桜「部長としての威厳を取り戻したい!」夏希「……」 (62)

・帰宅部活動記録のss

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桜「夏希ちゃんに告白しようと思います!」夏希「!?」 - SSまとめ速報
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桜「夏希ちゃんに告白しようと思います!」夏希「!?」

クレア「花梨さんを妹にするわ」夏希「」 - SSまとめ速報
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クレア「花梨さんを妹にするわ」夏希「」

◇◇

アザラシ「放課後の部室~」

◇◇

夏希「……」ペラリ…

桜 「ちょっと夏希ちゃん! ガンガン系のマンガ雑誌読んでないで聞いてよ!」

クレア「はい花梨さん、あーん♪」

花梨「もむもむもむ……おいしいです♪ クレア先輩もお一つどうぞ♪」

クレア「あーん……♪」

桜 「クレアちゃんと花梨ちゃんも! お菓子食べさせあってないで!」

牡丹「おっレア素材……」ポチポチ

桜 「牡丹ちゃん! ソロプレイには限界があるんだってば!」

桜 「もーみんな、ちゃんと話聞いてー!!」

牡丹「そもそもこの間、帰宅部は非公認団体だってことが発覚したしな……桜、おまえは公式には部長ではなく、ただの仲良しチームの一員に過ぎなかったということだ」

クレア「第10話は衝撃的だったわね……」

夏希「って、アンタたちも今まで知らなかったのかよそれ!?」

桜 「そ、そんなことはどうでもいいでしょ! 公式かどうかなんてささいなことだよ!」

桜「私は部長! この部室内の全てを統べる絶対的存在なの。みんなはそれを分かってない!」

夏希「スケール小さな絶対存在ですね……」

クレア「大体、桜さんは一体何が不満だというの?」

桜 「最近のいろいろだよ! 逆エビ決めたりバケツ持って立たせたり爪にお経書いたり! 部長に対する尊敬が感じられない!」

牡丹「全て自業自得だろ」

クレア「屋上で ピー しなかっただけ感謝してもらいたいぐらいだわ」

夏希「桜センパイの場合、尊敬というより警戒が先に立ちますよね、次に何言いだすかわかんないし」

桜 「そうそれだよ! 特に夏希ちゃん!」ビシィ!

夏希「?」

桜 「せっかくその、ゴニョゴニョ……になれたのに、最近夏希ちゃんの私に対する扱いがかえってひどくなってる気がする!」

牡丹「はぁ? 今何て言ったんだ? 聞こえなかったんだが」ミミニテヲアテ

クレア「夏希さんと何になれたのかしら? はっきり言ってもらえないと分からないわよね、花梨さん?」ウフフ

花梨「はい、ちゃんと言ってもらいたいです!」ニコニコ

桜 「うぐっ!? う、うにゅにゅにゅ……/// もーっ!そんなことどうでもいいんだよ!」

夏希(全力で墓穴掘りにいってるなぁ……)

桜 「とにかく! 部活動内の上下関係は絶対なんだよ! ここら辺で部内の風紀引き締めのため、夏希ちゃんの意識改革に取りかかるべきだと思います! 先輩には絶対服従! ツッコミ禁止!」

夏希(うわあ矛先こっちに向いてきた……この人めんどくさ……)

クレア「分かっていないのね、桜さん。いえ、分かっていないフリをしている、というべきかしら」コトッ…

桜 「え、どういうこと?」

クレア「夏希さんの魅力は、その鋭すぎるツッコミに集約されている……それを抑えつけようだなんて、鳥の翼をもごうとするのにも等しい暴挙だわ」

夏希「それだとツッコミがアタシの魅力の全てみたくなってるんですけど!?」

◇◇

立体機動アザラシ「死せるアザラシの自由を~」

◇◇

牡丹「考えてもみろ、桜。もし夏希が頭の上のワを失ったら、それは夏希と言えるか?」

桜 「ハッ!? そ、それはっ……!」ピシャーンッ!

桜 「私が間違っていました……サーセン……」orz

夏希「何でその例えで一瞬で納得しちゃうんだよ!!」

花梨「そっ……そんな……なっちゃんがなっちゃんじゃ無くなっちゃうなんて、イヤですーっ……」ボロボロ

夏希「花梨もショック受け過ぎだよ! くせ毛一本の話だから!」

クレア「よしよし、大丈夫よ、誰にも夏希さんの本体に手なんて出させないわ」ナデナデ

花梨「クレア先輩……」グスグス

夏希「この前本体……じゃなかった、くせ毛引っこ抜いたのは花梨だったけどね」

夏希「まあとにかく」ハァ

夏希「これで話はまとまりましたね」ズズン…

桜 「うっ……」

夏希「桜センパイはこれまで通り、名目上の部長を務める一方で部活内のカーストの最底辺で生きていくということで」

夏希「いいですね?」ジト

桜 「よよ良くないよ! それを認めたら私のいろいろが全部終了じゃん!」

桜 「とにかく尊敬してくんなきゃヤダヤダー! 夏希ちゃんのくせにナマイキだぞーっっ!」ジタバタ

夏希「だーっ、うっとうしいわ! その言動のどこを敬えっていうんですか!」

牡丹「まとめると、例によって桜の言いだす内容は無意味だったな。私は狩りに戻るぞ」ピコピコ

クレア「無から有を生み出すことはできないのよね……私も花梨さんを愛でる作業に戻らせてもらいます」ナデナデスリスリ

 ヤンヤンッココジャダメデスヨー ウフフフフ♪

桜 「……くっくっく」

夏希「?」

桜 「二人とも、言ったね?」

牡丹クレア「「はっ!? ま、まさか……!」」

桜 「その思考停止に! 私はこの言葉を贈ろう!」

桜 「精神的に」【S!】

桜 「向上心の無い者は」【K!】

桜 「馬鹿だ!」【B!】

ビシィィ!

──牡丹・クレア失格!!──

花梨「わぁー久しぶりのSKBだぁー♪」パチパチ

牡丹「これ言われる側になると結構イラつくな」

クレア「まさか桜さんに言われるとは思わなかったわ」

夏希「そもそも使い方合ってんですかこれ」

桜 「二人は重要な事を見落としているよ」フフン

桜 「確かに夏希ちゃんに先輩への尊敬を求めるのは無理があるかもしれない」

桜 「夏希ちゃんはこっそり牡丹ちゃんの水平斬りを練習したり、ぬいぐるみに名前を付けて可愛がったり」

桜 「二人きりになると機嫌のいい時はデレッデレで甘えてきたりして正直こっちの脳がもたないんじゃないかってぐらい可愛いけど!」

夏希「」

夏希「うぉぉい何カミングアウトしてんだこの人ぉぉぉ!? ///」

桜 「それはあくまで周りの目が無い場所限定の話であって、部活の場ではあくまでツンのみデレ無し! それは認めざるを得な……んん?」

牡丹「ニヤニヤ」

クレア「ニコニコ」

花梨「//////」

夏希「そ……そんな目で見るなぁ!!……見ないでくださいお願いします……」ツップシ

桜 「ご、ごほん!/// とにかく私の言いたいのはね! 我らが帰宅部は、2年生3人と1年生2人、この微妙なバランスで構成されてるってこと」

桜 「花梨ちゃんまで夏希ちゃんに染まって私達より上の立場になっちゃったらどうするの!?」

花梨「私ですかー?」ポエ?

クレア「花梨さんが……」

牡丹「私達より上に……?」

夏希(後で覚えてろこのツインテール)ギリリッ

◇◇

アザラシ「牡丹の想像~」

◇◇

学ラン花梨「牡丹~、おはぎとかりんとう買ってこいよ~、5分以内な~」

パシリ牡丹「はっ、はい! あの、ではお金を……」

学ラン花梨「ああん~?」ギロ~

パシリ牡丹「すすみません! すぐ行ってきます!」バビュン!

学ラン花梨「お釣りちゃんと持ってこいよ~」

◇◇

アザラシ「クレアの妄想~」

◇◇

ボンテージ花梨「ほ~らクレア~。這いつくばって私の足を舐めなさい~?」

犬耳クレア「は、はい、花梨様……///」

ボンテージ花梨「あらぁ~? 最近の犬は喋って二足歩行するのかしら~? もっとちゃんと躾けないとダメかしらね~」

犬耳クレア「わ……わんわんっ!///」ヨツンバイッ

牡丹「し、新鮮でいいかも……///」ドキドキ

クレア「すっかり馴染んだ頃に意外な顔見せる花梨さん、素敵……///」ポーッ

夏希「何で二人とも嬉しそうなんだよ!!」

花梨「わっ私そんなんじゃないですーっ!」ウワァァン

桜 「……」コリャダメダ

桜 「二人が実はドMなのを失念していた私にも非はありました!」

桜 「でも私は部長として、帰宅部が下剋上状態になってしまうのを看過するわけにはいかない……このままじゃたった一度の青春を棒に振る事になりかねないよ!」バン!

クレア(夏希さんにちょっかい出してはおしおきされるのを喜んでる桜さんにだけは言われたくないわ)

牡丹(ブーメラン)

桜 「こうなったら、実力主義で行こう! 5人で勝負して、その順位で部内の立場が決定する……階級決定(カースト・ジャッジ)!」ドォォォン

夏希「確か前にも格付け的な事をやった気がしますけど」

牡丹「合コン練習の女子力勝負だな」

クレア「あの時は花梨さんの圧勝だったわね」

花梨「えへへ……あれ、でも最後牡丹先輩が逆転しませんでしたっけ……?」

牡丹「そうだったか?」

夏希「……」ムゥーッ

牡丹「な、何で私を睨むんだ夏希?」

牡丹「なら、スポーツか武道はどうだ」

夏希「あからさまに自分に有利な提案してきた!?」

桜 「え、サッカーとか?」

クレア「道明寺ィィ、何か言ったかぁぁん?」

牡丹「今度は鉄鉱石入りのバケツを用意するか」

桜 「ごっごめんなさい何でもありませんサーセンしたぁぁ……!」ブルブルガクガク

夏希「トラウマになってるし……」

花梨「球技大会では先輩達、野球で対決してましたね~」

クレア「野球はダメよ。何番煎じだって叩かれてしまうわ」

夏希「必要以上に他作品意識するの止めましょうよ」

桜 「じゃあサバイバルゲーム」

牡丹「それは明らかにもっと叩かれるだろうが」

夏希「今別に何もディスったりしてませんよね? してませんでしたよね!?」ヒィィ!

◇◇

きんいろアザラシ「問題なんか何も無いよ?」

◇◇

牡丹「体を動かすのが駄目だというなら、私にとってはゲームといえばやはり狩りなんだが」

クレア「麻雀とかもあるわね」

花梨「配管工の人たちがカートでレースするやつなら私もできます~」

桜 「何で4人プレイのやつばっか提案すんの!? もしかしてまた私仲間外れにされかけてる!?」シクシク

クレア「仕方ないわね……5人でできる勝負……ヨットレースとか、株取引とかはどうかしら」

牡丹「そんなゲームあったか?」

クレア「いいえ、リアルで」

夏希「セレブ的発想出た! 大がかり過ぎだよ!」ガガーン

桜 「ん?……セレブ……お金持ち……それだ!」ピコーン

【大富豪とは!】

■ 大富豪(もしくは大貧民)は、トランプゲームの一種である。

■ カードに役(強さ)を設定し、より強い手札を順に場に出して早く無くすことで上がりとなる。

■ 「革命」ルールや、勝者が「大富豪」「富豪」として「大貧民」「貧民」から強いカードを取り上げる制度など、階級差を強く印象付ける点が特徴である。

■ つまり、帰宅部内の階級差を決定するゲームとして、極めて象徴的なゲームと言っても過言ではない!

【ルールオープン!】

・ジョーカーは最強札かつ、オールマイティー。革命時は最弱札となる

・8切りあり

・イレブンバックなし

・縛りなし

・通常時、ジョーカー・2・Aではあがり禁止、革命時は3あがり禁止

・都落ち無し

・スペ3無し

・5回戦で行う

・1回戦ごとに上の順位から、+5、+2、0、-2、-5のポイントを得る

・終了後に合計したポイントで最終的な順位差が決定する

クレア「こうしてみると、いろんなローカルルールがあるのね」

夏希「私大貧民って言ってました」

花梨「これなら私もやったことあります~」

牡丹「私は無い……というか高校に入るまでトランプゲームに参加したことが無かったからな……」ハハハ……

全員(うっ……)キマズイ

桜 「じゃ、じゃあ牡丹ちゃんの記念すべき大富豪デビューだね! 早速場所とイニシアチブを決めるよ!」

夏希「ちょっと待ってください」

桜 「何、夏希ちゃん?」

夏希「この勝負……最終順位がビリの人に罰ゲームを与えるっていうのはどうでしょう?」

牡丹「ほほう」

クレア「自らハードルを上げてきたわね……!」

桜 「ふうん? なかなか自信があるみたいじゃん……いいよ、私は受ける!」ニヤリ

花梨「え、ええっ……?」アタフタ

牡丹「私も構わないぞ。萩月流の継承者として、どんな勝負からも逃げるつもりは無い」キラリ

クレア「そうね……私もいいけれど、あまり長期間効力があるのは無しにしましょう」

クレア「ゲームが終わってから帰宅するまでの間、部室の中だけで効力のある命令ということで、どうかしら?」

夏希「了解です」

桜 「みんな、自分の分の内容書いた?」

全員「はーい!」

桜 「じゃあ、この箱の中に入れて」

牡丹「最後に1位だったものが引いた内容が罰ゲームになるのか」

罰ゲーム内容:

1.ネコ耳とネコ尻尾を付けて、語尾に「にゃん」を付ける

2.全ての質問に対して嘘をつかずに答える。沈黙も不可

3.メイド姿で他のみんなにいろいろサービスする

4.指定レスのコンマ以下の数字×20回腹筋

5.4位の人のものまねをする


クレア「ふふっ、モチベーション上がってきたわ~」

牡丹「あまりに鬼畜な命令をすると、自分が引いてしまうリスクもあるわけだな」

花梨「負けちゃったらどうしよう……」オロオロ

夏希(この勝負……目的は一つ! 敵も一人!)

夏希(罰ゲームの提案は、ただの攪乱……アタシの真の目的を覆い隠し、桜センパイの注意を逸らすための、いわばデコイ)

夏希(アタシにとって、部内の階級とかは割とどうでもいい……ただ、アタシが上、桜センパイが下という格付けを確定させる、それだけが戦略的ゴール!)ゴゴゴゴゴ

桜 (なーんて事を考えてるんだろーね、夏希ちゃんは)

桜 (とっくにそんなのはお見通しだよ……私には二重三重の必勝の策がある……今日を境に、ドSな後輩に調教されるヘタレ部長なんていう汚名は返上してみせる!)キュピーン!

【イニシアチブ!】

桜→夏希→クレア→花梨→牡丹

──第1ゲームスタート──

桜 「よし、先攻取った!」

桜 (しかも夏希ちゃんの前! これはつまり、夏希ちゃんの動きに対して全て先手を取れるということ!)

牡丹「くっ……一番最後からか」

花梨「えっとえっと……AはKより強いから、こっちに並べて……」ワタワタ

クレア「花梨さん、カードを並べなおすときは他の人に見えないようにね?」

桜(まあとりあえず定石通り、弱い札から切ってくかな) 【4】

■ 夏希、これにノータイムで【8】!

桜「なっ、いきなり8切りだとっ!?」

夏希「このゲームでは初手が重要……甘くみましたね、桜センパイ」

夏希「続いて階段(シークエンス)っ!」【3】【4】【5】

■ 5人プレイでは、3段の階段でも簡単には覆せない! しかも場の札や持ち札から予想しにくい、いわば、死角ッ!

クレア「まあ、数字は弱いのに出せないわ……」

■ 夏希の目論見通り、クレアはパス。ところがここで、番狂わせが生じる!

花梨「んっとえっと……あ、私、出せます~!」パサッ 【K】【A】【2】

夏希・桜「えええええ」ドヨドヨッ……

夏希「いきなりそんな高い札切っちゃうの?」

桜 「何かもったいないっていうか、後で困ることにならない?」

■ そして夏希・桜に襲い掛かる、更なるショック!

牡丹「なかなかやるな、花梨。私も負けていられない……これは出せるんだったよな?」
【A】【2】【ジョーカー】

夏希・桜「最高位階段(ハイエスト・シークエンス)ッッ!?」

クレア「まあ、二人ともすごいわね~」ニコニコ

■ ここに至って、夏希と桜は致命的なミスに気付く!

■ それは他の3人との意識の差……単に勝負勘に止まらない、性格や環境の違いから生まれる、根本的な価値観の落差!

■ カード配布の強運と悪意の無い天然から繰り出される予想もつかない攻め手で翻弄する、花梨の【無垢なる天使(イノセント・エンジェル)】!

■ 初心者ゆえの超攻撃的な姿勢から名づけられた、牡丹の【萩月流轟炎符術】!

■ 生まれついての大富豪、まさにこのゲームの体現とも言える存在、クレアの【世界の女王(クイーン・オブ・ザ・ワールド)】!

夏希(し、しかも、この3人……)

桜 (個々でバラバラに戦っているわけじゃない……!?)

■ 意外にも堅実かつ理知的な構築で桜・夏希の攻撃を阻む、【防御のクレア】と、自分の上がりは度外視して続く二人を苦しめる【攻撃の牡丹】が【守護者(ガーディアン)】として庇護対象たる花梨をがっちりとガード!

■ イニシアチブの時点で、既に対立の図式は3対2となっていたのだ!

■ そして、常識とMottainai精神に縛られた根っからの庶民である夏希と桜に許された運命は、ただ一つ……

■ 煌びやかな宮殿を望むことも叶わぬスラムの泥濘の中で、のた打ち回ることだけである!

──第1ゲーム終了──

桜 「だ、大貧民……」orz

夏希「貧民です……」ガクリ

牡丹「何とか平民で上がれたな、花梨感謝するぞ」

花梨「えへへ、どういたしまして~。」ニコニコ

クレア「花梨さん、よく頑張ったわ」ナデナデ

クレア「では桜さん……じゃなかったわ、大貧民さん。一番強い2枚のカードを貢いで貰えるかしら」

桜 「どうぞ、お納めください大富豪様……」

花梨「なっちゃんありがと~♪」

夏希「どういたしまして……」

■ 言うまでもなく、手札が弱体化するこのルール……もう一つの弱点は、敵である富豪(セレブリティ)達に自分の最強札が知られてしまうということである。5人プレイでは、圧倒的不利に繋がる……!

■ だが、これは逆に、カードに偏りが生じ、マルチカードの役が生じやすいという利点も生じる。この時点で共闘の道を模索していれば、貧民(プア)にも巻き返しの目はあった……だが!

──第2ゲーム開始──

桜 (よし……乾坤一擲……! 肥え太った豚共に目の物見せてやるっ……!)

桜 「階級の壁は“逆転”する!」

桜 「思い知れ、革命(レボリューション)っっ!」【K】【K】【K】【K】!

クレア「何……ですって……!?」

花梨「わ~革命だ~」ォォ!

夏希「あ、それ出せます」 【J】【J】【J】【J】

桜 「にょわぁぁぁぁ~!?」ガガーン

桜 「なな何で革命返ししちゃうの!? 夏希ちゃんだって不利になるでしょー!」

夏希「しょうがないじゃないですか、微妙な強さの札だしここで4枚出しとかないと後が苦しいんですから……」

■ 所詮、相容れない関係……SとM……お互いを蹴落とす事しか頭に無い……

■ 桜はついに、なりふり構わぬ手段に打って出る!

──第3ゲーム──

桜 (だ、大富豪様、平民様……!)

クレア(あら、“こっち”で話しかけてくるなんて、どうしたのかしら、大貧民さん)

桜 (ど、どうかお情けを……このままでは夏希ちゃんに負けてしまいます……!どんな罰ゲームでもするから、それだけはっ……)

牡丹(裏取引とは感心しないな)

桜 (お願い! ここで夏希ちゃんより「下」が確定しちゃったら、ただでさえ過酷な夏希ちゃんの毎日の要求がより凶悪なものになってしまいます……!)

クレア(詳しい内容は聞かないでおくわね)

■ 武闘派の牡丹が嫌悪感を示すのは当然だが、本来の戦争とは、単に武力のぶつかり合いに止まらない……むしろ水面下の交渉で大勢が決する事も少なくないと、歴史が証明している、立派な戦術である。

■ 帰宅部で1年半近くの濃密な時間を過ごした3人には、直接言葉を交わさずとも心の声でコミュニケーションが可能……瀕死の桜がすがる、窮余の策……だがしかし!

花梨(先輩たちだけで内緒のお話しなんて、ずるいですぅ~)プクゥ

クレア(膨れる花梨さんも可愛いわ)ニコニコ

桜 (かっ花梨ちゃん!? 何で心の声が分かるの?)

花梨(だって、私も先輩達と何か月も一緒にいるんですもん~。それぐらい分かりますよ~)ニコニコ

牡丹(ふっ……私達の過ごした時間は、心さえも強く結びつけてしまったということか)

桜 (えええーっ!? そ、それじゃあまさか……)


夏希(早くカード切れよ!!)


全員(ツッコミで心の声に割り込んできたー!?)

■ 水面下での同盟交渉、不発……!

夏希(後で覚えててくださいよ裏切り者)ギロリ

桜 (それどころか、余計に状況悪化しちゃったー!?)ゾクゥ!

クレア(ねえもう普通に喋らない?)

──第4ゲーム──

現在のポイント

 クレア:12  花梨:9  牡丹:0  夏希:-9  桜:-12

夏希(このままなら、何とか逃げ切れる……まだ4位から脱出できる目もあるし)

夏希(桜センパイにはもう打つ手は残っていないはず……ここで突き放せれば…!)

桜 (なーんてことを考えてるね、夏希ちゃん)

桜 (心を閉じたつもりでも、それぐらいは分かるよ……でも、私にはまだ最後の策があるっ)ニヤリ チラッ

ワ (ピョコ…フリフリ…)

桜 (それは、夏希ちゃんの本体……!)

桜 (嬉しいときやびっくりしたとき、ツッコむとき、デレデレなとき、私に何かドSな企みをしてるとき、本体はぴょこぴょこと確かに動く……それは夏希ちゃん以外の全員に周知の事実)

桜 (だけど実は、ちょっとした思考の迷い……感情の揺れ……そういったものも感知して、常に僅かに動いているんだよ)

桜 (それはちょっと見ただけでは判別できない、本当に小さなゆらぎだけど……クラブ紹介で初めて会った時からずーっと夏希ちゃんを見つめてきた私にだけは分かる!)

■ もちろん、手札の内容や詳しい戦術までは分からない。しかし、この極限状態……薄皮一枚の判断が明暗を分ける状態では、微妙な思考の駆け引きが重要。これが決して小さくないアドバンテージを桜に与えるはず、だったのだが……!

夏希「……ちょっとタイムいいですか?」

クレア「タイム? いいけれど……リラックスするために靴でも脱ぐの?」

夏希「いや、そうじゃなくて……」ゴソゴソ……キュッ

花梨「わぁ~、それ桜先輩の髪留め?」

牡丹「ぷっ……くくっ……なんだその髪型」

夏希「気分を変えたかっただけですよ……///」

桜 (な、何だってー!? 髪留めで固定されて、本体の動きが分からない!)ガガーン

クレア(気に入らない風なこと言ってたわりに、いつもバッグに入れて持ってたのね)ホワワン

■ まさか自身が与えた“いいもの”が自らを縛ることになろうとは……桜、痛恨!

■ だが、勝負とはどう転ぶか分からないもの……恥ずかしさが夏希の思考と判断力を鈍らせた結果!

──第5ゲーム開始時──

現在のポイント

 クレア:14  花梨:14  牡丹:-2  桜:-12  夏希:-14

夏希「さ、最下位に転落……」ガクッ

桜 「4位脱出もほとんど絶望的……」orz

夏希・桜(もう下位脱出は諦めて、桜センパイ(夏希ちゃん)に勝つことだけに集中するしかない!)

■ 夏希と桜、勝利はどちらの手に? 

【現レスのコンマ以下が奇数なら夏希、偶数なら桜の勝利】

夏希(結局残ったのはやはり、私達二人)

桜 (残り札はお互い2枚ずつ)

夏希 (この局面では、もうどんな思惑も戦術も意味を為さない……)

桜・夏希(今までの積み重ねと運が、全てを決する!!)

桜 「臆するな……道明寺桜!」

桜 「もしトランプの神がいるのなら、前に向かうものを好きでいてくれるはず!」

花梨「桜先輩、かっこいいです……」ドキドキ

クレア「どこかで聞いたようなセリフだわ」

桜 「通らばリーチ!」【Q】!

夏希「……通りません」ニヤリ 【K】【5】上がり!

桜 「」

桜 「な、何……だと……? なななんでこんなことにぃぃー!?」orz

夏希「決め台詞が負けフラグだったんじゃないですかね……」フゥ…

──全ゲーム終了ッ!!──

【最終結果】

 1位:九重クレア「世界の女王」:19ポイント

 2位:塔野花梨「無垢なる天使」:14ポイント

 3位:大萩牡丹:0ポイント

 4位:安藤夏希「アホ毛の通訳担当」:-16ポイント

 5位:道明寺桜「ドSの後輩に調教される名目上のみのヘタレ部長」:-17ポイント



夏希「って何だよこの二つ名!? 通訳担当じゃないから!」

桜 「私の汚名返上どころか、確定しちゃってるー!?」ガガーン

牡丹「狙ってプラマイゼロじゃないからな。たまたまだ、たまたま」


◇◇

魔王アザラシ「トランプって楽しいよね!」

◇◇

クレア「さて、桜さん。分かってるわね?」ニコ

桜 「や、やっぱ罰ゲームやんないとダメ?」アセアセ

牡丹「往生際が悪いぞ」

クレア「では、くじを引いて内容を決めるわね」

【桜の罰ゲーム内容】

1.ネコ耳とネコ尻尾を付けて、語尾に「にゃん」を付けて喋る

2.全ての質問に対して嘘をつかずに答える。沈黙も不可

3.メイド姿で他のみんなにいろいろサービスする

4.現レスのコンマ以下の数字×20回腹筋

5.4位の人のものまねをする



現レスのタイムの最後の数字が1,6→1  2,7→2  3,8→3  4,9→4  5,0→5

牡丹「普段から体を甘やかしまくってる桜にはちょうどいい罰ゲームだったな!」アッハッハ

夏希「一番微妙なのが来ちゃいましたね……」ウワア

クレア「80回という回数も微妙だわ」

花梨「そんなにたくさん腹筋しなきゃいけないなんて、桜先輩かわいそうです……!」ウルウル

桜 「ていうかこれ牡丹ちゃんの書いた内容だよね絶対」

しえん

帰宅部SSとか珍しいな
支援

桜 「んーっ……! んーっ……!」プルプル

夏希「さっさとやってくださいよ。まだ5回目ですよ」アシオサエ

クレア「はあ……絵的にあまり面白くも可愛くもないわね……」パシャ パシャシャ!

夏希「でも写真は撮るんですね」

牡丹「ウェイトも無しでこのザマとは情けないな……80回ぐらい1フレームで終わるだろ普通」

桜 「それ絶対処理落ちするよ! 体力チートバカの牡丹ちゃんと一緒にしないで!」

牡丹「……頭が床につかないように下に剣山を置くか」コト

花梨「桜先輩の後頭部がハリネズミになっちゃいますぅぅ!!」ガガーン


◇◇

腹筋アザラシ「この世界は残酷だから……」フンッフンッ!

◇◇

──罰ゲーム終了──

牡丹「いつの間にかこんな時間か」

桜 「ぜぇ、ぜぇ……じ、地味にキツかったです……」グッタリ

花梨「先輩大丈夫ですか?」オロオロ

クレア「これで桜さんフォルダが1.2倍に膨れ上がっちゃうわね」ウフフ

夏希「あんだけ撮っといて1.2倍だけ!?」

桜 「や、やっと帰れる……」ホッ

夏希「はぁ? 何を甘っちょろい事を言ってんですか、桜センパイ」ズズン

桜 「へっ?」ミアゲ

夏希「牡丹センパイたちは先に帰っててください」

桜 「へっ?」

夏希「アタシは桜センパイとちょっと」

夏希「お話がありますので」ニコッ

桜 「!?」ゾクゥ

花梨「じゃあなっちゃん、桜先輩、がんばってねっ」ニコニコ

ガラガラガラピシャン イヤーツカレタナー オモシロカッタデスー マタダキマクラカバーヲセイサクスルサギョウガハカドルワネ!

桜 「ちょっ……待ってみんな! 置いてかないで!」

夏希「はいはい、センパイはこっちですよ」グイッ ズルズル

桜 「いやぁぁぁぁぁーー!」

◇◇

子牛アザラシ「ドナードナー」

◇◇

桜 (椅子に座らせられた……一体これからどうなるの?)ビクビク

桜 「あうううう……な、夏希ちゃん、一つだけお願い……」

夏希「何ですか?」

桜 「縛るのは服で隠れるとこだけにしてぇ~~」ウルウル

夏希「多方面に妙な誤解を招く発言は止めてくださいよ!」クワッ

夏希「全くもうこの人は……」ハァ

 チョコンッ

桜 「わっ……いきなり私の膝の上に座ったりして、何々?」アタフタ

夏希「ごちゃごちゃうるさいなあ……センパイは正式に私より格下の存在になったんです。てことは、何をされようが文句言う権利も無くなったって事ですよね?」スリスリ

桜 (な、夏希ちゃんの体が密着して……控えめな胸が当たってるよ///)

桜 (あったかくて……やわらかくって……いい匂いがして……!)クラクラ

夏希「わぁい、久しぶりに桜センパイを独占だぁ~」エヘヘ ピョコピョコ♪

桜 「な、何これ! 地獄かと思ったら天国だったよ?? もしかしてドッキリとか?」キョロキョロ

夏希「もー、センパイってば……どこ見てるんですか」グイッ

桜 「おごっ」グキィ!

夏希「センパイはアタシだけを見てればいいんです……」

夏希「んー♪」

桜 (夏希ちゃんが目閉じて待ってる……///)

 チュッ……

桜 「ん……んふ……れろっ……」サワサワ

夏希「……ン!……んぅ……ちゅぱッ……」ビク!

桜 「んふふ……れろぉ……」ナデナデ

夏希「んぅッ……っぷぁ!」

桜 「ぷはぁ……」

夏希「セ、センパイ……何かキス上手くなってません? ちゃんと鼻で息してるし……」トロン

桜 「まあねっ! 私も日々成長してるってことだよ☆」ウインク

夏希「センパイのくせに生意気ですよもう……キスの間もやらしく触ってくるし……ひゃっ!? って、またそんなとこ触って……!」ビクン

桜 「夏希ちゃんって結構いろんなとこ敏感だよねー♪ あ、ここもう固くなってない?」チョン

夏希「ひっ! いつの間に制服脱がして……あうっ……///」ガクガク

桜 「えいっ」オシタオシ

夏希「あ……///」ポーッ……

桜 「夏希ちゃん」キリッ

夏希「は、はい……///」

桜 「今日は帰宅させないからね☆」

夏希「は? いやそれはマズイだろんぅっ」

桜 「んちゅっ……」

桜 (絶体絶命かと思ったら、千載一遇のチャンスがめぐって来た!)

桜 (このまま夏希ちゃんをメロッメロのトロットロにして……!)

◇◇

夏希「桜お姉さま……」シナダレ

桜 「何だい夏希?」キリッ

夏希「だぁいすきです♪」ホッペニチュ

桜 「みんなが見てるっていうのに、夏希は大胆だなぁ」ハッハッハ

クレア「さすが桜さん、一晩であの夏希さんを完堕ちさせるなんて、さすが部長ね」ソンケイノメ!

牡丹「萩月流継承者の私でも、この桜のイケメンぶりにはキュンときてしまうな」ウムウム

花梨「桜先輩、素敵です! 女子力52万の私も彼女さんにしてくださいっ!」キャーッ!

◇◇

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