結衣「アザレアを咲かせて」 (43)

雪乃「アザレア?」

結衣「うん!こないだ優美子たちと千葉植物園にいったんだけど、その時に見たアザレアが凄い綺麗だったんだー」

雪乃「へえ、そうなの。実は私もアザレアをベランダで栽培しているのだけれど、由比ヶ浜さん、良かったら家に見に来ないかしら」

結衣「うん!いくいく!でも、ゆきのんガーデニングとかするんだぁ。ちょっと意外」

雪乃「まあ、マンションのベランダでやるようなものだから大したものではないのだけれどね」

八幡(なんて会話があってからもう2週間。由比ヶ浜は奉仕部に、っていうか学校に来なくなった)

八幡(雪ノ下とケンカでもしたのか?ケンカはある程度仲のいい者通しがするっていうが、学校来なくなるとかどうなってんだ)

八幡(まあ、あの二人の問題だ。俺があれこれ口を出すようなことじゃない。事情も知らないやつに知ったような口きかれたら誰だってむかつくからな……)

八幡(ちなみに俺は雪ノ下の家には御呼ばれしていない。なんなら誘われてすらいないまである。その場にいたのにね。ステルスヒッキ―マジ高性能すぎだろ)

八幡「うーす」ガラガラ

雪乃「あら、引き返す君こんにちわ」

八幡「引き返す君ってもはや動詞になってんじゃねえか……名前間違えるにも限度があるぞ」

雪乃「ごめんなさい。貴方に帰って欲しいという本心がつい口に出てしまったわ」

八幡「帰っていいなら帰るけどよ……由比ヶ浜もこねーしどうせ今日も材木座の依頼メール位しかきてないだろうし」

雪乃「あら、由比ヶ浜さんなら来ているわよ、ほらあそこに」

八幡「は?おいおい何言ってんのお前。だって由比ヶ浜は今日教室に……何アレ?」

結衣「ア・・・・・・ア・・・・・・・」ピクピク

雪乃「比企谷君、貴方如き下等生物が他人に向かってアレなどというのは感心しないわね。ほら見なさい由比ヶ浜さん怒っているじゃない」

八幡「え……これ由比ヶ浜なの?本物?」

雪乃「何を言っているのかしらこの男は。目の腐り具合がついに視力にまで影響を与えるようになったのかしら」

八幡「え、だってお前コレ……頭から花生えてるし……何春だよコレ、いやむしろ多重人格探偵何コだよ」

雪乃「由比ヶ浜さんはアザレアを咲かせたのよ」

八幡「すまん。全く意味が分からん……」

雪乃「そのアザレアは私が育てたの」ドヤア

結衣「ヒ・・・タス・・・・・テ・・・・・・」

雪乃「ほら由比ヶ浜さんカンカンじゃない。比企谷君、早く謝った方が貴方の為よ」

八幡「いや、こいつタスケテとか言ってるよね。どう考えても怒る余裕なんてないじゃねえか」

雪乃「はあ……もういいわ。由比ヶ浜さん。こんな男は放っておいてもう行きましょう。温かい中庭まで連れ出してあげるわ」

結衣「イヤ・・・・・タスケ・・・・・・」ピクピク

八幡(雪ノ下はそう言うと由比ヶ浜?を乗せた車いすを押して部室を去って行った……)

八幡「いや!そんな冷静に状況説明している場合じゃないだろ……!」ダッ!

八幡「あんなもん連れて歩いたら大騒ぎになるぞ……!早く教師、いや警察に……!」

八幡「平塚先生!」

平塚「やあ、比企谷じゃないか。どうしたそんな血相を変えて」

八幡「平塚先生、あの!由比ヶ浜が……!」

平塚「ああ、由比ヶ浜の奴ようやく学校に来たな。最近ずっと休んでいたから心配していたが元気そうだ何よりだ。さっきそこですれ違ったが雪ノ下と楽しそうに中庭の方へ行ったぞ」

八幡「何言ってるんですか先生!由比ヶ浜の頭に花が……!」

平塚「おいおい比企谷、いくら由比ヶ浜の成績が悪いからって数週間休んだくらいで人の頭から花がはえたりするわけないだろう。私も補習の準備をしているし心配は要らんよ」

八幡「先生……ホントに二人とすれ違ったんですか?」

平塚「そんなことで嘘ついてどうするんだ、今日の君はなんか変だぞ」

八幡「クソ!」ダッ!

八幡「クソ!どうなってるんだよ……」

戸塚「おーい八幡!」

八幡(天使の声が聞こえたかと思ったら何だ戸塚か)

八幡「お、おう」

戸塚「八幡どうしたの?凄い汗だよ?それに顔色も悪いし風邪でも引いた?」

八幡「い、いや別に……そ、そうだ戸塚、雪ノ下達見なかったか?」

戸塚「雪ノ下さん?それなら由比ヶ浜さんと一緒に昇降口で会ったよ。そうそう、由比ヶ浜さん学校来たんだね。良かったー」

八幡「その、二人の様子に何かおかしなところなかったか?」

戸塚「おかしなところ?ううん別になかったと思うけどな。いつも通り仲良さ下だったし。あ、八幡もしかして二人とケンカでもしたのかな?」

八幡「あ、ああまあそんな感じでな……」

戸塚「駄目だよーちゃんと仲直りしないと!」

八幡「分かってるよ。それじゃあ」

戸塚「はちまーん!応援してるからねー!」

八幡(学校外に出て二人を探している途中に部活帰りの葉山と戸部に出会った。念のために由比ヶ浜のことを聞いてみたが特に変わったことはなかったと言う……)

八幡「やはり俺の目がおかしいのか……?訳が分からん……」

八幡「ただいま……」

小町「あ、お兄ちゃんもう帰ってきたの?小町まだご飯作ってないよ?」

八幡「あん?ボッチの俺がそんな帰るの遅くなるわけないだろ」

小町「いやーだってさっき結衣さんから奉仕部のみんなでケーキってメールが……あ、お兄ちゃん誘われなかったんだね……ゴメン……」

八幡「憐れむような視線むけんじゃねえ。……メール?おい小町、ちょっと携帯貸せ」ガシ!

小町「ちょっと!?お兄ちゃん!?」

八幡(携帯に表示されたメールには一枚の画像が添付されていた)

八幡(手前のテーブル、その上にケーキ。そしてその奥の椅子には脳を露出させ花を生やした由比ヶ浜の姿があった)

八幡「ヒッ……!」ポロ

小町「もうお兄ちゃんってば人のケータイ勝手に見ないでよね!」プンスカ

八幡「あ、ああわりい」

小町「まったくおにいちゃんはほんとごみいちゃんなんだからもー」

八幡(もしかして壮大なドッキリなのか?コレは)

翌日
八幡(登校すると昨日と変わらない、異常な姿の由比ヶ浜の姿があった)

八幡(昨日と違って車いすは三浦が押しているがその異常な光景に誰も突っ込むことはない……)

八幡(もしドッキリだとしても葉山グループの連中ならともかくクラス全員が団結するとも思えん。俺は空気であって嫌われ者ではない、はずだ)

八幡「そうか、やはり俺の頭がおかしいのか」

三浦「でさー」

戸部「マジパねえ」

葉山「へえ、そうなんだ」

海老名「おはよー」

三浦「あ、海老名おはよ。結衣来たよ」

海老名「え?本当に……何、アレ」

三浦「何って海老名、結衣に決まっておんじゃん。あんたともだちの顔忘れちゃったわけ?あーしそういうのよくないと思うんだけど」

葉山「まーまー優美子。久々だしきっとびっくりしたんじゃないかな」

海老名「え?みんなだっておかしいと思わないの!?」

三浦「海老名あんたどーしちゃったの?」

相模「なになにー」

モブ1「どーしたのー」

モブ2「海老名さん大丈夫?」

八幡(海老名に注目が集まっている……あまり目立つ真似はしたくないが……)

八幡「海老名、ちょっと来い」

海老名「ちょ!ヒキタニ君?」

三浦「おいヒキオ!あんた一体何を」

海老名「ごめん優美子ちょっと待ってて!」

奉仕部部室
海老名「ヒキタニ君どうしたの?私今混乱してるんだけど」

八幡「単刀直入に聞くぞ。お前は由比ヶ浜の異常を認識しているのか?」

海老名「え?う、うん結衣の頭が割れてて、中から花が……」オエ

海老名「でもみんな何にもおかしくないっていうし訳が分からないよ」

八幡「やっぱそうか。海老名。俺とお前は同じ認識を持っているようだぞ」

海老名「じゃ、じゃあヒキタニ君にも結衣がおかしく見えるの?」

八幡「ああ。昨日部室で会った時には既にあの状態だった。昨日は雪ノ下が車いすを押していたが」

海老名「でもみんな車いすすら認識していないみたいだけど……」

八幡「最初は俺の頭がおかしくなっているのかと思った。でも他にも認識を共有している奴がいるのなら話は別だ。俺とお前はほとんど何の接点もないし集団幻覚にかかっているとも考えられない」

海老名「そうだね……私たちの共通点なんてはやはちカプが好きなことくらいだし……」

八幡「いや好きじゃねえよ。俺が腐ってんのは眼だけで頭は、……そうか!分かったぞ!」ピロリン!

海老名「ど、どうしたのヒキタニ君、そんな少年探偵が閃いたかのような効果音まで出して」

八幡「俺とお前の共通点だよ。俺は眼、お前は頭ん中が腐っている。二人とも腐った部分がある。これが共通点だ」

海老名「で、でもそれがどうだって」

八幡「俺の考えが正しければこのふざけた話を考えたのは恐らく……」

放課後
雪乃「ねえ比企谷君、急に姉さんを呼び出してほしいだなんて一体どういうことなのかしら」

八幡「それはあの人がここに来れば分かる」

結衣「ヒナ・・・・コロテ・・モウ・・ヤ・・」

海老名「結衣、しっかりして!」

陽乃「ひゃっはろー雪乃ちゃんに比企谷君!急にお姉ちゃんに会いたいだなんて一体どんな風の吹き回しかなぁ?」

雪乃「姉さん、入るときはノックくらい……」

陽乃「ブー呼び出しておいて酷いよー。ん?そっちの人は」

海老名「はじめまして。え、海老名姫奈です……」

陽乃「こんにちは。雪乃ちゃんの姉の雪ノ下陽乃だよ!よろしくね!」

八幡「陽乃さん、貴方を呼んでほしいと雪ノ下に頼んだのは俺です」

陽乃「比企谷君が?なになに?もしかして愛の告白かな?」

八幡「茶番はやめましょうよ。犯人は貴女ですよね」

陽乃「……犯人?なんおことかな?かな?」

八幡「俺に幻覚を、由比ヶ浜の頭から、花が生えているかのような幻覚を見せている犯人です」

雪乃「幻覚?」

八幡「ああ。俺は昨日から由比ヶ浜がとんでもなくグロテスクな状態に見えていたんだ」

雪乃「それで、様子がおかしかったのね……でも比企谷君、自分の頭がおかしいのを人の姉にするのはやめてくれないかしら」

八幡「いいや。犯人は陽乃さんだ。彼女は特定の人の脳に幻覚を見せる装置を開発し、俺に幻覚を見せていたんだ」」

雪乃「はあ……」

陽乃「……はははは!比企谷君!面白ーい!それでそれで、その特定の人間ってのが君なの?あははははまるで推理小説だね」

八幡「正確に言えば違う。そんな装置を作るためには俺個人の詳細なデータが必要になるでしょう。ボッチの俺は生きていても周りに多くの痕跡を残したりはしない。データはとてもじゃないが足りないはずだ」

八幡「ではどうしたか。陽乃さん、貴方は比企谷八幡個人ではなく、俺の持つパーソナリティーに目を付けました。そう『腐っていること』です」

八幡「不況が続く現代社会です。腐った人間ならそこらじゅうにデータも取りやすかったでしょうね」

陽乃「……」

八幡「しかし、貴方は一つミスを犯しました。一件イキイキした人間ばかりの高校というコミュニティに、俺意外にも一人、腐った人間がいたんですよ」

陽乃「それが、彼女ってわけね」

海老名「……」

八幡「彼女がいなければ仕掛けに気が付きませんでしたよ。一度は自分が狂ったんじゃないかと疑ったほどです」

陽乃「ふーん……。なかなか面白い話だけどさあそれって結局君とそっちのメガネっこが幻覚を見ていたってだけの話だよね。それでどうして私がその幻覚を見せた犯人ってことになるのかな」

八幡「ある特徴を持った人間だけに幻覚を見せる。つまりは脳に外部から影響を与えるということ。そんなとんでもないことを実現するには理系の深い知識が必要になります」

八幡「実際文系の俺には一体どんな仕組みなのかそれは全くわかりません。しかし分かることもある。それは……」

陽乃「それは?」

八幡「そこまで優れた知能を持っており、なおかつこんなわけのわからんことをする理系の人物は俺の少ない知り合いの中には、陽乃さん、貴方しかいないんですよ」

陽乃「……さすが名探偵、見事な推理だわ、とは到底言えないね。肝心の仕掛けについてとか全く説明になってないし、推理小説ならアマゾンで★一つ評価だよ」

八幡「……」

陽乃「でも、こんなめちゃくちゃな思考で答えにたどり着くなんて、比企谷君は凄いなあ。お姉さん勘のいいガキは嫌いだけど賢いガキは好きだよ」

八幡「じゃあ、認めるんですね」

陽乃「うん。今回の騒動の仕掛け人は私だよ。ばれちゃったなら仕方ないね。認めるよ」

八幡「あの、どうしてこんなことをしたんですかね……」

陽乃「それを話す前にまずは仕掛けを解かないとね。ホラ」ポイ!

八幡「これは?」

陽乃「出来たよ!今発生してる幻覚を解除するスイッチだ!」

八幡「何ですかそのノリ……」

陽乃「私の所属してる研究室の教授の物まねだよ。似てた?」

八幡「知らねえよ……でも、これで元の由比ヶ浜に戻るんですね」ポチ
ぎゅいーーーーんぴかーーーーん!!

八幡「これで全て解決だ。おい由比ヶ浜、大丈夫か」

結衣「イタイ・・・・・・タスケテ・・・・・・ヒッキー・・・・・・」

八幡「あの、陽乃さんこのスイッチ壊れて……」

雪乃「嘘……由比ヶ浜さん……!?嫌……だってあれは夢で……いや現実……?嫌……こんなの……!」

八幡「おい雪ノ下、どうしたんだよ急に取り乱して」

雪乃「私が……由比ヶ浜さんを……!」

陽乃「比企谷君、犯人が分かったからってすぐに気を抜きすぎだよ。事件の真実っていうのは法廷で明らかになるものなんだ。犯人当てて終わりなのは小説の世界だけだよ」

八幡「は?どういうことです?」

陽乃「いったよね?仕掛けの説明がなってないって。あの部分ちょっと間違っているんだよ」

陽乃「腐っている人間、そこに目を向けたところまではあっているよでもね。そこから先の仕組みは実際のところ全くの逆なんだ」

八幡「逆って……」

海老名「つまり、どういうことなんだってばよ……」

陽乃「私の作った仕掛けは腐った人間に幻覚を見せる装置ではなく腐った人間以外に幻覚を見せる装置だったのさ」

八幡「それじゃあ……由比ヶ浜は本当のに……」

陽乃「頭が割れて脳からアザレアを咲かせているってことだね」

海老名「嘘……でしょ」

陽乃「二週間前、ガハマちゃんが雪乃ちゃんの家に遊びに来たことは、君も知っているね?」

八幡「はい」

陽乃「その時に二人はあることでケンカになってね。あ、その中身はプライバシーだから伏せるよ?」

陽乃「で、逆上した雪乃ちゃんは鉈でガハマちゃんの頭カチ割っちゃったんだ。あ、ちなみにアザレアはその時偶然傷から混入したものだよ」

陽乃「で、正気に戻った雪乃ちゃんが私に泣きついて」

八幡「由比ヶ浜があたかも正常であるかのように認識させるスイッチを作ったってことですか」

陽乃「その通りだよ。スイッチを押した後の雪乃ちゃんは自分の都合のいいように記憶を改ざんしてたみたいだね」

八幡「でも、それならなんでこんな、俺に、いや腐った人間には効かないという穴を作ったんですか…?」

陽乃「雪乃ちゃんは可愛い妹だけれど、やっぱりしたことは犯罪だから……もし真実が明らかになるのならって、少しだけそう思ったんだ……」

平塚「おい、みんないるか……ってなんじゃこりゃー!」

八幡(部室にやってきた平塚先生によって警察に通報雪ノ下は逮捕、陽乃さんも参考人として連行された。
奉仕部は当然廃部。俺達の間違った青春ラブコメはこうして終わりを告げた
俺は海老名とともに由比ヶ浜の介護に勤しんだがなんだかんだで由比ヶ浜はすぐに死んでしまって、俺は海老名と結婚した)

終わりです
それではお聞きください
やなぎなぎさんでユキトキ
http://m.youtube.com/watch?v=-jDE0biy_Gg&desktop_uri=%2Fwatch%3Fv%3D-jDE0biy_Gg

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、ゆきの達のみんなへのメッセジをどぞ

ゆきの「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

ゆい「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

えびな「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

はれの「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

しずか「・・・結婚したい」ファサ

では、

ゆきの、ゆい、えびな、はれの、大岡「皆さんありがとうございました!」



ゆきの、ゆい、えびな、はれの「って、なんで童貞風見鶏が!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月22日 (月) 21:51:55   ID: 1SVKVh0j

はれのってだれだよww
てか、グロいわww

2 :  SS好きの774さん   2015年03月18日 (水) 07:58:02   ID: AW-cUZvL

大岡のことは、せめて名前でよんでやれよww

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