星空凛「海未ちゃんと二人きり?」 (27)
凛「おはよーにゃー!」
海未「遅いですよ、凛! 集合時間に5分も遅刻です!」
凛「ひぃっ! ご、ごめんなさい……ってあれ? 海未ちゃんだけ?」
海未「はい、まだみんな来ていないみたいなんです……」
凛「なーんだ! じゃあ凛は二番目に早く来たってことだね」
海未「遅刻は遅刻です」
凛「はい……」
凛「……」
海未「……」
凛「みんな遅いね~」
海未「はい」
凛「ねぇ、海未ちゃん」
海未「何ですか? 凛」
凛「みんないつ来るのかなぁ?」
海未「わかりません、多分もうそろそろ」
凛「連絡とかは……」
海未「連絡をとりたいのは山々なのですが、今日は携帯電話を忘れてしまい……」
凛「え?」
海未「待ち合わせ場所は間違っていないので直に」
凛「ちょ、ちょっと待って!」
海未「?」
凛「連絡とれないって……じゃあ凛たち一時間近くも無駄な時間を」
海未「無駄ではありません、こうして待つことも鍛練の一つです」
凛「凛は鍛練なんかしたくないのー! 」
海未「では凛がみんなに連絡をとってみてはどうですか?」
凛「うん、そうしてみるにゃ」
ピピピ
凛「……あれ? かよちん出ないにゃ」
ピピピ
凛「……真姫ちゃんも」
海未「……」
凛「……誰も電話に出てくれないにゃ」
海未「それは困りましたね」
凛「海未ちゃん、ホントに困ってるの!?」
海未「え? はい……まぁ」
凛「海未ちゃんはいつも落ち着きすぎなのー!」
海未「そういう凛は少し落ち着いてはどうですか?」
凛「だってみんな来ないんだよ!? 落ち着いてなんかいられないにゃー!」
海未「まず目を瞑って、心を無にするのです」
凛「へ?」
海未「さぁ」
凛「え、えっと……目を瞑って」
凛「心を無に……?」
海未「そう、雑念を全て消し去るのです」
凛「……お腹すいたにゃ~」
グゥー
海未「せいっ!!」
ビシッ!!
凛「あぅっ!!」
海未「余計なことを考えてはいけません」
凛「ご、ごめんなさい……って何でこんな街中で修行みたいなことしなくちゃいけないの!?」
海未「時と場所は関係ありません。みんなが来るまでの間、凛の精神を鍛えてさしあげようかと」
凛「そんなことしてくれなくてもいいにゃ!」
凛「それにもう集合時間から二時間近く経ってるんだから誰も来ないよ!」
海未「そうでしょうか……」
凛「凛、お腹空いたから帰るね。みんなで遊ぶのはまた今度」
海未「仕方ありませんね、では食事にするとしましょう」
凛「へ?」
海未「どうしました? 行きますよ、凛 」
凛「う、うん……え?」
海未「凛は何か食べたいものはありますか?」
凛「凛はラーメンが食べたいにゃ!」
海未「ラーメンでは栄養が偏りすぎます、根菜料理の店に行きましょう」
凛「えぇっ……!?」
海未「こっちですよ、人が多いのではぐれないように」
凛「ま、待って……海未ちゃん」
海未「凛、手を」
ギュッ
凛「え?」
海未「こうしていればはぐれることもなく、凛の歩幅に合わせることもできます」
凛「海未ちゃん……ありがと」
海未「さぁ行きましょう」
凛「うんっ!」
━━根菜料理の店
凛「大根……ゴボウ……ニンジン……」
海未「私はこの牛蒡の素揚げ定食にします、凛はもう決まりましたか?」
凛「なんかどれも味気無さそうだにゃ……ラーメン食べたい……」
海未「根菜は身体にとても良いのですよ? 根菜五種のカルパッチョなどはいかがですか?」
凛「じゃあそれにしようかな……」
海未「すみません、注文を」
海未「御馳走様でした」
凛「うぅ……口の中が土の味がするにゃ 」
海未「ほら、まだ残っていますよ。 せっかく作ってもらったのですから残してはいけません」
凛「うぅっ……はむっ」
ゴクッ
海未「さて、まだ時間も早いですね」
凛「……そうだね」
海未「どうしました? 元気がないようですが、身体の調子が悪いようでしたらもっと根菜を」
凛「だ、大丈夫! 凛はこの通り元気いっぱいだにゃー!!」
海未「そうですか、安心しました」
海未「あまり長居をしても店に迷惑がかかります、そろそろ行きましょう」
凛「うん」
凛「これからどうするの?」
海未「そうですね、凛は何処か行きたい場所でもありますか?」
凛「特に無いかにゃ~」
海未「ではこの先に座禅を組める寺があるのでそこに」
凛「あー!! そういえば凛、すっごくカラオケに行きたかったんだー!!」
海未「カラオケですか?」
凛「うん、海未ちゃん! 座禅はまた今度にして今日はカラオケに行こ? そうしよ!」
海未「まぁいいでしょう」
凛「じゃあ凛が案内するにゃー! こっちこっち~」
海未「ま、待ってください! そんなに急がなくてもカラオケは逃げたりしませんよ」
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