堕悪魔「追放されてしまいました」 其の3 (331)

元スレ
堕悪魔「追放されてしまいました」
堕悪魔「追放されてしまいました」 - SSまとめ速報
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堕悪魔「追放されてしまいました」 其の2

堕悪魔「追放されてしまいました」 其の3(移転前)

移転しました。
投下は今日はやりません。
申し訳ないです。

-校庭-


友「状況説明を求む。」

男「もうすぐ分かる。」

友「二人が隠れる理由は?」

男「もうすぐ分かる。」

友「おい。」

男「大丈夫。堕悪魔なら上手くやってくれるさ。」

友「だから、何をするってんだよ。堕天使ちゃんを見てるだけじゃん。」

男「今は、見てるだけ。」

友「左手は添えるだけみたいに言うな。もう部活終わっちまうぞ?」

男「一番最後にやる一本に用がある。」

友「あのおまじないか?」

男「そうそう。」

友「もしかして、競争でもするのか?」

男「その通り!」

友「無茶だろ。」

男「俺たちじゃあな。」

友「・・・だから堕悪魔ちゃん?」

男「ですの!」

友「お前、なんかテンションおかしくね?」

男「実はちょっとワクワクしてる。」ソワソワ

友「は?」

男「堕悪魔には二つのやり方を提案していましてね。」

男「片方はフレンドリーに話しかける普通のやり方。」

男「もうひとつは俺の考えた特別なオモシロげふん、失礼、特別な奴だ。」

友「・・・。」

男「とりあえず、堕悪魔には競争の過程をちゃんとやってくれれば、プランはどっちでもいいからって言ってあるから。」

友「・・・あ、堕悪魔ちゃんが来た。」

男「おっ!」

友「堕天使ちゃんに接触したな。」

男「ワクワク」

友「・・・。」

男「・・・。」

友「普通に会話してるみてるぞ。」

男「あれ?」

友「二人してスタートラインに向かってるぞ。」

男「シット!」

友「なぁ、一体堕悪魔ちゃんにどんな提案をしたんだ?」

男「え?ああ、それはな・・・。」

- 回想 -


堕悪魔「ところで堕天使さんにはどうやって接触しましょうか?」

男「ああ、俺に考えが二つほどあるんだが。」

堕悪魔「おお!それは一体どんな!?」

男「一つは普通に話しかけて、相手の警戒心を解かせて、興味があるような素振りを見せて、自然に一緒に走るように誘導するオーソドックスな方法。」

堕悪魔「ほうほう、なるほど。」

男「そして二つ目は(ガサゴソ)これを使うんだ!」

堕悪魔「はい・・・はい?」

男「これを着けて、堕天使に会いに行って。」

堕悪魔「・・・これは一体何ですか?」

男「何って、コウモリだよ?ほら、昔の人が作曲した喜歌劇の中の舞踏会のシーンに出てくるアレ。」

堕悪魔「それは分かってます!この仮面を着けて私にどうしろというのですか?」

男「それはな、これを着けて堕天使の前でこのセリフを言うんだ!」

男「ホーッホッホ!随分チンケな走りですね!この私、ヨハン・シュトラウス3世の走りに比べたら足の爪の先の先程にも及びませんわ!」

男「何ならこの私が直々に本物の走りというものを見せてあげてもよくてよ?」

堕悪魔「・・・。」サササッ

男「これをあそこにある一番高い木の上で高らかに叫ぶんだ!なんだったらここに堕悪魔のアドリブを入れてもいいぞ!これだったら堕天使も!」

堕悪魔「あ、私、堕天使さんのところに行く準備してきますね。」サササッ

男「え?ああ!いってらっしゃい!期待してるよ~!」

- 回想終了 -


男「というわけなんだが。」

友「・・・。」

男「何でやってくれなかったのかなぁ?やっぱり安全策を選んだか?堕悪魔らしいっちゃらしいが。」

友「立場的な意味でそうだろうね。それにその二つ目の考えとやらは端からやる気はなかったみたいだぞ?」

男「え?何でわかるの?」

友「あそこの地面に落ちてるコウモリとやらはお前のじゃないか?」

男「は?・・・あ。」

友「な?」

男「あぁん、ひどぅい。」

友「男ってそんなキャラだったっけ?」

俺「反省はしている、後悔はしていない。でもこうなるのはここだけだから許して。」

堕天使(急に話しかけてきて一緒に走ってみたいとは、一体どういう了見なんだ?)

堕悪魔「スタートラインはここでいいんですよね?」

堕天使「あ、はいそうです。」

堕天使(何にせよ、とっとと終わらせて帰ろう。どうせ少し本気を出せばすぐ追い付けなくなるだろう。)

堕悪魔「クラウチングってこうやるんだっけ?」

堕天使(それにしても・・・。)

堕悪魔「こう、かな?」どたぷ~ん

堕天使(大きいな・・・。)

堕悪魔「ん?どうしたの?」

堕天使「いえいえ、何でもないです。フォームはそれで大丈夫です。」

堕悪魔「はい、分かりました。」

堕天使「それでは、始めましょうか。」

堕悪魔「スタートの合図はどうします?」

堕天使「私がコインを投げます。地面に落ちたらスタートで。」

堕悪魔「わかりました。」

堕天使「ではいきます。」


ピンッ


クルクルクル


堕悪魔「・・・。」

堕天使「・・・。」


カッ!


堕悪魔「はっ!」

堕天使「なっ!?」

堕天使(嘘!?速!?)

堕悪魔「フッフッフッ!」シュタシュタシュタ

堕天使「ちくしょう!」シュタシュタシュタ

堕悪魔「はぁ!はぁ!やった~!ゴールッ!」

堕天使「は、は、は!や、やり直しを要求します!」

堕悪魔「え?」

堕天使「ちょ、ちょっとスタートが出遅れてしまいました!やり直したいです!」

堕悪魔「はい!いいですよ!」

男「・・・どう?」

友「どうって・・・いや、すごいな。」

男「あ、また走る。次で十五回目だよ。」

友「あの堕天使ちゃんが、一回も勝てない。」

男「堕天使の奴、根性あるなぁ。」

友「そりゃあ、僅差だからじゃね?もう少しで勝てそうだし。」

男「僅差に見せてるんだよ。そのためにこっちは準備してた。」

友「は?」

男「本当の堕悪魔はもっと速いよ。それは俺も直接見たことがある。」

友「じゃあ堕天使ちゃんはどんなに頑張っても勝てないの?」

男「うん。」

友「うんって、おい。」

男「だって事実だもん。その証拠に、ほら見て。堕天使の今走ってるとこ。」

友「・・・今までで一番速いんじゃないか?」

男「そうだね。人間で言ったら、もうオリンピック級だよ。それなのに追い抜けない。堕悪魔はまだまだ余裕に見える。」

友「・・・むぅ。」

男「だから、さ。もしかしたら堕天使のやつ、盛大にヘコむかもしれないけど、その時は慰めてやってくれ。」

友「・・・明日も弁当頼むぞ。」

男「あいよ。」

男「さて、そろそろ行こうかな。」

友「え、まだ堕天使ちゃんいるぞ?それともそれも何か意味があるのか?」

男「別に他意はないよ。でもこれ以上やったらオーバーワークだ。止めてあげないと。」

友「あ~、なるほど。」

男「堕天使に人間の常識が通ればの話だけどね。まだまだやれるかもしれないけど、今回はこれでおしまいにしよう。」

友「わかった。もう周りも暗いからね。」

友(・・・ん?)

男「どうした?」

友「いや、何でもない。行こう。」

男「ああ。おおい!堕悪魔ぁ!」

堕悪魔「あ!男さーん!」

堕天使「げ!」ハァハァ

男「げって何だよげって。」

男(ん~、堕天使ノ奴、思った以上に疲労してるな。)

堕悪魔(もうお終いですか?)ヒソヒソ

男(うん、お疲れ様。)ヒソヒソ

堕悪魔(大丈夫です。まだまだ余裕です。)

男(あ、やっぱり?凄いな。俺には真似できないや。)

堕悪魔(クスクス)

男(ハハハ)

堕天使「・・・ぐぬぬ」

友(ん~。)

友(感覚が狂ったかな。太陽の沈み方がやたら早い気がする。)

‐ 翌日 お昼休み ‐


堕天使「あ~・・・。」

友「・・・。」

堕天使「あ~・・・。」

友「・・・ええっと~。」

友(まるでゾンビだな。)

堕天使「あ~・・・。」

女生徒「堕天使ちゃん、大丈夫?」

堕天使「あ~・・・?あ~・・・。」

女生徒「あの、何かあったんですか?」

友「うん、ちょっとね。」

堕天使「あ~・・・。」

女生徒「堕天使ちゃんのこんな姿見たことないから、少し心配で・・・。授業中もこんな調子だから・・・。」

友「ふ~ん。」

友(友達とかいないわけじゃなさそうだ。心配してくれる人もちゃんといるな。)

堕天使「あ~・・・。」

友「あ~っと、お弁当食べる?」

堕天使「食べます!」

友「おおうっ!?」

女生徒「わわっ!?」

堕天使「いただきます!」


ガツガツガツガツガツガツガツ!


堕天使「ん~っ!今日も美味い!」

女生徒「だ、堕天使ちゃん?」

堕天使「ん?」

女生徒「その、大丈夫なの?どこか具合悪いの?」

堕天使「ん~・・・。」

友「昨日のことだね?」

堕天使「そうですね・・・。」

友「やっぱり、負けたのが悔しいかい?」

女生徒「?」

堕天使「・・・はい。」

女生徒「えっと、何のことですか?」

堕天使「正直、堪えました。」

ほんとにごめんなさい。
もう少し仕事が落ち着いてからやろうと思っていたのですが、出来るだけちょくちょくやっていきます。自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

堕天使「これは自慢ですけど、私って足が速いんですよ。」

友「うん、知ってる。」

堕天使「勉強もそこそこ出来ます。料理も、美味しいと言ってもらえる物は出来ます。他の事もそれなりには出来ます。」

友「ほぉ、、凄いじゃん。」

堕天使「えへへ、ありがとうございます!」テレッ

女生徒(あ、今の表情、可愛い。)

堕天使「でも、そうやって褒めてくれることって殆ど記憶に無かったんです。私がやった事に目を向けて褒めてくれることは。」

友「へぇ、なんで?」

堕天使「私のやる以上のことを別の人がやっちゃって、横からかっ攫ってちゃうんですよ。」

女生徒「あ~・・・。」

堕天使「やることなすこと、私以上がいて、それぞれがそのモノの一番の人で、それと私が比べられて、終いには周りの人たちは私の事が見えなくなって。」

堕天使「ただちょっとだけ褒めて欲しかっただけなのに、余計な言葉はいらないのに、そのちょっとを誰もくれなかった。それどころか、けなされた。」

堕天使「だから一番に成れることをこの学校で見つけたとき、本当に嬉しかった。」

友「一番になれるもの。走ることだね?」

堕天使「はい!体育の授業中に、陸顧先生が私の走りを見て、陸上部に入ってみないかって誘われて。」

友(あのヤロウ、こっちが堕天使ちゃんを見つける前から目付けてやがったのか。)

堕天使「もしかしたら私でも一番になれるものがあるかもしれないんだってことが分かって。」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

堕天使「褒めてもらえるかは置いといて、これを頑張って見ようって思って。頑張ってみた途端にいろんな人から褒めてもらえて。」

堕天使「そしたら俄然やる気がでてきちゃって!別のことも頑張ってみたくなっちゃって!」フンス!

堕天使「高校入る前は何もかもがからっきしでしたけど、今は一番でなくとも頑張って見ようって考えられるようになって!」フンスフンス!

堕天使「少しずつだけど成長してる自分に対して、自分自身で褒めることが出来るようになって!」フンスフンスフンス!

堕天使「もっともっと頑張ろうとした矢先に、私の自慢できることが、呆気なく超えられちゃって・・・。」ションボリ

女生徒(表情が変化がいちいち可愛いなぁ。)

堕天使「これが一番じゃなくなっちゃったら、また誰にも見向きもされなくなっちゃうのかな~と思うと悲しくて・・・。」

友「いや、それはないだろ。」

女生徒「うん、ないない。」

クラス生徒一同「ナイナイ。」

堕天使「え?」

友「大体、たくさんの人が堕天使ちゃんの努力してる姿を見てる訳だから、それを無下にする人なんてそうそういないよ。」

友「今は一番になれなくとも、これから努力し続ければ近いうちに一番になれるだろうしね。」

堕天使「そう・・・でしょうか?」

女生徒「そうだよ!少なくとも私はずっと応援しつづけるよ!」ッズイズイ!

堕天使「おぉうっ!?」

女生徒「たとえ誰もいなくなっても、私は応援し続けるんだからね!」クワッ!自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

友「ちょっ!?ワシだって応援し続けるわい!」

女生徒「どーだか。なんだかあなた、何かあれば即効で裏切りそうな顔してまぶえっ!?」

友「誰がそんなことするかボケ。」

堕天使「裏切ったりしちゃうんですか・・・?」

友「せんわい!!!・・・こほん・・・まぁあれだよ堕天使ちゃん。少なくともこの子を含めたバカ二人は堕天使ちゃんのことわかってるから。」

友「軽々しくこういう言葉は言うもんじゃないけど、信じてくれてもいいよ。」

堕天使「あ・・・。」ウル・・・

友「むふ、純粋だな堕天使ちゃんは。」

堕天使「え?」

女生徒「ホントだね。それに堕天使ちゃんは走りが一番じゃなくても、他に一番なところもあるし。」

堕天使「そうなの?」

女生徒「うん!堕天使ちゃんの笑顔は誰にも負けないよ!それは私が保証する!」

堕天使「・・・。」

女生徒「どうしたの?」

堕天使「なんか、同じことを言いそうな人が前にもいたような気がするな~と思って。」

女生徒「どんな人?」

堕天使「う~ん、大事な人だった気がする。男性なんだけど・・・。」

友(おろ?それはもしかして男のことか?)

友(思い出しそうになってるのかな?何が原因かはわからんがチャンスだ。)自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

友「そんな堕天使ちゃんに朗報です。なんとこの学園には、もう一人君のことをちゃんと見てくれてる人がいるよ!」

女生徒「ああ、そうだね!ちゃんと見てくれてるがいる!」

女生徒「堕天使ちゃんが恋い慕う陸顧先生が!」

堕天使「あ///」カァ・・・

友(あ・・・)

堕天使「な、なんで知ってるの///誰にも言ったことないのに///」

女生徒「見てればわかるよ~。周知の事実だよ?」

堕天使「え///本当に?///」

クラス一同「ニヤニヤ」

堕天使「うわああああ!!!!//////」

女生徒「もう!堕天使ちゃんの表情がいちいち可愛いよぉ!」

友(ノォォォォーーー!!!男の印象を良くしようと思ったのに!おのれ陸顧!)自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

‐ 放課後 屋上 ‐


友「という感じだな」

男「そっか。」

友「・・・それだけか?」

男「ああ、今のところ予定通りかな。」

友「大丈夫なんだろうな。」

男「イレギュラーがなければ。」

友「そうかい・・・。」

男「堕天使は」

友「ん?」

男「元気そうか?」

友「一応は。今日はゆっくりだけど、弁当も残さず食ったし。」

男「それはよかった。明日明後日には食欲は元通りかな?」

友「・・・なぁ。」

男「何?」

友「本当に大丈夫なんだろうな?」

男「・・・?」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

友「堕天使ちゃん、思ったてたより心が弱いぞ?」

男「手厳しいね。」

友「心配なんだよ。あんな縮こまった姿の堕天使ちゃんを見せられちゃ。」

男「・・・友。」

友「・・・ん?」

男「・・・友がそう思ってくれてる内は、大丈夫だよ。」

友「・・・。」

男「友達もいるみたいだしね。」

友「・・・。」

男「・・・帰ろうか。」

友「・・・。」

男「友。」

友「・・・なんだよ。」

男「ありがとう。」

友「・・・。」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

おはようございます。
今回は今日中に投下します。

こんばんは。ちょっとだけいきます。

‐ 翌日 屋上 ‐


がちゃり


男「お、やっと来たかな?」

友「・・・。」

堕悪魔「遅れてしまって、すいません。」

男「堕悪魔~、こっちだよ~。」

堕悪魔「は~い。」

友「なぁ男、ここで何するの?」

堕悪魔「あれ?男さん友さんに話してないんですか?」

男「これから話すとこだったんだよ。」

友「何?何の話?」

男「では、ただ今より、堕天使救出作戦の会議を始めたいと思います。」

友「救出作戦?」

男「はいそうです。」

友「やっとやる気になったのかい?」

男「うん。少しだけ気になる物があったので、もしかしたら陰ながらどうにかするなんて悠長なことは言ってられなくなったかもしれません。」

友「気になる物?」

男「それについては堕悪魔から。」

堕悪魔「はい。先日、私と男さんでも陸顧先生の事について調べてみたんです。」

堕悪魔「きっかけは、男さんの言葉です。」

男「普通の人間でも、悪魔族の堕悪魔が気になるほどの精液の臭いをまとわりつかせることが出来るのか。」

友「なんだそれ?」

男「普通さ、どんなに性行為したって、一度風呂に入ってしまえば臭いなんて洗い流されてわかんなくなるだろ?」

友「あいつが風呂に入ってない可能性は?」

男「それは無かった。陸顧先生はちゃんと自宅の風呂を使ってた。」

友「どの程度まで調査したんだよ・・・。」

堕悪魔「それは置いておいて。結論から言うと、一般の人間が精液の臭いを体につける事は出来ません。」

友「意味がよくわからないんだけど・・・。」

堕悪魔「えっとですね、まず物理的な臭いについては、今言った通りお風呂や汗で流れていってしまいます。」

友「物理的?臭いにも種類があるの?」

堕悪魔「今回のケースに限り、はいです。」

友「ますますわからない・・・。」

堕悪魔「こちらの世界の言葉で説明するのは少し大変なんですが、近いもので言うとしたら、霊的、と言いましょうか。」

友「霊的な臭い?」

堕悪魔「はい。物理的に見れば、精液というのは精子というとても微小な生き物が液体の中に無数に存在しています。」

堕悪魔「しかし霊的に見ると、精液というのはそれそのものが一つの生命体と捉えられるのです。」

友「んん~・・・、群生みたいな物なの?」

堕悪魔「ちょっと違いますが、今はそう考えてくれても構いません。」

堕悪魔「そしてどちらの観点から見ても、少しの時間が経てば活動しなくなる、つまり死んでいってしまいます。」

堕悪魔「物理的には洗い流す、霊的には生命エネルギーが留まれなくなり霧散して消えてしまいます。」

友「魂が天国に行っちゃったりするってこと?」

堕悪魔「そこまで高貴なものではないです。本当に、ただその場で霧散するだけです。」

堕悪魔「ところが、陸顧先生からは本来人間からではありえない程の精液の臭いがしたんです。それも霊的の方の。」

堕悪魔「つまりそれは、陸顧先生の体には精液の生命エネルギーが大量に付着していることを意味します。」

男「それって、見えるの?」

堕悪魔「人間や天使族には見えませんが、悪魔族の私には見える、筈だったんです。」

友「筈って言うのは?」

堕悪魔「臭いは凄くするんです。それは物理的な臭いではなく霊的な臭いだってことは確信できるのに、私には視認できなかったんです。」

男「堕悪魔が悪魔族から堕ちた事は関係ないの?」

堕悪魔「悪魔族なら先天的に誰にでも備わるものなので、それは関係ないかと・・・。」

友「じゃあ、何で見えなかったんだろ?」

男「隠されていたとか?」

堕悪魔「私もそう考えるのが妥当だと思います。」

友「ちょっと待って!あいつは糞みたいな奴だけど、曲がりなりにも人間だろ?それとも別種?」

堕悪魔「いえ、歴とした人間です。普通の人でしたらそんな芸当なんて出来ません。」

堕悪魔「ですが、そうなると別の可能性が出てきます。むしろこっちの方が納得できます。」

友「それは一体何?」

男「・・・。」

堕悪魔「男さんはもう気がつきましたか?」

男「うん。」

堕悪魔「ふふっ流石は悪魔の恋人です。」

堕悪魔「恐らく陸顧先生には」



堕悪魔「悪魔族が取り憑いています。」

今日はここまでです。少なくてごめんなさい。
また一週間以内に投下します。それでは。

こんばんは。ちょっと投下します。

友「憑い・・・てる・・・?」

堕悪魔「はい、そうです。」

男「一体いつから憑いてたんだろうね。」

堕悪魔「それはわかりません。ですが人が一人産まれる位の時間は経ってるので、一年や二年では利かないでしょう。」

友「あの、それって大分マズイんじゃ・・・。」

堕悪魔「確かにまずい状況ではありますが、緊急ではありません。少なくとも、堕天使さんが出場する今度の大会までは時間があります。」

男「根拠とかはあるの?」

堕悪魔「あります。まずはこの学校の人たちの殆どが無事なのが一つ。そして陸顧先生に取り憑いている悪魔族が低級な事です。」

堕悪魔「もしインキュバスやサキュバスの様な中級以上の魔族だったら、この学校は既に乱交会場になってないとおかしいですし」

堕悪魔「何より陸顧先生の性格や行動が本人の意思によるものなので、その魔族は精々その人の中にある欲求を増幅させる程度の力しかないでしょう。」

友「そ、そうなのかぁ・・・。」

堕悪魔「中級以上の魔族たちは、自分の欲求の為なら見境なく行動してを周りを巻き添えにしてくることが多いですから、その点この状況は運が良かったと言えましょう。」

堕悪魔「ただ、そうなると一つ腑に落ちない点があるんです。」

男「腑に落ちない点?」

堕悪魔「低級魔族は、総じて知能の高い生物には取り憑けないんです。力が弱すぎて弾かれちゃいますから。ただちょっと干渉することしか出来ないはずなんです。」

堕悪魔「それなのに取り憑いたり、ましてや視覚だけ隠す粗雑なものですが術も使用してきました。」

堕悪魔「これはその魔族が精気を溜め込んで力を付けたか・・・」

男「第三者がその魔族に手を加えたか・・・」

友「もしかしたらその両方の可能性もっ・・・?」

堕悪魔「いずれにせよ大会の後に必ず尻尾を出すはずです。その時にでも・・・。」

友「ちょっと待って!」

堕悪魔「はい、何でしょう?」

友「それって今すぐに出来ないの?この話の流れなら今すぐにでもやっても良いんじゃないかい?」

堕悪魔「それは・・・男さんが許さないと思います。」

男「え?俺?」

堕悪魔「男さん、あわよくば陸顧先生も助けたいと思っていませんか?」

友「え・・・?」

男「う、うん。思ってるよ。」

堕悪魔「その低級魔族を取り除けば、もしかしたら助けられるかもとも考えていませんか?」

男「うん。良くわかるね。」

堕悪魔「伊達に男さんの事好きになってないですからね///」

男「///」テレテレ

友「・・・で?」

堕悪魔「あ、こほん。すいません。陸顧先生か無理矢理引き剥がすことは出来ます。ただそうすると後遺症として陸顧先生は廃人まっしぐらです。」

男「それは困る。」

堕悪魔「ですので、後にも先にも、陸顧先生の大会後の行動に掛かっています。必ず、性行為を行うときに発生する精気を魔族が採取の瞬間があるはずです。」

堕悪魔「その時にその魔族が陸顧先生から飛び出してくるので、そこを私が捕まえます。」

友「ふーん・・・。」

男「なるほど、それなら当日にちゃんと行動できるように、今までの話を元に作戦を立てようか。」

友「なぁ。」

男「ん?」

友「奴も助けないとダメか?」

男「出来るなら。やっぱり友は乗り気じゃないか。」

友「まぁね。」

男「そっちに関してはついでだって思ってくれればいいよ。目的は堕天使なんだから。」

友「・・・そうだな。」

男「う~ん、あんましやりたくないけど、こうしないとなんあいだろうな~・・・。」

友(優しいな。本人はそうは思ってないだろうが。)

友(・・・スゲェな。)



堕悪魔(・・・男さん、本当に良いんですか?)

堕悪魔(その魔族は、あくまで欲求を増幅させる悪魔なんです。無いところから作り出す事は出来ないんですよ?)

堕悪魔(だから、たとえ陸顧先生を救ったとしても、元々の基本人格はアレかもしれないんですから。)

堕悪魔(男さんはそんな人でも救おうと思うんですか?)

堕悪魔(もし陸顧先生の駄目人間っぷりを間近で見たら、男さんはどうするんですか?)

今日はここまでです。それではまた近日中に。

友「奴が行為を行う場所なんだけど。」

友「体育館のすぐ傍にある休憩室で行う。」

友「時間帯も決まって夜、深夜という話だ。」

堕悪魔「人間界にいる時の魔族にとっては、一番活発になれる時間帯ですね。」

友「期間は大会終了後一週間以内。」

友「何らかの形で女子選手を休憩室に誘い込み、食っちまうってことだ。」

男「よくバレないよなぁ。」

友「深夜ってのもあるけど、アソコは教師の許可なしで入っちゃいけないことになってんだ。」

友「それに鍵は基本的に教師以外は触れない。だから生徒だけでは入れない。」

男「なるほど。」

友「ちなみにさ。」

男「ん?」

友「リハーサルとかやったりする?」

男「ああ、やるつもりだ。」

友「やっぱり出来る限り本番の状況に近いほうがいいよね?」

男「まぁ、そうだな。」

友「という訳で」

ちゃり・・・


男「鍵?」

友「盗ってきました。」

男「おい。」

友「大丈夫だって。本物は戻してあるから。」

堕悪魔「複製したんですか。」

友「そそ。体育の授業中は厳重に管理されるけど、それ以外はザルだからね。ちゃんと金庫に入れないと。」

友「それでも開けちゃうけどね。ボキは!」

男「・・・悪い奴。」クスクス

友「堕天使ちゃんの為だし。このくらいは許容して欲しいね!」

男「俺たちは責めたりなんかしないよ。ねぇ、堕悪魔?」ニタァ

堕悪魔「そうですよ。むしろこんなに協力的な友さんを誰が責めることが出来るんでしょうか。」ニタァ

友「そ、そうかい?それは良かった!」ニ、ニコ

友(怖ぇ!すっげえ怖ぇよ!人の形してるのに悪魔的な笑顔しやがるぞこの夫婦!)

友(・・・あ、片方は本物か。)

男「それじゃあ今日からやっちゃおうか。」

友「早速やるかい?」

男「いや、まだだちゃんと夜が更けるまで待とう。」

堕悪魔「作戦はまだ大雑把にしか決めてませんが。」

男「リハーサル中に細かく決めていこう。まだ時間に余裕があるから、いろいろな可能性をその場で考えたい。」

友「よっしゃ。じゃあそれまで休みますか。」

男「弁当持ってきたよ。食べようか。」

友「おお!?マジでマジで!?」

男「落ち着け。友の分もあるから。ほい。」


ゆっくりと夜が更けていく・・・

短いですが、ここまでです。
また明日投下します。

何で仕事ってあるんだろ。
遅れてすいません。ほんのちょっとですが、今から投下します。


‐ 深夜 体育館休憩室 ‐


友「・・・。」

男「どうした?ぼーっとして。」

友「なぁ、今何時だ?」

男「もうすぐで次の日になるな。」

友「じゃあ少なくとも7時間以上は経過してることになるよね。」

男「うん、そうだね。」

友「なんでだろう。夜になるまでの記憶があるのに実感がない。すんごい違和感。そんな感じしない?」

堕悪魔「むぅ~、あったような無かったような・・・?」

友「男はどうだ?感じなかったか?」

男「う~ん、よくわからん。」

友「え~・・・。」

男「確信が持てないって言う方が正しいかな?確かにちょっとふわふわしたものはあるよ。」

男(この世界に初めて来た時の感覚によく似てるしね。)

友「う~ん、勘違い、じゃないと、思うん、だけど・・・。」

男「とりあえずそれは置いておいて、リハーサルを兼ねた作戦会議をやろう。」

堕悪魔「はい!友さん、鍵をください。」

友「あ、うん。」

チャリ・・・


‐ 大会当日 表彰式 ‐


ワーッ!ワーッ!ワーッ!ワーッ!ワーッ!ワーッ!


友「え?」

男「お?」

堕悪魔「あら?」

友「いやいやいやいやいや、ちょっと待てよ!?」

男「これは・・・。すごい声援だな。」

堕悪魔「あ!あそこの表彰台の一番上、堕天使さんが乗ってますよ!」

男「おお!流石堕天使だな!ちゃんと優勝しやがった!」

友「堕天使ぢゃ~ん!おめでど~!」ウルウル

友「・・・じゃなくて!」

友「いくらなんでも急展開すぎるだろ!さっきまでリハーサルをやってたんじゃなかったのかよ!」

男「あからさま過ぎるよな。時間が跳びすぎてる。」

友「それなのにきっちり記憶はあるしよぉ!何だよこれ!気持ち悪い!」

男「ねぇ、堕悪魔。」

堕悪魔「はい、なんでしょう?」

男「陸顧先生に取り憑いてる魔族って、時間跳躍とか記憶操作ってできる奴なの?」

堕悪魔「憶測の域を出ませんが、まず不可能でしょう。そんな術を使える魔族なら、まず間違いなく上級以上ですし、そもそもそこまでの魔族なら人間に取り憑く必要はありません。」

友「え?じゃあ・・・。」

男「決まりだな。」

堕悪魔「ですね。」

男「この件には、第三者が絡んでいる。」

堕悪魔「それも、とびきり強力な何かが。」

友「・・・っ。」ゴクリ

男「これは気を引き締めないといけないな。」

友「大丈夫なのかな?」

男「逃げんなら今のうちだぞ?」

友「逃げないよ。ゼッタイ!」

男「それは心強い。」

堕悪魔「場合によっては私が何とかします。」

男「その時はよろしくね。」

男(俺も頑張らないと。堕天使のために。)グッ

短いですがここまでです。
もうそろそろで堕天使編はおしまいです。
変な展開で申し訳ない。
それでは。

こんなにいるとは…なんかすいません。
来週の月曜日に投下します。

男「ん?」

友「どうした?」

男「あれ、ほら、陸顧先生が堕天使に何か話してる。」

友「ああ、そうだな?」

男「・・・話し方が不自然だな。」

友「・・・確かに、どうしてこんなにうるさい場所で密かに話す必要があるんだ?」

男「堕悪魔、聞き取れる?」

堕悪魔「無茶言わないでくださいよ。さすがの私でもそれはできません。」

男「だよなぁ。すまん。」

友「・・・。」

男「何だ?何かあったか?」

友「ちょっと黙ってて。」

男「?」

書き溜めはあるので今日の夜にこれの続きを投下します。
申し訳ありません。

堕悪魔「友さん?一体何を?」

友「あいつ、こんな所で堕天使ちゃんのことナンパし始めてるぞ。」

男「会話がわかるのか雷電?」

友「雷電じゃねぇ。唇の動きを読んでるんだよ。」

堕悪魔「詳しく教えてスネーク。」

友「スネークでもない。完璧にわかるわけじゃないけど、例の部屋に誘い込もうとしてるぞ。」

男「なるほど。他には何かわかるか?」


陸顧「・・・。」コソコソ

堕天使「?」

陸顧「・・・。」ヒソヒソ

堕天使「??」

陸顧「・・・?」

堕天使「!?」

陸顧「?」

堕天使「///」コクン

陸顧「・・・。」ナデナデ

友「汚い手で触るなっ。クソがっ。」

友「ええっと・・・明日の・・・二十三時・・・制服・・・下着・・・?」

堕悪魔「ヤるきマンマンなんですかね。」

男「あの人が噂通りの人物ならね。」

友「しかし節操ねえぇな。わざわざ大会会場で言うなんて」

男「・・・あっ!」

友「なぁっ!?」

堕悪魔「・・・出てきましたね。」


陸顧「(ニタァ)」ズズズ・・・


友「陸顧の頭に、赤黒い塊が!?」

男「あれが先生に取り憑いてる悪魔だな。」

堕悪魔「ん~。」

友「あれがそうなのか・・・。周りの人達はあれが見えてないのか?あ、引っ込んだ。」

堕悪魔「どうやら自分自身を見えなくする術も持っているようですが・・・。」

男「じゃあ何で俺と友には見えるんだ?」

堕悪魔「それはわからないです。私と関わったからなのか、それとも術が大雑把過ぎるのか・・・。たぶん後者です。」

友「それだと他の人にも見えちゃうんじゃ?」

堕悪魔「見えてると思いますよ?ほら、あそこの人。たぶん見えてます。」

友「ん?」


モブ「な、なんだ?あの人の、頭?なんか盛り上がったような・・・」


友「うわぁ・・・。やばくないか?」

堕悪魔「気のせいだと思ってくれることを祈りましょう。」

男「せっかく出てきてもらったけど、ここじゃあ捕まえられないな。目立ちすぎる。」

友「でもこれでターゲットもはっきりした。あとはその時になったらやるだけだな。」

続きはまた明日に。

ああ、ダメだこりゃ。
ちゃんと余裕持ってやらないと。
出来ない約束はするもんじゃないですね。
次の投下は一週間以内にします。
度々申し訳ないです。

男「堕悪魔、何か気になることでも?」

堕悪魔「やっぱりあれ、魔界では下級に位置する悪魔です。人間界でいえばその辺にいる虫と同じようなものです。」

友「魔界にはあんなのがうじゃうじゃいんのかよ・・・」

堕悪魔「それなのに自分には見合わない力を付けています。」

堕悪魔「内包している魔翌力も桁違いに多いでしょうね。」

友「それって大丈夫なの?反撃されたりしない?」

堕悪魔「それはあくまで下級の悪魔同士で比べたらの話です。私たちで掛かれば捕まえるくらい造作もないです。」

堕悪魔「男さんも強いですからね。」

男「頼りにしてくれ。」

堕悪魔「頼りにしてます。」

友「自分も頑張っちゃうぜ!」

堕悪魔「あ、はい。」

友「あれ?扱いがぞんざい?」

男「まあまあ、終わったらご飯作ってあげるから。準備は出来てる?」

堕悪魔「問題ないです。」

男「じゃあ後は時間が来るまで」


- 翌日 指定の時間一時間前 -


男「待つ必要なかったね。」

友「うえぇ、気持ち悪いよぉ・・・。」

堕悪魔「だ、大丈夫ですか。時間まで休んでましょう。」

男「時間の跳躍にまだ慣れないみたいだね。」

友「男はなんで慣れてんだよ・・・?」

男「いや、なんとなく慣れた。」

友「・・・そうかい。」

ガタンッ


「「「!?」」」


友「やばっ!?もう来たか!?」ササッ

男「とりあえず所定の位置に!見つかるなよ!?」ササッ

堕悪魔「無茶はしないで下さいね!」シュンッ!


堕天使「・・・。」そろ~り

堕天使「どなたかいらっしゃいませんか~?」ひそり

友[俺がいるよ~。]ヒソヒソ

男「黙っとれ。」がしっ

友[ずいぶん早く来たね。律儀な娘だなぁ。]

男[根はすごくいい子なんだよ。]

堕天使「・・・はぁ。」ぽふんっ

男[ベッドに座ったな。]

友[うむ、予定通りの位置だ。男の言うとおり、ここからなら見えやすい。]

男[そして向こうからはこっちを見つけられない。]

友[上手いもんだな。]

堕天使「・・・はぁ。」

友[どうしたんだい堕天使ちゃん?]

堕天使「あ~///」パタパタ

友[ちょ!カワエエ///ほっぺ赤くして足バタつかせちゃって///マジで恋する乙女だな!]

男[その対象が容疑者じゃなければ良かったんだがな。]

友[容疑じゃねえ。あいつは実際にヤッてんだよ。]

男[・・・。]

友[まだ信じられないのか?]

男[・・・ここではっきりすることだよ。考えたって仕方ない。]

友[そだね。]


堕天使「ああ~、やっぱりここでしちゃうのかな~。」

堕天使「しちゃうんだろうな~。うう~、恥ずかし~///」

友[するってのはやっぱり。]

堕天使「エッチしちゃうのかな~///先生と・・・///」

友[させね~けどな!]くわっ!

男[そういえばさ。]

友[何?]

男[一番最後に作った俺の弁当、食ってくれてた?俺には作った記憶があるんだけど。]

友[ちゃんと食べてたよ。こっちも記憶がある。何時にも増して気合が入ってたね。]

男[堕天使が一番を取ったお祝い用だからね。]

友[毎日でもあのクオリティーの物は作れるよな。]

男[やろうと思えばね。]

友[ああ、よかった。]

男[何が?]

友[堕天使ちゃんに嘘を言っちゃうとこだった。男なら毎日それくらい作ってくれるんじゃないかって言ったんだよ。]

男[それで?]

友[そしたら“性別が逆だったら自分の嫁にしたいくらいっすよ”って言ってたよ。]

男[くすっ、なんだそれ。逆にする必要ないじゃん。]

友[そうだよな。そのことを指摘したら頭抱えて悩んでたよ。]

男[あはは!堕天使らしいな。]

友[お株が上がってきたな。]

男[かもな。]

男(それだけじゃないな。)

男(恐らくだけど、記憶が戻ってる。)

男(今はまだ無意識だ。口調が前のものになっていることに本人も気がついてない。)

男(弁当のお陰かな。ここにきてその結果が出てくるとは。)

男(後もう一押ししたいけど、そうも言ってられないか。)

続きは近いうちに。では。

がちゃっ



男「!?」

友「!?」

男(来た!)

友(来やがった!)


堕天使「あっ・・・!」

陸顧「堕天使、いるか?」

堕天使「は、はい!こここここここここんばんは!」アセアセ

陸顧「落ち着いて。そんなに緊張することないのに。」

堕天使「あ、いえいえ、その、あんまりそういう訳ではなくて、いえ、緊張はやっぱりしてますけど!」

陸顧「だから、落ち着きなさい。」

堕天使「はい!」


友[っくそ!こんなに悶える気持ちを抑えなきゃいけないのは初めてだ!]

男[何で悶えてる?怒りでか?萌でか?]

友[両方!!!]

陸顧「・・・。」じゅる


男「!?」

友[どうした?]

男「・・・」チラ

堕悪魔「・・・」コクコク

友(あ、アイコンタクトしてる。カッコいいな。)

男[信じたくないけど、陸顧先生は危険人物みたいだ。]

友[だから以前から言ってんだろう・・・で、どうして確信したんだい?]

男[今、陸顧先生が舌なめずりをした。]

友[そうなのか。]

友(こんな暗がりでよく見えたな。)

男[それがどっちの意味で行ったことなのか堕悪魔に聞いてみたんだ。]

男[陸顧先生が本人の意思で、つまり自らの性欲を満たす為に堕天使を見てるのか]

男[陸顧先生の中にいる魔族がそんな風に操ってしまったのか。]

友[そうしたら?]

男[前者だった。人間を操るにも魔翌力が必要なんだって。その気配がなかったそうだよ。]

友[・・・あの短いアイコンタクトでそこまで意思疎通ができるのか。]

男[序の口だよ。]

友(愛の力すげー。)

男[せっかく堕天使が素敵な恋愛をすると思ったのにな。]

友[しょうがない。あきらめろよもう。]

男[・・・準備は出来てる?]

友[こっちは大丈夫。]

男[出来れば両方いっぺんにしっぽを出してほしいな。]

友[・・・なぁ、あいつの頭。]

男[ああ、御出でなすった。]

友[とりあえずここは撮影しとく?]

男[うん、一応。]

友[あいよ。]パシャパシャ

陸顧「さて、早速だけどいいかな?」


堕天使「う~///」

陸顧「ちゃんとしてきた?」


ぴら・・・


男・友「!?」

男[ノーパンだと!?]

友[完全に見えてないけど、明らかに穿いてないな。]パシャパシャ

男[なるほど、あの時堕天使に耳打ちしていたのはこの事だったのか。]


堕天使「/////」ばさっ


友[よし!そのまま隠し通せ!]パシャパシャ

陸顧「どうしたんだい?恥ずかしがらずに見せてごらん。」

堕天使「む、ムリっす///これ、すごく恥ずかしいっす////」

陸顧「大丈夫だよ、ほら。落ち着いてごらん。」

堕天使「ちょ、ちょっとだけ、じ、時間を下さい!」

陸顧「いいよ、待っててあげる。」

堕天使「す、すいません。」

陸顧「待っててあげる。うん、待っててあげるよ。」

堕天使(あああ///やっぱテンパっちゃうよ~///)

堕天使(いいい今からでも断っちゃおうかな///まだちょっと怖いし///)

堕天使(いやいや、折角お誘いを貰ったのに、ここで断ったら先生が可哀想!)

堕天使(でもでも、先生も先生だよ///段階とか踏んでくれてもよかったんじゃないかな///で、でーと、とか///)

陸顧「・・・。」ジュル・・・ジュル・・・


友[何か、陸顧の奴、すげー涎垂らしてんだけど。キメー。]パシャパシャ

男[飛び出す準備したほうが良いかも。欲求が爆発しかけてるように見える。]

友[なぁ、もうヤっちゃおうぜ。あいつアブネェよ。]

男[まだだ。]

友[おい。]

男[やるなら徹底的に潰す。物理的にも社会的にも。]

友(おやおや?流石に腹括ったか?)

男[その為にも、ちゃんと撮影してくれよ。]

友[おーけーおーけー。やってやるぜ。]パシャパシャ

男(まだだ。まだ飛び出しちゃいけない。)ググッ・・・

友[おいおい、やる気なのは良いがそんな前のめりになると堕天使ちゃんから見えちゃうぜ。]


堕天使(大体先生も先生だ///いきなりあんな事言って///ぱ、パンツ、穿いてくるなとか///)

堕天使(い、一応ブラもしてこなかったけど///着けてないだけで落ち着かなかったよ~///)

堕天使(人には会わなかったけど、ここまで来るのにホントに恥ずかしかった///)

堕天使(エッチなことは初めてじゃないけど、こんな変体行為は・・・いやもしかしたらこれはまだ序の口で先生にあんなことやこんな・・・あれ?)

堕天使(初めてじゃない?)

堕天使(え?おかしいな?私、したことないはず・・・?あれ?経験したことある気がする・・・?)

堕天使(そうだ、自分、男さんと・・・どうして男さんが出てくるの?)

堕天使(確か、うん、何でか寂しくなっちゃって男さんに優しくしてもらって・・・だっけ・・・。)

堕天使(子犬・・・そうだ、子犬だ。迷子の子犬を・・・。)

堕天使「・・・!」

男[やべっ・・・!?]ササッ

堕天使(あれは・・・!男さん!?)ドキッ



堕天使「何で・・・ここに?」

堕天使(やだ・・・///ずっと、見られてた?///)

陸顧「どうしたんだ?さぁ、もう、良いだろ?」

堕天使「え?いや、ちょ、ちょっと待ってください!」

堕天使(もうわけわかんない!いつから見られてたの?ああ、こんな格好、男さんからだと見えちゃうじゃん!)


ぐいぐい


陸顧「・・・なぜ隠す?」

堕天使「これはその・・・急に恥ずかしくなったといいますか・・・。」

陸顧「今更だろう。」

堕天使「そうですけど・・・。」

陸顧「その手をスカートから離しなさい。」

堕天使「あ、あの!」

陸顧「?」

堕天使「今日は、止めにしませんか?」

陸顧「・・・。」

堕天使「ちょっと用事思い出したので、明日以降にまt」


ガッ!


堕天使「痛っ!」

男 友「!?」

陸顧「はぁ・・・はぁ・・・」

堕天使「え、ええ!?何ですか!?何なんですか!?」

陸顧「何なんですかじゃねえだろ?こんなエロイ格好しやがって。」

堕天使「えぇ!?それは!先生がしてこいって言うからで!」

友[あ、あら?なんだか様子がおかしいぞ?]パシャパシャ

男「相手を受け入れさせるような態度じゃないな。これじゃあ強姦だ。」

友「決定的な証拠になるな。」パシャパシャ

男「こっちがこんなに声だしてるのに気づかれないな。」


ズズズ・・・


堕天使「は?え?せんせ・・・その頭・・・」

男(堕悪魔!?)

堕悪魔(・・・。)パチパチッ

男「陸顧の頭に憑いてる魔族が、陸顧を暴走させてるみたいだ!」

友「アイコンタクトすげー。」

下級魔族「オオキイ・・・チカラ・・・オマエ・・・クウ」

友「あの頭の奴、喋ったぞ?」

男「魔界じゃ虫でも喋るのか。」

友「そろそろ止めにいかないとヤバイんじゃないか?」

男「陸顧が堕天使の服を脱がせ始めた。」

友「これだけ撮って・・・頃合だな。」パシャ

男「堕悪魔からも合図が来た。さて・・・行こうか!」

堕天使「止めてください!い、痛い!」


ビリビリッ!


陸顧「今まで抱いてきた女の中でお前が一番最高だよ!」

堕天使「ひっ!」

堕天使(こんな状況でっこんな事言われたくなかったっ・・・!)

堕天使「いやぁ!助けて!助けて男さん!」

男「おう。」

陸顧「!?」

堕天使「え!?何時の間にそばに!?」

友「自分もいますよ~。」

堕天使「あっ・・・。」

陸顧「お前たち!一体何時から!?」


どんっがすっがががっ!


陸顧「がっ!?」

堕悪魔「あ~あまったく。いたいけな女の子に乱暴するなんて、酷い人ですね~。」

友(極太鉄パイプで後頭部連続殴打は酷くないのか?)

堕悪魔「生ぬるいくらいです。」

友「あ、そうですか。」

友(考えてること読まれた。)

男「あら~、堕天使の制服破かれちゃったね。」

堕天使「あ・・・///」

男「ハイこれ。」

堕天使「え?」

男「俺のブレザー。着てな。」

堕天使「あ、ありがとう、ございます。」ササッ

堕悪魔「さて、続きですよ~。友さんもご一緒にどうでしょうか?」

友「う、うん?え、っと~。」

陸顧「お、お前ら~っっっっ!!!」

堕悪魔「えい!」


ゴッ!


陸顧「がっ!?」

堕悪魔「起きちゃだめですよ。寝ててください。」

友「・・・。」

堕悪魔「ほら、やりましょう?」

友(あ、悪魔や・・・。)

男「なぁ、堕悪魔。」

堕悪魔「はい、何でしょう?」

男「陸顧の記憶って消したりできるのか?」

堕悪魔「出来ますよ。」

友「・・・どうやって消すの?」

堕悪魔「こう、後頭部をがっ!と。」ぶんぶん!

男「大丈夫そうだな。やっちゃえよ、友。終わったころには陸顧も覚えてないって。」

友「いやいや!思いっきり物理的な手段じゃん!もっと、あれだ、魔法的なものとかじゃないの?」

堕悪魔「そんな信憑性の薄いものじゃあダメですよ。こういうのはきっちりやってあげないと。」

友「ファンタジー代表なあなたがそれを言う!?」

男「まああれだ。」

友「?」

男「気にしたら負けだ。」

友「え~・・・。」

堕悪魔「ささ、友さん。こんな機会は滅多に無いでしょ?ここでこの人に対する鬱憤を晴らしましょう!」

友「いや、まあ、確かにこいつに対して憤りは感じてたけど・・・。」

友(自分自身に直接的な被害は無いんだけどな~。)

続きは一週間以内に。ではまた。

友「何か変な感じだな~。」

男「暴力を振るうことに対して負い目とかあるのか?」

友「ん?こいつに対しては特に感じないけど?」

男「なら難しく考えなくても良いんじゃないか?」

堕悪魔「そうですよ。魔族が憑いてる時点で、その人間はかなり丈夫になりますから。」

友「う~ん、そういう事じゃないんだけど~・・・。」

友「・・・まぁいいか!」

友「とりあえずは今やらなきゃいけないことをやっておこう。」

男「そうか。じゃあ俺はこのまま堕天使と一緒に別の所に行ってるから。」

堕悪魔「はい。では終わったら呼びますね。」

男「わかった、外で待ってるよ。堕天使、立てるか。」

堕天使「・・・あ、はい。・・・あれ?」


ぺたん


男「腰が抜けたのか?」

堕天使「う・・・。」

男「しょうがない。おぶってあげる。はい、乗って。」

堕天使「ありがとう、ございます、先輩。」


ぎゅっ


堕天使「あっ・・・!」

男「よいしょっと。じゃあ行くよ。」

堕天使「はい・・・ありがとうございます。男さん。」

男「いいよ。気にするな。」


‐ 体育館外 ‐


男「さて、しばらくここで待機しますか。」

堕天使「・・・。」

男「・・・気分はどうだ?」

堕天使「・・・あまり・・・いえ、最悪っス。」

男「そうか・・・。降ろすよ?」

堕天使「そっとでお願いするっス。」

男「はいはい。」

そ~。ぽてん。


堕天使「痛いです。」

男「ええ!?そんな、これでもかなりゆっくり・・・!?」

堕天使「痛かったですよ。罰として手を繋いで下さい。」

男「え?あ、あぁ、いいけど。」


ぎゅ・・・


堕天使「もっとくっついて良いっスか?」

男「・・・うん。」

堕天使「抱きついて良いっスか?」

男「・・・いいよ。」


だき・・・


堕天使「温いっス。」

男「そうか。」

堕天使「・・・ちょっと安心できたっス。」

男「それは良かった。」

堕天使「でも今は安心しきれない・・・。」

男「え・・・?何?陸顧に何かされたのか?」

堕天使「いえ、あの人には、さっきのこと以外は・・・何も・・・。」

男「・・・もしかして、記憶か?」

堕天使「・・・よく分かったっスね。」

男「そんな気がしてたから。」

堕天使「流石、男さん。頭良いっスね。」

男「思うところはあったけど、結局はただの勘だよ。」

堕天使「・・・今こうしていると、違和感無く男さんに接することが出来てるんスけど。」

堕天使「男さんからちょっとでも離れると、途端に記憶が飛んでしまうんです。」

堕天使「男さんの事、堕悪魔さんのこと、過ごしてきた日々、思い出、それが丸々。」

男「そうだったのか・・・。」

堕天使「さっきも、男さんの背中から離れた時から手を繋ぐまで、消えていました。」

堕天使「それが凄く、怖かったです。」

男「堕天使・・・。」

堕天使「まるでパソコンの中にあるデータを切り取ったり上書きしたりを繰り返すように。」

堕天使「でも、記憶がある時も無い時も、男さんの傍にいれば、きっと安心できるような気がして。」

堕天使「手を繋いでほしいと、言っちゃいました。」

男「だったら、あんな回りくどい事しないで、ちゃんとそうしてほしいって言えば良かったのに。」

堕天使「たぶん別人格は素直じゃないんっス。ツンデレなんっすよ。」

男「ふーん、そうかい。」

男「でも何で安心できるなんて思ったんだろうね。覚えてるときならいざ知らず。」

堕天使「それはきっと心の底では刻み込まれていたんスよ。」

男「何が?」

堕天使「それは・・・男さんの、優しさとか?愛とか?」

男「・・・。」

堕天使「な、何か返事してください!恥ずかしいっスよ!」

男「あ~、こっ恥ずかしくないか?」

堕天使「だ~か~ら~!恥ずかしいって言ってるじゃないっスか!///いいんスよ、こう天使的なあれの発言の様な感じで!///」

男「あ~、えーっとじゃあ、そうだ!それよりも、今の堕天使もなかなか頑張ってるみたいだね。」

堕天使「え?」

男「ほら!勉強。あと料理も、他にも色々出来る様になってきてるみたいじゃないか。」

堕天使「その逸らし方は余計に恥ずかしい///・・・それにあの、それって・・・。」

男「友から聞いた。」

堕天使「もう、友さんってば///」

男(可愛い反応だなオイ。)

続きは次の土日までに投下します。では。

男「今はちゃんとした結果は出てないけどさ。ああ、陸上では一番になれたよね!そしたらもうすぐ、何か別のこと、いろんなことで褒めてもらえるときが来るよ。」

堕天使「そうですかね?」

男「そうだよ。見えるところでも見えないところでも頑張ってる堕天使なら。」

堕天使「・・・そうですね。・・・確かに。でも、もうそれは、いいかもしれないです。」

男「?」

堕天使「男さんが、たった今、褒めてくれました。」

堕天使「これからも頑張ってはいきますけど、男さんが褒めてくれるならそれで良いです。あ、いや・・・。」

堕天使「それが良いです。」

男「ん。そっか。」

堕天使「そうです。」

男「じゃあ、俺も堕天使のことを褒められるような奴に頑張らないとな!」

堕天使「男さんは今のままで十分ですよ!これ以上頑張られたら自分の立つ瀬がないっス!」

男「今はちゃんとした結果は出てないけどさ。ああ、陸上では一番になれたよね!そしたらもうすぐ、何か別のこと、いろんなことで褒めてもらえるときが来るよ。」

堕天使「そうですかね?」

男「そうだよ。見えるところでも見えないところでも頑張ってる堕天使なら。」

堕天使「・・・そうですね。・・・確かに。でも、もうそれは、いいかもしれないです。」

男「?」

堕天使「男さんが、たった今、褒めてくれました。」

堕天使「これからも頑張ってはいきますけど、男さんが褒めてくれるならそれで良いです。あ、いや・・・。」

堕天使「それが良いです。」

男「ん。そっか。」

堕天使「そうです。」

男「じゃあ、俺も堕天使のことを褒められるような奴になれる様に頑張らないとな!」

堕天使「男さんは今のままで十分ですよ!これ以上頑張られたら自分の立つ瀬がないっス!」

アハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!


男「!?」

堕天使「!?」


キサマノツミヲカゾエロー!!!

ヤメタゲテヨー!!!


堕天使「えっと、あの声は・・・?」

男「うん、堕悪魔の声だね。」

堕天使「・・・凄いっスね。」

男「あんなにテンションの高い堕悪魔は記憶に無いな。」

堕天使「自分もそうッス。さっきもあんなアグレッシブな堕悪魔さんを見た時驚いたっスよ!」

男「それだけ堕天使の純情を踏み躙られたのが気に食わなかったんじゃなかったのかな?」

堕天使「え?そ、それだけっスか?」

男「堕悪魔の中では重大なことだよ。自分にとって家族みたいに大切な人を大切に扱おうせず、あまつさえと身勝手な劣情を押し付けようとしたんだから。」

堕天使「大切・・・自分が・・・。」

男「そうだよ。もちろん俺もそう思ってる。堕天使は大事な家族だって。」

堕天使「・・・。」うる・・・

男「堕悪魔も、本当だったらもっと早くから陸顧のこと、ああしたかったんだろうな。それなのに冷静に分析したり周りを気に掛けたりしてさ。」

堕天使「・・・ごめんなさい。」

男「え?ああ、気にしなくて大丈夫だよ。堕悪魔も友も俺も、堕天使のことを思って行動したまでなんだから。」

堕天使「その、それもそうなんですけど・・・忘れてたとはいえ、ぶっちゃってごめんなさい。」

男「ああ、そっち?大丈夫だって!ぜんぜn」

堕天使「男さん、自分がぶっちゃった時、とてもショックを受けた顔、してました。」

男「・・・。」

堕天使「この人、何考えてんだ!最低!って思って、その上自分は、自分が褒められたいと思うばかりで、褒められて舞い上がって。」

堕天使「それなのに皆さんは、自分をどうにかして助けようと躍起になっていて、色々やっていて、そこでも自分は男さんにお世話になって。」

堕天使「そうして貰ったにも拘らず、お礼とかお返しとか一切やらないで。」

堕天使「結局、自分の事ばかりしか考えてなくて。」

男「はいストップ。」

堕天使「・・・!」びくっ

男「もう良いよ。」

堕天使「・・・っ。」

男「もう、大丈夫。」

堕天使「でも!でも!」

男「おかえりなさい。」

堕天使「え?」

男「堕天使が無事に戻ってきてよかったよ。」

堕天使「・・・あの。」

男「こんなに成長した姿を見られて嬉しいな。」

男「きっとまだまだ育っていくんだろうな。」

男「心優しい奴にさ。」

堕天使「・・・自分なんかに出来るでしょうか?」

男「俺から見れば、もうやれてると思うけどな。」

堕天使「そんな、自分なんてまだまだ・・・」

男「じゃあこれからも頑張ろうか。」

堕天使「・・・。」

男「俺も出来る限りお手伝いするからさ。」

男「それに、堕悪魔にも言えば手伝ってくれると思うよ。」

男「ね?」

堕天使「・・・はい!」

堕天使「とまぁ、意気込んで返事したのは良いんスけど。」

堕天使「男さんと離れたら忘れてしまうのはどうしたものかと。」

男「お互いの教室に付きっ切りって訳にもいかんにしなぁ。」

堕天使「自分は一向に構わないっスよ!」

男「おいおい、そもそも教室も学年も違うだろ。勉強とかどうすんだ。」

堕天使「む~。」

男「こればっかりはしょうがないよ。まぁ離れたからって死んだりするわけじゃないから。」

堕天使「ん~。じゃあ極力休み時間とかには傍にいるように心掛けたほうがいいんスかね。」

男「そうするしかないかな~。あ、そうだ。」

堕天使「?」


カチ


男「はい、あげる。」

堕天使「これ、スポーツネックレスっスよね。」

男「そうそう。チタンがなんたら~ってやつ。」

男「ずっと俺が使ってた物なんだけど」

男「これをきっかけに、何か起こればいいなぁ、なんて。」

男「気休めにしかならないかもしれないけどね。」

堕天使「あ、ありがとうございます。」

男「・・・ごめんね?」

堕天使「え?」

男「俺のお古なんてあげちゃって。」

堕天使「と、とんでもない!むしろこっちの方が嬉しいです!」

男「そう?それならいいんだけど。」

堕天使「・・・。」

堕天使(男さんのお古って事は、男さんの匂いとか、いっぱい付いてたりするのかな。)

堕天使「・・・後で堪能しよう。」

男「ん?何?」

堕天使「ななな何でもないっス!早速つけるっス!」

男「?はいどうぞ?」

堕天使(自分は変態かっての!もう!)

かちっ


堕天使「結構着け心地はいいんスね。」

男「よく似合ってるよ。」

堕天使「申し訳ないっス。このお礼は後日何らかの形で・・・。」ぺこり

男「くすくす。何でそんなに畏まってんだよ。気にしなくて良いって。」

男「むしろすぐにでも新しいのと変えてあげたいくらいなんだけど。」

堕天使「いえいえいえ!さっきも言いましたけど、こっちの方が良いです!」

男「そうだったね、うん。なら良いんだ。」

堕天使「はい!」

男「さてと、そろそろ堕悪魔を止めておいたほうが良いかな。」

男「相手が悪い奴だったとはいえ、流石に亡き者にするのは同じ人間として後味が悪いからね。」

堕天使「あ!?そ、そうでしたね!!急ぎましょう!」ぱっ


すたっ


男(あれ?)

堕天使「ん?男さんどうかしましたか?」

男「いや、手・・・。」

堕天使「え?・・・あっ!」

男「離してるけど、堕天使?」

堕天使「はい・・・記憶。自分の記憶、なんともないっス!」

男「・・・!・・・本当に何か起こったな!」

堕天使「・・・はい。」

男「よかった!本当に良かった!」にこ

堕天使「はい・・・よかったです。」

堕天使(よかった。自分の記憶、もう無くならない。)

堕天使(男さんがくれたネックレスのお陰なのかな?他に心当たりもないし。)

堕天使(男さんも心から喜んでくれてる。優しいな。)

堕天使(これは喜ばしい事ではある。あるんだけど・・・。)

堕天使(・・・。)

堕天使「男さん。」

男「ん?何?」

堕天使「あの、厚かましいかもしれないんスけど。お願いが・・・。」

男「何?俺に出来ることならなんでもするよ?」

堕天使「もう一度・・・。」

男「ん?」

堕天使「もう一度だけ、もう少しの間だけ、手を握っていてもらえませんか?」

男「・・・いいよ。」

堕天使「・・・いいんスか?」

男「お安い御用さ。俺に出来ることなら何でもって言ったでしょ?」

男「はい、どうぞ。」にこ

堕天使「・・・ありがとうございます!」


ぎゅ!


堕天使(できればずっとこのままがいいと思うのは、ちょっとワガママな思いなのかな。)

- 翌日 放課後 2-A -


友「で、結局は、だ。」

友「堕天使ちゃんは完全ではないにしろ元通り。」

男「うん。俺のあげたネックレスを外しちゃうと、また記憶が飛んじゃうみたいだけど。」

友「着けっぱなしにしてれば問題ないと。」

男「みたいだね。」

友「うーん、何でだろ。特殊な能力が付いてたりとか?」

男「ごく一般的なスポーツショップで買ったヤツだぞ?そんなのあるかよ。」

堕悪魔「・・・男さんがくれた物だからじゃないでしょうか?」

男「俺が?」

友「じゃあ男のほうに特殊なアビリティが・・・。」

男「そんなモンは無いってば。」

堕悪魔「うーん、確かに何かあるわけではないんですよね。男さんからも男さんからの貰い物からも。」

男「え~っと、堕悪魔は腕時計だよね。」

堕悪魔「はい、そうです。」

友「一見すると普通の腕時計だけど・・・。」

堕悪魔「はい、特に呪い(まじない)や魔法が掛かっているということはないんです。」

男「じゃあ何で俺のあげたもので記憶喪失が防げるんだろう?」

堕悪魔「さぁ、こればっかりはさっぱりです。」

男「まぁとりあえず外さないように気をつけないとね。」

堕悪魔「はい、そうですね。」

友「ん~、とにかくさ、難しいことは後にして、結果的には堕天使ちゃんを助けられたし、記憶喪失の対応策も見つかったし良いんじゃない?」

男「確かに、悪いことじゃないんだけど、やっぱり解決策を見つけたいよなぁ。」

堕悪魔「そうなりますと、あのお二人の力も借りたいところですね。」

友「あの二人?」

男「天使と悪魔だよ。」

堕悪魔「ただ今回の件で、相手に私たちに対する記憶が無い可能性がありますから、接触の際は慎重に事を運ばなければなりません。」

男「結局こっちの事を知らなければ、ただの他人だもんな。」

友「天使と悪魔・・・どなた?」

堕悪魔「堕天使さんと同じで、男さんのお宅で居候している方々です。」

友「・・・あれ?堕悪魔ちゃんも一緒に暮らしてないの?違うの?」

堕悪魔「いえ、私は居候ではありません。」

友「あれ?一緒に暮らしてるって前に・・・。」

堕悪魔「ええ、ですが居候ではなく、私は男さんの・・・ねぇ///」

男「う、うん///ちょっと気が早いけど、まぁ、そうかな///」

友「はいはい、ご馳走様。」

友「とりあえず、その天使と悪魔ってお方を探し出せば良いってワケね。」

男「おほん、そうだね。できるならすぐにでも会いたいんだけど。」

友「それなら堕天使ちゃんにも言っておいたほうが良いんじゃない?」

男「堕天使にはもう言ってあるよ。」

友「あ、そうなの?」

堕悪魔「はい。その事を少しお話したら、なら張り切って探すっス!、って言って休み時間のたびに校内を走り回ってましたよ。」

友「元気だねぇ。あんな事があったすぐ後のことなのに。」

堕悪魔「堕天使さんにも色々と思うところはあるんですよ。」

友「ふーん、強いな堕天使ちゃんは。」

堕悪魔「というより、後ろめたい気持ちがあるんだと思います。」

堕悪魔「今回のことに関してちょっとでも償いをしたいんじゃないでしょうか・・・」。」

友「そうなのかな?」

堕天使「いえ、そうではないっス。」

友「あ、堕天使ちゃん。」

堕天使「ドモっス!」

男「いつの間に。」

堕天使「償いを~あたりっスから、たった今っス。」

男「どう?二人は見つかった?」

堕天使「それが、まったく。お二人の影どころか、情報すらないっス。」

男「それは、おかしいね。確かにこの学校は広いし堕天使の事件が終わってから探し始めたからあんまり時間が経ってない。」

男「それでもちょっとくらい掠ってもいいとはおもうんだけどなぁ~。」

堕天使「う~ん、確かに違和感は拭えないっス。何か誰かが隠してるようなそんな感じが・・・。」

堕悪魔「ふ~む、そうですか。」

堕天使「あの、ちょっと良いっスか?」

男「うん?」

堕天使「さっきの、皆さんの話していたこと、なんスけど・・・確かに、罪悪感がないわけではないっス。」

堕天使「でも、だからって何時までもうじうじはしてらんないっス。」

堕天使「自分は、男さん達のお陰でこの輪の中に戻ってこれたんスから。」

堕天使「今、乱れてしまったこの輪を元の形に戻したい。」

堕天使「正直、何が起こっているのか、自分ははっきり分かっているわけではないっス。むしろ全然分からないっス。」

堕天使「それでも、その中で自分にできる事があるなら、できる限りやっていきたいっス。」

堕天使「それが皆さんにできる、自然な償いというか、えっと、え~っと。」

堕天使「まぁ、そういう事っス。」

男「ん、そっか。」

堕天使「皆さん、私のことを助けてくれて、本当にどうもありがとうございました。」ペコリ

堕悪魔(私、ですか。)クスッ

男(私、ね。)

男「そんなに気を使わなくても良いよ。俺は家族を助けたいが為にやったんだから。」

堕悪魔「そうですよ。お礼を言われるのは素直に嬉しいですが、そんなに畏まる必要はないですよ。」

堕天使「そんな、ここまでしてもらったわけですし。それに親しき仲にも礼儀ありっスよ!」

男「そうかい。ならこれからは俺も堕天使に敬語で話さなきゃな。」

男「そっちの方がいいよな堕天使?あ、いや・・・。」

男「宜しいでしょうか、堕天使さん?」

堕天使「ふぇっ!?あ、あの!そんな余所余所しい物言いやめて下さい!別にそうして欲しくてああ言った訳ではなくてですね!あぁでもその喋り方の男さんもイイ!じゃなくて!」

堕悪魔「ふふふ!もう、堕天使さんたら、落ち着いてください!」

男「あはは!堕天使の言葉使いが記憶のないときみたいになってるよ!」

堕天使「え!?あれ!記憶はちゃんとありますよ!あれ?おかしいな?うまく喋れてる?あれ?あれれ?」

友「なははは!!!パニック起こしちゃってる!おバカさん!」ケラケラ

堕天使「な!バカって言うなぁ!」


「「「ハハハハハハ!!!!!」」」

男「・・・ふぅ。」


色々あったけど、とりあえず堕天使は助けることができた。

堕天使の記憶は、確かに堕天使の中に存在し自分の意思で引き出せるようになっているけど、完全に元通りとはいえない。

堕悪魔曰く、何者かの力によって記憶を操作、封印をされている可能性があるとのことだ。が、原因ははっきりしていない。

そして堕天使がそうなっているという事は、現在捜索中の天使、悪魔もそうなっている可能性が高いわけだ。

その二人の手がかりは、まだ見つかっていない。

まぁこっちの方はのんびり探せばいい。期限や制限時間があるわけでもないみたいだしね。

みんなで案でも出し合いながら頑張って探すことにしよう。


ちなみに陸顧のことなのだが。

今回のことが何故か公になり(堕悪魔のせいなのは伏せておく)ものの数日で懲戒解雇となった。

最後に見た陸顧の姿は、これのせいなのか、それとも魔族と関わりを持ってしまったからなのかは分からないが

廃人と呼ぶに相応しい、精神も肉体もボロボロの変わり果てた姿だった。

その姿を見たときの俺の感情は、自業自得と蔑むよりも、ただただ哀れと、思えてしまった。


そして陸顧関わった被害者の女性達はと言うと。

今回の件を伝えようと友が被害者に会いに行ったのだが、

どういう訳か、誰一人として会えずに終わってしまった。

被害者宅に向かってもたどり着くことができず、たとえ辿り着けたとしても、その住所には住宅どころか建築物さえなかった。

以前はあったのにと友は言うが、これも何者かの手によって何かされたのだろう。と堕悪魔は言う。

友の記憶を操作されたか、はたまたその被害者が造られた存在、虚構の存在だったか、と。

その考えには根拠がないのですがと付け加えて。

いずれにせよ、この事件自体はここで終わりだ。

もしかしたら偽者かもしれない被害者の存在を除けば、酷い目にあってるのは陸顧一人だけ。

堕天使はギリギリセーフって事で。


キーンコーンカーンコーン


男「あ、完全下校時刻だ。」

友「いっけね!早く帰んなきゃ!」

堕悪魔「では、今日はこれで。」

堕天使「そうッスね!では、また明日!」


まぁ、なんとかなるんじゃないかな?

なんて、楽観視してもいいもんかね?

- 同時刻 男の自宅前 -


主天使「これは・・・一体どういう事じゃ?」

魔王「それはこっちが聞きたいよ。」

魔王「何これ。」

今回はここまで。
次回は主天使と魔王の会話をやった後に小ネタをちょろっとやって次に移ります。
次は二週間以内に。ではまた。

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              //.|
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        | |/.;;;;//.  | ||.         | じゃあ、>>1は死刑という事で・・・。
        | | ;;;;;;//   | |||         |_
        | |.;;;//    | |.||     ∧ ∧  |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        | |//..    | | ||.    ( ・∀・)
        | |/.     | |. ||    (    )           ワイワイ  ガヤガヤ
 ______.| |___//| ||__ / | | |__

        | |   //  |. ̄∠/(__(__) /.|          ∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧.
..∧_∧   (| |⌒/. ∧ ∧⊃イヤァァァ.     //|         (´-`;)(@・ )(;´∀)(
( ・∀・).(⌒| |//(;´Д`) ←>>1   //  |        ∧∧ ∧ ∧  ∧_∧. ∧∧
(    )  ̄| |/ (⊃ /  ⊂.⊃.   //   |       (∀・ )( ´,_ゝ)(   )(´∀`
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(__)_)   | |  /         //   /       <_`  )(´・ω)(д゚` )(
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.               //   /         (д- )(   )( ´,_ゝ)(TдT)(∀` )

>>191
ぬわーーーーーーっ!

主天使「・・・魔方陣による結界じゃな。」

魔王「そんなの見ればわかるよ。僕が聞きたいのそんなことじゃない。」

主天使「・・・はて何のことでしょう?」

魔王「とぼけるんだ?これが天界の奴等しか使えない魔方陣だって僕は知ってるよ?」

主天使「さすが魔王。よく知ってますねぇ?」

魔王「天界五陣なんて魔界でも常識だよ。それで、まだとぼける気?」

主天使「せっかちですな~。せっかちな人はハ~ゲま~すお~。」

魔王「ねぇ、こっちは真面目に聞いてるんだ。ふざけないで。」

主天使「・・・。」

魔王「何を企んでるの?はっきり言って迷惑なんだよね。僕としてはこいつらにはあまり干渉しないでおきたかったんだけど。」

主天使「悪魔の王からそんな言葉が出るとは、驚きだな。」

魔王「別にどこかを支配したいとか、僕にはそんな気はないよ。そんなの周りが勝手にやってるだけ。それどころか僕はそんな奴らを押さえつけてるくらいだよ。」

魔王「僕はね、ただ面白いことを自然なままの状態にして、それを見ていたいだけさ。」

魔王「僕にとってこれがそうだった。あの人間を中心として複数の種族が集まり短期間で色んなことが起こってる。」

魔王「それも天界にも魔界にも影響しないレベルで。」

魔王「それなのにこれは何?おもいっきり干渉してんじゃん。」

魔王「以前にもお互いに干渉がなかったとは言わないけど、ここまで酷いものじゃなかった。」

魔王「もう一度言うよ。天界は何を企んでいる。」

主天使「・・・はっきり言おう。」

主天使「わっちにも、わからない。」

魔王「はぁ?」

主天使「正直わっちも戸惑っている。なぜこの結果が張られているのか、わっちにはわからなんだ。」

魔王「・・・君自身は嘘は言ってないみたいだね。ああ、だからか。口調が安定しなかったのは。」

主天使「あまり干渉しないというのは、こちらとしても同意見だ。ただ天使に状況の報告はさせていたが。」

魔王「ふむふむ、それで?」

主天使「ある時定時報告が来なくなった。だから使いを行かせたのだが、接触できなかったそうだ。」

主天使「それでわっちが直接赴いたのじゃが。」

主天使「これじゃ。」

魔王「ふーん、僕と大体似たような感じか。」

魔王(監視に使ってた下級悪魔が消えたから、使いを行かせたらそれも消えた。)

魔王(それで僕が直接向かったら、この状況。)

魔王「ねぁ、この事を天界で知ってるヤツはどのくらいいると思う?」

主天使「まず、ほとんどいないじゃろう。わっちで知らないなら、他の者が知っているというのは考えにくい。」

魔王「へぇ~、情報の管理は君がしてんの?」

主天使「神に代わって、ほぼ全てな。」

魔王「凄いじゃん。神の代理だなんて。」

魔王「まぁいいや。とりあえず入ろう。」

主天使(・・・そして、もう一つ。)

魔王「うわぁ、この結界、凄く強力だ。消すのは無理そうだな。」

主天使(そう、強力すぎる。)

魔王「でも、今回は入るだけだし、ここをこうして・・・。」

主天使(これほど強力な結界を張れる者は、ほとんどいない。)

魔王「よし!これで一人ずつなら通れる隙間ができた!」

主天使「・・・見事じゃな、魔王。」

魔王「へっへ~ん、恐れ戦け!」

主天使(そしてこれをできる方はわっちを除いて一人しかいない。)

魔王「さて、中に入ってみようかな。君も行くよね?」

主天使「・・・もちろんじゃ。」

主天使(一体何を考えているのですか。)

主天使(・・・神よ。)

今回はここまで。それでは近いうちにまたきます。

- オマケ 1 -


堕天使「・・・うん、よし!」

堕天使「でーきた!」

モブ女子「すごいね~このケーキ!ねぇ、一口ちょうだ~い。」

堕天使「ダーメ!これは男さんにあげるの!」

モブ女子「え~、いいじゃんケチ~。」

堕天使「チミにはこのクッキーで十分ですぅ。」

モブ女子「わぁ~、こっちもおいしそ~!いただきま~す!」


シャクシャク


モブ女子「ん~デリ~シャス!」

堕天使「へへ~、どんなもんだい!」

モブ女子「ホントにすごいよ~。こんなに美味しいクッキー作れるなんて。それにその合間にケーキも作っちゃうんだもん。器用だね~。」

堕天使「違うよ!ケーキを作ってる間にクッキーを拵えただけだって。クッキーのほうがオマケ!」

モブ女子「あはは~どっちにしても家庭科の授業時間だけで作っちゃうのはレベル高いよ~。」

堕天使「よし、じゃあ男さんにケーキ渡すついでにクッキー提出してくる!」

モブ女子「課題がついでなの!?てゆうかケーキは授業の後にしたほうがいいよ~。」

堕天使「いってきま~す!」タッタッタ

堕天使「すいませーん」

堕天使「お母さーん!」

堕天使「あっ・・・。」


しーん・・・


家庭科の先生「・・・。」ニヤッ

堕天使「あぅ///」

ざわざわ・・・くすくす・・・

堕天使ちゃん・・・お母さんだって・・・カワイイ・・・

堕天使「ぎゃああああああ////////////////」


ひゅん!

ばっしゃーん!


モブ女子「あぁ!先生の顔が生クリームまみれに!」

堕天使「うわーん!」スタコラサッサ!

モブ女子「待って~!どこいくの~!」

先生「・・・。」

先生「ペロッ・・・。」

先生「・・・美味い。」

今回はここまで。次のオマケは明日にでも。

- オマケ 2 -


大天使「ここは・・・学校か?」

魔王「みたいだね。結界の中がこんな事になってるなんて思わなかったな。」

大天使「ふむ、少し情報を集めてみるか。」

魔王「そうだね。おーい、そこの人間!」

大天使「あ!おい魔王!その服装(なんか魔王っぽい服)では人に怪しまれるぞ!」

魔王「・・・。」

魔王「いや、それは大丈夫そうだよ。」

大天使「え?」

魔王「ほら見て、今話しかけたこいつ。」

男子生徒「・・・。」ボー

大天使「なんだ・・・これは・・・。生きては、いるが・・・。」

魔王「ハリボテだろうね。生きたハリボテ。」

魔王「しかもこれ、人間から人間として産まれてきた、という感じじゃないな。」

魔王「粘土をこねた感覚で作って、命を吹き込んだ。そんな感じだ。」

魔王「たぶんここにいる人間のほとんどがこんな感じなんじゃないかな?」

魔王「生きた人間。それも自分の思いのままに操れる物。」

魔王「天界でそんなことできるヤツ、どれくらいいる?」

大天使「・・・。」

大天使(これはまさしく、神のみが行える業。)

大天使「いや、もう所業と言っても良いかもしれぬな。」

魔王「あらら、大天使ともあろう者が、罰当たりだねぇ。」

大天使「・・・。」

>>208
「主天使」が「大天使」なってたので修正。



- オマケ 2 -


主天使「ここは・・・学校か?」

魔王「みたいだね。結界の中がこんな事になってるなんて思わなかったな。」

主天使「ふむ、少し情報を集めてみるか。」

魔王「そうだね。おーい、そこの人間!」

主天使「あ!おい魔王!その服装(なんか魔王っぽい服)では人に怪しまれるぞ!」

魔王「・・・。」

魔王「いや、それは大丈夫そうだよ。」

主天使「え?」

魔王「ほら見て、今話しかけたこいつ。」

男子生徒「・・・。」ボー

主天使「なんだ・・・これは・・・。生きては、いるが・・・。」

魔王「ハリボテだろうね。生きたハリボテ。」

魔王「しかもこれ、人間から人間として産まれてきた、という感じじゃないな。」

魔王「粘土をこねた感覚で作って、命を吹き込んだ。そんな感じだ。」

魔王「たぶんここにいる人間のほとんどがこんな感じなんじゃないかな?」

魔王「生きた人間。それも自分の思いのままに操れる物。」

魔王「天界でそんなことできるヤツ、どれくらいいる?」

主天使「・・・。」

主天使(これはまさしく、神のみが行える業。)

主天使「いや、もう所業と言っても良いかもしれぬな。」

魔王「あらら、大天使ともあろう者が、罰当たりだねぇ。」

主天使「・・・。」

魔王「で?」

主天使「ん?」

魔王「結局どうするんだい?」

主天使「・・・。」

魔王「このままほっといたって自分の進めたいほうに進めるわけないでしょ?」

魔王「なら行動しなくっちゃ。」

主天使「・・・わかっている。」

魔王「うん、それじゃあどうしよっか?」

主天使「情報を集めよう。闇雲に動き回っても仕方あるまい。」

主天使「下手をしたら我々が何かしらの危険に巻き込まれるやもしれん。」

魔王「うん、そうだね!」

主天使「ならばここは少しずつではあるが慎重n」

魔王「よし決めた!」

主天使「解析して・・・ん?何がだ?」

魔王「僕たちもこの世界のキャラクターになろう!」

主天使「は?」

魔王「ここの世界に紛れ込むには、この世界に合った役職になればいいんだよ。そうでしょ?」

主天使「突拍子もないな。」

魔王「そうすれば、相手の目を欺くことができるかもしれない。」

魔王「そうなれば行動もしやすくなるだろうからね!」

主天使「迂闊に動くな。危険だと言っただろ。」

主天使「・・・それに、難しいのではないか?」

魔王「え?なんで?」

主天使「恐らくこの世界の役職は既に満員ではないだろうか?」

主天使「国語教師なら国語教師の。体育教師なら体育教師の役職を宛がわれている人間がいるはず。」

主天使「ならば我々は『生徒』という立場にならざるを得ない。」

主天使「それ以外の役職では、重複してしまって不自然だ。」

主天使「ならば自ずと『生徒』の立場の隙間に無理やり入り込むしかあるまい。」

魔王「え~。それこそムリでしょ。」

主天使「なぜじゃ?悪くはなかろう。」

魔王「悪くはないけどね・・・僕はいいよ?この学校と言う環境の中では見た目は少し小さめだけど相応しくない訳じゃない。」

魔王「でも君の姿、人間の年齢で考えれば二十代後半でしょ。」

魔王「そのナリで制服着て校内を練り歩こうだなんて無理があるよ。」

主天使「え・・・。いや!ここの人間たちは正気ではない・・・はず!大丈夫だろう!」

魔王「天使や堕天使が正気だったら?少なくともこの二人は巻き込まれてるよ?見られたら威厳も何もないんじゃない?」

主天使「・・・ここの制服、可愛かったからちょっと着てみたかったんじゃ。」

魔王「そんなこと思ってたの?さっきまでのシリアスはどうしたんだい?」

主天使「いや、見られないと考えたら少しハメを外したくなったというか・・・のぉ?」

魔王「え~。それこそムリでしょ。」

主天使「なぜじゃ?悪くはなかろう。」

魔王「悪くはないけどね・・・僕はいいよ?この学校と言う環境の中では見た目は少し小さめだけど相応しくない訳じゃない。」

魔王「でも君の姿、人間の年齢で考えれば二十代後半でしょ。」

魔王「そのナリで制服着て校内を練り歩こうだなんて無理があるよ。」

主天使「え・・・。いや!ここの人間たちは正気ではない・・・はず!大丈夫だろう!」

魔王「天使や堕天使が正気だったら?少なくともこの二人は巻き込まれてるよ?見られたら威厳も何もないんじゃない?」

主天使「・・・ここの制服、可愛かったからちょっと着てみたかったんじゃ。」

魔王「そんなこと思ってたの?さっきまでのシリアスはどうしたんだい?」

主天使「いや、見られないと考えたら少しハメを外したくなったというか・・・のぉ?」

魔王「真面目に考えてよ。それにさっきも言ったけど、あの二人はいると思うよ。しかも二人以外の連中にも見られると思うよ?」

主天使「う・・・。」

魔王「ま、学生服は諦めるこったね。あれは若さの象徴みたいなもんだし。きっと似合わないよ。」

主天使「・・・くすん。」

魔王「でも、だからってこの世界のキャラクターになれないわけじゃないけどね。」

主天使「・・・?何か方法でもあるのか?」

魔王「あるよ。」

主天使「随分あっさりと肯定するのぅ。して、その方法は?」

魔王「簡単だよ。上書きすればいい。」

主天使「・・・ほう。」

魔王「さっきも言ったように、この結界内の世界にいる人間は、人の形で造られているけどハリボテだ。」

魔王「そして、そのハリボテの一つ一つに役が与えられてる。」

魔王「ならそのハリボテから役を引き剥がす、あるいはハリボテを消して自分がその役に入り込むんだ。」

魔王「これなら役職に穴が開くこともなく人数も減ることもなく相手さんに気付かれずに進める事ができる可能性が高くなるよ。」

魔王「流石に魔力を探られたらバレるかもしれないけどね。」

主天使「なるほど・・・むぅ。」

魔王「何?どうしたの?」

主天使「いや、引き剥がした後の、人間、はどうなるのだ?」

魔王「引き剥がす方でやるの?まぁいいけど、他の役に突っ込むしかないよね。」

魔王「この世界なら、『生徒』とか『事務員』くらいしかないんじゃないかな?」

魔王「でも君なら大人の役しかできなさそうだから、違和感なく役なしハリボテを突っ込むなら『事務員』なるよね。」

主天使「なら、自分自身が『事務員』なるのが手っ取り早いかのぉ。」

魔王「それでもかまわないけど、それだと行動しづらいんじゃない?」

魔王「『事務員』って学校関係者ではあるけど、それほど自然に校舎内を歩いていい立場ではないよ。」

主天使「そうなのか・・・。むむぅ。」

魔王「それならいっその事消しちゃえばいいじゃん。」

主天使「!・・・貴様、それはっ!」

魔王「安心して、これは殺すんじゃない。」

魔王「どちらかと言うと、元に戻す、が正確なところだよ。」

主天使「元に戻す、か。」

魔王「そうだよ。ていうか気付いてるでしょ?」

魔王「この世界がなくなったら、相手さんが造ったハリボテは消えてなくなってしまうって。」

主天使「・・・そう、だな。」

魔王「それを限定的にこちらで行って、そこの役に割り込むってだけだよ。」

魔王「そのハリボテは魔力で造られているか、土をこねて造られているかは分からないけど。」

魔王「少なくともここにいる人間は望まれて生まれた存在じゃないし、本物の人間を引き連れて使っている訳じゃない。」

魔王「いや、玩具としては望まれていたかもしれないね。」

主天使「玩具、だと?」

魔王「きっと相手さんはそう思ってるよ。だから、君たち天界の住人の観点から見れば、一刻も早くそんな残酷な状況から開放してあげるべきなんだ。」

魔王「違うかい?主天使?」

主天使「・・・魔界の王に説教をされるとはな。」

魔王「言っとくけど、秩序を乱すやつを罰する以外に、殺生なんてしたことないからね。戦争なんて論外さ。」

主天使「本当に、らしくないな。」

魔王「別にどうってことないよ。ただそんなつまんない事に時間を割きたくないだけ。そんな物は時代遅れさ。」

魔王「そういうことは先々代の魔王の時代でおしまい。まぁ一部の地域じゃまだ小競り合いや天界に乗り込もうとあれこれをしてるみたいだけど、
たった一人の魔族に押さえつけられちゃってるしね。」

主天使「・・・そうか。」

魔王「さて、話を戻そう。とりあえずハリボテは消す、いや、元に戻す。そしてその役職に僕と君がそれぞれ入り込む。それでいいね?」

主天使「ああ、かまわん。」

魔王「よし、それじゃあ早速取り掛かろうか。君はどんな役職がいい?」

主天使「私は・・・これにしよう。」

魔王「うん、なら僕は・・・これにしようかな。」

主天使「・・・すまないな。」

魔王「それは誰に対して言ってるの?」

主天使「・・・。」

魔王「まぁ好きにすればいいんじゃない?必要ないと思うけどね、僕は。」

今回はここまで。次回はできるだけ近いうちに。では失礼します。

- ボランティア部部室 -


友「ふぅ・・・。」

友「依頼はたくさん来るけど、これと言って進展に繋がる情報は入ってこないな~。でも一応みんなに見てもらおう。」

友「つかこの内容、生徒会に言えよ。何だよ部費の増額って。」

友「ま、気長に待ちますか。」

友「・・・。」

友「あ、今どんな状況かって言うとね・・・。」

- 回想 -


男「何か手がかりは掴めたか?」

堕悪魔「いいえ、思ったよりは・・・。」

堕天使「芳しくないっスね。」

友「情報集めも楽じゃいな。歩き回りすぎて足が棒になってる。」

男「みんなお疲れ様・・・そっか~。」

堕悪魔「男さんはどうでしたか?」

男「こっちもダメだった。進展なし。」

友「う~ん、やっぱりこの間の堕天使ちゃんの事件の後に連続して何かしらのイベントが起こるかもってのは都合が良すぎるか。」

堕天使「あんな事件が頻繁に起こる状況もどうかと思いますよ。」

友「だよね~・・・。」

男「いっその事、人員を増やすか?ここの生徒たちに頼んでさ。」

友「事情を話すの?話したところで、良くてオカルトマニアの戯言扱いだよ?」

堕天使「あまりまともに取り合ってくれるとは思えないっス。」

男「流石に無理か・・・。」

堕悪魔「・・・。」

男「ん?どうしたの堕悪魔?」

堕悪魔「いえ、もしかしたら増やせるかもしれませんよ。人数も情報も。」

友「ほう。」

堕天使「何々!何スか!」ガバッ

堕悪魔「何かしらの方法を使って、情報を集まるようにするんです。」

堕悪魔「何かしらというのは、目安箱でもボランティアでも何でもかまいません。」

堕悪魔「とにかく、向こうから情報を持ってきてくれるような状況を作るんです。」

堕悪魔「そうすれば、誰に事情を話すこともなく情報が集まってきますよ。」

男「なるほど、それなら人員は、教師を含めてこの学校にいる人全員になるな。」

友「こっちで探し回りながら、あっちから情報が集まってくる。」

堕天使「作業速度が格段に上がりそうッスね!」

堕悪魔「まぁどうしても関係ない情報も入ってくるでしょうが・・・。」

男「いや、一見関係なさそうでも、有益なものに繋がるヒントがあるかもしれない。」

男「今は手詰まりな状況なんだ。やれるだけの事はやってみよう。」

続きは今夜に。では。

友「じゃあ何からやる?いきなり目安箱の設置をしたって、周りの人は意味わかんないだろ。」

男「堕天使以外はただの帰宅部な俺たちだし、そんな奴らなんかに相談事なんか持ち込めないだろうし。」

友「都合のいい委員会とか団体ってないしな~。あってもハリボテくさいし・・・。」

堕悪魔「なら私たちで下地を作ってしまうのはどうでしょうか?既存のグループではなく、新規で設立するんです。」

堕天使「設立っスか?」

堕悪魔「はい。設立とは言っても難しいことは考えずに、活動グループを作り、そこから輪を広げていく状態を作ればいいんです。」

堕悪魔「あまりごちゃごちゃしてしまっても、周りの人たちが取っ付きにくくなってしまいますからね。」

友「なるほど。じゃあ部でも作る?」

男「それが良いかもな。あんまり堅苦しくないし,尚且つこの学校は部の掛け持ちができるから、自然に堕天使も混ざれるし。」

友「ならどんな名前が良いかな。S○S団みたいなの?」

堕天使「それでは余計近寄り難くなっちゃいますよ。奉仕部とかそんな感じ?」


あーだ こーだ そーだ


・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・

・・・

投下予告。一週間以内に投下します。

- 校長室前 -


友「あれ?部の設立の申請って校長先生に直接するんだっけ?」

男「えっと、出来ない事もないだろうけど、普通は担任を通して行われるもの、だと思う。」

友「だよね。ならあれかな。一度引き返して、後日改めて担任に・・・」

堕悪魔「いえ、ここまで来たんですからこのまま行きましょうよ!別に悪いことをしようって訳ではないんですし。」

友「え~、いや、でも・・・」

堕天使「それに、善は急げって言いますでしょ?部に必要な条件もすべて揃ってる訳ですし、行っちゃいましょう!」

友「わ~お、やる気だねぇ。・・・どうする、男?」

男「どうなるかわからないけど、なるようになれだ。」

友「そっか、わかったよ。」

友「じゃあ腹括るか!」

男「よし、いくぞ!」

コンコンコン


男「失礼します。」


ガラガラガラ・・・


ピカー!


男&友「うおっ、まぶしっ!」

堕悪魔「こ、この光は!?何!?」

???「やぁ、いらっしゃい。」

堕天使(え?この声は・・・。)

???「なんの用かな?」

堕天使「主天使様!?」

堕悪魔「えっ!?」

男「主天使?・・・この方が。」

男(以前、天使に聞かされたような気がする。)

友「・・・え?主天使様?誰?と言うか」

男(天界では非常に高位の存在で大きな力をお持ちではあるが)

友「何で美しい妙齢の女性が、男装してちょび髭を付けてんの?」

男(それ以上に、よくおふざけをする方だと。)

主天使「ふぉっふぉっふぉ!」

男(・・・なんか色々と。)

一同(台無しだ。)

主天使「さて、君たちがここに来た理由は一体何かな?」

堕悪魔「あ、はい、えっと・・・こちらを。」ペラ

主天使「ん・・・おお、部の新設だな。よかろう、許可しよう。」

堕悪魔「へ?」

主天使「えーっと判子はどこかな?メンドイからサインで・・・あ、いや、あったあった。これでいい。」ぽんっ

堕悪魔「その・・・主天s・・・。」

主天使「ここでは校長と呼びたまえ。」

友(うわ、なんかうぜぇ。)

堕悪魔「し、失礼しました!え~、校長先生?」

主天使「何かな?」

堕悪魔「その・・・そんなあっさり申請を認めていいものなのですか?」

主天使「ワシがいいと言っているんだ、問題なかろう。皆にも不都合なこともなかろうて。」

堕悪魔「まぁ、そうなのですが。」

主天使「さぁ、もう行くといい。これでここには用はなかろう?」

男「はい、用はこれだけです。」

主天使「そうか、ならば頑張りたまえ。部室も空き教室を使うといい。」

堕天使「はい!ありがとうございます!」

主天使「ワシがここにいる限り、協力は惜しまんからの。いつでも頼ると言い。」

友「はい、その時はお願いします。」

男「それでは、失礼します。」ペコリ


ガラガラガラ・・・ピシャンッ

- 回想 終わり -


友「という事がありましてね。」

友「名前も安易だけどボランティア部というわかりやすいものにした訳ですよ。」

友「今は学校の色々な場所に設置してあるボランティア部専用『目安箱』に入ってた意見や情報の書かれた紙を整理中。」

友「なんだかキナ臭かったり気になる内容があったら調査したり解決したりしている、と言う状況なのです。」

友「現在も他のみんなは現地に調査、と言うか探し物に行っています。」

友「今回は『変な鳴き声のする猫がいる』と言うので出かけているのですが・・・。」


ガラガラガラ・・・


友「お、帰ってきた!」

堕悪魔「ただいま戻りました。」

続きは明日か明後日に。それでは失礼します。

友「お疲れ様~。で、どうだった?」

堕悪魔「一応、この猫です。」

猫「ブルスコファ~・・・ブルスコファ~・・・。」Zzz・・・

友「ははっ!変ないびき!」

堕天使「鳴き声自体は普通だったんスけど、眠った途端こんな寝息を立て始めました。」

男「目撃情報からも、見た目の情報が完全に一致してるからこいつの事だろうってことになった。」

友「ふ~ん。その猫には何か不思議な力とかあるの?」

堕悪魔「いえ、この子はどこにでもいるただの野良猫ですね。」

友「じゃあちょっと変な猫ちゃんなだけだったってオチだったのか。」

男「そういう事になるね。」

友「そっか~。残念、またハズレか。」

男「いいんじゃないかな?まだまだ手掛かりはあるし、一つずつ確かめていけばいい。」

友「そうだね!よし、じゃあ一息ついたら次はこれだ!」

男「あいよ。」

堕天使「あ、自分お茶淹れてきますね。」

堕悪魔「ふふ、お手伝いします。」



・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・

・・・





主天使「フフフ・・・若人たちよ。大志を抱け。」 

主天使「・・・。」キリッ

主天使「あ、この世界の仕組みについての事を話し忘れた。」

主天使「・・・まぁ・・・後ででいっか!」

「・・・ボランティア部か。」

「ダメで元々・・・。」

「相談だけでも・・・してみるか。」


ガラガラガラ・・・


「失礼する。」

堕悪魔「あ、いらっしゃいませ。」

「一つ・・・相談事が・・・あるのだが。」

堕悪魔「はい。ではそちらの椅子をお使いください。」

「ああ・・・。」

堕悪魔「あの、大丈夫ですか?あまり、体調が優れないようですが。」

「少しな・・・。」

堕悪魔「でしたら日を改めたほうが・・・。」

「いや、出来れば急ぎでお願いしたい・・・。」

堕悪魔「そうですか・・・。では少々お待ちください。もうすぐ他の部員も戻ってくるはずですので。」


ガラガラガラ・・・


友「たっだいま~!あれ?担任じゃないですか。どうしたんですか?」

担任「先生でいい。・・・少し相談事がな・・・。」

今回はここまで。次回からちょっとギャグ要素を含むパートになります。
ではまた近いうちに。

堕悪魔「では、話をお伺いしてもよろしいですか?」

担任「ああ・・・少し前のことでね。」

担任「右の・・・上腕二頭筋のあたりに・・・変な生き物のようなモノが取り付いた。」

友「え?」
堕天使「え?」
男「・・・え?」
堕悪魔「・・・。」

担任「あまりに突然の事で驚いてしまったのだが。」

担任「皮膚の表面に、目のようなものが一つ現れて、そこを中心に皮膚が黒色化していくんだ。」

担任「依頼というのは・・・それを取り除いて欲しい。」

友「取り除くって、それって皮膚病とかの病気じゃないですか?病院で診てもらったほうが・・・。」

担任「病院にはもう行った。ところが」

担任「この腕にあるものが視えていないんだよ。他の人からは。」

友「・・・へぇ。」

担任「それが・・・うっ・・・くっ!」

堕悪魔「!?大丈夫ですか!?」

担任「ううっ・・・!・・・ああ、少し疼くだけだ。」

友「うわぁ・・・。」

男「・・・先生。」

友 男「「イタいんですか?」」

担任「ああ、まだそれ程でもないんだが、日に日に酷くなっていってな。」

男「なるほど・・・。」

男(目が現れ、身体を少しずつ侵食する。痛みを伴う。目のようなものってところが特徴的だな。)

友(おいおい、いい歳した大人が中二病を拗らせたのかよ。しかも大真面目な顔をして・・・。)

担任「病院で色々検査をしてもらったんだが・・・特に異常はないと診断されてしまった。」

堕天使「・・・堕悪魔さん。」

堕悪魔「うん?どうしまいしたか?」

堕天使「なんだか怖いっス。」フルフル

堕悪魔「・・・大丈夫?」

堕天使「ちょっと、嫌な予感がするんっスよ。」フルフル

堕悪魔「堕天使さんもですか・・・。」

男「堕悪魔、何か気配みたいなものがあったりするのか?」コソコソ

堕悪魔「いえ、まだ何も。恐らく感じ取れないほど微弱なのか、あるいは隠れているか、です。」コソコソ

男「・・・ふむ。」

友(え?みんな真面目に受け止めちゃうの?この状況。神妙な顔つきが揃っちゃってるよ?)

今日はここまで。続きは一週間以内に。では。

堕悪魔「その症状は、いつ頃から現れたのでしょうか?」

担任「ちょうど二週間前だ」

堕悪魔「二週間ですか・・・。」

男「それがどうかしたのか?」

堕悪魔「もし私の記憶と考えが正しければ、そろそろ不味いです。」

堕天使「あの、みんな逃げた方がいいじゃ・・・。」

堕悪魔「場合によっては一旦逃げましょう。準備しておいてください。」

友「・・・なぁ。」

男「ん?」

友「これってそんなに危険な状況なのか?」

男「・・・先生が?それとも俺たちが?」

友「どっちもだ。よくわかってないってのもあるけど、正直疑わしいんだよね。」

男「そりゃあ、こういう事にあまり関わった事のない人間にとってはそうかもしれないけど・・・。」

友「とりあえず見てみない?その腕にくっついたなんとやらってのをさ。」

友(どうせ先生がおちょくる為に演技をしているに決まってる。)

友(迫真の演技だと思いますがね。子供相手だからってからかわないでください。)

堕悪魔「友さん!それは死亡フラグですよ!」

友「え?あれ?声に出してた?」

堕悪魔「いえ、口にはしていませんよ。」

友(堕悪魔ちゃんって頭の中読めちゃうの?なにそれ、滅多な事を考えらんないじゃん。)

堕悪魔「あ、いえ、大したことではないんですが・・・。」

友(やっぱり読まれてるぅ~!)

友「(ドキドキ)・・・とにかく先生!その腕、見せてもらいますよ。」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・


友「え?」

堕悪魔「いけない!離れて!」


グニャァ・・・


担任「うっっっっ!!!!ぐああああああああああああっっっっっ!!!!!!!!!!!!!」

友「ええ???」


グォォォォォ・・・・・・


堕天使「ひっ!?」

友「何!?何!?!?何なの!?!?!?」


ボコンッボコンッ


男「先生の腕が、服の下で、軟体動物のように、歪んでる!?」

友「先生!一体どうしたんでs」


ズオオォン!


堕悪魔「あっ!」


ガブッ!


友「は?何?肩、噛まれ・・・?」

男「友!」

堕天使「っっっっっ!?!?!?!?」ガタガタガタガタガタ

堕悪魔「やはり、あれは邪鬼眼!」

投下予告。
今週末までには投下します。

友「ひっ!!!た、助けて!」

男「だああああああああああああ!!!」


どごぉぉぉん!!!


邪鬼眼「ガアァアアッ!」


ズボッ!


友「痛いっ!」ドテッ

男「取れた!大丈夫か友!?」

堕悪魔「みなさん、一旦逃げましょう!」

男「おう!友、立てる!?」

友「うん、大丈夫っっっ!」

堕天使「はわわわわわわわわわわ!?!?!?」


邪鬼眼「グオオォォォ・・・・・・」

男「まだ怯んでる。今の内に!」


スタコラサッサ・・・・・・

続きは明日に。それでは。

‐ 化学実験室 ‐


一同「「「「はぁっはぁっはぁっはぁっ・・・・・・!!!!!」」」」



友「何なんだよ!?何なんだよあれ!?」ハァッハァッ・・・

男「それは、俺も、ぜぇ、知りたいな、ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

堕天使「はぁ、はっげほっげほっ!確か、邪鬼眼とか言ってましたよね・・・ごほ!」

堕悪魔「す~っは~・・・はい、あの黒い生物は邪鬼眼と呼ばれるものです。」

堕悪魔「正確には、魔界で造られた生物兵器なんです。」

友「生物兵器とは、また物騒な・・・。」

堕悪魔「魔界にいる一人の強大な悪魔が、敵対勢力に対抗するために造ったもの、と言われています。」

堕悪魔「ただ、だいぶ昔に造られた物らしいので、私自身も書物で挿絵を見た事があるだけで、実物を見たのは初めてです。」

男「なるほど、おっかない古代兵器みたいな物か。」

堕悪魔「古代、と言うほど時間は経っていません。現に邪鬼眼を造り出した悪魔は存命です。」

友「ったく、一体どんな理由であんなモンを造ったんだか。」

堕悪魔「詳しくは分かりませんが魔族同士の抗争での使用が確認されていたようですね。」

男「それで?邪鬼眼を使われたほうはどうなったの?」

堕悪魔「全員仲良く邪鬼眼の餌になったそうです。」

友「え?・・・マジ?」

男「さっきのはホントにギリギリだったんだな。友、怪我は?」

友「ないよ。噛まれてはいたけど、唾液みたいのでべちゃべちゃするだけ。」

男「そっか、よかった。」

友「まったく、こんなモンを造った悪魔とやらの顔を拝んでみたいよ。」

堕悪魔「会ってみますか?敵意や悪意を持って近づかなければ無害で安全らしいですよ?」

友「いえ、結構です。」

男「・・・さて、落ち着いてきたし、そろそろ動こうか。」

堕悪魔「ええ、そうですね。」

友「え?何かやんの?」

男「うん、やる。どうせ逃げ回るだけじゃジリ貧になるのは目に見えてるし、対策を考えながら行動しないと。」

堕天使「な、何か出来るんスかね?あんなの相手に。」

堕悪魔「とりあえず触る事ができると言う事がわかりました。物をぶつけたり閉じ込めたりができるということです。」

男「おっかない相手だけど太刀打ちできないことは無いって事だ」

堕天使「やり合うんっスか!?あんな怪物相手に!?」

男「やるよ。」

友「本気かよ・・・?」

男「ホンキだよ。まぁ、真正面からやるつもりはないけどね。」

堕悪魔「何か作戦はあるんですか?」

男「あるにはある。でもどれが有効かはわからないから、試せるものは全部試そう。」

男「幸い、今は逃げ切れたお陰で少し時間ができた。」

男「最初は・・・ここにあるものでやってみよう。」



- 廊下 -


邪鬼眼「グルルルルルルル・・・・・・」


キョロキョロ・・・・・・


・・・・・・ズオオオォォォォォォン


男(なるほど、あいつは視覚でこっちを探しているのか。)

男(蛇みたいに伸びてる胴体の前面にたくさんの眼球が付いてるけど、そこまで視野は広くないみたいだ。)

ギロッ


男「えっ?」

邪鬼眼「・・・・・・。」

男(おいおい、胴体のどこにでも即座に目玉を作れるのかよ!?)

邪鬼眼「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

男「見つかっちまった!」

男『堕悪魔!堕天使!やってくれ!扱いには十分気を付けて!』

堕悪魔『はい!』

堕天使『了解っス!』

友『通信魔法って便利~。』

堕悪魔 堕天使「「せーのっ!」」


ヒュンッ


ガシャンガシャンパリンパリンパリン


男(ビンにたっぷり入った劇薬をありったけぶつける。これはどうなる。)

邪鬼眼「ギャウオオオオオオオオオオオオオオ!?!?!?!?」

友「効いてる!?」

男「いけるか!?」

堕悪魔『撤退!撤退です!』

男「駄目か!」

友「ええっ!?ダメなの!?なんか効いてるように見えるけど!?メッチャ爛れてんじゃん!」

堕悪魔『効いてはいますが、恐らく表面だけです!すぐに追いかけてきてしまうかもしれない!』

男「みたいだな・・・!」

友「えっ?」


シュウウウウウウウウ・・・・・・


邪鬼眼「グオオオオオオォォォォォォォォン・・・・・・・・・」

友「おいおいマジかよ・・・。」

友「爛れていた表面が、あっという間に再生して、治っちゃった。」

男「・・・まずは逃げよう!」

一同「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」

男「やっぱり、ダメだったか。」

堕悪魔「そうでしたね・・・。」

友「え?イケると思ったからやったんじゃないの?」

男「可能性は低いけど、一番簡単な方法を取っただけだよ。」

友「そうなのか!?だってあのビンに入ってた液体って化学室にあった劇薬なんでしょ?」

堕天使「そうっスけど、だからと言ってあれだけの体積を持った相手に、たかだか数本分の薬品でどうこうできるとは思えないっスよ。」

堕天使「人の肌に塩酸を一滴垂らしたところで、ちょっと火傷するだけっスよ?」

友「そ、そっか~・・・。」

男(堕天使が他人を言いくるめてる・・・。)

堕悪魔(成長してるんですね・・・。お姉さん嬉しいです・・・。)ホロリ・・・

投下予告。一週間以内に投下します。

友「さて、次はプランBでいこう。プランBは何だ?」

男「家庭科室を使おう。」

友(あ、普通に返されちゃった。『ねぇよそんなモン』とか言って欲しかったのになぁ。)

堕悪魔「いえいえ、なかったら困りますからね?」

友(コイツ脳内を直接!?・・・あ、堕悪魔ちゃんならやってのけそう。)

男「どうした堕悪魔?」

堕悪魔「何でもないです。」

男「そうか。」

堕天使「今度は何を使うんッス?」

男「教室そのものを中心に爆弾を一つ。」

堕天使「・・・あ~。」

友「え?爆弾?吹っ飛ばすの?つかどうやって作るの?」

堕悪魔「友さん、早いうちから常識はとっぱらってしまった方がいいですよ?」

友「え?常識?てか爆弾って、家庭科室が壊れちゃうよ?」

男「命には代えられないよ。生きることを考えなきゃ。」


― 家庭科室前 ―


堕悪魔「準備はできました。」

男「こっちもだ。」

堕天使「いよいよっスね。」

友「納得いかない。」

男「悪いが我慢してくれ。あれ相手に無事で済む確率が高いのは友なんだ。」

友「ただ美味しくなかったからぺってされただけじゃん!根拠それだけじゃん!!」

男「囮役を押し付けてしまったのは本当に申し訳ないと思ってる。後でお詫びはするから、な?」

友「くそぅ。こんなの、男の作ってくれる弁当一ヶ月分でも割に合わないぞ~・・・。」

堕悪魔「・・・そろそろ来ますね。」

堕天使「・・・っ!じゃあ配置に着くっス」ササッ

堕悪魔「私も行きます。」ササッ

男「じゃあ、頼んだよ。」ササッ

友「う~っ・・・!も~う!腹くくったる!」

友「スゥ~ッ!」

友「お~い!こっちだ!鬼さんこちら!!!」


男(さぁ、派手にいこうか。)

投下予告。一週間以内に投下します。

男(うまく誘き寄せられてくれよ。)

友「こっちだこっち!みんなここにいるぞ~!!!」

男(もう家庭科室の目の前まで来たみたいだな。)

友「よっしゃ!きたきた!ほら!こっちd」


ガタガタガタ!


友「あれ!?」


ガタガタガタガタガタ!!!!!!


友「えぇ!?ちょっ!?ねぇ!扉開かない!!!」

堕天使『あ、サーセン。開錠するの忘れてました。』

堕悪魔『あらあら。』

男『堕天使はうっかりさんだなぁ。』

『『『HAHAHAHAHAHA!!!』』』

友「うぉい!笑ってる場合じゃねえよ!早く扉を開けてくれええええ!!!!!」


邪気眼「グオオオオオオオオオァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!」


友「やっべえ!!!来てる!来てるって!!!!!」

堕天使『あ、今開けますね。』

友「早く!早く!!!!」


邪気眼「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


友「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ドゴオオオォォォンッ!!!!!!


堕天使『邪気眼が友さんごと扉をぶち抜いてきました!』

男『入室確認!よし!第一段階成功だ!』

堕悪魔『グッジョブです!』

友「お、お前ら後で覚えてろよ・・・。」ボロ・・・

投下予告。一週間以内に投下します。

邪気眼「グオオオォォォォ・・・・・・。」

シュゥゥゥゥゥゥゥ

邪気眼「?」

男「よし!堕天使は友を抱えてダッシュで逃げろ!」

堕天使「はい!」


ぴゅーん!


男「逃走確認。堕悪魔、今だ!」

堕悪魔「了解!いきます!」


シュボ ポイ


邪気眼「???」


ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!


男「おし!成功だ!」

男(家庭科室にあるガスコンロから配管を外し、ガスを出して部屋に充満させ、引火させた。)

男(狙った通りにくらわせることはできたが・・・。)

堕悪魔「さて・・・ダメージの程はどうでしょうか・・・。」

投下予告。一週間以内に投下します。

モクモクモクモク・・・・・・

シーン・・・・・・

男(煙が晴れてきたな・・・。)

男(・・・・・・見えた。)

邪気眼「グルルルルルルルルル・・・・・・・・・・・・。」

男「・・・・・・効いてないっ!?」

堕悪魔「少し怯んだだけみたいでしたね・・・。」

男「・・・一旦引くぞ!」

― 空き教室 ―


友「ぜぃ・・・ぜぃ・・・ああもう!疲れっぱなしだ!」

男「まだ元気が残ってるだけマシだな・・・。」ハァ・・・ハアァ・・・

堕悪魔「これはいよいよ考えなければなりませんね。」

友「え、何を?」

堕悪魔「・・・先生に直接、です。」

友「!?それはっ!!!」

男「もうその方向も視野に入れなければならなくなった。」

堕天使「邪気眼そのものをどうにか出来ればその方がよかったんっスけど。」

堕天使「これまでの行動で、自分たちではそれは不可能に近いことが判りました。」

友「くっ・・・そうだ!魔法は!?堕天使ちゃんと堕悪魔ちゃんは魔法を使えるでしょ!?」

堕天使「たぶん効かないっす。魔法も結局物理攻撃っすから、当たったところで今までと同じ反応されて終わりっス。」

堕悪魔「いえ、それどころか魔翌力で作った攻撃ですと、恐らく吸収されて邪気眼が強力になり、余計に手が付けられなくなってしまうでしょう。」

堕悪魔「邪気眼が使われた戦争では、魔法攻撃の集中砲火を受けた邪気眼が全ての攻撃を吸収して、そのままやり返したそうです。」

堕悪魔「ちなみについ先ほど精神干渉系を試してみたのですが全く効果はありませんでした。」

堕悪魔「ですので魔法は、残念ながら役に立ちそうにないです。ごめんなさい。」

友「あ、いやぁ、なら、しょうがない・・・。」

男「・・・これしか、ないのか・・・。」

男「みんな、一人一つこれを持っていって。」

投下予告。一週間以内に投下します。

堕悪魔「包丁ですか。」
友「は?いやいや、こんなんであの化けもん倒せないでしょ!?」
男「いや違う。」
友「・・・まさか、自害用か?」
男「いや、それも違う。」
友「え?・・・じゃあこれ、どうするの?」
堕悪魔「友さん、落ち着いて聞いてくださいね。」
友「・・・何?」
男「これは、先生を直接攻撃するための物だ。」
友「は!?」
男「先生の居場所は分かってる。あとはこれで」
友「おい!ちょっと待てよ!」

ゴスッ

男「うぐっ!!!」
堕天使「友さん!落ち着いて!」
友「落ち着けないよ!」
友「要はこれで先生を殺せってことだろ!?」
男「端的に言うと、そういう事だ・・・。」
友「・・・お前っ!!!」

投下予告。一週間以内に投下します。

男「はっきり言って手段がない。」

男「爆発はあまり効果がない。薬品は効くかもしれないが量が全然足りない。」

男「堕悪魔と堕天使の魔法は、前提として効かないこともわかってる。」

男「なら後は、元を断つしかないだろ。」

友「でも、でも!!!」

男「・・・ここからは全員で部室に向かう。」

男「そして先生を見つけたらすぐにその包丁で」

男「・・・やってくれ」

「「「・・・。」」」

投下予告。一週間以内に投下します。

男「よし、行こう。」

男「ここにいつまでも留まっていられない。」

堕悪魔「相手がこちらを探す方法が目視だとしても、いつ見つかるかはわかりません。」

堕悪魔「早めに行動しないと。」

男「うん。」

男「みんな、覚悟を決めてくれ。」

男「でももし他に何か方法を思いついたなら、」

男「すぐにでもみんなに伝えて欲しい。」

男「俺だってこんな方法は取りたくない。」

友「じゃあ最初からそんなこと口に出すなよっ。」ギリッ

男「・・悪い。」

堕天使「友さん、男さんだってそんなことは考えたくなかったんスよ。」

堕天使「でも時間がない、方法もない。これしかないから言ったんス。」

堕天使「生き残るために。」

友「・・・分かってるよちくしょう。」

投下予告。一週間以内に投下します。

ガラガラガラ・・・


男「・・・気配は、近くないな。」

堕天使「今のうちっスね。気をつけていきましょう。」

堕悪魔「部室まで、最短距離を行ければいいのですが・・・。」

友「・・・。」


グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・・・・・・


男「近いみたいだけど・・・まだ行けるな。」

男「よし、ダッシュだ!」


タッタッタッタッタッタ・・・・・・・・


男(曲がり角。でも声は遠い。気にせず行けるはず・・・!)


ひょこっ


男「え?」


じーっ


男「・・・目?」

男(触手、か?その先っぽに、目のようなもの?)

堕天使「!?!?!?」

堕悪魔「まずい!もう見つかった!!!!」

男「なっ!?」


グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!


友「おいおい!こっちに向かってきてみたいだぞ!」

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