QB「僕と契約して、マミの友達になってよ!」(131)

まどか「えっ」

さやか「えっ」

ほむら(……!?)

QB「なってよ」

まどか「……」

さやか「……」

ほむら「……」

QB「なってあげてよ……」



代行 ID:JLDzCAfs0

>>1
代行感謝です!


数ヶ月前


マミ(体が、重い……)

マミ(あちこち痛くて、息も苦しい……)

マミ(私、もう駄目なのね……)

QB「巴マミ、僕の声が聞こえるかい?」

マミ「!?」

マミ「あ……う……」

QB「無理にしゃべらなくていいよ。君の命は燃え尽きる寸前だからね」

マミ(何なのこれ……? 幻聴?)

QB「僕はキュゥべえ。巴マミ、君に頼みがあって来たんだ」

マミ「……?」

QB「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

マミ(今の私が何かできそうに見えるの……?)

QB「安心してほしい、巴マミ。君が契約してくれるなら、代わりに一つだけ、どんな願いでもかなえてあげられるんだ」

マミ(この怪我を、全部治すことも……?)

QB「もちろん、たやすいことさ」

マミ「助、けて……キュゥべえ……!」

QB「それが、君の願いかい?」

マミ「……」

QB「どうやら時間がないみたいだね。契約成立とさせてもらうよ」

カッ

マミ「私、助かったの?」

QB「そうだね。厳密には、魔法少女として生まれ変わったんだ」

マミ「これは?」

QB「それはソウルジェム。魔法少女の証さ」

マミ「あ……パパとママは!?」

QB「あの潰れた車の中だね」

マミ「え……」

マミ「どうして……どうして助けてくれなかったの!?」

QB「どうしてって」

QB「君の願いは『助けて』だろう? 現に君は助かったじゃないか」

QB「君の両親は既に死んでいたし、僕自身にはそんな力はない」

QB「君の願いが『私たちを助けて』だったら、両親も生きていたかもしれないね」

マミ「……」シュウウ…

QB「おお、ソウルジェムが真っ黒に」

QB(もう少し希望を味わってから堕ちてほしかったんだけど)

QB(仕方ない、短い時間で感情エネルギーが回収できるだけ良しとしよう)

QB「……」

マミ「……」シュウウ…

QB「……」

マミ「……」シュウウ…

QB「……?」

マミ「……」シュウウ…

QB(あれ? 魔女化しないな)

マミ「……」シュウウ…

QB(何かおかしいぞ)

マミ「……」シュウウ…

QB(……!?)

QB(溜め込んでおいた絶望エネルギーが急速に減っていっている!?)

QB(何てことだ! 巴マミの正確な願いは『助けて、キュゥべえ』)

QB(この女、僕の溜め込んだエネルギーを横取りして魔女化を防いでいる!)

QB「き、希望を持つんだ、巴マミ!」

マミ「……?」シュウ…

QB「せっかく命が助かったんだ、君が絶望してたら両親も悲しむよ!」

QB「両親の分も、君は希望を持って生きるんだ!」

QB「大丈夫、僕がついてるよ!」

マミ「キュゥべえ……」

QB(なんとか立ち直ってもらわないと、このままじゃ僕のエネルギーが根こそぎ取られてしまう!)

数ヶ月じゃなくて数年前って言ってたような
まあどうでもいいけど

マミ「でも、これから私、どうしたら……」

QB「巴マミ、君はこれから魔女との戦いに身を置かなくちゃいけない」

QB「でも大丈夫、君は魔女に対抗するだけの力を手に入れたんだ」

QB「さあ、僕と一緒に魔女を倒しに行こう!」

QB(早く戦い方を覚えてもらおう。そうすれば自給自足でやっていけるだろうし、なんなら適当に戦死してくれても……)

マミ「……」シュウウ…

QB「えっ」

マミ「こんなことがあって、すぐに切り替えられる訳ないじゃない……」

QB「巴マミ、残念だけど君はもう魔法少女なんだ。魔女との戦いは待ってはくれn」

シュウウウ!

QB「そうだね、傷を癒す時間って必要だと思うんだ」

それから駆けつけた警察に保護され、
なんやかんやあってマミ宅


マミ「ようやく帰ってこれたわ……」ボフッ

マミ「でも、パパとママのお葬式に、これからの生活……私、どうしたら」シュウウ…

QB「ぼ、葬儀の段取りは僕が調べておくから大丈夫だよ!」

マミ「本当?」

QB「僕たちは高度な学習能力を持っているからね、それじゃあさっそく調べに」

マミ「一人にしないで……」シュウウ…

QB「えっ、じゃあ僕はいつ情報を得れば」

マミ「……」シュウウ…

QB「」

深夜


マミ「すぅ……すぅ……」

QB「ようやく寝付いてくれたか……」

QB「よし、今のうちに情報収集しないと」モゾモゾ

マミ「……」パチッ

QB「!?」

マミ「キュゥべえ、どこいくの……?」シュウウ…

QB「どこにも行かないさ! 安心してお休み!」

翌日

QB(なんとか抜け出して、情報収集に成功した……)

マミ「ありがとうキュゥべえ。私、うまくやれそうだわ」

QB「それは何よりだよ」

QB(こんなにスリリングな情報収集はなかったよ)ゲソ…

それから


QB「よし、いよいよ魔女との戦いを覚えてもらうよ」

マミ「ええ、私頑張るわ」

QB「まずはソウルジェムを見るんだ。光が点滅するような反応があるだろう?」

マミ「真っ黒でまったく光らないわ」

QB「」

マミ「すごい、光が戻っていくわ!」パアア

QB「それがグリーフシードの力さ。ソウルジェムを浄化して、魔力を回復させてくれるんだ」

QB(ストックしておいた貴重なグリーフシードが……)

マミ「この反応を便りに魔女を探すのね?」

QB「……うん、地道な作業だけど頑張っていこう」

QB(そうさ、戦い方を覚えてもらうまでの辛抱さ)

結界内

魔女「カカカカカッ」シュバッ

マミ「きゃあっ!?」

QB「落ち着いて対処して! 君の魔力ならたいした敵じゃないよ!」

マミ「ええ……えいっ!」ドンッドンッドンッ

魔女「カ?」スカッスカッスカッ

QB「この距離でどうやったら全弾外すんだい? わけがわからないよ」

マミ「……」シュウウ…

QB「ドンマイ! 初めてであんなに連射できるなんてすごいよ! この調子でいこう!」

マミ「はあ、はあっ……!」

QB(なんて効率の悪い戦い方なんだ……これは戦死してもらった方が楽なんじゃないかな)

魔女「カーッ!」ザシュッ!

マミ「あぐっ!?」

QB(おおっ、ナイス!)

マミ「い、痛あ……」シュウウ…

QB(僕のエネルギーを使って回復していくだって!?)

QB「巴マミ、僕がナビゲートするからその通りに避けるんだ!」

マミ「ええい!」ドウンッ

魔女「グアーッ!!!」ズズズズズ…

マミ「なんとか勝ったわ……」

QB「よく頑張ったね、巴マミ。これでグリーフシードが手に入ったよ」

QB(消費した魔力を回復するだけでトントンじゃないか……これは先が思いやられるぞ)




マミ「そういえば、お腹がすいたわ……」

QB「ご飯を食べればいいじゃないか」

マミ「ええ、そうね……」

QB「……」

マミ「……」

QB「……」

マミ「……」

QB「……」

マミ「……」シュウウ…

QB「料理ができないなら覚えよう。うん、僕も協力するから!」

それからというもの


マミ「痛っ、指を切ったわ……」シュウウ…

QB「この消毒液と絆創膏を使って!」ササッ


苦悩の日々が


マミ「問題が解けないわ……」シュウウ…

QB「x=0として計算してみるんだ!」ヒソヒソ


続いた……


教師「はい、二人組作ってー」

マミ「……」シュウウ…

QB「僕がついてるよ!」ババッ

QB「駄目だ……巴マミ、君には生活能力と学習能力とコミュニケーション能力が欠如しすぎているよ……」ゲッソリ

QB「そもそも感情エネルギーの回収が見込めないソウルジェムになんて、何の存在価値もない」

QB「回復の暇もなく、一撃で命を奪える強力な魔女なら」

マミ「……キュゥべえ」

QB「きゅいっ」ビクッ

マミ「むにゃ……すぅ……」

QB「何だ、寝言か……」

マミ「んぅ……キュゥべえ……」

QB「……」

マミ「……ありがとう……」

QB「……」


QB「……わけがわからないよ」

それからも

マミ「見て、キュゥべえ! 野菜炒めが作れるようになったわ!」

QB「マミ、塩と砂糖を間違えてるよ……」ウップ

マミ「……」シュウウ…

QB「美味い! 美味いよマミッ!」ハムッハフハフッハフッ

日々は

マミ「必殺技を完成させたわ! その名もティロ・フィナーレよ!」マミーン!

QB「……」ウワア…

マミ「……」シュウウ…

QB「素晴らしいセンスだよマミッ!」

続いた……

教師「はい、二人組作ってー」

マミ「……あの、組んでもらってもいいかしら?」オドオド

QB(頑張れマミ! 僕は見守っているよ!)

俺「ほら……」

マミ「?」

俺「なってやるよ…友達に…」

なんでベテランのはずのマミにずっと付いてるのかと思ったがこういうことだったんだな

マミ「くっ……!」ザザッ

QB「大丈夫かい、マミ!?」

マミ「な……何ともないわ、このくらい……」

QB「すぐに次の攻撃が来る! この魔力差じゃマミは……!」

マミ「大丈夫よキュゥべえ、心配しないで……」ググッ

QB「マミ……」

マミ「ティロッ! フィナーレッ!」ゴオオッ!!

QB「……」

QB「もうすぐ、ワルプルギスの夜が来る」

QB「マミは強い魔法少女になった。持てる資質を十分に引き出した」

QB「それでも、ワルプルギスの夜には勝てないだろう」

QB「僕は……」

QB「……」

>>67
マミった時のQBの心境

                      人人
        (iii)  (iii)     < ウ >
 人人   //   \\    < オ >
< イ >// / ̄\ \ \   < オ >
< ェ >\\ |(゚) (゚) |/ /   < オ >
< ス > \\|. ∩..| /    < オ >    
< ! >.  \\∪//     < オ >
< イ >   (  ̄  )        YYY    
< .ェ >  .. |    |
< .ェ >  .. |    |
< ス >  .. |    |
 YYY    / /\ \
      / /   \ \


  人人               人人
< ウ >   /~~T~~\  <ウ .>
< オ >  / / ̄\ \ <オ .>
< .ォ > | /|(゚) (゚) |\|< ッ >

< オ > //|. ∩ |\\ YYY
< オ >. \\\∪/// 
< ォ >  |\\  //|
< オ >  | (iii) (iii) |

 YYY    ||    || 
      ..(__)    (__)

まどか「契約して友達にって、どういう……」

さやか「あたしたちも、マミさんみたいに戦うってこと?」

QB「その通りだよ、鹿目まどか、美樹さやか。魔法少女になって、マミと一緒に戦ってほしいんだ」

ほむら「その必要はないわ」ズイッ

まどか「ほむらちゃん!?」

さやか「転校生!?」

ほむら「情に訴えた手を使うようになったものね、キュゥべえ。いえ、インキュベーター」

QB「暁美ほむら……」

ほむら「騙されてはいけないわ、鹿目まどか、美樹さやか」

ほむら「こいつの本当の名前はインキュベーター。願いと引き換えに、永遠に魔女と戦い続ける運命を背負わせる、死の案内人」

ほむら「魔法少女となった少女は魂を抜かれ、生きた体を失う。そしてその魂……ソウルジェムが汚れきった時、魔法少女は魔女へと変わる」

さやか「そんな……本当なの!?」

まどか「それじゃ、マミさんも……?」

QB「……」

QB「そうだよ」

QB「暁美ほむら、どこで知ったのか知らないが、確かにそれが魔法少女さ」

QB「魔法を使うほど、絶望するほど、ソウルジェムは汚れを溜めていく。それを浄化できるのは魔女の持つグリーフシードだけだ」

QB「マミは一人で、そういう戦いを続けてきた」

QB「君たちは、今の話で騙されたって思うかい? 魔法少女になんかなりたくないって、思ってしまったかい?」

QB「暁美ほむら、君にはもう、僕の言うことなんてひとつも信用できないかい?」

QB「……それでも」





QB「僕と契約して、マミの友達になってよ!」

マミ「鹿目さんと美樹さん、残念だったわね。彼女たち、いい魔法少女になれたでしょうに」

QB「マミ……」

マミ「大丈夫よ、キュゥべえ。私、強くなったもの。十分戦える。今までだってそうしてきたじゃない」ジャキッ

QB「……」

マミ「それにね、キュゥべえ。貴方がついていてくれてる。貴方がいてくれれば、私、何も怖くない」スッ

マミ「私、一人じゃないもの……!」タタッ

QB「マミ! 駄目だ、そいつは!」

シャルロッテ「……」ガパア

マミ「あ……」

ダダダダダッ

さやか「キュゥべえ! あたしの願いは『上条恭介の腕を治して』だ!」

QB「美樹さやか!? ……いいんだね!?」

さやか「さっさとしろぉ!」

パアアア…カッ!ガチンッ

さやか「うおおおおおおッ!」ザシュッ!!

まどか「さやかちゃん! キュゥべえ!」タタタッ

QB「鹿目まどかも……どうして……」

まどか「みんなで決めたの。マミさんを一人で戦わせない、見殺しになんてしないって」

さやか「んぐ……くあっ!」ギィンッ!

QB「そうだ、マミは!? マミはどこ!?」

さやか「そんな……間に合わなかったの?」

まどか「さやかちゃん、前!」

シャルロッテ「……」グアアアッ

さやか「……!」

ドンッドンッドォンッ

まどか「わ!? 爆発して、崩れてく……」

シャルロッテ「……」ズズ…ン

ほむら「間一髪だったわ」ガッシリ

マミ「みんな……」

さやか「よかった、無事だったんだ」ヘナッ

まどか「おっとと、さやかちゃん大丈夫?」ガシッ

QB「暁美ほむら、君まで……」

ほむら「もともと私が協力する条件で二人を連れてきたのよ。美樹さやかの契約は計算外だったけれど」

さやか「だって、マミさん死んじゃうとこだったじゃん! 助けたんなら早く言えよ、転校生!」

マミ「あの、そろそろ降ろして」ジタバタ

QB「みんな」

QB「みんな、ありがとう」

QB「僕たちインキュベーターは感情を持たないけれど、もし僕に感情というものがあったなら」

QB「僕はきっと、涙を流して喜んだに違いない」

マミ「キュゥべえ……」

ほむら「……」

ほむら「インキュベーター……いえ、キュゥべえ」

ほむら「貴方、もう泣いてるわ」

QB「え……?」

QB「さあ、いよいよワルプルギスの夜との決戦だ。みんな、準備はいいかい?」

マミ「もちろん」ジャコッ

さやか「準備万端!」チャキッ

まどか「うん、頑張るよ!」ギリッ

ほむら「問題ないわ」ジャキッ

杏子「みんな気合入ってんなあ」カチャッ

さやか「さーて、一番乗りはもらったあ!」ダンッ

杏子「おい、待てよ!」ダッ

ほむら「ちょ、先行しすぎないで……! もう!」タタッ

まどか「まあまあ、そのサポートが私たちの役目でしょ?」トトト…

マミ「……」

マミ「ねえ、キュゥべえ」

QB「何だい、マミ」

マミ「こんな強敵の前なのに……私、最高に幸せよ」

QB「そうかい、それはよかった」

マミ「……」

QB「……」

マミ「キュゥべえ、私たち、いつまで一緒にいられるの?」

QB「……気付いていたのかい?」

マミ「……」

QB「僕はもう、インキュベーターとしての役割を果たしていない。近いうちに、僕の存在は抹消されるだろう」

マミ「……」

QB「マミはもう美味しい料理も作れるし、射撃も百発百中だし、知らない人にだって頑張って声をかけられるようになった」

QB「大丈夫だよね。僕がいなくなっても、絶望したりしないよね」

マミ「……ええ、大丈夫」

マミ「今の私には支えてくれる仲間がいる。もう、貴方に頼りっきりじゃなくてもやっていけるつもりよ」

QB「……ああ、それを聞いて安心したよ」

マミ「それにね、もし貴方がいなくなっても……」


マミ「貴方に貰ったこの魂があるから、私、何も怖くない」


≪おしまい≫

深夜にお付き合いいただき、ありがとうございました。

初めてのまどマギSS、初めてのVIPでの投下、初めての専ブラ、初めての代行と、
初めて尽くしのスレでしたが、すごく楽しかったです。

代行の>>1、改めてありがとうございます。

不憫でメンタルが弱くて、オサレなマミさんが大好きです。
外道でブレないQBが、一周回って大好きです。
もっと流行れ。

>>23
コミック版で確認したところ、確かに数年前でした。
やってしまいました。

おやすみなさい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom