シンジ「アスカが太った…」(803)

アスカ「シンジぃ~おかわり~」(の太い声)


シンジ「…アスカ、もう五杯目だよ」

アスカ「なによぉ~、まだ満腹にならないんだからぁ」


シンジ「腹八分目っていうじゃないか…それに使徒が現れてもすぐ動けるようにしないと……」


アスカ「な~に言ってんのよぉ。使徒なんか私より強いシンジ様がちゃちゃっと片付けてくれるじゃなぁい」

シンジ「…」


アスカ「まあ、こんな身体じゃプラグスーツも着れないけどねえ~。ふおっほっほっほwww」

学校


トウジ「センセ、アスカの風邪はまだ治らんのか?」

シンジ「え?あ、う、うん…」

ヒカリ「携帯に電話かけても出ないんだけど、そんなに酷いの?」


シンジ「う…うん……まあね…」


トウジ「まあね…って冷たいやっちゃな。ルームメイトやろが」


シンジ「あ、う、うん…」

シンジ「ただいま…」

アスカ「おかえりぃ~」バリボリ


シンジ「……またお菓子食べて…」


アスカ「前菜みたいなものよ~。早くご飯作ってよねえ~」

シンジ「…はあ。みんな、心配してるよ。早く戻って来ないかって」


アスカ「あぁんた馬鹿ぁ?こんな姿で皆の前に出れる訳ないじゃなぁい」


シンジ「…だったら痩せればいいじゃないか」ボソッ


アスカ「え?なに??」


シンジ「……なんでもないよ」

アスカ「おかわりぃ~」

シンジ「……アスカ、8杯目だよ。さすがに食べ過ぎだよ」


アスカ「ええ~?もうちょっとで満腹なのにい~」


シンジ「ミサトさんの分のご飯も残しておかないと」


アスカ「はあ~………仕方ないかあ~。腹八分目っていうしねえ~…」


シンジ「…ふう」


アスカ「ねえ、シンジ、シンジぃ」


シンジ「ん?」


アスカ「腹、八段目!」ブヨヨン


シンジ「………」


アスカ「ふあっはっはっはwwww笑いなさいよおwwwwww」

ミサト「ただいま~」

シンジ「…おかえりなさい」


ミサト「……シンちゃん、疲れてるわね」

シンジ「いえ……」

ミサト「アスカは?」

シンジ「ベランダで寝てます。暑くて寝れないって」


ミサト「確かに、この部屋暑いもんねぇ」

シンジ「…アスカがあんなになる前は涼しかったんですけど……」


ミサト「…」

シンジ「…」

ミサト「――実はね、今日司令からこんな事を言われたの」


シンジ「父さんから?」


ミサト「…アスカを国に還すって」

シンジ「え!?」


ミサト「アスカはエヴァに乗って使徒と戦う為に日本へ来たの。それを放棄してるんだから、当然の判断だと思うわ」


シンジ「で、でも……痩せればまたエヴァに…」


ミサト「本人が痩せる気がないんですもの…どうしようも無いわ」

シンジ「そんな…」

ミサト「あれだけ肥えちゃったら、簡単には戻れないわよ。見たらわかるでしょ?」


シンジ「……」

シンジ「ちょっと…電話します」ガタッ


ミサト「え?」


シンジ「…」ピッピッピ…

ミサト「ちょっとシンちゃん!まさか司令に?」


シンジ「ええ。……もしもし、父さん?」

シンジ「え?リツコさん?え、あ、はい……」

ミサト(…最悪のタイミングで……)


ゲンドウ『なんだ、いい所で…』

シンジ「ミサトさんから聞きました。アスカを国に還すって」

ゲンドウ『それがなんだ』

シンジ「アスカは僕がなんとかします。だから、少し猶予をください」


ゲンドウ『お前がなんとかするだと?』

シンジ「はい、必ずエヴァに乗れるようにしてみせます」


ゲンドウ『…』


シンジ「お願い、父さん…」


ゲンドウ『…………………………いいだろう』

シンジ「!」


ゲンドウ『次の使徒が出現するまでに、セカンドをエヴァに乗せられたら、彼女を再びネルフに置こう』


シンジ「え、使徒?…何ヶ月とかじゃなくて?」

ゲンドウ『せいぜい頑張ってみせろ』プツ

シンジ「…」


ミサト「どうだったの?」

シンジ「次の使徒が現れるまでに痩せろって……」


ミサト「…厳しいわね」


シンジ「僕一人の力じゃ無理です…こうなったら、綾波に力を借ります」


ミサト「レイに?」

翌朝


アスカ「プヒー… プヒー…」


ガラガラッ

シンジ「アスカ!朝だよ、起きて!」


アスカ「…ん………ふわああぁぁ~~…」


アスカ「ブフー…シンジぃ」

シンジ「すぐに着替えて、行くよ」

アスカ「…?なによぉ、行くって何処にぃ?学校には行かないわよお」


シンジ「学校じゃないよ。とにかく時間がないんだ、早く!」


アスカ「もお~~なんなのよおぉ~~~」

アスカ「ふう、ふう」

シンジ「ほら早く!」

アスカ「待ちなさいよお……階段降りるなんて久しぶりなんだからあ…」


ミサト「来たわね。さ、車に乗って」


アスカ「…ミサトぉ?」


シンジ「ミサトさんに送ってもらうんだよ。さあ早く早く」


アスカ「ちょっと待ちなさいよお……一体何処に連れてく気よお?」


シンジ「それは車の中で話すから、早く」


アスカ「んもおおぉぉ~~~~」

ブロロロ…

アスカ「で、何処に連れてくのよぉ?」

ミサト「レイの家よ」


アスカ「……へ?」
シンジ「説明するよ」

(……………)


シンジ「……という事なんだ。だから…」


アスカ「…ふおっほっほっほwwwwwwwww」

ミサト「!?」

シンジ「ア、アスカ?」


アスカ「ぶふぅ、いい話じゃないのぉ。組織に利益をもたらさない人間は切り捨てる…当然の判断じゃなあい」

シンジ「アスカ…」

アスカ「エヴァに乗れない私はただのゴミなんだからぁ。捨てられるのは当然の事よお」

ミサト(太ってから妙に自虐的になったわね…)

アスカ「第一、どうやってこの身体を元に戻せるっていうのよお?不可能よ不可能ぉ!!」


シンジ「確かに…普通のやり方じゃ無理だと思うよ。……でも、綾波の力を借りれば不可能ではないんだ」


アスカ「…大した信頼ねえ。環境が変わっても、私は食うわよお」


シンジ「……アスカ」


アスカ「?」


シンジ「僕は、前のアスカじゃなきゃ駄目なんだ。今のおおらかになったアスカも良いっちゃいいけど、やっぱり前のアスカの方がアスカらしいと思うんだ」


アスカ「…」


シンジ「我儘で…勝気で……綺麗な痩せてるアスカが…」


アスカ「シンジぃ///」

シンジ「僕達は仲間だ。あの停電の時だって力を合わせて使徒を倒したじゃないか」


アスカ「…………ゲプ」


シンジ「困った時に助け合うのが仲間だ。僕達の力で、必ずアスカを元に戻してみせる!」


アスカ(誰のせいでこうなったと思ってるのよ…でも……)


アスカ「ぶう、わかったわ」


シンジ「!アスカ……」


アスカ「あんたのいう仲間の絆がどんなものか…見せてもらおうじゃなあい」

――そして



ブロロロ… キキッ


ミサト「さ、ついたわよー」


アスカ「…汚いマンションねえ」

シンジ「アスカ、降りて」

アスカ「ぶう、押さないでよお」むぎゅう


ミサト「……じゃあ、私は仕事に戻るけど」

シンジ「はい、ありがとうございました」


ミサト「アスカ、頑張ってね」


アスカ「まあ、仕方ないからやってみるわぁ」

シンジ「よし、じゃあ綾波の部屋に行こうか」

アスカ「ぶう」

アスカ「ふう、ふう」ポタポタ


シンジ「…ちょっと歩いただけで汗かきすぎだよ」


アスカ「…暑いのよ、この建物……」


シンジ「ここが、綾波の部屋だよ」

コンコン


シンジ「綾波、僕だけど」

アスカ「はあ、ふう」


ガチャ


レイ「…」

シンジ「やあ」

アスカ「久しぶりねえ、ファーストぉ」

レイ「……………………………………………誰?」
シンジ「アスカだよ」

レイ「…」ジー


アスカ「な、なによお。ちょっと変わったけど私よお」


レイ「…待っていたわ。さ、入って」


シンジ「お邪魔します」

アスカ「お邪魔ぁ……うぎゅう」



シンジ「え?」

レイ「?」


アスカ「は、挟まったわあ…助けて」

シンジ「綾波、手伝って」

レイ「ええ」


ぎゅ

アスカ「痛!ちょ、優しく引っ張ってよお?」


シンジ「はいはい、行くよ綾波」

レイ「ええ」


むぎゅううううぅぅ

アスカ「ぶぎゃあああ!!痛い痛い!!!死ぬぅ!死ぬう!!」


ぎゅぽんっ
アスカ「はうっ」グラッ

シンジ「わ」
レイ「!」


ずしーーーーん

シンジ「し、死ぬ…」

レイ「ど…いて…」

アスカ「ぶう、失礼…」

ゴロリ


シンジ「はあ、はあ…アスカ、汗かきすぎ……」


レイ「口に入ったわ」


アスカ「はあ、はあ、仕方ないじゃなあい……」


シンジ「……さて、と」ムクリ

レイ「…」ムクリ


アスカ「ふひー、暑いわねえ」パタパタ

シンジ「アスカには、ここで暫く暮らしてもらうよ」

アスカ「ええ?ファーストの部屋でえ?」

シンジ「うん、ここで生活してれば痩せると思うんだ」

アスカ「そう簡単に行くかしらねえ……」

レイ「部屋の物は好きに使って構わないわ。食べ物は冷蔵庫に入ってるわ」


アスカ「ええ、わかったわあ。遠慮なくいただくわあ」


シンジ「じゃあ僕達学校に行くから」

レイ「…頑張って」

アスカ「あ、待ってえ。ファーストぉ」

レイ「なに」

アスカ「この部屋暑すぎるのよお。クーラー動かしてよお」

レイ「この部屋に冷房はないわ」

アスカ「え」


シンジ「…多少の荒療治になるけど、アスカの為だから……頑張って」


アスカ「ちょ、待ちなさいよお」ムクリ


レイ「それじゃあ」

アスカ「待っ―――うぎゅう」

アスカ「そ、そんなの聞いてないわよお!うぎゅぎゅ」


シンジ「だって言ったら100%断るじゃないか」

アスカ「当たり前よお!!」

レイ「大丈夫、死にはしないから」


シンジ「自力で部屋を出れるようになればOKなんだ。頑張って!」

レイ「学校が終わったら戻るわ。それじゃ」

バタン


アスカ「あ」


アスカ「……んもうおおおおおおお…」

アスカ「はあはあ、暑いわぁ…」ポタポタ


アスカ「あいつら…痩せたら覚えておきなさいよお……ふひぃ」ポタポタポタポタ


もわあー…


アスカ「…暑い……何か食べ物…」


ガチャ

アスカ「……な、なによお…これ……?」


アスカ「サプリ…メントぉ……?食べ物って……まさか……」


アスカ「んもおおおおううう」

夕方


レイ「…」


ガチャ
レイ「ただい…


もわあっ

レイ「…ぅっ」



アスカ「…ファーストお~。あんた私を殺す気ぃ~?」


チャプッ
レイ「…?なに、この床の水は……」


アスカ「私の汗よお」ポタポタ


レイ「………」

レイ「…室内なのに、陽炎が……」


アスカ「なんかわかんないけどお、さっきからずっと出てるのよお」


レイ「…デブ熱のせいね」


アスカ「デ、デブ熱う!?あ、あんたちょっと失礼じゃないのお?」


レイ「他人の部屋で下着姿になってる人に言われたくないわ」


アスカ「! だ、だって暑いし…しょうがないじゃなあい」

レイ「……」


アスカ「な、なによお」

レイ「…肉塊ね」


アスカ「!!!」

アスカ「き、効いたわあ……今の言葉ぁ」

レイ「…見て思った事を言っただけよ」

アスカ「ストレートすぎるわよお!!もうちょいオブラートに包んでいいなさいよお!!」


レイ「オブラートって…なに?」


アスカ「…はあぁ、もういいわあ……。シンジでもそこまでは言わないわよぉ………」シクシク

レイ「…目から肉汁が溢れてるわ」


アスカ「涙よおぉ!!」

レイ「…とりあえずその汁を止めて。これ以上部屋を水浸しにしたくないから」

アスカ「涙だって言ってんでしょお……グス」


レイ「お弁当を買ってきたわ」ガササ


アスカ「ふおっ!待ってましたあ!サプリメントなんかじゃ腹の足しにもならなかったわあ」

レイ「…全部、食べたの?」


アスカ「もちろおん」

レイ「…」

アスカ「早くご飯ちょうだいよお。お腹ぺこぺこよお~」

レイ「はい、これ」ガサ


アスカ「……んん?なによお、これえ?」

レイ「レタスのサンドイッチ」


アスカ「見たらわかるわよお!そんなのお!!まさか、これが晩御飯なわけないわよねえ!?」

レイ「それが夕食よ。サプリメントはあなたが全部食べてしまったし」


アスカ「じょ、冗談じゃないわよお!こんなのでお腹が膨れるわけないじゃないのお!!」

レイ「お腹はもう膨れてるでしょう」


アスカ「こ、これは……ぐぬぬぅ」

アスカ「せめて、肉を食べさせてよお!肉を食べなきゃ落ち着かないのよお~!」

レイ「私、肉嫌いだから」


アスカ「はあぁ~?あぁんた馬鹿ぁ?あんな美味しい物が嫌いってどんな身体してんのよお!?」

レイ「嫌いなものは嫌いよ。あなたがエヴァに乗りたくないのと同じように」


アスカ「っ!ぬぐうぅ…」

レイ「肉が食べたかったら、早く痩せる事よ。碇君が言っていたわ。この部屋の環境と、私の食生活に合わせれば必ず痩せるって」


アスカ「むうう…シンジの奴……嵌めたわねえ」

もしゃもしゃ


アスカ「……ぶう。サンドイッチ二枚じゃ腹の足しにもならないわあ」


レイ「…」モシャモシャ


アスカ「ファーストぉ、一枚頂戴よお」

レイ「駄目。碇君から甘やかすなと言われてるから」


アスカ「ぬうう…………やっぱり足りないわよお!」


レイ「…」モシャモシャ


アスカ「ファーストお!なんかお菓子ないのお!?チートスのバーベキュー味とかあ!!」


レイ「そんなもの無いわ」

アスカ「このままじゃあ空腹で死んじゃうわよお!なにか食べる物…
レイ「じゃ、寝てたら?」


アスカ「! ……うぎゅう」

アスカ「あ~、お腹減ったあぁ~。死ぬうぅ~~」ゴロゴロ

バシャバシャ


レイ「やめて、汗が飛び散るから」


アスカ「ぶー……」

レイ「…」パラパラ


アスカ「なに読んでんのよお?」

レイ「…小説」

アスカ「小説ぅ~?地味ねえ~~。そういやあ初めて会った時もなんか読んでたわねえ」


レイ「…」パラパラ


アスカ「む、無視するんじゃないわよお」

レイ「聞いてはいるわ」

アスカ「そういえばあ、初めてあんたと会話した時の事、覚えてるう?」


レイ「ええ」パラパラ

アスカ「もしかしてえ、これも命令だからやってる感じい?」

レイ「…違うわ」

アスカ「え?」


レイ「碇君に頼まれたからよ」


アスカ「………。ふ、ふ~ん…やっぱり仲良いのねえ。そりゃあ私より付き合い長いんだから当然かあ…」


レイ「…」パタン

レイ「…別に、付き合いが長いからとか、そういう訳じゃないわ」

アスカ「へ?」

レイ「私達、仲間なんでしょ?碇君が言ってた。仲間が困っていたら助け合うものだって」


アスカ「…」

レイ「碇君が困っていたから、私は碇君を助ける。碇君があなたを助けたいと言っていたから、私もあなたを助ける。それだけよ」


アスカ「…………ファースト」


レイ「私達はあなたがパイロットに戻ってもらわないと困る。だからあなたも私達を助けてもらうわ……だから、本気で痩せて」

アスカ「……ぶ、ぶひぃん。よくもそんな恥ずかしい台詞を堂々とお……///」

レイ「…」パラパラ


アスカ「ま、まあ努力はするわあ。…そこまで言われちゃ仕方ないわよねえ……」

アスカ「ところでファーストぉ」


レイ「…なに?」

アスカ「あんたって家でも制服なのお?」

レイ「ええ」

アスカ「…思えば制服やプラグスーツ以外の服装してるあんたって見たことないわねえ」

レイ「別に見せるものでもないわ」


アスカ「…私服とか無いのぉ?」


レイ「…」


アスカ「え、本当に無いのぉ?」


レイ「…あるわ」

アスカ「へええ、是非見せてもらいたいわねえ」

レイ「…見せる?あなたに?」


アスカ「別に恥ずかしがる事ないじゃないのお。女の子同士なんだしぃ」

レイ「……」


アスカ「笑ったりなんかしないわよお。純粋に興味あるだけだからあ。私達仲間でしょうお?」


レイ「…。そうね、わかったわ」

アスカ「ぷっぷぷ。楽しみぃ~~」

アスカ(あんな人形みたいな感じのするファーストでも、やっぱりそこは女の子よねえ)


アスカ「ファーストぉ。まだ~~?」


レイ「今、行くわ」


ガラッ


レイ(黒髪)「…」

アスカ「……え?」

アスカ「え…それが私服なのお?」

レイ「ええ」

アスカ「…なんで、白衣なのお?研究員みたいじゃなあい」


レイ「さあ…。貰ったものだから」


アスカ「誰にぃ?」

レイ「碇司令に」


アスカ「!??」


レイ「ちなみに、司令はこの格好の私をユイって呼ぶわ」

アスカ「……なんでえ?」

レイ「…知らない」

アスカ「それ、カツラなのお?」


レイ「そう」

アスカ「まるで別人じゃなあい……目の色を見なきゃファーストだって気づかないわあ…」


レイ「司令と会う時はカラーコンタクトを入れて行かなきゃ駄目なの」


アスカ「………なんか、怪しいわねえ。それってなんかのプレイぃ?」

レイ「…プレイ?」

アスカ「…あんた、司令に何かされたりしてないのお?」


レイ「別に…。ただ、この格好で食事をするだけ」

アスカ「ふ~ん…」

レイ「あなた達と喋る時のような話し方をしてほしいとも頼まれたわ」


アスカ「ふ、ふーん……なんか変わってるわねえ。…他にどんな服があるのお?」


レイ「これと同じのが何着か」


アスカ「……」


レイ「…」


アスカ「……」

レイ「…」

コンコン

アスカ「ぶぅ?」


レイ「!」


シンジ『綾波、入るよ』


レイ「え…」


ガチャ

シンジ「アスカ元気で……うわっ!?」


アスカ「シンジぃ」

レイ「…碇君」


シンジ「え……と、こ、こんにちは……?」

レイ「…クス」


アスカ「ふわぁっはっは。やあねぇ、シンジぃ~ファーストよお」

シンジ「え、綾波?」

レイ「うん」


シンジ「び、びっくりした…なんでそんな格好で……」

アスカ「どっかの変態親父の趣味ですってえ」

シンジ「へ、変態親父?」


レイ「…」ヌギ

レイ「…二番目の子」

アスカ「ん?なぁによお?」


レイ「…その格好のままでいいの?」

シンジ「!」

アスカ「え……あ…あぁぁぁ///」

アスカ「こぉおの変態!!」ぶんぶんっ


シンジ「う、うわあっ!汗飛ばすなよ!」

アスカ「レディの部屋に入る時はちゃんとノックしなさいよお!!!」ぶおんぶおん


シンジ「いや、ノックしたじゃ…うああっ!め、目に……!」


アスカ「いいって言うまで部屋に入るなああぁぁ~~!!!この変態親子おお!」ぶるんぶるんぶるん


シンジ「へ、変態親子!?」

レイ「一旦外に出て。碇君まで汗まみれになるわ」

シンジ「わ、わかったよ」

シンジ「…僕はともかくなんで父さんまで変態呼ばわりされてるんだ?」

シンジ「………それにしてもあの綾波の格好…何処かで……」


『いいわよお。変態さん』


シンジ「あのの太い声で罵られるとイラッとするなあ…」


ガチャ


アスカ「ぶう…全くぅ。部屋に入ったらすぐに気づきなさいよねえ」

シンジ「…こっちの台詞だよ」


アスカ「あんですってえ?」


シンジ「なんでもないです」

レイ「碇君、何の用?」

アスカ「私の事が心配で様子を見に来たんでしょおう?」


シンジ「まあ、それもあるけど。これを届けに来たんだ」ゴトッ

アスカ「まあ!まさかお弁当とかあ!?」

シンジ「違うよ、体重計だよ」


アスカ「んが」

レイ「…残念ね」


シンジ「前、測った時は確か120キロだったよね」

レイ「…!」


アスカ「い、言うんじゃないわよお!!」

シンジ「いいじゃないか。ルームメイトなんだし」


レイ「短期間で随分肥えたのね」


アスカ「……」

シンジ「さ、アスカ。乗って」


アスカ「…うぅ」


シンジ「大丈夫だよアスカ。この地獄のような環境で一日過ごしたんだから、増えてはいないと思うよ」


レイ「……誉められてるの?」


アスカ「自分で考えてみなさいよお。……まあ、そう言われるとそうねえ。乗ってみようかしらあ」

シンジ「えーと、アスカの身長は…と」カチカチ

レイ「見物ね」

アスカ「ぷぅ…」ドキドキ

アスカ「い、行くわよお」

シンジ「うん」


アスカ「…」ドキドキギッ… ギギギギッ……


シンジ「…」

レイ「…」

アスカ「……ど、どう?」



シンジ「……やったね、アスカ」

レイ「…117キロよ」

アスカ「ぶ!?ほ、本当お!!?」


シンジ「ほら、見てみなよ」


アスカ「う、うぎゅう。お腹が突っかえて見えない…!」

レイ「まだまだ道のりは遠いわね」

シンジ「一日で3キロも落ちるなんて…」

レイ「驚きね」

アスカ「……」

シンジ「? アスカ、嬉しくないの?」

アスカ「確かに嬉しいけどお……辛さの割にはあまり減ってないと思ってえ」

シンジ「アスカ、ダイエットは楽じゃないんだよ」

アスカ「…ぶう」

レイ「この調子で行ければいいけれど」

シンジ「それはアスカ次第だね」


アスカ「…」

シンジ「さて、アスカ。夕食は食べた?」

アスカ「え?…まあ、サンドイッチ二枚だけだけどお」

シンジ「じゃあ食後の運動しようか」

アスカ「う、運動ぅ?」

シンジ「そ。この部屋の掃除だよ」

レイ「!」

アスカ「そ、掃除ぃ!?」

シンジ「そうだよ。ここは綾波の部屋なんだから。汗まみれにしとくわけにいかないだろう?」

アスカ「そ、それはそうだけどお…」

シンジ「僕も手伝うからさ、ね」


アスカ「…うぅ、わかったわあ」


レイ「…私も手伝うわ」

シンジ「え?綾波はいいよ」

アスカ「そうよお。汚したのは私なんだしい」

レイ「これだけの汗の量、二人で片付けるには時間がかかりすぎるわ」


シンジ「そう…。そう言ってくれると助かるよ」

アスカ「ちゃっちゃとやっちゃいましょうぉ」ポタポタ


レイ「もう汗が…」

ヌシー(^O^)
続き待ってるお(^O^)

一週間後

アスカの体重も105キロまで落ちたのであった…


アスカ「学校祭ぃ?」

シンジ「うん。再来月だって」

レイ「…」


アスカ「ふ、ふぅん…。……まあ、私には関係ないけどお」

シンジ「そんな事ないよ。この一週間で15キロも落ちたんだ。このまま行けば学校祭までには元に戻ってるさ」

アスカ「簡単にいうんじゃないわよお。部屋の暑さには大分慣れてきたけどぉ、それでもかなりキツイのよお」

レイ「…そういえば、最近はあまり汗を流さないわね」

シンジ「余分な水分は全て出切ってしまったんじゃないかな…」

レイ「ここからが大変なのね」


シンジ「うん…今まで通りの掃除運動だけじゃ簡単には減らないと思うよ」

アスカ「ぶう…ここからが本当の地獄かあ」

アスカ「…っていうかあ、私の目標はこの部屋を出れるまで痩せればいいだけでしょおう?学校に戻るのが目標みたいなのにすり替えられてると思うんだけどお」

シンジ「ギク でもアスカ、みんなに会いたくないの?委員長とかトウジも心配してるよ?」

アスカ「…」

レイ「私もよく、彼女からあなたの事を聞かれるわ」

アスカ「! ま、まさか今の状態の事喋ったんじゃないわよねえ!?」

シンジ「だ、大丈夫だよ。…でもアスカ、それだけ心配されてるんだよ」

アスカ「む、むう…」

プップー

アスカ「!」

シンジ「っと」


レイ「…誰?」


シンジ「ミサトさんだよ。アスカを迎えに来たんだ」

アスカ「迎えぇ?」

シンジ「うん。掃除よりも身体に負担をかけない運動が出来る所へ連れてってもらうんだ」

アスカ「…へえぇ、掃除よりも楽ってのはいいわねえ」

レイ「もしかして…プール?」

シンジ「うん、その通り」

アスカ「プールかあ~確かに膝に負担がかからないから楽ねえ~」


シンジ「プールだから涼しいし。汗まみれになる事もないしね」


アスカ「ちょうど泳ぎたい気分だったのよお~。ファースト、行くわよお」

レイ「…私も?」

シンジ「せっかくだし、皆で泳ごうよ」

レイ「…う、うん」

アスカ「ほらほらあ、早く行くわよお」

シンジ「わかったよ。綾波、アスカを押しだそう」
レイ「わかったわ」


むぎゅぎゅぎゅぎゅううぅぅ…


アスカ「うぎぎぎぎ…!」


シンジ「あ、あれ?変だな。前はすんなり行けたのに」

レイ「…汗が足りないのよきっと」


むぎゅぎゅううう


アスカ「うぎゅぎゅ…プールに入れるならこの程度の痛み…!」

シンジ・レイ「えいっ!」

すっぽ~~ん!!

アスカ「なんともないわああぁ~~!!??」

ゴロゴロゴロゴロ…

シンジ「あ、アスカ!」

レイ「……肉玉」




ゴロゴロゴロゴロ


アスカ「あああぁ~~!!」


「え?」

ゴロゴロゴロ
ベチャ
アスカ「ぶへっ」


「ちょ、アスカ……」


アスカ「ご、ごめんミサト…。ちょっと浮かれて……」


加持「はは、元気そうでなによりだ」


アスカ「」

シンジ「やれやれ…」

レイ「…?」


アスカ「」ズシンズシンズシンズシン

シンジ「あれ?」

レイ「戻ってきたわ」


アスカ「シぃ~ン~ジぃ~~!!!」バッ

シンジ「え」


ずしぃーんっ!!!


シンジ「ぐええっ…お、重い……!」

アスカ「あぁんたぁ!!私を騙したわねえ!?」


レイ「…騙した?」

アスカ「なんでミサトじゃなくて加持さんが来てるのよおぉ!?」

シンジ「か、加持さん!?ぐ、苦し…」

アスカ「ふざけんじゃないわよおバカシンジぃぃ!」ボヨンボヨン

シンジ「あ、圧死する……!!」


レイ「二番目の子、そのままじゃ碇君が…」

アスカ「うるさああぁい!!」ボヨヨンボヨヨン

シンジ「」

加持「こらこらアスカ、本当に死んじゃうぞ」

アスカ「!!!い、いやあぁ~!!こっち見ないでえ~~!!」ダダダッ

レイ「落ち着いて…」

アスカ「プールなんていかなあい!部屋でじっとしてるう!!」
ガチャ

加持「お、おいおい。アスカ…」


アスカ「んんんんん…!!」むぎゅぎゅぎゅぎゅ…


レイ「碇君、生きてる?」


シンジ「」

アスカ「うぎゅぎゅぎゅぎゅ…!!」むぎゅむぎゅ


加持「おーい、アスカー」

アスカ「んんん…!」

ぎゅっ


アスカ「!? は、はまっちゃったあ!!!」


加持「………やれやれ、一人で何してるんだ」


シンジ「う、うーん…」

レイ「…良かった。生きてた」


アスカ「いやああぁぁ!こんなに肥えた私を見ないでえぇ!!」

加持「はあ、まあ元気でやってるようで良かったよ」

シンジ「いてて…肋骨が……」


加持「悪いな、シンジ君。連絡いれとけばよかったよ」

シンジ「…加持さん?なんで加持さんが……」

加持「葛城は急な仕事が入ってね。代わりに俺が来たのさ」

アスカ「もおおおう!!こんな姿見ないでえええ!」バタバタ


レイ「こちらからはお尻しか見えてないから大丈夫よ」


アスカ「大丈夫じゃないわよおお!」

加持「とりあえずアスカを助けよう。手伝ってくれ」


シンジ「は、はい」

レイ「はい」


ぎゅ

アスカ「!? や、やめてよおお!!押してよおお!!」


加持「いい加減落ち着けっての。よーし、いち、にの…」

シンジ「さん!!」

グイッ

アスカ「ぎゃっ!」ぐらっ

加持「!」


ずしーんっ


シンジ「わあ!今度は加持さんが!!」

レイ「…騒がしいわね」

加持「ダイエットも上手く行ってるようだしな。葛城から聞いたよ」

アスカ「ま、まあ…まだ15キロ程度だけどお……」

加持「大したもんじゃないか!さすがアスカだな。普通の子なら3日も続かないさ」

アスカ「そ…おう?」

シンジ「うんうん、それに一週間で15キロ痩せるなんて普通じゃあり得ないと思うよ」

レイ「あなただから出来た事よ」


アスカ「な、なによお…あんた達までえ///」

加持「俺も暇があったらダイエットに付き合ってあげるよ。皆で一緒に頑張っていこうじゃないか」

アスカ「ぶ、ぶう…加持さんがそこまで言うなら…頑張るわあ」

加持「よし!じゃあ早速出発するか」

シンジ「そうですね。アスカ、綾波、行こう」

レイ「ええ」

アスカ「ぶひ」

加持「アスカ用の水着は葛城が車に入れておいてくれたから、それを使ってくれ」

アスカ「へええ、ミサトも気がきくわねえ。どれどれ…」ゴソゴソ



レイ「………大きいのね。……熊用?」
アスカ「私が着るのよお!!」



加持「こらこら、車の中で騒ぐな騒ぐな」


ブロロロ……

男子更衣室


加持「…悪かったな、シンジ君」

シンジ「はい?」


加持「アスカの事で迷惑かけちゃって。本来は保護者である俺がなんとかすべきなんだが」

シンジ「いえ、大丈夫ですよ。それに……アスカがああなったのは半分、僕のせいですから」


加持「……アスカはエヴァに乗って戦う事が自分の存在意義だと思い込んでるからな…」


シンジ「僕は別に、アスカを追い抜こうなんて思ってはいなかったんですけど…」

加持「いやあ、わかってるさ。アスカは焦りのあまりに自分を見失い、ああなってしまったんだ。君に非はない」


シンジ「……」

加持「まあ、太っただけで済んで良かったよ。俺はてっきり険悪なムードになってると思っていたからな」

シンジ「最初の数日は確かに険悪な感じでした……。なので、アスカの好きな食事を毎日出してやっと口をきいてくれるようになったんですよ」


加持「…なんだ、太った原因はやっぱ君にあるのか」


シンジ「僕の取り柄といえば料理ぐらいなんで…」

加持「ははは、まあいいさ。険悪な関係がずっと続くよりはな」


シンジ「…そうですよね。はははははっ……」

女子更衣室


レイ「…」ヌギヌギ

アスカ「ぶひぃ、足が上がらない…」

レイ「…手伝う?」

アスカ「ええ、お願あい」


レイ「そのまま動かないで」ゴソゴソ…


アスカ「了解ぃ」


レイ「…」ゴソゴソ

アスカ「……………」ジーッ


レイ「……なに?」

アスカ「…あんたってさあ、いい身体してるわよねえ」

レイ「…え?」

アスカ「あんたって野菜系ばっかりしか食べてないわよねえ」

レイ「ええ」


アスカ「それに大した運動もしてないのにぃ……なんでそんなにスタイルいいのお?」


レイ「…何故って言われても。これが私だから」

アスカ「なんていうかあ、とても14歳の日本人には見えないわねえ」

レイ「…あなたも14歳には見えない身体をしているけど」


アスカ「う、うるさいわよお。このお」ツン

レイ「っ!」ビクッ


アスカ「んん?」

アスカ「あらあ?新鮮な反応ねえwww」

レイ「…驚いただけ」

アスカ「へえ~ぇ。ほれ」ツツン


レイ「ぅっ」ピクッ


アスカ「ほれほれぇ」ツンツン

レイ「っ!や…めて」


アスカ「うおっほっほwww面白おいwwwwどれどれ」ムニュムニュ

レイ「はぁっ…やめ…て……」ピクッ


アスカ「ほれほれぇww」


レイ「っ…い………碇君はすぐに止めてくれたわ…」


アスカ「え?」

プールサイド


シンジ「…二人とも遅いですね」


加持「着替えに時間がかかってるんだろう」

シンジ「ですかね………ん?」


アスカ「」ズシンズシンズシンズシン


シンジ「うわ!?ま、またこっちに走ってきた?」

加持「なんだ、何かやったのか?」

シンジ「いやなにも……」


アスカ「シンジいぃぃぃ~~!!!」ズシンズシンズシンズシンズシンズシン


シンジ「う、うわあああぁぁ!!?」

アスカ「こぉの変態いぃ~~~!!!」

シンジ「へ、変態!?ってアスカ、走ったら転ぶ…」


アスカ「うるさ
ツルッ


加持「!」

シンジ「!」


アスカ「ああああぁぁ~~~??!」ツルツルツルー


シンジ「わわ、こっちに来る」


加持「シンジ君、止めるんだ!」


シンジ「はい……って、なんで一人で離れてるんですか!?」

アスカ「きゃあああぁぁ~~~!!」

シンジ「!」

ズーンッ

シンジ「わあぁ~!」

ヒュー… ザパーン


アスカ「止まらないぃ~~!!」


ザパーン


加持「…やれやれ」

レイ「…」ペタペタ


加持「おーい、二人共大丈夫か?」


シンジ「ぷあっ」ザバッ

シンジ「げほっげほっ…!もう、一体何……」


ゴボゴボゴボ…

ザバーンッ
アスカ「シンジいぃぃぃ」

シンジ「うわああ!ご、ごめんなさい!!?」

アスカ「こぉのむっつりぃぃ!」

シンジ「わああ!お、溺れ…」ガボガボ

アスカ「頭冷やして反省しなさああぁい!!」

ザフン ザフンザフン


加持「一体なんなんだ?」

レイ「私が余計な事を言ったからかもしれません」

加持「余計な事?」

レイ「…ええ。碇君に胸を触られたという事を」

加持「む、胸!?」


アスカ「このアホシンジぃぃ!!!」


シンジ「うがごぼぼ…」

加持「顔に似合わず、大胆な事をするんだな。彼は……ちょっと見直したよ」

レイ「あのままじゃ碇君が……」



シンジ「あがぼぼぼぼぼ」ゴボゴボ



加持「なあに、じゃれ合ってるだけさ。アスカもあれぐらい動けばいい運動になるだろ」

レイ「……そうですね」


加持「……ああやって見ると、まるで姉弟だな。…アスカはいい仲間に巡り会えたようだな」


レイ「…きょう……だい………」

レイ「…」


加持「ん?どうした?」

レイ「…いえ、なんでも」



シンジ「あ、綾波助けがぼぼぼぼ」

アスカ「まだまだ足りないわよおおぉ!!」


加持「シンジ君も限界か。助けに行った方が良さそうだな」

レイ「はい…。行ってきます」ペタペタペタペタ


シンジ「あ、綾波もっと早がぼぶぼべ」


加持「…俺もいい息抜きになったかな」

悪いカレー作ってるからちょっと待ってて

シンジ「はあ、はあ…」

レイ「大丈夫?」


シンジ「一日に二回も死にかけるなんて初めてだよ」

レイ「でしょうね」



加持「よしよしアスカ、そのままバタ足続けて」

アスカ「う、うん///」ザバババ…



シンジ「加持さんがいてくれて良かったよ。アスカの機嫌も良いし」

レイ「そうね。………」

シンジ「……ん?どうかした?」

レイ「あの人、あなたと二番目の子が姉弟みたいだって言っていたわ」

シンジ「加持さんが?……僕とアスカが姉弟?………見えるかな?」

レイ「さあ。私にはそういうのいないから、わからないわ」

シンジ「綾波は一人っ子なんだ」

レイ「……そうかもしれないしそうじゃないかもしれない」

シンジ「??なに、それ」

レイ「別に」

アスカ「んん?……ちょっとあんた達ぃ、なに二人でイチャイチャしてんのよお」


シンジ「な、別にそんなんじゃ…」


レイ「……そういう風に見えたのかしら」

シンジ「え…?……ど、どうだろう」


レイ「それは姉弟よりも親しく見えるって事?」


シンジ「えぇ?あ、いや…まあ、そう見えるんならそうかも知れないけど」


レイ「///」

シンジ「?」

シンジ「とりあえず、僕達も泳ごうよ」

レイ「…ええ」


アスカ「…」ジーッ


加持「……どうしたんだ、アスカ。あの二人の関係が気になるのか?」


アスカ「ぶっ!ち、違うわよお、そんなのお!!私は加持さん一筋なんだからあ!!」

加持「ほー、そいつは光栄だ。…………にしても、あの二人の距離近くないか?」

アスカ「」ピクッ


アスカ「さ、さあ…私には関係ないしぃ」

加持「…ニヤッ」


アスカ「な、なによお。その目ぇ…」

アスカ「ちょっとあんた達ぃ。離れなさいよお」

シンジ「え?なんで?」

レイ「…」

アスカ「な、なんでって、あんたが変態だからよお!!水着姿のファーストに何するかわかったもんじゃないわあ!」


シンジ「だからあの時の事は事故だって説明したじゃないか」


アスカ「言い訳なんか聞かないわあ。あんたは私の近くにいなさい。いいわねえ?」

シンジ「え…なんで……」

アスカ「いいから早くう」グイッ


シンジ「ちょ、引っ張るなって…!」


レイ「…」

加持「……はは、素直じゃないな。アスカも」

レイ「…モヤモヤする」ボソッ

数日後


アスカ「…」ドキドキ


ギッ… ギギギギッ……

レイ「…」


アスカ「…ど、どおう?」

レイ「…90キロ」


アスカ「や、やったあぁぁ!」ギュッ

レイ「!…く、苦しいわ」


アスカ「あははぁ、ごめんごめん。でも嬉しくってえ」


レイ「…良かったわね」

アスカ「なによお、あんたももっと喜びなさいよねえ」

レイ「…ちょっと、着替えるわ」

アスカ「え?どっか行くのお?」


レイ「今日は司令とお食事をする日なの」


アスカ「…ああ、またあの格好をするのお」


レイ「ええ。だから、着替えるわ」

スタスタスタ…


アスカ「…ほんっと……親子揃って変態なんだからあ」

プップー


アスカ「!」


レイ(黒髪)「…じゃあ、行ってくるわ」

アスカ「ええ。私の分まで食べてきなさいよお」


レイ「………ええ」

ガチャ バタン


アスカ「…はあーあ、一人だと暇で仕方ないわねえ。……掃除でもするかあ」

高級レストラン


ゲンドウ「さて、食事を始めようか。ユイ」

レイ「はい」


ゲンドウ「…」

レイ「…。ええ、そうしましょう」

ゲンドウ「…」ニヤリ


ゲンドウ「…さて、今日は何にする?」

レイ「肉を」


ゲンドウ「…なに?」

ゲンドウ「…今のは私の聞き間違えか?」

レイ「いいえ、聞いた通りよ。…肉」


ゲンドウ「…」


レイ「…」


ゲンドウ「レイ、お前は肉が苦手ではなかったのか?」」


レイ「…私はユイ。レイではないわ」


ゲンドウ「…」

レイ「…」

ゲンドウ「…何故、肉を」


レイ「食べたいからよ」

ゲンドウ「……」

レイ「…」


ゲンドウ「まあ、いいだろう。それで、何を食べたいんだ」

レイ「肉を」


ゲンドウ「…だからなんの肉が食べたいのかを聞いている」

夕方


アスカ「んごごごご…」


ガチャ


レイ「………」


アスカ「ごごごご……プピー」


レイ「……ふう」


アスカ「んご…?……ふわあああ……おかえりい」

レイ「……ただいま」


アスカ「ん…?あんたあ、なんか顔色悪くなあい?」

レイ「…別に」

アスカ「…ん?」クンクン

レイ「?」


アスカ「この匂いは……肉!?」


レイ「!」

アスカ「ファーストぉ、あんたまさか肉を食べてきたのお?」

レイ「…いいえ。私が肉嫌いなのは知っているでしょう」

アスカ「じゃあなんでこんなにあんたから匂うのかしらあ……上質なサーロインの匂いがぁ…」クンクン

アスカ「」クンクンクンクン

レイ「…」

アスカ「……怪しいわねえ」


レイ「………。司令に、無理矢理食べさせられたのよ」

アスカ「え?」

レイ「私は断ったけど、ユイなら食べると言われて…」


アスカ「……なあんだ、そういう事なのお。だから顔色が悪いのねえ」


レイ「ええ…。そう」

レイ「…ねえ」

アスカ「んん?」

レイ「…お肉ってどうやったら美味しく食べられるのかしら」

アスカ「え?どうしたのよお、急にぃ」

レイ「…。これからまた無理矢理食べさせられるかもわからないわ。だから、なるべく楽に食べられる方法を知りたいの」

アスカ「ああ…なるほどお。……そおねえ…」

レイ「…」

アスカ「あんたあ、野菜食べる時、たまにマヨネーズ使うわよねえ」

レイ「ええ」


アスカ「仮にまたステーキなんか出されたら、マヨネーズかけて食べればいいのよお」

レイ「マヨネーズを…」


アスカ「そおう。マヨネーズとステーキは結構合うのよお。それにマヨネーズの酸味は食欲を増進させるしい、マヨネーズの油によって喉の通りもよくなるわあ」

レイ「…なるほど」

アスカ「それにしてもお、肉嫌いのあんたがそんな事聞いてくるなんてねえ。雨でも降るんじゃないのお?」

レイ「…」


ウウウウウウゥゥーーーー


アスカ・レイ「!?」

アスカ「え?なあに??」

レイ「…まさか、使徒?」

プルルルル


レイ「! はい、もしもし」


レイ「葛城三佐……はい、わかりました」プツ

アスカ「使徒なのお?」


レイ「ええ。碇君は既に出撃したみたい」

アスカ「……そうかあ。…まあ、そうよねえ……使徒もそんなにのんびりしてくれるわけがないわよねえ…」

レイ「何を言ってるの?あなたも行くのよ」


アスカ「ええ?わ、私もお!?で、でもお…」

レイ「葛城三佐があなたも連れてくって行ってたわ。迎えが来る前に準備して」

アスカ「えええ~?」

第三新東京都市


シンジ「いつかは来るかとは思ってたけど…思ってたより早い……」

ミサト『シンジ君、アスカとレイもこっちに向かってるわ。それまで頑張って!』


シンジ「…はい、わかりました」


マヤ『目標を確認、来ます!』


シンジ「!」



ゼルエル「…」

シンジ「…攻撃開始します!」

ネルフ本部


ミサト「! 来たわね、二人共!」

レイ「エヴァの準備は?」」

ミサト「出来てるわ。急いで出撃して」

レイ「はい」タッタッタ…

アスカ「ミサトぉ。…私も乗るのお?」

ミサト「当然よ」

アスカ「でも…私ぃ……」


ミサト「レイの話だと30キロも減量に成功したみたいじゃない。30キロ減ってればなんとか乗る事も出来るでしょう」

バババババババ…

シンジ「くっ…ATフィールドは中和してるのに…!」


ゼルエル「…」

ゼルエル「…」キュピーン

シンジ「!」


チュドオオオンッ


シンジ「うわあああ!」


マヤ「初号機直撃!損傷率60%!」

ミサト「レイはまだ出ないの!?」

青木「そ、それが…零号機と上手くシンクロが出来ていないんです!」

ミサト「なんですって?」


日向「パイロットの集中力が大きく乱れています!このまま出撃させても動きませんよ!!」

ミサト「ど、どうしたのレイ!?」


レイ(……胸焼けが………ぅ…)

リツコ「…なんとか、着れたわね」


アスカ「は…恥ずかしい……///こんなお腹…」

リツコ「自業自得よ。それより急がないと、シンジ君が押されてるみたいだから」

アスカ「え、シンジがあ…?」


リツコ「ええ、あの使徒は今までの使徒と格が違うみたいね」


アスカ「シンジが敵わないのに……私なんかあ……」

リツコ「いい加減にしなさいアスカ。動けるのはあなたしかいないのよ。レイも何故かエヴァを起動出来ないみたいだし」

アスカ「え…ファーストもお!?……嘘でしょお………」

エントリープラグ前

リツコ「さあ、入って」


アスカ「入ってって……今の身体じゃ…」

リツコ「大丈夫よ」パチン


ゾロゾロ…

ネルフ職員「…」


アスカ「な、なにこの人達ぃ…」


リツコ「押し込んで」

ネルフ職員「はいっ」


アスカ「え、ちょ…

ゼルエル「…」

シュバババババッ

シンジ「っ!」


ズドドッ
シンジ「うああぁっ!」

マヤ「初号機の両腕が切断されました!!」


冬月「まずいぞ、碇…!」

ゲンドウ「…」

アスカ「あだだだだだだだだ!!!」

むぎゅぎゅぎゅ

ネルフ職員「オーエス!オーエス!」


ビッ… ビリビリ…


アスカ「ちょ!プラグスーツが破れ…」

ネルフ職員「オーエス!オーエス!オーエス!」

むぎゅぎゅ……

ポンッ

リツコ「よし、入ったわ!弐号機、出撃!!」

お前ら俺の逃げ道塞ぐなよ
終わらせられないだろ

わかったよ




時間くれ

マジかよ後2日かよ
アスカより俺が追い込まれてんじゃん
まあちょっと待っててくれ

シンジ「くっ…!動けば……!動いてよお!!」グッグッ


マヤ「初号機、行動不能!…

ミサト「まずい…!」

青木「! 目標に動きが!」


ゼルエル「…」ググググ…  バカッ


シンジ「え…」


バクンッ

ミサト「!?」


ゼルエル「…」モシャモシャ

マヤ「しょ、初号機捕食されました!」

ゲンドウ「…」

冬月「……」

日向「弐号機、地表に出ます!」


ガキーンッ


アスカ「うおっとぉ…。あれが使徒ねえ」

ゼルエル「…」モニュモニュ…


アスカ「…あれえ?初号機はぁ?」


ゼルエル「」ゴクン


ググググ…

青葉「も、目標が変形していきます!」

ゼル号機「…」


アスカ「な、なあにあれ!?」


ミサト「アスカ、シンジ君はあの使徒に取り込まれてしまったわ!」


アスカ「な、なんですってえ!!?」


ゼル号機「うおォン」

アスカ「くぅ……!シンジは生きてるのお?」

ゼル号機「…」

アスカ「あんたあ!シンジに何してんのよおおお!」

ゼル号機「…」キュピーン

アスカ「!」


チュドオオオンッ


ミサト「アスカ!!」


アスカ「ぬ……なんのこれしきぃ!!!」

アスカ「シンジを返しなさああああい!!!!」

ズシンズシンズシンズシン


ミサト「! 待ってアスカ!危険よ!!」

アスカ「どすこおぉぉい!!」

ゼル号機「!!」


ミサト「その使徒のATフィールドは並じゃ……!」


バリーンッ


ゼル号機「!!?」

アスカ「ふんぬああぁぁ!!」

ドゴオオンッ


マヤ「ATフィールド貫通!」

アスカ「この間の抜けた顔がああぁぁ!!!」

ゼル号機「…!!」

メリメリメリメリ……


日向「お、押してます!!」

ミサト「す、凄い…!」


アスカ「シンジを…!返せえええぇぇ」

メキメキメキメキ…

ゼル号機「……!」
ググググ…

青葉「目標に動きが!」

ミサト「っ…まさか!?」


アスカ「ぶおおおぉぉぉ…!」

ゼル号機「!」

ガパアッ


アスカ「え」


バクンッッ

ミサト「アスカ!」


ゼル号機「…」モシャモシャ…

マヤ「そんな…アスカまで!」

アスカ「……!!………?」


アスカ「あれ?」


アスカ「ここは…」キョロキョロ


シンジ「アスカ!」


アスカ「シン…うわっ!?な、なんで裸なのよ!?」

シンジ「い、いや、そういうアスカだって…」

アスカ「え。……!!見るな!!!」ゲシッ

シンジ「ぐうっ」

マリ「あれ?」
























マリ「あれ?」

アスカ「後ろ向きなさい、後ろ!」

シンジ「蹴らなくたっていいじゃないか…。………ってアスカ!」


アスカ「ん?……え、…あれ?」ポンポン


シンジ「…身体が」


アスカ「痩せ……元に戻ってる…?」


シンジ「一体なんで……」


アスカ「……わかんないわよ。いきなりこんな所に来て…」

シンジ「…」

アスカ「! み、見んなって言ってんでしょ!!」


シンジ「ごめん…でも、懐かしくって……」

レイ「碇君…二番目の子……!」

冬月「弐号機まで捕食されるとは…!」

ゲンドウ「…」


冬月「碇…!このままでは……!ん?」

ゲンドウ「ユイガユイガユイガユイガユイガユイガユイガユイガ…」


ミサト「レ、レイは!レイはまだ出られないの!?」


日向「零号機……起動完了!出れます!」

ミサト「急いで!」

ゼル号機「……」ググググ…

ゼル号機「うおォン」

青葉「さ、さらに変形!見た目にはエヴァそのものです!!」


ガキーンッ

レイ「…っ」


レイ「……どう…戦ったら…二人を……」


……………


アスカ「こんな時に何言ってんのよ。バカじゃないの?」

シンジ「バ、バカって……」


アスカ「まずはここからどう出るかを考えないと。喜ぶのはその後よ」

シンジ「出るって…どうやって?真っ暗じゃないか。ここ」

アスカ「うっさいわね。今考えてるんだから…」


シンジ「……外は今どうなってるんだろう……ネルフは…」

……………



ゼル号機「うおォン」
ズドドドド

レイ「はっ!」

ミサト「レイ!危ない、避けて!!」

ズシィィンッ

レイ「あぅっ」


ミサト「あれはさっきのアスカの技…!」

ゼル号機「グフッグフッ」
ガシッ


マヤ「零号機、完全に押さえられました!」


レイ「…!」


ゼル号機「……」ググググ…


ミサト「! そんな、レイまで捕食する気なの!?」

ミサト「まさか…」
リツコ「3P…」

ゼル号機「ハアァー……!」


ガパアッ


レイ「!!…ケプッ」

ミサト「レイーー!!」


……………


アスカ「……………………ん?」


シンジ「…?」


アスカ「…なんか……匂いがしたわ」クンクン

シンジ「……はい?」

アスカ「…」クンクンクンクン

シンジ「……」


アスカ「これは…嗅いだ事のある匂い……」

シンジ「僕にはなんも感じないんだけど…」


アスカ「クンクン……こっちね!」

タッタッタ…


シンジ「え。ちょ、ちょっと待ってよアスカ!」

タッタッタ…


アスカ「!」

シンジ「…あ……」

アスカ「私の弐号機!!」

シンジ「なんでここに弐号機が?……初号機は?」

アスカ「知らないわよ。それより見なさいシンジ、あれを!」

シンジ「え…?……あれは………穴?」

アスカ「かなりの高さだけど、弐号機なら楽勝で届くわ!きっとあの穴が出口に通じてるのよ!!匂いはあそこからしてくるの」

シンジ「に、匂いで判断して大丈夫なの?」

アスカ「都合良く、プラグも出てるし、ロープも垂れているわ!」

シンジ「じゃあ……早く乗ろう!外が心配だよ」


アスカ「ええ!じゃあ………ってちょっと待った」


シンジ「え、なに?」

アスカ「…シンジ、あんたから上りなさい」

シンジ「…僕から?……いい………って、嫌だよ!アスカが先に上ってよ!!」

アスカ「なに言ってんのよ変態!そんな事出来るわけないでしょう!?」

シンジ「僕だってそんなの嫌だよ!」

ゼル号機「……!」ぐああっ


レイ(私まで食べられる…!こうなったら……)ガチャコン


ビーッ ビーッ

ミサト「なに!?」

マヤ「零号機が自爆装置を起動させました!」


リツコ「まさか…」

冬月「体内で爆破させる気か!?」

レイ「…碇君……二番目の子…ごめんなさい」

バクンッ


ゼル号機「」モシャモシャ

ミサト「レイー!」

……………


「「じゃんけん、ぽん!!」」

シンジ「!」

アスカ「……!」


シンジ「やった!僕の勝ちだ!」

アスカ「いい!?絶対に顔上げんじゃないわよ?もしみ、見たりしたらあんた蹴り落として私だけ脱出するから!」

シンジ「わ、わかってるよ。…本当に信用無いな……」

アスカ「じゃあ、上るわよ…。………絶っっっっ対に見るんじゃないわよ!!?」

シンジ「わかってるってば!」


アスカ「よし……じゃあ行くわよ」ギュッ


ギュッ


ギュッ



ギュッ…

ゴゴゴゴ…!


シンジ「!」

アスカ「なに、地震!?」


シンジ「…わからないよ。でも、早く上った方が良さそうだ」

ゴゴゴゴ……!


アスカ「! シンジ、あれ!穴から何か落ちてくる!!」

シンジ「え!?……………あ、あ、…あ、ぁぁ……///」

ズシィィンッ


アスカ「なにあれ、零号機!?シン……」

シンジ「…」ポケー


アスカ「…!!!~~~~~~~ッ!死ねッ!変態ッッ!」

ゲシッ
シンジ「ぐはっ!うわあああ!!」ヒューン

ドシーン


アスカ「あ…!や、やっちゃった……」

シンジ「いでで……今のは仕方ないじゃ…」

レイ「…碇君?」


シンジ「え?…うわ、綾波!?裸…」


アスカ「ファースト!…まさかあんたまで食われたの!?」

レイ「…そうみたいね。ここは……使徒の体内?」

シンジ「た、多分ね。今、ちょうど弐号機に乗って脱出しようとしてたんだよ///」

レイ「脱出…?なら、急がないと。私、使徒に飲み込まれる寸前に自爆装置を起動させたの」


シンジ「え…」


アスカ「な、なんですってえ!?」

8日ルールって、8日たつと落ちるの?
そうだと、今日の16時43分で8日だから、あと数時間でおちることになるけど……

それとも8日目まではセーフ?
それなら明日までだが

>>746
それならそれで俺が解放されるからいいんだ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom