未央「魔人探偵?」 (47)

モバマス×魔人探偵脳噛ネウロのクロスssです。

時間を見つけてちまちま書きためたものをちまちま投下していく予定です。

あんまり長くないと思います。

遅筆なうえに話の面白さは保証できませんが、それでもよければどうぞ読んでください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380546182

すいません。早速ですけど、投下するの一時間くらいあとになりそうです。

「ひどい殺され方だったみたいね、未央のお兄さん」ヒソヒソ

「そうらしいわね。でも何もあそこまでやることなかったのに……」ヒソヒソ

「捜査の方、難航してるらしいわね」ヒソヒソ

「そうらしいわね」ヒソヒソ

未央「……」

未央母「未央」

未央「お母さん……。何?」

お母さん「あなた、ずっと寝てないんでしょ?もう家に帰って休みなさい」

未央「うん……」

早苗「未央ちゃーん」

未央「あ、刑事さん」

早苗「どーも。聞き込みでお邪魔してるよ」

早苗「大変だけど、全力で捜査してるから、お兄さんを捕まえた犯人もすぐ捕まるよ」

未央「あ、あはは。そんな血眼にならなくても、気長に待ってますよ」

立ち去る未央。

早苗「はぁー、お兄さんが殺されたのに、ご立派なこと」

早苗「いや、耐えれてるのかねぇ?」

未央(警察の人がいうにはこの事件には謎があるらしい)

未央(謎は嫌いだ。日常を壊して突然やって来て)

未央(混乱を成長させて頭のなかをぐちゃぐちゃにしていく)

未央宅

リビングのテーブルにはラップをかけた母の料理が置いてあった。

未央「……食欲なんか、出るわけないじゃん」

???「食欲が、わいてくる」

???「我輩の大好きな…」

???「謎のにおいだ」

―翌朝―

未央(……)

未央(友達からの慰めの電話が、何度もかかってきた)

未央(それでも、頭の中の混乱は消えない)

未央(お兄ちゃん……)

未央「……う、ぐすっ」

???「なぜ泣いているのだ?」

未央「決まってるでしょ。家族が殺されたら誰だって……」

???「それはおかしいな」

???「貴様は今泣くのではなく笑うべきだ」

未央「?!」バッ

未央「……………」

未央「幻聴なんて……。よっぽど精神が不安定なのかな」

???「至近距離に美味しそうな謎があるのだぞ?」

未央の目の前に男が立っていた。
天井に張り付いて逆さになった男が。

???「我輩なら嬉しくて、笑いが止まらないぞ?」

未央(これ以上頭が混乱することは、一生ないに違いない)

???「なかなかに香ばしい気配だ。地上に来て最初の謎としては合格点だな」

未央「な、な、なんなの?あんた……」

???「我輩か?おぉ、人間は名乗らねばわからんのか」

???「我輩はネウロ、脳噛ネウロだ」

ネウロ「『謎』を喰って生きている、魔界の生物だ」

ネウロと名乗る男の頭がオウムのような何かに変化する。

未央(夢か現実か、それとも幻かもしれない)

未央(でも、目の前に現れたこのよくわからないこの生き物は、絶対に人間じゃない!)

とりあえず、こんな感じでちまちま投下していきます。

あと、この未央には兄がいる設定です。

ひとまず乙
やっぱりネウロはカリスマ性あるな

ネウロクロスとは、昔、「安斎みヤコ魔界探偵事務所」というフレーズだけ思い付いて放置した自分としては反応せざるを得ない
おっつおっつ。がんばってー

ヤコポジはちゃんみおか
大食い+いじられ的にかな子もいいなとは思ったがアグレッシブさが足りないか

期待

早く……早く書くんだよ!!!!!

ネウロ「さて、急がないと謎の鮮度が落ちてしまう。そこの人間、手伝うのだ」

未央「え?いや、何で私が」

ネウロ「名前は、本田未央。か」

そう言いながら骨壺をつかむネウロ。

ネウロ「本田未央。貴様に謎のうまさを教えてやろう」

ネウロの掴んだ骨壺から兄の骨が出てきてネウロと一緒にけたけたと笑った。

未央(そんなものを見せられた私は呆然としたまま、外に出た)

近くのファミレスにて。お昼時だが、店内は閑散としていて未央とネウロ以外は二人しかいない。

未央「ね、ねぇ。あんた」

ネウロ「なんだ?」

未央「いや、その……。あんたってどこから来たの?」

ネウロ「我輩は魔界からやって来たのだ。地上の謎を食うためにな」

未央「はぁ?……じゃあさ、何でわざわざ地上に出てきたの?魔界の謎じゃダメなの?」

ネウロ「魔界の謎はすべて食いつくしてしまったからな。我が脳髄の空腹を満たすために地上にやって来た」

ネウロ「だがしかし、我輩は地上では目立って動くことはできないかな。それで、奴隷にんぎょ……」

ネウロ「もとい、よき協力者が必要なのだ」

未央「……今奴隷人形って言おうとしたよね?」

ネウロ「気のせいではないか?貴様の耳がおかしいのだろう?」

未央「……はぁ。ごめん、あんたの話全然解んない。もう少し分かりやすく分かりやすく説明してよ」

ネウロ「そうか、なら分かりやすく説明してやろう。もうすぐこの店で殺人が起きる」

思わず吹き出す未央。

未央「いや、いきなり変なこと言わないでよ。思わず吹き出しちゃったじゃん!」

「」ゲボォ

そのとき、客の一人が、一目で致死量とわかる血をはいた。

「」

頭がテーブルにぶつかる音が店内に響いた。

数分後。警察が到着する。

未央「悪意?」

ネウロ「そう。いたずら心から殺意まで、すべては悪意」

ネウロ「エネルギーは悪意のなかに入り込むと、外敵から宿主を守る複雑な迷路を作り出す」

ネウロ「これが謎だ。つまり我輩の食事とは謎のトリックを解き明かし、中のエネルギーを引きずり出すことなのだ」

未央「???」

ネウロ「理解できないか」

ネウロ「まぁ、それでも構わない。貴様は探偵役を演じてくれればいいのだ」

未央「……探偵役?」

早苗「あれ?未央ちゃん?」

未央「あ、刑事さん」

早苗「ごめんね、こっちも人手不足でさ。初動捜査だけやったらすぐそっちの事件の捜査に戻るからさ」

未央「あ、いや」

早苗「あれ?そっちのおにーさんは?」

未央「あ、そうだ刑事さん助けてこいつ化けmモガァ?!」

ネウロ「僕は助手です!この名探偵本田未央先生の!」

早苗「名探偵?未央ちゃんアイドルじゃなかったの?」

ネウロ「先生はネットでは名の知れた推理マニアでしてね。僕は先生の推理力に惚れ込んで、助手にしてもらったのです」

早苗「ふーん、そうだったんだ」

ネウロ「はい、今回のお兄様の事件も、必ずや自分で解決して見せると。僕はそのお手伝いを」

未央「!??」

早苗「……。ま、ほどほどにね」

未央のもとから離れる早苗。

未央「ちょっと、どういうことなの?!」

ネウロ「さっきも言ったではないか。我輩は地上で目立つことはできないのでな。魔界のマナーに反する」

ネウロ「謎を解くのは我輩だ。ただそれを貴様が解いたことにしてほしいのだ」

未央「は!?無理無理絶対無理!そんな余裕ないもん!」

ネウロ「無理か?ならさっきのように口にてを突っ込むぞ?」

未央「探偵の真似事させられるくらいなら口にてを突っ込まれた方がまし」

ネウロ「ほう。口にてを突っ込まれた方がましか。なら仕方ない。口にてを突っ込むことにしよう。」

そう言って手袋をはずすネウロ。ネウロの手は無視か何かのように黒く禍々しい形をしていた。

未央「や、やっぱ、探偵役、やる」

ここまで。トリックは一応原作とは別のものを考えてあります。

ネウロのアニメは酷かったな

モブ警官「コーヒーのカップに毒物反応が出てますね」

早苗「被害者は男性で、一人で食事をしていたんだよね?」

厚ぼったい眼鏡をかけ、髪を結んでポニーテールにした女性店員を見ながらいう早苗。

店員「はい。この人はこのお店の常連でよく一人で来るんですけど……」

早苗「ふーん」ガサゴソ

店員の話を聞きながら男性のものと思われる鞄を漁る早苗。鞄から携帯や勤め先のものと思われる資料、ハンカチとポケットティッシュが出てくる。

早苗「お、これは」

早苗が最後に鞄から出したもの、それは液体の入った瓶だった。

早苗「これ毒?」

モブ警官「もろ毒だね」

早苗「じゃあ、もしかしたら自殺かもしれないね」

モブ警官「へ?」

早苗「いつもこの人、一人で来てたんだよね?」

店員「は、はい……」

早苗「じゃあ、誰かがカップにこっそり毒をいれるようなことはしないよね?」

早苗「毒もこの人の鞄から出てきたんだし、仕事かなにかでストレスを溜め込んで、それでよく通っていたこの店で毒を飲んで自殺した、と」

モブ警官「はぁ、なるほど」

警官のやり取りを遠くから見る未央とネウロ。

未央「ほら、警察も自殺だって言ってるよ?謎なんかないんだって」

ネウロ「いや、この事件には間違いなく人の悪意から作られたものだ」

ネウロは近くにたって同じく警察のやり取りを見ていたこの店の店長に話しかけた。

ネウロ「すいません。先生から聞いてこいと言われたんですけど……」

ネウロ「あの人って……。……はい、ありがとうこざいます」

ネウロ「よし貴様の出番だぞ」ガシッ

未央「え?私何すれば」グイッ

早苗「じゃあ、この人の自殺ってことで」

ネウロ「ちょっと待ったぁ!」

早苗未央「ゲフ!」ドカッ

ネウロ「おやおや、先生ったら体をはって警察を引き留めるとは流石です」

ネウロ「先生はすべてを解き明かしたようですよ。この事件の全容を!」

早苗「なんですって?」ヨロッ

ネウロ「先生、起きてください」

未央「え?」

そのとき、未央の腕が未央の意思とは逆に勝手に動き出した。

未央(これ、あいつの意思?!)

ネウロ「叫ぶのだ、『犯人はお前だ』と!」

未央「は、犯人は、お前だ!」

未央の降り下ろした指の先には、このファミレスの店員が立っていた。

店員「は?私?!」

ネウロ「その通り。あなたが犯人です」

ネウロ「さて、本来なら未央先生が推理を披露するところですが、光栄なことに未央先生は僕に推理の代弁を任せてくれるそうです」

ネウロ「まず、先生が感じた違和感から説明しましょう」

ネウロ「刑事さん、この男性の鞄から出てきたのはこれで全部ですか?」

男性の鞄から出てきたもの、携帯、資料、ハンカチ、ポケットティッシュに目をやりながら聞いた。

早苗「えぇ、そうよ」

ネウロ「おかしいですね?なぜ財布が入ってないのですか」

店員「!」

ネウロ「財布には現金や免許証などの身分証明書も入ってるでしょうし、持ち歩かないのはおかしいでしょう?」

早苗「言われてみればたしかに…」

ネウロ「恐らく被害者の男性は財布をもって出勤しているのでしょう。それなのにそれがないのは犯人が持ち去ったからです」

早苗「それとこれと、何が関係あるの?犯人は財布ほしさに殺しをしたわけ?」

ネウロ「いいえ。それは犯人にとって、都合の悪いものが入っているからでしょう。ですよね?」

店員を見ながらネウロは続けた。

ネウロ「これですよね?男性の財布。あなたのポケットに入ってましたよ?」

その手には財布が握られていた。

店員「はっ!いつの間に…」

ネウロ「中には被害者の顔写真つきの免許証と」

財布から一枚の写真が出てきた。そこには被害者の男性と女性が写っていた。

ネウロ「この写真に写っているのは貴方ですね?」

ネウロ「店長さんもいってましたよ?あなたはここで働いてるときだけ、眼鏡をつけ髪を結んでいると。この写真を見せたとき、間違いなくこの女性は貴女であると仰っていましたよ」

ネウロ「働くときだけ眼鏡をかけ髪を結ぶ理由は貴方と被害者が顔見知りだから」

ネウロ「そして、この店で働いている理由は被害者がこの店の常連であると知っていたからですね?」

ネウロ「あなたは被害者を自殺と見せかけ殺害するためにこの店に働くようになった」

ネウロ「そして、今日のような絶好の機会を狙って反抗に及んだ」

早苗「絶好の機会?」

ネウロ「はい。被害者の席は僕と先生からの席からは死角に入っているため、見えません。もう一人の客からはそもそも席の場所が全く違うため、見えることはありません。被害者の席が、他の客から見えない機会はそうそうない」

ネウロ「更に客も少ないですからね。正しく絶好の機会と言えるでしょう」

ネウロ「あなたは被害者が席をたつのを見計らい、被害者の席に向かい、被害者のコーヒーに毒をいれた」

ネウロ「その後、被害者の鞄に毒入りの小瓶をいれ、入れ替わりに財布から写真を取り出そうとした。被害者と関係があると知られたら疑われますからね」

ネウロ「ですが、財布から取り出す前に被害者が席にから戻ってしまった。それでやむを得ず財布ごと持っていった」

ネウロ「その後、何も知らない被害者は毒入りのコーヒーを飲んで死亡。警察からは自殺として処理される」

ネウロ「貴方はそんなシナリオを頭のなかで描いていたのでしょう。そのために今までこの店で、被害者を[ピーーー]タイミングを計っていた。そして貴女が殺したという証拠こそが、この財布と言うわけです」

店員「そ、そんな……」

ネウロ「以上ですね先生!いつもながらの名推理…。代弁できた僕は幸せです!」

未央「……」

ネウロ「あれぇ?どうしたんですか先生。お手柄なのに」ガシッ

未央「あ、うん。どんなもんだい……」ミシィ

店員がヨロヨロと床に崩れ落ちる。次の瞬間、

ネウロ「いただきます」バクゥ

未央「?!」ズォ

未央(何かがこの場から消えた気がした)

ネウロ「さすが先生♪先生の言うとおり喋ったら、もうすっかり解決してしまいましたね」

未央(謎を喰った!?)

早苗「凄いわね……。あっという間に事件を解決しちゃった」

早苗「ちょっといいかな?署の方で話を」

店員「殺すしか……。殺すしかなかったのよ……」

未央(彼女が動機を話始めたときには)

未央(ネウロはもう完全に、彼女に対する関心をなくしていた)

未央(少しずつわかり始めた。こいつの目的は食事であって)

未央(頭のなかでは次のなぞを食べることを考えている)

ネウロ「あぁ、こんなものでは我が脳髄の空腹は満たされない……」

ネウロ「少し道草をしてしまったな。次は貴様の謎の番だ」

未央(私がそのときこの化け物に対して抱いたのは恐怖と、それと同様の期待だった)

未央(こいつなら、私の頭の中の混乱を食べてくれるかもしれない)

ここまで。トリックの方は問題ないですよね?(目そらし)

おつおつ
ネウロを久々に読みたくなるな

ファミレスの事件から一時間後。

未央とネウロは未央の所属する事務所にいた。

ソファに座り、テーブルをはさんだ向かい側に三人の女性が座っていた。

凛「へぇ……。探偵?未央にそんな才能があったなんて…」

ちひろ「知りませんでした」

卯月「ねぇねぇ。隣の人が助手さん?すごいカッコいいね!」

ネウロ「いえいえ」

一見平和そうに見えるざつだんだが、未央は隣に座る男が化け物であることを知っている。

しばらくすると、警察の早苗がやって来た。

それと同時に奥からこの事務所の所長も出てくる。

早苗「あ、未央ちゃん!さっきの犯人は無事引き渡したよ」

ネウロ「おや、これはちょうどいいところに刑事さん」

早苗「君、その呼び方やめてくれる?わたしの名前は片桐早苗。よろしくね」

ネウロ「あぁ、これは失礼しました。では早苗さん、出来ればもう少しこの事務所にいて頂けませんか?」

早苗「……どうして?」

ネウロ「先生が事件の概要を知りたいとおっしゃっておりまして……。先生はそのときそれどころではなくて事件の概要を知らないそうで」

早苗「……いいわよ。あなたにも話しておいた方が良さそうね」

ネウロ「ありがとうございます!ほら、先生もお礼を♪」グイッ

未央「ありがとうこざいます……」ミシッ

早苗「被害者はアイドル本田未央の兄であり、この事務所のプロデューサーでもある本田氏」

早苗「第一発見者はこの事務所の事務員、千川ちひろ」

早苗「事務所の扉を開けたら、扉のすぐ前に血まみれで倒れてたそうよ」

早苗「その後、すぐに警察に通報。まもなく死亡が確認されたわ」

未央「……」

卯月「未央ちゃん、大丈夫?」

未央「う、うん。平気……」

早苗「続けるわよ?脇腹を刃物で刺された死体は、窓も事務所の扉も完全に締め切ってあって、完全な密室だったわ」

早苗「被害者が家族と最後に話したのは前夜の十二時頃。床に飛び散った血はカラカラに乾いており、死後十時間以上はたっていたと推測されているわ」

早苗「事務所に一つしかない扉の鍵は、プロデューサーが持っていたそうよ」

ネウロ「……」

早苗「事件の内容は大体こんな感じね」

所長「……惜しい人をなくしたと思いますよ」

ちひろ「所長……」

所長「ここは見ての通り小さな事務所でしてな。それでもみんなで力を会わせ、ここまでやって来た。それなのに……」

所長「彼はアイドルからも好かれていた。そんな彼がいったいだれに殺されたというんだ……」

凛「………」

卯月「……」

未央「……」

ネウロ「なるほど、ありがとうこざいます。これでほとんどの謎が分かりました」

早苗所長卯月凛ちひろ「??!」

未央「えぇ?!ちょっとあんt」

無理矢理に未央の口を閉じるネウロ。

ネウロ「ですが、まだ不十分です。もう少し時間があれば、解決できます。ね、先生♪」

早苗「それ、本当なの?」

ネウロ「はい!」

早苗「……なら、任せてみるわ」

所長「えっ?!いやしかし、未央くんは……」

ちひろ「いいじゃないですか、所長」

凛「そうですよ、ここは事件を一度解決した未央に任せてみましょう」

卯月「私も賛成です!」

所長「アイドルのみんなが言うんじゃ、反対しないが……」

ネウロ「ありがとうこざいます」

ネウロ「では、これから先生と少し席をはずしますので、少々お待ちください」

未央「……」

ネウロ「あ、あとちひろさん。このドリンク。ひとつ貰っていきますよ」

ちひろ「あ、はい……」

ネウロと未央は扉を明け一旦事務所の外に出た。

所長「……。しかし本当に任せてよかったのかな?」

早苗「解決できなくてもいいんですよ」

ちひろ「え?」

早苗「理由はどうであれ、未央ちゃんは今お兄さんの事件にたいしてポジティブに向き合っている」

早苗「何よりの心のケアだと思わない?」

凛「……はい」

卯月「たしかに、未央ちゃん、この前よりずっと生き生きしている」

事務所の外。

人目のつかない場所で。

未央「ねぇ、ネウロ。さっきいったのは本当なの?もうほとんど謎が解けたって」

ネウロ「まあな。だが、殺された理由がまだわからないのでな。こうして外に出てきたというわけだ」

手のスタミナドリンクを弄びながら言う。

未央「……で。そのスタドリどうするの?」

ネウロ「いやなに。このスタミナドリンクとやらがくさいとおもったのだ。ラベルにはこう書いてあるな。一回飲むだけで疲れがなくなると」

未央「うん。お兄ちゃんもよく飲んでたけど」

ネウロ「ふん。一度飲んだだけで疲れが吹き飛んだら誰も苦労はしない」

スタミナドリンクを地面におくネウロ。

ネウロ「魔界777ツ道具……」

未央「へ?何?何?」

イビルジャベリン
ネウロ「断面への投擲!!」

変型したネウロの腕がスタミナドリンクを切り裂いた。

未央「」

ネウロ「物体を切断する槍ではない。切ったものの原材料を調べるのだ」

ネウロ「ふむ……。なるほどな」

ネウロの腕に浮かび上がった文字らしき図形を読んでふむふむと頷く。

ネウロ「犯人がわかったぞ。この謎はもう、我輩の舌のうえだ」

未央「!……解いてくれるの?この謎を……」

ネウロ「我輩を誰だと思っている。魔界中の謎を食いつくした男だぞ」

そう言って事務所に戻っていった。

未央もそれに続いた。

休憩。もう少ししたら終わりなんで、飯食い終わったら続きを投下します。

おk

まってまーす

再び事務所。

早苗「どう?なにかわかった?」

ネウロ「えぇ!先生は全ての謎を解き明かしましたよ!」

早苗「!」

所長「なに?!」

ちひろ「……」

凛「本当なの?」

卯月「未央ちゃん……」

ネウロ「では先生。お願いします」

未央の腕が勝手に動き始める。

未央「……犯人は……」

事務所内に緊張が走る。

そして未央の腕が下ろされた。

未央「お前だ!」

未央の指先には所長が立っていた。

所長「わ、私が?!冗談だろう?」

ネウロ「いいえ。冗談ではありませんよ、所長。あなたはもう、わたしの追跡からは逃れられない。と、先生が申しておりますよ」

所長「……どうも誤解されてるみたいだな…。私がどうやって、事務所の中にいたプロデューサーを殺せたというんだね?」

ネウロ「いいえ。プロデューサーを殺害したのは事務所の中ではありません」

所長「!」

ちひろ「どういうことです?」

ネウロ「そうですね。たとえば、皆さんの前に鋭いナイフを持った男が現れたら、どうしますか?」

凛「どうするって、逃げるに決まってるじゃん」

卯月「そうだよね」

ネウロ「その通り。夜中に事務所に呼び出されたプロデューサーは、ナイフを持った所長に刺された。所長に刺されたプロデューサーはその後どうしたと思います?」

早苗「………!事務所に入って鍵を閉め、中に閉じ籠った……」

ネウロ「その通り!そこでプロデューサーは力尽き、いきたえた。これで犯人も予想できなかった密室ができたというわけです」

ちひろ「そんな、所長。まさかあなたが」

所長「出鱈目だ!大体私が彼を殺して、なんの特になるって言うんだ!えぇ?言ってみろ!」

ネウロ「そうですね。事務所に一人しかいないプロデューサーを殺してもなんの利益もない」

所長「なら」

所長が反論しようとしたとき、スタドリを取り出すネウロ。

ネウロ「これですよ。これが、あなたがプロデューサーを殺した理由です」

卯月「スタミナドリンク……。ですか?」

ネウロ「はい。先生は思いました。飲んだだけで拾うが全快できるのはどう考えてもおかしいと。そこで、これの原材料を調べさせてもらいました」

所長「なっ」

ネウロ「これには通常の栄養ドリンクに入ってるものの他に、さまざまな薬物が入っていました」

ネウロ「コカイン、ヘロイン、覚醒剤、モルヒネ、ペンタゾミン、ステロイド系テストステロン、その他数十種類の違法薬物」

所長「!」

ちひろ「そんな……違法薬物?!」

卯月「プロデューサーはそんなものを飲んで仕事をしてたんですか……?」

凛「信じられない……」

早苗「それ、調べてみる価値はありそうね」

ネウロ「他にも、こんなものが見つかりましたよ?」

ネウロが手帳を取り出す。

ネウロ「所長室にあった金庫に入ってましたよ」

所長「い、いつのまに」

パラパラとページをめくるネウロ。

スタミナドリンク フリートレード
ネウロ「違法薬物の取引先のリストが」

そこには薬物の取引先がびっしりとかかれていた。

所長「」

所長がぎりっと音をたてて歯をくいしばる。

所長「といたのは……、未央くんか……。ふ、はははは、スタドリの原材料まで当ててしまうとはな……」

ちひろ「なんて、こと……」

卯月「所長……」

凛「………」

ネウロ「いただきます……」バクゥ

ネウロ(少し薄味の謎だったが、まぁ今日は二つ食えたのだ。文句は言うまい)

未央「なんで?!」

ネウロ「?」

未央「なんで、お兄ちゃんを」

所長「なんで?ふははは、彼は逆らったんだよ。偉大なる神からな……」

未央「神……?」

所長「ここの事務所の収入源はほとんどがそのスタドリだ。だが、彼は知ってしまった。それの正体を……」

・・・事件前・・・

本田『所長!』

所長『どうしたんだね?君?』

本田『どうしたもこうしたもありませんよ!このスタミナドリンクのことです!』

所長『そ、それがどうしたというんだね?』

本田『調べさせてもらいましたよ、これにどんなものが入っているか!これは立派な違法薬物じゃないですか!』

所長『!そうか、知ってしまったか、それの秘密を……』

本田『所長……。自主しましょう。それならまだ罪は軽くなります』

所長『これで手を打とう』

所長の手には一万円札の束が数個握られていた。

所長『足りないと言うなら、まだ出せる』

所長のもつ札束を払いのける本田。

所長『』

本田『これ以上、俺を失望させないでください……』

本田『通報するのは明日まで待ちます』

そう言って事務所を出ていく本田。

所長『……』

・・・事件当日・・・

本田『未央。明日は早いんだから、早く寝ろよ?』

未央『うん。お休み』

本田『お休み』

本田『?電話……。所長からか』

本田『事務所にこい、か……』

事務所。

本田『なんですか?所長。自主する気になったんです?』

所長『いいや、君。自主なんかするわけないだろう?』

本田『なら通報しm』ドスッ

所長『これがわたしの答えだよ……』

本田『ぐぁ、……。くっ』

所長『おいおい、どこに逃げるというんだね?』

事務所に入り鍵閉める本田。

本田『ぐ、未央、凛、卯月。逃げろ……』

それが彼の最後の言葉となった……。

所長「そう、彼は逆らったんだよ!偉大なる金の力に!」

所長「金、金!金!!金がすべて、金の力にの前には人は無力!過去にもスタミナドリンクの正体を知ったものはいた!だが、金の前には彼らは無力だった!」

所長「だが、奴は金の力に逆らい、侮辱した!これはいわば神罰!私のやったことは正義だ!ははははははははは!!」

ちひろ「……酷い」

未央「そんな理由で……お兄ちゃんを」

高笑いを続ける所長の頭に手をおくネウロ。

ネウロ「くだらない。金ですべてを解決できるなら、いまこの瞬間を解決して見せろ」

所長「は?て、うおおおおおおお!???」

所長の目にはいまにも自分を食い殺そうとする化け物がいた。

所長「た、助けてくれぇぇ!」

逃げ出す所長。

それをおう早苗。

そして間もなく事件は終わりを迎えた。

未央「……ネウロ。あいつに何かしたの?」

ネウロ「何、やつの脳を少しいじらせてもらったのだ。あんなに脆いものとは思わなかったがな」

ネウロ「最初は貴様で試すつもりだったのだが」

未央「……この野郎!!」

未央「本当、嫌なやつ!」

ネウロ「はて?嬉しくないのか?これで貴様の脳から混乱はなくなったのだぞ?」

未央「……ネウロ……」

ネウロ「まあ、一緒にアイドル事務所も消えてしまったがな。だが、これで貴様は名探偵として活動でき……」

未央「ごめん、探偵は出来ない」

ネウロ「ほう?」

未央「だって、私の夢は昔からアイドルで、お兄ちゃんの夢はトップアイドルを作ることだったもの。お兄ちゃんとの夢と私の夢を叶えるために、アイドルは続けるよ」ニコッ

その笑顔は前までの無理矢理作った笑顔ではなく、自然に出てくる笑顔だった。

ネウロ「……そうか」

未央「……あ、そうだ!」

振り向くとそこにネウロはいなかった。

未央「……ネウロ?」

ネウロ(我輩は謎のないこの場所には、もう用はないがな)

未央「……まだお礼もいってないのに」

卯月「未央ちゃん!」

凛「未央」

ちひろ「あれ、あの人はもう帰っちゃったの?」

未央「……………。うん、みたい……」

未央(その日私は、みんなと私の家族も会わせて、みんなで事件の話をして)

未央(少しだけ泣いて……)

未央(そのあとは、家に帰ってぐっすり寝た)

未央(……そして……)

翌月。

未央「おーい!しぶりん、うづきん!」

卯月「未央ちゃん!」

凛「もう、遅刻だよ?」

未央「ごめんごめん、少し遅くなっちゃった。さ、行こう」

卯月「うん!それにしてもなんだろうね?ちひろさん私たちを呼び出して」

凛「さぁ?」

凛「事務所がつぶれて、私たちもアイドルじゃなくなって」

卯月「まあ、オーディションとかには行ってるんだけどね。またアイドルになるために」

未央「そういえばあの事件、所長が捕まったことは報道されたけど、私たちのことは特に何も言われなかったね 」

凛「そうだったね」

しばらく歩いていると、ちひろさんが呼び出した場所についた。

それは、小さなビルだった。

未央「ここの二階に来いって」

三人でビルを上がる。

そして、ひとつの部屋の扉を明けるとそこには、ちひろさんと、見慣れない男性がが立っていた。

ちひろ「あ、三人とも来ましたね?」

未央「こんにちは!」

卯月「なんですか?用事って」

凛「隣の人は?」

ちひろ「まぁまぁ、そんなにあせらないで。自己紹介お願いします」

ちひろの隣の初老の男性に声をかける。

「あぁ、私はこのCGプロダクションの社長だ」

未央「CGプロダクション?」

社長「そう。シンデレラガールズプロダクション、略してCGプロ」

社長「君たちにこのプロダクションでアイドルをやってもらいたいんだ」

卯月「……。え?!」

凛「私たちに?」

社長「ああ。……君たちのことはちひろくんから聞いている。どうだ?やってくれるか?」

未央「はい!もちろん!」

凛「やらせてください」

卯月「お願いします!」

社長「うん!その言葉が聞きたかった!」

社長「これからみんなで、頑張っていこう!」

卯月未央凛「はい!」

社長「あぁ、そうだ。君たちのプロデューサーを紹介しよう。入ってきたまえ」

「はい!」

その声に未央は耳を疑った。

入ってきたのは、脳噛ネウロだった。

ネウロ「今日からこの事務所で皆さんのプロデュースをさせていただく、脳噛ネウロと申します。皆さん、よろしくお願いします!」

卯月「あ、あのときの!」

社長「彼は私がプロデューサを探していたとき、自分から志願してきたんだよ。わたしもこう、ティンときてね。採用したと言うわけさ」

凛「ふーん、あんたが私のプロデューサー?」

卯月「島村卯月です!がんばります!」

ネウロ「僕も皆さんのサポートを全力出させてもらいます。未央先生の近くで働けて嬉しいです!」

未央「ちょ、ちょっとネウロ」

小声で話しかける未央。

未央「あんた、私にはもう用はないって」

ネウロ「なに、探偵事務所を構えるのもいいと思ったが、決めたのだ。我輩が自ら謎のもとへと向かえば確実だとな」

ネウロ「そのために貴様のプロデューサーになって、知名度をあげれば、仕事が来る。そのなかから謎の気配のあるものを選んで、仕事をするのだ」

ネウロ「貴様の知名度も上がり、我輩は空腹を満たせる。win-win だろう?」

未央「知名度って、上がるのは探偵としての知名度じゃない!だいたいあんたにアイドルのプロデュースができるの?」

ネウロ「なに、魔界にもアイドルはいたぞ?自分の体の一部を投げつけるサービス精神旺盛なアイドルや、ファンサービスと称してダイナマイトを投げつけるアイドルもいたな」

未央「そんなサービス要らない!」

社長「さて、これから忙しくなるぞぉ!」

ネウロ「はい!僕が皆さんをトップアイドルにしてみせます!」

ちひろ「ふふ、頼もしいですね」

他の人が盛り上がってるなか、未央は呆然としていた。

未央「そ、そんなああぁ!」



これで投下終了です。思ったより短い……。次があればもう少し長く書きたいです。


久々にネウロ読みたくなったな

乙~
また書いて!

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