苗木「ぼっちは嫌だ……ぼっちは嫌だ……」 (318)

~学園・玄関ホール~

苗木「なんだよ……薄暗い校舎だな……入学初日から気分悪い……」

苗木「はぁ……仲良くしてくれる人がいると良いな……」

苗木「……いやいや、なに弱気になってるんだよ……超高校級の幸運なんだから……」

苗木「大丈夫だって……大丈夫……」ブツブツ

桑田「オイ」

苗木「はぇ!?」ビクッ

桑田「お前もここの新入生か?」

苗木「あ………は、はぃ……」

不二咲「ボクたち、みんな希望ヶ峰学園の新入生なんだけど……」

苗木「へ、へぇ……そうなんだ……」

苗木(こ、この人たちが新入生か……やっぱり人数が少ないなぁ……これでひとクラスかな……)

苗木「……? 15人……? えっ……奇数……!?」

苗木(なんだよ……15人って、奇数はだめだろ……ひとり余っちゃうじゃないか……!)

苗木(どうするんだ……『ふたり一組つくれ』とか言われたら……絶望的だよ……)

苗木(いや、でも、そういうのは主に体育の時間だよな……男女別なら……)

苗木「…………はうっ」

苗木(くそ!!! 男子が7人いるじゃないか……! また奇数か……!)

苗木(こんなことなら女子に生まれたかった……いや、そしたら結局女子が9人になるのか……)

苗木「……あれ? あの子って……」

苗木(ま、ま、舞園さん!?!? ど、どうしてここに!?)

苗木「あ、あ、あの……あのっ」

舞園「えっ、な、なんですか……?」ビクッ

苗木「あ、あの……僕、苗木……だけど……」

舞園「……? 苗木君……? はじめまして」

苗木「……はじめまして」

苗木(あーくそ……そうだよな、僕のことなんて覚えてるわけないよな……)

苗木(なんだよ……声かけちゃったよ……アイドルに興奮してる変態だと思われたかな……)

苗木「どうせ僕なんて……」ブツブツ

霧切「……フフ」

霧切(まずは第一関門クリアね。女子は8人。二人組をつくったとき、私があぶれる事態は回避された……!)

霧切(それがわかっただけでも気が楽ね……羽根が生えたように身体と心が軽い……!)

~体育館~

モノクマ「オマエラには、この学園で共同生活を送ってもらいます! 期限は一生!」

江ノ島「はぁ!? 意味わかんないんだけど!」

大和田「どういうことだよ!」

苗木(は? 一生? 嘘だろ? 勘弁してよ……人生70年……二人組をつくる機会が何回あると思ってるんだ!)

苗木(僕はあと何回、ひとりだけ余ることになるんだ!?)

霧切(一生……? さ、さすがに長すぎるわ……そんなにあったら、誰かが風邪で休んだりする日が出てくる……)

霧切(そうなったら、あぶれるのは私……!)

朝日奈「そんなの無茶苦茶じゃん!」

山田「はやくここから出してくださいぃ!」

モノクマ「出る方法はあるよ。それは、この学園で人を殺すことだよ……!」

苗木「……!」

苗木(誰かが男子をひとり殺してくれれば……! 6人! 偶数だ!)

霧切(まずいわ……! 女子がひとり殺されたら……奇数になってしまう……!)

霧切(嫌よ……柔軟体操で先生と組まされるのは嫌……!)ガクガク

大和田「殺し合いをしろだぁ!? 悪ふざけにもほどがあるぞ!!!」

モノクマ「ふざけてなんかないよ! ふざけてるのは君の頭だろ?」

大和田「クソがあああああああああああああ」

ガシッ

モノクマ「あっ! 学園長への暴力は校則違反だよ!」

ピコーン ピコーン ピコーン

大和田「あん? なんだぁ?」

霧切「…………」

霧切(毎回体育を休むなんてできるのかしら……いえ、そんなこと、無理に決まってる……)

霧切(お爺様に頼めむべきだった……『身体が弱い』と学園に言っておけば、容認されたかもしれない……)

霧切(ああもう……電子音がうるさくて集中できない……)イライラ

ドカァァァァァァン

霧切「!?」ビクッ

苗木「ひぃ!?」ドテッ

大和田「」

舞園「きゃああああああああああああ」

石丸「ば、爆発した!? だ、大丈夫か! 君!」

大和田「」

十神「もう手遅れだ」

苗木「……! やった……!」

苗木(男子がひとり死んだ……! これで偶数だ!!! やった!)

霧切「……!」

霧切(……これで全体の数が14……男女混合の授業でも、あぶれる心配は無くなったわ)

霧切(ひとまずは、良しとしましょう……)

~視聴覚室~

モノクマ『さて問題です! この家族に何がおきたのでしょうか!?』

【正解発表は卒業の後で!】

苗木(どうでもいいや……妹はなんか僕を避けるし……外の世界なんて興味ないし……)

苗木(ぼっちになって恥ずかしい思いをしなければ、ここでの生活で十分……)

舞園「いや……! こ、こんな……! 嘘……!」ブルブル

苗木「……ど、どうしたの……お、落ち着きなよ……」

舞園「落ち着けるわけないじゃないですか!!!!」ガタン

苗木「あっ……ご、ごめ……」

セレス「このDVDの映像が、殺人の動機になるということですわね?」

十神「ふん。殺し合いをするように煽っているわけか……」

霧切(……まずいわね。もし、女子が殺されたら……)

苗木(たのむから、これ以上人数を減らさないでくれよ……もし男子を殺すなら、2人殺してくれ……)

~苗木の部屋~

ピンポーン

苗木「……はい」

ガチャ

舞園「あの……苗木君……」

苗木「ま、舞園さん……!? な、な、なに?」

舞園「少し、いいですか……?」

苗木「べ、別に……暇だし……いいけど……ど、どうしたの……?」

舞園「誰かが私の部屋のドアをこじ開けようとして……」

苗木「僕じゃないよ……! ぼ、僕はそんなこと……!」

舞園「わ、わかってます! そうじゃないんです!」

苗木「じゃあ、な、なんなのさ……」

舞園「たのみたいことがあって……」

苗木「へ、部屋の交換……!?」

舞園「はい……」

苗木(な、何考えてるんだよ……そんなことして僕にメリットあるのか……?)

苗木(舞園さんを殺そうとしてるひとに狙われるのは僕じゃないか……!)

舞園「だ、ダメですか……?」

苗木「いや……その……」

苗木(だけど、ここで恩を売っておけば、後々の授業でペアを組んでもらえるかもしれない……)

苗木(な、仲間を増やしておくのはいいことだ……)

舞園「あの」

苗木「わ、わかったよ……そうしよう……」

舞園「ありがとうございます!」

~翌日・食堂~

葉隠「舞園っちはどうしたんだべ?」

石丸「チャイムを押したのだが、出てこないのだ。寝入っているのだろう」

苗木「……」

苗木(よし……何回数えても、男子は6人。大丈夫大丈夫)

霧切「……」

霧切(どうして舞園さんは来ないのかしら……もし今、7人の状態で『二人組をつくれ』と言われたら……)

霧切「わ、私が様子を見てくるわ……」

朝日奈「いってらっしゃーい」

~舞園(苗木)の部屋~

舞園「」

霧切「うそ……」

霧切「う、嘘よね……お、起きて……舞園さん……起きて……」

舞園「」ガクン

霧切「…………!」

霧切(8-1=7……これで女子は7人……ひとり余る……ひとり……余る……!)

霧切「いやあああああああああああああああああああああああああ」

~体育館~

霧切「……ハッ! こ、ここは……さっきのは夢っ!?」

朝日奈「大丈夫? 霧切ちゃん」

葉隠「やっと起きたべ」

霧切「わ、私は……」

セレス「苗木君の部屋で気絶していたあなたを、わたくしたちが運んできたのです」

霧切「そ、そう……」

霧切(私は……舞園さんの部屋を覗いて……死体を見つけて…………夢じゃなかった……! 現実!)

霧切「な、7人に……! 女子が7人に……!」

山田「だ、大丈夫ですかな……?」

霧切「いやああああああああああああああああああああああああああああ」

ドサッ

朝日奈「わー! また気絶しちゃったよ!」

山田「よほど舞園さやか殿の死体がショッキングだったのでしょう……無理もありませんな」

~数分後~

モノクマ「学級裁判での議論の末、オマエラが導き出した答えが正解だった場合はクロだけがおしおき!」

モノクマ「間違っていた場合は、クロ以外の全員がおしおきされます!」

不二咲「お、おしおき……?」

モノクマ「処刑だよ! 処刑!」

霧切「……!」

霧切(もしクロが女性なら……処刑されて、6人になる……!)

苗木「……っ」

苗木(クロが男子だったら最悪だよ……5人になっちゃうじゃないか……女子でありますように……)

江ノ島「ちょっと! さっきから言ってること無茶苦茶じゃない! あたしそんなの参加したくないから!」

霧切「……」

モノクマ「学級裁判に参加しないだと!? そんなことしたら、罰を与えるよ!」

江ノ島「うるせーんだよ! どけっ」

モノクマ「どうしても通りたければ、ボクを倒してからにしろー!」

ドガッ

モノクマ「ムギュ」

江ノ島「はい。これで満足?」

モノクマ「そっちこそ……学園長への暴力は……校則違反!」

霧切「……」ニヤリ

ビュ ドスッ ドスドスドス

江ノ島「は? あれ……? おかしくない? なんで、あたしが……」

ドサッ

「「「 うわあああああああああああああ 」」」

霧切「…………!」

霧切(これで6人……! やった……!)

苗木(これでクロが女子なら……!)

霧切(これでクロが男子なら……!)

モノクマ「はい! それじゃあ捜査開始!」

苗木「!!!」

ダッ

霧切「……!」

ダッ

大神「あのふたり、凄まじい勢いだ……」

山田「一目散に走っていきましたなぁ……」

~苗木の部屋~

霧切(だいたい……犯行現場が苗木君の部屋なのだから、クロは苗木君ということに……)

霧切(私はそれが一番うれしいのだけれど……)

苗木「……あの」

霧切「……なに?」

苗木「ぼ、僕も……し、調べさせてもらっていいかな……」

霧切「……どうぞ」

苗木「…………」

霧切「………あ」

苗木「……?」

霧切「これ……」

【11037】

苗木(うっわ! やばい! レオンって書いてあるよ……!)

霧切「……フフフ……フフフフフフフフ」

霧切「そう……クロは桑田君なの……フフフフフフ」

苗木(なんで嬉しそうなんだよ……! こっちは大迷惑だよ……!)

苗木(なんとか偽装してクロを女子に……いや、そんなことしたら僕も殺される……)

苗木「ほ、本当に男子がクロなのかなぁ……」

霧切「これはダイイングメッセージ。レオンと書かれている以上、クロは桑田君よ」

苗木「…………そう……」

霧切「………? そういえば貴方、さっき『男子がクロなのかなぁ』と言ったわね」

苗木「え? う、うん……」

霧切「妙な台詞ね。この場合、『桑田くんがクロなのかなぁ』と言うはずじゃない?」

苗木「いや……それは……」

霧切「フフフ。そう、貴方もなの……貴方も、ふたり一組の呪縛に囚われているのね?」

苗木「……! まさか……君も……」

苗木(そうか……この女の余裕! 嬉々とした態度! わかったぞ……クロが女子じゃないから安堵してるんだ……!)

霧切「フフフ。可哀想。でも、今回のクロは桑田君できまり……つまり、減るのは男子の人数!」

霧切「女子は6人のまま安泰よ……男子は5人になってしまうけれど……フフフ」

苗木「ぐ……!」

霧切「せいぜい、今からパートナーを探すことね。まあ、それができないから怯えているのでしょうけど」

苗木「……っ!」

霧切「フフフフフフフフフ……ああ、良かった」

苗木「うわあああああああああああああああああああああ」

朝日奈「えっ、なになに。どうしたの」

葉隠「なんだべ。そんなに絶叫して」

苗木「………もうどうでもいい……どうでもいい」ブツブツ

フラッ

セレス「自分の部屋で殺人が起きたという事実が受け入れられないのでしょう」

桑田「はん! どうせ苗木が犯人だから怯えてんだろ!」

苗木「うるさいよ殺人犯……ダイイングメッセージで君の名前が書かれてるから怯えてなよ……」

桑田「えっ」

~裁判場~

モノクマ「大正解~! 今回のクロは桑田クンでした~!」

苗木「桑田クン……よくも……よくも……!」

桑田「しょうがなかったんだよ! あ、あいつが! 舞園が!」

苗木「余計なことしてさぁ!!! 殺すなら男子にしてよ!!!」

桑田「は、はぁ!?」

モノクマ「あらら、苗木クン、何言っちゃってんの?」

苗木「モノクマ! もうひとり、男子をおしおきとかしないの!?」

葉隠「はぁ!?」

石丸「な、何を言っているんだ!?」

モノクマ「し、しないよ……する意味が無いじゃないか」

苗木「だって! 男子が5人に! 困るよ! ねえ!」

霧切「落ち着きなさい、苗木君。見苦しいわよ(キリッ」

苗木(くそ……あの手袋女……女子は偶数を保てるからって……!)

~翌日・苗木の部屋~

苗木「…………」

苗木(もうこの部屋から出ない……ご飯食べる時以外は出ない……)

ピンポーン

苗木「ひっ」ビクッ

苗木(だ、誰だよ……ま、まさか、とうとう体育の時間が始まるんじゃないだろうな……)

ピンポーン ピンポーン ピンポーン

苗木「うぐ……う、うるさいなぁ……!」

フラフラ

ガチャ

苗木「は、はい……」

不二咲「あ、苗木君……ごめん、寝ちゃってたかな……?」

苗木「いや、別に……」

苗木「そ、それで……なに? まさか…………体育?」

不二咲「? 体育? 違うよ。あのね、みんなに話したいことがあって……」

苗木「体育じゃないのか…………ほっ」

不二咲「だから、食堂に集まってもらえないかな」

苗木「えっ……」

苗木(話とか興味ないなぁ……だけど、ちょうどお腹も空いてきたし……)

不二咲「だめ……?」

苗木「うん…………あ、いや。いいよ。いくよ……」

不二咲「ありがとうっ」

~食堂~

霧切「フフフ……」

苗木(……手袋め……まだ僕のことを見下してる……)

霧切「話ってなにかしらね? 苗木君?」

苗木「し、知らないよ……不二咲さんに聞きなよ……」

苗木(なんで親しくもないのに話しかけてくるんだよ……馴れ馴れしい……)

霧切「二人組になる必要がある話だったとしたら……どうする? フフ」

苗木(どんな話だよ……)

霧切「6人~6人~男子は5人~」

苗木(くそ、その妙な歌やめろよぉ……!)

不二咲「あのね……みんなに集まってもらったのは……ボ、ボクが今まで隠していたことを打ち明けるためなんだ」

朝日奈「隠してたこと?」

石丸「何を隠していたのか、言ってみたまえ!」

不二咲「実はボク…………男なんだ」

霧切「」

山田「な、なんですとー!?」

腐川「は、はぁ……? じょ、冗談でしょ……?」

不二咲「冗談なんかじゃないよ! 本当に、ボク……男なんだっ」

朝日奈「いや、だって……ねぇ?」

苗木「証拠を見せてよ! 今すぐ!」ズイッ

不二咲「ひぃっ」

石丸「落ち着きたまえ! 苗木くん!」

十神「そんなくだらん冗談を言うために俺を呼び出したのだとしたら……」

不二咲「冗談じゃないんだよ! 本当に……男なんだ……!」

霧切「」

苗木「だから!!! 男なら証拠を見せてよぉ!!!!」ガシッ

モミモミモミモミ

不二咲「あっ……///」

苗木「ついてる!!!!!」

「「「 えええええええええ!!!! 」」」

苗木「不二咲さんは……いや! 不二咲クンは男だ!!!」

苗木「男子は6人いたんだ!!! そして……」チラッ

霧切「……! はぁ……! はぁ……! うぐっ! うう!」

苗木「女子は5人だ。5人だよ。手袋さん」

霧切「ひぃー! ほひぃー! ふぅー! はぁー! ひぃ……ひぃ……!」

バッターン

ガタンガタン ドタンバタン

葉隠「き、霧切っちが過呼吸を起こしたべ!!!!」

朝日奈「だ、大丈夫!?!?!?」

苗木「ひゃっほーーーーー!!! やったね!!!! フゥーーーーー!!!!」

セレス「ず、ずいぶん喜んでおられますわね」

山田「苗木誠殿はショタコンでしたか!?」

苗木「女子は5人! 手袋さん! 今どんな気持ちなのさ? ん? 言ってごらんよ! ほらぁ!」

霧切「ぜはーっ! ぜぇ! ぐほぉ! ほひゅーっ……!」

不二咲「あわわわ……ご、ごめん、ボクが変なことを言い出したばっかりに……」

~苗木の部屋~

苗木「くくく! 手袋さんのあの顔……! 絶望にまみれて、傑作だったよ」

苗木「これで男子の数は偶数……ははは! もう怖いものはないよ……!」

苗木「体育の時間、いつでもこいっ」


~霧切の部屋~

霧切「う……くっ……嫌、嫌……嫌ぁぁぁぁっぁぁぁ!!!!!」

ビリッ ビリビリィ

モノクマ「あー! ちょっと! シーツやぶかないでよ!」

霧切「うるさい! 出てって! 出てってぇ!」

モノクマ「なにヒスってんの?」

霧切「出てって!」

モノクマ「思春期かよ。もう、あまり暴れないでよねっ」

霧切「お外出たくない……お爺様……助けてぇ……」ガクガク

~数日後・娯楽室~

セレス「うっ……襲われてしまいましたわ……」

朝日奈「そ、そんな……! 大丈夫!? セレスちゃん!」

苗木「……」

苗木(女子はどうでもいいんだ……いや、ここでセレスさんが殺されてたら手袋さんが調子こくのか)

苗木(じゃあ助かってよかったかな)

苗木「無事でよかったね……」

不二咲「だ、誰に襲われたの……?」

セレス「こっそり写真をとっておきました……これです」

パッ

十神「山田が襲われているな……なんだこれは、ロボットか?」

苗木「山田あああああああああああああああああああああああ死ぬなあああああああああああ」

ダッ

朝日奈「ちょ! 苗木ぃ!」

~図書室~

山田「うう……」

苗木「山田クン……! 生きていたんだ……よかった」

山田「ううう……」

苗木「じゃあ、僕はこれで……」

山田「えっ」

タッタッタ

朝日奈「山田みつかったの? って、その血! やばいじゃん!」

山田「いえ、な、なんとか……」

十神「お前もロボットの着ぐるみを着たやつに襲われたのか」

山田「は、はい……」

セレス「とりあえず、山田君を保健室へ。わたくしたちは犯人を捜しましょう」

~数分後~

朝日奈「ロボット、どこにもいないねぇ」

大神「本当に、あのふざけた姿でいるのだろうか……」

不二咲「でも、セレスさんが写真にとってるんだよ……?」

十神「今頃、どこかで怯えているのだろう。無謀なやつだ」

セレス「あの、わたくし三階で人影を……」


山田『ぎゃああああああああああああああああああああ』


セレス「!? 今のは!」

腐川「や、山田の悲鳴じゃない……!?」

朝日奈「一階のほうから聞こえたよ!」

苗木「山田ああああああああああああああ死ぬなああああああああああああ」

ダッ

セレス「おいっ!」

セレス(はええよ! くそ! まだタイミングが!)

~保健室~

苗木「山田ぁ!!!!!」

バッ

山田「……」

苗木「や、山田……クン……! 山田クン……!」

タッタッタッタ

セレス「ぜぇ……ぜぇ……! な、なんということでしょう! 山田君が……!」

朝日奈「はぁ……! はぁ……! そ、そんな……!」

苗木「……」

セレス「…………」

セレス(アナウンスが入らない……! やっぱりタイミングが……!)

モノクマ『ピンポンパンポーン 死体が発見されました』

朝日奈「そ、そんな……! 山田が……!」

セレス「……ほっ」

苗木「嘘でしょ……ねえ! 山田クン!」ガシッ

山田「……」ピクッ

苗木「起きてよ! 起きてよ山田くん! 5人になっちゃうよ!? ねえ!? わかってるの!?」

ベシベシ

セレス「や、おま、なにやってんだよクソボケ! そんな乱暴に!」

苗木「心臓マッサージ! 人工呼吸! 朝日奈さん! AED持ってきて!」

朝日奈「えっ、な、苗木」

苗木「はやく!!!!」

セレス「……! お、おちつけよゴルァ!」

苗木「死なせない……! 死なせないよ! 山田クン! 死なせるかぁ!」

朝日奈「苗木……!」ホロリ

苗木「せい! せい! せい!」

ドガッ ドゴッ ズゴッ

山田「…………ぐほぃ! がっはぁ!」

苗木「生き返ったあああああああああああああああああああああああ」

山田「……あ、あの……い、生き返りました……な……ハハ」

朝日奈「よかったぁ! よかったぁ!」グスン

苗木「やった! 6人は保たれた!」

セレス「…………」

セレス(ここまでですわね。石丸君を殺したのは山田君ですし……無理に計画を進めるのはやめましょう)

セレス「よかったですわね」

山田「……! あ、あのぉ……!」

大神「みな、無事か……?」

朝日奈「あっ、さくらちゃん! うん、山田も無事だったよ!」

大神「……そうか…………」

朝日奈「え、どうしたの? なにかあったの?」

大神「三階で……石丸の死体が発見された……」

苗木「」

パタリ

~苗木の部屋~

苗木「……ハッ!」ガバッ

苗木「……ゆ、夢……?」

霧切「夢ではないわ……フフフ」

苗木「て、手袋さん……!」

霧切「石丸君の死体が発見されたようね……さっき教えてもらったわ……」

苗木「ぐ……」

霧切「フフフ……これであなたも私と同じ……フフフフフ……」

スクッ

霧切「フフフフフフフフ」

ヨタヨタ

ガチャ

霧切「フフフ……」

バタン

苗木「な、なんだよ! それだけ言いに来たのかよ!!! くそぉ!!!!」

~裁判場~

セレス「……ということですわ。石丸君を殺したのは山田君です」

モノクマ「自白しちゃったよ! セレスティアなんとかさん! KYだねぇ!」

セレス「不毛ですもの。無駄な議論を繰り広げるくらいなら、ご説明したほうが良いかと」

山田「裏切りものおおおおおおおおおおおおお」

セレス「ふふ。騙されたあなたが悪いのですわ」

苗木「やった!!!!」

葉隠「えっ、な、なんで喜んでるんだべ……?」

苗木「これで男子が4人になるからだよ!」

葉隠「???」

霧切「ぐ……! も、モノクマ! セレスさんもおしおきしたらどうかしら?」

セレス「はぁー!? なに言ってんだよクソが!!! クロは実行犯だけなんだよ! ターコ!」

霧切「だって、セレスさんがおしおきされれば女子が4人になるじゃないっ」

苗木「見苦しいよ……手袋さん……! ハッ!!!」

霧切「~~~~っ!」

~数日後・霧切の部屋~

霧切「…………グスン」

霧切(ひきこもり生活も飽きてきたわ……もう……)

霧切「はぁ……女子がもうひとり、死んでくれれば良いのだけど……」

モノクマ『ピンポンパンポーン 死体が発見されました』

霧切「!?」ガバッ

霧切「まさか……女子が死んだんじゃ……!?」

バタン

~娯楽室前・廊下~
 
霧切「なにがあったの?」

苗木「あ、手袋さん……最近、全然見なかったけど……ずっと引きこもってたの?」

霧切「質問に答えて」

苗木「い、色々あったんだよ……大神さんが裏切り者だって発覚したり……」

霧切「大神さんが裏切り者……?」

苗木「うん……それで……大神さんが、死んでしまったんだ」

霧切「……! …………! …………! っ!」

苗木「……」

霧切「…………えっぐ、ひっぐ」

苗木(うれし泣きしてるよ……だからあんまり言いたくなかったんだ)

霧切「フフフフフ、祈りは届くものね……フフッ」

苗木「喜んでいられるのも今のうちだよ、手袋さん」

苗木「もし……もし、クロが女子だったら……どうなると思う?」

霧切「……! そ、それは貴方にも言える事でしょう……?」

苗木「うっ……」

苗木(たしかに、もしここでクロが男子だったら……3人に……)

霧切「……」

苗木「……また、始まってしまうのか……偶数を追い求める争いが」

霧切「そうね。私とあなた、双方が満足する結論なんて、ありえないわ」

苗木「……自殺とかだったら、いいんだけどね。男子も女子も偶数で、全体の数も偶数だし」

霧切「…………まさか」

苗木「さすがに、都合が良すぎるよね……」

霧切「ええ。夢の見すぎよ」

苗木「ハハハハ……」

霧切「フフフフ……」

「「 …… 」」

~裁判場~

苗木「自殺だ!!!」

霧切「ええ、自殺よ!!!」

モノクマ「いきなりなんだよ! びっくりするなぁ!」

苗木「証拠はあるんだよ! 重さが合わない瓶とか! ガラスの上に置かれてたプロテインの容器とか!」

霧切「ええ、第一発見者である不二咲さん、セレスさん、朝日奈さんの言葉からも、葉隠君や腐川さんの犯行ではないと確信できる!」

朝日奈「ちょ、ちょっと待ってよ! そ、そんな!」

霧切「貴方は自殺と思いたくないでしょうけど、これは自殺なの。疑いようもないわ」

朝日奈「だけど、傷が……! 頭に!」

霧切「口元に吐血の痕跡があったと言わなかったかしら? 言ってない? とにかくあったのよ。死因は毒よ」

十神「ふん、その毒なら、化学室に……」

苗木「これでしょ? これ毒じゃないから! プロテインだから! ほら!」ゴクゴク

霧切「ええ! これはプロテインよ!」ゴクゴク

十神「お、おい!」

モノクマ「順序無茶苦茶だなぁ! もう!」

セレス「ということは、毒とプロテインを入れ替えたのが犯人という事ですわね?」

苗木「だから! 大神さんが自分で入れ替えたんだってば!」

霧切「さっきからそう言っているじゃない」

腐川「い、言ってないわよ……」

朝日奈「ち、違うよ! 自殺なんかじゃないよ! わ、私が入れ替えたんだ!」

苗木「嘘だね! 化学室の足跡は薬品棚に近づいてないよ!」

葉隠「あ、足跡ぉ?」

霧切「それに、毒のビンの中には娯楽室のガラスの欠片が入っていたわ。これよ」

苗木「ほら! ね!? 密室をつくったのは大神さんなんだよ!」

十神「お、おい! 順序良く説明しろ!」

苗木「誰かにぶん殴られた大神さんが化学室からもってきた毒薬飲んで死んだんだよ! それ以外ないじゃないか!」

霧切「そうよ。つまりクロは大神さん。モノクマ、投票を始めて」

モノクマ「まだ開始して三分もたってないのにぃ!」

モノクマ「は、はい……正解、クロは大神さんでした……って」

モノクマ「なんで朝日奈さん以外のみんな、大神さんに投票したの!? 今ので納得しちゃったの!?」

葉隠「いや、なんつーか勢いが凄くて」

十神「ふん、理解はできた。なんとなくな」

セレス「大神さんに毒を飲ませることができる人物がそうそういるとは思えませんし」

モノクマ「あっそ……今回の裁判は過去最高の盛り上がるをみせると思ったんだけどな……」ショボーン

苗木「勝った!!!!! やったよ手袋さん!!!! 僕たちの勝ちだ!!!!」

霧切「ひぃー! ほひーっ!」

バッターン

ガクン ガクガク

葉隠「また霧切っちがぶっ倒れたべ!!!」

セレス「喜びのあまり、過呼吸になっているようですわ」

十神「何に対して喜んでいるんだ……?」

こうして、男子4人、女子4人の合計8人という完璧な人数配分、
『本来、あるべき姿』と言っても過言ではない体系を取り戻した僕たちは、
希望ヶ峰学園での輝かしい学園生活をスタートさせるに至った。

苗木「おはよう! 手袋さん!」

霧切「おはよう、苗木君」

苗木「ははは」

霧切「フフフ」

葉隠「な、なんであいつら笑ってられるんだぁ……?」

十神「理解できん……!」

ふたり一組であぶれる恐怖の無い世界。今この学園は、希望に満ちあふれている―――

不二咲「そういえば……腐川さんは?」

セレス「風邪気味だとか。今日は自室で休むそうですわ」

霧切「ほひー! ぜぇ……! ぜぇ……! はひぃー!」

バターン

苗木「手袋さん!!!!!」

~完~

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月26日 (木) 03:38:35   ID: gJIOK8x3

こういう苗木と霧切はマジ素晴らしいwww

2 :  SS好きの774さん   2013年10月05日 (土) 02:18:24   ID: Gj-ACuJo

苗木と霧切が組めばいいのに

3 :  SS好きの774さん   2015年01月14日 (水) 21:09:00   ID: 94vugXT0

面白かった♪

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom