杏「ニート探偵?」P「うん」(91)

杏「なにそれ。強烈にキャラかぶってんじゃん」

P「そうなんだけどな、容姿端麗の少女とどこからか聞いてな。是非」

杏「会いに行くの?」

P「そらそうさ」

杏「……私も行きたい」

P「は?」

杏「だってさ、そこまで被ってて容姿とか人格まで被ってたらもう引退しか……あ、いいんだそれで」

P「いやよくないけど?なに言ってんの」

杏「頑張ってきて」

P「行くんだよな」

杏「行かない」

P「行くぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」ス゛ルス゛ル

杏「ああああああ…………」ス゛ルス゛ル

P「とは言ってもラーメン屋の近くでアイスが食べられるとしか聞いてねぇんだよなぁ……」

杏「もう手詰まりじゃん。帰ろう」

P「すいませーん、アイスが食べられる店ってこの辺ないですか?」


彩夏「え?ありますよ!」

彩夏「ここです!」

P「おおー……本当にラーメン屋かここ?雑居ビルにしか見えないんだが」

杏「でもラーメンはなまるって書いてるよ」

ミン「悪いか」

P「ああいえ、すいません……ん?あなた……」

ミン「あ?」

P「アイドル……やりませんか……?」

ミン「やるかボケ。とんこつラーメンな」

P「あ、すんません」

杏「あっさりだねプロデューサー」

P「……数人は殺してる目してたよ……」

杏「ていうか何しにきたんだっけ。食事?」

ミン「はい。チョコアイス一丁」

杏「わーい」

P「そうだよな……なにしに来たんだっけ……」
カ゛ララ

ヒロ「どーもミンさーん。アイスある?」

ミン「金払ったら食わせてやるよヒモ」

P「……ん?」

P「あなた!アイドルやりませんか!?」

ヒロ「ははは、すいませんね。働きたくないんです」

杏「杏もそうしたいです」

P「てめーは黙って働け」

ヒロ「あはは、ごめんね。折角だけど」

P「………あ、そうだ。スカウトしに来たんだ」

杏「ああ、そんなこともあったね……」モク゛モク゛

P「すいません、ニート探偵なる人がいると聞いたんですが……」

ヒロ「!」
ミン「!」

杏「……ん?」

P「どうかしたんですか?」

ヒロ「ああ、依頼の人でしたか。でしたらここの二階ですよ?変なの下がってるからわかると思います」ニコニコ

ミン「おいおい、またマフィア絡みとかだったら勘弁してくれよ」

ヒロ「久しぶりに探偵団出動かな?」

ミン「そうならないことを望む」

P「……?」

P「とにかく、二階にいるんですね?」

ミン「ああ。早く行ってくれ」

杏「ええー……階段上がるのぉ?おんぶしてってよ」

P「誰がするか。歩け」

杏「やだー!動きたくないんだー!ウワーン!」シ゛タハ゛タ

P「ああもう……しょうがないな」スッ

杏「わーい」

P「嘘泣きかよ!……ごちそうさまでした。お金ここに置いとくんで」カ゛ララ

ヒロ「……やっぱりあの子、双葉杏ちゃんだよね」

ミン「いや、よくわからん」


P「………」

杏「………」

P「ここかな」

杏「だろうね。ちゃんとNEET探偵事務所って書いてるし」

P「よーし行くぞー」ヒ゜ンホ゜ーン

杏「急に押さないでよ!びっくりしたじゃん……」
カ゛チャ

『……入りたまえ』

P「おおう!?」

杏「いきなりだね。警戒心ゼロなのかなこの人」

キ゛ィィ……

P「し、失礼しまーす……さむっ」

杏「うわっ、さむっ。冷気が来るんだけど」

アリス「……僕に用があるというのは君達かい?」

P「あ、はい!あなたがニート探偵の……」

アリス「そう、僕がニート探偵だ。」

アリス「……君はプロデューサーだね。よく噂は耳にしてるよ」

P「え?顔見てないですよね……?」

アリス「なんでも、100人以上を同時にプロデュースし、予定や仕事を完璧にこなす凄腕だそうだね。
    聞いた話によると、765プロのプロデューサーと高校が同じで、竹馬の友なんだそうじゃないか」

P「え、なんでそんなこと知って……」

アリス「ニート探偵だからさ」

杏「こわっ、この人……」


アリス「隣にいるのは、双葉杏だね。

17歳、身長139cm、体重30kg、BMIは15.53。謎なのだが、どうして君はスリーサイズは非公開なんだい?
10歳の子供とそう変わらないだろう。それに君、最近諸星きらりに肩車してもらうのに癖になってるんだろう?
体に対するコンプレックスは感じられないのだが……なぜなんだい?」

杏「怖い!やっぱこの人怖い!」

P「おおお……すごい……来た価値があった……」

P「実は折り入ってお願いがあって来ました!」

アリス「ここをどこだと思ってるんだい。探偵事務所だよ。まともに考えれば頼みがあって来る場所だ。頼みがあって来たなど周知の事実だ」

P「あ、はい……そうですね……」

アリス「早く用件を言いたまえ。僕は君が思ってる200倍は忙しいんだ」

P「はい……そうですね……お忙しいようなら……帰ります……」

杏「頑張ってちょっと!なにその顔!」

P「はっ!そうだ。いけないいけない」

杏「よーし立て直した!」

アリス「茶番をしている暇があるならさっさと用件を言えと僕は言ってるんだ。君の耳には栓でもしてるのかい?」

P「………」シュン

杏「ああもう!」

杏「もういい!このダメプロデューサー!仕事しろ!」

P「ああ……杏にまで言われた……もうダメだ俺は……パーティーとかのティッシュのお花職人になろう……」

杏「なに内職しようとしてんの!」

P「無理……もう絶対的に無理これ……」

杏「もうダメだなプロデューサーは……」

アリス「用が無いなら帰りたまえ。全く、ナルミがいればこんな面倒なことには……」

杏「全く……あ、ドクターペッパーあるじゃん。一缶もらうよ」フ゜シュッ

アリス「!!それはダメだ!!」

P「!!」ヒ゛クッ

杏「ファッ!?」

アリス「………はっ、いけない、つい冷静さを欠いてしまった」

杏「……なんでそんなに……」

アリス「……助手がいないせいでそれが摂取出来ないでいる。全く迷惑千万だ。どこで犬と道草を食っているのだか」

P「助手がいるのですか……」

アリス「ああ、それが全く使えない助手でね。鈍感な上に出来ることと言ったらただの二枚舌の口八丁だ」

P「そんな最悪な奴が……」

杏(お前が言うなよ……)

アリス「僕に何かあるなら、まずその役立たずと話を通したまえ。音楽関係のプロデューサーをやったこともあるからね」

P「本当ですか!それなら話が通じやすい!」

杏「そうかなぁ……」

アリス「で、どうするんだい?僕の部屋は生憎マネキンのように人を待つ場所は無い。マスターのラーメン屋にでも待機しててくれたまえ」

P「あ、はい……すいません……行くぞ杏……」

杏「え、ええー……」テクテク

アリス「……それと、もしかしたら僕の下で働いてる探偵団がラーメン屋にいるかもしれないから、話しかけられたら逃げたまえ」

P「探偵団まで!?ウヒョウ!キャラが立つぜ!」

杏「バカだな……」

アリス「さっさと行きたまえよ。部屋が温まる」

P「……はい……」

ハ゛タン

アリス「………」

アリス「ナルミぃ………早く帰ってきたまえよ……」コ゛ロコ゛ロ

ヒロ「あ、戻ってきた。どうでした?」

P「はぁ……なんとも……待機してろと…」

ヒロ「やっぱりねぇ。ナルミ君いないとアリスなんにも出来ないからね」

ヒロ「それと……君、双葉杏さん?」

杏「うわっ!?バレてるよプロデューサー!」

ヒロ「普通わかるよ。その動きたくない感溢れるだらけさ。流石ニートアイドルだね」

杏「今後ともよろしく。養ってくれ」

ヒロ「はは、お断りするよ。僕も働きたくないんだ。むしろいつも養ってもらってるよ」

杏「…………」
ヒロ「……」

カ゛シッ

P「なんで握手なんですか」

ヒロ「やっぱり本物はオーラが違うよねぇ」

杏「そこまで褒めるなら養ってくれてもいいのに」

ヒロ「ごめんね、俺も養われなきゃいけない運命をたどってるんだ」

杏「気が合うね」

ヒロ「たぶん俺の仲間みんなと気が合うと思うよ」

杏「それは楽しみ」

P「……ん?仲間って、もしかしてあなたが探偵団?」

ヒロ「お。察しがいいね。そうだよ」

P「や、やっぱり!」キラキラ

キキーッ

鳴海「すいませーん!仕込みの品買ってきましたー!」

ヒロ「お、ナルミ君。君のアリスにお客さんが来てるよ」

鳴海「は?お客?」

P「…………」ニコニコ
杏「………」

鳴海「も、もしかしてアイドルの……」

杏「やっぱしわかるもんだね。オーラって」

ヒロ「オーラすごいねー」

鳴海「何の話ですか……」

鳴海「って、ええ!?なんでアイドルの双葉杏と……誰?」

杏「杏のプロデューサー」

鳴海「プロデューサーさん!?」

P「そうです!」

鳴海「……あとヒロさん!『君のアリス』ってなんですか!」

ヒロ「ははっ、冗談だよ」

鳴海「あ、す、すいません!この人に口説かれませんでした?」

ヒロ「やだなぁナルミ君。俺はもっと大人な女性に養ってもらいたいんだよ。マダム達なんか大人な雰囲気だろう?」

鳴海「いいですそんな話!」

P「いやぁ、助かりましたよ。あなたが助手さん?」

鳴海「……ヒロさん、何か話したんですか?」

P「いやいや、アリスさんから直接聞いたんですよ。役立たずで口八丁ばかりの助手だと」

鳴海「……アリス……」フルフル

ヒロ「まぁまぁ怒らなくても」

鳴海「……みんなには会ったんですか?」

P「ん?みんな?」

ヒロ「いや、俺だけだよ」

鳴海「そ、そっか……良かった……」

P「……?何がですか?」

鳴海「い、いえ、早々に変な印象を受けそうでして……」

杏「あの人だけでも十分変だけどね」

鳴海「ですよねぇ……」ハァ

P「で、探偵団のみなさんは他にいるんですか?」ワクワク

ヒロ「ああ、えーっと、どう説明したらいいかな」

鳴海「基本的に軍人とボクサーとヒモです」

P「………??」キョトン

杏「なにそれ。ヒモってなにするの?」

ヒロ「ヒモっていうのはね、ニートと似て非なるものなんだよ」

鳴海「いや、ニートだろ」

P「く、詳しい説明を頂けますか?」

鳴海「ああ、すいません……」

鳴海「………って、だいたいこういうメンバーで構成されています」

P「…………」
杏「………」

鳴海「あ、そういえばまだ用件を聞いてませんでしたね。どんなご用件で?」

ヒロ「そうだね。俺も聞いてなかったよ。マフィアとかヤクザ絡みとかは勘弁してね。ははっ」

鳴海「笑い事じゃないです」

杏「帰る?」

P「ああ。ちょっと考え直そう」

鳴海「いやいやいやいやいやちょっと待ってください」

P「いえ……おこがましいんですが……アリスさんを、アイドルとしてスカウトしに……」

鳴海「!?」

ヒロ「………っく、くくっ、あははははははははははははは!!!ナルミ君、聞いた!?アイドルだって!あははははは!」

鳴海「ヒロさん笑い過ぎですよ!なんでアリスを……?」

P「いえ、あまりに個性的で容姿端麗だと聞いたので……」

鳴海「どこ情報なんですかそれ!?」

ヒロ「容姿端麗!あはははははは!!個性的ってレベルじゃないよナルミ君!」ケ゛ラケ゛ラ

鳴海「ちょっと落ち着いてくださいヒロさん!」

ヒロ「はーっ……はーっ……ふぅ」

鳴海「落ち着きましたか……」

ヒロ「いやぁ、久しぶりにこんなに笑ったよ。ありがとう」

P「え?あ、はい……」

鳴海「て、いうか本当にどこ情報なんですか?」

P「あ、えーっと、知り合いの桂木結菜さんのプロデューサーさんから聞いて……」

鳴海「……え!?ユイさん!?」

P「はい……え?なんでその呼ばれ方知ってるんですか?」

鳴海「い、いや、ちょっと色々ありまして……」

P(わからない人達だなぁ……)
杏(寒い……)

P「……他の探偵団の人達はいつ来るんでしょうか?」

鳴海「まだ興味あったんですか……」

ヒロ「そろそろ来る頃だと思いますがね……お、きたきた」

鳴海「え?」

テツ「……はー……」

P(やたらガタイのいい人が落ち込んでこっちに来る……)

杏「寒いから中入れてもらっていい?」

ミン「おーいナルミー!早くしろー!」

鳴海「あ、ご、ごめんなさい。今行きますから!で、ではまた後で」

P「あ、ちょっと……」

テツ「ん?」

杏「はーっ、アメかなんかないかなぁ……だいたいラーメン屋のレジにあるし」カ゛ラッ

少佐「ん?」

杏「ん」

少佐「おっと、失礼した。通るがいい」スッ

杏「あ、どーも」

ヒロ「あ、少佐」

P「え?」チラッ

少佐「何だ?」

少佐「そこの男はなんですかヒロさん。大日本帝国の軍人希望者ですか」

P「は?」

ヒロ「はは、全然違うよ少佐」

P「少佐、さん?」

少佐「そうだ。貴様はなんなのだ。姓名を名乗れ」カチャ

P「ひっ!?」

ヒロ「やめなって。この人アイドルのプロデューサーなんだって」

少佐「そんな人がなんでこんな所にいるのですか」

ヒロ「あ、聞いてよ少佐、この人……フ゜フ゜フ゜」

P「またですか」

テツ「ヒーロー……」

ヒロ「お、またチンチロリン負けた?」

テツ「そうなんだよ!三万!三万でいいんだ!」カ゛シッ

ヒロ「ごめんね、俺も素寒貧」

テツ「ちくしょー!あ、そこの人!頼む!金貸して!」

P「ええ!?嫌です!」

テツ「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ミン「うるせぇぞテツ!!」

テツ「くっ……」

テツ「ていうかナルミは!?どこだ!?」

ヒロ「ミンさんの店の手伝いだよ」

テツ「くっ……」

P「…………」

テツ「……で、こいつ誰よ」

ヒロ「ああ、この人……アイドルの…プロデューサーで……くっ」クスクス

テツ「なんだと!?だったら金持ってるよな!?」

P「持ってないです!」

テツ「あああああああ!!」

P「こ、この人達ですか……?」

ヒロ「そうそう。そうだよ。あ、この人はPさんって言ってね……かくかくしかじか」

テツ「ほー……」

少佐「中々ウィットの飛んだジョークを飛ばしますね。アメリカ映画でも出てこなさそうですよ」

P「大真面目なんですが……ちょっと不安になりました」

少佐「ほう、なぜだ」

P「逆に聞くんですか。それ」

少佐「?」

~♪~♪~♪

P(ん?コロラド・ブルドッグ……?)

ヒロ「はい」
少佐「はい」
テツ「はい」

P「……」

少佐「……御意。承りました」

テツ「なんだって」

少佐「メシです。誰が持っていきます?」

ヒロ「ナルミ君は手伝いでしょ?」

テツ「無理矢理にでも連れ出すか」

少佐「それだとミンさんが……」

ヒロ「…」チラッ
テツ「…」
少佐「…」ニヤッ

P「………ん?」

P(なんで俺が……)カタカタ

P(しかもこれほぼスープだぞ……ラーメンじゃねぇ)

カ゛チャ

P「すいませーん持ってきましたー……」

杏「わかる?それ宝物なんだー」

アリス「うむ。前々から気になっていたがタグを見て確信したよ。90年に出されたヴィンテージもののウサギだね」

杏「一目惚れしてネットで買ったんだー」

アリス「見込みがあるな。いい腕を持ってるヤクザがいるが、紹介しようか」

杏「うーん、遠慮する。プロデューサーが直してくれるし」

P「なにやってんだお前」

杏「ああ、店にいても暇だし。ここに来てたんだー。話がわかっててね、ニートたるもの勤労感謝の日には杏も閉じこもることにした」

P「なに言っているんだニートアイドル」

アリス「働きたくないならその意思もまた尊重すべきだ。よく人間というのは個人の意志を尊重すべきだと言うが、これはどういうことだろうね」

杏「うんうん。本当それだよ」

P「ヤバい……このタッグ、ヤバい……!」

P「ここにラーメン…?置いておきますから!ほら帰るぞ杏!」

杏「やだー!折角の理解者が出来たんだ!ここに居る!」

P「流石にニートがもう一人増えるのはあちらも感心しないだろうし!ね?」

アリス「ふん。今更一人増えたところで何も変わらない。僕としては構わないよ。彼女の意思を尊重していると言う意味でも、ね」

P「いいえ!ていうかこっちが困るんです働いてもらわないと!」

杏「嫌だぁぁぁぁああああ!アリスちゃぁぁぁぁぁん!」

アリス「すまん杏。僕は非力なんだ」

P(杏より貧弱な人がいるとは……)

鳴海「ただいまーアリス」

P「あ!鳴海さん!」

鳴海「あ、どうかされたんですか?」

P「ちょっと考えさせてください!」

アリス「プロデューサー君。」

P「……?はい?」

アリス「言っておこう。君がいくら考える時間を費やそうと、僕は働かない。働けない。」

P「……なんで、ですか」

アリス「そこの愚鈍で愚昧で役立たずな助手に聞いても同じ答えだろうが、ニート探偵だからだ。」

鳴海「それにアリス、広所恐怖症なんですよ」

P「……そうか。残念です。ありがとうございました。ほら行くぞ杏!」

杏「ま、また来るからね!アリス!」

アリス「……ああ。待ってるよ。次は手みやげにぬいぐるみでも持ってきてくれたまえ」

ハ゛タン

鳴海「……ちょっと残念とか思った?」

アリス「冗談を言ってる暇があったらドクペの一つでも持って来たらどうだい」

鳴海「はいはい。すいませんでした」

アリス「それに、アイドルなどというものをやったら君は……」

鳴海「……何?」

アリス「………君はますます腐ってニートの仲間入りするだろうね」

鳴海「そんなことにならないし!絶対!なってたまるか!」

一旦落ち

P「………」カ゛チャ

ちひろ「あ、お帰りなさーい。どうでした?自信満々でしたけど」

P「……うちのアイドルはみんな個性的ですが、あれは手に負えるレベルじゃないです」

ちひろ「え?」

P「あんな調子だと、こっちの精神力が持たないんですっ!!」ハ゛ン

杏「ていうかメンタル弱いプロデューサーが悪いと思うよ」

P「だって聞いただろあの毒舌の数々!幸子を遥かに超えるものを持ってるぞ!!」

杏「そうかなぁ……」

P「わかった。お前毒されてるんだ!」

杏「そんなことないよ!」

ちひろ「何の話でしょうか……?」

ちひろ「えーっと……毒舌持ちだったってことですか?」

P「毒舌ってもんじゃないですよ!あの的確に人を凹ませる言葉の数々には耐えられません!」

ちひろ「混乱しすぎて日本語おかしくなってますよ!?」

杏「まぁまぁ、いい友達も出来たし。杏としてはこれで休みもらえればいいよ」

P「や済みなんてやるわけねーだろヴァァァカ」

杏「なんだとこのへっぽこ野郎!」

P「ああ!?」

ちひろ「ちょ、ちょっと……」

凛「ただいまー……どうしたのプロデューサー」

ちひろ「ちょっとスカウトしに行ったら、毒舌吐かれたみたいで……」

凛「どうせ不審者みたいとでも言われたんでしょ?」

ちひろ「いや、けっこうキツいやつみたい……」

凛「へぇ、どんなの?」

P「『僕の部屋は生憎マネキンのように人を待つ場所は無い。』とか言われた」

凛「ああ……キツいね」

凛「まぁ諦めるしかないんじゃない?やる気がないんだったら」

P「もう誘うのは無理だよ……」

凛「……ああ、プロデューサーが嫌なんだ」

ちひろ「杏ちゃんはどうだった?嫌な人ってわけじゃないんでしょ?」

杏「うん。すごくいい人だよ。言い回しが長くてなんだかわかんないことばっか知ってるし」

ちひろ「それ褒めてるの?」

凛「うちのアイドルで似てる人いる?タイプが、こう」

杏「うーん……そうだな………のあさん?ちょっと違うような……」

凛「ああ、言い回しがめんどくさいっていうのはよくわかったわ」

P「ヒデェ」

凛「面白そうな人だね」

P「面白いもんか……俺のことも知ってたし、765プロのあいつのことも知ってた……」

凛「……話が見えてこないんだけど……」

P「わかんなくていいんだ……」

杏「もー眠くなっちゃった。プロデューサー、毛布」

P「ほらよ……お前も疲れたろう……寝るといい……」

凛「……目が死んでる」

ちひろ「なにこの雰囲気。ルーベンスの絵でもあるみたいなんだけど」

P「ああ……疲れた……」

凛「!!」

ちひろ「初めてプロデューサーから疲れたという言葉を聞いた……!!」

凛「……プロデューサー、その子、どこにいるの?」

P「え?ああ……あそこの通りの道ばたにラーメン屋があって……」

凛「ふんふん……」

ちひろ「………?」

凛「わかった。ちょっと行ってくる」

ちひろ「え?どこに?」

凛「決まってるじゃないですか!プロデューサーさんを疲れさせた女のところに行くんですよ!」

ちひろ「確かにこの後予定はないけど、なにしに行くの?」

凛「だって……プロデューサーが燃え尽きるまでの疲労を与えた人がどんな人か……」

ちひろ「あと目が死んでるように見えるのは私の目がおかしいの?

凛「錯覚です」

ちひろ「そ、そっか……」

凛「行って来ます!」カ゛チャ ハ゛タン

ちひろ「………」

P「僕もう疲れたよ……宿題なんかやりたくないよぉ……」

杏「Zzz……」

ちひろ「私も疲れた……」

凛「………」サ゛ッ

少佐「ん?」
テツ「また誰か来たぞ」
ヒロ「あー、アイドルの渋谷凛ちゃんだ!すげー」

ミン「わりぃな、もう閉店だよ」

凛「今日、プロデューサーさんが来たと思うんですけど」

ミン「は?」

ヒロ「ああ、来たよ」

テツ「それがどうかしたのか?」

少佐「今度こそ軍人志望の人ですか」

凛「違います!」

凛「今日プロデューサーさんが帰ってきてめちゃくちゃ疲れてたんです!原因を調べにきました!」

テツ「ほー。上司思いだな」

ヒロ「ていうか、原因わかってるよね。これ」

少佐「アリス以外にありえませんな」

凛「……アリスさんはどこにいらっしゃいますか?」

少佐「ここのビルの二階だ」

凛「ありがとうございます!」タ゛タ゛タ゛

ヒロ「あれ?ちょっと……」

テツ「なんだあいつ」

凛「アリスさんはいらっしゃいますか」カ゛チャ

アリス「……また訪問者だね。今日はよく客が来る」

鳴海「ん…?あ!アイドルの……」

凛「アリスさんですね?」

アリス「いかにも、そうだ」

凛「今日プロデューサーさんが来たと思うのですが、一体どういう応対をしたのか、ご説明願います」

アリス「入ってくるなりなんだい?僕はそんなにせかせかとした人間じゃないんだ」

凛「答えてください」

鳴海(……あれ?僕は?)

鳴海「と、とりあえず落ち着いて……ね?」

凛「ちょっと黙っててください!」

鳴海「はい……」

アリス「……逆に問うが、君は何が言いたいんだい?」

凛「今日、プロデューサーさんは疲れていました。あなたの言葉が的確すぎて落ち込んでる、と!」

鳴海(これどういうリアクションとったらいいんだろう……)

アリス「……それで、僕はどうしたらいいんだい?笑えばいいのかい?」

凛「なっ……ふざけないでください!」

アリス「君はこれがふざけてるような言葉に聞こえるのか」

凛「だってそうじゃないですか!プロデューサーさんが疲れてるっていうのに!」

鳴海「僕もふざけてるようにしか……」

凛「常識で考えてください!ここに来てまでふざけるわけないじゃないですか!」

アリス「そこの助手ならしそうなことだ」

鳴海「しないよ!」

凛「話を聞いてください!」

アリス「君こそ話を聞きたまえ」

鳴海「ちょ、ちょっと落ち着きましょう!ね?」

凛「はーっ……はーっ……はい」

鳴海「ちょ、ちょっと話を整理しましょうか……」

~説明中~

凛「そういうわけでここに来たんです!」

アリス「……つまり君は、文句を言いにきたわけだね?」

凛「そうですよ!」

鳴海「それはちょっと仕方のないことと言いますか……」

凛「それは……そうですけど……言い方を考えろって言ってるんです!」

アリス「これは僕の性分でね。どうにもならない」

鳴海「ごめんね……」ヘ゜コヘ゜コ

凛「いえ、あなたは謝らなくていいですから……」

凛「反省する態度を示してくれれば……私はもういいですから」

アリス「……そうだね。ここで君が早く帰ってくれる最良の策と言える」

鳴海「ちょっとアリス……」

凛「も、もういいです!さよなら!」ハ゛タン

アリス「素直なのはありがたいな。」

鳴海「ちょっと……」

鳴海「ひどいよさっきのは……」

アリス「頭を冷やしてからじゃないと正論を言ったとしても通じないだろうからね。熱いまま帰ってもらったほうが僕としても楽だ」

鳴海「全く……謝りに行こうかな……」

アリス「勝手にしたまえ。その前にドクペをとってくれ」

鳴海「はいはい……」フ゜シュ

鳴海「はぁ……」テクテク

ヒロ「ナルミ君、どうしたの?すごい剣幕で帰ってったけど」

鳴海「アリスが火に石油リッター単位でぶちこんだんですよ……」

テツ「まぁそりゃそうだろうな」

少佐「あれほどの血の気……軍人に!」

鳴海「向いてません」

ヒロ「で、どうするつもりなの?」

鳴海「ミンさんのアイスもって謝りに行きますよ……」

ヒロ「いいなー。それついてっていい?」

鳴海「………」チラッ

少佐「……」カチャカチャ
テツ「素ラーメンくれ」
ミン「麺代だけ払え」

鳴海「いいですよ。ヒロさんだけ……」

ヒロ「やった」

凛「全く……あの少女はなんなんですか!私より小さいくせして!」

ちひろ「まぁまぁ……」

杏「アメくれよープロデューサー」

P「わかったよ……わかったから……」ホ゜イ

杏「わーい」

ちひろ「仕事帰りのお父さんのよう……」

凛「普通謝りに来るのが当然でしょ!?なんで放っとくわけ!?」

ちひろ「落ち着いて凛ちゃん……アイドルがしちゃいけない顔を……」

ヒ゜ーンホ゜ーン

ちひろ「あれ?誰かしら……」

凛「謝りに来たんじゃない?」ニヤニヤ

鳴海「あ……すいません……」
ヒロ「や、どうもー。また会いましたね」

凛「なんでよ!!」ハ゜シーン

鳴海「えええ!?」

ちひろ「お、落ち着いて凛ちゃん!!」

鳴海(最悪のタイミングかもしれない……)

ヒロ(アイドルにも養ってもらえるかもしれない)

凛「……つまり、アイスもって謝りにきたわけね?」

鳴海「はい……すいませんアリスが……」

凛「あなたもあなたで、ちゃんと恋人を叱るぐらいしなさい!」

鳴海「えええ!?違いますよ!雇ってもらってるんですよ!ねぇヒロさん!」

ヒロ「……え?違うの?」

鳴海「ああもう……」

ちひろ「あ、ぷ、プロデューサーさん呼んできますね!」

ヒロ「すいません、勝手に来ただけなのに」キラキラ

ちひろ「し、失礼します!」ササッ

ヒロ「ふふっ、綺麗な事務員さんだね」

鳴海「ヒロさん、余計なことしないでくださいよ」

ヒロ「わかってるって……」

P「……あれ?鳴海、さん…」ヨロヨロ

鳴海「あ、プロデューサー……さん?」

杏「助手さんと…ヒロさんじゃん。どうしたの?」

鳴海「謝りに来ました……すいません、プロデューサーさん大変なことになってるみたいで」

ヒロ「やぁ、またまた会ったね」

杏「おっす。全然大丈夫だよ。元気だし」

P「そうです。マジ元気っす」フラッ

鳴海「……どこが?」

鳴海「本当……ごめんなさい……」

凛「だって。プロデューサー」

P「うん……いいからいいから……」

鳴海「えっと、お詫びと言ってはなんですけど、また来てください。何か困ったときは力になるんで」スッ

凛「え?……ああ、あそこ探偵事務所だったんだ」

ちひろ「凛ちゃん、私の話聞いてた?」

P「ありがとう……」

杏「アイスもありがとー」

鳴海「そろそろ失礼しますか」

ヒロ「えー」

ちひろ「えー……もう行っちゃうんですか?」

ヒロ「俺もまだ居たいなぁ」

鳴海「謝りに来たのに長居してどうするんですか!」

カ゛チャ

幸子「ただいま帰りましたよー!可愛いボクに挨拶を!」
まゆ「ただいまぁ~、プロデューサーさぁん、まゆが帰りましたよぉ?」
千枝「ただいまー!」

ヒロ「あ」

鳴海「やばっ……」

ちひろ「あー、みんなおかえり」

P「おかえりー」

ヒロ「やったぁぁぁぁぁ!!」

ヒロ「どうも、俺こういう者です」スッ

幸子「……ハッ」

まゆ「結構です」

千枝「えぬいーいーてぃー?なにこれ?」

ヒロ「うーん、ウケないなぁ」

鳴海「初めて見る反応だなぁ……」

鳴海(ていうかさらに帰りづらく……)

幸子「誰ですか?この人達」

P「……なんか説明長くなりそうだな。ちひろさん」

ちひろ「はい。説明します」

ちひろ「……っていうことでここに居ます」

幸子「なるほど、謝りに来るとは感心しますね」

千枝「えらいよ」

まゆ「大丈夫ですかプロデューサーさん」
P「まゆは優しいなぁ」

凛「全く、あの子は来ないっていうのが腹立たしいわね……」

ちひろ「まぁまぁ……」

鳴海「と、いうことで僕達は失礼して……」

凛「あ!ちょっと待って!」

鳴海「!」ヒ゛クッ

杏「アイスありがとーって言っといて」
凛「次は来いって言っといて!」

鳴海「はい!わかりました!失礼します!はい!行くよヒロさん!」

ヒロ「やった。メアドゲット」

ハ゛タン

ちひろ「……」

凛「まぁ言っても来ないかもしれないな……」

千枝「面白そうな人達だったねー。そのたんていさんも楽しい人なのかな?」

凛「ひどく不愉快になる人よ」

幸子「ふーん?プロデューサーさんがスカウトしに行くとは、中々可愛いみたいですね。まぁボクの足下にも及ばないとおもいますが!」

杏(こういう人が百倍返しされるんだろうなぁ……)

まゆ「……凛ちゃん」

凛「ん?」

まゆ「正論で凹んだのなら、凛ちゃんが行くのはお門違いですよぉ?」

凛「なっ……」

凛「だって!こんなになるまで……」

まゆ「凹んだ分成長しないと、いつまでもプロデューサーはちゃんと出来ないですよぉ?」

凛「……うん……」

まゆ「よーく考えてくださいね?」

ちひろ「まゆちゃん、言うね……」

まゆ「こういうところはちゃんとしないと……ね?」

ちひろ(いい奥さんになるな……)

凛「…………」ムスッ

鳴海「はぁ……」

アリス「開口一番ため息とはなんだい。君の無駄なため息で地球の二酸化炭素を増やさないでくれたまえ」

鳴海「誰のせいでこうなってんだ……」

ヒロ「俺としては良かったよ。メアドゲットしたし」

鳴海「ヒロさんしか得してないじゃないですか!」

少佐「そういえば、渋谷凛のいるプロダクションといったら大和亜季のいる事務所ですよね?」

鳴海「え?知ってるんですか?」

少佐「あの娘のブログはよくチェックしている。新しい軍事書物などの記事を書いていたりするから便利だ」

鳴海「あっちにもそういう趣味の人が……」

テツ「ん……?早苗さんってあのプロダクションだよな?」

鳴海「テツ先輩も!?」

テツ「ああ。早苗さんが警官やってたときによくお世話になってた」

鳴海「ああ……そういう……」

一旦落ち

テツ「でも意外だよな。知り合いがアイドルとか」

少佐「こっちはヤクザの知り合いばかりですしね」

ヒロ「ラッキー」

鳴海「一応謝ってきたけど……許してくれるかなぁ…」

テツ「まぁまぁ大丈夫じゃね?」

ヒロ「気にすることにないよ、好印象みたいだったし」

少佐「許されなければ戦争あるのみですよ、藤島中将」

鳴海「少佐は発想がおかしいんですよ!」

数ヶ月後

コンコン

アリス「入りたまえ」

杏「……」

アリス「杏じゃないか。どうかしたのかい?」

鳴海「ああ、どうも……」

杏「……探偵、なんだよね」

アリス「当たり前だ。看板が読めないのかい」

杏「お願いアリス!調べてほしいことがあるの!」

アリス「……報酬があれば僕は何だって調べてあげよう。世界中を検索して、君の求める真実を掴んでみせよう」

杏「……本当だね」

鳴海「ど、どうかしたの……?」

杏「……」コク

アリス「いいだろう。依頼内容を聞かせたまえ」

杏「……下着がね…なくなってるの……」

アリス「………」
鳴海「…………」

杏「頼むよアリス!誰が盗ったか調べてよ!」

アリス「……ああ、いいだろう。僕が出る幕でもなさそうだけどね」

鳴海「探偵団だけでなんとかなりそうだね……」

杏「本当か!?」

アリス「あ、でも報酬はキッチリもらうからね」

杏「ありがとう……」

アリス「招集はかけた。とりあえず、状況から教えてもらおうか」

杏「数週間前からなんだけど、レッスンから帰ってきて、汗だくで気持ち悪いから着替えようとしたんだけど、下着がなくなってて……
  それからほぼ毎日」

アリス「なるほどね。自宅からなくなったってことは?」

杏「無い…たぶん事務所でなくなってるだけ……。なくしたってことも絶対ないし」

鳴海「本当に探偵団だけでなんとかなりそうだね……少佐に監視カメラつけてもらえば……」

杏「ほんとに!?」

アリス「ナルミ、とりあえず事務所に行きたまえ。現場を調べてくるんだ。少佐も一緒にね」

鳴海「わかった」

アリス「杏、君はナルミと少佐と一緒に事務所に帰りたまえ。君はここでやることは無い」

杏「……わかった」

アリス「大丈夫だ。君は動くのだるいだろうし、車を用意してある。少佐が運転してくれる」

杏「流石杏の気持ちがわかるんだね!」

アリス「ニートのよしみだ」

事務所

鳴海「し、失礼しまーす……」

杏「ただいまー」

少佐「失礼する」

ちひろ「おかえりー杏ちゃ……きゃああ!」

鳴海「すいません……お久しぶりです」

ちひろ「あ、え、鳴海さん!?どうして……」

鳴海「あ、あの、実は……」

杏「待って、杏が説明する」

ちひろ「え、う、うん……」

ちひろ「……なるほどね……ごめんね、気付いてあげられなくて」

杏「いいんだ。杏が何も言ってなかったのが悪いし」

ちひろ「あと、ごめんなさい。急に驚いちゃって」

少佐「いやなに。叫び声程度で驚いていては軍人失格ですからね。こけおどしに耐えられなくてはいけない」

鳴海「少佐、話ズレてます」

ちひろ「それで、調査に来たと……」

鳴海「ええ、あの、別に事務所のアドルを疑ってるとかそういうのじゃなくて、事務所の間取りだとか、そういうのを……」

ちひろ「もちろん、疑うつもりもないですよ。どうぞどうぞ」

鳴海「では、すいません……」

少佐「必要に応じて、盗聴器や監視カメラを仕掛けさせてもらうことになるが、いいか?」

ちひろ「それは……ちょっと考えていいですか」

P「ただいま」カ゛チャ

ちひろ「おかえりなさい。今、あの探偵事務所の人が……」

P「ま、まさかあの子も……」

ちひろ「いや、鳴海さんと、あと軍人みたいな人です」

P「ああ、少佐さんか……」

奈々「ただいま帰りましたー!」

P「……」
ちひろ「一体誰が……」
杏「アメ美味しいなぁ」

奈々「……あれ?無視ですか?」

鳴海「あらかた調べ終わりました。」

ちひろ「ご苦労様です」

少佐「盗聴器と監視カメラが必要な場所も多々あったのだが、設置許可をください」

ちひろ「ど、どうしよう……」

P「頼みます」

ちひろ「プロデューサーさん!?」

P「いいんです。社長には俺から言っときます」

P「ていうか、バレなきゃいいんですから」

ちひろ「言ってること最低ですよプロデューサーさん!」

少佐「そういうことなら」カチャカチャ

少佐「藤島中将、設置し終えたぞ」

鳴海「はい。引き上げますか」

少佐「ではなご婦人。靖国で会おう」スタスタ

鳴海「あ、ありがとうございましたー!」タッタッタ

ちひろ「捕まりますかね……」

P「ええ……」

杏「大丈夫だよ。きっと」

奈々「……た、ただいま帰りましたー!」

P「あ、おかえり奈々さん」

ちひろ「おかえりなさい!」

奈々「……」シ゛ーン

数日後

アリス「………」

鳴海「……」

アリス「報告内容が何もないとはどういうことだい」

鳴海「あれから何もなくて……盗聴も監視も続けてるけど誰も怪しくなくて……」

アリス「僕の探偵人生の中でこれだけ空虚な時間を過ごしたのは初めてだよ。」

鳴海「本当に何もないんだよ。」

アリス「……考えたまえ。本当に君は誰にも何も疑いをかけていないのか」

鳴海「うーん……」

アリス「ないなら無いでいい。これ以上無駄な時間は無いからね」

鳴海「………むぅ……」

アリス「さっさと少佐の所に行って調査を進めたまえ。ぐずぐずするな」

鳴海「わかってるよ」
ハ゛タン

アリス「全く、いつになっても魯鈍だ」

少佐「藤島中将、聞け。なかなか面白いものが出て来たぞ」

鳴海「え!?もしかして何か重要な手がかりが……」

少佐「見たまえ。ちひろという事務員、なかなか面白い栄養ドリンクを販売している。飲んだ瞬間すごい目になっているぞ」

鳴海「……今回のと何か関係は?」

少佐「ない」

鳴海「ふざけないでください!」

少佐「何を言う藤島中将。この飲み物の成分を調べたくはてないのかね!?」

鳴海「知りませんよそんなもの!興味もない!」

少佐「……ああ、あとこれも気になるんだ」

鳴海「なんですか!?」

少佐「話は聞いたが、レッスンの後帰ってきて着替えようとしたら無かった、ということが発端なのだろう」

鳴海「はい。そうですけど……」

少佐「ちひろさんからここ数ヶ月の杏殿の働いているデータを入手したのです。全くニートにあるまじき労働だ」

鳴海「いや、アイドルなんで」

少佐「盗まれる前からのデータもある。ここからどんなペースで、どの時間帯盗まれたかを調べた」

鳴海「す、すごい……」

少佐「その結果が、これだ」

鳴海「……レッスン後に盗られたとしたら午後五時以降……他の子は大抵レギュラーとかも決まってるし、杏さん、奈々さん、ちひろさん、Pさんの他にはいない」

少佐「盗られ始めの頃は海外とか県外に行ってたアイドルもいたようだし、かなり絞り込めてきます」

鳴海「うーん……ぶっちゃけプロデューサーさんにしか疑心が向かない」

少佐「社長とプロデューサーの他に男はいないですしね」

鳴海「報告するまでもないかな……これ……」

ヒロ「そうでもないよ」ヒョコッ

鳴海「うわっ!びっくりした……」

少佐「ヒロさん、見てくださいこの栄養ドリンク。一本もらったんですけど調べてみたんですよ」

ヒロ「楽しそうだねぇ少佐。いらないよそんなの。それよりナルミ君。俺達よりずっと前からプロデューサーに盗聴器仕掛けてる子に聞いてみたら?」

鳴海「え?いるんですかそんなの?」

ヒロ「この前知り合ったんだよ。ふふっ、俺には靡かなかったけどね」

鳴海「口説いたんですか……」

ヒロ「全スキルをもってしても看破できなかったよ。ありゃ無理だ」

鳴海「アイドル口説かないでください!全く……」

鳴海「それが、あなたですか?」

まゆ「そうですよぉ?ふふっ」

鳴海「すいません、あの人見境なくて……」

まゆ「もう慣れたことですよぉ。お話ってなんですかぁ?」

鳴海「ああ、すいません。失礼ですけど……プロデューサーつんに、と、盗聴器とかつけてないですよね?」

まゆ「……どうして知ってるんですかぁ?」

鳴海「ええ!?い、いや、前口説いて来た人が見抜いてた?みたいで…」

まゆ「ふーん……面白そうな人でしたしねぇ。それで、それが何か?」

鳴海「その情報を頂けないかと……と、言いますか、貸してほしいんです」

まゆ「ふーん……何でかは教えてくれないんでしょう?前来た人にもそういう雰囲気は漂ってました」

鳴海「……まぁ……そうですね……」

まゆ「ふふっ、いいですよぉ?協力します」

鳴海「あ、ありがとうございます!!」

少佐「よくやった藤島中将。どれどれ……何だこれ。過去数ヶ月分全て圧縮しているな。よくこのデータ量を一人で管理したな」

鳴海「怖くて顔見れなかった……」

少佐「これで事実がわかるってものだ」カタカタカタ

少佐「……中将、これを聞いてくれ」

鳴海「ん?」

『スーッハースーッハー』
『全くなぜ働いてくれないんだ……俺のオカズとして働いてくれてるのに……』
『杏は合法!杏は合法!』

少佐「正直もう聞いていられん……」

鳴海「……なんでこれまとまってるんですか?」

少佐「編集してある。気持ち悪い部分傑作選だ」

鳴海「……それで平然とした顔してたんだ……こわ……いやそれよりプロデューサーの愚行を黙視していたということか……」

少佐「……もう無理だ。男の喚声ほど聞いていて不快になるものはない」

鳴海「……ありかどうございます」

アリス「……報告はあるのかい」

鳴海「うん……犯人がわかったっていうか……予想通りのことになった……」

アリス「……そうか」

鳴海「どうする?」

アリス「杏を呼びたまえ。この真実わ伝えるんだ」

鳴海「ちょっとキツいような……依頼された時いやに重苦しかったし……」

アリス「だからこそ一人だけ事実を知らせるべきだ」

鳴海「あとは二人で……ってこと?」

アリス「………」コク

鳴海「わかったよ…」

一旦落ち
誤字脱字すいません

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