チチ「悟空さ! いい加減、働いてけれ!!」(375)


 セルとの壮絶な戦いから約1年。
 悟空はセルゲームで命を落とすこともなく、
 平和な生活を送っていた。


悟空「またその話かチチぃ~」

チチ「またその話かじゃねえべ! いい加減にしてけろ!
   毎日毎日、働きもしねえでほっつき歩いてて恥ずかしくねえべか!?」

悟空「はっはっは、相変わらずキツいな~、チチは~」

チチ「真面目に聞いてけれ! おっ父の財産だっていつまでもあるわけじゃねえ!
   働きもしねえでどうやって悟飯ちゃんを養うだ!!」

悟空「はっはっは、山に行きゃ食い物なんていっぱいあるじゃねえか~」

チチ「食べ物だけの問題じゃねえべ! 生活するには何したって金がかかるんだ!
   税金だって年金だって払わなきゃならねえんだぞ!
   悟飯ちゃんの学費だってえれえ掛かるんだ!」

悟空「はっはっは、まぁそう怒るなってぇ」

チチ「いーや! 今日という今日は言わせてもらうだ!
   大体、悟空さは人としての常識が何もかも抜けてるだ!」

悟空「はっはっは、まぁまぁ」

チチ「オラ、恥ずかしくて親戚にも友達にも顔向けできねえだよ!
   それというのも全部悟空さのせい――――」


悟空「ガタガタ抜かすんじゃねええええええ!!!!
   ぶっ殺されてえかああああああああああああああああ!!!!!」チュワンチュワンチュワンッ!


チチ「ひっ……!」ビクッ

悟空「おっと、ついスーパーサイヤ人になっちまった^^」シュウウーン…

チチ「……うう、うわああああああん!」ポロポロポロ

悟空「何泣いてんだチチぃ~。これじゃ、まるでオラが悪いみてえじゃねえかぁ~」

チチ「うわあああああああああん!!」ポロポロ

悟空「違うよなぁ~? オラ悪くねぇだろぉ?
   オレをイラつかせるようなこと言うチチが悪いんだよな? そうだろ? ん?」

チチ「ひっく……ひっく……」ポロポロポロ

悟空「まぁそういうわけだから、オラ修行に行ってくるな^^」

  バビューンッ!!

チチ「うううう……」ヒックヒック

  ガチャ

悟飯「お母さん……」

  ~ブルマの家~


  シュタッ!

悟空「おーい、ベジータ~!」

ベジータ「む、今日もきやがったか、カカロット」

悟空「いっちょ手合わせしようぜ~」

ベジータ「ふ、いいだろう。地上戦と空中戦、好きなほうを選びやがれ」

悟空「今日は空中戦かな^^」

ベジータ「では海の上だ。ついてきやがれー!!」

  バビューンッ!!

悟空「ベジータの奴、今日もノリノリだなぁ^^」

悟空「地球を破壊されたくなかったらわかっているだろうな?」

  ~そして数時間後~


  バババババッ!! ダッダッダッ!! ドドドッ!!!


悟空「くうぅ~、おめぇまた腕上げたなぁ~」シュワンシュワンシュワン

ベジータ「ちぃ……、貴様のほうこそ更に強くなりやがって……!
     追いついたと思ったら一歩先へ行きやがる……!!」シュワンシュワンシュワン

悟空「ふぅ、今日はここまでにしようぜ。オラ腹減っちまった」

ベジータ「いいだろう。貴様はいつもチチの手料理を食っているのか?」

悟空「おお^^ 料理が上手いのだけがチチのいいところだ」

ベジータ「ブルマは料理なんかしやがらないからな……」

悟空「でも、毎日豪華なもん食ってんだろ? ブルマんちは金持ちだからなぁ~」

ベジータ「まぁいいさ。次はいつ来れるんだ?」

悟空「オラ毎日暇だぞぉ^^ オメーもだろ?」

ベジータ「ふっ、そういうことだ」ニヤッ

悟空「じゃあまた明日なーっ!」シュンッ

ベジータ「ち、明日も楽しみだぜクソッタレ」


  シュンッ!

悟空「今帰ったぞ~。腹減ったメシぃ~!」

  シーン……

悟空「おーいチチぃ! いねーのかぁ? ったく、旦那のメシも作らずどこ行って――
   ん、なんだこれ」ピラッ


  『悟飯と一緒に実家に帰らせていただきます。 チチ』


悟空「……なんだこれ」

  ~フライパン山~


牛魔王「チチ、悟空さとはよく話合ったのか?」

チチ「あの人に話なんて通用しないだ……。毎日毎日、働きもせず、メシ、修行、寝る、だ」

牛魔王「そっだらか……」

悟飯「ごめんなさい、お爺さん。急に押しかけて……」

牛魔王「何を言うだ悟飯! おめぇが来てくれてオラ嬉しいぞぉ~。今日はおめぇの好きなもんを食わせて――」


『チチいいいいいいいいいいいいいい!!! 出てこおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!』


チチ「ご、悟空さの声だっ!」


『出てこねえと、かめはめ波でこの山ごと吹き飛ばすぞおおおおおおおおおおおお!!!!』


牛魔王「無茶苦茶言ってるだ……」

悟飯「きっと、お腹が空いてて気が立ってるんだ……。僕が行ってきますっ!」バビューンッ

チチ「ご、悟飯ちゃん!」


  シュンッ!

悟飯「お父さん! こっちです!」

悟空「よお悟飯~、チチに振り回されて大変だったろぉ~? さ、チチをつれてみんなでけえるぞ」

悟飯「違いますよ、お父さん。家を出ようと言ったのは僕のほうです」

悟空「……なんだって?」

悟飯「お母さんの言うことは尤もですよ。お父さんはちゃんと働いて、お母さんを安心させるべきです」

悟空「はっはっは、まぁまぁそう言うなよ悟飯~^^」

悟飯「そうやってヘラヘラして誤魔化すのもお父さんの悪い癖です!!」

悟空「……ほう」


悟飯「もうセルも倒したし……、平和な世の中でこれ以上強くなっても仕方ないじゃないですか。
   これからはお父さんのその力を、もっと生産的なことに使うべきですよ!
   土木作業とかならきっとお父さんに向いて――――」

悟空「なぁ悟飯」

悟飯「な、なんですか」

悟空「オラが一番嫌いな言葉って、何だか知ってるか?」

悟飯「い、いえ……」

悟空「それはな、『労働』だ。聞いただけで虫唾が走る」

悟飯「…………」


悟空「さ、チチをつれてみんなで帰ろう」

悟飯「僕、お父さんのこと、本当に尊敬してたんですよ……、ピッコロさんと同じくらい。
   でも、今はもう……」

悟空「オラの何が不満なんだ!!?」

悟飯「い、今の話聞いてなかったんですか!? 働いてくださいよ!!」

悟空「おめえこそ聞いてたんか!? オラは働くのが大っ嫌いなんだ!!」

悟飯「……いくら言っても平行線ですね。分かりました。
   では、サイヤ人らしく戦いで決めましょう。
   僕が勝ったら、お父さんにはちゃんと働いてもらいます」

悟空「オラが勝ったら?」

悟飯「もう2度と働けなんて言いませんよ」

悟空「ははっ、それじゃあ早速やろうぜ」


悟飯「はあああああああああ!!!!」チュワンチュワンチュワンッ

悟空「でやあああああああああ!!!!」チュワンチュワンチュワンッ


  シュンッ!! ダダダダダッ!!! ドドドドッ!!!
  バシバシッ!! ガガガガガガッ!!!

悟飯(う、速い……! セルと戦った時よりも更に腕を上げている! 流石お父さんだ!)

悟空「どうした悟飯! セルん時のおめえはこんなもんじゃなかったぞ!
   遠慮せずに全力を出してみろ!!」

悟飯「くっ、でやあああ!!!」バシュンッ

悟空「あめえぞ!!」シュダンッ


  バキッ!! ドドドドドゴスッ!!!


悟飯「ぐああ!!」バチンッ

悟空「どうだ、これで分かったろ!」

悟飯「な、何がですか」ゼェゼェ

悟空「セルと戦ったほんの1年前までは、おめえの方が遥かに上だった。
   だが、おめえはあれからずっと勉強で修行をしていなかった。
   オラは違う。あれから毎日修行をして強くなった!
   これが無職の力だ!!」

悟飯「む、無職の……力……!?」

悟空「ああそうだ! 仕事なんかしてみろ。修行する暇がなくて、あっという間に体が鈍っちまう。
   悟飯、今のおめえのようにだ!」

悟飯「た、ただの開き直りじゃないですか、そんなの!」

悟空「なぁ悟飯、おめえだって今までオラと一緒に修行して楽しくなかったか?」

悟飯「何を言い出すんです……」

悟空「修行はつれえかもしれねえ。けどよ、頑張って頑張って強くなった時、嬉しくならなかったか?
   スーパーサイヤ人の壁を越えたとき、力だけじゃなくて心まで突き抜けるような解放感があったろ?」

悟飯「…………」

悟空「初めてピッコロに修行してもらった時よ、泣き虫だったおめえが逞しくなって、
   強くなったっていう実感が湧かなかったか?」

悟飯「それは……」

悟空「オラたちはそうやって修練を積んで強くなって、それで強敵を倒してきたんじゃねえか。
   おめえは、今までのオラのやってきたことが無駄なことだって言うんか?」

悟飯「……お父さんは立派です。お父さんが地球を何度も救ってくれたことには感謝と誇りを持っています」

悟空「分かってくれたか、悟飯」

悟飯「でも、それとこれとは話は別です。働いてください」

悟空「バカヤロおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ゴオオオオオオオオオオッ


悟飯「な、なんて気だ……! お父さんもスーパーサイヤ人の限界を超えている……!」

悟空「口で言っても分からねえようだな……!」チュワンチュワンチュワン

悟飯「それはこっちの台詞ですよ! 今度は本気で行きます……!」バチバチバチバチッ


悟空「ちあああああああああああ!!!」シュンッ

悟飯「だあああああああああああ!!!」シュンッ


  ガッガッガッ!! ドドドドドドッ!! バババババッ!!
  ドギャスッ!! ズドドドドドドドッ!! メメタァ!!


悟飯「だだだだだっ!!」シュンシュンドゴスッ

悟空(くっ! ベジータと戦った時の疲れが……! 腹も減ってるし……!)

悟飯「でやあああああっ!!!」ズドンッ

悟空「ぐああああああっ!!」バシンッ

  ズドオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!

悟飯「……勝負ありですね」


悟空「くっ……! やるなぁ! 流石悟飯だぁ」ゼェゼェ

悟飯「さぁ約束です。働いてください」

悟空「……なぁ悟飯」

悟飯「なんです」

悟空「3本先取にしねえか? 続きは明日ってことで^^;」

悟飯「……っ! この……クズやろおおおおおおおおおおおおおお!!!」バシュウウウウウウウンッ

悟空「ぬわー!!」ズドドドドドーンッ

  ~パオズ山・悟空の家~


悟空「おーいてぇ。悟飯の奴、本気でかめはめ波撃ちやがって……。
   結局、チチたちを連れ帰れなかったぞぉ」

  ぐうううぅ……

悟空「腹減ったぞぉ……。暗くなる前に山で何か獲ってくっかぁ」


――――――――
――――
――

悟空「へへ、川でこんなでけえ魚が獲れたぞぉ。ガキの頃はよく食ってたよなぁこれ!」

  ボッ!

悟空「こうやって火をおこしてっと」

  ジュジュジュジュ

悟空「もうそろそろいいかな。ん~美味そっ。いただきまーす」

  がぶっ

悟空「ん~、うま――――くねえな……。なんか……味がしねぇ……。
   よく考えたら焼いただけだもんな……。何も味付けしてねえし……」


  むしゃ…むしゃ……

悟空「オラぁ、ガキの頃、こんなもん喜んで食ってたんか……?
   チチの料理の方が100万倍美味ぇぞぉ……」

  もぐもぐ……

悟空「ま、まぁとりあえず、腹は膨れたな。
    気分を変えて風呂に入るとすっかぁ!」



  メラメラメラッ

悟空「ん~、火の具合はこんなもんかぁ? いつもチチにやってもらってたからよく分からねえなぁ。
   まぁいいや。さっさと入ろう」

  ザブーン

悟空「ん~~~、やっぱ一日の最後は風呂だよなぁ~~~!
    ……でもなんかぬるいなぁ。もう少し暖めるか」ジャブ

悟空「あ、でも、薪をくべるには一端風呂から出なきゃいけねえし……。
   面倒くせえからこのままでいいかぁ」

  カポーン

悟空「……ぬりいなぁ」チャポン


  バッ

悟空「さっ、夜はさっさと布団を敷いて寝るに限る!
    今日は色々あったから疲れたぞぉ」

  がさごそ

悟空「ふぁ~~、んじゃ寝っかぁ」モフ


  ジジジ……


悟空(虫の声がうるせえなぁ……)


  ジジジ……


悟空(……なんだ? この虚無感…………)

戦闘民族は平和に勝てないのか…

  ~翌日~

  バババババッ!! ドッドッドッドッ!!
  ドガガガガガガッ!! バシンッ!!

ベジータ「だぁ!!」ズシンッ

悟空「ぐあっ!」ドギャスッ

  ドゴオオオオオオオオオオーンッ!!

悟空「おーいててて……」

ベジータ「……やめだ」

悟空「な、なんだよ。オラぁ、まだまだやれっぞぉ」

ベジータ「上の空の貴様を倒したところで何の自慢にもならん。
     何かあったな? 言ってみろ」

悟空「……実はよぉ、チチが悟飯を連れて出て行っちまったんだ」

ベジータ「なにぃ!? それはつまり……、愛想を尽かされたということかっ?」

悟空「ハハ……、情けねえ話だろ。笑えよ、ベジータ」

ベジータ「バカヤロウ! 貴様と同じ境遇の俺が笑えるわけがなかろう!!
     明日は我が身だ! クソッタレ!!」

悟空「そうだな……」

そういえば悟空の周りって働いてるやつ少ないよな・・・
クリリンは島生活だし

>>99
ヤムチャ「呼んだか?」


ベジータ「それにしても悟飯まで出て行くとはな……」

悟空「悟飯に言われちまったよ、働けって」

ベジータ「な、なにぃ!? そ、そうか、悟飯ももう11歳……。
     親が無職じゃ格好がつかないって思い始める年頃か……」

悟空「なんでみんな働け働けって言うんかな? そんなに働かないのが悪いことかぁ……?」

ベジータ「……カカロット、俺もな、最近思うのだ。
     赤ん坊のトランクスを見ていると、これでいいのか……と…………」

悟空「な、何を言い出すんだおめえ!」

ベジータ「ブルマは、どうやら諦めているらしく、あまりうるさいことは俺には言わん。
     まぁ結婚しているわけじゃないしな……。
     だが、やはり……子には尊敬されたいと思ってしまうのだ……」

悟空「ベ、ベジータ……」

ベジータ「カカロット、貴様、ハローワークって知っているか?」

悟空「……っ!? がっ……ぐあああ…………!!」

ベジータ「ど、どうした!?」

悟空「わ、分からねぇ……! けど、その言葉を聞いた途端、胸が苦しくなって……!
   どうなっちまったんだ……オラの体……!!」

サタンって職業プロの格闘家なんだろ?


ベジータ「……つまり知っているということだな。
     なぁ、俺たちは……そろそろ……働くべきなのかもしれん…………!」

悟空「なっ!! ベジータ!!?」

ベジータ「貴様の気持ちは分かる! 何が仕事だ! ヘドが出るぜ!
     だが! 嫌でも……やりたくなくても…………!
     みんな……それでも働いていやがるんだ…………!!」

悟空「……本気…………か…………?」

ベジータ「貴様も分かっているはずだ。チチと悟飯が帰ってくるには、それしか手はないと」

悟空「……分かった。行こう……ハローワークへ…………」

  ~ハローワーク~


ベジータ「く……、なんというプレッシャーだ……クソッタレェ……!!」

悟空「空気が薄い……。それに重力も何倍もある……!!」


『孫さーん。孫悟空さん、どうぞー』


悟空「オ、オラからみてえだ」

ベジータ「行ってこい……」



職員「孫さん、お歳は?」

悟空「31歳だ!」

職員「以前はどういうお仕事を?」

悟空「オラ、仕事なんかしたことねえ!」

職員「え? し、失礼ですが職歴の方は……?」

悟空「ねえ!!」


職員「わ、分かりました。ちなみに希望される職種はどのような……?」

悟空「何でもいいぞ! あ、体を動かすのが向いてっかな!」

職員「分かりました……。孫さんに合った求人を探しますので、少々お待ちください……」

悟空「おう!」

職員(職安の仕事20年以上やってるけど、初めて見たよ……。
   本当にいるんだ……30代職歴なしなんて人…………)


  ・
  ・
  ・


職員「お待たせしました。えー、建築業の方をいくつか当たったのですがぁ……」

悟空「おう、それで?」

職員「孫さんの年齢と……その……職歴がないというのがちょっとアレでして……」

悟空「つまり?」

職員「えー、大変申し訳ないのですが……、紹介できる仕事はありません……」

悟空「は? ナメてんのかおめえ?」


職員「い、いえ、決してそういうわけではないのですが、
   その……職歴がない方は、どこの会社も欲しがらなくて……」

悟空「そこを探すのがおめえの仕事だぞッ!!」チュワンチュワンチュワンッ

ベジータ「よせ! カカロット!! 急に貴様の気が膨れ上がったから来てみれば!」

悟空「く、オラぁ、こんな奴を守るために戦ってきたんじゃねえぞぉ」

ベジータ「とにかくここを出るぞ……」



悟空「あーあ~、結局駄目かぁ。せっかく無いやる気を絞ったのによぉ。
   おめえももちろん駄目だったろ?」

ベジータ「いや……、俺の方は、小さい会社だが何とか面接を受けさせてもらえるらしい」

悟空「なんだって!? おめえはオラよりも5歳も年上で、更に状況が悪いはずなのに!」

ベジータ「俺は一応職歴があるんだ。フリーザ帝国で5歳から31歳まで兵士をしていたからな。
      軍隊上がりはマイナス要素かもと思ったが、好意的に見てくれるところもあるようだ」

悟空「そ、そうか。よく考えたら、おめえの無職期間って、フリーザと手を切ってからだから、4、5年程度なんか……」

ベジータ「早速これから面接があるらしい……。着替えて行ってくるぜ……!」

悟空「今からかぁ! 急だなぁ! まぁオラも会社の近くまで付き合うよ」

割とどうでも良いんだが「シュインシュイン」じゃなくて「チュインチュイン」なのが気に食わない

  ~十数分後~


悟空「ベジータの奴、もう面接かぁ……。このまま受かっちまうのかなぁ……」


ベジータ「待たせたな! では行くぞ!」

悟空「おう、って! ベジータぁ! おめえ何で戦闘服着てんだぁ!?」

ベジータ「これがサイヤ人の正装だ!」

悟空「そ、そうなんかぁ。そんな格好で面接に行ったら、受かるもんも受からねえ気がするんだけどなぁ」

ベジータ「フリーザのとこじゃあ、みんなこの格好だったぜ。問題ない」

悟空「そうかぁ」

ベジータ「では行ってくる! ここで待っていろ!」

悟空「頑張れよ~」

  ~そして20分後~


悟空「あ、ベジータぁ! どうだった?」

ベジータ「クソったれぇ……!!」プルプル

悟空「駄目だったみてぇだな……」


ベジータ「『なんだその格好は。ふざけてるのか』と説教されたぜ……クソッタレェ……!」プルプル

悟空「お、おめえ泣いてるのか……!?」

ベジータ「だ、黙れ……!!」

悟空「おめえが泣くなんて……よっぽど悔しかったんだな…………。
   分かるぜ……、説教されたのが悔しいんじゃねえんだろ。
   社会に必要のない人間だと思われるのが悔しくって仕方ねぇんだよな……」

ベジータ「カ、カカロットォ……!!」

>>187
不覚にも萌えた


悟空「…………」

ベジータ「……これで振り出しに戻ったな」

悟空「……っふふ」

ベジータ「ん?」

悟空「あっはっはっはっはっ!!」

ベジータ「き、貴様!! 俺が面接に落ちたのがそんなに面白いか!!」

悟空「あっはっはっは! どうして気が付かなかったんだぁ! こんな簡単なことに!!」

ベジータ「どういうことだっ?」

悟空「ドラゴンボールだよ! ドラゴンボール!」

ベジータ「ドラゴンボールだとぉ!? 誰か死にやがったのか!?」

悟空「ドラゴンボールは、ただ死者を蘇らせるだけのアイテムじゃねえぞぉ!」

ベジータ「そ、そうか! シェンロンに俺たちの就職を世話してもらうってわけだなっ?」

悟空「もっといい願い事があっぞぉ。
   働かなくても白い目で見られない世の中にしてくれって、
   シェンロンに頼めばいいんじゃねえかぁ!!」

ベジータ「そ、その手がありやがったかぁ!!」

>ベジータ「そ、その手がありやがったかぁ!!」


べジータで脳内再生されません><


悟空「そうと決まれば、さっそくブルマにドラゴンレーダー借りに行くぞぉ!!」

ベジータ「任せろ!!」


  ~1時間後~


ベジータ「あっという間に、7個全て集まったな」

悟空「オラがガキの頃は、全部集めるのに何ヶ月も掛かったもんだけどなぁ」

ベジータ「よし、さっさとシェンロンを呼びやがれ!」

悟空「おーし、いでよシェンロン! そして願いを叶えたまえー!!」


  どんよりモクモク


神龍「さあ、願いを言え。どんな願いでも2つだけ叶えてやろう」


悟空「そういや、デンデがシェンロンをパワーアップさせてくれてたんだっけ」

ベジータ「確か、前回はセルに殺された人間を生き返らせるのと、
      人造人間の爆弾を取り除くのを同時に頼んだんだったな」

悟空「へへ、それじゃお願いすっぞぉ。
   働かなくても誰からも責められない世の中にしてくれー!」

ベジータ「ふふ、これで俺たちも大手を振って暮らせ――」


神龍「それは無理だ。神の力を大きく超えている」


ベジータ「な、なにぃ!?」

悟空「ど、どういうことだ、シェンロン!!」

>チュワンチュワン
>どんよりモクモク



こいつ・・・できる・・・!

その二つの願いで職を貰えよwww

>>224
お前頭良いな


神龍「人間が社会に出て労働するのは、太古からの自然の摂理だ。
   神といえど、森羅万象の法則を変えることは出来ない」

ベジータ「ふ、ふざけるんじゃないぜ!!
     死人が生き返るよりも、働かない方が不自然だっていうのか!!」

神龍「そうだ」

ベジータ「クソったれぇ……!」

悟空「……仕方ねえ。それじゃあ第2候補の願いだ。
   オラとベジータを就職させてくれー!」

神龍「それも無理だ。30代無職を就職させることは、神の力を遥かに超えている」

悟空「…………」

ベジータ「…………」


悟空「オラなんだか死にたくなってきたぞぉ」

ベジータ「俺もだ、カカロット」


悟空「あ、じゃあ10億ゼニーくらい貰うことってできっかなぁ?
   金があれば、とりあえずチチも納得して――」

神龍「それも無理だ。インフレが起こる」

悟空「……インフレってなんだ?」

ベジータ「分からん……」



悟空「もういいや……。オラもう疲れた……。
   なぁシェンロン、別の願いを聞いてくれるか?」

神龍「言ってみろ」

悟空「ああ、その願いってのは――――」

ほむ


  ガチャ

悟飯「ただいまー」

チチ「ふぅ、やっぱり我が家が一番だべな」

悟飯「はい。でも久しぶりにお爺さんの家に行って楽しかったです」

チチ「そっだらかぁ。また行こうな悟飯。じいちゃん喜ぶべ」

悟飯「……ん? ねぇお母さん、この家なんだか広くなったような気がしません?」

チチ「何を言うだ悟飯~。たった1日家を空けてただけで大袈裟だなぁ~」

悟飯「いやぁ……、何だか2人で住むには大きいような……もう1人誰かいたような……」

チチ「ずっと2人っきりで暮らしてきた家でねえか。それより悟飯、夕食の支度をするべ。手伝ってくれるか」

悟飯「あ、はい! 僕、お皿並べますね」

チチ「うん、おねげえだ」

悟飯「えへへ、僕、早く働けるようになって、お母さんを楽させてあげたいです」

チチ「悟飯は本当にええ子だぁ~」


 おわり

悟空死んだな

すいません、終わりです

ゴジータいないとブウ倒せないぞ

>>337
ベジットだろ?

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