魔王「魔物を滅ぼす!」勇者「世界を征服する!」 (136)

魔王「外に出たい」

側近「ダメです」

魔王「えー」

側近「ほっぺた膨らませてもダメです。怪我でもしたらどうするんですか?」

魔王「大丈夫だよ私魔王だから!」

側近「魔王さまは魔王なんですから回復呪文なんて使えませんよ」

魔王「知り合いの魔王はベホマズン使えるって言ってた」

側近「よそはよそ、うちはうちです!」

魔王「ぶーぶー!」

側近「魔王さまは魔王城でじっとしていてください。仕事は私たちが全部やりますから」

魔王「でも暇なんだけど……」

側近「では勇者の資料としてこれを」

魔王「何これ?どらごんくえすと?」

側近「この前魔王様の先輩が来て置いて行ったじゃないですか」

魔王「あー、奴が置いて行ったのか。うさんくさいなー」

側近「それでも世間知らずな魔王さまにはいい刺激だと思いますよ」

魔王「さりげなくひどくない?」

魔王「仕方ないからやってみよ」ピコピコ

魔王「うわぁワールドマップ広すぎワロタ」

魔王「いいなー勇者はこんなにたくさん出歩けて」

魔王「私と違って仲間もたくさんできるし……」

魔王「魔王じゃなくて勇者に生まれたかったな」

魔王「あ、そうだ。いいこと考えた」

J( 'ー`)し「勇者、お城の騎士さんたちが来たよ」

勇者「いないって言っといて」

J( 'ー`)し「勇者……」

勇者「早く飯持って来いよBBA」

J( 'ー`)し「カーチャン、勇者はやればできるって信じてるよ」

勇者「うるせぇ!!」ドン

J( 'ー`)し「ごめんね、ご飯持ってくるから待っててね」

側近「https://www.hellowork.go.jp/

魔王「む、なんだコレは」

側近「あなたがいるべき場所は魔界ではありません。どうかお引き取りを」

魔王「何を言うか!礼を欠くにも程が・・・」

側近「ご自分に嘘をつくのはおやめなさい。あなたは勇者でしょう?」


そう・・・
>>1は現実世界から空想の世界へ逃避してきたニートなのであった。
現実から目を背け、架空の魔界で王座につき権力に入り浸る>>1の顔面に、側近はハローワークを投げつける。

これから>>1は勇者となって現実と向き合い、ニート生活から脱出する旅に出るのであった。
今後とも>>1の応援よろしくお願いします。

(完)

勇者「はぁ……親父が伝説の勇者だったせいで俺まで勇者に」

勇者「俺は世界を救いたくなんてないのに」

勇者「っていうか魔王倒すとか無理だろ……あいつら他人事だと思いやがって」

勇者「勇者になんて生まれたくなかった」

魔王「奇遇だね、私もそう思う」

勇者「だろ?お互い不幸だよな」

勇者「ってうわぁ!?」

魔王「やっほー」

勇者「お、お前はまさか魔王!?何でここに」

魔王「きちゃった☆」

勇者「そんな軽いノリで来るんじゃねええええええ」

魔王「勇者に会ぃたくてリスカしちゃった……」

勇者「重いノリだったらいいわけでもないし、そっちの意味で重いのやめて」

勇者「俺ここで殺されるのか……一歩も旅に出ないまま」

魔王「いやいや、今日は取引をしようと思ってさ」

勇者「取引だと?」

魔王「実は私旅に出てみたいんだけど、部下がなかなか外に出してくれなくて」

勇者「だろうな。魔王がその辺歩いてたら大変だわ」

魔王「魔王城に毎日閉じ込められてちやほやされているわけだ」

勇者「お前は自慢しに来たのか?」

親父「と言うのは冗談で、やって来たのはワシでした」

勇者「な~んだ、親父か。・・・って、お前魔王に殺されたはずだろ!ある意味ビックリだわ」

親父「驚かせてすまないな。だが、今日ワシが現れたのはな、とても大事なことをお前に伝えなければならないからだ」

勇者「ふ~ん。まっ、俺は魔王討伐なんかに行かないけどね。親父、俺はアンタのこと恨んでるよ。俺は勇者なんかになりたくなかったのにアンタのせいで・・・」

親父「魔王はもういない」

勇者「えっ?」

魔王「自慢なんてとんでもない!私だって好きで魔王に生まれたわけじゃないし」

勇者「まぁ俺も好きで勇者に生まれたわけじゃないしな」

魔王「外に旅に出てみたいのに、籠の中の鳥状態というのはつらいんだよ」

勇者「お前にも色々あるんだな」

魔王「そこでひきこもりで穀潰しの勇者に提案があるんだけど」

勇者「ぶっ飛ばすぞ。レベル足りないけど」

魔王「お互いの立場を取り換えてみない?」

勇者「!?」

魔王「魔王城は衣食住は充実してるし、苦労はさせないと思うよ」

勇者「しかし取り換えるっていったって」

魔王「じゃじゃーん!なんとこの転換の杖を使えば中身を入れ替えることができます」

勇者「お前そんな物語の終盤で手に入るようなイベントアイテムをあっさりと持ってくんな!」

魔王「魔王ですから(キリッ」

魔王「まきますか?まきませんか?」

勇者「堂々と引きこもれるのは確かに魅力的だな……」

魔王「私が品行方正に旅をして、勇者の評判を上げるおまけ付きだよ!」

勇者「お前が俺の身体で悪さを働く可能性もあるんだが」

魔王「そこは信じてくれとしか」

勇者「うーん……」

そういうと親父は、懐からテレビ石を取り出した。

勇者「こ、これは・・・」

テレビ石には、何を隠そう魔王の正体が>>1であること
そして>>1は勇者となって現実世界に帰っていく一部始終が映し出された。

親父「わかるな?この世界は>>1が創り出した架空の世界であり、今や不要な存在となった。今にこの世界は消えゆく運命にある」

勇者「そ、そんな・・・。まっ、割とどうでもいいけど。生きててもどーせつまんなかったろうし」

親父「だがな息子よ。ワシはお前にだけは消えて欲しくない。失われし世界を、何とか形として残したいんだ。わかるな?」

勇者「つまり俺に何が言いたいの」

勇者(罠の可能性もあるが)

勇者(まぁ試してみてもいいか)

勇者「よし、乗った!」

魔王「わーい!じゃあ早速」

勇者「え、ちょ、心の準備が」

魔王「マージ・マジ・マジーロ!」

勇者「うわあああああああ」

親父「元魔王、いや>>1もとい現勇者について行け!それがお前が助かる唯一の方法だ」

勇者「えぇ~・・・」

親父「まあ拒否権はないんだけどね」

勇者「うわっ!」

勇者はテレビ石の中に吸い込まれてしまった。

勇者「うーん、ここは……?」

側近「あ、どこ行ってたんですか!もー!」

勇者「魔王城……なのか……」

側近「何寝ぼけてるんですか?」

勇者「ねぇ俺魔王に見える?」

側近「はぁ?魔王さま頭でも打ったんですか?」

勇者「あ、いやなんでもない」

側近「?」

側近「まさか家出ならぬ城出しようとしてたとか言いませんよね?」

勇者「言わない言わない。しばらくは魔王城から一歩も出ないよ」

側近「本当ですか!?いやー、やっとわかってくれたんですね!」

勇者「とりあえずお腹すいたんだけど」

側近「はい!今用意させませすので!!」

勇者(魔王城の食事か……変な肉使ってたりしないよな)

勇者(魔王は今頃どうしてるんだろうな)

勇者(っていうかカーチャンに気付かれるんじゃね?さすがに親だしな)

側近「まだグズグズと未練がましく・・・」

魔王「やはり行かねばならないのか」

側近「もう40回目ですよ、こんなやり取り」

魔王「だが1人で現実世界に行くのは、あまりにも寂しい。城内の魔物を誰かお供にしてはならんか?

側近「できるなら、まあ。しかし、ここは所詮空想の世界です。そして魔物は空想上の生き物に過ぎません。連れて行くのは難しいかと」

魔物「うむ」

その時であった。魔王城の天蓋付近にテレビ石が突然現れ、中から勇者が飛び出して来た。

魔王「それでは行って参りますお母さん!」

J( ;ー;)し「お母さんなんて久しぶりに呼ばれたよ……」グスン

魔王「お母さん大丈夫?何か悲しいことでもあったの?」

J( 'ー`)し「私は嬉しいんだよ……勇者はやっぱりやればできる子だったんだね……」

魔王「寂しくなると思うけど、仕送りもするからね」

J( 'ー`)し「お父さん……私たちの勇者が戻ってきたよ……よかったね……」

魔王「少しは怪しまれるかと思ったけど大丈夫だった」

魔王「むしろ感激の涙を流されたりして心が痛む」

魔王「勇者の日頃の行いが目に浮かぶなぁ」

魔王「ところで勇者はどうだったかな」

魔王「側近って一応魔力高い魔物だし」

魔王「私と毎日一緒にいたから、バレないか不安だなぁ」

勇者「何これめっちゃうめえ」

側近「やだなぁ、どうしたんです改まって」

勇者(今日が特別なわけじゃないんだな……魔王うらやましすぎる)

勇者「飯もうまいし部下も優しいとか魔王城最高だな」

側近「……魔王さま」

勇者「!?ど、どうした?」

勇者(まずい、いつもと違うってバレたか?)

勇者はテレビ石から急転直下し、魔王城の床に尻から落ちる。

勇者「痛っ!すげー痛っ!」

魔王「うぬっ、何奴」

勇者「(あらら・・・。まさか本当に魔王の城まで来ちゃうとはなぁ。ゆくゆくついてないって言うか何と言うか)」

魔王「ふふふ。此奴、我輩が嬲り殺した勇者の面影がどことなくあるわい」

側近「魔王様、もう魔王ごっこはよしにしましょう。今さら殺したって意味ないですよ」

魔王「だが・・・」

親父「久しぶりだな、魔王」

側近「まさか魔王さまにそんな風に言ってもらえる日が来るなんて……」グスン

勇者(これくらいで泣かれるとか、あいつ普段部下にどんな接し方してんだ)

側近「最近色々悩んでいたのですが、やっぱり私は一生魔王さまに仕えます!!」

勇者「お、おう」

勇者(魔物にも悩みってあるんだな……)

側近「そういえば今日渡した勇者の資料どうでした?」

勇者「え!?ま、まだ途中だから後で報告するよ」

側近「楽しみにしていますねー」

魔王「・・・ほう?老いぼれめ、貴様は確かに我輩が息の根を止めたはずだが、しぶとく生き残っていたとはな」

親父「いや、ワシは死んだよ。お前は強かった。完敗だ。んで、お前がワシを生き返らせたんじゃないの?」

魔王「知らん。そんな面倒くさいことは、できなくはないが断じてしない。結構付き合い長いんだからわかるだろ、お前」

親父「だよね~。イヒヒヒヒ・・・」

魔王「グヘヘヘヘ・・・」

勇者「なんだ資料とか言うから、魔王が俺に宿題でも押し付けたのかと思ったけど」

勇者「けっこう面白いなこれ」ピコピコ

勇者「他にもシリーズあるみたいだし、これで時間潰すかー」

勇者「あいつはそろそろ旅はじめたのかね。どんな仲間作るんだろ」

勇者「俺外でないから友達一人もいないし、一から探さないと」

勇者「……自分で言ってて悲しくなってきた」

魔王「さーて、どこから行こうかな」

僧侶「あ、あの……勇者さま!」

魔王(ん?勇者の知り合いかな)

僧侶「あの、私、勇者さまが力をつけるまで家で修行してるって噂を聞いて」

魔王(なんだ勇者のやつ、ただひきこもっていたわけじゃなかったのか)

僧侶「私も何かお役に立てないかと、今までずっと修行を重ねてきました!」

魔王(その割には色白だけどなぁ。体質かな)

僧侶「今日勇者さまがついに旅に出ると聞いて、私いてもたってもいられなくて」

魔王(筋肉もついてないけど魔法の練習でもしてたのかな)

僧侶「お願いします、私も一緒に連れて行ってください!」

魔王「うん、いいよー」

僧侶「本当ですか!?ありがとうございます!」

魔王(話しかけてきたってことは勇者の知り合いだろうしなぁ)

僧侶(知り合いでもない私をあっさり仲間にしてくれるなんて……)

魔王(勇者も隅に置けないな)

僧侶(勇者さまって優しいんだなぁ。思い切って声かけて良かった!)

勇者「あの~。魔王さん、でしたっけ?」

魔王「うむ、なんだ。勇者のドラ息子。刃向かうというなら、戦友の子とはいえ容赦はせんぞ」

勇者「いえいえ、どうぞ魔王続けるなりどっかの世界に行くなり好きにして下さいな。ただ私は逆らうような真似だけは絶対しない。それだけ言いたかったんですよ」

側近「話が全く進みそうにないので、全て白状します。元祖勇者を生き返らせたのは私です」

親父「えっ」

側近「魔王様、あなたはそこで媚びへつらっている勇者を連れて行くのです。元祖勇者もそれをお望みでしょう?」

親父「あぁ、アンタの粋な計らいだったんだな。助かるよ」

勇者「ちょ・・・俺に拒否権無しかよ!」

魔王「ないだろう。空気読め」

側近「さあ、扉を開きます。魔王様、勇者様!飛び込んで下さい」

魔王「あばよ、側近。今まで世話になったな」

親父「息子よ、お前に全てを託す。魔王、不甲斐ない息子だが、可愛がってやってくれ」

側近「https://www.hellowork.go.jp/

戦士「おー、勇者久しぶりだな!俺だ、戦士だ!」

魔王「え?あ、あぁ久しぶりー」

戦士「旅に出るのか?ならもちろん俺もついていくぞ!」

魔王「た、頼もしいなぁ。ありがとう戦士!」

魔王(誰だ……こんな屈強な知り合いもいるのか勇者)

戦士(知り合いっぽいノリで話しかけてみたら案外いけるもんだな)

戦士(こんなに貧弱な勇者と一緒なら、俺の方が活躍できるに違いない)

戦士(そして俺の知名度は鰻上りに……ふふふ)

僧侶(私ずっと勇者さまスト……じゃなくて観察してましてたけど、こんな人知り合いにいましたっけ?)

勇者「ヘックシ!」

勇者「寒いな。慣れない環境にきたから風邪でもひいたか?」

勇者「よし次はこれでもしてみるか」

勇者「勇者のくせになまいきだ……魔王が主人公の資料か」

勇者「しっかしなんだよ資料に使われてるこの技術、魔法の応用なのかね?」

勇者「人間界にこの技術持って帰れたら儲かるだろうなぁ」

勇者「クソゲーーーーーーーーー!!」

勇者「なんだよこの勇者、倒しても何度も生き返りやがるし」

勇者「あああああセーブポイント作られた!早く壊さないと!!」

勇者「うわあああ俺が苦労して作ったかわいいサキュバスたんが、どんどん倒されていくううう」

勇者「……魔王も大変なんだな……」

魔王「町の外に出た途端に、魔物がどんどん襲いかかってくる……」

戦士「そりゃあそうだろ魔物なんだから」

僧侶「でもすごいです勇者さま!一網打尽です!」

戦士(俺の出番まったくねえ)

魔王(彼らには悪いけど、やらなきゃやられるし……)

魔王(まぁ死んでも私の魔力に戻るだけだしね)

魔王(それにしても、久しぶりに外に出たからヘトヘトだ)

魔王「勇者も大変なんだなぁ」

僧侶・戦士(何を今さら)

勇者「んで、来たはいいけど。何すりゃいいのさ」

魔王>>1「俺の職を探すんだよ。ちょっと手本見せてやるから待っとけ」

>>1のスペック

学歴:高校中退
資格・免許:なし
職歴:なし
アピールポイント:がんばります

盗賊「おいそこの勇者」

魔王(ん?また勇者の知り合いかな?)

盗賊「有り金全部置いてってもらおうか」

魔王(違ったあああああああああ)

戦士「こいつ……賞金首の盗賊の頭だ!」

盗賊「言っておくが私は簡単には」

魔王「メラゾーマ☆」

盗賊「えっ?」ボッ

盗賊「この私が負けるとは……さすが勇者、なかなかやるな」

僧侶「この人一撃で負けた割に偉そうですね」

戦士(また出番なかった)

盗賊「ふん。煮るなり焼くなり好きにしろ」

魔王「じゃあ質問してもいい?」

盗賊「なんだ」

魔王「どうして襲ってきたの?」

盗賊「!」

魔王>>1「何も見つからなかった」

勇者「うん」

魔王>>1「なあ、勇者。諦めてまた魔王やろうと思うんだが。世界を一から作り直して。だからお前、今度こそ勇者になって我輩を倒しに来い」

勇者「でもお前、魔界とかって幻想世界で、こっちが本物の世界なんだろ?いつかは限界来ると思うけど・・・」

魔王>>1「ここにいるよりマシじゃね」

勇者「たしかに」

こうして>>1は、またもや架空の世界に篭り、勇者を待ち続けながら幸せに暮らしたのでした。
次回作は「魔王と勇者が入れ替わる」お話です。お楽しみに。

(完)

戦士「どうしてって、金目当てに決まってるだろ」

僧侶「勇者さまなら大金を持ってると思ったんですね……汚いです!」

魔王「ただの金目当てなら、武装してる私よりも市民を狙いそうじゃない?」

僧侶「確かに、いくらなんでもリスクが大きすぎますね」

魔王「何か訳があるんじゃないかと思って」

盗賊「わかった。ついてこい」

僧侶(この人私より胸が大きいな……チッ)

魔王「ここは!?」

盗賊「私の村、だった場所だ」

僧侶「ひどい……」

戦士「魔物の仕業か」

魔王「!」

戦士「何を驚いている?こんなもの、全国各地にあるだろう」

魔王(そうなの!?全然知らないんだけど)

盗賊「私の村は魔物に滅ぼされた。だから私は魔物を憎んでいる」

魔王「!」

盗賊「勇者の持っている金は、この辺りの魔物から巻き上げた金だろう?」

盗賊「だからその金は元々は私の村の金だ」

僧侶「すごい思考回路してますね」

盗賊「その金を奪って、村を再建してやろう……と思った」

戦士「言い訳だな」

盗賊「……すまなかった」

魔王「あのさ、一緒に旅について来ない?」

盗賊「!?」

戦士「勇者、何を……こいつは自分を襲おうとしたんだぞ!」

魔王「うん、でも理由があったわけだし」

魔王「魔物を憎んでいるのなら、悪くない話だと思うけど」

盗賊「……いいのか?」

魔王「その代わり、魔物のことを教えてほしいんだ」

魔王「外の世界を知らないから……わからないことだらけなんだ」

側近「魔王さま、勇者がついに出発したらしいですよ!」

勇者「そっかー」

勇者(あいつちゃんと出発したんだな)

側近「ちょっと勇者の様子を見てみませんか?」

勇者「外に出るってことか?」

側近「いえ、この水晶玉でですー」

勇者(意地でも外には出さないんだな……俺は別にいいけど)

側近「今は廃墟の村にいるみたいですね」

勇者「あー、あの魔物に滅ぼされた村か」

側近「は?何言ってるんです?滅ぼしてませんよ!」

勇者「え?」

側近「ここは人間が自分で滅ぼしたんじゃないですかー!やだー!」

勇者「ちょ、ちょっと待って話が読めない」

側近「この村の娘のひとりに、王子が目をつけて求婚したらしいのですが」

側近「振られたから攫って、口封じに村を潰したらしいって近所のキメラが」

勇者「はああああああああああ!?」

側近「!?そんなに驚くことですか?」

勇者「いや驚くだろ!」

側近「人間がやったことを魔物のせいにされるのは、よくあることじゃないですか」

勇者「ゴルゴムの仕業か!」

側近「ゆ゛る゛ざん゛っ゛!!」

勇者「えー、ちょっとうわ、へこむわー」

側近「魔王さまのお心は純粋ですからね。少し刺激が強すぎましたか」

勇者(魔物が絶対悪だと思ってたのに、人間不信になりそうだわ)

側近「世界のゴミである人間を掃討するためにも、世界征服がんばりましょう!」

勇者「気持ちは分かるが少しは歯に衣着せろ。なお傷つくわ」

勇者(俺は世界のゴミか……)

勇者「もしかして他にも俺の知らない世界の闇があるんじゃないのか?」

勇者「魔王のやつもあまり人間の俺に悪意がない感じだったし」

勇者「もしかして人間が魔物を疎ましく思ってるだけなんじゃ」

勇者「教育に悪いとか言って、側近はあれ以上口を割ってくれないし」

勇者「どうにかして知る方法はないものか……ん?」

スライム「ピキー!僕悪いスライムじゃないよ!ぷるぷる」

勇者「これだ!」

スライム「人間の世界のことを教えてほしいんですか?」

勇者「あぁ。お前ら町の周りにばっかり出るじゃん?」

勇者「だから他の魔物より人間に詳しいんじゃないかと思って」

スライム「魔王さまのお役に立てるなら喜んで!」

スライム「人間は恐ろしい生き物です。魔界への侵略も狙っているし」

勇者「!?魔物が人間界を侵略しようとしてるんじゃないのか?」

スライム「魔物は人間が攻めて来るから、撃退してるだけじゃないですか」

勇者「じゃあ先に手を出したのは人間ってことなのか?」

スライム「そうだっておじいちゃんに聞きました。ぷるぷる」

勇者「国王そんなこと一言も言ってなかったのにwwクズすぎワロタ」

スライム「そんな残虐な人間に捕まっている仲間のことを思うと……」

勇者「?どういう意味だ?」

スライム「僕たちが町の近くに行くのは、攫われた仲間を助けるためですよ!」

勇者「えっ何それ」

スライム「僕たちの仲間は、攫われて閉じ込められて」

スライム「死ぬまでレースをさせられ続けてるんです。ぷるぷる」

勇者(そういえばスライムレースなんてものがあったな)

勇者(今まで何も感じなかったけど、よく考えたら立派な虐待だよな)

勇者「まぁそりゃあ心配になるわ」

スライム「だから僕も今から助けに行くんです!」

勇者「でもお前ら弱いから人間相手にも負けるだろ?」

スライム「それでも見捨てられません!ぷるぷる」

勇者「……それもそうか」

勇者(カーチャンが魔物に捕まったらと思うとゾッとするもんな)

勇者「なぁ側近」

側近「何でしょう魔王さま」

勇者「ちょっとスライム助けに行きたいんだけど」

側近「ダメです」

勇者「えー」

側近「しばらく外に出ないって言ったじゃないですか!」

勇者「いやそうなんだけどさ、かわいそうじゃん」

側近「別にかわいそうじゃないですよ。私たちは魔王さまの一部なんですから」

勇者「そうなの?」

側近「はぁ?何言ってるんですか」

側近「魔王さまの魔力から生まれたのが、私たち魔物じゃないですか」

勇者「でも命はあるわけじゃん?」

側近「死んでも魔王さまの魔力として元に戻るだけなので」

勇者「感情もあるしさ」

側近「魔王さまのために役に立つことが私たちの全てなんですよ」

側近「魔王さまがそれを助けたら意味ないでしょう」

勇者「じゃあお前が助けてよ」

側近「そんな暇ありませんよ!」

勇者「ひでぇ!鬼!悪魔!人でなし!!」

側近「そりゃ魔物ですから人じゃありませんが」

勇者「ですよねー」

側近「私も、魔界に攻めて来る人間を撃退するのに忙しいのですよ」

勇者「じゃあ俺が」

側近「ダメです」

勇者「納得いかねぇ……」

側近「魔王さまがお優しいのはわかりましたが、諦めてください」

スライム「ぷるぷる、もういいですよ魔王さま」

スライム「僕たち自分で何とかしますから!ぷるぷる」

スライム「気にかけてくれて、ありがとうございました!」

勇者「スライム……」

スライム「ぷるぷる、行ってきます!」

戦士「おい勇者、あそこに魔物がいるがどうする?」

魔王「!こんな町の近くに……」

僧侶「ずいぶん弱そうですけど」

魔王「……あの魔物が町の人を襲うかもしれない、その前に倒さないと」

盗賊「そうだな」


スライム「ぷるぷる」

戦士「見たか!?俺が一撃与えたぞ!」

僧侶「スライム相手によくそんなにムキになれますね」

戦士「だって攻撃したの久しぶりだしいいいいいいい」

魔王「意外と持ちこたえてたね、あの子」

盗賊「あのスライム……死ぬ直前に、魔王さま万歳と言っていたな」

魔王「!」

盗賊「害がなさそうな魔物でも、やはり魔王の手下なんだな」

魔王「……」

勇者「ああああああああ」

勇者「気になって水晶玉を見てしまった」

勇者「見なきゃよかった……ちくしょう」

勇者「魔王のやつ、なんで自分の部下を躊躇せず殺せるんだ?」

勇者「そりゃあ元はあいつの一部かもしれないけど」

勇者「魔物にもちゃんと意思があって、生きているのに」

勇者「スライム……」

勇者「くそおおおおおおおおお」

僧侶「勇者さま大変です!」

魔王「どうしたの?」

僧侶「この前寄った町のカジノが、昨夜大爆発したらしくて」

戦士「何だと!?今度一発当てようと思ってたのに……」

僧侶(クズが)

魔王「それで、中の人は?」

僧侶(勇者さまマジ天使)

盗賊(結婚しよ)

僧侶「営業時間外だったみたいで、被害は少ないみたいなんですけど」

盗賊「経営者が爆発に巻き込まれて死亡したらしいな」

魔王「そんな……」

僧侶「噂では魔王の仕業じゃないかって」

魔王「!?」

盗賊「人の多い場所を狙い撃ちってことか、許せんな」

魔王(どういうこと……?)

魔王(私の支配下でない魔物が暴走した?)

魔王(いや、下級の魔物がそんな高度な魔法を使えるとは思えない)

魔王(人間に気付かれずに町に入れるとも思えないし)

魔王(だとすると側近?)

魔王(でも側近は、魔界に攻め込んできた王国を狙うはず)

魔王(もしかして本当に勇者が私の魔力を使って……?)

側近「魔王さま魔王さま」

勇者「なんだよ」

側近「昨日魔王さまが水晶玉に向かって呪い続けていたカジノですが」

勇者「いや呪いっていうか、バルス唱え続けてただけだけど」

側近「昨夜爆発して、中のスライムたち逃げ出したらしいですよ」

勇者「おお!!」

側近「噂では、経営者の煙草の不始末が花火に引火したらしいですが」

勇者「それも魔物のせいにされそうだな……でもよかったなスライムたち!」

側近(昔の魔王さまなら気にも留めなかったのに……成長されたんですね)グスン

魔王「今日はここで野宿しようか」

盗賊「魔王城もだんだんと近づいてきたな」

戦士「ここまであっという間だったな」

僧侶「勇者さまが大活躍でしたからね!」

戦士「ぐぬぬ」

魔王「そんなことないよ、みんながいたからだよ」

戦士(お前がそういう良い事言う度に、俺の影が薄くなるんだが)

魔王「今までの旅で、魔物のせいで不幸になった人、たくさん見たね」

戦士「何を今さら言っているんだ。昔からだろう」

魔王「うん。そうみたいだけど、私はこの目で見たことがなかったから」

僧侶「私も……知ってたつもりでしたけど、いざ目にすると……」

盗賊「魔物は許せない。だから早く、魔王を倒さないとな」

魔王「……」

魔王「話が通じる魔物も、中にはいるんじゃないかな」

盗賊「勇者、いきなり何を言い出すんだ?お前は今まで何を見てきたんだ」

魔王「うん、ひどい魔物もいるのはわかったよ。でもそれは人間だって……」

戦士「確かに人間にもクズはいるが、魔物は力を持っているからな。やはり危険な存在だ」

僧侶(お前が言うなクズ)

盗賊「世界を平和にするには魔王を倒して、魔物を滅ぼすしかない」

魔王「平和……」

魔王が勇者の体でメラゾーマ使ってるけど、もともと勇者はメラゾーマ使えたの?

魔王「誰も傷つけずに平和にすることってできないのかな」

僧侶「勇者さま、それは……」

盗賊「まさか魔王に話が通じるとでも思っているのか?」

戦士「そりゃあ魔王がいいやつなら、話が通じるかもしれんが」

盗賊「そもそも魔王が話が通じるような人物ならこんなことにはなっていないはずだ」

戦士「だな。魔王は極悪非道で血も涙もないに違いない」

魔王「……」

魔王(そうだ、私の責任だ。私は魔物を統べる王なのに)

魔王(魔物がしてきたことも、人間のことも何も知らなかった)

魔王(私が見て見ぬふりをしてきたせいで、彼らは不幸になったんだ)

魔王(私はこれからどうすればいいんだろう)

魔王(魔王城に帰って勇者に会って、元の身体に戻ったら)

魔王(また前と同じような生活に戻るの?)

魔王(私が本当にしたいこと……そのためなら)

魔王(どんな手段でも尽くさなきゃいけない、責任があるんじゃないかな)

勇者「世界平和っていったい何だろうな」

側近「どうしたんですか急に」

勇者「急にじゃねぇよ。ずっと考えてたんだ」

勇者「人間は平和のことを、魔物が滅んだ世界って意味で指しているようだが」

側近「自己中極まりないですね」

勇者「いやでも魔物だって、人間を掃討したら平和になると思ってるんだろ?」

側近「ですがそれは……」

勇者「わかってるよ、生き残るためだろ。でもそれって何か違う気がするんだよな」

側近「平和とは、一般には社会の状態が戦争や内乱、騒擾などで乱れていないこと、らしいですよ」

勇者「思いきりwikipedia引用してきやがったな」

側近「でもそんなこと可能なわけないじゃないですか」

勇者「今も人間は魔界侵略を狙ってきているみたいだしな」

側近「現実的には国家の抑止力が内外の脅威を抑止している状態のこととも書いてありますが」

側近「魔物と人間の争いに一般常識なんて通用しませんよ」

勇者「……」

勇者(別に俺は、自分が勇者だから世界を平和にしたいわけじゃない)

勇者(でも苦しんでいる人や魔物が目の前にいて)

勇者(自分に力があるのに何もしないなんて)

勇者(そんなの俺自身が許せねぇよ)

勇者(魔王が旅を終えて帰ってきて、元の身体に戻ったら)

勇者(また前のような生活に俺は戻るのか?)

勇者(俺の本当にしたいこと……そのためなら)

勇者(どんな手段でも使うべきじゃないだろうか)

勇者「俺のやるべきことが、みつかった」

勇者「最初は引きこもれれば何でもいいと思ってたけど」

勇者「やっぱり外に出られないのは、何もできないのはつらいわ」

勇者「魔王がここに辿り着いたら、この転換の杖で元に戻って」

勇者「世界を平和にしよう」

勇者「……まさか俺がこんな風に思う日が来るなんてな」

魔王(私がやらなきゃいけないこと、みつかった)

魔王(最初は外に出られれば何でもいいと思ってたけど)

魔王(私は今まで何も知らなさすぎた)

魔王(早く魔王城に帰って、元に戻って)

魔王(世界を平和にしよう)

魔王(……まさか私がこんな風に思う日が来るなんてね)

魔王「さぁ、魔王城へ急ごうか」

盗賊「魔王城……ついにここまで」

僧侶「だ、大丈夫でしょうか私たち」

魔王「私がついているから問題ないよ」

盗賊「勇者……」キュン

僧侶「勇者さま……」キュン

戦士「おい、俺もいるからな!忘れんなよ!ちくしょう!!」

側近「魔王さまー!ついに勇者が来てしまったみたいですよ!!」

勇者「うん、知ってる」

側近「ど、どうしましょうまさかこんなに早いとは」

勇者「慌てるなよ大丈夫だから」

側近「魔王さま……」キュン

勇者「やめて頬染めないでお願いだから」

側近「いえ、ご立派になったなぁと思いまして」

側近「まるで以前とは別人のようです!」

勇者(別人だからな……)

戦士「勇者、ちょっと休憩しないか……」ゼェゼェ

魔王「休んでていいよ、先に行っとくから」

戦士「何!いやそういうわけには」

魔王「気にすることないのに、戦士はがんばり屋さんだねぇ」

戦士(じゃなくて活躍できなくなるだろおおおおおお)

僧侶「勇者さまは確かにお強いですけど……」

盗賊「ここまで来て焦りは禁物だぞ」

魔王「うん、わかってるよ。でも早く行かないと」

魔王「この先に……あいつがいる」

勇者「だから行かなくていいって」

側近「そういうわけには行きませんよ」

側近「まぁ見ててくださいって!私が勇者を叩きのめす様を!!」

勇者「だからそれが無理なん……」

側近「魔王さま」

側近「最近の魔王さまは見違えるようでしたよ」

側近「あなたに仕えることができて、幸せでした」

勇者「……」

側近「待っていましたよ、勇者」

魔王「側近……」

側近「魔王さまのために、あなたにはここで死んでもらいます!」

魔王「私も、譲れないものがあるんだ」

魔王「この戦いが終わったら、元に戻って世界を……」

側近「覚悟!」


魔王「ごめんね」

勇者「うっ……ううっ……」

勇者「……泣いてる場合じゃないな」

勇者「魔王がここにくるんだ、しゃっきりしないと」

勇者「あいつがここに来たら、元に戻って世界を……」

勇者「世界を……平和にするために」

勇者「来たか」

魔王「うん」

戦士「魔王、覚悟しろ!」

僧侶「勇者さまのためなら死ねます!」

盗賊「勇者は私が守る!」

勇者「え、何そのハーレム、そういうことになってんの」

魔王「?」

勇者「早くその身体に戻りてええええええええ」

戦士「だから俺もいることを忘れんなああああああああああ」

魔王「ちょっと戦士うるさいから黙ってて」

勇者「今から大事な話するところだから」

戦士「すみませんでした」

魔王「さて、ここに来たら私の旅も終わるわけだけど」

勇者「そうだな、だが戻る前に」

魔王「伝えておきたいことがあるんだ」

勇者「……俺もだ」

魔王「私は世界を旅して色んなことを知った」

勇者「ひたむきに隠されていた世界の闇や」

魔王「自分が知らないうちに傷つけていた人たちの存在」

勇者「俺なりに考えて、出た結論がある」

魔王「私は」

勇者「俺は」


魔王・勇者「世界を平和にしたい」

勇者「はは、なんだ、俺たちの考えは一緒だったのか」

魔王「ふふ、そうみたいだね」

勇者「じゃあさっさと転換の杖で元に戻って」

魔王「うん、二人で一緒に」


勇者「世界を征服しよう」

魔王「魔物を滅ぼそう」

魔王「ん?」

勇者「あ?ちょっと待て、話が噛み合ってないぞ」

盗賊「だから言っただろう勇者、魔王と話しあうなんて無駄だと」

勇者「部外者はちょっと黙ってろ!」

盗賊「なっ」

僧侶「ぷっ、部外者ですって」

魔王「うん、ごめん。僧侶もちょっと静かにしてもらっていいかな」

僧侶「はい」

勇者「世界を平和にしたいんじゃないのか?」

魔王「うん、そうだよ」

勇者「だったら世界征服するしかないだろ!」

魔王「なんでそうなるのさ!魔物を滅ぼさないとでしょ!?」

勇者「いやいやなんでそうなるんだよ!」

魔王「じゃあ、順を追って説明しようか」

勇者「よしきた、論破してやんよ」

魔王「外に出て、魔物に荒らされた村をたくさん見てきた」

魔王「そのせいで不幸な目にあっている人たちも」

魔王「一部の魔物が誰かを不幸にするくらいなら、魔物なんていない方がいい」

魔王「だから私は魔物を全部魔力に戻すつもりでここに来たんだ!」

魔王「そしてもう一度、世界の全てをやり直したい!」

勇者「それは違うよ!」ズギャーン

魔王「!?」

勇者「いいか、魔物は確かに魔王の魔力から生まれたかもしれない」

勇者「だが、魔物だって生きていて、意思があるんだ」

勇者「虐待したり殺したりしていいわけがない!」

勇者「しかも人間ってやつは、思った以上に腐ってやがる」

勇者「一度魔王が世界を征服して、統率して正しい道に導いてやるべきなんだよ!」

魔王「そんなの平和だなんて呼べないよ!」

勇者「お前の平和だって魔物が犠牲になってんだろ!」

一見、どちらも正論に見えるがこれは正論ではなく極論である

魔王「魔物は魔力に返るだけだから気にすることないんだって」

勇者「だから!あいつらも生きてんの!なんでそれがわからないかな!!」

魔王「だって一部だし」

勇者「しかも人間は自分の罪を魔物になすりつけるクズだぞ!」

魔王「でも魔物だって実際人襲ってるし」

勇者「ああああああああもう!」

魔王「イライラするううううううううう」

勇者「じゃあお前が納得するまで元に戻るのやめるわ」

魔王「な!?」

勇者「だってお前元に戻ったらすぐ魔物消滅させるだろ」

魔王「困るよ!その杖私のだから返してよ!」

勇者「やーなこった、悔しかったらとってみなー」

魔王「むきー!」

僧侶・戦士・盗賊(子供の喧嘩か……)

魔王「決めた。私は君を倒して杖を奪う」

勇者「おーいいぜ。納得するまで何度でもぶちのめしてやんよ」

魔王「私は君を倒して」

勇者「俺はお前を倒して」



魔王「魔物を滅ぼす!」

勇者「世界を征服する!」


おわり

>>88
勇者も潜在的な魔力はあったから、魔王がそれを引き出しました
中身入れ替わっても魔法の出し方は覚えているので
ただ勇者は筋肉がないから、物理攻撃はすかんぴんだと思います

>>121
今まで平和主義な話しか書いてなかったから、たまには極端な奴らを書きたかったので、
その認識で正解だと思います

あと少しだったのに猿食らって焦った
遅くまでありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom