斎藤「あっ…!!!マーくんと身体が入れ替わった!?」 (670)

田中 22勝0敗1Sでシーズンを終える

「マーくんメジャー挑戦か!?」

「メジャーで既に多くの球団が視察」

田中「…色々あったシーズンだったな」

マー君は球場の周りを自転車で走っていた

携帯をいじながら乗っていたため前方をちゃんと確認することが出来ず

ドンッ

田中「いたっ…!」

斎藤「うっ」

球場の外を走っていた斎藤祐樹とぶつかった

田中「やっと・・・やっと元の体に戻った・・・」

斎藤「あぁ・・・あの甲子園決勝後に入れ替わって以来だな・・・」

やっぱり斎藤は天才投手やったんや
って展開で

田中「あいてててっ…」

斎藤「っ…」

田中「大丈夫ですか…?えっと…」

斎藤「あん?お前…斎藤か……?」

田中「えっ?」

斎藤「あれ……どうなってんだこの身体……」

田中「マーくん、もしかして」

斎藤(う、嘘だろ……)

2人の身体は入れ替わっていた

斎藤 132km コンD スタE スライダー2 カーブ1

マーくん 156km コンB スタA  ツーシーム SFF6 Hスライダー4 カーブ2 チェンジアップ2 特殊能力多数

斎藤「俺が斎藤の身体と入れ替わったってことか・・・」

田中「じゃあ、そういう訳でよろしく」

斎藤「お、おい!なんでそんなに冷静でいられるんだよ?」

田中「なんでって…こんなに素晴らしい選手の身体を手に入れることが出来たからね」

斎藤「ふざけるな…!!俺の身体だぞ!!」

田中「地位も…名誉も……力も全て手に入った…!!」

斎藤「返せよ俺の身体!!」

田中「じゃあ、僕はこれで帰るよ。来シーズン楽しみにしておいてくれ。」

斎藤「だ、誰か…!!そいつ斎藤です!!捕まえてください!!」

まーくん「お姉ちゃん!!!」
姉「まーくん!!」
まーくん「お姉ちゃん!!!」
姉「まーくん!!」
まーくん「お姉ちゃん!!!」
姉「まーくん!!」

斎藤は入れ替わった事に対して乗り気である

それもそのはず、現在成績不振の斎藤にとって田中の身体と入れ替わることが出来るなんて

願ってもないことであった

途方に暮れ球場の外をトボトボと歩いている斎藤(田中)

斎藤「はぁ…これから俺はどうすればいいんだ…」

斎藤「確か斎藤って2軍でも成績が振るわないって聞いたし」

斎藤「1軍のマウンドで投げることなんてもう出来ないのか…」


ガチャッ

田中「ただいま」

里田「おかえり~、夕飯の用意してるからもう少し待っててね?」

田中(うは…すげぇ…里田さんって確か料理すごい上手いって聞いたことが…)

-1時間後‐

里田「お待たせ!」

スッ

田中「…!!!」

手作りの料理が田中(斎藤)の前に並べられた

田中(ど、どれだけ作ったんだ…5品…いや7品もある……)

里田「メジャー挑戦の為にもしっかりと身体作らないとね!」

田中「フフフ」


斎藤「あっ…食堂閉まってる…」

斎藤「仕方ない、なにかコンビニで買いに行くか…」

斎藤は自転車に乗って近くのコンビニへと向かった

‐コンビニ‐

斎藤「…ふう」

店員「いらっしゃいませえ」

小学生「あっ!斎藤選手だ!!」

斎藤「や、やあ」

小学生B「斎藤って全然あかんやんw」

小学生「どうしていつも2軍にいるんですか?」

斎藤「……っ」

斎藤(どうして俺がこんな目に…本当は俺はマーくんなんだ…)

小学生B「斎藤のフォームって左足が棒立ちになってるからあかんねんってw」

小学生「斎藤選手は甲子園でマーくんに投げ勝ったんだぞ!」

斎藤「…!」

小学生「そんなんマグレや、今では2軍ですら結果残せへん投手に成り下がってる」

-コンビニ-

ウィーン

店員「いらっしゃっせー」

斎藤「コンビニ弁当なんて小学校以来だよ・・・」

若者「おいあれ・・・w」

若者「カイエン青山がコンビニ弁当買ってるww」パシャッ 

斎藤「・・・・・・・」

店員「782円になりやーす」

斎藤「ども」チャリーン

店員「ありぃとやしたー」



斎藤「あ・・・どこに帰ればいいんだ・・・・・・?」

>>57
誰やねん・・・

小学生B「斎藤はもう再起できひんわw」

小学生「そんなことない…!!」

小学生の1人は今にも泣きそうな顔をしていた

それを見た斎藤(田中)はチョコバットを箱買いした

斎藤「これ、2人で分けてくれ」

スッ

小学生「ちょ…チョコバットだ!!」

小学生B「年棒低いのに無理すんなや」

斎藤「確かに今は成績不振に悩んでいるけど」

斎藤「約束するよ、必ず来シーズンでは俺とマーくんが投げ合えるぐらいに成長するって」

小学生「ほんと!?」

小学生B「そんなん嘘や!!!」

斎藤「君達と俺の約束だ」

里田「あんっあんっ」

田中「うおおおおおっ」パンパンパンッ

里田「ちょ・・・いつもより・・・激っ・・・あっ・・・・・・」

田中「おらぁ!!!!うっ・・・・!!」ビュルルドビュッシー

里田「はぁ・・・はぁ・・・」

田中「いい締りだったぜ」




-公園-

斎藤「寒い・・・・・」モグモグ

斎藤(田中)はコンビニを立ち去り

自転車をコンビニ前に置いたままランニングにへと向かった

斎藤(どん底から這い上がってやる…!)


田中「メジャーはまだ挑戦しないことにしたんだ」

里田「え!?気持ちが変わっちゃったの?」

田中「もう少し国内で野球をしていたいんだ」

里田「……そう、でもそれは貴方が決めることよね」

田中(国内でもっと暴れまくって歓声を浴びたい…!早く試合がしたい…!)

眠たいし乗っ取りのほうにも需要あるみたいだから寝る
残ってたら明日書く

開幕前のキャンプがいよいよ始まった

ズバンッ

スパンッ

田中「フンっ…!!!」

嶋「ナイスボール!」

星野「今年も調子良さそうやな…もう俺からは何も言うことないわ」

田中「ありがとうございます」


斎藤「ハァハァ…」

ブルペン入りでアピールをするつもりだったが

50球を投げ終えた辺りで息切れが始まった

栗山(今年もダメそうだな…開幕投手は翔平でいこう)

斎藤(あれだけ走り込みと投げ込みをしたのに…スタミナが全然ついてない…)

鶴岡「斎藤、もうやめとくか?」

斎藤「もう1球…もう1球投げさせて下さい…」

鶴岡「お前は一応、前のシーズンに怪我してたんだから無理するなよ」

斎藤「お願いします…」

鶴岡「わ、分かった」

鶴岡(いつもと雰囲気が違う気が…気のせいか)

斎藤(田中)のコントロールが少し上がった、スタミナが上がった


記者「斎藤はどうアピールしてももう無理だろうな~」

記者B「お、おい!!次大谷がブルペンで投げるぞ!!」

記者「…!!」

ブルペンの真ん中の位置に大谷が入って来た

大谷「よろしくお願いします」

記者「打者としては落合の才能、投手としてはダルビッシュの才能を持つ大谷…!」

記者「今シーズンがますます楽しみだな」

パシャパシャッ

栗山(翔平は開幕投手決定だな…マスコミの話題にもなる)

斎藤「大谷翔平…去年は打者としても投手としても出てたんだったな…」

ズパンッ

鶴岡「ナイスボール!」

大谷「…」

斎藤(良いストレートを投げるが、まだまだだな…)

記者「そういえば、この後大谷はバッティング練習もするんだろ?」

記者B「ああ、二刀流だからな」

斎藤(打撃練習…)

斎藤「はぁっ!」
目覚めたらそこはベッドの上だった。
田中と入れ替わった斎藤という存在。
それは田中との絶望的な実力格差を見せ付けられ、反射的に現実逃避を希求する斎藤の心の動きが起こした一時の幻影だったのだ。
斎藤「…」
斎藤は窓辺に降り注ぐ日差しに目を細め、天井に視線を移す。
あの時から。そう、プロ野球という環境で自分の無力さ、無謀さを嫌というほど見せ付けられたタイガース戦。
あの時から、俺はこうやって毎日夢を見るんだ。
甲子園決勝で最後のアウトをとり、勝ち鬨をあげた。あの瞬間、斎藤佑樹は死んだんだ。

その時突然スマホが鳴る。
斎藤は気だるそうな手つきでスマホを耳元に滑り込ませた。
大場「斎藤。元気してるか?」
斎藤「大場さん…」
大場が大学選手権で優勝した時から斎藤は大場と同じ運命をたどる気がしていた。
そしていつしか大場が斎藤の道しるべとなったのだ。

ブルペンから移動し次は打撃練習に移る大谷

カーァンッ

記者「おお…これも柵越えだ」

打撃練習をしていた大谷に斎藤(田中)が詰め寄った

栗山「なんだ斎藤、お前はもう帰っていいぞ」

斎藤「大谷と1打席勝負させてほしいです」

栗山「なにを言ってるんだ…キャンプでそんな真似が出来る訳ないだろ」

斎藤「いや…実戦の勘を取り戻したくて」

栗山「お前は走ってろ、1軍のレベルに到達すらしていない。大谷と1打席勝負なんて認めん。」

大谷「斎藤さんが良いなら、僕は構いませんよ」

栗山「よし、じゃあ1打席だけ許可しよう」

記者「お…斎藤と大谷の1打席勝負が始まるぞ…!」

パシャッパシャッ

記者B「元甲子園優勝投手vs10年に1人の逸材か」

斎藤「サインはどうしますか」

鶴岡「好きに投げてきていいぞ、あくまで開幕前の調整だしな」

斎藤「…はい」

大谷がゆっくりと打席に入り構えた

斎藤(フォームが本当に綺麗だな…打者としてやっていた方が良い気が…)

斎藤もロージンバックを拾い上げポンポンっと両手にまんべんなく付着させた

斎藤(田中)が大きく振りかぶり第1球を投げた

ピシュッ

ズバンッ

栗山「ストライクーー!」

初球はアウトコース低めにストレートが決まった

斎藤「…っし!!」

初球ストライクが入った

記者「それにしても相変わらず球威はないな」

記者B「投手としての能力も大谷に越されたんじゃないか?」

斎藤(次も同じコースを突いてみるか…大谷はあまりアウトコースが好きじゃなさそうだしな)

大谷(スピードもキレも大したことないな、2球目で仕留めよう)

2球目

斎藤が振りかぶり投げた…!

134㎞のストレートがアウトコースを襲う

大谷「…!」

カキーンッ

2年後…
日ハムのエースとなった大谷は斎藤を呼び止めた

大谷「あ。斎藤。俺のスパイクさ~、ちょっと汚れたから磨いといてよ」

斎藤「あっ。はいっ」

かつてハムのエース候補と呼ばれた斎藤は立て続けに先発を失敗し、日ハムを自主退職していた。

大谷「斎藤。俺の恩を忘れてないよな?」

斎藤はプロ野球を引退後、まともな職に就くことが出来ず離職を繰り返していた。

それを見かねた大谷が、ハム上層部に斎藤を球団職員へ推挙したのである。

大谷の働きかけが効を奏し、晴れて斎藤は球団職員になることができた。その恩を斎藤が忘れるわけがない。

大谷「斎藤。お前のハンカチって勝ち運が宿るんだよな」

斎藤「えっ」

大谷「そのハンカチで俺のスパイクを磨けよ。いいな!」

こうして今日も大谷は好投を続ける。

その活躍の裏には薄汚れた斎藤佑樹のハンカチがあった。

やがてこのエピソードはマスコミに漏れ、大谷はハンカチ王子と呼ばれるようになった

アウトコースの球を大谷が完璧の捉え

打球は右中間フェンスを直撃

記者「だ…打球の速さが日本人離れしてやがる……」

大谷「斎藤さん、ありがとうございました」

ヘルメットを取り頭を下げた大谷

そのまま大谷はベンチ裏にへと立ち去っていた

栗山「これで満足か?斎藤」

斎藤「…」

栗山「開幕投手は大谷でいく、お前は2軍だ」

斎藤「……!!」

―シーズン開幕―

田中「うおおおおおおおお!!!」

ズバンッ

実況「空振り三振ーーーー!!開幕投手田中!見事開幕戦を勝利で収めました!!」

記者「ええ、今日の試合どのように感じられたでしょうか」

田中「やっぱり自分は持ってるな…ってw」

記者「…は…はは、同期の斎藤投手の真似ですね」

田中「背負ってモノが違いますから」

記者(こいつ田中か…?)


―ファーム試合―

大嶋「斎藤さん、よろしくです」

斎藤「…お前は確かソフトボール出身の」

大嶋「大嶋っすよ!ソフトボール出身で珍しいって最初だけ言われましたよ」

田中、斎藤(トイレに入る)
「お前小せえな」

大嶋「そういうところ斎藤さんに似てるんすよね~」

斎藤「俺に…?」

大嶋「だって斎藤さんもプロ入りした時は騒がれてましたけど…」

斎藤「……過去は過去だ」

大嶋「ですよね!俺もたぶん、今年結果出なかったらどうなるか分かんないですし」

斎藤「1軍には上がったことがないのか?」

大嶋「ないですよ!下手投げから上手投げの投手に対応するのって思ったより難しくて…」

斎藤「勿体ないな、スイングスピードはメジャー級だって聞いたが」

大嶋「ソフトの世界だけの話ですよ!」

斎藤「……そうか」

大嶋「あ、もうすぐ試合始まりますんで準備してきますね」

タッタッタ

斎藤「あの頃に戻りたい…」

大場「なに弱気になってんだ!」

斎藤「ブハァッ!」

大場「痛いか?斎藤っ!それでも俺の心の痛さには及ばない!」

斎藤「グヘェッ!」

大場「どうした!ほら!かかってこいよ!投手大場を越してみろ!斎藤佑樹!」

斎藤「…できません。大場さんのような立派な投手に、自分はまったく追いつける気がしません」

大場「ああ。それが事実だ。だが、諦めたら試合終了だぞ?」

斎藤「ぷわっ」

大場「世界の中で俺だけは…。斎藤、お前のことをずっと見ていてやる。10年かかってでも俺に追いついてみせろ!なっ!」

斎藤「大場さん…!」

陽子「きれいだなぁ…大きさはそこそこだけど形がちゃんとしているよ」

忍「ありがとうございます!なんか陽子ちゃんに褒められると嬉しいですね」

綾「色々とひどい…(陽子はしのの胸を褒めるしわたしより全然大きいし…)」

忍「どういうことですか!?」

アリス「ぺろぺろしたい」

忍「アリス…恥ずかしいですよ」

陽子「いや~たまには人のおっぱいを見るのも楽しいな!」

綾「ちょっと陽子!!」

陽子「ごめんごめん」

忍「(…皆に見られたからでしょうかなんか体がジンジンします)」

アリス「あれ?シノどこ行くの?」

忍「ちょっとトイレに…」

アリス「(なんかシノの顔赤かったような…)」


シノの様子見に行く?>>137

ごめん…ガチ誤爆した…ちょっと吊るわ

ファームの試合が始まった
相手はロッテのファームチームだ

1回の表、ロッテの攻撃は1番センター加藤から

加藤「ッシャッス」

大嶋「サインは任せますね、俺リード力とかないんで」

斎藤「…ああ、頼んだぞ」

大嶋「それじゃ、そういうことで」

斎藤「大嶋」

大嶋「はい?」

斎藤「…俺は今シーズン前半戦で1軍昇格を目指す」

大嶋「え!?そんなの無理っすよ…!今の斎藤さんじゃとても…」

斎藤「俺は本気だ」

大嶋(斎藤さんってこんな熱い人だったっけ…)

斎藤「…俺がお前も一緒に1軍に連れて行ってやる」

大嶋「!!」

斎藤「一緒に這い上がるぞ」

大嶋(クソッ…斎藤さんからあんな事を言われるなんて…)

大嶋(正直、プロの世界に入っただけで俺は満足してしまってた…)

大嶋(いつでも辞めるつもりだった……でも…!)

斎藤が振りかぶって第1球を投げた

ズバンッ

大嶋(あんたの球を1軍という舞台で受けたい…!!)

審判「ストライクーーーー!!」

この日をきっかけに2人の友情は深まることに


亀梨「田中選手、開幕勝利おめでとうございます」

田中「はは…どうも。まあ座ってくださいよ亀梨さん。」

亀梨「あ、ではお言葉に甘えて…」

田中「で、今日は何の用ですか?またwentのつまらない企画ですか?」

亀梨「い…いえ!今日は田中選手のインタビューを…」

田中「はぁ~いいですよ、wentってスポーツ番組としてはイマイチですよね」

亀梨「…」

亀梨「今年改めて自分のピッチングをどう感じられましたか?」
田中「やっぱり自分は持ってるものが違うな…と」
亀梨「それは確か斎藤選手の…」

田中「斎藤は甲子園では良いライバルでしたよ」

亀梨「そうですね、06年に決勝で投げ合った2人ですから」

田中「早く1軍に這い上がってきて欲しいものですね」

亀梨「ファンの皆さんもそれを期待されていると思いますよ」

田中「亀さん、時間空いてる時だったらwentのキャッチボール企画付き合いますよ」

亀梨「あ…ありがとうございます」


西「斎藤、今日のピッチング良かったぞ」

斎藤「…ありがとうございます」

西「6回まで1失点、去年のシーズンに比べると大分良くなってるぞ」

斎藤「1失点じゃダメです。無失点に抑えないと。」

大嶋「まぁ~でも今日は良しとしましょうよ」

西「大嶋、今日は全打席三振だったな」

大嶋「…ッス」

医者「…という夢を見ていたのかな?佑樹君?」

斎藤「夢とは思いたくありません。僕は甲子園で優勝したんだっ!」

医者「もういいんだよ。佑樹君。君は運が無かった。それだけだったんだ」

斎藤「僕は努力したんだっ!大学でも!努力したっ!」

そのとき、病室に田中が入る。

田中を見る斎藤の目が赤くにじむ。

斎藤「どうしてだよ!どうしてお前が活躍するんだよぉ!僕は甲子園で優勝して!大学でも!」

田中「斎藤。お前には才能がない。なぜ悩む?ただ才能がない。ただそれだけのことだろ?」

斎藤「うっく…」

田中「くだらない。僕をこんなところに呼びつけて、この茶番はなんです?」

医者「田中君…」

田中「ただいま」

ガチャッ

里田「おかえりなさいー」

妻の里田がすぐに玄関にまで迎えにきてくれた

田中「ふう、インタビュー疲れたよ」

里田「お疲れ様、お風呂とご飯の用意出来てるわ」

田中はお風呂とご飯よりも真っ先に今日の試合動画を録画したビデオで見始めた

田中「まい、一緒に今日の試合を振り返ろう」

里田「え?ご飯はいいの?」

田中「いいから、早く」

グイッ

里田「う、うん…」

それから今日の試合動画を5回程繰り返し振り返った

田中(今日の僕の投球内容かっこよすぎだろ…たまんないなぁ)

里田「なによ!もう!順番違うじゃない?そこはあとだったでしょ!」

斎藤「大嶋、今日はどこかで食べに行くか」

大嶋「っす!コンビニのカップ麺が食べたいです!」

斎藤「お前なぁ…そんなのばっかり食ってた身体に悪いぞ」

大嶋「丸ちゃんの食べたいんです」

斎藤(こんな時に手料理を作ってくれる妻がいれば……)

大嶋「あ!俺コンビニのフランクフルトも食べたいです!」

斎藤「分かった、俺が全部出してやるよ」

大嶋「アザッス」


近くの公園でコンビニ食を食べている2人

大嶋「斎藤さん」

斎藤「なんだ?」

大嶋「どうして今日、俺にあんなことを言ってくれたんですか」

斎藤「お前も俺と似てるからだ」

大嶋「そうっすよね…最初だけマスコミに大きく取り上げられて」

大嶋「結局、活躍しないと思ったらポイッっすからね」

斎藤「プロの世界ってのはそんなもんだろ、生き残るのは難しいことなんだ」

大嶋「斎藤さん…なんか最近おかしいっすよ…」

斎藤「え?」

大嶋「最近まで目が死んでたのに、今の斎藤さんは目に闘志が宿ってるっていうか…」

斎藤(鋭いな…俺が体を入れ替わったことを言ってやりたいな…)

大嶋「まるで田中投手みたいっすよ!!」

斎藤(……)

それから1ヶ月近くファームで投げ込んだ斎藤

徐々に斎藤の身体にも慣れ投手としての能力が伸びて来た

139km コンD スタC スライダー4 カーブ2 SFF3 ピンチ○

西「斎藤、今日も良いピッチングだったぞ」

斎藤「いえ…大嶋のホームランに助けられました」

大嶋 ミE パB 走E 肩F 守F 粘り打ち

西「大嶋、お前も最近バッティング良くなってきたぞ」

大嶋「は、はい!ありがとうございます!」

西(このまま上手くいけば今シーズンの終わりぐらいに1度1軍に上げてもいいかもしれんな)

―交流戦突入前―

実況「マーくん!!今日も勝ったァァ!!!」

田中「ッシャァ!!」

実況「未だに無傷の連勝記録が伸び続けています!!」


西「斎藤、大嶋!お前達明日から1軍だ!」

斎藤「…!?」

大嶋「お、俺達が…1軍……?」

西「1軍の大野、鶴岡、ウルフが怪我で抹消された」

大嶋「1軍キャッチャー2人も抹消されるじゃないすか!!」

西「だから、最近2軍で好成績を残している大嶋を昇格させることになった」

西「斎藤はウルフの代役…もあるが大谷がやはりまだ先発として機能できていない」

斎藤「それで俺が1軍に……」

西「ああ、俺から見ても今のお前達なら十分に1軍でやっていけるはずだ」

稲葉「斎藤、大嶋…待ってたぞ」

陽「ヨォだ」

大嶋「い、稲葉さんに陽選手だ!!すげぇ!!!」

斎藤(ついに1軍へ上がれた…後は結果を残せるかどうか…)

栗山「斎藤、大島。ちょっと監督室に来い。」

斎藤「…はい!」


栗山「1軍昇格おめでとう」

斎藤「ありがとうございます」

栗山「早速だが、交流戦の初戦でお前達をスタメンで出そうと思う」

大嶋「…!!」

斎藤「俺達バッテリーをですか…?」

栗山「ああ、相手は巨人だ。現在セリーグの1位で相手としては十分だ。」

大嶋「巨人…すげぇ……」

栗山「恐らく向こうは2年目の菅野をぶつけてくるだろう」

斎藤「…菅野…!去年ルーキーで2桁勝利をあげた投手…」

里田「あら。あなたこれ食べないの?好きだったじゃない?」
田中「えっ?あぁ。」
里田「そういえば斎藤さん結婚するんだってね。」

栗山「そこでお前達2人の実力を拝見させてもらおう」

斎藤「…分かりました」

栗山(マスコミが喜びそうだしな)


―東京ドーム―

坂本「日ハムの先発、斎藤らしいですね」

阿部「ああ、面白い試合になりそうだ」

菅野「ニヤッ」

阿部「なにニヤついてるんだ菅野」

菅野「いえ…なんにもw」

菅野(斎藤とか勝ち星楽にゲットできるぜ)

菅野(過去の栄光投手は俺が完膚無きまでに叩き潰してやる)


実況「えー、今日からセパ交流戦がスタート!」

実況「ここ東京ドームで日ハム対巨人の1回戦が行われます!」

解説「はい、どうも」

実況「今日の両チームの先発はこのようになっております」

日ハム 斎藤

巨人 菅野

解説「まさか斎藤選手と菅野選手の投げ合いが見れるとは思いませんでしたねぇ」

実況「ええ!しかもマスクを被るのは同じく1軍に上がったばかりの大嶋です!」

解説「非常に楽しみですねぇ」

「1番ライト…長野」

ドワァァァ

大嶋「こ、これが1軍の歓声…足が震えます斎藤さん…」

斎藤「場の雰囲気に呑まれるな」

大嶋「・・は、はい!」

斎藤「勝つぞこの試合」

大嶋「っす!!」

長野「…」

実況「さぁ、1番長野がゆっくりと打席に入りました」

解説「最近調子が良いですからね気を付けないといけませんよ」

大嶋「…ゴクリ」

実況「斎藤!第1球を投げました!!」

ピシュッ

ズバンッ

審判「ストライクーーーー!!」

実況「ああっと!低めに141kmのストレートが決まりました!!」

大嶋(今日も良い球だ…これなら巨人打線を抑えれる…)

菅野「ニタァ」

里田「きゃーっ斎藤君頑張ってる!」
田中「えっ、あぁ。」

2球目はボール

3球目はスライダーで空振りを取りツーストライク

実況「斎藤!早くも長野を追い込みました!!」

解説「良いテンポですねぇ」

大嶋(最後はスプリットを振らせましょう…)

斎藤は静かに大嶋のサインに頷いた

ビシュッ

長野「…ンフッ!!!」

カキーンッ

斎藤「…!!」

実況「長野の打球は……!!?レフトに高ーーーく上がった!!!」

長野の打球はレフトフライかと思われたが

そのままレフトスタンドにへと吸い込まれていった

巨人1 日ハム0

実況「1回の裏!巨人が早くも長野のバットで先制しました!!」

斎藤「…クソッ!」

大嶋「スプリットが落ちなかったですね…」

斎藤(まだスプリットの精度がダメだ…これじゃ使えない…)

「2番 センター松本」

実況「次は2番センター松本です!!」

解説「足もある選手ですからねぇ、塁には出したくないですよ」

続く2番松本には四球を与えノーアウト1塁で

巨人打線のクリーンナップを迎え撃つことに

里田「あーん。斎藤クーン。ところであなた交流戦は間に合うんでしよ?」
田中「えっ、あぁ。」

「3番 キャッチャー阿部」

実況「ここで3番阿部です!!3番阿部、4番村田、5番高橋!」

実況「最強クリーンナップです!!」

斎藤は阿部に対し初球アウトコースに投げ込もうとしたが

力みすぎワンバウンドボールに

大嶋「…!!」

スタートを切っていた松本は楽々と2塁へと進塁

実況「ああっと!!バッテリーの間でミスが起こりノーアウト2塁!!」

解説「これはいけませんねぇ」

栗山「…チッ」

実況「自らのミスでピンチを広げてしまいました斎藤!!」

大嶋「す、すいません…斎藤さん…俺がちゃんと捕球できなくて…」

斎藤「…大丈夫だ、これ以上点は取らせん」

大嶋「…斎藤さん」

斎藤「しっかり俺のボールだけを見ていてくれ、俺はお前を信じてそこへ投げ込む」

大嶋「…っす」

実況「マウンドに駆け寄った大嶋、再び元の位置に戻ります!」

菅野(こりゃ初回で6点ぐらい入りそうだな)

斎藤はマウンドで闘志を放つ

振りかぶり、阿部に対し第2球目を投げ込んだ

ククッ

スパンッ

阿部「…!?」

里田「ねぇ、あなただったらどこになげ…。ゴメンテレビ消すね。」
田中「えっ。あぁ。」

実況「2球目スプリットが決まりましたァ!!」

解説「予想外のボールですね、阿部選手も手が出ませんでしたよ」

実況「しかし、ボールです!これでノーストライクツーボール!」

斎藤(大嶋…もう1度同じ球だ)

大嶋(に、二球続けてスプリット…!)

ビシュッ

阿部「…スプリット……!」

カキィーーーンッ

実況「阿部の痛烈な打球は1、2塁間を抜けたァァ!!!!!」

痛烈な打球はライト大谷を襲う

大谷は冷静にボールを処理した

斎藤「く・・・」

大谷「…フンッ……!!」

2塁ランナー松本が3塁に進のを見て

大谷は3塁に向かってレーザービーで返球

ビシュッッ!!!

実況「物凄い返球が3塁に投げ込まれたッァアァァ!!!!!」

松本「…!!」

ズサァッ

松本はすぐさま頭から滑り込むも判定は…

審判「アウト―――――ッ!!!!!」

ライト大谷の好返球により松本の3塁進塁を阻止した

実況「素晴らしい大谷!!大谷の返球!!大谷!!大谷が魅せた!!!!!」

里田「ほんとにごめんなさい。あなたが辛いのに、私わかってあげれなくて…。」
田中「えっ、あぁ。いいんだ。いいんだ…。」

斎藤「…大谷……」

大嶋「あいつやっぱすげーっすね…お陰でワンアウト1塁になりましたし」

斎藤「今回は助けられたな」

実況「ですが、続いて4番の村田です!」

解説「ここ5試合の打率が6割を超えてるんですよねぇ」

実況「ええ!本人も不振に悩んでいた時期よりも遥かにボールが見えるようになったと話していました!」

斎藤「…っし」

斎藤は再度気合を入れ直し村田を迎え撃つ

大谷の好返球に触発されたのか、村田を簡単に追い込んだ

ヒュンッ

スパンッ

審判「ストライクーーーー!!バッターアウト!!」

実況「スプリットで村田を空振り三振に取りましたァァァ!!」

解説「まるで楽天の田中投手みたいですね」

すいません。寝ます。(´・ω・`)

ズバンッ!!

実況「アウトコースいっぱいに決まった!!手が出ないか高橋!!」

4番、5番を連続三振で仕留めた斎藤(田中)

斎藤「…ッシャァ!!!」

マウンドでガッツポーズ

大嶋「ナイスピッチングです!」

大谷「良い球ですね」

斎藤「…大谷、さっきの返球は助かった」

大谷「あんなの当然のプレーですよ」

斎藤「素直じゃないな」

大谷「次、僕に打席が回りますから…キッチリと取られた分、僕のバットで取り返してきますよ」

斎藤「…大谷」

「バッターは4番 ライト大谷」

ドワァァァァァ

実況「さぁ!!大谷翔平、注目の第1打席です!!」

解説「4番に大谷君を抜擢したのは栗山監督、思い切りましたねぇ」

実況「1回の表は巨人菅野に三者凡退で抑えられました日ハム打線!!」

実況「大谷が果たして口火を切ることが出来るのでしょうか!」

大谷「…」

スッ

菅野「ニヤニヤ」

菅野(なにが二刀流だ、舐めた事言いやがって)

ビシュッ!

大谷「…!」

スパンッ

実況「おおっと、第1球目大谷の顔面付近にボールが投げ込まれました!」

解説「コントロールミスでしょうかねぇ、相手が大谷くんということで菅野くんも力んだんでしょう」

菅野「ニタァァ」

大嶋「あの浪人野郎…!帽子ぐらい取れよ!!」

稲葉「落ち着け大嶋、菅野くんのコントロールミスだ」

斎藤(わざとに見えたが……)


阿部(ふぅ、もう少しで顔面デットボールだったぞ)

菅野「ニヤニヤ」

実況「気を取り直して菅野第2球を投げました!」

ズバンッ

実況「低めに149kmのストレートが決まったストライク!」

大嶋「…は、はええ…」

稲葉「素晴らしいコースだ…今のは手が出ないな」

斎藤「2年目とは思えない……」

3球目は大谷がかろうじてファールボールに

実況「追い込まれました大谷!!」

解説「阿部選手が内に構えましたねぇ、カットかスライダー来るかもしれませんよ」

ビシュッ

大谷「……インコース…!」

ククッ

スパンッ

振りに行った大谷だがバットは空を切った

審判「ストライクーーー!!バッターアウト!!」

実況「菅野!!インコースに素晴らしいカットボールを投げ込みました!!」

大谷「……くっ……」

菅野は電光掲示板の方向に身体を向けた

菅野「笑うな…堪えろ……まだ笑うな……(ニタァァ」

続く5番小谷野は初球を打ち上げファーストフライに倒れた

「6番・・・キャッチャー大嶋」

ワァァァァァ!!

実況「沈黙する打線の中!まだこのバッターがいます!!!」

解説「1軍初打席じゃないですかねぇ」

大嶋「お願いしァァッッシャァァァッス!!!」

菅野(うぜーな、こういう奴…黙って三振してろよ四流打者)


大谷「すいません、でかい口を叩いておきながら」

斎藤「気にするな、菅野も良い投手だ」

大谷「絶対に…絶対に捉えてみせます……」

実況「2回の攻撃、結局三人で終わりました日ハム打線」

解説「素晴らしい立ち上がりですね菅野くんは」

実況「去年は新人王こそ逃していますが、既に球界を代表するエースと呼んでも過言ではありません!」


菅野「ふぅ」

原「どうだ、今日の調子は」

菅野「余裕だよ叔父さん、なんならノーヒットノーランでもしようか?」

原「ハハ、それも良いな」


2回の裏、斎藤は変化球主体の投球内容に変え

巨人打線の6番からの攻撃を三者凡退で封じる

菅野「…ったく、もうちょっと点ぐらい取ってくださいよ…!」

ロペス「ゴメンナサイ…」

稲葉「斎藤、ナイスピッチ」

斎藤「…初回に点を取られて申し訳ないです」

杉谷「気にするな」

陽「俺達がなんとかしてみせるヨォ」


しかし、なんとか菅野を捉えようとする打線だったが

7~8番の杉谷、中島は菅野の前に凡退する

そして打席には9番の斎藤がバッターボックスに

斎藤「…ふぅ」

菅野「ククッ…やっと来たか……ビビって逃げんなよ3流投手」

阿部(ここはど真ん中3つでいい、テンポよく終えろ)

菅野「ニタァ」

斎藤(菅野は確かに良い投手だ)

斎藤(俺が同じ投手として考えるなら……)

実況「斎藤に対して菅野第1球投げました!!」

ビシュッ

斎藤「…初球はお前が最も自信としてるスライダー…!!」

カキーーーンッ

菅野「…!!?」

実況「斎藤!!なんとセンター前ヒットォ!!」

解説「スライダーを投げましたけど、少し曲がりが弱かったですねぇ」

大嶋「よおおおおし!!斎藤さんが出たぞおおお!!!」

栗山「俺は信じていたぞ」

菅野「…ハハハ…投手に打たれた……」

菅野「…ふっ……ざっ…けんなよ……!!!!!!」

ズバンッ

審判「ストライクーーーー!!バッターアウト!!」

実況「今日最速!!152kmのストレートで1番西川を三振に抑えました!!」

解説「あれは手が出ませんよねぇ」


菅野はベンチに戻りふて腐れていた

原「どうした、菅野」

菅野「なんで俺があんなピッチャーなんかに打たれるんだよ…!!」

原「すまん、叔父さんの所為だ」

菅野「そうだよ!叔父さんが悪いんだよ!!」

阿部「菅野、次お前からだぞ」

菅野「…はい」

ヘルメットを被り打席にへと向かう菅野

実況「3回の裏!ジャイアンツの攻撃は9番の菅野からです!」

大嶋「じゃあ、ストレート主体で」

斎藤「ああ、次の1番長野に集中したいからな」

大嶋「ウーッス」

菅野(クソ……俺に屈辱を与えやがって……)

解説「菅野くんはバッティングも悪くはないですからねぇ」

菅野(ピッチャー返しだ…それであいつの顔面を破壊してやる…)

第1球振りかぶり、菅野に対して投げ込んだ

パァンッ

審判「ストライクーーーー!!バッターアウト!!」

斎藤「…シャァッ!!」

実況「マウンドで斎藤が雄たけびを上げた!!菅野空振り三振!!」

菅野「…くそが…!!!」

バットをその場で叩き付け悔しがる菅野

俺はお前に打たれたのに、なぜ俺は打てない

そう何度も心の中で悔しがった菅野

実況「さぁ、ここからジャイアンツ2巡目の攻撃に入ります!」

斎藤「…」

大嶋「2巡目…気を付けた方がいいっすね…」

大嶋の読み通りこの回で一気にジャイアンツが斎藤を畳みかける

実況「ヒットと四球でワンアウト1、2塁!!」

解説「次は4番の村田くんですねぇ」

斎藤「…くっ…思った以上に制球が出来ん……」

栗山「やはり斎藤は2軍のレベルだな…」

栗山「翔平の足元にも及ばん」


菅野「もうスタミナ切れか、2軍生活が長かったもんな」

実況「4番の村田!今日第1打席は空振りの三振を喫しています!」

解説「村田くんも抑え込まれたまま黙ってはいませんよぉ」

斎藤「……ッシャ」

ビシュッ

実況「初球!!村田に投げた!!」

コンッ

大嶋「ば……バント!?」

4番村田の意表をつくバント

完全に不意をつかれた斎藤は処理に遅れを取った

実況「1塁投げられません!!!ワンアウトランナー満塁!!!」

解説「原監督も思い切りましたねぇ」


大嶋「た、タイム!」

実況「大嶋がタイムを取り斎藤の下へ向かいます」

斎藤「予想外だった…4番の村田選手がバントをしてくるなんて…」

斎藤「昨シーズン、阪神戦で同じような攻め方をしていたのを忘れていた…」

大嶋「ど、どうします…ランナーフルベースですけど」

斎藤「それでも俺の投球スタイルは変わらん…無失点に抑えるだけだ…!」

斎藤(田中)の闘志が一層燃えたぎる

ピンチを迎えれば迎えるほど彼のギアは上がっていく

実況「高橋に対して第1球を投げた!!」

ククッ

ブンッ

審判「ストライクーーーーー!!」

実況「なんと、ランナー満塁で初球スプリットを投げ込みました!!」

解説「強心臓ですねぇ斎藤くんは」

実況「まるで別人のような斎藤!!!」

斎藤(高橋選手は天才だ…アウトコースに投げても綺麗にスタンドにまで運ばれる…)

斎藤(だから、ここは強気の攻めで…!)

ビシュッ

実況「今度はストレートだああああ!!」

高橋「…!」

カァーーーンッ

打球は高く上がりフェンスギリギリで陽がボールを捕球

3塁ランナーがタッチアップでホームに生還

2アウトとしたものの、巨人に2点目が入った

斎藤「……くっ」

実況「もう少しでホームランという当たりでした!!」

高橋(今の球威でバットの根元が折れた…か)

6番ロペスは内野フライに打ち取りこの回をなんとか凌いだ

……



実況「4回の表!菅野が2アウトまで持ち込みました!」

実況「打席には今日2回目の対戦となる大谷!」

稲葉「菅野くんのエンジンがかかってきたな…ますます打ち崩しにくいぞ」

大谷「…」

バットを持ちホームベースの真ん中をバットでチョンと1回叩き

菅野と正対

菅野「…ッシ!!!」

実況「インコースに深くえぐり込むカットボールが決まった!!」

大谷(初回対戦した時より変化球のキレが良くなってる…)

ビシュッ

大谷「…そこだ!」

カキーーンッ

菅野「…!」

実況「大谷打ったーーー!!!大谷の!!大谷の打球は!!大谷の打球はライトへ!!!」

ズドンッ

実況「ライトフェンス直撃!!」

実況「大谷は1塁を回って2塁へ!」

長野「…くっ……!」

実況「長野!2塁へ返球するもセーフ!!大谷の足が勝ったァ!!」

実況「2アウトからランナーが出ました!」

斎藤「…よし!」

栗山「さすが翔平だ」

菅野はこの日初めての四球を小谷野に与えた

実況「2アウトランナー1、2塁!チャンス拡大です!!」

重さ10kgはある木製バットを振り回し投げ捨てる大嶋

ドスッ

大嶋「俺が…ここで菅野の首を獲るっす…!!」

「6番 キャッチャー大嶋」

パワポケ5じゃ主人公の元の身体は落ちぶれる訳だがさいてょはどうなることか
パワポケシリーズ中トップクラスで5面白くないけども

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

カァーンッ

田中「…あ!」

実況「マーくん打たれたァ!!これで4失点目!!」

一方、田中(斎藤)の方はヤクルト打線に捕まっていた

田中(ハァハァ…身体が重い……変化球が全くかからない…)

田中(最近、調子がおかしい…このままじゃ……)


「かっとばせー大嶋ァ!」

大嶋「…行くぜ菅野」

グッ

菅野(アウトは2つ取ってる、それに1、2塁…コイツなら抑えれる)

ビシュッ

大嶋「…うぉっあ!!」

審判「ストライク!!!!」

実況「菅野のキレ味鋭いカットボールに思わず手が出た大嶋!カウント1ストライク!」

解説「大嶋君、スイングスピードは速いんですけどねぇ」

菅野(もう1度、同じ球)

ビシュッ

大嶋「…!」

カァーンッ

かろうじて内角を食い込んで来たカットボールをファールカット

審判「ファール」

菅野「チッ、当てたか」

大嶋(見えて来た…第1打席に比べて随分と見えるようになってきたぞ…!)

斎藤「…大嶋……お前なら打てる…」

実況「第3球!菅野が投げました!」

カァーンッ

阿部「高めのクソボールをファールしたか…」

実況「真ん中高めのボール球を無理やりファールにしました大嶋!」

解説「段々と球に当たるようになってきましたねぇ」

カァーンッ

カァーンッ

その後も大嶋は良い当たりではないが何度も菅野の球に食らいつき

ファールにしていく

カウントはフルカウントとなった

実況「菅野、次でなんと13球目!!カウントも2ストライク3ボール!」

解説「よくノーボールからフルカウントまで持っていきましたねぇ」

菅野(しつけぇ…いい加減にしろ……!)

阿部(フォアボールでも良い、アウトコースに外れるボール球だ)

菅野(こんな奴に四球なんかは…出したくない…!)

ビシュッ

スルッ

菅野「……あ」

ドスッ

審判「デットボール!」

実況「菅野の13球目は大嶋の右太ももを直撃!デットボールです!」

大嶋「…いてててっ………」

菅野は痛がる大嶋に視線を向けずドームの上空を仰いでいた

完全なるすっぽ抜けのデットボールであった

トレーナー「大丈夫?」

大嶋「…大丈夫っす…これぐらい平気なんで」

栗山「大嶋、どんな形であれよく出塁した」

実況「ああっとーー!!!2アウト満塁で日ハム代打です!!!」

栗山「いけるか?」

中田「…いつでもいけます」

実況「ネクストバッターサークルには中田です!!怪我から復帰したばかりです!」

「バッターは…7番杉谷に代わり……中田…中田」

ワァァァァァァ

実況「観客席から割れんばかりの歓声!!」

解説「本来なら4番に座っているはずの彼ですからねぇ」

菅野(ここで中田…1発だけが怖い……でも俺なら抑えれる…)

中田「…」

栗山「翔なら何とかしてくれる…いける…いけるはずだ!」

斎藤(右手首にテーピングをかなり入念に巻いてたな…やっぱりまだ怪我が治ってないのか…?)

阿部「1発だけ注意しろ、この場面では」

菅野「…フフッ…大丈夫ですよ…俺が中田を仕留めますから」

菅野「…ッシ!!」

ビシュッ

実況「菅野!第1球投げた!!」

中田「…!」

カァーンッ

実況「な、なんと!中田!左手1本でファールにしました!」

解説「ミスショットでしょうか…?」

菅野「左手だけで…」

阿部(こいつ…まだ右手首の怪我が万全じゃないな…)

中田「…」

斎藤「監督、あれじゃあ怪我が悪化するだけですよ!」

栗山「翔を信じろ」

斎藤「……」

中田(片手でもいいとにかく何としてもランナーを返す…)

菅野「…ニタッニヤッ」

阿部(この様子なら150km近いストレートは思い切り振りきれんだろう)

捕手の阿部は内角にストレートを要求

菅野(いいっすねぇ…内角いいっすね!)

菅野は要求通り内角高めに今日最速となる153kmのストレートを投げ込んだ

ビシュッ

中田「……インコース…!」

中田はガッチリと両手でバットを持ち歯を食いしばり

待っていたインコースの球を渾身のフルスイングで振り抜いた

カァーーーンッ!!

菅野「……!!!!」

実況「痛烈なライナーがレフトへ向かったァァァァ!!」

阿部(レフトライナーだ…ただのライナーだ…!)

中田「ぐぅっ…」

打った途端、右膝をつき右手首を左手で押さえつける中田

スゥッ

実況「…は、入ったァァァァ!!!!ライナー性の打球がそのまま弾丸ライナーでスタンドへ突き刺さったァァ!!」

実況「中田の一振りで試合を一気にひっくり返しました!!!」

巨人2 日ハム4

菅野「…え……えええ…」

実況「菅野マウンドで呆然と立ち尽くしています!!」

栗山「中田、ナイスバッティングだ」

中田「…ギリギリでした」

大嶋「俺感動しました!!中田さんやっぱ半端ねぇ!!!」

しかし、中田はこの試合後怪我が悪化し再び長期登録を抹消されることに

中田の1発を機に打線が菅野を捉える
実況「あー、ここで原監督がマウンドに上がりましたね」
解説「ここまでよく投げたんですがねぇ」

マウンドには笠原が向かう

阿部「今日はもう仕方ない、集中力も切れてきてるしな」

菅野「…はい」

菅野は目に涙を浮かべながらベンチにへと向かった

この試合をきっかけに菅野はより大きく成長することとなる

……

実況「スコアは4対2!!斎藤が既に9回のマウンドで2アウトまで追い込みました!!」

斎藤「ふう…」

実況「ラストバッター!ロペス!!」

ビシュッ

ロペス「!」

ズバンッ

審判「ストライクーーーーー!!バッターアウトォ!!」

実況「4対2で日ハムがジャイアンツを下しました!!」

実況「菅野対斎藤!見事に斎藤が勝利で収めました!」

解説「復帰登板でよく完投しましたねぇ、素晴らしいですよ」


斎藤「ッシャアア!!」

大嶋「やった!斎藤さんやったっす!」

マウンドで優勝したかのように抱き合う2人

栗山(大嶋と斎藤…次世代を担う若手バッテリーだ)


斎藤「じゃ、俺自転車でホテル戻るんで」

大嶋「お疲れーっす」

チリンチリンッ

斎藤「…あ」

球場の外でとある女性を見かけた

里田「…」

斎藤「まい……じゃなくて里田さん!」

里田「あ、斎藤くん!」

斎藤「どうして東京ドームなんかに?」

里田「ホントはマーくんの試合見にきたんだけど…間違えて東京ドームに…」

斎藤「…あ…ああ、間違えてきたのか…」

斎藤(前にマーくんとマートン間違えてたくらいだしな…)

里田「それより、斎藤君も勝利投手おめでとうございます!」

斎藤「あ…ありがとうございます…」

里田「きっと夫も喜んでくれると思います!」

斎藤「……俺が…」

里田「え?」

斎藤「…いや、なんでもないです……じゃ俺はこれで帰ります」

チリンチリンッ

斎藤「俺は今の身体のままで本当に人生を終えるのか?」

斎藤「…元の身体に戻る方法を考えないと」

斎藤「でも、どうやって元に戻るか…」

斎藤は大嶋を呼び出し

斎藤とぶつかった日と同じシチュエーションをした

チリンチリンッ

ドスッ

斎藤「いってええええ!!」

大嶋「も、もう止めましょうよ斎藤さん!怪我しますよ!」

斎藤「…す…すまん…もう今日はいいぞ…」

大嶋「お疲れさまーっす」

斎藤「ハハ…何してんだろう……俺……」

斎藤「このまま一生斎藤の身体のままなら…」

ガチャッ

田中「ただいま」

里田「おかえり、今日斎藤くんと会ったわよ」

田中「ぼ、僕と…?あ、いや斎藤とか」

里田「復帰したマウンドで初勝利収めてたわ」

田中(あいつ…あんな僕のクソみたいな身体で巨人に勝ったのか…)

田中(クソッ…今更そんなことしても僕には勝てないぞ…!)


黒木「え、斎藤を次の阪神戦に!?」

栗山「中6日でいけるだろう、相手はセリーグ2位の阪神だが」

黒木「…しかも阪神の先発投手って」

栗山「藤浪だ」

ズバンッ

審判「ストライクーーーー!!」

実況「藤浪!!最速の153㎞でラヘアを三振に取りました!」

記者「ええ、それではファンの方に一言お願いします」

藤浪「交流戦に入ったばかりなんで、これからも必死のパッチで頑張るんで応援よろしくお願いします!」

ワァァァァァァ


藤浪「斎藤投手ですか…?」

中西「ああ、次の登板の相手は順調にいけばそうなる」

藤浪「分かりました、それまでに調整しておきます」

中西「それに、大谷もいるしファンも喜ぶだろう」

藤浪「はい」

ガチャッ

栗山「まあ、そこに座れ斎藤」

斎藤「はい」

スッ

黒木「大嶋も立ってないで座れ」

大嶋「はいッシャァ!!」

栗山「大嶋は今後交流戦の間はずっとマスクをかぶってもらう」

大嶋「そ、それってスタメン固定ってことですか?」

栗山「今は交流戦の間だけ…としか言えん」

黒木「それと、斎藤は」

栗山「今年の交流戦で話題のルーキー3投手に投げ勝て」

斎藤「…!」

黒木「菅野、藤浪、小川だ」

大嶋「それで今度の阪神戦に斎藤さんをぶつけに…」

栗山「厳しい戦いになると思うが頑張ってくれ」

大嶋「すごい無茶な課題押し付けられたっすね…」

斎藤「監督は本気だ、俺も本気だけどな」

大嶋「次は甲子園で藤浪と投げ合いっすね!」

斎藤「ああ、いつも通りのピッチングをするだけだ」

大嶋「やりましょう!菅野投げ勝ったんだからいけますよ!」

斎藤(このままどんどん勝ち続けて…いずれ今シーズン中に田中と投げ合う…)

斎藤(そうすれば…きっと何かが起きるはずだ…!)

2人は甲子園にへと向かう為、新幹線に乗り込んだ

果たして2人の身体は元に戻ることが出来るのだろうか

2人の野球人生はまだ始まったばかりであった

第1部 完

終わりです
保守、支援ありがとうございました

続きは明日の夕方に出来たら書きます
このスレは落としてください
それでは

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