幽霊「今からあんたにとりつきます」(193)

男「はい」

幽霊「えっ」

男「なに?」

幽霊「いいの?」

男「生活の邪魔にならないなら」

幽霊「えっ」

男「嫌なら別にいいけど」

幽霊「なにそれこわい」

男「えっ」

男「しかし、なんでまた俺のところに」

幽霊「ふっふっふっ……それは言えない……」

男「なんで?」

幽霊「……それも言えない」

男「なんで?」

幽霊「そ、それも言えn」

男「なんで?」

幽霊「言えないったら言えないの! あんた悪霊より性質悪いよ!」

男「なんで?」

幽霊「……」

男「まあどうでもいいや。それで、俺の身に何が起きるんだ」

幽霊「とりあえずあんたは三日後に死ぬ」

男「なんということでしょう」

幽霊「ただいまの時刻、23:59」

幽霊「0:00。はい、今日を含めてあと二日ね」

男「おいちょっと待て」

男「参ったな……あと二日ってことは明日には死ぬのか」

幽霊「やり残したこととかないの」

男「……あー、あるわ。あるある。これだけは、な」

幽霊「あら。好きな人に告白とかしちゃうの?」クスッ

男「そんなちゃちなもんじゃねえ……よっと」ズルッ

幽霊「……人前でなに下半身露出してんのよ」

男「ふっへっへっへ……」

幽霊「ち、ちょっと……」

男「はっはっは! 俺のスタンド『Fox of My Home』(我が家のお稲荷様)が火を吹くぜえええええ!」

幽霊「ひぃぃぃ!」ガバッ

男「何勘違いしてんだ。別にお前に手を出すわけじゃねえよ」

幽霊「へ?」

男「オナニーすんだよ。オナニー。分かる? オナニーだよ、オ・ナ・ニ・-!」

幽霊「……」ポカーン

男「オマ●コに! ナスを! 入刀! オ・ナ・ニ・-! オナニ、オ・ナ・ニ・-!」

男「いやー、このオナニーコンボ、歳が歳だから、自分で面白いと思っていても人前では言えないんだよね」

幽霊(……とんでもない奴にとりついてしまった……)

男「俺の秘蔵ファイルコレクション。まだ全部でシコリ切ってないんだよ」ポチッ ブィィィン

男「これ全部オカズにしてシコってからじゃないと、死んでも死にきれん」

幽霊「……そう」

男「なに? もしかして引いてんの?」

幽霊「引かない方がおかしいと思う」

男「お前にも協力してもらわなくちゃならないんだがな」

幽霊「なっ、何させる気よ! 私幽霊だけど性別は一応おんn」

男「頼むから見ていてくれ! それだけでいい!」

幽霊「えっ」

男「その方が興奮するから!」

幽霊「……あっそ」

―7:00

男「ふぅ……もう朝か。時が経つのは早いな。いつだってそうだ。時は俺らを待ってはくれない……」

幽霊「これで50回目の賢者モードね」

男「律儀に数えていてくれたか」

幽霊「こんなことでもしてなきゃ私の理性がおかしくなるところだったわ」

男「いやー、しかし人に見られるのがこんなに良いものだとはな。ついつい限界回数の範疇を超えちゃったわ」

男「どうせ死ぬなら街中でオナニーをs」

幽霊「それだけは絶対させない!」

男「……お前実は良い奴だろ」

幽霊「常識的に考えて当たり前でしょ!」

男(こんなこと言う幽霊もいるもんなのか……)

男「さて、じゃあ出かけるかな」

幽霊「あら、どこ行くの?」

男「今日は日曜日だからな。運動をしに町営プールへ行く」

幽霊「あんた……プールで一体何をしでかすつもりよ」

男「運動だって言ってるだろ。それに町営プールは水中ウォーキングをする定年超えのババァしかいねえよ」

幽霊「ふーん。なら流石に安心ね」

男「まあ俺の守備範囲は6~60歳なんでな。もしかしたらフィルターに引っかかる奴もいるかもしれん」

幽霊「あんたをとり殺すことにして正解だったわ」

男「それでは出発」ドルンドルン

幽霊「ちょちょちょちょっと待ちなさいよ!」

男「なんでしょう」

幽霊「も、もしかしてバイクで行く気?」

男「そうだよ。俺は車持ってないんだ」

幽霊「じゃあ私はどうやって着いていけばいいのよ!」

男「は? 出来ないの?」

幽霊「物理的に考えて無理d」

男「え? なにきこえなあああぁぁぁぃ」ブィィィィィン

幽霊「……」

―プール

男「ふぅ……犬かきで5kmは流石に疲れるな……」

男「もう11時か。そろそろ出るかな」

男「ふぃー、シャワー浴びて着替えてさっぱりだ。さて、帰るk」

幽霊「……」ゼェゼェ

男「お、来たのか。遅かったな……ってどうしてそんなに汗かいてるんだ」

幽霊「だ……誰のせいだと……」

男「あ、ちなみに俺はもう帰るよ」ドルンドルン

幽霊「は! あんた本気で言ってんの! ならせめて二人乗r」

男「俺先月免許取ったばかりだから無理だああぁぁぁぁ」ブィィィィィン

幽霊「くっそおおおおおおおおおおお!!」

男「あー、風が気持ちいい。やっぱりアメリカンにして正解だったな」

男「腹減ったしコンビニでも行くか」

―コンビニ

店員「ラッシャァァァセェェェィ!!」

男「お、このチキン南蛮弁当うめぇんだよなぁ。あとは水が切れてたからボルビック何本か買っておこう」

男「いっぽーんにほーんさんこーn」

幽霊「……」

男「ボルビックの列から顔だけ出すのやめろや」

幽霊「す……涼しいん……だもん……」

男「正直すまんかった」

このss誰も見てないよな


俺も見てない

>>15
まあ俺の暇潰しだから。別にいいよ。

男「ふぃー。ただいまー」

幽霊「なんで始めから二人乗りさせてくれなかったのよ!」

男「免許取って一年以内は二人乗り禁止なんだよ。知らないのか」

幽霊「でも結局乗せてくれたじゃん」

男「お前があまりにも不憫だったから仕方なくだ。バレなくて良かった」

幽霊「っていうか私あんた以外に見えないんだけど。事故っても死なないし。っていうか死んでるし」

男「……飯にするか」

幽霊「ちょっとまて」

おれはすきだぜ

>>18
ありがとう。ぬるぬるいかせてもらう。

俺も好きだぜ

>>19
おれもすきだぜ

―13:00

男「しかし暇だなー」

幽霊「オナニーはどうしたの?」

男「え? なに? 見たいの? この淫乱!」

幽霊「今すぐとり殺すわよ」

男「冗談だよ。しかし、本当にオナニーしかすることがないほど暇だな」

幽霊「あんた、友達いないの?」

男「いるけど別に遊ぼうとは思わない」

幽霊「どうして?」

男「奴らのレベルは低すぎる! 特にエロイ話をしても全然かみ合わないしな! 一緒に飯食うぐらいで他はつまらん!」

幽霊「たぶんあんたのレベルが高すぎるんだと思うよ」

―14:30

幽霊「ねーつまんないんだけど」

男「はぁ? ネプリーグの再放送のどこがつまらないっていうんだよ」

幽霊「まあ、ファイブボンバーは正直見ててハラハラするけど……」

男「だろ? ついついテレビに向かって『○○があるだろ○○が!』って言っちゃうよな」

幽霊「だけどやっぱりつまんないよ! 休日に家でバラエティの再放送見てるなんて! どこのお母さんよ!」

男「まったく……勝手にとりついたと思えばあーだこーだうるさい奴だな。幽霊とは到底思えん」

男「仕方ない。出かけるか」

幽霊「ほんとに? やったー!」

男(やべーこの笑顔今夜のオカズに決定だろJK)

>>20>>21
ありがとう。ぬるくいくぜ。

幽霊「で? どこ行くの?」ワクワク

男「そんなあからさまにワクワクすんじゃねえよ。そうだな。じゃあ俺の行きつけの店にでも行くか」

幽霊「へー、そんなところあるんだ」

男「おう。こっから歩いて五分だぜ」

幽霊「近っ!」

男「ちなみにこのアパートに住んでる理由はこの立地にあるからだ」

幽霊「へー、そんなに好きなんだ。それで、何のお店?」ワクワク

男「ストリップ劇場」

幽霊「……」

―ストリップ劇場

男「おっほー! たまんね! 生ディルドオナニーたまんね!」

幽霊「最悪……」

男「なんだよ。嫌なら出てけばいいじゃねえか」

幽霊「ッ! うるさい! 別にいいでしょ!」

幽霊(本当はちょっと興味あるなんて口が裂けても言えないわね……)

男「うひょおおお! やべええええええ! ぱねえええええ! はい今夜のオカズゲットオオオオ!」

幽霊(こいつの隣にいるの嫌だ……)

―19:00

男「いやー良かったねー。また来たいもんだねー」

幽霊「何故か頭がくらくらするわ……」

男「あー、でも無理なのかー。俺明日には死んじゃうんだもんなー」

幽霊「……そういえばさ」

男「あーん?」

幽霊「やっぱりなんでもない」

男「んん? まあいいけどな」

―19:20 自宅

男「っしゃあ! 漢の『味の素入り玉子かけごはん』完成! 一人暮らし大学生の主食!」

幽霊「……あのさ」

男「なんふぁ? 俺ふぁ今いふぉふぁふぃ」ハムッハフッ

幽霊「あんた、明日には死ぬのよ?」

男「……」

幽霊「朝から思ってたんだけどさ、あんたの行動、明日に死ぬ奴のすることとは到底思えないわけ」

幽霊「私は、ここにくるまでにたくさんの奴をとり殺してきたわ。皆一様に、私に怯えて苦しみながら死んでいった」

幽霊「なのに、あんたはどうしてこんなに我を貫き通せるの? 私には不思議でならないわ」

男「……」

男「まあ、いいじゃねえか。余生の暮らし方なんて人それぞれだろ」

幽霊「それにしてもねえ」

男「さてと、飯も食ったし、オナニーやるぞ! 今日のうちにコレクション全部制覇するからな!」

幽霊「あのー、もしかして」

男「もちろんお前には見ていてもらうぞ!」

幽霊「……」

男「いいじゃん。お前も別にすることないんだろ」

幽霊「だからといって男のオナニーを見る趣味はない」

―23:00

男「ふぅ……やっと全てでシコリ切ったか。終わった今ではどの動画、画像も皆親から旅立った子供のように愛おしい……」

幽霊「約四時間半で60回賢者タイム迎えるってあんた人間じゃないよね」

男「まあな。俺をそこらの変態と一緒にするな。絶倫+早漏+オカズ=射精力だから」

幽霊「射精力ってどういうことよ……」

男「さてと、電話でもするか」

幽霊「あら、もしかして彼女と最後のお別れでもするのかしら?」クスッ

男「彼女なんていても無駄だ。俺の右手を超える名器は存在しないからな」

幽霊「……あっそ」

男「……あ、もしもし姉貴? 明日の夜、ちょっと俺の家来てくれないか? いや、ただ……」ゴニョゴニョ

幽霊(……何するつもりかしら)

―0:00

幽霊「ぼーんぼーん。0:00になりました。あなたの寿命も今日までです」

男「そんなナレーターみたいな声出さんでいい」

幽霊「そういえば、さっきお姉さんに電話してたわよね。何言ったの? お別れの言葉?」

男「いや、ただ一緒に夜飯を食べようって言っただけだよ。姉貴来るから、大人しくしてろよ」

幽霊「ふふふ、最後の晩餐はお姉さんと? 可愛いわね、だったら親御さんも呼べばいいのに」

男「……そんな人たち、もういない」

幽霊「え?」

男「俺がガキの頃に死んだんだよ。じいちゃんばあちゃんもいない。親戚も少ない上に遠縁だし。小さい頃から姉貴と二人で暮らしてきた」

男「姉貴だけが俺の家族だ。だから、死ぬ前にせめて姉貴と二人で食卓を囲みたくてな」

男「もう! 男の恥ずかしがり屋さん! 寂しいなら寂しいって言いなよ! てへっ!」

幽霊「……」

男「その目はなんだ」

幽霊「別に……」

―3:00

男「んがーんごー……オナニー最高おおおお……んがー……」

幽霊(こいつ……なんでこの状況でこんなニヤけ顔しながら寝れるのよ)

幽霊(前の奴らは……こんな……)

幽霊(……私は……いつまでこんなこと続けるつもりなんだろう……)

幽霊(どうして私は幽霊になって……転々と人間にとりついて……)

幽霊(こいつにとりついた理由……分からない……私は……どうして……)

―17:00

男「はい元気におはよう」

幽霊「もう夕方の五時なんだけど」

男「は? マジで! うわーやっちゃったー人生最後の一日寝て過ごすとかこれニートでも有り得ないだろ」

幽霊「まったくその通りだわ……」

ピンポーン

姉「男ー? 入るわよー? もしかしてオナニーしてるー?」

幽霊「家族公認ッッッ!」

男「あーちょっと待って! 今起きて朝勃ちしてるから処理する!」

姉「手伝おうかー?」

男「いらねえよ! 下手クソのくせに調子乗ってんじゃねえよビッチ!」

姉「そんなー……可愛い弟のためにお姉ちゃん練習してきたのに……」

男「余計いらねえわ! 黙って待ってろ!」シュッシュッ

幽霊(これが姉弟のする会話かしら……)

姉「おじゃましまーsうわ! イカくさっ! 何このティッシュの山!」

男「あー、ちょっと色々あってね。かなりのハイスピードでシコった」

姉「もーやめてよねー。お姉ちゃんこのにおい嫌いじゃないからいいけど、普通の女の子だったら泣いて飛び出すよ」

男「そうかな?」

幽霊(わ……私の立場は一体……)

姉「この部屋に居座れる女の子は、お姉ちゃんみたいなド変態じゃないと無理ねー」

幽霊(……あれ……涙……どうして……)

姉「はい、ガスコンロと土鍋と材料持って来たよ。大変だったんだから」

男「お、サンキュー」

姉「それにしてもどうしたのー? 姉貴と一緒にご飯が食べたい、なんて。男からそんな台詞聞けるとは思わなかったわ」

男「やー、ほら、俺もうすぐ死んじゃうじゃん? だから、いつ死んでもいいように、姉貴と二人でご飯食べておきたくてさ」

幽霊(……え?)

姉「男……なんでそんなこと言うのよ……」

幽霊「……え? え?」

姉「男は絶対死なないよ! お医者先生があと二週間で死ぬって言っても! 男は絶対生きるんだから!」

男「姉貴、もういいよ。最後に、こうやって二人で話し合える場を持ててよかった」

男「姉貴。今まで迷惑かけた。親の遺産と自分のバイト代を一生懸命やり繰りして、ここまで育ててくれて、本当にありがとう」

男「本当にごめん。姉貴が人生を棒に振ったのは俺のせいだ。後から恩返しするつもりだったのに……」

男「こんな……こんな病気患って本当にごめん」

姉「……男」

男「寿命が極端に短くなる代わりに生殖能力が異常発達する病気にかかっちゃうなんて……」

幽霊(えーなにそれー)

姉「男……お姉ちゃんはね、漢の中の漢のような弟を持てて本当に幸せなのよ」

姉「パパとママが事故で死んだあの日から数日……お姉ちゃん、いつ自殺してもおかしくない状態だったわ」

姉「それでもなんとか踏みとどまれたのは、あなたがいてくれたからよ。男」

姉「あなたがいたから、お姉ちゃん、頑張って生きて、あなたを育てなきゃって思えたの」

姉「男は私にとって命の恩人よ。だから、迷惑かけたなんて思わないで」

男「姉貴……ありがとう」

姉「ほら! しんみりした話はもうやめよ! ご飯の準備よ! 男も手伝って!」

幽霊(……)

姉「おでんが炊きあがりましたー!」

男「うっひょー! いただきまーす」

姉「おでんなんて久しぶりねー。あ、覚えてる? 男、ちくわ見て興奮しちゃって、熱々のちくわにち●こ突っ込んだこと」

男「ばっ、変なことぶり返すなよ! 恥ずかしいだろ!」

姉「いいじゃん誰もいないしさー」

幽霊(……ばっちり聞こえてますよお姉さん)

男「そんなこと言ったら、姉貴だってたまごをマ●コに入れて『ウミガメの産卵ー』とかやってたじゃんか!」

姉「あ! 覚えてるんだ! いやー、あれけっこう気持ちいいんだよ? 久々にやってみよっかなー」

男「今度はケツ穴にでも入れてみたら?」

姉「あ! それ面白そー!」

幽霊(……この姉弟……)

―22:00

姉「お姉ちゃん明日も仕事だし、そろそろ帰るね」

男「うん。今日はありがとう。姉貴、愛してるよ」

姉「昔から冗談言うの下手よねー。じゃあまたね」

男「おう。あんま上司とヤってばっかだと性病うつるぞ!」

姉「ポスト確保のためには仕方ないのよ。じゃあねー」バタン

男「ふぅ……帰ったか」

幽霊「……」

男「まあ、こういうこった。俺は意味のわからん奇病にかかっちまっていてな。とうとう余命が二週間になってたんだよ」

男「二週間後に死ぬのなら、明日死んでも大して変わらん。だから普通に過ごしてた。もう覚悟は出来てたからな」

幽霊「そうだったの……」

男「さーて、俺が死ぬまであと二時間か。もう悔いはねえ。大人しくオナニーでもして時間潰すか」

幽霊「……ねえ」

男「ん? どうした」

幽霊「あんたに……その……相談したいことがあるの」

男「なんだ、俺が死んでからにしてくれよ。どうせ死んでもお前と俺は会話出来るんだろ?」

幽霊「そんなの分かんないわよ! あんた死んだら勝手に天国行くかもしれないでしょ!」

男「そ、それは知らないけど……どうした。何そんなに怒ってるんだ」

男「とりついた相手に相談事なんて、そんなの全然幽霊らしくねえよ」

男「俺はもうすぐお前にとり殺される。お前はそれで目的を成し遂げる。それでいいじゃねえか」

男「相談事なんて、必要ねえだろ。違うか?」

幽霊「そう……だけど……」

男「分かった分かった。どうせ暇だし聞いてやる。なんだ」

幽霊「……私、あんたに最初に会った時、あんたにとりついた理由、『言えない』って言ったよね」

男「ああ、言ったな。何だ、教えてくれるのか」

幽霊「違う。私はね、あんたに理由を『言わない』んじゃない。本当に『言えない』のよ」

男「へ?」

幽霊「だから! 私がどうして幽霊になって転々と人をとり殺してるのか、その理由が私自身分かんないのよ!」

男「そ、それはどういう……」

幽霊「分かんないよ! ただ、本能っていうか。気が付いたら目の前に人がいて、そいつをとり殺せって体が叫ぶの!」

幽霊「それでそいつをとり殺して、気が付いたらまた人がいて、そいつをとり殺しての繰り返し……」

幽霊「どうしてこんなことになってるのか……分からないの……」

男「……」

幽霊「一人で考えても結論出ないし、相談しようにも、私がとりついてきた奴ら全員、私にビビってろくに会話出来ないし」

幽霊「でも、あんたなら……今までの奴らと違うあんたなら、私の話聞いてくれるって思って……」

幽霊「だから……相談しようと……」

幽霊「その……ごめん……」

男「……嫌なのか」

幽霊「……え?」

男「訳も分からず転々と人をとり殺す。その行為が嫌なのか? やめたいのか」

幽霊「……まあ、私もそろそろ理由を知って成仏したいと思ってるわ。こんなことしたって、無意味だもの」

男「ふーん、なるほど」

男「そうだなー……ま、実を言うと、そのことについては大体見当着いてるんだよな、俺の中では」

幽霊「え?」

男「お前がこんなことしてる理由だよ。俺は、たぶん知ってる。てかこれ以外ないと思う」

幽霊「は? え? なになに? なんで? なんで知ってるの?」

男「ふー……しかしなあ……この事実……多分、お前は相当ショックを受ける」

幽霊「そう……なの……?」

男「ああ、しかもかなりのな。もしかしたらお前はもっとやばい憎悪を持った幽霊に化けるかもしれん。それでもいいか?」

幽霊「いい! いいよ! 全然いい! カモン! カモンマイサン!」

男「変なテンションの上がり方すんな! ……まあいい。ここで一つ質問がある」

幽霊「なに! なんでもきいて! ちなみにスリーサイズは上から84……」

男「お前、今までとり殺してきた人間、大体が『男』じゃなかったか」

幽霊「……たしかに、言われてみれば九割五分は男ね。女は極端に少ないわ」

男「やっぱりな……じゃ、これを見てくれっと」ポチッ ブィィィン

幽霊「なに? パソコン?」

男「そうだ。お前に見てほしいのは、俺の秘蔵コレクションに入っている、ある一つの動画だ」

幽霊「ち、ちょっと待ってよそれってエロ動g」

男「ああ、それも『かなりのヤバいもん』だ」

幽霊「まあ、あんたぐらいのレベルになるとプレイ内容も流石にね」

男「違げぇよ! そういう次元の話じゃねぇ」

男「このコレクションにはな、『表には決して出しちゃいけないようなもん』まで入ってる」

男「俺は変態を極めすぎたせいか、普通のエロ動画じゃ到底満足出来なくなっちまったんだ」

男「それで色々とヤバめなもんも漁ってきたんだが、それでも満足出来なくなってきてな」

男「そこで最近手を出したのが、まあ、人として腐ってるんだが……『スナッフ』だよ」

幽霊「……スナッ……フ……?」

男「知らないか。『殺人ビデオ』のことだよ。SMの究極形態。手に入れるにはかなりの労力と危険を伴う禁断の映像だ」

男「極悪変態連中の中じゃ結構王道なんだがな。俺もその存在に興味を持って探し出したんだ」

男「そして最近、偶然にも俺はあるサイトで一つのスナッフ動画を落とすことに成功した」

男「この映像を初めて見たのは、お前がここに来たあの晩だ」

幽霊「……その殺人ビデオが私に関係してるっていうの?」

男「ああ。まあこれがその問題の動画だ。再生するぞ」カチッ

幽霊「……これ……この動画で柱に縛られてる子……」

幽霊「……わ……私そっくり……」

男「そう。これはおそらくお前だ……あー、ここからガチでやばくなるから」

幽霊「……う……」

男「俺が言うのもなんだが、ひどいもんだ。初っ端両目をくり抜いてそこに挿入だなんて、流石の俺でも見るに堪えなかった」

男「スナッフに手を出してしまった自分を酷く恨んだが、俺が最も後悔したのはな」

男「隣で自分のオナニーを何とも言えない顔で見ている幽霊……お前とこの動画の子の顔が瓜二つだったことだ」

男「瞬時に俺は思ったね。ああ、呪いだなって。こいつは、自分の残酷な最後を見ようとした奴を呪い殺すために、俺の所に来たんだって」

幽霊「そ……そんな……私……が……」

男「おっと、ここからは視聴禁止だ。俺もここで見るのをやめたからな」カチッ

幽霊「ああ……私……が……」

男「落ち込む理由も分かる。だがな、これが現実だ。お前はこの動画を通して、手に入れた者の前に現れそいつを殺してきた」

男「とりついて来た相手が大体男だっていうのもここから来ている。相当な変態野郎達だったんだろうな」

幽霊「う……う……」

男「だから確認しただろう。ショックを受けるって……まあ、どんな忠告をしようとお前は見ただろうが」

男「どうだ。自分の最後を知って、成仏する気になったか?」

幽霊「あ……ああ……そうだ……私は……私は……あの日……いきなり……無理やり連れてかれて……」

幽霊「それで……気が付いたら……いきなり……あ……ああ……」

男「……」

男「正直すまんかった。まさか、俺もこんなことになるとは思わなかったよ」

男「お前を呼び出して、また無意味に人を殺させようとしたんだからな。その上こんな真実を突きつけて……謝る」

幽霊「……」

男「俺が憎いだろう。こんなことされて、殺したくて仕方ないだろう」

男「いいよ。殺せ。今は23:00か。後一時間でリミットを迎えるけど、今すぐ殺したいなら殺すんだ」

男「お前への謝罪は、俺の死を以って形となる」

幽霊「……」テクテク

男「ふぅ……今思えば短い人生だった。たぶん1/3はオナニーに費やした。しかし俺はそれで満足d」

幽霊「……」ギュッ

男「え? なに? もしかして抱きつきながら殺してくれるの?」

男(いいねえ……これすぐに天国行けるわ……いや……地獄か……)」

幽霊「……った」

男「……なに?」

男「……なんだっt」

幽霊「怖かったよおおおおおおおおおお!!」

男「な、なななくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」!!!」

幽霊「怖かったあああ! すごく! すごく怖くて! 痛くて! 誰も助けてくれなくて!」

幽霊「暗くて! 痛くて! 寂しくて! すごく! すごく怖かったあああああああ!」

幽霊「嫌だよおおおおお! もう! もう嫌だよおおおおおおおおおお!」

幽霊「ああああああ! あああああああああああ!」ボロボロ

男「お……お前……」

幽霊「うわああああああん! うわあああああああああああああああん!」

男(……そうだよな……こいつは……顔体つきからしてまだ女子高生ぐらいだ……そりゃ……泣きたくもなるわな)

男「よしよし……辛かったな……悪かった……悪かったよ……」

幽霊「うわあああああああああああああああああああああああああああん!」

―6:00

幽霊「うぅ……ヒック……」

男「やっと泣きやんだか……」

男(最初は気持ちいい感触だったけど流石に7時間は飽きるな……)

男「さて、リミットをとうに超えて朝を迎えたわけだが、落ち着いたところで俺を殺すか?」

幽霊「……いい」

男「……え? いいの?」

幽霊「いいよ、もう。あんた、別に悪気があってあの動画見ようとしたわけじゃないんでしょ」

男「ま、まあ全ては俺の性欲のためだな。悪気はこれっぽっちも」

幽霊「……ちょっと癪だけど、ならいいわよ。動画の私が、あんたのオナニー見てたのと一緒なことでしょ」

幽霊「それに、反省したんでしょ。だから、もういいわ」

男「そ、そうなのか……ありがとう」

幽霊「……うん」

男「しかし、なんだ。お前、真実知って、散々泣いて、それで成仏しないってどういうことだ」

幽霊「ううん、もう出来るよ。私の意志で出来るようになった」

男「あっそうなの。じゃあすれば?」

幽霊「なんでそんな冷たいのよ! あんた本当に悪霊より性質悪いね!」

男「そんなこと言われてもな……俺はお前のためを思って言ってるんだ」

幽霊「……あんたも、どうせ二週間後ぐらいに死ぬんでしょ」

男「え? ああ、まあ正確には二週間切ったけど」

幽霊「じゃあ、待つ」

男「は?」

幽霊「あんたが死ぬまで、成仏するのは待つって言ってんのよ」

男「なんでまたそんな」

幽霊「だって、一人で逝くの寂しいし。あんたみたいな奴でも、いないよりかはマシよ」

男「いやーでもなあ。お前はともかく、俺はたぶん地獄に行くぞ。こんなことしておいて、おいそれと天国に行けるとは思えん」

幽霊「どうしてよ。私が許してるんだからあんたに罪はないわ」

男「しかしだなあ」

幽霊「とにかく一緒に逝くの! もしあんたが地獄に落ちそうになったら閻魔大王の舌引っこ抜いてやる!」

男「……そうか。まあお前がそうしたいならそうしろ。俺、お前のこと好きだしな。迷惑にはならんよ。むしろ大歓迎だ」

幽霊「はぁ! 何言ってんの!」

男「いやー、だってお前可愛いしスタイルいいじゃん。そんなのに抱きつかれて泣かれたらなあ。男は誰でも惚れると思うぞ!」

幽霊「ばっ……」

男「よし、そうと決まれば早速オナニーだ!」

幽霊「あんたって、ホント色々と人間超えてると思う」

男「おう、まあな! というわけで、F●2アダルトに直行だ!」

幽霊「あの……私は」

男「見ていてくれ! 興奮するから!」

幽霊「はあ……やっぱり……」

男「なんだ、嫌なのか」

幽霊「……い、いいわよ、別に。す、好きな人の、オナニーだったら、まあ、うん、そこまで嫌悪感、抱かない、よ……」

男「……」

幽霊「な、なに?」

男「……くっ……くく……あっはっはっはっは! ひーっひっひっひっひ!」

幽霊「な、何よぉ! もう! くそ! やっぱりとり殺してやる!」

男「そう怒るなって! ほら! 今日も元気にオナニー三昧だ! 残りの余生、お互い好きに過ごそうぜ! 俺の嫁!」

幽霊「このばかあああああああああああ!」


――おわり――

閉鎖だなんだ言われてる中で、長々と付き合ってくれてありがとう。
もし後で奇跡的にスレが残ってたりしてたら、適当になんか書くかも。
おつかれさまでした。

なんで残ってんの。何も書き溜めしてないのに。

じゃあせっかくなんで、短くなると思うけどぬるぬると投下します。暇な人だけ見てね。

―11:00

男「というわけで明日俺は本当に死にます」

幽霊「どういうわけでしょう」

男「うるせぇなあ。結局ダラダラオナニーばっかしてたら今日という日を迎えっちゃったんだよ」

幽霊「ホント、死期が迫ってきてる人間の生活とは思えなかったわね」

男「仕方ねえだろ。オナニーしかすることなかったんだから」

幽霊「こいつマジどうなってんの……」

幽霊「っていうかさあ……」

男「あん?」

幽霊「なんで……こう……私がそばにいながら……オナニーばっかりするかなあ……」

男「これが俺の病気なんだよ。精子出さないとストレスで死んじゃうんだ。変態ウサギとは俺のことだ」

幽霊「そうじゃなくてぇ……だからぁ……」

男「なんだようっせぇな! 犯されたいのかよ!」

幽霊「そうそれ!」

男「えっ」

幽霊「あっ」

男「はー、なるほど。お前も溜まってたんだな。いいよ。オナニーすればいいじゃん。俺、見てるし」

幽霊「……そうじゃなくて、どうしてあんたは私に発情しないのかって言いたいのよ」

幽霊「私これでもスタイルいいし……胸もくびれも、おしりだって自信あるのに」

男「興味ない」

幽霊「えっ」

男「え? だってお前幽霊じゃん」

幽霊「……」

男「たしかに、何故か俺はお前に触れることは出来るらしいし、お前はスタイルもいいから抱くには最高な女だとは思うよ」

男「でもな、俺に幽霊を抱く趣味はない」キリッ

幽霊「……うわああああああああああああ!」

男「おー、腕をクロスさせて二回の窓から飛び降りるとは。しかもスタントなし。ハリウッドも真っ青だな。」

―12:00 公園

幽霊「はあ……なによ……男のバカ。オナニー大名。万年精子不順」

幽霊「私ってそんなに魅力ないのかしら……」

幽霊「生きてる時は鋼鉄の処女って言われるぐらい貞操観念ガチガチで……」

幽霊「でも男になら……あげてもいいって思えたのにな」

幽霊「こんな昼間っからブランコで愚痴だなんて、リストラされた中年みたいね」

リストラ中年「ブランコが不自然に揺れとる……とうとう死神が私の人生までリストラしようと……」

―12:00 自宅

男「うーむ、参った。オナニーしようにも俺の愛する息子が全然反応しない。何故だ!」

男「坊や(童貞)だからさ」

男「なんてな。きっと幽霊がいないからだ」

男「あいつに見られる快感に息子が味を占めたんだな。幽霊がいなきゃ、俺はもうオナニー出来ない体になっちまったらしい」

男「クク……俺のデュランダルが……奴の視線をモトメテル……ククク……」

男「とか言ってる場合じゃないんだよ。さっきからストレスでおかしくなってきてる。これ、俺の命に関わる重要なことなんだよな」

男「オナニー出来なくて死ぬとか、流石の俺でもそれはごめんだ! 幽霊探さなきゃ! 眼力の変わらないただひとつの幽霊を!」

―14:00

男「くそっ……どこ行ったんだあいつは! やばい……俺の体が……やめろ……ぐわっ……今はまだ……」

男「……なんだよこれ。この病気の症状に『厨二病』があるなんて聞いてないぞ」

男「もおおおおおおお! こんな生き恥じ晒しながら死ぬのは嫌だ! 幽霊! 幽霊いいいいいいい!」

―同時刻

幽霊「……ただいまー。あれ?」

幽霊「あいついないじゃん。どこ行ったのかしら」

―15:00

男「はああああああああああああああ! くっそおおおおおおおおおおおおお!」

男「幽霊のくせに生意気なあああああああああああ! 早く我を聖なる鎖から開放せよおおおおおおおおおお!」

男「やばいな……症状が抑えきれなくなってきてる……明日死ぬ予定だったぐらいだし、進行も早いのか……」

男「頭もクラクラしてきたし……なんだ……やめろ! お前は出てくるな! ここは市街地だぞ! 闇の力が!」

幼女「ママーあそこにへんなひといるよー」

母「シッ! 見ちゃイケマセン!」

息子「」ニョキッ

男(……もっと言ってくれ……頼む……頼むから……)

―17:00 自宅

幽霊「あいつ遅いわねー。いい加減、西村京太郎サスペンスの再放送も見飽きたわ」

幽霊「この遅さはストリップ劇場ね。間違いないわ。まったく、時間無制限で見放題だからっていつも長居し過ぎなのよ」

幽霊「暇だし、あいつ呼びにちょっと行ってみようかしら」スクッ

幽霊「まったく……近くにストリップ劇場があるアパートなんて誰も住みたがらないでしょ普通……さて、着いt」

黒服「おら! とっとと出てけこの変態猿!」

男「頼む! 俺に! 俺にストリップをさせてくれ!」

黒服「うるせぇ! 二度と来るんじゃねえぞ!」バキッ!

男「あぁん!」

幽霊「……」

幽霊「ちょっと、あんた大丈夫?」

男「うぅ……ダメだ……こんなのじゃ……こんな刺激じゃダメなんだ……」

幽霊(どうしてこんな奴に惚れちゃったのかしら……)

男「……ん? お! お前! 幽霊! 探した! 探したぞ!」

幽霊「え? わ、私を探してくれてたの?」

男「当たり前だろ! なにボケっとしてんだ! 家戻るぞ!」グィッ

幽霊「え? ちょちょちょちょっと!」

男「よし到着!」ガチャ

幽霊「あの……その……私……ふつつか者ですけど……」

男「幽霊!」

幽霊「はい!」

男「見ていてくれ!」ズルッ

幽霊「……」

男「はああああああああああ!!!」シコシコシコ

幽霊「……」

男「あああああああああああ……あれ?」

幽霊「なによ。この私が見てあげてるのに、いつまでもニャッキのままってどういうことよ」

男「だよな……おかしい……」

男「……そうか」

幽霊「え?」

男「分かった……分かったぞ」

幽霊「何が? 自分の息子の愚かさに?」

男「違う。そんなチャチなもんじゃねえ」

男「この俺が、どうして、この若さで死んでしまうかっていうことだ……」

幽霊「はい? だから、生殖能力が異常な代わりに寿命が極端に短いんじゃないの?」

男「ああ……医者からはそう言われてたけど……厳密には、どうにもそうじゃないらしいな」

幽霊「それはどういう」

男「俺は……別に、極端に寿命が短いわけじゃない」

幽霊「え?」

男「いいか、まず、俺のジュニアは、ある一定の性的な刺激を与えられると、もうそれ以下の刺激では満足出来なくなる性質らしい」

男「ここで問題なのはな、この世に存在する、その性的な刺激の『種類』にある」

男「世界にはな、ありとあらゆる性的な刺激が存在する。乳、SM、臭い、その他なんでもだ。性癖として認められているものは、全てがそうだ」

男「はい。ここで質問」

幽霊「正直嫌です」

男「もし俺が、自力で集められる性癖を全て集めてしまっていたとしたら、どうなると思う」

幽霊「……正直意味が分からん」

男「だああああ! つまりだな! 俺のち●こに与えることの出来る性的な刺激は、俺の周りにはもうないってことなの!」

幽霊「そ、そうなの?」

男「正確に言えばあることはあるよ! だけど、それは全てパトレイバーの御用になる方法でしか得られないものばかりだ……」

男「俺は……自分の性欲のために他の誰かを傷つけるなんてことは出来ない……」

幽霊(私に散々オナニー見せておいてそれはないわ)

幽霊「……っていうか、とどのつまり、ズリネタがなくなってことでしょ」

男「簡潔に言うとそうなる。それも遥かに高い次元でな」

幽霊「それで、ヌけなくなってストレスで死んじゃうと」

男「違うな……ストレスはただのトリガーだ。そのものが原因で死ぬことはない」

幽霊「と言うと?」

男「今は何故か落ち着いてるが……どうやらこの病気、ストレスが溜まるに連れて『厨二病』を発症させるらしい」

幽霊「……それって別に大したことないような……」

男「分かっちゃいねえ……お前は『厨二病』を全然分かっていねえよ……」

幽霊「えー? だってそれって『俺の右腕がぁ!』とか『エレガントアブソリュートエクスタシー!」とか言っちゃうだけなんじゃないの?」

男「それもある。あるが、それは初期症状だ。もうすぐで俺のストレスがマッハになる……そうなったら、俺は『厨二病』の際たるものを発動するだろう」

幽霊「なに? 頭に意味もなく包帯でも巻く?」

男「……『自傷行為』」

幽霊「え?」

男「……『自殺』だ」

男「俺の最後は『自殺』になる」

幽霊「マジで言ってんの?」

男「俺の体のことだからな。俺が一番分かる。医者の野郎も、このことは知っていたんだろうな」

男「だけど、『君はズリネタに困って自殺する病気になったよ』なんて、患者には口が裂けても言えんだろうからな」

男「適当にそれらしい病症言ってたんだろうよ」

幽霊「じゃあ、その余命宣告はなによ。あんた、それだとズリネタがある限り生きられることになるじゃない」

男「医者も、こんぐらいの歳になったらそろそろズリネタも尽きるだろうって予測してたんじゃねえの」

男「それか、もし余命過ぎても生きてたら、木更津キャッツアイよろしく適当ぶっこくつもりだったんだろうよ」

素晴らしいオナニストだな
vipperの鏡だよ

男「とか言ってる間に自殺したくなって参りました」

幽霊「なんということでしょう」

男「くそ……まさか……まさかこんなことで死ぬハメになるとはな……」ガシッ

幽霊「ち、ちょっと! あんた包丁なんて持ってどうする気よ!」

男「うるせー! 近寄るんじゃねえよ! 俺は神に選ばれたんだ! こんなきたねえ世の中捨ててやる! ファッキンビッチだ!」

幽霊(あちゃーこいつマジもんの患者だわ)

>>137
ありがとう。俺オナニー大好きだから。

幽霊「はぁ……もういいわ。あんた、本当にマジもんの鬼畜変態野郎さんね」

男「なんだ! この俺に楯突くということは後ろに控えるワルキューレ達を怒らせることに……」

幽霊「よいしょ」ファサァ

男「な!」

幽霊「ほら、あんた、童貞なんでしょ。こんな身近で、女の子の裸見たことないでしょ」

男「そ、そんなもんストリップ劇場でいくらでm」

幽霊「処女」

男「は?」

幽霊「処女の裸。見たことないでしょ」

男「あ……ああ……」

幽霊「ったく……しょうがない奴ね……ほら、私の体でオナニーでもなんでもしなさいな」

男「な……なんだよ……これ……純白で……無垢で……何も……何も汚れてない……」

息子「レッツゴージャスティーン!」

男「や……や……やべえええええええええええええええええええ!!!」

男「スコッティ! スコッティあるだけ! おらああああああああああああ!」

幽霊(ホント、しょうがない奴だわ……)

幽霊(こんな状況でも……手は……出さないんだ……)

幽霊(鈍感なのか……本当のオナニー狂なのか……)

幽霊(それとも……)

いやぁ爽やかさもエグさもあるいいSSだなぁ

他の作品もあったら知りたいわ

―12時間後

男「ふぃー……いやー、シコったシコった。こんなシコったの生まれて初めてだ。あーすっきり」

幽霊「スナッフ動画を見た時とは、また違った嫌悪感と吐き気がするわ……」

男「悪かったよ。しかし、これでなんとか収まった。助かったよ」

幽霊「なら良かったけど……それでも、一時しのぎにしかならないんだよね?」

男「……そうだな。しばらくはお前の裸でいけそうだが、それも時間の問題だ」

幽霊「……そう」

>>145
過去に一度書いたのがまとめブログ載りましたが、恥ずかしいのでごめんなさい。

男「しかし、お前、どうして俺を助けたんだ」

幽霊「え?」

男「だってさあ、元々俺は明日……ってか今日、死ぬ予定だったんだぜ。俺もお前も、そのつもりでこの二週間足らずを暮らしてきた」

男「これじゃあ、お前が成仏するまでの期間を長めただけじゃないか」

男「あのまま俺が自殺s」

幽霊「やめて」

男「はい?」

幽霊「私、もう、誰かが血を流して死ぬところなんて見たくないのよ」

男「……そうか……すまん……」

男「でもなあ、それでも流石に限界ってもんがあるぞ」

幽霊「そうね……そういえば、あんた、この世にはあんたの知らないたくさんの性的な刺激があるって言ってたわよね」

男「ん? ああ、まあな。俺が持ってる知識なんて、変態道の中腹ぐらいのもんだから」

幽霊「じゃあ行くわよ」

男「へ? どこに?」

幽霊「世界に決まってんでしょうが!」

男「……マジで言ってんのかよ……」

幽霊「マジよ。大体あんたもなんでこんなところで死のうとしてんのよ。余命宣告なんてなかったのなら、生きれるところまで生きるべきよ」

幽霊「限界まで変態極めて、生きて、生きてさ、それでも限界がきたら、私が責任をもってあんたをとり殺してあげる」

幽霊「私は生きたくても生きれなかった……だから……せめてあんただけは……自殺なんて方法で命を絶ってほしくないの」

幽霊「私の言ってること、分かるかしら」

男「……く……くく……」

幽霊(こ、このパターンは……)

男「くくく……あーっはっはっはっは! ひー! 死ぬー! 死ぬうううううううう! いーっひっひっひ!」

幽霊「あーもう駄目だ。殺す。殺すわあんた」

男「待て! 分かった! まったく……お前はいちいち面白いことを言う奴だよ……」

男「よし! 善は急げだな! 早速準備に取り掛かろう!」

幽霊「そうこなくっちゃね。最初はどこ行くの?」

男「そうだなー。とりあえず、スカトロの本場、ドイツにでも足運んでみるか」

幽霊「……やっぱりやめにしましょうか」

男「冗談だよ。流石に、いくらスカトロが性癖として認められていようが、俺の息子は反応しない」

男「俺は万人受けされる変態を目指してるからな!」

幽霊(絶対嘘だ……)

男「当面の目標は、世界各国のストリップ劇場に赴くことにする! というわけでまずはアメリカだな!」

幽霊「あんたホントに好きね……まあいいわ。私が言いだしたことだし、着いていくわ」

男「おう! じゃあ景気づけに一発シコらせてくれ!」

幽霊「……」

男「はいD・V・D! D・V・D!」

幽霊「わかったわかったわよ。脱ぐから、一つだけ聞かせてほしいの」

男「ああん? なんだ?」

幽霊「……どうして……あんたはそんなに『オナニー』にこだわんのよ」

幽霊「その……私……別に……あ、あんたになら、か、体……預けてもいいって……思ってる……」

幽霊「だから……そんな……オナニーじゃなくても……」

幽霊「やっぱり……私が幽霊だから……」

男「あー、あのことまだ引きずってたのか」

幽霊「……」

男「あれ、嘘」

幽霊「……え?」

男「……好きだからだよ」

幽霊「はあ……はあ?」

幽霊「そ、それだったらなおさら」

男「オナニーが、好きなんだよ」

幽霊(……フラグバッキバキだわ……)

男「言ったろ? 俺の右手を超える名器は存在しないって。お前を抱いたところで意味はない」

幽霊「でも、男だって私のこと好きなんでしょ。だったら愛情表現の一つとしt」

男「そんなことでしか伝わらない愛情を、俺はお前に持った覚えはない」

幽霊「……男……」

男「ごめんな、幽霊。でもさ、俺、どうしようもない変態オナニー狂なんだよ」

男「俺はこれからお前に手を出すことは一切ないだろう。でもさ、これはお前に対する、俺からの最上級の愛情表現なんだ」

男「分かってくれるか、幽霊」

幽霊「……分かった。ありがとう……」

男「はーい! じゃあ気を取り直して! D・V・D! D・V・D!」

幽霊「……ホント、しょうがない変態さんね」

――その後、『世界を相手に196股をかけた』として、男の名前はその筋で一躍有名になる。

――男は生涯、世界の変態地域を潜り抜け続け、右手一筋童貞一人旅を貫いたという。

――そして男と出会った者は、皆一様にこう言ったという。

――男の後ろには、何故かいつも、燦然と輝く白い光が灯っていたと……


――完――

あー、終わった。案外長くなった。
二部は睡魔に任せて書いたので、一部よりも更にひどくなっていますがそこはご愛敬。
こんな駄文に付き合ってくれた人たち、ありがとう。それではまた。
お疲れさまでした。

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