ほむら「ハッピーエンドがあってもいいじゃない」(242)

◆◇◆◇

『ほむらちゃん、ごめんね 私、魔法少女になる』

『ごめん ホントにごめん これまでずっと、ずっとずっと、
 ほむらちゃんに守られて、望まれてきたから、今の私があるんだと思う』

『―― 希望を信じた魔法少女を、私は泣かせたくない 最後まで笑顔でいてほしい』



「ごめんなさい、まどか―― 私、この想いだけは譲れない―― 」

「まどかの決意を―― 本当にごめんなさい―― 」

「私が――  絶対に救ってみせるから――  」





―――――――――――――――― ガチャリ ――――――――――――――――

本編も大概ハッピーエンド

――病室――

ほむら(また戻ってきてしまった……)

ほむら(これ以上の因果をまどかに背負わせる訳にはいかない……)

ほむら(今までの私ではダメ)

ほむら(何がダメだったのか―― )

ほむら(どうすればよかったのか―― )

ほむら(鹿目まどかを救うためには―― )

ほむら(彼女なら、彼女だったらどう行動するか―― )

ほむら「……」

ほむら「いえ…… もう、やるべきことは決まっているわ」

なんどでも繰り返しすぎただろw

QB「異常なエントロピーを感知したと思ったら……」

QB「君は…… 魔法少女なのかい?」

ほむら(早速接触してきたわね……)

ほむら「えぇ…… あなたと契約を交わした、ね」

QB「そうなのかい? 僕は君と契約した記憶は持ち合わせていないんだけど―― 」

QB「いや…… 可能性としては…… うん、実に興味深い」

ほむら「用が済んだのなら、早々に消え去ることね、さもなくば―― 」

ほむら「体の代わりが無駄になるわよ」

QB「そこまで知っているのかい……」

QB「それじゃ、ボクはこれで…… 暁美ほむら」

ほむら「……あなたこそ私のこと、どこまで知ってるのかしら」

QB「……」スッ

ほむら「……」

ハッピーエンドの定義を帰ればおk

なんか前に見たことがあるようなないような

◆◇◆◇

――――ゲームセンター――――

ほむら(ここにはいないみたいね……)

ほむら(彼女が行きそうな場所―― )


――――ホテルの一室――――

ほむら(ここにもいない……)

ほむら(かつてのルートから鑑みるに―― )


――――見滝原橋――――

ほむら(たしか、橋の下のダンボール―― )

杏子「……♪」モグモグ

ほむら(いたわ…… 相変わらず健啖ね……)

杏子「ん…… なんだテメェ、さっきからガン飛ばしてきやがって」

ほむら「私の仲間になってほしいの」

杏子「あ゛ぁ 仲間だぁ~?」

杏子「最近の学生じゃ、そんな罰ゲームが流行ってるのか?
   不良や不審者にちょっかいかけて遊ぼうってのが、さ……」

杏子「あんまし舐めてると…… ぶっ潰すぞ?」

ほむら「いいえ、ふざけてなどいないわ……」

杏子「……」

ほむら「私と一緒に魔女と戦って欲しいの、佐倉杏子―― 」

杏子「!? あぁ、そうか―― 私の縄張りを荒らしに来たってわけか」

ほむら(そう簡単にはいかない……か)

杏子「場所を変えようか? ここじゃ人目につきそうだ」

ほむら「その必要はないわ」

やべぇ>>1さんすごい面白いっす(棒読み)

ほむら(大丈夫、彼女は友達想いの優しい子だから…… )

ほむら「わたしは、本当にあなたを仲間になりたいだけなの」シュッ

杏子「ソウルジェム…… 」パシッ

杏子「アンタ、これがどれほど大事なものかわかってるのか?」

ほむら「えぇ、私たちの命そのものよ……」

杏子「命か…… わかってんじゃねーか、私たちにとって魔法が全てだって」

杏子「そんな大事なものを、敵意剥き出しのアタシに渡すって、バカだろ アンタ」

ほむら「私に戦意は無い、それを信じて欲しかったの」

杏子「ふんっ、信用なんねーな…… 」シュッ

ほむら「……」パシッ

杏子「一体何が目的だ…… 共闘したってGSの取り分が減っちまうだけだろ?」

まど豚しね

しえん

ほむら「私は友達を助けたいの…… それには貴女の力が必要になる」

杏子「人助けって ハッ、何を言い出すかと持ったらこのバカは……」

杏子「魔法ってのはね、徹頭徹尾自分だけの望みを叶えるためのもんなんだよ」

ほむら「嘘…… 貴女は嘘をついている…… 悪いけれど、貴女のこと調べさせてもらったわ」

杏子「……本当にいけ好かねぇヤツだな そうかい、だったら知ってるんだろ?
   他人のために生きたってろくなことにならない―― 」

ほむら「それは痛いほど理解してるわ…… それでも、私はやり遂げたいの、
    この力が人を―― 彼女を幸せに出来るって……」

杏子「手に負えないバカだな……」

杏子「……」

ほむら「……」

杏子(あの頃、親父のために躍起になってた私も…… こんな感じだったのかな
   この力…… 魔法の力で、人を幸せにできる……、か)
   
杏子(だめだ…… 余計な事、思い出しちまった……)

あんこ可愛い

杏子「名前……」

ほむら「……」

杏子「だからっ、アンタの名前聞いてんだよ!」

ほむら「ほむら…… 暁美ほむらよ」

杏子「ほむら、か…… アンタには勿体無いほどいい名前じゃないか」

ほむら「…… 結局、仲間になってくれるの、くれないの?」

杏子「力を貸してやってもいい……」

杏子「だが、少しでも怪しい動きをしたら、いつでもぶっ潰すからな」

ほむら「ええ…… 貴女の協力が得れて嬉しいわ」

杏子「けっ、やりづれぇ相手だよ アンタ」

ほむら「褒められても困るわ……」ホムッ

杏子「本当にやり辛れぇ……」

確かに見たことあるな

杏子「……しかし、アンタの手札がまったく見えない状況で、信用しろといわれてもなぁ」

ほむら「……」スッ

杏子「なんだよ、手なんて突き出して 握手でもしようってのかい?」

ほむら「……」コクッ

杏子「はぁ、つくづくよくわかんねぇヤツだよ」ガシッ

――――ガチャン――――

杏子「…… なんだよこれ、テメェなにしやがっ―― 」

ほむら「これが私の魔法よ 時間停止
    あんまり長くは止められないのだけれど」

杏子(なんだよこのインチキ能力…… 差しでやりやって勝てるわけがねぇ……)

杏子(寝込みを襲うかなにかしないと、いつ私がヤられるかわかったもんじゃ――)

ほむら「誰もあなたを襲おうなんて考えてないわ 心配しないで」

杏子「エスパーかよ……」

前立てた時は規制で投下できなくなったんだっけ

ほむら「この能力はたしかに魔法少女相手なら非常に有効ね……」

   
杏子「わかったわかった お前は十分強いじゃねーか…… 
   それなら一人でもやっていけるだろ?」


ほむら「…… あと一月程で、この町にワルプルギスの夜が来る」

ほむら「アイツには私一人ではどうにもならない…… だからあなたの協力が必要なの」

杏子「……私の名前を知っていたり、ワルプルギスが来ることを知っていたり
   アンタ、本当に何者なんだ?」
   
ほむら「……」

ほむら「あなたになら、全部話したって構わない……」

杏子「えらく信用されてるんだな
   さっき会ったばっかりなのに……」」

ほむら「ええ、私が知っている魔法少女で、最も頼りになるのは貴女だもの」

杏子「……煽てたって、何もでねぇぞ?」

さやかとマミさんに比べたら
格段と頼りになるもんな

ほむら「こんなところで立ち話もなんだから、私の家に行きましょう
    そこで全てを話すわ」

杏子「あんたの家ねぇ…… 別に行ったって構わないけど―― 」

ほむら「夕飯、おごるわよ?」

杏子「乗った!」

ほむら(ちょろい……)ホムッ

杏子「おい、アンタ今笑ったろ!?
   ……別に飯に釣られて行くわけじゃないんだからな」

ほむら「なら、なんのために着いて来てくれるのかしら……
    私のため? やっぱり仲間思いなのね……」

杏子「な…… そんなわけねーだろ!」

ほむら「ええ、知ってるわ
    それじゃ、早く家に向かいましょう」
    
杏子(面倒くせぇヤツにつかまっちまったなぁ……)

支援

――――ほむホーム――――

杏子「おじゃまするよー」

ほむら「ええ、お邪魔されるわ」

杏子「なんか棘のある発言だな……」

杏子「それにしても…… 狭いな」

ほむら「学生の一人暮らしなんてこんなものよ」

杏子「そうなのか……」

ほむら「適当に座っててもらえるかしら
    お茶を用意するから」

杏子「わかった」

杏子(他人の家に御呼ばれなんて、初めてだから緊張する……)

ハッピーエンドになるにはまどかが犠牲になるしかないと思うの

>>25
それハッピーじゃないやないかーーーー

ほむら「おまたせ」コトッ

杏子「あぁ、ありがと……」

ほむら「……」ゴクゴク

杏子「……」ゴクゴク

杏子「……で、話してくれるんだろ? アンタのこと」

ほむら「そうね……」

ほむら「ねぇ、杏子」

杏子「なんだよ、改まって」

杏子(っつーか、名前で呼び捨てなんだな……)

ほむら「……私が未来から来たって言ったら……笑う?」

魔法なんて非現実なものを日常的に使ってる存在が時間跳躍を馬鹿にする資格はないよね

――――
杏子「…… 信じられねぇ」

杏子「キュゥべえたちの手のひらの上で転がされてだなんて……」

ほむら「……」

杏子「ってゆーかそれよりっ! 私たちはゾンビにされちまったって本当か!?」

ほむら「……」コクッ

杏子「キュゥべえ! 出て来いよ! 見てるんだろ、なぁ!?」

QB「どうしたんだい杏子? そんなに騒ぎ立てて」

杏子「アイツの言ったこと、全部本当なのか!?」

QB「君たちはいつもそうだね 事実を知るとさ、決まって同じ反応をする」

杏子「ははっ…… そりゃ、いいや ゾンビか……
   これで思う存分殺し合いができるじゃねーか」

杏子「いや? 死ぬ心配がないなら、緊張感がなくなっちまうよなぁ……」

ほむら「杏子…… あなた―― 」

みんなが幸せになるには
みんながで一斉にオナニーすればいいんじゃないかぁ

杏子「なんて言うとでも思ったか、この白い悪魔めっ!」ググッ

QB「杏子…… 僕を引っ張って遊ぶのはやめてくれないかな」

杏子「ひっでぇ契約詐欺だなぁ…… おい!」

QB「まったく、こっちは願いを叶えてあげているのに」

杏子「うるせぇ、この下衆野郎!」グチャ

ほむら「そいつを殺しても無駄よ……」

杏子「……わかってるよ」

QB「わかってるんなら、僕の体を無駄にしないでくれるかな 勿体無い」ギュップイ

杏子「……」イラッ

ほむら「あれのペースに乗せられてはダメよ……」

杏子「……そうだな」チッ

QB「用がないんだったら、僕は帰るよ?」

杏子「さっさと失せろ!」

QB「まったく、自分で呼び出したくせに……」ヒュッ

杏子「魔法少女が魔女になる……か」

杏子「まったく、夢も希望もありゃしねぇ」

ほむら「そうね……」

杏子「……ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃないか!」

ほむら「……」ビクッ

杏子「冗談だ……」

ほむら「驚かさないで……」

杏子「悪い……」

ほむら「……」

杏子「でも、この力を手に入れたから好き勝手できてるわけだし……」

杏子「それに……真実を知ったところで、何かが変わるわけでもない―― 」

ほむら「そうね……」

杏子「邪魔したな…… そろそろ帰るよ」

ほむら「……まだ夕ご飯、食べてないわよ」

杏子「そういえばそうだっけ? そういう約束だったな……」

ほむら「ちょっと待ってて」

杏子(何か手料理でも作ってくるのか?)

ほむら「……」ガサゴソ

ほむら「はいっ」

杏子「って、カロリー○イトかよっ!」ズビシッ

ほむら「チーズ味、嫌いだったかしら……
    チョコレート味も買い置きがあるわよ?」

杏子「そこじゃねぇ!」

ほむら「冗談よ…… 今夕飯を用意するから」

杏子「さっきの話の内容も全部冗談に思えてくるぜ……」ハァ

ほむら「はい、これ」トン

杏子「ミリ飯……」

杏子(さっきのよりグレードアップ? してるけど……)

ほむら「駐屯地より直輸入のレーションよ」ホムッ

杏子「……」

ほむら「おいしいわよ……
    海外での評判もいいんだから」

杏子「そりゃ、うん、まぁ…… 
   聞いたことくらいはあるけどさ……」

ほむら「いらないなら、あなたの分も食べるわよ?」

杏子「食うよっ!」

ほむら「そう……残念」

杏子「残念なのはこっちだよ!」

本編もかなりハッピーエンドだっただろ

少なくとも人類が滅亡したり
妹と魂レベルで融合するよりはハッピーエンド

――――
杏子「飯、ありがとな…… それじゃ、帰るわ」

ほむら「……ねぇ、折角だから泊まっていきなさいよ」

杏子「いや、そこまで世話になるわけに――」

ほむら「私は全然構わない…… むしろ近くに居てくれたほうが」
    何かあったときに、直ぐ対応できるから……」

杏子「そっか……」

杏子「じゃ、一緒にいてやるよ…… ひとり――」

ほむら「ぼっちはさみしんもんな でしょ?」

杏子「な…… なんで―― 」

ほむら「やっぱり、杏子は優しいね……」

杏子「う、うるせぇ バカ」カァァ

この杏子ちゃん美味しそうだね

ほむら「それじゃおやすみ」

杏子「おやすみ……」

杏子(一緒の布団に背中合わせって……どうしてこうなってんだ……)

杏子「なぁ……」

ほむら「……」

杏子「おい、起きてんだろ?」

ほむら「ほむら」

杏子「は?」

ほむら「私の名前」

杏子「名前で呼べってか?」

ほむら「……」

杏子「はいはい、わかったよ」

杏子「ほむら、質問してもいいか?」

ほむら「ええ……」

わくわく

杏子「キュゥべえの目的は分かった 魔法少女の仕組みについてもだ」

杏子「アンタは鹿目まどかっていうやつを助けるために、時間を跳躍している
   ここまでは理解できた あってるだろ?」

ほむら「ええそうよ…… 何度も絶望を繰り返したわ
    ワルプルギスの夜を、私一人では相手にできない……」

杏子「だから、他の魔法少女の力が必要で――
   なかでも、取り分け優秀な私に声をかけたと……」

ほむら「自分で優秀って言うと、なんだか間抜けね」

杏子「……その世界ではアタシと協力して戦わなかったのか?」

ほむら「私は、上手く立ち回れなかった……
    彼女を―― まどかを救うために盲目になりすぎたの」

ほむら「他の魔法少女たちと、いい関係が築けなかったの」

杏子「そっか…… そう簡単には、いかないよな……」

ほむら「……」

杏子「なぁ、ほむらの過ごしてきた時間だと……私はどうなったんだ?」

ほむら「死んだわ……」

杏子「……そっか そのアタシは間抜けだな」

ほむら「仲間を助けようとしてね……」

杏子「自分のためだけに生きてれば、何もかも自分のせいだ、
   誰を恨むこともないし、後悔なんてあるわけがない―― 」

杏子「それが私の信条だってのに…… その世界のアタシはバカだったんだな」

ほむら「ええ、仲間思いの大馬鹿ね。
    …… だからこそ―― 今回、私はあなたに協力を仰いだの」

杏子「それはそれは…… 恐悦至極だよ」ハァ

ほむら「頼りにしてるわ」

杏子「めんどくせぇー……」プイッ

ほむら「……」フフッ

――――
杏子(……しけた人生だったんだ、魔女になっちまうくらいなら、
   最後になにか…… ほむらの手助けをしてやっても構わない…… かな?)

ほむら(……友達って、こんな感じでいいのかしら?
    ちゃんと友達って呼べる人、まどかしか知らないもの……)

◆◇◆◇

数日程経過――

ほむら「ただいま」

杏子「おかえりー」

ほむら(あの後、杏子が居付いてしまった……
    ずっと静かな部屋だったのに、騒がしくなって―― )

杏子「飯作っておいたぞー、今日はジャガイモが安かったから―― 」

ほむら(杏子がうちの台所事情を考えてくれてるだなんて……)

杏子「あ…… 先にシャワー浴びるか?」

杏子「……それとも、ア タ シ ?」ニヤニヤ

ほむら「そうね…… じゃあ、先に布団を敷いてまっててくれるかしら」

杏子「おー、それじゃ―― 」

杏子「…… え?」

ほむら「今夜は寝かさないわよ?」

杏子「…… え!?」アセアセ

支援する

――――
杏子(どどどどどどどうしてこうなった……)

杏子(冗談で言ったつもりなのに……)

杏子(あぁ、落ち着かない……)

――――三十分経過

杏子(遅いな…… あれか、先にシャワーを浴びて準備を……)ボフッ

杏子(あ゛あ゛ぁ~…… この枕、ほむらの臭いがして余計に……)カアァ

――――さらに三十分経過

杏子(うぅ…… ほむら遅いな―― )

ほむら「あら、杏子まだ寝てなかったの? 今日は寝つきが悪いのね……」

杏子「…… え?」

ほむら「何? さっきの冗談信じてたの? 私、明日から転入することになってるから
    遅刻しちゃうとまずいし、もう寝るわね オヤスミ 」

杏子「わ、私の純情をもてあそびやがってぇ~」ユッサユッサ

ほむら「……」ホムーン

杏子「う゛うぅー 家出してやるぅー」グスッ

ほむほむかわいいよほむほむ

――――翌朝――――

ほむら「ん、おはよう杏子……」

ほむら「……? いない……」

ほむら「本当に家出しちゃったのかしら?」

ほむら「……」

ほむら「っと…… 転校初日から遅刻はまずいわね……」

ほむら「着替えて学校に行かないと」

――――学校――――

ほむら「暁美ほむらです よろしくお願いします」

さやか「んー? まどか、あの娘知ってるの? そんな熱視線送っちゃってさ」

まどか「う、ううん 知らないよ……」

さやか「転校生の方も、なんかまどかの方を見つめてる気が……」

ほむら「……」

ほむら(今度こそ…… あなたのこと、救って見せるから……)

――――
まどか「さやかちゃん…… 暁美さん、あんましクラスに馴染んでないね……」

さやか「お、まどかは転校生のことが気になって仕方が無いみたいだね?」

まどか「べ、別にそんなんじゃ…… ただ、なんとなく気になって……」

さやか「ふふん♪ そういうことなら、このさやか様にまかせなさいっ」

――――放課後――――

さやか「よっ、転校生! もう学校にはなれた?」

ほむら「……なんとかね」

まどか「え、と、暁美さん」

ほむら「……ほむらでいいわ」

まどか「ほむら……ちゃん」

さやか「じゃあさ、ほむら 今から予定ある?」

ほむら「別に……」

さやか「私たちと一緒に帰らない? 何ならこの辺のこと教えてあげるわ」

さやか「このさやか様に誘っていただけるなんて、光栄におもいなさいよねっ」

ほむら「……そうね ありがとう」

ほむら(できることなら、彼女とも良好な関係を築きたいわね……)

さやか「う、ボケにお礼を言われると照れるわね…… それじゃ、行こっか!」

まどか「仁美ちゃんは今日もお稽古なの?」

さやか「そうそう、私たち小市民と違って住む世界が違うからねぇ」

まどか「……? ねぇ、さやかちゃん あそこ…何か…」

さやか「なに、まどか? あ…… ホントだ……なんだろ、これ」

ほむら(まさか、魔女の結界……?)

ほむら「二人ともそれに触らな―― 」

キィィーン

――――――
―――


まどか「何ここ……」

さやか「気味悪い……」

ほむら(やっかいなことになったわね……)

ほむら「出口…… とにかく出口を探しましょう」

さやか「そ、そうね こんな場所に長居はしたくないし」

さやか「行こっ、まどか…… 怖かったら手握っててあげる」

まどか「うん……」ギュッ

ほむら(とにかく、魔女を倒して結界をどうにかしないと……)


――――――
まどか「きゃあああっ!」

さやか「何アレ…… 化け物!? 一体何なの!?」

ほむら「二人とも私から離れないで!」

ほむら(仕方ない、ここは私が―― )

追い付いた支援

マミ「そこの人たち、下がってて!」

マミ「散りゆく貴女に捧げます ゆっくり休みなさい―― 」バッ

『ティロ・フィナーレ!』ダンッ

魔女「ギィィア゛アアア゛ア゛ア゛」

――コトッ――

マミ「グリーフシードを回収成功っと」

ほむら(巴マミ……)

マミ「危ないところだったわね でも、もう大丈夫よ……
   あら、その制服……あなたたちも見滝原の生徒なのね?」

QB「お手柄だね マミ」

さやか「うわっ!? 猫がしゃべった?」

まどか「なにあれ…… ちょっとかわいいかも」

ほむら「全然かわいくないわ……」

マミ「三人とも、キュウべぇがみえるの!?」

QB(暁美ほむら…… それよりもあのピンクの髪の少女……
   やっぱり、彼女から凄い魔力を感じる―― )
   
マミ「魔法少女の資質をもった娘が三人もいるだなんて……

さやか「魔法少女?」

マミ「ええ…… ねぇ、三人とも、ちょっと話があるんだけど、いいかしら?」

まどか「はい大丈夫ですけど―― 」

しえん

――――マミの部屋――――

マミ「大雑把に説明したけど、理解できたかしら」

まどか「つまり、魔女を退治する魔法少女になる代わりに……」

さやか「どんな願い事でも一つだけ叶えられることができる……、と」

マミ「ええ、そういうこと 飲み込みが早くて助かるわ」

マミ「ねぇ…… 三人とも、魔法少女になる気は無いかしら?」

ほむら「ダメよ…… 二人を魔法少女にさせる気はないわ
    そんな不幸を背負うのは、私たちだけで十分……」

まどか「ほむらちゃん?」

さやか「私たちってまさか――」

ほむら「ええ、私も魔法少女よ」

ほむら「魔法少女なんて、絶対になってはダメ」

――――
QB「暁美ほむら 君の狙いは―― 」

マミ「……どうして今まで魔法少女だって黙っていたの?」

ほむら「二人を巻き込みたくなかったから…… ただそれだけよ
    本当にピンチになっていたら、私が二人を守っていたわ」
   
マミ「でも、キュゥべえに選ばれた以上、彼女たちも―― 」

ほむら「二人を魔法少女にすることは、私が許さないわ……
    奇跡の代償を、彼女たちに払わせるつもりはないの」キッ

さやか「ほむら……」

マミ「ごめんなさい…… 私、ずっと一人で戦ってきて―― 」

マミ「やっと仲間ができると思って、少しはしゃぎ過ぎたみたい……」

まどか「マミさん……」

マミ「そういうわけだから…… 二人とも、今日あったことは忘れて欲しいの
   あなたたちを危険な戦いに巻き込むわけには……いかないものね」

さやか「え、えーっと わかりました」

まどか「はい……」

マミ「よかったわ でも、この世には
   魔女みたいに危険な存在がいることを忘れないでね」

――――
まどか・さやか「今日は助けていただいて、ありがとうございました」

マミ「当然のことをしたまでよ」

ほむら「……巴さん」

マミ「何かしら?」
   
ほむら「仲間がほしいと言っていたけど……」

マミ「そうね……」

マミ「私は、グリーフシードを盗りあう魔法少女を見てきたから―― 
   既に魔法少女のあなたは、すぐには信用できないわ……」

ほむら「そうね…… それが懸命な判断だわ……」

マミ「ごめんなさい」

ほむら「私の方に敵意はないわ……
    彼女たちを魔法少女にしようだなんて考えない限り―― 」
    
ほむら「それじゃ」バタン

マミ「ええ、またね…… 暁美さん」

――――帰り道――――

さやか「しっかし、魔法少女かー そんなものがこの世界に存在しただなんてねぇ」

まどか「本当にびっくりだよ」

さやか「転校生で魔法少女―― なんて魅力的な存在なキャラなのかしらっ」

ほむら「でも、二人とも魔法少女になりたいなんて絶対に考えないで……」

まどか「うん…… たしかに願い事が一つ叶えられるのは素敵なことだけど
    あんな化け物と戦うなんて、やっぱり怖いかな……」

さやか「欲しい物もやりたい事もいっぱいあるけどさ、命懸けって所で、
    やっぱ引っ掛かっちゃうよね そうまでする程のもんじゃねーよなーって」

ほむら「それでいいの…… 運命を捻じ曲げてまで祈った願いなんて、
    不幸を振りまく元凶になりかねないから……」

まどか「……」

さやか「……」

さやか(何でも叶う―― 願い事か…… だったら、恭介の腕も治せるのかな……)

――――ほむほーむ――――

ほむら「ただいま」ガチャ

ほむら「杏子、ちょっと話したいことがあるんだけど……」

ほむら(…… まだ帰ってきてないみたいね)

ほむら「……」シーン

ほむら(彼女と住むようになってから、ずっと賑やかだったから
    こんなに静かな家は久しぶりね……)

ほむら「……」

ほむら「食事を用意して待ってようかしら……」

――――――
―――


ほむら「ご飯…… 冷めちゃった……」

ほむら(ずっと一人で戦ってきたのだから、今更一人なったって構わない……)

ほむら(ただ、ワルプルギスと戦うための戦力になってくれればそれでいい……)

ほむら(そう思っていたけど……)

ほむら「やっぱり、少し……寂しい、かな」グスッ

◆◇◆◇

――――学校――――

ほむら(杏子、朝になっても帰ってこなかった……)

さやか「おーっす、おはよーっ、ほむら~」

まどか「おはよう ほむらちゃん」

ほむら「おはよう 美樹さん、鹿目さん」

さやか「なんか堅いぞ~? 私のことはさやかって呼び捨ててくれて構わんっ」

まどか「わたしも、まどかでいいよ」

ほむら「…… おはよう まどか、さやか」

さやか「うんうん でも、まだちょーっと硬いかな?」

ほむら「そうかしら?」

さやか「んー、硬いって言うか暗い顔してるけど大丈夫?」

ほむら「大丈夫よ―― 」

ほむら(私、そんなに落ち込んでいるように見えているのかしら……)

さやか「もー、しっかりしてよー ほむらは見滝原を守る魔法―― 

まどか「わーっ! さやかちゃん、それはクラスのみんなにはナイショだよっ」

さやか「っとと、ごめんごめん」

仁美「みなさん、朝から仲がよろしいようで……」

まどか「あ、仁美ちゃんおはよー」

――――
仁美「さやかさん、今日の放課後お時間よろしいでしょうか?」

さやか「んー、今日はちょっちだめだわ……」

まどか「また上条君のとこ?」

さやか「うん…… アイツの好きそうなCDが手に入ってさ……」

仁美「……」

さやか「そういう訳だから、また今度ね…… ホントごめんっ」

仁美「いえ……、急ぎの用ではないので……」

ほむら(美樹さやか…… 彼女を救う方法はないのかしら……)

ほむら「上条君?」

さやか「ああ、ほむらは転校してきたばかりだから知らなくて当然だね……
    上条っていうのは私の幼馴染なんだけど―― 」

――――――
―――


さやか「ということで…… 私はアイツの見舞いに通っているといわけなのだよっ」

ほむら「ほむ……」

まどか(これって恋だよね? 仁美ちゃん)

仁美(え? ええ、そうですわね…… きっと……)

仁美(……)

――――放課後――――

まどか「んー、やっと授業が終わったよ~」

さやか「さてと、私はこれから病院に―― 」

ほむら「さやかさん、私も病院まで付き添っていいかしら?」

さやか「んん? さては、ほむら…… あたしの幼馴染に興味が沸いたのかにゃ?」

ほむら「ええそうね」

まどか「え!? ほんとうなの」

ほむら「冗談に決まっているでしょう……
    私、さやかさんと少しお話がしたいと思って」

さやか「なんと! ほむらの狙いは恭介じゃなくてあたしだったのかぁ!
    いやぁ~、美しいって……罪!」

まどか「もうー、さやかちゃんたら……」

まどか「だったら私も行こうかな…… 私もほむらちゃんとお話したいし」

さやか「んじゃ、皆で行こっか」

――――電車――――

まどか「仁美ちゃんも来れたらよかったのにね」

さやか「稽古があるんなら仕方じゃん?
    それに仁美も言ってたけど、あんまり大勢で押しかけても、ね?」

ほむら「そうね」

さやか「っで、あたしと話がしたいって言ってたけど―― 」

――――
ショウ「言い訳とかさせちゃダメっしょ稼いできた分は全額きっちり貢がせないと
    女って馬鹿だからさ ちょっと金持たせとくとすっぐ下らねぇことに使っちまうからねぇ」

ホスト「いや~ほんと女は人間扱いしちゃダメっすね
    犬かなんかだと思って躾けないとね アイツもそれで喜んでる訳だし

さやか「何あいつら……」

まどか「さやかちゃん、聞こえちゃうよ…… 絡まれたりしたら大変だよ」

ほむら「ええ、関わり合いにならないほうが身のためよ」

さやか「でもっ、 魔法少女はこの町の平和を守るために戦っているんでしょ!?
    だったら―― 」

ほむら「それとこれとは話は別よ……」

ほむら「あれが彼らなりの生き方なのよ……
    褒められたことじゃないとは思うけれど―― 」

さやか「そんなのって絶対おかしいっ」

ほむら「……だったら、あなたはどうなの?」

さやか「―― なんで、急にあたしの話になんのさっ」

ほむら「あなただって、頼まれもしていないくせに貢物を持っていくでしょう?」

さやか「ッ! ほむらっ、あんた―― 」

ショウ「なんだ? 中学生の喧嘩か?
    まったく、女って生き物は本当に醜いなぁ、おい」ギャハハ」

まどか「ほ、ほむらちゃん……さやかちゃんも……喧嘩はやめてよ!」

ほむら「私は喧嘩なんてするつもりはない……
    友人として忠告したかっただけ」

さやか「……なによ、昨日今日知り合っただけで、
    あたしと恭介のことなんか何にも知らないくせに!」

ほむら「ええ、知らないわよ でも、放っておけないの……
    このままの関係を続けていても、二人にとっていいことなんて何もないわ」
    
さやか「…… あたしは…… 恭介のことが……
    恭介のためじゃなくて…… 私が好きでやってるんだ……」

――――病院――――

さやか「さっきはごめん、怒鳴ったりしてさ……」

ほむら「謝らないで、私は怒ってなんかいないわ」」

さやか「そっか、でも……なんかごめん」

ほむら「……」

まどか「ほらほら、早く行かないと面会時間が勿体無いよ?」

さやか「そだね…… でもここから先はあたし一人で行ってもいいかな」

まどか「?」

さやか「ほむらにガツンといわれちゃってさ…… 考えたの
    自分の気持ちはっきりさせとこうと思って……」

ほむら「そう……」

まどか「えーっと?」

さやか「恭介に好きだって、伝えてくる」

まどか「――! さ、さやかちゃんファイトだよっ!」

さやか「ありがとっ、まどか 私行ってくるよ……」

ほむら(上手く…… いくといいのだけれど)

さるよけ

支援

――――病室――――

恭介「さやか…… 今日も来てくれたんだね」

さやか「うん……」

さやか「これ、恭介が好きそうなCD買ってきたんだ―― 」

恭介「……さやかは僕を苛めているのかい」

さやか「え……?」ビクッ

恭介「何で今でもまだ、僕に音楽なんか聴かせるんだ 嫌がらせのつもりなのか?」

さやか「だって恭介、音楽好きだし―― 」オロオロ

恭介「もう聴きたくなんかないんだよ!
   自分で弾けもしない曲、ただ聴いてるだけなんてっ」

恭介「……もう演奏は諦めろってさ 
   先生から直々に言われたよ 今の医学じゃ無理だって」

さやか「……あたし、恭介のためと思って―― 」

恭介「迷惑なんだっ! ずっと、優しくしてくれる君の気持ちを
   無下にすることなんて―― 」
   
恭介「でももうたくさんだっ! 放っておいてくれよ…… 僕の事なんか……」

紫煙

支援

さやか「放ってなんかおけないよ…… だって恭介は私の―― 」グスッ

恭介「幼馴染だから―― 」

さやか「そうじゃないの…… 私は、私は恭介のことが好きなの!」

恭介「!―― 」

さやか「ねぇ、恭介…… 私と付き合って―― 」

恭介「止めてくれよ……」

さやか「……恭介」

恭介「僕はさやかに何もしてあげられない…… 
   こんな腕じゃ…… さやかを抱きしめることもできないんだ」

さやか「それでもいい…… あたし、恭介の好きなCD見つけてもってくるから―― 
    だから一緒に聞こう…… ね?」

僕も支援

恭介「重いんだよ……」

さやか「……」

恭介「僕は自分の運命だって受け入れられないのに……
   さやかまで―― 」

さやか「そんなこと…… 私は恭介のこと大好きだよ?」

恭介「……ありがとう」

恭介「でもね…… これから先、君が高校へ進学して……新しい友達ができて――
   もしかしたら好きな人ができるかもしれない」
   
恭介「そうなったときに…… さやかはきっと、僕のことを振ることができない
   かわいそうな恭介を一人にできないってね……君は優しすぎるから」
   
さやか「恭介……」

恭介「だから…… さやかと付き合うことはできない
   僕のことは、もう忘れてくれよ」
   
恭介「さ、面会の時間は終わりだ…… さよなら、さやか」

さやか「う、うん…… いろいろとごめんね 恭介……」ガチャ

――――
まどか「あ、さやかちゃん……」

さやか「あはははは、だめだった…… ふられちった」テヘッ

さやか「へへへ…… エヘヘ……」グスッ

さやか「ほむらの言うとおり、あたし……
    ただの迷惑な女だったみたい……」ポロポロ

まどか「そんなことないよっ! さやかちゃんはとっても魅力的だよっ!」

さやか「う゛ー、まどかは優しいね~ いっそあたしの彼女しちゃいたいわ」

まどか「え!? そ、それは…… ちょっと……」

さやか「なにぃ~? あたし、まどかにもふられちゃったの!?
    ショックで死んじゃうわ……」ヨロッ

まどか「死ぬなんて簡単に言わないでよっ」

さやか「冗談だよ…… 冗談」アハハ

ほむら「なら…… あたしがさやかの彼女に立候補してあげるわ……」

さやか「マジですか!?」

ほむら「冗談に決まってるじゃない……」

このさやかちゃんはかわいい

――――
さやか「それじゃ、そろそろ帰ろっか」

まどか「うん」

ほむら「そうね……」

さやか「ん? あれ…… この前見たヤツに似てるような……」

まどか「魔女の結界……だっけ」

さやか「ここって病院じゃん! たしかマミさんが言ってたけど―― 」

QB「ああ、それなら心配ないよ」ヒョイ

ほむら「キュゥべえ……どういうことなの……」

QB「巴マミが退治に向かったからね…… 彼女の腕ならば問題ないよ」

まどか「……マミさんが戦ってるんなら安心だね」

さやか「そだね~ マミさん凄かったもんねぇ」

ほむら(胸騒ぎがする…… すぐに追いかけたほうが―― )

――――シャルロッテ空間――――

マミ(折角ほむらさんが一緒に戦ってくれるって申し出てくれたのに)バンバンバン

シャル「 ―― 」

マミ「どうして断っちゃったのかしら……」

マミ「疑り深い女だって…… 嫌われちゃったかもね……」ドムッドムッ

シャル「――」

マミ(今迄だって一人でやったこれたもの……)

マミ(私一人でも、この町を守っていける…… そう決めていたのだから――)

マミ「そろそろ終わりにしてあげるわ……」ティロ・フィナーレ

シャル「……」

シャル「――」クパァ

マミ「え……!?」

シャル「――」ガブッ

杏子「おおりゃああああああああああ」ズバッ

シャル「 ―― 」バタン

杏子「とどめっ!」

シャル「 ―― 」キュー

杏子「へへっ、これで結構な数のグリーフシードが集まったな……」

マミ「……」

杏子「おいっ、そこのヤツ いつまで呆けてんだ?」

マミ「あっ、私……」

杏子「この辺に腕利きの魔法少女が居るってのは知ってたんだけど、
   こんな間抜けなやつだったとはね……」

マミ「ちょっと油断して…… 普段ならこんなことは……」

杏子「度を越した優しさは甘さに繋がるし、蛮勇は油断になる―― 」

杏子「って、これは私の言葉じゃないけどな……」

マミ「と、ともかく 助けてくれてありがとう……」

支援支援

安定の聖女でした

――――
ほむら「心配だわ…… すぐに後を追って―― 」

まどか「あっ、結界が消えてく…… マミさんがやっつけたのかな?」

さやか「マミさ~ん ってあれ? もう一人誰か知らない子が―― 」

ほむら「杏子!」

杏子「あん? ほむらじゃん こんなとこで何やってんだ?」

ほむら「それはこっちの台詞…… 今までどこ行ってたのよ…… し――」

杏子「心配してくれてたのか?」ニヤニヤ

ほむら「べ、べつに…… ただ、あなたがワルプルギスの夜に恐れをなして
    逃げ出したのかと思っただけよ」
    
杏子「へいへい、私が心配で夜も眠れなかったと―― 」

ほむら「だっ、誰がそんなこと言って―― 」

さやか「もしもーし、全然話が見えないんですケド……
    夫婦漫才やってないで説明してよー」

◆◇◆◇

――――マミの部屋――――

さやか「私たちまで着いてきちゃったけど……」」

まどか「先日に引き続き、またお邪魔してしまってすいません」

マミ「構わないわ…… それより、さっきは助けてくれてありがとう えっと―― 」

杏子「佐倉杏子だ 杏子でいいよ」

マミ「そう…… 杏子さん ありがとう」

杏子「そうだな これで貸し一つってわけだ」

マミ「…… 何が目的なのかしら?」

ほむら「杏子……言葉は選びなさい それは私が説明するわ
    さやかやまどかにも聞いていほしい内容だから」

まどか「私たちにも?」

ほむら「ええ、魔法少女になって、上条君の腕を治したいなんて
    馬鹿なことを考えてるあなたにもね」

さやか「あはは…… なんだ、ばれてたか」

ほむら「ほんと、振られたって言うのに…… 馬鹿よ、あなたは…… 」

――――
マミ「信じられない…… 私たちはキュゥべえに騙されていたの?」

QB「騙してなんかいないよ 聞かれなかっただけさ」

マミ「そんなことって…… 私が、私たちが魔女になる卵だったなんて」

まどか「マミさん……」

ほむら「これが真実……」

マミ「私、この町を守るって張り切っちゃって……馬鹿みたい……」

さやか「そんなことないですよっ 私たちはマミさんに助けられたんだし―― 」

ほむら「あなたはこの力を正しいことに使ってきた……
    それはとても素晴らしい事だと、私は思うわ」

マミ「でも……」

杏子「まっ、元気出せよ! もし魔女になっちまったら、他人に迷惑がかかる前に
   アタシが一思いにグサッっとやってやるよ!」

さやか「あんたねぇ…… さっきも言われてたけど、言葉を選べないの?」

マミ「いいのよ、さやかさん…… 杏子さんもありがとう、励ましてくれて」

マミ「ほむらさん…… ワルプルギスの夜がもうすぐこの街に来るというのは――  」

ほむら「本当よ…… 放っておけば、被害は甚大なものになるわ」

マミ「それは見過ごせないわね 今更だけど、私も協力させてもらえないかしら?」

ほむら「歓迎するわ…… 杏子も、構わないわよね?」

杏子「いいんじゃねーのか? 戦力は一人でも多いほうがいい
   まっ、アタシとほむらの二人でも問題ないだろうけどさ」
   
ほむら「また強がりを言って…… 是非協力してほしいわ…… 巴マミ」

マミ「ありがとう…… それじゃ、魔法少女トリオの結成ってことで―― 」

杏子「……」グウゥ

杏子「わ、わりぃ……」カァァ

さやか「あっはっはっは、このタイミングでそれは無いんじゃないの?」

まどか「た、たしかにお腹すいたよねっ」

マミ「それじゃ、今晩は私の家で食べていかない?」

杏子「いいのかっ?」

マミ「でも、五人分の食材はちょっと――」

――――
杏子「というわけで買出し班、しゅっぱ~つ」ガチャ

まどか「それじゃ、行ってくるね」バタン

――――
ほむら「あの二人に任せて大丈夫だったかしら?」

さやか「まどかは押しに弱いからねー
    あの杏子って娘にいいように言い包められそう……」

ほむら「鍋の食材がお菓子で埋め尽くされそうね……」

マミ「明るい中で行うのに、闇鍋状態――The light in dark 鍋、
   名づけて……ライ(トイン)ダー(ク)鍋!」

さやか「ら、ライダー鍋?」

ほむら「ベルトやメダルが混入してそうね……」

さやか(ねぇ、ほむら…… マミさんのネーミングセンス、
    助けてくれたときも必殺技っぽいの叫んでたけど……)
    
ほむら(人には触れてはいけない領域があるの……分かって)

さやか(了解……)

支援

――――
まどか「ねぇ……杏子ちゃん」

杏子「んー? どうかしたのか?」

まどか「私でも、魔法少女になれるのかな……」

杏子「何でアンタが魔法少女になるのさ?
   さっきの話聞いてなかったのか? ゾンビになっちうまうんだぞ」

まどか「で、でも…… 私、何のとりえもなくって……
    街のために、みんなのために戦えるのなら―― 」

杏子「ナメんなよ。この仕事はね、誰にだって務まるもんじゃない」

杏子「毎日美味いもん食って、幸せ家族に囲まれて、
   そんな何不自由ない暮らしをしてる奴がさ、
   ただの気まぐれで魔法少女になろうとするんなら―― 」
   
杏子「そんなのアタシが許さない。いの一番にぶっ潰してやるさ」

杏子「命を危険に晒すってのはな、そうするしか他に仕方ない奴だけがやることさ
   そうじゃない奴が首を突っ込むのはただのお遊びだ おふざけだ」

まどか「あ……あの……その」シュン

杏子「わりぃ…… ちょっといいすぎちまった」

ほむ……

ほむっ!

杏子「……魔法少女になりたいなんて二度と言うなよ?」

まどか「うん……」

杏子(そうじゃなきゃ…… ほむらのやろうとしてることが
   全部無駄になっちまうじゃないか…… )
   
まどか「じゃ、じゃあさ 杏子ちゃんって私たちと同じ位の歳に見えるけど
    どこの中学に通ってるの?」

杏子「あぁ…… 私、学校行ってないし」

まどか「え!? そんなの絶対おかしいよ!」

杏子「そう言われてもなぁ…… いろいろあったんだよ……
   これでもずっと一人で暮らしてこれたんだし―― 」

まどか「……」

杏子「ま、今はほむらと一緒に暮らしてるから、
   前よりは楽しくやってるよ」

まどか「ほむらちゃんと一緒に?」

杏子「そうさ」

まどか「私とさやかちゃんみたいに仲良しなんだね」

杏子「いや…… 共同戦線っていうか、まあ要するにそういう仲なのさ
   友達とか、そーゆーんじゃ……ないんだと思うぜ?」

この画像の出番が来たようだな

まどか「んー、杏子ちゃんも一緒に学校に通えたらいいのにね……」

杏子「そーだなー あっ、でもアタシ勉強とかニガテだし」エヘヘ

まどか「それなら私たちが教えてあげるから問題ないよっ」

杏子「…… お、着いた着いた ここがダダマートだな」

まどか「はぐらかしたね……」

杏子「お菓子もたくさん買っていくかー
   割り勘にすれば沢山買えそうだなっ」
   
まどか「夕食の材料を買いに来たんだしょ?
    お菓子は一個までだよ 一個」

杏子「アンタは私の母親かよ……」

まどか「駄々をこねる子には、買ってあげないよー?」クスクス

杏子「わかったよ……
   なるべく高価で大量に入ってるヤツにしよう」

まどか「あははは…… 太っちゃうよ?」

杏子「いーんだよ その分、運動してカロリー消費するんだから」

杏子「ん? 消費するのはカロリーじゃなくて魔力か?」ウーン

まどか「それは私にもわからないかな……」

>>92
それはいいイリラー

あれ?まどほむだと思ったのに
まぁいいか

>>92
なにこれかわいい

ひだまりかよw

――――
マミ「これで準備はいいわね」

さやか「カセットボンベもまだまだ残りがありますねー」

マミ「一度もつかってなかったから……
   魔女退治のせいで、友達と遊ぶ時間もとれなくて―― 」

さやか「それって、寂しいですね……
    街の平和を守っているのはマミさんなのに」

マミ「別に感謝されるために戦っているわけじゃないのよ……
   でも、少しは虚しくなるときもあるわね」

さやか「それでも、あたしは―― 」

ほむら「上条恭介の腕を治したい?」

さやか「……」

マミ「さやかさん、あなたは彼に夢を叶えてほしいの?
   それとも彼の夢を叶えた恩人になりたいの?」

さやか「あ、あたしは……」

さやか「だって…… 何だって叶えられる願いなんだよ……
    今の医学じゃ、どう足掻いても無理なのに―― 」

ほむら「だからこそ、魔法になんて頼ってはダメ」

マミ「そうね…… 私の場合は、生きるために仕方が無かったけど――」

さやか「でも! 目の前に……恭介の腕を治す方法があるっていうのに、
    願わずにはいられない―― 」

ほむら「あなたの戦場は魔女と戦うことじゃなくて、
    アイツの誘惑に乗らないことよ……」

さやか「……」

マミ「それに……、今の医学でだめなのなら
   美樹さんが頑張って医者になればいいのよ」

ほむら「そうね…… 魔法少女の力に頼らずに、
    人としての夢を叶える……それが本来の正しいあり方よ……」

さやか「私が?…… 無理無理、私頭良くないし、
    それじゃ、いつ恭介の腕が治るのか全然解らないし―― 」

マミ「あらあら そんなに簡単に諦めちゃうの?」

ほむら「魔法で得た奇跡では、同量の不幸を振りまくことになる……
    それを忘れないで」

さやか「……」

コミュニケーション能力高いほむほむかっけぇ

杏子『おーい、帰ったぞー』

ほむら「……杏子、インターホンくらい鳴らしなさいよ
    小学生じゃあるまいし……」

まどか「ただいま戻りましたー」ガチャ

マミ「まどかさん、杏子さん、買出しご苦労様」

まどか「荷物はほとんど杏子ちゃんが持ってくれたんだよー」エヘヘ

杏子「か弱いお姫様に、力仕事は向いてないもんなー」

まどか「杏子ちゃん…… それってどういう意味?」

杏子「まぁまぁ」ニシシ

ほむら(あの二人……なんだか仲がいいわね……)

マミ「じゃ、私は野菜を洗って―― 」

さやか「マミさん、あたし手伝います」

マミ「ありがとう、さやかさん」

――グツグツグツ――

杏子「なぁ…… そろそろいいだろ」ソワソワ

マミ「そうね、それじゃ取り分けるからお皿を――」

――――
杏子「あちっ」ハフッハフッ

ほむら「もう…… 少しは落ち着いて食べなさいよ」モグモグ

さやか「あはは、杏子ってば馬鹿ねぇー  あつっ」

杏子「なんだよっ、さやかだって熱がってんじゃん」ゲラゲラ

まどか「なんだか賑やかで楽しいですね」

マミ「そうね…… 私の家がこんなに明るいのって
   きっと初めてだと思うわ」
   
杏子「肉ー肉ー♪」

さやか「ちょっと杏子! 肉ばっかり食べてないで、野菜も食べなさいよ!」

杏子「こいうもんは早いもの勝ちだぜ? さやかには早さが足りない」キリッ

まどか「もー、二人とも喧嘩しないで仲良くしてよー」

ほむら「まぁ……喧嘩するほど仲がいいっていうから大丈夫よ」

支援

――――
杏子「さて、雑炊の時間がやってまいりました」

さやか「何のナレーション?」

杏子「ここにカントリーマ○ムがあります」

マミ「まさか杏子さん……」

杏子「このお菓子……、オーブンで軽く暖めると非常に美味しい、
   つまり、鍋の中にいれてもきっと―― 」
   
まどか「杏子ちゃん、その理論はどう考えてもおかしいよ……」

杏子「……たとえば『地球温暖化』だ CO2排出量増加による地球温暖化は常識だろ? 
    そう、常識だ。いや、常識だと多くの人々が思っている」

マミ「杏子さん……何を言ってるの?」

杏子「だが、実はCO2 が地球温暖化の原因だという証拠は無いんだよ
   そもそも地球温暖化という現象は仮説に過ぎない そう主張する人も少なくない」
   
ほむら「杏子……一体何が言いたいの?」

早々に秘密バラしてみんな仲良くってタイプのSSはやっぱりいいな

ストパニだっけ?

やめろ
おいやめろ
やめるんだ杏子
今なら間に合う引き返せ
それだけはやめろ

杏子「ふっ、どうもアタシは口下手で困るよ つまり常識を疑えということだ 」

さやか「前振りながっ! ってか意味不明すぎ……」

ほむら「杏子……、あなたいつも食べ物は粗末にするなって言ってるわよね?」

杏子「……責任をもって私が食べるから」

ほむら「本当に? どんなに不味くても食べきれるというのかしら」

杏子「ぐぬぬ…… きっとおそらくたぶん大丈夫さ……」

杏子「カレー粉をぶちこめば大抵のものは食べられるように――」

マミ「……普通の雑炊にするわよ?」

まどか「異議なし!」
さやか「異議なし!」
ほむら「異議なし!」

杏子「遊び心が足りねぇ……
   こんなじゃ満足できねぇよ……」

――――
杏子「ふー、満足満足」

さやか「あんた、さっきと言ってることが違うわよ……」

まどか「今日はご馳走様でした」

マミ「いいえ、こちらこそ楽しかったわ」

さやか「また遊びに来てもいいですか?」

マミ「歓迎するわ」ニコッ

ほむら「それじゃ、帰るわよ杏子」

杏子「おー、私は学校じゃ合えないから、
   また魔女退治のときになー マミ」

マミ「ええ、さよなら またね」

――――
ほむら「それじゃ、私たちはこっちだから」

まどか「はい、ほむらちゃん、杏子ちゃん、またねっ」

杏子「おー、二人ともQBと魔女には気をつけろよー」

さやか「はいはい、あんたらも気をつけて帰りなさいよ」

――――
まどか「なんだか今日一日でいろんなことがあったね」

さやか「本当……、なんかいろいろありすぎて、
    失恋の傷心にも浸れなかったわ」

まどか「さやかちゃん……」

さやか「辛いって言ったら嘘になるけど……
    正面から告白して振られたんだし、仕方ないって思えるから……」

まどか「うん……」

さやか「魔法少女になるってことも、諦める
    私は私の力で夢を叶えようと思うから」
    
さやか「だから、まどかも魔法少女になろうなんて考えちゃだめだよ?」

まどか「約束するよ 私も絶対に魔法少女にはならない」

さやか「よしっ、私たちは私たちのできる範囲でさ、
    マミさんやほむらや杏子のこと支えていこう!」

まどか「うんっ!」

――――
杏子「たっだいまー」

ほむら「はい、お帰りなさい…… って、いつから貴女の家になったのよ」

杏子「細かいことはきにすんなよっ」エヘヘ

ほむら「細かいって……」

ほむら「そういえば杏子、あなたどこに行ってたのよ?」

杏子「ん? あぁ、ほむらが心配で夜も眠れなかった話か?

ほむら「違う……」

杏子「冗談冗談、ちょっと魔女狩りにさ ほらこれ」ゴロッ

ほむら「グリーフシードがたくさん……これを集めていたの?」

杏子「まぁな…… これでワルプルギスの夜と戦うときに万全な戦略が練られるだろ?」

ほむら「あなた……」

杏子「へへっ、あたしが本気を出せば、こんなもん楽勝だったぜ」

ほむら「本当にありがとう……杏子」

杏子「礼なら、ワルプルギスの夜を倒してからにしろよな……」

ほむら「でも……本当にありがとう……」

杏子「ったく……こんなに素直だったか、お前?」

ほむら「あなたこそ……

杏子「……」

ほむら「……」

杏子「絶対に勝とうな……」

ほむら「ええ、もちろんよ……」


――――
ほむら(なんだか上手く行き過ぎてる気がするわ……)

ほむら(今回、キュゥべえが契約を迫ってこないのが気になるし――)

ほむら(でも、今度こそ私はアイツを倒してみせる)

支援さるよけ

――ワルプルギスの夜――

マミ「そんな…… あれだけのグリーフシードがあったのに」

ほむら「あれだけの攻撃を受けて傷一つないなんて……」

さやか「他に…… 他に手段はないのっ!?」

まどか「……どうしよう……このままじゃみんな―― 」

杏子「大丈夫だ…… 手がないわけじゃない」

ほむら「杏子…… まさかあなた……」

杏子「あぁ、 幸い私の魔力は二人に比べて、それなりに残ってる」

杏子「一発で決めてきてやるよ」ニコッ

マミ「だめよ! そんなことをしたらあなたが―― 」

杏子「大丈夫―― アイツを倒して……
   ちゃんと戻ってくるからさ」ダッ

――――
杏子「頼むよ神様、こんな人生だったんだ
   せめて一度ぐらい、幸せな夢を見させて」 パリン

ワル夜「 ―― 」

QB「まったく、無意味なことを―― 
   君たちにワルプルギスの夜を倒せるわけがないのに」


――――
ほむら「死んじゃった…… 杏子が死んじゃった……」ガクッ

マミ「杏子さんのファイナルブリットでも倒せないなんて……
   これで終わりね…… 私たちも…… 死ぬんだわ」

まどか「……私が――
    私が魔法少女になって―― 」

さやか「そんなことはさせないよ…… まどか」グッ

まどか「さや……か……ちゃ……」ケホッ

さやか「私の友達に世界を滅ぼさせるなんてこと、させたくない」ギュッ

マミ「さやかさん、あなた何を――」

さやか「そんなこと悲しいことをさせるくらいなら、
    いっそこの手で、殺してあげる」ググググ

スクライドじゃねえよ

まどか「苦し……や……助……て……」

まどか「――」ガクッ

さやか「はぁ……はぁ…… 私、やっちゃったよ――
    あはははは、あはははははははははははははっ」

さやか「後は、ほむらとマミさんのソウルジェムを砕かないと……」

さやか「魔女になったら大変だしね……」

マミ(もう、動ける魔力も残ってない……)

さやか「このままじゃ、この街はめちゃくちゃになっちゃう――
    恭介やお父さんやお母さんも、みんな死んじゃうのかな?」

さやか「街がめちゃくちゃになる前に、他の魔法少女がアイツを倒しに
    来てくれたりしないのかなぁ」

さやか「……さて、魔力が底を突きかけているとはいえ
    仮にも魔法少女だし、簡単には殺せないかな?」

さやか「そうだ、ほむら…… たしか拳銃持ってたはずだよね?」

ほむら(……これ以上時間を巻き戻しても、まどかに負担がかかるだけ)

ほむら(あの時……まどかと一緒に魔女になっていたほうが幸せだったかな)スッ

さやか「自分から差し出すなんて、物分りが良くて助かるわ」

やめろっつてんのにわかんねえ奴だなこの糞ピンク
頭んなか湧いてんのか

これが次世代のハッピーエンドか…

さやか「よっと、二人とも覚悟してね……
    あたしも直ぐに追いかけるから――」ガチャ

マミ(本当なら失っていたはずの命だけど…… やっぱり怖い――
   後輩の手にかかって死―― )バン

マミ「――」パリン

ほむら(ごめんなさいまどか、あなたとの約束守れ無かったよ……
    本当にごめんね……)
    
ほむら(私、もっとみんなと一緒に幸せな時間を過ごしてみたかった)

ほむら(こんなのってないよ――
    ハッピーエンドがあったっていいじゃない――)バン

ほむら「――」パリン

さやか「……」ガチャ

さやか「みんな…… みんな死んじゃった」

さやか「あははははははははははは
     あははははははははははははははあははははははあははははあは」

さやか「…… ふぅ…… それじゃ、私も」ガチャ

さやか「……」バン

――はっぴーえんど!――

まさか心中で終わり…?

さやかぁぁぁ!!!

ふざけんな











ふざけんな…

確かにハッピーエンドではあるが

がんばれ

なるほど、タイトル通りか

終わり・・・?これで終わり・・・?

―――――
ほむら「ッ―― 」バサッ

ほむら「はぁ……はぁ……」

ほむら「酷い夢―― 」ワナワナ

ほむら「本当に夢?」

杏子「スースー」Zzz

ほむら「杏子……ちゃんと生きてるわよね?」ホムッ

ほむら「……本当にただの夢だったのかしら
    恐ろしく現実味のある内容だった……」

ほむら「まさか、予知夢なんてことが―― 」ガクブル

ほむら「……あるわけない……そんなことがあるわけ」

ほむら「……」

――――
QB(暁美ほむら…… いい夢は見れたかい?)

まどか「折角救済しようと思ったのにほむらちゃんが余計な事するから…」

!?

QB(鹿目まどか……彼女が魔女になれば、
   僕らのエネルギー回収ノルマは、おおむね達成できそうだ……)

QB(しかし…… 彼女の背負う因果は余りにも膨大すぎる
   僕たちに不利益が被らないとは言い切れない)

QB(はぁ…… こんなことになるなんて
   面倒くさいことをしてくれたもんだ)

QB(暁美ほむらに時間跳躍の能力を与えて、
   こうなることは想定の範囲内だったのか――)

QB(……)

QB(まぁ、回避する手段が無いわけじゃないし……)

QB(上手くいけば、僕もこの惑星に居る必用もなくなる……)

QB(今のうちに精々楽しんでおくんだね…… 暁美ほむら)

しえn

◆◇◆◇

――――それから数日後――――

杏子「ふっ、はっ、せいっ!」

魔女「 ―――― 」

ほむら「楽勝ね……」

杏子「二人がかりなら、こんなもんだろ?」

ほむら「そうね」


――――
マミ「で、ここはこっちの公式を―― 」

さやか「なるほど!」

まどか「マミさんの教え方……本当に分かりやすいです」

マミ「嬉しいことをいってくれるじゃない」ウフフ

さやか「ふっふっふ、これで次の期末テスト上位ランキングは、
    あたしとまどかの無双状態だっ」

まどか「さやかちゃん、それはいいすぎだよー」

マミ(あぁ……こんなにかわいい後輩が二人もできるなんて……幸せだわ)

ここはぼっちの公式を

に見えた

しえん

もうぼっちの公式にしか見えない

まどか「二人は今頃パトロール中かな?」

さやか「今日はあの二人で、次はマミさんと杏子の当番でしたっけ?」

マミ「そうね…… 二人で戦うと、魔力も最小限に抑えられるし
   もう一人が、あなたたちをキュゥべえから守ると……」
   
さやか「でも、私たちはただ遊んでるだけですけど……」

マミ「それでいいのよ…… 魔女と戦い続ける――
   そんな非日常が日常にならずに済む……」
   
マミ「私たちは、あなたたちに感謝してるのよ?」

まどか「そう言ってもらえると、なんだかうれしいです」エヘヘ


――――
杏子『おーい、みんないるかー?』

さやか「あいつ……いい加減インターホンの存在を覚えなさいよ……
    近所迷惑になるって考えられないのかしら?」

マミ「はいはーい、ちょっとまってねー」

マミ「杏子さんに、ほむらさん……その荷物」ガチャ

ほむら「杏子がゆの様に行こうって言い出すものだから」

杏子「魔女退治で汗掻いたし……折角だから、みんな誘ってと思ってさ―― 」

――――
まどか「皆でお風呂って、なんだかわくわくするね」

さやか「そう? ってゆーか魔法少女はゾンビなんだから
    お風呂に入っても大丈夫なわけ?」

杏子「あぁ~ 言われてみれば…… この体は入れ物みたいなもんなんだっけ?」

マミ「でも、私たちの体も普通に成長してきたし――」

さやか「胸が……?」ツンツン

マミ「さ、さやかさんっ どこ触ってるの!?」

さやか「やわらかーい」キャッキャ

まどか「……さやかちゃん ……ずるい」

マミ「ま、まどかさん―― ずるいってどういうことよっ!」

まどか「え!? あ、いや…… その…… ついっ」エヘヘ

杏子「……」ペタン

ほむら「……」ホムーン

詩円

――――ゆの様――――

杏子「あ゛~ 生き返る~」

ほむら「杏子……あなた死んでたの?」

さやか「っていう無意味な一連のフレーズ……」

――――
まどか「……いい湯ですねー」

マミ「ええ……本当」

さやか「うーん、やっぱしマミさん…… ダイナマイッ!」

ほむら「中学生とは思えない犯罪的な体つき……」

マミ「っもう…… からかわないの……」

夢おちで良かったわ。

まどか「女の子としては…… やっぱり羨ましいですね」

杏子「んー、揉めば大きくなるらしいじゃねぇか……
   まどか、アタシが揉んでやろうか?」ニヤニヤ
   
まどか「え、遠慮させてもらうよ!」

ほむら「だったら私が」ホムッ

まどか「ほむらちゃん!」

さやか「いやいやあたしが」ワキワキ

まどか「さやかちゃんまで……」

マミ「えっと、それじゃあ……私も……」

杏子・ほむら・さやか「どうぞどうぞ」ササッ

まどか「マ、マミさん!?」

マミ「じょ、冗談よっ!」カアァ

――――
まどか「みんなで背中流し合いっこしよう!」

さやか「エグザイル風に?」

杏子「そんな余計な動きはいらないだろ……」

――――
マミ「……」ワシャワシャ

杏子「マミってさ…… 髪洗ってるとき、目を開けられないタイプ?」

マミ「ええ、そうなの…… 目に入ると沁みるから……」

さやか「これはチャンスね……」

まどか「マミさんにげてええええええええええ」

マミ「?」

マミ「きゃああああああああああああああああああ」モミモミ

――――
ほむら「貴女達って、ホント馬鹿」

さやか・杏子「……」プカプカ

まどか「さやかちゃんと杏子ちゃんが湯船に浮いてる…… 大丈夫かな?」

マミ「……」プンプン

支援

――カポーン――

杏子「あ゛~ワ゛レ゛ワ゛レ゛ハウ゛チュウ゛ジンダ~」ブーン

まどか「扇風機があるとやりたくなるよね……」

さやか「杏子って、ほんと子供……」

――――
ほむら「フルーツ牛乳三つ、コーヒー牛乳二つで―― 」

ゴクッゴクッゴクッ――

さやか「ぷっは~! やっぱこれよねぇ!」

杏子「くぅ~っ 頭がキンキンする~」

まどか「……またみんなでこようねっ」

マミ「そうねー」

ほむら(もう一本飲んだら大きくなるかしら……)

杏子「ほむら……お互い無駄な努力はやめようぜ?」

ほむら「……五月蝿い」

杏子はなぜだ

◆◇◆◇

――――数日後――――

ほむら「ワルプルギスの夜を想定した陣形でいくわ……」

マミ「了解ッ 久々に本気を出すわよっ!」

――――――
―――


――――ゲームセンター――――

杏子「――で、戦車で怪獣を撃ちまくる!」

まどか「これなら私にもできそうだよ」

さやか「よしっ、じゃあ早速1コインっと」

――――
さやか「おお~、案外面白いねっコレ」

まどか「ははは、しねしねしねしねぇ~♪」

杏子「まどか…… ノリノリだな……」

――――
杏子「んで、これはプレイヤー同士で対戦ができるんだけど……」

さやか「負けないよっ――」

――――――
―――


杏子「まさかアタシが負けるとは……」

さやか「まどか…… あんた、えげつない戦い方するわね……」

まどか「えへへ」

――――
杏子「そうだ…… これっ―― このプライズでとってきたんだけど」

さやか「なにこれかわいい! 猫のストラップ?」

まどか「え~っと、しげるファミリーだって」

杏子「友好の証ってことで、5人分とってきた
   まどかには……しげ美を さかやには……しげ子で」

まどか「杏子ちゃん、ありがとう」エヘヘ

杏子(マミにはしげりーぬで、アタシはしげ菜
   ほむらには……エロしげでいいかな)

――――翌日――――

マミ「62秒でケリをつけるわっ 杏子!」ダッ

杏子「お……おう」バッ

ズダダダダダダダダダ――

マミ「これで終わりよっ!」

マミ「ダブルインパクトッ!」ドヤッ
杏子「だ、だぶる、いんぱくと~」カアァ

魔女「―― 」

マミ「杏子っ! 何照れてるの!? まじめにやって!」

杏子「でも……」

マミ「でももヘチマもないのっ!」

杏子(ほむら…… 助けてよ……)

――――
ほむら「くしゅん」ホムム

まどか「ほむらちゃん……風邪?」

さやか「魔法少女って風邪ひくんだ……」

さやか「よしっ、宿題お終いっと」

まどか「やっと終わったね……」

まどか「……」

ほむら「どうかしたの、まどか?」

まどか「ほむらちゃんと私たちって、
    昔からこんな風に一緒に勉強してた気がして――」

さやか「藪からスティックに何をいいだすのよ……
    ほむらはこの前転校してきたばかりじゃない」

まどか「う、うん…… でも、なんだか懐かしいような」

ほむら「……疲れてるんじゃないの? 休憩したほうが―― 」

まどか「疲れてるって感じは全然しないんだけど……」

まどか(気のせい?)

まどか(はじめてほむらちゃんを見たときにも感じた違和感――
    やっぱり私、疲れてるのかな……)

まどか「そうだ、あのね……パパが今度の週末に出かけようって
    友達も誘っていいって―― 」

さやか「いいの? 私たちが一緒に行っても」

まどか「うん ママはお仕事が忙しくて……だから友達を誘っておいでって」

ほむら「みんなで行ったら、流石に迷惑じゃないかしら?」

まどか「大丈夫だって言ってたよ」

まどか「それに、みんなと一緒の方が楽しいから」エヘヘ

さやか「それじゃ、お言葉に甘えちゃおうかな」

ほむら「そうね…… 杏子が行けるのは確定として――」

さやか「確定事項なんだ……」

まどか「マミさんにも聞いておかないと――」

支援

――――

さやか「――と、言う訳でやって来ました! 海っ!」

杏子「……山だけどな」

ほむら「流石にまだ海は早いでしょ……」

マミ「すいません……大勢で押しかけてしまって」

知久「いやいや、僕も賑やかな方が楽しいからね」

さやか「両手に花ですよっ!パパさん!」

知久「僕は詢子一筋だ」キリッ

まどか「パパ……」

杏子「熱いね~」ヒューヒュー

知久「こらこら、大人をからかうんじゃない」


――――
知久「僕はタツヤの面倒を見てるから、皆で遊んでてね」

さやか「はーい」

――――
マミ「ティロ・フィナーレ!」バシュッ

杏子「マミっ、ナイスショット!」

まどか「マミさん&杏子ちゃんペアの勝ち~」

さやか「ちょっとほむらっ! しっかりしてよ!
    あんたならバドミントンくらい余裕でしょ?」

ほむら「無駄な魔力消費を抑えるために……自力だけでやってるんだから……
    無茶言わないで……」ゼェゼェ

ほむら「ザ・ワールドが使えれば……こんな競技……」ハァハァ

杏子「いや……時止めはダメだろ……」

さやか「よしっ、次はマミさんと組もう!」

杏子「ほむらは審判やりながら休んどけよ……
   まどかっ、頑張ろうぜ!

まどか「うん! 頑張ろうね、杏子ちゃん」

しえん

――――
さやか「いやー、遊んだ遊んだ~」

知久「皆お帰り~ そろそろ夕食の準備を始めようかと思ってたところだよ」

杏子「おおっ、バーベキュー! BBQ!」

ほむら「BBQB…… バーべキュゥべえ」

マミ「ちょっと……不吉なこといわないで……」

――――
知久「さっ、みんなどんどん食べなよ~」

さやか「いつかの鍋ん時みたく、焼けどするんじゃないわよ?」ニヤニヤ

杏子「そんことするわけないだろ―― あっちぃ!」

まどか「杏子ちゃん大丈夫?」

さやか「あははははっ やっぱあんたって馬鹿」ゲラゲラ

こそっとはやて×ブレードネタが入っててワロタ

ほむら「杏子……こっちの肉が焼けてるわよ」

ほむら「はいっ」フーフー

杏子「あーん」モグモグ

さやか「あんたたち…… 仲いいわね……」

ほむら(しまった! 家での癖が出てしまった!)ホムッ

まどか「杏子ちゃん杏子ちゃん、こっちのもいい焼き加減だよ」フーフー

杏子「あんあん」モグモグ

さやか「あんたは餌付けされてるペットか……」

マミ「さやかさんもどう?」フーフー

さやか「恥ずかしいので遠慮しておきます……」

マミ「残念ね……」シュン

さやか「……一回だけですよ?」アーン

マミ「さやかさんの御口にティロ・フィナーレ!」ヒョイ

さやか「必殺技じゃないんですかそれ…… 汎用性高いですね……」モグモグ

わくわく

――コテージ――

知久「それじゃ、男の僕とタツヤはこっちの部屋で寝るから
   何かあったら、直ぐに僕に知らせるんだよ?」

さやか「了解です!」

知久「それじゃおやすみ~」バタン

まどか「……って、この部屋ベッドが四つしかないよ」

さやか「んー、それじゃあたしがまどかと――」

ほむら「杏子と私で一つのベッドで構わないわ」

杏子「ま、それがいつもどお――」モガモガ

ほむら(余計なことは言わないで……)

杏子(別にいいだろ……)

さやか「んー、あんたらって本当に仲がいいわよね……」

――――
さやか「よしっ、こーゆーときの定番は恋話ねっ!」

マミ「私にそういう人はいないわね……」

さやか「あたしは……」グスッ

まどか「ああっ……さやかちゃんの古傷が……」

杏子「自分で言い出して、自分でダメージ受けてるじゃねーか……」

さやか「別にあんなヤツ……最近は仁美となんかいい感じらしいし」

さやか「私に言ったことは何だったのよ! 恭介の阿呆っ! 」

さやか「悔しくなんか……うええん」グスッ

マミ「よしよし……今日は私が一緒に寝てあげるわ」

まどか(それだと私が一人に……)

マミ「まどかさんもこっちにきなさい」

マミ(かわいい後輩を両手に寝る―― こんな幸せは他に無い!)

まどか「うーん……狭いけど、なんだか楽しいな」エヘヘ

さやか「んで、あんたらには浮いた話はないの?」

杏子「あー、アタシはいねぇけど……ほむらがま――」モガモガ

ほむら「杏子! 早く寝たほうがいいわっ! 今日は疲れたでしょ!?」

しえーん

さやか「んー、この話題はミスチョイスだったわ
    修学旅行なんかじゃ定番って話なのに……」

さやか「誰も恋人がいないってのは悲しい話よねぇ……」

まどか「私は皆とワイワイやってる今が一番楽しいかな」

マミ「そうね、私も凄く楽しいわ」

――――
ほむら「……」

杏子「……」

まどか(急に静かになったけど……みんな寝ちゃったのかな?)

マミ(……)

さやか「しゃれこうべっ」

ほむら「……ふっ」

まどか「く……ぷ」ティヒヒッ

マミ「あらあら……」

杏子「ぶっ、あははははっ しゃれこうべってなんだよっ」

さやか「いや、なんとなく―― 」

知久「おーい、いい加減そろそろ寝ないと、明日起きられないよ?」

マミ「すいません……」

杏子「ごめーん、知久~」

知久「大人を名前で呼ばない…… それじゃ、今度こそ本当にオヤスミ」


――――
まどか「えへへ……もう食べられないよ……」Zzz

マミ(両手に後輩……私の幸せが有頂天……)

さやか(狭い……そしてなにか柔らかいものが当たってるような……)


――――
杏子「アタシの勝ちだぜ……ワルプルギス」ムニャムニャ

ほむら(明後日にはいよいよアイツが来るわ……)

ほむら(今度こそ……今度は絶対……勝ってみせるわ)

◆◇◆◇

さやか「見滝原よ、私は帰ってきた!」

マミ「お世話になりました」

知久「楽しんで貰えて何よりだよ」


――――
マミ「いよいよ明日ね……」

さやか「ニュースでもスーパーセルが―― って言ってたもんね」

まどか「それって、ワルプルギスの夜の所為なんだね……」

ほむら「今日は各自家でゆっくり過ごしておきましょう」

まどか「そうだね……」

ほむら「それじゃ、また明日……」

杏子「んじゃな」

さやか「あの二人……いっつも一緒に帰るわね」

まどか「え? さやかちゃん知らないの?」

マミ「一緒に住んでるらしいわよ?」

さやか「な、なんだってえええ!?」

さやか「これは事件よっ! 女子中学生が一つ屋根の下なんてっ!」

まどか「さやかちゃんの発想の方が事件だよ……」

マミ「……」

さやか「……マミさん、どうしたんですか?」

まどか「具合でも悪いんですか?」

マミ「ちょっとね……明日のことを考えると……
   少し怖くなってきちゃって……」

さやか「マミさんでも怖くなるときってあるんですね……」

マミ「あたしだって魔法が使えても、中身はただの中学生なのよ……
   魔女と戦うときは、いつだって怖いわ……」

まどか「マミさん……」

さやか「……だったら今日は二人ともうちに泊まりせんか?」
    マミさんやまどかにはお世話になりっぱなしだし―― 」

さやか「あたし、戦力にはならないけど 全力でサポートさせてください!」

マミ「さやかさん……」ウルッ

まどか「私も、パパにさやかちゃん家に泊まるって言ってくるよ」

さやか「うんっ!」

マミ「ああっ、私はなんていい後輩を持ったのかしら……」ダキッ

さやか「わわっ……こんな人の往来で……
    マミさん苦しい、苦しいですっ」

マミ「あらあら」ウフフ

まどか「あっ! さやかちゃんとマミさんが―― 」

マミ「まどかさんにもっ」ハグッ

まどか「えっ、ど、どうしんたんですかマミさん――」

マミ「私、絶対にワルプルギスの夜に勝つわ!」

死亡ふらぐ

――ほむほーむ(in布団)――

杏子「いよいよ明日だな……」

ほむら「そうね……」

ほむら「ねぇ…… 杏子、背中かしてくれない?」

杏子「ん…… どうしたんだ?」

ほむら「告解―― じゃないけど 話、聞いてほしいの……」ピタッ

杏子(頭を押し当ててるのか…… なんだか、こそばゆいな……)

杏子「ああ、いいよ……」

――――
「私ね…… 今、とても怖いの……
 まどかを救うためにずっと一人で戦ってきた…… そうするしかないと思ってた」

 
「皆と仲たがいして……まどかのソウルジェムを私の手で砕いて――
 私、魔女になったさやかのグリーフシードで生き延びてるのよ……」


「何もかもが無駄だったと―― 決してまどかの運命を変えられないと確信してしまったら
 私はきっと魔女になってしまう…… だから進み続けるしかなかった……」

「戻り続けるって言ったほう正しいのかしら……
 私はなんとしてでもまどかを助けたかったの……」

 
 
「でも、まどかは全ての魔法少女を救おうとした……

 わたしはずっと、彼女のことしか見てなかったのに……」


「皆のことを助けたい、最後に一緒に笑っていたい 
 どうして初めからそうしなかったのかな……」

 
 
「私にはできないって諦めてたから―― 」

 いいえ…… 本当は気付いていたんだと思う」

 
 
「今、あなたたちと過ごしていてとても楽しい――

 もし、ワルプルギスの夜に負けてしまったら、
 時を戻すことを躊躇ってしまうかもしれない」


「次にあったとき、あなたは私を敵視してるかもしれない……
 殺しあう仲かもしれない…… そんなのって辛すぎる……
 だったら、初めから仲良くなんてしなければいい、彼女だけ救えればそれでいいって」

 
 
「怖い…… 今の関係を失うのが…… 
 皆が私のことを忘れてしまうのが厭……

 私は……私は…… もう……どうしていいかわからない―― 」

杏子(絶望して―― 孤独を貫いて―― 自分を否定して――
   ああそうか……私と同じじゃないか……私もそうだったんだ)スッ
   
ほむら「こっち向かないで! きっと私、今……酷い顔…… してるから――」ポロポロ

杏子「そんなことを言うなよ……」ギュッ

杏子「負けるなんてさ……言うなよ……そんな事言ってたらさ、
   勝てるものも、勝てなくなっちまうぜ?」

杏子「負けたときのことなんて考えなくていい
   これからのことを、あいつを倒した後のことを考えればいいんだ

ほむら「……倒した後のことなんて考えてないわ
    アイツさえ倒せれば―― 」

杏子「それじゃだめだ……アイツに勝ったらさ……ほむらはどうしたいんだ?」

ほむら「えっと……」

杏子「みんなと学校に行って、高校に進学して―― 大学に行くかもしれない
   素敵な旦那さんをもらって…… 子宝にも恵まれて……」

ほむら「魔法少女なのよ…… 無理よそんなこと……」

杏子「なんだよ…… 諦めんなよ…… 私たちは『魔法少女』なんだぜ?
   諦めなければさ、きっと無理なことなんて何一つ無いんだよ」

ほむら「杏子……」

期待わくわく

杏子「大丈夫だ…… 全部大丈夫……
   自分を―― 私たちを信じろ…… アイツを絶対に倒すって――」

杏子「それでハッピーエンドじゃない……
   私たちはアイツを倒した後も生きていくんだから……」

杏子「アイツを倒した後もさ…… ずっと笑っていたいじゃん」
   
ほむら「……うん」グスッ

杏子「でも、今日はさ…… 今日くらいは泣いてもいい
   私の胸、貸してやるからさ……」ギュッ
   
ほむら「ぐすっ、ひっく…… きょうこぉ…… ありがと……」ポロポロ

杏子「だからさ…… 絶対に諦めんなよ……」ナデナデ

ほむら「ありがと…… きょうこぉ……」グスッ

杏子(私は負けない…… 絶対に勝って、
   ほむらの笑顔を取り戻してやる―― )

――――翌日――――


杏子「それじゃ、そろそろ出発しようか」

ほむら「杏子…… 昨日は――」

杏子「大丈夫…… 何も言わなくても分かってるから」

ほむら「……これ」

杏子「ん? このリボン…… 私にか?」

ほむら「うん…… 結んであげる」シュルシュル

杏子「ありがと…… ほむら」

ほむら「……完成」

杏子「似合ってる?」

ほむら「とっても……」ニコッ

杏子「そっか」エヘヘ

どうかハッピーエンドで

杏子「それじゃ、この私が今までしてたヤツを――」キュッ

ほむら「いいの?」

杏子「私のお古で申し訳ないけど―― 」

ほむら「大切なものじゃないの?」

杏子「ほむらになら、あげても構わないよ――」シュルシュル

ほむら「ありが……と……」

杏子「……ほむらの髪、すっげー綺麗だよなー
   同じシャンプー使ってるのに、なんだかいい香りがするし……」

ほむら「……な、何言ってるのよ」カアァ

杏子「―― よしっ、ポニテほむらの完成っ」

ほむら「に、似合う?」

杏子「うーん…… 微妙?」

ほむら「杏子のいじわる……」

杏子「へへっ、ほむらはかわいいよ―― どんな髪型だってさ」ギュッ

ほむら「……いじわる」ホムッ

ポニテほむほむか・・参考画像が必要だな・・

これって続き?

――――ワルプルギスの夜――――


ほむら「……」

   『振り返れば仲間がいて
    気がつけばやさしく包まれてた』

マミ「いよいよね……」

   『何もかもが歪んだ世界で
    唯一信じれるここが救いだった』

さやか「大丈夫、私たちなら絶対にやれるって!」

   『喜びも悲しみも分け合えば強まる想い』

まどか「行こう…… みんな!」

   『この声が届くのなら
    きっと奇跡は起こせるだろう』

杏子「あぁ……絶対に勝てるさ」

   『だから……怖くない』

ほむら「私たちは絶対に負けない」

支援ほむほむ

◆◇◆◇

ワル夜「 ―――――― 」

ほむら「……作戦通りに行くわよ」

杏子「前衛は任せな たっぷり時間を稼いでくるぜ」バッ

ほむら(杏子…… 無事に帰ってきて――)

ほむら「マミさん、まどか、さやか、しっかり掴まっていて……
    時よ―― 止まって!」

――――    
マミ「これが私の全力全快っ!」ドドドド

まどか「すごい量の銃……一体いくつあるんだろ……」

さやか「マミさん グリーフシードはまだまだ有るから
    じゃんじゃんやっちゃってください!」

まどか「ほむらちゃんも……大丈夫?」

ほむら「ええ、まだいけるわ……」

ほむら(私の時間停止能力は短時間でしか行えない――
    それを補うために杏子が足止めをする)
    
ほむら(時間が停止している間に、マミさんがマスケットを
    できるだけ召喚する――)

ほむら(まどかとさやかには、私たちの魔力が切れないように
    グリーフシードで回復を続ける……)

ほむら(チャンスは一度きり…… 一撃必殺の賭け)

ほむら(でも大丈夫…… 私たちは絶対に勝てる……)

ほむら「くっ……」

まどか「もうグリーフシードが……」

さやか「これでお終いですっ、マミさん!」

マミ「了解よ…… 私たちの協力必殺技、
   全部受け止めなさいっ!」

マミ「一斉射撃―― 」


マミ『トリリオン・シュート!』

>>178
これしかなかった

漫画版のツインテほむほむもかわいかった

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

――――――
―――


杏子「ひゅ~…… すっげーな……」

杏子「これならワルプルギスの夜も粉々に――」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

杏子「……これはやりすぎじゃないのか」

――――――
―――


マミ「これが私たちの友情パワーよ!」

ほむら「本当に凄い威力ね……」

さやか「これじゃあ跡形も無く消し飛んじゃうんじゃ……」

それはフラグや!

くるものがあったな

ワル夜「―― ―― ―――― 」

杏子「冗談だろ…… あんなにすげぇ攻撃だったのに――

杏子「なんで倒せないんだよっ!」

杏子「……」



「残る手段は……」


「あれしかねぇよな」


「ごめん…… ほむら」シュル


「アタシ…… 帰れそうにないや……」ギュ


「アイツさえ倒せれば、問題ないよな」


「神様ってのは本当にいじわるだよ……」


「アタシ、 もっとみんなと一緒にいたかったな」

死んだら主を許さない

――――
さやか「そんな……」

マミ「もう…… 攻撃できる魔力なんて…… 残ってないのに―― 」ガクッ

まどか「こんなのって…… あんまりだよ……」

ほむら「どうして―― どうして―― 」

QB「全く…… 君たちは本当に愚かだ」

ほむら「キュゥべえ……?」

QB「暁美ほむら…… 君がどう足掻いたって勝てる分けがないじゃないか」

QB「君の願いを思い出してみなよ」

   『私は…… 私は、鹿目さんとの出会いをやり直したい 
    彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい』

QB「だからさ…… 君がワルプルギスの夜を倒せるわけがないんだよ」

QB「君はね…… このときを永遠に繰り返して―― 
   まどかとの出会いをやり直して、ワルプルギスの夜から彼女を守り続けるんだ」

QB「それが君の願いなんだろう?」

ほむら「そんな―― そんなことって―― 」

読み進めるのがどきどきしやがる。
しえ

QB「はぁ…… 人間ってヤツは、つくづく面倒臭い生き物だね
   でも、そのおかげで僕たちはエネルギーを回収できるんだけど」
   
ほむら「……あはははは―― 」

ほむら「あははははははっ あははははははははははははっ」

まどか「ほむら……ちゃん?」

ほむら「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ……」

ほむら「絶対に勝てるって……信じてたのに……
    杏子だって……負けないって言ってたのに……」
    
さやか「ほむら……落ち着いてっ!」

ほむら(これ以上時間を巻き戻して、まどかに負担はかけられない……
    また私のこと、みんな忘れちゃう…… 楽しい時間も全部無くなっちゃう――)

ほむら「いやああああああああああ! もういああああああああああああ」

ほむら「やだよぅ……助けてよ……杏子……私―― 

ほむら「厭、厭ッ、厭、厭――」

マミ「このままじゃ…… ほむらさんが魔女に――」

支援

――――
QB(暁美ほむらが魔女になってしまえば、
   これ以上因果が歪むこともない)

QB(いくつもの並行世界の因果を束ねて、
   鹿目まどかの魔力は余りにも膨れ上がりすぎた)

QB(世界に―― 宇宙に影響を与えるような願いを
   叶えさせるわけにはいかない)

QB(くだらない願いで鹿目まどかを
   魔法少女にしてしまえばいい)

QB(鹿目まどかが魔女になってしまえば、
   僕たちのエネルギー収集も終えることができる)

QB(惑星いた連中を見返せる…… 僕を感情を持った
   極めて稀な精神疾患だといって、この星に派遣したあいつらを)

QB(感情を押し殺して、彼女たちの愚行に付き合うのもこれで最後だ……)

QB(態々彼女たちを追い込んだんだ、きっと上手くいく……)



QB(これが所謂、ハッピーエンドってやつだね!)

「やったか!?」←やってない

――――
QB「ほらっ、暁美ほむら…… 見届けてあげなよ?
   君を守ろうとしてさ、佐倉杏子がその命を散らそうとしてるんだから」

   
ほむら(杏子が死んじゃう…… このままじゃ杏子が―― 
    諦めたくないのに…… どうして私はこんなにも無力なの―― )


さやか「こんな結末なんて……」

マミ「キュゥべえあなたっ!」


QB「……鹿目まどか 君はこの状況を変えたいとは思わないかい?」

まどか「私が……?」

QB「君の魔力ならこの状況を打開することができる
   ワルプルギスの夜を倒したい―― そう願えばね……」
   
まどか「……」

まどか「そっか、そうなんだ……」

QB「ねぇ……まどか」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――
         僕と契約して、魔法少女になってよ!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

まどか「その必用はないよ……」

QB「君は一体に何を言って―― 」

まどか「全部…… 全部思い出したよ――」

まどか「ほむらちゃんに守られて、望まれてきたから、今の私があるんだ……」

まどか「―― 希望を信じた友達を、私は泣かせたくない 最後まで笑顔でいてほしい」

ほむら「ま、まどか……その格好―― 」

マミ「いつのまに魔法少女に――!?」

まどか「ほむらちゃん、私の体だ……支えてて」

ほむら「うん……」ギュッ

まどか「ワルプルギスの夜…… ごめんね 私は皆の神様にはなれない――
    
まどか「私のことを思ってくれてる皆を置いてはいけない――
    私もみんなと一緒にいたいの―― 本当にごめんね」

――――ビュン――――


――――
杏子「あの光は―― 」

ワル夜「―――― ―― ― …… …    」

さやか「すごい…… 一撃で倒しちゃった……」

まどか「えへへ…… これでもう大丈夫だよ―― ほむらちゃん」

ほむら「まどか、どうして―― どうやって―― 」

まどか「うーん、私にも良くわかんない」テヘッ

まどか「皆を助けたいって…… そう強く念じていたら……
    なんだか急に体が熱くなって―― 変身してて――」
    
マミ「キュゥべえが願いを叶えたってこと……?」
    
QB「まさか…… これはどういうことだっ!
   鹿目まどかを魔法少女にしたつもりは―― 」

まどか「キュゥべえ」

QB「……」ビクッ

まどか「ずっとあの子たちを見守りながら、あなたは何も感じなかったの?
    みんながどんなに辛かったか、わかってあげようとしなかったの?」

QB「……」ガタガタ

まどか「ねぇ……キュゥべえ 今―― 震えているんでしょ?」


     『それが―― 恐怖っていう感情だよ』

支援

まどか「キュゥべえたちの文明では、感情という現象は
    極めて稀な精神疾患でしかなかったんだよね?」

まどか「だったら、私が感情っていうものを―― 貴方たち皆に教えてあげる」

QB「うああああああああああああああああああああああああああああ
   ああああああああああああああああああああああああああああああああ」

QB「ひイいイいいいいいいいがあアっぎゃああああああああああがあああああ」

QB「あああああああああああ―― ああ―― あ……  ……」

QB「……」

QB「―― 」バッ

さやか「逃げた!」

まどか「えへへ、私、全部思い出したよ……
    私が魔法少女だったことも、ほむらちゃんが頑張ってきたことも」

    
まどか「皆と幸せになりたいって願ったら、体が勝手に動いて…… 
    本当に奇跡や魔法って―― あったんだね!」


まどか「でも、ちょっと疲れちゃったかな
    ちょっと休ませて―― 」バタリ

マミ「まどかさんっ!」

ほむら「しっかりして! まどかっ!」

杏子「おーい、皆ー 一体どうなってるんだ?
    桃色の暖かい光が一瞬でアイツを―― 」

ほむら「杏子! 無事だったのね!」

マミ「でも……まどかさんが……」

まどか「スースー」Zzz

さやか「なんだ……寝てるだけか……」

マミ「もうっ、脅かさないでよ―― ってあれっ?」

杏子「あれ? どうして皆の変身が解けて――」ヨロッ

さやか「杏子どうしたの? 何もないところで躓いて」

杏子「おかしいな…… なんかバランスがとりにくいような……」

ほむら「私も…… なんだか視力が急に――」

マミ「まさか……これってもしかして?」

杏子「いやいや、流石にそれは――」

ほむら「でも…… これってそういうことなの?」

さやか「魔法少女じゃ―― なくなったってこと!?」

◆◇◆◇

――――まどか邸――――

テレビ『先日起きましたスーパーセルの被害情報です――』

まどか「もー、どうして起こしてくれなかったの!?」バタバタ

知久「何度も起こしたんだけど―― 」

まどか「待ち合わせに遅刻しちゃうよー」ドタバタ

詢子「おい、まどかっ! 飯食っていかないのか?」

まどか「ごめん、急がなきゃ! 行ってきます!」

知久「行っちゃったね……」

詢子「はぁ…… まだまだガキだな……まどかは」

詢子「私は、あの子がちゃんと母親になれるのか心配だよ……」

知久「子供はいつのまにか大人になるものなんだよ」

詢子「あのまどかがねぇ…… それより知久、
   アイツあの嵐の日に友達とで歩いてたって話だけど―― 」

テレビ『引き続きましてニュースをお伝えします……
    先日、行方不明となっていた少女が――――
    ――――現代の神隠し――――…… …   』

お?

――――河川敷――――

まどか「はぁはぁ…… ごめん、みんなっ!」

さやか「遅いぞー、まどかー 何やってたのよっ」

マミ「まぁまぁ、さやかさん……その辺にして―― 」

――――
さやか「本当に奇跡ってあるんだねー」

まどか「私の魔力は、宇宙の法則が乱れるレベルで
     すごかったんだね!」


ほむら「本当に全部……終わったのね」

マミ「そう―― なのかしら」

杏子「いや…… これからだろ?」

ほむら「そうね…… 私たちはようやく前に進める―― 」

さやか「ねぇ、ほむら よかったらさ、私たちにも
    ほむらの見てきた世界のこと……聞かせてくれない?」
    
ほむら「辛いこととか悲しいことばかりだけれど……」

さやか「それでもかまないから―― 」

ラストスパート支援

――――
  『この泥棒猫っ! またタイヤキを盗みやがって!』

QB「盗まれるほうが悪いのさ!」

QB「……畜生! どうして未開の惑星で
   こんな惨めな生活を送らなくちゃいけないんだ!」
   
QB「どれもこれも鹿目まどかと暁美ほむらのせいだっ!」

QB「暁美ほむらに時間跳躍を与えたヤツが許せない! クソッ!」

QB「余計な策を練らずに、普段どおりに契約しておけばああああああ」

――――
さやか「そんなことがあったんだね……」

ほむら「私は彼女たちの犠牲にの上になりたって―― 」

マミ「ほむらさん、あまり自分を責めないで」

ほむら「でも―― 」

杏子「アタシたちは、ほむらのおかげで生きてるんだ」

マミ「貴女が私たち皆を救ったのよ……」

ほむら「……それはまどかが―― 」

QB「ん!? あれは憎き魔法少女共かっ!?」

QB「おいテメェら! ちょっとツラかせやぁ!」オラオラ

ほむら「あなた―― キュゥべえなの!?」

QB「僕が…… 僕がどれだけ辛い目にあったか!!
   保健所の親父の怖さをっ! 君たちは知らないんだっ!」
   
QB「母星とも連絡がとれないうえに、力も失って
   体のスペアも機能していないみたいだし…… ちくしょおおおお」

QB「おい聞いてんのかよ! このあばずれビッチどもがっ! あぁん!?」

――――
さやか「さっきからキューキュー鳴いてるけど……どうしたのかな?」

QB(は!? てめぇ何言ってんだよ? テメェ脳みそ沸いちまったか!?)キュキュー

杏子「何コレおもしれ~」グリグリ

QB(ちょ、やめろって! 痛い、痛い! 引っ張るなよっ!)キュウキュウ

まどか「痛がってるみたいだからやめなよ―― 」

杏子「でも、みんなこいつに騙されて……」

キュゥべえさんまさかの展開だな!

マミ「でも、私にとっては命の恩人な訳だし……
   かわいそうでしょ? ほらっ、こっちおいで」ヨシヨシ

QB(巴マミ…… やっぱり君はいい人だ―― )キュウー

杏子「懐いてるみたいだな……」

マミ「無害そうだし…… 私の家で飼おうかしら」

さやか「大丈夫なんですか? やっぱし保健所に」

QB(あかん! あかんって! 保健所はあかんって!
   思わず関西弁になるくらいありえんへんって!)キュキュー

マミ「怯えてるみたい…… 大丈夫よ、保健所には連れて行かないから」ナデナデ

ほむら「人の言葉も話せないみたいだし…… 力も無くなってるのかもね……」

QB(あ゛あ~、マミの膝の上は落ち着くわ~)キュー

杏子「なんかコイツの表情むかつく……」

まどか「まぁまぁ…… 全部丸く収まったんだし、許してあげようよ」

さやか「まどかは寛大すぎるよ…… いつか誰かに騙されないかお母さん心配!」

まどか「さやかちゃんはいつから私の保護者になったの?」クスクス

――――
マミ「これから普通の学生として…… 生きていけるのね」

杏子「私もなんか学校に通えるようになるみたいだしな!」

さやか「そういえば今朝、杏子のニュースみたわ…… 現代の神隠しだってね!」

杏子「なんか気がついたら身滝原にいた」キリッ

ほむら「それでどうにかなるって…… 本当にどうかしてるわ……」

まどか「それも私がみんな幸せに―― 普通の女の子のようにって、
    願った魔法のせいかな?」

QB(僕は願いを叶えたつもりもないし、契約したつもりも無いんやで
   まどかのパネェ魔力で宇宙の法則が乱れたんじゃね? 知らんけど)キュウキュウ

さやか「そこの獣を見てると、案外あいつらの惑星が滅びちゃったのかもね……
    それで私たちも解放されたとかさー」

マミ「どちらにせよ…… みんなでこうして笑い合うことができる――」

杏子「全部が全部、いい方向に行ったってことだよな」

まどか「私も今、すっごく幸せだよ―― 」

まどか「でも、でもね―― ほむらちゃんは重要なことを
    一つだけ見落としていることがあるんだよ……」

ほむら「それは、何…… かしら?」

まどか「それはね…… 私が杏子ちゃんのことが好きだってことを――」

さやか「な、なんだってえええええええええ!?」

ほむら「まどか!?」
杏子「まどか!?」
マミ「まどかさん!?」

まどか「杏子ちゃんの優しさに触れたとき、そう思ったの
    皆を助けようとする姿が……格好よくて素敵で――」」

杏子「あ、あの~ まどか…… 冗談、だよな?」

まどか「冗談なんかじゃないよっ! 杏子ちゃん住むところないんでしょ?」

杏子「いや、なんか市の人が施設がどーのこーのって――」

まどか「パパとママはもう一人ぐらい娘が増えても構わないって!」

まどか「……私の家に来なよ! 私の家族になってよ!」

QB(何ぞこれ…… プロポーズかいな?)

まどか「私は杏子ちゃんのことが大好きだよっ」

QB(何やこの気持ち…… 彼女たちを見てら、胸がぽかぽかするわ……
   あぁ…… なんか素敵やん―― 感情って案外素晴らしいもんなんやなぁ……)

杏子「ちょ、ちょっと待ってよ…… 状況が―― 」

まどか「杏子ちゃんは私のこと…… 嫌いなの?」ウルウル

杏子「そんな…… 嫌いなわけないだろ
   も、もちろん…… その…… す、好きだよ―― 」


――――
(杏子がいなくなったら―― )

(またあの部屋で一人になっちゃうのかな……)

(そんなのって…… 私―― )

(まどかが杏子と一緒にいたいと言うのなら)

(私はそれを阻むことなんて――)

(でも…… 胸が…… )

(痛いよ――)

主主

マミ「だめっ! 杏子さんは私と一緒に住むの!」

杏子「いっ!? マミまでどうしちまったんだよ」

マミ「まどかさんは家族がいるでしょ!?
   私はずっと一人ぼっちでさみしかったの…… だから一緒にいてほしいわ!」

杏子「そんな…… アタシの体はひとつしか―― 」

さやか「ちょ~っとストップ! 皆はほむらの話を聞いてなかったのかなぁ?」

さやか「杏子はね…… 私のために命を投げ捨ててるんだよ!
    これはもうね―― 私の嫁になるって決まってるようなもんよ!」
    
杏子「それは…… その世界のアタシが―― 」

さやか「杏子は嘘をついたの? 私のことは遊びだったのね!?
    私のこと、好きじゃないの!?」

杏子「そ、そんなこと言われても……」

杏子「お、おい…… ほむらもなんとか言ってくれよ……」

ほむら「……」

ほむら「私―― 」

ほむら「私だって! 私だって杏子のことが―― 」

まどか「私だって?」エヘヘ

マミ「あらあら、どうしたの? ほむらさん」ニコニコ

さやか「杏子のことがなんなのかなぁ~」ニヤニヤ

ほむら「うっ、貴女たち…… 謀ったわね!」カアァ

さやか「ほれほれ~ どうした~? 言ってみ言ってみ?」ニヨニヨ

杏子「ほ……ほむら」カアァ



ほむら「……私は―― 」



        『私は―― 佐倉杏子のことが―― 』



――――――――――――――――――――――――――――――――
       大好きだああああああああああああああああ
――――――――――――――――――――――――――――――――



   『うわっ ほむらが壊れたっ』


   『大好きっ! 杏子も まどかも さやかも まみさんも みんな大好き!』


   『あらあら ほむらさん…… 大胆ねぇ』


   『えへへ ほむらちゃんは欲張りさんだねっ』


   『ほむら…… ア、アタシも―― 』




おしまい

お疲れ様。面白かった。


この杏子可愛い

ほんとに全員ハッピーエンドにしやがった!
乙! 超乙!

いいあんさやを見た!
乙です!!

最後まで読んでくださった方、支援してくださった方に感謝

前回代行までして下さったのに、忍法帳の仕組み理解してなくて
序盤で落としてしまい、本当に申し訳なかった 完成をもって詫びさせて頂きます。

それではまたどこかで


補足
>>179 続きじゃないです。一発モノです

ほむあんENDとはやったな!乙

ちくしょう
仕事なのにこんな時間じゃねえか…

おつ
面白かったです

おつおつ
これでやっと寝られる

ほむら「ハッピーエンドがあってもいいじゃない」
ほむら「ハッピーエンドがあってもいいじゃない」 - SSまとめ速報
(http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1307187276/)

素晴らしかった!乙!

乙カレー

乙!
見事な全員ハッピーエンド良かった

すばらしい魔法少女まどか☆マギカ 祭囃し編だった

しえん

乙っちまどまど!

乙乙

乙!
いいモン見せてもらったんだぜ!

QBの力なしに魔法少女になる展開はアニメでも期待してたから主感謝

乙乙
温暖化さんのネタを出してきたあたり、>>1はできる子と思ったよ
面白かったー


これをOVA化して欲しい

ほむら&まどか「「いっけぇぇぇ……っ……!!!!!」」

私とまどかが引き絞った弦から放たれた矢は、パープルとピンクの光の螺旋を描いてワルプルギスの夜を貫いた。







ワルプルギスの夜が明ける。
誰も欠けることなく、絶望が這い寄って来ることもなく、青空が広がっている。

ほむら「まさかあなたが私を励ましてくれるなんてね。キュウべえ。」

QB 「勘違いだよ。君が時間を繰り返すことを諦めてしまったら、君がいつか生み出すはず膨大なエネルギーが手に入らなくなる。」

QB 「エネルギーが大事なんだ。エネルギーが生み出せるなら、君のことはどうでもいいんだよ。」

ごめんなさい。間違えました。マジごめんなさい。
吊ってきます。

気にするな

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