カッツオの奇妙な冒険~イガグリ頭は砕けない!~(11)

―教室


カツオ「おはよう」

中島「ん、ああ磯野か。丁度いい所に来たな、ちょっとこっちにこ
   いよ。いいもん見せてやる」

カツオ「いい物…?」

中島「ああ、これがあれば…この力があれば世界征服もできるかも
   しれないぜ?フヒヒ……」

カツオ(何を言っているんだコイツは……)

中島「まずは小手調だ!俺の力で跡形もなく消し飛べぇ!」カッ!

…チュドーン!…

中島「ははは…あっけなかったな!磯n…」

カツヲ「ふぅ…やれやれだぜ…お前の言う小手調ってのは相手を軽く撫でる事なのか?」

カツヲ「まぁ…五万円もする半ズボンは少しコゲたけどな…」

中島(馬鹿な!?俺の力をまともに受けて無傷…だと!?)

カツヲ「なぁ…ナカジマ」

中島「…なんだ?」

カツヲ「おめぇ…そのメガネ…中々似合ってんな」ゴゴ…

中島「そ、それがどうした?」

カツヲ「二度とかけられないようにぐっちゃぐちゃにしてやるよ…」ゴキ…ゴキゴキ…!

┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙…!

カツヲ「てめぇの…」

カツヲ「…顔面の方をなッ!」ドーン!

中島「…!」ゾクッ…

カツヲ「スター・ノリスケ…ザ☆ワールド!」カッ!

…ピキーン…

中島「…」シーン…

カツヲ「いくぜオラァ!」ズビッ!

カツヲ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーッ!!」ズドドドド…!

中島「…」グニャア…メメタァ…

カツヲ「そして…時は動き出す…!」ズビッ!

―カッ!―

中島「うおぉぉー!?馬鹿な…体が…崩れてゆくゥ!?」
ボロッ…シュワァー…

中島「この俺が!…このナカジマが負ける…だと!?…なぜだ!?…なぜだァー!?」

カツヲ「その答えは簡単だ、ナカジマ…それは至ってシンプルな答えだ…」

中島「なん…だと…」シュワー…

カツヲ「てめぇは俺を…」

カツヲ「怒らせた…ッ!」ドンッ!

カツヲ(こんなところにまで能力者が紛れてやがったとはな…)

中島「い…その…」ピクピク…

花沢「ちょっと磯野くん!…いくらなんでもやりすぎよ!」

中島「いいんだ…花沢…さん…ゼェゼェ…それより、お前に伝えなきゃいけない…ゴホッ…ことが…ある…」

カツヲ「…なんだ?」

中島「力が…暴走して…迷惑をかけ…たな…」ケホッ…

カツヲ「気にするな…」

中島「すまんな…ハァハァ…それと…タラちゃんには…気を付け…ろ…お前のその力も…きっと…」ガク…

花沢「中島くん!?…ちょ!…しっかりしてよ!中島くーん!!」ユッサユッサ…

カツヲ「安心しろ花沢さん…ナカジマは少し気を失っただけだ」

花沢「で…でも…!」

カツヲ「…」スタスタ…

花沢「磯野くん!…どこ行くの!…磯野くんってば!」

カツヲ(タラちゃんちは気を付けろ…か…)

放課後

ワカメ「お兄ちゃーん!」

カツヲ「ワカメ…お前も今帰りか」

ワカメ「うん!それよりダメよお兄ちゃん!…学校で力を使っちゃあ」

カツヲ「今日のは不可抗力だ…仕方なかったんだよ」

ワカメ「仕方なくはないでしょ!お兄ちゃんの力なら時間を止めて誰にも知られることなくもっと穏便に解決できたはずでしょ?それをどうして…」ガミガミ…

カツヲ「ワカメ…」

ワカメ「なに?」

カツヲ「ぱんつ…見えてんぞ」

ワカメ「…!…見た!?…見たの!?」

カツヲ「青と白のしましまのヒモぱんだな…」

ワカメ「お兄ちゃんのえっち!スケッチ!ワンタッチー!」ピコピコピューン!

カツヲ「ははは…ワカメもお年頃だなぁ…」

花沢「鼻血出てるわよ…鼻血…」

カツヲ「…!…花沢さん!…いつの間に!?」

花沢「そんな人をおばけみたいにいわないでよ…」

カツヲ「すまん…そんなつもりじゃ…」

花沢「やだなぁ、冗談よ冗談!…それよりさ磯野くん」

花沢「さっきワカメちゃんも話してたみたいだけど…中島くんの言ってた“力”ってなに?」

カツヲ「…!」ピクッ…

花沢「ねぇ…磯野くん…言いたくなかったら別にいいけど、もし悩みを一人で抱えてるんだったら…」モジモジ…

カツヲ「スター・ノリスケ…ザ☆ワールド!」カッ!

花沢「…」ピキーン…

カツヲ「そして…時は動き出す…!」ピコピコピューン!

花沢「私に相談してくれたら……ってまたいないし!」ガビーン!

花沢「もぅ…磯野くんったらいつも肝心なところでいなくなるんだから!…“力”ってなんなのよー!」

???「知りたいデスか?」キコキコキコ…

花沢「…!…タラちゃん!?」

タラヲ「“力”の事を…知りたいデスか?」┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙…!

第一章~イガグリ頭は砕けない!~

       糸冬

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