忍「お前様、ミスタードーナツが100円セールじゃ」暦「……」(170)

忍「これはいっとくべきじゃろ~」

暦「僕、今お金ないんだぞ」

忍「じゃから、気を遣ってセールの日に話を振っているんじゃあないか」

暦「まあ、確かにまだ昼食もまだだな」

忍「あー、フロッキーシューのストロベリー食いてえー」

忍「店内で食うなどと贅沢は言わん。テイクアウトで家でのんびり過ごそうではないか」

暦「カフェオレやらコーヒーやら高いからなあ」

忍「もう2時になってしまうではないか。さあさ、はよう仕度を」

暦「う、手持ち3000円か、苦しいな……」

忍「野口英世が3人もおれば十分じゃろ。あ、モノマネ見せてやろーか?」

暦「ネタの対象じゃあないだろ、この人」

忍「『やっべー、ツベルクリン反応してるー!』」

暦「それはコッホだ」

忍「で、買いに行く?」

暦「なんかすごいカワイイ顔して言ってるが、僕が買いに行くってことだろそれ」

忍「てことは行くんじゃな。やったー」

暦「はいはい、わかったよのぶちん」

↓+10の範囲でドーナツ10個買ってくる

忍「こんなものかの。では、買いに行ってくる」

忍「くそ、くそっ、くそっ!」

暦「3回も言うなよ。食事前に」

忍「ポンデリングのブルーベリーもエンゼルショコラもフロッキーシューもなかった! どうなっとるんじゃあの店舗は!」

暦「地域で差別化されてるんじゃないのか」

忍「おのれ、ミスタードーナツ。可愛さ余って憎さ100倍じゃ」

暦「愛憎は表裏一体だ、って羽川が前に言ってたぞ」

忍「純粋ってなんじゃろな……」

忍「フレンチクルーラーうまー」

暦「けど、あれだな、火憐ちゃんも月火ちゃんも両親も出かけてて、お前と二人家の中で食事ってのも不思議だな」

忍「おいそれと挨拶に窺うわけにはいかんしの」

暦「金髪幼女と秘密の同棲か。藤子御大はどう思われるのだろう」

忍「練習でもしておくか? 『二日モノですが』じゃったっけ?」

暦「『ふつつかもの』だ。ウチに何の挨拶に来るんだよ……」

忍「ふむ。チョコドーナツいただきじゃぱ~ん!」

暦「人の物を盗るな!」

暦「結局、10個中8個も食べやがって……」

忍「文字通り腹八分目じゃ。まだいけるけどセーブしおく」

暦「もう、おやつ食べ過ぎでご飯入らなくなっても知りませんからね!」

忍「お前様って儂の何?」

暦「だからもう少し待てって。夏には出るから」

忍「本当かのう。書籍に限らず、物販のスケジュールはズレているようじゃが」

暦「ズレたってこっちに余裕ができるわけじゃあないんだぜ」

暦(昔話だが、ふしぎの海のナディアは当時、製作ギリギリだったが湾岸戦争が勃発したため、番組が繰り下げになり、
そのために製作時間を確保できたという話である)

暦「でも、今は昔と違うからさ」

忍「ま、答えを出してくれれば儂は構わんがな。はよう、心を固めておけよ」

暦「僕ってけっこう行き詰ってるんじゃないか……?」

暦「ヒマだな。ドライブでもいこっかー、忍」

忍「んー」

暦「いや、んーって何だよ。せっかく僕が提案してるんだから、ちゃんと返してくれよ」

忍「うん」

暦「じゃあ、散歩」

忍「歩くと疲れるからヤ」

暦「なんかDVD借りてこようか?」

忍「今おもしろいのあったかのう」

暦「……一緒にケーキ(笑)でも作ろうぜ!」

忍「めんどくさい」

暦「時間は有限なんだ! 何かしようぜ! 何かしていないといたたまれないんだよ!」

忍「ヶ原さんはどうしたヶ原さんは」

暦「あいつは今日大学だよ」

忍「ああ。あれ、お前様は?」

暦「だから僕はヒマなの」

忍「前から思っておったんじゃが、暇をヒマってカタカナで書くとダメっぽさが3割増しじゃよな」

暦「ダメとか言うな! 今朝月火ちゃんにもそれで嘲笑されている。火憐ちゃんにもヒマだねーってよく言われる僕」

忍「そんなにイヤかヒマが」

暦「ヒマを生き抜く強さが欲しいぜ……」

暦「のぶえも~ん、なんか道具出してよー」

忍「道具なんか出したことないわい」

暦「あーあ、昼寝でもしようかな。あやとりは僕できないしさ」

忍「仕方ないのう。お前様のドライブにつきあってやるか。あれじゃ、夢の王国とか連れてけ」

暦「さすがにそこまでは懐が……、ってかお前ああいう場所に興味あるの?」

忍「昔一回行ったのう。でも、千葉県じゃあなかった。確かあれはもっと西のほうに……」

暦(それは国を間違えていないだろうか。偽物の夢の王国じゃなかっただろうか)

忍「相変わらずかわいらしいクルマじゃな」

暦「これに同乗する人間はつっこまずにはいられないのか?」

忍「とろっとろ運転しおって。もっと元気よくアクセル踏んで!」

暦「免許センターの講師ってなんであんなに威圧感あるんだろうな……」

忍「ぶっちゃけ、お前様最初の頃ビビって泣きそうじゃったろ」

暦「泣いてねえよ」

忍「ぐすん、という擬音がぴったりじゃった」

暦「鼻すすったりしてねえよ。帰ってから落ち込んだりしてねえよ」

忍「おい、車間開きすぎじゃ。もっと飛ばせ」

暦「ここは40キロまでだよ」

忍「公道は気持ち10キロオーバーじゃ。ほれ、後続の連中がイライラしておるぞ~」

暦「プレッシャーかけんなよ! 殴るぞお前!」

忍「お前様よ、ドライブといったらクルマの中でかっこいい音楽を大音量で流すとか、煙草吹かしながらとか、夜の高速とかそういうもんじゃあないか?」

暦「ペーペーに何を期待しているんだ」

忍「あと、異常に車高が低いクルマとかな。バンパーべこべこしちゃったりして」

暦「あれは何なんだろうな……」

忍「お……あそこはジュクじゃな」

暦「ん? ああ、そうだな」

忍「なんじゃ、だいぶ跡がなくなっておる。マンションでも立つのか」

暦「あんな危ないところ放っておけないだろ」

忍「後年、心霊マンションになったりしてな」

暦「ありそうだな……」

忍「深夜、エレベーターに乗っている時、下降中に一瞬ものすごい形相の女と目が……」

暦「やめろ」

忍「化物のくせに何ビビっておる」

暦「想像力ってわかるか」

忍「創造力? まあ、全盛期は過ぎたが。じゃーんっ、ブラック羽川ねんどろ作ってみましたー!」

暦「すっげえ欲しい!」

忍「とまあ、こんな具合に儂の物質創造スキルは健在じゃ」

暦「じゃなくて、想像力だよ、イマジネーション。心霊マンションを想像しちゃったんだよ」

忍「ふむ」

暦「クリエーターじゃなくてイマジネーターな(©ブギーポップ)」

忍「お前様よ、想像と創造はセットで初めて有効になるんじゃ。イメージがなければモノなど作れないじゃろう?」

暦「確かに」

忍「心霊トラップでも設置してくるか」

暦「お前が怪異だって今の今まで忘れてたよ!」

忍「儂がこの町に来たばかりの頃は学校にひとつ設置してやったんじゃが、好評だったようじゃぞ」

暦「妙なことになってないだろうな……」

忍「そうそう、確か昔適当に作った心霊トラップが後年ドラマ化していたのには感動したぞ」

暦「世にも奇妙な物語の元ネタまで作ったのか」

暦(歩く都市伝説だな)

忍「じゃから、怪異じゃというのに」

暦「ミスド食ってた口がよく言うよ」

忍「まあ、なんじゃ、これも一種の結界、フィールドみたいなものなんじゃ」

暦「結界? 忍野が学習塾跡に張ってたようなやつか?」

忍「気持ちが悪い場所には近づきたくないじゃろ? そうやって一目を避けるためのツールにもなるんじゃよ。とうめいマントとまではいかんが」

暦「ふーん。それで? なんであそこに心霊トラップを張ることになるんだ?」

忍「名残り……思い入れというか。色々あったからな。保存しておくのも罪にはならんじゃろ」

暦「へえ」

暦(元自殺志願者が思い入れときたか。いいことだ)

忍「子供扱いしておらんか? そんな波長を感じる」

暦「子供もなにも、お前幼女じゃねえか」

忍「失礼。噛みました」

暦「何も噛んでねえじゃねえか。どんな無茶振りだよ、それ」

忍「吸血っ!」

暦「エナジードレインかっ!?」

暦(まあ、僕が主なので、忍の意志では吸血できないんだけど。実際は普通に幼女のかみつきだ)

暦「って運転中に寄るなバカッ!」

忍「おー、我が人生もこれまでじゃあー。最後は一緒じゃあるじ様ー」

暦「ペーペーで事故はイヤだ! ペーペーで事故はイヤだ! ペーペーで事故はイヤだ!」

忍「教官の言った通りじゃったろ。慌てる前にまずブレーキ」

暦「危うくビートルちゃんがキズモノになるところだった……」

忍「む……あの娘たち、お前様のでっかい妹と同じ服を着ておるな」

暦「あ? ああ、ここ栂の木高だよ。火憐ちゃんが通ってるところ」

忍「お前様の通っておったこーこーより品格があるな」

暦「直江津だって進学校だったんだぞ」

忍「お前様の視点からじゃったせいか、まったくそのような印象がない」

暦「鬼っ子高校生、ってシャレにならないしなあ」

忍「そういう問題かの……」

暦「最近の女子高生ってデフォでニーソ穿いてるよなあ。いいなあ、うふふ」

忍「……」

火憐「おおっとー、そこで女子高生の太腿に視線を送るは我が兄ちゃん! なんだ、迎えに来てくれたのか?」

暦(校門から火憐が駆け寄ってきた)

暦「偶々だよ」

火憐「ひひひ。照れるなよ。別に恥ずかしいことなんかなーんにもないぜ」

暦「僕はお前の声の大きさがちょっと恥ずかしい……、みんなが見ているじゃないか」

暦(『阿良々木さん、さようならー』と声をかけられた。ここでも妹は人気者らしいな)

火憐「はーい、さよならー」

暦(愛想はありつつも、どこか素気なく返す火憐。しかし相手はキャッキャと喜んでいた)

暦「同じクラスの子か?」

火憐「いんや~、あれは確か3年の先輩だったかな」

暦(ここでまたもや『火憐さん、さよならー』とお声)

火憐「うん、気をつけて帰りなよー」

暦「あ、あれは? ジャージを着ていたが」

火憐「ありゃあ先生」

暦「お前、学校でどういうポジションなの?」

火憐「どういうポジって、人気者だよ」

暦「堂々と言えるその神経が皮肉抜きで羨ましいぜ……」

暦(そして三度かわいらしいお嬢さん達が。囲まれる火憐)

暦(『お帰りですかー』『今日も素敵です』『これ、実習で作ったんです、よろしかったら』『アドレスを伺っても』)

暦(『ぜひウチの部にもお顔を見せてください』『何をおっしゃるの、火憐さんはウチに』『まあ! 火事場泥棒とはこのこと!』『やんややんや』)

暦「…………」

暦(彼女達が一通り話すと、火憐はありがとうとお礼を述べ、下校するよう促した)

暦(『失礼します!』、だとさ)

火憐「兄ちゃん、帰ろうぜー。乗っけてよ」

暦「もう一度訊くが、お前、学校でどういうポジションなの?」

火憐「人気者だよ」

火憐「今日もお疲れさん、自分ー」

暦(どかっと後部座席に乗り込む火憐。未だ身長が伸びている妹だが、バックミラーで見るとその姿はかなり麗しい)

暦(忍は当然、影に潜水(潜影?))

火憐「はあ」

暦「なんだよ、溜息なんかついて。高校に慣れないか」

火憐「うーん。まあ、中学とそっくり同じとは言えねえなあ」

暦「そりゃそうだろうな」

火憐「エスカレーター方式つっても、高校から入ってくる子もいるし。周りの子も雰囲気が大人モードっつーの? なーんか違うんだよな」

暦「ふむ」

火憐「先輩も優しいけど、ぼったくられるし」

暦「優しくぼったくる?」

忍(お前様、アクセル踏みすぎじゃ)

暦「火憐ちゃん、困っているなら兄ちゃんが先輩達にお話しがあると伝えておいてくれ」

忍(あ、信号無視)

火憐「ぼったくる……、あ、おだてるだった」

暦「すると舎弟になろうとゴマをすっている……?」

火憐「ブツブツ何言ってんだよ兄ちゃん。前見て運転してよ。なんかさ、先輩達が妙にちやほやしてくれるんだよ」

暦「お前はそんなの昔からじゃあないのか?」

火憐「そうだけど、えーと、あー……、頭こんがらがってきたー」

暦(頭をぶんぶん振る妹。容姿とのギャップに萌えてしまう輩がいてもおかしくない様だ)

火憐「ほら、あたしは全然ウェルカムなんだけど、ちょっと疲れるというか、そう、疲れる!」

暦「……最近、蜂に刺されたりしたか?」

火憐「いいや? まだそれほど飛ぶ季節じゃないじゃんか。なんか関係あんのそれ?」

暦「いや、こっちの話だ」

暦「疲れるならその人達と距離を置けばいいじゃないか」

火憐「距離を置くって、兄ちゃん、どうやんのそれ」

暦「机で伏せって寝た振りをするとか」

火憐「起こされるじゃん」

暦「え、僕そんなことされたことないぞ」

火憐「あ、ごめん」

暦「え……」

火憐「…………」

暦「…………」

火憐「今の無しな」

暦「うん……」

暦(想像だが、たぶん火憐は新しい人間関係に違和感のようなものを抱いているのだろう)

暦(そもそも、今まで月火と並んで町の人気者で通してきたわけだが、それは彼女の極端にピュア、子供っぽいメンタリティがあって為されていたのだ)

暦(そして今春からは下の妹とは離れた校舎での新生活)

暦(周りの人間との関係も変化するし、容姿も大人びたそれになっていく時期)

暦(誰よりも完成に近い体を持つ火憐が誰よりも子供のような心を持っているというのは歪んでいるが、まあそれはこいつの長所なんだろう)

暦(そう、長所。しかし、これは身内の贔屓目かもしれないな。何より、本人はその子供心故に周囲とのギャップに悩み始めた)

暦(こんなところだろう。悪いことじゃない。むしろ、避けては通れない、然るべき成長の一途だ)

火憐「めんどくせえなあ」

火憐「兄ちゃん、よく学校サボってたけどさ、なんかその気持ちわかるよ」

暦「生意気だなあ。僕の心理が理解できただとー? 高校2年の春休みまでほぼ人と話さず生活してた僕の気持ちが?」

火憐「兄ちゃん、死にたくならなかったのそれ?」

暦(実は死んでるんだ。とは言わない)

暦「ああ。もしかしたら、羽川と出会ったことが僕を生かしてくれたのかもなあ」

火憐「ふうん。そういや、翼さんとの馴れ初めとか聞いたことねえな。どうやってあの人と知り合ったの? 兄ちゃんの一生に全く関わり合うことなさそうなのに」

暦「お前ら姉妹は何かと僕と羽川の格差に言及するな。えーと、春休みに羽川のパンツを見たのが最初かな」

火憐「パンツ……?」

暦「『もー何見てるのー』『ごっめーん、てへっ』って感じで始まり、仲良くなったとさ」

火憐「それが事実だとしたら、あの人は聖母とかそういうレベルですらねえな。こんな下衆と友達になってくれるなんて」

暦「…………」

暦(かなり端折ったとはいえ、うまく僕と羽川の出会いを要約できたはずだが……)

暦「けどまあ、そんな馴れ初めでもだ、僕には一生ものの友達ができたんだよ」

火憐「一生の友達……」

暦「恐らくお互いの結婚式にも出席するし、老後も仲良くしてるだろうぜ」

火憐「翼さんも苦労人だよなあ。けど、なんでつきあってないんだ?」

暦「友達だから。つきあうのは恋人だろうが」

火憐「いやいや、そんな言葉遊びじゃなくて。普通、流れ的にそこはフォーリンラブ、なんじゃねえの?」

暦「まあ、色々あるが……、お子様にはちょおっと難しいかな~」

火憐「はあ!?」

暦「火憐ちゃんにはまだわかんないだろうけど、ほら、恋愛の機微っつーの? 微妙な問題なんだよねえー」

火憐「むっかー! あたしのほうが先に彼氏作ったのに兄ちゃんに恋愛について諭されたくねえ!」

暦「お互いのためにはこれがベストの形だったんだよね」

火憐「キメ顔(哀愁ver.)うざい! うざいうざいうざい!」

暦「さらに兄の恋愛講座を続けるとだな」

火憐「続くな」

暦「僕が思うに、友達、恋人、好きな人、そして妹はパラレルな存在なんだな」

火憐「どういうこと?」

暦「だからー、彼女はいるけど、あの娘も好きだし友達とも超仲良しで妹とも遊ぶ。これがひとつの真理だと思うんだよね」

火憐「なんかラブコメの主人公みたいだな」

暦「ちなみに昨日この事実にはたと気づいたとき月火ちゃんに言ってみたら、テレビのリモコンで殴られた」

火憐「よくわかんねえけど、月火ちゃんは正しいことをしたんだろうな」

暦「土下座までさせられた。僕は悪くないのに」

火憐「兄ちゃん、時々恐いな」

火憐「しかし、妹と遊ぶのはオッケーなのか」

暦「うん」

火憐「最近友達と兄トークになったんだけど、大体家じゃあ口もきかないらしいぜ」

暦「いけないな~。みんなもっと妹と遊ぼうぜ。下着の見せっことかしようぜ~」

火憐「そういや、昨日兄ちゃんが洗濯物畳んでくれたけど、あたしのパンツ一枚足りなかったんだ。知らない?」

暦「ああ、僕の部屋にあるわ。混ざってた」

火憐「じゃあ、あとで取りにいくわ」

暦「うん。そうして」

暦「はーい、我が家にとーちゃーく」

火憐「兄ちゃん、今一発で駐車成功して内心舞い上がってるだろ」

暦「は? とっくにパーペキになってるわ」

暦(いっえーーい! 僕、天才じゃねえ!?)

忍(舞い上がっておる……)

火憐「うんにゃ。まだ月火ちゃん帰ってねえな。とりあえず兄ちゃんパンツ返せや」

暦「おう。あ、なんか変なの付いてても気にしないで」

火憐「? おう」

暦「あ、プリキュアの再放送(TOKYO MX)そろそろだ」

暦「えーと。あ、あったあった。タンスの下着コーナーに入れちゃってた」

火憐「うおー。あぶねー。兄ちゃんがあたしのパンツ穿いてしまう寸前だったぜ」

暦「火憐ちゃん最近大人っぽいパンツになったからなー。僕のと見紛うほどだ」

火憐「ふふん! なんたって、高校生だからな!」

暦「中学生なんぞとは天と地の差だな」

暦(手渡すと、指先でパンツをくるくる回す火憐)

火憐「しっかし、月火ちゃんいないんじゃヒマだぜ」

暦「お前も僕とプリキュアを見ろよ。共通の話題を持とうぜ。それが兄妹仲の秘訣だ」

火憐「中学生が主人公のプリキュアはもう見ない……、今のあたしは高校生、セーラームーンもセーラースターズを見なきゃな」

暦「なんだと。お前プリキュアなめんな」

火憐「ていうか、こないだまでハートキャッチ見てあたしたちよりはしゃいでたじゃんか」

暦「うーむ、そうだけど、やはり初代の魅力には抗えない」

暦(前述のやり取りなどなかったかのように、二人で仲良くプリキュア鑑賞)

暦「いつ見ても二人が手をつなぐ場面にドキドキしちゃう……」

火憐「必殺技は燃えるよな!」

暦(必殺技、か。ふふん、やはり目の付けどころがまだまだお子ちゃまよのう)

火憐「でもさ、ホワイトってスカートとでさ、女子女子してるけど、ヒスってる場面とか見るにブラックより強そうだよな」

暦「声優さんの熱演もあるからだと思うが……」

暦(ちょうどこいつら姉妹みたいな感じだ。ホワイトがどちらに該当するかは言わずもがな)

火憐「普通に面白いな」

暦「ああ、この回から名前呼びになるんだよな」

火憐「『友達じゃないんだからっ!』」

暦「きついわ……」

暦「そういえば健康診断あっただろ。身長どうだった?」

火憐「んー、175越えてたのを数字で確認したところまでは覚えてるんだけどよ。忘れちゃった」

暦「脳みそのシワまで伸ばさなくても幸福は逃げねえよ……」

火憐「脳みそのシワとシワをあわせて――」

暦(言いながら僕と額をすり合わせる火憐)

火憐「しあわせっ! なんつって!」

暦「…………」

火憐「お、プリキュア終わったぜ」

暦「火憐ちゃん」

火憐「あん?」

暦「まだ制服じゃんか。はやく脱いじゃえよ」

火憐「おっと、そうだった。こっちにシワが寄っちまうぜ。えっと、ジャージは部屋か」

暦「いや、ここだ。僕が昼間リビングで洗濯物を畳んでいたからな」

火憐「おお、マジか兄ちゃん。なんか、どんどん主婦業慣れしてきてるな。ニートみてえ」

暦「誰が家事見習いだ。まあいい」

火憐「んじゃ、着替えるかー」

暦(学校でも男子の目を憚ることなく着替える火憐である。僕以外の人間がこの場にいたらその場で世界から退場願うのだが、これは問題なし)

火憐「ほっ」

暦(高校生になってから、制服の上にジャージ登校、してないんだよね)

暦(制服を脱ぐ所作って、扇情的だ。妹とはいえ例外ではない)

火憐「ふぅ」

暦(ブラウスを脱ぎ、半裸になる火憐。ブラの上に位置する鎖骨に目が惹かれる)

火憐「なんか買ったばっかだってのに、もうサイズ小さくなってる気がするんだよな」

暦(少し屈んで、スカートのファスナーを下ろす作業に移る。角度のせいで火憐の表情が憂いを帯びたものに見え、それがまたそそる)

暦(しかも、谷間も見えている)

火憐「どうよ、これがアダルティーな下着だぜ」

暦(ブラとパンツだけになり、仁王立ちになる火憐。確かに月火が穿いているものよりいくらか高いかと思われた)

暦「お前足長いなー」

暦(羽川にこれくらい身長があったら、ちょうどこんな感じかもな)

火憐「おかげで足技のリーチが伸びたんだぜ」

暦「立ちキックで対空とか利きそうだな」

火憐「よっ、ほっ!」

暦(片足立ちで2回キックを見せてみる火憐。うーん、美しい)

火憐「なんか今日暑くねえ? 上にジャージ羽織ろうかと思ったけど、タンクトップにしようかな」

暦「ここにタンクトップあるぞ」

火憐「瞬時に取り出せる兄ちゃんもすげえな」

暦「だてにお前らの下着を畳んでいない」

火憐「んじゃあ、こっち着るかー」

暦(背中に手を回し、ブラのホックを――)

暦「あ? はやく脱げば」

火憐「なんでキレ気味なんだよ。いや、さすがにナマモノを見られるのは遠慮したいんだけど」

暦「今更かよ。何回お前と一緒にお風呂に入ったと思ってるんだ」

火憐「いつの話だよ。ちょぉ、兄ちゃーん」

暦「別に見てもなんともないからっ、なっ? ほら、はやく脱げって」

火憐「脱げってぇ……」

暦「あー! まだるっこしい! もう僕が脱がすわ」

火憐「え、え、ちょ、や、やめっ……!」

暦(予め言っておくと、素の状態では僕は火憐に力で負ける。それほど力量と技量の差があるのだ)

暦(しかし、僕には神秘の吸血鬼パワーがある。あるのだ)

火憐「な、なんでっ、兄ちゃんがあたしに敵うはずがっ!?」

暦「動くなって。なまじお前が下手に動くと怪我するかもしれないからさー」

火憐「やだやだやだ! やめてよ兄ちゃん! 無理やりなんてっ!」

暦「洗い物出るならはやく片づけたいからさ。ほら、脱がすぞー」

暦(火憐の両腕を後ろに回し、僕の左手でがっちり固定する。そして、こちらの右手でブラのホックに臨む)

火憐「やぁ、やだよぉ、こんなの、望んでないよぉ」

暦「しおらしくなっちゃって。いつものお前はどうしたんだよ」

火憐「……に、兄ちゃんが」

暦「ん?」

火憐「兄ちゃんが、そうしたいっていうなら、ちゃ、ちゃんと……」

暦「……そうしたいって、なんだ?」

火憐「そ、その、み、見たい、とか? さ、触りたい、とか?」

暦「……ちょっと待って」

暦(ウェイラミニット。火憐から手を離し、しばし思考……)

火憐「…………」

暦「あの、さ、僕がもし、見たいなぁ、とか言ったらさ、ど、どうなんの?」

火憐「い、今言ったから、こっ、ここっ、『こうなる』」

暦(震える火憐は再び背中に手を回した。パチン、と何か金属が外れる音がする)

暦(肩にかかっていた紐の張りがなくなり、たらんと二の腕まで垂れ下がる)

暦(火憐は胸元を抑え、ブラが落ちないようにしている)

火憐「あ、あ、えっと……」

暦「い、いいんだよな」

暦(頷く火憐。僕はその胸に手を伸ばし――)

月火「鬼畜っ!」

暦「たっ!!?」

暦(突如、世界が90度傾く。おかしい。傾物語は数ヶ月前に終わったはず。もしや僕が傾者だったというオチがいまになって顕在したというコペルニクス的転回が)

月火「独白がしつこいっ!」

暦(脇腹に2発。おお、懐かしや、レイニーデビルの拳。いや、あれはもう去年か。余談ではあるが去年という漢字が本国において完成されたのは)

月火(司馬遼太郎かっ!)

暦「って2度も3度も食らうか! あべしっ!」

月火「食らってるじゃん!」

暦「どこのキャラクター小説に兄を鉄バットで殴る妹がいる!?」

月火「泣いてる火憐ちゃんにナニしようとしてるのよ!」

暦「うるさい! 僕はちょっと『はい、ぬぎぬぎしましょうね~』ってやってあげだけで」

月火「ボッシュート!」

暦「ひでぶっ!」

暦(北斗――であった。余談ではあるが『ひでぶ』という言葉が生まれたのは1980年代の)

仕事いく

まあ仕事つっても家で作業するんだけどな
もうちょっといってみるか

暦(下着姿の火憐にジャージを着せる月火。こいつ、ほんっとうぜえな)

月火「問題だよ。本当に。最近、目を離すとすぐこれだもの」

暦「ああ?」

月火「火憐ちゃんも火憐ちゃんだよ。どうして抵抗しないの。こんなの得意の八極拳でコテンパンにできるじゃない」

火憐「あ、うん……」

月火「まあ、いざとなったら恐怖が勝っちゃうよね。この、女の的!」

暦「誤字変換してしまったんだろうが、あながち間違いじゃあないな」

暦(なんかこう、女性陣のベクトルの的になっているとかそんな感じ)

月火「パパとママに相談だね」

暦「チクってんじゃねーよ、チクリ魔!」

月火「これはもう父権とか国家権力とかに任せるべき段階だと踏んだのよ」

暦「お前、靴に画鋲入れっぞ」

月火「なんて小物くさい……」

月火「こないだ兄トークを友達としたんだけど、もうね、私お兄ちゃんの話題出せないわけよ。わかる?」

暦「別に僕はガールズトークのおかずになるために生きているわけじゃない」

月火「体裁が保てないと言ってるの! もう、死なないかなーこの人は」

暦「お前が死ね」

月火「死にませんん~。お兄ちゃんなんかゾンビに食われて死んじゃえ!」

火憐「あのさ、月火ちゃん、兄ちゃんは別に変なことをしようとかじゃあ」

月火「なによ! あ、あーあー! 両者合意の上だったわけですか、はいはい、わかりました! もう勝手にすればいいじゃない!」

暦(月火はリビングから出て行こうとして、勢いよく踏みだしたが、クッションに躓き転んだ)

月火「むぎゅんっ!」

暦「……ぷっ、むぎゅんだって」

火憐「おい、兄ちゃん、笑っちゃまずいぜ、くっ」

月火「…………」

暦(立ちあがると、月火は今度こそ出ていき、部屋に籠った)

暦「最近あいつのヒス度あがってないか? とんだキュアホワイトがいたもんだ」

火憐「どうする?」

暦(考えあぐねていると、メールの着信があった)

暦「あー……」

火憐「どしたの。迷惑メール」

暦「違う。戦場ヶ原から」

火憐「ふーん」

暦「呼び出しがかかったみたいだ」

火憐「そ」

暦「出かけるけど、お前には非がないと月火ちゃんには言っておくよ」

火憐「そりゃあ助かるなー、とだけ言っておく」

暦「ん? なんだよ、お前もヒスか?」

火憐「ヒスってなんだ。青酸カリの親戚か?」

暦「ヒ素のことか? まあ、ボケとしてはジャッジが難しい……」

暦(兄ちゃんの部屋使わせてもらうぜ、と言って火憐は僕の部屋に入った)

暦(そして、僕は今月火と火憐の部屋の前にいる)

暦「月火ちゃん、僕出かけるからー」

月火「…………」

暦「火憐ちゃんに当たらないでやってな。あいつはあの通りお馬鹿さんだから、僕の言うことほいほい信じちゃうからさ」

月火「…………」

暦「またあとで話そうな。それで、また明日になったらいつも通りになろうよ」

月火「…………」

暦「それじゃ。僕の分のご飯はたぶんいらないから。戸締りはちゃんとしておいてな」

暦「年頃の女の子って難しいな」

ひたぎ「は?」

暦「妹がな。繊細っていうか、去年とちょっと扱いが大変だなって」

ひたぎ「どういう文脈か把握しかねるけれど、阿良々木くんが全面的に悪い気がするわね、なんとなく」

暦「いや、文脈を把握してないんじゃないのか」

ひたぎ「何の根拠もなく、これはまったくの想像だけれど、妹さんを不躾に扱った当然の結果、というのが真相ではないかと思わずにはいられない」

暦「お前はエスパーだったのか」

ひたぎ「阿良々木くん限定で」

暦「嬉しいような恐いような……」

暦(呼び出された場所はファミレス。24時間営業だがしょぼいところだ。田舎だからな)

暦(高校卒業後、僕らが逢瀬(照)を重ねるのは専らここだった)

暦(欲を言えば飲み屋とかバーとかのほうが格好がつくけど、一応僕らはまだ未成年で、戦場ヶ原はそういう部分には誠実だった)

暦「あの御方も連載開始以前、タイトルを決めたときはこのファミレスだったというし」

ひたぎ「何の話? 火憐さんと月火さんに関係あるの?」

暦「いや、これは特に。お前、中3とか高1のときどうだった?」

ひたぎ「答えに困るわね。その差わずか1年とはいえ、比較するとずいぶん違うライフスタイルだったから」

暦「あ、そうか」

ひたぎ「まあ我ながら難しい年頃だったというべきか、お父さんとの接し方にちょっと困っていたりしたわね」

暦「ほうほう」

ひたぎ「『やだー! 下着一緒に洗濯しないでよ!』」

暦「あのお父さんの反応、気になるな……」

ひたぎ「思えば、会社の業績が落ちたのはそのころだったかしら……」

暦「いや、もう少し複雑じゃあなかったか?」

暦(どんな親バカだよ)

めし、なんだなあ
みつを

暦「どうも、最近下の妹が落ち着きがなくてな」

ひたぎ「月火さんね」

暦「友達と遊んでるときを除けば、大体家でぼーっとしてるやつだったんだけど、最近行き先も告げずによく外出する」

ひたぎ「一人っ子の想像だけれど、いちいち兄に断りを入れるのも煩わしいんじゃない?」

暦「それにしたって、前は一言あったんだよ。それが最近は無視とかするし」

ひたぎ「無視なんて慣れっこじゃない。私があなたに初めて語りかけた異性だったんでしょう?」

暦「友達を作らなかっただけだ!」

ひたぎ「あったわねえ、そんなことも。人間強度(笑)」

暦「やめろよー、今聞くとこのへんにすごいくるからー」

ひたぎ「で、月火さんだったかしら」

暦(基本的に会話の主導権は向こうなんだよな)

ひたぎ「別に何かしてほしいと頼まれたわけでなし、放っておけばいいんじゃない?」

ひたぎ「それに、又聞きだけれどあなたも以前は妹さん達をそれは粗末に扱っていたそうじゃない」

暦「それは……あったかもしれないけど」

暦(首絞めとか電気アンマとかしたことは否定しない)

ひたぎ「それが今返ってきたきてるということ。因果ねえ」

暦「むう」

ひたぎ「こんな答えでいい? 期待には沿えなかったかしら」

暦「いいや、話聞いてもらってるだけでありがたいよ」

ひたぎ「羽川さんがいたら彼女に相談していただろうしね」

暦「いや、そんなことは」

ひたぎ「いいのよ、別に。秘密を作らないように努力はしているけど、阿良々木くん、話してくれないこと多いし」

暦「う」

ひたぎ「それに、月火さんも阿良々木くんとの距離の取り方に悩んでいるのかもしれないわね」

暦「距離、ねえ」

ひたぎ「正直、妹さんとはいえ阿良々木くんから羽川さん以外の女の話を聞くのはあまり面白くないわ」

暦「いやいや、女って妹だぜ?」

ひたぎ「女の子が嫌いな男の3パターン。いえーい」

暦「聞くよ聞きますよ」

ひたぎ「マザコン、ロリコン――」


ひたぎ「――シスコン」


暦(グラスの中で氷がかりん、と鳴る)

暦「って、かっこよくキメるとこか?」

ひたぎ「シ・ス・コ・ン」

暦「違うよ!」

ひたぎ「ロ・リ・コ・ン」

暦「違う! 断じて違う!」

ひたぎ「そういえばお母様にお会いしたことないわね」

暦「あ? いいよ、当分は会わなくて。僕はあまりお前と会わせたくない」

ひたぎ「また又聞きだけど、羽川さんは阿良々木母に会ったそうよ」

暦「あれは僕の知らぬ間に成り行きで」

ひたぎ「またまた又聞きだけど、阿良々木くん、妹さんと半裸で相見えるそうじゃない」

暦「羽川~っ」

ひたぎ「いやねいやね、彼女の見えないところではそういう姿が。ところで、又聞きを又開きと噛まずに言えた私を褒めてくれない?」

暦「どうやって噛むんだよ!」

ひたぎ「又開きだけれど、阿良々木くん、妹さん達を粗末に扱っていたそうじゃない」

暦「どういう文章!?」

ひたぎ「いやらしい……」

暦「お前がな!」

暦「なんだかなあ。卒業してもお前との会話はこの調子か。楽しいからいいんだけどさ」

ひたぎ「高校を卒業した今だからこそよ。こうして下ネタを振りまくって私たちの自由をアピールするべきなのよ、あの高い城の男に」

暦「どこの城だよ、それは」

ひたぎ「高い城の男……もしかして、私達って小説の中のキャラクターなの?」

暦「なんて答えればいいんだよ」

ひたぎ「私自身は三次元の人間であると自覚があるけれど。ほら、胸もあるし」

暦「あの、あんまり自分で揉まないで。場所的に」

ひたぎ「ほよよ~ん」

暦「……それは誘ってるのか?」

ひたぎ「さそう? ツクテンとかそういうあれ?」

暦「女子ってわからない……」

ひたぎ「宴もたけなわだし、この後どうする? ホテルでもいく?」

暦「さらっと言ったが、今まで一度行ったことないからな」

ひたぎ「高速道路から見るホテル群ってドキドキしない?」

暦「ガハラさん、別にそこまでして自由をアピールしなくてもいいんだよ?」

ひたぎ「そう、残念だわ……」

暦「テーブルに突っ伏すほどにか」

ひたぎ「おでこをぶつけると鈍い音がするわ」

暦「ゴンゴンいってるけど、痛くないのかお前」

ひたぎ「痛い」

暦「深夜のテンションだな」

ひたぎ「ほんと――」


ひたぎ「――にぶいわね」

暦(そのまま僕らは朝までファミレスで怠惰に過ごした)

暦(たまに話し、たまに寝て、たまにドリンクバーに行く)

暦(日が昇ってから店を出て、僕らはそれぞれ家路についた)

暦「本当に送っていかなくていいのか?」

ひたぎ「ええ。ここからそんなに距離ないしね」

暦「それでも気をつけろよ。半分寝ぼけてるし」

ひたぎ「お互いね。ああ、阿良々木くん」

暦「なんだ?」

ひたぎ「妹さんと、うまくつきあえるといいわね」

暦(戦場ヶ原はつまらなそうに言った)

暦(本人の言に従えば、女関係である。まあ、つまらないよなあ、あいつからすれば)

暦(ようやく、僕も納得したりしていた)

暦(そして我が家に到着したが、見事午前様だ)

暦(幸いというべきか、本日は休日。一家整列が規則の朝食も今日はやや遅めのようだ)

火憐「おう、兄ちゃんおかえりー」

暦(僕の部屋にまだ火憐がいる……)

暦「まだ不貞腐れてるのかよ、あいつ」

火憐「うん」

暦「飯になったら出てくるんだろうな……」

火憐「静かだったぜ。死んでるみたいに」

暦「死んでるのかもな」

火憐「おい、怖いこと言うなよ。ちょっ、心配になってきたっ、月火ちゃーん!」

暦(と言って隣の部屋を叩いたが、反応なし。しかし死んではいないらしかった)

暦(結局、朝食になっても月火は出てこなかった)

離れるお

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom