綾波「へへ…使徒を殺したあとは小便がしたくなる」(417)


・・・<ネルフ本部廊下>・・・


マヤ「今日は久しぶりに早く終わりそうですね」

リツコ「そうね…最近残業続きだったから肩が凝って…
    ふぅ、イヤね、私も年かしら」

マヤ「なーに言ってるんですか、先輩まだまだお若いじゃないですか」

リツコ「あら?何かしらあの横たわってるの……人!?」

マヤ「た、大変!誰か倒れてる!」


マヤ「大丈夫で…シンジくん!?シンジくんじゃない!
   大丈夫!?しっかりして!」

リツコ「待ちなさいマヤ、あまり揺すってはダメよ。
    いま保安部を呼んだわ。すぐに医務室に運びましょう」


・・・<医務室>・・・


シンジ「すー……すー……」

マヤ「大丈夫なんですか…?シンジくん…」

リツコ「低血糖による昏睡…おそらく栄養失調ね。
    点滴打ってるからすぐに目覚めるはずよ」

マヤ「栄養失調?一体どうして…」

リツ子「さぁ…シンジくんに聞いてみないと……」

シンジ「……ん……ん、あれ…ここは……」

マヤ「シンジくん!」

リツコ「目が覚めたようね」

シンジ「あれ……リツコさん…?なんで……」

リツコ「廊下に倒れてたのよアナタ。栄養失調でね」

シンジ「そ、そうだったんですか……すみません、あの…迷惑かけてしまって……」


リツコ「かまわないわ。それよりも何故?
    ちゃんとご飯食べてるの?」

シンジ「いえ…今週はちょっと……」

マヤ「今週は?」

シンジ「その…絶食週間なんです…」

リツコ「ぜ、絶食週間?どうしてそんなことしてるの!?」

シンジ「そうしないと食費が…その……」


リツコ「食費?ミサトから貰ってないの?」

シンジ「貰ってます…月10万…」

リツコ「充分すぎるじゃない。どうしてそれでそんな…」

シンジ「うち7万がミサトさんのビール代なんです……」

マヤ「え」

リツコ「あきれた……」


マヤ「で、でもそれでも月3万は残るわけでしょう?そんなに切り詰めなくても…」

シンジ「いえ…3人分の食費として10万預かってるので……」

リツコ「3人分の1ヶ月の食費で3万ってわけね…たしかにキツイわね」

シンジ「で、残った3万のうち半分がミサトさんのビールのつまみ代に消えるので…」

リツコ「え!?ちょ、ちょっと待って……じゃあ……」

シンジ「1万5千円でなんとかやりくりしなきゃいけないんです……」


マヤ「でも1週間絶食だなんて…せめて3日に1回食べないとかにしたらどう?」

シンジ「そうすると逆にお腹が減って辛いんです。
    絶食も3日目になると逆に空腹感じなくなるんですよ」

リツコ「そういう問題じゃないでしょマヤ。
    シンジくんもどうしてもっと早く相談してくれなかったの?」

シンジ「すみません……」

マヤ「そ、そうだわ!アスカは大丈夫なのそれで!?」

シンジ「ああ、大丈夫です。アスカにはちゃんと3食作ってますよ。
    アスカは成長期だからちゃんと食べなきゃ…」

マヤ「それはあなたも同じでしょシンジくん!」

シンジ「はは…僕は平気ですよ。もやしさえあれば」


リツコ「もやし?ちょっと待ってシンジくん、あなた普段なに食べてるの?」

シンジ「え?ですからもやし…」

リツコ「もやし以外で」

シンジ「もやしだけですけど…」

リツコ「……」

マヤ「ひどい……」


シンジ「あの、僕もう帰っていいですか?」

リツコ「なに言ってるの?3日は入院してもらうわ」

シンジ「ええ!?」

リツコ「と言うよりあなたはもうミサトの家には帰らなくていいわ」

シンジ「え?」

リツコ「新しい住居はすぐに用意するわ。
    ミサトには私から言っておくから…」

シンジ「や、やめてください!!」

リツコ「どうして?」

シンジ「ミサトさんには…言わないでください…
    そんなことしたらまた……」


リツコ「また?」

シンジ「……」

リツコ「…シンジくん、ここで聞いたことは誰にも言わないから
    話してくれないかしら?このままではあなた死んでしまうわよ」

シンジ「……ミサトさん…お酒を飲むと暴力を……」


マヤ「え……」

シンジ「……」

リツコ「いつから?」

シンジ「…え?」

リツコ「あなた達、最初はうまくやってたじゃない。
    いつからそんな風になってしまったの?」

シンジ「……ミサトさんが…加持さんと別れた時ぐらいから…」

リツコ「……やっぱりね。ミサトが急に太り始めたのもその頃だわね」

シンジ「……」


リツコ「それなのにどうしてミサトにアルコールを与えるの?」

シンジ「お酒を飲んだら暴れるんですけど…
    飲ませなかったらもっと暴れるんです…暴れるって言うか狂うって言うか…」

リツコ「…どういうこと?」

シンジ「一度僕がビール代節約しようと思って…代わりに発泡酒買ってきたんですけど…
    『私にこんな安い酒飲めって言うの!?』って…」

リツコ「殴られたの?」

シンジ「腕折られました」


リツコ「腕!?それって3ヶ月前に階段で転んだって…あの時の骨折ってもしかして…」

シンジ「はい……」

マヤ「なんてこと……」

シンジ「はは…僕はまだいいんです…腕だけで済んだから……」

マヤ「え…まさかアスカが……」

シンジ「いえ……ペンペンが……その時にペンペンが……」


リツコ「ペンペン?たしか病気で亡くなったって……ま、まさか!?」

シンジ「はい…あの時ちょうど運悪くミサトさんの足元にいて…

     そのペンペンにミサトさんがつまずいて…ミサトさんが…怒って……
     ペンペンを…ミサトさんが…ミサトさんがっ……ううっ…」

マヤ「お、落ち着いてシンジくんっ、泣かないで、ね」

シンジ「僕が…節約なんてしようとしなければっ……
     ペンペンも今頃……僕の…僕のせいで……うっ…うああ…っ…」

リツコ「シンジくん、あなたは何も悪くないわ」

シンジ「ペンペン…血だらけで……僕がっ……僕のっ…せいで……!」


マヤ「アスカは?そんなことになってあのアスカが黙って見てると思えないけど…」

シンジ「アスカは……何も言えないです。
     逆らったらパイロット辞めさせられるから……」

リツコ「え?」

シンジ「僕はいいんです…パイロット辞めても。
     でも、僕がいなくなったらアスカが…アスカのご飯が…」

リツコ「ちょっと待ってシンジく…」

シンジ「でも、それでもアスカ…そのペンペンが…こっ…ころされたときっ…は…

     ミサトさんに殴りかかったんです…なんだかんだで、アスカもペンペン可愛がってたから……
     でもやり返されて……あの時からアスカ…右耳が聞こえにくくなって……」

リツコ「シンジくん、聞いて。パイロット辞めさせるって一体?」

シンジ「え?」

リツコ「ミサトにそんな権限ないわよ」


シンジ「え……ええっ!?そ、そうなんですか!?」

リツコ「そうよ、だから心配ないわ。私に任せてちょうだい」

シンジ「でっ、でも今日は帰らないと…!」

リツコ「どうして」

シンジ「晩ご飯作ってないし、ビールもたしかストックがなかったから…!
     早く帰らないとまた…」

リツコ「大丈夫、大丈夫だから、落ち着いて!」

シンジ「ダメです!本当にダメなんです!ミサトさんお酒が切れたら!

     『サハクイエルが私を見てる』とか『壁一面に小さいマトリエルが這ってる』とか言い出してっ!
     アスカ、またアスカがっ…!もう…」

リツコ「マヤ!鎮静剤!!」





・・・<リツコの研究室>・・・

リツコ「…まさかあそこまで酷い状態になってたとはね…」

マヤ「大丈夫でしょうか…シンジくんとアスカ…」

リツコ「…アスカの現在地わかる?」

マヤ「はい…ちょっと待ってください……(カタカタカタ…)
    ……既に葛城三佐の自宅に戻ってますね」

リツコ「ミサトは?」

マヤ「はい…(カタカタカタ…)
    …あっ!帰宅途中です!結構な速度出してますね…あと10分ほどで家に着きそうです!」

リツコ「まずいわね、シンジくんが言ってた通りだとすると。
     ミサト…いえ、アスカを呼び出した方がいいわね」


リツコ「私よ、赤木。アスカ?ええ。

     悪いんだけどすぐ本部まで来てくれないかしら。
     大丈夫よ。ええ。ええ、わかってるから。
     来てから話すわ。とにかく早くそこを出て。いいから早く!」

・・・<コンフォート17>・・・

アスカ「…なんだってのよ

     急いでったって……まだミサト帰ってきてないし…
     ミサト帰ってきた時に家に誰もいなかったら後でまた…
     でもリツコからの緊急の呼び出しだってちゃんと言えば……
     いえ、ミサトにはそんなこと言っても通じないわね…きっとまた殴られる…。
     …私はいいとしても、シンジ…あいつがまた腕折られちゃったりしたら……
     ってかどこほっつき歩いてるのよあのバカ…!
     そうだ、とりあえずアイツも本部に連れて行けば……電話、電話……」

・・・<リツコの研究室>・・・

マヤ「アスカ、葛城三佐の自宅から動きません!」

リツコ「何やってるのアスカ!」

マヤ「葛城三佐!あと3分で自宅に到着します!」

リツコ「まずいわ!」

ツー、ツー、ツー…

リツコ「話し中!?こんな時にどこに電話かけているの!?」

マヤ「あ…もしかしたらシンジくんに……」

リツコ「っ!私としたことが…シンジくんもこっちで保護しているって伝えておくべきだったわ…!」

マヤ「あ……葛城三佐…と、到着してしまいました…」

リツコ「…こっちから行くしかないわね…!」


・・・<コンフォート17>・・・


『プルルルルル……プルルルルル……』

アスカ「…出ない……仕方ないわね…

     なんかリツコ切羽詰ってたみたいな感じだったしアタシだけでも行くしかないか……
     でも…ミサトが帰ってきた時に誰もいなくて、その後にシンジが帰ってきたりしたら……」

プシュ!

アスカ「あ!シンジあんたどこ…」

ミサト「ぶひぃ、あぁ疲れたわあ」

アスカ「ミ、ミサト…」


ミサト「……シンジくんは?」

アスカ「…まだ帰ってきてないわよ」

ミサト「ご飯は?」

アスカ「まだ…」

バシィッ!

アスカ「痛っ!」

ミサト「だぁったらアンタが作っておきなさいよぉ!!」

アスカ「……」

ミサト「なによその目は…パイロット辞めさせられたいのぉ?」

アスカ「くっ…!」

ドゴッ!!

アスカ「ぐぅっ…!ごほっ!ごほっ!」

ミサト「うずくまってる暇があったらさっさとご飯作りなさい!!」

アスカ「ア…アタシ、リツコから呼び出しかかって…今から本部に…」

ドカァッ!!

アスカ「…っ!!」

ミサト「私に餓死しろって言うのアンタはぁ!あぁん!?」

バシッ!!

ミサト「アンタの住んでる部屋は誰が家賃出してると思ってるのぉ!?」

バキッ!!

ミサト「アンタが食べてるご飯は誰がお金出してると思ってるのぉ!!?ああ!?」

ドゴッ!!

アスカ「うっ…うぅっ……」

ミサト「…ちょっと、なに血流してんのよ…汚いわね!!」

ドゴォッ!!

・・・<第三新東京市上空>・・・

ババババババ……


マヤ「…VTOL…よく使用許可が下りましたね…」

リツコ「許可なんてとってないわよ」

マヤ「えっ!?」

リツコ「一刻を争うのよ」

・・・<コンフォート17>・・・

バキィッ!!

ベコッ!!

アスカ「…っ!ごほっ…!」

ミサト「ビールは切らすなって何度も言ったでしょぉがあぁぁ!!」


プシュン


リツコ「ミ、ミサト!?」

マヤ「アスカ!!」

ミサト「ふーっ、ふーっ、な、なぁんの用よ二人ともぉ…
     チャイムも鳴らさずに入ってくるなんてちょっち失礼じゃなぁい?」


マヤ「アスカ!しっかりしてアスカ!!」

アスカ「う…うぅ……」

マヤ「ひどい…なんてこと……」

リツコ「…っ!!」

パシッ!

ミサト「……痛いじゃなぁい…なにすんのよリツコ…」

リツコ「こっちのセリフよ。あなたアスカに何をしてたの」

ミサト「ちょっち戦闘訓練してただけよぉ?それが何か?」


リツコ「とぼけないで。シンジくんから全て聞いているわ」

ミサト「なっ…!?あのクソガキっ…」

マヤ「先輩!アスカが!アスカがっ…呼吸がっ……!」

リツコ「落ち着いてマヤ、気道に血が詰まったんだわ」

ミサト「大げさねえ、無敵の天才美少女の名が泣いちゃうわよぉアスカ…
     これじゃあセカンドチルドレンの座も…」

アスカ「!!…っ、ごほっ…かはっ…」

マヤ「無理しないでアスカ!」

リツコ「大丈夫よ、アスカ。ミサトにそんな権限ないわ」

アスカ「えっ……!?」

ミサト「ちっ」


リツコ「…覚悟はできてるわねミサト」

ミサト「なぁにがぁ?」

リツコ「あなた!こんなことしてタダで済むと思ってるの!?」

ミサト「思ってるわよぉ」

リツコ「…そう、シンジくんの言ってた通りかなりの重症のようね」

アスカ「…っ…ミ、ミサトっ…アンタっ…!今までよくも……!」

マヤ「動かないでアスカ!」

リツコ「…今はアスカを運ぶことが先決ね。
     覚悟しておきなさいミサト」

ミサト「…ダミープラント…地下の巨人…」

リツコ「!!」

ミサト「ぶほほほ、私が知らないとでも思ってたぁ?」


リツコ「ミサト!あなたっ…」

マヤ「出血が…!かなり危険です!先輩!!」

リツコ「…その話は、また今度ねミサト。急ぐわよマヤ!」

ミサト「へいへーい、いってらっしゃーい」



・・・<予告>・・・

ゲンドウ「再婚する」

シンジ「えっ…?だ、誰が…」

ゲンドウ「私だ」

シンジ「ええっ!?誰と!?」

コウゾウ「私だ」

シンジ「なんだ、お前だったのか」


・・・<総司令官執務室>・・・

リツコ「……という事です」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「二人は大丈夫なのかね?」

リツコ「シン…サードの容態は安定してきています。
    あと2日も入院すれば大丈夫でしょう。
    セカンドも肋骨に亀裂が入っていましたが、命に別状はありません」

ゲンドウ「そうか。生きているならばそれで良い」

コウゾウ「葛城三佐の方は何と言っていた?」

リツコ「かいつまんで言えば
    『ばらされたくなければ自分とシンジくんとアスカの同居を継続させろ』
    そんなところです」

コウゾウ「ふむ……しかしわからんな。
     彼女はなぜそうも二人との同居を望んでいるのか」

ゲンドウ「…カネだろう」

リツコ「え?」

ゲンドウ「葛城三佐にはチルドレン二人の養育費として月20万を支給していた」


リツコ「…二人に与えていたのは月1万5千円という話でしたから
    ほとんど彼女の懐に入っていたわけですね」

コウゾウ「ひどい話だな。して、彼女の処遇はどうする?」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「ばらされたくなければ…か。そんなこと言えば消されるのはわかっているだろうに
     普通に考えれば彼女はまだ他に切り札を持っているな」

リツコ「いえ」

コウゾウ「ん?」

リツコ「深読みしすぎです。おそらく彼女はそこまで頭が回っていません」

コウゾウ「まさか。仮にも作戦部長ともあろう者が…」

リツコ「シンジくんから聞いた話と、実際に私が見た限りでは完全に病んでいます。
    まともな思考は働いていないでしょう。おそらく重度のアルコール中毒です」

ゲンドウ「…葛城三佐を呼べ」





『戦術作戦部の葛城ミサト三佐、至急、総司令官執務室まで。繰り返す…』


ミサト「ぐほほ、早速お呼びがかかったわねえ。
    考えてみれば別にあの二人と同居しなくっても
    手っ取り早くカネだけ脅し取っちゃえばいいんだわぁ。私ってば冴えてるわねぇん。
    あ、でもストレス解消が無くなっちゃうわあ…また何か動物でも飼おうかしらぁ」




・・・<総司令官執務室>・・・

ミサト「ぶひー、葛城三佐まいりましたぁ」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「…制服の前をきちんと閉めなさい」

ミサト「閉まらないんすよお、これ一番大きい男用の制服なんですけどねぇ。
    もう1サイズ…いや、これの3サイズ上の制服も作ってくださいなぁ、副司令」

コウゾウ「…君一人のために公費で制服を特注する余裕はない」

ミサト「あーいやだいやだ、これだからネルフはケチって言われるんですよお?」

リツコ「慎みなさい葛城三佐!上官の前よ!」

ミサト「はぁ~?そんな口利いていいのかなぁ~?」

コウゾウ「……君の言ったことがわかったよ赤城博士。
      これは完全に……」

ゲンドウ「ああ、イッている」


ゲンドウ「チルドレンへの虐待、養育費の横領、飲酒運転。
      これらは全て重大な犯罪行為だ。何か言いたいことはあるか」

ミサト「あの地下のダミープラント?あれってヒトクローンですよねえ。
    アレは重大な犯罪行為じゃないんですかぁ~?」

ゲンドウ「…言いたいことはそれだけか」

ミサト「とりあえず給料50%アップでー、あ、あと今まで貰ってた養育費も継続して支給を…」

ゲンドウ「もういい、冬月」

コウゾウ「ああ」 ピッ ポッ パッ

ミサト「ちょっと!人が話してる時にどこに電話かけてんのよ!
    なにその態度!立場わかってんのお!?」

コウゾウ「うむ、手筈通りに。いや、いい。入ってきてくれ」 ピッ

ガチャ

黒服「失礼します」

ミサト「何よあんたたちは」

コウゾウ「連れていきたまえ」

黒服「はっ」


ミサト「ちょっ!ちょっと!離しなさいよ!!
    私にこんなことしていいワケ!?全部ばらすわよ!」

ゲンドウ「黙らせろ」

黒服A「はっ」 ブスッ!

ミサト「痛っ!な、なに刺してんのよ!」

黒服A「(あれ?なぜ麻酔が効かない…?)」

ミサト「はーなーせって言っっっってんのよおお!!」

黒服B「あ、暴れるな!おい!」

ゲンドウ「早く黙らせろ」

黒服B「も、申し訳ありません!お、おい!」

黒服A「いや、いま確かに注射…」

リツコ「脂肪が厚くて血管まで針が届いていないのよ」

コウゾウ「私に任せろ」


ミサト「ぬぬぬぬぅ…!!」

黒服B「くっ…ほ、解かれる…!」

黒服A「もう一回打つ!しっかり抑えてろ!」

ミサト「ぬううぅううりゃああああっっ!!!」

黒服B「ぐあっ!」

ミサト「でりゃあっ!!」

黒服A「ごふっ…!」

ミサト「ふぅ~っ、ふぅ~っ…
    私にこんなことして…もう給料50%アップなんかじゃすまさないわよぉ~…ぶふふふ…」

ゲンドウ「役立たずどもめ…冬月、頼む」

コウゾウ「ああ」


コウゾウ「そこまでだ」

ミサト「よくもやってくれたわねえ、私に麻酔打ってナニしようとしたのかしらぁ、このクソジジイ!」

コウゾウ「破ァッッッ!!」

ドゴォッ!!

ミサト「ぶひぃっ…」 パタリ…

リツコ「す…すごい……あのミサトが掌底1発で…!」

ゲンドウ「さすがは冬月教授」

リツコ「副司令…何か格闘技でもやってらしたのですか?」

コウゾウ「いやなに、昔から登山が趣味でね。体力には自信があるのだよ。
      ほれ、起きたまえ」

黒服A「う…うう…」

コウゾウ「そこに転がっている豚をさっさと連れ出したまえ」

黒服A「も、申し訳ありません…」



ゲンドウ「この場で消してしまっても構わなかったのではないか」

コウゾウ「地下のアレやコレをどこで知ったのか吐かせねばならんだろう」

ゲンドウ「そうか…そっちの方は任せる」

コウゾウ「昔から女の捕虜に対する拷問と言えばアレだが…
      あの肉塊が相手では楽しめそうにもないな」

ゲンドウ「…冬月、官能小説の読みすぎだ」

コウゾウ「冗談は置いといて。自白は赤木博士に任せるよ。
      吐かせた後は解剖するなり実験台にするなり好きにしたまえ」

リツコ「了解しました」

コウゾウ「でだ、碇」

ゲンドウ「なんだ」

コウゾウ「シンジくんのことだが…私の方で引き取っても構わんかね?」


ゲンドウ「お前が?なぜだ」

コウゾウ「中学生の一人暮らしなどあまり好ましくないだろう」

ゲンドウ「レイとてそうだ。問題ない」

コウゾウ「レイは中学生とかそういう次元の話ではないだろう」

ゲンドウ「だからといって何もお前が引き取ることもあるまい。
      適当に保安部員を見繕ってやる」

コウゾウ「…もともと内向的な性格だったが
      今回の件でますます心を閉ざしてしまったのではないかと心配でね」

ゲンドウ「む?」

コウゾウ「父親に裏切られ、家族と言われた保護者に裏切られ…」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「以前も一度家出したようだし、このままではまた…
      いや、家出ならまだいい、下手すると……」

ゲンドウ「……」


リツコ「たしかに。
    葛城三佐がパイロットを辞めさせると脅していたという話をシンジくんから聞きましたが
    そのとき彼は『僕は辞めたって構わない』と言っていましたわ」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「だろう?彼をここに縛り付ける…縛り付けると言うと聞こえが悪いな。
      彼をここに留めておくだけの拠り所は必要だと思うぞ」

ゲンドウ「お前がその拠り所になると言うのか」

コウゾウ「差し出がましい真似かもしれんがね、全く知らない人間よりはいいだろう」

リツコ「もしよろしかったら私がシンジくんを引き取りましょうか?」

>>200
なにそれ


コウゾウ「なに!?」

リツコ「副司令もお忙しいでしょうし」

    (そうだわ!いずれ私がゲンドウさんと結婚したらシンジくんは息子だもの…
     今のうちに親睦を深めておけば後々抵抗なく『お母さん』と呼んでくれるはず!
     いえ、シンジくんを味方に付けることでゲンドウさんとの早期決着も…!)」

コウゾウ「いやいや、気を遣うことはない。忙しいのは君も一緒だろう」

リツコ「いえいえ、副司令ほどじゃありませんわ。私がシンジくんを引き取りますわね」

コウゾウ「いやいやいや、先も言ったが年の割には体力には自信があるのでね
      今さら仕事の1つ2つ増えようと問題ないよ」

リツコ「それに失礼ですが、やはり『副司令』と一緒にいるとシンジくんも肩が凝るのではないでしょうか。
     あ、副司令の人格がどうとかいう話ではなく、立場的な問題で…」

コウゾウ「いやいや、今までだって作戦部長と一緒だったのだ、さしたる問題でもあるまい。
      それを言うなら君とて相応の地位に…」

ゲンドウ「……」

>>206
PSP版のエヴァ2
リツコで進めると男キャラみんな喰う
ゲンドウに至っては奴隷にする

>>209
え、PS2ではそんなことなかった気がするけど
PSPで仕様が変わったの?俺がPS2で遊びきれてなかっただけ?

>>217
PSP版は色々イベントが追加されてるよ
マヤ×青葉とか

>>225
え、青葉ってノーマルだったの?

>>226
お前青葉さんのイケメンっぷりなめんなよ
病んでたマヤを救ったんだぞ


・・・<シンジの病室>・・・


シンジ「……知ってる天井だ」

マヤ「おはよう、シンジくん」

シンジ「…マヤさん?…え…あれ?」

マヤ「昨夜のこと…覚えてる?」

シンジ「昨夜……?…………あぁっ!!」

マヤ「…あのね、シンジくん…」

シンジ「ア、アスカ!アスカは!?
     き、昨日はお酒も切れててご飯も無かったんだ!ミサトさんがどれだけ…!」

マヤ「落ち着い…」

シンジ「い、今何時ですか!?時計…あっ!ろ、6時!!?夜の!?
     か、帰らなきゃ!早く帰らなきゃ!!」

マヤ「落ち着いてシンジくん!葛城さんはもういないわ!」

シンジ「…………え?」

加持さんは生きてるのか?


マヤ「あなた達への虐待が公になってね…解雇されたわ」

シンジ「…解雇?」

マヤ「ええ」

シンジ「あ、あの、じゃあ…もう…」

マヤ「もうあなた達を殴ったりする人はいないわ…
    ご飯も好きなだけ食べていいのよ…」

シンジ「うっ…うぅっ……」

マヤ「ごめんなさい…今まで気付いてあげられなくて…
    大丈夫よ、もう大丈夫だから…泣かないで……」


シンジ「ぐすっ……あ、あの…アスカは…?」

マヤ「……アスカもここにいるわ」

シンジ「ここ…?ここって病院…ま、まさか…」

マヤ「……」

シンジ「そ…そんな!ぶ、無事なんですかアスカは!ど、どこ!?アスカどこにいるんですか!?」

マヤ「ぶ、無事よ、落ち着いて。落ち着いて。

    ただ少し打撲が酷くて…(骨にヒビ入ってることとかは言わない方がいいわね…)
    念のために検査入院してるだけよ、すぐに退院できるわ。アスカも、シンジくんも」

シンジ「そ、そうですか…」


シンジ「僕たち…これからどうなるんでしょう…?」

マヤ「え?」

シンジ「ミサトさんがいなくなったから…住む場所とか…その…生活費とか……」

マヤ「それは今、先輩が司令たちと相談して決めてくれているらしいわ」

シンジ「父さんと…ですか…」

マヤ「……」

シンジ「はは…あの父さんなら今回のこと聞いても『問題ない』とか言ったんでしょうね…」

マヤ「……」

シンジ「まさか父さんが引き取るなんて言うわけないでしょうし…多分、職員用の宿舎に入るんでしょうね…」

マヤ「…そ、そのことなんだけどシンジくん……」

シンジ「はい?」

マヤ「良かったら私のウチに来ない?」

・・・<予告>・・・

カヲル「じゃあ僕と一緒に住まないかい?」

シンジ「うん」

カヲル「ベッドひとつしか無いけれど、構わないよね?」

マリは出ますか?

マヤさん僕も引き取ってください

>>265
四六時中吐いちゃうじゃん




コウゾウ「そういえば君はネコを飼っていたな!
     それはいかん!シンジくんはネコ嫌いだったからな!」

リツコ「そんな話は聞いたことありませんわ!
    ああ!そういえば副司令は和食派でしたわね!それはいけない!
    シンジくんは洋食派なんですよ!食が合わないって結構ストレスになりますものねえ!」

コウゾウ「何を言う!葛城三佐の家に食事に行ったときに食べたという
      シンジくんの作った味噌汁と煮物が最高だったと言っていたのは君ではないか!」

リツコ「はっ!副司令まさかシンジくんの作るご飯が目当てで!?
    それでは葛城三佐と大差ないですわ!」

コウゾウ「俺は何も言っとらん!シンジくんのご飯が美味しいと言っていたのは君だろう!
      君こそシンジくんのご飯目当てではないのかね!?」

ゲンドウ「……」



コウゾウ「そもそもだ!シンジくんの精神的な安定を作るためなのだよこれは!
     赤木君!キミ、自分の人格を客観的に見たまえ!
     キミのような冷酷マッドサイエンティストと一緒に暮らしてどうやって落ち着けるというのだ!」

リツコ「な!?常にアゴをしゃくり上げて人を見下した目線で
    威圧感を放ちながら話す方よりマシだと思いますが!?」

コウゾウ「いつ俺がそんなことをしたのだ!?」

リツコ「いつもです!自分でお気づきになられないので!?」

コウゾウ「馬鹿を言うな!

      俺はこれでも教授時代は生徒には温和で優しい先生として大人気だったのだ!
      ネルフでも碇よりは職員に好かれている自信はあるぞ!」

リツコ「司令より好かれているなんて何の自慢にもなりません!
    むしろ司令より嫌われている人がいたらぜひ見てみたいものですわ!」

ゲンドウ「……」




リツコ「はぁっ…はぁっ……」

コウゾウ「はぁっ……これではラチがあかん」

リツコ「…シンジくんに直接決めてもらうというのはどうでしょうか?」

コウゾウ「…いいだろう、望むところだ」


・・・<シンジの病室>・・・

シンジ「…マヤさんと?」

マヤ「ええ。もちろんシンジくんが良かったらだけど…

    あ、安心して。シンジくんに家事やらせたりなんかしないから。
    私ね、こう見えても結構料理得意なのよ、ふふ。
    そうだ、お小遣いもちゃんとあげるわ。それから…」

バターン!

リツコ「シンジくん!」

コウゾウ「シンジくん!」

マヤ「せ、先輩!?副司令!?」

せっくすまだー


マヤ「ど、どうしたんですかお二人とも…そんな息を切らして…」

コウゾウ「シンジくん、お…私と一緒に住まないかね?」

シンジ「え?」

マヤ「え!?」

リツコ「(ちっ、先制を取られたわね!)
    あー、シンジくん、副司令はこう仰ってるんだけどね
    ほら、副司令って色々と忙しいのよ。だからご迷惑になると思うの。
    だから私と一緒に住まないかしら?」

マヤ「ええ!?」

シンジ「…はい?」

コウゾウ「いやいや、迷惑だなんてとんでもない。
      赤木君、そういう誘導の仕方は感心せんな。
      どうだねシンジくん、私と…」

マヤ「ちょ、ちょっと待ってください!」

リツコ「マヤ、悪いけど後にして。今は大事な…」

マヤ「そうではなくて!シンジくんは私と住むことになったので!」

シンジ「え?」

え?


コウゾウ「なんだとぉ!!」

リツコ「ホント?シンジくん」

シンジ「いえ…今そういう話をしていたんですがその…」

リツコ「まだ決めていないわけね?」

シンジ「はい…決めていないというかそれよりも…」

リツコ「じゃあどうかしらシンジくん、私と一緒に…」

シンジ「あの…」

コウゾウ「あー、シンジくん、小遣いは月10万円でいいかな?」

シンジ「あの、聞いて…」

リツコ「副司令!?やり方が汚いですわ!」

シンジ「聞いてください!!」

>お…私と一緒に住まないかね?

何を言おうとした


コウゾウ「ん?10万で足りないかね?そうか、では…」

シンジ「そうじゃなくて!!アスカはどうなるんですか!?」

マヤ「あ……」

リツコ「(…私としたことが…)」

コウゾウ「(…セカンドの存在をうっかり失念していた…)」

マヤリツコウゾウ「…………」

リツコ「アスカは死んだわ・・・・・・だから私と!」

コウゾウ「いやいやいや、私とだな」


コウゾウ「(そうだ!セカンドも引き込めば…!)ニヤリ…
      ああ、心配ない。セカンドもシンジくんと一緒だ」

リツ子「なっ…!
     (ナニを企んでいるのこのジジイ!)」

コウゾウ「おっと、セカンドもシンジくんと一緒だとすると3人暮らしか。
      赤木君や伊吹二尉の部屋では少し無理があるなあ(ニヤッ)」

リツコ「(くっ…!そういうことね…させないわよ)
    ちょっと待ってください、副司令。
    シンジくんとアスカが一緒に住む必要性が見受けられませんが」

コウゾウ「んん?何を言う、今までも一緒だったのだから当然…」

マヤ「それはユニゾンの訓練の時からなし崩し的に成ったものでは?」

リツコ「ええ。ですから今シンジくんとアスカが一緒に住む必要はありません
    というより常識的に考えてこの年頃の男女を一緒に住まわせるのはどうかと思いますが?」

シンジ「……」


コウゾウ「それは…警備上の問題もあってだな…うん
       チルドレンが一箇所にいることには利点が…」

マヤ「その理屈ならレイが一人暮らしなのはおかしくありませんか?」

リツコ「(ナイスマヤ!)
    そうね。レイはどういうことなんでしょうか副司令?」

コウゾウ「ぐっ…!
      (このエセ金髪め!レイのことはまるで別問題だとわかっておろうに…!
       シンジくんと伊吹二尉の前でそれに言及できないのをいいことに!おのれ!)」


コウゾウ「そ、そうだ!うむ!私もそれは常々おかしいと思っていた!
      よし!この際だ、レイも一緒にウチに住ませよう!」

リツコ「なっ…!
    (やられた!逆手にとられたわ…!いえ!そんなのゲンドウさんが許可するはずないわ!)」

コウゾウ「(ふふ、碇の奴は当然反対するだろうが…
       とりあえず今はこの場でシンジくんとの同居を取り付ければよい!)」

シンジ「あ、綾波も…?」

コウゾウ「うむ。シンジくんは知っているかな?今のレイが住んでいる所はな、それはもう…」

シンジ「あ、知ってます…」

コウゾウ「知っていたか、なら話は早い。だからいい機会なのだ。
      どうかな?レイの為にもうちに来てくれんかねシンジくん」

リツコ「(レイの住居をあそこに決めたのはあんたでしょうがジジイ!!)」

シンジ「そ、そういうことなら…」

コウゾウ「よっしゃ!!」

シンジ「え?」

コウゾウ「あ、ゴホン、いや、なんでもない…」

バット「どうしてこんなスレを支援してやるんだ?」

ケン「同じ作品を愛した男だから」


リツコ「待ってください!レイやアスカの意見を聞かず決めるのは早計ではありませんか?」

コウゾウ「…まあ、そうだな。彼女らにはこれから聞いていくとして…
      とりあえずシンジくんがウチに来るのは確定だな」

マヤ「いいえ!シンジくんもレイとアスカが一緒ならという意味で了承したのでしょう!?
    ねえシンジくん!?」

シンジ「え…いや、あの…」

コウゾウ「まあまあ落ち着きたまえ、シンジくんは病人だぞ。
      話も一段落ついたところだし今日はもう休ませてあげたまえ。
      それでは我々は引き上げようか、赤城君、伊吹君」

リツコ「(くっ…!シンジくんの体を労わるように見せて
     自分に都合の良い段階で強引に終わりの雰囲気を作ったわね…!この狸ジジイ!)」

・・・<予告>・・・

そんな感じでシンジとアスカの退院まで、マヤ・リツコ・コウゾウの間で幾度となく争いが繰り広げられましたが
老獪なコウゾウの手練手管により、コウゾウがシンジくんとの同居権をGETしました。
そしてコウゾウ宅で繰り広げられるシンジを巡る熾烈な争い。
次回、第2章…は、ありません。眠い。寝る。おやすみ。

                                        ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                         d⌒) ./| _ノ  __ノ

マリ「ワンコ君は私が飼ってあげるにゃ」

マリ「ワンコ君ご飯まだ?」

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