月「は……？」

月「お前……何言って……」

L「聞こえませんでしたか？」

L「負けた方が相手の――」

月「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛！！」

――

ｶﾞﾊﾞｯ！！

月「はぁはぁ……なんだ、夢か……」

月「はは……アイツがあんなこと言うはずないもんな……」

月「男が男の股間を咥えるなんて、想像するだけで吐き気がするよ……」

◆夜神家／リビング◆

月「おはよう母さん」ｶﾞﾁｬ

幸子「あら月。今日は早いわね」

月「ああ。ちょっと寒気のする夢に起こされちゃって……」

粧裕「へぇ、お兄ちゃんにも怖いものってあるんだー」ﾆﾔﾆﾔ

月「何がおかしいんだよ」

粧裕「ねぇねぇ、どんな夢？　どんな夢？」

月「悪いがまったく覚えてない」

粧裕「えー、東大生のくせにー」

月「何だそれ」

総一朗「おいライト」

月「あっ、父さんおは――」

総一朗「話がある。ちょっと来てくれ」

月「えっ……」

月（な、何だいきなり……？）

◆夜神家／総一朗の部屋◆

月「父さん。何だよ話って？」

月「わざわざ呼び出したってことは――」

月「母さんや粧裕に聞かせられないような話なのか？」

総一朗「……ああ……」

月「一体どんな……まさかキラに何か動きが……！？」

総一朗「いや、今回はキラじゃない。裁判の話だ」

月「……裁判？」

総一朗「そうだ。実はお前に裁判所から通知が来てるんだ」

月「えっ……？」

総一朗「ライト……冷静になって聞いてくれ……」


総一朗「お前は……訴えられたんだ！！！！」ﾊﾞﾝｯ


月「！？」

月「訴えられた……？　この僕が？　何で……？」

総一朗「これを見ろ」ﾊﾟﾗｯ

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【原告】流河旱樹　【被告】夜神月
--------------------------------------------

月「流河って……竜崎のことだよな？　何でアイツが僕を……！？」

月（まさかLの奴、僕がキラだという事実に確信でも持ったのか……！？）
月（確かに最近のLは僕を見る目が日に日に変わってきてるけど……）
月（でも待て。ノートは引き出しの中だぞ……証拠は何もないじゃないか！）
月（Lに勝機はない……じゃあ奴は一体、何のために……！？）


総一朗「ライト……これは、普通の裁判じゃない。性交裁判なんだ」


月「せいこう裁判……？　何だよそれ……そんなの聞いたことないぞ……」

総一朗「知らないのも無理はない。まだ世間に知られていないベータシステムだからな……」

総一朗「だがメディアに出てないだけで、半年前に施行済みの公式な政策だ……！」

月「……政策……？」

総一朗「気をつけろよ月……奴はお前を……本気で食うつもりだ！！」

総一朗「驚かないで聞いてくれ……性交裁判ってのはな――」

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【性交裁判】
この国で、少子化問題を解決するために導入された裁判システム。
まず原告側が性交したい相手を裁判所に訴え、裁判所がその相手を被告として迎え入れる。
そして、原告・被告のそれぞれが次の目的を持つものとし、裁判が実施される。

◆原告側：相手の性交に対する合意を裁判長に証明する。
◆被告側：自分の性交に対する非合意を裁判長に証明する。

議論の末、被告側に「非合意」の判決が下った場合、性交の許可は当然降りない。
しかしながら被告側に「合意」の判決が下った場合、速やかに性交の許可が降りる。
もちろん、この際における性行為（原告の要求するプレイ）は罪に問われない。
=================================================

総一朗「――という、要するに両者間に性交の合意があるかどうかを判定する裁判なんだ……」

月「な、なんだよそれ……そんなの人権侵害じゃないか！！　認められるわけないだろう！！」

総一朗「しかし事実として、国はこのシステムを承認している」

総一朗「某エロゲに出てくるような、“子作り許可証”よりはマシという見解でな……」

月「なっ……！？」

総一朗「それほどこの国は、少子化を恐れているということだ……」

月「少子化の打開策なんて他にいくらでもあるだろ！！　何でこんな極論がまかり通るんだよ！！！」

総一朗「仕方ない……民は法の前では無力……」

総一朗「国が定めたルールは遵守せねばならん……」

月「そんな……」

総一朗「すまない……私にもっと力があれば……」

月「いや……別に父さんが悪いわけじゃ……ん？」

総一朗「どうした月？」

月「これって被告側はただ、“合意してないこと”を証明すればいいんだよな……？」

総一朗「ああ、そうだな」

月「そんなの、裁判が始まった時点で既に証明されてるじゃないか！」

月「そもそも両者が合意の上なら裁判自体する必要がないわけで……！」


総一朗「ライト……そんな甘い考えだと開始１０秒で負けるぞ……」


月「……え……？」

総一朗「言っただろ……まず、この国は少子化に苦しんでいる……」

総一朗「その時点で原告にアドバンテージがあるというのが一つだ」

月「だからアドバンテージも何も被告側はそもそも合意してないじゃないか！」

月「有罪・無罪の裁判と違って、被告側が嘘をつくメリットなんて何もない！！」

月「だから被告が“合意していない”と言えばそれで裁判は終わりだろう！！」

総一朗「ライト。“合意していない”と言い張るだけじゃ弁論にならない」

月「はぁ！？」

総一朗「証拠がいるんだ……例えば結婚相手や交際相手、好きな人の存在だったりな……」

総一朗「納得いかないかもしれないが、性交を断るには相応のロジカルな根拠が必要となる」

月「ふざけるな！！　だったら独身で、好きな人もいない人間はレイプされろっていうのか！？」

総一朗「もちろんそんなことはない。独身で好きな人がいなくても逃れた例は過去にもある」

総一朗「だがあくまで裁判だ。感情的に喚くだけで論理的根拠を持たない輩は食われる……」

総一朗「いいか？　国は1人でも多くの子供を欲してるんだ」

総一朗「原告が嫌い、気分が乗らないってだけじゃ、被告は合意の判決を喰らうぞ！」

月「なっ……！！」

月「くそっ……おかしいだろ……セックスなんてそもそも感情と感情の交わり……」

月「それを論理的にとやかく言うこと自体、ナンセンスなのに……」

総一朗「……」

総一朗「どうするライト？　俺の知り合いに性交裁判に強い弁護士がいる」

総一朗「彼の力を借りるなら今のうちだが……」

月「……いや、いいよ……自分のケツは自分で守る……」

月「それより父さん。その裁判とやらはいつあるんだ？」

総一朗「う、うむ……この紙によると、２日後だな……」

月「２日後か……それなら余裕だよ」

月「要は裁判が始まるまでに彼女を作ればいいだけの話だろ？」

月「好きな人の存在を証明するってのは難しいし――」

月「その歪曲した裁判じゃ根拠として弱いだろうからね……」

総一朗「ああ。それがいい。性交裁判の本質は“さっさと交際相手を作れ”という脅しだからな……」

総一朗「だがそう簡単に行くと思うなよ。なんたってお前の相手はあの竜崎――」


総一朗「性交裁判の実績として、９９勝無敗を誇る敏腕の持ち主だからな」

月「９９勝！？　そんな……いくら原告有利だとはいえ９９勝って……」

月「いやでも、交際相手のいない連中を集中狙いすればそれくらい……」

総一朗「いや、半数以上は既に交際相手のいる被告だったよ」

月「えっ……じゃあ何で一回も負けてないんだよ！？」

月「まさか交際相手がいるってだけじゃ根拠として弱いんじゃ……」

総一朗「いや、決してそんなことはない……ただ奴は……」


総一朗「裁判が始まるまでの２日間で、そのカップル達を尽く破局させてきたんだ！！」


月「なっ……なんだって！！！」

総一朗「もちろん恋人のいない連中が恋人を作ろうとするのも断固として阻止する」

総一朗「だからライト……お前もそう簡単に彼女ができるとは思わないほうがいい……」

総一朗「奴は被告と交えるためなら、どんなことでもしてくる！！」

月「……ッ！！！」

総一朗「そして！　最も恐るべきで、奴の敏腕を物語っているのが――」


総一朗「今まで相手にしてきたその９９人が、全員　“男”　だという事実だ！！」

月「全員……男……だって……？」

総一朗「ああ。最初に言っただろ……」

総一朗「性交裁判は“少子化防止”のための政策的システムであると……！！」

月「じゃ、じゃあ……」

総一朗「ああ、そうだ！！　奴はアドバンテージどころか、ハンデを背負っていた……」

総一朗「だがそんな不利極まる状況の中で、奴は９９戦無敗というとてつもない数字を残したんだ！！！」

月「！！！！」

総一朗「ライト！　お前にそんな化物が倒せるか！！」

月「くっ……！」

月（僕に……できるのか……？）

総一朗「ライト……弁護士の件、いつでも相談に乗ってやるからな」

総一朗「お前はいつも一人で抱え込みすぎなんだ……時には人を頼ることも大事……」

総一朗「よく覚えておきなさい……」

月「……」

◆９時００分：／／東大キャンパス内◆

月（……くっ、それにしても大変なことになったな……）

月（しかし僕の純潔を、Lなんかに捧げるわけにはいかない……）

月（不本意だが、ここは早いところ彼女をつくらないとな……）

清美「どうしたの夜神君。急に呼び出して……」

清美「もう講義始まっちゃ……」

月「ああ、ごめん。講義より大事な用があってね」

月「今朝一番に高田さん……いや、清美に言おうと思ってたんだ」

清美「ぁ……ぁ……」


月「おめでとう……君に僕と付き合う権利をあげるよ……」ｷﾗﾝ


清美「いやああああああああああああああ！！！！」

月「え゛」

清美「ご、ごめんなさい！！！」ﾀﾀﾀ

月（なっ……どういうことだ！？）

月（おいおい冗談だろ……？　この僕が振られた……？）

月（そんな……こんなことが……！！）

リューク「クックック……」

月「おいリューク。何がおかしい？」

リューク「いや、あんな告り方をしてるようじゃ――」

リューク「振られるのも仕方ねーと思ってよ」ｸｸｸ

月「……フン。死神に人間の恋愛が分かってたまるか」

月（しかし変だな……高田は間違いなく僕に惚れていたはずだが……）


月（まさか、Lの手がもう……）


月（いや、あの女がそう簡単に僕を裏切るとは思えない……）

月（くそっ……いったい……どうなってるんだ……）

◆１２時００分：／／某所◆

ユリ「いやあああああああ！！　ごめんなさい！！！」ﾀﾀﾀﾀ

月「」

リューク「プッ。これで１０人目じゃねーか」

リューク「たった３時間で１０人もの女に振られるなんて……」

リューク「Twitterに呟いとこ」ｶﾀｶﾀｶﾀ

月（くっ……やはりおかしい……こんなことは断じてありえない！！）

月（これはどう考えても、Lの手が回ってるとしか……）

リューク「それでライト、１１人目は誰にするんだ？」

月「……いや……１１人目には告白しない……」

リューク「ん？　じゃあ諦めるってことか？」

月「違う。このまま告白し続けても時間の無駄だからな」

月「先にLの行動を把握して、その対策を練るんだよ」

リューク「そうか……まぁLの仕業としか思えないしな……」

月「よしリューク。今からユリを尾行して、真相を白状させるぞ」

◆ユリ追跡中◆

月「しかし気になるな……」ﾀﾀﾀ

月「僕がこの３時間で告白した１０人……」ﾀﾀﾀ

月「この１０人は全員、僕に気がある女だと思っていたが……」ﾀﾀﾀ

リューク「だからその上から目線な態度がダメなんじゃないのか？」

月「いや、だとしてもおかしいだろ」ﾀﾀﾀ

月「たとえ百歩譲って僕の勘違いだったとしても――」ﾀﾀﾀ

月「１０人全員が会った途端に顔を引きつらせ――」ﾀﾀﾀ

月「告白と同時に悲鳴をあげて走って逃げるなんて……」ﾀﾀﾀ

リューク「……」

月（よし、ユリの奴、疲れて動きが遅くなってきたな……！）ﾀﾀﾀ

月「おいユリ！　待つんだ！　一体何が――」

ユリ「来ないで化物ォオオオオオオオ！！」

月「え……？」

L「そこまでです。ライト君」

月「りゅ、竜崎……！！」ﾋﾞｸｯ

L「女の子が嫌がってるじゃないですか」

L「ストーカー行為はやめていただきたいですね」

月「ふざけるな！　お前が彼女に何か吹き込んだんだろ！」

月「いや、彼女だけじゃなく、他の女にも……！！」

L「なんのことですか？」

月「とぼけるのもいい加減にしろ！！」

月「お前が邪魔してるとしか思えないんだよ！」

月「じゃないと、僕が女に振られるなんて……」

L「……もしかしてライト君、告白して振られたんですか？」

月（こいつ……！）

L「なるほど。それでストーカーまがいのことを……」

L「でもそれを私のせいだと言い張るのは無理がありますね」


L「事実として、私はあなたの告白を“今”知ったのですから……」

月（くっ……Lの奴……見え見えの嘘を……！！）

L「第一、私があなたの告白を知っていたとして――」

L「その告白相手をどうやって知るというんですか？」

月「……！」

L「あなたが“誰に”告白するか知らなければ――」

L「その告白を邪魔することなんて不可能だと思うんですが……」

月（くっ……確かにその通りだ……）

月（僕は１０人ともメールで呼び出し、そして告白した）

月（もちろん口外はしていないし、本人にもそれ以外のコンタクトを取っていない……）

月（だからそのメールが傍受でもされない限り、情報が漏れるなんてことは……）

月（……ん？　メールが傍受……？　ま、まさか……！！）

月「お前もしかして、僕のメールを……！！！」


L「あと“２日”……ですね……」ﾆﾔﾘ


月「……！！」

◆１３時００分：／／夜神家／ライトの部屋◆

月「……くそっ！！　やられた！！！」ﾊﾞﾝｯ

リューク「ハハッ。ご乱心じゃねーか」

月「当たり前だろ！　やはり奴の監視は既に始まってたんだ！！」

月「まさかメールまで傍受していたなんて……やられた……」

リューク「それだけLの奴が本気ってことだろ？」

リューク「流石に盗聴器とかはつけてないみたいだが……」

月「……必要ないと判断したんだろうな」

月「そういった機器の設置はやはりリスクも高いし――」

月「今回は既に“メールの監視”という諜報手段が……」

リューク「……」ｶﾀｶﾀ

月「……」

リューク「……ん？　どうした、ライト？」

月「いや、さっきからずっと気になってたんだが……」


月「お前……いつのまにスマホなんか持ってたんだ？」

リューク「えっ……？」

月「いや、えっ？じゃないだろ。さっきTwitterがどうとか言ってたじゃないか……」

リューク「……」

月「ま、まさかお前……ちょっと貸せ！」ﾊﾟｼｯ

リューク「あっ、お、おい！」

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死神リューク@shinigami.no.6
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@Ryuzaki ユリをストーカーするライト
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@Ryuzaki 3時間で10人の女に振られるライト
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@Ryuzaki ライトの次の告白相手：ユリ
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@Ryuzaki ライトの次の告白相手：シホ
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@Ryuzaki ライトの次の告白相手：エミ
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月「お前かああああああああああああああああああ！！！！」

月「リューク！！！　どういうことだ！！！」

月「この“@Ryuzaki”ってLのことだろう！！？」

月「何でお前がLとコンタクト取れてるんだよ！！！　しかも僕の告白相手を……！！！」

リューク「……」

月「黙ってないで答えろリューク！！！！　これは僕に対する裏切り行為だぞ！！！！」

月「お前いつのまに……いつのまにこんなことをッッ……！！！！！！！」

リューク「……すまねぇライト……こうするしか他に方法がなかったんだ」

月「ああッ！！！？」

リューク「話せば長くなる……だから結論から言うと……」


リューク「俺はLに姿を見せ……そしてLに協力した……」ｸﾞｯ


月「だからその理由を聞いてるんだよ！！！　馬鹿かお前は！！！！！」

リューク「……」

月「おい何とか言ったら――」


リューク「うるせええええええええええええええええ！！！！！！！！！」ﾄﾞﾝｯ

月「なっ……」

リューク「うるせえ……うるせえええええ！！！」

リューク「全部、誰のせいだと思ってるんだ……！」

リューク「俺の気持ちも知らないで、お前は……お前は……！！！」

月「ああ！！？」


リューク「……ライト。お前の正体はもう、Lにバラしたからな……」


月「……！！！」

月「な、なんだとぉおおお……」

月「おい！　ワケを言えワケを！！！　お前は中立の立場でいるんじゃなかったのかよ！！！」

月「何でアイツに味方するようなこと――」

リューク「俺はもう中立じゃない！！！！！！」

月「なっ……！？」

リューク「俺は……俺は……！！！」


リューク「お前のことが、好きになっちまったんだよッッッ！！！！！！！！」

月「……は……？」

リューク「はぁはぁ……」

月「……ど、どういうことだよ……」

リューク「……ライト。お前に一つ言い忘れていたことがある」

リューク「“死神は自分のノートを拾った人間から離れることはできないが――」

リューク「その人間が眠っている間だけはその限りではない”……」

リューク「だから俺は陰ながらお前をサポートしようと毎晩Lの所に諜報活動しに行ってたんだ」

月「……！？」

リューク「そしてあるとき、聞いちまったわけだ……」

リューク「Lの奴が、お前のことを性交裁判に訴えようとしてることがな……」

月「ちょ、ちょっと待て！　じゃあ何でお前はLの味方になったんだよ！？」

月「仮にも僕のことが好きなら、僕が奴に犯される様なんて見たくないんじゃ……」

リューク「ああ。俺も最初はそう思った。だから自分のノートをLに触れさせ、Lに直接言ってやったんだ」


リューク「“俺は死神リューク。もしライトを性交裁判に訴えるようなら、俺はお前を殺す”……ってな」

月「Lを殺す……？　そんなことしたら、お前……」

リューク「ああそうだ。ライトに好意を持ってる時点で俺にLは殺せない……」

リューク「あの時は頭に血が上ってそのことを忘れていた……だから隙を作ってしまったんだ……！！」

リューク「アイツは本当に恐ろしいやつでな……」

リューク「こっちに勢いがなくなったとみるやいなや、俺に猛攻を仕掛けてきやがったんだ……！！」


L『リュークと言いましたね。断言しますが、死神と人間が結ばれるなんて絶対にありえません』
L『だから性欲を満たしたければ、ライト君をハメ撮りしてそれを鑑賞するしかありませんよ？』
L『一緒にライト君を性交裁判で負かしましょう。私達が協力すればそれくらい容易いことです』
L『そうですね。あなたにはライト君が彼女を作るのを阻止してもらいます』
L『そもそもライト君に彼女ができるのはあなただって嫌ですよね？　私だって嫌です』
L『というわけでリューク。このスマートフォンを使って、ライト君の告白相手をその都度知らせてください』
L『私はライト君より先にその相手に接触し、このデスノートとやらを触らせます』
L『ノートを触った人間にはあなたが見えるのでしょう？　告白の失敗は自明ですよ』

リューク『……』


リューク「……俺は、頷くことしかできなかった」

月「」