苗木「ノナリーゲーム……?」 (19)

苗木「うぅ……頭が……ここ、どこだ?」

希望ヶ峰学園の校門をくぐったところまでは覚えているが、気がつくとなぜか教室内にいた
更に様子がおかしく、窓という窓が鉄板で打ち付けられていた

苗木「……とりあえず教室から出よう」

バタバタと慌てて教室を出ると、廊下には生徒が大勢いた

石丸「遅い、遅いぞ君!」

そのうちの一人に叱咤された
彼は超高校級の風紀委員、石丸清多夏だ
2chのスレッド内で話題になっていた
確か彼は山田クンに殺され……

殺される?

そんなはずはない
僕はもちろん殺人現場に遭遇したことはないし、それどころか石丸クンや山田クンに会ったことすらない
しかし、血を流して倒れる石丸クンの映像が脳裏にこびりついて離れなかった

?「おぉーい!」

そんなことを考えていると、この場には似つかわしくない甲高い声が放送用のスピーカーから聞こえてきた

?「みんな今すぐ体育館に集まってよ!」

放送している主はそれだけ言うとぶつんと途切れた

葉隠「な、なんだべ! なにがどうなってるんだべ!」

落ち着けクズ
その言葉が喉まで出かかったところで、考え直した
この男は超高校級の占い師、葉隠康比呂だ
スレッドでも色々と言われていたが、僕はなぜこの男がクズだと知っているんだろう……?

一同はぞろぞろと体育館に向かっていた
僕もそれに従い、体育館へと向かう

体育館のステージにはスクリーンが設置されており、そこに中国の皇帝のような服装を纏った二足歩行のウサギが映し出されていた

?「もぉー、みんな何してるのさ
あたしゃ疲れたよ」

腐川「う、うさぎが喋った!?」

?「それじゃ、始めようか
のなりーげぇぇぇええむ! あんぶれっくすえでぃしょん!」

ゼロ「僕の名前はゼロ三世。ゼロって呼んでよ」

苗木「ノナリーゲーム……?」

いきなり何をさせられるのかと思い、一同はざわめく

ゼロ「みんな手元のバングルを確認してみてよ」

ゼロに言われて気が付いたが、僕らの腕には腕時計のようなものが嵌められており、数字の「5」が表示されていた

十神「おい、俺たちに何をさせる気だ……!」

ゼロ「それを今から説明するんだよ
君たちには「9」と書かれた扉を目指して脱出してもらいます」

ゼロ「君たちのバングルにはそれぞれ番号が振ってあるけど、その数字の合計で扉が開くようになってるよ
「8」と書かれた扉ならバングルに「1」と「2」と「5」の数字を持つ人が一緒だと開く
もちろん組み合わせは無数にあるけどね」

不二咲「だ、脱出できなかったらどうなるのぉ?」

ゼロ「一生ここで暮らしてもらうことになるよ」

朝比奈「そんなのありえないよ!」

山田「女の子と一生閉じ込められる……
なんか、キタ」

ゼロ「他にも説明することはあるけど、とりあえずやってみようか
Have a nice trouble~♪」

ゼロに聞きたいことは山ほどあったが、それだけ言うと映像は途絶えた

大和田「おいふざけんな! ここから出しやがれ!」

十神「うるさいぞ愚民が」

大和田「あぁ!? てめーやんのかコラ!」

十神「俺たちにやるべきことはまずはバングルの数字を確認することだ
ゼロという奴が言うにはゲームさえこなせば脱出できるということだからな
違うか?」

セレス「わたくしもそうするべきだと思いますわ」

大和田「チッ」

僕たちは腕を突き出してお互いのバングルの数字を確認することにした

十神クンがそれぞれの数字を確認していく

十神「数字をまとめよう
「1」石丸、葉隠
「2」大神、山田
「3」桑田、大和田
「4」霧切、舞園
「5」苗木、不二咲
「6」腐川、江ノ島
「7」石丸
「8」セレス
そして「9」がこの俺だ」

大神「この中で「9」の数字になるよう組み合わせ、「9」の書かれた番号の部屋に行けばよいのだな」

十神「ここまで手の混んだことをする奴がそんなに簡単に出してくれるとは思えん」

霧切「番号の書かれた数字ならさっきみつけたわ」

霧切さんの言葉にみんなが振り返る

×番号の書かれた数字
○番号の書かれた扉

霧切「さっき廊下で保健室の扉と視聴覚室の扉に「33」」の番号が書かれていたわ

不二咲「えっとぉ、33っていうことはみんなの数字を足して2で割った数だねぇ」

江ノ島「っていうか計算速すぎるでしょ」

霧切「彼女は超高校級のプログラマー
このくらいすぐに計算できても不思議ではないわ」

桑田「俺一人だけがあほなのかと思って焦ったぜ」

十神「つまりそれぞれが合計で「33」になればどういう組み合わせでもいいという訳だな」

×「1」石丸、葉隠
○「1」朝日奈、葉隠

十神「それならば俺は視聴覚室に行かせてもらおう」

桑田「勝手に決めるんじゃねーよ!」

十神「俺の数字は「9」
数字の大きいものが最初に決めた方が楽に考えられるだろう」

セレス「それなら「8」の私は保健室へ行きますわ」

…………

十神「よし、決まったな」

ああでもない、こうでもないと言い争いながらこのように決まった

視聴覚室組 十神、腐川、舞園、桑田、不二咲、大和田、大神、朝日奈

保健室組  セレス、山田、石丸、霧切、苗木、江ノ島、葉隠

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