妹「引くわ」(322)

妹「引くわ」




























妹「引くわ」


妹「妹もののエロゲもってるとか……」

兄「い、いいだろ、別に」

妹「良くないし、マジでキモイ」

兄「……」

妹「これ、捨てるから」

兄「ちょっ……!」

妹「未練があるとかマジキモイ」

妹「マジ引くわ」

っていう妹がデレるんですね

兄「何が?」

妹「あ、兄さん。今VIPを見ていたんですけど妹の下着を写真に写してうpしてる人がいるんです」

妹「なのでちょっと書き込んだんですよ」

兄「そ、それで「引くわ」とついつい言ってしまったのか」

妹「はい、しゃべりながら打つタイプの人間なので」

兄「そ、そうかそうか」

妹「兄さん? いつもなら「そっちのほうが引くわ」とか「ボッチなんですねわかります」とか言いません?」

兄「そんなことないぞ。俺は優しいからな」

妹「なんだか調子が狂いますね」

兄(言えない、そのスレッドに俺も妹のパンツうpしたなんて言えない……)

続き

妹「とはいえ、もしかしたら面白い画像も乗っているかもしれませんし、jpgは全部チェックしましょう」

兄「妹よ、そろそろPCを使いたいんだが」

妹「まだ交代してから10分しか経っていませんよ?」

兄「交代しないと妹の秘密を妹友におしえちゃうぞ」

妹「別に知られて困る秘密はありません」

兄「いいや、あるね」

妹「なんですか?」

兄「この間、俺のエロ漫画を読みながら一人で……」

妹「し、仕方ありません。交代します」

兄(よしっ!)

妹「まだですか?」

兄「まだだ」

兄(スレが落ちるか画像が消えるまでは死守せねば)

妹「……兄さん、暇です」

兄「なら遊びにでも行けばどうだ?」

妹「妹友ちゃんの家は遠いです」

兄「歩いて10分の距離だろ」

妹「車なら2分です」

兄「送らんぞ」

妹「……兄さんはけちです」

兄(画像が消えたようだ)

妹「……」ごろごろ

兄「もう変わってもいいぞ」

妹「やっとですか」

兄「おう、存分にネットの海を泳げ」

妹「VIPにおぼれてきます」

兄「……」

妹「……え?」

兄「どうした?」

妹「いえ、さっきのスレに「おまえもうpしたくせに何言ってるんだよwww」って書き込みが……」

兄(し、しまったああああ!!!)

ナツユメナギサにそんなヒロインいたな

妹「つまり、私の下着を勝手に写真に収めてインターネットという凶悪な世界に上げたんですね」

兄「はい、そうです」

妹「言い残すことは?」

兄「出来心でした」

妹「しんでください」

兄「まだ死にたくないです」

妹「いいから死んでください」

兄「断ります」


飽きた寝る

      r―v‐ァ、
     〃\人/ヽ
    l{ il。从Vi}" /~つ

    从(l| 々゚ノl|| l l
    ノ,'と)条iつ / /
 (~ヽ_ノ l-、ヽ ヽ"二ヽ   「ひくわー」

  丶_ノノ ノヽヽ、丶 丶ヽ
     / /'  ) )`J  し'
     し'  (_/ 


こうですか?わかりません><


妹「それからさー、もう話しかけてこないでね」

兄「は?」

妹「は? じゃないし」

妹「こんなもの持ってる人ともう二度と話したくもないから」

兄「くっ……」

妹「妹ものばっかとか、マジしゃれにならないし」

兄「……」

妹「ここまで言われて黙ってるとか……だっさっ」

妹「引くわー」


兄「……」

妹「……っ」

兄「……」

妹「……ホント引くっ」バタンッ

兄「……」

 廊下

妹「……」

妹「マジなにも言ってこないし」

 エロゲのパッケージを見ながら

妹「……きもっ」

妹「……」

妹「こんなのただの絵じゃん」

妹「……」

妹「……ふんっ」

 リビング

母「ねぇねぇ、あなた、妹ね、またテストで満点取ったのよ」

父「ほう、本当か? 妹は偉いなぁ」

妹「あはは、ありがと」

兄「……」

父「なにか好きなもの買ってやろう、何が良い?」

妹「あー……服かなぁ、今、丁度欲しい服があるの」

母「そうなの?」

妹「超かわいいだよ。前から欲しかったんだぁ」チラッ

兄「……」

母「ねぇ、あなた、買ってあげましょう?」

父「ああ、そうだな。これからも頑張るだぞ?」

妹「うん」

兄「……ごちそうさま」

妹「……」

 二階の廊下

兄「……」

妹「あのさー」

兄「……」

妹「無視すんなっ」

兄「……」

妹「お母さんたちにあのこと言ってもいいわけ!」

兄「ぐっ……」

兄「……」クルッ

妹「最初からそうしろっての」


兄「な、なんだよ」

妹「わたしさー、テストで満点取ったんだよねぇ」

兄「……」

兄「だから、なんだよ、自慢か?」

妹「……っ」

妹「……べっつに」

兄「なんだよ、それ……もう行くから」

妹「ちょっ……エロゲ」

兄「っ」

妹「フツーさ……」

妹「妹が頑張ったんだから、なんかご褒美があってもおかしくなくない?」


兄「なにが言いたいんだよ」

妹「……っ」

妹「察し悪過ぎ……引く」

兄「なんなんだよっ、さっきから」

妹「……欲しい服があるから買って」

兄「はっ?」

妹「だから! 欲しい服があるから買えって言ったのっ」

妹「一度で聞きとれっての……」

兄「な、なんで俺がっ」

妹「当然でしょ、妹が頑張ったんだから兄がご褒美をあげるって」

兄「……俺に褒めてほしいのか? お前」

妹「はぁ!? な、無いからっ。なにキモイこと言ってのっ」

兄「……」


兄「大体、お前親に買ってもらうんじゃなかったのかよ」

妹「……っ」

妹「……断った」

兄「はぁ? なんでだよ」

妹「……っ」

妹「……うっざ」

兄「なっ」

妹「お母さんとかお父さんにはもう何度も買ってもらったし」

妹「流石にまた買ってもらうの忍びない」

兄「じゃ、じゃあ、我慢しろよ」

妹「……っ」

妹「うっさい、今欲しいのっ」

妹「だから、買って」


出かけるわ

飯買いにコンビニ行こうと思ったんだが


兄「じ、自分の小遣いで買えばいいだろっ」

妹「……エロゲ」

兄「……っ」

兄「俺がその脅しに何度も従うと」

妹「いもうともののエロゲー」

兄「……わかった」

兄「買えばいいんだろっ? 買えばっ」

妹「最初からそう言えっつーの」

兄「……」

妹「じゃあ、今週の日曜日の昼ぐらいから行くから」

兄「ちょ、ちょっと、待てよ。一緒に買いにいくのか?」

妹「当然でしょ? あんたひとりで行って判るの?」

兄「いや、わからん……けど」


妹「なら、仕方ないじゃん。ホントーは嫌だけど」

妹「仕方ないから一緒に行ってあげる。感謝してよ」

兄「い、いや、俺はてっきり、金だけ渡すだけかと」

妹「……っ」

兄「てか、そうすれば良くね? お前だって俺と行きたくないんだろ?」

妹「そ、そんなの駄目」

兄「なんでだよ……別に服買わないとは言ってないぞ」

妹「そ、そんなのわたしにご褒美あげてる感じじゃない」

兄「なんだ、それ……ちゃんと服買うんだから、ご褒美やってるだろ」

妹「いいからっ……日曜日、昼から1時くらいから行くから!」

妹「わかったっ?」

兄「あ、ああ」

妹「……あ、あっそ」テテテテ

妹「……」バタンッ

 当日日曜日

母「どうしたの? そんなにおめかしして」

妹「へ!? べ、別に……フツーだと思うけど」

母「……」

妹「な、なに?」

母「か・れ・し?」

妹「違っ! 違うから!」

母「大丈夫、お父さんには内緒にしてあげるから」

妹「も、もぉ、違うって言ってるでしょ、お母さん」テテテテ

母「くす……あの子も彼氏が出来る年頃かぁ」

 兄の部屋前

妹「……」

妹「……」ソワソワ

妹「あ、あいつ、まだ起きないとかありえない」

 パカッ 携帯開ける

妹「……もう十時だし」

妹「フツー女の子と出かける時って早起きして身支度を整えるもんじゃないの? 男って」

妹「あいつ絶対モテない」

妹「……ま、まぁ、当然よね」

妹「……」

妹「……あいつ彼女居るのかな」

俺「フヒヒwwwww」



俺「引くわ」


妹「……」

 ガチャッ

兄「ふぁ……」

妹「っ」

兄「あれ……なにやってのお前」

妹「遅いっ」

兄「はっ?」

妹「いつまで寝てんの? ありえないんですけど」

 カパッ

妹「見て、もう十時十三分っ」

兄「え……昼からだろ?」

妹「……っ」


妹「身支度は早くするべきでしょっ」

妹「そ、それに……女の子と一緒に出かけるんだから」

妹「フツーもっと早く……その起きるっていうか、起きてしまうっていうか」

兄「ごめん、ちょっと、まだ眠気が……顔洗ってくる」

妹「……っ」

妹「さっさと支度しろっ、このグズっ」

兄「な、なに怒って」

妹「……ふんっ」バタンッ


兄「あいつ、なに怒ってたんだ」

兄「……まぁ、いいか」

兄「……」トントントン

母「あら、起きたの」

兄「あ、うん」

母「オカズはフライパンの中入ってるから」

母「温めて食べなさいよ」

兄「了解」

 ――

兄「……」モグモグ

妹「……」ギィ

兄「……」モグモグ

妹「……遅いっ」


兄「は?」

妹「なにのそのそごはん食べてんの? もっと早く食べなさいよっ」

兄「い、いや、昼からだろ? 一時からだよな?」

妹「……っ」

妹「……やっぱやめた」

兄「なにが?」

妹「昼一時じゃなくて、十一時に家を出るっ」

兄「はぁ!? 後、三十分しかないじゃんっ」

妹「もう決めたから」

兄「なっ……ふざけるのも」

妹「エロゲー」

兄「……っ」

兄「はぐはぐはぐっ」

妹「最初からそうすれば良かったのよ」

妹「……ばーか」

腹減ったコンビニ行ってくる


兄「……なんか無駄に疲れた」

妹「そんなのあんたがのそのそしてるからじゃん」

妹「そんなことよりさっさと行くよ」

兄「ちょ、ちょっと待てって」

 ガチャッ

近くのコンビニ弁当無さ過ぎ

 ショッピングモール

妹「これとか似合わない?」

兄「……似合うんじゃね」

妹「……」

妹「あんたさー、ちゃんと買う気あるの?」

兄「あるよ。でも、服を選ぶのを手伝うとは言ってない」

妹「……なにそれ」

兄「俺、そういうのわかねーし、それに欲しい服が元々あったじゃないのかよ」

妹「……っ」

妹「そ、それは……」


兄「そうだよ、それを買いに来たんだし」

妹「……め、目移りしちゃうことだってあるでしょ」

妹「大体、すぐ買っちゃうと楽しめないじゃん」

兄「俺は早く帰りたい……」

妹「……っ」

妹「……うっざ」

兄「うざって……お前、こっちはお前に」

妹「っさいなぁ」

妹「女とデートもしたこともない癖に」

兄「……っ」

兄「そ、それは関係ないだろ」

妹「……」


妹「ぷっ……今時、高校生にもなって女とデートしたことないとか」

兄「……お、お前はあるのかよ」

兄「ないんだろ? どうせ。ほら、お前だって一緒じゃねぇか」

妹「……」

兄「だったら、偉そうに言う」

妹「あるよ」

兄「は?」

妹「あるに決まってるじゃん」

兄「ほ、ホントに……?」

妹「……嘘だと思う?」

兄「……い、いや」

妹「……」

妹「まぁ、ホントか嘘かはご想像にお任せする」

兄「な、なんだよそれ」

妹「なんだろうね」


妹「これ」

兄「は……?」

妹「これが買いたかった奴」

兄「あ、ああ」

妹「……どうかした?」

兄「あ、いや……買ってくる」テテテテ

妹「……」

妹「……なにあいつ」

 帰り道

妹「……」

兄「ご機嫌だな」

妹「……っ」

妹「別に」

兄「……」

妹「あんたは不機嫌そうね」

兄「……別に」

妹「……」

妹「……そんなに嫌だったわけ」

兄「は?」

妹「……」

兄「……」

 帰宅

兄「……」

妹「……」

兄「……」

妹「……折角」

兄「ん?」

妹「……もういい」

妹「……」トントントン

兄「ありがとうも無しかよ」

兄「……はぁ」

兄「なんでもやもやするんだ」

 妹の部屋

妹「……」バタンッ

妹「……最悪」

妹「……」ストンッ 紙袋を床に落とす

妹「……」バフッ ベッドの上

妹「あんなに露骨に嫌そうな顔しなくたって……」

妹「……」

妹「寝よ」

 夜――リビング

父「今日は焼き肉だぞ」

母「お肉今日安かったの。いっぱい食べなさい」

兄「……」

妹「……」

父「どうした? ふたりとも」

母「……なにかあったの?」

兄「……」

妹「ううん、別に。なにもないよ? それより、食べよ?」


父「そうだな、よし、まずタンから」

母「タレは塩ダレと焼き肉のタレどっちが良い?」

妹「あ、わたし、塩で」

兄「……焼き肉」

妹「……」

妹「……いつもは塩ダレの癖に」ボソ

兄「……」

 兄の部屋

兄「別に避けてるつもりはないんだけどなぁ」

兄「つか、いつも通りだよな」

兄「あいつ、いつもは俺のこと居ないみたいな感じだし」

兄「それがなんでこんなにも居心地の悪く感じるだ」

兄「……はぁ、寝るか」

 翌朝――二階階段前

兄「……」

妹「……」

兄「よ、よぉ」

妹「……」

兄「無視かよ(いつものことだけど)」

妹「昨日……」

兄「……あ?」

妹「そんなにわたしと一緒に買い物行ったの嫌だった?」

兄「は?」

妹「……っ」

妹「……」トントントン

兄「お、おいっ」

 妹――教室

妹「……」

妹友「おっ、なんか機嫌悪そうだね」

妹「べつに」

妹友「相変わらずクールだねっ」

妹「そういうわけでもないけど」

妹友「なんか悩んでる? 相談乗るよ?」ガシッ

妹「……」

妹友「……」ニギニギ

妹「……もうすぐチャイムなるんだけど?」


妹友「だから?」ニコニコ

妹「……話さないと放さないってわけ」

妹友「うまいねぇ、でも、そんなんじゃあ、放さないよ」ニギニギ

妹「わかった。話す。話すから、後でね」

妹友「話さなかったら、家までついていくんでよろ~」

妹「うわぁ……うっざ」


妹友「なるほどねぇ」

妹「……」

妹友「妹ってさー」

妹「なに」

妹友「お兄さんのこと好きなの?」

妹「は、はぁ!? そ、そんなわけないでしょっ!」

妹友「……」

妹「な、なによ」

妹友「……」

妹「疑ってるわけ? 無いから、絶対」

妹友「……」

妹「妹友?」

妹友「ご、ごめん、なんか妹がこんなにも取り乱した姿初めて見たから」

妹「と、取り乱してないからっ」

妹友「……あ、うん」


妹友「でも、いつもの妹なら……」

妹友「別に好きでもないけど、わたしと一緒に買い物行って不機嫌な顔されるのは不愉快」

妹友「みたいなことを淡々と話すから……改めてその反応が意外っていうか」

妹「……今もそんな感じだった」

妹友「い、いや、今さっきのは全然」

妹「貸した500円、あー、他にもあったよね、今までのを合計するとえっと3600円」

妹友「うんっ、いつも通りでした」

妹「……」

妹友「じゃあさ、じゃあさ、今日、妹の家に遊び行って良い?」

妹「はぁ? い、いきなりなんで」

妹友「えー、気になるもん、お兄さん」


バイト行ってくる落としていいです

画面「引いて下さい。既に結果は見えています」

妹「無理っぽいから引いていいよな?」

兄「駄目、今日中に1ルートクリアしろ」

画面「・・・・期待した私が馬鹿だったか」

兄「期待した俺が馬鹿―――」

妹「こいつ殴りたい」

兄「くっ…!この扉いくら押しても開かない…」

兄「閉じこめられたか…」

妹「引くわ」

兄「じゃあ俺も引く」

妹「えっ、じゃあどうぞ…?」

兄「いえいえ、妹が引いてください」

妹「えっ、あ、じゃあ引きま…す?」

お前らどんな妹がいいのよ

妹「兄貴まだ彼女いないの?」

兄「いないのではない、作らないのだ」

妹「作れないの間違いでしょw」

兄「(;´д⊂)」

妹「ボクが彼女になってあげようか?」

兄「はいはい、お断りします(^ω^)」

妹「明日デートしよう、デート♪」

兄「お断りします(;^ω^)」

妹「兄貴の彼女は新しいバッシュをプレゼントして欲しそうにしている!」

兄「お断「している!」す…わかったわかった」

妹「いえーい!じゃあこれはお礼♪」チュッ

なんか書いてて欝んなってきた


妹友「いいでしょ? 妹の家で遊んだことないし」

妹友「いつも外で遊んでるし」

妹「それを言うならあんたん家にも遊びに行ってないんだけど」

妹友「ウチは絶対無理だぁ、おっさんがうざいから」

妹「はいはい、お父さんのことおっさんって呼ぶの相変わらずだよね」

妹友「べつにそうでもないけどなぁ」

妹「え? 今、そう呼んでたじゃん」

妹友「家ではおじさんって呼んでるよ」

妹「……お父さんって呼んであげなよ」


妹友「やだよーあんな奴、キモいしウザいし、父さんなんて認めたくない」

妹「……可哀想」

妹友「妹が特別なんだって……まぁ、私のところも特別ではあるけど」

妹「そうかなぁ、まぁ、いいや。そろそろ休み時間も終わるし」

妹友「そうやって逃げようとしたって無駄だから。ストーキングするよ?」

妹「怖っ……わかった。来ればいいでしょっ」

妹友「そうさせてもらうわ」

妹「はぁ……」


妹友「あ、そうだ。奈々連れて行っていい?」

妹「あぁ、奈々ちゃんね。うん、いいよ」

妹「あんたと遊ぶ時は大抵奈々ちゃんついてくるの判ってたし」

妹「前から思ってたけど、妹友って重度のシスコンだよね、あんた」

妹友「否定できない。だって、奈々超かわいいだよぉ、奈々と結婚したいくらい」

妹「……はは、重症」

 家前

妹「……」

妹友「ここが妹の家かぁー、へー」

奈々「ここが妹おねえちゃんのいえなんだね」

妹「……早く中に入ろう」

妹友「うんうん、入ろう、入ろう」

奈々「はいろう、はいろう」

妹「はぁ……気が重い」

妹「ただいまー」ガチャッ

妹友「お邪魔しまーす」

奈々「おじゃまします」


妹「あれ? お母さん居ないのかな?」

妹「まぁ、わたしの部屋に行こう」

妹友「あ、うん」

奈々「んっしょ……」

妹友「ほら、奈々脱がしてあげる」

奈々「うん、おねえちゃん」

妹友「いいこね」ヌギヌギ

妹「か、かわいい、奈々ちゃん」

妹友「当然、だって奈々だし」

奈々「妹おねえちゃんもかわいいよぉ」

妹「嬉しいっ、ありがとね、奈々ちゃんっ」


妹「あぁーこんな妹欲しかったなぁ」

妹友「妹にはお兄さんが居るじゃん」

妹「……いらない、あんな奴」

妹友「またまたぁー、一緒に買い物行って不機嫌そうな顔されたって悩んで」

妹「3600円だったかなぁ」

妹友「うんっ、奈々、お行儀良くするんだよ?」

奈々「はーい」

妹「じゃあ、二階上がろうか」

 玄関

 ガチャッ

兄「ただいま」

兄「ん?」

兄「あれ? 妹以外の靴?」

兄「あいつ、ダチ連れてきてんのか?」

 ドタドタ

兄「ん?」

妹「ちょっ――待ちなさいよ!」

兄「妹?」

 ドタドタ

妹友「あ、この人かっ!」

兄「……誰?」


妹「ちょっと、待てって言って――」

妹「……っ」

兄「……」

妹友「……(わー……急に空気が重たくなった気が)」

 トタトタトタ

奈々「お、おねちゃん、まってよぉー」

 トタトタトタ

奈々「……だれ?」

兄「……(また知らないちびっこが……てか、こっちの台詞だよ)」


妹友「こんにちわ、初めまして、妹のクラスメートの妹友って言います」

兄「あ、うん、初めまして、妹の兄です(友達か)」

妹「……もっと気の利いたこと言えないわけ?」

兄「なっ……(事前知っていたならともかく、こんな急に来られて言えるかよ)」

妹友「あ、それから……この娘、私の妹の奈々です」

兄「は、はぁ……」

奈々「ナナです。よろしくおねがいします」ペコ

兄「こ、これはどうも、妹の兄です。よ、よろしくね」

奈々「よろしくです」ニコッ

兄「……」キュンッ

兄「(な、なんだ……この胸を締め付けられるこの感覚! これがまさかこ――)」

妹「きもっ……なにニヤニヤしてんの」

兄「……」イラッ


兄「ま、まぁ、ふたりともゆっくりして行ってね」

妹友「お兄さんっ」

兄「ん?」

妹「妹友!」

兄「なにかな?」

妹友「良かったら一緒に遊びません?」

兄「え?」

妹「はぁ!? な、なに言ってんの、あんた!」

妹友「遊びましょうよっ」

兄「い、いや……(流石に女子に混ざって遊ぶのは……)」


奈々「?? ……あそばないんですか?」シュン

兄「ぐっ……(その顔は反則だろっ)」

妹「あ、あんた、まさか、遊ぶって言うつもりじゃないでしょうね」

兄「あ、ああ、そんなつもり……」

奈々「……」ウルウル

兄「……っ」

妹友「いいんですかー? こんな幼い子泣かして」ニヤニヤ

兄「ぐっ」

妹「ちょっとわかってんでしょうね?」

奈々「……」ウルウル

奈々「……」ウルウル

兄「遊びます……」


妹「あ、あんた、なに言って」

妹友「はいはい、責めない責めない」

妹友「仕方ないよ。奈々のウルウル攻撃だし」

妹「……あんた仕組んでたでしょ」

妹友「なんのこと? わからないねー奈々」

奈々「あ、はい。男の人に会ったら」

奈々「その人のこと見ながら、かなしそうな顔しろって言われました」

妹友「な、奈々!」

妹「妹友……あんた」

妹友「と、とにかく一緒に遊びましょう、お兄さん」

 リビング――ゲーム

妹友「つ、強い」

兄「い、いや、俺とかは慣れてるからね」

妹友「そ、そうですよねー」

奈々「おねえちゃんが弱いだけです」

兄「……」

妹友「……」

妹「……ふんっ」


妹友「一緒に遊ぼうよ、妹」

妹「あいつが居なくなったらね」

妹友「まったく、またそんなこと言って」

妹友「素直に――お兄ちゃん好きって言えばいいのに」クスッ

妹「……っ」

妹「……」ダンッ

奈々「……」ビクッ

兄「お、おい」


妹「……」スタスタ

兄「どこ行くんだよっ」

妹「トイレっ」

兄「あ、ああ……」

奈々「……」

妹友「奈々」

奈々「おねえちゃん」

妹友「大丈夫だから」ナデナデ

妹友「意地張っちゃって」

妹友「……馬っ鹿みたい」

 夕方

妹友「今日はとっても楽しかったです」

兄「あ、うん、俺も楽しかったよ」

妹友「奈々も楽しかったよねー?」

奈々「はいっ、おにいちゃん、楽しかったです」ニコニコ

兄「うん、良かった」ニコッ

妹友「……」

妹友「お兄さんって優しいですね」

兄「そう、かな?」

妹友「優しいですよ。奈々がこんなにも懐いてますし」

兄「はは、奈々ちゃんは人懐っこいし」

妹友「……そうでもないです」

兄「……(今、すっごい暗い顔してたな)」


兄「あっ、それと、今日は妹がごめんね」

兄「あいつ……俺と一緒になると不機嫌になるから」

妹友「はは、照れてるんですよ」

兄「い、いや、それは無い」

妹友「えー、そんなことないですよ」

妹友「今、あの娘居ないんで言いますけど、あの娘、お兄さんのこと大好きですよ」

妹友「いつか告白されちゃうかもですよ?」

兄「……はは(なに言ってるんだこの娘)」

兄「ていうか、あいつ、彼氏居るっぽいからそれは無いと思うよ(兄妹だから絶対ありえないけど)」

妹友「は? 彼氏?」

兄「え? 知らない?」

妹友「あの娘に彼氏なんていませんよ? ていうか、付き合ったこともないですよ」


兄「な、なんで知ってるの?」

妹友「親友なんで」

兄「……(真顔で言ってるよ、この娘)」

兄「……じゃあ、あれは(デートしたっていうのは)」

妹友「あれ?」

兄「あ、いや」

妹友「なんです? 教えてください」

兄「……」

妹友「奈々」

兄「わかった! わかったよ」

 ―――


妹友「なるほど」

兄「……」

妹友「大丈夫ですよ」

妹友「それ、売り言葉に買い言葉ですから」ニコッ

兄「……い、いや、別に俺はなんとも思ってないよ? そのことについて」

妹友「はいはい、兄妹揃って素直じゃないですね」

妹友「……じゃあ、そろそろ、おいとまします」

兄「あ、うん」

妹友「奈々、ごめんね」

奈々「あ、お話おわった?」

妹友「おわったよ? ごめんねぇ」

奈々「いいよ」

妹友「それでは、さようなら」

奈々「ばいばい」フリフリ

兄「うん、さよなら、バイバイ」フリフリ

 プルルル ピッ

妹友「はい、もしもし」

妹『今日はごめん』

妹友「いや、別にいいよ。私も強引だったしね」

妹『えっと、気をつけて帰って』

妹友「うん、奈々に代わるね」

妹『あ、うん』

妹友「奈々」

奈々「妹おねえちゃん? うん、うん」


妹友「……お兄さん、良い人だったなぁ」

妹友「やっぱり、兄妹か」

妹友「……」

妹友「……はは、屑の私がなにしようとしてるんだろうね」

妹友「……」

奈々「ばいばい――はい、おねえちゃん」

奈々「おねえちゃん?」

妹友「ん? あ、ありがとうね」

妹友「帰ろっか」

奈々「……」

奈々「……うん」

 夜中――

奈々「ひっぐ……ひっぐ」

妹友「っ!?」ガバッ

奈々「うぅっ……」

妹友「奈々!? どうしたの!?」

奈々「ひっぐ……お、と、お父さんがっ」

奈々「な、な、ナナはわるい子だって……ひっぐ」

奈々「たたいてきてぇ……ひっぐっ」

妹友「大丈夫……大丈夫よ。あいつは居ないから」

奈々「ほ、ほんとう?」

妹友「本当、ほらっ、涙拭いて?」

奈々「う、うん……ぐずっ」

妹友「大丈夫、おねえちゃんが一緒に寝てあげる」

奈々「うん、うん……」

 ―――

奈々「……」スースー

妹友「……」ホッ

妹友「……」

 窓から外を眺める

妹友「……っ」

妹友「あいつは……」

妹友「あいつは……ここに居なくても」

妹友「奈々を……奈々を傷つけるっ!」

妹友「なんで……なんでっ!?」

妹友「……っ」

妹友「……」

妹友「……」

寝ます。遅くまで付き合ってくれてサンクス
ほんとうどうしてこうなった…
なかなか期待に添えられなくてスマン

妹「引くわ」









妹「……Fish!!!!!」

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