千秋「このニート野郎」(431)

みなみけ

>>1
代行乙



――とある朝

チュンチュン、チュンチュン

『夏奈、朝ごはん出来てるわよー。早く起きなさいー』

夏奈「ん・・・」

夏奈「んん・・・・・」

夏奈「・・・・・・・・ふぁ~・・・」 チラッ

夏奈「・・・何だよもう・・・まだ朝の7時じゃないかー・・・」 ボーッ


夏奈「もうちょっと寝させてよ・・・むにゃむにゃ・・・」 ボーッ

ガバッ

千秋「何がもうちょっとだ、このニート野郎」

夏奈「うぅ、寒いよ千秋ー」 ブルブル

千秋「いいから早く起きなさいよ」 ガシッ

夏奈「・・・・んん・・・」 ボーッ


――台所

春香「あら夏奈おはよう」

夏奈「・・・ああ・・・おはよう春香・・」 ボーッ

春香「まだ眠たそうね、昨日も徹夜でゲームしてたの?」

夏奈「うん・・・あまりにボスが強くて、ちょっと熱中してたらいつのまにか寝てたみたい・・・」 ボーッ

春香「あらそうなの。ところでバイトは見つかった?」


夏奈「いやまだだよ・・・・今日探すよ・・・ふぁ~」

春香「そう、早く見つかるといいわね」

ガチャガチャ

千秋「どうせ夏奈はバイトなんて探す気ないんだろ」 モグモグ

夏奈「あ、あるよ!私だって早く働きたいんだから」

千秋「にしては毎日グータラしてるよな、いつまでも春香姉さまに面倒見させるなよな」 モグモグ


夏奈「なんだ千秋、今朝はやけに挑発的じゃないか。私とやろうってのか?」 シュッシュ シュッシュ

千秋「ああ望むところだ、かかってこい馬鹿野郎、いやニート野郎」 スッ

夏奈「・・・・・」

千秋「・・・・・」

夏奈「とぅ!」 ガシッ

千秋「あぁ、ふじおかに何をする気だ」

夏奈「こいつは人質にさせてもらおうか。返して欲しければさっき言ったことを謝るのだ、ふっふっふ」


千秋「うー、この卑怯者め」 ガバッ

夏奈「甘い甘い」 サッ

夏奈「千秋ももう高校生だってのに、まだこんな子供っぽいぬいぐるみを大事にしてるのか」 ギューッ

夏奈「意外とお子様なんだな」 ギューッ

千秋「大きなお世話だ馬鹿野郎、ふじおかの手足を引っ張るな。かえせー」 ジタバタ 


夏奈「嫌だよーだ、ほらさっさと謝りたまえ」

ガシーン

夏奈「うっ」

千秋「ああっ」

春香「喧嘩はやめて早く朝ごはん食べなさい」

夏奈&千秋「は、はい」


モグモグ

春香「あっ」

春香「やだもうこんな時間、急がないとパート遅刻しちゃうわ・・・」

春香「それじゃ二人とも私行ってくるからね」

夏奈「行ってらっしゃい」 モグモグ

千秋「行ってらっしゃいませ春香姉さま」

春香「千秋ちょっときて」

千秋「はい?」

春香「今日も一日頑張ってね。ちゅっ」

千秋「・・・///」

千秋「はい春香姉さま///」 ポッ

夏奈「・・・」 ジー


春香「それじゃ行ってきまーす」

タッタッタ

夏奈「春香も毎日大変だなー」 モグモグ

千秋「夏奈も少しは春香姉さまを見習いなさいよ」 モグモグ

千秋「私達の面倒を見るために大学に行かずに、スーパーでパートしてお金を稼いでくれてるんだから」

夏奈「うんうん、本当に偉いなー春香は」 モグモグ


千秋「それに比べてお前はいつまで春香姉さまに心配かけるんだよ」

千秋「大体お前は高校卒業してからこの数カ月、大学に行くわけでもなく、仕事に就くわけでもなく毎日家でゴロゴロしてばかりだな」

千秋「お前には何かやりたいことや夢はないのかよ」

夏奈「むむっ」

夏奈「私だって夢ぐらいあるさ」

千秋「ほう、じゃあどんな夢があるのか言ってみなさいよ」

夏奈「ずばり漫画家さ」


夏奈「大好きな漫画を描いて大金持ちになるのが私の夢なのだ」

千秋「じゃあお前はその夢に対して何か努力をしているのか?」

夏奈「ああ、してるとも。毎日漫画を読んで勉強しているさ」

千秋「・・・」

千秋「お前もうアレだな。まあいいや、聞いた私が馬鹿だったよ。私はお前に付き合ってるほど暇ではないよ」 ガタッ

夏奈「なんだもう行っちゃうのかー。一人は寂しいよー」

千秋「甘えるな馬鹿野郎、それじゃあ行ってきます」


夏奈「千秋ちょっと」

千秋「なんだよ?早くしないと待ち合わせに遅れるよ」

ガシッ

夏奈「ちゅー、ちゅー」

千秋「うわ、何をする馬鹿野郎。はーなーせー」 ジタバタ

ポコポコ

夏奈「痛いなあ、何も殴ることないだろー」

千秋「ふんっ」

バタンッ

夏奈「・・・」

夏奈「あーまた家で独りぼっちだよ。今日は何して時間潰そうかな」


――バス停

内田「あ、千秋が来たよ!」

吉野「本当だね」

内田「おはよう千秋!」

吉野「千秋おはよう」

千秋「二人ともおはよう。すまない、ちょっと夏奈の馬鹿野郎のせいで遅くなってしまった」

吉野「私たちも今来たところだから全然大丈夫だよ」

千秋「そうか。ならいいんだが」

ブルルルルルン

内田「あ、バスきたよ!」


――バスの中

ザワザワザワ

内田「なんか段々寒くなるねぇ」 ブルブル

吉野「本当だね。今朝はさすがに起きるの辛かったよ」 ブルブル

千秋「・・・」 ボーッ

『おい、あの子可愛いくね?』


『どの子だよ、右の子?真ん中の子?』

『いや確かにその子達も可愛いけど、俺が言ってるのは一番左に座って窓の外を眺めてる子だよ』

『どれだよ・・・・ああ、あれ3組の南さんだろ?』

『何お前あの子知ってるの?』

『知ってるも何も俺達の学年、いや校内全体でもかなり可愛いって噂の南さんだろ』


ヒソヒソ

千秋「ん?」 チラッ

『うわ、やべえ目があったし///』

『お前何照れてんの』

内田「ねえ、あの前の男の子達さっきから千秋の事見てない??」

吉野「うん見てる見てる」

千秋「あれは私に喧嘩でも売ってるのか?」


内田「いやそうじゃなくて、千秋が可愛いから見てるんじゃないかな」

千秋「なんだそれは、くだらないな」

吉野「千秋先週も隣のクラスの男子に告白されてたもんね」

千秋「え、私告白なんてされたのか?」

内田「え!?学校の男子に呼び出されて好きとか言われてたでしょ?覚えてないの?」

千秋「・・・なんだ、あれが告白だったのか」


千秋「全然知らない人間から好きと言われてもどうしようもないから、ていねいに論破して突き返してやったが」

内田「うわぁその男の子かわいそう・・・」

千秋「・・・ん?」

吉野「だから今まで千秋にフられて泣いてる男子が多かったんだね」


内田「うーん」 ジー

千秋「なんだ内田?」 チラッ

内田「千秋どんどん春香ちゃんに似てきてるからそりゃモテるはずだなーって思ってね」

千秋「ほう、春香姉さまに似てるなんて最高のほめ言葉だな。苦しうない、もっと言ってくれ」 ニッコリ

内田「ははー。ありがたきお言葉です、姫」 ペコリ

千秋「おい、姫はもう辞めろ」

吉野「ふふふ」


――高校

ガヤガヤガヤ

内田「ふぅ・・・教室はあったかいねー」 

吉野「ねー」

冬馬「おっす!」 トンッ

内田「うわ!」 ビクッ

内田「もう冬馬か・・・ビックリするじゃん」 ドキドキ

冬馬「悪い悪い。はぁはぁ・・・サッカー部の朝練が少し長引いちゃって・・・ギリギリ間に合ったぜ」 ハァハァ


吉野「冬馬おはよう、すごい汗だね。シャツだけでも着がえたら?」

冬馬「おう、そうだな。よいしょ・・・」 ヌギヌギ

内田「と、冬馬!男子もいるんだからトイレで着がえてきなよ・・・///」 カーッ


冬馬「もう面倒くさいなー、じゃあちょっと行ってくるぜ」 タッタッタ

ガラッ

冬馬「お、よう千秋」

千秋「よう冬馬。そんなに焦ってどうした?」

冬馬「ちょっと着がえてくるんだよ、じゃな」 サッ

千秋「朝からせわしい奴だな」


――――昼休み

キーンコーンカーンコーン

ガヤガヤ

ガラッ

冬馬「おい弁当食べようぜー」

吉野「あら冬馬、今日はファンクラブの子と一緒に食べないの?」 ニヤニヤ

冬馬「お前なぁ、茶化すなよー。俺は別に好きであいつらと弁当食べてるんじゃないんだぞ」

内田「はは、冬馬は高校生になっても女子にモテモテだね」


『ねぇねぇやっぱり可愛いよね・・・』

『うん超可愛い、はあ・・・憧れるなー。私もMAKOちゃんみたいに可愛くなりたいなー』

『うんうん』


『ねぇ内田、このMAKOちゃん可愛いよね?』 サッ

内田「え?んー?どれどれ・・・」 ジー 

内田「うわ・・・このワンピース着たMAKOちゃん色っぽいね!」

吉野「どれどれ?見せて見せて」 ジー

吉野「あ、本当だー、セクシーだね」


ワイワイ

千秋「・・・」 モグモグ

千秋「なあ冬馬」

冬馬「ん?」 モグモグ

千秋「MAKOちゃんって今そんなに人気なのか?」

冬馬「ぶっ!」


冬馬「み、みたいだな・・・、うちのクラスの女子もいつもMAKOちゃんの話してるぜ」 アセアセ

千秋「そうかそうか、MAKOちゃんも色々と頑張ってるんだな」 モグモグ

冬馬「う、うん・・・」

≪カリスマ読者モデルMAKOの秋冬コレクション≫
彼女達が見ている雑誌には大きくそのような見出しが載っていた
そう、マコちゃんことMAKOは今や女子中高生のカリスマ的存在にまでなっているのであった。


千秋「そういえば今日もマコトは遅刻か」

内田「・・・!」 ドキッ

内田「あ、あぁマコトくんは今日も家のお手伝いが忙しいとか何とかで遅れるみたいだよ」  アセアセ

千秋「そうなのか、マコトも頑張ってるんだな」 モグモグ

内田「ねえ冬馬・・・どうしてこうなっちゃったの?」 ボソッ

冬馬「俺が知るかよ!まぁマコトも自分の行きたい道を歩んでるんだからいいんじゃねえの?」 ボソッ

内田「本当にいいのかな・・・」 ボソッ

――――とある車内

『MAKOちゃん今日もお疲れさまー』

マコちゃん「はいマネージャー!お疲れ様です!」

『そうそう、MAKOちゃんにいい知らせがあるんだよ』

マコちゃん「はい!なんですか?」


『なんかさーMAKOちゃんをメインにしてアイドルユニット組もうって話が挙がってるんだよね』

マコちゃん「ええ!アイドルユニットですか?」

『そうなんだよー、今MAKOちゃんを支持してる大半は女子中高生だよね』

マコちゃん「はい・・・」

『だからこれからは若い男性にも照準を合わせてプロジュースをしていこうってことみたいなのよ』

『一応プロジューサーには業界でも名が通ってる人がつくみたいだしさ、今のMAKOちゃんならまず成功すると思うよ』


マコちゃん「なるほど・・・。分かりました、とにかく俺いや私がんばります!」

『うんうん頑張れ!お、MAKOちゃん着いたみたいだよ』

マコちゃん「あ、今日も送ってくれて有難うございました!お疲れ様です!」

『いえいえ、これもマネージャーの仕事ですからー。でも今日もこんな道端でいいの?なんなら家まで送ってくよ?』

マコちゃん「いえいえ!大丈夫です!よく歩くのもこのスタイルを保つ秘訣ですから!」


『そっか。じゃあ誰かに襲われたりしないようにね、MAKOちゃんは可愛いから・・・、はは』 ニヤニヤ

マコちゃん「心配してくれて有難うございます!ではこれで!お疲れさまでした!」

バタンッ 

キーッ

マコちゃん「ふぅ・・・さてトイレトイレと・・・」 タッタッタ


ガサコソ

マコト「じゃじゃじゃーん!変身完了!」

マコト「よし、早く学校に行かないと!」


――――高校

ガラガラッ

マコト「すいません遅れましたー」 ボソッ

コソコソ

内田「あ、マコトくん」

マコト「よう内田・・・あれ?先生は?」 ボソッ

内田「今日も遅かったね、もう6限目だよ。今日は先生いないから自主勉なんだよ」

マコト「そうなのか・・なるほど。ふぅ・・疲れた」


千秋「ようマコト、今日も家の手伝いだったのか?」

マコト「や、やぁ千秋。うんちょっと手伝いが長引いちゃってね、はは」

千秋「いつも御苦労さまだな、ほらノート貸してやるから写したら早く返せよ」 スッ

マコト「おー!助かるぜ!!サンキュー姫!!」

千秋「次それ言ったら二度と貸してやらないからな」

マコト「は、はい・・・」

吉野「ふふ」


―――南家

ピンポーン

夏奈「お、藤岡やっときたか」

藤岡「こんばんわー、お邪魔します」

春香「藤岡君こんばんは」

千秋「よう藤岡」

春香「いつも悪いわね、今日はおでんを作り過ぎちゃって」

藤岡「いえいえ、春香さんの料理は美味しいから、呼ばれればいつでも喜んで来ますよ」 ニコニコ


夏奈「藤岡は今日も泊まっていくのか?」

藤岡「うん、南がいいなら泊まっていくよ。明日は大学の講義ないしね」

夏奈「そうか、まあ私は別にどっちでもいいけどな」

夏奈「でも私のベッドは絶対に貸さないからな。床で寝てくれよ」


藤岡「うん、分かったよ」

春香「じゃあ藤岡君は夏奈の後にお風呂に入ってね」

藤岡「はい分かりました」

ワイワイ

春香「よし、そろそろ後片付けをしよっかな」

千秋「私は今日は疲れたので早く寝ます春香姉さま」

春香「はい、千秋おやすみ」

サスサス

千秋「・・・///」


――夏奈の部屋

藤岡「ふぅー、南の家のお風呂最高だったよ」

夏奈「そうか、それはよかったな」 カリカリ

藤岡「南また漫画描いてるの?」

夏奈「うん、ちょっとな」 カリカリ


藤岡「へーそうなんだ。見てもいい?」

夏奈「見てもいいが素人のお前には別に指摘してもらいたいとは思ってないぞー」 カリカリ

藤岡「はは、南もまだプロじゃないけどね・・」 パッ

藤岡「・・・」 ジー


藤岡「これって恋愛漫画なの?」

夏奈「ああ、一応そのつもりだよー」 カリカリ

藤岡「なんでこの漫画のキスシーンは全部線がモヤモヤしてるの?」

夏奈「あぁ、私がキスしたことがないからだよー」 カリカリ

藤岡「そ、そうなんだ」 ドキッ


夏奈「なあ藤岡」 カリカリ

藤岡「な、なに南?」

夏奈「お前は彼女とかいないのか?」

藤岡「うん、いないよ!」 キッパリ

夏奈「へー・・意外だな」 カリカリ

夏奈「大学生になるとみんな彼氏彼女ができて、そこらでしっぽりしてるものだとばかり思ってたよ私は」


藤岡「うーん・・確かにそういう人も多いけど」

夏奈「うん・・・」 カリカリ

藤岡「俺は心に決めた人がいるから・・・」 ボソッ

夏奈「んー?・・・」 カリカリ

藤岡「み、みな・・」
夏奈「よーし!!今日はここまでにしよう・・・もう疲れちゃったよ」

夏奈「寝るから電気消してくれたまえ藤岡くんよ」

藤岡「・・う、うん」


カチッ

夏奈「・・・」

藤岡「・・・」

夏奈「・・・あれ?ちょっと待てよ・・・」

夏奈「そういえばなんでお前は普通に私の部屋に泊まるようになったんだ?」

藤岡「え・・・?」

藤岡「なんでだろ・・はは」

夏奈「ふぁ~・・・まぁにゃんでもいいや・・・・おやすみ・・・」 グー

藤岡「おやすみ・・・南」

藤岡「・・・」 ジー


――――夕方の商店街

春香「アツコー!ここ、ここ!」

アツコ「あ・・春香・・・久しぶりね」

春香「うん久しぶりだねー、元気にしてた?」

アツコ「うん・・なんとか頑張ってる・・・」


春香「就職活動は順調?」

アツコ「うーん・・・それが・・・エントリーシートは通るんだけど・・・面接が・・・///」

春香「なるほどー、あまりうまくいってないみたいね・・・」

春香「まぁ今日はさ、そんなこと忘れてパーっといこうよ!」

アツコ「うん、私もそのつもり」 ニッコリ

春香「それにしてもマキ遅いわねえ、もう10分も過ぎてるのに・・・」 ジーッ


――――パチンコ屋

ジャンジャンバリバリ

マキ「あー!っもうあったまくる!なんで甘デジ打ってるのに500もハマんのよ!」 イライラ

マキ「もー!今月のバイト代がなくなっちゃうよ~!」
シュボッ

マキ「ふー・・・はー・・・」 スパスパ

チラッ

マキ「って時間やばいじゃんか!!」

キュイン!

マキ「うそぉ・・・」


―――商店街


『春香―!アツコー!』

春香「やっと来たー」

マキ「ごめんちょっと用事があって遅れちゃった・・・ぜぇぜぇ・・・」 ハァハァ

アツコ「マキは全然変わってないわね・・・」

マキ「何を~!アツコだって胸の大きさは変わってないじゃない!」 モミモミ

アツコ「ひゃっ・・もうやめてよマキ・・・////」 ビクン

春香「二人とも変わってないわよ、ふふ」


―――とあるレストラン

春香「ここのレストランはフレンチが有名らしいのよね」 キョロキョロ

マキ&アツコ「へー」 キョロキョロ

春香「さて何頼もうかしら・・・」 スッ

アツコ「私もメニュー見せて春香・・」


ジー

マキ(あ、さっき長時間パチンコ屋にいてオシッコ我慢してたから漏れちゃいそう・・・)

マキ「ちょっと私お手洗い行ってくるね」 タッ

春香「はいはーい。・・・うーんどれにしようかなー」 

キーッ バタン

マキ「ふーすっきり」

『アロー!HOSAKA!ちょっとブイヨン持ってきてネー』


『oui!Je vous souhaite un bon anniversaire!』

マキ「え?」

マキ(い、今のは気のせいよね・・・)

マキ「うんうん、ありえないありえない」 トコトコ

『アロー!HOSAKA!フライパンの前で脱いだら火傷するネー!』

『oui!Manifestez un grand appétit de vivre.』


マキ「・・・・」

マキ「・・・」 ソーッ

保坂「ああ俺のヴィアンドゥが熱くて汗をかいてしまう・・・」 ダラッダラ

マキ「・・・!!」 ビクッ

マキ「・・・気持ち悪い」


マキ「うわぁどうしよう・・・なんであの人がここにいるのよ!!」

春香「マキ、先に注文しといたわよー」

マキ「う、うん!」 アセアセ

アツコ「この店はヴィアンドゥが美味しいんだってさ」

マキ(何とかしてできるだけ春香にだけはあの男と会わせないようにしないと・・・)


マキ「とりあえず・・・」

ジー

ジー

マキ「・・・はぅ!」 ビクッ

チ、チラッ

保坂「・・・ω・・・η・・・」 パクパク ジー

マキ(見てる・・・すっごい見てる・・・そして何か言ってる・・・)


保坂「マ・・・キ・・・お・・・・い・・で・・・」 パクパク ジー クイックイッ

マキ「ひぃぃい」

春香「ん?どうしたのマキ?具合でも悪いの?」

マキ「い、いや何でもないわ、何でも!!」 ブルッブル

マキ「ちょっと電話してくるね、はは」 タッタッタ

春香&アツコ「??」


保坂「久しぶりだなマキ」

マキ「お、お久しぶりです保坂先輩・・・」

ガシッ

マキ「ひぃっ!」

保坂「あそこの席にいるのは・・・もしかして南春香か!」 ギロッ

マキ「な、なんのことでしょうか・・・はは」 アセアセ

保坂「とぼけても無駄だマキ・・・あの可憐な顔立ち、気品高い雰囲気、母性本能に満ち溢れる体・・・忘れはしない・・あれは南春香だ!」

保坂「やっと会えたんだ!やっと会えたんだ!!あはは!あはははは!!」

マキ(・・・気持ち悪い)


マキ「保坂先輩はなんでここに?」

保坂「俺か?俺は高校時代に南春香に弁当を食べてもらうことだけに全てを注いだ」

保坂「しかしまだまだあんな腕じゃ南春香に弁当を食べてもらうことなんて到底無理だったのさ」

保坂「そして俺は決めた、さらに腕を磨き、いつしか南春香に最高の料理を食べてもらおうと」

保坂「そして修業先に選んだのがこの近所にあったフレンチの美味しいお店・・・」

保坂「今日というこの日は、これはもう運命としかいいようがない!ついに南春香に・・・俺の手料理を食べさせる時がきたのだ!!」

保坂「長かった長かったぞぉ・・・あはは!あはは!あはははははは!」

マキ「・・・」 ゾーッ


保坂「南春香に俺の手料理を食べてもらった時、俺は南春香にプロポーズしよう」

マキ「え!」 ゾワ-

保坂「さぁそうとなったら、早速シェフに頼んであのテーブルの料理だけ作らせてもらえるようお願いしてこよう」 スッ

マキ「これはまずい・・・」


タッタッタ

マキ「春香!アツコ!ちょっとお店変えよう!」

ガシッ

春香「え、え?」
アツコ「どうしたの・・急に??」

マキ「いいから早く早く」

マキ「会計ここに置いときますね~。でわでわ~」 ニッコリ

春香&アツコ「ちょ、ちょっとマキ」

保坂「お待たせしました・・・私の自慢の一品HOSAKAスペシャルムニエルです」

保坂「・・・」

キョロキョロ

保坂「ん?南春香はどこに消えた?」


タッタッタ ガチャッ

ビュ~ビュ~

保坂「・・・」

保坂「そうか南春香・・・君はそういうことか」

ヌギヌギ

保坂「今の私の料理では満足できないというのか」

ヌギヌギ

保坂「よし分かった・・・俺は本場フランスへ行く」

ヌギヌギ

保坂「そしていつしか南春香、お前に究極の料理を作ってやるからなーーー」

『はい逮捕』 ニッコリ


保坂「ん?」

速水「なに保坂こんな商店街のど真ん中で上半身裸になってるのよー、それ罪よ罪」

保坂「なんだ速水か、パトロール中に婦警さんがサボってはダメだろ、邪魔をしないでくれ。今俺は固く決心したのだ」

速水「はいはい・・・ん?あんた美味しそうなもの持ってるわね」

速水「ちょっともらうわよー」 パクッ

保坂「今のこの未熟な料理など貴様にやろう、俺はもっと上を目指す」

速水「貴様っていうな」 ボコッ

保坂「あう」


第二部
‘堕ちた天使達’
~マコちゃん~

―――とある面接会場

『えーっと君がMAKOちゃんなのかな?ぐふふ』 ハァハァ

マコちゃん「は、はい!よろしくお願いします!」 ドキドキ

『そんなに緊張しなくていいよ落ち着いてリラックス、リラックス』 ハァハァ

マコちゃん「はい!」 ドキドキ



このときマコちゃんはまだ自分が輝いたスター街道を順調に歩めると思っていた
だがしかし、少女いや少年は世間の汚さ、醜さ、汚らわしさを知ることになる


『えっと君をプロデュースしてほしいとの要請があって今日僕はここに来たわけだけどさ』

『君はアイドルとしての覚悟はあるのかな?ん~?』

マコちゃん「か、覚悟ですか?はい!もちろんあります!」 ドキドキ

『元気があって、いい答えだねえ~。ぐふふ』


『僕はねー、君みたいな子が大好きなんだよね~、ぐふふ』 ハァハァ

マコちゃん「ど、どういう意味ですか?」

『ちょっとこっち来いや!!』 ガシッ

マコちゃん「痛い!離して!離してよ!!」 ジタバタ


『ハイカットーーーーー!!お疲れさまでーす』


マコちゃん「お疲れさまでーす!」

『お疲れ様~。いやぁーMAKOちゃんいい演技だったよ、ぐふふ』

マコちゃん「いえいえ!僕の方こそ役に引き込まれそうでした!さすが悪役歴が長い方は違いますね!」

『そうかい?ガハハハハ』

マコちゃん「はは!」


―――とある車の中

マコちゃん「ちょっとマネージャー!僕いや私ああいう仕事もう嫌です!」

マコちゃん「今日の相手のおじさんめちゃくちゃ怖かったです!!」 ブルブル

『まぁまぁマコちゃん、これもお仕事だからね。ギリギリのラインを超えるようなお仕事は全部こっちが断ってるから安心してよ』


マコちゃん「そうですか?ならいいんですけど・・・」 ブルブル

『いざとなったら僕が助けるさ』

マコちゃん「えっ・・///」 ドキッ

マコちゃん(いけない!俺には春香さんという人がいるんだ!)

マコちゃん(この溢れ出るダンディズムがある限りは!!)

『あ、マコちゃんパンツ丸見えだよー隠して隠して』

マコちゃん「きゃっ・・・///」


―――とある幼稚園

『しぇんしぇーさようなら!みなさんさようなら!』

ナツキ「うっす、気をつけて帰れよ」

『ナツキ先生~、今度我が家にきて一緒に紅茶でも飲みません?』

『いやダメよん~、ナツキ先生は私の家に来てもらうんだから~』

ナツキ「あ―父兄のみなさん静かにしてください、奥で寝ている子もいるので」

『もう!そういう真面目なところも好きよん!ナツキ先生!』

ナツキ「うっす、もう帰って下さい」


―――とある公園

チラッ

ナツキ「少し遅れたか・・・」

春香「あーナツキ君遅いよ!」

ナツキ「春香さんうっす」

春香「この前も遅れたよねー」

ナツキ「あれはうるさい父兄のせいです・・・」

春香「うーんどうしようかなー、許そうかなー」

ナツキ「駅前の店でケーキおごるから許してください」

春香「よし特別に許そうかな、ふふ」

ナツキ「あざーす」


―――喫茶店

ガランガラン

『いらっしゃいませー』

春香「ふぅ・・・」

ナツキ「・・・」

ナツキ「春香さん今日パートは休みなんすか?」

春香「あー二人きりの時は何て約束したかな?」 ジー

ナツキ「・・・」 ジー

ナツキ「春香」 ボソッ

春香「よろしい」 ニコッ

春香「うん、今日は休みだよ。だからこうしてナツキくんとの時間にあててるの。感謝しなさいよね、ふふ」

ナツキ「あざっす」


ナツキ「えと、この二人の仲はいつまで秘密にしとけばいいんすかね?」

春香「そうねー千秋が高校卒業するまでかな?」

ナツキ「長いっすね」

春香「冗談よ」 ニコッ

春香「とりあえず千秋が寂しがるといけないから、あの子にだけはまだ言えないかな・・・」

春香「あの子は特別私に甘えん坊だからね」

ナツキ「了解っす」

春香「その他の人には徐々にバラしてってもいいかな、ふふ」

ナツキ「うっす」

ナツキ(保坂先輩ごめんなさい)


ナツキ「あ、そういえば春香何か話があるとか言ってなかったか?」

春香「あ、そうなの」

春香「実はね・・・」

ナツキ「・・・」

春香「できたみたいなの」

ナツキ「まじっすか」

春香「まじっす」


ナツキ「それで俺に責任を取れということですか?」

春香「そういうこと」

ナツキ「まじっすか」

春香「まじっす」

ナツキ「・・・」

春香「とりあえずこれに印鑑押してほしいの」

ナツキ「準備いいっすね」

春香「任せて」

ナツキ「分かりました、一生幸せにします」

春香「ありがとう」


内田「ナツキくん大好きよ」 ジー

冬馬「俺もっす」 ジー

冬馬「みたいな会話なのかな?」

内田「まさか・・・」

冬馬「でも公園であいつら見かけて、ここまでわざわざつけて来たんだからよ。なんか面白いことないと損した気分だよな」


内田「うんうん、ちょっと冬馬ナツキくんに聞いてきてよ」

冬馬「なんで俺が聞かないといけないんだよー・・・」

内田「あ、店から出てきたよ!」 アセアセ

『・・・』

内田「あ、店の前で別れたよ!」

冬馬「しょうがねえな・・・よし」

タッタッタ

冬馬「おい、ナツキ今春香と何話してたんだよ?」


ナツキ「よう冬馬、どうしたこんな所で」

冬馬「今春香と何話してたんだよ?」

ナツキ「春香さんにフルーツケーキの作り方を聞いてたんだが。どうかしたか?」

冬馬「・・・そうか」

冬馬「あと何か春香から紙みたいなの渡されなかったか?」

ナツキ「なんだお前は根ほり葉ほりと。これか?」 スッ

冬馬「・・・」 ジー

『誰でも簡単に作れるリブステーキの作り方』

タッタッタ

冬馬「・・・だってよ」

内田「なんだつまんないの」

冬馬「もうせっかく部活休みだったのに無駄に時間使ったじゃねえかよ!」 ガシッ

内田「ごめんなさいぃい」 ジタバタ

ちょっともう眠たいんでねまっす
もしあるならば朝からかきまっす

うっす


―――高校

キーンコーンカーンコーン

ガヤガヤ

内田「ふわぁ、やっと終わったー!んー」

吉野「ふふ、ユカちゃん大分お疲れだね」

内田「いっつもこんなハードスケジュールじゃ体もたないよー、高校生ってやっぱ大変だねぇ」

千秋「お前は帰宅部なんだからまだマシな方だろ」 ガサコソ


千秋「私も帰宅部だが帰宅してからがまた色々と疲れるってのに」 ガサコソ

吉野「それって夏奈ちゃんのこと?」

千秋「そうだあのニート野郎のことだ」

内田「夏奈ちゃんまだお仕事決まらないんだね・・・」

千秋「何も仕事してないなら大人しく家で小さくなっていればいいものを」

千秋「あいつは春香姉さまが優しいのにつけこんで昔と変わらず横柄な態度、そして甘ったれた思想をもってやがるんだよ」


内田「まぁまぁ千秋そこまで言わなくても・・・」


『今日なんか近くの商店街でMAKOちゃんのライブイベントあるらしいぜ?』

『え、マジで?行く行く!俺あの子最近の推しメンなんだよねー』

ワイワイ


内田「へーMAKOちゃん今日うちの商店街来るんだね!」

吉野「暇だし私達も見に行ってみる?」

千秋「そうだな、私もカリスマ女子高生MAKOちゃんの人気ってのを一度見てみたいしな」


『ラブラブドッキュン~♪』 タンタタン♪

ワーワーワー

マコちゃん「はぁはぁ・・・みんなー!今日は来てくれてありがとー!」 ハァハァ

ワーワー

『MAKOちゃん結婚してくれー!』

『MAKOちゃんは俺の嫁!』

ワーワー


マコちゃん「本当に、この地元の商店街にこんな形で帰ってこれて・・・皆さんに温かく迎えられて・・・」 グスン

マコちゃん「マコは・・・MAKOは今超幸せです!」

ワーワー

内田「MAKOちゃんいたよ!んしょっ」

吉野「本当だー、すっごい人だねー。なかなか前に進めないよー。んしょっ」

千秋「凄い人だな」 ポカーン


―――その先日、南家

ピンポーン

春香「はーい?どちらさまですか?」

ガチャッ

マコト「こ、こんにちは春香さん!///」

春香「あらマコトくんじゃないー、どうしたのかな?千秋なら今出かけてるけど?」

マコト「い、いや千秋とかは関係なくてですね・・・///」 ドキドキ

マコト(落ち着けマコト!お前は決めたんじゃないのか!)

マコト(アイドルを辞めて立派な男として、春香さんに告白することを!)


マコト「・・・」 ドキドキ

春香「・・・ん?」

マコト「じ、実はですね!春香さん!」 ドキドキ

春香「は、はい??」

マコト「僕前から春香さんの事が好きだったんです!!」 ジー


春香「・・・」

マコト(言った!ついに言ったぞ!)

春香「いきなりね・・・」

マコト「ごめんなさい・・・でも本当に好きなんです!///」

マコト「もうこの気持ちは抑えられないんです!」

マコト(やばい・・・体が熱くなってきた・・・このまま襲っちゃいそうだ!)


マコト「・・・」 ハァハァ

春香「・・・てる?」

マコト「は、はい?」

春香「マコトくんは私の夢って知ってるかな?」

マコト「春香さんの夢ですか?」 キョトン

春香「そう私の夢・・・」


マコト「それはやっぱり素敵な旦那さんをもらうとか・・・///」

マコト(つまり俺みたいな!)

春香「ふふ、惜しいけど違うなー」

マコト「え?」

春香「私の夢はね、夏奈と千秋が素敵な旦那さんを見つけて、この家から笑って出ていくことなの」

春香「だからね、それまではそういう恋愛なんかは一切しないと決めてるのよ」

マコト「・・・」

春香「だからね、マコトくんの気持ちは有難いけど、今はそのお願いにはノーかな・・・」


マコト「は、はい・・・」

マコト(振られた・・・) ガックシ

春香「・・・」 ジー

春香「そういえば、最近マコトくんの目は輝いてるよね」

マコト「え?」 ドキッ

春香「凄く何か自分にとってのやりがいを見つけたようなまっすぐな目だと思うな私」 ジー

マコト「・・・///」 ジー


春香「だからマコトくんもマコトくんで、自分の道を進んでほしいな」

マコト「自分の道・・・?」

春香「そう、マコトくんが一番好きな道」

マコト「一番好きな・・・道・・・」

マコト(俺の中での一番はハルカさんじゃなかったのかな・・・)


『そう、マコトくんが一番好きな道』


―――商店街


ワーワーワー

『私を抱きしめて~♪』 タンタタン

ワーワーワー

マコちゃん「はぁはぁ・・・みんな有難う!」 ハァハァ

マコちゃん「次は最後の曲になります!」


『えー!』

『いやだ寂しい~!』

マコちゃん「最後の曲は私が今一番感謝する人、その人に贈りたい曲です!」

『え、だれだれ?』

『まさかMAKOちゃんの彼氏じゃね?』


ザワザワ

内田「なんか会場がざわついてる・・・うわぁ」

ギューギュー

吉野「いたた・・・何かMAKOちゃんが最後に歌うみたいね」

千秋「・・・」 ジー

マコちゃん「・・・」

シーン

マコちゃん「では聴いてください・・・私が一番感謝する人へ贈ります‘Dear My Friend KANA’」


ザワザワ

内田「い、今夏奈ちゃんって言わなかった?」

吉野「うん言った言った」

『いつも私が弱気になると支えてくれたあの人~♪今では感謝してます~♪』

ワイワイ

『お、おい結構いい曲じゃねこれ?』

『だよな!これ未発売の曲かな??』

『いいぞMAKOちゃん~!!』


内田「良い曲だねー・・・」 ウットリ

吉野「うんうん、いい詩だね・・・」 ウットリ

千秋「あんな夏奈でもたまには人に感謝されることあるんだな」

内田「ん?今なんか言った千秋?」

千秋「なんでもないよ、さあ夜も遅いし早く帰るよ」

内田「わわ、待ってよ千秋―、もうちょっと聴いていこうよ~」 アセアセ


『最初は仮の姿のつもり~♪でも今はこれが私の本当の姿~♪』

マコちゃん(夏奈本当にありがとう・・・俺やっぱり今のこのMAKOちゃんが大好きだ!)

マコちゃん(最初は春香さんに近づくためだったけど、俺にとってはそれはきっかけにすぎなかったんだよ!)

マコちゃん(本当にありがとうカナ!そして素敵な恋をありがとう春香さん!)

ジャーン!ジャーン!ジャーーーーーン!

ワーワー


―――南家

内田「それでは今から冬馬を女の子らしくしよう会議を始めます!」

内田「みなさん拍手拍手~」 パチパチ

吉野「わー」 パチパチ

冬馬「お、おい!何勝手に話進めてるんだよ!///」 アセアセ

千秋「・・・avoid・・・~を避ける・・・」 ジー


内田「勝手にって、冬馬が元々言い出したんでしょ~」

内田「「俺最近・・・胸がおっきくなってきたっていうか・・・なんていうか・・・///」」

冬馬「そんな似てないモノマネするなよ!似てなさすぎてもっと恥ずかしいよ!///」 アセアセ

吉野「はは」

内田「でも何で冬馬は高校に入ったら急にそんなに胸が大きくなったんだろうー?」

吉野「本当だね、ずるいずるい」


冬馬「知るかよ・・・サッカーやるときも邪魔でしょうがねえよ・・・」

内田「・・・」 キョロキョロ

内田「よし、ちょっと見せあいっこしようよ!んしょっ」

ヌギヌギ

冬馬「ひぇえ・・・本当に見せ合うのかよ///」

内田「女の子だけしかいないんだから気にしない気にしないー」


内田「あ、吉野そのブラ可愛いー!駅前の例のお店行ったの?」

吉野「うん、昨日お母さんと行って買ってもらったんだ」

内田「いいなー」

冬馬「・・・///」

冬馬「本当に見せ合うのかよ・・・体育の着がえでも隠してるってのに・・///」

千秋「・・・compare・・・~を比較する・・・」 ジー


冬馬「・・・ほらよ///」 ドキドキ

内田「うわー・・・」

吉野「デカパイだ!」

千秋「・・・suffer・・・苦しむ・・・」 チラッ ジー

冬馬「・・・///」 カーッ

冬馬「お、おいそういえば一人だけ見せてない奴がいるぞ///」

内田「え?」 チラッ


千秋「・・・risk・・・危険・・・」

冬馬「・・・」 ジー

千秋「・・・・・・・ん?なんだ?」 ギロッ

冬馬「ち、千秋も見せろよ!///」

千秋「冬馬」

冬馬「な、なんだよ?」

千秋「子は親に似るということわざがあるが、これはちょっとおかしくないか?」

冬馬「は、はい?」


千秋「果たしてことわざというのは全部が全部本当にそうなるのだろうか?」

千秋「だとしたら犬は毎日散歩の途中に棒に当たることになるし」

千秋「棚からはいつもぼたもちが見つかる事になるよな」

冬馬「え、え?」

千秋「つまりことわざなんてのは、あてにはならないんだよ」

千秋「まぁそういうことだ」

冬馬「・・・」 ジー

千秋「・・・bill・・・請求書・・・」 ジー


冬馬「なにがそういうことだよ!」 ガバッ

千秋「うわ、何をする冬馬!」 アセアセ

冬馬「英単語の勉強なんていつでもできるだろ!千秋も早く胸を見せろ!」

千秋「うわ・・・やめろ・・・はーなーせー」 ジタバタ

ヌギヌギ

千秋「うあっ」

冬馬「・・・」 ジー

千秋「なんだよその憐みの目は」

冬馬「千秋、悪かったよ、服着ろよ」 スッ

千秋「うう・・・胸が小さくて悪かったな、春香姉さまみたいじゃなくて悪かったな」 グスン

千秋「ホシュリーナ」

夏奈「えっ 何が?」


ピーンポーン

春香「はいはーい」

ガチャッ

藤岡「こんばんは」

春香「こんばんは藤岡くん、いらっしゃい。ちょっと待ってね」

春香「夏奈―、藤岡くんが来たわよー」

『はいよー』

夏奈「よう藤岡―、まあ上がれよ」

藤岡「うん、お邪魔します」


―――夏奈の部屋


藤岡「あれから漫画の方はどう?」

夏奈「まぁ順調かな、今度新人漫画大賞ってのに作品を出してみようかなと思ってる」 カリカリ

藤岡「おー南、やる気まんまんだね。頑張ってね」


夏奈「・・・」 ジー

夏奈「番長が素直に私を応援するとは・・・」

藤岡「南、番長はもうやめてよ・・・」

夏奈「さてはお前、私が大賞を受賞した時の賞金目当てだな!それともカニか!副賞のカニ1年分か!」

藤岡「はは・・・賞金もカニもいらないよ・・・」 アセアセ

夏奈「まあ賞金とったら何かおごってやってもいいけどな」 カリカリ

藤岡「南・・・」 ニコッ


藤岡「・・・」 ジー

夏奈「・・・」 カリカリ

藤岡「ねぇ南・・・」 ボソッ

夏奈「どうした藤岡―?喉かわいてるなら冷蔵庫から千秋の炭酸パクってきていいぞー。姉の私が許すから」 カリカリ

藤岡「いや、そうじゃなくて・・・」

夏奈「ん?」 カリカリ

藤岡「俺、南のことが好きなんだ・・・///」

夏奈「・・・///」 コロンッ


藤岡「もう今みたいな中途半端な関係は嫌なんだ///」 ドキドキ

夏奈「お、お前これで私に、ち、挑戦状叩きつけたの何回目だよ?///」

藤岡「5回目かな・・・中学の時に3回、高校の時に1回・・・。それと挑戦状じゃなくて告白だよ・・・///」

夏奈「・・・///」 カーッ


藤岡「とりあえず今日はもう帰るけど・・・答えを近いうちに聞かせてよ・・・。今度は本気だから・・・」

藤岡「それじゃあね南、おやすみ」 スッ

夏奈「・・・」

『お邪魔しましたー』

夏奈「・・・」 カリカリ モヤモヤ

夏奈「あー!漫画に集中できないから今日はもう寝るぞ!」

夏奈(藤岡の馬鹿野郎・・・)

うっす


―――次の日、商店街



リコ「ほらケイコ、この服なんていいんじゃない?」

ケイコ「えー、それ私にはちょっと合わないかな・・・」

リコ「もう、大学生なんだからこういうの着ないとダメよーケイコ」

リコ「あ、あれなんかどう?」 グイッ

ケイコ「あまり引っ張らないで・・・」

ID変わってるが1か?

>>324
うっす


チラッ

ケイコ「あれ?・・・藤岡くん?」

リコ「え?藤岡くん?どこどこ?///」 グイッ

ケイコ「ちょっとリコ痛いよ・・・」


『すいません、これ下さい』

リコ「なんか買ってるみたいね・・・」 ジー

リコ「ちょっと何買ったか聞いてくるわね」

ケイコ「リコもう藤岡くんと普通に話せるの・・?」

リコ「当たり前よー、一緒の大学で一緒の講義受けてるんだから、任せなさいよね」

タッタッタ

ケイコ「リコも変わったわね・・・」


リコ「ふ、藤岡くん・・・///」

藤岡「あ、やあ」 ニッコリ

リコ「や、やっほ///」

ケイコ(照れるところは変わってないのね)

リコ「今何買ってたの?///」

藤岡「ああ、ちょっとプレゼントをね」

リコ「そ、そうなんだ・・・」

リコ(誰にあげるんだろ・・・)


夏奈「もうネーム出来てないのに、こんなときに限ってお使いなんて勘弁してくれよなー」

夏奈「にしても今日は風が強いから寒いなー、ん?」 ブルブル チラッ

ケイコ「・・・」 ジー

夏奈「お、ケイコじゃん何してんのこんなとこで?」

ケイコ「あ、夏奈」 ビクッ


ケイコ「ひさしぶりね。今リコと買い物に来てたの」

夏奈「いいなー大学生は呑気で」

ケイコ「夏奈は今何してるの?」

夏奈「あー私?漫画描いてるよ」

ケイコ「そ、そう」

ケイコ(きっとフラフラしてるんだろうな)

夏奈「で、リコはどこ?」

ケイコ「ああ、あそこで藤岡くんと話してるよ」

夏奈「藤岡?」 ドキッ


藤岡「今日は風が強いし、大雨が降るらしいから早く帰った方がいいよ」

リコ「う、うん。そうするね///」

藤岡「またね」 ニッコリ

リコ「じゃ、じゃあね藤岡く・・」

ビューーーーーーーーーーーーーー

リコ「きゃっ」

藤岡「あ、危ない!」 ガシッ

リコ「・・・ちゅっ・・・・ん!///」

藤岡「・・・んっ・・・・///」

ケイコ「あ」

夏奈「・・・」 ジー

リコ「ご、ごめんなさい・・・ま、またね!///」 バッ

タッタッタ

藤岡「・・・///」

ケイコ「あ、リコどっち行ってるのー。じゃあまたね夏奈」

タッタッタ

藤岡「今のは事故だから・・・ファーストキスじゃないよな・・・」

藤岡「気にするのはやめと・・」

夏奈「・・・」 ジー

藤岡「・・・」

藤岡「み、南?」 ビクッ

藤岡「今のは違うん・・・」

夏奈「はは、キスってそうやるんだな」

タッタッタ

夏奈(あれ?なんで私逃げてるんだ!///)

藤岡「終わった・・・」


―――とある自動販売機前


ヒトミ「おっす、ナツキ」

ナツキ「ようヒトミ、よいしょっと」

ヒトミ「幼稚園の方は頑張ってるか?」

ナツキ「ああ、まあほどほどに頑張ってる」

ヒトミ「そうか、ナツキも毎日ごくろうさまだなー」


ヒトミ「ごくごく・・・ぷはぁ」 

ナツキ「・・・」 ジー

ヒトミ「ほらよ、私のジュースやるよ」

ナツキ「・・・」 ジー

ナツキ「間接キス・・・男としてそれはダメだ」 サッ

ヒトミ「しかし今俺の財布にはお金がない、ちくしょう喉かわいたぜ」

ナツキ「・・・」

ヒトミ「お前本当に分かりやすいなー、ほら金貸してやるよ」

ナツキ「借りておこう」


ヒトミ「それで私に相談って何よ?」

ナツキ「ぷはぁ・・・うむ、それなんだが」 ジー

ヒトミ(はっ・・・ナツキのあの目は・・・) ジー

ヒトミ(言いたいけど誰にも言えないようなことを隠してる目・・・)

ナツキ(ヒトミに春香さんに告白したいということを相談してもいいのだろうか)


ヒトミ「ナツキ皆まで言うな」

ナツキ「ん」 ジー

ヒトミ(はっ・・・ナツキのあの目は・・・) ジー

ヒトミ(長年抱いていた恋の気持ちをさらけ出してしまいたい目・・・)

ヒトミ(そうつまりそれは私への告白・・・)

ヒトミ「さすがの私も・・・ちょっと心の準備が必要だぞ///」 ドキドキ

ナツキ「ん」


ヒトミ「ナツキ、お前と何年腐れ縁やってると思ってんだよ、お前の考えてることは大体分かるぞ」

ナツキ「なに?分かってるのか?」 ジー

ヒトミ(はっ・・・ナツキのあの目は・・・)

ヒトミ(高校に入ってその人に出会ってから俺の中で全て変わったんだという目・・・)

ヒトミ(つまりそれは、ヒトミは高校に入ってから急に可愛くなったよなということ・・・///) ドキドキ

ヒトミ「お前高校のころからそのこと隠してたんだな///」 ドキドキ

ナツキ「ん、まあな」


ヒトミ「まぁ私もうすうす気づいていたし・・・///」

ナツキ「そうか、それでだな」 ジー

ヒトミ(はっ・・・ナツキのあの目は・・・) ジー

ヒトミ(告白するときのプレゼントは何を送ればいいのかな?という目・・・)

ヒトミ(すなわちヒトミは何が欲しいのか・・・という目・・・)

ヒトミ「うさぎのエプロン・・・///」 ドキドキ

ナツキ「ん」


ヒトミ「うさぎのエプロンがいいと思う///」 ドキドキ

ヒトミ(やっぱりナツキと一緒に料理したいからエプロンはもっておきたい///) ドキドキ

ナツキ「なるほど、そういうのがいいのか」

ヒトミ(はっ・・・ナツキのあの目は・・・) ジー

ヒトミ(明日決行してやろうという目・・・すなわち私が今動揺してるのを感じて明日にしてくれたんだな///)

ヒトミ「私もそっちの方がいいかな・・・///」 ドキドキ

ナツキ「ん、やっぱりそうか」

ナツキ(やっぱりこんな遅くに尋ねては不束者になってしまうよな、明日にしよう。俺もちょっともう疲れて眠たい)


ヒトミ(はっ・・・ナツキのあの目は・・・) ジー

ヒトミ(もう早くお前と寝たい・・・ヒトミ、お前と寝たいんだという目・・・///)

ガタッ

ヒトミ「そ、そういうのはまだ早いからっ、だめだからー」

ヒトミ「わ、私はそういうのはちゃんと順序を追ってやるタイプなんだ、ま、また明日―///」

タッタッタ

ナツキ「・・・」


―――翌日

『・・・お邪魔しました』

ガチャ バタン

春香「落ち込まないでほしいわね・・・」

千秋「うー、わんわん!」

夏奈「相変わらず私と話そうとしなかったな、でもなんであんな可愛いエプロン持ってたんだあいつ」


―――とある自動販売機前

ヒトミ「そろそろか・・・///」 ドキドキ

ナツキ「・・・」 ガックシ

ヒトミ「お、きたきた・・・」

ナツキ「はぁ・・・」

ヒトミ(はっ・・・ナツキのあの目は・・・)

ヒトミ(物凄く落ち込んでいる目・・・つまり私に告白するまえに緊張しすぎてブルーになってるんだな・・・) ドキドキ


ヒトミ「まぁナツキ・・・緊張するなよ・・・///」 ドキドキ

チラッ

ヒトミ「あ、ちゃんとうさぎのエプロンを持ってきてくれたのか・・・」

ナツキ「これお前にやるよ」

ヒトミ「さんきゅーナツキ」

ナツキ「・・・」

ナツキ(春香さんに振られたなんて言えない、男としてのプライドが許さない) ジー


ヒトミ(はっ・・・ナツキのあの目は・・・)

ヒトミ(絶対に言えない・・・やっぱり恥ずかしくてこんなこと言えないという目・・・)

ヒトミ(つまり男から告白なんて、プライドが許さないんだよということ・・・)

ヒトミ「別にいいぜナツキ、何も言わなくても・・・焦らなくてもいいんだ・・・ゆっくりやってこう」

ヒトミ(私はお前のそういう硬派なところが好きなんだ///)

ナツキ「ん」

        /: : : : : :|: : : : : : : : :,   今日タケルのやろうが来た。
          {.: .:.|.:ハ: : : : :从.:. : .:.|   ハルカ姉さまは私に押入れに入ってなさいと言った.
          |.:. .:|丁V: : : 厂Ⅵ: : |   中で聞き耳を立ててるとハルカ姉さまの苦しそうな声が聞こえた
         `ト、t七テ\/七テ从イ 
        |.:|.:{       ノ.:|.:|    だから飛び出したら裸で汗ばんだハルカ姉さまにどなられた
        |.:|: |> ‐ r<:|: |.:|    許可が出たので外に出たらクシャクシャの一万円札がおいてあった

        j.:|: |r/Y襾Y^h|: |.:|    ハルカ姉さまは泣きながら「夏奈帰ってきたら今日は夕飯お外で食べようね」って言ってた

>>1がくるまでの暇つぶしにどうぞ(コピペ)

夏奈「春香、このアルバム何だ?」
春香「ああ、それはタケルおじさんの忘れ物よ」
夏奈「ふーん、これタケルか?タケルにも少年時代があったんだな」
春香「当たり前じゃない」
夏奈「このアルバムの写真って何年前のものなんだろ?」
春香「写真に日付付いてない?」
夏奈「(1994年か…私の産まれた年じゃない)」
春香「ちょっと夏奈、それはタケルおじさんの忘れ物なんだからあんまりじろじろ見ると悪いわよ」
夏奈「春香も見たいんだろ~?w」
春香「もう、見終わったらちゃんとしまうのよ」
夏奈「わーかってるって!…ん?(これは…)」
夏奈「これもしかして春香じゃないのか?」
春香「えっ」
夏奈「ほらこれ」
春香「!!」
夏奈「やっぱり春香だろ?うちにある昔の写真にそっくりだ」
春香「(確かにこれは私…でもこれは…まさか…!!)」
夏奈「かわいいなぁぁ~!なあ、春香を抱いてるこの女の人は?なんだか今の春香に似てるけど。これってもしかしてお母さん?そうでしょ?」

春香「(!!)夏奈!もう見ちゃダメ!これはタケルおじさんのなんだから!」
夏奈「いいじゃん!タケルはまた出張で当分うちに来ないんだから!しかしウチのお母さんって美人だよなあ~髪も金髪でスタイルも綺麗だし。今どこで何してんのかなぁ…」
春香「夏奈…もう…!」
夏奈「あれ…この写真…」
春香「あ…」
夏奈「…!」
春香「……カナ?」
夏奈「春香、私の誕生日覚えている?」
春香「…7月7日」
夏奈「そう、1994年7月7日。でもこの写真、何か変なんだ。」
春香「な…何が…?」
夏奈「この写真の日付は1994年6月28日…」
春香「そ、それがどうしたの?…」
夏奈「お母さんのお腹が…」
春香「!!」
夏奈「………」
春香「………」

千秋「ただいま」

うっす、ちょっと朝まで書けそうにないっす

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