佐天「直死の魔眼? 」(974)

乱立に巻き込まれたので
むしろ前の>>1と差別化するためにこれでよかったのかもしれん

代行
ID:a2KhZZeb0

内容は初めから書くよー
初めてくる人もいるだろうし



まず目の前に映った色は、赤だった

「―――、」

意識がハッキリとしない
そればかりかどんどん遠ざかっていくような気がする。
一体何なんだろうと頭を働かせようとするが、全然頭は言うことを聞いてくれない。

「――んさん!し――だ―い!さ――ん!」

声が聞こえる、必死に私に呼び掛ける声
なんだろうと耳を傾けるも、やはり聞こえず。

やがて意識は遠退いていった。
映るのは赤のままで、聞こえる音は聞き取れない。

この日私は――――死んだのだ



少女――初春飾利は病院のベンチに、死んだような表情を浮かべて腰を掛けていた。

原因は一つ、先程救急車に運ばれ、今も生死の狭間で戦っている佐天涙子の事だ。

「(一体、何が……)」

何時ものように学校にやってきて、気だるそうに授業を受けてから鬱憤を晴らす勢いで佐天は初春を弄る。

そんな普通の1日だったのだ


それから買い物に行くことになり、色々と学区を回っていたのだが気付けば佐天がいなくなっていたのに初春は気付いた。

どうせ私を驚かすために隠れているんだろうと思った彼女が佐天を探して見ると


血塗れで倒れた佐天の姿を発見したのだ


これが、今までの経緯である



黒子「初春!」

そう呼ばれて横を向くと、風紀委員で同僚の白井黒子と学園都市で7人しかいないレベル5――その3位の実力を持つ御坂美琴がこちらに走ってきていた。
表情はどこか慌てた様子だ。

初春「白井さん、御坂さん…」

黒子「初春!大丈夫ですの!?先程固法先輩から連絡があったので急いでこちらに向かってきたのですが……!」

初春「白井さん、もう私何が何だかわからなくて…」

美琴「ちょっと黒子!いきなりそうまくし立てられても答えづらいでしょうが!」

白井「しかし…佐天さんが…いえ、すみません取り乱しましたわ」

美琴「ごめんね初春さん、私たちまだ佐天さんが事故にあったとしか聞いてないからさ、話せるなら詳しく聞いてもいいかな?」


初春はまた思い出して少し涙が出そうになるが、それを堪え、なんとか美琴と黒子に自分の知る限りを二人に伝えた――


―――――

美琴「ってことは、初春さんも佐天さんが事故に巻き込まれたのを見ていない訳か…」

初春「すみません…お役に立てなくて…」

あ、いやそういう意味じゃなくてと少し慌てる美琴
彼女はどうも人の気持ちの機微に疎い所があると知ったのは初春にとってごく最近の事だった。
なのでそういう意味で言っている訳ではないのを知っているので初春は気にしなかった。


初春「でも御坂さん、佐天さんは事故に合うまでずっと私といたんですよ、それが少し目を離しただけでこんな…。一体何が……」

美琴「落ち着いて初春さん、とりあえず今は佐天さんの無事を祈ることにしましょ?追求はそれからでも遅くないわ」

その言葉に初春は頷き、再び顔をうつむけてしまった。
黒子も友人の突然の事故にまだ動揺が隠せないのか、何も言葉を発することはなかった。

美琴はそんな空気に少し気まずさを感じてしまい、ちょっと席外すわね
と言い少し外の空気に当たることにした。
とはいえいつまでもこの状態の彼女らを放っとく訳にもいかないので少しの間だけだが。


なんてことのない1日になるはずだったものが、音を立てて崩れ去ろうとしていた―――。


――事の始まりは、なんてことなかった。

「はぁ、はぁ……!!」

何時ものように学校に行き、正直受けたくもない授業を受け
そのあと鬱憤晴らしに初春をからかうようなそんな1日だった。

「な、んで……!」

だと言うのに、非日常はごく当たり前かのように私に振りかかった。
望んでもないのにそれはやってきたのだ

走る、逃げるように

走る、アレが追ってこれないぐらいに

路地裏に走り込み、そのまま突き進むと行き止まりに当たった
運すらも今日の私にはないのかと少し自嘲気味に笑いながら、その場にへたれこんだ。
もう足は一歩も動かない

そこへ

「やあ、もう鬼ごっこは終わりかな?そろそろ幕を引きたいんだが」

「―――ッ!」

声がした方向に近くにあった石を投げつける。
しかし声の主はまるで気にしないかのようにそれを無視する。

とある商店街の路地裏
小さな少女の悲鳴が上がる


――――

美琴は病院の中にある少し広めの中央広場に出た。
ここからなら何かあればすぐ戻れるし、何より風も通っていて涼しいので少し休むにはうってつけの場所だ。

自販機で飲み物を買い、ベンチに腰かける。

美琴「佐天さん……」

初春にはああ言ったものの、美琴自身友達が事故にあってショックを隠しきれないのは彼女と同じだった。

美琴がかろうじて平静を保っていられたのは、単に場数の違いからだったのだ。

絶対能力進化計画――。

数々の自身のクローンの死を見てきたからこそ、彼女は他の人間よりは正気でいられた。
無論、何度経験しようが慣れないのは当たり前だが。



美琴「(でも、だからこそ――!)」

唇を噛み締める。
美琴は今回の事は事故なんて思っていなかった。
むしろ初春の話を聞いてより真実味が出てきたとさえ思う。

これは、誰かが起こした歴とした事件だと。

誰かが、佐天さんを襲ったのだと。


美琴は誓った。



美琴「(佐天さん、待ってて。私が貴女を襲った犯人を見つけ出して必ず、やっつけてみせるから)」


そう意気込む彼女の目は、かつての実験を一人で中止させようとしたそれと、同じものだった―――――。


そしてそこから、完全下校時間もとうに過ぎたので一旦帰ろうと言う話になった。

初春は最後まで嫌がったのだが、黒子の「初春が倒れたら佐天さんが喜ばない」という一言により、それも渋々了承したのだった。

そして、夜

学生の多いこの街は、消灯時間も自然と早くなる。
日を跨ぐ頃にはほとんどの人間は寝静まっているようなそんな時間に、

彼女はいた。 



「ここが、学園都市ですか…」

あぁ、別にスレ立てたのかい


風に打たれながら、それでも凛とした表情を崩さない彼女は、普通から見れば何もかもがおかしかった。

まず居る場所。
彼女は地面には足をつけておらず人のいない殺風景とした景色のなか、そこに立っている電柱に足をつけているのだ。

更に彼女は、この科学技術の最先端――学園都市において最も異端なものであるはずのオカルト、その象徴であるシスターの衣装を身に纏っている。

学園都市において異端中の異端。

それがこの女性だった。

>>17
乱立のせいで落ちちゃったからね
それに最後までやりたかったしこれで前の>>1と差別化できるし

>>19
なる
最寄り駅につくまで支援




「…………」


依然として、無言。
街を見下ろせるようなこの場所で、彼女は静かに視線を下に向けている。

と、それもしばらく不意に彼女は言った。

「――もうすぐ」

その声が表す感情は、無感情。
彼女は言葉を続けた。

「もうすぐ、この街も死徒に侵される…」

「そうなる前に早めに見つけ出し、始末せねば……」


無感情から、やがて焦りの感情が漏れだしてくる。
それだけ言うと彼女は、夜の闇へ飛んでいった―――。



少しずつ、物語は展開されていく

型月の設定なんてさっぱり忘れちまったな
直死の魔眼ってどんくらい強いんだっけ

>>21
サンクス、頼んだよww


佐天の目が覚めたのは、それから1週間が経ってからだった。

「ん……」

目を覚まして、最初に目にしたのは落書きのような黒が書かれた天井だった。

「ここ、どこ…?」

私は起きて辺りを見回した。
酷く身体が重かったりするがなんとか動かす。


見たところ、病院みたいだ。

私が寝ている白いベッドを始め、白い天井に殺風景な部屋
そして私に付けられている器具やこの病院独特の匂いからして、間違いはないだろう。

ただ

「(なに…ここ、普通の病室じゃない…)」

おかしいのだ。
普通の病室に比べ余りにも黒が多すぎる。
天井にも、私のいるベッドにも、果ては窓や扉まで黒の線のようなものが、描かれている。

なんだかその黒を見ていると変に頭が痛くなってくる

>>24
もうほぼチートレベルで強い
ただ色々難点とか上には上がいるせいで上の下ぐらい


そして私はふと目に移った鏡を見た。

「(う、そ……?)」

鏡に映った私を見て言葉を失った。

何故ならおかしいのは部屋だけではなく、私自身もだったからだ

全身くまなく黒い線が見えて―――


「い、いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


そして暴れ狂う私が落ち着いたのは、その後入ってきたお医者さんに注射を打たれたしばらく後の事だった。

>>27
らっきょで根源云々と言ってたのは覚えてるんだが…
ってか、それより上ってなんぞ?

覚えてくれてただなんて感動した
また立ててくれてありがとう

支援


「大分、落ち着いたね?」

「……はい、すいませんでした」

お医者さんに訪ねられ、私は謝った。
私は暴れ疲れ、今はなんだか眠気に襲われながら再びベッドについて横で椅子に座るお医者さんと話をしていた。

「それにしても驚きだね?ただでさえ生死をさ迷う怪我をして今も絶対安静間違いないのにあんな風に暴れられるなんて」

「はぁ…」

「僕も長い間医者をやってるけどこんな元気な子はそうそう――いや、一人いたかな。ツンツン頭の少年なんだけど。幸い今はここに居ないけどね?」


何やらその少年を思い出して苦い笑いを浮かべるお医者さん。
余程手を焼いているのだろうかその表情はどこか息子を心配する父親のようだった。
なんだかそれに私も釣られて笑ってしまう。

と、そこへ

「ところで、君のさっき言っていた黒い線の事なんだけど――よかったら詳しく話してみてくれないかな?」

不意に、お医者さんは思い出したくない事を私にさらりと言ってきた。

>>30
上はあれだ、線や点が見えても身体能力違いすぎて勝てない相手とか
→サーヴァント
そもそも線や点が無い奴とか
→ort

>>31
そりゃあ数少ない読者だからね、覚えてるさww
こっちこそまた来てくれてありがとう!


「えっと、あの…」

不意をくらったのか、なかなか言葉が出ない。
そもそも、言ったところでこのお医者さんは信じてくれるのだろうか。
どうやらそんな言い回しをするということはこの人には見えてないみたいだ。
キチガイだと思われるかもしれない。
なんていうことを私が考えていると。


「大丈夫話してごらん、私もにわかには信じがたい話だけど…患者は僕の子供達でもある。君の力になりたんだ」

私の気持ちを察してか、そんな事をお医者さんは言ってくれた。
これでカエルのような顔をしていなければ、私は確実に惚れていたに違いない。
私は少し気持ちが楽になったので、思いきって言ってみることにした。

>>36
確かサーバントよりもネロとかの方が強いってfate発売前の本にのってたんだけど
それは単純に吸血鬼連中は馬鹿みたいな力があるからってこと?


―――――――

「なるほどね…黒い線か…」

説明を終え一息つく。
しどろもどろだったがなんとか伝わったようだ、なにせ自分ですらよくわからない状態なのだ
説明できた時点でよくやれたと思う。

「はい、そうなんです。実は今も見えていて…私、視覚障害なんですか…?」

おそるおそる訪ねてみる。
これで肯定されたらどうしよう…。

が、お医者さんは私の問いにすぐには答えず、唸って黙ってしまった。
そ、そんな重症なの私!?

「現時点じゃ何も言えないね?とりあえず知り合いのカウンセラーでも呼んでみるから、しばらく入院していなさい。あ、あと入院中は面会謝絶だからそこのところよろしくね?」

と、流されると同時にさらりと面会謝絶等と言われ、ぎょっとする私。
初春や御坂さん達に会いたかったのになあ…残念。

そして話も終わったようで、お医者さんは椅子から立ち上がり扉に向かう。
しばらくは大人しくしていようと、布団を被る。このまま少し…


「君のそれは、ここ学園都市じゃ説明できない…オカルト的なものなのかもしれないね」

眠れるはずもなく、去り際に言われたお医者さんの言葉を考えながら、私は目を瞑っていた―――――。

>>40
まあそんな感じ
ただサーヴァントも色々いるから一概にネロ>サーヴァントとは言えない訳で

詳しくはここ見るといいよ
http://hiki.cre.jp/typemoon/


病院。夜

「あぁ、ああ。そういう話なんだ、だから近日中にこっち来てくれると助かるんだがね?」

「……君の性質は充分知っている。だからこそ頼んでいるんだ、あいにく僕は科学側の人間だからね?こういう話は魔術側である君に向いてると思うんだね」

先程の医者は何やら真剣な表情で電話の向こうの相手と会話をしていた。
この科学の街、学園都市で魔術なんて言葉を平然と使っている辺り、この男の特異性が知れる。





やがて、電話も一段落ついたのか、彼は携帯電話閉じ椅子に腰かけた。


「(あの少女の目…どうなっているんだろうね)」

別に視覚障害が珍しいというわけではない。
ただあの少女の目は普通のそれとはどこか違う気がした。


何がそう思わせるかはわからない。
ただあの目を見ていると、どこか恐怖を覚えるのだ。



――次の瞬間。殺されそうな恐怖を
――何もかも、あの目に奪われてしまうような恐怖を


「…………」

その異常性を感じたからこそ、彼は彼女を呼んだのだ。

自分のように科学の人間ではなく、こういうオカルトに詳しい"青崎橙子"を


少女の非日常は、終わることを知らない―――――。


「はあい、元気ー?…あら、意外と元気そうねえ、もっと暗いものを想像していたんだけども」

入院してから数日が経ち、そろそろ一日中呆けているのにも飽きを感じていた頃
面会謝絶の私の元に奇妙な女の人がやってきた。

後ろで束ねた燃えるような赤い髪と、豊満なボディが印象的な彼女は、私の姿をまじまじと見て初対面ながらそんな失礼な事を言って述べた。掛けている眼鏡がより豊満さを強調している気がする。

「…悪かったですね。思ったよりも元気そうで」

毒を吐く。

「あーいやいやそういう意味で言ったんじゃないのよ。気を悪くしたらごめんなさいね」

と、悪びれた様子もなく謝る女性。
つい悪態を、ついたけどこの人誰なんだろう…。
と、私のそんな気持ちを察したのか


「あぁ、はじめまして。
私は青崎燈子という者よ。
ここの医者の指名であなたのカウンセリングに来たカウンセラーってわけ。よろしくね?」


青崎燈子、彼女はそう名乗ると大人の余裕のような柔らかい笑顔を浮かべた。

佐天「モノの死が視える能力かぁ」
佐天「モノの死が視える能力かぁ」 - SSまとめ速報
(http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1308305525/)

>>50
そうそう元はこれ
ここの>>1と俺は違いますよー


>>1はきっと近い内に完成度高いスレを立ててくれるに違いない


青崎橙子と名乗った女性は、どこか胡散臭い空気を纏った女性だった。

カウンセラーというには余りに軽薄な様子であり、かといって私を騙しているにしては余りに言葉に嘘がない気がした。

そんな彼女に私はどう対応すればいいかわからず、戸惑う一方だった。

そして何気ないやりとりが続いた後、いきなり橙子さんは私に尋ねてきた。

「その目、黒い線が見えてるんだって?」

その時、橙子さんの空気が変わった。

そして理解した、今までの胡散臭さの正体を。


これが、この人の本性なんだと


そして私は、しぶしぶながら黒い線について説明した

――今のところ、目に映るものには全て線が見えるということ
――そして、最近には線上に何か大きな点のようなものが見えてきたということ
――それを見ていると、何か恐怖を覚えてしまうことすら話した。


橙子さんは、私が話しているのを真剣に聞き取り、何度も頷きながら相槌を打っていた。
変な顔をされないのは、唯一の救いだった。

そして話終え、しばらく無言に徹する橙子さんに若干怯えを感じていると

橙子さんは一言、ぽつりと呟いた



「直死の魔眼、か」


ちょくしのまがん…?

聞きなれない単語に、私は首を傾げた。どことなくその言葉が物騒な響きを持っていたからかもしれない
橙子さんはそんな私を見てくっくと笑った。

「あぁ、すまんね。どうやら一から説明する必要があるようだ。しかしまあ、なんという、私はこの目につくづく縁があるな…!」

そう言って笑う橙子さんにはどこか狂気じみたものがあった。
私はそれにすっかり怖じ気づいてしまい、黙って橙子さんの話を聞くことしかできなかった。


――――――

話を聞いて、私は耳でもイカれたんじゃないかと思った。


――なんだ?この黒い線の正体が万物にある綻びで、よく集中して見える点のようなものは、"死"そのものだって?
加えてこれは本来見てはいけない物で、このままだと私の脳はパンクしてしまうって―――。



さっぱり意味がわからない。

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!?いきなり何が何だか…!もし仮にその話が本当だとして、何で私なんかに!?」

「恐らく先の事故…ふむ、君は事故前後の記憶が曖昧なんだったけか。まあいい。その時の生死をさ迷う経験が原因なんだろうな、その時に脳が根源と繋がってしまったのだろうよ」

あぁもう、根源だか知らない単語ぽんぽん出して…!
こっちは相変わらずさっぱり意味がわからない。


「まあ要するにだね、君は事故によって物の死が見れるようになってしまっているんだよ。
ほら、信じがたいのなら試しにそこにあるカレンダーで試してみるといい。当然無機物にも見えているんだろ?」
そういって壁紙タイプのカレンダーを指差す橙子さん。
だが、にわかに信じがたいはずの話ではあるしこの線には見えて以来、気味が悪くて一度も触ったことないこともある。

事実を直視するためにも、一度やってみたほうがいいのかもしれない。


そう思い私はカレンダーになぞられた黒い線を―――なぞる。



「う、そ…!?」

恐ろしい光景を見た。
黒い線を指でなぞると、その途端カレンダーはざっくり真っ二つに分かれ、そしてバサリと荒々しい音を立てて地に落ちる光景を。

橙子さんの言っている事は、本当だったのだ。


「橙子、さん…これ……」

「あぁ、上出来じゃないか。間違いなく直死の魔眼だよ、それは」

ニッコリと笑う橙子さんに私は曖昧な笑みを浮かべ、それに対応する。

「私はね、ここに来る前からちゃんと君が直死の魔眼を持ってしまった事も予想をつけていた。あの冥土帰しに頼まれたときにね、ピンと来たの。
私がここに来た本当の目的はね、君にその眼の使い方を教えてもらおうと思ってやってきたのよ」


…驚いた。まさか最初から検討がついていたとは。
やはりこの女性、どこまでいっても油断ならない。

「あ、あの橙子さん…」

「ん?何だね佐天涙子、安心しろ。この眼を扱うのは二度目――」

「橙子さんって、何者なんですか?



――静まる、空気。
私は何か間違えたことを言ったと思い、慌てて訂正しようとする、




「…私か?ふっ思ったよりも勘がいいんだな君は。前にも似たような病室で同じような問いをされた気がする」

と、何やら独り言めいた発言をし、ひと呼吸おくと彼女は言った。


「あぁ、そうだよ佐天涙子。私はカウンセラーなんかじゃない。本業は魔法使いなんだ」


改めて私、佐天涙子は思った。


謎の事故、直死の魔眼、そして魔法使いを名乗る女性


私は既に、非日常に身を置いてしまっていると――――。

初春が日常の象徴なんやな

>>65
なんでもう意図に気付いてるんだチクショー泣くぞ

ちなみに改めて聞くけど禁書でも型月でもいいからどうしても出して欲しいキャラっている?
せっかくだし意見聞いて出したいんだぜwww

おぉやっぱ夜に聞くもんだな


了解、何故か型月キャラが多いけどできる限り対応するよ
(フレンダが出るのはまだ黙っとくか)

よしまた投下してくか
こっからは美琴上条がでしゃばります

ちなみに書き溜めはもうあと数発しか残ってないんだぜ



そして場面は少し移り、こことある学区。

佐天涙子が直死の魔眼の説明を受けているそのほぼ同時刻、そろそろ日付が変わりそうだというそんな時刻に、その戦いは行われていた―――


「逃がさないわよッ!」

逃げ惑う数人の男達を視認し、そこに威力を抑えた雷撃を走らせる。
数は三。既にかわせるレベルの速度ではない。

三つの雷撃は小さな男達の悲鳴を持って、その光を散らした。
どさりと倒れる音が聞こえるが、いちいち確認はしていられない。

「(まだいるわね…。1,2,3,…あぁもう、面倒くさからいっそこの辺全部潰してしまおうかしら!)」

大胆な発想すらも超能力者たる彼女らしい発想だが、今はその発想も無意味なものでしかなかった。

…何せ今彼女がいるこことある学区は、脆い建物が非常に多いのだ。
早い話、ここで雷撃など見境無く放てば自分すらもどうなるかわかったものではない。

故にこうして敵を見つけては、こうして気絶させる程度の電撃を放っていくしかなかったのだ。

「ッ!?」

次の手をどうするか決めかねていた矢先、斜め方向から空気弾のようなものが美琴に襲いかかり、かろうじて彼女は無きを得る。

恐らくは風力使いの仕業か――。
ならば遠距離戦はやや不利だと感じた美琴は、そのまま空気弾が飛んできた方向へと向かっていく。

「やってくれるわね…風力使い系統じゃ知り合いが一人いるんだけどね……アンタはそれ以下だっつうの!!」

と、ある程度まで距離を詰めた美琴は空気弾の飛んできた方向を正確に思いだし、そこに目掛けて雷撃を一つ飛ばした。

が、手応えはない。
恐らくはかわされたのを見て場所を変えられたのだろう。


ならばそのまま追い込んで確実に仕留めようと思い、彼女はそのまま進み少し開けた場所に着いた。

「よお超能力者さま…常盤台のお嬢様ともあろうものが、夜遊びなんてしてていいのかい?」

広場に出ると、そこにはやや細身の長身の男がいた。
数は一人からすると、こいつが風力使いと見ていいだろう。

「生憎ね、今時はお嬢様といえどコンビニで立ち読みだってする時代なのよ。女の子に対して夢見んなよ?」

その買い言葉に男はそうかそうかとそれは楽しそうに笑った。

「いやあ、俺達スキルアウトは男だらけの野蛮な集団だからなぁ。つい夢みちまうもんなんだよ、そこは勘弁してくれ」

と、しばらく会話のやり取りを続ける二人。
端から見ればこの状態は異常でしかないだろう。
彼女は狩る側の人間で男は狩られる側の人間。
その二人がこの状況でまともに会話しているなど、本来ありえないのだから

と、そんな空気の中不意に美琴は言った。

「私がアンタらを狙う理由は一つ。
1週間前に起こった女生徒通り魔事件。あの時の事について知っている事を聞きたいからよ、だから何か知っていれば答えなさい」

そして静寂。
男は意外そうな目で美琴を見ると、それから笑った。

「なんだ?そんな事のために俺らスキルアウトをここ最近潰し回ってたっていうのか?ははっこりゃ傑作だなオイ!」

そう、ここ1週間で美琴は実に5ものスキルアウト集団を壊滅させている。

スキルアウト内じゃ超能力者による無能力者狩り、なんて噂も立っていた程だったのだが、真相はなんて事のない情報の探索だったというのだ。

まあ実際の所、喧嘩を吹っ掛ける、又は色目を使ってくる連中を返り討ちにしただけ――なんていう話でもあるのだが、何せ美琴がことごとくを再起不能にしているためにそれが伝わることはない。


「そうよ、あの時襲われたのは私の友人なの。だから襲った人間を知りたい…。んでアンタは知ってるの?知らないの?返答次第じゃ焼くけど」

掌から電撃を出して、彼女は男を脅す。
男もその余りの気迫に押されてか、両手を上げ降参の意思を見せた。


男の話はこうだった。

佐天と思われる女生徒は、凄い形相で何かから逃げていたと

そして何だろうと追っていった時には既に、胸元を何か爪のようなもので切りつけられその場に伏せていたと

路地裏はほぼ一本道、もし誰かが女生徒を殺ったというならば証言の男とその犯人はすれ違っていたはず。
なのにその男は誰にもすれ違わなかったと


そういう事らしい。


美琴は怪訝な表情を浮かべる

おぉ勇者よ 書き溜めが切れるとは なさけない!

一々コピーするの面倒くさかったんだからなwwww


今からちまちま落としてく
また前スレ見たく落とさないようにしないとな


「(なに、どういうこと…?こいつの話が仮に正しかったとして、能力者の仕業ってこと?)」

能力者なら難しい話ではない。
爪のような傷というのが引っ掛かるが、視認を惑わすような能力者ならここ学園都市には腐るほどいるのだ。
実際以前にもそういう能力者に美琴はあったことがある。

だがその仮定を通した所で、もう一つ問題が生まれるのだ。

「(だとしても、佐天さんを襲う理由がない)」

佐天涙子は正真正銘の無能力者だ。
どこかの幻想殺しとは違い、誰かに付け狙われる理由が全くないのだった。

愉快犯や殺人鬼の可能性もあるが、ここまでの情報じゃ特定はできない。

誰が、何故佐天さんを


知れば知るほど、それらが謎に包まれていくような錯覚を美琴は覚えた


「んで、俺が知ってる情報はここまでなんだが」

「―――!」

男の声で、美琴は我に帰った。

「ほ、本当なんでしょうねそれ!嘘なんかすぐバレるわよ!」

「自分の命が危ういのにこの期におよんで誰が意味も無い嘘つくんだよ。こっちはこんな情報で仲間痛め付けられて散々なんだ」

確かにメリットのない嘘をつける場面じゃないか、と美琴は渋々男の言葉を納得することにした。

「ふん、それもそうね。納得しといてあげる、これ以上話掘り下げても何も出てこなさそうだし」

「謝罪の一つも無しかよ…まあいいか。それじゃあ俺もう行くわ、アンタにやられた仲間介抱しなきゃならんからな」


そう言って男は背を向けて歩いて行く。
美琴としても夜の路地裏なんて場所にいつまでも居たくないため、早々に出ようと歩き始める。


だが


「やっぱ中学生か、この程度の演技に引っ掛かるなんて馬鹿じゃねえの」

広場の斜め上空から、空気弾が美琴に襲いかかった。


「がっ……!?」

直撃
空気弾は美琴の背中に当たり、少女をゴミのように転がしていった。

そして背を向け去っていったはずの男は、こちらに振り向き高らかに笑う。

「ははははは!!学園都市が誇る超能力者、その3位といえど所詮中学生だったなお嬢ちゃん!"俺ら"はずっとお前がスキ見せるのをうかがってたってのによぉ!?」

男が何か言っているが美琴は痛みでそれどころではなかった。
背中の突然の衝撃に呼吸が乱れ、口からは血が出ていた。

「な、んで…!アンタから能力使う様子は……ごほっ!無かった…!?」


「馬鹿かテメエ今話聞いてたのか?俺らだっつったろ。今までの空気弾、俺が撃ってた訳じゃねえんだよ!」

見れば、かなり遠くの方にもう一人男がいるのを美琴はなんとか確認できた。
あの距離からここに撃てるということはレベル3か4程度だろう。



「(くっなんとか演算して能力を…!)」

そう思い演算を開始するが中々うまくいかない。
能力者にとって不意を突かれるというのはある種致命的な事だった。

「はっ!能力も使えねえか!楽勝だ、超能力者(キリッ てか!?最高だねえ!!いたぶるから覚悟しろやあ!」

そして男がこちらに向かってくる。
いつもは体格差や男か女かなんて気にしない美琴だったが、このときばかりはそれらに恐怖を感じていた。


本当に、万事休す。


美琴「(誰か……)」


美琴「(誰か助けて!)」




――――――――
時少し遡り、同じくとある学区

少年は相も変わらず不幸だった。
朝は謎の同居人のせいで目覚ましが破壊されてるわ
学校に遅刻してみればたまたま運悪く災誤先生(無差別級ゴリラ)に出くわし長い説教をくらうわ
夕方になってバスに乗ってみればふと寝落ちしてしまい無人学区へ
そして次のバスは一時間後ですと言われたときにはもうなんか全て投げ出したい気持ちになっていたのだった。

「(不幸だ…)」

この口癖も相変わらずだ。
今日も、とある異能を抱えた不幸少年上条当麻は何も変わらず元気に過ごしていた。


「(とりあえず現状確認っと…)」

上条当麻は辺りを見る。
周りは灯りなど無くただ無機質な廃墟がたたずんでいた。

ゴーストタウン、そんな言葉が浮かんだ上条はここがどこなのか思い出す。

「(確か離れの学区だったよなここ、スキルアウトの溜まり場として有名な…。こりゃ迂闊に動かない方がいいか、変に喧嘩巻き込まれても厄介だしな)」

と、上条がここでどう一時間切り抜けるか考えようとしたその時だった。

向こうの方で、何か光るものが弾けたのを上条は見た。

「(なんだありゃ…。能力者同士が喧嘩でもやってんのか?でもアレどっかで見たような……)」

と、首を傾げる上条。
すると


「逃がさないわよッ!」


聞き覚えがありまくる声が聞こえてきた。

なんか大物来たなwww
第四波動面白かったです。
駄文ですが期待しててくださいなww


「(この声、御坂…!?なにやってんだよアイツこんなところで!)」

常盤台のエース、学園都市で7人しかいないレベル5。
こんな離れた場所には一生涯縁のないような彼女が、時刻も遅いというのに何をしているのか上条にはわからなかった。

だが、どくんと鼓動が鳴る。
それは不安からだ

かつてふざけた計画があり、彼女はたった一人でそれを止めようとしたことがある。

だから、また彼女は大きすぎる何かを背負って一人で戦ってるんじゃないかと上条は思った。


――御坂とその周りの世界を守る


「(あぁ、約束守りにいってやるよ…!)」

そんなとある約束をした上条の足は、既に声の方向に向かって走り出していた―――。


―――――

「(誰か、助けて!)」

そう願う美琴の姿は、超能力者などという大それたものなんかではなく、ただ一人の非力な少女に過ぎなかった。

だが現実は非常だ、ここではそんなもの男達を燃え上がらせる要素でしかない。

これ以上の反撃は不可能と悟ったのか下卑た笑みを見せながら美琴に歩み寄る男と風力使い


その一歩一歩が、美琴の希望を打ち砕いてるようにも見える。


そして男達は美琴の元へと歩み寄る―――――



事は無かった。


「なにやってんだよ、お前ら」


その場に居た誰もが言葉を失った。


「テメエら、御坂に何をした?」

男の声は依然無機質。
むしろ怒声なんかよりずっと震え上がるような声だった。

「お、おいお前どうやって……」

「いいから答えろ、お前ら御坂に何をしたか聞いてるんだよこっちは」

これは普段の上条と何か違いを思わせるような態度だった。
いつもなら血が昇り、問答無用で殴りかかっている彼にしては珍しい事だ。

それだけ今の上条は怒りに満ちているのか。
それはこの場にいる彼以外、知るよしもなかった。


「………っは」

そこで我に帰れたのは男だった。

「何がおかしいんだよテメエ」

「いやなんだ、よくよく見たらお前ただの高校生じゃねえか。能力者にしろこっちにもそれがいる。
加えてそっちの超能力者は使い物にならない。どう考えてもこっちが有利なんだよクソガキ」

そう、今更ここでヒーローが現れても、相手の有利は揺るがないのだ。

ここから先にあるのは数の暴力。
加えて相手に能力者もいるというのならそれは暴力にすらならない。

男側は、上条一人を潰せばそれで勝ちなのだ。
こんな出来レースもまたとない。

男達は余裕を取り戻し、有利になるよう上条を囲む。


しかし彼らは一つミスを犯した。

上条さんは型月の世界だと弱いんだろうな

>>119
それを言い出すと強さ議論に発展するぞ……
支援


「………」

無言で上条は構える。
その表情はうつむいてよく見えない。

「はっ!やる気かよガキが、俺らが喧嘩の仕方ってのを教えてやるよ!」

そう言い放ち、目の前の障害に己の渾身の拳をぶつける男。

狙いも顔面と鋭く、一撃で命運が決まるかと思われた――――!

「いいぜ」

「なっ!?がああっ!!」

だがしかし上条は男の拳をいとも簡単に避け、更にその勢いを利用して男の腹に一撃を見舞った。

「テメエらがそれでも御坂を傷付けようとするなら」

「男!?く、くっそこのガキ!!」

そこで接近戦が不利だと悟った風力使いは、一歩半後ろへ下がり空気弾を放った。

この位置、このタイミングでかわせる術はない―――!


はずだった。

「………っへ?」

風力使いは呆気に取られる。
今のは自分の中でも最高火力を自負する一撃だったはずだ。
それなのに

「(右手一つで、防ぎやがっただとお!?)」

―――――――――幻想殺し。
右手に触れた異能を打ち消す奇跡の力
例え神様が作ったシステムだとしても殺せると言うこの力の前に、空気弾は余りにも無力だ。

上条は風力使いの一瞬の隙を付き、間合いを詰める。

ここに、勝負はついた。


「その幻想を、ブチ殺す!」


深夜、離れ学区のとある広場で、鈍い音が響いたのだった―――――


前スレ全部見てないからわからないのだけれど
前スレの>>1は今書きためているのか?速報?

>>128
とりあえず今日はここまで。
次は9時くらいに来ます


ちょっと文章力無さすぎる自分に嫌気がさしたので修行に行ってきます

大丈夫、保守は怠らないぜ!
どっちにしろ徹夜確定ですしおすし
落ちない程度に保守りまする

とりあえず最初の保守
今どれくらいで落ちるのかな

速すぎだろ今のvipwwwwwww


サンクス、あぁ仕方ない地道に書き溜めながら保守るか…

保守

あ、そうかペースアップも兼ねて台詞調に一端すればいいのか

重要な部分だけ地の文入れて

どれ、台詞重視としてテストしてみよう
駄目だったら言ってくれ


「ちょっと!アンタもう少し優しく運びなさいよ!背中痛いんだってば!」

「上条さんに優しい運び方なんて期待するんじゃねえよ!あと色々男子的にまずいから大人しくしててください!」

と、美琴をおぶりながら元居たバス停まで歩く上条。
端からみれば怪しいこの上ない光景である。

「にしても、お前なんでこんなところにいたんだよ。ここがどういうところか知ってるだろ?」

「それは……」

美琴は言うかどうか迷った。


「言えないことなのか?まさかお前また何か…!」

「違うわよ馬鹿。…この前、私の友達が事件に巻き込まれちゃってね、それで犯人を探してたの」

「事件に?」

「そう、酷いものよ。爪のようなもので心臓部を一掻き。おかげでその子一命はとりとめたんだけど未だに面会謝絶なの。それで…」

「それでさっきみたいにヘマをやらかして、ピンチになっちゃってた訳か。世話ねーな」


美琴「なっ…!」

上条「だってそうだろ?今回だって俺がこなけりゃお前今ごろどうなってたかわかんねーぞ」

美琴「そりゃそうだけど……」

上条「そのお友達を襲った犯人を見つけてとっちめようって気持ちは確かに立派だよ
でもそれでお前が傷ついちゃ、その子は悲しむんじゃないか?」

美琴「……」

上条「だからな、やるにしてもほどほどにしとけ御坂。もし犯人が見つからなくてもお友達はきっとお前を恨んだりしないさ。わかったな?」

美琴「……うん、わかった」

上条「(上条さんマジぱねえっすGJ)」


美琴「―――だったら、アンタにも手伝ってもらう」

上条「ひょ?」

足が止まる。

上条「み、美琴さん…?今なんと……」

美琴「だから、事件の犯人アンタにも探すの手伝ってもらうっていったのよ」

上条「………………………なんで?」

美琴「なんでって今アンタが言ったんじゃない。私が危ない目にあったら友達が喜ばないって」

上条「お、おう」

美琴「だからね、私が危ない目に合わないようにアンタが私を守ればいいのよ。そういう事でしょ?」

これは良ss
是非ss速報で書いてほしい
途中で落ちて読めなくなったら泣けるぜ・・・

>>148
俺も書いててあっちで書けばよかったと後悔しそうな今日このごろ

VIPでの地の文がいかに厳しいか理解したよ


上条「はあ……」

美琴「何よ、そのため息」

上条「不幸だなって思ったんだよ。いつもついてないが今日は特にらしい」

美琴「なんか勘に障るわね」

上条「まあでも、約束もあるしな」

美琴「え?(約束ってあの夏休みの時の!?)」

上条「わかったよ。協力する。必ず犯人見つけてとっちめようぜ、御坂」

美琴「…………///」

上条「ん?御坂?」クルッ

美琴「こっち向くんじゃねえ馬鹿!!///」バキッ


バス停

上条「解せぬ…」ヒリヒリ

美琴「ふ、ふん。自業自得よ!」

上条「わかんねえ…」

そして美琴をとりあえずベンチに座らせる。
時刻表を見るとあと20分程時間があるようだった。

上条「それにしても、通り魔もどきねえ…」

美琴「うん、目撃者によれば路地裏で一本道だったはずなのに犯人と顔合わせなかったそうよ。どういうことなのかしら」

上条「そうだな…」

上条は考える。
爪で切り裂かれたような傷。
顔を見せない犯人。

これらが意味するものは―――


上条「吸血鬼…」ボソッ

美琴「へ?」

上条「吸血鬼とかの仕業だったら、面白いかもな」

美琴「ちょっと真面目に考えなさいよ…吸血鬼なんてそんなもんいるわけないでしょうが」

冷たく一蹴する美琴
だが上条は以前吸血鬼絡みの騒動に巻き込まれたことがあるため、半分冗談半分本気だったりする。

上条「(まあでも、それはないか。今はもう吸血鬼殺しも封印してあるんだしな。学園都市に吸血鬼なんて―――)」

そんな事を考えていたときだった。


「今、吸血鬼と言いましたか?」


「「!?」」


どこからか、凛とした声が聞こえてきた。

そして上条は気付く、美琴の背後――正確にはその上空から何かが物凄いスピードで迫ってきているのを。

「まずい――危ない!御坂!」

「へ?って、きゃあ!!」

そして上条は御坂の肩を押して、迫る"それ"から回避させる。
がしかし

「ぐっ――ああああああ!」

美琴を突き飛ばす時に出した上条の腕に、それがかすった。
左腕からは、鮮やかな血が滴る。

「ほう…私の黒鍵を視認し、なおかつ彼女だけでも回避させますか。只者ではありませんね」

声の主は、前方に姿を現すとゆっくり近付いてきた。

ほしゅ


「誰だお前は!?」

上条は出血している部分を右手で抑えながら、目の前の人物に向かい叫んだ。

「名乗るほどの者ではありませんよ。先程のは挨拶程度です、もし敵ならば先手必勝になりえますからね」

そう言って姿を表した人物は、女性だった。

ショートカットに黒いシスター服が印象的な彼女は、どこか上条達に冷たい印象を与える。
そして手には無数の剣。先程の会話から想定するに「黒鍵」という名前の剣らしかった。

「(あれをあの距離から正確に投げたのかコイツ!?)」

その事実にただ驚く上条。
すると突き飛ばされた美琴が背中を抑え立ち上がった。




美琴「アンタ!いきなり何投げ付けてくれんのよ!当たったら痛いじゃすまなかったわよ!?」

?「ええ、むしろ済まさないように狙いましたから」

平然と言いのけるこの女性。
どこかこの人物には自分達の常識が通用しないように上条達は感じた。

上条「……それで、俺達になんの用なんだ?見たとこ学園都市の人間じゃないよな?アンタ」

?「はい、この街に来るのはこれが初めてですね。
私達日陰者にとっては少々居づらい街です」

上条「ってことは、アンタ魔術側の人間か。まあ見たまんまなんだけどよ」

?「――驚いた。この街の住民なのにこちら側の存在を知っているんですね」

美琴「魔術?日陰者?」

ほsy

追いついた!式さんを出してください!

いや、待てよ?
「神様の力さえ打ち消す奇跡の力」

「神様さえ殺す力」




wktk!!!

>>166
落ち着けwww

式かあ…出したら面白そうだよなあ…。
橙子さんに連れてきてもらおうかなあ…

☆コルネリウス捕食代行始めました☆
腹が立って腹が減った時、食べるコルネリウスが居ない、そんなアナタ!
鍛えに鍛えた青崎さんの人形がコルネリウスをパクッとばかりに捕食してくれます!
連絡はお近くの居酒屋「たわけ」まで!
お電話、お待ち「うわあああああああああああああホッ、ホアアーッ!」しております!


上条「うちには不思議ミラクルな居候が一匹いるからな。それでもう一度聞く、アンタ何者だ?俺達になんの用があるんだ」

?「………」

沈黙。
そして彼女は上条達をまじまじ見ると、やがてこう言った。

?「…はあ。そうですね。私もそろそろ単独行動に限界を感じていたところですし…」

上条「?」

?「いいでしょう、私の名前はシエル。教会から派遣された代行者です。あなた方は?」

いきなり名乗られ何が何だかわからない上条と美琴。

上条「あ、いや…俺は上条当麻っていうんだけども…」

美琴「………御坂美琴」


シエル「上条君に、御坂さんですね。実はあなた方を呼び止めたのは、協力してほしいことがあったからなんです」


上条、美琴「協力?」

そもそも人を呼びつけるのに剣を投げつけるのはどうかと思ったが、あえて突っ込まなかった。

シエル「はい、いきなり突拍子もない話になってしまうんですが…。
あなた方に、この街に巣くっている吸血鬼の退治、その協力をしてもらいたいんです」

上条「……」

美琴「……」


シエル「いえ、驚かれる気持ちはわかりますがそう黙られても困るというか…」

上条、美琴「「吸血鬼ぃぃぃぃぃぃぃ!?」」

さっき会話が会話だったため、驚きも増していた。


ほしゅ


美琴「ちょっそんなのいるわけないでしょうが!おとぎ話よそんなの!」

シエル「まあ信じてもらえないのも無理はないですけどね…」

上条「いや俺は信じるぞ、吸血鬼絡みの話に巻き込まれたこともあったしな」

シエル「助かります上条君。さて後は御坂さんだけで話が進むんですが…」

美琴「なっなによ、今回ばっかりはなんと言おうが信じられないわよ!」


シエル「ふう、仕方ない…」

美琴「…?」

シエル「御坂さん。あなたは今とある事件の犯人を追っているそうですね」

美琴「!?アンタ、どこでそれを――!」

シエル「あぁはい。実は先程の上条君と御坂さんの話、聞いちゃってました」

上条「っておい!?」

美琴「聞いちゃってましたじゃないわよ……。まあいいわ、それで?」

シエル「はい、その事件でしたら私も調べていました。佐天涙子…これが被害者の名前ですね」

美琴「だからそれがなんの――!」イライラ

シエル「率直に言います。この事件、吸血鬼の仕業です」


上条、美琴「!?」

ほしぃ

上条「吸血鬼が御坂の友達を…!?」

シエル「はい…何故、彼女を狙ったのかはわかりませんが、とにかく爪の跡と手口を見る限り、私の追っている死徒と一致します。ほぼ間違いないでしょう」

美琴「……」

シエル「いいですか御坂さん。確かに今吸血鬼存在を否定し、独力で犯人を探すことは可能といえば可能でしょう」

美琴「……」

シエル「ですがこの街では今確実に異変が起こっている。
今はまだ感じられないだけで、やがてはこの都市を覆い尽くす程の規模に拡大するでしょう」

シエル「私だってそんな事態を招きたくはない。あなただってそうでしょう。だから――」

美琴「わかったわよ」

上条「御坂…」

美琴「死徒だか吸血鬼だか異変だか知らないけど、とにかくアンタについていけば佐天さんを襲った犯人に会えるのよね?」

シエル「―――えぇ、必ず」

美琴「だったら協力でも何でもしてやろうじゃない。ここまできたら絶対そいつギャフンと言わせてやるんだから!!!レベル5なめんなよ!!!」

シエル「では、協力してくれるんですね?」

美琴「そう言ったじゃない。まあアンタに丸め込められたようでしゃくだけどさ」

シエル「ふふっ、ありがとうございます♪」

ヤバイ。ここまで書いたはいいけど佐天さんに全然繋がらない

まずいぞこれは…!

みつを

そうだな…ただ眠気も襲って予想外の展開になってきたぞ。
シエル先輩こんなキャラだっけか

すまん

ようしもうちょい頑張るかな

そしてとりあえず今日のところは、これでお開きすることになった。

シエルさんも一応寝床があるらしく、俺達がバスに乗るのを確認するとなんと跳んで去っていった。
超人は違うなあと思いつつも黙ってそれを見送る。

御坂も寮に帰っていった。
まあ無断外泊などしょっちゅうらしいし、万が一があっても白井の奴がなんとかしてくれるのだろう。
できた後輩だよ、本当
変態を除けば


そして俺も寮に帰宅。
風呂入って寝るかなーなんて思いながら扉を開けると、そこには今日の俺の最大の盲点が座っていた――――――。


まずい、来る




「おなかすいたああああああああああああああああああああああああああああああああ」ガブリアス


「不幸だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


こうして俺の1日は終わった。
これから先、どうなるのやら……

―――――――――――――

ぐっはあああああああああやっと御坂上条編終わったああああああああああああああああああああ


正直進度はここでようやく半分です。ここからは学園都市に眠る死徒を倒すために奮走する予定です
お楽しみあれ

とりあえずお疲れさん

>>187
ありがとう、こんな時間でも人がいて本当ありがたいよ


こっから後半戦だ、だから書き溜めるまで数時間ほど保守に徹するよ

佐天「邪眼?」


いい夢みれたかよ?

保守

>>189
読みてえwww

ほしゅ

誰?

お、おいお前らさっきから誰の話題を…

誰って■■さんに決まってるだろ
巫女装束の■■さんだよ

>>196
お、おい名前が見えないぞ…
誰なんだ一体…

レスが真っ黒すぎワロタ

まあ天文学的数値は間違いないな

保守

行くぞ英雄王、武器の貯蔵はじゅうぶんかあああああああああああああああああああああああああああああああああ

おのれおのれおのれおのれおのれおのっおのれおにょれおのれのれえええええええええええええええええええええええ

うおー保守

今書き溜め中


あと後半は、佐天sideと上条side、そしてラストの三部構成になってるからよろしくねー

おk、がんばるぜええええええええええ

よし、書き溜め中断
台詞重視だとやっぱ時間掛かんなくていいね

ちょこちょこ書いてくよー


佐天side

冥「おめでとう、今日で退院だね?」

佐「はい、今までお世話になりました先生」

荷物を両手に私はお医者さんに深くお辞儀をした。

冥「ふむ…本来ならまだまだ入院してもらいたいとこなんだけどね?何しろ傷が傷だ。どうしてもと言うから退院を早めたけど……本当に大丈夫かい?」

佐「えぇ、早く勉学に励みたいですから」

と真っ赤な嘘を伝える
そのあともお医者さんは何か伝えたがっていたが、今後も定期的に通院をするという妥協案を了承して、渋々私を送り出してくれることになった。

冥「それじゃあ、何かあれすぐにここにくること、いいね?」

佐「はい、それじゃあまた…」クルッ

冥「あ、君」

佐「はい?」

冥「その眼鏡、似合ってるよ」

佐「―――ありがとうございます。橙子さんの特別製なんですよ」

そう、特別製
あの人がくれた、特別な眼鏡だった



橙子「君、この眼鏡あげるよ」

佐天「私に、ですか?目は悪くないですけど……」

橙子「いいからつけてみなさい。少なくともそれで君の悩みを一つ解決してあげられるから」

佐天「は、はあ…」スチャ

橙子「どうだ?感じは」

佐天「―――!凄い、あんなにあった線が何も見えなくなってる…!」

橙子「そうかそうか、ソイツは魔眼殺しの眼鏡なんだ。私が今つけてるものと同じでね、世界に叉とないレア物さ」

佐天「そっそんなに高価なものもらっちゃっていいんですか!?」

橙子「何構わんよ、元々は三つあってね、一つは私のでもう一つが君のそれ。そしてもう一つが―――」


佐天「橙子さん?」


橙子「……すまない、この話はやめよう。思い出すだけで気分が悪くなる」



というやりとりが主ないきさつ。
正直、橙子さんが何を思い出して気分を悪くしたのか非常に気になったが、追究してはいけない気がした


佐天「うーん、久々の外は気分がいいですなー!」ノビノビー

佐天「とりあえずは初春や御坂さん達に心配かけちゃったからね。退院したよーって挨拶にいくか!」

佐天「まずは御坂さん達のところにいこうかな、ここから寮も近いし」


――――――――

常盤台寮

「着いた着いた、まずは部屋番号からっと…………あった」


pull pull ガチャッ

黒子「はいもしもしですの」

佐天「あ、白井さん、こんにちわ!無事退院出来ましたよー」

黒子「ッ!?」

ツー ツー

佐天「………」


佐天「………」

pull pull ガチャッ

佐天「あの、すm

黒子「なんですのおおおお佐天さんは現在重い怪我を患って入院中なんですのよおおおおおおお!?!?
幽霊なら早く成仏してくださいましっ!!波ァ!!」


ガチャッ


佐天「仕方ない……白井さんには初春から説明してもらおう、帰るか……」トボトボ


佐天「はぁ…結局常盤台寮、無駄足だったな。御坂さんもいないみたいだったし……」テクテク

佐天「とりあえず自宅に帰りますか。初春のとこは荷物整理片付けてからでいいし」

佐天「そんでそれからー…」


美琴「佐天さん!?」


佐天「え?あ!御坂さん!よかったあ会えた!!」


美琴「どうしたのよこんなところで!?もう退院出来たわけ?」

佐天「はい、あそこのお医者さん、何でも冥土返しって言われてるほど医療界じゃ名医みたいで……。
無理して退院させてもらっちゃいました」エヘヘ

美琴「あーあのリアルゲコ太ね…。確かにあの馬鹿やあの娘達も毎度お世話になってるみたいだけど……」ブツブツ

佐天「あ、あの御坂さん?」

美琴「えっ?あぁいやこっちの話よあはは。……って佐天さん」

佐天「はい?」

美琴「そんな眼鏡いつも掛けてたっけ?」


佐天「あ、気付いちゃいましたかあ?」クイッ

美琴「気付いた気付いた、何退院を期にイメチェンとか?」

佐天「まあそんなところです。実は事故の影響で視力下がっちゃって…」

美琴「事故………」

佐天「み、御坂さん?そんな気にしなくても…」

美琴「ねえ、佐天さん。あなたあの時………」

佐天「えっ?何ですか?」

美琴「―――いや、何でもないわ。その眼鏡、佐天さんによく似合ってるよ」

佐天「え、そうですか?照れるなあ、あはは」


―――――――

ソレジャアネー マタコンドー


佐天「ふう、話してたらすっかり遅くなっちゃったなあ。まあ白井さんは御坂さんが上手く伝えてくれるでしょ」

佐天「さーてひっさびさのわが家だぞっと。ただいまあー!」ガチャン


佐天「家主がいない方が清潔間ある部屋とはこれ如何に……」

佐天「まあいいや、とりあえず荷物整頓しようっと!」


――――――


佐天「ふう、片付けたら思わぬ時間をくったか。もう夜だよ」

佐天「そろそろ初春も風紀委員の仕事終わって帰ってきた頃かな…
よし、顔出しにいこう。そんであわよくば夜ご飯恵んでもらおう!」


佐天「お腹も空いたしね」ゴキュルルル

――――――――――

佐天「さて、初春の寮部屋についたはいいけど…」

佐天「電気がついてないなあ、いないのかな」?

佐天「鍵もしまってるし―――って閉まってなかったよ」ガチャッ

佐天「入ってもいいかな?あ、そうだ初春が帰ってきた時のために晩ごはん作ってあげよう!」


佐天「我ながらナイスアイディア!それじゃあ、お邪魔しまーす…」


扉を開け、中に入る。
初春の部屋はいつも綺麗に整理整頓がされているため、入る側としては気分がいい。

そのまま靴を脱ぎ、奥へと進む。
よく考えたら料理を作る材料もないため、初春の冷蔵庫から適当に頂いてしまおう。なんて思っていた

その時だった


パリンッ

「(ガラスの、割れる音…?)」


それが確かに初春の寝室から聞こえた。
泥棒だろうか
よく考えたら電気もつけずに扉だけ空いているような状況、普通に考えればおかしかったのだ。

額に、妙な汗が伝う。


「(どうしよう…)」

考えるまでもない。
逃げるべきだ。
女の私がどう立ち向かおうが、返り討ちにされるのが目に見えている。
酷ければ暴力だって振るわれる可能性がある。

今までも私はそうしてきた。

戦う力が無い私は、ずっとそれらから逃げていた。

それが当たり前だと信じていた。


―――だが、それでは駄目なんだと、私は学んだのではないのか


とある、電撃使いから
とある、空間移動能力者から


そして、大事な親友から


そして私は眼鏡を、外す。

見える世界は死の世界。

再び見える数々の、線と点、それは私の頭を酷く痛めた。


武器も、ある。

それはカウンセリング終了時、橙子さんが私にくれたもう一つの物

きっといつか使う時が来ると言われ、渡された武器。


折り畳み式ナイフ。

どうやら貰うときには半信半疑だったが、橙子さんの言っていた事は正しかったようだ。

なんだかあの女性に運命すらも弄ばれているようで、笑みがこぼれた


  ―――さぁ、行こう。
 大事な親友の、居場所を守るために。


「…………」

扉の前に立つ。

ここを開ければ、もう後は殺伐とした世界があるだけだ。

泥棒には腕力で勝てない。
だから一瞬でケリをつけるべきだ。

扉を開け、泥棒の不意を突けるその、一瞬が勝負だ。


殺すつもりはない、だが腕の一つをもっていく覚悟はある。


さぁ、いざ!!



バンッッ!!!

初春「きゃああ!?」

佐天「―――――!?」

だが、そこにあった世界は私の想像とは大きくかけ離れたものだった。


佐天「あれ、う、い、はる……?」

初春「…………」

初春は目をぱちくりさせながら私を見つめている。

無理もない、何せ入院中だと思っていた私が突然、刃物を持って部屋に突入してきたのだ。
思考が追い付かなくなるのはむしろ、当然かもしれなかった。


佐天「あ、あの…初春?私、退院したんだよー?げんきー?」

初春「………………」バタッ


佐天「って、倒れたああああああああああああああ」


その後初春が目を覚ましたのは、数時間経ってからだった…。

――――――


初春「う、うぅん……あれ、私…」

佐天「あ、目が覚めた?よかった、急に倒れるんだもん」

初春「佐天さん!?なんでここに!?え、入院は!?」

佐天「もう退院してきたよ、一刻も早く初春に会いたかったからねー」

初春「あ、そうだったんですか……(というか私、何で膝枕されてるの///)」

佐天「うん?どうしたのかな初春ぅ、顔が赤くなったけど?」ニヤニヤ

初春「な、何でもないですよ!それよりもう大丈夫だからありがとうございました!」アセアセ


佐天「さて、それじゃあ一先ずご飯食べようよ初春。実は初春が倒れている間にご飯作ったんだ!」

初春「あ、凄いですね佐天さん!それじゃあありがたく頂きますよ」ニコッ


――――――

初春「所で佐天さん」

佐天「ん?なんだい初春」モグモグ

初春「その、怪我の方はもういいんですか?面会謝絶になってましたから、かなりの重傷と思っていたんですけど…」

佐天「あー大したことないよ…。骨が何ヵ所か飛び出てたぐらい」

初春「へー…ってそれむちゃくちゃヤバいんじゃないですか!?」

佐天「あと臓器も大半グチャグチャになってた」

初春「ひいいいっ!?病院戻ってくださいよ佐天さん!?」

佐天「まあ嘘なんだけどね」

初春「………佐天さん、イジワルです」


そしてご飯も食べ終え洗い物タイム


初春「そういえば、佐天さん眼鏡なんか掛けてましたっけ?」カチャカチャ

佐天「んーこれ?御坂さんも気に掛けてたけど似合わないかな?」カチャカチャ

初春「あ、いえそういう訳じゃないんですよ。ただ珍しいなって…」ジャー

佐天「あはは、ありがと。あの事故でねちょっと目痛めちゃってさ。
だからって訳」キュッキュ

初春「あ、そうだったんですか。………佐天さん」フキフキ

佐天「ん?」

初春「似合ってますよ///」

佐天「っ……初春、可愛いなもう///」


あっちなみに寝室突入時、割れたガラスの伏線はただ偶然初春がコップ落としただけです。

そのあと佐天さんが片付けていきました

眼鏡の形状とか知らないけど
http://c2.upup.be/qOpsD4byju


佐天「さって、洗い物も終わったか。それじゃあそろそろ――」

初春「あ、佐天さん。よかったら夜も遅いですし、今日は泊まっていきません?丁度明日は日曜日ですし」

佐天「お、いいねえ。それじゃあ一緒にお風呂――」

初春「入りませんよ///別々に入ってください!」

佐天「ちぇー堅いな。それじゃあ先入ってきなよ、私次入るからさ」

初春「はい、じゃあそうさせてもらいますね♪」



そうして、緩やかな時間は流れていった。

>>241
あぁ、最高だ


ところで今の書き方どうだ?
なんかおかしなところとかないか。大丈夫だろうか

おk、ならこのままで続行するよ

ちょいお待ちあれ


夜、再び寝室。

初春「それじゃあ電気消しますよ佐天さーん」

佐天「オーケーいつでもガッテンさ!」

パチ、パチ


佐天「…………」

初春「…………」


「………佐天さん」

「ん?どうした初春」

「…………」

沈黙。
まあ別にあまり眠たくはないので、もう少し返事を待ってみることにした

それから十分。

「もう少し、そっちに寄ってもいいですか?」

「うん、いいよ。おいでおいで」

そう私が許可すると、初春はやや控えめにこちらに寄ってきた。

それが何だかまどろっこしくて、私から初春に寄ってみる。

「わ、佐天さん近いです…!」

「そっちから言ってきたくせに何遠慮してんだかもう」

最近は病院のベッドで、一人寂しく眠っていたのでなんだか誰かと同じ布団を共有するのは新鮮な感じがした。


……………………


そして再び沈黙、だが初春は何かを私に伝えたようで、先程から無言なのだが妙にそわそわしている。

言いたい事があれば言えばいいのに、初春は依然として沈黙していた。

まあきっと初春らしい遠慮だか、葛藤だかがあるのだろう。
だから私は、親友として初春が言いやすいように―――。


「わ、佐天さん!何で抱きついてくるんですか――!」

「初春」

一言、声をかける

「言いたい事、言ってくれればいいんだよ?」

初春がハッとしたのが、暗闇でもわかった。

すみませんちょっと朝ご飯の時間をば。

お前ら雑談しててもらっていいんだよ?(´・ω・`)

なん、だと…誰もいないのか

まあいいどんどん投下するよー


「佐天、さんは……」

「うん」

「佐天さんは、入院中寂しくなかったんですか…?」

「…………」

「私は寂しかったです。授業も4つほどぼーっとして聞き流しちゃいましたし、昨日だって風紀委員の仕事でミス連発してしまいました」

「それは……また」

「当然白井さんにも怒られちゃいましたし、固法先輩にも心配されちゃいました」

「………………」

「佐天さんは、寂しくなかったんですか?」

読んでるお
俺の頭じゃ「皆を守るために頑張っちゃいますからね、あたし!」→「なんで私だけこんな目に……恨めしい、殺す」って
なっちゃう佐天さんしか思い浮かばないからせいぜい幸せな展開にしてやってくれ支援


ぎゅ

「佐天、さん?」

そうして私は気が付けば、初春を抱き締めていた。
あぁ、そうか私――――

「うん、私も初春と会えなくて寂しかったよ」

この子の事が、大事なんだ



ここ最近、私は気が付けばずっと死について考えてしまっていた


魔眼殺しの眼鏡。それを外せば見える、いや見えてしまう線と点

全ての根源、綻び

だから、初春と会えなくて寂しいとは正直考えていなかった。

でも、今気付いた。

この子が大事だと

会えなくて私は寂しかったんだと

この少女の告白で、気づくことができた―――。


「ごめん、初春。私最近どうかしてたみたいだ」

「佐天さん?」

突然の事故で手に入れた、直死の魔眼。
万物に死を与える事のできる夢の目。

だが、そんなものがなんだというんだ。
もっと大切なものが、私にはあったというのに


―――橙子さんは言っていた。
この目が宿るということには何か意味があるのだと。
だがその意味は自分で決めるもので、そこに他人などという曖昧なものが介入する余地はないのだと。





ならば私は今決めた。

この目の使い方を――――


「ねえ、初春。私決めたよ」

「はい?何をですか佐天さん」

「私、初春を守る」

「へ?」

「私のできる事で、初春を大事にしてあげる」

「佐天さん……。なら、私も佐天さんを守りますね!これでおあいこです!」

「あはは、初春には敵わないなあ」


守って見せるよ、初春
例えこの目を、使ったとしても―――――


――――――――――

ちなみに、佐天さんのキャラクターとしてのコンセプトは「死の魔力に負けない強い少女」。だったりする


だから本編のさたんさんとは性格が大分違ったりする

自分で制御できないってことは
志貴と同じタイプの魔眼なのか

>>266
ぶっちゃけ曖昧。
ただ佐天さんは点も見れるし頭痛も起こす


だから志貴寄りなのは間違いない。
違いとしては浄眼持ってないから幽霊とかは見えないとことかになる

なるほど本編の佐天さんとはだいぶ違うのか

違うのか……

>>269
まあ佐天さんは佐天さんなんだけどね

事故の経験から逞しくなったってなかんじ

直死の魔眼って魔眼の中じゃレアでも相手に近寄れる身体能力ないと意味ないよな
渡り廊下破壊も普通なら自分が怪我するし


行間

「学園都市―――。ここがそうか」

紫の髪と服装。整った顔立ちにベレー帽を被った女性――シオン・エルトナム・アトラシアは、学園都市のゲートを潜り抜けそう呟いた。

彼女は今回とある人物から直接指名され、とある任務を遂行させるためにやってきたのだが、ここに向かうに当たって同行者とはぐれてしまい少々不機嫌になっていたりする。

普段から予測された論理思考で動く彼女にとってははぐれる、などと言った行為は言語道断なのだ。

だがまあ怒ってばかりいても仕方ないために、先に依頼主のところへ足を運ぶ。

と、その時後ろから話しかけられた


「お姉さん外国人?ってミサカはミサカは尋ねてみたり!」


「…………」

シオンは、奇妙な問い掛けをする謎生物を確認するために、後ろを振り返った。

しかし、誰もいない。
これは慣れない土地で幻聴でも聞こえてしまったかなと思い再び足を運ぼうとしたとき

シオンは自分の服の裾が掴まれてるのに気付いた。

下を見る

「どうして無視して行っちゃうのって、ミサカはミサカは白い人にもこんな扱いされたなあと懐かしんでみたり」

と、恐らく先程の声の主であろう、彼女がポツンと立っていた。


シオン「どうかしましたか?ええと、名前は…」

打ち止め「私?私はミサカネットワークのコンソール役、打ち止めだよ!ってミサカはミサカはえっへんと自己紹介する!」

シオン「打ち止め…変わった名前ですね。それで私に何か用でしょうか打ち止め。こう見えて私も行くところが――」

打ち止め「あの人がまたいなくなっちゃったから探してほしいの!ってミサカはミサカはお願いしてみる!」

シオン「あの人、というのが誰かはわかりかねますが、要するに人探しですね?それなら行きそうな場所を探せばいいのでは…」

打ち止め「それが駄目なの。あの人ったら小さな女の子見かけたら、誰彼構わずホイホイとついていっちゃうからどこにいるか全然わからないんだよってミサカはミサカは説明する」


シオン「はぁ…」

日本という国はつくづく変わっているなあと、再認識させられたシオンだった。

>>275
だよな。佐天さんにそこまでの身体能力があるとは思えんが、どうするのかな
あと、「」に繋がってない肉体で直視持ちってことは、佐天さん短命なんだろうな……しかし脳開発はうけてるから志貴よりは負担に耐えられそうではある


シオン「とりあえず、手当たり次第その人が行きそうな場所を探してみましょう」

打ち止め「えっ!いいのってミサカはミサカは

シオン「構いません、どのみち今ここで貴女を見捨てても後々気にかかって集中できなくなりそうですからね」

打ち止め「むう、台詞終わる前に話さないでほしいかもってミ

シオン「さあ、まずはどこから行きましょうか打ち止め。あと私はシオンです、しばしの間、よろしくお願い致します」


打ち止め「台詞終わるまで喋らないでよー!!」

シオンにとって、グダグダと長い語尾は不要な物でしかないのだ。


シオン「(まあ、正直今依頼主のところへ着いたところで暇を弄ぶのは目に見えていましたからね)」

アレが現れるのはもう少し先とアトラス院でも観測済みなのだ。

だから今、ここで時間を潰したとて特に問題がないのをシオンは知っている。
だから人捜しを引き受けたのだ。

シオン「(学園都市、超能力開発都市…か。正直何故アレがここに興味を持ったのかはわからない)」

でも、とシオンは付け加える

シオン「(現れるからには、今回こそ全力で叩ききってみせる。
前回と同じ轍は踏まない、今のうち覚悟しておくのですね









ワラキア)」

ワラキアの夜。別名タタリ

これが現在、学園都市に巣くっている死徒の正体であった

上条side

上条、美琴「ワラキアの、夜?」

二人の重なった声に、シエルはそうです。と返した。

丁度佐天が退院したこの日の夕方、シエルは上条と美琴を呼び集め人払いのなされたここ、離れ学区にて話し合いの場を設けた。

ちなみにどうやって二人を呼んだのかというと、強引に学校に暗示を掛け潜入。そして用件だけ伝えてそのまま去っていくという荒業をやってのけたこのシエル。

その際に学食に寄り、スパゲッティやらカレーやらを頼んでいったとかいないとか。


上条「ワラキアの夜…。それが学園都市で悪さしようとしてる吸血鬼の名前なのか」

シエル「はい、最もこれは異名みたいなものでタタリ、と呼ぶものも少なくありませんが」


美琴「タタリ…聞く限りいい気分はしないわね。なに、そんなにヤバいのソイツ?あたしたちが組まなきゃいけないほどに」


シエルは美琴の問いにはい、と答えるとワラキアの説明を始めた。

そういやワラキアが学園都市にくるような話も書こうとしたなぁ
主人公は一方さんで、最終的な敵は上条さんになったタタリとか。
どうやらこの>>1とは同じ電波を受け取っていたようだな。まぁ、期待期待支援


シエル「ワラキアの夜、死徒27祖の13位。『存在するが誰も見たことのない物』や『正体不明』という通り名が使われていますね。
名前の由来は、最初にこの死徒が襲った都市名がワラキアだったことに起因します」

上条「正体不明…?じゃあ誰もそいつの事見たことないってのかよ」

シエル「その質問は少々的を射ていませんね上条君。ワラキアの夜、タタリとはすなわち人物ではなく現象なのです、故にその質問は意味を成さない」

美琴「ちょっ現象って…どんな事しでかしたりしてくるのよソイツ。
そもそもそんなのに勝ったりできるの!?」

シエル「現象としては、噂や都市伝説。すなわちそういった不明瞭な情報を形にする能力を持っていますね。我々の不安などで形づくられる場合もあります」

ss速報にもワラキアものあったな
てかアルクいないと倒せないじゃん

>>294
上条の形をとる→上条さんの右腕に封じられし何かで月との契約吹き飛ぶ→ズェピア降臨
みたいな流れで実体化かせようって案はあったが……このSSでは上条さんも話に絡むみたいだし、右手で触れておしまいじゃね?
そういうところがあるから、型月とのクロスは難しいんだよなぁ


上条「噂や都市伝説、それに不安が形になるって――!?じゃあつまり、俺が御坂を怖がったり、不安に思ったりしたら御坂が形になって暴れまわるのか」

御坂「どういう例えよそれ!?ふざけんな!!」バリバリ

上条「おっと残念くらいませんよーだ!毎回電撃ばっかで芸が無いんだよお前はな!」キュピーン

シエル「な、仲がいいんですね。続けますよ。
まあすなわちタタリとは、台風のようなものなんです。起きてしまった以上台風自体は止められないけど被害は抑えることができる。
まあつまり今回の目的はそれですね」

美琴「アンタねえ!言っていい事と悪いことがあるのわからないの!?」バリバリドカーン

上条「お前こそしていいことと悪い事の判別くらいつけろよな!?今の普通に死ぬって!?」キュピーン

シエル「あぁもう、真面目に聞いてくださいよ!?」

ちなみに色々ワラキア関連で盛り上がってるとこすいませんが正直そんな難しく考えてません


いいじゃない矛盾したって。SSだもの みつを


シエル「ですが、今回のタタリは、今までと様子が少し違うみたいですね」

上条「っていうと?」

シエル「はい、これは私も未確認な情報なので確かな事は言えませんが――なんでも、この街には不思議な磁場のようなものが多々発生しており、完全なタタリとしての再現が難しいらしいとかなんとか」

美琴「特殊な磁場…AIM拡散力場の事かしら?それでタタリとやらが不完全になった場合はどうなるのよ」

シエル「詳しい事はわかりませんが…恐らく現象としてのタタリは倒せませんが、個体としてのタタリはいくつか倒しやすくなるものかと」

ヤバい、眠気ヤバい

少し眠ってもいいだろうかパトラッシュ。頭回らないんだよ……

鬼畜すぎだろwwww

うがー駄目だやっぱ頭回らん。
少し頭冷やしてくるのだぜネロ・カオス

なるほど、上条さんは起源覚醒者だったのか
起源が「否定」だから、他人の意見をすべて「ごちゃごちゃうっせぇ!!」で否定しまくるわけか……

      rー 、                _      _              rー- 、             〈 ̄',
.      〉  }、           〈 \   〈 \          、___>  j_,.ヘ.       r v}`ヽ } レ' ̄ヽ、
     /  ,.、\          ヽ.  l  |  |  r 、      }_   __   、┘   __  _j Λ レ  ヒ二二、
    / ,∠=ヘ、 \     、____j |  |  |/  ヽ    、_ __< ∠.ノ  ∠ -ヘ  ヽ ̄ __r 、-‐ァ''´>ー---'
____/ ,.イ ___〉、  `ヽ、   ヽ.___ |  |   __/    ヽ._  、_、_ く`ヽ--―‐┘   ̄ ト-ゝ '´  _フ
ヽ__/_´_,,.. --- 、\   >      |  レ1| |   r 、      〉 } } } | L.r‐ 、    、___辷',.  _ァ┴ヘ、
   〈_ _,,.. -‐ァ  〉   ̄        !  / | |  | ',.    / /〈_,.二. ヒニ、¨     ヽ.__   __     、-┘
          /  /       、_/ ,. ' .| ヽ._j  |    / , '  ヽ.二 rー┘      ノ ノ |  |\ `ヽ、
       / /        \ /     \    丿 // ト--―┘ ` ̄ ̄`ヽ  //\`′ |  \__>
      └''´            `´        ̄ ̄´    ̄   └ー―……¬-‐'''´   ̄´   \丿


>>325
上条さんと美琴ちゃんがシエルとシオンに遭遇してワラキアの夜のことを知る
佐天さんが事故にあって直死の魔眼に目覚めるが橙子さんに魔眼殺しの眼鏡をもらう
佐天さんは死を体験したことで原作より精神強い子になってるらしい

ただいまー。
書いてくよー


シエル「とまあ以上がワラキアの、詳細になりますが――。
何か質問は?」

上条「で、結局俺らは何を手伝えばいいんだ何となくやれることはありそうなの伝わったけども」

シエル「えぇ、あなた方…いえ私も行うんですが、これから夜の街に行って死徒捜しをしてもらいます」

美琴「その死徒って…街中探しててほいほい見つかるもんなのかしら?」

シエル「えぇまあ。適当に歩いてもらえば後は私が探知しますよ。お二人はデートだとでも思っていてください」

美琴「でっデデデデート!?何で私がこいつと!///」

シエル「(冗談だったのですが、思ったよりからかいがありますね)」


そして、夜。繁華街

上条「(き、気まずい…なんだって二人とも無言なんだ……話しづらいにも程がある…)」

美琴「(あんなこと言われたから変に意識しちゃって何話したらいいのか…)」

シエル「(ごちそうさまですね全く。最近の学生とは思えない純情っぷりです)」

上条「(い、いかんこのままじゃ…!)そ、そういえばシエルさん!」

シエル「はい?なんでしょうか」

上条「正直、シスター服着てたら目立って仕方ないからこっちは助かってるんだけど、何で制服?シエルさん学生って年じゃ…ってひい!?」

シエル「上条君?これ以上何かいいやがりますとその時点で眉間に黒鍵が刺さると思ってくださいね」ニコ


上条「すっすすいませんっしたあ!!(やべえ地雷踏んだ!?)」

シエル「いえ、ですがこれ以上追究しないでもらえると助かりますね。これは変装用です」

上条「はい…本当すいませんでした」ガクリ

シエル「よろしい♪」

美琴「あ、でもシエルって一人で日本来てこっちに潜入したのかしら?話だと結構個人に任せられそうな話じゃないでしょ今回のこれ」

シエル「え?あぁ、私は教会に属してるのですが、更にその中でも異端の埋葬機関というところに属してるんですね。ここの代行者は、一人で死徒を狩りに行くことも珍しい事じゃありませんよ。今回の事といい」

美琴「な、なんだかよくわからないけど…まあつまり一人なのね」

シエル「はい。あ、でも今回の事例に限って詳しい人間がいたから協力を要請したんですけどね…まだタタリが発動するまでに日があるとはいえ、少しばかり来るのが遅れているみたいで」

上条「た、タタリって起こる日とか決まってるのか?」

シエル「はい、毎回決まって月が満ちる時です。死徒は月が満月に近付くにつれ、力が高まるんですよ」


美琴がシエルって呼び捨てしててワラタ
親友にさえ「さん」付けだし、シエルも「さん」付けな気がするなぁ

上条「へえ…月がねえ、つまり今からあと1週間後くらいの話なのか?」

シエル「ええ。だから本番は1週間後、ということになりますね。―――ところで、先程から私ばかり質問受けてばかりなので、今度は私からお二人に聞いてもいいですか?」

美琴「な、何よ改まって…」

シエル「いえいえ、ただお二人のその能力に少し興味があってですね」

上条「まあ協力する以上仲間の能力把握しといた方がいいしな。いいぜ」

シエル「仲間…。ありがとうございます。それじゃあ御坂さんからいいですか?」


――――――――

>>348
おk、訂正
シエル×シエルさん○


シエル「なるほど…電撃使いに、幻想殺し。ですか……」

上条「あぁ、俺の右手は異能なら超能力だろうと魔術だろうと問答無用で打ち消すんだ」

シエル「特に上条君の方は聞いたところ信じがたい話ですね…。私の『知識』にも、そのような右手は聞いたことがありません」

美琴「前々から思ってたけど…。アンタってとことんジョーカーよね」

上条「な、何だよ御坂…。今はビリビリするんじゃねえぞ」

御坂「わかってるっての。ビリビリ言うな」

シエル「それで、御坂さんが電撃使い。ですか」

上条「そうそう、コイツこんななりだけど一応、学園都市に7人しかいない超能力者、その3位だったりするんだよな。だから実力はお墨付きだぜ」

御坂「ちょっやめてよねその言い方。あとこんななりは余計よクソバカ」

シエル「(自在に電撃を操る能力。どこかのピアニスト顔負けの性能ですね)」


シエル「お二人共…。特異揃いですね。正直驚かされっぱなしです、さっきから」

美琴「何言ってるのよ、シエルさんだって相当特異でしょうが。空跳んだり変な剣投げたり」

シエル「いえいえ、あれくらい皆できますよ。私の知り合いにも何人かできるのがいますから」

美琴「げっそうなの!?ねえアンタ、教会とやらの人間って皆あんなことできるの?まさかアンタのとこのシスターも…」

上条「できてたまるか。アイツが出来るのは惰性を貪るか我が家のエンゲル係数あげてくれやがるくらいだぞ」

でも彼女の知り合いでもあるとある和風ウエスタンな格好をした彼女なら空くらい跳べそうだよなーとか上条は考えたりした。


そしてそれからしばらく

上条「なあシエルさん。死徒の気配はさっきからどうなんだ?上条さんいい加減ちょっと疲れましたよ」

シエル「いえそれが…おかしい。
先程から私の魔術探知に引っ掛かってはいるのですが、何か魔力の上に力が上乗せされているような…」

美琴「上乗せ?つまりどういう事よ」

シエル「いえ待ってください…。むしろこの力、御坂さんと似ているもの…?そして噂、都市伝説――。
!?まずい!」

上条「え、シエルさんどうし…」

シエル「急いでこっちに来てください!今のタタリが何に模しているか、あなた方に直接確かめてもらいます!!」

御坂「え!?ちょ、ちょっと待ちなさいってば!」

上条「はやっ!?くそ、御坂、今は追いかけるぞ!」

ロアがピアニスト呼ばれてるのは知ってるけど、なんでピアニスト?
原作やったのが当然だが数年も前だから、ほとんど覚えてないんだよなぁ

さるよけ含め支援


男は、気が付けばそこに居た。

自分は確か、学園都市第1位との戦いに敗れ、学園都市統括理事長との直接交渉権も手に入れられずそのまま闇へと消えたはずだった。

なのに今は、何事もなかったようにそこにいた。
五体満足。
学園都市が誇るレベル5の第二位『未元物質』
垣根帝督。

彼は今確かにそこに存在していた。


「(はんっ何でここに俺が存在しているのかはわからねえが――)」


やるんなら、徹底的に暴れてやるよ

と、彼は大層面白そうに口を歪めた――――。

ぶっちゃけ、シエルも美琴には及ばないだろうけどかなり雷撃系の魔術得意なんだぜ
っていうか明らかにロアより性能が(ry


「こっちです!」

シエルは路地裏に入り、上条達を誘導させる。

上条達はついていくのも精一杯で、何とかシエルを見失わないように追っていく。

と、そこでシエルが立ち止まる。

その先には

「おいおい何だよ、こちとらまだ意識すらハッキリしていないってのにいきなり団体さんのご到着かよ。
クソッムカつくぜ」

黒のスーツを着崩し、どこかホストやチンピラを連想させる男がそこに居た。

美琴は目を見開く。

「アイツ――。知ってるわ、学園都市第2位垣根帝督…。うん、書庫で確認したから間違いない。なんでこんな所に!?」

>>366
でもアレだよね、シエルはそういう魔術使わないんだよね
ロアが死んだから使うのかな。まぁ、性能に関しては魔力量に関しては初代ロアさんに肉薄するくらいだったらしいからなぁ

教会の人間って魔術を異端としてるから魔術使わないんだっけ?協会と仲悪いらしいし。細かいこたァ覚えてないなァ、読本出してくるか


その言葉に、垣根は目を細めて美琴を見た。

「そう言うお前は…第三位か。おいおい中坊がこんな時間こんな場所で彷徨くもんじゃないぜ。とっととおうち帰ってママのミルクでも飲んだらどうだよ」

「なんですって―――」

と、美琴がそこまで言ったところで、シエルで片手で制止した。

「シエルさん…」

返事はせず、視線は垣根のまま揺るがない。

「あなたが何者かは存じ上げますが――。あなたからは異端の匂いがしますね、垣根帝督とやら」

「そういうアンタは…。あぁ、埋葬機関の代行者か。こんな極東の地までやってくるとはご苦労だねえ、何、出張費とか出るわけ?」

「…………」

垣根の挑発を流し、尚標的を睨み付けるシエル。
つまんねえ女だ、と垣根は吐き捨てた。


「で、シエルさん。あのホストもどきみたいな奴が、今タタリが模している存在で間違いないんだな!?」

ここで上条が痺れを切らす。
それというのも、あの男の放つ空気のようなものが、上条には気に入らなかったからだ。いつもより怒気を含めた声でシエルに聞いた。


「えぇ、間違えありません。あれが今のタタリ、つまりは死徒です。
恐らく学園都市でのレベル5というのは話題の的、なのでタタリからしてみればこれほど模しやすい標的もなかったのでしょうね」

と、シエルが言う。
それだけ聞けば十分、と上条は一歩前に出た。


「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!アンタアイツの能力わかってるの!?未元物質っていうらしくて、何でもこの世に存在しない物質を作るとからしいんだけど…どっちにしろ正体不明よ、危ないわ!」

「だけどもコイツ放っておいたらいずれ街に出て暴れるかもしんないだろ。大丈夫幻想殺しもあるしな、任せとけって」

あ、アンタは――!
と御坂がまだ何か言いたそうだったが、長引きそうなので無視して前に進んだ。


目の前にはタタリ、垣根帝督は不敵に笑う。


「おいおい格好いいねヒーロー。女の子を守ってナイト気取りですかぁ?寒いからよそでやってろよ」

「何とでも言ってろ吸血鬼。お前のそのふざけた幻想、俺が直接ぶち殺してやるよ」

やってみろよ、と垣根は一つ目を閉じ、そして


垣根「やれるもんならなあああああああああ!!」

と、六枚羽の白い翼を展開し、空中に舞い上がった。

「!?」

驚く上条、垣根はあるところまで上昇し、そこで立ち止まる。


「この俺に楯突いたからには、再起不能にしてやるよクソガキがぁ!!」

そして翼を動作させ、上条達に向けて衝撃波を放った。


「くっ!?」

右手を突きだし、なんとかこれを防ぐ上条。

「(シエルさんと御坂は――!?)」

後ろを振り向く。
どうやらシエルが美琴を含む衝撃波の範囲をガードしてくれたようで、二人とも無傷だった。

「おい、シエルさん!御坂!!大丈夫か!?」

「はい、この程度問題ではありません。ですが翼とは――また似合わない真似をしてきましたね」

「無事ならいい、俺はアイツの攻撃を防ぐことに集中するから、御坂とシエルさんは遠距離からアイツを狙ってくれ!」

そしてもう一度放ってきた衝撃波を再び防ぐ上条。
美琴もシエルも上条の提案に納得したのかシエルは黒鍵を、美琴は雷撃の槍をそれぞれ垣根へと放った。


だがしかし、これはかわされる。

「っち、おまけに俊敏って訳!?本当、出鱈目な能力――!」

美琴は舌打ちをし、雷撃の槍を放つ、放つ、放つ――!
この距離だと美琴の代名詞でもある超電磁砲は使えない。
アレは射程距離が定められていて、今の垣根との距離では当たる前に摩擦で溶けてしまうのが容易に想像できるからだ。

故に一番単純に当たるような雷撃の槍を先程から撃っているのだが一向に当たらない。
そればかりか、中には当たりそうだったものは全て、翼によってガードされていたりする。

これでは、攻撃をしないのも同じであった。


「御坂さん!援護をお願いします!」

そう言ったのは、いつのまにかシスター服に衣装を変えたシエルだ。手には黒鍵を幾つも持ち、壁という壁を駆使し路地裏の上空をかけ上がっていった。

美琴もその言葉の意味を理解したのか、構え狙いを定める。

「はあああああ!!!」

自慢の身体能力を駆使し、垣根の元まで跳ぶことに成功したシエルが、黒鍵を使い彼に切りかかる―――!!

「っち!こっちが飛んでるのに対して跳んできやがるとは!つくづく壊れているな埋葬機関の連中は!」

だが垣根はこれも翼で防ぐ。
そのまま後ろに抜け無防備な体勢を晒すシエルに、衝撃波の制裁が――!!

「よそ見してるんじゃないわよ!」

雷撃の槍が垣根を襲う
シエルに気をとられていたのか垣根は防ぐのを怠り、その身に雷撃を浴びた。

「ぐっ、ああああああああ!!!」


垣根はそのダメージにより、落下する。
羽は雷撃により焼き焦げ、黒い穴を幾つもあける。

だが、まだだと落ちていく中で垣根は歯噛みした。
まだ、羽を失おうともこちらには能力がある。

人数としては不利だが、未元物質に常識は通用しない。というのが彼の信条であった。
数の不利など、この能力で幾らでも――!!


「いや、残さない。お前は地に着くまでに消えろ。吸血鬼」


垣根帝督の落下先に、幻想殺しが立ち塞がった。


「――――なっ!?」

驚愕するのは未元物質。ここに来てこの存在に立ち塞がるなどとは思わなかったからだ。

上条当麻は、右手にありったけの力を込める。
撃ち抜くのは右手に宿る、幻想殺し。
ある意味最も残酷な、現実の顕現。

今まさに、それが振るわれようとしていた。

「くっ――!?」

なんとか軌道をずらそうと体勢を動かそうとする。
だが、先程の雷撃を身体に撃ち込まれたせいで身体は麻痺し、動けない。

抗えぬ死の運命。
彼はそれを―――!


「ちくしょおおおおおおおおお!!!」

「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



――――――

上条「いててて……おい御坂、もっと優しくテーピング巻いてくれよ…上条さん一応ボロボロなんでせうよ?」

御坂「うっさい!あんな無茶して拳砕くような馬鹿はこれぐらいの手当てでいいのよ!!クソバカ!バカバカ!」


公園のベンチにて。
うわ無茶苦茶だコイツ!と言いながらも反抗できずに黙って治療を受けることにした上条。

シエル「しかし、幻想殺しが上手く作用しましたね今回は。
本来ならタタリと化したアレをあれぐらいでは消すことはできませんでした」

シエルは自販機で飲み物を購入し、それをおいしそうに飲みながらそんな事を言った。
だが飲んでいる銘柄がカレースープだというのは、突っ込んではいけない。

カレースープなんて自販機にあるか?

>>402
学園都市のとある自販機にならあるんだよ


シエル「幻想殺し。異能ならば存在すら消してしまう右手。なるほど、改めてその異常性を確認できましたよ」

上条「まあ、実際効くのは異能だけってのも難儀なんだけどな。日常生活じゃ役にも立たない」

それで十分じゃないですか、と笑うシエル。
この辺の所に上条とシエルの価値観の差があるんだなと美琴はどこか悟った。

美琴「でも、これで一応タタリは倒したのよね?ならこれでワラキアの夜ってのは、一応終わりなんじゃないの?
私も、佐天さんの仇討ちがあんな奴になっちゃったのは残念だけどさ」


シエル「―――いえ、それがそういう訳にもいかないんですよ」

シエルは、ぽつりと呟いた


美琴「え?」

シエル「ですから、そういう訳にもいかないんですよ」

上条「どういう事だ?タタリはさっき、確かに俺が――」

シエル「忘れましたか?タタリとは、人物ではなく現象。
いくら上条君の幻想殺しで殺した所で、現象自体はなくならないんですよ」

美琴「えっじゃ、じゃあこれからも被害は出続けるって訳!?
佐天さんみたいに―――」

シエル「はい。ですが、今回私達が垣根帝督を消し去ったように個体としてのタタリは消すことができる。
私とて最初からタタリ自体を滅せられるなんて思ってません。
被害を最小限に抑えるためにやってきたんですよ」

美琴「そんな………」

上条「………」

上条「いててて……おい御坂、もっと優しくテーピング巻いてくれよ…上条さん一応ボロボロなんでせうよ?」

上条「いててて……おい御坂、もっと優しくテーピング巻いてくれよ…上条さん一応ボロボロなんでしょうよ?」



どういうこと?

>>411
すまんちょっと晩御飯をだな


あー上条語ミスったか
でせうよ→ですよ
の解釈してたわ
でせうよ→でしょうよ
だったんだなスマソ

なんとこんな所で俺の低学歴っぷりが晒されることになろうとは…

今晩飯食べながら書き中。もうちょい待ってて

よーしさっきはミスったけど気を取り直していくぜー

これが終わったら、古典の勉強しよう


上条「…俺の、幻想殺しなら」

美琴、シエル「え?」

上条「俺の幻想殺しなら、完全にタタリを消せるんじゃないか?
一週間後にタタリの本体を見つけ出して、それで―――」

シエル「…確かに、その可能性はありますね」

上条「なら!」

シエル「ですが、その話はまたいずれしましょう。今は身体を休めてください」

上条「……」

シエル「気持ちはありがたいです、がそれであなたに無理をされてはこちらも協力を依頼したものとして立つ瀬がない。それを理解してほしい」

上条「…………あぁ、すまんシエルさん」


醤油ワロタwwサンクスwww


シエル「いえいえ、…さて、それじゃあ今日はお開きにしましょうか。大分暗くなってきましたからね」

上条「あ、じゃあまた明日、離れ学区でいいか?」

シエル「はい、それでお願いします♪………それと上条君」

上条「はい?」

シエル「たまには御坂さんの気持ち、察してあげたほうがいいですよ?」チラッ

上条「え?」

美琴「……」


シエル「それでは、また明日!」バヒューン


上条「なんだってんだ…?それじゃあ御坂、俺達も…」

美琴「待って。……当麻」

上条「」


上条「み、御坂さん…?」

美琴「………」

上条「そ、それにしても今日はびっくりしたよなーまさか学園都市第2位が出てくるなんてなーいやー驚いたわー」

美琴「…………」

上条「(な、なんとかいってくれええええええ)」

美琴「…………当麻は、さ」

上条「は、はい!?(慣れないなコイツに名前で呼ばれるの)」

美琴「当麻は、なんでそんなに無茶するの?」

上条「………」

一瞬どっかで御坂がタタリと入れ替わってていきなり攻撃仕掛けてくるのかと思った支援


知っての通り
上条当麻は記憶喪失だ。

彼は以前の自分が何を思ってどう行動していたのかもわからない。

だからこそ、美琴の言っている言葉が、どちらの上条当麻の事を言っているか彼にはわからない。


「どうして、そんなに無茶するの」

自分自身にもよくわからなかった。
でも、それはきっと―――

「そんな、難しい理由なんかないさ」

上条の口が開く。

「ただ、俺はしたいからこうしてるだけなんだと思う。だから誰かのためにとか、強制されて動いている訳じゃないんだよ」

「…………」

「ありがとうな御坂、お前そういうの心配してくれてるんだろ?俺なら、大丈夫だからさ」


「…………はあ」

「?」

ため息を一つ。
上条には何で彼女がそうするか、意図がわからなかった。

「結局アンタっていっつもそうなのよね、自分を通して…自分を貫ききる。実験の時もそうだったわ」

美琴には上条当麻がヒーローに見えていた。
何か大きな使命を背負って、誰かのために行動するような、そんなヒーローに

だが実際は違うのだ
上条当麻にあるものは自分の正義のみで、彼が動くのは自分がしたいからという。ある種子供らしい発想のみ。

その違いが、何だか美琴には心地よく感じた。


「わかったわ、ごめんね変な事聞いちゃって。今日はもうかえりましょ、もう疲れちゃったわ」

上条も、黙ってそれに頷く。

そう遠くない日
御坂美琴は上条当麻の本当の芯と
自身に眠る莫大な感情に気づくことになるのだが

それはまた別の話

■■さんは大好きだけど活躍は望まれてないしそもそも吸血鬼ものなんかに絡ませちゃったら一瞬で解決しちゃうよね

誰?

>>435
それだよな。本当、禁書は型月とクロスオーバーさせられない作品だと思うわ。
Fateならともかく、月姫とかもうね。

個人的にはテッラ前だと思ってる
さっきのアックア前ってのはちょっと違ったな

美琴の上条のこういうやりとりが一番好きだったりする

エイワスでさえ勝てるか怪しいな
タイプマァキュリーに地球の存在が勝てるかどうか。まぁタイプムーンは魔法使いに打ち返されちゃったけど

俺、このスレが完走したら■■さんが秋葉を吸い寄せてしまって上条vs志貴になる話を書くんだ……


行間2

アトラスの錬金術師、シオン・エルトナム・アトラシアは学園都市にて打ち止めなる少女に出会う。

何でも捜し人がいるらしく、暇潰しも兼ねて捜すのを手伝う事にしたシオン。

果たして彼女らは、無事白いあの人に会うことができるのか――!?


シオン「というわけで、まずははぐれたという公園に来てみましたが…」

打ち止め「う~んいないなあ。全く私という人がありながらあの人はって、ミサカはミサカはちょっと憤慨してみたり」プンプン

シオン「それで、その捜しているあの人、とはどういった人なのでしょう打ち止め。特徴がわかれば私も捜しやすいのですが」

特徴と聞いて、少し考える打ち止め。
そして

打ち止め「白い!」

>>445
じゃああれだ、
一方さんが後ろからこっそり近づいて
自転パンチで地球のそとに放り出してしまえば


シオン「は?」

白いとは何の事がなのだろう
服装がだろうか、髪だろうか
ひょっとしたら広いとかなんとかと聞き間違えているのではないか

そう考えを膨らませていると、打ち止めは捜し人の特徴をどんどん挙げていった。

打ち止め「名前が変な所とか、台詞が「ァ」とか「ン」と多用する所とか、ちょっとアレだから杖なんか突いちゃってるところとか、ここから先は一方通行な所だったりとか!!!」

シオン「…………」

何故だろう。もうここで捜すのを中断したほうが、というかこの子を引き連れてその人に会わせない方が幸せなんじゃないかとか思えてきた。

>>450
落ち着け。お眠り中のORTは侵食結界内に入った時点で死亡だぞ
魔術や魔法のように人の手が届く存在じゃないから、おそらく天使一方さんでさえ反射出来ない可能性が高い

>>446
こればっかりは上条さんが勝てるビジョンが見えない
幻想殺しは活用できないし、身体能力も追いつかないし
VS士郎とかならともかく

>>455
上条さんは本当相手選ぶな。
志貴も身内以外には容赦無いし、たぶん姫神さっくり殺すだろうな……
つーか>>446読んでみてぇ、>>1にはまた書く内容が増えちまったな頑張れ


シオン「あの…その人と打ち止めは一体どういう……」

とシオンが聞こうとしたその時だった。


打ち止めァァァァァァァ

打ち止め「ん?この声、あの人だ!」

そう言って声の方へ走り出す打ち止め。
シオンは半分以上本気で行かせていいものか迷ったが、そこはエルトナム自慢の高速思考の展開により、一先ずは行かせることを選んだ。


打ち止め「もうどこいってたのあなたってミサカはミサカは若奥さんぶってみたり!」

一方通行「テメエがちょっと目を話した間に忽然と姿を消したンだろうがァ!ちょっとは自分の行動思い返せクソガキ!」

>>456
俺も読みてえよ馬鹿wwww
スレに余裕が出来たら書きたいけどまあ無理っぽいな…


てかテッラ前じゃ通行止め破局中だったか
脳内補完頼む

>>1に書かれたら俺が書く余地ないじゃないですかやだー

支援

ちょっと待っててねー自販機行ってくる



>>461
むしろ書いてくれるのか
スレ余ったら是非とも使ってほしいぜ

>>453
ORTには勝てんだろ

反射(笑)

ぶっちゃけ未元物質の強さが分からん誰か詳しく教えて

>>470
羽を出して攻撃できる。防御もオート(たぶん)
なんかこの世に無いものを産み出せる。太陽の光を別の、殺傷能力の高い光線に作り替えることのできる物質とかも作れる。
とにかくいろんなものを「創り出せる」能力って感じ。

じゃあ一方通行が反射できない物質は作れないのか

>>473
原作未読者か
原作だと①まず一方さんが無意識に反射しているものと反射していないものを解析します。
②次にダークマターの能力で反射していないものに毒性をもたせます(毒性=人体へ悪影響を与える何か)。
③こうすることで反射を通過して一方さんにダメージを与えることができます
みたいな感じで攻撃してたよ

帰ってきてみたら俺がいかに強キャラをないがしろにしたか浮き彫りになってたでござる


シオンは打ち止めの捜し人を凝視してみる。

確かに白い
髪も白ければ服も白いのが印象的な少年だった。

しかしその人相や言葉使いは黒とも呼べるだろう。

それを一瞬で思わせるくらいには、目の前の少年は特徴的だった。


「あァン?」

少年の視線がこちらに向く。

「あ、その人はあなたを捜しているときに一緒になって捜してくれた人だよ!ってミサカはミサカは説明してみたり!」


私は、軽く会釈をした。


「ふーン……」

まじまじと見定めるような視線を私に送る少年は、どこか変態の匂いがした。
そして

「どうも打ち止め捜してくれてありがとうございましたァ。用が終ったンならとっとと失せろ紫野郎」

などと、私の神経を逆撫でする言葉を浴びせてきた。

「なっ!?それが人にお礼を言う時の言葉ですか!!あ、待ちなさいどこにいくんですか!!話はまだ――!!」

と私が言っている間に、彼は打ち止めを連れていってしまった。
……なんだったんだろう。今のは


――――――――――


異能は異能を呼ぶ。


そう教えてくれたのは私に色々な事を教えてくれた青崎橙子さんであった。

「いいかい?貴女は魔眼、なんていう身の丈に合わない異能を持ってしまった」

目の前の女性の目は真剣だ。

「だからこそこれから先の人生。きっと今までとは違うおかしな出来事が起こるときもあるでしょう。異能とは、引き合うものよ」

彼女がどうしてこんなに親身になってくれるのかは私にはわからない。

「でもね、貴女はその引かれあうものに対して、どういう行動をしたって構わない。
立ち向かうのも、拒絶するのも、ましてや逃げたっていい」

「どうしてかわかる?だってそれは自分の人生なんですもの。自分で決めて当たり前なの。いや、むしろ決めなくちゃいけないものなのかもしれない」


ただ――――


「だからもし、貴女が異能と出会うような事があったとしても自分の気持ちを強く持ちなさい佐天涙子。
胸を張って言える気持ちなら、きっとそれは間違っていないんだから」


この人の言っている事を、大事にしようと私は思った。


退院から3日程経ち、私の生活はようやく落ち着きを見せてきた。

その後何故か私の姿を見て荒れ狂う白井さんを何とか納得させ、御坂さんや白井さん。あと初春のいつもの面子でファミレスに行き快気祝いもやったりした。


私は本当に皆に迷惑を掛けてしまったらしい。本当に反省しよう。

そして白井さんにも眼鏡を突っ込まれてしまい、後で色々考えたのだがやはりこの眼については黙っている事にした。

理由は至極単純、皆に余計な心配をかけさせたくなかったからだ。
それが正しいんだと思う。


そして今日も授業を終え、初春が風紀委員の仕事で居残るから仕方なく、一人で帰っているときだった。


私は、彼女に出会う。

お前らの期待値が高すぎて泣いた

ちょいまって今TMwiki見てる


「すまないそこの女性。少しいいかな」

帰り道、初春も風紀委員の仕事があるのでぶらぶらと帰っていた時だった。

声を掛けられたので後ろを振り替えって見る。するとそこには、短めの銀髪を結ったやや小柄の男性が、
そこにはいた。

「えと……あの……」

第一印象のインパクトが強すぎて、上手く言葉が出ない。
外人さんかな?なんか大きなヴァイオリン入れみたいな物担いでいるけど、ひょっとしたら音楽家の方なのかもしれない

「あぁ、すまない驚かせてしまったかな。道を訪ねたかっただけなんだが…今少しお時間はよかったかな」

やけに日本語の上手いその男性は、申し訳なさそうにそんな事を言った。

「あ、すいませんちょっと外人の方みたいでしたので驚いてしまいました。道ですよね?どこですか?」

私は彼が持っている地図を受け取ると、それに目を通す。


そこに印付けられた場所は、スキルアウトの溜まり場でも有名な離れ学区だった。

私は一応バスで行けることを伝える。

佐天「ですけど、その場所って普段から無人で何も無くて有名ですよ?音楽家の方が行くようなとこじゃないんですけど……場所間違えてたりしませんか?」

男性「あぁ、大丈夫。ここには人と待ち合わせしてあるだけなんだよ。ありがとう」

佐天「ならいいんですけど…」

変わったら人もいるな、と佐天は思った。

男性「所で君、少し失礼な事を言うようなんだが」

佐天「はい?」

男性「君、異能に関わっているな?」

佐天「」


佐天「な、なにを……そもそもここ、学園都市ですよ!?能力者なんか珍しくも…!」

男性「うん、それはそうなんだけどね。だけど、どうも君のそれは異質過ぎるな…」

そういって彼は魔眼殺しの眼鏡を指差した。

佐天「こ、これが…?」

男性「うん。私も"そっち"関連の物や人については人より長く見てきたからな、わかるんだ。何が異質で、何が普通なのか」

佐天「………」

男性「私はリーズバイフェ・ストリンドヴァリ。正式外典『ガマリエル』に選ばれし、音と法律の調停者だ。君の名前は?」

佐天「さ、佐天涙子です……?」

リーズ「涙子か。よろしく。幾つか質問するけど、いいよね?」

佐天「…………はい」


異能と異能は引かれあう。
橙子さんの言葉は早速真実味をもって、私に降りかかったのだった。


その後リーズヴァイフェと名乗った人物から色々尋ねられ、それらがようやく終わった時には既に1時間が経っていた。


リーズ「すまないね、時間とらせてしまって」

佐天「いえ、いいですよ。私こそ貴女の事男性と勘違いしてて…本当すみませんでした」

リーズ「あぁいいんだ。慣れてるからね。むしろこのぐらいは可愛いものさ」

とリーズは笑顔を見せる。
何でもこれまでも、お兄さんと真剣に呼ばれたり剥いで性別確かめてやるとまで言われたことまであるらしかった。

前者はともかく後者は本当にまずい気がする。


リーズ「それにしても、直死の魔眼か」

佐天「そうなんですよ…今はこの眼鏡でなんとか抑えているんですけど」

リーズ「実は私、その目に会うのは二度目なんだ」

佐天「え!?」

ヴァイフェ→×
バイフェ→○

http://d2.upup.be/7RlNDwwR3O
メガ天さん


この目に会うのが、二度目…!?

佐天「あ、あのリーズさん。それってどういう…!?」

リーズ「あぁ、大したことじゃないよ。ただ以前行った街に、君と同じく直死の魔眼を持っていた人間がいただけって話さ。まあその目の貴重さからして両方とも日本人ってのは凄い奇跡だと思うけどね」

佐天「そうなんですか……」

佐天「(私以外にもいたんだ、この目を持っている人…)」


「あれ?佐天さんじゃないですか!」


佐天「ん?あ、初春――って!」

リーズ「ん?」

佐天「」

>>537
まあ俺のイメージしてるフレームはこれだな

ただ何故だろう、前のが可愛s(ry


初春「あれ?そちらの方は…」

リーズ「………」

佐天「(まずいまずいよこれもし私の目のことがうっかりばれちゃったら…)」

リーズ「いや、私はこちらの人に道を教えてもらっていただけなんだ。
それじゃあありがとう、私は行くよ」

佐天「へ?……あれ、行っちゃった」ホッ

初春「ほわー…………」

佐天「う、初春?どうした?おーい?」ペシペシ


初春「はっ!佐天さん!……さっきの男性の人、かっこよかったですねぇ」ポケー


佐天「…………初春、あの人女性」


何となく思った。
あの人男性よりも女性に好かれるタイプだと

――――――――

さて、あと一時間くらいで今日の分は終わろうと思うんだけどぶっちゃけ今の保守時間ってどうなの?
そんなヤバいの?

一応保守

TMWiki眺めてるだけで面白いな
昔は厨2病()だったのが今じゃ一周して厨2大好きになっちまった

ちょっと休憩、一応4時くらいまで書くことにした。今のvip怖すぎる…



>>546
だよな、その気持ちすげえわかるよ

おーい誰もいないのかい?

おおいたか

ぶっちゃけ保守どうしようかね
このままだと落ちそうここ

19日の2:00~5:00まで>>1と俺だけだったし
正直、馴れ合いしてないと辛い

必殺保守人もいないか
しゃあない。俺が保守るか…正直キツいが

最後まで書ききりたいしな


>>558
アンタか
だよな。正直心強かった

しゃあない、俺が保守るわ
最後まで書ききりたい


>>558
アンタか
だよな、あの時は心強かったぜ

あるぇー?
重複ミス


佐天「(…………あれ?)」

初春「どうしたんですか佐天さん?」

佐天「これ…ハンカチ。リーズさん落としちゃったのかな」ヒョイ

初春「よかったら風紀委員の方で預かっておきますか?」

佐天「うーんそれも手だけど……ん、ごめん初春。私やっぱ渡してくるよ、先帰っててー!」タタッ

初春「あ、佐天さーん!!完全下校時刻気を付けてくださいねーー!」

ワカッテルッテー!

初春「…ふう、佐天さん大丈夫ですかね」

初春「……………」


離れ学区

佐天「それにしても、勢いでここまで来たのはいいけどリーズさんまだいるのかな…捜さないと」

佐天「ん?あっちから声が聞こえる。あっちなのかな…でも、スキルアウトの可能性もあるし」ガサゴソ

私は、折り畳み式ナイフがポケットにあるのを確認する。

佐天「よし、いざとなったらこれもあるし大丈夫だよね。行こう」



―――――――



離れ学区。とある広場



シオン「リーズ!?……あなたという人は――!!」

リーズ「いいじゃないかシオン、この通り無事合流できたんだから」

シオン「よくありません!大体貴方はですね…!!」

リーズ「…むう、シオンが不機嫌だ…」


佐天「(あ、いたいた。よかった…)すみま――」

リーズ「それで、今学園都市の侵食率はどれくらいなんだ?」

シオン「7割。といったところでした。思ったよりも侵食が早い、このままでは後3日もしない内にタタリは発動してしまうでしょう」


佐天「(侵食?タタリ?何の話かわからないけど、なんとなく話しかけられる雰囲気じゃない……)」


リーズ「…7割、か。モタモタしてられないな」

シオン「ええ、ですから未然に被害を抑えるために代行者も協力者を見つけて、今日も死徒狩りに行っています」

リーズ「代行者…あぁ。シエル、第七聖典の所持者の事か。
なら我々も今日からでも動こう、アレは発動してから動いても、後の祭りだからな」

シオン「えぇ、では―――誰です?そこにいるのは。出てきなさい」


佐天「(見つかっちゃった!?でも、私ハンカチ届に来ただけだし、大丈夫だよね…)」スッ



リーズ「ん?あぁ来たのか涙子。待っていたよ」


佐天「え………?」マッテイタ?

リーズ「うん?気付いていなかったか。私はわざとハンカチを落として、君をここに誘ったんだけど…」

佐天「へ?へ?」

リーズ「やっぱりシオンみたいには上手くいかないか」タハハ

佐天「えっと…」

シオン「リーズ、それでは私が計算高い女に聞こえてしまいます。
いえ、私には誉め言葉なのかもしれませんが――ですが、言い直しを要求します」

佐天「…………」パクパク

リーズ「いいじゃないかシオン。君は実際に、頭がいいんだから」


―――――

シオン「あぁ、すみません。涙子といいましたか?私はシオン。シオン・エルトナム・アトラシアです。以後お見知りおきを」

佐天「へ?あ、あぁシオンさんですね。初めまして佐天涙子です」アクシュ

リーズ「うんうん、シオンも涙子と仲良くなってよかったよかった」

シオン「リーズ、それはともかくどういうつもりで彼女をここに連れてきたのですか?ここまで回りくどい事をしたんです。何か意味があるはずです」

佐天「(私、何されるんだろ…)」

リーズ「あぁ、理由は一つだ。シオン、私は涙子を協力者に推薦したい」


シオン「なっ!?リーズ、本気ですか!」

佐天「(協力者…?)」


シオン「いえ、失礼しました」

リーズ「?」

シオン「ここは学園都市でしたね、いかに見かけが幼かろうが能力者というのはそれだけで判断できないはず」

佐天「えっ」

シオン「リーズ、貴女は彼女の能力に何らかの利用価値を見いだし、それで彼女をここに連れてきたのですね?素晴らしい。ここに来るまでどこほっつき歩いてんだこのバカヤローとまで思っていましたが訂正です!!」

リーズ「あ、いや私はだな…」

シオン「確かここでの能力者の強さとは、6段階式のレベルで評価するんでしたよね?彼女は幾つなんですか?代行者は超能力者を仲間にしたと聞きますが―――!」

佐天「あ、あのー」

シオン「あ、何でしょう涙子。貴女が来てくれて心強い。共にタタリを――――」

佐天「……なんです」

シオン「?すみません、もう一度」

佐天「ですから私、無能力者なんです!!!!」

シオン「」


シオン「…………」

佐天「(わ、私悪い事してないよね!?なのに物凄い罪悪感が……)」

リーズ「まあまあシオン、早とちりは誰にだってあるさ。気にすることはない」

シオン「…………………………リーズ」

リーズ「ん?何だシオン」

シオン「もう一度だけ、彼女が無能力者と知った上で聞きましょう」

リーズ「うん」

シオン「貴女は何をもって!彼女をここに連れてきたのですか!!悪ふざけなら―――」

リーズ「直死の魔眼…」

シオン「え?」

リーズ「直死の魔眼、その担い手なんだ。彼女は」

シオン「………」


シオンは、佐天に向き直りじっとその目を見つめる。

シオン「直死の魔眼。志貴と、同じ…」

佐天「え?」

佐天を見るシオンの表情は、どこか昔を懐かしんでいるようなものが見受けられた。

が、それも一瞬。

シオン「えぇ先程は失礼しましたリーズ、涙子。そうですね、直死持ちなら戦力としては申し分ない」スッ

シオン「佐天涙子。どうかお願いです。この街に巣食う悪鬼を倒すために、どうか我々の力になってほしい」


佐天「ちょっ!シオンさん!頭上げてください!それに悪鬼って…」


リーズ「それについては、私が説明しよう」


そして私は聞かされた。


現在学園都市に、吸血鬼なるものが潜伏していること

その吸血鬼は厄介な物で、噂や都市伝説、果ては不安などが形になりいずれ街を覆い尽くすこと

そして、彼女らは錬金術師と元教会騎士というもので、ここまでタタリを追ってきたということ



正直言ってその話のどれもが私には信じられなかった。
いきなり吸血鬼だの錬金術師だの言われて、ほいほい信じられる方がどうかしてるとさえ思った。

直死の魔眼を含めて考えても、どこのおとぎ話かと思った。

だが


「(仮に本当だったとしたら、それって初春も危ないってことになるよね)」

街を覆い尽くす。
この表現が比喩でなければ、当然そういうことになる。

だとしたら私は―――




―――――迷う事なんてなかった。


「やります、私あなた達に協力します!」

「―――――!涙子……」

「ふふっそうこなくちゃな」ニコッ


今、私の日常は終わりを告げた。

そして始まる。たった3日間の非日常。人生でも二度経験することはありえないであろう、吸血鬼退治の非日常が。


物語を繋ぐ糸が、ようやく結ばれようとしていた―――――


とりあえずここまで


しかし本当の戦いは午前だな
俺も仕事だから、思うように保守や投下ができなくなるし
保つんだろうかこの駄スレ…

SS速報か…
でももう落ちたら書かないと思う。話はほぼクライマックスだし

だから全力で保守るわ。ここまで来たらなんとしてでも書ききりたいし

ほす

保守

次は志貴のSSかポケスペSSでも書きたいな

保守は俺に任せろ
伊達に不登校やってるわけじゃないぜ

>>600
ひ、必殺保守人…!?
頼もしい奴がきたな

ほしゅ

会社からほっしゅ


今日はあんまり落とせないかもしれない…

――――――――――


それから私達はこれからどうするの話し合うことになった。

シオン「一先ず提案なのです…」

リーズ「うん?何かあるのかシオン」

シオン「はい、一度代行者と顔を会わせていたほうがいいと思うのです」

リーズ「シエルと、か?確かにこっちきてから一度も顔を合わせてないから、合わせておきたくはあるが…」


佐天「あの…代行者って…」

リーズ「あぁすまない。こちらで勝手に話を進めてしまったな。代行者というのは…」

シオン「それは私から説明しましょう」

シオン「代行者というのは…まあ簡単に説明すれば私達の仲間ですよ。我々と同じくタタリの被害を抑えるために教会から派遣された同志です」

佐天「あ、味方なんですね」

その言葉に何故かシオンは苦笑する

シオン「今回は、ですけどね。立場と展開によっては敵に回るような方ですが…」

リーズ「性格が悪いからな、彼女。ちゃっかりしてるというかなんというか……」

佐天「はぁ…(どんな人なんだろう)」

とりあえずわかったのは味方という事だけ。
後の事は自分の目で確かめた方がよさそうであった………………

――――――

シエル「ふう、ただいま帰りました。シオン?いますか?ってリーズバイフェ……ようやくこちらに着いたんですね」

リーズ「あぁシエル、久しぶり」

シエルと呼ばれた女性は、やや呆れた顔でリーズバイフェを見つめる。

リーズ「そんな顔をするな…。同じ聖典使い同士、タタリの被害を抑えるため、尽力を尽くそうじゃないか」

シエル「…………はあ。もういいですよ。私の敗けです、ええ尽力を尽くしましょうリーズバイフェ」

シエルとリーズバイフェは互いに握手を交わす。

シエル「そしてタタリについてなんですが……とその前に」チラ

シオン、リーズ「?」

佐天「え?」

シエル「先に、何故こんな所に先の事件の被害者、佐天涙子がいるのか説明お願いできますか?二人とも」


説明中

リーズ「と、いうわけだ」

シエルの顔は驚きに満ちている。

シエル「まさか、彼女が遠野君と同じ、魔眼を……?こんなことって…」

シオン「はい代行者。私もにわかには信じられなかった。だがこの魔眼殺しの眼鏡、それに見るだけで恐怖を連想させそうな眼。これは……」

シエル「えぇ、わかっていますシオン。彼女の眼に嘘はない。それにその眼鏡も、どうやら遠野君が着けていた眼鏡と全く同種のものみたいですからね」

佐天「あの……」

シエル「はい?」

佐天「今さらなんですけど、私って本当にその吸血鬼退治に役に立つんでしょうか…?何だか不安になってきちゃって……」

リーズ「涙子、それは―――」

シエル「貴女、自信ないんですか?」


佐天「…………」

シオン「シエル、涙子は今までただの学生だったのです、だというのに責めるのは―――」

シエル「私は、貴女と同じ眼を持った少年を一人知っています」

佐天「………?」

シエル「彼もまたあなたと同じ、突然異能に巻き込まれたのですが――」

シエル「それでも彼は戦い抜きましたよ?役に立つかどうかなんて考えず、今自分はどうすればいいのかを、常に考えながら」

佐天「今自分は、どうすればいいか……」

シエル「佐天さん、あなたにも同じことを強いるのは酷なのかもしれませんが――」

シエル「それでも、この道に入る以上覚悟は、してください。中途半端に戦おうとすれば無闇に命を投げ出すようなモノですから」

佐天「……………はい」

シエル「すみません。私の言いたかった事はそれだけです。後はあなたの判断にお任せします」

佐天「(覚悟、か………うん、そうだよね。そんなもの、最初から決まっている)」

ここまで。

次の投下は10時頃になってしまいます。
許してくれ……帰ってきたら超スピードで書き上げるから……!!

ところで投下はできないんだけど、読んでる人良かったらいいところと駄目な所、ひとつずつでも教えてもらってもいいですかね?

半人前として、色んな意見が聞きたいんでよろしくお願いします。

不満じゃないが不安点ならあげてやる。
・リーズが顕現する条件としてシオンによるタタリ撃退が必要だがどうなのか。
・メルブラにおける「タタリ消滅」ではなく「タタリ撃退」エンドでは確か次の発生は200年先と言われていたがどうなのか。
・姫神をどう扱うのか。
・禁書世界での協会の動きは?インデックスがいるのにまさか傍観ということは無いよな。
・そうなった場合ネセサリウスは容赦なく姫神を使うと思うんだがどうなの。
・佐天さんは「吸血鬼」「タタリ」を理解できるのか?(直死の魔眼設定として死を理解できないものは殺せない)。

まだあるがこんなところ。
ワラキアをラスボスにしった挙句キャラ出しすぎだ、風呂敷をたたむのは相当しんどいぞ。

まぁこんなに「保守しててください!」じゃあな。
書きためしたのを投下か、早く書けるんならともかく、それができないならSS速報いけとは思うが。
その方が>>1も読み手もいいだろ

(;谷)

vip保守間隔目安
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

こう見るとえらくキツくなったな…

【保守中】
       , ノ)          , ノ)
       ノ)ノ,(ノi         ノ)ノ,(ノi
 ___ (    (ノし ___ (    (ノし ___
/ || ̄ ̄||) ∧,∧  ノ/ || ̄ ̄||) ∧,∧  ノ/ || ̄ ̄||  ∧∧
|  ||__||( ( ....:::::::) ( |  ||__||( ( ....:::::::) ( |  ||__|| (´・ω・`)
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄7 )| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄7 )| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄7
|      | ( /   /ノ |      | ( /   /ノ |      | ( /   /
|___| U ̄工´.  |___| U ̄工´.  |___| U ̄工´

               ∧,,∧
              (´・ω・)           シュッ!!   ∧,,∧
              ( っ(⌒)   ◯三二≡=─  ⊂(・ω・`)、

               `u-u'                  ヽ  と)
                                    `u-u'

お待たせしました。それでは投下開始です。ここまで保守ありがとうございました

職場で同僚の佐藤さんを間違えて佐天さんと言ってしまうような私ですが、最後までお付き合いお願いします。

意見もくださりありがとうございました。なんとか無理なく終わらせれるように頑張りたいと思います。
あと、ここからペースアップしていきたいと思います


佐天「シエル、さん」

シエル「なんでしょうか」

佐天「いい人、なんですね」

シエル「どこをどう取ったらそんな解釈になるのかはわかりませんが……一応お礼は言っておきます」

シエルは照れたのか、少しぶっきらぼうに返した。

佐天「私、あなたの言う通り半端でした。逃げるのも戦うのも」

シエル「…………」

佐天「ですから、覚悟を決めます」

佐天「ここからは逃げません、戦います。吸血鬼と、そして自分自身とも」

佐天「シエルさん。足を引っ張ることもありますが、ここから3日間、よろしくお願いします」

そう言う佐天の目には、強い意思が汲まれているのをシエルは感じ取った。

シエル「―――えぇ、こちらこそ。よろしくお願いしますね、佐天さん」


―――――――

シエル「それでは、現在の戦力と状況を確認しますね」

ようやく本題に入ろうとするシエル。

シエル「と、その前に。そろそろ来るはず何ですけど……あ、来た来た。こっちですよ上条さーん!御坂さーん!」

佐天「(え?御坂ってまさか…)」

御坂「あぁぁぁあ!?な、佐天さん!?ちょっと、これどういう事よ!!」

佐天「」

佐天絶句。こんな所に友人である御坂美琴がやってくるとは、夢にも思わなかったのだ。

シエル「ん?あぁそうか彼女は…。すみません、すっかり二人が知り合いなのを忘れてましたよ☆」

リーズ「(嘘つけ)」

シオン「(嘘つけ)」

上条「あのー。俺もいるんですけど…」


そして佐天は、仕方なく美琴に一通りの事情を説明した。
初春や黒子には内緒にしてほしいとお願いして。

美琴「そっか。佐天さんに…能力が……」

佐天「御坂さん達みたいな超能力とは、ちょっと違うみたいなんですけどね」

どっちでもいいのよ。と複雑な表情を浮かべながら言う美琴。
以前佐天が巻き込まれた幻想御手事件の事もあり、何やら色々思うところがあるようだった。

シオン「それでは二人とも、初めまして。私はシオン・エルトナム・アトラシア。長いのでシオンとお呼びください」

リーズ「私はリーズバイフェ・ストレンドヴァリ。こちらも長いのでリーズとでも呼んでくれ」


上条「俺は上条当麻、ちょいと変な右手を持ってる高校生だ。んでこっちは御坂美琴。よろしくな」

よろしく、と四人はそれぞれ握手を交わした。



そして挨拶もそこそこに、シエルは本題を話し始めた

シエル「状況は、あまりよくありませんね」

そう言うシエルの表情はどこか重たい。

シエル「教会の計測では、タタリ発生まで残り3日となっています。ですが、今この時点で私達が抱える問題や不明瞭な部分は余りにも多すぎる」

上条「問題?なんだよそりゃ」

シオン「まず第一に、今回のタタリがどこかおかしいという点ですね。
私達は前回のタタリを経験しているが故に、今回の撃退を依頼されているんですが、これが既におかしいのです」


上条、美琴、佐天
「?」

三人は意味がよくわからず、首を傾げる。

シオン「タタリ…いえこの場合はワラキアの夜ですね。それは元々、15世紀にワラキアという街がタタリに襲われたことから由来されているんです」

シオン「その後も何度か街や村がタタリによって襲われていきます。襲われた地域は一夜にして全滅するというのが彼の手口でしたから人1人として残ることはありませんでした」

リーズ「…だが、1つだけ例外が出た。それが前回タタリの場所に選ばれ、私達が関わった町「三咲町」なんだ」

佐天「で、でもそれが何で問題になるんですか?今回も学園都市が選ばれただけなんじゃあ…」

シオン「いいえ、異常です。何故ならワラキアがこれまでに襲ってきた地域は両手で数える程にも満たない。数百年に一度ぐらいの頻度だったんです。
つまりわかりますか?前回のタタリから、間もなくして二度目のタタリが起こってしまっている。」


上条達が状況を呑み込めないのを対象に、シオンはほら、異常でしょう。
といい放った。

型月と禁書でクロスすると禁書の稚拙さがどうしても目立つだな
型月もあれだが禁書はぶっちゃか下位互換だし

>>750
妄想の長さが違う。型月のベースはきのこが中高生の時に考えてて、それを十年後くらいに引っ張り出してきたんだろ?
つーかなんだよ正直禁書キャラとかアルクェイドさんだけでほとんどいけるよね?あいつ相手の強さに応じて強くなるし。
ミサイルとか使われたら無理だけど、対人戦では負けないだろ。フィアンマさんの手は道具なのか個人の能力扱いになるのかはわからんが。

うん?偉いとは言ってないけど……
と思って文章読み直したら、繋がりからそういうふうに捉えられてワロタ。すまねぇすまねぇ、俺は型月の設定ごりごりも、禁書の勢いでつっぱしるのも好きだよ
けど、やっぱり、禁書と型月のクロスは相当難しいなぁってことで。パワーバランス的に。


だが

シエル「ですが、それはさほど問題ではないでしょう」

と彼女はきっぱりといい放った。

シオン「問題ではない、とは?これまでにこのような事例は――」

シエル「ですから」

間を置く

シエル「ですから、それは問題ではないんですよシオン・エルトナム・アトラシア。タタリは間違いなく発生しました。ならばこれまでの背景などは問題ではないんですよ。吸血鬼が現れた。ならば私達はそれを打倒するだけです」


シオン「ッ―――」


シオンはまだ何か言いかけようとしたが

シオン「…わかりました。続けてください」

と折れたのだ。
ちなみにこれは、彼女をよく知る人間なら出来事である。
だがこの場ではそれはリーズバイフェぐらいしか該当しないので、特に誰も驚きはしない。


シエル「すみません、シオン。貴女の気持ちはよくわかりますが、今はそれほど余裕がないということをわかってもらえると嬉しい」

シオン「―――はい」

そこで一度会話の流れが途絶える。
そういう空気に余り慣れない上条や御坂、それに佐天は空気の重さに耐えられなかった。

佐天「で、で!シエルさん!次の問題点もばんばん言っちゃってやってください!」

上条「そうだな!事の重さも知れたし助かったよシオンさん!あははは!」

その言葉のラッシュにシエルは気圧されるも

シエル「そうですね。脱線してしまいました。次にいきましょう」

と話を進めることにした


シエル「むしろ、本当の問題は次にあるのかもしれません」

リーズ「勿体ぶるな、シオン。言ってくれ」

はい、これも教会からの情報なんですが。とシエルは前置きすると

シエル「実は今回のタタリ。これも元来とは変わり姿を持って現れたそうなんです」

などと、とんでもない事実をさらりと彼女は言ってのけた。

リーズ「な!?そんなバカな!?だってワラキアは――!?」

シエル「えぇ、普段通りの彼ならば、姿を持たない現象として現れるはずなんです。それが何を思ってか今回は姿を現した……怪しいですね」


上条「姿で現れると、何かまずいのか?それって現象じゃなくて人として現れたってことなんだろ?だったら――」

シエル「いえ、むしろ我々としては現象として現れ、それを撃退するほうが楽だったんです。ですがその望みを断ち切られてしまった」

上条「?」

シオン「姿を持ったことによるタタリ――いやワラキアの、物理的な無差別攻撃」

上条、美琴、佐天「!?」


シオン「そういう事ですね、代行者。今や彼には余裕や焦りが生まれているはずです。だから今回はどういう手段で攻撃してくるかも、正直憶測がつかない―――」

シエル「……流石ですね、錬金術師」


シエル「その通りです。今や私達はおろか、教会ですらワラキアの暴走は予測のつかないものとなってしまいました」

リーズ「では、どうするんだ?まだ我々は奴の居場所すら掴めていないのだぞ?全く、こんな慌ただしい騒音も中々あったものじゃない」


シエル「場所については、残り2日で必ず探しだしてみせます。なので当面の問題は―――」


対ワラキアの対抗策。
どう襲撃してくるかすらわからない中で、シエル達は対抗を練らなければならなかった。

全員の表情に、不安が浮かぶ


シエル「ですが、見つけてしまいさえすればこちらにも勝機があがります」

美琴「どういう事よ、それ」

簡単です、とシエルは上条と佐天を指差した。

シエル「こちらにとって最大のメリットは、やはり現象ではなく人物として現れてくれたことなんです。
ですので、当然そこを付け入ります。
――――そこにいる、幻想殺しと直死の魔眼を用いて」

上条「――――!」

佐天「え、ちょっちょっと!」アタフタ


シエル「なんですか、佐天さん。何か問題でも?」

佐天はシエルの冷ややかな表情を見てうっ!とたじろぐ。
なにせさっきもう迷わないと彼女に誓ったばかりなのだ。
それだけに今のシエルの表情は、佐天の心に重く響いた。

佐天「なんでも―――ないです」

シエル「そうですか、なら続けちゃいますね」ニコッ

今ここに、上下関係が確立されたのを全員は感じた。

上条「シエルさん、この前の俺の話聞いてくれたんだな。ありがとう」

シエル「私としても不満なんですけどね、協力者とはいえ一般人を危険な目に晒すのは。ですが今回は相手が相手です、やむを得ないでしょう」

ため息をつきながらシエルは言う。

リーズ「だがしかし、彼はいいにしても涙子はどうする?彼女、戦闘に関しては素人みたいなんだが」

佐天「そっそうですよ!まともに近付けるかどうか――」


シオン「それでしたら」

ここでシオンが口を挟む。

シオン「私のエーテライトを使いましょう。これならば多少はましになるかと」

ミクロン単位の視認できないレベルのワイヤーのような物を、彼女は取り出す。

佐天「え、エーテライトって…?」

恐る恐る佐天は聞いてみる。

シオン「目に視認できないレベルのフィラメントですよ。これを使って相手の思考を読み取ったり、そこにある情報を引き出すことが可能になります」

美琴「なによそれ無茶苦茶ね…」

シオン「はい、なんとでも。それとこれを使えば刺している相手の潜在能力、そのリミッターを外す事ができます。なので涙子がタタリに立ち向かう際、この能力を発動させましょう」

佐天「な、なんだか凄いですね…。はぁ、わかりました。それで行きましょう……」

結局自分がタタリと戦う際の決定打になることを、佐天はしぶしぶ納得するしかなかった。


シエル「では話もまとまったところで」

シエルが注目を再び集めさせる。
何人かはいい性格してるよコイツと思ったり思わなかったり。

シエル「対ワラキアの切り札は、上条君と佐天さんでいくことにします。反対はないですね?」

上条「あぁ、俺からはない」

佐天「私も……大丈夫です……」ガックシ

シエル「なら決まりですね♪」

とシエルは笑顔で言う。
この人だけは敵に回しちゃ駄目だな。と全員が悟ったのは言うまでもなかったのだった―――


すいませんここで少しスマホ充電させてください。休憩です


―――――――

シエル「という訳で、チーム分けをしましょう」

リーズ「コラ」

シエル「はい?」

リーズ「何がという訳でだ。ちゃんとわかるように説明しろ。意味がわからない」

シエル「えっ。皆さんわかりませんでしたか?自然な流れだと思ったんですけど」

上条「わかんないです」

美琴「わからないわね」

佐天「すいません。わかりません」

シオン「インド人とは会話のリズムが違うので」

シエル「くっ!集中攻撃!?というか私はフランス出身だって何度言えばわかるんですか!!」


というやりとりがあり、全員から謝罪(と非難)の声を浴びたシエルは、不満の声をあげながらも場を仕切り直した。

シエル「と言っても、より正確には二手に別れる。と言った方が正しいんですけどね」

シオン「どういう事ですか?」

シエル「はい。恐らくワラキアは何処かを寝床にしてそこで陣を張っているでしょう。そこにどんな罠があるかわからない以上、全員で行くのはリスクが高すぎるんですよ。
理解できますかエジプト人」

シオン「やけに根に持ちますね、代行者」

シエル「…ふん。別に。まあとにかくさっきの発言はそういう、意図を含んでああ言ったんです。改めて言いますよ、チーム分けをしましょう」


そしてその後色々と話し合い、こんな感じになった。

第1チーム
上条
美琴
シエル

第2チーム
シオン
リーズバイフェ
佐天


上条「今まで行動してたチームと何も変わらないじゃねえか」

シエル「ですが、色々考慮した結果これが最善の分け方になったんです。運命ですね、これは」

美琴「それで、チーム分けしてどうするのよ」

シエル「はい、まず夜になれば恐らく街中に幻影が街中に現れるようになるでしょう。上条君と御坂さんは一度見てますね」

視線を二人に送るシエル。
彼らは3日ほど前、タタリによって模された幻影。超能力者第二位垣根帝督と一度遭遇したことがあるのだ。

こくりと頷く上条と御坂


シエル「あれが街中に現れるのです。当然私達も遭遇し、襲われることになるでしょう」

シエル「ですので、片方のチームはもう片方のチームをタタリの幻影から守り、もう片方はそのまま敵の居場所まで行ってもらいます」

それならば、片方のチームは無傷でワラキアのもとへ辿り着けるというのがシエルの考えだった。

シオン「なるほど、考えましたね代行者。それならば仮に片方のチームが全滅しても、まだ戦える者を残せる」

はい、と肯定するシエル。

リーズ「で、どっちをどっちのチームにするつもりだシエル。君の事だ、あらかじめ考えてあるのだろう」

シエル「中々察しがいいですね、リーズバイフェ。先にワラキアのところまで行くチームは、私達の所がいいと考えています」


佐天「え…」

リーズ「そうか。何となく察しはついているが、理由を聞いてもいいかな?」

シエル「なに、簡単な話ですよ。
単に
『右手で触った異能ならその全てを打ち消す幻想殺し』と


シエル「『死が見え、切った又は突いた部分を例外なく殺す直死の魔眼』」

シエル「この二つでは、触るだけでワラキアを消滅させる事が可能な上条君の方が圧倒的に有利なんですよ」

リーズ「………」

シエル「それが、私の理由です」


リーズ「……そうか、わかったよ」

シエル「ありがとうございます。佐天さんもすみませんでした、劣っていると言わんばかりな事を言って」

佐天「……いえ、いいんですよ。私には重荷ですし、正直ほっとしました」

シエル「そうですか、ですが佐天さん。貴女も戦力の中心なのは確かなんです。それだけは忘れないでください」

佐天「………はい」


美琴「…………」



そしてそれからも、色々な事や具体的な作戦を全員で話し合った。

気が付けばすっかり辺りは暗くなり、完全下校時刻をすっかり通りすぎるような時間になっていた。


シエル「――――とまあ、大体こんな感じですね。長くなっちゃって申し訳ありません」

上条「いいんですよこんなの、当然です」

リーズ「まあ私達はここで寝泊まりしているからいいが、君らは寮住まいなんだろう?早く帰った方がいい」

美琴「そうね…寮監や警備員に見つからずに帰らないと面倒だわ。黒子呼ぼうかしら…」

という感じにそれぞれ、帰宅ムードになってきた頃、佐天は何やら胸のモヤモヤを感じていた。


「(何だこれ……。)」

胸が痛い。
キリキリする。
正体不明のその痛みはどんどん大きくなっているような気がした。

「(私、ひょっとして上条さんに嫉妬してるの?)」

思い付く原因は、先程のシエルの言葉だった。


幻想殺しと直死の魔眼では、幻想殺しの方が勝る―――。

その言葉を聞いて、私の胸が痛んだのを、私はハッキリと記憶している。

でも

「(馬鹿か私は。むしろ大きな期待背負わなくてラッキーだったじゃないか)」

とも、思う。
だがやはり痛みは引かない。


「(第一私が戦わなくていいように、シエルさんが気を遣ってくれたのかもしれないじゃん。なのに――)」

だけど
どれだけそんな言葉を並べようとも、胸の痛み、モヤモヤは引く気配はなくて。

あぁ、どうかしてるな私。と自嘲気味に笑った。

半端な人間が能力持ったら、すぐにこれだ

幻想御手の時から何も進んでいない。

私は――――!


「佐天さん?大丈夫?」

そして声を掛けられ、振り向くとそこには御坂さんが心配そうに私を見ていた。


美琴「佐天さん?」

佐天「あ、はっはい」

私はなんとか返事をする。

美琴「そろそろ帰ろうっていう話になってるんだけど…どうかした?体調悪い?」

佐天「い、言えそんな事は…。それより――」

美琴「………」

佐天「み、御坂さん?」

美琴「シエルさーん!じゃあ私と佐天さんもう行くから!また明日ここに来ればいいのよね!?」

ソウデスヨー

佐天「え!?ちょっ御坂さん!?」

美琴「了解、それじゃあー!」

佐天「えええええ!?」

そして私は手を引っ張られ御坂さんに連れていかれる。
どうしたんだろう

ほい


そして、そのからバスに乗ること10分程してから、ようやく御坂さんが話しかけてきた。

御坂「さ、話してごらんなさい」

突如そんな事を言われ、混乱する私

佐天「は、話すって何を――?」

御坂「全部よ。今佐天さんが抱えていること全部。佐天さんが何か悩んでる事くらい、さっきすぐに気付いたんだから」

そして私はその言葉を聞いて、あぁやっぱりこの人には敵わないなと思った。

学園都市の超能力者、御坂美琴。
普段の気の強いところや、その反面人を気遣い、正しい方向に導いてくれる彼女はどこに行っても変わらず


私の憧れだった。


佐天「……ヒック」

美琴「え?」

佐天「御坂、さん。私、もう自分の事がよくわからなくて――!」ウルウル

御坂「え!?ちょっ泣き止んでよ佐天さん!ちょっと!?」

佐天「うぅ…御坂さあああん!!!」ダキッ

御坂「ちょっと止めてってば佐天さあああん!?」

そして私がようやく落ち着きを取り戻したのは、それから30分経った後だった。

誰かいる?

―――――――

佐天「………すみません。御坂さん取り乱してしまって…」

御坂「いやいいんだけどさ。…と言いたいけどやっぱ黒子の時といい、女の子に泣かれるのは慣れないわね」

佐天「え?白井さんも御坂さんに泣きついたことあるんですか?」

御坂「まあ理由はいまいちよくわからなかったんだけどね。何かプール一緒に掃除しててたまたま来た女の子と話してたら急にね」

佐天「(白井さんって……ぶれないよね)」

佐天はつくづくそう思った。


御坂「ってそんな事はいいのよ!佐天さん、悩み事なら私が聞くから、言ってみなさい!」

さあ!と迫真の表情で佐天に詰め寄る美琴。
佐天は観念したのか、今の心情を美琴に話すことにした。


上条さんに、嫉妬してしまったこと。
そんな感情を抱く自分がよくわからなくなったこと。

その他もろもろの事を、私は全て話した。

話している間、何度も興奮して話が戻ったり何言ってるんだかわからなくなった時もあったけど御坂さんはずっと黙って聞いてくれていた。

この人が学校でよくモテてるのは、こういう所から来てるんだろうなあと私はそんなどうでもいいことを思った。


御坂「……そう」

御坂さんは私が話終えると、ただそれだけ感想を言った。


私はやはり迷惑だったかなと思い、御坂さんの顔色を伺う。

すると

御坂「……」ギュウ

佐天「……へ?」

何故か、抱きつかれてしまった。

佐天「み、みみm御坂さん!?」

御坂「………辛いよね」

ぽつりと、彼女はそんな言葉を漏らした。
どこか様子がおかしい。


佐天「御坂、さん…?」

御坂「その気持ち、痛いほどわかる」

淡々と、彼女は話していった。

「私もね、アイツに初めて会った時そんな気持ちだった」

アイツ、とは上条当麻の事だろう。
佐天は黙ってそれを聞く。

「電撃も、砂鉄で作った剣も全部無効化されて、あげく超電磁砲や即死級の雷だって打ち消されて」

「怒りと嫉妬で胸が一杯だった。一杯過ぎて痛みすら感じた」

佐天は初めてそんな話を聞いて驚いた。
白井さんから夢中になってる殿方がいるとか聞いてはいたが、まさか上条当麻の事だとは思いもよらなかったのだ。

すまん。今日はここまで
明日は朝から投下する

お待たせしました。では投下します


ちなみに散々言われたSS速報に移りたいんですが、その場合って今まで書いたものについてはどうすればいいですか?


美琴「だからね佐天さん、私貴女の気持ちがよくわかる」

佐天「御坂さん…」

美琴「でも、そんな私だから言えるんだけどやっぱりそれじゃ駄目なの」

佐天「え?」

美琴「自分の力不足を相手のせいにしては駄目。そんなの、何にも意味がないから」


佐天「………」

美琴「確かに辛くて胸が痛むんだけど、それを乗り越えなきゃ強くはなれない」

美琴「私はそう思って、アイツに突っかかるのを抑えたわ」


まあそれでもムカつくのにはかわりないから電撃撃ったりしてるんだけどね。と美琴は苦笑を浮かべた。


そしてそんな会話をしている内にバスは常盤台前に到着、美琴はじゃあ行くわね、と席を立つ。

佐天「あ、あの御坂さん…!」

美琴「ん?どうかした?」

佐天「私……何かわかった気がします。ありがとうございました!」

美琴「うん、よしよし。それでこそ佐天よ。胸張ってなさい。ちょっと特殊みたいだけど、貴女も能力者には変わりないんだからね!」

佐天「御坂さん…。はい、わかりました!」

そうしてじゃあまた明日ね。とバスから降りていく美琴。

佐天の目は、もう既に以前のような輝きを取り戻していた。



そしてそれから、私達はタタリ討伐のためにできることをやった。


シエルさんは翌日集まる頃には既にワラキアの居場所を特定したらしく、その旨を私達に伝えてきた。

場所はとある学区にあるセンタービルらしい。


場所も定まったのでいよいよ具体的な作戦をたてることになった私達。


シオンさんとシエルさんは初日から匂わせていたけどやっぱり折り合いが悪いらしく、度々口論になりかけたがリーズさん初めとする私達で、なんとか仲裁をはかり
そしてやがて計画も決まっていった。



そして私、佐天涙子はその合間に、リーズさんとシオンさんに戦闘の手解きをしてもらっていた。

とは言ってもやはり基礎中の基礎だけ、それも回避や間合いについてが主な内容だった。

シオンさん曰くしないよりはマシ。らしい。

そしてタタリまでのタイムリミットも刻々と過ぎ、残り1日となった夕方の事だった。


――――――――――

「あ、佐天さん!」


夕方、日も沈み始めそろそろ今日も離れ学区に向かおうと部屋を出たとき、初春が声を掛けてきた。


「あれ、初春ぅ。どうしたのわざわざこんな所まで…」

「いえ、今日は風紀委員の仕事も無かったから佐天さんと遊ぼうと思って来たんですけど…もしかしてお出かけですか?」

「あーうん、そんなとこ。ちょっとね」

と私は行き先をはぐらかす。
これから離れ学区に戦闘訓練しに行くんですよなんて言えば何を言われるかわかったものではない。

「あーそうだったんですか。じゃあ仕方ないです、ね…?」

と、何故か私の腕を見ながら語尾を弱める初春。
虫でも付いてるのかなと私もチラリと見ると


「(げっ!?ヤバイ、昨日シオンさんに殴られ蹴られ撃たれた挙げ句エーテライトで切られた時にできた傷!?)」


そこには、女子中学生には似合わないような切り傷や擦り傷が大量に刻まれていた。


「佐天さん!?その傷どうしたんですか!ボロボロじゃないですか!」

「あ、あはは。これ?昨日実は階段で転んじゃってさぁ、もう散々だったんだよ」

と私は咄嗟に嘘を付く。
ちなみに腕以外にも色んな所が傷だらけだったりするが、その事だけは絶対に知られてはいけない。

「そう、ですか…」

しかし初春はそんな私の嘘をどう捉えたのか、そう言ったっきり黙り混んでしまった。


沈黙が続く。




そして、そんな時間がどれくらい過ぎたころだったか


「佐天さん、私じゃ頼りないですか?」


と、彼女は私にそんなと問いをしてきた。


あまりの不意打ちに、思考が固まる。

「う、初春。なんの事を――」

「佐天さん、私知ってるんですよ」

「え?」

「知ってるんです。佐天さん退院してからずっと、私に何か隠してるの」


だが私はここで少しホッとした。

口ぶりから、彼女はその隠し事の内容までは知らないようだ。

「毎日一緒にいるのに、気が付いたら佐天さん、どこか遠くを見ています」

「話しているのに佐天さん、気が付いたら別の事考えてます」

「最初は黙っていようと思ってました。何か佐天さんは入院以降大きなものを抱えて、そこに私の入る余地はないんだと思っていました」

「ですけど、佐天さん最近は毎日暗い顔をして…今日なんか怪我までしてきて!……正直、これ以上見てみぬフリはできません」



「佐天さん。教えてください。何が佐天さんをそんなに傷つけてるのか
私、佐天さんが傷つくのをこれ以上見たくありません」


「え………?」

そして私は、気が付けば初春を抱き締めていた。

「ごめんね初春。私、また間違ったみたいだ」

思えばこうなる兆候はあった。
それは初春の家に泊まったあの夜、初春はやけに私に引っ付いていた。

寂しい。という初春の言葉
あれはこれ以上どこにも行かないでほしいという、初春の明確な意思表現だったのだ


それを私は気付けずに、言葉通りの意味として捉えてしまったのだ。

なんという愚鈍。


私は初春を守ると心に誓いながら、その実何も守れていなかったのだ。

その滑稽さに呆れて言葉も出ない。


土御門「カミやん、お前は今回関わっている勢力をどれぐらい把握してる?」

上条「何だよ急に。教会っていうところが関わってるのは知ってるけど」

土御門「あぁ、あそこは確かに関わっているな。というかカミやんが今関わってるシエルという代行者が所属しているのが、その教会だ」

そう言えば前に本人がそう言っていたな。と上条は思い出した。


土御門「まあというか今回タタリ討伐に意気込んでいるのは、ほぼその教会だからな。シエルなんて大物を呼ぶくらいだから、よほど本気なんだろう」
上条「お前さっきからやけにシエルさんに突っ掛かるけど、なんだ面識あるのか?」

土御門「面識があるもないも、奴とはちょっと犬猿の仲でな。あれ程馬が合わない人間もそうそういるまい」

何があったんだろう二人に、と少し興味が沸いた上条だったが、脱線してもあれなので流した。


土御門「もういいか?続けるぜい?」

上条「あぁ」

土御門「どこまで話したっけな…あぁそうだ教会だ。後はアトラス院なんかも乗り気ではあるな。カミやんの仲間だと…シオンとかいう錬金術師がそれに当たる」

上条「シオンさんが錬金術師!?嘘だろ!?」

土御門「いいや間違いはない。そのシオンという女性、エーテライトなるものを持っていただろう?あれは彼女の家代々に伝わる家宝なんだ。あれを持つ彼女は霊子ハッカーとして有名だからな。間違えようがない」

上条「シオンが、錬金術師…」

土御門「ん?やけに食いつくなカミやん……ってあぁ、カミやんは以前アウレオルスとやりあったんだったな。だがその錬金術師とはある種別格だから安心しろ。
アルス・マグナなんてもの世界に二つと存在しない。してたまるか」


土御門は、そう言い捨てた。


土御門「さっきから脱線しすぎだな…手短に話すぞ。
要するにだ、現在タタリ討伐に奮起しているのはこの二つの勢力なんだ。カミやん。おかしいとは思わないか?」

上条「だから突然振るのをやめろ。何がおかしいんだ?」

土御門「にゃー。カミやん頭の良し悪しまで代行者に洗脳されちまったのか?なんてことだ…」

上条「うるせえ元々だ。で、何がだよ」

土御門「…何故、必要悪の教会がここに名前を出さない?」

上条「…なんでだ?」

土御門「」


土御門「…………カミやん」

上条「何だよ、悪かったな頭悪くて」

土御門「いや、もう頭いいとか悪いとか、そういうレベルの問題じゃないんだが…」

上条「どういう事だよ」

土御門「いいか、ヒントやるから自分で考えてみろ」

上条「……わかったよ」

土御門「ヒント1、相手は吸血鬼」

上条「そうだな」

土御門「ヒント2、必要悪の教会は異能も取り扱っている」

上条「そうだな」

土御門「……ヒント3、必要悪の教会は対吸血鬼に最も適した人材を手にいれている」

上条「誰だそれ」

土御門「」


土御門「………」プルプル

上条「ん?何だよ土御門、全然わからないんだが」

土御門「」ブチッ

上条「何だ今の音は……ハッ!」

土御門「テメエが以前に助けた人物、姫神秋沙がそこに該当するだろうがあああああああああああああああああああああああああああああああああ」全力ストレート

上条「ぐぶぇふ!?そ、そうか…まさかこれもシエルさんの、洗脳…?」

土御門「今なんかアイツに同情したわ」

一旦ストップ
カミやんと土御門の会話長すぎワロタ


それで、SS速報に移りたいんですが今まで書いた分ってどうすればいいんですか?

一から貼る…。
ゾッとしないな。書いた量が量だけに

ならURLにするか。
このスレ埋まり次第あっちに移ります

>>886
Androidからも見たいんだぜ

>>887
嘘、だろ…?
この量をまたコピーして貼っていくってのか…?

でも俺もアンドロイドなんだが普通に見れるぞどういうことだ

埋まる前にむこうにURLを貼って新しい板を立てるというのもアリではある

>>891
kwsk

つまり、このままVIPで2スレ目を立てるかSS速報に移るかの二通りの方法があるんだよな

どうしようか

そうか…保守する人にも迷惑だしな
わかったSS速報に移動するよ


スレはもう立ててきていいのか?URLは貼った方がいいか?

という訳で作ってきた


佐天「直死の魔眼?」↓
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1308612635

つまりあそこって保守の必要が無くてゆったりペースで書けるんだよな
なんという俺得サイト
これで徹夜の必要はなくなったのか



――――――――


上条「正直、すまんかった」

土御門「あまりイライラさせるんじゃない……」イライラ

上条「悪かったよ!本当にこの通り!だから続けてくれ!」

土御門「…っち。まあいいだろう。まあそういう事だ。あっちが姫神秋沙を所有しているのにも関わらず、必要悪の教会は一向に動く気配はない。
これが何を意味しているのかわかるか?―――いやいい。俺が言う」

上条「それはそれで寂しい…」

土御門「黙れ。いいか?必要悪の教会はな、今回のタタリについては無視することにしてるんだよ」

上条「なっ!?」



上条「それってどういう――」

土御門「どういう事なんだよってか?簡単な事だ。
学園都市は必要悪の教会にとってはどうでもいい存在。いや、むしろ邪魔者でしかない。
とにかくあっちのお偉いさん方はそう捉えてるんだ」

上条「正気かよ!?学園都市にはインデックスだっているんだぞ!?なのに何でそうあっさり――!!」

土御門「そう、インデックスだ。彼女の事だけは上も気にかけていてな。ついさっき俺の元に連絡があった」

上条「――!?土御門、てめえ…!」

土御門「こういう所は察しがいいな。カミやん。あぁそうだ、俺が上から授かった指令は



『禁書目録を連れ、学園都市から脱出せよ』というものだった」



上条「土御門ォォォォ!!!!」ガシッ


土御門「何だ俺を殴るのかカミやん。それもいいがその任務に加わっている人間は、俺一人だけではないという事は言っておくぞ」

上条「!?」

土御門「当たり前だ。何しろそれだけ禁書目録を存在は大きいんだ。少なく見積もっても50人近い人間が、もうじきこっちにやってくるぞ」

上条「ぐっ……!」

土御門「さあやるならやれよカミやん。俺はお前から禁書目録を奪うお前にとっての悪党なんだからな」

上条「俺は……!!」グッ



土御門「さあやれ、上条当麻!!!」

上条「くっ、そおおおおおお!!!!」バキッ


土御門「がッ……!そうだ、それでいい上条当麻。なんだ、最近ふぬけていると思ったが、全然そんな事ないじゃないか」ドサッ

上条「はぁ…はぁ……」

土御門「見せてもらったよ、上条当麻。俺とお前の実力差は天使堕としの時に確認しているはずだ。
なのにお前は俺に歯向かった。
合格だ」

上条「合格……?お前何言って……」




土御門「禁書目録を連れ戻すのは辞めだって話だぜいカミやん。ついでに言うと、50人なんてのも嘘だ。せいぜい10人がいいとこだろう」ニヤッ


上条「は?」


上条「お前、何言って…」

土御門「にゃー。つまりだなカミやん、俺はお前に賭けてみたってことだぜい」

上条「?」

土御門「インデックスを連れ戻す指令は確かに受けた。これを失敗したら俺は恐らく殺されるだろう」

上条「……」


土御門「俺としても、死ぬのはまっぴら御免だ。俺には妹を守る義務がある。だが、だからといってお前と禁書目録を引き離させるのも気が引ける」



土御門「だから試したんだよ、カミやん。お前は最近禁書目録を放ったらかしだからな。もしお前がここで俺を殴らなければ問答無用でお前を組伏せて彼女を奪っていった」


上条「土御門…お前って奴は…」

土御門「にゃっはっは。俺の魔法名を忘れたか?俺は『背中刺す刃』なんだぜ?」ニヤリ

上条「……そうだったな。そういう奴だったよお前は……」


―――――――――――


土御門「カミやん」

上条「あん?何だよ?というかこれで話は終わりなのか?」

土御門「あぁ大方終わっている。所でお前、時間はいいのか?」

上条「は?時間て何の……………」

土御門「…………………」

上条「……………………」

土御門「……………」

上条「…………レ」

土御門「れ?」

上条「超電磁砲祭りだあああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?」


土御門「お、おいおいどうし……」

上条「やべえよ!?お前と三文芝居してる間にかれこれ30分近く経ってんじゃねえか!?これで離れ学区ついてシエルさんの黒鍵みたくコイン持ちまくってる御坂がいたらお前のせいだからなこの馬鹿ちんめ!!!」

土御門「さ、三文芝居!?てめえ俺の熱い演技に何ケチつけてんだ!……ったく、もういいぞ。行ってこい」

上条「言われなくともそうするっつの!?バーカバーカ!!」タタタッ

土御門「こ、コイツは…!だがちょっと待て、折角だから最後に教えてやろう」


上条「なんだよ!俺は急いで――」

土御門「タタリがどうして姿を持って現れたか、教えてやろうと言ってるんだ。少しは落ち着け」

上条「な、シエルさんですら掴めなかった情報を、どうしてお前が――」

土御門「おいおい、俺とあんな脳筋女を一緒に考えてくれるなよ。
情報収集に関しては、こっちのが数枚上手だぜ?」

上条「マジかよ…」

土御門「マジだ。じゃあ伝えるぜ。理由は至極簡単なんだ、ただ俺のように魔術と科学、両方に属する人間が少ないから皆わからないだけなんだにゃー」

上条「勿体振るなよ」

土御門「あぁすまん。要するにだな、今回タタリは姿を持って現れたんじゃない。
むしろ、元の現象に帰れなくなってしまってるんだ」


上条「元の、現象に戻れないってのか?なんでだよ」

土御門「答えはこの学園都市特有の、特殊な力場―――。AIM拡散力場にある。
無能力者のカミやんでも知っているだろう?」

上条「あぁ…。確か能力者が無意識の内に展開してる、エネルギーフィールドの事だろ?それぐらいわかるぞ」

土御門「正解。ワラキアはな、この力場に吸い寄せられて今回この街に来たんだよ。だから巣食っているってのは正直微妙な表現だな。
張り付けになってるってのが、正しい」

上条「タタリが、吸い寄せられた――?」


土御門「そうだ。そしてワラキアはAIM拡散力場――いや、虚数学区によってその能力を阻害されてしまったんだ。言ってる意味わかるかカミやん」

上条「つまり――。AIM拡散力場に触れたことで、タタリが弱まったって事でいいんだよな?」

土御門「大正解だにゃー。これが今回のタタリの正体ってわけだ。何も難しいことはないだろう?」


上条「そういえばシエルさんもちょっと前に言ってた気がするな。特殊な磁場のようなものがワラキアに影響を及ぼしてるだとかなんとか」

土御門「あぁ…。あの女。というか教会は少なからず、ここの特殊な力がワラキアに影響してるってぐらいは掴んでるようだな。それがAIM拡散力場だとまでは知らないみたいだが――――」

とりあえず朝の分はここまでだぜい。
次は昼頃にまた来るにゃー

>>927
そうか、俺はもう寝てもいいのか…

いやでも昼に来るって言ってたしな……

まあさっきから見てるんですけどね
ID変わったけど>>1です。
ちょっと用事で外してました


それでは投下を
あと>>935寝ていいぞ
SS速報は、少し加筆修正を加えて再投下することになりそうだ…死にたい

――――――――

「土御門元春、ですか。妙な偶然もあったものですね」

と、代行者シエルは神妙な顔をして何やら思いふける。

そんなにこの二人は気が合わないのかよ、と少し本気で心配してみたり。

結局あの後俺は土御門への感謝もそこそこに、猛ダッシュで離れ学区へとやってきた。
と言ってもバスの移動だったのだが気持ちの焦り具合では自力で走るそれと同等、むしろ負けない自信があった。

そして到着と同時に俺こと上条当麻の真横をすり抜け、木箱を木っ端微塵に破壊する黄色い閃光。

目の前には薄ら笑いを浮かべる御坂美琴嬢。彼女の歪んだ笑みほど恐ろしいものもそうはない。

その後たっぷりと超電磁砲音頭(レールガンおんど)を踊らされた俺は、へとへとになりながらもさっきの土御門とのやりとりを何とかシエルさんに伝え、上記に至るのだった。


シオン「AIM拡散力場。それに張り付けられたタタリですか――」

上条「あぁ、土御門の奴はそう言っていた」

シエル「ええ、確かにそれならば色んな事に説明がつきますね。彼に手助けされた、というのが少し気に入りませんが」

上条「………」

上条「(土御門は、シエルさんが俺に洗脳を掛けたといっていた)」

「(だがそれは、何か理由があっての事じゃないのか?)」

「(俺はシエルさんを信じたい。確かにいい性格してるよななんて思う時もあるけど、それでもこの人はいい人なんだって)」

「(だから、何も言わないことに――)」

シエル「上条君?私の顔に何かついてますか?」

上条「ってうわあ!?」


上条「し、シエルさん――」タジタジ

シエル「?」

上条「(どうしよう、言うべきか言わざるべきか――俺は信じたい、でも…)」

シエル「……ひょっとして、洗脳したこと怒っちゃってますか?」

上条「!?あ、あの。俺は――」

シエル「そうだとしたならすみません。あれは万が一のための保険だったんです…いえ、人を操っておいて許すも何もありませんか」

アハハ、と苦笑を浮かべるシエルさん。
その表情はどこか悲しそうだった。

その表情を見て、上条は冷静さを取り戻す。

上条「保険って――。何の事ですか?」

シエル「いえそれは――わかりました。私に拒否権はありませんでしたね。――あれはついこの間、貴方の学校に入った際たまたま目に入った食堂での事です――。」

上条「……へ?食堂?」


―――――――――

すまん嘘ついた!夕方に書き溜めて戻ってくるからそのときに!


落ちてたらSS速報の方で!

お待ちー投下です




シエル「…ふう、ようやくご飯にありつくことができましたね」モグモグ

私――シエルは現在上条君の学校の食堂で、昼食をとっていた。

ここに来た理由は一つ。先日協力関係を結んだ上条当麻に、伝言を伝えるため。

そしてそれも先程完了し、私は活気づいた学生に混じりながらカレーを頂いていたのだ。


シエル「(それにしてもこの雰囲気、何だか遠野君のいた学校によく似ている気がしますね…ふふっ懐かしいです♪)」


――――

「――はっくしょん!うぅ、なんで突然くしゃみが…」

「あら兄さん、風邪ですか?なら琥珀に…」

「すみません謝りますからどうかこの通りそれだけは多目に見てもらえないでしょうか」

「?おかしな兄さん」


シエル「(それにしても、超能力の実験都市と呼ばれる学園都市の高校にしては、随分と普通ですね…。なんかもっとこう殺伐としたイメージがあったのですが)」モグモグ


「(――ん?あの青髪…)」

シエル「(まあ実際はこんなもおですよね、ちょっと期待外れでしたけど概ね納得しました)」

「―――おい」

シエル「(それにしてもカレーの美味しいことと言ったら!この学園都市ならではの新境地と絶妙な味付け具合、メシアンに匹敵します!)」

「聞いてるか、おい」

シエル「(更に調整されたこのスパイスの加減。カレーとご飯が6:4なのも最高です!…これが学園都市、正直甘くみていました」


「おい、こら。なんとか言ったらどうだ」

シエル「今から学園都市のカレーを制覇するのもいいかも知れません……ビバ、カレーライス!!!」ガタッ


「駄目だコイツ話聞いちゃいないぜい」


シエル「あ、あれ何だか気が付けば皆との心の距離が…」

シエル「少々はめを外しすぎたようdすね…反省」ショボーン


「相変わらず人目を気にしないのは変わらないな、代行者」

シエル「――!?何者です!」

シエル「(どういう事ですか!?この学校の人間にはあらかた暗示を使ったはず、なのに私の正体まで見破る人間など…!)」


土御門「何者も何もあるまい。さっきから話しかけてるのにお前がどこかに飛んでいただけだろうシエルよ
全く埋葬機関の代行者が、丸くなったものだ」

シエル「――!土御門、元春…」


土御門「おいおい、随分と驚いてくれるな代行者。だがどっちかと言えば驚く役割はこっちの方だぞ。まさか偶然とはいえ、カミやんに目をつけるとはな」

シエル「カミやん?あぁ上条君の事ですか、彼なら――――」

土御門「気を付けた方がいいぜい?代行者」

シエル「?」

土御門「お前さんは埋葬機関で取り扱いにくい連中を幾つも相手にしてきたんだろうがな」

シエル「……」

土御門「だが、カミやんはあくまで一般人だ。お前とは価値観を始め色々なものが違う」

シエル「何がいいたいのですか、土御門」

土御門「変に上条当麻に入れ込んで、毒されるなよっていう話だ」

シエル「……ご忠告、感謝します」

土御門「それと」

シエル「?」

土御門「そのカレー、レトルトだぞ」

シエル「なん…だと…」


――――――――

シエル「と、いうわけなんです」

上条「シエルさん」

シエル「はい?」

上条「そこから俺を洗脳する理由が見つからないんですけど」

シエル「えっ?自然な流れだったってこのやりとりは以前――!」バッ!



シオン「…………ふっ」ニヤリ



シエル「だから私はフランス生まれフランス育ちだっつってんだろエジプト風情がああああああああああああああああああ!!!」ジャキンッ


上条「シエルさん黒鍵しまって落ち着いてください!?誰も何も言ってないですのことよ!?」


シエル「…すみません。取り乱して」
上条「あぁ、うん…なんというかごめん。なんか色々」

シエル「いえ良いんですよ…。それで、私があなたを洗脳した理由でした、よね?」

上条「あ、そのことならもう……」

シエル「私、あのあと大分荒れたんです」

上条「は?」アレタ?

シエル「元々敵視していた土御門に、まるでわかったような口を聞かれたのが癪だったんです……」

上条「……………」

シエル「だから、腹いせ半分あなたが万が一土御門の話題を出したらまた荒れちゃうなー嫌だなーよし洗脳して思い出させなくしちゃえ☆ってのが半分なんです」

上条「………」

シエル「………てへっ☆」


上条は、この女性を信じようとしたことを少しだけ後悔したのだった――


―――――――――――――――

待たせといてあれだけども、書き溜めはここまでです


後はSS速報でやるので、どうぞよろしくお願いします。
ここからの流れは
決戦前夜→タタリ起動→エピローグです

そういえば
>>446はSS書かないのかな…
待ってます

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