『狛枝が悪い。アンタ余計なこと言いすぎなのよ』



花村「十神くん大丈夫かな……」

七海「澪田さんが付いてるし大丈夫じゃないかな」

罪木「あ、あのぅ……本当に十神さんが裏切り者なんでしょうか……」

日向「アイツは裏切り者じゃない」

罪木「そ、そうですよね」

日向「…………」

七海「これは、エレベーターかな?」

花村「それに小泉さんたちも……え!狛枝くんが吹き飛んだよ!」

罪木「なんでなんですかぁ!」



七海「どうしたの?」

終里「あー……よくわかんねぇけどケンカ売られたからよ」

日向「……ここに誰か入ったのか!?」

小泉「…………」フルフル

日向「よかった……」

モノクマ「なにがよかったのかな?」

花村「ひっ!も、モノクマ!」

モノクマ「ここはねぇ、ファイナルデッドルーム。コロシアイをするための武器がある所だよ」




モノクマ「それなのに誰も入ろうとしないし……裏切り者に殺される前に殺した方がいいんじゃない?」

日向「黙れ!俺たちはコロシアイなんてしない」

モノクマ「ここから出られなくてもいいの?」

日向「ここから脱出する方法を探すだけだ」

モノクマ「うぷぷ、そんな方法ないよ。コロシアイをしない限りここから出られないからね」

ソニア「そんな……」

田中「…………」

モノクマ「うぷぷ、それじゃあね」

九頭龍「クソが……」



終里「とりあえずエレベーターに乗ってみねーか?」

花村「じゃあ十神くんも呼んでこないと」

弐大「放っておけばよかろう」

罪木「でも十神さんも仲間じゃないですかぁ」

西園寺「裏切り者は仲間じゃないんだよゲロブタ!」

日向「西園寺!みんなも聞いてくれ。十神は裏切り者じゃない」

左右田「証拠はあんのかよ。友達だから、とか言うんじゃねーだろうな」

十神「フンッ!日向がそんなくだらんことを言うわけないだろう」

澪田「みんなちーっす!」

日向「十神!」




すいません(-_-;)ノロウィルスの野郎にやられてて更新できなかったです



西園寺「……なに今更出てきてんの。裏切り豚は大人しく視界に入らない努力してなよ」

十神「…たしかに俺はお前たちを騙していた。だが裏切り者ではない。まして未来機関などと関係を持ったことなどない」

左右田「信じられるわけねーだろ!」

日向「十神を信じてくれ!コイツは俺たちを裏切ってないんだ」

九頭龍「……さっきから黙って聞いてりゃあよぉ……日向お前なんか知ってるみてぇな口振りだな」

日向「…………」

左右田「お、おいおいマジかよ。日向まで裏切り者とか言い出すんじゃないだろーな!」

罪木「は、創さん……」

モノクマ「この中の裏切り者は一人だよ」

左右田「で、出たぁッ!?」

終里「じゃあ十神が裏切り者で決まりでいーんじゃねーの?」

日向「十神じゃない!」

九頭龍「否定ばっかじゃ俺たちはなにもわかんねぇんだよ!知ってることあんならさっさと言えや!!」

日向「……わかった。今から俺が話すことは嘘でも妄想でもないことなんだ」

日向「信じられないかもしれないけど聞いて欲しい」

モノクマ「ワクワク」

日向「なぜかわからないけど俺は一度この島でのコロシアイを体験した記憶があるんだ」

左右田「…………は?」

田中「つまり前回のコロシアイ学園生活の生き残りということか?」

弐大「じゃがあの資料に日向のことは全く書かれておらんかったはずじゃが」

モノクマ「…………」

日向「そうじゃない。俺にもよくわからないけど俺たちでやったコロシアイ生活の記憶があるんだ」

十神「……つまり俺たちと過ごしたコロシアイ生活の記憶を日向だけが持っているということか?ならなぜ俺たちにその記憶がないんだ」

日向「それは……俺にもわからない」

西園寺「日向おにぃって案外電波系だったの?」

日向「違う!」

花村「でもいきなり言われても信じられないよ……」

終里「え?なにがどうなったのかオレにも説明してくれよ!」

狛枝「それが本当なら素晴らしいね。未来が見通せてたんだから」

ソニア「それは少し違うと思います。追体験……のようなものに近いのではないでしょうか」


日向「俺にもよくわからないんだ。でもこの記憶を使ってコロシアイを防いできたつもりだ……」

左右田「だから意味わかんねーって……」

小泉「…………」カキカキ

小泉『日向のその記憶がどんなものだとしてもそれのおかげでアタシたちは助けられてきたってことでしょ』

左右田「お前はコイツのバカみたいな妄想信じんのかよ!」

小泉「…………」カキカキ

小泉『だってアタシは日向に助けられたんだもん。日向の話が本当なら色々辻褄が合うんだけど』

花村「そういえば初日に狛枝くんが誰か殺そうとしてたのを事前に知ってたよね」

九頭龍「それは……狛枝から聞いときゃ……」

狛枝「ボクは花村クンにしか話してないよ」

左右田「だったらそれを盗み聞きしてたとか!」

狛枝「それはないよ。ボクが旧館から出る時に日向クンと外で会ってるし」

辺古山「なるほど。だから私の太刀筋を読んでいたわけか」

澪田「つまり創ちゃんは未来人ってことすか?ならここから脱出する方法も知ってるってことっすよね」

左右田「!!……マジかよ日向!」

日向「……そのことなんだけど……」


日向「ここを出る前に殺されてるんだ……俺」

左右田「……は?」

日向「だからわからないんだ……」

七海「殺されたって誰に?」

日向「わからない……」

終里「……つーかお前の記憶だったら日向が死ぬまでに誰が生き残ってたんだよ」

日向「俺と狛枝、田中に左右田に弐大に九頭龍とソニア、終里、七海の9人だけだった」

日向「あとはみんな……」

十神「おい!下らんことを聞くな」

終里「わ、悪い……つい好奇心で……」

西園寺「……じゃあ未来機関の裏切り者は?」

日向「悪い……わからない」

西園寺「ふぅん……じゃあ日向おにぃの記憶はもう役に立たないってことだね」



小泉「…………」サラサラ

小泉『日寄子ちゃん!そんな言い方はよくないよ』

西園寺「だって本当のことじゃん」

小泉「……!」カキカキ

小泉『だからって……』

日向「いいんだよ小泉。西園寺の言う通り俺の記憶は役に立たないのは事実だ」

狛枝「ならこれからは日向クンの記憶に頼れないってことだね」

左右田「……日向の記憶に関してはまだ納得できてねぇけどひとまず置いとくとしてよ」

左右田「十神が裏切り者じゃないって証明がまだだろ」

終里「でも日向の記憶では十神はここに来るまでに死んでんだろ?なら裏切り者じゃねーんじゃねぇの?」

左右田「死体を偽装したとか……」

日向「それはない。十神の死体が発見されたときにモノクマアナウンスが鳴っていたからな」

辺古山「モノクマよ、そのアナウンスは確実か?」

モノクマ「…………………」

辺古山「モノクマ?」

モノクマ「……」

モノクマ「はい。モノクマアナウンスは絶対です。それにこの島にいる生徒は16人だから死体を偽装したりはできません」

九頭龍「となりゃ十神が裏切り者の可能性はほぼないってことか」

十神「だから言っただろう」

弐大「ならなぜ最初から言わなかったんじゃ?」

十神「それは……」

日向「ここに連れて来られてるみんなをこれ以上混乱させたくなかったからじゃないのか?」

十神「……そうだ」

九頭龍「…………すまねぇ、お前に酷いこと言っちまった」

十神「フンッ!あの程度いちいち気に止めたりしない」

狛枝「なら誰が裏切り者なのかな。一番怪しいのは日向クンの記憶では生き残ってる9人だよね」

左右田「俺じゃねーぞ!」

ソニア「わたくしも違います!」

七海「裏切り者なんていないよ」

日向「…………」

狛枝「どうしたの日向クン?まさか日向クン自身が裏切り者だったとか……」

日向「お前は少し黙ってろ。それよりここから出るための手がかりを見つけるのが先だろ」


辺古山「日向の言う通りだな。いつまでもなすりつけあいを続けても意味がないだろう」

澪田「なら探索の続きっすね!」

日向「ここの構造も一応記憶にあるけど……」

澪田「なら探索はなしってことすか!?唯吹探検できてないっすよ」

十神「日向の話の後でいいだろう」

日向「……まずこの建物は………」

ここからが本番だ……

この建物から誰一人欠けることなく脱出する方法を考えないといけない……

モノクマ「うぷぷ……」


日向「……俺が知ってるのはこれくらいだ」

辺古山「なるほど。なら……」

ピンポンパンポーン

オマエラ、夜時間になりました……

左右田「もうそんな時間かよ」

終里「真面目な話してたら腹減ったな」

終里「……そういや飯ないんだっけか」

花村「明日には外に出られるし、もう少しの辛抱だよ」

田中「部屋はどうするのだ?」

モノクマ「いやー、オマエラがこんなに生き残るとは思わなかったから急いで改装したよ」

モノクマ「だからちゃんと部屋も人数分あるよ」

ソニア「なら今日はもう解散でよろしいですか?」

日向「ああ、ここから出るのは明日にしよう」

十神「……日向」

日向「どうした?」

十神「さっきの話、嘘をついているな?」

日向「な、なにを言いだすんだよ。俺がなんで嘘をつく必要がある」

十神「…………お前が隠しておくということはその必要があるからだろう。だから無理に聞いたりはしない。だが俺は……お前を信じていいんだな?」

日向「……ああ」

十神「…………」

十神「フンッ……くだらんことを聞いたな」


日向「蜜柑たちはストロベリーハウスの部屋、俺たちはマスカットハウスの部屋で寝ること」

澪田「まだ探検してないっすよー」

十神「俺も付いていくから明日すればいいだろ」

罪木「創さん、おやすみなさい」

日向「おやすみ……なにかあったらすぐに俺を呼びに来てくれ」

罪木「わかりました」

日向「さて……」

モノクマ「ねぇ日向クン」

日向「……なんだよ」

モノクマ「記憶があるって言ってたよね」

日向「……この先のことは知らないけどな」

モノクマ「さすがカムクラ イズルなだけあるね」

日向「だからそのカムクラって誰なんだよ」


モノクマ「カムクラ イズルはカムクラ イズルだよ」

モノクマ「ま、ぶっちゃけ今は関係ないけどね。じゃあねー」

日向「おい!……たく」

日向「いつもなんなんだよ。ホントに……」

日向「……ツマラナイ」

九頭龍「なにがつまらないんだよ?」

日向「……え?」

九頭龍「なに呆けた面してんだ。お前が言ったんだろーが。つまらない、ってよ」

日向「……そんなこと言ってたか?」

九頭龍「おいおい、その歳でもう痴呆かよ。気をつけた方がいいぞ」


クソ亀更新ですまん……


今日はここまで

夜中に書きます

日向「……ごめん。疲れてたからかもしれないからあまり気にしなくていい」

九頭龍「……俺にできることがあればなんでも言ってくれよ」

日向「わかった。何かあったときは九頭龍に頼むよ」

九頭龍「じゃあな。俺は寝るぜ」

日向「おやすみ」

日向「…………つまらない、か」

日向「俺も寝るか」


モノクマ『ピンポンパンポーン。オマエラ、朝になりました……』

モノクマ『あ、そうそう。聞いてるだろうけどモノクマ太極拳はやるからマスカットタワーに集まってね』

日向「…………行かなきゃいけないよな……」


〔ファイナルデッドルーム前〕

日向「ここからは俺だけが入るよ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『やっぱりみんなで行った方がいいよ』

日向「この先は本当に危険だし俺一人で……」

田中「犠牲なら俺だけで十分だとでもいうのか?ふざけるなよ」

田中「それは貴様の独りよがりだ!」


十神「仲間を守りたいと思っているのがお前だけだと思うな」

小泉「…………」サラサラ

小泉『だから日向一人で頑張らなくていいんだよ』

日向「死ぬかもしれないんだぞ!!」

ソニア「日向さんだけを犠牲にするわけにはいきません!」

罪木「は、創さんが行くのなら、私も行きます」

九頭龍「そういうこった。お前が行くにしてもせめて一人くらいは連れて行けよ」

日向「……なら」

田中「俺が行こう」

日向「いいのか?」

田中「フハハハハ!この俺様に任せておけ」

罪木「創さんが行くなら私も行きます!」


日向「ダメだ!絶対にダメだ」

罪木「でもぉ……」

西園寺「あーもう!ゲロブタうるさい!アンタは怪我して帰ってくるかもしれない日向おにぃたちのために待機!」

罪木「ひぅ!!わ、わかりましたぁ……」

日向「絶対帰ってくるから」

罪木「絶対……絶対ですよ」

ソニア「田中さん…………お気をつけて」

田中「俺様と破壊神暗黒四天王がいればこれ位赤子の手を捻るまでもないわ!」

ソニア「無事に帰ってきてくださいね……」

田中「……わかっている」

モノクマ「うぷぷ。ではファイナルデッドルーム、開場でーす」





〔ファイナルデッドルーム〕

ガチャン

日向「…………ここがファイナルデッドルームか……」

田中「……あまり居心地のいい場所ではないな」

日向「ああ……さっさとクリアして外に出よう」

モノミ「ほわわっ!せっかく開いたと思ったのに、また鍵が閉まっちゃったでちゅ!」

日向「モノミ?なんでここに」

モノミ「日向くんに田中くん!?どうしてこんな危険な場所にいるんでちゅか!?」

田中「貴様こそなぜここにいるのだ?」

モノミ「あ、あちしはみなさんのお役に立てるように出口を探してたらここにいまちた……」

日向「そ、そうか……」

なんでそんなおっちょこちょいなんだよ……

日向「俺たちと一緒に脱出するか?」

モノミ「ま、まさか『命懸けのゲーム』をやるつもりでちゅか!?」

モノミ「ダメでちゅ!危険過ぎまちゅ!」


田中「ふはははは!そんなこと百も承知だ」

モノミ「ならどうちて!」

日向「……待ってるだけじゃダメなんだよ。待ってても最悪の未来しか来ない。俺はそれを変える」

モノミ「……わかりまちた。ならあちしも協力しまちゅよ!」

日向「ありがとう」

モノミ「あと探してたらこんなものが……」

田中「これは……ペンチとハンガー、それに……曜日の書いてある紙か……」

モノミ「えっへん!あちしもただここにいただけじゃないんでちゅよ!」

モノミ「ハンガーはクローゼットに、ペンチと紙は机の引き出しにありまちたよ」

日向「あと何かありそうなのは……見るからに怪しいモノクマのぬいぐるみとベッドか……」

田中「ベッドの下にあるのはなんだ?」

日向「下?…たしかになにかあるな」

モノミ「そんな所に!?あちしにお任せあれでちゅ!」グググ

モノミ「……届きませんでちた……」

日向「だろうな……」

モノミ「それに抜けまちぇん!」


田中「愚か者めが!」

日向「……ハンガーなら取れるんじゃないか?」

田中「なるほど。たしかにハンガーなら取れそうだな」

モノミ「あちしを助けてくだちゃいよー!」

田中「このペンチでハンガーを切って……」

日向「ん……よし、取れた」

モノミ「無視でちゅか!?」

日向「あったのは……鍵か……」

田中「おそらく机の鍵だろう」ガチャガチャ

日向「開いたな」

田中「ハサミ……か」

モノミ「それであのモノクマのぬいぐるみを切り裂けばいいんでちゅね!」


日向「いきなり怖いこと言いだすなよな」

モノミ「今までの怨みをぶつけるように切り刻めばいいでちゅ!」

モノミ「それか真ん中で真っ二つにしてやればいいでちゅ!」

日向「……ごめん。助けるから黙っててくれ」

モノミ「ほわっ!ごめんなさいでちゅ…」



日向「よいしょっと」ガタッ

モノミ「ありがとうございまちた。お礼にモノクマのぬいぐるみを切り刻むのはあちしがやりまちゅ!」ザクッザクッ

日向「だから物騒なこと言うのやめろって!」

モノミ「こんなものがありまちたよ」

田中「電池か」

日向「そういえばまだこれを調べてなかったよな」

田中「数字入力式のロックがかかっているのか」

モノミ「あちしもそれがわからなくて………2000くらいまでは入力してたんでちゅが……」



田中「ということは何度間違えてもペナルティーはないということか」

日向「この上にある『NEWSをみろ』ってやつがヒントになるんじゃないか?」

モノミ「でもテレビは壊れて動きませんでちたよ?」

田中「……壁に数字が書かれているだろう……」

日向「つまりこのNEWSは東西南北のことかも知れない」

モノミ「それならどっちが北なんでちゅか?」

田中「これは……地図によくあるあの記号ではないのか?」

日向「床にあるこれか?」

これが地図によくある記号だとすると……

日向「NEWSをみろ……north、east、west、south……北、東、西、南の順に数字を並べると……」

モノミ「3657でちゅね!」ポチポチ

ブー

モノミ「はわわっ!?違いまちたよ!」

田中「……6の上にある線はなんだ?」

日向「もしかしたら6じゃなくて9かもしれない」

モノミ「3957でちゅね!」ポチポチ

ピー

モノミ「デジカメとUSBメモリでちゅね」

日向「デジカメは……動かないな」

田中「電池がないのではないか?」

日向「さっきの電池を入れて」

モノミ「あ、起動しまちたね!」

日向「中には……太陽系のポスターの写真?」

田中「…………」カチャカチャ

モノミ「なにしてるんでちゅか?」

田中「パソコンのロックをUSBメモリで解除できるか試しているのだ……開いたぞ」

モノミ「またロックでちゅか……」

日向「今度のはローマ字入力なんだな」

モノミ「もしかしたらこれがヒントかもしれないでちゅ」

日向「これは?」

モノミ「引き出しに入ってまちた!」

日向「先に渡してくれよ……」

田中「曜日が書いてあるな」


モノミ「わかった!曜日を英語にした時の頭文字でちゅよ!」

モノミ「マンデー、チューズデー……つまり、MTWTFSSっと」

エラー

モノミ「あれ!?違った!?」

日向「そう単純じゃないのかもしれないな…」

田中「さっきのデジカメの写真と関係あるのではないか?」

日向「写真?……そうか!太陽系を曜日順に並べればいいんだ!」

モノミ「Moon、Mors、Mercury、Jupiter、Venus、Saturn、Sun……MMMJVSSでちゅね!」ポチポチ

OK

日向「これは……オセロか?」

モノミ「オセロに見えまちゅけど……」

田中「鉄格子の解除装置があるぞ。4ケタのな」

モノミ「今度こそ9999パターン試ちてみまちょう!」

田中「だが入力のためのボタンがないぞ?」

モノミ「ぐほぉッ!」

日向「この部屋に文字入力ができるのなんて一つしかないだろ」

モノミ「そうでちゅね!9999パターン試ちてみまちゅ!」ポチポチ

田中「もしかすればこの赤いランプの点滅が鍵ではないか?」

日向「じゃあ点滅の仕方で順番に照らし合わせてみるか……」

モノミ「うおぉぉぉ!」ポチポチポチポチポチポチ

日向「9875か?」

田中「モノミよ、9875と打て」



モノミ「わかりまちた!」ポチポチ

OPEN

モノミ「また鍵穴でちゅか!」

日向「ならこのUSBメモリで……」ガチャ

田中「なにか出てきたな……拳銃?」

日向「それに出口が開く気配がないぞ」

モノミ「ひょっとして……最初のあれって、ただのおふざけじゃなかったのかも……」

日向「心当たりがあるのか?」

モノミ「え、えっと……最初にこの部屋に入った時に、手紙を受け取ったんでちゅけど……」

田中「手紙だと?」

モノミ「これでちゅ……」

『ファイナルデッドルームの謎を解き明かし、命懸けのゲームの参加権を得るべし』

『命懸けのゲームとは…すなわち命懸けのルーレットなり』

『P.S.ルーレットの難易度設定は自己責任でお願いします』

『それに応じて特典を用意してあるけど、くれぐれも無理はするべからず!』

田中「なるほど……」

モノミ「どういうことでちゅか?」


田中「ここから出たければロシアンルーレットで生き延びろということだろう」

モノミ「だ、ダメでちゅ!危険過ぎるでちゅ!」

日向「ここから出るにはそれしか方法はないのか?」

モノクマ「うぷぷ、ないよ」

モノミ「うわぁ!出まちたね!」

どこから出てきたんだこいつは……

モノクマ「ここから出るにはそれを使ってロシアンルーレットをやるしかないよ」

田中「ふむ……ならばさっそく始めようか」

日向「…………」

田中「心配するな、とは言わん。だが俺様は生き延びるつもりだ」

日向「……ああ」

モノミ「ダメでちゅって!」

モノクマ「うるさい!」グシャ

モノミ「痛いでちゅ!」


田中「…………」カチ

田中「……ふははは、成功のようだな」

日向「……ふー……次は俺の番か」

モノクマ「うぷぷ」

日向「…………」カチ

田中「貴様も成功のようだな」

ガチャリ

日向「出口が開いたのか?」

田中「そのようだな。この先が『オクタゴン』か」ガチャ

日向「ここが……『オクタゴン』?」

モノミ「な、なんだか歪な形をした部屋でちゅね」

モノクマ「コングラッチュレーション、日向クン、田中クン!」

モノミ「また出まちた!」

モノクマ「よくぞ、ファイナルデッドルームをクリアしたね」

モノクマ「はい、未来機関のファイル」

田中「それならジェットコースターの時に貰ったではないか」

モノクマ「それの続きだとでも考えてよ」

モノクマ「ま、もっとも日向クンには必要ないものかもしれないけどね」


今日はここまでにします

時間ないわ体調不良が続くわクリスマスに風邪でグロッキー……

呪われてんのか(笑)

あと未来機関のファイルってなに書かれてたんだっけ?



それはもう一冊貰った全員のプロフィールじゃなかったっけ?

やっと終わった…

待たせてしまってすいません(-_-;)


もう一回4章と5章やり直してました

未来機関のファイルには前のコロシアイ学園生活のさらに詳しい情報だけ

もう一冊に日向やらのことが書かれてたみたい


明日からやっと更新できます


日向「一応貰っておくよ」

モノクマ「それはよかった。ボクも作ったかいがあるよ」

モノクマ「まぁそれはそれとして。ところでモノミちゃん」

モノミ「ほぇっ!?なんでちゅか?」

モノクマ「オマエはまだファイナルデッドルームをゴールできてないよね?」

モノミ「で、でもそれは日向くんと田中くんが……」

モノクマ「ロシアンルーレットがまだ残ってるだろー!」

モノミ「それも日向くんたちが……」

モノクマ「いやいやいやいや!」

モノミ「いやいやいやいや…」

モノクマ「こっち来いやぁ!ファイナルデッドルームにリベンジやでぇ!!」

モノミ「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」ズルズル

日向「…………」

田中「…………」


日向「……モノミのことは置いといて、ここから出られるようなものを探そうか」

田中「そうだな」

にしても色々あるな……

斧やハンマーや剣、モーニングスターまである

田中「こちらの棚にはグレネードや爆弾、RPGまであるぞ」

日向「……これでこの建物の壁壊せるんじゃないか?」

田中「かもしれんな」

日向「こっちには……冷蔵庫があるぞ!」

田中「なに?」

日向「中身は……!毒薬か」

田中「さすがは死を乗り越えた者にのみ与えられる特権というだけはある」

田中「……もっとも、こんなものを使おうとは思わんが」

日向「この冷蔵庫は無視しても大丈夫だろう」

田中「そしてここの床の扉からマスカットハウスに行けるというわけか」


日向「じゃあ一回みんなの所に戻らないと」

田中「む…そうだな」



〔ファイナルデッドルーム前〕

ソニア「お二人とも大丈夫でしょうか…」

左右田「たしかに時間かかりすぎじゃねーか?」

終里「もしかしたら……」

罪木「そんな……ッ!」

狛枝「だったらボクの出番だね」

十神「縁起でもないことを言うな!あの二人を信じろ」

七海「そうだよ。今は二人が帰ってくるのを信じて待と?」

左右田「…………悪い」

西園寺「悪いのは頭もだね」

左右田「うるせーな!」



九頭龍「ん?」

辺古山「どうかしましたか、ぼっちゃん」モフモフ

九頭龍「今エレベーターが動いたような…」

罪木「ほ、本当ですか!?」

左右田「…なんで九頭龍は辺古山に抱き付かれてることにツッコまないんだよ…」

花村「もう辺古山さんはそういう人だと認識されたからじゃないかな……」

十神「何をしている。早くエレベーターの所へ行くぞ」

〔エレベーター〕

チンッ

日向「……後はどうやって出るかだけど……」

罪木「創さん!」ガバッ

日向「うわっ!」

罪木「心配……したんですよ」

日向「蜜柑……それにみんなも」

左右田「無事だったか日向!」

七海「日向くん、田中くん…………二人が無事でよかった」

十神「フンッ!さすがだな」

ソニア「田中さん!」

田中「うぉあッ!な、なななななにをするのだソニアよ!」

ソニア「わたくし……お二人が心配で心配で……」

田中「……ふはははは!この俺様はそう易々と死にはせんぞ!だからそう泣くな……どうすればいいか分からんではないか」

左右田「おい田中てめぇ、なにソニアさん泣かしてんだよ!」

終里「なにぃ?田中がソニアを泣かせたのか?」

田中「ま、待て!これには事情がだな……」

終里「どんな事情だよ、あ゙あ゙?」



西園寺「やっちゃえやっちゃえ♪」

小泉「…………」カキカキ

小泉『いらないこと言わないの。赤音ちゃんも落ち着いて』

澪田「さっきまでのお通夜みたいな静けさが嘘みたいっすね!」

狛枝「喜ぶのはそれくらいにしてさ、そろそろ本題に行こうよ」

左右田「お前はマイペースすぎだろ!」

狛枝「そんなことないよ。できればボクもファイナルデッドルームに連れて行って欲しかったけどね」

お前はあそこに行けば何をするかわからないからな

辺古山「おかえり二人とも。無事でよかった」モフモフ

九頭龍「おいペコ!そろそろ離れろ!無事だったみてーだな」

日向「ありがとう。あと……」

九頭龍「なにも言うな……」

日向「わ、わかった」




九頭龍「で?どうだったんだよ。まさか何も収穫ありませんでしたっわけじゃねーんだろ?」

日向「ああ。もしかしたらここから出られるかもしれない」

ソニア「本当ですか!?」

日向「ファイナルデッドルームにあった武器を使えばなんとかなるかもしれないんだ」

九頭龍「武器ってなにがあったんだよ」

日向「斧とかモーニングスターとか」

左右田「モーニングスター!?」

日向「あとは手榴弾とかRPG7とかもあったぞ」

十神「RPG……ロケットランチャーか」

左右田「おいおい……マジでそんなもんあったのかよ……」

左右田「間違って爆発したりしないだろうな……」

モノクマ「うぷぷ、その心配はありません」

終里「なにしに来やがった。まさか邪魔しに来たんじゃねーだろうな」

モノクマ「まさかぁ。ボクは生徒の自主性を重んじてるよ」

弐大「だったら何をしに来たんじゃ?」

モノクマ「一つ言っておきたくてね」

九頭龍「何が言いてぇんだよ」


モノクマ「ボクがそんな簡単に脱出できるような設計にするわけないじゃん」

十神「……つまり手榴弾やロケットランチャー程度を壁に当てても壊れないと?」

モノクマ「当たり前じゃん」

ソニア「そんな……せっかく日向さんたちが危険を犯してまで……」

モノクマ「うぷぷ、ただの骨折り損なだけだったね。お疲れ様でしたー」

九頭龍「クソっ!そんなに上手くいかねーってわけかよ」

モノクマ「ま、頑張ってねー」

西園寺「……もうどうしようもないじゃん」

左右田「……どうすりゃいいんだよ……」

狛枝「とりあえず試してみない?モノクマが嘘をついてる可能性だってあるわけだし」

日向「…………ラナイ」

狛枝「え?何か言った?日向クン」

日向「……ツマラナイ」

狛枝「なにがつまらないんの?」





日向「…………え?どうかしたのか?」

狛枝「どうかしたのは日向クンじゃないか。そりゃあボクごときの話なんてつまらないかもしれないけど」

日向「は?俺がお前の話でつまらないなんて言うわけないだろ」

狛枝「……ねぇ、何かあったの?」

日向「いきなり訳わかんないこと言うなよな」

狛枝「…………」

日向「一度試してみよう。それでダメならもう一度他の方法を……」

左右田「……それもダメだったらどうすんだよ」

日向「それは……」

左右田「ホントにここから出られんのかよぉ…」

七海「弱気になっちゃ駄目」

日向「七海…」



七海「弱気になって、みんなを疑って…」

七海「それこそモノクマの思う壺だよ」

左右田「……わかってるっての。俺は日向を信じる」

七海「うん。みんなで他の方法を探そ?」

罪木「わ、私は創さんが安全な方法ならなんでも……」

西園寺「だったらアンタもなにか意見を言えばいいじゃん」

罪木「ふぇっ!?わ、私が案を言っていいんですか!?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『うん、大丈夫だよ。みんなちゃんと蜜柑ちゃんの意見を聞くよ』

罪木「え、えへへ……じ、じゃあ…」

罪木「ここの建物の窓からロープで降りるなんてどうですか?」

西園寺「そのロープはどうすんの?」

罪木「え、えっと…その……」

九頭龍「なんでそういちいち罪木に絡むんだよてめぇはよ」

西園寺「九頭龍には関係ないじゃん」



遅くなりましたが皆様、あけましておめでとうございます


もっと早く更新できたらいいんだけど時間があまり作れないです……


できる限り更新していきます

九頭龍「てめぇがそうやって絡むから罪木も恐縮して喋れなくなるんだろうが」

西園寺「だったらなんなの?別に九頭龍に迷惑かけてるわけじゃないしいいじゃん」

九頭龍「全員に迷惑かかってるだろうがよ!」

辺古山「ぼっちゃん!西園寺は罪木にかまって欲しいのですよ。だからぼっちゃんは私にかまってください」ダキッ

九頭龍「はぁっ?」

西園寺「なっ!!」

罪木「えぇっ!」

西園寺「なに適当なこと言ってんのよこの眼鏡ブス!わたしがこんなノロマなやつにかまってほしいわけないじゃん!」

罪木「ご、ごめんなさぁーい!」

日向「西園寺!言い過ぎだって」

小泉「…………」カキカキ

小泉『蜜柑ちゃんに謝ったほうがいいよ』


西園寺「う……」

罪木「あ、あのぅ……別に私は気にしてませんから大丈夫ですよ」

九頭龍「てめぇはそれでいいのか?甘やかしてっといつまでもコイツはこんな態度だぞ」

西園寺「フンッ!」

罪木「私は今までイジメられてきましたから……全然平気です。あ、九頭龍さんも私に落書きしていいんですよ?」ニコニコ

日向「…………」ニコニコ

九頭龍「あー………いや、遠慮しとくわ。そんなことしたら殺されそうだしな」

辺古山「でしたら私になら落書きしても大丈夫ですよ、ぼっちゃん」モフモフ

九頭龍「だからくっつくなっての!」

花村「うわー…………ねぇ、こう堂々とイチャイチャされるとさぁ……」

左右田「ああ……羨ましいとかそういう感情じゃなくて殺意しか湧かねーな……」

狛枝「そろそろ本題に入りたいんだけどいいかな?」

澪田「まだここの探検をしてないって話っすか!!」

十神「澪田……少し黙っていろ」

田中「なら俺と日向はもう一度ファイナルデッドルームに入る必要があるな」

罪木「またあそこに入るんですか!?」

花村「罪木さん、もう一回言ってくれないかな」




ソニア「また命懸けのゲームをしなければならないのですか……」

日向「いや、その必要はないよ」

罪木「……本当ですか?」

日向「マスカットハウスからストロベリーハウスに行くのにはペンタゴンを通るだけど」

日向「そこに武器が置いてあるからファイナルデッドルームに入る必要はないんだ」

罪木「よかった……」

弐大「だったらワシらはなにをすればいいんじゃ?」

日向「弐大や狛枝たちは比較的壊れそうな壁を探してきてくれないか?」

狛枝「そんなことでいいのならいくらでもするよ」

十神「なら俺たちはどうすればいい」

日向「十神は……」

澪田「昨日約束したじゃないっすかー!一緒に探検してくれるって言ってたじゃないすか!」グイッ

日向「……澪田とこの建物を探検してきてくれ」

十神「……すまない」

澪田「白夜ちゃんはなに謝ってるんすか?」

十神「なんでもない。いくぞ!」

澪田「いやっほー!」ダッ

十神「おいコラ走るな!」ダムダムダムダム



日向「蜜柑や小泉たちはもしなにかあった時のために待機していてくれ」

罪木「は、はい!」

小泉「…………」カキカキ

小泉『まかせて』

左右田「なら俺はなにか使えるもんがねーか探してくるわ」

西園寺「わたしも行く!」

小泉「…………」ガシ

小泉『まだ蜜柑ちゃんに謝ってないでしょ?謝ってから行きなさい』

西園寺「……う」

田中「日向、いくぞ」

日向「わかった」

罪木「無理はしないでくださいね」

日向「わかってる。いってくるよ」

罪木「あ……はい!」

西園寺「あ、わたしも!」

小泉「…………」ガシ

小泉『元々行けないでしょ。ほら、逃げない』


罪木「またあそこに入るんですか!?」

花村「罪木さん、もう一回言ってくれないかな」

ワロスwwwwww

申し訳ない


>>681のペンタゴンをオクタゴンに脳内補完してください

〔オクタゴン〕

日向「とりあえず持っていけるだけ持っていこう」

田中「このRPGはどうするのだ?」

日向「それは……危ないから置いていこう」

日向「もし誤射なんてしたらヤバいし」

田中「それもそうだな……ならば罪木の案はとうする?」

日向「あー……厳しいかもしれない。たしか窓があるのはこの部屋だけだし」

日向「なによりここに来るためにあんな危険なことをみんなにさせられない!」

田中「同意見だな。ソニアたちを危険に晒すなどできん」

日向「一つ聞いていいか?」

田中「ふはははは!なんでも聞くがいい!」

日向「田中ってソニアのことが好きなのか?」

田中「ぶふぁッ!ゴホッ、ゴフッ!」

田中「や、やるではないか。なかなかの精神攻撃だぞ」

日向「どうしたんだ田中!顔が真っ赤だぞ!」

田中「貴様からの精神攻撃のせいだ!」

日向「……俺が悪いのか?」


〔マスカットハウス〕

弐大「どうじゃ、なにか見つかりそうかのう?」

狛枝「うーん……ここが怪しいかな」

弐大「ブドウカイロウ?」

狛枝「あとはマスカットタワーもかな」

弐大「なんでそう思うんじゃ?」

狛枝「よくわからないけど……ここだけ何か違うような気がしてね」

弐大「超高校級の幸運のお前さんが言うんならここだけ他と違うんじゃろうな」

狛枝「やめてよ。ボクの才能なんてたいした才能じゃないんだから」

弐大「そうか?じゃがワシはお前さんのその才能は信用しとるぞ」

狛枝「嬉しいなぁ。こんなボクの才能を信じてくれるなんて」

弐大「お前さん自身は信用しとらんがの」

狛枝「あはは、手厳しいなぁ」

弐大「日向に報告するかのう。ほれ、いくぞ」

狛枝「あ、待ってよ」



〔ストロベリーハウス〕

日向「オクタゴンにあるだけの爆弾は持ってきたぞ」ガチャ

左右田「うおっ……この建物にこんなにあったのかよ」

九頭龍「こんだけありゃ楽勝だな」

狛枝「…………」

日向「狛枝たちは何か見つけられたか?……狛枝?」

狛枝「あ、ゴメン。どうしたの?」

日向「だから何か見つけられたのかと思ってさ」

狛枝「あるにはあったんだけど……やっぱりやめた方がいいかもしれない」

モノクマ「うぷぷ、そこはやめた方がいいよ」

左右田「またかよ……」

モノクマ「あそこはねぇ……この建物を支えてる支柱があるんだよ」

モノクマ「だから壊すとこの建物がペチャンコになっちゃうかもね」



ソニア「まさか……だったら狛枝さんが感じたのも…」

モノクマ「そこだけ他にない支柱があるからじゃないかな」

モノクマ「というか狛枝クンの才能ってなんでもありになってきたねぇ」

終里「こいつ嘘ついてんじゃねーの?」

十神「だがモノクマが本当のことを言っているのだとしたら取り返しのつかないことになるぞ」



モノクマ「ボクは嘘はつかないよ!クマに誓ってね」

日向「他の場所にはその支柱はないんだな?」

モノクマ「どうだろうね。まぁここが崩れてペチャンコになっても狛枝クンだけは助かるかもしれないよ?」

モノクマ「他のみんなが代わりに死ぬっていう不幸があるけどね。にょほほほほ」

狛枝「ボクなんかが生き残るためにみんなを犠牲にする?そんなの考える気もないね」

モノクマ「そうなの?残念だなぁ」

モノクマ「そろそろボクは帰るよ。じゃあね」

西園寺「ねぇ、どうすんの?」

日向「……やるだけやってみよう」

十神「ダメなら他の案を考えればいい」ギュルルルル

澪田「白夜ちゃんのお腹の音凄かったっすね!」

十神「…………黙れ」

西園寺「もー!豚足ちゃんのせいでお腹空いたー!」

終里「オレだって腹減ってんの我慢してんだ。少しくらい我慢しろ!」

西園寺「……もういいもん。グミ食べるから」

左右田「そんなもんあったのかよ!」

西園寺「わたしも今思い出したんだもん!あ……12個しかない……」



西園寺「みんないるの?」

日向「俺は遠慮しとくよ」

田中「俺様にそのようなものは適さんのでな」

弐大「ワシも遠慮しとこうかのう」

十神「俺も……」ギュルルルル

左右田「あー……お前食えよ。俺は食わないからよ」

十神「……くっ!」

左右田「なんでそこで悔しそうにすんだよ!」

西園寺「じゃあ配るね」

日向「西園寺も優しくなったな……」

西園寺「日向おにぃ、なにか言った?」

日向「なにも言ってないよ」

西園寺「まあいいけど。はい、左右田おにぃ」

左右田「俺はいらねーぞ?」

西園寺「13個あったから食べさせてあげる。はい、口開けてー」

左右田「……なにかする気だろ」

西園寺「いいから早く開けてよ」

左右田「でもそういうのはソニアさんに……」

西園寺「…………」ヒュッ

左右田「痛ッ!な、なんでグミ投げるんだよ!」ビシッ

西園寺「うっさいうっさい!左右田おにぃのばーか!」


田中「これからどうするのだ?」

日向「ファイナルデッドルームの窓からなら脱出できるとは思うが……」

田中「貴様は血迷ったのか?誰も傷つけないために我らがあの邪悪な空間に入ったのだぞ?」

日向「分かってる。あんな馬鹿げたことをもう他の誰にもさせない」

田中「……だが案がないのも事実だ。無闇に壁を壊し、倒壊などすれば……」

日向「最悪……死ぬ」

罪木「あの……大丈夫ですか?」

日向「蜜柑か……うん、大丈夫だよ」

罪木「で、でも……少し休んだほうが……」

日向「早くここから出してやらないと」

罪木「そうやって抱え込んで……創さんが倒れちゃったら元も子もないじゃないですか!」

日向「でも……ごめん。少し休むよ」

罪木「……はい!」ニコッ




日向「十神や田中たちと話してから休むよ」

罪木「…………」ニコニコ

日向「す、少しだけだから……すぐ休むって」

罪木「…………創さぁん」ニコニコ

日向「」ビクッ

罪木「休まないんですか?」ニコッ

日向「はい……すみませんでした。休みます」

田中「ふははは!無様だな、日向よ」

ソニア「田中さんも休憩が必要です!」

田中「今の俺様に休息など不要だ」

ソニア「弐大さん」

弐大「スマンのう田中よ」ガシッ

田中「何をする!離せ!」

弐大「お前さんたちは働き過ぎじゃ。少しは体も脳も休ませんとな」

田中「はなせぇぇぇぇぇ!」ズルズルズルズル




〔日向の個室〕

日向「ふぅ…………」

やっぱり少し疲れていたのか、ベッドに横たわると疲労感が体を支配した

日向「………」

どうやってもここから脱出する方法が浮かばない

無闇に壁を破壊すればドッキリハウス自体が倒壊するかもしれない

日向「オクタゴンの小窓からロープかワイヤーで脱出する」

日向「無理だ。どこからそんなに長いロープを用意する?途中で切れたら?」

日向「それにオクタゴンに入るにはあれをする必要がある」

自分の命を懸けたロシアンルーレット

いくら確率が1/6でもこの人数が全員成功するはずがない

日向「蜜柑にそんな危険なことはさせられない」

日向「だったらどうする。モノクマに従ってコロシアイをするか」

日向「論外だ。そんなことをするくらいなら自殺したほうがマシだ」

日向「ならモノクマを潰すか」

日向「不可能だ。あのモノクマがオクタゴンにある武器で倒せるはずがない。」

対処できないのなら初めから用意しないはずだ




日向「このままだとおそらく…………」

田中か弐大や狛枝がコロシアイを始めるかもしれない……

日向「早く脱出する方法を考えてないと……」

罪木『創さん、起きてますか?』

日向「蜜柑?すぐ開けるよ」

罪木「あの……休んでいたところでした?あ…す、すみません!自分で休んでくださいなんて言いながら自分で邪魔しちゃってますね」

罪木「ごめんなさい、すぐ帰りますから!」

日向「大丈夫、考え事してただけだから」

罪木「……創さんがやれと言うのなら私は何でもします」

日向「え?」

罪木「だって私の全ては創さんのためにありますから。だから創さんがコロシアイを始めろって言うのなら……」

日向「蜜柑……」

罪木「……私は創さんさえ無事なら他の人たちはどうなってもいいと思って……」

日向「蜜柑!」

罪木「は、はいッ!…………あ、あれ?私…なんの話してたんでしたっけ?」

日向「覚えて……ないのか?」

罪木「え?あ、ご、ごめんなさい!あの、えっと……」

日向「いや、覚えてないなら覚えてない方がいい」

もしかして……また絶望病なのか!?

たしかに蜜柑は発症していなかったけど……



日向「蜜柑…ちょっとの間でいいから傍にいてくれないか?」

罪木「わ、私でいいんですか?」

日向「蜜柑じゃなきゃダメだ」

罪木「あぅぅ……あ、ありがとうございます!」

日向「なんでお礼なんて言うんだよ」

罪木「そ、そうですよね…えへへ」

よかった……いつもの蜜柑に戻ってるみたいだ

罪木「あの……創さん」

日向「どうしたんだ?」

罪木「実は……やらなきゃいけないことがあるんです!」

日向「やらなきゃいけないこと?」

罪木「はい……辺古山さんに言われたんです」

辺古山『恋人同士なら相手に膝枕をしなければならないんだ。それから耳掻きもな』

九頭龍『ペコぉぉぉぉぉぉぉぉ!んなわけねーだろうがぁぁぁぁ!』

罪木「って」

日向「…………」

……はっちゃけ過ぎだろ辺古山……

九頭龍は相変わらず大変そうだな……



罪木「だ、だからあの……私と創さんは……その、恋人同士…だから、ひ、ひひ膝枕をしないとダメなんです!」

日向「あのな、蜜柑……」

罪木「イヤ、ですよね……私なんかの膝枕なんて……」

日向「それは違うぞ!」ロンパッ!

罪木「!!」ビクッ

日向「彼女に膝枕してもらう……それは男の夢なんだ」

罪木「夢……ですか?」

日向「ああ。だからこんなピリピリしたときじゃなくてもっとゆっくりしたときにお願いしていいかな」

罪木「あ……はい!えへへ」

やっぱり蜜柑はオドオドしてるより笑った顔の方がいいな

罪木「あ、それと狛枝さんが」

狛枝『日向クンってなんだかマザコンっぽいよね。女性の胸で甘えるの好きそう』

左右田『そうか?』

罪木「って言ってました」

日向「狛枝後でシメる」

罪木「だ、だから!私の胸でよければ甘えてください!」

日向「大丈夫だぞー蜜柑。俺はマザコンでもなければ女性の胸で甘えたりしないからなー」

罪木「狛枝さんが」

狛枝『彼はツンデレだからね、甘えさせてあげるとデレるよ』 

罪木「って言ってましたから」

日向「狛枝ぁぁぁぁ!」




〔ストロベリーハウス〕

モノクマ「うぷぷ、ボクを呼び出すなんてどうしたの?あ、もしかして告白!?嬉しい、だけどボクにはもう心に決めた鮭が……」

「下らんことを話すな」

モノクマ「もう、ノリ悪いなぁ。で、なんの用なの?」

「貴様を潰せば……」

モノクマ「何も変わらないよ。新しいボクが出てきてキミが処刑されるだけ。誰も助からない」

「…………」

モノクマ「みんなを救いたいならおとなしくコロシアイを始めればいいじゃん」

「…………」

モノクマ「ここにいる誰を殺してもいいんだからさ。殺られる前に殺っちゃえば?」

「誰でも……」

モノクマ「お、まさかの乗り気ですか!乗り気なんですか!」

「少なくとも貴様の思い通りには動かん」

モノクマ「それはどうかな。ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」

「…………」





モノクマ「こんな所にボクを呼び出してどうしたの?まさか告白タイムですか!?嬉しい!だけどボクにはもう心に決めた鮭が……」

「貴様の下らん戯言に付き合ってる暇はない」

モノクマ「ノリが悪いなぁ」

「ここで貴様を潰せば……」

モノクマ「何も変わらないよ。新しいボクが出てきてキミを処刑するだけ。誰も救われないよ」

「…………」

モノクマ「だからさぁ、おとなしく誰でもいいから殺しちゃいなよ。ユー、殺っちゃいなYO!殺られる前に殺っちゃいなよ!」

モノクマ「ここから出るにはそれしかないんだからさ」

「誰でも……」

モノクマ「お、まさか乗り気ですか!乗り気なんですか!」

「……下らん。貴様の思い通りになど動かん」

モノクマ「うぷぷ、それはどうだろうね」

「…………」




モノクマ「こんな所にボクを呼び出してどうしたの?まさか告白タイムですか!?嬉しい!だけどボクにはもう心に決めた鮭が……」

「貴様の下らん戯言に付き合ってる暇はない」

モノクマ「ノリが悪いなぁ」

「ここで貴様を潰せば……」

モノクマ「何も変わらないよ。新しいボクが出てきてキミを処刑するだけ。誰も救われないよ」

「…………」

モノクマ「だからさぁ、おとなしく誰でもいいから殺しちゃいなよ。ユー、殺っちゃいなYO!殺られる前に殺っちゃいなよ!」

モノクマ「ここから出るにはそれしかないんだからさ」

「誰でも……」

モノクマ「お、まさか乗り気ですか!乗り気なんですか!」

「……下らん。貴様の思い通りになど動かん」

モノクマ「うぷぷ、それはどうだろうね」

「…………」




強制ロックで送れてないみたいだったけど送れてたのか……

>>717が正しいやつです

〔マスカットハウス〕

澪田「もう休まなくていいんすか?」

日向「ああ、もう大丈夫だ。それよりみんなは?」

十神「そろそろ集まるだろう」

左右田「腹減った……」

花村「ここから出たら最高の料理を作るからさ、もう少し耐えようよ」

七海「ふわぁ……あ、日向くんだ。やっほー」

九頭龍「だから離せっての!」

辺古山「そんな!ぼっちゃん!」

終里「腹減ったなぁ……」

弐大「まだ我慢せい」

西園寺「わたしに触んないでよ!」

ソニア「先っちょだけ!先っちょだけですから!」

小泉「…………」カキカキ

小泉『ソニアちゃんそれ意味違うと思う……』

狛枝「……あれ?」

日向「どうした?」

狛枝「田中クンがいないけど」



日向「田中が?」

十神「まったく……全員が揃わないと始まらないというのになにをやっている。おい日向、呼びに行くぞ」

十神「お前たちは少し待っていろ」

左右田「言われなくても腹減って動きたくねーよ」

ソニア「わたくしも一緒に行きます」

十神「勝手にしろ」


〔田中の部屋の前〕

日向「おーい、田中?」コンコン

ソニア「田中さーん」

十神「…寝ているんじゃないか?呑気なやつめ」

ソニア「ジャパニーズねぼすけさんですね!」

日向「それはなんか違うぞ……田中ー、入るぞ」ガチャ

日向「……え?」

たしかに田中はベッドで寝ていた

左胸にナイフを突き立てられたまま


『ぴんぽんぱんぽーん』

『死体が発見されました。一定の捜査時間の後、学級裁判を始めます』

ソニア「あ……そんな……田中さん!」タッ

十神「触るな!」

ソニア「!」ビクッ

十神「まず全員を呼んでから捜査を始めるべきだ」

日向「なんで……なんでだよ田中……」

十神「……俺はみんなを呼んでくる」

ソニア「そんな………なんで田中さんが……」

日向「クソ!」ガサ

日向「ん?………手紙?」

『この遺書が読まれているということは俺様はもう死んでいるのだろう』

日向「!……これは…」

『読んでいるものが誰か知らん。だがこれだけは伝えておく。これは…』

『自殺だ』

じ……さつ?

田中が?なんで自殺なんて……



『読んでいるものよ、日向に伝えてくれ』

『約束を守れなくてすまない。だがお前はみんなを……俺以外の他のみんなを救ってやってくれ』

モノクマ「さあさあさあさあ!楽しくなってきたよー!そしてここでザ・モノクマファイル」

日向「…………」

モノクマ「それにはい、アンパンと牛乳」

日向「早くそのファイルを渡せ」

モノクマ「はいはい。もう、せっかちだなぁ」

日向「死因は……心臓に刺さったナイフの刺し傷…」

罪木「創さん!」

日向「……どうしたんだよ……そんなに慌てて…」

罪木「創さんが心配で……」

日向「心配?…なんでだよ…」

罪木「だって……創さん…今にも死んでしまいそうな雰囲気なんですぅ!」

日向「……俺は死なない……なにがあっても…」

罪木「本当……ですか?」

日向「あぁ……」

蜜柑を…みんなをこの島から出すまでは死ねないんだ




九頭龍「日向!」

左右田「おいおい…マジかよ…」

日向「みんな……ごめん。みんなで脱出しようって言ったのに」

七海「日向くんのせいじゃないよ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『田中は誰に殺されたの?』

日向「机の上に遺書があったんだ」

狛枝「遺書?」

日向「これだ」ガサ

西園寺「自殺?」

ソニア「……なんで田中さんが自殺なんてする必要があったのですか!」

日向「それは……わからない」

左右田「この遺書の後半破れてねーか?」

弐大「どこかから破いて持ってきたからじゃないかのう」

狛枝「……ねぇ、これって本当に遺書なのかな?」

日向「え?」

九頭龍「何が言いてぇんだよ」

狛枝「だからさ、田中クンは誰かに殺されていて遺書はカモフラージュかもしれないってことだよ」

左右田「誰かって誰だよ」

狛枝「さぁ?もしかしたら裏切り者かもね」

七海「裏切り者なんていないよ」

狛枝「でもさ、みんなが団結してるのを乱すのなんて終里「お前」くらいしかいないよね」

辺古山「たしかに狛枝なら空気を読まずに乱しかねないな」

狛枝「ちょっと待ってよ。ボクは強い希望の光が見たいだけなんだ。みんながここから脱出するという壁をどうやって越えるのか楽しみにしていたのに」

狛枝「言うなればボクも被害者なんだよ?」

十神「そんなことはどうでもいい。まずは捜査開始だ」

日向「モノクマファイルによると死亡推定時刻は約30分前らしい」

十神「なるほど……おい、お前たちはその時間どこでなにをしていた」




罪木「わ、私は創さんの看病を……」

辺古山「私はぼっちゃんをモフモ……ナデナデしていた」

九頭龍「言い直す必要ねぇだろ!」

左右田「俺は部屋で寝てたわ」

ソニア「わたくしも……」

花村「ぼくも自分の部屋でここから出た時の料理のメニューを考えていたよ」

終里「オレは弐大のおっさんにマッサージされてたな」

小泉「…………」カキカキ

小泉『アタシは日寄子ちゃんに着付けを教えてたよ』

七海「私は部屋でゲームしてたかな」

十神「俺は澪田の探検に付き合っていた」

狛枝「ボクも部屋で一人だったよ」

十神「おいモノクマ」

モノクマ「なんでしょう」

十神「犯人が二人いたらどうなる?」

モノクマ「それはありません。殺した人だけが犯人扱いです。だから二人で協力してこの島から出るのは無理だよ」



十神「なら田中が死んだ時間にアリバイがないのは左右田、ソニア、花村、七海、狛枝ということになるな」

左右田「ち、ちょっと待てよ!そんなことだけで……」

狛枝「ま、仕方ないよね。アリバイがないのはボクたちだけなんだから」

ソニア「そんな!」

十神「だがわからないことがある。もしお前たちの中に田中を殺した奴がいるのならこの胸に刺さっているナイフはどこから持ってきた?」

九頭龍「たしかに……この建物にそんなもんがあんのはオクタゴンぐらいだしな」

澪田「でもそこに入れるのは創ちゃんと眼蛇夢ちゃんだけじゃないんすか?」

罪木「は、創さんにはずっと私が付いてました!部屋から一歩も外に出てません」

十神「ならこの内の誰かが勝手にファイナルデッドルームに入ったか……本当に田中が自殺だったということか」

狛枝「ここからは各自捜査ってことにしないかな?その方が効率もいいし」

十神「ふむ……そうだな」

日向「…………」




十神「では各自で捜査を開始してくれ」

日向「九頭龍、ちょっといいか?」

九頭龍「ん?ああ」

狛枝「じゃあボクは調べたいことがあるから」

九頭龍「…わかった」

日向「任せていいか?」

九頭龍「当たり前だ。おいペコ、行くぞ」

辺古山「はい、ぼっちゃん」


〔ファイナルデッドルーム前〕

狛枝「ここだね」

九頭龍「よぉ狛枝」

狛枝「珍しいね、キミがボクに話しかけてくれるなんて」

九頭龍「てめぇに用があってな」

狛枝「こんなボクを必要としてくれるのは嬉しいけどボクはやらなきゃいけないことがあるんだ」

狛枝「あとでもいいかな?」

九頭龍「ファイナルデッドルームか?」

狛枝「よくわかったね」

九頭龍「日向が言ってたぜ。もしかしててめぇがファイナルデッドルームに行くんじゃないかってな」





狛枝「なんで危険なのかな?ボクは調査の鍵がここにあると思ってるからここに入るだけだよ」

九頭龍「だったら日向に任せりゃいいだろうが」

狛枝「調べる人間は一人でも多い方がいいでしょ?それにこんなボクにも超高校級と呼ばれるほどの才能があるんだ」

狛枝「ボクだってみんなの役に立ちたいんだよ」

九頭龍「てめぇが今一番役に立つ行動は『何もしない』ことだろうが」

狛枝「はぁ…ボクはもう行くよ」

九頭龍「おい待て!」ガシッ

狛枝「痛いなぁ、放してよ」

九頭龍「ふん縛ってでも行かせるなって日向に言われてんだよ」

狛枝「……そうなんだ」

狛枝「あ、なんとなくなんだけどさ。ボクの才能が発動するかもね」

九頭龍「はぁ?いったい、どういう……」

モノミ「いやぁぁぁぁぁ!」ドドドドド

狛枝「え?」

九頭龍「あ?」

モノミ「誰か助けてくだちゃいー!」ダッ

九頭龍「ぐほぁ!」ドカッ

狛枝「へぇ……」

狛枝「『運良く』走ってきたモノミが九頭龍クンにタックルをかまして『運悪く』ボクはモノミに足を踏まれ『運良く』ボクを掴んでた手が離れた……ってところかな?」

狛枝「モノクマも言ってたけどボクの才能って何でもアリなんだね」

狛枝「さて、ボクは行くよ」


九頭龍「おい待て!」

狛枝「じゃあね」バタン

九頭龍「…クソが!」ガッ

モノミ「痛いでちゅ!」

九頭龍「てめぇのせいで狛枝がファイナルデッドルームに入っちまっただろうが!」

モノミ「ほぇっ!?ご、ごめんなさいでちゅ…」

九頭龍「ちっ!日向に連絡しとくか」


〔オクタゴン〕

狛枝「案外呆気なかったかな…」

モノクマ「コングラチュレイション!お前も物好きなやつだなぁ」

モノクマ「日向クンがクリアしてるっていうのに自分からここに入るなんてね。しかも最高難易度の!」

狛枝「もういいかな?学級裁判まで時間もないし」

モノクマ「そうだね。あ、これをあげるよ」

狛枝「これは?」

モノクマ「それは最高難易度のクリア特典だよ。内容は読んでからのお楽しみだけどね。うぷぷ」


モノクマ「皮肉なもんだよねぇ。よりにもよってそれがお前みたいなやつに渡るなんてね」

狛枝「どういうこと?」

モノクマ「うぷぷ、それはねぇ……」

日向「狛枝!」ガチャ

狛枝「あれ、日向クンじゃないか。どうしたの?そんなに慌てて」

日向「お前がファイナルデッドルームに入ったって聞いたからな」

モノクマ「本当はそれだけじゃないんじゃないの?」

狛枝「え?」

日向「………」

モノクマ「日向クン、キミはこれに書いてあることを知っているのかい?」

日向「知ってたらどうするつもりだ」

モノクマ「別になにもしないよぉ。誰かの手に渡ったんだからね。誰かがこれを読んでコロシアイを始めてくれればそれでよかったんだよ」

日向「…それには俺たちの情報が書いてあるだけだ。なんでそれがコロシアイに発展するんだよ」

モノクマ「うぷ、うぷぷぷぷ。ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」

モノクマ「なるほどね。日向クンもそこまでしか知らないんだ。もしかして日向クンってこれを直接読んでないんじゃない?もしくはどこかのページが破れてたりしたとか」

日向「………」



モノクマ「ま、後は二人に任せるよ。じゃあね」

日向「…狛枝、モノクマから他になにか貰わなかったか?」

狛枝「貰ってないけど」

日向「そうか…」

狛枝「日向クンはなにをそんなに恐がってるの?」

日向「恐がってって…そんなことはないぞ」

狛枝「そういえば日向クンはボクがここに入るのを嫌がってたよね。ここになにかあるの?」

日向「……」

狛枝「ボクがここにいるとマズイ理由があるとか」

日向「……前の記憶でお前がここに入ってからおかしくなったんだよ」

狛枝「おかしく?」

日向「俺やみんなを軽蔑した目で見てた。詳しくはわからないけど、ここにあるなにかがそうさせたんだと思う」

狛枝「だけど今のボクは日向クンを軽蔑なんてしていないよ?むしろ愛しているくらいだよ!」

日向「だからわからないんだ……なにがお前をそうさせたのかが」

狛枝「なるほどね……」

日向「まあなにも変わってないならそれでいいんだ。ていうかなんでお前はここにきたんだよ」




狛枝「ボクもみんなの力になりたくてさ。ここに入ったのは田中クンと日向クンだけだったよね?」

日向「たぶんそうだと思う」

狛枝「だったら田中クンに刺さってたナイフはどうやって手に入れたんだろうね」

日向「それは……」

狛枝「日向クンや田中クン以外の人間がファイナルデッドルームをクリアしたのか、それとも日向クンが田中クンを殺したのか」

日向「俺じゃない!」

狛枝「あくまで可能性だよ。あと最後は田中クンの自殺か」

日向「でも俺に死なないことを約束させたのに自殺するか?」

狛枝「さあ?」

日向「さあってお前……」

『おい日向ー!』

日向「九頭龍?どうした?」ガチャ

九頭龍「狛枝のほうはどうなったんだよ」

日向「もう心配ないぞ」

九頭龍「ならいいけどよ、もうあんまり学級裁判まで時間ねぇぞ」

日向「わかった、すぐ行く」

日向「狛枝はどうするんだ?」

狛枝「ボクはまだここを調べてみるよ」

日向「わかった。先に行ってるからな」

狛枝「さて、そろそろボクも……ん?」カサ

狛枝「これって……アハ」

狛枝「そういうことなんだ」


〔マスカットハウス〕

日向「悪い。あれからなにかわかったか?」

十神「特にめぼしいことはなにもないな」

左右田「あれ、田中のハムスターってどこいったんだ?」

罪木「そういえば見当たりませんね」

十神「フンッ!どうせ犯人に怯えて逃げ出したのだろう。どうでもいいことにかまっていると時間が…」

モノクマ『ピンポンパンポーン。そろそろ学級裁判を始めます!生徒のみなさんはストロベリータワーに集まってください!』

十神「くっ!もうそんな時間か!」

狛枝「やぁみんな」

七海「どこ行ってたの?」

狛枝「ファイナルデッドルームだよ。事件の手がかりがないか探してたんだ」

七海「で、なにか見つけたの?」

狛枝「少しね。あとオクタゴンにハムスターがいたんだけど、田中クンのハムスターだよね」

日向「オクタゴンに?」

狛枝「そのハムスターが…」

モノクマ『さっさとストロベリータワーに集合せんかー!』

狛枝「ご立腹みたいだしストロベリータワーに急ごうか」

日向「そうだな」



〔学級裁判開延〕

モノクマ「まず最初に学級裁判の簡単な説明から始めましょう。学級裁判の結果はオマエラの投票により決定されます」

モノクマ「正しいクロを指摘できれば……」

狛枝「くだらないことを説明しなくていいよ。つまり多数決で誰が犯人かを決める。その人が犯人ならば犯人だけオシオキ、違うなら犯人以外をオシオキでしょ?」

モノクマ「さっきまでと凄く雰囲気が変わったね。うぷぷ」

日向「狛枝?」

狛枝「さぁ早く終わらせようよ。こんな茶番は」

九頭龍「茶番だと!?人が死んでんのになにふざけたことほざいてんだてめぇ!」

七海「そうだよ。真面目にしないとみんな死んじゃうかもしれないんだよ?」

狛枝「死んじゃえばいいんじゃないかな?」ボソッ

終里「なんか言ったか?声が小さ過ぎて聞こえねーよ!」

狛枝「うるさいなぁ。じゃあさっさと始めようか」

日向「狛枝、なにかあったのか?」

狛枝「…………」

日向「おい狛枝!無視するな」

狛枝「あのさ、日向クン。これから学級裁判が始まるのに出鼻を挫くようなことしないでくれるかな。ボクも暇じゃないんだからさ」

日向「まさか……お前またッ」

狛枝「日向クンの前の記憶のボクはあれをいつ知ったのか知らないけどあんなこと知ったんじゃ無理もないよ」

日向「狛枝……」

十神「その話は後ですればいい。今は目の前の学級裁判にだけ集中しろ」

狛枝「日向クンのせいで怒られちゃった」

左右田「で、結局田中は自殺だったのか?それともこの中の誰かが殺したのかどっちなんだよ」

弐大「遺書には自殺と書いてあったのう」

花村「でもその遺書が偽装の可能性もあるよね?」

終里「遺書に自殺って書いてあんだから自殺だって」



十神「だからその遺書が犯人の偽装したものだという可能性があると言っているのだ」

終里「はぁっ?誰がそんな面倒なことすんだよ」

十神「それが誰かを考えるのがこの裁判だろう!」

澪田「そんなにカリカリしてたら将来ハゲるっすよ?」

七海「それに犯行に使われたナイフをどこから持ち出したのかもだね」

日向「それはオクタゴンからだろう」

ソニア「でしたらオクタゴンに入ったのは田中さんと日向さんでしたよね」

左右田「てことは…」

罪木「創さんは犯人じゃないです!だって私、創さんと一緒に部屋にいたんですよぅ」

西園寺「うっせーゲロブタ!ノロケんな!」

小泉「…………」カキカキ

小泉『こーら、汚い言葉を使わないの』

十神「いつから一緒だったんだ?」

罪木「え、えっと…私たちが解散してすぐに創さんの部屋に向かって…最後まで一緒にいました」

十神「その間ずっと部屋から出てないんだな?」

罪木「出てません!」

左右田「それって罪木が嘘ついてるとかは……」

十神「ないな。ここから出られるのは実行犯だけだ」

左右田「だったらナイフは誰がオクタゴンから取ってきたんだよ!?」

十神「それは…」

狛枝「自由時間の間に勝手にファイナルデッドルームに行ってた、とか。これなら誰でもナイフを使うことができるんじゃないかな」

日向「!」

花村「む、無理だよ!無理無理!オクタゴンに行くまでに死ぬかもしれないんだよ!?誰がそんなリスクのあることをするのさ!」

九頭龍「ここから出るための必要なリスクってとこじゃねぇのか」



弐大「これで少し搾れたようじゃな。たしか一人で自室に籠もってたのは……」

十神「左右田、ソニア、花村、七海、狛枝だ」

狛枝「ボクは今さっきファイナルデッドルームに入ったばっかりなんだよね」

左右田「お前入ったのかよ!」

九頭龍「そういやそうだったな」

狛枝「あー……もうめんどくさくなってきちゃったな」

十神「なに?」

狛枝「はいこれ、ボクがファイナルデッドルームで見つけてきたもの」スッ

西園寺「紙切れと」

ソニア「田中さんのハムスターさん……ですか?」

狛枝「あの遺書の続き、かな」

日向「そんなのがあったのか!」

辺古山「あるのなら最初から出せばよかっただろう」

狛枝「最初はみんなに任せてたんだよ。こんな簡単なことならすぐに結論が出ると思ってたからね」

終里「で、その続きにはなんて書いてあんだよ」



狛枝「あのさぁ……そんなに急かさないでくれるかな?ボクのペースで話したいんだよ」

罪木「ひぅ!こ、狛枝さん……」

狛枝「なに?この事件に関係ないことなら黙っててくれるかな」

罪木「ご、ごめんなさぁい!」

小泉「…………」カキカキ

小泉『どうしたの?いつものアンタらしくないよ。なにかあったの?』

狛枝「うるさいなぁ…」

澪田「まさか生理っすか!噂の男の子の日ってやつっすね!」

十神「黙っていろ澪田」

狛枝「…簡単に言うと昔の記憶を思い出しちゃったんだって」

日向「昔の記憶ってなんだよ」

狛枝「田中クンが忘れちゃってた記憶かな」

狛枝「あとは勝手に自分たちで読みなよ」スッ

罪木「わ、私ですかぁ!?」

狛枝「いいからさっさと読んでよ」

罪木「す、すみませぇん!」

罪木「え、えっと…」

『すまない日向よ』

『だが俺は思い出してしまったのだ』

『俺が過去になにをしてきたか』

『誰に忠誠を近い、その人を盲信していたのかを』

『その人はコロシアイを望んでいる』

『俺は……その人を裏切れない』

『だがお前のことも裏切れなかった……』

『どちらにつくこともできなかった』

『だから…』

『自分で自分を殺し、逃げたのだ』


『すまない、日向』

罪木「……です」

日向「なんだよ……なんなんだよそれ…」

狛枝「ま、田中クンが自殺した責任の半分は日向クンにあるってことだね」

日向「ッ!」

狛枝「アハ、よかったね。全く才能のない予備学科の日向クンでも殺人幇助の才能があるのかもしれないね」

七海「……それは違うよ」

日向「な…なみ?」

七海「日向くんにそんな才能なんてない」

狛枝「…ちょっとした冗談だよ」

罪木「あのぅ……」ガシッ

狛枝「いっ!」

罪木「創さんは私の大切な人なんですよぉ。私のことを傷つけてもいいんですけど創さんを傷つけるのはやめてもらえませんか?」ギリッ

狛枝「……わかったよ」

罪木「わかってもらえてよかったです」ニコ

左右田「女ってこえー…」

ソニア「田中さんは…本当に自殺したんですね」

十神「誰も殺したくはなかったのだろうな」

西園寺「じゃあクロは田中おにぃで決まりっ
てこと?」

終里「みてーだな。おいモノクマ!」

モノクマ「はいはい。田中クンを殺したクロは……」

モノクマ「じゃじゃーん!大正解ー!田中クンを殺した犯人は田中クン自身でしたー!」

モノクマ「本当はオシオキタイムなんだけどー」

モノクマ「田中クンが死んじゃってるので今回はなしってことで!」




日向(モノクマがこんなにあっさり引き下がるのか?)

モノクマ「うぷぷぷぷぷ」

日向(なにかあるのか?)

日向「おいモノクマ」

モノクマ「どうしたの?学級裁判ならもう終わりだよ」

日向「なんでそんなに嬉しそうなんだ?」

モノクマ「初めて学級裁判ができたんだもん。そりゃあ嬉しいよ」

日向「……それだけじゃない。いつも何かしら学級裁判の邪魔をしてたのに、今回は妨害もなにもなかった」

モノクマ「日向クンの知ってるモノクマとは違うのだよ。彗星のモノクマと云われるボクは日向クンの知ってるモノクマの三倍の穏やかさがあるからね」

モノクマ「あ、そうそう。田中クンの死体だけどね、ボクが責任を持って処分しておくよ」

ソニア「そんな言い方……」

モノクマ「それにこそこそとボクを嗅ぎ回ってたコイツの処分もね」

モノミ『やめるでちゅ!離すでちゅ!』ジタバタ

左右田「モノミ?なんで縄に繋がれてんだ」

モノクマ「コイツはねぇ、なんとボクのプライベートを探ろうとしやがったんだよ!許せないよね!だから今回のオシオキはモノミにしまーす」

モノミ『鬼ー!悪魔ー!』

モノクマ「悪い妹にはオシオキだべー!」



《みんなで綱引き》

モノミの両手両足と首がロープで縛られていた

ロープの先にはたくさんのモノクマがまだ始まらないのかとワクワクしながら綱を持っている

モノミ「あ……ぁぁ……」

モノクマ「いくよー!せーの」グググ

モノミ「ぐぐ……ぃぎぁ…ぐ…」ブチブチ

5方向からロープで引っ張られ、

モノクマ「それっ!!」グッ

モノミ「ッ!」ブチ

6つのパーツになっていた




文字だけでオシオキを書けとか無理……


むしろこれの方がオシオキだよ…

待たせてしまってすみません(-_-;)

今日からまた更新していきます

左右田「マ………マジでやりやがった…」

ソニア「そんな…」

弐大「もしワシらの誰かがクロだったら…」

狛枝「あそこでもがれてたのはボクたちの誰かだったってことだね」

澪田「あばぶぼばばば」ブクブク

モノミ「誰もあちしの心配はしてくれないんでちゅね…ぐすん」

罪木「創さん……」

モノクマ「これにて学級裁判は閉延です!これを機に、もっともっとコロシアイをしちゃってください!」

十神「ふざけるなよ、モノクマ」

日向「俺たちがそんなことさせない」

狛枝「詐欺師と予備学科の二人にコロシアイを防ぐことなんかできるのかなぁ」

日向「俺たちだけで無理ならみんなの力を借りるだけだ」

狛枝「ふーん…ま、せいぜい仲良しごっこを楽しんでよ」

日向「狛枝…お前に何があったんだよ…」

狛枝「……」




〔モノクマ劇場〕

モノクマ「ボクはね、時には勇気を出すことが大切なんだと思うんだ」

モノクマ「誰かのために自分を犠牲にする勇気!」

モノクマ「友達を殺す勇気!」

モノクマ「誰かを殺しても自分は犯人じゃないと言い張る勇気!」

モノクマ「それに……」

モノクマ「ルールを破ってみんなを殺す勇気…もね」

モノクマ「うぷぷ、勇気を持つのも、持たせることも大変だね」

〔チャプター5〕

日向「…………」

ソニア「…………」

十神「…………」

終里「なーにしけた顔してんだよ」

左右田「おまっ、今くらい空気読めよ」

終里「空気って見えんのか?」

左右田「そういう意味じゃねーよ!」

九頭龍「まぁ、終里の言う通りだな。いつまでも田中のことでめげてたってしゃーねぇだろうが」

ソニア「……そんなこと言われましても……」

西園寺「……チッ」

七海「ほら、元気出して。ね?」

ソニア「だって…わたくしは……」ポロポロ

左右田「あー!ソニアさん、泣かないでください!ほら、花村特製の笑顔になれる料理ですよー」

西園寺「…いい加減にしたら?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『日寄子ちゃん?』

西園寺「いつまでもウジウジウジウジウザいんだけど。もう過ぎたことをグダグダ考えてたって仕方ないじゃん」

ソニア「そんな簡単に心の整理なんてつきません…」

西園寺「じゃあアンタは一生ここで立ち止まってろ!わたしたちは前に進むから」

ソニア「…あ……」

西園寺「日向おにぃもだ!田中おにぃが最期に言ってたよね。みんなを救ってくれって。田中おにぃに頼まれたんでしょ?だったら田中おにぃのためにできることって、いつまでも落ち込んでること?違うよね」

西園寺「わたしたちも手伝うからさ……一緒にここから出ようよ」

日向「……あぁ」

西園寺「あれあれー?どうしたの豚足ちゃん。ドッキリハウスで威勢のいいこと言ってたのにもう萎えちゃったの?だったら最初から何も吠えないほうがいいよ?クスクス、豚足ちゃんは豚足ちゃんらしくフンフン言ってなよ」

左右田「お、おい。言い過ぎだって」

十神「……フンッ。貴様にそんなことを言われるとはな」




左右田「あー……十神?コイツも悪気があったというより褒め言葉として言ったわけなんだよ、たぶん」

左右田「だからよ、怒らないでやってくれないか?コイツも元気つけようとしただけだと思うからよ」

十神「フンッ……別に怒ってなどいない。ただ……西園寺の言う通りだったからな」

左右田「だから……え?」

十神「日向、田中は自分を犠牲にしてまで俺たちを助けてくれた。俺たちに未来を託したんだ!」

日向「…未来を?」

十神「だったら俺たちが今できることは、田中の分まで未来を生きる、この島を出ることじゃないのか?」

日向「未来を、生きる」

十神「ソニアよ、お前は今なにがしたいんだ?」

ソニア「それは……」

十神「田中を想っているのなら、田中に託された未来を生き抜いてやれ。アイツもそれを望んでいるはずだ」

ソニア「そう、ですね」

ソニア「わたくし、田中さんの分まで生き抜きます!」

十神「…世話をかけたな」

西園寺「べっつにー?わたしは思ったことを言っただけだし」

小泉「…………」ナデナデ

西園寺「あぁもう!撫でないでよ!」


モノミ「やりまちたよー!」

終里「んぁ?モノミか?」

七海「大丈夫?怪我してるみたいだけど」

モノミ「大丈夫でちゅよ。最後のモノケモノは骨が折れたでちゅが」

十神「ということは最後の島に入れるようになったのか?」

モノミ「はい!」

九頭龍「んじゃあちゃっちゃとその島に行っちまおうぜ」

罪木「あのぅ……」

九頭龍「なんだよ」

罪木「狛枝さんがいませんけど……」

モノミ「狛枝さんならさっき最後の島に行きましたけど…」

左右田「それを早く言えよ!」

十神「クソ!狛枝の後を追うぞ!」ドムドムドムドム

日向「七海……」

七海「どうしたの?日向くん。早く狛枝くんを探さなきゃ」

日向「後で少し話があるんだ」

七海「……うん、わかった。だけど今は…」

日向「わかってる。狛枝を探さなきゃな」



〔屋台通り〕

日向「いたか?」

十神「ここにはいないようだ」

罪木「どこに行ったんでしょうか…」

澪田「凪斗ちゃんどこっすかー?」ガサガサ

十神「ゴミ箱にいるわけないだろう!」


〔ジャバウォック軍事施設〕

左右田「いましたか?ソニアさん!」

ソニア「いえ…ここにはいませんでした」

左右田「たく…狛枝のヤローどこ行きやがったんだ?」

西園寺「ねぇねぇ左右田おにぃ、これ見てー」

左右田「なんだ……てうぉあ!戦闘機じゃねーか!」

西園寺「エンジンはないみたいだよ」

左右田「はぁー、こんなもんまであんのか……て、花村どうしたんだ?そんなに震えて」

花村「いやなんだかね…あの戦闘機を見てたら震えが…」


〔ワダツミ・インダストリアル〕

弐大「狛枝はおったか?」

七海「いなかったよ」

終里「つうかあのモノケモノってここで作られてたのかよ」

モノミ「またあちしがやっつけてあげるでしゅ!エッヘン」

小泉「…………」カキカキ

小泉『頼りにしてるね』


〔ヌイグルミ工場〕

九頭龍「狛枝のやつ、どこ行きやがった……」

辺古山「いませんね……」モフモフ

九頭龍「なぁペコ……そろそろそれやめねぇか?」

辺古山「嫌です」キリッ

九頭龍「お前がいつも抱きついてるから全員がなんかよそよそしいんだよ!」

辺古山「……ぼっちゃんが嫌だと言うのなら……もう二度と……1ヶ月……いや、3日は抱きつきません!」

九頭龍「意志弱いな!」

辺古山「3日もぼっちゃんに触れ合えないなど……考えただけで恐ろしい」ガタガタ

九頭龍「少しくらい我慢しろよ……」ハァ

右手に銃を。

左手に剣を。

射抜くように相手を睨み。

突き刺すように相手を詰る。

 

戦いは、止まらない。

 

 

 

 

 

 

愛しいあなたの手は、決して離さない――

 

 

気にすんな…俺の命なんて、クソみたいなモンだから。


けれど、君を護ることができるなら、最高の代物だ。

 

無理するなよ…早稀、おいで。



この広い世界でお前に見つけてもらえたことが、人生最高の幸せだ。

 

からかわないで…そんなこと…あるわけないじゃない…!!



この気持ちはわたしだけのものであるべきだ、そうでないと、わたしは生きていけない。

 

あれ、知らない?好きな人と一緒にいれば、無敵になれるんだよ?



貴方がいれば、怖いものなんて何一つない。

 

 

 

導く貴方の手が失われた時、何かが壊れる音がした――

 

 

とっくに知ってたよ…僕は、リーダー失格だ。仲間の命を護ることになるのなら、僕の死なんて安いものだ――そう、思えるようになったんだ。馬鹿だなぁ…みんなを護る方法なんて、最初から一つしかなかったのに…もうみんなを傷付けさせないからね…あたしが、みんな、片付けるから。



庶民との戯れもここまでです…もう、二度と会うこともないでしょう。

貴方がその手で護り抜いた誇りは、失われることはない――

 

 

大丈夫。何があっても、俺が絶対護ってみせる。



俺の意志も、アイツの遺志も、絶対に貫いてみせる――誰にも邪魔させない。

 

麗の誇りを傷付けるヤツは、あたしが絶対赦さない。



戦いを望まなかった貴方の遺志に背いてごめんなさい。

 

これが麗さまの望むこと…そう言ってるよ、もみじの中の麗さまが。



いっぱい頑張ったら、夢の中で麗さまが褒めてくれる…そう思っていないと、立っていられない。

 

 

 

 

君に手を貸す以外に、生きる道はない――

 

 

雪美に、手を出すな。


本当の想いなんて言うことはできない…これが俺への罰だ。

 

望みを叶えるためには、犠牲はつきものなんだ…!!



死んだら地獄に堕ちるから…だから、今だけは、僕の行いを赦してください。

 

あっはは、傑作…!!今の顔、とーっても素敵よ?誰も彼も不幸になぁれ。そうじゃないと、不公平じゃない。ねえ…“手駒”って…何のこと?心のどこかで理解はしていた、だけど、見ないふりをした。やっとこの手で、何かを掴んだ気がした――“好敵手とも”の仲間を助けるためには、理由が必要か?ああ、ようやく、間に合うことができた。アンタを殺しに来た…見てわかんないの?馬鹿じゃん!馬鹿はあたしだ、覚悟ができていなかったのもあたしだ。大切な人のために、ちょっと頑張ってみようかなって思って。こんな手段しか取れないことが、とても、残念。大好きな人のためなら、この手を汚すことも厭わない――ごめんね、永佳…今までありがとう。

名月を雲が隠してしまうように。

満開の花は風で散りゆくように。

幸せな時間は長くは続かず。

願い通りに物事は進まない。

 

 

全てが終わった時、この両手には何を掴んでいるのだろうか。

 

 

月に叢雲、花に風

 

【残り十九人】

 

終盤戦、開始――

『咲良、貴女は何があっても麗坊ちゃんを護るのよ』『咲良の力は、大切な人たちを脅威から護る力なのだからね』上野原家は、昔から常に城ヶ崎家と共にあり、城ヶ崎家を護ってきた家。これまでも、これからも、それは変わらない。小さい頃から、何度も何度も聞かされて育った。戦乱の世ならともかく、半鎖国状態で戦争のない平和な国において、一体何から城ヶ崎家を護れというのか、そう思ったこともあった。けれども、何らかの脅威から護ることはなくても、常に傍にいて時に慰め時に励ますことが自分の役目だと思ってきた――家訓など関係なく、それは麗の人柄に惹かれた故のとても自然な流れだった。
平和な世では、この関係がずっと続くと思っていた。しかし、プログラムという戦闘実験の対象に選ばれてしまった。
平和な日常は終わり、クラスメイトが命を奪い合う戦場へと放り込まれた。今こそ、家訓に従い動く時――のはずだった。同じ班にはなれなかった。出発順は最初と最後、あまりにも離れ過ぎていた。探す当てもなく、途方に暮れた。
これまで当たり前のように隣にいることができたのに、それは叶わなかった。クラスメイトの死を目の当たりにし、同志を喪い、会いたい気持ちばかりが募るのに、探しても探しても会うことはできなかった。
傍にいたいのに、護りたいのに、何もできなかった。そして、ようやく見つけた。あまりにも、遅すぎた。鮮やかな紅色、それとは対照的に透き通るような白皙の肌。朝陽を浴びる貴方は、二度と動くことのない亡骸となっていた。紅い色なんて信じたくない――世界から、色が消えた。貴方より輝くものなんてあるわけがない――世界から、光が消えた。

貴方がいない世界にあたしがいることが赦されるわけがない――世界から、あたしの存在価値が、消えた。上野原咲良(女子二番)は、視線の先に、護るべき存在であるはずの城ヶ崎麗(男子十番)の変わり果てた姿を認めた。咲良は、ゆっくりと麗の下へ向かい、傍に膝を付いた。近くで数人の声がするけれど、ただの雑音にしか聞こえなかった。
咲良の意識は、完全に、麗へと向いていた。麗くんが、動かない。何も考えられなかった。ただ、視界の中に麗の姿を捉えて網膜に映しているだけのような感覚。思考回路を動かせば、麗が目の前で息絶えている現実と向き合わなければならない――頭が、心が、全力でそれを否定し、受け止めきれない現実を前に防衛本能が働き、考えるための全ての機能をシャットダウンしたかのようだった。麗と初めて出会ったのはいつだったのか、憶えていない。城ヶ崎家に待望の第一子が誕生した同じ年、池ノ坊家には半年前に奨が既に生まれており、4ヶ月後には上野原家にも長女が生まれた。城ヶ崎家と、城ヶ崎家に代々仕えてきた池ノ坊家・上野原家に、同じ年度に子どもが誕生したということで、親族を交え大いに盛り上がったらしい。アルバムを開けば、まだ立つこともできない小さな頃から、3人並んだ写真が何枚も収められていたので、本当に生まれて間もない頃からの付き合いなのだということは確かだ(誕生日が最も遅い咲良にとっては、特にそうだ)。

それ程に小さな頃から一緒にいたのだから、物心付いた時には麗は隣にいて、物心付いた時には麗は護るべき人だと認識していたのは、当然のことだった。
そして、麗は自分と同じ所に立つ人ではなく、自分の上に立つ人だという認識もこの頃には既にあった。麗は咲良のことを友人として見てくれ、咲良も友達だと口では言っていたけれど、主君と従者という関係を崩すことはできなかった(麗もきっとそれを理解していた。だからこそ、対等に接することができる友人を求めていたのだろう)。

『麗坊ちゃんのお傍に仕えるに相応しい人間でありなさい』祖母や母からは、特に厳しくそう言われた。身なりも言葉遣いも仕草も、小さい頃から厳しく躾けられた。城ヶ崎家を護るという家訓と、総合武術“葉鳥神道流”師範の孫という立場から、物心ついた頃には武道を嗜んでいたが、同時に麗の傍にいるに相応しい女性になるようにと、華道や茶道、ピアノやヴァイオリン等の習い事も掛け持ちしていた。教養もある程度なければ主君の地位を貶めるだけだと、勉学にも勤しんだ。勉強ができ、運動ができ、上品で礼儀正しく、人当たりが良く、身なりにも気を配り、それでいて決して出しゃばらずどんな時も麗を立てる――それが、家族が咲良に求めた、麗の傍に仕える者の理想像だった。初めの頃は常に心掛けて理想に近付くように意識をしていたけれど、いつしかそれが咲良にとっての自然体となった。

元々恵まれていた容姿は努力で更に磨きがかかり、ある程度何でもそつなくこなすことができ、誰が相手でも平等に優しく接して人気もあるが、それを鼻に掛けることのない控えめな性格。学校の同級生も親族も、誰もが、咲良のことを麗の傍にいるのに相応しい、麗の傍にいたいのであればああでなくてはいけない、と称えた。
麗の傍にいることを認められるのは、とても嬉しかった。自分が存在することで麗を貶めないようにする、口にすることはなかったけれど、それが咲良の目標であり、当然でもあった。あたし、本当に馬鹿だ…いざという時に傍にいることも護ることもできなかったなんて…こんなことじゃ、お父さんお母さんお祖父ちゃんにも、城ヶ崎のおじ様やおば様にも、合わせる顔がない…それに…麗くんのいない世界で、あたしは、どうすればいいの…?

麗の亡骸を網膜に焼き付けながら、心の中で自問した。麗の傍で仕え、支え、励まし、護ることが、上野原の血を継ぐ自分の役目だった。道標を亡くした今、咲良は広大な海の上に小舟で放り出されたような、どちらを見てどちらに進めば良いのかわからないような心境だった。「元はといえば…アイツらがこんな馬鹿げたことに乗ったから…!! 次会ったら…ぶっ飛ばしてやる…ッ!!」「…木戸……“アイツら”って……」「奨もやられたんでしょ…賢吾に、賢吾たちに」人間の耳とは、悪い知らせをより聞き取るようにできているのだろうか。
ふと咲良の耳に飛び込んできた木戸健太(男子六番)・真壁瑠衣斗(男子十六番)、朝比奈紗羅(女子一番)の声に、咲良は頭をハンマーで殴られたかのような衝撃を受けた。賢吾――榊原賢吾(男子七番)たち、つまり、あの鷹城雪美(女子九番)のいる班に追い詰められ、結果として麗が命を落とすことになった。池ノ坊奨(男子四番)と同じ。咲良のことを殺したい程嫌う、そして咲良を不幸のどん底に落とすためなら咲良の仲間の命を奪うことも厭わない雪美とその仲間たちによって。ああ、なんだ…どうすればいいのか、だなんて…答えは一つしかないじゃない…咲良は立ち上がっていた。ふらついた足取りで皆から離れ、崖の端に膝をついた。崖下にはごつい岩がいくつか海面から顔を覗かせ、それに白い飛沫を上げて青い波が打ち寄せていた。ここから落ちれば、まず助からないだろう。咲良を嫌う雪美の手によって麗は死に追いやられた。つまり、咲良の存在が、麗の死の原因と言い換えることができる。麗に仕え護ることが自分の存在意義だというのに、逆に死に追いやってしまった。城ヶ崎の家を、麗を護ることができず、上野原の家に泥を塗る結果を招いた自分がすべきことは、たった一つ――命をもって、償うことだけだ。ごめんね、麗くん…護れなくて…それどころかあたしのせいでこんなことになって…ごめんね……

ゆっくりと体重を前に傾けた。あと少し前のめりになれば、体は下へと落下する。怖いだなんて言う資格はない、麗も死へと向かう恐怖を味わったはずなのだから。「咲良ぁッ!!!」重力に従いぐらりと体が前に傾いたと思ったと同時に、叫び声と共に襟の後ろを引っ張られ、咲良は息苦しさと共に地面に放り出された。
何が起こったのかすぐに理解することができず、咲良は体を起こしつつ顔を上げた。「何しようとしてんだ、咲良ッ!!!」「け…健太…くん……?」

そこには、眉間に皺を寄せ眉を吊り上げ、泣いて充血した瞳に怒りの感情を滾らせて咲良を睨む健太の顔があった。
健太は感情をストレートに表現する人なので、このような表情を見たことがないわけではなかった。
しかし、咲良に対してはいつも優しかったので、初めて自分に向けられた怒りの声と表情に、咲良は体を強張らせた。

「あ…あの…だって……あたし…… あたしのせいで…麗くんが……だからもう…死んで償うしか……っ」「何でだよッ!! 麗を護れなかったのは、一緒にいたのにこんなことにしちまった俺らだッ!! チームも分かれてたんだ、お前が責任感じることなんてないだろうがッ!!!」「違う、そうじゃなくて――」「…上野原」咲良は声の降ってきた方向を見上げた。
健の後ろに立っていた瑠衣斗は、肩で息をしながら咲良を見下ろしていた。
眼鏡の奥、いつも冷静で涼やかな瞳からもまた、怒りの感情が読み取れた。

「鷹城に自分が嫌われてるせいで城ヶ崎が死んだ…ってこと? だから、全部自分のせいだから、死にたがってるわけ?」咲良はびくっと体を震わせ、瑠衣斗から視線を逸らした。
瑠衣斗の言葉が全て当たっていたので、咲良の心情を理解している上で向けられている怒りの感情を真正面から受け止めることができなかったのだ。経緯を知らずに眉間に皺を寄せた健太の顔も見ることができず、咲良は視線を彷徨わせ、地面へと落とした。瑠衣斗の口から漏れた盛大な溜息もまた、咲良の頭を押さえつけるかのようだった。「瑠衣斗、お前、何言って…」「聞いての通りだよ、木戸。 …ねえ、上野原、『死にたいとか言わない』って言ったよね? 半日も経ってないのに、もう破るとか、勘弁してほしいよ。 君のせいじゃないって、あと何回言えばわかってくれるわけ? 君の自殺行為、あと何回止めればいいわけ? 高須を何度も泣かせて、僕を何度も困らせて、楽しい?」

迷惑ばっかり掛けてごめんなさい――言葉が、声として出ない。
怒りの感情をぶつけられたことに恐怖した、それもある。
それ以上に、更なる罪悪感が咲良の上に圧し掛かり、体も声も思うようにすることができなかった。

「咲良…お前…自殺行為って……何やってんだよッ!!!」

健太の手が、咲良の肩をぐっと掴んだ。
肌を千切ってしまいそうな程に健太の指には力が込められ、痛みに小さく呻いたが、健太の力が緩むことはなかった。

「なんか、事情はよくわかんねぇけど、これだけははっきりしてる!!
 鷹城が咲良のこと嫌ってたとしても、それとこれとは別問題だッ!!
 鷹城、ダチのはずの室町が目の前で死んでも顔色一つ変えてなかったッ!!
 アイツらはやる気で、生き残るためなら誰だって[ピーーー]気なんだよッ!!
 好きとか嫌いとか、そんなのアイツらには何の関係もないんだよッ!!!」

麗と同じく今朝の放送で名前を呼ばれた室町古都美(女子十八番)の死にも、親しくしていたはずの雪美が関与していることには驚いたが、それとこれとは別問題だ。
健太の言う通り、プログラムの中で優勝を目指すために好悪など関係なく、出会ったクラスメイトを片っ端から殺害しているのかもしれない。
しかし、そんな証拠はどこにもない。
直接雪美から聞いた、『最初は上野原さんを殺してほしいってお願いしてたのよ』という言葉も、頭にこびり付いて離れない。

だから…やっぱり、あたしは、生きていてはいけない…

「駄目…だって…雪美ちゃんは……奨くんも麗くんも……
 あたしがいなければ…これ以上みんなが狙われないかもしれない……
 だから…あたしは…――」

「何でそうなるんだよッ!!!
 何で鷹城一人の願いを聞いて死のうとするんだよ、おかしいだろッ!!!
 俺と瑠衣斗が何でこんなに怒ってるか、わかってんのかッ!!?
 咲良に死んでほしくないから、生きててほしいからだろうがッ!!!
 俺たちも、紗羅ももみじも撫子も、麗と奨だって、生きててほしいんだよッ!!!
 鷹城なんかの願いじゃなくて、俺らの願いを聞けッ!!!」

生きる…?
麗くんがいないのに、あたしだけが、このまま…?
そんなの…

「わからない…
 麗くんがいないのに…麗くんのいない世界で…
 あたしは…どうすればいいの…あたしは…誰のために…」

「グダグダうるせぇッ!!!」

健太が一層大きな怒号を上げ、咲良の肩を掴む手に更に力を込めた。

「麗、麗、麗って…何なんだよッ!!!
 そりゃ、俺みたいな庶民にはわかんねぇことだってあるんだろうよッ!!!
 でも、咲良の彼氏は俺だろうがッ!!!
 もっと俺を見て、俺のこと考えろよッ!!!
 四の五の言わず、俺のために生きろッ!!!」

「…はい……っ」

健太の勢いに気圧され、言葉の内容を理解する前に、反射的に返事が出た。
少し遅れてようやく内容を理解した時、かあっと頬が高潮した。
これではまるで、まるで――。

血の気が戻ったと同時に、咲良の視界が、すうっと広がった気がした。
色褪せていた世界に色が差し、自分を叱咤した健太と瑠衣斗の後ろには、心配そうに様子を見ていた紗羅、紗羅に支えられながら綺麗な顔をくしゃくしゃにして泣く高須撫子(女子十番)、紗羅に縋って涙を溜めた瞳を健太に向けていた鳴神もみじ(女子十二番)がいることをようやく認識した。

麗の死を知った瞬間、世界が終わったような気がした。
しかし、そうではなかった。
どうして忘れていたのだろう。
麗がこの世界の全てではなく、心配してくれる友人がいるということを。

そして何より――

「健太くん…ごめんなさい…ありがとう…
 健太くんは生きていてくれて…良かった…」

麗とは違う、もう一人の特別な人。
その真っ直ぐさに心を奪われた、とても大好きな人。
ずっと会いたくてたまらなかった健太の存在までも、どうして忘れていたのだろう。

「咲良」

頬に、健太の手が触れた。
クラスの男子の中で最も小柄な身の丈に合った小さい、けれども男らしく骨ばった手が咲良の頬を優しく撫でた。

「俺こそ、怒鳴ってごめんな。
 俺の見てない所で、いっぱい辛い目にも怖い目にも遭ったんだよな。
 傍にいられなくて、支えてやれなくて、ごめんな。
 生きて会えて、本当に良かった…生きててくれてありがと、咲良」

健太は先程までとは違う優しい声色でそう言うと、咲良を抱き締めた。
クラスの男子の中で最も小柄な健太と、女子の中では荻野千世(女子三番)に次いで大柄な咲良では、身体の大きさは咲良の方が上回っているため、残念ながら健太の腕の中にすっぽりと納まることはできなかったが、触れ合い伝わってくる温もりに、自然と涙が込み上げた。

「ちょ、ちょっと、咲良から離れなさい、この庶民…ッ!!」

「まあまあ、そう言わないであげなって、撫子。
 あたしらのことお構いなしでプロポーズした勇気に免じてさっ」

「『俺のために生きろ』ね…僕は一生言わないだろうね、特に人前では」

「健ちゃん凄いねー! “ていしゅかんぱく”ってやつだー!」

「うるせぇっ!! 茶化すなっ!!!」

健太の胸に顔を埋めながら聞く、皆の声。
麗が大切にした人たち、麗が大好きだった場所。
そして、もちろん、咲良にとってもそれは同様で。

ああ、あたしは、健太くんやみんなを護りたい。
もうこれ以上、誰もいなくならないように。
麗の命は護ることはできなかったけれど、麗が大切にした人たちのことは…そして、あたしも大好きなみんなのことは、絶対に護らないといけない。

すぐにそのような方向に考えてしまうのは、代々主君を護るために生きてきた上野原の血が、咲良にも受け継がれているからなのかもしれない。
または、武道を嗜む自分こそが、その役目を負わなければならないという責任感なのかもしれない。
或いは、咲良にとって、自分が生きるための最後の理由だからなのかもしれない。

争うことも、傷つけることも大嫌い。
けれども、この状況ではそんな甘いことばかり言っていられない。
奨のことも、麗のことも護ることができなかった。
今度は、今度こそは、護り抜かなければ。

健太に抱き締められながら、今度こそはと決意した。
だから、だろうか。

ようやく僅かだが和やかになった雰囲気を切り裂き突如響いた銃声に対し、咲良は反射的に健太から離れ、皆の前に立ち、支給武器である特殊警防を構えた。

「撫子…みんなを連れて逃げて、お願いね?」

最も付き合いが長く共に祖父の下で武道に励んだ撫子に後を託し、皆の驚きや困惑の声を背中に受けながら、咲良は地を蹴った。

千葉県船海市立船海第二中学校の3年生は修学旅行にきていた。
コースは奈良・京都の定番。
それでも生徒たちはそれぞれ楽しんでいた。
しかし、もう修学旅行も今日で終わり。
今は帰り道の高速道路のサービスエリアに生徒たちが溢れていた。
もちろん、3年5組の生徒40人もそれぞれ休憩していた。

 

加賀光留(千葉県船原市立船海第二中学校3年5組女子3番)はトイレを済ませ、外の空気を満喫していた。
バスの中の臭いはあまり好きではない。
肩に届かない短い髪が、風に靡いていた。

「光留、お待たせ!」

「ねえねえ、ジュース買わない?」

トイレから出てきたのは、幼馴染の幸田真菜(女子5番)と中学生になってから出会った松田由梨(女子18番)だ。
3人はいつも一緒にいる仲良し3人組だ。

 

自動販売機の所には既に先客がいた。
茶髪に両耳に合計5つのピアス――所属する陸上部では県の記録を持つらしい因幡彰人(男子2番)だ。
光留は彰人のような派手な男子は好きではないので、会話を交わしたことはない。

「ほらほら、由梨、因幡くんだよっ」

真菜が由梨の耳元で囁き、肘で小突いていた。
由梨は顔を真っ赤にしている。
由梨の想い人だそうだ。

「い…因幡くんも…ジュース買うの…?」

由梨が勇気を振り絞って声を掛けていた、ナイスファイト。
彰人はにこっと微笑んだ。
好きではないが、かっこいいとは思う。

「バス酔いがいるからさ、冷たい物でもって思って。
 俺も喉渇いたしさ。
 …って1人で持てるかよ、手伝え!!」

後半は由梨に向けられた言葉ではない。
自動販売機の前にあるベンチの前にいた久保田篤史(男子5番)が溜息混じりにタラタラと歩いてきた。

「これくらい1人で持てよ、陸上部っ」

「陸上と関係ないだろ、サッカー部」

自販機占領しててごめんな、と彰人は由梨にもう一度笑顔を向け、ベンチの方へ向かった。
由梨がこれでもか、というほどに顔を赤くしていた。

真菜と由梨がジュースを買う間に、光留はベンチに目を向けた。

篤史は同じサッカー部仲間であり幼馴染でもある安藤悌吾(男子1番)にジュースを渡していた。

彰人が心配そうにジュースを渡したのは、まだ幼さを残している大塚豊(男子3番)と、その横に座っていた瀬戸口北斗(男子6番)。
豊はその可愛らしい顔を青ざめさせていたが、北斗は酔ってはいないらしい。
ちなみに光留は北斗もあまり好きではない。
肩まで伸びた茶髪に3つのピアス、トレードマークらしいバンダナを巻いている容姿は、やはり派手だ。

北斗は彰人から受け取ったジュースの缶を開け、横でしんどそうに座っていた相模晶(女子6番)にそれを渡した。
茶髪の長い髪を2つに束ねて耳には青いピアス、晶は学年1と謳われるほどの美少女だ。
しかし、ほとんど表情を変えない無口な晶には、光留を含めてクラスメイトたちはあまり近づかない。
近づくのは晶も入る幼馴染グループの北斗・悌吾・彰人・豊・篤史、そして晶の所属するバスケットボール部のメンバーくらいだ。

「ありゃー…晶ってばバス酔い? …あ、もしやゆたちゃんも?」

「……まどか……」

晶がやや青ざめた顔を上げた。
遠くから走ってきたのは、女子バスケットボール部のキャプテンである谷口まどか(女子8番)だ。
恐らく晶が心を許している唯一の女子だろう。
後ろには同じくバスケットボール部でややぽっちゃりした体型の白鳥里子(女子7番)と、ボーイッシュな野島美奈子(女子15番)を引き連れていたが、この2人はそこまで晶とは親しくないらしい。

「おーい、なぎさっ! 酔い止め持ってない?!」

まどかが叫んだ先には、クラスの副委員長である深森なぎさ(女子20番)と、なぎさの親友である津和野早苗(女子9番)がいた。
クラスの女子主流派グループのリーダー格の5人だ。
ちなみに光留たちも主流派グループに属している。

「持ってるけど…バスの中よ? 取って来ようか?」

「あ、あたし今持ってるよ?」

今まで様子を見ていた真菜が、取りに行こうとしたなぎさを引き止めて、自分のポシェットから薬を取り出した。
しっかりしている真菜らしい、光留は感心する。

 

「おい、どけ、邪魔だ」

 

光留は突然背後から聞こえたドスのきいた声にビクッと体を震わせた。
恐る恐る振り向くと、自動販売機にジュースを買いに来たらしい森嵩(男子18番)が光留を睨み下ろしていた。
慌ててその場を退く。

「嵩、あまり脅すな」

嵩を諭していたのは滝川渉(男子8番)。
2人は5組が誇る(いや、誇ってない)不良男児2人組だ。
特に渉は近隣の中学校にまで恐れられている、学校1の問題児だ。
関わりさえ持たなければ害はないのが救いだが。

「深森、向こうで大雪が探していた」

「え? あ、そうなの? ありがと、滝川くんっ」

無表情の渉に言われ、なぎさはにこっと笑んで走っていった。
渉に怯えるどころか笑顔を見せるなぎさに敬服。
本人に確認した事がないが、なぎさと嵩は従兄弟らしい。
それが真実なら渉に怯えないのも頷ける、慣れているのだろう。
ちなみに、大雪というのはクラスの担任の苗字だ。まだ若い女の先生で、やや愛国主義のきらいがあり、とっつきにくい人だ。

5組には女子にも問題児がいる。
今はバスの中にいるであろう東ちとせ(女子1番)と上総真央(女子4番)だ。
ちとせは渉と同じく関わらなければ無害だが、真央は機嫌が悪いと周りに当たってくるので恐ろしい。

男子トイレから出てきた手塚直樹(男子10番)が駆けてきた。
見た目も中身も15歳とは思えないほど老けているが、本人はさほど気にしていないらしい。
後ろからその親友である浜本謙太(男子14番)が追いかけてくる。

「違うよ、何か集まっちゃっただけ」

「あ、そうなの? …ん、そっちの少年とお嬢さんはバス酔い?」

直樹は光留からベンチに座っている豊と晶に目を向けた。
晶は溜息を吐き、すっと立ち上がった。

「…戻る」

「え、ちょ… 晶、待てって!!」

バスの方へ戻っていく晶を北斗が追った。
相模さんは人に囲まれるのは嫌いなのかな?、ぼんやりと考えた。

「あ、オレらもそろそろ戻ろうぜ、集合時間だ」

直樹の声に、一同はぞろぞろとバスに戻った。

 

「隣の人はいますかー!?」

委員長の戸坂竜一(男子11番)が声を上げた。
なぎさと一緒に点呼をとっている。

全員揃っていたらしく、バスは出発した。

 

光留の横では可愛らしいお嬢様、天道千夏(女子10番)が既にうとうとと眠りに落ちようとしていた。

あららら…千夏ってばそんなに眠いのかな?
まだバス出てないのに…

前に座る千夏の親友である戸田彩香(女子11番)と夏生初音(女子13番)のバレー部コンビは、それに気付いて少し声のトーンを落として(それでも大きいが)騒いでいた。

5組に存在するカップルは2組とも隣に座って談話をしている。
1組はバスケットボール部に所属しているとは思えない、クラス1ほのぼのとしている近原公孝(男子9番)と、女子のバスケットボール部キャプテンの谷口まどか。
まどかの元気いっぱいの声が聞こえ、時々公孝が笑っている。
もう1組は互いに陸上部である、二松千彰(男子15番)と淀野亜美加(女子21番)。
こちらは声は聞こえないが、時々笑っているのか頭が揺れている。

「ウノッ!! ウノウノウノウノッ!!」

「ちくしょう、かっちゃん、ドロー4出せ、ドロー4っ!!」

「…じゃあ、はい」

「うおぉ!! ちょっと待て、俺が4枚取らなきゃ…っ」

「隼人、バッカだなぁ!!」

後ろで騒いでいるのは、小柄ながら元気は1番である村尾信友(男子17番)、信友の幼馴染の西岡隼人(男子13番)、そしてそれに付き合っている山峡和哉(男子19番)。

その前で口論をしているのは、ソフトボール部でバッテリーを組んでいるはずの長谷川由子(女子16番)と服部和子(女子17番)で、それを仲裁役である三名川万世(女子19番)が止めようとしているが、のんびりしている万世には止められていない。
普段は亜美加と一緒にいるが今は万世の隣に座っている沼井千尋(女子14番)が、万世と一緒になって2人を宥めていた。
千尋と亜美加、千夏・彩香・初音も女子主流派グループに分けられる。
このクラスの女子はあまり細かいグループに分けられていない。
主流派だけで女子の過半数を超えている。
やや特殊なクラスと言えるだろう。

その横では中田智江子(女子12番)が大好きなゲームの話をしているようだったが、横にいる上田昌美(女子2番)は興味がない上にそれどころではなく、エチケット袋を片手にバス酔いと戦っていた。

前に目を向けると、クラス1大柄な加堂啓(男子4番)と、千夏と同じく裕福な家で育った園田茂樹(男子7番)が何かを話しているようだった。いつも一緒にいる2人だが、あまり仲良しに見えないのはどうしてだろう?クラスメイト全員をグループ分けするのなら、智江子と啓が同じゲーム部の部員なので、4人は一緒にいる事が多いので1つのグループと言えるだろう。その横では中森正樹(男子12番)と松浦亮介(男子16番)が並んで座っている。

因幡彰人(男子2番)はゆっくりと目を開いた。
頭が重い――これは寝すぎた時に起きる症状だ。

右手で頭を支えながらゆっくりと上げ、ぐるっと辺りを見回した。
クラスメイトたちも周りで自分と同じように机に突っ伏して眠っていた。
この並び方は、いつもの授業中の並びだ。
彰人の席は教室の真ん中に位置しており、教室全体の様子を把握しやすかった。

古ぼけた教室には見覚えが無い。
いつもの教室とは違う、机も椅子もこんなに古ぼけてはいなかったはずだ。

……って教室?
何で…確か修学旅行の帰りだったはずで…

半分寝ていた頭が完全に覚醒した。
何かがおかしい。
ここはどこだ?
どうしてこんな所で寝ていた?

そして――

息苦しい感じがしたので、彰人は自分の首に手をやった。
金属製らしい何かが巻きついていた。
首輪のようだった。

どうしてこんな物をつけている?

周りで寝ているクラスメイトたちの首にも、銀色のそれが巻きついている。
冗談じゃない、オレたちはペットかっての。

 

「ん……っ」

 

前で眠っていた相模晶(女子6番)の頭が上がった。
幼稚園に通っていた頃からの仲だが、あまり喋ってくれなかった。
そのため昔からあまり声を聞いた事はないが、たまに聞く声が可愛らしかった。
可愛い子だな、と思った。
彰人の初恋の人。
それが可愛いからきれいに変わったが、彰人の想いは変わらない。
片想い歴およそ10年、それなのに伝えられていない事が情けない。

「おはよ、晶」

晶は彰人に目を向け、それから辺りをぐるっと見回し、彰人に目を戻した。

「…おはよう、彰人くん……これはどういう事…?」

昔は何を言っても無視されるか、喋っても単語くらいだったのに、今ではちゃんと文章で声が返ってくる。
人見知りが異常に激しいらしいが、少しは心を許してくれたということだろうか?

「さぁ…俺も何が何だか…
 でもあんま良い気はしないよな、首輪付けられて…」

晶は初めて気付いたのか、自分の首に手をやり、僅かに眉をひそめた。
あまりに自分に不似合いなそのアクセサリーに、気分を害したようだ。

徐々にクラスメイトたちが目を覚ました。
少しずつ教室が騒がしくなっていく。

「ここ、どこ?」

「バスに乗ってたんじゃなかったっけ?」

「ちょっとやだ、何よこの首輪」

「どうなってんだよ?」

教室内が騒がしくなっていく中、晶がガタンと音を立てて立ち上がった。
クラスメイトたちが不思議そうに晶に目を向ける中、晶はそれを気にしていない様子で前の扉に手を掛けた。

晶とは物心付く前からの幼馴染で、晶が最も心を許している瀬戸口北斗(男子6番)が不思議そうに立ち上がり、晶の方へ向かった。
彰人もそれについて行く。

「…開かない…」

晶の言葉に彰人と北斗は顔を見合わせ、扉に手を掛けた。
しかし、扉は全く開かない。

「何でだよっ!! 開けよ!!」

北斗が扉を足で蹴ったが、扉はそう易々とは壊れない。

後ろで同じように扉を開けようとする音が聞こえた。
廊下側(だろうな、ドアがあるんだから)の1番後ろの席に座っていた手塚直樹(男子10番)が、どうにかして扉を開けようとしているようだったが、無駄骨だったようだ。

「後ろも開きゃしねぇ!!」

直樹の言葉に教室がざわめく。

「ひかちゃん、そこ鍵開けろ!!」

「う、うん!!」

窓際の席に座って様子を見ていた久保田篤史(男子5番)が立ち上がり、後ろの席の加賀光留(女子3番)に窓の鍵を開けるよう指示した。
光留が鍵を開けたと同時に篤史が窓を開ける。

「な…何だよこれ!!」

篤史が何かを何度も叩いていた。
どうやら窓の外は鉄板か何かで塞がれているらしい。

密室。
異常事態であることは明らかだ。
教室内が更にざわめく。

 

「俺たち中3で、変な所に連れて来られた…と」

 

光留の後ろでクラスで1,2位を争うお調子者の西岡隼人(男子13番)が、いつもと変わらない調子の声を出した。
クラスメイトたちが隼人に目を向けた。

「これってプログラムだったりしてなー!
 ……なーんて…言って…みたり…して……」

冗談半分だったのだろうが、言葉に出して恐ろしくなったのだろう、隼人の声は徐々に小さくなっていった。
教室が静まり返り、クラスメイトたちは互いに顔を見合わせる。

プログラム――正式名称、『戦闘実験第六十八番プログラム』。
全国の中学校から任意に選出した三年生の学級内で、生徒同士を戦わせ、生き残った一人のみが、家に帰ることができる、わが大東亜共和国専守防衛陸軍が防衛上の必要から行っている戦闘シミュレーション。
大東亜の中学生で知らない者はいない、おぞましい制度。

それに選ばれたかもしれない――笑えない冗談だ。

 

「いやあああああああぁぁっぁぁああっ!!」

 

窓際の前から2番目、明るいバレー部員の夏生初音(女子13番)の甲高い悲鳴が教室に響いた。
前に座っていた親友の戸田彩香(女子11番)が必死に落ち着かせようとしている。
しかし、それを皮切りに次々とあちこちから悲鳴が上がった。

「バカか隼人!!
 冗談は時と場合を考えて言え!!」

篤史の横で安藤悌吾(男子1番)が怒号を上げる。
隼人の横では幼馴染の村尾信友(男子17番)も隼人を責めていたが、隼人本人の耳には届いていないらしい――自分の言った事の深刻さに気付き、ガタガタと震えているだけだった。

「いやあっ!! 出して、ここから出してぇ!!」

廊下側では上田昌美(女子2番)と松田由梨(女子18番)が泣き叫びながら窓を叩いている。
どうやら廊下側の窓は開かないらしい。
「上田、松田、どいてろ!!」

3年5組の不良男子ペアの片割れ、粗暴な森嵩(男子18番)が自分が座っていた椅子を片手に叫んだ。嵩は椅子を窓に叩きつけた。
昌美と由梨が小さく悲鳴を上げた。しかし、窓は割れない。「何で割れねぇんだよ、ちくしょう!!」嵩が拳で窓を殴る。
当然だ、嵩は機嫌が悪くなるとしょっちゅう学校の備品(特に窓)を椅子で壊していたのだから。「落ち着け、嵩」嵩の相方、学校一の問題児である滝川渉(男子8番)の低い声が1番後ろの席から聞こえた。「落ち着けるかよ、プログラムだぞ!? ざけんな、死にたくなんかねぇし、殺しなんかできるかよ!!」

もちろん、女子不良ペアの2人――渉の横で眠そうに欠伸をする東ちとせ(女子1番)と、窓際から2列目の最後尾で無関心そうに頬杖をついている上総真央(女子4番)も十分に怖いが。

 

「…あ、誰か来るよ?」

 

由梨の前の席、クラス1ほのぼのしている近原公孝(男子9番)が、珍しく険しい表情を浮かべて言った。
教室内が静まり返った。
足音が聞こえる。
段々と近づいてくる。

そして――

扉が外から開かれ、3人の軍人が入ってきた。
その後から1人の女性がコツコツとハイヒールでわざとらしく音を立てながら入って来て、パンパンと手を叩いた。

「はァい、こんばんはぁv
 皆、ちゃ?んと着席してくださいねぇvv」

キンキンする高い声。
赤いスーツに付いている桃印の記章から、政府の役人と見て取れた。

入り口付近にいた彰人は、4人を怪訝そうに見つめる晶と睨みつけている北斗を促し、席に着いた。
何となく、逆らってはいけないような気がした。

「あぁ!? 何だよクソババァ、誰だテメェ!!」

嵩が教室の後ろから叫ぶ。
女性はピクッと眉を動かし、内ポケットに手を突っ込んだ。
中から出してきたのは、拳銃だ。

 

バァン

 

銃声が鳴り響いた。
彰人は嵩が撃たれたのかと思い、慌てて後ろを向いた。
しかし、嵩は無事だった。
目を見開き、罵声の1つでも飛ばしてやりたいができなかったのだろう、口をパクパクとさせていた。
どうやら銃弾は天井に当たったらしい、穴が開いていた。

「えぇっとぉ、君は…森嵩君かなぁ?
 今ここで死にたくなかったら、良い子にしてましょうねぇ?
 あとぉ、アタシはこれでも20代よぉ、失礼ねぇ」

嵩が椅子を戻して座ったのを確認し、その女性は黒板に文字を書いた。
『坂ノ下愛鈴』、雑な字だ。

「今日から皆さんの担任になりましたぁ、『サカノシタ・アイリン』よぉv
 いや?んv 我ながら可愛い名前v

西岡隼人(男子13番)の頭の中が、真っ白になった。
その手の中にいるのは、息絶えた幼馴染の村尾信友(男子17番)。
頭部に開いた穴から流れ出す紅い血や、灰色のゼリー状のモノが、信友の頭を支えている隼人の左手を汚していった。
何が起こったのか、わからなかった。
信友も、恐らく何もわからなかっただろう。
笑っていた次の瞬間には、撃ち殺されてしまったのだから。

「の、ノブちゃん……そんな……こんなことって……ッ!!」

戸田彩香(女子11番)が、両手で口を押さえた。
その場に力なく座りこみ、嗚咽交じりに呟いた。

「何で…何で……誰が……――」

銃声。

隼人の横にいた、彩香が弾かれたようにその場に倒れた。
隼人は、ゆっくりと彩香の方を見た。
彩香が頭部を押さえて、呻き声をあげている。
押さえる指の間からは、血。
信友から流れるのと、同じ。

「ったぁ……ッ」

彩香は地面をしばらく転がって、痛みを訴えていたが、隼人の視線に気付くと、弱々しく笑みを浮かべた。
押さえていた手を離した。

「頭の上…掠っただけみたい…
 なんか……すっごい痛いけど……ッ」

隼人は見た。
彩香が手を離したところからは、真っ赤な血が溢れていた。
その奥に、白い物が見えた。
骨、だろうか。

隼人の思考が、徐々に働き始めた。
信友を失った悲しみよりも、怒りが湧いてきた。

…許さねぇ……
こんな…こんなに戦う気の無い俺らを攻撃するヤツを……
あやに怪我させたヤツを…
ノブを殺したヤツを…

「出て来い…誰だよ…ッ!!」

隼人は声を絞り出した。
それに反応して、茂みががさっと音を立てた。
現れた人物に、隼人は言葉を失った。

「……は…つね……」

彩香が、魂の抜けたような声を出して、その名を呼んだ。

朝日を浴びて黒く光る自動拳銃(トカレフTT33)を携え、小刻みに震えている少女は、夏生初音(女子13番)――隼人の想い人だった。
いつもの明るさの欠片も感じさせず、大きな瞳は怯えて揺れていた。
初音のチャームポイントの1つであるウェーブが掛かった髪は、ぼさぼさになり、ふっくらとしていた頬はこけていた。

ほんの数時間前のやりとりが思い浮かんだ。
浜本謙太(男子14番)たちに言った言葉。
信友に励まされた言葉。

そう、俺の好きな人は、はっちゃん。
何でって?
あの明るいところとか、可愛いところとか。
よくわからない、気が付いたら、好きだと思ってた。

好きなのか?

はっちゃんのこと、今も。

好きなのか?

ノブを殺したのに…?

 

…もう、好きじゃない――

 

隼人は、プログラムが始まって以来初めて、支給されたアタリ武器であるシグ・ザウエルP230を右手に持った。
それを見た彩香が、隼人の足を掴んだ。

「ちょ…アンタ、何しようとしてんの!?
 アンタ、初音のこと、好きなんじゃ――」

「好きじゃない、もう」

自分でも驚くほど、冷たい声が出た。
その声に、彩香も一瞬呆けて手の力を緩めたが、すぐに先程よりも強く隼人の足を掴み、にじり寄った。

「何、それどういうこと!?」

「どういうもこういうもあるかよ!!
 幼馴染殺した女を好きでいろって?!
 無理に決まってんだろうがっ!!」

隼人はそう怒鳴ると、ずっと抱えていた信友の亡骸を地面に下ろし、彩香の手を振り払って立ち上がった。
初音が一歩後ずさった。
隼人は一歩進み、シグ・ザウエルを構えた。
その表情には、いつものやんちゃさはなかった。

「はっちゃん…好きだったよ、少し前まで」

少し間を置き、初音を睨みつけた。

「今は、憎くてたまらない」
「待ってよっ!!」

彩香の叫びが下から聞こえた。
そんなに叫ぶと、傷に障るだろうに。彩香は立ち上がり、隼人と初音の間に割り込んだ。そして、隼人の方を向き、両手を広げた。「させない…初音を殺させない…っ!! 初音はあたしの幼馴染なんだよっ!! アンタならわかるでしょ!?
 今の、あたしの気持ちが…っ!!」

隼人の、シグ・ザウエルを持つ手が、ぴくっと震えた。友達を失う気持ちは、わかる。痛いほどわかる。今、体験させられているのだから。俺が、はっちゃんを撃つと、あやが俺と同じ思いをする…隼人の頬を、一筋の涙が伝った。幼馴染を失った悲しみと、護れなかった悔しさと、初音に対する憎悪と、今の思いを彩香にさせてもいいのかという戸惑いが入り混じった涙だった。「うぁ…ああああぁぁぁっぁぁぁっぁあっ!!」

隼人は絶叫した。
息が続く限り。
叫ばずにはいられなかった。
この渦巻く思いを抑えるためには。しかし、その叫びは、初音を錯乱させた。同調するように、初音が悲鳴を上げた。
そして、弾を撃ち尽くすまで、トカレフの引き金を引き続けた。『まぁ、“なるようになる”っしょ』初音のトカレフが吐き出した弾は、彩香の体を貫通し、その先にいた隼人の体も抉っていった。ある弾は大切な血管を傷つけ、またある弾は大切な器官を傷つけた。隼人と彩香は、その場に倒れた。こんな風にしか、ならないのかよ、ちくしょうめ――

隼人の世界が、暗転した。まだ銃口から硝煙を吐き出しているトカレフを握り締めたまま、初音は激しく肩で息をした。死にたくない死にたくない……目の前には、3つの死体。それが誰なのか、初音にはわからない。初音は、発狂していた。あちこちで聞こえる銃声。放送のたびにされるカウントダウン。命を狙われているという極限状態。それら全てが、初音の精神を破綻させた。これで死なない、まだ死なない、まだ生きていられる……「初音…?」後ろから声を掛けられ、初音はゆっくりと振り返った。そこにいたのは、初音の親友である天道千夏(女子10番)だった。千夏はほっと息を吐き、笑みを浮かべた。「初音…大丈夫だった? 今、こっちの方からピストルの音とか悲鳴とか聞こえたから――」

天道千夏(女子10番)は、四つん這いになり、崖下を見下ろした。
崖に激しく波が打ちつけている。
時々姿を見せる岩の上に、夏生初音(女子13番)の姿が確認できたが、次の瞬間には姿は消えていた。
波に飲み込まれてしまったようだ。

「初音…初音ぇ…ッ!!」

「危ないわ」

崖下に手を差し伸べようとした千夏の体を、相模晶(女子6番)が後ろから抱きとめた。
その手を払おうとしたが、叶わなかった。
晶は細身だが、バスケットボール部で鍛えているだけあって、力は強かった。

「いなくなっちゃった…初音…いなくなっちゃった…っ!!
 まだ海は冷たいのに…あぁ……っ!!」

いつも元気いっぱいだった初音。
背丈は千夏よりもあるのに、子どものように天真爛漫で、いるだけで周りの人を元気にしてくれる力のある人だった。
それなのに、もう、いない。
崖から落ちてしまった。
その亡骸に縋ることすらできない。

そして、その初音が、千夏に銃を向けた。
それだけでない。
あの状況から察するに、初音は3人も殺害した。

1人は西岡隼人(男子13番)。
初音とよく似た、クラスを盛り上げるタイプの男子。
小学生をそのまま大きくしただけ、とも言われるほどの底抜けの明るさとやんちゃさを持っていた。
野球部に所属していたらしいが、その姿を見たことはあまりない。

隼人の怒鳴り声や咆哮が聞こえた。
その直後に初音の悲鳴が聞こえ、銃声が鳴り響いていた。
隼人が襲いかかろうとしたのかもしれない。
真偽の程は定かではないが、胴体にいくつもの穴を開けて倒れていて、その加害者が初音であることは、疑いようもない事実だ。

1人は村尾信友(男子17番)。
隼人と幼馴染だという、千夏と身長が変わらない程に小さな男の子。
羨ましいほどに人懐っこく、あの不良少年の森嵩(男子18番)を相手にしても、怯んでいない(嵩はそんな信友に苛立っていたようだが)。
隼人と同じく野球部に所属していて、エースらしい。

千夏の知るところではないが、最初に騒ぎに気付くきっかけになった銃声は、信友の命を奪った銃弾の放たれた音だった。
頭部に穴を開け、その下の地面には小さな血の池ができていた。
その死に顔は、笑顔を浮かべているようにも見えた。

そして、1人は戸田彩香(女子11番)。 
初音の幼馴染であり、千夏の親友の1人。
どこにいても聞こえそうなほどの大声の持ち主で、いつもその声で笑っては、周りからうるさいと言われ続けていた。
初音に負けず劣らず元気な女の子だ。

しかし、その彩香は頭部に穴を開け、隼人の上に折り重なって倒れていた。
左よりのポニーテールとピンクのボンボンがあるからこそ、それが彩香だということがわかった。
その加害者も、おそらく初音だ。

初音と彩香、2人は千夏にとって1番の親友だった。
それなのに、彩香は初音に殺害され、初音は崖から落ちて命を絶った。
親友が、あっという間に、この世から消えた。

「いなくなっちゃった……いなくなっちゃったよ……
 あたしだけ残して……ひどいよ……っ」

人見知りの激しい千夏にとって、数少ない心許せる人たちだった。
それなのに、2人とも、まともな会話も交わすことなく逝ってしまった。
千夏だけを残して。

…ひどいよ……もっと一緒にいたかったのに……

「…あたしも…連れてって……ッ!!」

崖の方へ手を伸ばそうとする千夏を、晶が力一杯引っ張り、反対側へ突き飛ばした。

「駄目よ」

千夏が顔を上げると、傾きかけた陽に照らされた晶の顔が見えた。
静かだが、威圧する何かを感じた。

「駄目よ」

晶はもう一度言った。
潮風が吹き、晶の長く美しい髪が輝き靡いた。
凛とした姿、声。晶とはどこか似ているところがあると思っていたけれど、これだけは全く似ていない。幼馴染を失っても、しゃんと立っているその姿は、真似できない。

千葉県船海市立船海第二中学校
3年5組クラス名簿

  

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Students' profile→■

男子1番 安藤悌吾
(あんどう・ていご) 女子1番 東ちとせ
(あずま・ちとせ)
男子2番 因幡彰人
(いなば・あきと) 女子2番 上田昌美
(うえだ・まさみ)
男子3番 大塚豊
(おおつか・ゆたか) 女子3番 加賀光留
(かが・ひかる)
男子4番 加堂啓
(かどう・けい) 女子4番 上総真央
(かずさ・まお)
男子5番 久保田篤史
(くぼた・あつし) 女子5番 幸田真菜
(こうだ・まな)
男子6番 瀬戸口北斗
(せとぐち・ほくと) 女子6番 相模晶
(さがみ・あきら)
男子7番 園田茂樹
(そのだ・しげき) 女子7番 白鳥里子
(しらとり・さとこ)
男子8番 滝川渉
(たきがわ・わたる) 女子8番 谷口まどか
(たにぐち・まどか)
男子9番 近原公孝
(ちかはら・きみたか) 女子9番 津和野早苗
(つわの・さなえ)
男子10番 手塚直樹
(てづか・なおき) 女子10番 天道千夏
(てんどう・ちなつ)
男子11番 戸坂竜一
(とざか・りゅういち) 女子11番 戸田彩香
(とだ・あやか)
男子12番 中森正樹
(なかもり・まさき) 女子12番 中田智江子
(なかだ・ちえこ)
男子13番 西岡隼人
(にしおか・はやと) 女子13番 夏生初音
(なつお・はつね)
男子14番 浜本謙太
(はまもと・けんた) 女子14番 沼井千尋
(ぬまい・ちひろ)
男子15番 二松千彰
(ふたまつ・ちあき) 女子15番 野島三奈子
(のじま・みなこ)
男子16番 松浦亮介
(まつうら・りょうすけ) 女子16番 長谷川由子
(はせがわ・ゆうこ)
男子17番 村尾信友
(むらお・のぶとも) 女子17番 服部和子
(はっとり・わこ)
男子18番 森嵩
(もり・たかし) 女子18番 松田由梨
(まつだ・ゆり)
男子19番 山峡和哉
(やまかい・かずや) 女子19番 三名川万世
(みながわ・まよ)
女子20番 深森なぎさ
(みもり・なぎさ)
女子21番 淀野亜美加
(よどの・あみか)

姉のように思っているだけだ。
そのなぎさが、他の男に惚れている。
妙にむしゃくしゃしていた。

「…焼きもち?」

「な…ちが…ッ!!」

なぎさの言葉に、嵩は叫び、煙にむせて咳き込んだ。
しばらく咳き込んだ後に見上げると、そこにはなぎさの笑顔があった。

「ばっかだなぁ…
 嵩はあたしの弟のような従弟、それは絶対に変わらないの。
 アンタのことも大好きよ、嵩」

「なぎさ……」

不覚にも、泣き出しそうだった。
きっと、心の中ではなぎさを取られるのが嫌だったのかもしれない。
まさに、姉を取られる弟の心境と同じだ。

うっわ、マジ恥ずい……

「い、行くぞッ!!」

「はいはい」

照れ隠しなど、なぎさにはばれている。
それが更に恥ずかしさを増長させた。

 

慎重に歩き続けて20分程経っただろうか。
目の前には、予想していたよりも大きい灯台。

「灯台…生で見るとこんなに大きいんだぁ…」

なぎさが感心したように呟いた。
嵩も声には出さなかったが、生まれて初めて見る生の灯台に、小さな感動を憶えていた。
白い塗装があちこち剥げて錆びているが、船たちにとっては大切な道標なのだろう。

「…って見とれてる場合じゃねぇな。
 なぎさ、とっとと中入んぞ…

 ――ッ!!」

嵩は、喧嘩については恐らくクラス1経験豊富だ。
その経験からか、人の気配には敏感だった。
全身でそれを感じ取ることができるのだ。
漫画のような話だが、殺気を放つ者ほど、その存在がわかりやすい者はいない。

身の毛がよだった。
全身が感じ取り、頭が警鐘を鳴らした。

…狙われてるっ!!

「なぎさ、伏せとけッ!!」

嵩は振り返りざまに、銀色に光る自動拳銃(グロック19)をベルトから抜き、構えた。
いつでも撃てるように、人差し指に力を少し込めて。

しかし、それを撃つことはなかった。
指の力が緩まった。
プログラムが始まって何本目かの煙草が、口から落ちた。

…マジで……?

「…嵩と…深森…?」

相手が僅かに驚いた様子で、名を呼んだ。
嵩のことを下の名前で呼ぶのは、家族以外では2人だけだ。
1人はなぎさ、そしてもう1人は――

「渉……ッ」

嵩の憧れの対象であり、なぎさの想い人であるクラスメイト――滝川渉が、そこにはいた。

姉のように思っているだけだ。
そのなぎさが、他の男に惚れている。
妙にむしゃくしゃしていた。

「…焼きもち?」

「な…ちが…ッ!!」

なぎさの言葉に、嵩は叫び、煙にむせて咳き込んだ。
しばらく咳き込んだ後に見上げると、そこにはなぎさの笑顔があった。

「ばっかだなぁ…
 嵩はあたしの弟のような従弟、それは絶対に変わらないの。
 アンタのことも大好きよ、嵩」

「なぎさ……」

不覚にも、泣き出しそうだった。
きっと、心の中ではなぎさを取られるのが嫌だったのかもしれない。
まさに、姉を取られる弟の心境と同じだ。

うっわ、マジ恥ずい……

「い、行くぞッ!!」

「はいはい」

照れ隠しなど、なぎさにはばれている。
それが更に恥ずかしさを増長させた。

 

慎重に歩き続けて20分程経っただろうか。
目の前には、予想していたよりも大きい灯台。

「灯台…生で見るとこんなに大きいんだぁ…」

なぎさが感心したように呟いた。
嵩も声には出さなかったが、生まれて初めて見る生の灯台に、小さな感動を憶えていた。
白い塗装があちこち剥げて錆びているが、船たちにとっては大切な道標なのだろう。

「…って見とれてる場合じゃねぇな。
 なぎさ、とっとと中入んぞ…

 ――ッ!!」

嵩は、喧嘩については恐らくクラス1経験豊富だ。
その経験からか、人の気配には敏感だった。
全身でそれを感じ取ることができるのだ。
漫画のような話だが、殺気を放つ者ほど、その存在がわかりやすい者はいない。

身の毛がよだった。
全身が感じ取り、頭が警鐘を鳴らした。

…狙われてるっ!!

「なぎさ、伏せとけッ!!」

嵩は振り返りざまに、銀色に光る自動拳銃(グロック19)をベルトから抜き、構えた。
いつでも撃てるように、人差し指に力を少し込めて。

しかし、それを撃つことはなかった。
指の力が緩まった。
プログラムが始まって何本目かの煙草が、口から落ちた。

…マジで……?

「…嵩と…深森…?」

相手が僅かに驚いた様子で、名を呼んだ。
嵩のことを下の名前で呼ぶのは、家族以外では2人だけだ。
1人はなぎさ、そしてもう1人は――

「渉……ッ」嵩の憧れの対象であり、なぎさの想い人であるクラスメイト――滝川渉が、そこにはいた。

進藤幹也(担当教官)が大声で叫んだ。
後ろの方ではガタガタと席に着く音が聞こえるが、前の方ではほとんどが立ち尽くしていた。

設楽海斗(男子10番)は曽根崎凪紗(女子10番)を抑えたまま、呆然と栗原佑(男子7番)の死体を見つめていた。

信じられない。
佑が、死んでいる。
目の前で。

海斗は一緒に凪紗を抑えていた不破千尋(男子17番)の方を見た。
千尋は瞬きもせず、佑の方を凝視していた。
涙はないが、ショックを隠せないでいる。

いつも、4人一緒だった。
互いの足りない部分を補い合っているような、そんな関係だった。
そのピースが、1つ欠けた。

「…凪紗、座ろう。 千尋も、大丈夫か…?」

海斗は2人に声を掛けた。
千尋は今までに見せた事のないような呆然とした顔で、海斗を見た。

「…千尋?」

「あぁ…うん、大丈夫…」

千尋はずれかけた眼鏡の位置を直し、自分の席に腰掛けた。
海斗は、もう一度凪紗に声を掛けた。
しかし、凪紗は何も言わない。
聞こえてすらいないようだった。
海斗は凪紗に腰を下ろさせ、自分もその前に座った。
佑の顔が、よく見える。
怒りに満ちたその目は、天井を睨んでいた。

 

全員が、座った。
机の大部分が佑の血で汚れた池田圭祐(男子3番)の顔は青ざめていた。

進藤は佑の死体には目もくれず、話し始めた。

「わかったかな? 首輪はこうなってしまうんだ!!
 えっと…地図の話だったかな?
 君たちに配る地図は、100マスに分けられているんだ!!
 例えばここ、中学校はD=04エリア、という風になっている!!
 そして、6時間ごとに定時放送を行う!!
 その時に、禁止エリアというものを言うからな!!
 時間になってもそこにいる死んだ者はそのまま…
 だが、生きている者は、電波を送って…ボン!!
 栗原君のようになってしまうから、注意しような!!
 あと、怪しい行動を起こしても、こっちから電波を送る!!
 首を飛ばされたくなければ、頑張って殺し合おうな!!」

突然、後ろの方で誰かが呻き声を上げた。
吐瀉物が床にぶちまけられる音がした。
それを聞いて、またどこかで誰かが呻き声を上げた。
それの臭いと佑の血の臭いが、教室を満たしていた。

気分が悪い。
最悪だ、すべて最悪だ。

「さあ、何か質問はあるかな!?」

「…どうしても、しないといけないんですか?」後方から聞こえた声は、稲田藤馬(男子4番)のものだった。何人かが頷いた。しかし、進藤は希望を打ち砕いた。「しないといけないぞ、もう決まった事だ!!」予想通りの返事だ、捻りも何もない。「どうして…何でオレらなんですか…?」いつも穏やかな柚木康介(男子19番)が、泣きそうな声で言った。「これは、厳正な抽選の結果だ、君らの運が良かったんだな!!」悪かった、の間違いだろうが。こんなもの、嬉しがるヤツなんかいるはずがないだろう。「よし、そろそろ出発だ!! あ、私物は自由に持っていっていいぞ!! その前に、皆机の中から紙と鉛筆を出したまえ!!」海斗は机の中を漁った。中からは新品らしい鉛筆と小さな紙が出てきた。「はい、それに次のことを3回ずつ書こう!! 『私たちは殺し合いをする』、はい!! 『殺らなきゃ殺られる』、はい!!」

「いいかい、諸君?
 [ピーーー]か殺されるか、生きるか死ぬか…選ぶのは君自身だ――
 武運を祈る!!

 では出発だ!! 出席番号順だからな!!」

進藤は茶色の封筒を取り出し、封を手で切った。

「最初の出発者は…
 おお、何たる偶然!!
 男子1番、青山豪君!!」

ほぼ全員が、一斉に豪の方を見た。

「お…オレ…?」

豪がゆっくりと立ち上がった。

豪は震える手で自分の荷物を持ち、デイパックを受け取った。
ちらっと教室の中を見た。

「あ、そうだそうだ。
 この中学校があるエリアは、最後の人が出た20分後に禁止エリアだ!!
 注意するようにな!!

 あと、転校生の周防君は、出席番号11番に入るぞ!!

 さあ、青山君、出発だ!!」

豪はゆっくりと後ずさり、廊下に出るとダダダダッと足音を立て、走っていった。

「2分後に、女子1番、今岡梢さんだ!!」

 

6月11日、AM4:05、試合開始――

 

 

千尋は豪の出て行った入り口をぼんやり眺めていた。

千尋は気まぐれな人間だった。
好きなことはするが、嫌なことはしない。

千尋にとって、頭に知識を詰め込む事は、好きな事だった。
運動する事は、楽しい事だった。
喧嘩をする事は、ストレスを発散させられる事だった。
そして、凪紗・佑・海斗といる事は、何よりも幸せな事だった。

凪紗といると、癒されている自分がいた。
佑といると、楽しんでいる自分がいた。
海斗といると、落ち着ける自分がいた。
最高の、居場所だった。特に、凪紗といる時は特別だった。仲間として以上に、異性として、女性として大好きだった。
それは千尋だけでなく、佑もそうであったし、海斗もそうだろう。過去に一度、3人で互いの気持ちを確認したことがある。しかし、誰も告白したりはしなかった。
しばらくは仲の良い4人組でいたかった。しかし――壊された。いとも簡単に。
ピースが、欠けた。「次、男子10番、設楽海斗君!!」進藤の大声で、千尋は我に返った。海斗の方を見た。海斗はちらっと千尋の方を見た。その目は、静かに怒りに燃えているようだった。
海斗は凪紗の方に視線を移し、すぐに千尋に戻した。…うん、わかっているよ――千尋は頷いた。海斗はそれを確認し、デイパックを受け取ると、部屋を出て行った。『千尋、海斗…凪紗の事、任せた!!』大事な仲間が残した、遺言。千尋と海斗には、それを守る義務がある。海斗は絶対に外で凪紗を待っている。放心状態の凪紗を出迎えるのが、先に出る海斗の役目。そんな凪紗を送り出すのが、後に出る千尋の役目。

「次、女子10番、曽根崎凪紗さん!!」呼ばれたが、凪紗は気付いていない。進藤がもう一度名前を呼ぼうとしたのを制し、千尋は立ち上がり、凪紗の肩を叩いた。「凪紗チャン…凪紗チャン?」凪紗がようやく気付き、ゆっくりと千尋の顔を見た。「ち…ひろ…?」「凪紗チャンの番だよ、行かないと」「あ…うん…」凪紗は虚ろな目のまま、自分の鞄を手に取った。千尋は凪紗の耳にそっと自分の口を近づけた。「外で、海斗クンが待ってるよ。 海斗クンを見つけたら、すぐにここから離れるんだ、いいね? オレを待とうだなんて、思っちゃいけないよ? 次は、あの得体の知れない転校生だから、危険だからね」凪紗が驚いた表情で千尋を見た。「でも、千尋…――」パンッ外で、1発の銃声が響いた。凪紗の肩がビクッと震えた。「おーおー、始まったなぁ!!」進藤が爽やかに笑みを浮かべた。今すぐ殴ってやりたいほど、爽やかに。「まさか…海斗…っ」凪紗が不安げな表情を浮かべた。千尋はにっこりと微笑んだ。「大丈夫、多分… でもほら、行ってあげな、早く。 オレのことは心配しないで、大丈夫だからさ」「早くしろ!!」田中(軍人)が銃を構えた。凪紗は田中をキッと睨んだが、すぐに視線を千尋に戻した。

曽根崎凪紗(女子10番)は急いで外へ出た。先ほどの銃声は、何だったのだろう?海斗…海斗じゃないよね…?凪紗の前に教室を出た設楽海斗(男子10番)は無事だろうか?校舎の出口に着いた。
外はまだ暗いが、周りが見えないほどではない。外はグラウンド、その向こうには校門が見え、その奥には森が広がっているようだ。まずは、ここから出ないと…凪紗は周りを見回し、誰もいない事を確認し、一気にグラウンドを駆け抜けた。
ああ、こうやって周りを警戒する自分が情けない。
皆を疑う気などないのに。
しかし、事実戦いは始まっているはずだ。
そうでなければ、銃声など聞こえるはずがない。

 

一気に茂みの中に駆け込んだ。
辺りを見回す。

「海斗…海斗…?」

小さな声で海斗の名を呼んだ。

死んで、ないよね?
嫌だよ、海斗もいなくなっちゃったら、あたしは――

「うわっ!!」

突然腕を掴まれ、凪紗は叫び声を上げた。

「バカ、オレだ」

抑揚の少ない、低い声が聞こえた。
聞き慣れた、落ち着く声。
凪紗はばっと振り向いた。「か…海斗…無事だったんだね!!」
「まあな」ぶっきらぼうで、短い言葉。
いつもと変わらない、海斗のままだ。

「銃声…海斗じゃないよね?」「…いや、違う」海斗は首を横に振った。そっか… じゃあ、さっきのは一体…「よぉ、ご両人!」突然後ろから声を掛けられ、凪紗と海斗は同時に振り向いた。自然と、喧嘩の前のように構えてしまう。当然だろう、この声は、聞き覚えがない。「…転校生…」海斗が低く呟いた。目の前にいるのは、茶髪に鋭い目、謎の転校生周防悠哉(男子11番)だった。凪紗の次に出たであろう悠哉に、追いつかれてしまった。笑顔を浮かべているが、正直言って怖い。「…武器は?」

凪紗は悠哉には聞こえないように小声で訊いた。海斗は首を横に振った。
まだ見ていないか、外れ武器かのどちらかだろう。「そんな険しい顔せんといてぇな」悠哉がカラカラと笑う。笑ってはいるが、隙はあまりなさそうだ。「千尋は、待つか?」今度は海斗が呟き訊いた。『海斗クンを見つけたら、すぐにここから離れるんだ、いいね? オレを待とうだなんて、思っちゃいけないよ? 次は、あの得体の知れない転校生だから、危険だからね』凪紗は不破千尋(男子17番)の言葉を思い出した。本当は待っていたい。しかし、ここで死ぬわけにはいかない。「海斗、逃げよう…千尋は大丈夫、絶対会える、あたしは信じてる」「…そうだな。 あいつは曲者だ、易々とやられはしない」目の前で悠哉が首をコキッと鳴らした。「話は終わったんか?ちょっと色々と訊きたい事が――うわっ!!」凪紗と海斗は思いっきり地を蹴り、悠哉にまっすぐに突っ込んだ。
海斗が足を振り上げる。
悠哉はすっと屈んでそれを交わす。

「危な――ゲッ!!」

ちょっと甘いよ、転校生!!手加減した海斗の蹴りは、屈んでもらうための、ただの囮だよ!!凪紗は、海斗が足を振り上げたと同時に悠哉の懐に潜り込んでいた。悠哉が屈んでくれれば、小柄な凪紗でも楽に胸倉を掴める。「はああぁっ!!」悠哉の胸倉をぐいっと掴み、凪紗はその体を力の限り投げ飛ばした。幼い頃から武道を嗜んでいた凪紗には、普通の体格の男子くらいなら楽に投げ飛ばせる。勢いよく叩きつけられ、悠哉が咳き込む。それを見ると同時に、2人は一目散に駆け出した。

〔食堂〕

十神「おい、狛枝はいたか?」

花村「こっちにはいなかったよ」

罪木「こっちもいませんでした」

九頭龍「こっちにもな」

左右田「狛枝のやつどこ行ったんだ?」

狛枝「ボクならここにいるよ」

左右田「え?」

狛枝「やぁ」ニコニコ

左右田「で、でた!」

狛枝「まるで幽霊が出たみたいな言い方はやめてほしいなぁ」

十神「貴様、今までどこにいた」

十神「またなにか企んでいるんじゃないだろうな」

狛枝「やだなぁ。ボクがどこにいてなにをしようが勝手でしょ?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『あんたまた余計なことしようとしてない?』

狛枝「余計なこと?ボクはただ希望の光が見たいだけだよ」

狛枝「ずっと言ってるじゃないか。ボクは超高校級の才能を持つ君たちの輝きが見たいんだって」

狛枝「ま、今は裏切り者をあぶり出したいんだけどね」

弐大「まだ言っておったのか」

ソニア「最初から裏切り者なんていません!」

狛枝「いるんだよ。ボクたちをここに連れてきて閉じ込めてる裏切り者が」


日向「…………」

七海「どうしたの?」

日向「…なんでもない」

狛枝「だからね……裏切り者には名乗り出て欲しいんだ」

狛枝「といってもそう簡単には出てきてくれないだろうから」

狛枝「島を爆発させることにしたよ」カチ

ドォンッ

終里「なんの音だよ!?」

狛枝「島中に爆弾を仕掛けてみたんだ。裏切り者が出てきてくれないのならこの島全てを爆発させるよ」

西園寺「な、なに言ってんの?」

澪田「あ、あははー。いくら凪斗ちゃんでもそんなことできるわけないっすよー」

狛枝「そう思う?」カチ

ドンッ

澪田「ひぃッ!」

日向「お前ッ!いくつ爆弾を持って来た!」

狛枝「少なくとも一つの島を破壊できるくらいはあると思うよ」

十神「どこでそんな……もしかしてファイナルデッドルームか!」

狛枝「さすが十神クンだね。そんなことが分かっても止められはしないけどね」

十神「クッ…」


狛枝「実はもう手動で爆発させられる爆弾はないんだよね。あとの爆弾は時間が経つと爆発するようにしたから探すといいよ」

終里「そんなまどろっこしいことしなくてもてめぇをボコボコにして吐かせりゃいいだけだろ」

狛枝「あはは、ボクがそんなことで口を割るとでも思ってるのかな?」

十神「やめろ終里、そいつは希望のためなら自分の命さえ捨てるようなやつだ。時間の無駄だ」

終里「クッソ!」

十神「すべての島に爆弾を仕掛けるほど時間はなかったはずだ」

十神「まず左右田、西園寺、小泉でこの島を探してくれ」

左右田「ソニアさんと一緒じゃないのか……」

西園寺「そんなこと言ってる場合じゃない!」

十神「次に九頭龍、辺古山、ソニアは第二の島を」

九頭龍「おぅ」

十神「弐大、終里、花村は第三の島を探してくれ」

弐大「ワシに任せい!」

十神「俺、澪田は第四の島を探す」

澪田「了解っす!」

十神「最後の島は日向、罪木、七海が探してくれ」

罪木「は、はいぃ!」

十神「左右田、爆弾は解体できるか?」

左右田「わかんねぇけど……やるしかねぇんだろ?」

十神「あぁ。他のみんなももし爆弾を見つけたら左右田を呼んでくれ」

十神「質問はあるか?ないなら各自探しに行ってくれ」ダムダム


狛枝「素晴らしいよ!こうやってまた高校級のみんなが力を合わせて困難に立ち向かっていくんだね」

左右田「うっせー!」

西園寺「バーカバーカ!」

終里「あいつ殴っちゃだめか?」

弐大「やめろ。時間の無駄じゃ」

七海「日向君、行こ」

日向「悪い七海、蜜柑。先に行っててくれ」

七海「……ん。わかった」

日向「ありがとう。すぐに追いつくから」

七海「日向君も頑張ってね」

罪木「創さん……」ギュッ

日向「大丈夫、危険なことはしないよ」

罪木「…はい!」

狛枝「日向クンは探しに行かなくてもいいの?」

日向「なぁ狛枝、お前はなにがしたいんだ?」

狛枝「なにって…」

日向「お前はファイナルデッドルームで何か俺たちについての情報を知った。それは俺たちを失望するほどのことだったはずだ」

狛枝「…………」

日向「なにを知ったんだ?」

狛枝「……日向クンはさ、今まで信じてきたものが実は信じてきたものと真逆のものだと知ったらどうするのかな?」

日向「は?いきなりなんだよ」



狛枝「ボクが信じていたものに偽物が混じっていた。だから混じってる偽物を取り除いて本物の希望だけにしたいんだ」

日向「その偽物が裏切り者だって言いたいのか?」

狛枝「…違うよ。偽物は君たちの方なんだよ日向クン」

日向「……たしかに俺はなんの才能もないただの予備学科生だ。だけど他のみんなは違うだろ?それを偽物だなんて」

狛枝「そう。たしかに彼らには超高校級たる才能はあった。だからみんながみんな希望になれるかは別でしょ?」

日向「それは…」

狛枝「そろそろボクは行くよ。やるべきことが残ってるからね」

日向「まだ話は終わっていないぞ!」

狛枝「ボクにはキミと話してる時間がないんだ。じゃあね」

日向「待て!」

モノクマ「おらぁ!」ボコッ

モノミ「ぎゃあぁぁぁあ!」

日向「!?」

モノクマ「『ワイの妹がこんな可愛いわけあれへん』この本に出てくる妹は可愛くてすごく魅力的なのになんでお前はそんなダサい格好なんだ!」

モノミ「それはアンタがやったんでちゅよ!」

モノクマ「言い訳するなー!」ボカボカ

モノミ「痛いでちゅ!横暴でちゅー!」

日向「おい……」

モノミ「はっ!もしかして助けてくれるんでちゅか!」

日向「やるのは勝手だけど入り口を塞ぐのはやめてくれ」

モノクマ「あ、ごめんねぇ」ズルズル

モノミ「助けてくれないんでちゅか!?日向さん、日向さーん!」ズルズル

日向「…すぐに狛枝を追わないと」


〔ぬいぐるみ工場〕

日向「蜜柑、七海!」

七海「あ、日向くんだ」

日向「狛枝を見なかったか?」

罪木「狛枝さん、ですか?すみません、私たちも今来る所だからわからないです……ノロマでごめんなさい!」

日向「大丈夫、蜜柑のことは責めてないから。ごめんな、迷惑かけて」

罪木「そ、そんなことないです!むしろ私のほうがすっと迷惑かけてますから…」

日向「いや、俺も…」

七海「はいはい、そういう夫婦漫才は終わってからにして爆弾探さないと」

罪木「あ、すみません!」

日向「ここ以外は探したのか?」

七海「うん。だけど狛枝くんも爆弾もなかったよ」

日向「わかった。じゃあ入ってみるか」ガチャ



男子19番/瑞浪悌(みずな・やすし)
部活動 無所属
身長/血液型 170cm/B型
愛称/杜若 ヤス/みずみん
支給武器 ピアノ線
被害者 -
加害者 新藤誠
出身小学校 千代田区立大江戸小学校
交友関係 新留燈
真野煉
(消極派グループ)
折上志鶴
備考
中性的な美少年。白い肌で華奢な体型。

美しい容姿のせいで小学生の頃から山崎大河にいじめを受けており、そのせいか卑屈で大人しい。いじめを苦に自殺を図った事もある。
人が傷つく痛みを知っているため、人一倍優しい。一方、自己犠牲的な思考を持つ。
基本的には穏やかで優しい草食系だが、やる時はやる男らしい面も持つ。
両親が町医者であり、本人も医学的知識が豊富。

現在でも大河や正岡丈らに目をつけられていじめられる事がある。
行動記録
本校舎
2階図書室。真野煉に襲われた所に雪村笑留が駆けつけ、その後現れた三田島梓に救われる。
梓と別れ、笑留と行動中。グロック26を入手。
1階保健室で笑留と会話。彼女に過去を明かす。そこへ中川竜蔵が現れる。
最初は竜蔵を疑うが、無事に和解する。竜蔵の怪我の手当てをしている最中に、新藤誠に襲われる。最初に襲われかけた笑留を庇って重傷を負うが、何とか竜蔵と笑留を逃がす。
その後新藤にいたぶられ、とどめを刺されそうになった所に井ノ原命と久我英治が現れ、新藤を追い払う。しかし一命を取り留めることはなく、二人に看取られて息を引き取る。
最期に「笑留を助けて欲しい」と遺言を遺した。

女子19番/雪村笑留(ゆきむら・えみる)
部活動 バスケットボール部/生徒会執行部
身長/血液型 160cm/A型
愛称/杜若 ユキ/いい子チャン
支給武器 釘打ち銃
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立大江戸小学校
交友関係 空木紫雨
新田真司郎
美笠心
(バスケ部グループ)
海堀純那
早稲田貞治
(生徒会執行部)
備考
染めてはいないが明るい髪色。

明るく優しいしっかり者。誰にでも分け隔てなく接し生徒会も務める優等生。
人の気持ちには敏感だが、恋愛にはやや疎く、真面目だが冗談も通じるので、不良にも割とに好かれるし異性にも人気はあるのだが浮いた話はあまりない。
お人よしで、困っている人を放っておけない。一途な頑張り屋で、少しだけ頑固。
染めていないのに明るい髪と変わった名前がコンプレックス。

小学生の頃、山崎大河を一とする男子に「えみるってマジ名前負けだよな」と言われてから男子に下の名前で呼ばれるのが苦手に。

行動記録
本校舎
2階図書室。銃声を聞きつけ図書室に駆けつけるも、真野煉に襲われる。
その後現れた三田島梓に救われ、現在は瑞浪悌と行動中。
1階保健室。落ち込んでいる所を悌に励まされ、会話。彼の過去を知る。そこへ中川竜蔵が現れる。
最初は悌が竜蔵を疑うが、無事に和解。悌が竜蔵の脱臼を手当てしている最中、新藤誠に襲われる。悌が笑留を庇い、竜蔵に連れられて保健室を飛び出す。
2年D組教室。中川竜三に仄かな思いを抱くも、それを口にはせず、気の迷いだと思う事にする。

男子18番/真野煉(まの・れん)
部活動 無所属
身長/血液型 162cm/AB型
愛称/杜若 煉/まのりん
支給武器 グロック26
所持武器 包丁
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立大江戸小学校
交友関係 新留燈
瑞浪悌
(消極派グループ)
備考
襟足が長めの黒髪。男にしては細身な体系。
やや大きい目が幼い印象を与える顔立ち。

基本的に周りに興味がなく、中学生の自分を含め子供嫌い。いくら精神年齢が高かろうが所詮は中学生で、自分たちを生かす大人に依存してしか成長出来ないという思考。
上記の思考を表に出したりはせず、喜怒哀楽も人並みに出してクラスメイトに接する。
出会い系を通じて何となく始めた女性相手の売春が習慣になっており、常連の中の少し変わった高校教師に恋心を抱いている。
妙な雑学をやたらと知っている。腕力はあまりない。
行動記録
本校舎。
2階廊下。襲い掛かってきた正岡丈を撃退。 次のクラスメイトに銃を向ける。
瑞浪悌を撃つつもりが謝って宗森もえぎに発砲。倒れた彼女を放って図書室に逃げた悌を追う。銃声を聞いて駆けつけた雪村笑留諸共追い詰めるが、三田島梓の妨害に会い、敗走。グロック26を失う。
2年C組教室に居た所を宗森もえぎに襲われるが、新留燈に助けられ、共に逃走。
1年C組教室。燈と会話をするが燈の言葉を受け入れられず、別れる。燈の言葉が気になっている。
寄宿舎。
1階キッチン。三吉冴子に殺されかけるが寸前で気づき回避。冴子に反撃しようとするが何故か思い留まる。動揺した様子で冴子を逃がす。

男子12番/新留燈(にいどめ・ともる)
部活動 卓球部
身長/血液型 153cm/A型
愛称/杜若 燈/ともちん
支給武器 水鉄砲
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 武蔵野市立桜田小学校
交友関係 真野煉
瑞浪悌
(消極派グループ)
相葉瑞姫
折上志鶴
備考
男子の中で一番背が小さく、少女のように愛らしい容姿。いつも左手にリストバンドをしている。
未だに声変わりせず、高めの声。祖母の形見のぬいぐるみをいつも持ち歩いている。

穏やかでいつもにこにこしている。 大人しいが人当たりはいいので、交友関係は消極派グループの中では広い方。
人に心配をかけるのが苦手で、負の感情を表に出さず笑って誤魔化す。
幼い頃、反政府活動をしていた両親を亡くし、祖母に育てられるが、その祖母も小3の頃に他界。それからは児童養護施設で暮らしていたが、中1からは里親のもとで生活している。

人懐こいので、相葉瑞姫のようなギャルにも可愛がられるタイプ。
山崎大河、正岡丈らにぬいぐるみの事や女子のような容姿をいじめられることもあるが、笑ってやり過ごしている。
行動記録
本校舎。
杜若紅牡丹に脅され、1年D組教室を泣きながら出発。
2年C組教室で、宗森もえぎに殺されかけた真野煉を救い、共に逃走。
1年C組教室。煉と会話をするが、和解出来ぬままに別れる。プログラムに優勝する意志はない。
煉との会話を聞いていた上島藍那が教室に入ってきて会話。立ち去る彼女を見送る。

女子6番/上島藍那(うえしま・あいな)
部活動 陸上部
身長/血液型 161cm/A型
愛称/杜若 藍那/不思議チャン
支給武器 ソーイングセット
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立九段北小学校
交友関係 北内冬子
佐野鳴海
三吉冴子
吉川裕子
(文化系グループ)
備考
古本屋の娘。ミステリアスで大人しい少女。無口で、いつも難しそうな一昔前の文学書を読んでいる。国語の成績はクラスでもトップ。非常に物知りで、工藤次郎のうんちくを平然と聞ける数少ない人物。
最近、隣町のライブハウスで彼女を見かけたという噂が広まっているが、真相は定かではない。
行動記録
本校舎
1年C組教室。新留燈と真野煉の会話を聞いていた。煉が出て行った後に教室で燈と会話。政府の言いなりにはなりたくないと言い、教室を立ち去る。

女子17番/三吉冴子(みよし・さえこ)
部活動 無所属
身長/血液型 165cm/A型
愛称/杜若 さえちゃん/ツン・ツン子ちゃん
支給武器 折りたたみナイフ
被害者 -
加害者 新藤誠
出身小学校 千代田区立第一小学校
交友関係 上島藍那
北内冬子
佐野鳴海
吉川裕子
(文化系グループ)
備考
染色されていない黒髪のセミロングヘア。メイクはせず、一重の切れ長な瞳。
シャープな面長で、女子にしてはやや高めの身長。

クールな一匹狼。決められた価値観を押し付けられることを嫌がり、“普通”という言葉を極端に嫌う。
自分は自分といった価値観を持ち、女子とはあまり馴染まない。同じグループの生徒とも殆ど口を利かず、互いに干渉しない立ち位置に居るためほぼ孤立状態。また、男子ともあまり話さないので苦手意識がある。両親の仲が冷え切っており、共に忙しくて家庭内別居状態。家でも一人で居ることが多く、次第に一人が楽だと思うようになった。

行動記録
本校舎。
5階植物庭園。折上志鶴に遭遇。同行を申し出られるが「普通」という言葉に過剰反応。冷たく突き放し、庭園を後にする。
寄宿舎。
1階キッチン。武器を探しに来たキッチンで真野煉を発見。背後から近寄り殺そうとするが寸前で気づかれる。反撃されそうになるが、何故か煉が行動を止め、逃がされる。
本校舎。
4階物西階段で新藤誠と市川怜奈に遭遇。逃げ出すが3階物理室前で新藤に追いつかれ、頭を金属バットで割られ死亡。

男子3番/折上志鶴(おりがみ・しづる)
部活動 放送部/陸上部
身長/血液型 168cm/B型
愛称/杜若 しー、しーちゃん/しづるん
支給武器 暗視スコープ
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 新宿区立新宿西小学校
交友関係 風間英二
久我英治
(お調子者グループ)
新留燈
瑞浪悌
相葉瑞姫
備考
パーマをかけた黒髪。大きな伊達眼鏡。いつも首からお気に入りのヘッドホンを提げている。

明るく人見知りしない性格で、誰にでも話しかける。友達も多い。
笑顔にこだわっており、笑顔が一番。なので自分も常に笑顔で、人前で泣いたり怒ったりしない。
人を悲しませる事、いじめ等が大嫌いで、現場を見つけると明るく仲裁に入る。あくまで笑顔は忘れない。そのため、いじめられがちな消極派グループとも仲がいい。が、代わりにいじめっ子たちには少しうざがられている。
小6まではいじめっ子だったが、ある日いじめ返されて卒業まで一人ぼっちだった過去がある。少し離れた江戸中に入ってから中学デビュー。人に嫌われるのが怖い。だが、人の気持ちには鈍感。
ヘッドホンでいつもラジオを聞いているのは、独りだった時にすごく救われたため。将来の夢は放送作家。

同じグループの風間英二と久我英治のことは、風間が「英ちゃん」、久我が「エージ」と呼び分けている。
いじめられっ子の味方なので、消極派グループともわりと親しい。
行動記録
本校舎。
3階物理室前。相葉瑞姫、北内冬子と行動中。言い争いをする女子たちをなんとか仲介していたが、誰かが来たため物理準備室に身を潜める。
隠れた準備室で、 早稲田貞治が「殺人クラブ」を結成した事を聞いてしまう。殺されると思い準備室に立てこもるが、風間英二に鍵を破壊されドアを開けられててしまう。その際左腕に被弾し、重傷を負う。
2-C教室に逃げ込むが、極限状態から仲間割れに。瑞姫と伊吹が相討ちになり、冬子と共に教室から逃げ出す。逃げる際、暗視スコープを落としている。
5階廊下。恐怖により発狂したの冬子に襲われるが、冬子が細田隆弘に捕まった隙に逃げ出す。
5階植物庭園。逃げ込んだ先の庭園で三吉冴子に出会い、独りになることの不安から同行を申し出るも拒絶される。

女子1番/相葉瑞姫(あいば・みずき)
部活動 軽音楽部
身長/血液型 157cm/A型
愛称/杜若 みいぽん、みーちゃん/ギャル娘
支給武器 草刈り鎌
被害者 1(大塚伊吹)
加害者 大塚伊吹
出身小学校 千代田区立大江戸小学校
交友関係 大塚伊吹
(ギャルグループ)
新藤誠
中川竜蔵
正岡丈
山崎大河
(不良グループ)
折上志鶴
風間英二
久我英治
(お調子者トリオ)
荒川颯太
新留燈
早稲田貞治
備考
どこに居ても目立つ黄色いカーディガン。丁寧に巻かれた金髪にウサギの耳のようなリボンがついたカチューシャをしている。

目立つのが大好きなギャル。度の過ぎた寂しがりやで、溺愛してもらわなければ気が済まない。
どこに居ても分かるほど声が大きく、やかましい。口と頭は悪いが、実は素直で人懐こく、そんなに悪い子ではなかったりするので、幅広く友達も多い。

勉強は苦手で、試験の際はいつも早稲田貞治に助けられている。
明るくいじめなどもしないので、新留燈など消極派グループとも仲がいい。
ミーハーだが恋には一途で、一年の頃から中川竜蔵にアタックを続けている。

現在状況
本校舎
1-D教室。プログラムルール説明中、担当教官に反抗。結果 自分の代わりに吉川裕子が殺され、酷くショックを受けている。
3階物理室前。折上志鶴、北内冬子と行動中。大塚伊吹を見つけて自殺を食い止め、合流。誰かが向かってきた為、物理準備室に身を潜める。
隠れた準備室で、 早稲田貞治が「殺人クラブ」を結成した事を聞いてしまう。殺されると思い準備室に立てこもるが、風間英二に鍵を破壊されドアを開けられててしまう。
2-C教室に逃げ込むが、極限状態から仲間割れに。大塚伊吹と争い、相討ちになり死亡する。

女子7番/大塚伊吹(おおつか・いぶき)
部活動 陸上部
身長/血液型 161cm/A型
愛称/杜若 伊吹/ニセビッチ
支給武器 コルト・ガバメント
被害者 1(相葉瑞姫)
加害者 相葉瑞姫
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 相葉瑞姫
(ギャルグループ)
備考
大人っぽい見た目に言動だが、実は結構無理をしている。ビッチに見せかけて処女のような反応をする。普段着や制服は露出度が高めだが、いざそういう雰囲気になると内心テンパる。どうでもいい男にはベタベタ出来るし大人びた態度を取るが、本命の男にはなかなかそれが出来ない。

無理して背伸びしているのは全て、担任の原望に思いを寄せているため。8月頃に告白、現在は交際しており、周りには秘密の関係。
行動記録
本校舎
3階物理室前。原望に見捨てられたと思い自殺しようとした所を、相葉瑞姫に止められる。折上志鶴が北内冬子を連れてきた事で口論になりかけるが、誰かが来たため物理準備室に身を潜める。
隠れた準備室で、 早稲田貞治が「殺人クラブ」を結成した事を聞いてしまう。殺されると思い準備室に立てこもるが、風間英二に鍵を破壊されドアを開けられててしまう。
2-C教室に逃げ込むが、極限状態から仲間割れに。相葉瑞姫と争い、相討ちになり死亡する。

3年2組担任/原望(はら・のぞむ)
担当教科 音楽
担当部活動 吹奏楽部
身長/血液型 178cm/B型
関連人物 大塚伊吹
佐野鳴海
新田真司郎
風間英二
杜若紅牡丹
出身小学校 千代田区立第一小学校
年齢 35歳
被害者 ?
加害者 ?
備考
癖の入った黒髪。三白眼でいつも眠そうな目。
常に気だるそうにしており、顎鬚を触る癖がある。チェーンスモーカー。

江戸中3年2組を受け持つ、35歳独身の音楽教師。
放任主義で、常にかったるそうで口が悪い。面倒くさがりだがやる事はきちんとやっているので、上から文句を言われることもない。何だかんだで面倒見もいい。
来る者拒まず去る者追わずなタイプで、稀に告白してくる女子生徒の相手をする事も。

8月頃に告白してきた大塚伊吹とも教師と生徒以上の関係になっているが、すぐに飽きるだろうと思っているので特別な感情はない。
佐野鳴海に教師以上の思いを抱いているが、大人としてどうなのよと思い卒業まで待とうと思っていた所を新田真司郎に掻っ攫われ、内心気に入らない気持ちでいっぱい。駄目な大人。風間英二とは互いに秘密を握り合っている。歳に似合わぬ闇を抱えている彼に、どこか不気味さを感じている。

女子12番/佐野鳴海(さの・なるみ)
部活動 吹奏楽部
身長/血液型 153cm/A型
愛称/杜若 なる/カワイコちゃん
支給武器 ベレッタM950ジェットファイア
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 私立清花学園初等部
交友関係 上島藍那
北内冬子
三吉冴子
吉川裕子
(文化系グループ)
市川怜奈
荒川颯太
三田島梓
新田真司郎
備考
丸くて大きな漆黒の瞳。年齢の割にあどけなさの残る顔立ち。肩にかからない、黒髪のショートヘア。
クラスの女子で唯一ネクタイをつけている。

今年の6月頃転入してきた転校生。訳あって留年している。
基本的には真面目で文武両道な優等生だが、冗談も通じる柔軟性がある。普段の落ち着いた表情から見せるあどけない笑顔にやられる異性も多い。
独自の価値観を持っており、一種独特の雰囲気があるが、基本的には親しみやすいタイプなので、グループ内では一番社交的。

やや毒舌な面もあり、三田島梓と気が合うのか時折話している姿を見かける。
同じく転入生の新田真司郎とつき合っている。ネクタイは真司郎のもの。

行動記録
本校舎。
原望と会話後、1?Dを最後に出発。恋人の新田真司郎と合流。
3年A組教室。真司郎と共に潜伏中。北内冬子の遺体を見て動揺中。


女子9番/北内冬子(きたうち・ふゆこ)
部活動 無所属
身長/血液型 162cm/A型
愛称/杜若 北内、ふゆちん、汚い冬子/根暗
支給武器 鍋の蓋
被害者 -
加害者 細野隆弘
出身小学校 千代田区立大江戸小学校
交友関係 上島藍那
佐野鳴海
三吉冴子
吉川裕子
(文化系グループ)
備考
今時珍しい太い三つ編みと分厚い眼鏡。校則通りの長いスカートと白いハイソックスを着用。

地味で目立たない上に、根暗であまり人と喋るのが得意ではなく、話しかけてきた人物全てに対して酷く卑屈で攻撃的な態度を取る。
北内という苗字をもじって「汚い冬子」といじめられていたため、自分の名前が大嫌い。
クラスで同じグループの生徒すら殆ど信用しておらず、ましてや他のクラスメイトと口を利くことは滅多にない。

小学生の頃から山崎大河に酷いいじめを受けていて、被害妄想が強くなってしまった。

行動記録
本校舎
3階物理室前。折上志鶴、相葉瑞姫と行動中。卑屈な発言で大塚伊吹と口論になりかけるが、誰かが来たため物理準備室に身を潜める。
隠れた準備室で、 早稲田貞治が「殺人クラブ」を結成した事を聞いてしまう。殺されると思い準備室に立てこもるが、風間英二に鍵を破壊されドアを開けられててしまう。
2-C教室に逃げ込むが、極限状態から目の前で他の三人が仲間割れを始める。瑞姫と伊吹が相討ちになり、志鶴と共に教室から逃げ出す。
5階廊下。恐怖によりほぼ発狂状態で志鶴に襲いかかるが、細田隆弘に捕まり首を絞め殺される。

男子21番/山崎大河(やまざき・たいが)
部活動 無所属
身長/血液型 165cm/O型
愛称/杜若 大河/子虎ちゃん
支給武器 メリケンサック
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立大江戸小学校
交友関係 新藤誠
中川竜蔵
正岡丈
(不良グループ)
井ノ原命
(凸凹コンビ)
相葉瑞姫
派手な金茶の髪。鬱陶しいほどつけられたアクセサリーは、動く度に腰のチェーンがじゃらじゃらと鳴る。

クラスを代表する問題児で、トラブルメーカーのヤンキー。態度と声が無駄にでかい。
幅を利かせていられるのは、本人の実力というよりも関東一帯を取り仕切っている暴走族の頭である兄貴のおかげ。面倒見のいい兄は下からも慕われているが、当然彼は疎まれている(自覚もあるが、その点に触れられると逆ギレする)。
いじめ、かつあげetc 問題ごとは大抵彼が原因。単細胞で頭は悪い。

女嫌いだが、井ノ原命とはデコボココンビ。彼女のことは男友達のように思っており、毎日口喧嘩という名の漫才を繰り広げている。
行動記録
本校舎
1-D教室。担当教官に逆らって掴みかかるが、銃により掠り傷を負う。
出発の際に「俺を殺そうとする奴は先に俺が[ピーーー]」とクラスメイトに宣言。
5階生物室。自分が虐めてきた生徒に仕返しされるかも知れないと怯え、科学室で遭遇した日生悠香が叫ぼうとしたと思い首を絞めるが、突然現れた此花香南にフライパンで頭を強打され気絶。
定時放送の際に目を覚ますが、久我英治と決裂。泣いている井ノ原命にも失望し、教室を出て行く。


女子11番/此花香南(このはな・かなん)
部活動 演劇部
身長/血液型 162cm/O型
愛称/杜若 香南/プッツン娘
支給武器 フライパン
被害者 -
加害者 早稲田貞治
出身小学校 千代田区立九段北小学校
交友関係 市川怜奈
日生悠香
(女子中流派グループ)
備考
サイドで結んだ茶髪。大人っぽい雰囲気。

普段はたおやかで明朗快活な性格だが、一方大切な人が傷つけられると烈火の如く激怒する。
感情の触れ幅が大きく、 普段はどちらかといえば勢いで行動する悠香のセーブ係だが、怒ると手がつけられないのは実は香南の方かも知れない。

日生悠香と並ぶ、演劇部の期待の星。

行動記録
本校舎。
5階生物室。日生悠香の首を絞めていた山崎大河に激怒、頭部をフライパンで強打し気絶させた後、悠香をつれて逃走。
4階職員室。悠香と身を潜めていたが、殺人クラブメンバーが現れ、悠香と共に職員室から逃げ出す。
物理室に逃げ込み、早稲田貞治に遭遇。信頼できる人物だと思い安心するが、不意を突かれて首をメスで切り裂かれ、死亡。

女子15番/日生悠香(ひなせ・ゆうか)
部活動 演劇部
身長/血液型 152cm/O型
愛称/杜若 ユーカ/ツインテ
支給武器 トレンチナイフ
被害者 -
加害者 早稲田貞治
出身小学校 千代田区立九段北小学校
交友関係 市川怜奈
此花香南
(女子中流派グループ)
早稲田貞治
備考
高い位置で結んだ、うさぎを思わせる黒髪のツインテール。ピンクのセーター着用。小柄。明るく甘え上手なクラスのアイドル的存在。誰にでも愛想が良く素直なので、可愛がられている。だが、性格の悪い人が嫌い。一度嫌いと見なした人物にはかなり冷たい態度を取ることも。

此花香南と並ぶ演劇部期待の星で、将来の夢は女優。早稲田貞治に中3でクラスが一緒になってから一目惚れ。熱烈アピールをして現在交際している。クラスでもお似合いのカップルと言われ、本人も貞治の事が大好きで誰よりも大切に思っている。それ故、貞治に近づく女は許さない。海堀純那の貞治に対する態度が最近怪しいと感じており、表には出さないがやや警戒気味。

現在状況
本校舎
1-D教室を出発。早稲田貞治を待つため、隠れる場所を探す。
5階科学室で隠れていた所に山崎大河が現れる。叫ぼうとしていたと思われ首を絞められるが、寸での所で此花香南に救われ、逃亡する。
4階職員室。悠香と身を潜めていたが、殺人クラブメンバーが現れ、悠香と共に職員室から逃げ出す。
物理室に逃げ込み、早稲田に遭遇。恋人と再会し安堵するが、それも束の間、目の前で悠香が殺される。動揺して動けずに居る所を、早稲田に喉を切り裂かれ死亡。


男子22番/早稲田貞治(わせだ・さだはる)
部活動 生徒会執行部
身長/血液型 178cm/AB型
愛称/杜若 早稲田/早稲田様
支給武器 高性能探知機
所持武器 メス/フライパン/トレンチナイフ
被害者 2(此花香南/日生悠香)
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第一小学校
交友関係 荒川颯太
西川善匡
三田島梓
(早稲田グループ)
海堀純那
雪村笑留
(生徒会執行部)
日生悠香
空木紫雨
備考
きちんと整えられた黒髪。銀縁の眼鏡に聡明そうな瞳。整った顔立ちで知的な印象を受ける。成績優秀で生徒会の会長も務める切れ者。常に落ち着いていて、みんなの頼れるリーダー的存在。不良グループも彼には一目置いている。クラスのまとめ役で教師からの信頼も厚い、品行方正で非の打ち所のない人間。
だが実際は退屈な日常に飽き飽きしていて、日々スリルを求めている。観察眼が異常なほど鋭く、クラスメイトの観察が趣味。今年のクラスは注目株が多く、本人もなかなか楽しんでいる。
今年の春頃から日生悠香とつき合っていて、紳士的な彼とクラスのアイドル的な悠香でお似合いのカップルと言われている。生徒会副会長の海堀純那とは小学校の頃からのつき合いで、しっかり者の彼女を信頼している。試験前は勉強が苦手な相葉瑞姫や空木紫雨に勉強を教えたりなど面倒見もいい。

行動記録
本校舎
2?B教室。出発する日生悠香に「危ないから待つな」と指示。「どこかに隠れていてくれ」と頼む。
その後、自分も出発。杜若紅牡丹に気に入られている。
物理室。新藤誠、香月栞、他4名の生徒に呼びかけ「殺人クラブ」を結成。物理室準備室に潜む折上志鶴、相葉瑞姫、大塚伊吹、北内冬子を始末するよう他メンバーに指示。
その後、物理室にて他のメンバーが戻るまで待機。
3階物理室。メンバーに次の獲物を指示。風間英二にメスを譲り受ける。
物理室前で殺された三吉冴子の死体を隠滅しようとしていた所に日生悠香と此花香南が逃げ込んでくる。味方のフリをして近づき、二人を殺害。
その後海堀純那が現れ、自分に恋心を抱く彼女の精神面の脆さに付け込み、味方につける。


男子2番/空木紫雨(うつぎ・しぐれ)
部活動 バスケットボール部
身長/血液型 182cm/O型
愛称/杜若 紫雨/しーちゃん
支給武器 テニスラケット
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 新田真司郎
美笠心
雪村笑留
(バスケ部グループ)
風間英二
早稲田貞治
男にしては珍しいポニーテールが甘めのマスクに似合っている。
女の子が好きだがプレイボーイというわけではなく、楽しく話すのが好きで大切にする。女の子に乱暴するのは勿論、蔑ろにする人物には嫌悪感を抱く。明るく誰とでも親しみやすい性格のため軽く見られがちだが、根は自己犠牲が過ぎる程の仲間思い。バスケ部レギュラーでチームメイトの信頼も厚い。反面、勉強は下から数えた方が早いほど苦手。同じくバスケ部の雪村笑留に恋心を抱いていて、何かある度に話しかけているので分かりやすい。
試験前は成績優秀な早稲田貞治に勉強を教えてもらい、なんとか赤点を免れている。
行動記録
本校舎
2階西階段。泣いている明村桐子を見つけ声をかけるが、桐子が動揺していて会話にならない。その後現れた粟根由布子に桐子を任せ、別れる。
雪村笑留を探している。
2階図書室。仮眠を取っていたが目を覚ます。久宗りつと佐伯和巳に遭遇。久宗みつと堂本一好の行方を尋ねられ、知らないと答えると銃を向けられる。何とか逃走に成功。

男子14番/新田真司郎(にった・しんじろう)
部活動 バスケットボール部
身長/血液型 181cm/AB型
愛称/杜若 シンジ/シンちゃん
支給武器 ?
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 三浦市立初瀬小学校
交友関係 空木紫雨
美笠心
雪村笑留
(バスケ部グループ)
佐野鳴海
備考
半眼で目つきが悪い。ガタイがいいストリート系。

今年の頭に転入してきた転校生。訳あって留年している。
ダンスが趣味で身軽。休日はよく近場の公園でストリートダンスを踊っていて、腕前はかなりハイレベル。
ぶっきらぼうで口が悪い。良く言えば素直な性格。さらっとした人間関係が好きで、仲が良くてもべたべたされるのは嫌い。
ドSで好きな子を虐め過ぎて泣かせる、トロい奴を見ているとイライラする等、結構な人格破綻者だが、反面これと決めた事は譲らない意志の強さを持つ。

バスケ部のメンバーとは一応会話はするが、特にクラスメイトと馴染む気はない様子。
佐野鳴海とつき合っている。不器用だが、本当は彼女が大好き。
行動記録
本校舎
1年D組を出発。 原望と何か確執がある模様。
最後に出発した恋人の佐野鳴海と合流。
3年A組教室。鳴海と共に潜伏中。鳴海を守ることを心に決める。


女子16番/美笠心(みかさ・しん)
部活動 バスケットボール部マネージャー
身長/血液型 169cm/A型
愛称/杜若 美笠さん/鉄仮面
支給武器 救急セット
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 空木紫雨
新田真司郎
雪村笑留
(バスケ部グループ)
備考
あまり笑わず私語も少なく、淡々と業務をこなすバスケ部のマネージャー。感情を表に出さずそっけない印象だが、何だかんだで世話焼き。
いつも持ち歩いている救急箱に世話になった生徒も多く、「怪我をしたら美笠さん」がクラスメイトの共通認識。

行動記録
本校舎。
親友の雪村笑留を探している。
体育館。体育倉庫で田所圭太に襲われかけるが、風間英二の妨害により命からがら逃げ出す。
寄宿舎。
ストレスで体調を崩し、本校舎の女子トイレで嘔吐していた所を西川善匡に助けられ、寄宿舎で休息をとっている。

男子13番/西川善匡(にしかわ・よしまさ)
部活動 剣道部
身長/血液型 175cm/A型
愛称/杜若 西川、にっしー/にっしー
支給武器 木刀
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立九段北小学校
交友関係 荒川颯太
三田島梓
早稲田貞治
(早稲田グループ)
備考
5センチほどで揃えた短い黒髪。男らしい太めのきりっとした眉に、鋭い目。厳格そうな顔立ちで、表情はあまり豊かではない。

非常に無口でストイック。部活には必ず出席し、朝練も欠かさない。
愛読書は新渡戸米蔵の「武士道」
生真面目な上に見た目が怖いので、一部の友人以外とは交流がない。女友達はゼロ。
行動記録
本校舎
教室を一番最初に出発する
寄宿舎
本校舎で体調を崩した美笠心に遭遇。寄宿舎までつれて行き休ませる。


男子1番/荒川颯太(あらかわ・そうた)
部活動 弓道部
身長/血液型 175cm/B型
愛称/杜若 颯太/そーたん
支給武器 植木鉢
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第一小学校
交友関係 西川善匡
三田島梓
早稲田貞治
(早稲田グループ)
堂本一好
(弓道部)
相葉瑞姫
市川怜奈
佐野鳴海
(吹奏楽部、軽音楽部)
備考
黒染めしているのかと思うほどな漆黒の髪と、真っ黒な瞳。目つきは悪いが整った顔立ち。
何をするにしても、どこか気品がある。

荒川モータースという車関連の大企業の御曹司で、一人っ子のため大切に育てられてきた。容姿端麗で頭脳明晰なので当然もてるが、御曹司と聞くと引いてしまう女子も多い。
視力が弱いせいか目つきが悪く、怒っていると思われがち。身のこなしも丁寧で、少し近寄り難い。
温厚だがやや皮肉っぽい口調で、笑いのツボが浅い。仲良くなれば金持ちさを感じさせないのだが、潔癖症で人の持ち物にあまり触りたがらなかったりと誤解を招きやすい。本人にそのつもりはないのだが、他人からどう思われようが構わないと冷めている様子。
両親のことは尊敬しているが、実の所会社なんてどうでも良く、特別扱いにも嫌気が差している。
ピアノが得意で、吹奏楽部や軽音楽部の助っ人をすることも。
顔に似合わずスイーツ男子。

グループ内でも、同じ弓道部の三田島梓と行動を共にすることが多い。軽口ばかり叩いているが大事な親友。
市川怜奈の事が好きで、彼女に会うため、吹奏楽部には助っ人の名目でちょこちょこ顔を出している。
行動記録
本校舎
2階西階段。明村桐子に告白されるが、自分の事を何も知らないと非難。三田島梓と合流し、その場に桐子を置いて立ち去る。
3年B組教室で梓と会話。梓に後押しされ、市川怜奈に思いを告げることを決意。桐子に酷い事を言ったと反省し、会ったら謝ると決める。移動の準備を始める。

男子20番/三田島梓(みたじま・あずさ)
部活動 弓道部
身長/血液型 172cm/AB型
愛称/杜若 梓/あずにゃん
支給武器 アーチェリーセット
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第一小学校
交友関係 荒川颯太
西川善匡
早稲田貞治
(早稲田グループ)
堂本一好
(弓道部)
佐野鳴海
備考
肩ほどまでの緩いウェーブの入った髪。いつも優しい笑みを浮かべている。

基本は誰にでも笑顔を見せ人当たりがいい、聡明な好青年。丁寧で柔らかな敬語を話す。
物腰も穏やかだが、腹の中で何を考えているか分からない。周囲には気取られないようにしているため彼を侮っているクラスメイトも多いが、実はかなり毒舌で腹黒い。
両親との折り合いが凄まじく悪い。

気が合うのか、佐野鳴海によく話しかけている。実は彼女が初恋だとか。
グループ内でも、同じ弓道部の荒川颯太と行動を共にすることが多い。軽口ばかり叩いているが大事な親友。
行動記録
本校舎
2階図書室。銃声を聞きつけ駆けつけた図書室で、雪村笑留と瑞浪悌を襲っていた真野煉を撃退。
友人の 荒川颯太の出発を待つため、二人と別れる。
2階西階段。颯太と合流。明村桐子を置いて立ち去る。
3年B組教室。颯太と会話。市川怜奈に思いを告げるよう、背中を後押しする。


女子4番/市川怜奈(いちかわ・れな)
部活動 吹奏楽部
身長/血液型 152cm/A型
愛称/杜若 レナ/キャハハ・ムスメ
支給武器 バール
所持武器 ボウガン
被害者 1(間口信彦)
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 此花香南
日生悠香
(女子中流派グループ)
佐野鳴海
荒川颯太
備考
襟足が長めのショートカット。子猫のような瞳。小柄で華奢なシルエット。

明るく社交的。少し気まぐれな所はあるが、男女問わず好かれるクラスの人気者。今のところ彼氏は居ない様子。
あまりグループの括りを気にするタイプでなく、その時の気分で一緒に居たいクラスメイトといる事が多い。成績は中の上、運動神経も上々。甘え上手で毎日楽しく過ごしている。

人懐っこい性格で、噂もあまり気にしないタイプなのか、香月栞に話しかけられる数少ない人物。
行動記録
本校舎
3階物理室。早稲田貞治に呼びかけられ、香月栞、新藤誠、風間英二、工藤次郎、細野隆弘と「殺人クラブ」として結託。物理準備室に潜んでいた折上志鶴、相葉瑞姫、大塚伊吹、北内冬子を獲物とし、早い者勝ちのゲームを開始。
2-A教室。間口信彦と遭遇。放送を聴き、動揺しているふりをし、信彦を手玉に取る。
寄宿舎に移動しようとした信彦を背後からバールで殴りつける。意識朦朧とした信彦の頭を何度もバールで殴り、撲殺。一部始終を傍観していた工藤次郎と合流。
1階西階段。早稲田に命じられ、風間と共に新藤を迎えに行き合流。物理室へ向かう。
3階物理室。次の獲物を探しに、殺人クラブメンバーと共に行動開始。
4階職員室。次の獲物である日生悠香と此花香南を発見。ゲームを開始する。
4階西階段で三吉冴子を見つけ、新藤と共に追いかけるが、先を越される。新藤と共に行動中。

男子16番/間口信彦(まぐち・のぶひこ)
部活動 無所属
身長/血液型 177cm/O型
愛称/杜若 間口/マッシュ
支給武器 ボウガン
被害者 -
加害者 市川怜奈
出身小学校 千代田区立大江戸小学校
交友関係 田所圭太
細野隆弘
(田所グループ)
備考
女子からモテようと実際の能力以上に自分を大きく見せようとしている(が、クラスメイトにはバレている)。
以前はメガネをかけていたが、モテたい一心でコンタクトデビュー。しかしドライアイのため目つきが悪くなり、女子からはより敬遠される結果に。
話術に乏しく、女子に話しかける際は話す内容を事前に脳内でシミュレーションする。シミュレーションになかった内容に話が飛ぶと、途端に口数が少なくなってしまう。
「大したことじゃないけどね…」というセリフを会話の中に挟む癖がある。悲しいことに、彼の話す内容はそもそも本当に大したことじゃない。
行動記録
本校舎。
2-A教室。市川怜奈と合流。放送を聴き動揺した怜奈を宥める。
落ち着いた怜奈を連れて寄宿舎へ移動しようとした所を、背後からバールで殴られる。意識朦朧とした状態で頭を何度も殴られ、死亡。


男子8番/新藤誠(しんどう・まこと)
部活動 ボクシング部
身長/血液型 175cm/A型
愛称/杜若 新藤/まーくん
支給武器 金属バット
被害者 2(瑞浪悌/三吉冴子)
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 中川竜蔵
正岡丈
山崎大河
(不良グループ)
相葉瑞姫
備考
短い黒髪をワックスで立ち上げている。飄々とした印象のツリ目。

喧嘩っ早く不良のような行動(遅刻、欠席、早退、サボり)のせいで、ヤクザの息子だとか暴走族に入っているなどの妙な噂が絶えない(実際は大工の息子。暴走族の友人は居るが自身は組していない)
ボクシング部のレギュラーで腕っ節も強く、喧嘩が趣味だが親しみやすい。 凄みがきいてはいるものの、面倒見が良く、義理人情に熱い性格のため後輩受けはいい。厳つい見た目のわりに話し好きで甘いものが好物。
サバサバした楽天家で、異性への興味はあるが、今は女とつき合うよりも男友達と遊んでいる方が楽しい様子。基本的には正統派なスポーツマン気質。
行動記録
本校舎。
3階物理室。早稲田貞治に呼びかけられ、香月栞、他4名の生徒と「殺人クラブ」として結託。物理準備室に潜む折上志鶴、相葉瑞姫、大塚伊吹、北内冬子の4人を獲物とし、早い者勝ちのゲーム開始。
獲物の三人を追いかけ、化学室に居る工藤次郎と合流。
次郎が宗森もえぎを殺害するのを観察。武器を手に入れ、美術室へ向かう。途中、中川竜蔵が美術室から出て行く姿を見かけるが見逃す。
3階美術室。香月栞の正岡丈殺害を鑑賞後、自分も肩慣らしに向かう。風間英二にコルト・ガバメントを譲る。
1階保健室。雪村笑留、瑞浪悌、中川竜蔵を襲撃。笑留を狙うが悌が盾になり重傷を負わせる。
竜蔵と笑留には逃げられるが、悌を痛めつけ、トドメを刺そうとした所に井ノ原命と久我英治が現れ、仕方なく撤退する。物理室に戻る途中、西階段で市川怜奈と風間に遭遇。風間にグロック26を譲る。
3階物理室。次の獲物を探しに、殺人クラブメンバーと共に行動開始。
4階職員室。次の獲物である日生悠香と此花香南を発見。ゲームを開始する。
4階西階段で三吉冴子と遭遇。逃げられるが3階物理室前で追いつき、金属バットで撲殺。怜奈と行動中。

男子11番/中川竜蔵(なかがわ・りゅうぞう)
部活動 ボクシング部
身長/血液型 186cm/O型
愛称/杜若 竜/竜たん
支給武器 トーラス・レイジングブル
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 新堂誠
正岡丈
山崎大河
(不良グループ)
相葉瑞姫
備考
クラス一大柄で迫力がある。整った顔立ちに涼しげな目元。
不良だが顔は芸能人並にいいので、一部女子からの人気が高い。

近辺の不良の頭。少し短気だが、頭の回転が速いリーダー気質で面倒見がいい。クラスで一番体格が良いため、まともに喧嘩をしたら勝てる相手はまず居ない。
いじめなどはあまり好きではないようで、山崎大河や正岡丈の行き過ぎたいじめを止めるストッパー役。不良同士なら喧嘩するが、普通のクラスメイトたちには手を出さない。 彼が頭になってから、大江戸中近辺の治安が少し良くなったとか。この辺一帯を取り仕切る暴走族の頭である大河の兄とも親しく、信頼されている。
行動記録
本校舎。
3階美術室。友人の正岡丈に声をかけられ、安心した所を背後から襲われる。何とか逃げ切るが、右肩を脱臼中。
1階の保健室に行くと、雪村笑留と瑞浪悌に遭遇。最初は悌に疑われるが、無事に和解。
脱臼を治してもらっていた所に、新藤誠が現れ、悌が襲われる。悌に強く懇願され、笑留をつれて保健室を飛び出す。
2年D組教室。無理をする雪村笑留に、彼女を支えたいと告げる。


男子21番/山崎大河(やまざき・たいが)
部活動 無所属
身長/血液型 165cm/O型
愛称/杜若 大河/子虎ちゃん
支給武器 メリケンサック
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立大江戸小学校
交友関係 新藤誠
中川竜蔵
正岡丈
(不良グループ)
井ノ原命
(凸凹コンビ)
相葉瑞姫
派手な金茶の髪。鬱陶しいほどつけられたアクセサリーは、動く度に腰のチェーンがじゃらじゃらと鳴る。

クラスを代表する問題児で、トラブルメーカーのヤンキー。態度と声が無駄にでかい。幅を利かせていられるのは、本人の実力というよりも関東一帯を取り仕切っている暴走族の頭である兄貴のおかげ。面倒見のいい兄は下からも慕われているが、当然彼は疎まれている(自覚もあるが、その点に触れられると逆ギレする)。いじめ、かつあげetc 問題ごとは大抵彼が原因。単細胞で頭は悪い。
女嫌いだが、井ノ原命とはデコボココンビ。彼女のことは男友達のように思っており、毎日口喧嘩という名の漫才を繰り広げている。
行動記録
本校舎
1-D教室。担当教官に逆らって掴みかかるが、銃により掠り傷を負う。
出発の際に「俺を殺そうとする奴は先に俺が[ピーーー]」とクラスメイトに宣言。
5階生物室。自分が虐めてきた生徒に仕返しされるかも知れないと怯え、科学室で遭遇した日生悠香が叫ぼうとしたと思い首を絞めるが、突然現れた此花香南にフライパンで頭を強打され気絶。
定時放送の際に目を覚ますが、久我英治と決裂。泣いている井ノ原命にも失望し、教室を出て行く。


男子5番/久我英治(くが・えいじ)
部活動 サッカー部
身長/血液型 170cm/O型
愛称/杜若 エージ/がっくん
支給武器 ウィンチェスターM73ランダル
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 折上志鶴
風間英二
(お調子者グループ)
相葉瑞姫
備考
明るい茶髪を盛りに盛っている。ぱっと見、頭の悪そうな髪形。
細く形良く書かれた眉。ややアヒル口。色シャツで襟を必要以上に開けていて、腰パン。一目でチャラいと分かる見た目。

他人からカッコいいと思われることに全力を尽くしている。
見た目はチャラいが基本的な性格は善悪の区別をしっかりつける優等生なので、他人への指摘や注意を出来るリーダーシップを持つ。とにかく周りからカッコいいと思われたいためだけに行動しているので、外見と行動のギャップが激しい。時には優等生、時には問題児。
カッコいいと思わないことはやらないことがあるので、周りとの衝突も多々ある。反面、他人からの評価を気にしすぎている面も。
行動記録
本校舎。
1階体育倉庫。井ノ原命と遭遇。疑われるが、やる気じゃないことをアピール。無事に和解。
保健室。新藤誠が瑞浪悌にトドメを刺そうとした所へ、命と共に乱入。銃を向けて新藤を追い払う。
その後、悌の死を看取るが、日頃あまり親しくなかった悌の死に深い悲しみを抱けず、命に引け目を感じている。
5階生物室。定時放送を聞いた後、山崎大河と決裂。

女子5番/井ノ原命(いのはら・みこと)
部活動 ソフトボール部
身長/血液型 170cm/O型
愛称/杜若 いのっち、メイ/巨神様
支給武器 メガホン
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 明村桐子
粟根由布子
海堀純那
吉岡彩野
(純那グループ)
山崎大河
(凸凹コンビ)
備考
男と見まごうショートカット。きりっとした彫りの深い顔立ちは宝塚の男役のよう。
男顔負けに背が高く、ソフト部で鍛えているため体格もいい。

根っからの体育会系。元気でノリが良い。動きやすいように上は常にジャージ、スカートの下にはスパッツを履いている。
友達も多く世話焼きな面も。基本的には超がつくほどお人好しだが、嫌いな人にはとことんドライ。
勉強嫌いで部活に青春を捧げている。ソフト部のエース。
自分の名前や容姿が女らしくないことを気にしている。特に名前に関しては「いのっち」「メイちゃん」など本名で呼ばれることがない。
容姿も男に間違えられるほどで、部活内では学年問わず憧れの的。校外でも近所の奥様に大人気。しかし当の本人はボーイッシュどころか超乙女思考の恋に恋する女の子で、本名は家族と彼氏にしか呼ばせないつもり。

山崎大河とはデコボココンビで、一応学級委員だが役割は成さない。毎日口喧嘩という名の漫才を繰り広げている。大河がいき過ぎた時のストッパー係でもある。
新藤誠に恋していて、目が合うだけで顔が赤くなるほど奥手。
行動記録
本校舎。
1階体育倉庫。恐怖で震えている所に久我英治が現れる。最初はちゃらちゃらした英治を疑うが、後に和解する。
保健室。新藤誠が瑞浪悌にトドメを刺そうとした所へ、久我と共に乱入。新藤を追い払うが、思い人の新藤がやる気になっている事に強いショックを受ける。悌の死を看取り、泣き崩れる。
5階生物室。非常に精神が不安定な状態で、デコボココンビの山崎大河の言葉にも反応できず。


女子2番/明村桐子(あかむら・きりこ)
部活動 テニス部
身長/血液型 150cm/A型
愛称/杜若 キリ/清楚ちゃん
支給武器 本『いい男の選び方』
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 粟根由布子
井ノ原命
海堀純那
吉岡彩野
(純那グループ)
備考
黒髪のセミロングヘア。小柄で華奢。

美人というわけではないが不細工でもなく、普通にかわいらしい女の子。
口調は柔らかく、大人しい。部活動の最中は若干活発になる程度。好きな人には、大勢で居るときはそれなりに話せるのだが、2人きりになると話せなくなってしまい、なかなか告白に踏み切れない。
小学生の頃にいじめられた事があり、不良が苦手。
幸運と不幸の波が激しくいい時はとことん良いが悪い時はとことん悪く、本人も困っている。

不良グループが苦手で、特にからかってくる山崎大河や正岡丈のことを怖がっている。
荒川颯太に思いを寄せていて、告白に踏み出せずにいる。
行動記録
本校舎
2階西階段。荒川颯太に告白するが、手酷い言葉を受けてふられる。
一人で泣いていた所を空木紫雨に見つけられ、その後現れた粟根由布子と合流。紫雨とは別行動に。
気が動転している。
寄宿舎。
2階26号室。桐子と休息中。今後の方針を相談する。

女子3番/粟根由布子(あわね・ゆうこ)
部活動 園芸部
身長/血液型 164cm/AB型
愛称/杜若 ゆーこ、ゆっちゃん、ゆうちゃん/ホクロちゃん
支給武器 工具セット
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第一小学校
交友関係 明村桐子
井ノ原命
海堀純那
吉岡彩野
(純那グループ)
備考
背中まである、淡い色のロングヘア。右目の泣き黒子が印象的。
肌や髪、目など全体的に色素が薄く、目鼻立ちのはっきりしたハーフっぽい顔立ち。儚げな雰囲気の美人。

大人しくて騒ぐのは苦手で繊細。いつも困ったような笑みを浮かべている。
話は専ら聞き手で、聞き上手のアドバイス上手。相談を聞いたりするのは好きで、口数は少ない。
自分を出すのが苦手で、いつも不安そうな表情をしている。ちゃんと楽しいとは感じているのだが、笑うのが苦手なせいで楽しくなさそうと思われてしまうことも。
自分を理解して一緒に居てくれる友達をとても大切にする。同じグループの女の子たちの恋の話を聞くのが好きで、特に小学校から一緒の親友、海堀純那の恋を人一倍応援している。
体育は少し苦手。
行動記録
本校舎
2階西階段。空木紫雨と明村桐子を見つけ、声をかける。紫雨に桐子を任され、別れる。
寄宿舎。
2階26号室。桐子と休息中。今後の方針を相談する。


女子10番/香月栞(こうづき・しおり)
部活動 美術部
身長/血液型 161cm/B型
愛称/杜若 香月/美人チャン
支給武器 カッターナイフ
被害者 1(正岡丈)
加害者 ?
出身小学校 千代田区立九段北小学校
交友関係 なし
備考
学年一の美少女だが、どこか近寄り難い雰囲気のミステリアスガール。
かなり我が強く、興に召さない時ははっきりと厳しい言葉を投げかけてくる。感情の起伏も激しく、言いたいことはハッキリと言う性格。
約束を重んじ、嘘をつく事に対して強い嫌悪感を抱く。
彼女とつき合う男が尽く酷い目に遭うため、最近では男子だけでなく女子もあまり近寄らない存在になっている。彼女と平気で会話が出来るのは市川怜奈くらい。
また風間英二に強いアピールを受けているが、相手にしていない。

行動記録
本校舎。
3階物理室。早稲田貞治に呼びかけられ、新藤誠、他4名の生徒と「殺人クラブ」として結託する。
その後、折上志鶴、大塚伊吹、相葉瑞姫、北内冬子が身を潜める物理準備室のドアを銃で撃ち壊す。
四人を獲物とし、早い者勝ちのゲームを開始する。
3階美術室。美術倉庫にて正岡丈と中川竜蔵のやり取りを伺い、竜蔵が消えた所で丈の前に姿を現す。丈の言い訳が逆鱗に触れ、カッターナイフで切り[ピーーー]。
3階物理室。次の獲物を探しに、殺人クラブメンバーと共に行動開始。風間に告白されるが、いつも通り軽くあしらう。
4階職員室。次の獲物である日生悠香と此花香南を発見。ゲームを開始する。

女子13番/久宗みつ(ひさむね・みつ)
部活動 ダンス部
身長/血液型 153cm/A型
愛称/杜若 ハニー/双子姉
支給武器 ゴルフボール2個
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立九段北小学校
交友関係 佐伯和巳
堂本一好
久宗りつ
(仲良し4人組)
備考
外跳ねの黒髪。双子の久宗りつとよく似た外見だが、みつの方が活発そうで勝気な印象。

気が強くて勝気な跳ねっ返り娘。
しっかり者だが、キツい物言いがたまにキズ。自分にも他人にも厳しいが、双子の妹のりつにはあまり強く出られず、甘い。
自分の天邪鬼な性格を気にしていて、女の子らしいりつと幼い頃から比べられてきたため、妹を守らなければという思いと共に劣等感も抱いている。

甘え下手だが彼氏の堂本一好にだけは、時々素直に甘えることもある。
最初は天邪鬼な性格が邪魔をしてクラスに馴染む事が出来なかったが、 一好が最初につけた「ハニー」というあだ名のおかげでクラスメイトにも馴染む事が出来た過去があり、口には出さないが、とても感謝している。

行動記録
本校舎。
1-D教室を出発。久宗りつに「待っているから」と告げる。
寄宿舎。
2階25号室。些細な事から久宗りつと仲違い。殺されかけるが恋人の堂本一好と共に逃げ出す。佐伯和巳、りつの思いを知ってショックを受けている。
本校舎。
2-A教室。一好に励まされ、多少落ち着く。


女子14番/久宗りつ(ひさむね・りつ)
部活動 ダンス部
身長/血液型 153cm/A型
愛称/杜若 りっちゃん/双子妹
支給武器 トンプソン・サブマシンガン
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立九段北小学校
交友関係 佐伯和巳
堂本一好
久宗みつ
(仲良し4人組)
備考
外跳ねの黒髪。双子の久宗みつとよく似た外見だが、りつの方がふんわりと柔らかな女の子らしい雰囲気。

大人しくて他人に従順なタイプ。いかにも女の子といった柔らかい雰囲気。やや気が弱く怖がりな面があり、甘えん坊。ゆったりとした愛らしさから、異性には人気がある。
思い込みが強いタイプで、一度決めたことには頑固な面も。

双子の姉の久宗みつといつも一緒におり、しっかり者のみつに憧れていて依存気味。何でもお揃いじゃないと気が済まない一面がある。
堂本一好が好きで、佐伯和巳の思いにも気づいている数少ない人物。

行動記録
本校舎
1?D教室を出発。杜若紅牡丹に「他のみんなはやる気」と言われ怯えている。
寄宿舎
2階25号室。久宗みつと仲違い。堂本一好共々大好きな二人を殺してしまおうとするが、逃げられる。佐伯和巳の気持ちを逆手に取り、味方につけている。
本校舎
2階図書室。空木紫雨に遭遇し、みつと一好の行方を尋ねる。紫雨が知らないと答えるや否や銃を向けるが、逃げられる。

男子10番/堂本一好(どうもと・かずよし)
部活動 弓道部
身長/血液型 177cm/A型
愛称/杜若 カズ/カズたん
支給武器 サッカーボール
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 佐伯和巳
久宗みつ
久宗りつ
(仲良し4人組)
荒川颯太
三田島梓
(弓道部)
備考
短い茶髪。狐目の釣り目。

口が悪く喧嘩っ早いが、陽気で明るいイイ奴。
ややだらしなさが目立つものの、やる時はやる男でグループの中では一番気が利く。素行は悪いが人当たりがいいので嫌われる事は少ない。

幼馴染の佐伯和巳とは親友でありライバル同士。勉強でもスポーツでも何でも張り合うので、クラスの名物になっている。
久宗みつとつき合っていて、じゃじゃ馬な彼女に振り回されてばかりだが、とても大切に思っている。
行動記録
寄宿舎。
2階25号室。佐伯和巳、久宗りつと仲違いし攻撃を受ける。恋人の久宗みつを連れて逃走。右足のふくらはぎに軽傷を負う。和巳、りつ共々に彼らの気持ちを知ってしまいショックを受ける。
本校舎。
2-A教室。落ち込むみつを励ます。


男子7番/佐伯和巳(さえき・かずみ)
部活動 サッカー部
身長/血液型 177cm/O型
愛称/杜若 和巳/かずみん
支給武器 ジェリコ941
所有武器 サッカーボール
被害者 ?
加害者 ?
出身小学校 千代田区立第二小学校
交友関係 堂本一好
久宗みつ
久宗りつ
(仲良し4人組)
備考
やや長めの黒髪。近眼気味で、黒縁の眼鏡をかけている。

ひょうひょうとして見えるが、実はかなりの負けず嫌いでわりと短気。
仲間思いで、口には出さないがクラスメイトのことをとても大事に思っている。気遣いしいな部分もあり、友情を壊してしまうかもと思うと、思ったことを言えない時もある。
サッカーが大好きで、ボールが恋人と公言するほど。

幼馴染の堂本一好とは親友でありライバル同士。勉強でもスポーツでも何でも張り合うので、クラスの名物になっている。
久宗りつと共に居ることが多く、クラスでもお似合いだと噂されている。が、本当は久宗みつが好き。一好の恋人なので半ば諦めかけている。
行動記録
寄宿舎。
2階25号室。久宗みつと久宗りつが仲違い。銃を向けられたみつを庇うが、りつに気持ちをばらされる。結果、親友の堂本一好とも決裂。二人に逃げられる。
2階図書室。空木紫雨に遭遇し、みつと一好の行方を尋ねる。紫雨が知らないと答えるや否や、りつに命令されて銃を向けるが、逃げられる。

男子15番/細野隆弘(ほその・たかひろ)
部活動 無所属
身長/血液型 170cm/O型
愛称/杜若 [ピザ]野、太野/お[ピザ]ちゃん
支給武器 チェーンソー
被害者 北内冬子
加害者 ?
出身小学校 千代田区立九段北小学校
交友関係 田所圭太
間口信彦
(田所グループ)
備考
かなりの肥満体で動きが鈍い。肥満体質のせいか暑がりで、秋でも半そでを着ている。

性格は穏やかだが、日頃のいじめがストレスとして溜まっているのか、いじめられっ子故に“友達”に妙にこだわっている粘着質な面も。
アニメやゲームが好きないわゆるオタク。

山崎大河や正岡丈に虐められていて、暴力を受けることも多い

行動記録
本校舎。
3階物理室。早稲田貞治に呼びかけられ、香月栞、新藤誠、風間英二、工藤次郎、他1名の生徒と「殺人クラブ」として結託。
物理準備室に潜んでいた折上志鶴、相葉瑞姫、大塚伊吹、北内冬子を獲物とし、早い者勝ちのゲームを開始。
5階廊下。獲物の志鶴と冬子を発見。冬子を捕まえ、首を絞め[ピーーー]。
3階物理室。次の獲物を探しに、殺人クラブメンバーと共に行動開始。
4階職員室。次の獲物である日生悠香と此花香南を発見。ゲームを開始する。

男子1番 / 総合6番 沖田良 おきた・りょう
支給武器白旗
被害者数1(此花直哉)
加害者壬生優人
現在状況森(E-3)にで笹川比奈子を守ろうと戦うが、壬生優人に射殺される
女の子のような顔立ちで、いつも明るくにこにこしている。
誰にでも優しくやや八方美人の気があるが、彼の周りにはいつも笑い声が絶えない。基本的には誰にでも好かれる好青年。モテるが女の子は苦手。
平和主義者で、出来ることならみんなと仲良くしたいと思っている。繊細で、少しのことでも傷つきやすい。
普段、嫌なことがあっても我慢しているので、キレると怖いタイプ。
親友の近藤達也、山南健太に多大な信頼を寄せている。
部活動/委員会テニス部/福祉委員
身長175cm
誕生日2月14日
星言葉デネブ・アルゲティ(情の深い自己犠牲)
友人此花直哉・近藤達也・山南健太


女子1番 / 総合1番 青井鈴美 あおい・すずみ
支給武器シグ・ザウエルP230
被害者数--
加害者壬生優人
現在状況エリアB-3でクラスメイトに説得を試みるが、壬生優人に射殺される。
やや神経質な面がある以外は、明るく元気なごくごく普通な女の子。
同じく女子運動部グループの明石珠緒とは3?C名コンビで、出席番号前後なこともあってか大の仲良し。
すらりと縦に長いモデル体型。女子では2番目に高い身長。

神宮寺麗央那に片思いしているが、彼より高い身長がコンプレックス。
部活動バレーボール部
身長170cm
誕生日5月28日
花言葉鈴蘭(清らかな愛)
友人明石珠緒・藤堂杏奈・永倉美空・原田観月


女子2番 / 総合2番 明石珠緒 あかし・たまお
支給武器メガホン
被害者数--
加害者壬生優人
現在状況エリアB-3でクラスメイトに説得を試みるが、壬生優人に射殺される
熱血で前向き。とにかく元気な女の子。
素直で率直で快活。打てば響くように返事が返ってくる。
同じ女子運動部グループの青井鈴美とは3?C名コンビで、10センチの身長差に負けない存在感と大きな声。
野球部の山本光一に思いを寄せている。
部活動/委員会ソフトボール部/体育祭実行委員
所属委員会美化委員
身長160cm
誕生日4月13日
花言葉ハルシャギク(陽気)
友人青井鈴美・藤堂杏奈・永倉美空・原田観月

男子2番 / 総合10番 神崎卓也 かんざき・たくや
支給武器イングラムM10サブマシンガン
被害者数--
加害者馬見塚鉄男
現在状況分校体育館(F-4)で馬見塚鉄男に射殺される
流行モノに敏感で、話題のものには何でもとびつく。
クラス内や部活では盛り上げ役に徹するので友達は多い。だが軽薄な面があるので、親友はいないタイプ。
明るいというよりは軽い印象を受ける。
基本的には「みんながやるなら俺もやる」というスタイル。

此花直哉や中屋敷仁と一緒になって島村光をいじめている。
部活動サッカー部
身長176cm
誕生日9月12日
星言葉デルタ・クラーテーリス(仲間意識の強さ)
友人 馬見塚鉄男・向井正太・黒川渚・東儀奈緒子


男子3番 / 総合11番 木村秀成 きむら・しゅうせい
支給武器まきびし
被害者数--
加害者壬生優人
現在状況分校(G-4)で銃声を聞きつけ保健室に駆けつけるが、壬生優人に射殺される
基本的には理性的で冷静なインテリ少年。だが実はカッとしやすい一面もある。結構頑固。
悩み始めるとどんどんドツボにはまるタイプ。やや頭が固い。
恋愛感情が薄く今まで特にこれといった恋をしたことがないせいか、恋愛というものがいまいち理解出来ない。
今は女の子と遊んでいるよりもパソコンをいじっている方が楽しい様子。なのでウブな面がある。

母親は政府の役人でプログラム担当教官の仕事を勤めており、蔭山暗夫とも知り合いだった様子。

同じくコンピュータ部の永谷多樹は3年目のつき合いで、親友でもありライバルでもある。
部活動コンピュータ部
身長175cm
誕生日3月6日
星言葉マルカブ・ペガースィ(直感と計画性とサクセス)
友人 永谷多樹


女子3番 / 総合3番 伊東緋芽 いとう・ひめ
支給武器チェーンソー
被害者数--
加害者姫井祥代
現在状況森(A-2)で放送によって自棄になり姫井祥代を襲うが、逆にチェーンソーで頭を割られ死亡
成金の伊東財閥のご令嬢で他人に大して常に上から目線。
一人娘で甘やかされて育ったためか、わがまま。この世は何でも自分の思うようになると本気で信じている。
目鼻立ちは整っていて美人と言えば美人だが、ツリ目のせいかどこか意地悪そうな印象を与える。
何事にも強気で積極的。基本的にお高くとまって上から目線な態度をとる。
姫井祥代の父が働く会社の上役の娘という立場を利用して、祥代をメイド扱いしている。
沖田良に思いを寄せていたが、メアド交換を拒否されてからは逆恨み中。執着心にも似た思いを寄せている。
部活動テニス部
身長158cm
誕生日11月23日
花言葉極楽鳥花(全てを手に入れる)
友人 姫井祥代

女子4番 / 総合4番 氏家菜子 うじいえ・なこ
支給武器ワルサーPPK
被害者数--
加害者壬生優人
現在状況中央公園(B-4)で壬生優人に襲われた傷により失血死する
大人しくて引っ込み思案。男子は親しい人物以外は殆ど話さない。
性格的に幼く、幼馴染みグループでは末っ子の妹ポジションで可愛がられている。

瀬名馨、九条利人、椿さおりの3人とはとても仲が良く、そこでははしゃいだり甘えん坊な一面を見せることもある。
山本光一のことが好き(九条利人談)
部活動/委員会美術部/保健委員
身長153cm
誕生日5月19日
花言葉芍薬(恥じらい)
友人九条利人・瀬名馨・椿さおり

男子4番 / 総合12番 九条利人 くじょう・りひと 
支給武器フランキ・スパス12
被害者数--
加害者壬生優人
現在状況道路(E-6)にて壬生優人に襲われ、斎賀七瀬と山本光一を逃がし、射殺される
生真面目な優等生。 成績はクラスでも上位に入る。
論理的でやや神経質。饒舌なタイプではないが、話そうと思えば話すことが出来る。
頭の中でいろいろと考えてはいるが、それを口に出すことがあまりない。話してみれば、優しくて気の利く感じのいい男の子。

無口であまり人と関わりを持たないが、瀬名馨、氏家菜子、椿さおりの幼馴染みたちには心を開いている。

女の子とはあまり話さないだけで、幼馴染がいるため女性が苦手なわけではない。話そうと思えば女の子とも話せるし気配りもできる。
斎賀七瀬に一途な思いを抱いている。
部活動/委員会美術部/保健委員会
身長170cm
誕生日10月6日
星言葉ベータ・クルキス(高い理想と秘めた情熱)
友人瀬名馨・氏家菜子・椿さおり


男子5番 / 総合15番 此花直哉 このはな・なおや 
支給武器スタンガン
獲得武器特殊警棒
被害者数2(島村光・山南健太)
加害者沖田良
現在状況川縁(G-4)で山南健太を殺害、沖田良も殺そうとするが返り討ちに遭い死亡
神崎卓也や中屋敷仁を引き連れて島村光をいじめている。
下品な振る舞いが友人にも受けず、男子運動部グループ居内では浮いた存在。
短気で喧嘩っ早く、思考も下品。あまり深いことは考えない。そのうえ執念深く、嫉妬深い。

何かと行動に文句をつけてくる御三家は目障りな存在。
過去に神宮寺麗央那と喧嘩をしてボコボコにされ、それを斎賀七瀬に馬鹿にされた経験を持つ。
そのためこの二人にはかなり深い怨みを持つ。
部活動野球部
身長162cm
誕生日10月21日
星言葉プシー・ケンタウリ(期待と過度の思いこみ)
友人 沖田良・近藤達也・山南健太


女子5番 / 総合5番 大財瑞生 おおたから・みずき
支給武器Cz75
被害者数--
加害者片桐絢香
現在状況キャンプ場(E-2)にて金子ひとみに襲われ致命傷を負ったところを、片桐絢香に止めを刺される。
ギャルグループの一員で、元気玉のような存在感。
うるさすぎるのがたまにキズだが、クラスのムードメーカーでもある。
同じグループの片桐絢香とは幼馴染み。
部活動無所属
身長154cm
誕生日8月12日
花言葉キバナコスモス(野生美)
友人 片桐絢香・金子ひとみ

女子5番 / 総合5番 大財瑞生 おおたから・みずき
支給武器Cz75
被害者数--
加害者片桐絢香
現在状況キャンプ場(E-2)にて金子ひとみに襲われ致命傷を負ったところを、片桐絢香に止めを刺される。
ギャルグループの一員で、元気玉のような存在感。
うるさすぎるのがたまにキズだが、クラスのムードメーカーでもある。
同じグループの片桐絢香とは幼馴染み。
部活動無所属
身長154cm
誕生日8月12日
花言葉キバナコスモス(野生美)
友人 片桐絢香・金子ひとみ


女子6番 / 総合7番 片桐絢香 かたぎり・あやか
支給武器ダイバーズナイフ
被害者数3(金子ひとみ・大財瑞生・国分友香)
加害者福森唯
現在状況林(F-4)で福森唯を怒らせ、格闘の末に頭を撃ち抜かれ死亡
大人っぽい色気のある雰囲気をまとう、ギャルグループのリーダー格。
校則を破ってアルバイトをしており、年上の男に言い寄られることも多いためか、同い年のクラスメイトたちを見下している。やや傲慢な面も。
狡猾で頭の回転が速いが、自身の異性関係の豊富さを鼻にかけている中学生らしい面もある。
見た目は色っぽいが口を開くとちょっと残念。下品で口が悪い。

同じグループの大財絢香とは幼馴染み。
自分と似た雰囲気の福森唯を気にかけている。
部活動無所属
身長163cm
誕生日9月10日
花言葉ダリア(華麗)
友人 大財瑞生・金子ひとみ


男子6番 / 総合16番 近藤達也 こんどう・たつや 
支給武器メリケンサック
被害者数--
加害者壬生優人
現在状況森(E-3)で沖田良と笹川比奈子を逃がすが、壬生優人に銃殺される
柔道部の主将を務め、クラス一の体躯を誇る。
嘘をつくのが苦手で、強面にも関わらずそれを豪快に破顔させて笑うので、怖いという印象はない。

明るく陽気で人当たりも良く、義理人情に熱くて涙もろい。
情熱的で懐も広く、癖の強い柔道部を上手いことまとめ上げていて、クラスでも中心的な人物。
正義感が強く、憎めない好青年。
沖田良、山南健太とは親友。
氏家菜子に淡い思いを抱いている。
部活動/委員会柔道部/学級委員
身長185cm
誕生日8月9日
星言葉アスピディケ(明朗快活な行動力)
友人 沖田良・此花直哉・山南健太

男子7番 / 総合18番 早乙女辰巳 さおとめ・たつみ
支給武器ワイヤー(極細)+軍手
被害者数--
加害者花園ライアン
現在状況教会(C-6)で花園ライアンにナイフで喉を刺され、死亡
場を盛り上げるのが好きで、3年C組ムードメーカーの一人。
実は会話が止まると焦る、かなりの気遣い人間。
普段はおちゃらけているが、根は真面目で優しい。そんな面を知っている吹奏楽部員からの信頼は厚い。
部活動吹奏楽部
身長169cm
誕生日9月4日
星言葉46・レオ・ミノリス(面倒見の良いお節介)
友人 中屋敷仁・花園ライアン・壬生優人・加藤彩希・藤島詩歩


女子7番 / 総合8番 加藤彩希 かとう・さき
支給武器探知機
被害者数--
加害者花園ライアン
現在状況教会(C-6)で花園ライアンにボウガンで額を打ち抜かれて死亡
仲間内では元気で明るくノリもいい、わりと騒ぐタイプだが、それ以外では大人しい。少しヒステリックな面もある。

藤島詩歩とは同じ部活なせいもあってつき合いも長く、親友同士。
嫌味な物言いが気にくわないのか、部員仲間でも中屋敷仁とは始終揉めている。
部活動吹奏楽部
身長155cm
誕生日4月7日
花言葉ディモルフォセカ(元気)
友人早乙女辰巳・中屋敷仁・花園ライアン・壬生優人・藤島詩歩

女子一番・朝比奈紗羅
「雅哉みたいに女の子なら誰彼構わずそんなこと言う軽いヤツはお断りっ!
 悠希はすっごい良いヤツだと思うよ、頭良いし運動できるしイケメンだしね!
 まあ、麗には負けるけど♪」


男子三番・雨宮悠希
「え、俺麗には負けないけどなぁ。まあ朝比奈さんは麗一筋だから仕方ないか!
 麗一筋と言えば、池ノ坊もずっと麗と一緒にいるボディーガードみたいだね。
 あまり喋ったことないけど、律義な良いヤツってのはわかるよ!」


男子四番・池ノ坊奨
「ありがとう雨宮。自分は麗さんの傍にいるのが当然なんだ。
 咲良さんも自分と似た家の生まれ。昔から可愛らしくてとても優しい人。
 口下手な自分のことをわかってくれる人」


女子二番・上野原咲良
「奨くんにそういう風に思ってもらってたんだ、嬉しいな、ありがとう。
 千世ちゃんはとってもおっとりしてて、すごく癒されるの。
 ほんわかした関西弁も、とっても可愛いよ」


女子三番・荻野千世
「いややわぁ、上野原さんの方が万倍可愛いのに。
 川原くんはどこにいても聞こえるくらいおっきい声しとる。
 体育会とか球技大会とかって、川原くんのための行事やんなぁ」


男子五番・川原龍輝
「おっ、千世ってば言ってくれるなぁ、確かに俺のための行事だけどな!
 如月はなんかすっげー頭良いよな!!
 インテリ眼鏡美人!!…こんな風に書いて大丈夫なのか、俺」

心の中に渦巻き始めていた黒い靄を優しく包み消していくような柔らかく温かい声が永佳の名前を呼び、永佳は顔を上げた。
きっちりと着こなした制服、胸元まで伸びた艶やかな黒髪、小さな口とすっと通った鼻筋、大きく優しい瞳――クラスメイトでもあり部活仲間でもある上野原咲良(同・女子二番)がにっこりと笑みを浮かべて永佳を見下ろしていた。
初等部の頃から類い稀なる愛らしい容姿をしていた咲良は、今や中等部どころか高等部にまでファンクラブができている程異性からの人気が高く、帝東学院のマドンナと称されているのだが、当人は自分の人気の高さを自覚していない。

「ねえ永佳ちゃん、テニスコート行かない?
 さっき家庭科部にちょっとお邪魔して、マドレーヌ作ったの。
 帰りがてら、差し入れに行こうと思うんだけど」

「…行かない。
 咲良が1人で行ったらいいじゃない」

「そんなこと言わないで、お願い、ね?
 みんなで外で食べようよ。
 さっき華那ちゃんも食べてくれて、美味しいって言ってくれたから味は大丈夫!」

“華那ちゃん”――クラスメイトの佐伯華那(女子七番)は確か家庭科部に所属していたと記憶しているので、華那に頼んでお邪魔させてもらったのだろう。
のんびり屋でぼーっとしている印象しかない華那のことだ、何も深く考えることなしに咲良のお願いを受け入れたのだろう。

「…わかった、片付けるから待ってて」

永佳は諦めて画材を片付け始めた。
クラス内で一緒にいることはあまりないのだが、部活で付き合いを始めてから丸2年を超えたので、咲良のお願い事はやんわりとしているようで有無を言わせないところがあるためにどうせ断ることはできないことがわかっている。
それなら、早々に折れた方が時間を浪費せずに済むという話だ。
それに、咲良が永佳を誘う理由はわかっている。
ストレートに言えば永佳が意地になって拒否することを咲良もこれまでの付き合いで知っているから、わざわざお菓子を焼いて自分の用事を作りそれに永佳を連れて行く、という状況を作ったのだ。
そういう気遣いの出来る子なのだ、咲良は。

片付けを終えると、永佳と咲良は美術室を出た。
美術室のある校舎からテニスコートまでは少し離れているし、様々な部活動が終わる時間帯なので、歩いていると多くの人と出会う。
男子生徒の半分以上は、すれ違い様に咲良に声をかける。
さすがは男子生徒憧れの的。
愛らしい容姿に穏やかな性格で気配り上手、更に頭も良ければ運動もできるという、欠点らしい欠点のない神様に愛された子。
そんな咲良の隣を歩くのは、少し辛い。
襟足を長く伸ばしたツンツンとした漆黒の硬めの髪も、決して大きくないやや鋭い目も、中性的と言われる顔立ちも、全てを隠してしまいたくなるし、両耳に開けた沢山のピアスは馬鹿にしか見えないのではないかと思う。
強い光に当たれば当たる程濃い影ができるのと同様で、咲良の隣にいると自分の悪い面がより一層強調されてしまいそうで、自分のことが嫌になる。

どうやら川原龍輝(男子五番)が相葉優人(男子一番)の弁当のから揚げを無断で食べたらしく、優人が怒りの声を上げていた。
その様子を見て、雨宮悠希(男子三番)と内藤恒祐(男子十二番)と望月卓也(男子十七番)が机や手を叩きながら大笑いし、控えめな性格の田中顕昌(男子十一番)はおろおろとして止めようとしているがどうにもできず、集団のリーダー格である春川英隆(男子十四番)は苦笑いを浮かべて優人を慰め、日比野迅(男子十五番)は呆れ顔で龍輝を窘めていた。
クラスの中心で盛り上がるお気楽な集団。
たかがから揚げ一つでそこまで騒げるなんて、なんてお気楽でなんて幸せなの。

「うわぁ、麗さまのお弁当相変わらず豪華ぁ!」
「おせちみたいじゃねぇか、そんなん広げて嫌味かテメェ」
「は? 普通だろこんなの別に」
「普通じゃないでしょ、少なくともあたしらのみたいに冷凍食品とか入ってないよ! いいないいな、なんかちょうだいよ、麗!」

前方で騒いでいるのは、医療方面に特に大きな力を持つ城ヶ崎グループの跡取だという超が付くお坊ちゃんの城ヶ崎麗(男子十番)を取り巻く一団だ。
豪華な弁当を前に騒いでいるのは、麗の取り巻きたちの中の庶民幼馴染トリオの鳴神もみじ(女子十二番)・木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)だ。

「ちょっと、食事中に騒がしいですよ、埃が立つでしょう! これだから庶民は…っ!」
「君の声も大概騒がしいよ、高須」
「もー瑠衣斗くん、撫子に喧嘩売るのやめて。 ご飯は楽しく食べないと」
「咲良さんの言う通りです…」

騒ぐ3人を咎めたのは黙っていれば大和撫子という言葉が相応しい出で立ちなのだが非常に気の強い高須撫子(女子十番)。
その撫子に静かに意見した真壁瑠衣斗(男子十六番)は中等部からの入学以来ずっと学年首席の座を守り続けている天才だ。
2人を宥める上野原咲良(女子二番)と池ノ坊奨(男子四番)は幼い頃からずっと麗に付き従ってきており、まるで麗の家来のように見える。

恐らく何不自由ない裕福な家で生まれ育った麗、奨、咲良、撫子と、類い稀なる頭脳を持って生まれた瑠衣斗、部活ではそれぞれエース級の活躍をしているという健太、紗羅、もみじ――誰も彼も、幸せに満ちた顔をしている。
きっと彼らにとっては極道の抗争なんてドラマの世界でしか起こり得ない出来事だと思っているのだろう。

どうやら川原龍輝(男子五番)が相葉優人(男子一番)の弁当のから揚げを無断で食べたらしく、優人が怒りの声を上げていた。
その様子を見て、雨宮悠希(男子三番)と内藤恒祐(男子十二番)と望月卓也(男子十七番)が机や手を叩きながら大笑いし、控えめな性格の田中顕昌(男子十一番)はおろおろとして止めようとしているがどうにもできず、集団のリーダー格である春川英隆(男子十四番)は苦笑いを浮かべて優人を慰め、日比野迅(男子十五番)は呆れ顔で龍輝を窘めていた。
クラスの中心で盛り上がるお気楽な集団。
たかがから揚げ一つでそこまで騒げるなんて、なんてお気楽でなんて幸せなの。

「うわぁ、麗さまのお弁当相変わらず豪華ぁ!」

「おせちみたいじゃねぇか、そんなん広げて嫌味かテメェ」

「は? 普通だろこんなの別に」

「普通じゃないでしょ、少なくともあたしらのみたいに冷凍食品とか入ってないよ!
 いいないいな、なんかちょうだいよ、麗!」

前方で騒いでいるのは、医療方面に特に大きな力を持つ城ヶ崎グループの跡取だという超が付くお坊ちゃんの城ヶ崎麗(男子十番)を取り巻く一団だ。
豪華な弁当を前に騒いでいるのは、麗の取り巻きたちの中の庶民幼馴染トリオの鳴神もみじ(女子十二番)・木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)だ。

「ちょっと、食事中に騒がしいですよ、埃が立つでしょう!
 これだから庶民は…っ!」

「君の声も大概騒がしいよ、高須」

「もー瑠衣斗くん、撫子に喧嘩売るのやめて。
 ご飯は楽しく食べないと」

「咲良さんの言う通りです…」

騒ぐ3人を咎めたのは黙っていれば大和撫子という言葉が相応しい出で立ちなのだが非常に気の強い高須撫子(女子十番)。
その撫子に静かに意見した真壁瑠衣斗(男子十六番)は中等部からの入学以来ずっと学年首席の座を守り続けている天才だ。
2人を宥める上野原咲良(女子二番)と池ノ坊奨(男子四番)は幼い頃からずっと麗に付き従ってきており、まるで麗の家来のように見える。

恐らく何不自由ない裕福な家で生まれ育った麗、奨、咲良、撫子と、類い稀なる頭脳を持って生まれた瑠衣斗、部活ではそれぞれエース級の活躍をしているという健太、紗羅、もみじ――誰も彼も、幸せに満ちた顔をしている。
きっと彼らにとっては極道の抗争なんてドラマの世界でしか起こり得ない出来事だと思っているのだろう。

零した。
余談だが、早稀は校内にいる様々なカップルたちを日々観察しているが、健太と上野原咲良(女子二番)のカップルは早稀内ベストカップル賞に輝いている。
一般庶民と超お嬢様、身分の違いを超えた2人の仲睦まじい姿は見ていて心が温まるし、口が悪いところもある健太が咲良の前ではとても優しくなるのは、それ程までに健太が咲良を想っているということがわかり好感が持てる。

とりあえず、葉瑠の言う“イケメン”の基準は、どうやらギャップのある意外に可愛らしい男子であるかどうかが重要視されているらしい。
だが、この基準が満たされるかどうかを知るには、相手をよく知らなければならない。
葉瑠は人を深く知ろうとする意欲がある。
相手のことを表だけではなく全て見ようとする姿勢は誰にでもあるようなものではないので、それを当然のようにできる葉瑠は素敵な才能を持っているのかもしれない。
個性的で恋人もいないという葉瑠だが、いつか葉瑠をわかってくれる人はできるだろうし、その人は葉瑠のこういう面を大切にしてくれるのだろう。

まあ、その候補といえば――

「ところで葉瑠。
 その“イケメン”に優人は入らないの?」

「優人ぉ?
 ないない、アイツは絶対ないってー!」

葉瑠はけらけらと笑った。


「そんな全否定しないでよ葉瑠ーっ!!」


葉瑠の背後に現れた影に、早稀と葉瑠はぎょっとした。
早稀が見上げ、葉瑠が振り返った先には、早稀が先程名前を挙げた相葉優人(男子一番)が今にも泣き出しそうな表情を浮かべて立っていたのだ。
バスケットボール部に所属している優人は、プレイ中の真剣な表情は非常にかっこいいと評判なのだが、部活中以外では常に身に付けている青縁の伊達眼鏡が彼の日頃のお茶らけた性格を助長しているように見える。
この優人は女子に対しては非常に照れ屋なのだが、何故か葉瑠に対しては積極的で、いつも「葉瑠大好きー!!」と叫んでスキンシップを求めているのだ。
全て葉瑠にかわされてしまっているが。

「げっ、優人、何でこんな所にいるのさ!」

「そりゃあ俺の葉瑠レーダーがビビッと反応したっつーか!
 ねーねー、これも運命だって、一緒に帰ろーっ!!」

「どうせ偶然見つけたんでしょうが、運命じゃないっての!
 じゃあ校門まで一緒に帰ってバイバイしよ、どうせ逆方向じゃん。
 じゃ、これうるさいから連れて行くわ、また明日ね、早稀」

「ああっ、葉瑠酷い…でもそこがまた良いよねっ!!」

「うーるーさーいっ、くっつくな鬱陶しい!!」

早稀が口を挟む隙間もない程に言葉の応酬を繰り広げながら、葉瑠と優人は校門の方に向かって行った。
2人がいなくなった後は、まるで嵐が過ぎ去ったあとのようだ。

「何か一気に静かになったな」

早稀はぴくっと肩を震わし顔を上げ、満面の笑みを浮かべた。
優人があまりに騒がしくて全く発言をしなかったが、優人には連れがいたのだ。
早稀は立ち上がると眼前にいる日比野迅(男子十五番)にぎゅうっと抱きついた

それぞれ手に地域限定のお菓子を持った上野原咲良(女子二番)と真壁瑠衣斗(男子十六番)が、バス酔い対策を話し合ってくれていた。
咲良は類い稀なる愛らしい容姿と誰にでも優しい性格で異性人気が非常に高い帝東学院のマドンナ的存在だ。
ここに入る前にちらっと姿が見えた時には、同じサービスエリアに居合わせた他の学校の修学旅行生に声を掛けられていたが、咲良の隣にいた強面で大柄の池ノ坊奨(男子四番)にじろっと一瞥されて彼らはそそくさと逃げて行ってしまっていた。
まるで奨は咲良のボディーガードのようだった(実際は幼馴染らしいのだが)。
本当なら恋人の健太が護ってやるべきだと思うのだが、小さな健太が睨みをきかせてもあまり効果はなかったようだ、お気の毒に。
瑠衣斗は学年一の天才児で、あらゆる試験で常に学年トップの座をキープしている。
表情を表に出さないことが多いのだが、何故か卓也を見る目つきは他の者を見る時とは違い嫌悪感が滲み出ている。
その理由は卓也には見当もつかないので、対処のしようがない。

「あれ、咲良ちゃん…お宅のキングは?」

卓也の問いに、隣にいた英隆がぷっと噴き出した。
咲良も一瞬きょとんとしたが、すぐに可笑しそうにしかし上品に微笑むと、店の奥の方の他校の女子の集団を指差した。

「相変わらずの人気だね、会長は」

「お前が言うな、ヒデ、お前も似たようなモンだろ。
 てか麗サマ女子に埋もれてんじゃん」

女子の集団の中から覗いている茶髪は明らかに城ヶ崎麗(男子十番)のものなのだが、麗は常に満ち溢れる自信とエベレスト級のプライドの持ち主ながら身長は決して高くないので、その顔は卓也たちからは確認できない。
帝東学院中等部の生徒会長でもあり卓也や健太が所属するテニス部の部長でもある麗は、生まれつきの茶髪と白皙の肌と赤みがかった目が特徴的で、口許のほくろが非常に端正な顔立ちに更に色気をプラスさせていることもあり、女子人気は非常に高く今もその容姿に魅かれた他校生に捕まっているのだ。

麗には、カリスマ性が備わっていると卓也は思っている。
卓也は部活での付き合いがあるのだが、彼以上に部長らしい部長はいないと思うし、いつでもつい姿を追ってしまう。
咲良と奨は幼い頃から常に麗の傍から離れないし、紗羅は『麗に憧れて入学した』と豪語しているし、もみじは異様なまでに麗に心酔しているし、健太は麗をライバル視しながらも常に行動を共にしているし、深い人付き合いをしなさそうな瑠衣斗ですら常に麗に付き従っている。
それぞれが、麗に対し何かを感じているのだろう。

「城ヶ崎さん、何をされているんです?
 そんな庶民たちの相手をされるなんて、やはりお優しいですね」

麗に群がる女子たちの間に割って入り麗の腕を引っ張ってその中から救い出したのは、麗を取り巻くグループの最後の1人、高須撫子(女子十番)だ。
麗に群がっていた女子たちが非難の声を上げるが、撫子に勝ち誇った笑顔を向けられると萎縮し、そのままどこかに行ってしまった。
撫子は華道の家元を祖母に持つお嬢様で、艶やかな長い黒髪に上品な言葉遣いと物腰、狐のように吊り上がった目元にキツさを感じるが“大和撫子”と呼ぶに相応しい咲良とは違うタイプの容姿に恵まれた女の子なのだが、恐らくこのクラスで最も家柄に対する偏見が酷い。

麗は季莉から情報を受けるとすぐに上野原咲良(女子二番)を呼んだ。
咲良は麗とは幼馴染であり、家柄の話をすると昔は主君と家臣の関係だったという話を聞いたことがある。
麗の左隣の席であることもあり、咲良を起こしに掛かったのだろう。
間もなく寝ぼけたほわほわとした声で「麗くん…?」と呼ぶ咲良の声が聞こえた。

「咲良、ここは教室で席の並びは普段と同じらしい、周りの奴を起こせ。
 電気のスイッチはどこだろうな…紗羅、芳野!!」

麗は今度は廊下側の最前列の席である朝比奈紗羅(女子一番)と芳野利央(男子十九番)を呼んだ。
紗羅も麗の取り巻きの1人であり、季莉とは波長が合うので仲が良い。
利央は学級委員長で、寡黙ではあるが文武両道である点を麗は認めているらしく、自身のライバルだと公言している。

「ん…麗…?
 あれ、あれあれ、あっれ、何これ、どういう状況!?」

目が覚めららしい紗羅が騒ぎ出した。

「紗羅、ここは俺らの知らない場所だけど多分教室だ。
 前の方に電気のスイッチがないか確認してくれないか?
 足元に気を付けろよ?」

「オッケー!
 瑠衣斗、ねえ瑠衣斗アンタ起きてる!?
 電気のスイッチ探すから手伝ってよ!!」

紗羅は自分の後ろの席にいる真壁瑠衣斗(男子十六番)に声を掛けた。
瑠衣斗は紗羅と同じく中等部から帝東学院に入ってきたのだが、入学以来学年首席の座を一度たりとも手離していない優等生だ。
固い表情を崩すことがほとんどないので、季莉はあまり好きではない。
瑠衣斗も麗の取り巻きの1人であり、紗羅とは数ヶ月付き合った後別れたそうだが今では無二の親友のようで、瑠衣斗は紗羅を相手にしている時だけは表情が緩み笑顔を見せることもある。

どたんっと何かが倒れる音がし、「え、瑠衣斗アンタ転んだ!?大丈夫!?」という紗羅の声が聞こえた後、天井の蛍光灯に灯りがともった。
頭はいいが運動能力は破滅的にない瑠衣斗が床に倒れており、紗羅はその腕を掴んで起こそうとしていた。
スイッチに触れたのは、声は一切聞こえなかったが起きていたらしい利央だった。

ようやく全体を確認することができるようになり、季莉は辺りを見回した。
麗が大声を上げたり紗羅が騒いだりしたこともあり、また周りが明るくなったこともあり、半数以上が目を覚まして身体を起こし、それぞれが不安げな表情で辺りを見回しては近くの席の人と話をしていた。

「季莉…これ、何、どういうこと…?」

ようやく目覚めた早稀が、困惑した表情で季莉を見つめた。
いつも明るい笑顔を浮かべているイメージが強い早稀だが、さすがにこのわけのわからない状況は不安なようだ、当たり前だし季莉も同感だが。
その早稀の首元に、ふと視線が止まった。
赤みの強い茶色に染められたショートヘアなのですっきりと見えている早稀の首元に、見慣れない銀色の物体が巻き着いているのに気付いたのだ。

男子10番須王 拓磨 (すおう たくま)
支給武器チェーンソー
被害者奥村秀夫(男子3番)/霧鮫美澪(女子4番)/剛田昭夫(男子8番)/野村信平(男子18番)/坂東小枝(女子17番)/辻本創太(男子12番)/新城忍(女子9番)
加害者名城雅史(男子16番)
行動経緯山中を息を切らしながら歩いてきた奥村秀夫(男子3番)を見つけ、すぐに襲撃を開始。チェーンソーで首を切り落とし殺害。
次に優勝候補の一人でもある、同じく不良の霧鮫美澪(女子4番)と戦闘。勝利はするものの、顔右半分に、希硫酸による火傷を負うこととなる。
さらに剛田昭夫(男子8番)と野村信平(男子18番)の剣道部コンビを発見。さっそく襲撃を開始する。
戦闘力に定評のある昭夫となかなかの良い勝負を展開するが、汚い手段で勝利をもぎ取る。
怯える信平を楽しみながら殺害。
しばらく後に、坪倉武(男子13番)を追跡している新城忍(女子9番)の姿を発見し、すぐさま追跡する。すると偶然にも忍が武を殺害する現場を目撃。
体力を使い切った忍を追い詰めるも、まんまと逃げられてしまう。
山中をさまよっている内に、坂東小枝(女子17番)を捕まえることに成功するが、そこに現れた柊靖治(男子19番)に銃口を向けられ、小枝を離すように命じられる。しかし上手く靖治を騙し、小枝を殺害。銃を持つ靖治からの逃走にも成功。
かなりの時間が経過した頃、C?5地点のスーパーマーケット内で辻本創太(男子12番)と戦闘。意外にてこずらされ、負傷するものの、なんとか殺害することに成功。
その直後、怒る新城忍と再会し、前回決着がつかなかった戦いに幕を下ろすべく衝突。あわや敗北かという苦戦を強いられることとなるが、悪運に助けられ、なんとか勝利をもぎ取った。
さらに山中へと入っていった彼は、剣崎大樹(男子7番)と名城雅史(男子16番)と石川直美(女子1番)を発見。
奇襲を仕掛けた彼は、先ず直美を崖下へと突き落とし、大樹と激しい格闘を展開するも、一度敗れてしまう。しかし、須王がまだ生きていると知らずに隙を見せた大樹に襲い掛かり、まんまと人質にする事を成功させるが、最後は雅史に大樹ごと撃たれて死亡した。
その他生まれつき右の目は失明していたらしい。
素行が悪く、ありとあらゆる悪行に手を染めており、プログラム開始以前にも5人の命を奪っている。
両親は政府のお偉いさん。
身体のありとあらゆる臓器の場所が、常人とは左右対称となっている。

周りのクラスメイトたちが息を呑むのが空気で伝わってくる中、城ヶ崎麗(男子十番)は小さく溜息を吐いた。
修学旅行に行く途中に睡眠ガスで眠らされ、謎の首輪を付けられて見知らぬ教室に閉じ込められた現状――麗は1つの大きな可能性としてプログラムを予見していた。
その考えをクラス全員の前で披露するわけにはいかなかったので(プログラムかも、だなんて死刑宣告のようなものだ、言えるはずがないだろう?)、真壁瑠衣斗(男子十六番)や芳野利央(男子十九番)に話したところ2人は大きく動揺していたが(瑠衣斗の驚いた顔や、利央の慌てた声――あまりにレアなものを目にしたので、こんな状況じゃなければ笑っていただろう)、2人共心のどこかに「もしかしたらそうではないか」という考えを持っていたらしかった。

戦闘実験、通称“プログラム”。
小学4年生の社会の教科書に登場するし、国語辞典の“プログラム”という項目にも載っているし、ローカルニュースでも年に数回その話題が出るので、大東亜共和国に住む者なら知らない人などいない。
全国の中学校から任意に選出した3年生の学級内で生徒同士を戦わせ、生き残った1人のみが、家に帰ることができる、わが大東亜共和国専守防衛陸軍が防衛上の必要から行っている戦闘シミュレーション。
それが、戦闘実験第六十八番プログラムだ。

しかし、教壇に立つ男は、“戦闘実験第七十二番”と告げた。
麗が知っているプログラムとは違うものなのだろうか。
例えば戦闘実験だからさすがに戦闘はするだろうが命懸けではないとか――いや、あの男は『殺し合いをしてもらう』と言っていたのでそれはないか。

「あ、そういえば自己紹介してなかったっけなぁ。
 俺、今日からみんなの担任の先生になったんよ。
 気軽に、“ライド先生”って呼んでくれてええからな?」

男はライドと名乗り、妖艶という言葉が似合いそうな笑みを浮かべた。
中性的でどこか大東亜人離れした目鼻立ちとそれに似合う肩よりも下まで伸ばされた髪は、こんな状況でなければ女子は見惚れてしまうのではないだろうか。
ややのんびりとした関西弁は、中等部に入るまでは関西の小学校にいたというクラスで唯一関西弁を話す荻野千世(女子三番)にどこか似ていた。

「それから、右からシンちゃん、エッちゃん、アッキー。
 みんな俺の仲間やねん、まあ立場的には俺の助手みたいな?」

「ライド、紹介の時はあだ名で呼ばんといて、空気台無しやん。
 俺はエツヤ、あっちがシンでこっちがアキヒロ」

“エッちゃん”と呼ばれたライドの隣にいたエツヤが改めて紹介した。
こちらも整った顔立ちをしているが、髪には羽根を模したようなアクセサリーを付けていたり厚底の靴を履いていたり、何より他の3人が黒を基調とした服装だというのに1人だけ赤を基調とした派手な服を着ているので最も目立っている。
ライドにツッコミを入れたあたり、根は真面目なのかもしれない。

その隣にいるシンと紹介された男は4人の中では最も背が高い(とは言っても、目算で瑠衣斗と同じくらいなのではないだろうか。身長170cmの瑠衣斗はこのクラス内では平均的な身長なので、シンも周りが低いから高く見えるだけのようだ)。

薄く髭を生やしているので他の面々と同年代だろうということは見て取れる。
咥え煙草をしているのだが、今は火を点けていない。

麗から見て真ん前に立つアキヒロと呼ばれた男はライド程ではないが小柄で線も細く、一見掴み掛かれば勝てるのではないかと思わせる。
しかし、眉ひとつ動かさずに吊り上がり気味の目で教室を見回すその様子から、他の3人同様に只者ではないというオーラを感じる。

「すみません、“担任”というのはどういう意味ですか?
 私たちの担任は塚村先生のはずですが」

麗の2つ右隣の席の如月梨杏(女子四番)が手を挙げつつ質問をした。
銀縁の眼鏡と赤いカチューシャで飾っただけの漆黒のストレートヘアにきっちりと着こなされた制服からその几帳面さが見て取れる梨杏は、非常に成績優秀であるがそれ故に周りの人間を見下した態度を取っており、梨杏に一歩届かない麗もその対象であるために梨杏のことはあまり好きではない。
もっとも、このような状況で普段の授業中に教師に質問するのと変わらない様子で発言をする度胸は、感服せざるを得ない。

「あー、塚村先生?
 先生は話したら快諾してくれて、みんなを見送って家に帰ったと思うけど?
 『生徒たちをよろしくお願いします』ってお願いされたなぁ。
 いやー、生徒思いの良い先生やね」

塚村景子教諭を思い浮かべ、麗は再び溜息を吐いた。
生徒同士が殺し合わなければならないというプログラムに自分の担当する生徒が選ばれて、そんな薄情なことが言えるものなのか。
もちろん、彼女には彼女の家族がいて生活があるのだから国に逆らってでも反対しろとは言えないが(この大東亜共和国という国は、逆らう者は一般市民であろうが射[ピーーー]ることも珍しくないのだ。所詮赤の他人である生徒のために命を落とせ、などとは流石に言えない)、もう少し何か言ってくれてもいいのではないだろうか。

「あ…あの…っ!!」

梨杏の隣、今度はクラス内で2番目に小柄な山本真子(女子十九番)が声を上げた。
左側のサイドポニーが小刻みに揺れているのが麗からも確認できる程に真子はガタガタと身体を震わせており、いつもの明るさは見る影もない。

「お…お父さん…あたしのお父さんは良いって言ったんですか…?
 お、お父さんは、国会議員で…それで…」

「それで、何?」

ライドに切り返され、真子はびくっと一層身体を震わせた。

「そんなん言うたら、このクラスの親御さんはスター揃いやん。
 でも、プログラムは抽選で選ばれるんやから、親がどうとか関係ないねん。
 身分もなんも関係あらへん。
 …まあ、一応親御さんの話が出たから言っとくと、ちゃんとご家族には連絡して、
 ちゃんと了承得てるから安心してくれてええよ。
 大丈夫、反対して向かってきた人もおったけど、全治一週間くらいの怪我や。
 まあ流石に処刑とかできる身分ちゃう人もおるからなぁ。
 いやー…結構プレッシャーやったよな、シンちゃん」

「せやな、ドッキドキもんやったわ。
 めっちゃでかい家も多かったもんなぁ…監視カメラとかついてる家もあるし。
 家の門から玄関までの距離が恐ろしく長い家もあったしなぁ。
 俺もあんな家住んでみたいわぁ」

ライドとシンのやり取りに、真子はもう何も言えず俯いており、その頬を伝った涙がぽとりぽとりと机に水溜りを作っているのが確認できた。

前にいる朝比奈紗羅(女子一番)は眼前にいるシンを睨み付けており、強気な紗羅らしいと思ったが、その胸の内は不安で一杯なのだろう。
真子の後ろの席に座る木戸健太(男子六番)も紗羅と同じようにシンを睨み、紗羅以上に怒りの感情を露わにしていた。
その後ろにいる鳴神もみじ(女子十二番)は幼い頃からの付き合いである紗羅や健太とは違い怯えの表情を浮かべていたが、麗と目が合うと無理矢理作った笑顔を浮かべて「大丈夫だよ」と口パクで伝えてきた。
視線を左側に移す。
池ノ坊奨(男子四番)は麗より前にいてその表情が確認できないが、心優しい奨のことだ、胸を痛めているだろう。
左後方にいる高須撫子(女子十番)の方を見ると、撫子はライドをじっと見ていたので必然的に麗と目が合い、端正な顔を悲しげに歪めた後麗から視線を逸らした。
そして、左隣の上野原咲良(女子二番)は俯いており、長い髪でその横顔の大半は隠され表情は確認できなかった。
プログラムということは、いつも一緒にいた仲間たちとも戦わなければならないのだろうか――いや、そんなことが、できるはずがない。
大体“戦う”とはどのような手段で戦うというのか。
まさか、殴り合い?――そんな野蛮な。

「じゃ、ルール説明するからよく聞いてな。
 なんせ七十二番は初の試みやから、俺もごっつ緊張してんねん。
 わからんことは後で質問の時間作るから、そこでまとめて訊いてな?」

ライドはパンツの後ろポケットから紙を取り出し、それを広げて教卓に置いた。
恐らくそこにはルールが書かれているのだろう。

「えー、まず、今回のプログラムはチーム戦。
 4人1組のチームで戦ってもらうことになんねん。
 で、最後の1チームになるまで戦ってもらう…って感じやな。
 みんなの知ってるプログラムは“最後の1人になるまで戦う”ってモンやろうから、
 そこが今回大きく違う点になるな。
 あ、ちなみにそのチームってのはこっちで決めさせてもらってるからな。
 男女比が丁度やから、バランス良く男子2人女子2人のグループになってるから」

“チーム戦”という言葉に、麗を含めた多くのクラスメイトたちが反応を見せ、教室内の空気がざわついたように感じた。
学校で習った、もしくは常識として知っているプログラムでは、周りは全て敵になっていただろうが、今回のルールでは仲間がいるという。
これは大きい。
仲の良い人とチームになれたら――しかし麗は歯を食いしばった。
麗はいつも8人で行動を共にしている、それはつまり少なくとも4人は仲間にはなれないということになり、チーム構成によってはやはり全員が敵になってしまうのだ。

同じことを思ったのか、右に座る財前永佳(女子六番)が舌打ちしたのが聞こえた。

そして、このチーム戦とやらのルール。
リーダーは他のメンバーの命も背負っているということになる、これはリーダーの精神的負荷はかなりのものになるだろう。
逆に、これはあまり考えたくないことなのだが、他のチームを倒さなければならない状況に陥った場合はリーダーを狙うのが最も効率的(酷い言葉だ)ということになる。

「ただし、リーダーが死んでもメンバーの首輪が爆発しない例外があんねん。
 リーダーが同じチームのメンバーに殺された時は、首輪は爆発しない。
 その場合、リーダーを殺害したメンバーが新しいリーダーになる。
 名付けて、“下剋上ルール”や、かっこいいネーミングやろ?
 これはチームの中で1回限りとちゃうから、何度でも起こるかもしれんからな」

ぞっとした。
これでは、チームメイトは必ずしも心強い味方だとは言えない。
例えばチームメイトからの信頼を勝ち得なかったリーダーは、寝首を掻かれる可能性があるのだ。
それが何度でも繰り返すことが可能なら、酷いチームであれば、リーダーを殺害して新たなリーダーになった人間が更に別のメンバーに殺害され、次のリーダーもまた、という恐ろしい悪循環になるかもしれない。

「それを踏まえてもらったら、基本的には何をしてもらっても構わへんよ。
 ここは後で説明するけど都内の離島なんやけど、人の家に勝手に入っても良い、
 物取っても、何か壊してもても、誰も何も文句言わん。
 人を騙しても、罠に掛けても、信じても裏切っても、何でもアリや。
 チーム同士同盟組むのも別に構わへんし、チーム内で別行動するのもアリ。
 あ、ただし、当然やけどこの島から出るのは禁止な。
 さっきちょっと触れたけど、みんなに付けてもらってるその首輪。
 それはかなり高性能で、みんなの位置をこっちに教えてくれる機能もあるんや。
 不穏な動きを見せるようなら、こっちから電波を送って爆破することもできるから」

成程、こちらの動きは監視されているというわけか――戦闘実験という名前なのだから、当然といえば当然だろうが。
同盟を組むのがありということは、必ずしも他のチームと敵対する必要はないということになるのか――麗は少しだけほっとした。
もちろん、最終的には敵に回さなければならないのだけれど、遭遇即戦闘しなければならないというわけではないのはありがたい(まあ、そもそもプログラム事態が全くありがたくない代物なのだけれども)。

「プログラムの終了条件は、全部で3つ。
 1つは、最後の1チームだけになった場合。
 もう1つは、生き残りがリーダーだけになった場合。
 あ、この“リーダー”は、下剋上でのし上がったリーダーも含めるからな。
 そして最後は、最後の死亡者が出てから24時間誰も死ななかった場合。
 この最後の場合は、残っている全員の首輪に電波を送って爆破するからな。
 つまり、優勝者は無しってことな」

不成立だ、ということなのだろう。
クラスメイト同士の殺し合いなんておかしい、と考えるのは麗だけではないだろうが(むしろほぼ全員がきっとそう思っているはずだ)、この制約がある以上全員が集まって話し合う、という考えは通用しないということになる。

優勝条件は、シンプルなようでいてその実かなり複雑だ。
チームで協力すればいいというだけではない。
何らかの形でリーダーたちが結託すれば、メンバーにとっては他のチームだけでなく自分のチームのリーダーすら敵になりえてしまうのだ。
大きな精神的負荷を負うリーダーに対する配慮としてのルールなのかもしれない。
しかし、“下剋上ルール”とやらによりリーダーもチームメイトに命を狙われる可能性があるのだから、お互い様だとも言える。
チーム戦だが、結局は全員が敵になりかねない、ということだ。

「もちろんみんなにその辺に転がってるモンで戦え、とは言わん。
 みんなには、出発する時に必要な物を入れたデイパックを配る。
 エッちゃん、シンちゃん、持ってきて」

ライドに指示されたエツヤとシンが廊下に一旦出ると、黒いデイパックが大量に載った大きなカゴ車を2人がかりで教室に入れた。

「中には、水と食料、地図、コンパス、腕時計、懐中電灯、そして武器が入ってる。
 武器は、同じ物は入ってなくて、ほんま様々や。
 例えば銃とかナイフみたいなモンから、武器とは言えないモンまで…
 これは適当に配るから、何が当たるかは運次第ってことやな。
 あ、あとさっき言ってたルール説明書も入ってるから、各自確認しといてな」

確かに、積まれたデイパックの中には大きく出っ張った物もいくつかある。
それにしても、銃やナイフが配られるということは、本当にそれらを使って殺し合いをしなければならないということであり、プログラムに選ばれたことを今までよりも実感せざるを得なかった。

「お……おかしい…よ……こんなの……ッ」

不意に声が上がり、麗はカゴ車から声のした方へと視線を移した。
麗の2つ前に座る田中顕昌(男子十一番)がふらふらと立ち上がっていた。
地味で大人しく、普段の授業中には積極的に発言をしない顕昌が声を上げるだなんて非常に珍しいことで、それは顕昌の斜め後ろに座る親友の雨宮悠希(男子三番)ですら驚愕の表情で顕昌を見上げていることが物語っていた。

「えー…田中君?
 質問タイムはまだやねんけど――」

「し、質問というか…お、おかしいですよ、こんなの…!!」

顕昌は震える声で叫ぶと、ぐるりと回れ右をし、教室を見渡した。
その顔は蒼白で、元々垂れ下がった目は一層目尻が下がっているようにも見え、その目からはぼろぼろと涙を流していた。

「ねえ、みんな、何で…黙って聞いてるの…!?
 この人た、ち、俺たちに、殺し合えって…そんなこと言ってんだよ!?
 へ、変だよ…こんなの!!
 お、俺…俺はやらないよ、絶対にやらない、できるわけない!!
 みんなも、やらない、よね!?」

ああ、なんて勇気のあるヤツなんだろう。

麗は今まで田中顕昌という人間を見くびっていたのかもしれない。
ただの大人しい地味で目立たないヤツだと思っていたのだが、こんな所ではっきりと自分の意見が言える度胸があり、そして心優しいヤツなのだ、顕昌は。
そうだ、顕昌の言う通りだ。
何を大人しく聞いていたのだろう。
そもそも大前提として、殺し合いなんておかしいことなのだ。
素直に従ってやる義理などない。

よく言った、田中!

賛同の意を表しようとした、その時だった。
顕昌の向こう側、アキヒロが動くのが見えた。

「ふーん、やらないの、君。
 じゃあ、ここで[ピーーー]ば?」

淡々とした冷たい声。
アキヒロの手に握られた黒い何か――それは、今まで映画やテレビといった画面の向こう側でしか目にしたことのなかった、拳銃。

「田中、危ないッ!!」

麗は立ち上がり声を荒げた。
しかし、麗は、重要なことに気付いた。
麗は顕昌の2つ後方の席――そう、アキヒロの銃口の先に、麗自身もいたのだ。

咲良の声が聞こえたと同時に、麗は咲良に突き飛ばされて永佳の席に突っ込んでいた(それを永佳は受けきることができず、2人はもんどり打って床に倒れ、まるで麗が永佳を押し倒したようになってしまった。――ああ、確かコイツは望月卓也(男子十七番)と付き合っていたな、悪いことをしてしまった)。
起き上がる間もなく数度響いた銃声、上がる悲鳴、足音と机や椅子が動く音。

「アッキー、そんな撃つことないやんかー」

シンの場違いな程に穏やかでまったりとしたテノールボイスによりアキヒロの攻撃が止んだことにようやく気付き、麗は顔を上げた。
押し倒した際に頭突きをしてしまっていた永佳に小さく謝罪をしてから振り返り――目を見開いた。
アキヒロの銃口から麗を逃がした咲良が、左腕を押さえて座り込んでいた。
白い右手を汚しているのは、真っ赤な液体――血だった。

「咲良…ッ!!」

急いで咲良に駆け寄ると、咲良は苦痛に歪めていた顔に無理に笑顔を浮かべ――無理をして浮かべている笑顔なのにそれでも愛らしく見えてしまうのが咲良の凄いところだ――ほっと息を吐いた。

「麗くん、怪我はない…よね…良かったぁ…」

「馬鹿、お前が怪我してんだろうが!!」

「あたしはいい、いいの…麗くんが怪我してないなら、それで、あたしは…」

いいはずがあるものか。

確かに、幼い頃に親や祖父母から聞かされていた城ヶ崎家の歴史によれば、城ヶ崎家はかつては大東亜の土地に数多くあったとされる国々のうちの1つの国主の家柄で、その頃から、いやそれ以前から城ヶ崎家に仕えてきた家が2つあったという。
その2つの家は、現在までずっと城ヶ崎家と共にあり、有事の際には城ヶ崎家を最優先に護ることが現在も家訓であるとされているという。
その末裔が、池ノ坊家の奨と、上野原家の咲良。
つまり、奨と咲良は、常に麗と共にあり、万が一の時にはその身を投げ打ってでも麗を護ることを幼い頃から両親祖父母らに口酸っぱく言われてきたのだろう。

しかし、麗はそんなことを望まない。
麗にとって、奨と咲良は幼い頃からずっと共にいた親友であり仲間なのだ。
麗を護るためだと言って奨や咲良が傷付くことを、良しとできるわけがない。

特に咲良は、俺にとって、ただの親友じゃねえ…
俺はずっとずっと、ガキの頃から、咲良を――

いやともかく、あのアキヒロという男は、咲良を傷付けた。
赦せるはずがない。

「テメェ、咲良に何しやが――」

麗はアキヒロを睨みつけるために教室の前方に顔を向け――目を見開いた。
がたがたに動かされた机や椅子の脚の間から見えているものに目を奪われ、それが何かということを一瞬判断ができず(いや、もしかしたらわかっていたのかもしれないけれど、脳が認めることを拒否したのだと思う)、ようやくその正体を理解した時、咄嗟に咲良の頭を抱えるように手を伸ばし顔を麗の胸に埋めさせた。

田中顕昌(男子十一番)の突然すぎる死に、教室内にはいくつもの悲鳴が重なり合って響き、黒板の前に並ぶ政府の人間たちから少しでも離れようと自分の席を放棄して教室の後ろ側にクラスメイトの大半は逃げて恐怖に顔を引き攣らせている。
木戸健太(男子六番)も自分の後ろの席に座る幼馴染の鳴神もみじ(女子十二番)の手を引きながら後方に下がり、同じように朝比奈紗羅(女子一番)を連れてきた真壁瑠衣斗(男子十六番)と共にもみじと紗羅を隠すように立ち、ライド(担当教官)たちを睨みつけた。

中には、動かないまたは動けない者たちもいた。
友人が射殺される瞬間を間近で見てしまった平野南海(女子十四番)や雨宮悠希(男子三番)は腰を抜かしてしまい、その場にへたり込んでしまっていた。
アキヒロ(軍人)が放った銃弾のうちの1つが自らの机に着弾した鷹城雪美(女子九番)は座ったままじっと穴の開いた机を見つめており、隣の席の榊原賢吾(男子七番)の声にも無反応だった。

そして、健太たちをいつも引っ張っているリーダーの城ヶ崎麗(男子十番)。
麗の幼馴染であり、健太の彼女である上野原咲良(女子二番)を護るように抱き締めながら、ライドたちの動きをじっと見て警戒心を露わにしている。
近くの席の池ノ坊奨(男子四番)と高須撫子(女子十番)も2人の傍に寄り添い、やはりライドたちの動きを警戒しているようだった。

「さ…咲良…怪我してるよね…大丈夫かな…」

紗羅が後ろで不安げに呟いた。

そう、咲良は怪我をした。
アキヒロが銃を構えた瞬間、咲良は躊躇なく麗を護るために動いたのだ。
一歩間違えれば、今頃顕昌と同じ運命を辿っていたかもしれないというのに。

『上野原家の代々の家訓でね、“城ヶ崎家を守る”っていうのがあって。
 奨くんの家のも同じような家訓があるの。
 まあ、平和な今の時代に言われても、あまりピンとは来ないんだけど』

いつだったか、咲良はそう言って笑っていた。
しかし、咲良は動いた。
それは家訓が身に染みついていたのか、代々城ヶ崎家に仕えてきた上野原家の血がそうさせたのか――いや、咲良のことだから、そんな建前など関係なく、友人を護るために気が付いたら身体が動いていたのだろう。
それが、健太が心惹かれる上野原咲良という人間だ。

そんな咲良を護るのは自分であるべきなのに、今咲良を抱き締めているのは、麗。
健太よりもずっと長い間咲良を傍に置いていて。
健太が生まれるずっと昔から血で結ばれた関係があって。
2人の関係には、健太も立ち入ることはできなくて。
しかも誰がどう見ても、咲良と麗はお似合いで。
麗は健太より頭が良くて、運動ができて、テニスも上手くて、容姿も良くて、家柄も良くて――何一つ敵うことがない大きな壁だ。

千尋「というわけで始まりました、@とStar☆Dustの座談会だよん♪ inマクド!」

栄「前も言ってたじゃん『というわけで』! 何回目よ?」

千尋「多分3回…? 意外と少ないよ?♪」

翔「千尋は『というわけで』がお気に入りだもんなー」

千尋「はやるよ!」

大和「いや、はやらんから」

純「なんで関西弁やねん!」

渉「お前も関西弁だぞ」

里佳「なんかおかしい…」

草子「いや、喋る前におかしいとか言うな、まとめるなっ!!」

礼「俺、マトモだぞ!」

杏奈「そんな事ないと思うよー」

栄「ま、この中で1番まともなのはやっぱりあたしだけどね♪」

千尋「あ、またよくわからない事を。 てか俺のチャームポイントの“♪”を取らないでくれませんかぁ?」

翔「怖っ!!」

純「不破は死してなお健在だな…」

千尋「だって俺はいつでもフレッシュだし♪」

大和「てかこっち側って俺以外全滅してるじゃねーかっ!」

渉「一応俺は改稿の方では生きてるけどな」

純「不破なに言ってんの? 俺の方こそフレッシュだから!! “純”って名前こそフレッシュ☆みたいな?」

礼「俺もフレッシャだぞ!!」

里佳「フレッシュャって何?」

栄「新しい飲料水じゃん?」

礼「お、おう! 俺の味がするぞ!!」

草子「誰が飲むかっ!!」

渉「…美味いのか?」

翔「おうれの味っておまえの汗の味?」

大和「キモッ!!飲みたくねぇ!!」

千尋「早くも3回の字間違いが出てる変な礼クン、里佳チャン、翔クンも交えて座談会をお送りします☆」里佳「字間違いっていうか、あんたの名前があたしには“干尋”に見える」杏奈「干してんの!?」千尋「…それは管理人が悪いんだよ。 俺は千の尋と書いて千尋なんだよ。 ほら、頭良いっぽいでしょ? 実際めちゃくちゃ良いけどね☆」

大和(何か似たようなヤツが俺のダチにいるような…双子か?) 注)常陸音哉です。

 

千尋「じゃあ、まずは自己紹介と、今何をしているか、順番に言っていこうか☆ 俺はStar☆Dust・FC3人気NO.1の頭脳明晰以下略の不破千尋だよん♪ 終磐盤でもう殺し合いしないでいいって言ってんのにどっかのアホアホ勝クンに殺されちゃった☆」

翔「アホアホ言うな!! 俺のパパだってこと忘れたのか!!」(前回のプチオフ会in神戸座談会より)

栄「ちなみにあたしがママだって忘れたのか!!」

千尋「あー…はいはい。 次、里佳チャンね☆」

里佳「あたしは1人殺った」

純「すげぇ!! やるな!!」

草子「そこ褒めるところじゃないから! あたしはStar☆DustのFC2の女子ジェノ、今村草子だよ。 4人…だったか? 今は死んでるけど」(後に調べました。2人でした。一緒にいた江原清二がほとんど殺していたので/汗)

里佳「あたしは初始まってすぐに殺ったからね!!」

栄「キャラ違うんじゃない…? @の山名大美人主役山名栄ちゃんは大親友の園田冴さんと行動中☆」(もう少し取り消し線があるんですが、ネタバレに関することなので省略します)

1位・不破千尋(FATED CHILDREN ?)
49票(15×3+4)



本人コメント
2年連続首位かぁ、ま、当然だよん♪ でも、とにかく俺を1番好きって言ってくれた人、俺も好きよ…あ、1番じゃなくてもみんな大好きよ☆ 本編は終わっちゃったけど、また会えるといいねぇ♪

・メガネですwwどこまでもカッコよかった
・89話の勝との掛け合い大好きです。
・全てが好きです。あの決め台詞を近くで言ってもらいたいくらい好きです。
・めがねマニアですから
・あの口調や行動全部好きです!
・最期までちーちゃんらしく、自分を貫き通す姿がステキでした

麻「うわ、なんだこのコメント」

喬子「うーん…さすが不破くんって感じだよね、この言い回しが」

嵩「ちょっと生意気じゃね? ヤキ入れるか?」

凛「返り討ちに遭うだろうからやめときなよ」

 

2位・相模晶(ENDLESS NIGHTMARE ?)
44票(14×3+2)



本人コメント
去年から1位を不破くんに取られたとはいえ…多くの方に票を入れていただいて、恐縮ね。 改稿版ではより一層活躍できるかはわからないけれど頑張りますのでよろしく。 これをお礼の言葉に替えさせて頂くわ。

・かっこいい
・憧れる
・改稿版の方が人間味があって好き

麻「せめてこれくらいの謙虚さを、おれは不破に求めたいねっ」

嵩「み…3日目までは俺は相模に勝ってたんだぞ!!」

凛「でも最終的に2位と23位じゃん、足元に及んでないよ?」

喬子「あ、あぁ…森くん、気を確かに!!」

 

3位・井上稔(FATED CHILDREN ?)
44票(13×3+5)



本人コメント
うぃー。 ども。 つーかさ、俺が不破みたいにメガネで天才なら1位になれたのか? 別にいいけど。 俺を1番に選んだ13人、サンキューな。 その他でも入れてくれた5人もサンキュー。

・プログラムを壊す為に何をすればいいのか試行錯誤する姿や、口が悪く攻撃的な反面友達思いという性格が現実の人間らしく思えたから
・かっこいい
・友だちに欲しい
・不良なのに人を救うギャップがいい

喬子「…うーん、それは最早井上くんではないと思うんだけど…」

麻「そうだよな、馬鹿でガキだからこそ、井上さんは井上さんなんだから」

凛「おぉっと麻、それは初恋の君への言葉ですか??」麻「……うるさいっ(///)」嵩「え、お前みたいな男女でも恋なんてするのか――いてぇっ!! 殴るなっ!!」4位・和久瑛介(ENDLESS NIGHTMARE ?)43票(14×3+1)本人コメント……あと少しで礼に負けるところだったのか、おしかったな、礼。 2年連続の4位、どうも。 ちなみにどうでもいいが、顎に手を当てるのは癖なんだ。 そこんとこよろしく。・メガネ男子好きなので・・・
・イカス!!!!・クールでかっこよかった凛「へぇ、癖なんだ」喬子「えっと、なんでも、和久くんの元になった人の癖をいただいたらしいよ」嵩「それにしても感謝の言葉が少ないんじゃね?」凛「でも、ベラベラ喋る和久も変だと思うよ」5位・良元礼(ENDLESS NIGHTMARE ?)41票(13×3+2)本人コメント
うーわ、ここ何年かの傾向だと今年は瑛介に勝てたはずなのに…しかもあと一歩かよ! ま、いっか。 ランクアップには違いないわけだし。 みんな、応援サンキューな!!・生にしがみつく人間性がよかった・最後の一言「俺だって死にたくないだけなのに・・・」に胸を打たれた
・死神を受け入れた所も、時折見せる情の厚いところも彼らしくて好き
・実は良い人&一番頑張ったから・私の抱く委員長像を見事にぶっ壊してくれたカッコ良い子・ジェノの中で1番好き
・死神が当たっても、悪魔になりきれないほど本当は優しくてナイーブだったから喬子「ちなみに、良元くんの左胸元にあるごちゃごちゃってしたのは委員長バッヂだよ!」嵩「“委員長”って字、見事に潰れたな」凛「順位が1番上がったのは良元なんだよね、オメデトさん!」麻「どうでもいいけど、今回の10人の中で管理人が1番気に入ってる絵はコイツだよ」6位・坂出慎(FATED CHILDREN ?)
33票(10×3+3)本人コメント
うわ、俺落ちたの? マジかよー。 ま、しゃーないわな、全然出番も何もないわけだし……良元とかもないけどなっ。 俺が好きっつってくれたみんな、サンキュー!! あと稔とセットで好きっつったみんなもあんがと!!・あのラストシーンは感動!!・彼のように生きたい・真っ直ぐで不器用だから・o(`へ`)○☆パンチ!・自分が囮になって稔を逃がす最期のシーンが好き・中野さんが亡くなるところの坂出君がすごい格好よかったから麻「それにしても、自分の出席番号ロゴの入った服って…」喬子「あはは、偶然でしょ、というよりも管理人のイマジネーション不足」嵩「あ、俺と同じでスモーカーかよ!! パクリだ、ヤキ入れに…」凛「だから、返り討ちに遭うからやめなってば」7位・江原清二(FATED CHILDREN ?)31票(9×3+4)本人コメント
ハッハー!! ランクアップだってよ! みんな、ようやく俺様のかっこよさに気付いたか? 俺の名前を選んでくれたヤツら、ありがとな!! すっげー嬉しいぜ!!・やっぱりあの政府戦はかなりキてましたwwジェノが仲間になったってパターンはすごい好き・やる気じゃなくなってからの格好良さは有無を言わせなかった・最後の死に様がかっこよかった!!さすが最強の男!!麻「“ヤツら”言うな、アンタなんかを選んでくれた人たちだろうが」凛「やったねー、清二!! おめでとう!!」喬子「ここで裏情報…茶髪だったり黒髪だったりの江原くん、設定資料では金髪でした!」嵩「人様に送ってもらったっつーのに、とんだ粗相だな、しかも今気付いたのかよ!」

 浜田智史(男子十八番)に引き連れられながら、清太郎は傾斜のある細い山道を歩く。目的地まで距離はもうさほど無いと聞いたせいか、その足取りはとても軽快なものになっていた。
 時折、雨風によって道が崩されている箇所があったりしたが、いずれも大股開きで進めば乗り越えられる程度の難所である。先を進む大柄の智史が軽いジャンプで飛び越えても、山道は崩れたりしなかったので安心できた。
 清太郎も彼に習って、山肌の岩や、柵がわりのロープに手をかけたりしながら、難なく歩を進めていく。
「なあ浜田」
 清太郎が話しかけると、智史は前を向いたまま「なんだ」と返してきた。
「さっき言っていた、メールで呼ばれた、って話について詳しく聞きたいんだが」
 すると智史が歩きながら振り返る。
「そうだった。俺らが集まるってことを、お前は偶然耳にしてやってきたんだったな」
「ああ。さっきも言ったが、増田と西村の会話を聞いてな」
「分かった。これが俺に送られてきたメールだ」
 智史がズボンのポケットから取り出した携帯電話を開き、差し出してくる。
 星矢中学校では通常授業の日のみならず、行事の際も携帯電話を持ってくることを禁止とされているが、律儀にそれを守っている者は半数程に過ぎない。今回の林間学校でも智史のように、携帯電話を持参している生徒がかなりいるようだった。
 清太郎は智史の携帯電話を受け取り、明るく光る画面を覗き込む。

 日時:2013年6月--日 13:16
 発信者:吉野梓
 本文:G-5の洞窟?に集まろう(by角下

 短くまとめられた本文を見て、清太郎は首をひねった。
「これを見て、浜田たちはこのエリアに来る事を決めたってわけか?」
「そうだ。が、何か納得していない様子だな」
「色々と考えさせられる所が多いメールだと思ってさ」
「あー、まあそうだな。俺もこれを見た当初は気になったことが多々あったわ。本文に書かれてる名前と発信者が違うこととかさ」
 末尾に書かれている名前から、このメールの文面を考えたのは角下優也(男子六番)だと推測できる。だが発信者は吉野梓(女子23番)となっている。なぜか別人である。
 清太郎はこの矛盾について、数秒間考えた。
「携帯電話を持っていなかった角下が、吉野のを借りてメールした、ってところか?」
「その通りだ。真面目に学級委員をやっている角下は、今回も校則を破ってまで携帯を持ってきたりはしていない」
 智史の話し方から、少なくとも角下優也か吉野梓のどちらかとは既に洞窟で合流していて、当人からこれらの話を聞いたのだろうと察することができる。
 もじゃもじゃ頭を掻きながら、眉を寄せる清太郎。
「それより気になったのは、このメールが送られてきた時間だ。この13時過ぎってタイミングは、プログラムについて江口やエアートラックスから説明を受けていた頃じゃないか?」
「そうだな。正確には、説明が大方終わって、プログラムへの意気込みを無理やり発表させられていた頃だ」
「おかしくないか? 俺らは船に乗り込んで、かなり沖の方にまで出ていたんだぜ。携帯電話の使用圏外だったはずじゃないか」
 すなわち、メールの送信も発信も、当時サンセット号の中では行えなかったはずである。
「確かに海の上でメールは通じない。だがほんの一瞬、携帯電話の電波が通じる瞬間があったんだ」
「どういうことだ? もっと詳しく説明してくれ」
「俺たちを乗せた船が、ある有人島のすぐ傍を偶然通りかかったんだ。その瞬間、島の電波圏内に入って携帯電話が通じるようになった。角下はそのチャンスを見逃さず、クラスメートに一斉送信した」

「なるほど。もしや電波が通じる瞬間があるかもしれないと賭け、あらかじめ本文を打ち込んでいた。そしてそれが功を奏した、というわけか」
 クラスメートたちを特定のエリアに集めるために取られた手段の全貌が見えてきたところで、次にこのメールの送信先を確認してみた。すると、実に十数名ぶんものクラスメートのアドレスが表示され、それだけの人数に宛てて同じメールが送られていたことが判明した。
「このメール、携帯電話を持っているクラスメート全員に送った……ってわけではないよな」
「吉野の携帯にアドレスが登録されている人間の中で、ある程度信用できる人間に絞って送信した、と角下は言っていたな」
言われてみれば確かに、メールの送信先のほとんどが女子であり、しかも吉野梓に近しい人間が中心のようだった。角下優也もさすがに他の生徒のアドレスまで記憶しているはずがなく、これ以上送信先を広げることができなかったのだろう。
「つっても集合場所に向かうまでの道中で、メールを受け取らなかった奴も合流したりして、なんだかんだ男子も結構な人数が集まってきてるけどな」
 送信先のリストに智史の名前はあったが、佐久間祐貴の名は見当たらなかった。つまり祐貴は誰かに導かれてやって来た側の人間、というわけだ。
「ちなみに、集合場所をG-5の洞窟にしたのは、皆がどこからでも向かいやすい会場のほぼ中心で、かつ目印として分かり易いと思われたからだと言っていた」
「たしかに、船のモニターに映し出されていた地図に、洞窟らしきイラストが描かれていたな」
 モニターに映った地図を見るやいなや、クラスメート達とどこに集まるかすぐに画策し、兵士達の目を盗みつつ急いでメールを打ち込んで送信する。それだけのことを、あの状況下で冷静に、短時間で実行したとなると、角下優也の行動力とはたいしたものである。
「そんなこんな話しているうちに、見えてきたぞ」
 道を塞ぐかのように脇から伸びてきている太い枝の下をくぐりながら、智文が前方を指差した。
 草葉の隙間の向こうに、岩の山肌にぽっかりと空いた穴が見える。元々人が立ち入らないよう閉鎖されていたのを無理に開放したのか、錆び付いた鉄柵が穴のそばに立て掛けられていた。
 洞窟は奥に長く続いているのか暗く、突き当たりが視認できない。
 薄汚れた岩によって頑丈に形成されている洞窟には、得体の知れない生物でも飛び出してきそうな不気味さがあった。
 清太郎は少し不安な気分に襲われた。集合場所の洞窟は見えたが、その周囲に肝心の人の姿が無いのである。
「なあ浜田。先に到着してる奴らはどこにいるんだ? 洞窟の中か?」
「いいや。いずれは中に身を潜めたいんだが、どうやらまだ駄目らしい。今は皆、そこいらの茂みの中か岩陰にでも潜んでいるはずだ」
「なんで中に入れないんだ」
「説明が難しいんだが、首輪の電波がな……。いいや、俺よか角下か尾崎に説明してもらったほうがいい」
 ここで初めて智文の口から尾崎良太(男子五番)の名前が出てきた。吉野梓のメールの送信先に良太は含まれていなかったはずなので、ここにいるのならば、彼も誰かに導かれて来たということだ。
「おーい、角下。俺だ。高槻を連れてきたぞ」
 細い山道を抜けて洞窟前の広場に出たところで、智史が周囲に呼びかけた。すると茂みの一部がガサガサと揺れて、数人のクラスメートがゆっくりと姿を現した。その先頭に、皆が集まるよう画策した張本人である角下優也が立っていた。
「お疲れ様、浜田。そして高槻、よく来てくれた」
 そう言いながら優也は、膝まで隠れてしまう雑草の海原を歩き、近づいてきた。武器は持っておらず、まっすぐこちらに右手を差し出してきた。
「よろしく」
 清太郎もならって手を伸ばし、優也とがっちりと握手を交わす。
「こちらこそ。連絡をとる手段がなくて諦めかかっていたけど、高槻には是非来てもらいたかったんだ。歓迎するよ」
 雄也の中性的な甘いマスクが微笑んだ。

2014/04/02 16:33:13 ジョニーズ裏事務所 ジョニー様 (最新作:1984年度市立桜丘中学高3年A組プログラム)
2014/03/30 23:58:57 Star☆Dust 水金翔様 (最新作ENDLESS NIGHTMARE ? 2001年度群馬県桐生市立巴ヶ丘中学校3年2組)
2014/03/23 15:12:48 A LITTLE SELF-RESPECT チキン様 (最新作:?Hope in Despair? 2009年度鳥取県水木町立水木中学校3年B組)
2014/03/23 10:26:42 グリーンアップル スミレ様 (最新作:Tommorow is Another Day? 1997年度山梨県居八小中学校全生徒)
2014/03/12 01:53:30 若紫文庫 松風美奈子様 (最新作:BATTLE ROYALE?The Gatekeeper? 1999年度兵庫県神戸市立月港中学校3年A組)
2014/02/07 01:00:01 毒人間の館 若丸進二様 (最新作:楽園島の門番姫 千葉県私立星矢中学校三年三組)
2014/01/29 03:59:20 愛鳥週間 りん様 (最新作:Blue Heaven 2003年度東京都私立大東亜女学園3年D組)
2014/01/01 13:47:51 das verlorene Paradies 司城誠治様、鈴鹿征治様 (最新作:この国に生まれてよかった 2005年度熊本幼年学校3年)
2013/11/23 10:41:18 Victory KML様 (最新作:鎮魂歌 1997年度香川県城岩中学校3年B組)
2013/10/28 17:04:18 NIGHT BLOOD 紫堂カムジ様 (最新作:P×P/Live now. 1999年東京都江戸川区立淺木西中学校3年A組)
2013/08/18 02:09:56 あいまいみい 源彩璃様 (最新作:あの子の空箱 2002年度東京都私立尾鳥女子中学校 三年紫組)
2013/08/13 22:25:53 N.enu. ユウキナオ様 (最新作:ソラアワセ 2005年度 愛知県立第二竜神中学校 3年C組)
2013/07/15 20:01:47 A castle IN the air カヤコ様 (最新作:FREE WORLD -僕等の自由世界- 2000年度静岡県芙蓉市立次郎丸中学校3年0組)
2013/01/20 10:50:54 徘徊行路 ひいな様 (最新作:バトルロワイアルペティー 2005年度S県立第三高等学校英文科2年A組)
2012/10/09 19:27:27 オセロ堂 ひま様 (最新作:2000年度広島県広島市立三津屋中学校3年3組プログラム)
2012/06/08 17:04:44 枯渇 サチ様 (最新作:希い 2006年度沖縄県那覇市立井筒西中学校3年2組)
2012/05/03 22:51:38 selfish HEROs 藤沢克己様 (最新作:battle royale -dead end- 1999年度高知県森下町立陽生中学校3年C組)
2012/04/27 13:54:20 Doomsday 夜空様 (最新作:Underworld Dream 1995年度新潟県静海市立静海中学校3年1組)
2012/04/07 20:04:54 そんな気分で雑草魂 四季々たかゆき様 (最新作:プレゼント 2002年度神奈川県横浜市はばたき中学校三年五組)
2012/02/28 21:29:11 ファンタジスタ! 佐倉恭祐様 (最新作:善悪の彼岸 2007年度 静岡県私立菊花学園高等部2年虹組第二期)
2011/12/06 10:22:13 Last Message みかど様 (最新作:Graduation 東京都港区立皇中学校三年五組)
2011/11/15 10:06:41 あの日の空の色 霧風ライキ様 (最新作:何所か空のふもと 2001年度石川県前沢市立星辰中学校3年4組)
2011/10/09 23:37:24 Life goes on 浅俊カイ様(最新作:Innervisions 1998年度 神奈川県逗子市私立昭栄学園中学校3年A組)
2011/08/05 03:11:11 かみさまはこども のの様 (最新作:still 山形県遊佐町立花笠中学校三年A組)
2011/07/13 06:09:04 Red Unbrella 崩様 (最新作:A reason of existence 沖縄県立城中学校3年4組)
2011/05/25 02:47:54 ガルナの塔 がるな様 (最新作:らせん階段 2006年度岐阜県板鳥市板鳥第六中学校3年E組)
2011/05/24 16:27:43 Heaven’s Gate ミバル様 (最新作:2002年度私立星絢学園中等部3年D組プログラム)

目が覚める。末広恭子(担当教官)登場。無理なことを言って暴れた桜木絢香(女子9番)が、末広に撃たれて死亡。スマイル0円。
女子9番 桜木絢香 死亡
[残り44人]

2:説明。そして出発。
5月28日 3:30 試合開始

3:林真理(女子15番)、平山円(女子16番)、松尾彩(女子18番)、合流。超人的な動きで、彩が他の2人を殺害。
女子15番 林真理
女子16番 平山円 死亡
[残り42人]

4:誉田光一(男子20番)、湯浅崇(男子23番)、渡辺麻衣子(女子22番)、合流。

5:飯山満(男子3番)、出発。と思いきや、突然瀕死の村上優介(男子22番)を発見。旭澪(女子1番)が自らの犯行を告白するが、逃走。満は優介を運ぶが、その途中で息絶えてしまう。
男子22番 村上優介 死亡
[残り41人]

6:泣いていた満のもとに、光一、崇、麻衣子が現れる。麻衣子が、香取晋吾(男子7番)と千葉有二(男子13番)からの伝言を満に伝える。

7:麻衣子の語り。菅野美香(女子11番)、ハブ決定。

8:鈴木琢磨(男子11番)が現れた! 光一が左腕を撃たれるが、麻衣子が頑張って返り討ちにする。最後まで3人でいよう、とまとめる。
男子11番 鈴木琢磨 死亡
[残り40人]

9:5月28日 6:00
第一回放送。飯山満(男子3番)、香取晋吾(男子7番)、千葉有二(男子13番)、合流。メンタル弱い有二が、村上優介(男子22番)の死に男泣き。蚊取り線香と花火ファミリーセットで夏を先取り。

10:菅谷由子(女子11番)、ご乱心で市川奈美(女子3番)と大久保みのり(女子4番)を殺害。
女子3番 市川奈美
女子4番 大久保みのり 死亡
[残り38人]

11:旭澪(女子1番)、村上優介(男子22番)を殺害してしまったことを後悔する。また、小学生の頃いじめられていた原因であった越川修平(男子9番)に対して謝りたいという気持ちが募る。修平とのことは分かりやすく書いていたらダイジェストではなくなってしまうので割愛。ふらりとやってきた矢切奈緒(女子20番)に全身を撃たれて死亡。
女子1番 旭澪 死亡
[残り37人]

12:不良グループメンバー紹介。

13:成田正則(男子18番)と布佐愛美(女子17番)。正則が愛美を殺し、その後正則自身も自[ピーーー]る、と話がついたところで、影からいきさつを見守っていた秋山要(男子1番)が登場。正則が本性を表し、要と戦闘になるが、ボウガンで首を撃たれて死亡。
男子18番 成田正則 死亡
[残り36人]

14:新木正太郎(男子2番)と小林太一(男子10番)。日頃の恨みを晴らすべく太一が正太郎を殺害するが、いつの間にやら近くにいた岩井誠(男子4番)に太一も殺される。
男子2番 新木正太郎
男子10番 小林太一 死亡
[残り34人]

15:初石滋(男子19番)がぐだぐだしていた個人病院に、飯山満(男子3番)、香取晋吾(男子7番)、千葉有二(男子13番)が乗り込んでくる。一緒に脱出しないか、と言われるが、滋はそれを拒否。そこを明け渡し、去る。

16:満、晋吾、有二で脱出大会議。どう考えてもあたまわるい。

+中盤戦・前半+
17:5月28日 10:45
中山佳代(女子13番)、小見川悠(男子6番)と出会う。一緒に中山翔(男子17番)を探すことに。

第二回放送。越川修平(男子9番)、旭澪(女子1番)の死体を発見。近くにいた松尾彩(女子18番)に脚を撃たれるが、なんとか逃げ出す。

20:誉田光一(男子20番)、湯浅崇(男子23番)、渡辺麻衣子(女子22番)。ふらふらしてるところに修平がやってくる。怪我して倒れている彼を助けるべく、4人で近くの文房具屋に侵入。

21:4人で色々話しているところに、ホラーな感じの菅谷由子(女子11番)が登場。

22:由子が暴れる。麻衣子が殺されそうになるところを修平がかばう。その隙に崇が由子を殺害。
女子11番 菅谷由子 死亡
[残り33人]

23:修平、失血死。由子を殺害してしまった崇は軽く凹む。
男子9番 越川修平 死亡
[残り32人]

24:高柳航(男子12番)と豊四季早苗(女子12番)。うだうだしてるところに中山翔(男子17番)がやってくる。

25:3人で、小見川悠(男子6番)、中山佳代(女子13番)、矢切奈緒(女子20番)を探すことに決定。

26:飯山満(男子3番)、香取晋吾(男子7番)、千葉有二(男子13番)。へらへらしてるところに翔がやってくる。

27:晋吾が頑固なせいで翔がキレて攻撃。晋吾が脚に負傷するも、3人で逃げ出す。

28:5月28日 14:30
布佐愛美(女子17番)のラブ☆ダイアリー。一緒にいてくれた秋山要(男子1番)に胸中を伝え、自ら死を選ぶことに。要が去った後、禁止エリア発動。首輪爆発で愛美死亡。
女子17番 布佐愛美 死亡
[残り31人]

29:小見川悠(男子6番)と中山佳代(女子13番)、少し打ち解ける。

30:そこにやってきた要。一番の仲良しさんである愛美の死を聞いて、佳代は凹む。話すだけ話して要は去る。

31:初石滋(男子19番)。3年前、プログラムで亡くなった姉に想いを馳せる。矢切奈緒(女子20番)に撃たれるが、気合で逃げ切る。

32:でも背中撃たれて瀕死。小室華(女子7番)が寄ってくる。しかもこんな場面で告られる。ちょっと幸せになりながら息絶える。
男子19番 初石滋 死亡
[残り30人]

33:奈緒の過去、というか、矢切さん家の家庭の事情。滋と華のところまで追いつき、華のことも射殺。
女子7番 小室華 死亡
[残り29人]

34:飯山満(男子3番)、香取晋吾(男子7番)、千葉有二(男子13番)、色々くっちゃべる。

35:5月28日 18:00
第三回放送。中村匠(男子16番)、試合放棄中。やってきた岩井誠(男子4番)に、めんどいから殺しちゃってくれーと言って殺害される。

男子16番 中村匠 死亡
[残り28人]

36:誠、匠のディパックの中から防弾チョッキ入手。

+中盤戦・後半+
37:5月28日 18:40
菅野美香(女子10番)。ハブられたことが結構ショック。誉田光一(男子20番)、湯浅崇(男子23番)、渡辺麻衣子(女子22番)とのことを色々回想。そうしたら錯乱してきた。そんなところにタイミング悪く塚田遼(男子14番)が現れた上に告っちゃったりしたのだが、耳に届かず。メダパニ状態で、遼のことを殺害。
男子14番 塚田遼 死亡
[残り27人]

38:政府サイド。二作目・Voiceに繋がる部分。

39:渡辺麻衣子(女子22番)の過去とか。菅野美香(女子10番)を待ってあげられなかったことを後悔。誉田光一(男子20番)と湯浅崇(男子23番)でちょっと気まずくなったり。

40:千葉有二(男子13番)、単独行動開始。疲れて立ち止まっていたら、木の上から旧友・三咲愛(女子19番)が飛び降りてきて、同行開始。

41:加瀬明奈(女子5番)と吉田有花(女子21番)。墓地にいたが暗くて怖くなってきたので移動開始。するとすぐに岩井誠(男子4番)からの襲撃が。明奈が有花を逃がすが、明奈はそこで殺されてしまう。
女子5番 加瀬明奈 死亡
[残り26人]

42:松尾彩(女子18番)、菅野美香(女子10番)を発見。尾行開始。

43:千葉有二(男子13番)、三咲愛(女子19番)に訳の分からないことを言う。禁止エリアから出るために走りまくる。

44:その後。なんとか禁止エリアを出てどっと疲れているところに、岩井誠(男子4番)が強襲。愛が殺害される。有二は負傷しつつも逃げ出す。
女子19番 三咲愛 死亡
[残り25人]

45:菅野美香(女子10番)が転んだのを機に、尾行していた松尾彩(女子18番)が姿を現す。さらに誉田光一(男子20番)、湯浅崇(男子23番)、渡辺麻衣子(女子22番)も来る。彩が美香を撃ち、怒った麻衣子も彩に向けて発砲。彩、逃走。3人に見守られる中、美香死亡。その直前に崇に想いを告げる。
降雨開始。
女子10番 菅野美香 死亡
[残り24人]

46:灯台内で、空気鉄砲とトランプで遊んでいる木下達也(男子8番)と三橋朋和(男子21番)。サッカー部トークをしていたら、激しいノック音と、外川俊(男子15番)の助けを求める声が。

47:実ははったりでした。俊を信じた朋和も、疑っていた達也も殺されてしまう。トランプと空気鉄砲じゃ銃に敵いようがない。
男子8番 木下達也
男子21番 三橋朋和 死亡
[残り22人]

48:5月28日 23:50
第四回放送。高柳航(男子12番)、中山翔(男子17番)、豊四季早苗(女子12番)。航がえげつない。

49:5月29日 0:05
政府サイド。二作目・Voiceに繋がる部分その2。

50:小見川悠(男子6番)と中山佳代(女子13番)。悠の身の上語り。そんなことしてたら前方から矢切奈緒(女子20番)が。

51:少しだけ会話をするが、やはり奈緒はだめでした。悠と奈緒で少しだけ撃ち合いをし、お互いに負傷。傘を投げてその隙に逃げる。

52:誉田光一(男子20番)、湯浅崇(男子23番)、渡辺麻衣子(女子22番)。菅野美香(女子10番)の死に凹む。崇が自分たち4人の気持ちのループに気付く。

53:同じグループだがお互い嫌い合っていた、倉橋彩乃(女子6番)と永田麻由(女子14番)。麻由が寝ている隙に殺害しようとした彩乃に、麻由が気付く。結局相打ち。
女子6番 倉橋彩乃
女子14番 永田麻由 死亡
[残り20人]

54:吉田有花(女子21番)、加瀬明奈(女子5番)の死に凹む。泣いていたら松尾彩(女子18番)に話しかけられる。話していたら、外川俊(男子15番)の襲撃。彩のことを庇って、有花、死亡。
女子21番 吉田有花 死亡


[残り19人]

55:彩、俊のことを殺害。有花に庇われたことで、プログラムが始まってから初めて感情にブレが生じる。生き残って総統になり、国を変えることを改めて決意。
男子15番 外川俊 死亡
[残り18人]

+終盤戦+
56:5月29日 4:10
飯山満(男子3番)と香取晋吾(男子7番)。帰りが遅い千葉有二(男子13番)の身を案じる。そこに矢切奈緒(女子20番)が乗り込んできて大変大変。二手に別れて逃げる。

57:奈緒、筋肉痛。満と晋吾がいなくなったので、ゆっくり休んでいたら花火に襲われる。帰ってきた晋吾に仕業。花火やらトラップやらにやられながらも、翔に関する情報を聞いた上で晋吾を射殺。
男子7番 香取晋吾 死亡
[残り17人]

58:5月29日 5:50
第五回放送。雨やんだ。佐久間菜々(女子8番)、松尾彩(女子18番)を探すべく動き出す。

59:千葉有二(男子13番)、飯山満(男子3番)と再会。離れていた間のお互いの経緯を話していたら、石毛真琴(女子2番)に割り込まれてきた。

60:真琴がいたという家に、満と有二も入っていく。この銃いらない? と言われ、あたふた。

61:実は余命5年なんです、という告白。なんやかんやありつつ、3人で行動することに。

62:中山翔(男子17番)の寝起きは悪い。豊四季早苗(女子12番)は冷静。高柳航(男子12番)は相変わらずえげつない。

63:佐久間菜々(女子8番)、林真理(女子15番)と平山円(女子16番)の死体の側にいた秋山要(男子1番)を見て、要が2人を殺したのだと思い込む。その上切りつける。これは正当防衛だ、と言われた後、要にボウガンで胸をと腹を刺されて死亡。
女子8番 佐久間菜々 死亡
[残り16人]

64:大原有輝(男子5番)。軽く現実逃避しながらもマメに生還確率を計算。中山翔(男子17番)、高柳航(男子12番)、豊四季早苗(女子12番)が近づいてくるのを見て、陰から発砲。航に当たり、翔が反撃してくる。逃げた先にいた岩井誠(男子4番)に即射殺されるという空しさ。
男子5番 大原有輝 死亡
[残り15人]

65:そこに現れた松尾彩(女子18番)。組まない? という誘いに、誠がのる。ちょ…お前ら2人が組んだら最強だろ、という展開。

66:5月29日 10:15
小見川悠(男子6番)と中山佳代(女子13番)。睡眠をとるのとらないのと話していたら、探知機に3人組の反応が。佳代が一人でそちらへと向かう。

67:やっぱり中山翔(男子17番)、高柳航(男子12番)、豊四季早苗(女子12番)でした。翔は佳代に言いたかったこと、感謝の気持ちを全て伝える。なのに佳代のこと射殺しちゃってえええええ! しかもその現場を悠に見られる。
女子13番 中山佳代 死亡
[残り14人]

68:皆あたふた。お前の気持ちも分からんでもないが、やっぱり許せんわー、と悠が翔に銃を向ける。またギャラリーがえええええ!ってなっているところ、矢切奈緒(女子20番)がやってきて航を殺害。
男子12番 高柳航 死亡
[残り13人]

69:奈緒さんテンション上がりすぎ。佳代の体を撃とうとしたところ、その間に悠が割り込んでくる。そして失血死。悠と航に対する奈緒の態度にむかついた翔が奈緒を殺害。
男子6番 小見川悠
女子20番 矢切奈緒 死亡
[残り11人]

70:5月29日 11:45
第六回放送。渡辺麻衣子(女子22番)が大人気ない。誉田光一(男子20番)がよく分からない。湯浅崇(男子23番)は特に何もしていない。放送を聞いて残りのメンバーを考えた上で、秋山要(男子1番)に会いたい、ということになり動き出す。

71:麻衣子、自暴自棄になる。色々話しているのに光一が走って遠くへ。崇もついていくので、麻衣子も仕方なくそちらへ。その先にいたのは岩井誠(男子4番)と松尾彩(女子18番)。菅野美香(女子10番)を殺された恨みがあるので、光一は彩に敵意むき出し。頑張って彩のワルサーを麻衣子にパスはできたけれど、油断している隙に肩を撃たれる。その後も色々あったけれど、崇が無理矢理麻衣子を連れて逃げる。光一は失血死。


1 旭 澪
所属: 水泳部
身長: 149cm
知力 ★★★★★
体力 ★★★
統率力 ★★★
敏捷性 ★★
攻撃性 ★★★
決断力 ★★★
2 新木 正太郎
所属: 卓球部
身長: 156cm
知力 ★
体力 ★
統率力 ★
敏捷性 ★
攻撃性 ★★★
決断力 ★★★
2 石毛 真琴
所属: バレー部
身長: 155cm
知力 ★★★★
体力 ★★★
統率力 ★★★
敏捷性 ★★★★
攻撃性 ★
決断力 ★★★★
3 飯山 満
所属: 陸上部
身長: 172cm
知力 ★★★
体力 ★★★★★
統率力 ★★★★
敏捷性 ★★★★
攻撃性 ★★
決断力 ★★★★★


4 岩井 誠
所属: 水泳部
身長: 160cm
知力 ★★★★
体力 ★★★★
統率力 ★★
敏捷性 ★★★★
攻撃性 ★★★★★
決断力 ★★★
4 大久保 みのり
所属: 調理部
身長: 154cm
知力 ★★★
体力 ★
統率力 ★
敏捷性 ★
攻撃性 ★
決断力 ★★★
5 大原 有輝
所属: 水泳部
身長: 165cm
知力 ★★★★
体力 ★★★★
統率力 ★★
敏捷性 ★★★
攻撃性 ★★★
決断力 ★★★
5 加瀬 明奈
所属: バレー部
身長: 152cm
知力 ★★★★
体力 ★★★★
統率力 ★★★★★
敏捷性 ★★★★
攻撃性 ★★★
決断力 ★★★★★
6 小見川 悠
所属: 無所属
身長: 170cm
知力 ★★★★
体力 ★★★★
統率力 ★★
敏捷性 ★★★★
攻撃性 ★★★★
決断力 ★★★★★
6 倉橋 彩乃
所属: 陸上部
身長: 158cm
知力 ★★★
体力 ★★★
統率力 ★★
敏捷性 ★★★
攻撃性 ★★★
決断力 ★★★
7 香取 晋吾
所属: サッカー部
身長: 179cm
知力 ★★★
体力 ★★★★★
統率力 ★★★★
敏捷性 ★★★★
攻撃性 ★★★
決断力 ★★★★
7 小室 華
所属: バスケ部
身長: 150cm
知力 ★★★
体力 ★★★★
統率力 ★★
敏捷性 ★★★★
攻撃性 ★★
決断力 ★★★★

阿久津啓太(男子1番)が柳浩美(女子18番)と行動を共にして、3時間近くが経つ。

分かっていたことだが、浩美には緊張感が足りない。
啓太の隣を歩きながらも、鼻歌を歌っていたりする。
なぜ。なぜこの状況――プログラムで、そんなお気楽に歌っていられるのか、啓太には理解できなかった。
若干苛つくが、それは彼女を嫌う理由にも、遠ざける理由にもならない。
柳浩美という人間がそのような人物であることを、啓太は小学生の頃から知っていた。
それに1年数ヶ月前――彼女が部活内でいじめに遭っていた時はこんな様子は見られなかったし、今こうやっていられるだけでもありがたいことなのだ。
浩美が本来の自分を取り戻し、普通に生活できている。それは素晴らしいことなのだ。

――と、自分に言い聞かす。


「浩美」
「なぁーにぃー?」
ほんの2,3歩前、支給武器であるカッターナイフを右手でカチカチ動かしながらふんふん歌っていた浩美が立ち止まり、振り返る。
その顔は相変わらず笑みを湛えており、啓太のことを本当に信頼しているのだということが見て取れる。
額に手をあて、はあー、とあからさまに大きくため息をつくと、啓太は「お前さぁ」と話し始める。
「もう少し緊張感持とうか。放送の前だけどさ、銃声聞こえただろ? やる気になってる奴はいるんだよ。なのに浩美はカッター振り回してふんふんふんふん! ちょっと落ち着けよ」
「ええー…」
少し叱っただけなのに、笑顔は泣きそうな顔に一転する。
本当に、表情豊かな奴だ。

「だってさ、ただでさえ辛気臭くなるじゃん、プログラムなんて。だからせめて浩美くらいは、いつも通り明るくいようかと!」
「いやー…石川とか川添とか、それこそ芝田さんも変わらないんじゃないかぁ?」
「あっ、そうだ! 川添!」
カッターを握ったまま、浩美は顔の前でぽん、と両手を合わせる。
ああもう、刃が出てるだろ危ないな。
「川添もね、ほら、小学校一緒で、浩美昔から仲良かったでしょ? それを知った美穂ちゃんが川添にも声かけてくれてさ。美穂ちゃんの次に、川添のお陰かなー今の浩美があるのは! あ、あくっちゃんはその次くらいね!」
またにこっと笑う。ここまで表情がころころと変わる人もなかなかいないだろう。
「俺は川添より下か」
「だってあくっちゃん見た目が怖いしー。あと川添のお母さんとうちのお母さんが仲いいから、それもあったって美穂ちゃん言ってた!
とにかくね!」
カッターを持った手を下ろし、浩美は啓太を真っ直ぐ見上げる。

「川添にもお礼言いたいから、付き合って!」

もちろん、啓太の中で"Yes"の回答の用意はできている。
頼られていることも嬉しくないわけではない。
しかしなぜこいつはこうも緊張感がないのか。

もう一度ため息をつきそうになったところで、思い出した。
そうだ、我々には許された通信手段があるではないか。

「電話…」
「え?」
呟くような声だったので聞こえなかったのだろう、浩美は大げさに首を傾げる。
「電話、できるんだよな、1人3回。川添や芝田さんに電話してみろよ」
啓太の言葉を聞き、浩美はカッターの刃をしまうとそれで何度か頬をつついた。特に意味のない、何かを考えている行動だろう。
「でもさ、もし今、美穂ちゃんが誰かから逃げてたら? 誰かから隠れてたら? そんな時にケータイ鳴らされたって、困るだけじゃないかなあ。下手したら命に関わるよね。

つまり浩美は、自分のことよりも、電話を受ける相手――今で言うならば、川添聡(男子4番)や芝田美穂(女子6番)の身の安全を気にしている、ということだ。

「浩美さあ」
「なにー?」
「お前そうやって人のことばっか気にしてっからいじめられたんじゃねぇの?」
その瞬間、浩美の表情が固まった。
つい先刻まで様々な彩りを持っていた彼女の顔が、色彩を失う。
「…ごめっ、ごめんっ……」
知らなかった。 こっちから過去のことに触れるのは、タブーだったのか。
浩美が自分から話題に出してくるから気付かなかったが、確かに彼女が出す話題にいじめられた原因などなかった。
誰の手によって、どのように立ち直ったのかが、殆どだったではないか。

フリーズした浩美の右目から、涙が一筋こぼれ落ちた。
「あっ…あれぇー? なんで浩美泣いてんだろー…」
おい、自覚ないのかよ。
そう思いつつも、目を擦る浩美の頭を撫でる。
やはりあの数ヶ月は、彼女の中で大きな傷となっているのだろう。

今後は、こちらからは触れないようにしよう。


「うっす! あくっちゃんと浩美?」
浩美の頭の上に置いた右手の向こう、顔を上げるとこちらへ向かってくる男子生徒が見えた。
薄暗くなりつつあるがまだ分かる。あれは先程少し話題にも出た、石川佳之(男子2番)だ。
出発時間があまり離れていなかった故、そんなに行動範囲が離れていなかったのだろうか。
「石川…」
「え、あくっちゃん浩美泣かしてんすか。何してんすか。うわーやだわー!」
いつもと同じ調子で、佳之は啓太をからかう。
「ちがっ…これはだな、俺が泣かしたんじゃな…いや、俺が泣かしたんだけど……」
「うあーあくっちゃんいいから! 石川うざい!」
「えー俺がうざいってー? 傷つくわー」
浩美は啓太をかばい、そして佳之に向かって刃を出していないカッターを振り回す。

「はっはっ。まあ浩美が泣きやめばそれでいいさ」
「え、何そのキャラ。石川ってそんなんだったっけ? きもっ」
「浩美、お前石川には厳しいな…」
次から次へと浩美から罵詈雑言を受けるが、佳之はびくともせずににんまりと笑っている。そしてゆっくりと、口を開いた。

「な、お前らはさ、何色だった? あのくじ引き」
「ああ、あれか。俺が青で――」
「浩美は赤だよ!」
まとめて言おうとしたことを、途中から浩美に引き継がれた。
「そっ…か」
すると佳之は、こちらから目元が見えなくなるくらいまで俯く。
そして数秒後顔を上げると、少しだけ、笑った。

その表情から、決して純粋に“可愛い”キャラクターではないのだが、箕田保葉(女子16番)にとっては違った。
とあるショッピングモールの中にあるファンシーショップの店頭で一目見た瞬間に胸を射ぬかれ、その時同行していた母親に買ってもらったのが、今持っているぬいぐるみだ。
頭の部分にチェーンがついているので、帰って即行通学鞄につけた。
それからもう1年近くが経つので、大分黒ずんできたのだが――それでも、最初に手に入れたものだからか愛着がわき、そのポジションから外すことはなかった。

それが保葉にとっての初代シナティちゃんだ。
しかしこのキャラクターを好きな人間はどうやら少なくないらしく、今この大東亜共和国では色々なグッズが販売されている。
少ないお小遣いを貯めて、保葉は様々なグッズを手に入れてきた。
今この場に所持しているだけでも、財布、ペンケース、シャープペンシル、ボールペン、ストラップ、ハンドタオル、そしてぬいぐるみだ。
家には全長50センチもあるぬいぐるみがあり、それはいつもベッドの片隅に座っている。
友人たちには、「保葉は本当にシナティちゃん大好きだよね」とよく言われた。家に来たことがある人には、その大きなぬいぐるみに驚かれたりもする(「シナティちゃん大っきい! 可愛い! 持って帰りたい!」と言っていたのは、柳浩美(女子18番)だっただろうか)。

そんな、“可愛い”シナティちゃんに囲まれて生活するのが幸せだった。
調理部の活動では、シナティちゃん型のクッキーを作って友人たちに振舞ったこともある(ちなみにそれはとても出来が良かったので、その写真を携帯電話の待ち受け画面に設定してある)。


今保葉は、A=04、島の端にいる。
そこは崖になっていて、眼下には真っ黒な海が広がっている。
時間のせいかすごく静かで、波が打ち寄せる音だけが、何度も何度も、飽きもせず聞こえてくる。
膝を抱え、シナティちゃんを握り締める。

怖い。
怖くてたまらない。
出発の時は大分混乱していて、どうしたら良いのか分からず、とにかく一人でここまで来てしまった。
こんな島の端の、ましてや崖になんて誰も来ないだろうと思い、ここに落ち着いて数時間経つ。
せめて浩美のことくらい待てば良かったかな、と今になって思う。
でももう、どうしようもない。
出発してもう何時間も経つ。放送だって2回も流れた。それにもうこんな時間だ。
同じグループの芝田美穂(女子6番)、中村結有(女子10番)、そして浩美の名前がまだ呼ばれていないだけ、気分が少し楽だ。

保葉の視線の先、暗くて見えないが、鈴木典子(女子8番)が品の良い微笑みを浮かべた気がした。

「こんな時間にこんなところで一人? 何をしているの?」
落ち着いたまま、典子は言葉を続ける。
「別に、何も…。何をしてるわけでもないんだ。ただ、どうしていいのか分からなくて…」
ざあん、と波が打ち付ける音。それに自分の声がかき消されそうになる。
「そうね…。何をしたらいいのか、って…ここではすごく難しい問題よね」
「典子ちゃんは? 典子ちゃんはどうしてるの?」
典子のグループを思い浮かべる。南早和子(女子17番)は早々に退場してしまったが、水谷怜子(女子15番)は生きている。
「そうね…怜子や早和子に会えればよかったんだけど、番号が離れてるせいか無理だったわ。だから私も、保葉ちゃんと同じ。ずっと一人よ。それで、もうこんな時間」

なんてことないことだが、少しほっとする。
今まで誰にも会っていなかったからなのだが、他のクラスメイトがどうしているのかはずっと気になっていた。
典子はウェーブのかかった茶色いロングヘアー(地毛であることを学校に届け出ているらしい)に、他の国の血が混ざっているのではないかと思うような濃い顔立ちをしている。
さらに、高校生の彼氏がいると噂で聞いたことがある。
その上この言葉遣いに、それに伴った雰囲気だ。
そんな、自分とはまるで違う世界に生きているような典子が、『保葉ちゃんと同じ』なんて言ってくれることが、少し嬉しい。
この状況で自分の行動指針が見えないのは、誰だって同じなのだと――気休めなのだろうが、安心できる。

「ね、保葉ちゃんは何色だった? あの、最初に引かされたくじ」
「ああ…あれ?」
右手をブレザーのポケットに入れ、保葉はくじの一片を差し出した。
「見える? 青」

全然、警戒などしていなかったのだ。
典子も同じ、自分と同じ人間なのだと、安心していたから。

「あら…そうなの。青なの。大変だわ。
――私は、違うのよ。赤なの。だから保葉ちゃんのこと、殺さなきゃいけないわ」

「……え?」
目が点になる。
典子が何を言っているのか、聞こえてはいた。
でもその内容、それがどういう意味を示しているのか――それを理解するのに多大な時間を要した。
今、典子ちゃんは何て言った?
私のことを、『殺さなきゃ』って?
なんで…なんでそんないきなり……。

「保葉ちゃんの後ろは、崖よね。そこから海まで、どのくらいの距離があるかしら」
今度も少し、時間がかかった。
「や…いやっ……。典子ちゃん、私をっ……」
声が震える。胸の鼓動が大きくなる。

典子は少しずつ、こちらに寄ってくる。
私のことを、ここから突き落とすつもりなんだ…!
脳内を恐怖が占めていく中、保葉はできるだけ冷静になるように努める。
でもやはり怖い気持ちはなくならない。まさに今、文字通り“背水の陣”なのだ。
典子が一歩進むと、保葉は半歩ほど後ずさる。
それを何度か繰り返すと、二人の距離はほんの数十センチになった。

「やめて…典子ちゃん、やめて……」
首を横に振り、懇願する。
「いやよ。だって私、生きて帰りたいもの」
典子はあっさりと言い放つ。

はた、と気付き、保葉はスカートのポケットに手を伸ばす。そこには、支給武器であるスタンガンが入っている。
典子の発した言葉から推測する通り、保葉のことを『殺さなきゃいけない』のであれば――スタンガンで、少し動きを止めるくらいはできるだろう。
そして、その隙に逃げられれば――

スタンガンを握る右手に、ぐっと力を入れる。

目の前の小久保梨瑛(女子5番)がこの部屋を出て行ってからというもの、滞りなく、2分毎にクラスメイトが減っていった。
小林唯磨(男子6番)、芝田美穂(女子6番)、志摩雄士(男子7番)――
高橋錬志郎(男子8番)も早い内に出て行ってしまったので、今、名張志保美(女子11番)の前の机は、3つとももう誰もいない。

末広恭子(担当教官)が生徒の名前を呼ぶ以外はとても静かで、誰かの時計が1秒毎に時を刻む音がいくつかずれて聞こえてくるだけだった。
前に誰もいないからだろうか。志保美は机に額がついてしまいそうなくらい俯き、膝の上で汗ばむ両手を握っていた。
耳の後ろでツインテールにした髪の先が机の天板をかすめ、素直に3回書いた、“私たちは、殺し合いをする。殺らなきゃ殺られる。”の文字列をところどころ隠している。

志保美はもう、自分の行動を決めていた。
“彼”がどう思うかは分からない。でも、自分自身としては決めた。
見えたから。“彼”が引いたくじの色が。そしてそれが、自分と同じ色だったから。
向こうからこちらは見えないので、今“彼”はやきもきしているのだろう。
でも、大丈夫。大丈夫だよ。

「女子10番 中村結有さん」
「…はい」
後ろから暗い声色の返事が聞こえ、中村結有(女子10番)が鞄を持って前へと出る。
「はい、では中村さんも、皆の方を見て、あれを言って下さいね」
恭子に促されると、結有は教室内をざっと見渡し、「私たちは、殺し合いをする。殺らなきゃ殺られる」と、授業中の教科書の朗読のように言った。
その後、弥富(兵士)からディパックを受け取り、姿を消した。

播磨。私は播磨と同じ、白だよ。
顔を上げ、丸い目で左斜め前の恋人――播磨文男(男子13番)の背中を見つめる。
後ろ姿しか見えないが、彼は机の上で両手を軽く組み、少し俯いた姿勢をとっている。
自分のことを考えてくれているのだと思う。自分たち二人の色が同じかそうでないかで、多分出発後の行動が大きく変わるだろうから。

だけど大丈夫だよ、播磨。私たちは同じ白組なんだから。
この事実を早く伝えたい。それを知っているかいないかで、彼の気分が全然違うであろうので。

「男子11番 富田政志くん」
「はーい」
今度も後ろ。でも結有とは反対の右側から、妙に気の抜ける富田政志(男子11番)の返事。
志保美の右側の通路を、滑らかに進んでいく。
男子にしては長い政志の襟足を見ながら、優しいこの子の姿を見るのも、これで最後なのかもな、などと思う。
政志は茶髪だししかも長いし更に前髪にメッシュを入れているので教師受けは良くなかったが、志保美はよく優しくしてもらった。
周りに対する気配りや思いやりが絶えない子で、そんな彼の気持ちに何度も助けられたことがある。
授業中、何かの実験等で出席番号で組む時も率先的に動き、周りの負担を減らしてくれる。そういう子だ。

富田くんとも同じ色だったらいいな。
ふと、思う。
同じ色だったら、一緒に生きて帰れるかもしれないのだから。

「私たちは、殺し合いをする。殺らなきゃ殺られる。じゃ、行ってきまーす」
恭子に何を言われずとも、政志は例の“儀式”をやってのけた。
そして笑顔で――いつもの優しい彼の笑顔で、大きく手を振って、ここから出ていった。
彼が何を思ってそういった行動に出たのかは分からないが――少なくとも志保美の心は、少し、ほんの少し、和んだ。

山川陽介(男子17番)が、こちらをちらりと見上げる。
それに気付かぬふりをして、一歩、また一歩と足を踏み出す。
古川景子(女子13番)は組んだ腕を机の上に置き、黒板をぼうっと見つめているようだ。

そして、その前の文男の席。
机の上に、志保美はぽん、と左手を置いた。
その瞬間、文男はほんの数ミリ、顔を上げた。
しかし志保美は立ち止まらず、すぐにその手はどけた。
だけど、これで良いのだ。これで彼に、自分の意思が伝わっていると信じたい。――否、信じている。

外で待っている、と。

「はい、では名張さんも」
恭子に言われ、志保美は今来た道を振り返る。
文男と目が合う。彼はしっかりとこっちを見ている。
きっと伝わった。私の気持ち。

「私たちは、殺し合いをする。殺らなきゃ…殺られる」
『殺られる』の前で少し間ができてしまった。殺されるなんて、嫌だ。
大丈夫、播磨と一緒なら、私。

「では出発して下さい」
左を向き、出口へと向かう。寺本(兵士)からディパックを受け取り、それを両手で抱え、廊下へ出た。
右側は兵士がいて通れなくなっており、左に進むしかない。
そちら側にも通路の両脇に銃を装備した兵士が数メートルおきにおり、恐怖に思わず足がすくみそうになる。
しかし負けない。数分待てば――6分待てば、また文男に会えるのだ。

兵士たちに沿うようにして進むと、恭子が言っていた通り、右側に階段があった。
駆け下りるようにして、志保美はそこを下っていった。
2階分の階段を降りると、昇降口までの道筋をまた兵士が両脇に立って作りあげていた。
バスの中で拉致されたため、既に白いスニーカーをはいている。
そのまま外に出ると、まっすぐ行くとすぐ門――これは裏門だろう、それがあり、左側は図書館らしき建物と、通路を挟んで手前に武道館がある。

辺りに人の気配はない。皆、すぐにここを離れたのだろうか。
恐る恐る、今降りてきた校舎と武道館の間にある狭い通路を覗き込む。誰もいない。その向こうには渡り廊下、そしてその奥はグラウンドが広がっているのだが、そこにも誰かいる様子はない。

とにかく、どこか目立たないところに早く行かねば。
こんなところでもたついていたら次の中西翼(男子12番)が出てきてしまう。
志保美はその通路でグラウンド方面へ行き、武道館を背にし、渡り廊下に座り込んだ。
ちらりとのぞくと、ちょうど翼が大きな体を現した。彼もどこに行こうか迷ったのだろう、少々まごついた後、裏門方面へと向かっていった。

時間が経つのが遅い。
志保美は腕時計をしていないので(ディパックの中には入っているそうだが)、実際の時間がどうも分からない。
播磨。早く。早く出てきて。
膝をぎゅっと抱え、志保美は祈った。

また首だけ少し出してのぞきこむ。
さっきからほぼ2分後だったようで、服部伊予(女子12番)が翼と同じ方向に走っていくのが見えた。
それを見て、ほっと息をつく。
次に出てくるのが文男なのもあるが、伊予はいわゆるギャルで、ちょっと怖いと思っていたので近寄りたくなかったのだ。

次は文男の番だ。
志保美は立ち上がると、昇降口へと向かった。


「播磨」
兵士が列を成す中、現れた文男に向けて声を発する。
「名張っ…!」
文男はその整った顔を、まるで泣きそうに歪める。
「播磨、こっち。誰もいないから」
志保美は喋りながら、文男の手を握って今までいた武道館の陰に引っ張っていく。

「名張、ありがとう。待っててくれて」
右手には荷物を持っているので、左腕だけで文男は志保美を抱きしめる。
「何言ってんの。当たり前じゃない」
志保美は文男の胸に顔を埋め、微笑んだ。

「ね、播磨さ、あの色、白だよね?」
さり気なく、志保美は体を離す。
「…見えてたんだ?」
「うん、見えた。でね、私も白なの」
すると志保美は、ブレザーのポケットから白いくじを取り出し、文男に見せた。

口をすぼめ、石川佳之(男子2番)は頭をくしゃくしゃと乱暴に撫でた。


みぞおちに拳を入れ、意識を失わせてきた、水谷怜子(女子15番)。
同じ青の人間なのに、彼女はこちらに銃――シグ・ザウエル P225を向けてきた。
だから、殴った。
殺しはしない。[ピーーー]必要などないし、できれば殺したくなどないからだ。

怜子が言っていた、『生き残らせたい』人。なんとなく、想像はつく。確信は持てていないけれど。
でも彼女に、賛同はできない。
やっぱり俺は、俺が生き残って帰りたいから。

でも怜子にはできれば生きていてほしい。
なぜなら彼女も佳之と同じ、“やる気”な人間だからだ。
同じ色に属するもの同士、他の2色の人間を殺していけば――いや、違うのか。彼女は色など関係なしに殺していくのだろう。
なんにせよ、プログラムの進行を促してくれる存在に変わりはない。
あの時は自分の身を守るために気を失わせたが、そろそろ目は覚めただろうか。また、クラスメイトを殺しているだろうか。
あんたが俺の死を望もうが、俺はあんたの生を望むよ。
だから頑張ってくれよな。


今のところ、怪我らしい怪我は鳥羽和信(男子10番)に白ワインの割れた瓶で刺された左脚くらいだ。
足首に近いところを鋭利なもので刺されたので大分痛みはあったが――真弓雪之進(男子16番)を小学校で殺害した直後、すぐ側にあった保健室で治療をした。
治療と言っても、暗い中懐中電灯で傷口を照らしてガラスの破片を取り除き、消毒をして包帯を巻いたくらいだ。本当に簡単な、素人にしかできないこと。
念のため、消毒液と包帯はもらってきた。
今は慣れてきたためか、その傷のことはあまり気にせずに歩くことができる。他人から見たら少し不自然に見える歩き方はしているかもしれないが、とにかく。

今歩いているのはH=06。北上しているので、右手側に山が見える。
怜子を気絶させてから山を少しうろついたが、銃声は何度か聞こえはしたものの、その発信源となる人物とは遭遇しなかった。
どうであれ、プログラムが進行しているというのはいいことだ。もちろん、青の人間が優位であれば、の話だが。
辺りは特に何もなく、山に沿うようにアスファルトで舗装された道路ができている。
ずっと土の上を歩いていたせいか、この固い感覚がなんだか懐かしい。

ふと、緩やかなカーブをえがいている道の先に、人影が見えた。
ふたつ、ということは分かるのだが、佳之は授業中や勉強中だけ眼鏡をかけているので、今は視力が決して良くはない状態だ(戦闘において眼鏡をかけるほど細かいことを気にしなくてはいけないことがあるとは思えないので、それはディパックの奥底にしまってある)。それ故、誰なのか全く分からない。ズボンをはいているのは分かるので、両方とも男、ということくらいしか。
誰だ…? まあ誰だろうと、最初は疑うんだけど。
もう随分手に馴染んできたベレッタM92を、ズボンのポケットから引き抜く。
そしてそのまま、銃口を下に向けたまま歩き、人影に近付いていく。

やがてふたつの人影は立ち止まり、片方が「石川くん」と声をあげた。

だ。
「あと、一緒にいるのは…ごめん、よく見えなくて。もう結構暗くなってきたし」
「俺、田丸」
「田丸か…」
田丸大輔(男子9番)。
なぜ、この二人が一緒にいるのか…?
普段の生活から考えて、マンツーマンでいるところがあまり想像できない組み合わせだ。
きっと色が同じなのだろう、という仮定を立てた上で、佳之はベレッタを持つ右手に力を入れた。

「お前らさ、同じ色だよね?」
佳之がそう言うと、大輔と朋彦の緊張が高まるのが空気を通して伝わってきた。
「それは…俺たちが一緒にいるからそう思うわけ?」
「まあそうだよね。だってさ、色が違ったら一緒にいるメリットないでしょ、このルールで。
だから俺はそう思ったんだけど…どうなの?」
数メートルの距離の間に漂う緊張感。
数秒置いて、朋彦が口を開いた。
「…そうだよ、田丸と俺は、同じ色」
「やっぱりね。で、何色?」
佳之自身は青だが、先程長島めぐみ(女子9番)のポケットから白いくじをくすねてきた。
だから二人の回答により、こっちの出す手を替えることができる。

「石川くんは、何色なの?」
まあ、そう返されるよな。
そこで佳之は、ずっと地面に向けていたベレッタの銃口を朋彦と大輔に向けた。
「先にきいたのは俺。だから正直に言って」
やはり暫くは反応がない。
ひゅう、と風が吹き、ああ、冷えてきたな、なんて思ったその時、朋彦が口を開いた。
「俺たちは、青だ」
「証拠見せて」
そう言うと二人はほぼ同時に、ポケットから青いくじを取り出してこちらに見せてきた。
赤でも白でもないことは、この明るさの中でも分かった。
「そっ…か。俺も、青なんだ」
佳之はベレッタをズボンのポケットにしまい直すと、ブレザーの右ポケットから同じく青いくじを出した(白は左のポケットに入れてある。感触が同じなので、一緒にしておくと厄介なのだ)。
安心した。
クラスメイトを[ピーーー]のには肉体的にも精神的にも疲れる。

俺は、この二人のことは殺さなくていいんだ。

そう思うと、自然と体中の筋肉が弛緩していった。

「あっははっ、良かった。じゃあ俺たちは、殺し合わなくていいんだな。仲良くできる」
「お…おうっ。そうだよ、良かった良かった」
佳之が笑うと、ずっと黙っていた大輔がそれに応えた。
自然と足が動き、佳之は二人との間を詰める。


「ねえ、石川くんはさ、その…やる気なの?」
一度は佳之につられて笑んだ朋彦が、一転して不安げにたずねる。
「ん…まー色違う人だけ[ピーーー]つもりでいる。
だって考えてみろって。普通のプログラムと比べて、敵が3分の2なんだぜこれ? やる気になったっていいじゃんか」

高橋錬志郎(男子8番)は例外だが、和信や雪之進は他の色だったのだ。感謝されてもいいくらいだ。
「青の人は[ピーーー]つもり、ないってことだよね?」
「そう。そこは信じて。田丸にも、王子にも、手は出さない」
念を押されて、佳之は両手を開いて上げてみせた。
「そっか…。でも、俺たち、石川くんとは一緒にいられないわ…」
「なんで」
別に誰かと共に行動するつもりなど最初からないのだが、そう言われると原因を追求したくなってしまうのが人間というものだ。

「これ、俺の武器なんだけどさ」
そう言うと朋彦は、ずっと右手に持っていたゲーム機のような機械の画面を見せた。
そこの中心には3つ、星印が存在している。
「探知機なんだ。この首輪が発信する電波を拾って、誰か近くにいれば分かるようになってる。今も、誰かが近付いてくるのが分かって、そっちに向かってみたら石川くんがいたってわけ」
「へえ…」
探知機。良い武器ではないか。
「これを使って俺たちは人を探してる。俺たちが探してるのが違う色かもしれないし…確率からいって、その方がありうるし。その時に石川くんがいるとちょっと心配だなあ、と」
「うん…そうだよな……」
彼らが誰を探しているのかは知らないが、確かにその人物たちが青でなければ自分は銃を向けるだろう。

「じゃ、俺たちはお互い別々に頑張る、っつーことで」
「うん、そういうことでよろしく頼むよ」
顔を見合わせてにやっと笑う。佳之と朋彦のやり取りを見守っていた大輔とも。

「ああ、そうだ。ひとつだけ忠告しとく」
「…何?」
「俺、水谷さんに会ったんだ。あの子も青なんだけど、なんだか生き残ってほしい人が赤だからって躍起になってる。だからもし会ったら気をつけて」
「ああそれ小林くんのことだ…」
大輔がぼそっと呟く。
「あ、やっぱりね。そんな気はしてたんだけど」
想像が確信になった。怜子は見たところ、小林唯磨(男子6番)に相当好意を持っているようだったので。

水谷怜子(女子15番)は唇を一文字に結び、力強く歩いていた。

こんなに早く清水緑(女子7番)を見つけられたということは、すぐに殺せということだと思ったのに。


怜子が緑を嫌っているのには理由がある。
想いを寄せる小林唯磨(男子6番)と、緑の仲が良いからだ。

唯磨のことが好きだ。世界中の誰よりも。
だから、彼と仲が良い女子――このクラスならば、小久保梨瑛(女子5番)や緑が目障りでたまらない。
プログラムに選ばれたと分かった時、もちろん絶望はあった。自分の命が、ここで恐らく絶たれてしまうのだから。
でも、考え方を変えてみた。
“人を[ピーーー]こと”を許されているのだから、梨瑛や緑を殺せばよいではないか、と。
そうすれば、当座の邪魔者はいなくなる。

彼の姿が好きだ。性格が好きだ。はにかむような笑顔が好きだ。話す時のちょっとした仕草が好きだ。
とにかく――小林唯磨という少年の、全てが好きだ。
このクラスには、播磨文男(男子13番)と名張志保美(女子11番)、それにもういないが、東崇宏(男子14番)と南早和子(女子17番)というカップルがいる。でも彼らが互いに想い合う気持ちよりも、自分が唯磨を想う気持ちの方が大きいであろう自信がある。
それどころか、この世で唯磨のことを一番想っているのは自分であろうと思っている。
――否、“思っている”ではない。事実だ。事実でないはずがない。
だから彼の隣にいるのがふさわしいのは、梨瑛や緑ではない。
この、私だ。
いつもヘラヘラとしている梨瑛や、妙に気取っている緑などではない。
自分が、唯磨と共にあるべきなのだ。

彼が自分のことをどう思っているのかは分からない。でも、決して悪くは思っていないはずだ。
話しかければにこやかに応えてくれるし、会話を楽しく続けてくれる。
とにかく、梨瑛や緑、さらには唯磨の気持ちになど関係なく、怜子は彼に対して多大なる愛情を抱いているのだ。
この感情は、きっと今後何があっても変わらないだろう。


鈍そうな彼のことだから、恐らくこの気持ちには気付いてはいない。
だから怜子は、まず唯磨のことを探した。探して、見つけて、そしてこの想いを受け入れてもらうために。

罪木「あれは…トラック、ですか?」

七海「もしかして……荷台に載ってるのが爆弾?」

罪木「ど、どうすればいいんですかぁ!?」

日向「大丈夫、あれは爆弾なんかじゃない」

七海「……どういうこと?」

狛枝『やぁ、みんなご苦労さま…』

七海「狛枝くんからのビデオメッセージ…みたいだね」

日向「茶番だけどな…」

罪木「ど、どういうことなんですか?」

日向「これは爆弾なんかじゃなくてただの花火だ」

七海「…どうして日向くんはそれが爆弾じゃないことを知ってるのかな?」

日向「俺はドッキリハウスでなんか死んでなかったからだよ」

七海「なんでそんな嘘をついたの?」

日向「狛枝と決着をつけるためだ。だから二人はここで…」

罪木「創さん!」ガシッ

罪木「創さんは……また一人で……」

日向「ごめん…狛枝のことは俺が解決しなきゃならないことだからさ」

罪木「だったら私も行きます!」

日向「……ダメだ。蜜柑はここにいてくれ」

罪木「……ここから出たらデートしてください……」

日向「蜜柑?」

罪木「いっぱい……いっぱいお話も聞いてください!それに…あの……」

日向「…終わったら蜜柑のやりたいこと、全部一緒にやろう。俺は必ず帰ってくるからここで待っててくれ」

罪木「……はい」

七海「日向くん…無茶はしないでね」

日向「あぁ」ガチャッ


〔工場〕

日向「モノクマパネルのせいで開けにくいはずだけど」ガチャッ

日向「普通に開いた?」

狛枝「日向クンじゃないか。こんなに早くくるなんて驚いたよ。早すぎてまだなんの準備も終わってないんだけどね」

日向「次にお前がなにをしようとしてるのかも全部わかってる」

狛枝「へぇ、じゃあドッキリハウスでの話は嘘だったんだ」

日向「お前を止めるためにな。だからもう、やめにしないか?」

狛枝「やめる?あはははは!今更遅いよ」

狛枝「もう止まれないんだから」

日向「そんなことは……ッ!」

狛枝「日向クン、キミは本当に邪魔だよ」

日向「狛枝!」

狛枝「保険の意味を込めて実はここにも爆弾を仕掛けてたんだ」

日向「!」

狛枝「だからさ、ここで消えてよ」カチッ

日向「こま…ッ!」

ピカッ

日向「あっ……」

ドンッ

あーあ、プログラム、だってさ。
そんなに俺普段悪い行いしてたか?
こんなんナシだろ、おーい、神様、聞いてるー?

なんて。
神様なんていないよな、だっていたらクラスメイトと殺し合うなんていうありえない法律、許すはずないもんなぁ。
何だよ、“殺し合う”って。
映画かゲームならともかくさ。

マジ、ないわこんなの。

横山圭(男子十八番)は何度目になるかわからない溜息を吐いた。
既に半数近くのクラスメイトがこの教室を後にした。
銃声らしきものも二度聞こえている。
外では、既に殺し合いは始まっているのだ。

『俺は政府の連中の言うことなんか絶対聞いてやらねぇ』

最初に出発した城ヶ崎麗(男子十番)はそう言い殺し合いなどしないということを宣言していたが(あの自信に満ちた感じがあまりにもいつも通りなので、こんな状況だというのに圭は思わず笑ってしまった。ほんっと麗サマ面白過ぎ)、恐らく2番目に出て行ったチームと戦闘を行った。
2チーム目の構成は、ほぼ大人しいイメージのある人間ばかりだったので、銃声が聞こえた時には非常に驚いた。
麗のあの宣言は嘘だったのだろうか。
そう思いもしたが、麗は周りを陥れる嘘を吐くような小さな人間ではないはずだ――深い付き合いがあるわけではないが、圭は麗をそう評価しているので、麗の言葉に嘘はないと確信していた。
しかし、それでも戦闘に巻き込まれたとすれば2番目に出発したチームが要注意ということになるのだが、それもメンバーを考えるととても信じられない。

…あーやだやだ、ダチを疑うとか、ほんっとやだ。

圭は溜息を吐き、1つ前の空席をぼんやりと眺めた。
この席の主は、2つ前に名前を呼ばれて出て行った阪本遼子(女子八番)。
初等部1年生で初めて同じクラスになって以来中等部3年生になるまで、ずっと同じクラスに配属されてきた腐れ縁の女の子。
強気で生意気で愛想があまり良くないけれど、9年間一緒にいたので何でも話すことのできる友人。
何でも言い合えるからこそぶつかることも多かったが、それだけ本音でぶつかれる相手はそうはいないし、自然体になれる相手もなかなかいない。

このプログラムがチーム戦だということを告げられた時、遼子と同じチームになれればいいのに、と思ったのだが、遼子は先に名前を呼ばれてしまった。
遼子は名前を呼ばれてから教室を出て行くまで、一度も圭のことを見なかった。
ライド(担当教官)に突っかかり、芳野利央(男子十九番)や蓮井未久(女子十三番)に抑えられている姿に、ああ、自分のことで精一杯で周りに全く目が行っていないな、猪かよ、と心の中でつっこんだ。

よく周りからは「付き合ってるのか?」と訊かれたけれど、恋愛感情を抱いたことはこれまで一度もない(俺の好みは遼子みたいなキツい女じゃなくて、優しい子だ。上野原咲良(女子二番)なんかストライクど真ん中だったけれど、お近づきになる前に木戸健太(男子六番)に持って行かれてしまった。ちくしょう、健太のヤロウ。中等部入学のくせに上野原をひょいっと掻っ攫って行きやがって。まあ今は2人があまりにも仲睦まじいし、健太が良いヤツなのもわかるから、諦めたけど)。
遼子は、真正面からぶつかることのできる、性別を超えた友人だ。
何となく、これから先も何だかんだで付き合いが続くのだろうと思っていた。
その矢先に、これだ。
腐れ縁はここまでとなった。

…敵になっちまっても、阪本には会っておきたいな。
『腐れ縁もここまでで清々する』って、冗談めかして言ってやりたいな。
阪本が何て言うか想像つくな、『は?そんなのこっちの台詞だし』…だろうな。
いつもみたいにちょっと言い合いして、でも最後にはちゃんと、『今まで色々ありがとう、楽しかった』って言っておきたいな。

「10分経ったなぁ、じゃあ次は9班やな!
 男子十三番・原裕一郎君!
 男子十八番・横山圭君!
 女子十四番・平野南海さん!
 女子十八番・室町古都美さん!
 新しい世界を探してきてな!」

圭は自分の名前を呼ばれ、顔を上げた。
圭から見て右斜め後方にいる裕一郎の方をばっと見遣ると、裕一郎も目を大きく見開いて圭のことを見ていた。

まさか、裕一郎と同じ班になるとは。
裕一郎も、遼子同様真正面からぶつかることのできる数少ない人物だ。

圭と裕一郎は互いに帝東学院初等部出身なのだが、互いのことを認識したのは中等部1年生で初めて同じクラスになった時だった。
その後部活動見学でも顔を合わせ、互いにサッカー部に入部を希望していたということもあり意気投合し、互いにレギュラーになり全国大会に出ることを誓った。
サッカーの花形と言えば、最前線にいるフォワード――圭も裕一郎も同じポジションを希望していた。
他にも同じポジションを狙っている者は多くいたのだが、誰よりも真面目に真剣にストイックに練習に打ち込む裕一郎の姿に、圭は刺激を受けた。
この先裕一郎とエースストライカーの座を争うことになる――そう直感し、自然と裕一郎のことをライバル視するようになった。
裕一郎も圭をライバル視するようになるのに時間はかからず、2人は足の速さからリフティングの回数から果ては朝練に来る時間の早さと居残り練習の時間の長さまで張り合うようになり、その延長上で部活の時間以外でも様々なことで張り合うようになり、それが喧嘩に発展することも多くなり、周りからは「一緒にいる割に2人はとても仲が悪い」と言われるようになった。
確かにいつも元気でお茶らけていて騒がしい圭と、真面目で無愛想で自分にも他人にも厳しい裕一郎とは性格も全く違うので合わないことが多く、それもぶつかる大きな理由なのだが、互いに心底嫌っているということはない、と圭は思っている。
裕一郎の真面目なところや厳しいところは彼の長所だと思っているし、自分にはないところに魅かれている。
遼子と同じく、しっかりと関わっているからこそぶつかり合うことができるのだ。

とにかく、そんな裕一郎と同じ班になったことは、喜ぶべきことなのかもしれない。
裕一郎から前方に視線を戻す途中、廊下側の窓際の席に座るもう1人の親しい友人、宍貝雄大(男子八番)と目が合った。

した、非常に縁起の良い鞄だ。そのゲン担ぎも、プログラムという法律には敵わなかったのだが)を肩に掛けて、重い足を動かして前に出た。
ちらりと左を見ると、田中顕昌(男子十一番)の亡骸が横たわっているのが見えた。
立ち止り、数秒目を閉じて黙祷を捧げた。
顕昌、あの時のお前、すっげーかっこよかったよ。

目を開き、視線を手前にやると、南海はまだ自分の席に座っていた。
元女子ソフトボール大東亜代表選手を母に持ち自身もソフトボール部に所属する南海は運動能力はクラスの女子の中で誰よりも高く、いつでも快活で騒がしいのだが、今は外ハネのショートヘアの毛先が揺れる程に震えていた。
当然だ、すぐ隣で顕昌が殺害されたのだから。
しかも、南海と顕昌は同じ小学校の出身でありこのクラス内で最も顕昌と付き合いが長かったので、そのショックは相当なもののはずだ。

しかし、このままではいけない。
もたもたしているとアキヒロ(軍人)がまた銃を取り、顕昌の二の舞になりかねない。

「平野、立てるか?
 とにかく行こう、俺に掴まって…鞄は俺が持つからさ」

圭はそう言いながら南海の鞄を引っ張り、左肩に掛けた。
ずっと俯いていた南海の顔が上がり、真っ赤に充血した目で圭を捉えた。

「け…圭……」

こんなに震え、弱々しい南海を今まで見たことがない。
南海とは家が近い縁もあり(同じ区画に家があるので、超ご近所だ)、遼子も含めて3人で一緒に寄り道することも多かったので南海とは親しいのだが、これまで元気一杯の様子しか見たことがなかった。
圭の服を掴む手は震え、何とか立ち上がったものの足元が覚束ない状態で、圭が支えていないと倒れてしまいそうだった。

とりあえず、平野は俺が支えて動くしかないか…

エツヤ(軍人)がデイパックを渡してきたのだが、南海と2人分の荷物で手一杯だ。
何とか片手を空けようとするが、南海がしがみついているので上手くいかない。
圭がもたもたしていると、横からすっと手が伸びてきた。
見かねた裕一郎が、圭と南海のデイパックを代わりに受け取ったのだ。

「裕一郎…悪い、結構それ重そうなのに…」

「別に、気にするな。
 横山、テメェは平野を支えてろ」

ぶっきらぼうだし無愛想だけれどさり気ない気遣いができる、それが裕一郎だ。
変わらぬ頼れる友人に胸を撫で下ろし、教室内に残るクラスメイトたちを見回した後、圭は南海を連れて教室を出た。
その後ろを、裕一郎と古都美が追った。

南海のことで精一杯だったのでこの時まで気付いていなかったのだが、古都美も南海に負けないくらいに震えており、顔面蒼白となっていた。
大人しく気の弱い古都美にとっても、当然プログラムとは恐ろしいものなのだ。
特に、星崎かれん(女子十六番)と湯浅季莉(女子二十番)というA組ど派手女子ペアにからかわれることのある古都美には、

した、非常に縁起の良い鞄だ。そのゲン担ぎも、プログラムという法律には敵わなかったのだが)を肩に掛けて、重い足を動かして前に出た。
ちらりと左を見ると、田中顕昌(男子十一番)の亡骸が横たわっているのが見えた。
立ち止り、数秒目を閉じて黙祷を捧げた。
顕昌、あの時のお前、すっげーかっこよかったよ。

目を開き、視線を手前にやると、南海はまだ自分の席に座っていた。
元女子ソフトボール大東亜代表選手を母に持ち自身もソフトボール部に所属する南海は運動能力はクラスの女子の中で誰よりも高く、いつでも快活で騒がしいのだが、今は外ハネのショートヘアの毛先が揺れる程に震えていた。
当然だ、すぐ隣で顕昌が殺害されたのだから。
しかも、南海と顕昌は同じ小学校の出身でありこのクラス内で最も顕昌と付き合いが長かったので、そのショックは相当なもののはずだ。

しかし、このままではいけない。
もたもたしているとアキヒロ(軍人)がまた銃を取り、顕昌の二の舞になりかねない。

「平野、立てるか?
 とにかく行こう、俺に掴まって…鞄は俺が持つからさ」

圭はそう言いながら南海の鞄を引っ張り、左肩に掛けた。
ずっと俯いていた南海の顔が上がり、真っ赤に充血した目で圭を捉えた。

「け…圭……」

こんなに震え、弱々しい南海を今まで見たことがない。
南海とは家が近い縁もあり(同じ区画に家があるので、超ご近所だ)、遼子も含めて3人で一緒に寄り道することも多かったので南海とは親しいのだが、これまで元気一杯の様子しか見たことがなかった。
圭の服を掴む手は震え、何とか立ち上がったものの足元が覚束ない状態で、圭が支えていないと倒れてしまいそうだった。

とりあえず、平野は俺が支えて動くしかないか…

エツヤ(軍人)がデイパックを渡してきたのだが、南海と2人分の荷物で手一杯だ。
何とか片手を空けようとするが、南海がしがみついているので上手くいかない。
圭がもたもたしていると、横からすっと手が伸びてきた。
見かねた裕一郎が、圭と南海のデイパックを代わりに受け取ったのだ。

「裕一郎…悪い、結構それ重そうなのに…」

「別に、気にするな。
 横山、テメェは平野を支えてろ」

ぶっきらぼうだし無愛想だけれどさり気ない気遣いができる、それが裕一郎だ。
変わらぬ頼れる友人に胸を撫で下ろし、教室内に残るクラスメイトたちを見回した後、圭は南海を連れて教室を出た。
その後ろを、裕一郎と古都美が追った。

南海のことで精一杯だったのでこの時まで気付いていなかったのだが、古都美も南海に負けないくらいに震えており、顔面蒼白となっていた。
大人しく気の弱い古都美にとっても、当然プログラムとは恐ろしいものなのだ。
特に、星崎かれん(女子十六番)と湯浅季莉(女子二十番)というA組ど派手女子ペアにからかわれることのある古都美には、

大きく頷いた。
サッカーの試合中によく行っていたアイコンタクトでの意思疎通が、まさかこんな場面で役に立つとは思わなかった。

裕一郎と古都美は圭たちの後ろを並んで歩いているのだが、2人の間には会話らしい会話はない。
古都美は同じグループの荻野千世(女子三番)・佐伯華那(女子七番)・鷹城雪美(女子九番)以外と会話を交わすところをほとんど見たことがない位に内気だし、裕一郎は意外にも女子とは目も合わせられないくらいに恥ずかしがり屋なので、それは仕方がないことだが。

ま、それに裕一郎は室町を…
…もしかして政府のヤツら、そこまでわかっててこのチームにしたのか?
…まさかな。
このことを知ってるのは、俺と雄大だけのはずだし。

校舎を出て校門をくぐると、鬱蒼とした森が広がっていた。
既に4チームが外に出ている。
この場所は最後のチームが出発してから20分後に禁止エリアというものに指定され、その時間を超えて滞在していると首輪が爆発するらしいので、この辺りでいつまでももたもたしている班はそうはいないはずだが、既に銃声が響いていることを考えると、無防備に姿を晒したままというのは非常に恐ろしい。
クラスメイトを疑いたくなくとも、警戒心は自然と芽生えるものだ。

「横山。
 とりあえず落ち着ける場所を探して隠れるぞ」

裕一郎の声に、圭は振り返った。
裕一郎は既に地図を手にしており、懐中電灯で紙面を照らしていた。

「近くに建物あったよな、そこか?」

「いや…すぐ近くは誰かがいるかもしれないから避けるべきだろ。
 ここからなら…北の集落が近いか…
 沢山家がある中の1軒なら、他のヤツらと会う確率も減るだろ、きっと。
 そこで落ち着いてこれからのことを考えよう」

成程、建物なら何でもいいというわけではないのか。
サッカーに関しては実力伯仲している圭と裕一郎だが、頭脳の面については圭は裕一郎に遠く及ばない(身長なら俺が勝ってるんだけどな。まあ俺もそんな高くないけど、裕一郎は男子の中では健太に次いで身長が低い)。
裕一郎が何を言っても張り合ってきたのだが、今回は張り合うような意見がない、というよりも裕一郎の意見に全面的に賛成だった。

「多分初めて裕一郎の意見に大賛成。
 頭良いヤツは考えることが深いねぇ」

「テメェが言うと嫌味ったらしく聞こえる」

「はァ? 珍しく感心したらこの仕打ち…裕一郎クン、酷いワ…ッ!!」

「気色悪い! オネエ言葉で喋るな!」

会話を続ければ喧嘩腰になってしまうのはいつものことだ。
プログラムという異常な状況に置かれても自然と出てしまう。
しかし、このようなやり取りができるだけの余裕がまだ自分にはあるのだ、と圭はほっとしていた。
これも、裕一郎と同じチームになることができたお陰だろう。
ここに雄大や遼子もいればもっと良かったのだけれど。

「…とにかく、移動しようぜ、裕一郎。
 道案内、頼んでいいか?」
「言われるまでもねぇよ。

3番目に名前を呼ばれた如月梨杏(女子四番)も同意見だ。
どうして自分がこんな連中と行動を共にしなければならないのか、理解に苦しむ。

そもそも梨杏は3年A組に対して思い入れもなければ親しくする者もいない。
いや、親しくする価値のある人間なんて、このクラスにはほとんどいないのだ。
誰も彼も馬鹿ばかり。
せいぜい認めてやっても良いのは、成績で梨杏の上を行く学年首席の真壁瑠衣斗(男子十六番)・委員長の芳野利央(男子十九番)・副委員長の奈良橋智子(女子十一番)くらいのものだ。
それ以外の人間とは、同じ空間にいるだけでも嫌になる。
梨杏は、馬鹿で愚かな人間が嫌いなのだ。

梨杏は黒いストレートヘアーを指先で弄びながら溜息を吐いた。

「…あのさ如月さん。
 ムカつくからさ、溜息とかやめてくれない?」

「私が何をしようが勝手でしょ。
 …じゃあ言わせてもらうけど、ムカつくので喋らないでくれる?」

「…マジムカつく、一回死んで」

梨杏に文句を言ってきた星崎かれん(女子十六番)は大袈裟な舌打ちをし、不機嫌な表情を浮かべて梨杏から視線を逸らした。

そう、まずこの女。
大東亜人には似合わない金髪と、中学生らしからぬケバいメイクとチャラチャラとしたアクセサリー類、男を誘っているとしか思えない短すぎるスカート――どんなに頑張って見ようとしても馬鹿以外の何者にも見えない(事実勉強もできない馬鹿だ、この女は)、梨杏が最も忌み嫌う下品なギャルだ。
伝統ある帝東学院において頭の湧いたような、街中で自分は頭が軽い馬鹿だという看板を掲げながら闊歩しているギャルはそれ程数が多くないのだけれど(ギャルがニュース番組などのインタビューを受けているのをたまに見るが、発言も喋り方も態度も全てが馬鹿みたいだ、あんなのと同じ生き物だと思うだけで吐き気がする)、このクラスにはそれが4人も存在している。
派手さはかれんを凌ぐ、金髪を巻いたツインテールに赤いピアス、赤いブーツに紫のセーターと、色合いからして馬鹿みたいで、耳に入ってくる声は腹立たしい程騒がしく甲高い湯浅季莉(女子二十番)。
髪色はかれんや季莉よりは落ち着いているがそれでも明るい赤みがかった茶色に染め、鼓膜を破りかねないような大声で季莉と騒いでいる、昔は喧嘩ばかりしていたという荒っぽい女、水田早稀(女子十七番)。
そして騒がしくないだけまだマシだが、両耳には頭がイカれているのかと思えるほどに多くのピアスをしており、昔は万引きの常習犯だったという噂もある財前永佳(女子六番)。
かれんは彼女らと行動を共にしているだけでなく、クラス内にいる彼氏と仲良くやっている3人とは異なり、援助交際という淫行に手を染めていると聞いたことがある。
そんな女が仲間だなんて、ありえない。

その隣で膝を抱えているのは内藤恒祐(男子十二番)。
A組男子の中で最も派手で馬鹿丸出しの出で立ちをしている恒祐も、梨杏の嫌う愚かな人間の1人だ。
いつも教室の真ん中でくだらない話をして大騒ぎしており、どこにいても恒祐の声は聞こえてくるのではないかと思えるほど煩い。
非常に軽い男であり気に入った女子に次々と声をかけていることは有名で、梨杏はその全てを知っているわけではないが、朝比奈紗羅(女子一番)や平野南海(女子十四番)といった、頭の軽そうな女子に軽く告白をしては振られているのは、彼女らが話をしていたのを小耳に挟んでいたので知っている。

ライド(担当教官)にプログラムに対する異議を申し立てて射殺された田中顕昌(男子十一番)――余計なことを言えばああなる可能性はこの国でなら十分あり得る話だというのに、その考えに至らなかった憐れで愚かな男。
あまり目立たない地味な印象の顕昌が、派手な恒祐と親しいのは意外だった。

「…ああなることなんて目に見えてたのに。
 それがわからずに行動した人を悼んで泣かれても迷惑なのよ」

「テメェ…ッ!!」

恒祐がばっと顔を上げ、泣き腫らした目で梨杏を睨んだかと思うと、腰を浮かせて手を伸ばし梨杏の胸倉を掴んで後ろの幹に叩きつけた。
梨杏は背中を打ち、「うっ」と呻いた。

「あんなこと言えばああなることくらい、アッキーは絶対わかってたんだよ!!
 それでも言っちまうくらいに、アッキーは優しいんだよッ!!
 それを…テメェは馬鹿にしたな…アッキーを馬鹿にしたな…如月…ッ!!」

「煩いわね、誰かに見つかったらどうするのよ」

梨杏は右横に置いていた自身に支給されたデイパックの中に入っていた銀色に光る銃身と黒いグリップが特徴のリボルバー式拳銃、S&W M686を掴むと、その銃口を恒祐の額に向けた。
恒祐の元々ぎょろっとしている瞳が一層見開かれる。

「こ…の…ッ!!!」

恒祐も梨杏のM686と同じ位の大きさだが形が大きく違う黒光りする自動拳銃、ジェリコ941Lをベルトから抜き、梨杏に向けてきた。
梨杏自身人に銃口を突き付けているというのに、恒祐の行動に息を呑んだ。

「貴方…馬鹿じゃないの…?」

「ああ、馬鹿だよ、テメェに比べりゃ馬鹿だよそれがどうしたよッ!!
 ダチ1人できない冷徹女に比べたら、大馬鹿の方がマシだねッ!!」

“ダチ1人できない冷徹女”――確かに梨杏には友人と呼べる人はいない。
くだらない馬鹿な人間たちとつるむくらいなら読書をしている方が何倍も有益なので、休み時間はいつも自分の席で読書に勤しんでいた。

恒祐は起き上がりながら、自分を引っ張ったもう1人のチームメンバーである林崎洋海(男子二十番)を見上げた。
細身だがクラスで最も背の高い洋海は、手にしていた金属バットを振り下ろした。
恒祐が身を起こすために地面に付けていた右手のすぐ横にそれは振り下ろされ、小石に当たったらしくカァンという高音が響いた。
恒祐はぎこちなく首を動かして金属バットが振り下ろされた先を見、口許をわなわなと震わせていた。

洋海は梨杏とは同じ文芸部に所属する部活仲間だ。
とは言うものの、洋海は挨拶以外では言葉を発しないのではないかと思う程に無口で(このクラスには池ノ坊奨(男子四番)や榊原賢吾(男子七番)や瑠衣斗や利央といった口数の少ない者が多いが、その彼らですら饒舌だと思えてしまう程に洋海の無口さは群を抜いていた)、梨杏も挨拶以外には言葉を交わさない。
梨杏に言わせれば、何を考えているのかさっぱり理解できない、勉強も運動も人並以下のことしかできないウドの大木だ。
辺りを見回しているところをみると、騒いで誰かに見つかるのを防ぐために、梨杏と恒祐を引き剥がし、騒がしい恒祐を威圧して黙らせたのだろうか。
洋海自身がこの間一言も発していないので、真相は定かではないが。

「あーあ、馬鹿馬鹿しい」

かれんはわざとらしく溜息を吐き、人工的な睫毛に覆われた瞳で3人を見遣った。

「一応チームメイトなわけだしさ、仲間割れとかやめない?
 こんなところ誰かに狙われたら、あっという間に全滅じゃないの」

「星崎…でも俺やだぜ。
 星崎と林崎はともかく、如月とつるむとか絶対できねーよ。
 しかも、他のヤツらと戦うことになったとしたら、コイツ護らなきゃいけないとか…
 やだよ、こんな最悪なヤツのために命張るとか」

恒祐は失礼なことに梨杏を指差した。
そう、この共通点もなければ普段の接点もなければチームワークが生まれる兆しもないチームのリーダーは、他でもない梨杏だ。
馬鹿たちの命を、梨杏は背負っているのだ。
自分の左腕に王冠のマークを見つけた時、心底ほっとした。
当たり前だ、こんな馬鹿たちの中の誰かに自分の命を握られていたかもしれないだなんて、考えただけでぞっとする。

「フン、せいぜい頑張って“最悪な”私を護りなさいよね。
 貴方の命も掛かってるんだから」

「はァ? 調子乗るなよ如月…ッ!!」

再び梨杏に掴み掛ろうとする恒祐の服をかれんが引っ張り止めた。

「だからやめなって、体力の無駄よ?
 でも、内藤の言う通り…如月さん、調子に乗らないでくれる?
 アンタがピンチになろうが、別にどうでもいいのよ。
 アンタが殺される前に、あたしらの誰かがアンタを殺せばいいんだから。
 “下剋上ルール”があって本当に良かったと思ってるわ」

梨杏は銀縁の眼鏡の奥の目を見開き、かれんを凝視した。
かれんが口にした“下剋上ルール”――失念していた。
このルールが存在することで、かれんたちは何が何でもリーダーである梨杏を護る必要はなく、例えば梨杏が負傷でもして足を引っ張ろうものなら容赦なく殺害されかねないのだ。

馬鹿のくせに、そういう頭は回るのね…不愉快だわ…っ

歯噛みする梨杏を見、かれんはふんっと鼻で笑った。
自分が優位に立っていることを確信している目が、非常に不快だ。

「せいぜい、あたしたちに殺されないように気を付けるのね、如月さん。
 ま、別に今すぐどうこうしようってことはないから安心してよ。
 だって、あたしたち、“チームメイト”でしょ?」

“チームメイト”という言葉を嘲るような口調。
梨杏どころか、洋海や、普段から会話を交わしていたはずの恒祐でさえ、チームメイトだとは欠片も思っていないことは見て取れた。
人のことは言えないが、酷く冷たい女だ、星崎かれんは。

「内藤も林崎も、こんな所で死にたくないでしょ?」

「当たり前だろっ!!
 あんな…アッキーみたいな……アッキーだって死にたくなかったはずなのに…」

恒祐は最初の勢いはどこへやら、徐々に声は萎み、最後は項垂れていた。
今更顕昌の死をどうこう言ってもどうにもならないというのに。
かれんも同じ考えなのか、呆れたように溜息を吐いたが、特にそのことを口に出すことはなく、恒祐の背中をぽんぽんと叩いていた。
やはり馬鹿同士それなりに親交があったらしいので恒祐の気持ちを思っての行動だ――と普通なら思うだろうが、かれんが恒祐を見る目は酷く冷たく、嘲るような笑みを浮かべていることから、そうではないことはすぐにわかった。

洋海は何も言葉を発しないが、しっかりと頷いた。
何を考えているかはわからないけれど、命に対する執着心はあるようだ。
もしくは、目つきの悪さや目の下の隈の影響で威圧的な顔立ちをしている洋海だが、もしかしたら内心酷く怖がっているのかもしれない。
まあ、どうでもいいけれど。

「死にたくない者同士、生きるために手を組む…それでいいじゃない。
 全員敵にするよりは、協力できる相手がいる方が、挟み打ちとかできるしね。
 武器は結構使える物ばかりだし。
 ねえ、“リーダー”?」

かれんは自身に支給されたスタンガンを顔の横まで上げて軽く振りながら薄い笑みを浮かべ、梨杏に視線を向けた。
わざとらしくリーダーという単語を強調して言ってきたが、かれんには梨杏をリーダーと思う気持ちはこれっぽっちもないことは先程までの発言で充分にわかっている。
馬鹿のくせに自分を嘲るかれんには腹が立つが、かれんの言うことには賛成だ。

「生きるために手を組む…それでいいわ。
 私は貴方たちと馴れ合う気は少しもないし。
 馬鹿だからって馬鹿な行動をして私の足を引っ張らないでちょうだいね」

「うっせー黙れ冷徹眼鏡デコ女。
 テメェと馴れ合うのだけは死んでもお断りだっての!
 邪魔になったらブッ殺してやるからな、忘れんなよ!」

梨杏は反射的に赤いカチューシャで前髪を上げて丸見えの額を押さえた。
その動作を見たかれんが鼻で笑う。
洋海は3人のやり取りよりも先程地面に叩きつけた金属バットに出来た凹みに興味があるようで、金属バットをしげしげと眺めていた。

チームワークなんてない。
それどころか、恐らくこのチームの誰が死のうが誰も悲しみはしない。

2番目に出発する班として教室を追い出されて廊下を歩いている時に、鷹城雪美(女子九番)はプログラムに参加させられ今から戦場へと出なければならないという状況とは思えない程に落ち着いた声で、そう言った。

もちろんそれはその後ろを歩いていた松栄錬(男子九番)も同意見だった。
容姿は地味だし場を明るくできるような性格でもないし、運動はからっきし駄目だし、だからといって勉強ができるかと言われるとどんなに頑張っても中の上程度にしかできないし――たまに生きていて申し訳ない気分にさえなってしまう錬だが、だからといって死にたいと思ったことは一度もないし、今ももちろん死にたくない。
地道に努力を続ければ行く行くは祖父が現在会長を務めている鉄鋼会社に就職して、将来的にはそれなりに上の地位に就くだろう。
こんな地味な自分だが、湯浅季莉(女子二十番)という少々性格はキツいが可愛らしい彼女もいる(季莉の祖父が大東亜を代表する自動車会社の社長を務めており、祖父たちが会社の将来を見越して錬と季莉を許嫁としたのだが、今は決められた関係だからという理由ではなく、少なくとも錬は心から季莉のことが好きで付き合っているし、季莉もそうであると信じている)。
人生の成功は、ほぼ約束されているのだ。
それを、こんなわけのわからない戦闘実験とやらに巻き込まれておじゃんにされるだなんて、到底受け入れられるはずがない。
季莉と同じ班になることができたのは良かった、一緒に生きることができるので。

季莉や、友人の榊原賢吾(男子七番)ももちろん死にたいと願っているはずがなく、全員が雪美の意見に同調した。
すると、雪美は柔らかい笑顔を浮かべ、言った。

「賢吾、季莉ちゃん、松栄くん…みんな、生きたいのよね。
 それなら、生きる覚悟を、あたしに見せてちょうだい?」

「生きる…覚悟?」

季莉が首を傾げながら訊き返し、錬と顔を見合わせた。
生きる覚悟を見せるというのはどういうことなのか、わからなかった。
錬は賢吾に目で問うてみたが、賢吾もそれはどう見せるべきものなのだろうかと言いたげな目で錬を見返した。

校舎を出て、とりあえず最後の班が出発した後に禁止エリアになるというエリアを抜け出すために歩いていたところ、突然雪美が立ち止った。
「雪ちゃん?」と声を掛けた季莉の口を手で塞ぎ、雪美は茂みの少し離れた所を指差した。

「…あそこ、城ヶ崎くんたちがいるわね」

錬たちは息を呑み、雪美の指先を目で追った。
姿を確認することはできないが、僅かに声が聞こえる。
現時点で教室を出発しているのは錬たちと城ヶ崎麗(男子十番)・木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)以外にはいないので、声からそれが誰か判断できなくとも、そこにいる人物を特定することはできた。

「城ヶ崎たち、戦うとかそういうの…やらないよね。
 やらないって、そう言ってたもんね。
 紗羅とかもみじとも、話しておきたいなぁ…」

季莉は安堵した表情を浮かべ、そう呟いた。
季莉はその派手な身なりや荒れていた時期があったことからか、ギャルグループとしてクラスの中では少し浮いた存在だった。
しかし、季莉は打ち解けることができれば相手に非常に懐くために交友関係は広く、特に紗羅とは相性が良いようで、仲良く話をしている姿はよく目にしていた。
紗羅の幼馴染であるというもみじとは性格自体はあまり合わないようだったが(気の短い季莉には、マイペースなもみじののんびりさは合わないのだろう)、嫌っているわけではないので話をしたいと思うのは当然だろう。

「賢吾は、城ヶ崎君のこと、あまり好きじゃなかったよね」

錬が賢吾を見上げると、賢吾は茂みからは目を離さないまま、ふんと鼻を鳴らした。

「確かに、城ヶ崎のあの派手さは気に喰わない。
 自重とか謙虚とか、そういう言葉があいつの辞書にはないんだろうな。
 だが、あいつの、自分の発言に責任を持ち人を裏切らないところは嫌いではない。
 政府の言いなりにならないと言った以上、戦うことはないだろう。
 木戸も真っ直ぐなやつだからな、大丈夫だろう」

へぇ、と錬は声を洩らした。
普段から賢吾は麗が脚光を浴びたり騒いだりする度に嫌な顔をしていたので心底嫌いなのかと思っていたが、そうではないようだ。
賢吾は非常に真っ直ぐな人間なので、麗の芯がぶれない部分はしっかりと評価しているのだろうし、健太も典型的な熱血体育会系の人間なのできっとじっくり話せば気が合うのだと思う。

錬はいつも派手で目立っている麗に苦手意識を持っているけれど、それは近くによると眩しいからだとか自分が霞んでしまいそうだからだとか、そういう卑屈になってしまう理由から来るものであって、麗自体は頼りになる人だと思っている。
健太も熱すぎるところが苦手だが、体育で足を引っ張っても「ドンマイ、錬、次頑張ろうぜ!」と肩を叩いてくれて、例えばそれがサッカーであれば良いアシストをして何とか錬が点を取れるようにパスを回してくれるような、そんな気遣いをしてくれるとても良い人だということを知っている。

雪美と賢吾の間にどのような関係があるのかはわからない――親同士が古くからの付き合いだという関係で、お互い話をする関係だ、ということしか聞いていない――が、雪美と賢吾の力関係ははっきりとわかる。
賢吾は、雪美には意見できないのだ。

「死にたくないなら、他の班の全員に死んでもらわないといけないでしょう?
 ねえ季莉ちゃん…あたし、何か、間違ってるかしら?」

話を振られた季莉が、びくっと身体を震わせた。
わなわなとグロスが艶めく唇を震わせていたが、引き攣った笑みを浮かべた。

「だ…だって…雪ちゃん…城ヶ崎たちは、戦う気はないよ…?
 城ヶ崎も、木戸も、紗羅も、もみじも…みんな良い子じゃん…?
 こ、[ピーーー]…とか……そんな…ねぇ…?」

季莉はちらりと錬を見、目で助けを求めてきた。
錬も何度も頷き、雪美を見つめた。

「季莉ちゃんは、城ヶ崎くんたちのことが好きなのね。
 …あたしより、城ヶ崎くんたちの味方になるの?」

「ち、違うよ…雪ちゃん、違う…あたし、雪ちゃん大好きだもん!!
 雪ちゃんは、あたしと錬の恩人、雪ちゃんがいたから、今のあたしと錬があるの!
 ね、錬、そうだよね!?」

「うん、鷹城さんがいなかったら、下手したら僕は死んでたかもしれない…
 季莉だってどうなってたかわからない…僕ら、鷹城さんに恩があるよ…」

そう、錬と季莉は雪美に大きな恩がある。
2年前の“とある出来事”の際に、錬と季莉は雪美に助けられ、その出来事をきっかけにして錬と季莉は付き合うことになった。
それ以来季莉は雪美に非常に懐いているし、錬も恩を感じている。
大恩人の雪美を裏切るなんて、できるはずがない。

雪美はにっこりと笑みを浮かべた。
ああ、雪美はわかってくれた、そう思った――次の瞬間。
錬の側頭部に、何かが当たった。
「錬ッ!!」、季莉と賢吾がが同時に声を上げた。
錬は恐る恐る左側へと視線を向け、目を見開いた。
雪美が、支給されていたS

雪美が指差した先にいるのは、悠希の亡骸を抱えて泣きじゃくっている、クラスで2番目に小柄な女の子、山本真子(女子十九番)。
他の3人が死してなお生きているということは、真子がこの班のリーダーらしい。
真子を見、手に握られた金槌に視線を移し――錬は呻き声を上げた。
つまり、雪美はこう言ったのだ、「山本さんを、金槌で殴り殺してちょうだい」と。

「季莉ちゃん!
 山本さんを、押さえてちょうだい?」

雪美の言葉に、真子と季莉が同時に顔を上げた。
2人は泣き腫らした目で互いの顔をじっと見合い――真子が悠希の亡骸を置いて立ち上がろうとしたところを、季莉はラグビーのタックルよろしく掴み掛り、2人はもんどりうって倒れた。

「嫌、嫌っ…お願い、離して季莉、季莉ッ!!!」

「大人しくしてよ真子、お願いだから、暴れないでッ!!」

真子がじたばたと四肢を動かして何とか季莉の束縛から離れようとするが、季莉は頑なに真子にしがみ付いて離れない。
捕まっている真子も、捕まえている季莉も、ぼろぼろと涙を流していた。

『ねえ、錬、この前借りた小説、もう一度借りていい?』
『良いけど…季莉、そんなに気に入った?』
『うん、あたしが気に入ったのもあるんだけどさ。
 真子が読みたいって言ってたの、貸しても良い?』
『山本さんが? 良いけど…』
『ありがと、あたしと真子って小説の趣味が同じなのっ』

そんな会話をしたことを思い出す。
季莉は派手な容姿からは想像しがたいかもしれないけれど意外と読書家で、特にファンタジー系の小説を好んで読んでいた。
季莉と真子は普段一緒にいることはなかったけれど、出席番号が近い関係で話をすることは多かったらしく、季莉は自分の読んだ本を真子に薦め、錬はよく季莉を通して真子に小説を貸していた。
読んだ小説の話を真子とするのが楽しいと、季莉はいつも言っていた。

そんな2人が、どうしてこんなことをしなければならないのか。
季莉が今どんな思いで真子を捕まえているのか、考えただけで錬は酷く息苦しくなり、鼻の奥がツンと痛んだ。

「さ、松栄くん…季莉ちゃんが押さえているうちに、ね?」

雪美が錬の腕を掴み、錬を立ち上がらせた。
いくら錬が運動音痴の非力な男と言えど、雪美だって文化系の女の子なのだから、振り払えないことはないはずだ。
だけど、できない。
恩義を感じているからか、それとも、恐怖からか――もう自分ではわからない。
雪美に引きずられるように、季莉と真子の元へと歩んだ。
錬の手に握られた金槌を目にした真子は、大きく目を見開いた。

「やだ、やだぁ…ッ!!
 助けて、嫌、死にたくないッ!!
 松栄くん、やめて、許してぇッ!!」

錬の、金槌を持つ手が酷く汗ばみ、震えが一層大きくなった。
金槌を持ち続けることが困難になり、ごとん、と金槌が地面に落ちた。
こんなに泣き叫んでいる子を殴打するだなんて、できっこない。

「で…でき…ない……ッ!!
 鷹城さん……できないよ……僕には、とても……ッ!!」

「できるわ…あたし、松栄くんを、信じているもの」

雪美は真っ直ぐ錬を見据え、言った。
しかしその右手は、チーフスペシャルを握っているその手は、季莉へ向けられた。
季莉の、血に汚れた金髪に、銃口が押し付けられた。

「ゆ…雪…ちゃん…?」

「季莉…ッ!! 鷹城さん、何を…!!」

銃口を向けられた季莉の身体が硬直した隙を見た真子が、季莉の束縛から抜け出し、悲鳴を上げながら逃げ出した。
足を縺れさせ、何度も躓き、それでも真子は何度も起き上がり逃げた。
しかし、錬は真子には目もくれず、雪美と季莉を凝視し続けた。

「ねえ、松栄くん…貴方の覚悟を、あたしに見せて。
 季莉ちゃんと山本さん…貴方は、どっちが大切なのかしら?」

麗たちを襲う時と真逆の状況――雪美は今度は季莉を人質に取り、錬に殺人を強要している。
季莉の、付けまつ毛に覆われた涙で潤んだ双眸が、錬を見つめる。

季莉…僕は、僕は――

錬は落とした金槌を掴むと、季莉と雪美に背を向け、地を蹴った。

「錬ッ!!」

季莉の叫びが、背中に、胸に突き刺さる。
それでも錬は振り返らず、真子の背中を追った。錬が雪美に銃を突き付けられた時、季莉は迷わず麗たちを襲い、その時は逃がしてしまったけれど、今回ついに殺人を犯した。被害者となった麗たちや悠希たちには申し訳ないけれど、季莉がそこまで錬の命に重きを置いてくれたことは、正直嬉しかった。だけど、同じように、いやきっとそれ以上に、錬にとって季莉の命は重い。こんな冴えない自分と一緒にいてくれて、笑いかけてくれて、大切に思ってくれる――そんな彼女の命がなくなるなんて、想像したくもない。

もちろん殺人なんてしたくない、けれど、拒否すれば雪美はきっと引き金を絞る――それはほんの一滴の情けもなく、あっさりと。
そんなこと、絶対に、させてたまるか。

僕にとって、季莉の命は、何よりも重いんだ…!!

「逃がすかぁぁぁッ!!」

錬の足は速くない上に持久力もない。
普通の状況で追いかけっこをすれば、バドミントン部で鍛えている真子に瞬発力も持久力も決して敵わないだろう。
しかし、真子の震えた足は自身の逃亡を困難にし、錬との距離は詰まっていった。

「いやっ、いやぁ…きゃあッ!!!」

真子が地面から出っ張っていた石に躓き、スライディングをするように倒れた。
それでも少しでも錬との距離を取ろうともがき、何とか立ち上がろうとしていたが、ついに錬は真子に追い付き、真子の小さな背中に馬乗りになった。

「やだ、やだぁ…松栄くん、お願い、助けて、許してッ!!」

真子のサイドポニーがぶんぶんと揺れる。
季莉とは違う、まるで小学生のような童顔を返り血と涙と鼻水で汚し、真子は泣き叫んで錬に命を請う――錬の心臓が、吐きそうになる程に酷く痛む。
それでも、やめるわけにはいかない。
季莉を失わないためには、やるしかない。

「ご…ごめん……山本さん…ッ!!」

錬は、金槌を振り下ろした。
真子の悲鳴が上がる。
ごっという鈍い音が腕を通して伝わる。

「ごめん…ごめんなさい…ごめんなさい…ッ!!」

二度、三度と、錬は金槌を振り下ろした。
真子の悲鳴が、耳に刺さる。
めきっという音が耳に入る――真子の頭蓋骨が砕けた音だと認識する。
それでも、錬はやめない。

「山本さん、ごめんなさい、ごめんなさい…ッ!!」

真子の顔を、赤い液体が伝う。
いつの間にか、耳からも出血している。
真子の頭部はこんなに歪な形だっただろうか。
金槌は、こんな色だっただろうか。
それでも、錬はやめない。

もう、何度目になったのか、わからない。
振り上げた手を、何者かが掴んだ。
錬がゆっくりと顔を上げると、そこには、眉間に皺を寄せた賢吾がいた。

「錬、もういい…もう、やめてやれ」

賢吾の唸るような声に、錬は我に返り、自分の下に視線を向け――呻いた。
真子の顔面は真っ赤に染まり、地面にまでその血は広がっていた。
頭部は生前の形など見る影もない程にぼこぼこにへしゃげていた。
いつから真子が声を上げなくなったのか、記憶にない。
いつから真子の抵抗する力がなくなったのかも、記憶にない。真子がいつ息絶えたのか、わからない。ただ、確実に、真子が息絶えてもなお、錬は真子を殴り続けていた。

「あ……あぁ……ああああああぁぁぁあッ!!」

錬は血塗れになった金槌を手離し、頭を抱えて叫んだ。ついに、人を殺した。泣きながら何度も命乞いをしてきた、小さな女の子を。それも、他の2人よりも、残虐に、執拗に。

「錬ッ!!」

錬の耳に、愛しい女の子の声が飛び込んできた。錬が顔を上げると同時に、季莉が飛び付いてきて、錬の華奢な身体ではその力を受け止めきれず、2人は地面に倒れた。季莉は錬に縋り付き、その薄い胸板に顔を押し付け、泣いていた。何を思い涙を流しているのかはわからないし、今は、考えたくなかった。季莉がここにいて、生きている――それが一番だった。涙で潤む視界に、雪美の顔が入り込んだ。やはり、変わりない笑顔を浮かべて。

「やっぱり、あたしの信じたことは間違ってなかったわ。 季莉ちゃんと松栄くんのお互いを思い遣る気持ちは、本物ね。 ふふっ、あたしが季莉ちゃんや松栄くんを[ピーーー]はずがないじゃない、冗談よ? 怖がらせたらなら、ごめんなさいね…もうやらないわ。 どうかこれからもお互いを思い合って、一緒に、生き抜きましょう? 賢吾、ここを離れて、どこかで少し休みましょう…どこがいいかしら」

雪美は錬と季莉に背を向け、地図を広げた賢吾と打ち合わせをしていた。

「錬…あたし…やる……生き残ってやる…っ」

季莉は顔を上げ、錬をじっと見つめた。
その目にはまだ涙が浮かんでいたけれど、目力の強さはいつもの季莉そのものだ。

「もう、後には退けない… あたし、やっぱり、死にたくないよ… それに…錬がいなくなるかもって思ったら…怖かった…っ」

突如前方に現れた、S

大人しい目立たない女の子だと思っていた雪美が垣間見せた裏の顔にも、それに最初から気付き(雪美の話しぶりから察するに、恐らく華那以外は気付いていなかったのだろう)いつも警戒していた華那にも驚かされた。
勉強だけでなく、華那は本当に頭が良く周りを見ているのだと実感させられた。

そんな華那を、ここで失うわけにはいかない。
プログラムだなんてとんでもないし、やりたくもないが、死にたくもない。
この状況をなんとか打開したとして、龍輝たちが生きるためには、華那の頭脳と洞察力と物事を落ち着いて捉える能力は必要不可欠だ。
何が何でも護りきらなくては――ということを頭で考えるまでもなく、付き合いの長い友達を護るのは、龍輝にとっては当然のことなのだけれど。

「雨宮くんと山本さんは?」

華那の指摘に、龍輝は振り返って2人の姿を確認した。
親友の1人である雨宮悠希(男子三番)は、丸く縮こまってしゃがむチームリーダーである山本真子(女子十九番)を覆うようにして真子を護っていた。
2人の様子を見る限り、どうやら銃弾は誰にも当たらなかったらしい。

龍輝は発砲した張本人である錬に目を遣った。
発砲した衝撃が大きかったのか、そう大きくなくともひ弱な錬にはとても耐えられる力ではなかったのかは定かではないが、とにかく錬は地面に尻餅をついていた。
右手にチーフスペシャルはまだ握られているが、その手はガタガタと震えており、とても再び発砲できるようには見えない。
本人には悪いが、錬が非力であることに感謝した。

「悠希、真子ッ!!」

龍輝に呼ばれた悠希は身体を起こし、錬が発砲できない状態であることを確認すると、ガタガタと震える真子の身体を抱えるように起こした。
逃がすまいと掴みかかる季莉の手を払い除け、季莉がバランスを崩したところで足を払った(さすがサッカーの推薦で合格して入学しただけのことはあり、その足払いは芸術的だった)。
季莉は悲鳴を上げ手をばたつかせながらその場に倒れた。

「山本さん、頑張って走って、大丈夫だから、俺が護るからっ!!」

悠希は真子を抱くように肩に手を回しながら真子を走らせた。
怪我をしてもなお真子を護るその姿は、まるで姫を護る騎士のようだった。
悠希は誰にでも持ち前の優しさを振り撒くことのできるヤツだが、特に女の子に対しては非常に紳士的で優しい。
顔が良くて頭も良くて運動もできて性格も良い――彼女の1人や2人いないのが不思議なくらいだが、どうも意中の女の子には振り向いてもらえないらしい。
なんて残念なんだ。
いやとにかく、悠希が残念だろうが何だろうが、こんなにも良いヤツがこんな所で命を落としていいはずがない。

悠希に護られる真子は、泣きじゃくりながら震える足を必死に動かしていた。
足が縺れて2,3歩おきに倒れそうになっているが、その度に悠希に支えられて何とか踏み止まり、また足を動かし始めていた。
可哀想に、小さな女の子がこんなにも震えて。
いつも元気で、グループの中で楽しそうに笑っている真子。
身体を恐怖に震わせる姿も、恐怖や悲しみで涙を流す姿も、真子には似合わない。
龍輝や悠希には、というよりはどうやら男子には苦手意識が少しあるように見えるが、それはそれで可愛らしいではないか。
悠希が護ろうとする気持ちはとてもよくわかる、真子は思わず護ってあげたくなるようなタイプだと思う(いや、別に華那がそうでないというわけではないが)。

華那も、悠希も、真子も、こんな所で死なせるわけにはいかない。
全員で揃ってここから逃げて、もっともっと生きたい。
生憎戦うための武器は龍輝たちにはない(榊原たちは刀だの鎌だの銃だの持ってて、こちとら唯一使えそうなのが中華包丁だぜ?不公平にも程があるだろ。いっそあのガンニョムエキュシアの1/144のプラモデルが等身大に変化して搭乗でもれきればいいのに。喜んで乗るっての。『川原龍輝、ガンニョムエキュシア、目標を駆逐する…!!』とか言ってさ。憧れだろ、ガンニョムファンのさ)ので、逃げる以外に生きる方法はない。

賢吾と季莉さえ撒くことができれば、運動能力の低い雪美と錬は問題ではない。
やればできるはずだ。

「逃がすか…ッ!!」

賢吾の低い唸り声が聞こえ、龍輝は振り返りざまに華那の手を引っ張って自分の後ろへ隠し、振り下ろされた刀の刃をデイパックで受け止めた。
剣道部で活躍する賢吾に刀を持たれるというのは恐怖でしかないが、反射神経なら龍輝は誰にも負けない自信があるし、真剣白刃取りはできなくとも大きな物でその刃を遮ることくらいなら難しいことではない。
賢吾の舌打ちが聞こえ(おーおー、真面目な榊原もそんなモンするんだな、初めて知った)、何度も刀を振り下ろすが、龍輝はそれを悉く受け止めてみせた。
それを離れた場所で見る雪美が「ふふっ、川原くんすごいすごい」とぱちぱちと拍手をしているのが非常に腹立たしいが、今は賢吾の相手をすることで手一杯だ。

「…龍くん、榊原くんを相手してて」

後ろで、華那が囁いた。

「雪ちゃんがリーダーなのは本当…なら、雪ちゃんを捕まえよう。
 …雪ちゃんを人質にして、交換条件で逃がしてもらうことができるかもしれない。
 かなが、雪ちゃんを押さえるよ」

「おい…華那…ッ!?」

落ち着いた口調で何を大胆なことを言っているんだ、華那は。
止める間もなく、華那は龍輝の陰から飛び出し、雪美の方へ向かった。
確かに、班員の命を握るリーダーを押さえれば、賢吾も季莉も手出しはできなくなるはずだし、華那の言うことは理に適っている、適っているのだけれど。

賢吾が華那の動きを見逃すはずがない。
龍輝は華那に言われた通りに賢吾の動きを止めようとしたのだが、賢吾は同じように刀を振り下ろすと見せかけてデイパックに当たる直前に刃を止め、龍輝の動きがびくりと止まった隙を見逃さず、刀を横に薙いだ。
龍輝は咄嗟に身体を後ろに逸らしたので刃は鼻先を掠めただけで済んだのだが、避けた勢いそのままに仰向けに倒れそうになった。
龍輝は持ち前の運動能力で何とか倒れずに踏み留まった――が、賢吾の次の動きへの反応が、少し遅れた。
龍輝が賢吾を押さえようとするよりも、間に合わないと判断して声を上げるよりも早く、賢吾の刀が、華那を背中から突いた。
華那の華奢な背中に刃がずぶずぶと入っていくのが見えた。
刃が抜かれると、華那は肩越しに自らを貫いた犯人の姿と刃をてらてらと濡らしていた紅い液体を限界まで見開いた小さな目に映し、そのまま地面に倒れ込んだ。

「華那…華那ああぁぁぁッ!!」

龍輝は華那に駆け寄ろうとしたが、賢吾がその行く手を阻んだ。
華那の血で汚れた刀の切っ先を龍輝に向け、龍輝を突き刺さんと突っ込んできた。
龍輝はデイパックをぶんっと振り回し、狙いを逸らさせた。
しかし賢吾は身体のバランスを僅かに崩したものの踏み止まり、再び龍輝を狙う。
振るわれた刀を、今度はデイパックで受け止め、押し合いが始まった。

「どけ、邪魔なんだよ榊原ッ!!
 華那、華那ぁッ!!!」

華那の返事はない。
そんな、まさか。
さっきまで後ろにいて、いつもと変わらないのんびりした口調で喋っていたのに。
小学生の頃からの縁もあって一緒に登下校することもしばしばあって、まあ時には周りから『付き合ってるの?』とか言われる位には仲が良くて(まあ、華那はそこそこ可愛いし頭も良いし、鈍くさいところだって可愛いと思うけど、思えばそういう空気になったことは一度もなかった)――そんな華那が、死ぬだなんて、まさか。



一方、真子と悠希は季莉から必死に逃げていた。
悠希1人なら季莉から逃げるのもそう難しいことではないだろうし、真子が普段の運動能力を発揮できればその可能性は決して低くはなかったはずだが(それでも季莉はクラス内では足が速い方で、真子は出席番号の関係で何度か季莉と並んで走ってタイムを計ったことがあるのだが、勝てたことは一度もなかった)、真子の足はガタガタと震えて言うことを聞かず、悠希の枷のような状況になっていた。

「…真子っ、雨宮ぁっ!!
 絶対、逃がすもんか、今度こそ…ッ!!」

“今度こそ”というのは、季莉たちが城ヶ崎麗(男子十番)らの班を逃がしたことを指しているのだと思うが、麗たちを逃がした腹いせに殺されるだなんて絶対にごめんだ。

季莉の鎌が振り下ろされる刹那、悠希は真子を手離して振り返り、季莉の攻撃を受け止めようと手を伸ばしたがそれは叶わず、鎌の刃が悠希の首に突き刺さった。
鮮血を撒き散らし、悠希は倒れた。
親友の死を目の当たりにしたのは、田中顕昌(男子十一番)に続いて2人目だ。

「悠希…ッ!!」

今まで悠希が「俺ってイケメンだよね」というような趣旨の発言をする度にからかったり茶化したりしてきたが、今は土下座して謝りたい。
『護るからね』と言った女の子(しかも彼女でも、普段親しかったわけでもない、ただのクラスメイトだ)を本当に護って命を落とすだなんて、並のヤツには絶対できっこない――正真正銘イケメンだよ、悠希。

「くそ…くそっ、くそぉッ!!
 何なんだよお前ら、意味わかんねぇよ、この、人殺しッ!!!
 華那と悠希がテメェらに何したよッ!!?」

龍輝は精一杯の力で賢吾の刃をデイパックで払うと、右手の拳をぐっと握り締め、賢吾の左頬を殴りつけた。
普段殴り合いの喧嘩などしたことがなかったが、龍輝の拳は良い角度で賢吾の頬に入り、賢吾は横向きに吹っ飛び倒れた。
これまでに感じたことのないどす黒い憎悪が身体の中を渦巻いているのがわかったが、今はその感情に流されまいと必死に耐え、真子に駆け寄った。

「真子、立て、逃げるぞッ!!」

せめて真子だけでも、ここで死なせるわけにはいかない。
リーダーである真子の死は自らの死に直結するのはもちろんだが、仲間をこれ以上失いたくなかったのだ。

華那がいない、悠希がいない。
鼻の奥がツンと痛み、視界が潤む。
口許に込めた力を僅かでも抜けば、嗚咽が漏れてしまいそうだった。
しかし、今は泣いている場合ではないと、手の甲で強引に涙を拭った。

クリアになった視界に入った真子は、泣き腫らしたくりくりとしている大きな目を見開き、龍輝を――いや、その後ろを指差し、慟哭したせいで若干枯れた声で「川原くんッ!!」と叫んだ。
龍輝は真子の指先を視線で追い、肩越しに振り返り――目を見開いた。
倒したはずの賢吾が既に立ち上がっており、刀を振り被っていた。

次の瞬間、龍輝の背中に鋭い痛みが走った。
右肩から左脇腹に掛け、背中を大きく切り裂かれ、龍輝はその場に倒れ込んだ。
起き上がろうとするが、動こうとする度に背中の傷が悲鳴を上げ、腕に力が入らない――これは、非常にまずい。

「や…めて…ぇ…ッ!!
 さ…榊原くん……川原くんを…助けて…ッ!!」

真子の震える声。
龍輝は首を動かし、真子を視界に入れた。
悠希の亡骸を抱えたままの真子は、ぼろぼろと涙を零しながら身体をガタガタと震わせて、誰が見ても一目でわかるような怯えた瞳で賢吾を見上げていた。
もしも龍輝が賢吾だったとしたら、こんな真子の様子を目の当たりにしたら、とてもこれ以上誰も傷付けようだなんて思えない(端から思ってないけどさ)。
もしかしたら、賢吾も――そんな淡い期待を抱かずにはいられない。

「…悪い……けど、それは、聞けない」

賢吾の低い声が降ってきた。
この、人でなしが。

「真子!!!
 俺はいい、いいから、お前だけでも逃げ――」

龍輝の言葉は、最後まで紡がれることはなかった。
ざくっ、という野菜を包丁で切るような小気味よい音が、耳から或いは骨を伝わって聞こえたような気がして、一瞬首の後ろ側がかあっと熱くなるような感覚に襲われた。
それが、龍輝の最後の知覚となった。



ぼんやりとした視界。
うっすらと漂う、生臭い鉄のような臭い。
遠くに聞こえる、誰かの泣き声。
そして、ぼんやりとしたそれらの感覚とは違ってはっきりと感じる、腹部の痛み。

…そ…っか…かな…刺されたんだ……

鉛のように重い腕を動かし、精一杯の力を込めて、上半身を起こした。
それは数センチに留まったのだが、先程より僅かにクリアになった視界に飛び込んできた光景に、華那は目を見開いた。

華那の倒れている位置から数メートル先、倒れた誰かの首に、刀が生えていた。
それがすっと抜かれると、紅い液体が噴水のように舞い上がった。
降り注ぐ紅い液体に汚されていくカッターシャツ、半袖のシャツの袖から僅かにはみ出ていた黄色いTシャツ、大きな身体、短めに刈られた黒髪――それは、帝東学院にいる他の誰よりも付き合いが長かった、川原龍輝に間違いなかった。

「りゅ……くん……」

血の気を失い青ざめた華那の頬を、つうっと涙が伝った。
あんなに明るくて元気だったのに、ついさっきまでプログラムという状況にもかかわらずガンプラを作成して楽しそうにしていたのに、持ち前の運動能力でもって華那のことを護ってくれていたのに。

文句の1つでも言ってやろうと思ったが、口を開いて出たのは血液と呼気だけだった。
その様子を見た雪美が、華那の頭を撫でた。

「可哀想に…痛いのに苦しいのに[ピーーー]ないなんて…
 賢吾…華那ちゃんを、助けてあげてくれる?」

“助ける”、その言葉が意味するところは、思考能力が大幅に低下している華那の頭脳でも簡単に理解できた。
その答え合わせをするように、濡れた冷たい何かが後頭部に当てられるのがわかった――賢吾が、先程龍輝の首を貫いた刀の刃先を、華那に突き付けたのだ。

「雪ちゃん……」

身体に残っている力を振り絞り、華那は声帯を震わせた。
雪美に対して感じていたことは本人に大方伝えたけれど、あと、これだけは。
偽りの友人への、送る言葉を。

「かな、みんなのために、祈るよ。
 一刻でも早く、雪ちゃんが、地獄に落ちますように――」

ちーちゃんやことちゃんが、雪ちゃんに騙されませんように、どうか、どうか。

華那の後頭部に、痛みが走った。
その痛覚は数秒ももたずに消え失せた。



「残念ね、華那ちゃん。
 あたし、そんなに早くに地獄なんかには行くつもりはないわ。
 だって、あたしはこんな所では死なないもの」

雪美はくつくつと笑いながら、息絶えた“友人”を見下ろしていた。
   
   男子三番・雨宮悠希
   男子五番・川原龍輝
   女子七番・佐伯華那   死亡

   【残り三十人】

鷹城雪美(女子九番)は、少し大人しめで目立たないごくごく普通の女の子――と周りから見られるように生活してきた。

雪美の実家は少々という修飾語がとても似合わない程に特殊だ。
何を隠そう、雪美の家は、関東一円でその筋の者からは恐れられている極道“鷹城組”。
祖父が組長を務めており、雪美も家を出入りする祖父の部下たちからは“お嬢”と呼ばれ祭り上げられている。
怪我をしている人間を見るのは日常茶飯事で、時には銃撃戦なども起こり、父は抗争に巻き込まれて既にこの世にはいない。
雪美は、そんな特殊な家庭が、嫌いだった。
誰にも知られたくなかった。

帝東学院は名門校で良家の子息息女が多く通うからか、親の職業などを気にする子どもは少なくない。
特に初等部では、それがとても顕著だった。
出る杭は打たれるという諺があるが、確かに少し周りより突出すれば、それに僻んだ者たちはその者の家柄を知りたがり、例えばそれがごく普通の庶民であれば『家が大したことないくせに、良い気になるな』と嫌がらせを受けるのだ。
しかし、雪美の場合は家のことを知られると恐れられ、悪い意味で目立ってしまう。
奇異の目で見られるのも後ろ指を指されるのも御免なので、雪美は極力目立たないように生活を送ってきた。

化粧などをして目立つことはしない、髪も大きくいじらずに黒いウェーブのかかった髪を後ろで束ねるだけにする、制服も着崩さずスカート丈も無難な長さにする――雪美の顔立ちは誰もが振り返るような恵まれたものでもなければ後ろ指を指され笑われるような落ち目でもないものだし、背丈や横幅も平均的なので、これで良い意味でも悪い意味でも目立つことはなかった。
そして所謂主流派グループと呼ばれるような、クラスの中心になってイベントなどで盛り上がり目立つ集団には決して属さなかった。
だからといって、孤立してはいけない。
孤立しても目立ってしまい、あることないこと噂を立てられてしまう。
目立たない友人を作り、目立たない位置にいるのがベストなのだ。
友人を作ってべたべたとすることなど面倒なことこの上ないのだが(特に女子はどうしていつもどこでも集団行動をしようとするのか。移動教室ならまだしも、トイレにぞろぞろと集団で向かうなど、鬱陶しいことこの上ない)、家庭の事情がバレる方が余程面倒なので仕方がない。
お陰様で、校内で雪美の素性を知る者はほんの一握りしかいない。

クラス替えの度に良さそうな友人を作ってきた雪美が現在のクラスで最初に目を付けたのが、出席番号が近く且つ大人しそうに見えた佐伯華那(女子七番)だった。
物事を深く考えていなさそうだし、中等部から入学してきたという華那であれば人の家柄を気にすることもないだろう――そう考え、声を掛けた。

「あの…佐伯さん…よかったら、お友達になってくれない?
 あたし…あんまり人に声掛けるの得意じゃないんだけど…
 佐伯さん可愛いなって、お友達になりたいなって、そう思って…」

しどろもどろ言葉を紡ぎ出し、大人しく人見知りをするけれども華那には良い印象を持ったから勇気を出して声を掛けてみた、そんな自分をアピールする。
笑顔を浮かべて好意を見せれば相手は受け入れてくれる、これまでの経験で雪美はしっかりと学んでいた――友達を作るなんて、ちょろいものだ。

「あーえっと…鷹城さん…だっけ?
 うん、ありがとー、よろしくね」

ほら、すんなりと友達になることができた。
少し警戒しているような表情を浮かべていたけれど、初めてクラスメイトになった子に話し掛けられれば大抵はそういう反応を示すものなので、気に留めなかった。
同じような手法で、のんびり屋故か友人作りに乗り遅れていた荻野千世(女子三番)と、見るからに自分に自信がなさげで大人しくて1年生の時からクラスメイトだったという星崎かれん(女子十六番)から嫌がらせを受けていた室町古都美(女子十八番)にも声を掛け、1つのグループを作った(奈良橋智子(女子十一番)にも声を掛けても良かったのかもしれないが、彼女の頭の良さは知っていたのでやめておいた。頭の良い人間は厄介だ)。

3人共リーダーシップをとるような性格ではなかったこともあり、いつの間にか何となく雪美がグループのリーダーのような存在になっていたが、それでも目立つことはせずにクラスで浮くようなこともしないように、イベント事には消極的ながらも参加して他のグループと確執ができないように皆をさり気なくリードした。
千世はいつも頼ってくるし、古都美はいつも雪美の傍にいるようになった。
正直、隠れ蓑のために作った友人なので、頼られ過ぎると面倒に感じるし、いつも付いてくるのは鬱陶しいことこの上ないのだけれど、そんな気持ちはおくびにも出さずに優しく頼れる雪美像を崩さないようにしてきた。

しかし、華那だけは違った。
華那は初めて声を掛けたあの日以来、一度たりとも雪美に対して心を開いていない。
いつも一緒にいるように周りからは見えるだろうけれども、雪美と華那が2人きりになることは殆どなかったし(例えば2人組を作りなさい、と言われると、さり気なく華那は雪美を避けるのだ。もっとも、避けなくとも古都美が雪美にべったりなので、自然と雪美と古都美が組み、華那と千世が組むのが自然の流れになっていたのだけれど)、会話も交わしているのだけれど、華那の声には警戒心が見て取れた。
和を乱すことを良しとしない華那は抱く警戒心を華那なりに隠そうとしていたのだろうけれども、雪美は人の接し方には敏感なのでそれを感じることができたし、華那は華那で雪美が心の中に隠している黒く渦巻く感情を感じていたと思う。

だからこそ、雪美は華那に一目置いていた。
ぼーっとしているようで頭が良く(言動に殆ど活かされていないがそれは勉強の範囲に留まらず頭の回転が速いという意味でだ)、和を乱さないように自分の言動を制御する能力がある。
正直、のろまな千世や雪美がいなければ何もできない古都美などいつ縁が切れようがどうでもいいのだが、華那とは友人関係を続けても良いと思っていた(まあ、華那は嫌がるだろうけれど。表立って拒否はしなくとも)。

プログラムに選ばれたと知り、チーム対抗戦という特殊ルールで行われるということが分かった時、華那とならば同じチームでも良いと思った。
運動能力を考えれば華那が足を引っ張ることは間違いないのだが(まあ、雪美自身も人のことは言えないのだけれど)、彼女の頭の良さは役に立つ。
結局、チームは別れてしまったけれど。

まあ、敵となるのならそれでいい。
それでも、できるなら一度会っておきたかった。

それがこんなにも、早く叶うなんて。



「誰かと思えば華那ちゃんじゃない…会いたかったわ」

「…かなは、会いたくなかったよ…雪ちゃん」

雪美の言葉に、華那は拒絶の言葉を返した。
華那が面と向かって雪美を拒絶したのは初めてだったので、雪美は目を丸くした。
千世や古都美が傍にいないし、命を懸けた戦場にいるのだから、もう和のために自分の気持ちを押し隠す必要がなくなったからだろう。
のんびりしているようで、ぼーっとしているようで、何も考えていないようで、華那はやはり現実を見ている。
華那のそういうところに、雪美は関心を持っている。

…まあ、もう少し楽しませてよね、華那ちゃん。

雪美は目に涙を浮かべた(嘘泣きなんて朝飯前だ)。

「酷いわ…華那ちゃん…どうしてそういうこと言うの…?
 あたし、ずっと、華那ちゃんを探してたのに…!!」

今しがた雪美のチームメイトである榊原賢吾(男子七番)と湯浅季莉(女子二十番)に襲われたばかりだというのに、雪美の涙声での訴えに、雨宮悠希(男子三番)と川原龍輝(男子五番)の顔には動揺が見て取れた。
ホント、男って女の泣き落しに弱いんだから。
しかし、華那は眉をハの字に下げたものの、その瞳から警戒の色は薄れなかった。

「…探してくれてありがとうね。
 でも、雪ちゃん、かなたちのこと襲ったよね…?
 かなたちの…かなのこと、殺そうと思って探してたの…?」

思っていた以上に警戒されているようだ――雪美は一瞬ぴくりと眉間に皺を寄せたがすぐにそれを解き、ふるふると首を横に振った。

「ち…違う…そんなわけないじゃない…!
 賢吾と季莉ちゃんも、悪気があったわけじゃなくて…
 あ、あたし、リーダーだから…護ってくれようとしただけで…ほら…!」

雪美はセーターとブラウスの袖を捲り上げ、リーダーの証である黒い王冠の模様を華那に見せた。
リーダーが誰かということを他の班の人間に見せるのは百害あって一利なしなのだが、まあ問題ないだろう。

「ねえ、鷹城さん…訊いてもいいかな…?」

あたしと華那ちゃんの会話を邪魔しないでほしいわね、まったく――という本心はもちろん口にも顔にも出さず、雪美は問いかけてきた悠希に視線を移した。
山本真子(女子十九番)を庇って季莉に刺された肩は相当痛むようで、端正な顔は苦痛に歪んでいる。お気の毒に。

「俺たち、鷹城さんたちの班と麗たちの班しかまだ出発してなかった時に、銃声を
 聞いたんだけど…
 あれは…鷹城さんたちなの?
 麗は『やらない』って言ってたのに、それでも護るとか言って、攻撃したの…?」

雪美は再び僅かにぴくりと眉を上げた。
成程、いつも主流派グループの中で馬鹿みたいに騒いでいる馬鹿な集団の一員だという認識しかなかったが、悠希は痛みに苦しみながらも頭はしっかりと働いているらしい――少々侮っていたようだ。

悠希の指摘通り、雪美たちは教室を出発してそう時間が経たないうちに、本部から左程離れていない場所で、一足早く教室を出発していた城ヶ崎麗(男子十番)・木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)を発見した。
このメンツを見た時に、リーダーに指名されていそうな人物はどう考えても麗しかいないという予想をし、雪美は賢吾に指示をして麗を襲わせた。
しかし賢吾が襲いかかる直前に健太と紗羅に勘付かれてしまい、季莉に紗羅を攻撃するように依頼したのだがこれも麗に阻まれ、結局逃走を許してしまった。

「ハズレ、逆にあたしたちが撃たれた側なんだけど。
 あれ、木戸よ?
 ま、誰にも当たらなかったから良かったけど」

口を挟んできた季莉を睥睨した。
どのように話を運ぼうか考えることを楽しみながら言葉を紡いでいるというのに、季莉に邪魔されては興醒めするではないか――と思ったのだが、独りでべらべらと喋るのも怪しまれるかもしれないので、視線が合った季莉には笑顔を見せ、視線を華那たちに戻した。

「あたしたち…逃げたの…
 城ヶ崎くん、『乗らない』って言ってたから、声を掛けようとしたのに…」

流石にこの情報には衝撃を受けたようで、とろんとしていた華那の目が小さいながらもいっぱいに開かれていた。

「まさか…」

いつも勝気で元気一杯に馬鹿なことをしている龍輝が、驚愕と悲愴を混ぜたような打ちのめされた表情を浮かべ、唇を震わせていた。

「まさか…ケンがそんなことするはずない…ッ!!
 会長はやらないって言った、会長が自分の意見を曲げるはずがないッ!!
 紗羅ももみじも、会長の意見に従わないわけがないッ!!」

自分の心の中に浮かんだ疑心を打ち消すように龍輝は必死に叫んでいた。
あらあら、さすがは生徒会長様とその取り巻き、信頼は厚いのね――反吐が出る。
大体あのグループは気に入らない者だらけだ、特に――
まあ、今はこの場にいない人間に憎悪を滾らせている時ではないのでよしとしよう。

「雪ちゃん」

華那が静かに雪美を呼んだ。

「…いいよ雪ちゃん…嘘吐いて誤魔化したりしなくても。
 かなのこと、簡単に騙せると思った…?」

「はァッ!?
 華那、アンタ、雪ちゃんの友達のくせに、さっきから酷くない!?」

警戒心を露わにし続ける華那の態度が癇に障ったらしく、季莉が怒鳴って鎌を持つ手を振り上げかけたが、雪美は目でそれを制した。
季莉は納得いかない様子だったが口を閉じたので、雪美は視線を季莉から華那へと移し、言葉の続きを待った。

「雪ちゃん…痛いトコを突かれると、眉間がぴくってなるよね…知ってた?
 あと、都合の悪いことを誤魔化す時、喋る前に口の端がヒクッてなるの…
 多分ちーちゃんもことちゃんも知らないだろうけど、かなは知ってるよ。
 …木戸くんが撃ったのは本当かも知れない…けど、正当防衛じゃないの?
 雪ちゃんたちが、先に仕掛けたんじゃないの…?」

「ちょっと華那、言い掛かりもいい加減に――……ッ!!」

季莉は再び声を荒げたが、口を噤み、目を丸くして雪美を見つめた。
賢吾も同じように、いや賢吾だけでなく、龍輝や悠希や真子までもが雪美を怪訝な表情を浮かべて見つめていた。

「ふふ…あっはは…っ」

雪美は口から洩れてしまう笑いを抑えることができない。
拍手を止めると、口許に手を添え、華那ににこりと笑みを向けた。

「さすが華那ちゃん…やっぱり、あたしの目に狂いはなかったわ…貴女、最高よ?
 千世ちゃんや古都美ちゃんとは違う…貴女となら、あたし、友達になれたわ。
 ふふっ、まあ、貴女は心底嫌がるでしょうけど」

「うん、かな、雪ちゃんとは…友達になりたくないな」

華那は雪美の心を読めるのではないだろうか、そう感じさせるほどに、華那は普段からしっかりと雪美のことを見ていた。
もしかしたら、この世の誰よりも雪美のことを理解しているのかもしれない。
雪美が華那たちのことを心から友達だと思っていないことを知っているからこそ、雪美の言葉に顔色一つ変えず答えることができている。
周りの面々は、わけがわからないという様子で見ているというのに。

「か…華那…何言ってんだお前…鷹城も…
 お前ら、ダチじゃないのかよ…いつも一緒にいただろ…?」

問う龍輝の声は震えていたが、答える華那は落ち着いていた。

「違うよ龍くん。
 雪ちゃんは、誰のことも友達だと思ってないんだよ。
 だから、かなも、雪ちゃんを友達だと思って見たことなんて一瞬もない。
 表情も嘘だらけ、言葉も嘘だらけ…そんな子と、友達になれるはずがないもん」

「そうね、華那ちゃんはいつもあたしを警戒してたものね。
 華那ちゃんは本当に頭が良くて物事をしっかり見てるのね。
 華那ちゃんの予想、全部正解、特大の花丸あげたいくらいよ?
 あたし、自分がリーダーだっていうこと以外は本当のことを1つも言ってないわ。
 城ヶ崎くんたちには逃げられちゃったのよ…運動能力の高さは侮れないわね」

くつくつと笑う雪美に対し、華那の後ろで龍輝たちが腰を浮かせるのが見えた。
まあ、ここまでバラしても逃げようとも戦おうともしないのなら、それは非戦論者などではなくただの馬鹿で愚か者だ。

「ありがとう華那ちゃん。
 初めて、華那ちゃんと腹を割って話ができた気がするわ」

「…雪ちゃん、あんまり割ってないじゃん」

「ふふっ…そう、そうね、華那ちゃんはお見通しよね?
 ああ、もっともっと、華那ちゃんとこういうお喋りしたかったわ…
 プログラムなんかに巻き込まれて…本当に残念。
 とてもとても楽しかったわ、本当に、会えてよかった。

 …賢吾、季莉ちゃん」

雪美は視線を賢吾と季莉に移し、笑みを向けた。
その視線と笑顔の意味を、賢吾も季莉も理解していた。
そしてそれは、華那や、龍輝たちですら感じ取ることができていた。

「逃げるぞッ!!」

賢吾と季莉が地面を蹴ったと同時に、龍輝が声を上げながら華那の腕を掴み、悠希は真子の手を引いて雪美たちに背を向けた。
この中で最も運動能力の劣る華那はこけそうになっていたが龍輝にひきずられるように走っていたし、悠希は一度真子を庇って傷を負ったというのに懲りることなくまだ真子を護り続けている。
ああ、なんて、うすら寒い光景。
雪美は「かーなーちゃんっ!」と叫んだ。
龍輝に引きずられていた華那がはっと振り返ったので、雪美は華那が厭っているであろう感情を伴わない笑顔を浮かべてみせた。

プログラム本部となっている小中学校から見て真東にあたるE=06エリアのほぼ中心には、御神島唯一の神社が存在し、そこに4人の男女がいた。

島の名前に“神”が入っているが、特別な神様を祭っているものなのかどうかは不明である(この島に昔から住んでいる人に聞けばわかるかもしれないが、生憎プログラムのために島民は全て追い出されてしまっているので聞きようがない)。
まあ、何を祭っていようが関係ない。
たとえ神がいようが何だろうが、現在ここは戦場なのだから。

1時間半前にあった定時放送では7人の名前が呼ばれた。
その中で実際に亡骸を確認したのは、教室で全員の眼前で射殺された田中顕昌(男子十一番)と、小中学校から僅かしか離れていない場所で倒れていた横山圭(男子十八番)のみで、後はこの島のどこかで斃れているらしいが実感が湧かない。
本当に自分たちが殺し合いなんてしなければならないのだろうか、これは全部悪い冗談で、放送で名前を呼ばれた人たちもドッキリに加担していて後でひょっこり顔を出すのではないだろうか――人の亡骸を見ても尚そう思えてしまう。
そう思えてしまう大きな要因は――

佐伯華那(女子七番)は右手に持っている卓球ラケットをじっと見つめた。
家庭科部に所属し運動は苦手でのんびり屋の華那には卓球を趣味にした覚えはない――これがデイパックに入っていた支給武器らしきものだった。
スポーツの道具にしても、例えば野球のバットやホッケーのスティックであったなら武器と言われても頷くことはできるのだが、卓球のラケットで何ができるというのか。

「華那、ラケットがどうかした?
 へへっ…それがバドミントンのラケットだったら、バドミントンしたいんだけどなー」

華那の隣で膝を抱えて座っていた山本真子(女子十九番)がにこりと笑んだ。
真子はクラスの中では目立たないグループに属する華那とは違い女子主流派グループの中でいつも騒いでいる、広瀬邑子(女子十五番)に次いで小柄な女の子で、確かバドミントン部に所属していたと記憶している。
教室ではライド(担当教官)に、「自分の父親は国会議員なのに、どうしてプログラムに選ばれてしまったのか」という趣旨の質問をしたが責められるように言葉を返されて泣いてしまい、今も目が腫れてしまっている。
笑顔にも元気は感じられないし、活発さを表しているかのようなサイドポニーも今はセットが乱れてしまっている(そう言う華那自身も、天然パーマの短めのツインテールが大いに乱れているのだが、鏡を見ていないので気付いていない)。
そんな真子の傍には、これさえ捲れば大抵の言葉の意味を知ることができるであろう大東亜広辞苑が置かれているのだが、そんな知識の本こそが真子の武器だ。

「いいねーバドミントンかー…俺結構強いと思うんだけど!
 ふふふふーんふーん、ふふふふーんふーん、ふふふふーんふーん、ガンニョムー♪
 ああっ、ちょ…顔に嵌めるパーツ落ちた!!」

地面と砂を被ったコンクリートの地面と睨めっこをする川原龍輝(男子五番)の右手には、組み立てかけのプラモデルが握られている。

それは、1970年代に初めてテレビ放映されてから幾度も様々なシリーズが放映され、大東亜人ならその名を知らない者はいないであろう世代を超えた人気アニメ『機動戦士ガンニョム』シリーズで、登場人物たちが登場して宇宙で戦う人型機動兵器を模したプラモデル、通称・ガンプラ――卓球ラケットや広辞苑も大概だと思うが、信じられないことにこれが龍輝に支給された武器だ(武器でも何でもないが。そして卓球ラケットや大東亜広辞苑にもそれは言えることだが)。
華那と龍輝は同じ小学校の出身という縁もあってそれなりに親しいのだが、ガンプラの箱がデイパックから出てきた時の第一声が「とりあえず…組み立てとく?」だったのは、お気楽な性格の龍輝らしいと思い、いつもと変わらない様子に安心した。
帝東学院にはバスケットボールの一芸入試で入学を果たした龍輝は、当然バスケットボール部に所属しているのだが、その運動能力は群を抜いているためにバスケットボールに限らずあらゆるスポーツでエース級の活躍ができ、スポーツテストでは龍輝の右に出る者はいない。
まあ、地面に落ちたガンプラのパーツを探すために地面に這いつくばる様子からは、とても想像できないのだけれど。

「あったあった…なんか汚れたなぁ…
 悠希、なんか拭くモン貸してくれよ」

「んー…俺今忙しいんだよねー…」

「……悠希さーん、今プログラムなのに何悠長に眉毛抜いてんだよ」

「ふはっ、悠長にプラモデル組み立ててる人の言う台詞じゃないねー」

龍輝との会話の間も手鏡とピンセットを用いて自分の眉毛を整えることに必死になっているのは雨宮悠希(男子三番)、龍輝の親友の1人だ。
纏う空気がとても爽やかで文武両道でサッカー部に所属し性格も容姿も良い悠希は、帝東学院中等部屈指のイケメンで人気を二分する城ヶ崎麗(男子十番)と春川英隆(男子十四番)と違って家柄が普通なので(麗も英隆も大企業の御曹司だ、とても普通とは言えない。比べて悠希の父親は公務員らしいので、その普通さに安心感を憶える)、とっつきやすいイケメンだと言われそれなりに人気がある。
難があるとすれば、悠希自身が自分の容姿の良さを自覚している上に、麗や英隆には人気が及ばないことに心から疑問を抱いているというナルシストなところだろう。

「悠希、眉毛抜いてるお前の顔、なかなかおもれーぞ、いいのかよー」

「えー、それは良くないなぁ…
 俺のかっこよさが台無しになっちゃうね」

「あ、そこ笑うところ?」

「何でだよもー俺すっごい真剣なのに」

悠希のナルシスト発言は普段からよく耳にはしているのだが、どうもそれが厭味ったらしく聞こえないのは、悠希の爽やかな雰囲気もあるだろうが、傍にいる龍輝がそれを茶化すことで冗談めかしてしまうからかもしれない。
冗談めかしても悠希は怒らないどころか笑って返すので、ただの親友同士の冗談のやりとりにしか聞こえなくなるのだ。

そんな悠希の傍には、サッカー少年には不似合いな中華包丁が置かれている。
4人の中では唯一武器になりえる支給武器だ。
卓球ラケット、広辞苑、ガンプラ、中華包丁――4人のデイパックから出てきた物たちがあまりに戦闘を連想させない物ばかりのため、いまいちプログラムという実感が湧かないのだ。

それは、1970年代に初めてテレビ放映されてから幾度も様々なシリーズが放映され、大東亜人ならその名を知らない者はいないであろう世代を超えた人気アニメ『機動戦士ガンニョム』シリーズで、登場人物たちが登場して宇宙で戦う人型機動兵器を模したプラモデル、通称・ガンプラ――卓球ラケットや広辞苑も大概だと思うが、信じられないことにこれが龍輝に支給された武器だ(武器でも何でもないが。そして卓球ラケットや大東亜広辞苑にもそれは言えることだが)。
華那と龍輝は同じ小学校の出身という縁もあってそれなりに親しいのだが、ガンプラの箱がデイパックから出てきた時の第一声が「とりあえず…組み立てとく?」だったのは、お気楽な性格の龍輝らしいと思い、いつもと変わらない様子に安心した。
帝東学院にはバスケットボールの一芸入試で入学を果たした龍輝は、当然バスケットボール部に所属しているのだが、その運動能力は群を抜いているためにバスケットボールに限らずあらゆるスポーツでエース級の活躍ができ、スポーツテストでは龍輝の右に出る者はいない。
まあ、地面に落ちたガンプラのパーツを探すために地面に這いつくばる様子からは、とても想像できないのだけれど。

「あったあった…なんか汚れたなぁ…
 悠希、なんか拭くモン貸してくれよ」

「んー…俺今忙しいんだよねー…」

「……悠希さーん、今プログラムなのに何悠長に眉毛抜いてんだよ」

「ふはっ、悠長にプラモデル組み立ててる人の言う台詞じゃないねー」

龍輝との会話の間も手鏡とピンセットを用いて自分の眉毛を整えることに必死になっているのは雨宮悠希(男子三番)、龍輝の親友の1人だ。
纏う空気がとても爽やかで文武両道でサッカー部に所属し性格も容姿も良い悠希は、帝東学院中等部屈指のイケメンで人気を二分する城ヶ崎麗(男子十番)と春川英隆(男子十四番)と違って家柄が普通なので(麗も英隆も大企業の御曹司だ、とても普通とは言えない。比べて悠希の父親は公務員らしいので、その普通さに安心感を憶える)、とっつきやすいイケメンだと言われそれなりに人気がある。
難があるとすれば、悠希自身が自分の容姿の良さを自覚している上に、麗や英隆には人気が及ばないことに心から疑問を抱いているというナルシストなところだろう。

「悠希、眉毛抜いてるお前の顔、なかなかおもれーぞ、いいのかよー」

「えー、それは良くないなぁ…
 俺のかっこよさが台無しになっちゃうね」

「あ、そこ笑うところ?」

「何でだよもー俺すっごい真剣なのに」

悠希のナルシスト発言は普段からよく耳にはしているのだが、どうもそれが厭味ったらしく聞こえないのは、悠希の爽やかな雰囲気もあるだろうが、傍にいる龍輝がそれを茶化すことで冗談めかしてしまうからかもしれない。冗談めかしても悠希は怒らないどころか笑って返すので、ただの親友同士の冗談のやりとりにしか聞こえなくなるのだ。

そんな悠希の傍には、サッカー少年には不似合いな中華包丁が置かれている。
4人の中では唯一武器になりえる支給武器だ。

卓球ラケット、広辞苑、ガンプラ、中華包丁――4人のデイパックから出てきた物たちがあまりに戦闘を連想させない物ばかりのため、いまいちプログラムという実感が湧かないのだ。

廊下側の1番後ろの席で、苦笑いを浮かべながら頭を掻いていたのは、手塚直樹(男子10番)。
外見も中身も15歳とは思えないほど老けている。
今もおそらく他の生徒よりは幾分落ち着いている。
というのも、今反論したり暴れたりするのは得策ではないからだ。

プログラムに選ばれる羽目になるとは思いもしなかった。
しかも、始まる前に既に犠牲者まで出てしまった。
瀬戸口北斗(男子6番)とはそこまで親しいわけではなかったが、球技大会などでそれなりに仲良くなった。
『ヅカさんオヤジくせーっ!!』
女子の方を見て惚れ惚れしていると、よく北斗にそう言われた。
外見は派手だが、無邪気でまだ幼さが残っているところが好きだった。
それなのに、あんな事になってしまうとは――

もう教室を出てしまった相模晶(女子6番)。
まさか泣き顔を拝めるとは思わなかった。
それは、幼馴染が目の前でわけがわからないまま殺されてしまったので、当然の事だとは思うが。
そういえば、あの2人は異様に仲が良かったが、付き合っていたのだろうか?

 

「男子7番、園田茂樹君v」

「ひ、ひゃいっ!!」

横の方から間抜けな返事が聞こえ、直樹はそちらに目を遣った。
園田茂樹(男子7番)はよろよろと立ち上がった。

「はい、相模さんと同じ宣言をしてねぇv」

「ひぃ…っ!!
 ぼ、ぼく、ぼくた…っ
 僕たち、こ、殺し、殺し合いを…す、す…
 や、らなきゃ…やら、れ、やられる…っ」

坂ノ下愛鈴(担当教官)に促されてつっかえながら宣言をし、荷物を受け取って走って出て行った。
先程晶が堂々と出て行っただけに、やや情けない。

園田か…アイツは…あの様子からして、怖がってどこかに隠れて怯えているか、もしくはこんな状況だ、狂っちまうかもしれないな…
前者の方がありがたいんだが…

 

「女子7番、白鳥里子ちゃんv」

先程空いた茂樹の前の席、白鳥里子(女子7番)が無言で立ち上がった。
やや大柄な体が、小刻みに震えているようだった。

「はい、宣言してちょうだいv」

「わ、私たちは…殺し合いをする…殺らなきゃ…殺られる…」

里子は泣きながらドタドタと教室を後にした。
4分後には親友の出発が待っている、外で待つのだろうか。

直樹はぐるっと教室を見渡した。
女子は大部分が泣いているようだった。
直樹の前に座る松田由梨(女子18番)も、嗚咽を洩らして泣いている。

 

「男子8番、滝川渉君v」

直樹は横目で滝川渉(男子8番)を見た。
恐らく直樹だけでなく、クラスメイトのほとんどが渉に注目しているだろう。
渉は地域では名の通った不良だ、クラスメイトを殺して優勝するなどたやすい事かもしれない、と。

「渉…」

渉の前、不良仲間の森嵩(男子18番)が渉を見上げた。
渉は気付いているだろうが、見向きもしなかった。

「宣言をどうぞv」

アイリンに促された渉は、振り返ってクラスメイトをぐるっと見回し、続いて隅に追いやられた北斗の亡骸に目を遣り、アイリンに向き直った。

日が沈み、薄暗い緑の中。
農協では2つの影が東奔西走していた。
安藤悌吾(男子1番)と久保田篤史(男子5番)である。
幼馴染の瀬戸口北斗(男子6番)を殺した政府を許さない。
およそ30人ものクラスメイトを失うことになったプログラムを許さない。
まだ生きているとはいえ、幼馴染の因幡彰人(男子2番)・大塚豊(男子3番)・相模晶(女子6番)も傷つけたプログラムを許さない。
怒りに燃えて、2人はプログラム本部を強襲する作戦を練ってきた。
作戦内容は、火薬を乗せたトラックを本部に突っ込ませる、という単純だが決して簡単ではないもの。
それでも2人は自分たちの持つ全ての知識を用いて、少しでも被害が大きくなるようにと準備を進めてきた。

そして今、作戦を決行しようとしている。

これ以上待ってはいられない。
遅くなればなるほど、プログラムの犠牲者は増えていくのだから。
彰人たちが今この瞬間に命を危険に晒しているのかもしれないのだから。

用意した軽トラックの荷台に、次々と用意してきたものを乗せていく。
ダイナマイトの束、コンロと鍋と油――まだセットはしていない、本部に行くまでに火が点いてしまっては意味が無いので――、そしてガソリンやスプレー缶、それら全てを2人で手分けして運んだ。

「その缶で最後?」

「最後」

悌吾は手に持っていたスプレー缶を、軽トラックの荷台に置いた。
後はこれを本部に突っ込ませればいい。

覚悟は出来ている、つもりだ。
成功しようが失敗しようが関係なく、もうすぐ、自分たちは、死ぬ。
政府に楯突くのだから、当然のことだろう。
忌々しい首輪が爆発するかもしれないし、撃ち殺されるかもしれない。
とにかく、次の放送で、きっと名前が呼ばれる。

――怖い。

「…悌吾?」

篤史の心配そうな声が横から聞こえた。
手の震えが見えたのだろうか。
この恐怖が、空気で伝わったのだろうか。

「……なぁ、篤史。
 俺ら、きっと、もうすぐ…死ぬよな?」

「……多分」

篤史の声は、明るかった――いや、明るさを装っていた。
いくら楽観的思考の持ち主だとしても、現状はしっかりと理解している。
先に“死ぬかもしれない”ということを言ったのは、篤史なのだから。

2人はトラックの車内に乗り込んだ。
篤史が運転席、悌吾が助手席だ。
悌吾は律儀にシートベルトをしかけ、やめた。万が一誰かに襲われた時に、逃げ遅れる可能性があるので。

2人はトラックの車内に乗り込んだ。
篤史が運転席、悌吾が助手席だ。
悌吾は律儀にシートベルトをしかけ、やめた。
万が一誰かに襲われた時に、逃げ遅れる可能性があるので。
シートベルトの先を掴んだまま、悌吾は呟いた。

「俺ら、まだ14歳なのにな…
 何で…こんなことしなきゃいけないんだろうな?」

篤史の右手が、キーを差し込んだところで止まった。

「…同感。
 俺、まだまだ遊びたかったし、サッカーもしたかった。
 高校行ったら国立競技場目指したかったし、プロになりたかった。
 でも…最悪の宝くじに当たったんだ」

ハンドルを掴む左手に、力が込められた。
声が、震えていた。

「北斗が、死んだ…いや、殺された。
 当たり前の反論をして、ゴミみたいにあっさりと…殺された。
 晶がめちゃくちゃ悲しんだ。
 俺らですら見たことないくらいに、泣いて、喚いて、怒って、傷ついた。
 豊が怪我した。
 俺らの中で1番誰にも恨まれそうに無いのに、誰かに傷つけられた。
 彰人が、人を殺した。
 やりたくなかっただろうに、やらざるを得ない状況に追い込まれた」

悌吾は鼻の奥がツンと痛み、鼻を啜った。
血まみれになって、ゴミのように扱われた北斗の最期。
幼馴染の理不尽な死に、怒り泣き叫んでいた晶の痛ましい姿。
右手に包帯を巻き、カッターシャツを変色させていた豊の笑顔。
クラスメイトを殺してしまった罪悪感に苛まれる彰人の泣きそうな顔。
幼馴染たちの悲痛な姿が、脳裏をよぎった。

篤史は一呼吸置いて、続けた。

「死んだヤツも、生きてるヤツも、みんな傷付いてる。
 だから、俺たちは花火を上げるんだ。
 少しでもみんなの気持ちが浮かばれるように、祭りをするんだ。
 俺たちは、死にに行くんじゃない。
 弔い合戦に行くんだ」

篤史はキーを捻った。
エンジン音が低く響き、座っている席を通して振動も伝えた。
篤史はようやく悌吾の方を見、笑顔を浮かべた。

「行こうぜ、仇討ちに…な?」

悌吾は頷いた。
そうだ、命を捨てに行くんじゃない。
ムカつく政府の連中に、一泡吹かせてやるんだ。

 

車はゆっくりと進んだ。
何しろ、篤史は車の免許なんて持っているはずが無い。
煌々とライトを点けるわけにはいかないので、薄暗い森の中を、昼間見つけた道を思い出して進んでいるので、仕方がない。悌吾は事故を起こさないか不安に思いつつ、今は運転に集中して周りを見ていない篤史の分も、周りに気を配っていた。
やる気になっているヤツに見つかるのも悪いし、やる気になっていないヤツを轢き殺してしまったらあわせる顔が無い。

それでも、悌吾は話し掛けずにはいられないと思った。生まれて間もない頃からの親友との会話を、楽しみたい。

「…なぁ、篤史」

「何? 運転に関する苦情はオコトワリよん♪」

「ハハッ、マジキモい!」

篤史の冗談に笑って答え、一息置いてから、訊いた。

「篤史はさぁ、好きな女子とかいた?」

車が揺れた。篤史が驚きを車の動きが表現した。危ないことこの上ない。

「…わーお、そんな話にいっちゃうワケ? そういう悌吾こそどうなんだよ、おモテになってたみたいですがぁ?」

篤史はキシシッと悪戯っぽく笑いながら訊き返してきた。悌吾はある程度予想していた切り替えしに、溜息混じりに答えた。

何度も告白されたことはある。
それなりに人気があるんだ、ということも自負している。
でも、全ての告白を断ってきた。
まだまだ友達と遊びたいお年頃、色恋沙汰にはあまり興味がなかったし、相手に魅力を感じなかったこともある。

「俺らってさ、絶対損してるよな。
 なんせ、昔から、1番近くにいた女子が晶だぜ?
 目が肥えてるから、他の女子に、見た目で惚れるなんてありえねぇ話だろ?
 性格は、知るほど親しいわけじゃないからさ、彼女できなかったんだよ」

それでも、晶に恋心を抱いたことは無かった。
確かに綺麗だし、女としては魅力的な存在なんだろうが、悌吾は晶のとっつきにくい性格を若干苦手としていたので、付き合うなど無理な話だと思ってきた。
そんな晶を好きだと言った、北斗や彰人や豊は、晶の人となりをもっとちゃんと見てきたんだろうな、と思う。

「で、篤史は?」

「俺もいないよ、別に」

「…前もそう言ってたよな。
 でもさ、実際晶に惚れてたりしないわけ?
 “姫君”とか言っちゃってさ、お気に入りみたいじゃん」

「……俺は、空気を読んでるだけだよ」

篤史はそう言うと、笑みを浮かべた。
満面の笑みではなく、どことなく哀しげだった。

「ただでさえ、俺らの中の3人が惚れてるっしょ?
 そこに俺までって言ったら…泥沼じゃん。
 俺としては晶も、北斗たちも大事だからさ」

直接的な言葉は言っていなくても、はっきりとわかった。
グループ内で、自分以外の男は全員晶に惚れているということが。
少しだけ、疎外感を感じる。

「でも、どこが?
 いや、別に悪いっつってるわけじゃないけど」

「…やっぱり、護ってあげたくなると言いますか…。
 晶は、あんまり喋らない。
 辛い時に“辛い”ってことが言えない。
 助けてほしい時に“助けて”ってことが言えない。
 冷静で、頭が良くて、運動ができて…そして強がり。
 そういうちょっと不器用なトコ、良いと思うよ。
 あとは、ああ見えて、周りの人をよく見てるトコとかね」

…なるほどね。

やっぱり、篤史も、晶のことをしっかりと見ている。
1番周りの人間をしっかり見てこなかったのは、自分なんだと思い知らされる。

悌吾は溜息を吐き、頭をがしがしと掻いた。
その様子を、篤史が横目で見てきた。

「んー? 何でもないよ。
 ただ、自分の、周りの見方の甘さに、少し後悔しただけ」

その言葉に、篤史は笑った。

「いいんでないの? それが悌吾なんだから。
 俺らの中で1番短気、1番乱暴、1番周りを見てない――
 そんな悌吾が、俺は好きだし」

悌吾は笑いかけ――顔をしかめた。
全く褒められていないではないか。

「ちぇっ、俺だってお前が好きだよ。
 俺らの中で1番楽観的、1番調子乗り、1番馬鹿」

「あっはは、言ってくれるなぁ!」

「先に言ったのはそっちだっての!」

2人は笑った。
でも、悌吾の心のどこかには、これが最後なんだということが引っかかっていたし、きっと篤史もそうだろう。目星をつけていたポイントに着いた。20m程先には、学校の敷地との境である塀がそびえ立っている。その奥には古ぼけた校舎。あそこに車を突っ込ませることで、作戦は成功する。2人は車から降り、荷台に飛び乗った。着々と準備を進めていく。中華鍋に油を満たし、コンロにしっかり固定して、火を点けた。強火で20分もしないうちに発火するだろう。悌吾はふぅっと息を吐き、薄暗い森を見つめた。

1人は、真ん中でわけられた前髪の間から覗く広い額、その下にはやや下がり気味だが大きめのぱっちりとした瞳、少し低い鼻に小さめの口と、全体的に“可愛らしい”という印象を与える顔立ちをしている。
平均的な身長で、艶やかな黒髪のポニーテール以外にはそれほど強い印象を与えるような容姿はしていないが、そのやや高めだが耳障りでない声と穏やかな表情は、周りの者を安心させる力がある。
少女の名は、天道千夏(女子10番)。

もう1人は、腰の上までありそうな程長い流れるような茶髪、きりっとした眉、細いわけではないが切れ長の瞳、すっと通った鼻筋、あまり開かれることのない薄い唇と、こちらは“美人”と称される顔立ちをしている。
クラスの女子で最も高い身長を持ち、耳には青いピアスという目立つ容姿をしているが、無口で、その表情に笑顔が見えることはほとんどない。
少女の名は、相模晶(女子6番)。

交友関係のなかった2人だが、プログラムという尋常でない状況の中で、様々な成り行きから、今は行動を共にしている。
会話によるコミュニケーションはあまり多くないが、それでも徐々に心の歩み寄りがなされており、険悪なムードは漂っていない。

外見も交友関係も全く違う2人だが、共通点はいくつかある。
1つは、2人の家庭環境。
千夏は国会議員の父とデザイナーの母を持ち、晶は外科医の父とナースの母を持つ――資金的な絶対値は違うだろうが、経済的に恵まれた家で育った、世間一般的に言う“お嬢様”である。
しかし、これはプログラムにおいては何の意味もなさない。
親の身分でどうにかなるのなら、国会議員の父を持つ千夏がプログラムに放り込まれるなどありえないだろう。
もう1つは、2人の根本的な対人的価値観。
晶の方がやや重症だが、2人共人見知りをする。
親しくない人と会話をしたり行動を共にしたりすることは苦手である。

その2人が行動を共にしているということは、傍から見ればおかしいかもしれない。
しかし、当人にとってはそれほど不思議なことでもない。
千夏は晶に命を救われ、晶は千夏に命を救われた。
よほどのことがない限り、何の見返りも求めずに命を救ってくれた相手に対して、いくら人見知りが激しいとはいえ、拒絶することはできないだろう。

現在も、頻繁に会話を交わすわけではない。
ただ、2人で木を背に向かい合って座っている。

千夏は前に座る晶を見つめた。
体格的には千夏よりも恵まれている晶も、疲れが溜まっている様子だ。
ぼんやりと暗闇を眺め、時々溜息を洩らす。
その疲れきった表情ですら、美しさがある。
見ているだけで緊張してきたので、千夏は一度視線を外した。

…やっぱ、物凄い美人さん…
絶対凄い人だよね、相模さん…

脳裏に過ぎるのは、晶の幼馴染の瀬戸口北斗(男子6番)。
人懐っこい笑顔が特徴的な、派手な容姿の男の子。
千夏の、想い人。

北斗は晶のことを好きだったと思う。
北斗のことをずっと見ていたから、わかる。
晶に対する目は、保護者のような感じも見受けられたが、それ以上に、1人の女の子に対するものもあった。

晶はそれに気付いていたのだろうか。
いや、もしかしたら、晶も北斗のことを想っているのかもしれない。
教室で見せたあの怒りは、尋常ではなかった。
もしかしたら、2人は――

「相模さんは…瀬戸口くんと付き合ってたりとか、した?」

ふと疑問に思ったことが、そのまま口に出た。
聞いてどうなるものでもないのに。
北斗が自分のことを何とも思っていないであろうことには変わりないし、そもそも北斗はもうこの世にはいないのだから。

晶は「え?」と僅かに声を洩らした。
それは気付かれたということに対する声なのか、意外なことに対する声なのか、声色からは判断できなかった。

「あ…えっと…その…深い意味はなくて、何となく…っ」

晶のしばしの沈黙が怖くなり、千夏は必死に弁明した。
変に勘ぐられたりなどしていないだろうか。
変な印象を与えてしまってはいないだろうか。

「…ふーん……」

返ってきたのは、納得するような声。
それは、今までの会話の時と違い、少し楽しそうに聞こえた。

「天道さん…あなた、北斗のこと…」

「え、いや、えっと、あの…」

「大丈夫、あなたが思ってるような関係じゃない。
 幼馴染、それだけ…」

それは、気を使って嘘をついているようには聞こえなかった。
北斗には気の毒な気もするが、恐らく晶にとっては事実なのだろう。
何も変わることなどないのに、少し安心してしまった。

「…北斗の、どこが良か…った?」

晶が珍しく自ら質問してきた。
僅かに詰まったのは、北斗のことを過去形で言ってしまったことに戸惑ったのかもしれない。
加賀光留(女子3番)らと別れて以降も会話が多いわけではないが、、晶の言葉のほとんどが単語から短文へ、そして長文へと変わってきたように思う。
心を開いてくれたのだろうか。
それならば、嬉しい。

「えっと…1番は…優しいところ、かなぁ。
 やんちゃな感じだけど、親切なところもあるなぁって思って…
 別に、あたしが直接親切にされたってわけじゃないんだけど…
 あたし、男の子あまり得意じゃないから…」

「…そう」

千夏は晶を見た。
月光に照らされたその顔には、僅かに笑みが零れていた。
とても嬉しそうに見えた。
まるで、自分のことのように。

北斗の優しさは、主に晶に向けられていたように思う。
もちろん、接してくる人には誰にでも親切だったが、晶は別格だった。
その2人の姿は輝かしくもあり、羨ましくもあり、悔しくもあった。
もしかしたら、晶の優しさも、主に北斗に向けられていたのだろうか。
今の笑みは、千夏にそう思わせた。

「多分、あたし、相模さんと一緒にいる瀬戸口くんが1番好き。
 相模さんが羨ましかったもん」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年11月05日 (火) 05:05:36   ID: aRoo5BqA

続けてくれ

2 :  SS好きの774さん   2013年11月05日 (火) 22:30:41   ID: g2eWvOD2

続きが気になります!

3 :  SS好きの774さん   2013年11月06日 (水) 14:20:19   ID: J6Sona2M

すいません……


10日に推薦入試があるのでそれまで更新できないです


こちらの事情で更新が遅れてしまい申し訳ないです

元スレよりコピペ

4 :  SS好きの774さん   2013年11月17日 (日) 20:34:19   ID: ndVUx-wf

小泉ィィィ!!!

5 :  SS好きの774さん   2013年12月14日 (土) 18:05:05   ID: A1eung5u

これからも頑張って下さい!

6 :  SS好きの774さん   2013年12月14日 (土) 21:22:06   ID: SYV4GhFe

ファイト!!

7 :  SS好きの774さん   2013年12月14日 (土) 21:24:58   ID: SYV4GhFe

苗木「頑張ろう作者さん」
 
霧切「ここで終わるなんて作者さんのくせに生意気よ」

8 :  SS好きの774さん   2013年12月16日 (月) 14:31:29   ID: ul7kdhAX

続いてほしい。

9 :  SS好きの774さん   2013年12月19日 (木) 21:12:01   ID: YsG42hGv

コロシアイ起こさずにびっくりハウスどうやって抜けるんだろ?
楽しみ

10 :  SS好きの774さん   2014年01月03日 (金) 20:46:03   ID: MWvSQ0ua

オクタゴンんとこの窓割れないんかな

西園寺とかなら通れそう?
ニダイは無理やな

そもそも壊せんか
ガラスといえどもあの世界じゃ無理やし

どうやって出るんだろうワクワク

11 :  SS好きの774さん   2014年01月04日 (土) 00:09:01   ID: Kt4d03Xd

頑張ってください!

12 :  瀬藤真偽   2014年01月12日 (日) 18:22:53   ID: QvtadoqX

続きがみたいです。 頑張ってください

13 :  SS好きの774さん   2014年03月14日 (金) 00:07:24   ID: 8oGiywIN

続きが見たいです!
ダンガンロンパで日向君と罪木さんのカップリングがなかなか無いので…

14 :  SS好きの774さん   2014年03月30日 (日) 20:24:34   ID: x1rB81sb

荒らしなのかミスなのか・・・

15 :  SS好きの774さん   2014年04月01日 (火) 02:50:09   ID: e1C8GrCW

荒しでよく使われるコピペだな

16 :  SS好きの774さん   2014年04月09日 (水) 00:05:57   ID: g8_HSi_R

折角の良作なのにくだらんコピペで潰してほしくないな~。もしかしたらコピペの方も良作なのかもしれんけど場所は考えて欲しいわ。

17 :  SS好きの774さん   2014年04月09日 (水) 20:48:13   ID: vYj4hJb0

荒らしはダメ

18 :  SS好きの774さん   2014年04月10日 (木) 08:35:38   ID: MXrxrdL8

途中に挟まれる意味のわからんコピペ消してくれ。
読む気が失せる。

19 :  SS好きの774さん   2014年04月18日 (金) 02:23:29   ID: HTSnW2yV

突然何かと思ったら荒らしだったのか

20 :  SS好きの774さん   2014年04月20日 (日) 02:31:04   ID: kiGhniFP

荒らし長くて邪魔だから削除して欲しい。

21 :  SS好きの774さん   2014年04月22日 (火) 22:02:36   ID: WWYT3puO

強くてニューゲーム2に移って続いてるけど荒らしいなくならないな

22 :  SS好きの774さん   2014年05月02日 (金) 01:22:58   ID: KoWPFaKa

頭ひねろ普通の荒らしツマラナイ

23 :  SS好きの774さん   2014年07月03日 (木) 00:59:06   ID: 3yarF_wj

ちゃんとまとめろ

24 :  SS好きの774さん   2014年07月05日 (土) 12:01:16   ID: WcpiffOH

荒らし最悪

25 :  SS好きの774さん   2014年11月29日 (土) 04:37:24   ID: qurq0CBR

バトロワかなんかのクソコピペまでのせてんじゃねーよバカ

26 :  SS好きの774さん   2015年01月19日 (月) 23:29:44   ID: BC4CQbEp

つまんねえもの挟むんじゃねえよks

27 :  SS好きの774さん   2015年01月31日 (土) 23:17:41   ID: b3x5xPSL

はよ、続き

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