唯「ポケモンマスターになるよ!」(616)

――マサラタウン

その部屋のテレビにはあるバトルの中継が映し出されていた。

部屋の持ち主の少女は、ベットに寝転がりながら足をバタバタさせ、声を発した。

電話に向かって話す声は興奮気味だ。

唯「もしもし、りっちゃん!今のテレビみたっ!?かっこよかったよねー!」

唯「うん、きめた!私ポケモンマスターになるよ!!」

――唯の家(マサラタウン)


律「……てなわけで、唯が突然変なことを言い出したのでみんなに集まってもらいました」

梓「無理です。唯先輩には絶対に無理です」

澪「だいたい、わかってるのか?ポケモンマスターになるって言うことは旅にでるってことだぞ?」

唯「無理じゃないよぉ、わかってるよぉー、それにりっちゃん私変なこといってないよー」

 「それにむぎちゃんだって、この前別の地方で旅に出て、今はがんばってるって、この前電話で……」
 
澪「むぎはぽわわんとしてるように見えるけど、しっかりしてるからな。」

 「それにむぎは旅に出る前から準備もしっかりしてたからな。バトルの練習だってしてたし……」

唯「なんといわれたって、もう決めたからね。それに」

 「でてきて、リュー太!」ボンッ

ミニリュウ「リューー!!」


唯「私とリュー太だって、コンビネーション抜群なんだから」

律「そのリュー太だってさ、私たちが小さい頃サファリパークにつれてってもらって捕まえた唯一のポケモンだろ?」

 「バトルなんてほとんどしたことないじゃないか」

梓「そうです!!この前だってリュー太と遊んでいて、コラッタに襲われそうになってたじゃないですか」

 「……それに憂はどうするんですか?」

 「旅に出るなんて、おそらく、いえ、絶対反対するとおもいますよ」

唯「うッ……それは……」

ミニリュウ「りゅー……」

律「……まぁとりあえず、憂ちゃんに許可はとらないとな。家出同然で出て行くなんて心配するだろうし」

梓「心配どころか、憂ならお姉ちゃんが誘拐された!!って大騒ぎになりますよ」

澪「話は憂ちゃんに通してから……か。とりあえず、今日のところは解散、かな」

 「遅くなると、トキワに帰るのも危なくなってくるし、私と律のママも心配するし……」

唯「ママ?」

澪「お、おかあさん!!」

――1番道路

夕方の帰り道を二人で歩く。

トキワからマサラまでの距離なんて、たいした距離というわけでもなく、二人にとってはなれた道のりだ。

澪「いや、それにしても唯の突然の思いつきにはびっくりしたよな~!」

律「…………」

澪「……律?」

律「あ、いや、そうだな~。びっくりしたびっくりした」

澪「まさか、律まで旅に出ようって考えてるんじゃ……」

律「……!」

澪「……そうなんだな、お前も唯の話を聞いて少し考えてたんだな」

律「……うん、このままでいいのかな って考えてた。あの普段ゆるゆるの唯があんなに真剣に旅に出たいなんていうものだから。……なっ?」

 「それに澪、今”お前も”っていったってことは」

澪・律「……」

――唯の家

小さな田舎町の一角に声が響いた。

憂「駄目!」

予想していたとはいえ、涙目で震えた声に込められた拒絶の言葉に唯は戸惑った。

憂「そんな危ないこと、お姉ちゃんにできるわけないよっ!」

 「ポケモンマスターになるってことは、旅に出るんだよ?もう私も助けてあげれないよ?アイスも好きなときにたべれなくなっちゃうよ」

 「昔見た怖~いポケモンだって、外にはいっぱいいるんだよ?」

唯「それでも、もうなるって決めたの!……うん、もう決めたんだ……!」


憂「どうしても、行くっていうの?それなら……行ってラキちゃん」

ラッキー「らっきー!」

憂「ほら、お姉ちゃん、ポケモンバトルだよ!リュー太を出してっ!ラキちゃんに勝てたら認めてあげる」

ラッキー「らきらき!」

唯「でも……憂……」

 「(こんな力づくなかたちじゃなく、憂にはわかってほしかったけど……)」

 「認めてもらうよ、憂!でてきて、リュー太!!」

ミニリュウ「リュー、リュー!」

憂「ラキちゃん、先手必勝だよ!どくどく」

ラッキー「らきらきらき!」ジュワジュワ

ラッキーの右手が毒々しい色をおびる

唯「リュー太、こっちも電磁波!」

ミニリュウ「りゅーーー!」ビリッ

ラッキー「らき…らき……!」

痙攣したラッキーの動きが鈍る。

唯「やった、こっちの電磁波のほうが強かった。これでラキちゃんは麻痺して動きが悪くなったよ」

 「リュー太、そのまままきついて!」

憂は慌てない。慌てることがラッキーに不安を与えること、そして指示に遅れが出ることをしっているからだ。

そして指示がとぶ

憂「らきちゃん、リフレッシュ、そしてタマゴ爆弾!!」

ラッキー「らきーーー!らきらきらき!」

痙攣していたラッキの体が発光し、もとの動きを取り戻す

そして光りをおびたたまごが投げつけられ、爆発する

ミニリュウ「りゅー……」

唯「あぁ、リュー太っ!!負けないで、たつまき!!」

憂「ムダだよ、お姉ちゃん!らきちゃん、たまごうみで回復して」

ラッキーは攻撃に向いていないことは分かっている。

だから、持久戦しかない。

そして最初の攻撃でその布石は打たれていた。

憂「なんでいまラキちゃんに押し負けているか、分かる?」

 「お姉ちゃん、気付いてないでしょ?」

唯「……?…………!!りゅー太もしかして毒におかされてるの!?」

初手どくどく

唯は電磁波で防いだと思っていた。

気付かなかった。そのさりげない少量のダメージがミニリュウの動きに変化を与えることはなかったから。

しかしきっちりと、今になりどくどくはミニリュウの体力をうばっていく。

ミニリュウ「リュー………」


憂「お姉ちゃん、トレーナになるっていうことはそういうところも必要なんだよ!」
 
 「しっかり自分のポケモンの状態もわからないようじゃ、ポケモンだってお姉ちゃんについてきてくれなくなるよ!」

 「ポケモンだって生き物なんだよ」

唯「そうだね、憂。リュー太は私のこと信じて戦ってくれてるんだもんね……!憂には教えられてばっかりだ」

 「でも……それでも、この戦いは負けられないよ。私もようやくやりたいって思うことができたから」

妹からの叱咤は、これからへの激励に聞こえた。

旅にでるなら、覚えておいて、とそういっているように唯には思えたのだ。

そう、旅に出ることを前提に教えられている、そう感じ取った。

だから
 
唯「それに……私もリュー太も結構な”いじっぱり”だからね。まだギブアップはできないよ」
 
 「リュー太、これで決めて!お願い!……神速!」

ミニリュウ「リュウウウウウウーー!!」

ーードンッ

ラッキー「らっ!!?らきらきーーー……」パタッ

序盤で手持ち神速持ちミニリュウか
苦労する場面が見えない

あああああああ、みすったああああ
>>26
ーードンッ 
ってなんだよ……

正しくは
――ドンッ
ですた

憂「……負けちゃった。ごめんね、戻ってらきちゃん」

 「でも、なんで毒におかされながらこんな威力が……」

 「……あ、あそこに落ちてるのは皮……?」

唯「へへっ、私のリュー太はなかなかの頻度で脱皮をしちゃう子なのだよっ!」

 「小さい頃からずっと繰り返して、こんなに大きくなっちゃいました!」

ミニリュウ「リュウウー!リュウー!////」

憂「……ふふふ、結局、お姉ちゃんのほうが自分のポケモンのことを理解してたってことだね……」

唯「……でも、憂の言葉はしっかり覚えておくよ。本当に大事なことだとおもうから」

「……うん、お姉ちゃん。それで、旅のことだけど、いつから出発するの?」

唯「うん……近いうちにはもう家をでようとおもってる」

憂「……そっかー、この家もさびしくなっちゃうね」

唯「ごめんね、憂……」

憂「ううん、謝らないで。お姉ちゃんのやりたいことだもんね。応援するよ。それにおねえちゃんがポケモンマスターになったら、私がファン1号だよ、」

 「あと、旅に出る前にオーキド博士のところに行くといいよ。有名なマサラのトレーナーはみんな博士のところから、旅にでているから」

唯「うん、いろいろとありがとうね。出発前にいってみるよ」



「VSラッキー」 〆

>>27
とりあえず、幼馴染のポケモンは「あぁ!!○○」で吹っ飛ばされる宿命もってるから。

どこかのニョロボn・・・・ゲフンゲフン

――マサラタウン

朝、先日ポケモンバトルが行われた家の前。

そこにリュックを背負った茶髪の少女がいる

唯「ああ、良い天気!ちょっと日差しが強い気もするけど、出発にはもってこいの晴天だよ」

唯「それじゃぁ、行ってくるよ。」

憂「お姉ちゃん、ちゃんとハンカチは持った?リュー太のモンスターボールは?きずぐすりは?……」

唯「もう、遠足じゃないんだから、大丈夫だよっ、憂。それにリュー太のボールもちゃんと……あれ……?」

 「ああああああ、そういえば昨日机の上においたままだった。取ってくる!」ドタドタ

憂「もうっ、お姉ちゃんったらかわいいんだから」

――10分後

憂「で、お姉ちゃん。なんでリュー太のボールを取りに言っただけのにそんなに荷物増えてるの?」

唯「いやぁ、なんか家にしばらく帰ってこれないとおもうと、離れたくないものが多くて」

てへへと笑った唯の左手には、ぱんぱんに膨らんだ紙袋が握られていた。

唯「ほら、このプリン人形に、ピカチュウ人形、それにカメール人形にピッピにんgy……」

憂「お姉ちゃん、それ持って歩くと疲れちゃうよー。せめて一個くらいにしないと」

唯「え~~、大丈夫だよ~~、それにこんなにかわいい子達なんだから、旅をさせないと~」

憂「もお~、今から旅に出るのはおねえちゃんでしょ。こんなに大荷物で旅なんてできないよ」

唯「え~~、それならこれだけでも」

憂「ほら、お姉ちゃんもたもたしてると日が暮れちゃうよー。オーキド博士の研究所はマサラの郊外だよ。それと……これ」

そういうと、手に握られていた物を差し出した。

唯「わぁ、タウンマップだー!。ありがとね~うい~~~」

――マサラ郊外(オーキド研究所前)

唯「ここが、オーキド研究所かぁ。大きいなぁ」

――誰か誰かおらんか!!

声が響いた

その出所は研究所内。

唯「えっ?なに?」

疑問に思ったのち、目の前にあった扉を開けてみることにした。

疑問に思ったのち、目の前にあった扉を開けてみることにした。

まず目に入ったのは、その惨状

あらゆるところに、モンスターボールが落ちている。

棚や机なども壊されているところも多い

それだけではなく、研究資料や気の蔦のようなものまでところどころに落ちていた

唯「……なにこれ、蔦?しかも千切れてる……」

普通じゃない。そう感じ取ったときにさらに奥から悲鳴のような声が響いた。

あきらかにその声はSOSを求めている。

そして、一気に奥までダッシュした。

そこには

唯「あれは……野生のポケモン……?」


多数の蔓を手足のように操り、老人をしめつけているポケモンがいた。

体中に蔓を絡みつけ、その中の黒い闇の中に浮かぶ目がこちらを見た。

???「モン!!モン~~!」

新たに標的を見つけたそのポケモンは体の蔓をさらに伸ばし、

そして、ムチのようにしならせた。

唯「まずい、ごめん、でてきてリュー太!!」ボンッ

ミニリュウ「リューーー!!」

蔓は出てきた細長い体に遮られる。

だが、蔓は弾かれることはなく、その体に巻きついた。

唯「リュー太っ!!」

蔓は容赦なく締め付ける。

その間も全身に絡み付こうと、一本また一本とミニリュウの体に巻きついていく。

唯「リュー太、電磁波!!そして蔓が緩んだ隙に神速で抜け出して!」

ミニリュウ「リュー!!リューーー!!」ピリピリッ

電磁波による空気の緊張感を確認したミニリュウは神速でぬけだそうとする。

が、蔓の緩む気配はない。

唯「えっ、どうして。きいてないの!?」

ミニリュウの全身が締め付けられ、苦しそうな鳴き声がもれる

???「そいつの特性はリーフガード。こういう日差しが強いときには状態異常にはならんのじゃ!!」

さきほどしめつけられていた老人が叫んだ。

どうやら、ミニリュウに応戦しているうちに老人にまきついていたポケモンの蔓が緩んだようだった

唯「そんな……どうすれば……」

老人「キミの足元にボールがいくつか落ちているじゃろ!!そのボールに入っている赤いモンスターをだすんじゃ!」

足元を見た。

そこには、3つのボールが落ちていた。


唯「えっと、これだよね!ええい、でてきて!!」

???「カゲーー!!」

尻尾に火のついたトカゲのモンスターが吠えた

メラメラとその尻尾の炎は大きく、バチバチッという音も聞こえる。

老人「そのモンスターは火の粉が使える。草ポケモンを相手にするにはもってこいじゃ!」

蔓のモンスターは新たに現れた敵に、さらにつるを延ばしはじめる。

あたりのものを蹴散らせながら蔓は勢いをまし、赤のモンスターに向かう。

唯「トカゲ君、今はちょっとだけ力をかしてね。蔓に向かってひっかく!」

赤のモンスターの鋭い爪がキラリッと光った。

そして、向かってきた全ての蔓を横に回りこみ叩き斬る。

唯「トカゲ君、次はリュー太を助けてあげて!ひのこ!」

メラメラ燃える尻尾を絡み付けられているミニリュウのほうに振った。

バチバチッと音をたてたその火は、蔓を燃やし、そしてその蔓をつたって本体に襲い掛かる。

唯「今だ。ごめんね、リュー太戻って!!そしてトカゲ君。本体のほうにもう一度火の粉」

???「カゲーーーーー!!」

振るった尻尾から放たれた火の粉が、青い蔓を統制していた本体へ向かう。

???「モン……モン……!」ジタバタ

蔓の体は炎に炙られ、ジタバタした。

そして

地面をムチでならし、トレーナーをにらみつける。

唯「……嘘、まだ戦闘するきなの?これ以上やったら……」

黒い闇の体に巻きつけられた蔓の鎧もボロボロになりつつある。

唯「そうだ……!さっきのピッピ人形……!!」

背負っていたリュックから、小さなピンク色の人形をとりだし、

唯「そ~~~れっ!!」

研究所に入ってきた扉のほうへ思い切り放り投げた。

すると、青いモジャモジャのポケモンはそちらに意識をやり、追いかけていってしまった。

――オーキド研究所

老人「いやぁ、危ないところを助けてもらってすまんかった。
   あのモンジャラはおそらく21番水道の草むらからきたモンジャラじゃな。
   気性が荒いやつってわけでもなく、町まで襲ってくることなどないんじゃが……おっと、そんなことより君は……」

唯「私は唯だよ、おじいちゃん。オーキド博士に用があってきたんだけど……」

老人「ほっほう、そうか。ワシがオーキドじゃよ。みんなからはポケモン博士と呼ばれておる。」

唯「ええっ、おじいちゃんがオーキド博士!」

オーキド「それで、唯。ワシになんのかの?」

唯「えっと、用ってわけでもないんだけど、えっと、マサラのトレーナーは博士のところへ行ってから旅立ってるって聞いて……」

オーキド「そうか…君も旅立つんじゃな。……唯、旅立つ前に一つ聞かせてくれんかの?君にとってポケモンとはなにかの?」

「旅のボディーガードかの?それともしもべのような……「ううん、違うよ。ポケモンは友達だよ」

オーキドの声を遮って、強く否定した。

唯「私のリュー太だって、友達だし、さっきの蔓のモンスターとも友達になれたかもしれない。本当はあの子はおだやかな子だったしね」

唯「うん、友達だよ!」

そういって、ニカッと笑った唯に、オーキドは微笑み返した。

オーキド「そうか、こんな質問をしたのは間違いだったようじゃな。それ、これをもっていきなさい」

オーキドは自分の後ろにあった机の上から、赤い手のひらサイズの機械を差し出した。

唯「これは……?」

オーキド「それはポケモン図鑑。ワシの夢じゃよ。この世界のポケモンの記録を作ることそれがワシの夢だった。ほれ、これをみてごらん」

そこには、先ほどの蔓のポケモンが表示されていた。

 No114 モンジャラ
 ブルーの つるしょくぶつが 
 からみあい しょうたいは みえない。
 ちかづくものに からみついてくる。


唯「へぇ、さっきのポケモンはモンジャラって言うんだー。……でも、なんでこんな貴重そうなものを私に?」

オーキド「さっきの答えを聞いて君になら託せるとおもったからじゃよ。そして旅のついでにそいつをうめていってくれると助かるしのう」

唯「……ありがとう、博士!」

オーキド「さて、唯、これからどんな旅になるかは君次第じゃ。しかしどんな旅にでも困難や危険は待っている」

そして、ボールを3つ差し出した。

オーキド「そこでじゃ。この3匹のうち一匹を連れて行く気はないかね?研究用の3匹だが、戦闘能力も優れている。君を守ってくれる友達にもなるじゃろう。君さえよければ連れて行ってやってくれんかの?」

唯「……でも、博士図鑑までもらって、モンスターまでもらっていいの?」

オーキド「いいんじゃよ、この老いぼれと一緒にいるよりかは君と旅立ったほうが成長もできるじゃろうし」

唯「じゃぁ……この子で」ボンッ

???「ーーーカゲー!!」スリスリ

唯「わぁ!!」

しっぽの火が揺らぐ。ボールからでてきたその赤のトカゲは唯に擦り寄った。

オーキド「おや、さきほどの戦いによってずいぶん懐かれたようじゃの。そいつの名はヒトカゲ。炎タイプのポケモンじゃ」

ヒトカゲ「カゲー!!」

唯「えへへ、じゃぁ、君の名前はこれからヒー太だよ。よろしくね、ヒー太!」

オーキド「こういう光景をみてると思い出すのぅ……」

唯「?」

オーキド「おお、すまんすまん、ワシの孫もここからヒトカゲをつれて旅たったのじゃよ」

唯「お孫さん…?」

オーキド「そうじゃ。君もきっといつか会う日がくるかもしれんのう。あぁ、そういえば現在トキワジムはジムリーダーが不在じゃ、ジムへ向かうならまずニビへ行くといいじゃろう」


――21番水道

長い草むらの中にいくつもの影がある。

一つは黒の衣装をまとったトレーナー。周りには何匹ものモンジャラが倒れていた


???「こちら、×××捕獲部隊。やはり、このマサラにいた。なにせここは穢れなき町と呼ばれているぐらいだからな」

「――――――――」

???「いいや、逃がしちまった。ここにいた野生のモンジャラ共にも邪魔されちまってな。
……あぁ?分かってる。歯向かうものには容赦はするな、だろ?なぁに心配はいらない。
野生のモンジャラ共の内一匹はどこかに逃しちまったが、他は全匹瀕死じょうたい。それに逃がしちまった一匹も”いばる”を食らって興奮してるが、じきに自滅するだろう。」

「――――――」

「あぁ、わかってるさ。『ミュウ』は必ず我らが捕まえる

―――我らロケット団がな」



「VSモンジャラ」 〆

読んでる人あんまいないだろうけど、ごめん今からバイト
落とすも、雑談するも好きにしてくれ
落ちてたらまた気が向いたら立てるか、製作行くわ

残ってた・・・・ありがたい

どうしよう、やっぱ製作いったほうがいいのかな

>>70
任せる

が、製作にもポケモンとのクロスがあるぞ

――1番道路

唯「ヒー太、ひっかいて!!」

ヒトカゲ「カゲー!」ザシュ

コラッタ「・・・・・!!」バタリ

唯「ふぅ……トキワに行くのにも一苦労だね~、ヒー太」

そういうと、唯は額の汗を袖でぬぐった。

唯「おっと、いけないいけない。こんなのでグチってたら旅なんてできないや」

「ほら、みてヒー太、あれがトキワだよー」

指差した先には町がある。マサラより少し大きいが、にぎやかというわけでもない落ち着いた町だ。

唯「ちゃんとりっちゃんと澪ちゃんにも会ってからいかないとね」

「……あずにゃんにはさっき泣かれちゃったけどね」

>>71
oh....見てきた。いくつかあるんだな
しかも結構なご長寿なようで

――マサラタウン(一時間ほど前)

梓「えっ、唯先輩本当に行っちゃうんですか!?」

唯「うん、もう準備はしたし、あずにゃんに挨拶はしていこうと思って」

梓「憂……憂にはちゃんと話したんですか……?」

唯「うん、ちゃんと分かってもらったよ」

梓「そんなっ……先輩わかってるんですか!?旅に出たら困ったことは一人で解決しないといけないんですよ?
  強くて凶暴なポケモンだっているし、それに先輩の大好きなアイスだって食べられないんですよ!!」

唯「ははは、あずにゃん憂と一緒のこと言ってるよ。……それにね、一人じゃないよ。うん、この子達がいるもん」

唯の腰につけたのモンスターボールがカタカタと震えた。

梓「……律先輩と澪先輩には?」

唯「トキワを通ったときに寄るつもりだよ」

梓「…………そう……ですか」

言った少女はくるりと背中を向けた

梓「なら……はやく……いったらどうですか……」

声がどんどん尻すぼみになっていく。

唯「うん、そうだね……そうするよ。……でも」

唯は背中を向けた小さな少女に近づいていく。

そして

唯「しばらく、会えないからあずにゃん成分を充電しておかないと」

梓の抱きしめられた体から嗚咽が漏れた。

梓「唯先輩はずるいです……本当にするいです」グズッ

――トキワシティ

澪「おいっ、律、本気で言ってるのか!」

律「本気だよ。本気も本気。大真面目だよ」

澪「でも……」

律「わかってるよ、澪が心配してくれてることも、でもだ。それでも……だ」


「お~~い、りっちゃあああん澪ちゃあああん、やっほーーーー」

見慣れた少女がこちらにむかって手を振っていた。

律・澪「「唯!!」」

唯「じゃじゃーん、結局旅にでることになりましたー!!」フンス

律「結局ってお前……憂ちゃんにはちゃんと言ってきたんだろうなぁ?」

唯「へっへーん、バッチリだよ」

澪「……そうかやっぱり行くんだな」

唯「うん。だから、二人にはお別れを言いにきたんだ」

澪「まぁ、こうなると思ってたよ。ほら、これ」

そういって差し出された手のひらにはモンスターボールが乗っていた。

澪「旅をするっていうなら、空のモンスターボールも必要だろ?ほら」

唯「わぁああ、澪ちゃんありがとおお~~~!」ガバッ

澪「こらっ、唯、抱きつくな///おい、唯」

唯「ほら、りっちゃんもだきつき~~!」

律「……」

抱きついても帰ってこない反応に違和感を覚えた

唯「りっちゃん……どうしたの……?」

澪「あぁ……律のやつも実は「澪!」」

律「……なぁ、唯……ここでバトルしないか?」

唯「…えっ、りっちゃんと?」

律「あぁ、そうだ」

唯「えっ?え?なんで……?」

澪「唯……やってやってくれないか?」

唯「…………うん、いいよ。なにがあったかわからないけど、それでりっちゃんの悩みが解決するなら」

――21番道路

澪「よっし、ここなら多少あばれても大丈夫だろ。」

唯「今までりっちゃんに勝ったことはないけど、今日は勝たせてもらうよ!」

律「いったな!よーし、いけガーディ!!」ボンッ

モンスターボールから毛並みの良い赤い子犬がくりだされる。

そして、ガーディとよばれたモンスターはその場で声高に吠えた。

唯「あぁん、りっちゃんのガーディもふもふしたいよ~」

唯はフラフラとガーディのほうに近づいていく

律「あぁ、もう試合終わったら好きなだけ撫でさせてやるからはやくモンスターだせよ」

唯「っは、しまった。もふもふで油断させる作戦なんてりっちゃん卑怯だよっ!あさはかだよっ!」

律「あぁもうなんでもいいからはやくしてくれ~」


唯「じゃぁ、いくよ~、いってヒー太」ボンッ

ヒトカゲ「カゲーー!!」

対してガーディの前にヒトカゲが繰り出された。

唯「さぁ、今日こそ負けないよー、がんばろうねヒー太」

澪「おおっ、唯さっそく新しいポケモン捕まえたのか。それにヒトカゲなんて珍しいな」

唯「まぁ、捕まえたってわけではないんだけどね……」

律「トレーナーらしくなってるってことか。ガーディ!相手はあいつだ」

すると、ガーディがヒトカゲに向かってグルルルッと喉を鳴らした

ヒトカゲ「カッ……カゲー!!」

唯「あぁ……威嚇されて少しヒー太がびびっちゃった」

律「よし、今のうちに先制だ!かみつけ」

指示を待っていたガーディが、一気に飛び掛かり

そしてヒトカゲのしっぽに噛み付いた

唯「あぁヒー太……!、しっぽをふってふり払って」

激しく振られたしっぽに、振り落とされるように宙にガーディがなげだされるが、

地面を削りながら着地する

唯「ヒー太、そのまま距離をつめてひっかく!」

体勢を整えようとしていたガーディにヒトカゲの爪が襲い掛かった

そしてガーディの体に直撃する

律「!!ガーディまだいけるか?」

ガーディ「ガウ!」

律はよしっ、と呟き

律「そうか、やっぱりお前も勝ちたいよな。いっちょあれいってみるか!」

ガーディ「ガウガウ!」

うなずくように唸り、空に向かって一度オーンと吠える

唯「ヒー太、なにか来るよ、身構えて!」

律「さぁ、いけガーディ!とっしんだ!」

先ほど噛み付いたときの倍以上のスピードでガーディがヒトカゲにダイブした

唯「…!!はやいっ!」

予想以上のスピードに反応したときにはすでにヒトカゲに激突し、砂埃が舞う

ヒトカゲ「!!…………かげ……」バタ

唯「あぁ、ヒー太……!」

砂埃が収まってきたときにまず見えたのはヒトカゲの倒れた姿だった

唯「戻れ、ヒータ。お疲れさま。」

倒れたヒトカゲをモンスターボールに戻し

唯「負けちゃった……りっちゃんはやっぱり強いね」

律「……いや、どうやらひきわけみたいだ。」

砂埃が完璧に完全に晴れる

そこには四肢を伸ばし倒れているガーディの姿があった。

律「反動にたえきれなかった……か。やっぱりあの技はガーディには早すぎたみたいだ」

律はガーディに近づいていきそっと頭を撫でた。

律「ごめんな、でもよくやってくれた。戻れガーディ」

そしてモンスターボールに収めた

――トキワシティ

バトルの後、ポケモンセンターへ行き疲れたポケモンを回復させ

そして現在

ポケモンセンター前には律、澪、回復したガーディを抱きしめじゃれあっている唯の姿があった

律「……やっぱり、決めた」

「澪も唯も聞いてくれ」

澪はコクリとうなずき、ガーディの頭を撫でていた唯は顔を斜めに傾けた。

律「あのさ……わたしも……わたしも旅にでようと思う!」

唯「ええ!!」

澪「……」

律「今バトルして、唯も前に進んでるんだなって思った。同時に自分はこのままでいいのかなって」

「でさ、きっとムギだって遠いところにいこうがきっと前に進んでると思うんだ」

「だからさ、私も旅にでようと思う。そうすればさ、きっとさっきみたいにガーディに負担をかけることも少なくなるしさ」

唯「りっちゃん……」

澪「……うん、そうだな。私も今のバトルみて律の決心を聴いてようやく決心がついたよ」

「私もトレーナーとして旅にでる」

律と澪は顔を見合わせ、そしてうなずいた。

唯「わ~お、ということは皆一緒に旅ができるってこと!?」

唯のうれしそうな声に律と澪は首を横にふった。

律「いや、私はジョウトに行こうと思ってる」

澪「そうだな……不安だけど、やっぱり一緒に旅をするよりか違うところへ行ったほうが成長できるとおもう。私も二人とは違う地方を巡ろうかなと思ってる」

唯「そっか……。じゃぁ、私がカントーはバッチを制覇するから、りっちゃんはジョウトで、澪ちゃんも行った地方で全部のバッチを集めるってどう!?」

澪「いや、さすがにそれは無理だと思う」

唯「えぇ~~、できるよ~」

律「……そうだな、よーしそのときはもう一度勝負だぞ、唯!」

澪「わ、わたしも仲間に入れて!!」

律「なんだ、やっぱり澪もやる気じゃないか」

唯「はははっ」


VS「ガーディ」 〆

唯「そっか……。じゃぁ、カントーは私がバッチを制覇するから、りっちゃんはジョウトで、澪ちゃんも行った地方で全部のバッチを集めるってどう!?」

澪「いや、さすがにそれは無理だと思う」

唯「えぇ~~、できるよ~」

律「……そうだな、よーしそのときはもう一度勝負だぞ、唯!」

澪「わ、わたしも仲間に入れて!!」

律「なんだ、やっぱり澪もやる気じゃないか」

唯「はははっ」


VS「ガーディ」 〆

唯「で、りっちゃんと澪ちゃんはどうやって他の地方までいくの……?」

律「うっ……!!」

唯「まさか、りっちゃん……考えてなかったの?」

律「ダイジョーブ!今から考える」

澪「え、まさかお前本当に考えてなかったのか!?」

律「なんだよ……じゃぁ、澪はどうする気だったんだよ」

澪「私はだな、クチバから船にのってでも……」

律「なんだよ、澪も具体的なことはきめてないんじゃん」

澪「なっ……」

唯「そうだ!!二人とも一度マサラタウンのオーキド博士を訪ねてみるといいかも。ポケモンのえらーい博士だから力になってくれるかも。私のヒー太もそこでもらったんだよ」

律「なっ、オーキド博士っていったらポケモンの権威じゃないか」

澪「そうか、だから珍しいポケモンを唯がもってたわけだな。……でも、行ってみる価値はあるかも」

律「だな。今のところ他の方法もおもいつかないしなぁ」

唯「よーっし!わたしもそろそろ行くよ」

今まで抱いていたガーディを地面に下ろし大きく間延びした。

律「おお、そうだ。渡し忘れるとこだった。これ」

ポケモンの名前もう少し考えようぜ・・・

ほらっと言って差し出してきた手には、キズグスリと

唯「これは……まひなおし?」

律「あぁ。今からトキワの森に入るんだろ?それならと思ってな」

唯「……ありがとうりっちゃん!!大切に使うよ」

澪「それにしても、なんでまひなおしなんだ?あそこはムシポケモンが多いからどくけしじゃないのか?」

そう澪が言うと、律はニヤニヤとし聞きたい?と問い返した

澪「……いややっぱりいい。聞きたくない聞きたくない」

ブンブンと首を振る澪を無視し、話し出す

律「じつはだな……最近、あの森を歩いていると後ろから……」

澪「いやあああああああああああああああああああ」

大きく叫び、耳をふさぐ

澪「怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない……」

律「ははは、澪が怖がるのもみれたし、冗談はおいとくとしてだな。最近あの森はおかしい。どうやらマヒ状態になってる野性ポケモンがたくさん確認されてるらしい。トレーナーでも手持ちポケモンが気付いたらマヒしてたってこともあるんだってさ」

唯「へぇ~~そっか、気をつけます、りっちゃん隊長!」

律「おう、がんばれ唯隊員」

敬礼のマネをした律のうしろに、こぶしをにぎりしめた少女がいた。

澪「り~~~つ~~~~~!!」

ーーゴチンッ

律「あいたっ!!」

>>102
ポケスペもこんな感じじゃん
澪と梓は凝るかもしれんが唯はこんなもんでしょ

>>102
おい、それは言わない約束だろ!
正直、デフォネームでよかったような と後悔しはじめた……

>>105
まじで勘弁してください!!
君ハードルってしってるかね?

NNェ……
もうそのときになったらおまいらに安価でもなげて決めてしまおうか……

ポケスペだって最初のほうはなんか進化してもおかしくないように、バクタロウとかメガぴょんって無理やりつけてたけど
最近は、ZUZUとかるーとかべーとか進化系無視してつけてたから、これも別に進化系のことなんて考えなくていいやとか思ってました。

――トキワの森


むしとり少年「ちくしょおおお、炎タイプなんて大嫌いだあ!」

唯「へへ、やったねヒー太」

ヒトカゲ「カゲッ!!」

地面に生えていた草が少しはげていた。勝負の跡だ。

唯はすでに二人のむしとり少年と交戦したあとだった。

唯「よーし、これで2連勝だよ」

一人ゴチて、さらに奥へ進む

――トキワの森


むしとり少年「ちくしょおおお、炎タイプなんて大嫌いだあ!」

唯「へへ、やったねヒー太」

ヒトカゲ「カゲッ!!」

地面に生えていた草が少しはげていた。勝負の跡だ。

唯はすでに二人のむしとり少年と交戦したあとだった。

唯「よーし、これで2連勝だよ」

一人ゴチて、さらに奥へ進む


~~野生のポケモンが現れた

唯「あれは……」

ポケモン図鑑を取り出し、開く

 No.013 ビードル
 もりや くさちに おおく せいそく。
 あたまの さきに 5センチぐらいの 
 ちいさく するどい どくばりをもつ。

唯「ビードルかぁ。毒に気をつけなくちゃ……ってあれ」

ビードルの様子がおかしい

この症状は――

唯「この子麻痺してる……。大変!まひなおし、まひなおしっと」

――最近あの森がおかしい

律の言葉を思い出す。

唯「これでよしっと。もう大丈夫」

ビードル「ビィーー」

体から痺れが抜けたビードルが軽く鳴いて、唯に感謝の意を伝える

その時、あたりの草むらがガサガサと揺れた


唯「……なにかが……いる?でてきてリュー太!!」ボンッ

ボールから1m以上の長い体が繰り出される

唯「リュー太、警戒して……なにかがいるよ」

ミニリュウ「リューー!」

ビードル「びぃぃぃ……」

はりきるミニリュウの傍らに、ビードルがふるえた。

唯「やっぱり、ビードルがふるえてる。おそらく麻痺事件の原因……」

再びガサガサとゆれた草むら。

それを唯は見逃さなかった。

唯「リュー太、あの草むらに電磁波!!」

ミニリュウ「リュウウウウ!!」ビリ

放たれた弱い電撃に反応し、草むらのポケモンが飛びだした。

???「ピカ!ピカピカ!!」

唯「速いっ、リュー太のでんじはが聞いてないの……?」

再びガサガサとゆれた草むら。

それを唯は見逃さなかった。

唯「リュー太、あの草むらに電磁波!!」

ミニリュウ「リュウウウウ!!」ビリ

放たれた弱い電撃に反応し、草むらのポケモンが飛びだした。

???「ピカ!ピカピカ!!」

唯「速いっ、リュー太の電磁波が効いてないの……?」

草むらのポケモンからとびだしたポケモンはスピードを緩めず、ミニリュウの体を掠めて違う草むらに飛び込んだ

唯「速くて、姿があまりみえなかったよ~。リュー太、今度は出てきたところをまきついて!!」

ミニリュウ「リューーー!!」

唯「っ!くるよ!」

再び草むらがガサゴソと揺れた。

???「ピッカーーー!!」

唯「今度は逃がさないよ、リュー太、体で進路を遮って、近づいてきたらまきつく!」

ミニリュウの体が壁をつくり、そこにポケモンは激突した。

草むらからとびだしたポケモンはスピードを緩めず、ミニリュウの体を掠めて違う草むらに飛び込んだ

唯「速くて、姿があまりみえなかったよ~。リュー太、今度は出てきたところをまきついて!!」

ミニリュウ「リューーー!!」

唯「っ!くるよ!」

再び草むらがガサゴソと揺れた。

???「ピッカーーー!!」

唯「今度は逃がさないよ、リュー太、体で進路を遮って、近づいてきたらまきつく!」

ミニリュウの体が壁をつくり、そこにポケモンは激突した。

速かったそのポケモンの姿が、はっきりと唯の目に映った

黄色の全身に、赤いほっぺ、尻尾には黒のキザキザ模様がある。

唯「!!!!」

唯の目の輝きが増し

唯「かわいいいいいいいいい!!リュー太、ポケモンゲットだよ!!あのポケモンをゲットしてモフモフするよっ!」

ポケモンの情報を見るために図鑑を開く。

 No.025 ピカチュウ

 なんびきかが あつまっていると 
 そこに もうれつな でんきが たまり 
 いなずまが おちることがあるという。

唯「ピカチュウっていうんだぁ!ようし、リュー太、にらみつける!」

ミニリュウがその黄色い体をにらみつけて牽制する

ピカチュウ「ピッ、ピカ!」

少しピカチュウがひるみ、その隙にミニリュウの長い体で周りを囲った

まきついて締め付けようとし、ミニリュウの体がピカチュウの体に触れた時、動きが止まった

唯「……リュー太?」

ピカチュウがニヤリッとする

ピカチュウ「ピッカ!!」

ミニリュウに近寄ってみると、なにが起こったのかがよくわかった。

麻痺状態になっている

唯「……もしかして、あのピカチュウの特性はせいでんきなの!?」

そしてミニリュウを退けたピカチュウがまた草むらにもぐりこもうと走り出そうとする

だが、その時ピカチュウの全身に糸が巻きついた。

その糸がだされている先を視線でたどると

唯「さっきのビードル!ありがとう、これでげっと……」

――ゴロッ

空が光り、ピカチュウのずっと背後に雷が落ちた

ピカチュウ「!!」

唯「!!」

その雷を見たとき、唯は一つのことを思い出した

先ほどの図鑑の情報。そこにかかれていたのは――

唯「……そういうことだったんだ……」

その雷をみてポツリと呟いた。

唯「ビードル、糸を解いてあげてくれないかな?たしかにこの子はみんなにイタズラしてたけど、理由があったんだよ」

いいながら、ピカチュウに近づいていき、

ビードル「ビィーー」

唯は糸が切れたことを確認し、ピカチュウを抱き上げた

唯「この子は、仲間達を守っていたんだ……おそらくあの後ろの草むらのいったいにはこの子の仲間が、もしかしたら子供もいるかもしれない」

そうだよね?と唯は抱え上げたピカチュウに微笑んだ。


ピカチュウ「ピカ」

ピカチュウがコクリと頷き

そして、地面へと下ろされた

唯「逃がしてあげるから、もうイタズラしたら駄目だよ」

ピカチュウ「チュウ……」

ペコリとピカチュウが頭を下げた気がした。

そして背を向け、背後の草むらに走っていく。


唯「あ~あ、残念だけど仕方ないよね。ありがとねビードル。捕まえることはできなかったけど、助かったよ」

ビードル「ビィーー」

唯「リュー太も大丈夫?もう動ける」

声をかけたほうには、脱皮をしたミニリュウがいた。

ミニリュウ「リューーーウ!!」

唯「その様子じゃ、もう大丈夫そうだね。そろそろ行こうか、リュー太」

言ったとき、もう一度ビードルが鳴いた

ビードル「ビィイーー」

唯「……もしかして、一緒に行きたいの?」

ビードル「ビー!!」

強く頷く

そして、今度はビードルを抱き上げた

唯「そっか。じゃぁ、これからよろしくね。君の名前はビー太だよっ!」

ビードル「ビー!ビー!」

唯「それじゃぁ、ボールに入ってね」

そういうと、地面に下ろし

澪からもらった空のモンスターボールをビードルに投げた

カタッと一度だけ揺れ、ボールに収まった。

唯「あたらしい、仲間ゲットだよっ!!」


「VSピカチュウ」〆

よっしゃあああああああああ、苦情こいやああああああ
NNセンスないなんて言われまくってるから、反省なんてしねーぞ!!キリッ

ミニリュウ→リュー太
ヒトカゲ→ヒー太
ビードル→ビー太

字面ェ……

ヒー太は熱とかの意味のheatとかかってるんだよ と後付設定をだなry

――ポケモンセンター(ニビシティ)

ジョーイ「お待たせいたしました。お預かりしたポケモンたちはすっかり元気になりましたよ」

唯「ありがとうございます」

ボールを受け取り、ペコリと頭を下げた

唯「とうとう明日はジム戦だよ、みんな」

ボールの中のポケモンに話しかけた

ジョーイ「あらっ、ジムに挑戦するのね。でもあなたのポケモンでは少し辛いかも知れないわね。」

唯「?」

――ニビジム(翌日)

唯「たのも~~~~~!!」

声を張り上げながら、ジムの扉を開いた。

???「君は……挑戦者か?」

そこにいたのは、細い目をした男

唯「えっと……あなたは?」

???「俺の名前はタケシ!このニビシティのジムリーダー タケシだ!」

そう言いタケシはバトルフィールドの向こう側へ歩いていく

タケシ「さぁ、挑戦者。フィールドへつくがいい。おれの かたい いしは おれの ポケモンにも あらわれる! 

かたくて がまん づよい! そう! つかうのは いわ タイプ ばっかりだ!」

「いけっ、イシツブテ!!」ボンッ

繰り出されたのはゴツゴツとし丸い岩石のポケモン

対し、唯はタケシと反対の場所につき、3つのボールを出し眺めていた

唯「うーん、誰がいいかなぁ……」

言うと、一番右に持っていたボールがかたかたと揺れた。

唯「おっ、やる気だね~!じゃぁ、君にきめたよ」

「いって、ビー太!!」ボンッ

ビードル「ビィー!!」フンス

やる気まんまんででてきたビードルは、少し鼻息をあらくした。

タケシ「本当にそのポケモンでいいのか……岩タイプに虫タイプとは、俺もなめられたものだな」

「やれっ、イシツブテ!たいあたりだ」

岩の体がビードルに襲い掛かる。

唯「ビー太!!突っ込んで来たところにどくばりを打ち込んで!!」

タケシ「そんなものが硬い岩に通るかっ!!」

イシツブテに向かって飛ばされた、どくばりはその体に命中するが、はじき飛ばされ、たいあたりの勢いは止ま

らずビードルの小さな体に激突する。

唯「ビー太っ!!」

ビードル「!!」

岩の体のタックルに、こらえきれずその体が地面を転がった。

唯「ビー太!!大丈夫!?」

ビードル「ビィィ!!」

力強く鳴いたその声は、唯にまだいける といっているようだった。

タケシ「もう、おわりか?もう一度たいあたりだイシツブテ!」

イシツブテが命令に従い、もう一度その身をぶつけに来る。

向かってくる体に、わるあがきに針を打ち込むがはじかれ、ビードルの体が地面に転がる

先ほどの光景が繰り返された

唯「ビー太!!もう戻ってきていいよ!!もうボロボロなのにそれ以上やったら――」

ビードル「ビー!!」

唯の叫びに、ビードルはイヤイヤというように、首をふる

そして、もう一度頭の針を構え、

ビードル「ビィィィィィィィイ!」

強く、声高に鳴いた。

その姿は鳴いたというより、慟哭に近い声

そして、ビードルの体が光りはじめた

唯「――ビー太!!どうしちゃったの!?ビー太!!」

ビー太の芋虫の体が、光りが収まると蛹の体になっていた。

タケシ「そうか、虫ポケモンの成長は早い……進化したんだな……」

唯は図鑑を開き、その姿を確認する

No.014 コクーン

じぶんでは ほとんど うごけないが 
あぶないときは かたくなって 
みを まもっているようだ。


唯「……これが……進化…!コクーン……!」

初めての進化に唖然としていると、タケシから檄がとんだ

タケシ「なにをしている、今はバトル中だぞ!!」

はっ、として唯もバトルに再び集中する

タケシ「進化しようが、虫は虫だ!!イシツブテとどめをさせ!」

3度目になるたいあたりの指示がとぶ

それに従い、イシツブテが体をぶつけにくる


唯「……!!ビー太、かたくなる!!」

コクーン「コクーーーーン!!」カチン

そして3度目の衝突

タケシ「なにっ!!」

今度はコクーンは吹っ飛ばされることはなかった

動じることもなく、その場に存在していた

そして

――ピキピキッ

タケシ「!!――イシツブテ!」

イシツブテの体にひびが入る


タケシ「くっっ!!戻れイシツブテ」

唯「やった!!よくやったね、ビー太!!」

コクーン「クーン!!」

ボールにイシツブテを戻し、タケシが新たなボールを容易する

タケシ「まさか、こちらが負けるとはおもっていなかったよ。さぁ、次のポケモン。こいつが俺の切り札だ。いけ、

イワーク」ボンッ

イワーク「イワーーーク!!」

まず目についたのはそのでかさだった。

10m近くあるであろうその体はそれだけで、威圧感を持っていた


唯「あわわ、さすがにまずいよこれは。戻ってビー太!」

あわてて、ボールに戻しもう一度ボールを見比べる

ボールの中のヒトカゲが唯に目を合わせたとき頷いた。

唯「いってくれるんだね。GO!ヒー太!!」

ヒトカゲ「カゲー!!」

イワークに比べ、小さな体が呼び出された。

その差はゆうに5m以上はある。

タケシ「今度は炎タイプか。また岩タイプには相性が……いや、先ほどはこの油断のせいで負けたんだったな。

今度は慢心もなく、はじめから全力でいかせてもらうぞ」

「イワーク、がんせきふうじ!!」

イワークの巨躯から放たれた岩石がヒトカゲに向かって飛んでいく

唯「よけて、ヒー太!」

ヒトカゲもそれに答えるように次々とかわす


タケシ「ほぅ、すばやいな。だが……」

まだイワークの攻撃は終わらない

そして辺りには――

唯「しまった……スペースがどんどん狭くなっていってる!」

イワークから飛ばされた岩石があたりにゴロゴロと放置されている

タケシ「そう!!がんせきふうじとは、ポケモンに直接攻撃するだけではなく、その後のポケモンの動きを制限

する技。これで今までのようなフットワークは発揮できまい」


「いけ、イワーク。そのヒトカゲをしめつけろ!!」

巨躯が岩岩の間を蛇のように這う。

そして、尾から頭でヒトカゲの周りに円を描いた

タケシ「しめあげろ!!」

イワーク「イワーーーーーク!!!!」

辺りにばらまかれていた岩を巻き込みつつ、ヒトカゲを締め付けた


唯「ヒー太!!火の粉」

締め上げられたヒトカゲが懸命にしっぽを一振りした

タケシ「無駄だ!!イワークに火の攻撃など効きやしない」

唯「なら、ヒー太その目の前の岩の体に向かってひっかいて!!」

ヒトカゲ「カゲーーッッ!!」

一振り、二振り、三振り、四振りと爪による攻撃がイワークを襲う

タケシ「むぅ、ちょこざいな。無駄だということがわからないのか。イワーク、たたきつけろ!!」

ヒトカゲはそのまま宙へ放り出され

岩の尾により地面にたたきつけられた

唯「ヒー太っ!!!」

砂煙が舞う

そこにはシルエットがある。

一つは岩蛇の巨体、そしてもうひとつは――

タケシ「ほぅ、まだ立ち上がれるか」

そこには、立ち上がるヒトカゲの影もあった


唯「ヒー太……!!……やっぱり……やっぱり勝ちたいよね!……うん、勝とうよ」

ヒトカゲ「カゲーーーー!!」

今までのダメージでその身を軋ませ、なお鳴いた

まるでそれは返事をするかのように

勝とうとする意思を表した

唯「ヒー太!砂埃が晴れる前に、煙幕を張って!!」

茶色く舞う煙に黒の煙が混ざり合っていく。

唯「さっき何度もひっかいた場所は覚えてるよね。ヒー太」

確認するかのような言葉をヒトカゲは受け取った

そして、それを『そこを目指せ』という指示として受け取る

タケシ「っく、これではまったくフィールドが見えん」

煙幕の帳につつまれ、タケシは困惑する

その時

ヒトカゲ「カゲーーーーー!!!」


もう一度ヒトカゲが鳴いた

それは合図

唯「勝つんだ……!ヒー太これで決めるよ!メタルクロー!!」

――ザンッ

真っ黒の舞台に音だけが響き

次に

――ドシン

大きなものが倒れた音がした

そして舞台は晴れる

そこにあるのは、ボロボロのまま立ち尽くすヒトカゲと

頭から数えて8つめの岩

しめつけられた時に、ヒトカゲがひっかいていた部分

が、砕けたイワークが倒れていた。

――ニビジム

タケシ「おめでとう、これがジムリーダーに勝利した証、グレーバッジだ」

唯「やったーー!!とうとう一つ目のバッチゲットだよ!!」

タケシ「それにしても、虫タイプと炎タイプの使用者に負けるとは……俺もまだまだ修行が足りないということか」

唯「いえっ、えっとなんて言っていいかわかんないけど、強かったです。それこそヒー太とビー太ががんばってく

れてなかったら……」

タケシ「その頑張りを引き出したのも君の力だ。きっと君はいいトレーナーなんだろう」

「さぁ、次のジムならお月見山をぬけたところにあるハナダシティだ。炎タイプでは苦労するかもしれないが……

いや、君にはいらぬお世話だな」

タケシの細い目が弓を描いた。

「おっと、話が長くなってしまったな。もう行くがいい」

唯「はいっ、ありがとうございました」




「VSイワーク」〆

sageてるが、>>1はageないのかい?

いくらなんでも急かしすぎだろう

このスレが落ちたら製作速報に行った方がいいんじゃね?

>>211 
いや、専ブラだからsageがデフォになってんのよ
それにたいした作品でもないし、sageのほうがいいかなぁっと

>>231
スレおちたら、そうしようかと考えてるが……
向こうには面白いポケSSがあるからなぁ


とりあえず、遅いのは書きためつきかけてるからだわ


とりあえず、1話投下させてもらう

――3番道路

唯「トレーナー戦も結構なれてきたねー、ねぇリュー太~!」

唯が傍らのミニリュウに話しかけた

彼女らの後ろには勝負にまけたむしとり少年や短パン小僧の姿がある

唯「ふぅ……」

一息つくと、後ろから懐かしい少女の声がした

「唯センパーーーイ」

小さめな背、ツインテールにした黒の長い髪

その少女は――

唯「あずにゃん!!」

梓「ハァ……ハァ……やっと追いつきました」

唯「わぁい、あずにゃ~~~ん!!」

息をきらす少女に、唯は抱きついた

梓「ちょ、唯先輩やめてください///」

唯「ははは、この照れちゃって~、かわいいなぁあずにゃんは~。でも、どうしてここに?」


梓「あっ、はいそうでした」

そういって梓は自分のカバンから、箱をとりだした

梓「これ、唯先輩もっていってください」

唯「これは……ランニングシューズ!!」

梓「はい、本当はマサラを出たとき渡そうとおもってたんですけど……その……渡しそびれちゃって」

感極まった唯はもう一度梓に抱きつき

唯「あずにゃ~~~ん、チューー――」

梓「ちょ、えっ、やめてください!!」バシン

あたりに快音が響いた


唯「あずにゃんのいけずぅ~~」

そういった唯の頬は赤い

梓「と、とにかくがんばってくださいっ!!」

唯「でも、それだけのためにわざわざこんなところまでありがとうね!」

そう元気よく微笑んだ唯に梓は言葉を続けた

梓「実は……それだけってわけじゃないんです」

――おつきみやま

時刻はすでに日が沈もうとしている時間帯

洞窟の仄かな光の中、声がする

唯「へぇ~、じゃぁ、あずにゃんはピッピのその集会みたいなのをみたかったんだ」

そういった唯の靴は先ほど梓にもらった新品のランニングシューズにかわっていた

梓「はい、そうなんです。どうやら満月の晩しか見れないらしくて」

唯「わかるよー、ピッピかわいいもんね~」

うんうん、と頷いた唯はどこかうれしそうだ


梓「それにしても……奥に進むにつれどんどん暗くなってきましたねー」

唯「そだねー、あ、そうだ!」

そういって、一つのボールをとりだし

唯「でてきて、ヒー太!!」ボンッ

ヒトカゲ「カゲーっ!」

暗かった洞窟内にひときわ明るいところができる


梓「唯先輩!こんなところで急に明かりをつけたら……」

唯「えっ?」

――バサバサバサバサ

羽音が聞こえる

羽音が何十にも重なり、大きな音を演出する

音はだんだんと大きくなっていく

そこには

梓「っ、ほら!!ズバットの群れがぁああ」

唯「うわああああ、ヒー太戻って!あずにゃん逃げるよ」

ヒトカゲをモンスターボールに戻し

梓の手を引き、走り出そうとし

その時

――カチリッ

なにかのスイッチの入る音がする

唯「……えっ?」


唯のランニングシューズのスイッチがなにかの拍子に作動した

そして、そのまま普段の2倍以上のスピードで走り出す

梓「きゃあああああああ、唯先輩速いですーーーーー!!」

唯「いやあああああ、止まり方がわかんないよおおおお」

そして、二人は闇の中に消えてき

――ドシン

闇の中から大きな音が響いた


唯「あいたたた、えっと……どうやらどこかの穴に落ちちゃったみたいだね……」

唯が頭をさすりながら、周りを見渡した

唯「あずにゃん、大丈夫?」

唯の上にかぶさっている梓に話しかける

梓「いっつ、なんとか……大丈夫みたいです」

起き上がりながら、梓も唯に返事をした


唯「…………」

梓「唯先輩?」

沈黙し、どこかを見続ける唯に梓は呼びかけた

唯「あずにゃん……あれ!あれ!」

唯が指差したほうを見てみると、そこには

梓「ピッピ……!!」

なにの石を持ちながら、奥のほうへ歩いていくピッピの列があった

唯「かわいいね~~、よーし、ちょっとついていってみよう」

静かにそういうと、いわばに隠れつつ、ゆっくりとピッピの後をつけていく


そして、少し拓けた場所にでた。

天井には大きな穴があり月の光りが洞窟内を照らしている

梓「これがピッピ達の儀式……」

月の光りの当たる中央に大きな岩を置き、それを囲むように踊るピッピたちがいた。

唯「きれい……」

梓「すごいです……」

二人が息を呑んだ


――カツカツカツ

神聖な場所に足音が響く

唯「なに……?」

梓「どうやら向こう側にも誰かきたようですね」

ヒソヒソと話していると、声が聞こえた

どうやら儀式場をはさんだ向こう側にいるものが発した声らしい

???「なんだってんだ……以前にここでミュウの目撃があったっていうからわざわざ足を運んでやったというのに、クソッ!ピッピしかいねぇじゃねぇか!!」

妙にイライラしている男の声。

――カツカツカツ

今度は離れていく足音がその場に残った。


唯「なんだったんだろう……」

梓「さぁ……?なにか探していたみたいですけど……」

「あっ、見てください!!唯先輩」

梓がなにかに気付き、ピッピたちを指差した

唯「あれは……」

そこにはピッピたちが光りに包まれていく光景があった

唯はその光りを見て思い出す。先日見た光りだ

唯「あれは……進化だよ!あずにゃん」

そう言い、見とれていると

ピッピたちが姿を変えた。

唯は図鑑を出す

No.36 ピクシー
ようせいの なかまで 
めったに ひとまえに でてこない。
けはいを かんじて すぐ にげてしまうようだ。

唯「あちゃー、私達がここにいるのばれちゃったかも知れないね」

次々とピッピから進化したピクシーは背中の翼に月の光りを集め、

キラキラと光りの粉を振りまきながら、天井へ浮かんで逃げていく


梓「とっても、すごかったです!!」

ピクシーたちが姿を消した後も梓と唯はまだその場に座り込んでいた
 
唯「本当に綺麗だったね。あずにゃん」

二人で感想を言い合い、立ち上がろうとしたとき

気付いた

梓「あれっ……まだ一匹のこっている……」

唯「ほんとだ。今まで中央の岩の陰に隠れて見えなかったから気付かなかったけど……どうしたんだろう」

そこには、石を持ったままのピッピの姿があった


梓「進化……できなかったんでしょうか……」

そう言った時、ピッピの体に異変がおきた

――ぐにゃり

唯「なにあれ……進化……じゃないよね?」

そのまま隠れて見続けていると、ピッピの姿が変化した

進化ではなく

それは

梓「変身……していた!?」


唯「でも、変身できるポケモンなんてメタモンしかしらないよ!あのポケモンはメタモンとはぜんぜん形もちがうし」

慌てて、図鑑を出し情報をみようとするが

唯「でない……!情報が……のってない!?」

???「ミュウウウウウ」

オロオロしているうちに、謎のポケモンは一度鳴き、天井の穴へと飛んでいってしまった

――4番道路

おつきみやまを出た時には、すでに満月は一番高いところへと登っていた

梓「ありがとうございました。唯先輩」

ツインテールを揺らしながらペコリと頭が下げられた

唯「へっ、わたしは何もしてないよ?」

梓「いえっ!唯先輩がいなければあの儀式上にたどりつくこともできませんでしたし、それに一人でおつきみやまに行こうなんて勇気もなかったんです。」

「だから、ありがとうございました」

唯「いやぁ、そういわれると照れますなぁ」

自分の後頭部をさすりながら、にやけながら言う


梓「それにしても……さっきのポケモンはなんだったんでしょうか」

唯「うーん、わかんないなぁ……」

頭をひねり、唯が答える

そして、でも、と繋げると

唯「つきの石が手に入ったのはラッキーだったかも♪」

唯の手には、謎のポケモンが持っていた石が握られていた

梓「もう、唯先輩ったら」




「VSピッピ」〆

――ハナダシティ・ポケモンセンター

唯「えぇー!あずにゃん帰っちゃうの!?」

梓「はい、元々そのつもりでしたし」

先日のおつきみやまから出てきたときには、

夜も更けていたので梓はポケモンセンターに泊まっていた

唯「えぇ~~、わたしの華々しいジム戦もみていきなよ~~」


言われた梓は少し困った顔をして

梓「いえ、そのみていきたいのは山々なんですが、

そろそろ出発しないと夜までにマサラまで帰れなくなるんで……」

唯「そっか~、残念だけど、それじゃ仕方ないね」

梓「はい……すいません」

唯「あ~、あずにゃんのせいじゃないから気にしないで。わたしのわがままだしね」

そういって笑った唯に、梓は顔を上げた

そして、ふぅむ、と唯がいうと

唯「じゃぁ、あずにゃん分をもう一度充電してっと」

そういうと、梓に抱きつき

唯「それじゃぁ、あずにゃんがんばってくるよっ!」

梓「はいっ、がんばってください!!」


唯から開放された梓はポケモンセンターの出口に向かう

唯「あっ、そうだ、あずにゃん」

踵を返した梓をもう一度呼び止めた

梓「もう、なんなんですかっ!」

唯「ごめんごめん~、えっとね、オーキド博士ってわかるかな?」

梓は質問の意味を捉えきれず首をかしげる

梓「えぇ、まぁはい。郊外に住んでる博士ですよね?それがなにか……」


唯「その博士に昨日のポケモンのことを伝えてほしいんだ。図鑑が認識しなかったことも」

言われ、梓は昨日のピッピに変身していた薄いピンクのポケモンを思い出す

梓「……はい、わかりました。それじゃぁ、もう行きますね」

そして再び入り口のほうへ向かっていき、扉の外へ消えた

唯「さてっと、午後からジムに挑戦だし、特訓でもしよっか」

モンスターボールに向かい呟いた


――ハナダジム

唯「水タイプのジムかぁ……ヒー太は今日はお休みかな……」

唯はジムの前に設置されている看板を見ていた

唯「よっし~!いくよ~!」

自分で自分に檄を入れ、ジムのドアに手をかけた

唯「たのも~~~!」

入ってまず目に入ったのは巨大なプールだった

ところどころには足場になりそうなものが浮かんでいるが、それを占めるほとんどがプールだった


???「あらっ、挑戦者?女の子とは珍しいわね」

声がしたほうに目をやる。

そこはプールの逆サイド

水着を身に着けた少し年上の女性がいた

唯「えっと、ジム戦がしたいんですけど……」

???「ジム戦?私がここのジムリーダーのカスミよ。あなた、名前は?」

唯「唯だよっ!」

カスミ「そう、唯ね。唯!本来は私と闘う前に他のトレーナーと戦ってもらうんだけど、今日は気分がいいからはじめから私が相手してあげる」


カスミとつげた女性がそうつげ

ボールを構え

カスミ「私のポリシーはね…みずタイプのポケモンで攻めて攻めて…攻めまくることよ!!」

「いって、ヒトデマン!!」

星型のモンスターがプールに浮かぶ足場に現れる

唯「そっか、ここはプールだもんね、それを活かした闘い方をしてくるよね。となると、ここは……」

呟き、ボールを構えた

唯「がんばって、リュー太!!」

ミニリュウ「リューーー!!」


カスミ「ドラゴンタイプ……か。相性はそんなによくないけど……負けないわ!!」

唯「それじゃぁ、速攻でいくよ~!リュー太、神速!!」

浮いた足場にいたミニリュウの姿が消える

カスミ「そんなに焦っちゃ駄目よ。ヒトデマン、かたくなる」

激突する

――ドンッ

しかし弾かれたのはミニリュウのほうだった


唯「むぅ、かたくなっちゃた……それなら」

「神速で近づいて、まきついて!!」

指示のとおりに、ミニリュウは動く

堅くなっているヒトデマンに近づき、己の長い体でからみついた

カスミ「かたくなって、動けなくなっているところに、まきつく、ね。悪くない判断だけど」

そう言い

カスミ「甘いわ、ヒトデマン、こうそくスピン!!」


星型の体が回りだす

どんどん速度を上げ、再びミニリュウを弾き飛ばした

唯「リュー太!」

弾き飛ばされたミニリュウがプールの中に落ちる

カスミ「ヒトデマン、追って!!こうそくスピンしながら体当たり」

ヒトデマンがミニリュウの後をスピンしながら追った。

1度、2度、3度……水の中でミニリュウをヒトデマンの鋭角が襲う

水中でスピンしているためか、ヒトデマンのいる位置は小さな渦が出来ていた


唯「(渦……?)」

そして

唯「そうだっ……!リュー太、竜巻!!」

その声は水中のミニリュウに届く。

唯の考えと共に

ミニリュウ「―――」

水中に異変が起こった

ミニリュウを中心に水が巻き上げられていく

当然水中にいたヒトデマンもろともに


カスミ「そんな……こんなこと……」

唯「よっし、そろそろいいよ~リュー太」

その合図と共に、ミニリュウの竜巻が止む

巻き上げられた水はもう一度プールに落ちる

そしてヒトデマンは――

カスミ「ヒトデマンっ!!」

プールサイドには、倒れているヒトデマンがいた

唯「へっへーん、まず一勝っ!!」


カスミ「よくやったわねヒトデマン……戻って休んでちょうだい」

モンスターボールに倒れていたヒトデマンを戻し

カスミ「唯、やるじゃない。面白い闘い方……まるであいつみたいね」

そういったカスミはなにか懐かしんでるような顔をした

カスミ「いいわ、これが私の最後のポケモン。そして私の本気」

構え、そしてボールを投げた

カスミ「お願い、スターミー!!」

青いボディ、中心には虹色に輝く宝石のようなものがある


唯「あれは……さっきのポケモンの面影があるけど、進化系かな?」

カスミ「スターミー、水の波動!!」

一息つく間もなく、カスミの指示が飛んだ

スターミーのつくる水の波動は、油断しきっていたミニリュウを襲う

唯「リュー太は水には強いからだいじょうb……リュー太?」

カスミの口端が少しつりあがり、ふふっと口にした

そして、ミニリュウは

ミニリュウ「リュウウウ!!」

指示のないまま、神速を使った。


その軌道はスターミーに向かうことなく、プールサイド側の壁にぶち当たった

ミニリュウ「リュー……」バタリッ

唯「リュー太!!どうしたの、急に!?」

カスミ「私が教えてあげる。水の波動は少しかわった技でね、
威力はそこまで高くないんだけど、ポケモンを混乱状態にさせてしまうの。
あなたのポケモンはその結果そうなったってわけ。さぁ、次のポケモンを出しなさい」

唯はプールサイドに走り、ミニリュウを労い

唯「……お疲れ様、リュー太!!よくやってくれたね」

傷ついたミニリュウをボールに収めた

そして新たなボールを出し


唯「それがカスミさんの切り札ってわけだね。でもね、私にもいるよ切り札が!」

「GOだよ!ビー太」

ボールが投げられ、ポケモンが姿を現す

が、そこにあったのはかつてビードルだったコクーンではなく

――スピアー

両手と尾に三本の図太い針を携えた蜂の姿があった

その両手は突撃槍のようにも見える


唯「今朝の特訓中に進化したばっかりだけど、この子は速いよ…!」

ボールから出たばかりのスピアーはすでにそこに姿はなかった

カスミ「駄目っ!!スターミー、水の中に逃げて!!」

スピアーはすでにスターミーに向けて速度を上げていた

唯「逃がさないよっ、ビー太っ!!おいうち!!」

後ろのプールに飛び込もうとしていたスターミーに高速の蜂が追いつき

――ガンッ

右に携えた針でスターミーのコアを叩いた


そのまま、スターミーはプールに落ちていく

唯「(やった……?)」

カスミ「まだ……まだ大丈夫よね、スターミー!!」

水中で一つの場所が赤く光った

それは合図

カスミに大丈夫と告げるスターミーのサインだった

カスミ「いいわよ、スターミー!!そのまま水底までもぐって!!」

その指示をだし唯のほうを見る


カスミ「唯、あなたのさっきの闘い方おもしろかったわ。でもね、今度は私の番」

そういうと

カスミ「スターミー、そこで思いっきり高速スピンよ!!」

水底のスターミーが急回転を始める

唯「これはっ!!」

プールの水を巻き込みながら再び一本の竜巻が再現された

カスミ「そう、唯。あなたがさっきやったことを見て思いついたのよ。どう、あなたに破れる?」


巻き上げられた渦巻は天井をうち、あたりに拡散する雨となる

そしてその雨は確実に飛んでいるスピアーを消耗させていく

唯「このままじゃ……ビー太が疲れて飛べなくなっちゃう……」

竜巻を眺めながら、呟き

そして唯は気付いた。2つのことに

唯「!!」

「ビー太!!上!上のほうに上げられた水の竜巻の壁はうすいよ!」

「そこをやぶって」


羽音をブンとならしたスピアーが急上昇する

そして両手の針を前に突き出し、竜巻の内側にはいった

カスミ「なっ……!」

そこは

唯「そう、中心は水も風も発生しない場所、ビー太そのまま急下降!そして――」

スピアーは渦の中心点へと向けて再び速度をあげる

唯「――ダブルニードルっ!!」

たどり着いたそこはスターミーのコア

そこに向かって、2撃うちこんだ

カスミ「スターミーッ!!」

竜巻と共に雨が止んだ

――ハナダジム

カスミ「はい、これがブルーバッチ。もっていきなさい」

唯「ありがとうございます」

カスミ「唯、あなたの機転悪くなかったわ。まるであいつのよう……」

唯「?」

カスミ「おっと、ごめんなさいね。2年、いやもう少し前だったかしら、あなたのように機転を活かして買って行った馬鹿がいるのよ」

「あぁ、またやっちゃった。ごめんね、ついあいつのことになるとグチっぽくなっちゃう」

「さぁ、唯次はクチバシティへ向かうといいわ。そこには3つ目のジムリーダーがあなたをまっている」

唯「はいっ、ありがとうございました」

カスミ「また、来たときはハナダを案内するわ。それじゃあね」




「VSスターミー」 〆

一つ聞かせてくれ

サカキ好きだろ?

>>307
その質問には あぁ と答えざるをえない

正直、これ書き直そうと思ってたんだけど

書いてるときに、トレインで俺のスピアーさんがフルアタスターミーにぬっころされたからこのままやった。

さすがにこれは少し反省すべきかもしれない


――24番道路(ゴールデンボールブリッジ)

唯「ヒー太!!火の粉!!」

むしとり少年「ああ、ビードルがぁ……」

………

唯「リュー太、神速だよっ!!」

ミニスカート「きゃああ、わたしのニドちゃんがっ……」

………

唯「行って、ビー太みだれづき!」

たんぱんこぞう「コラッタ、ひっさつまえばで応戦だ!!」

………

ミニスカート「あたしが4人目よ。そろそろつかれてきたんじゃない?」

唯「まだまだ、行けるよー!!」

………

ボーイスカウト「マンキー、空手チョップ!!」

唯「ヒー太、メタルクローで受け止めてから、りゅうのいかり!!」


唯「やったね、ヒー太!!これで5人抜きだよ」

橋の上での勝負を5度繰り返し、一息ついたところで

唯がヒトカゲに話しかける

ヒトカゲ「―――」ブルブル

唯「ヒー太?」

ヒトカゲが小刻みに震えだし、まばゆい光りがその体を包んだ


ヒトカゲが小刻みに震えだし、まばゆい光りがその体を包んだ

唯「これは………進化のときの!!」

そしてヒトカゲの姿が完全に変化した

???「リザーッ!!」

その姿は、ヒトカゲの頃より全体的に凶暴性をましたように見える

爪は鋭く今以上に長くなり、目つきも精悍だ

なによりしっぽの炎の勢いが増している


唯「うわぁ、ヒー太もさらにかっこよくなったね!!」

そういいながら、図鑑を取り出した。

No.5 リザード

もえる シッポを ふりまわすと 
まわりの おんどが どんどん 
あがって あいてを くるしめる。


唯「へぇ~、結構攻撃的な感じなんだね~」

「でも、ヒー太はヒー太だよねっ!!」

リザード「リザッ!!」

その言葉にリザードが強くうなずいた

唯「さぁ、ヒー太。もうすぐ目的地に着くよ~」


――みさきのこや前(25番道路)

唯「きたよおおおお、ヒー太!!ここが乙女の憧れの地だよっ!」

唯の手には、ポケモンセンターでもらったパンフレットのようなものが握られており、

唯「ほらぁ、ここにあのカスミさんも憧れているって書いてる」

【デートスポット】と書かれているパンフレットを指差しながらリザードの目の前に持っていく


唯「う~ん、こんなことなら昨日の午前のうちにあずにゃんとデートにでもくればよかったよぉ」

そうゴチルと、

「………まぁ、でもしょうがないか。今はヒー太が付き合ってくれてるしね」

言って、隣をあるくリザードに微笑みかけた。


――またやってもうたぁあああ

唐突に後ろのほうから叫び声が響いた

唯「……なに……?」

疑問におもいながら振り向いた先には

小屋の姿しかなかった

唯「……中にだれかいるのかな?」


小屋の扉に近づき、ドアノブに手をかけた

唯「!!」

そこにいたのは人の顔をしたコラッタがぶつぶつ人語を呟いてる姿だった

そしてコラッタが開いたドアのほうへ視線をやったとき

唯「………ヒー太、火の粉」

コラッタ「…!?まって、まったって~な。ワイは人間。攻撃ストップっ、ストップや」

疑念に思考が停止した唯の行動に、コラッタは必死に叫ぶ

攻撃命令をだされたリザードは困った顔で、しっぽをふりあげようとしていた


唯「……コラッタ……だよね?」

コラッタ「だから、人間やて言うとんねん。とりあえず、今にも攻撃しそうなリザードをとめてくれへんか?」

唯「……ヒー太、とりあえずストップ」

その制止命令に、コラッタが大きく息を吐いた

コラッタ「危ないところやった。けど、ねえさんええタイミングや」

「一つ頼みがあるんやけど、きいてくれへんやろか?」

コラッタが頭を下げる


唯「……うん、まぁ……私が出来る範囲なら」

そう伝えると、コラッタが、ほな、と言いながら後ろにおいてある装置に駆け寄った

コラッタ「それじゃねえさん、ワイがそこの装置に入ったら、机の上にあるスイッチをおしてくれへんか?」

言いながら、コラッタが背を向け大きな装置の中に入っていく

その様子を見届けた唯は、言われたとおりに机の上にあったスイッチを押した

――プシューーー

スイッチをおした瞬間、装置から白い煙が吹き出た

そして

???「いやぁ、ねえさん。ほんまたすかったわぁ。昔も同じことやってもうて、二度とやらんと思っとってんけど」


そういいながら、コラッタの入った装置から出てきたのは青年。

唯より明らかに年上だ

???「あぁ、まだ自己紹介がまだやったな。ワイの名前はマサキ。パソコンの通信システムを作ったのもワイや」

マサキと自己紹介した青年がこちらに名前を訪ねるが

唯「……コラッタが人間になっちゃった……」

質問など頭に入ってこず、呆然とする唯が呟いた

マサキ「こら、コラッタちゃう!元から人間や。わけあってコラッタとくっついてもうただけや!……それできみ、名前は?」


呆然としていたことに、はっ!として

唯「唯!私は唯だよ」

慌てて答えた

マサキ「そうか、唯か。ええ名前や。
……それにしても唯、ほんま助かったでえ。
あのままやったらまたコラッタとしてすごさなあかんところやった」

「なにかお礼を……っといってもなにもあらへんかったなぁ……」

どうするかなぁ とマサキが頭を掻くと

そのようすに唯が

唯「いやぁ、お礼なんて……」

と言うが、考え込むマサキにその言葉は届かない


そして、マサキは一つのことを思いつき

マサキ「そやっ、ワイのお気に入りのポケモンのデータみせたろ」

そういうと、マサキは自分のパソコンの前に座り、カタカタといじりはじめた

唯「?」

そのようすをはてな顔で見ていると

マサキ「これやっ!!」

そこには

No.133 イーブイ
???

No.134 シャワーズ
???

No.135 サンダース
???

No.136 ブースター
???

唯「うわぁ!!」

画面に映るポケモンに思わず驚嘆の声をあげる


唯「ねぇねぇ、マサキさん!このポケモンってどこに生息してるのっ!?」

目を輝かせながら、マサキに尋ねた

マサキ「せやなぁ……イーブイは生息数が少なくてなぁ……もう少し前やったらなんとかなったかもしれんかってんけど」

唯「そうなんだぁ……」

輝きに満ちていた顔が、一瞬でシュンとする


唯「……ねぇ、マサキさん、せめてこのポケモンのデータポケモン図鑑に写せないかなぁ?」

せめてデータだけでも、と言葉を紡いだとき

マサキ「なんやっ、ポケモン図鑑もっとんのかいなぁ!もしかして、唯はマサラの出かぁ?」

唯「?……そうだよ~」

マサキ「なんや、それやったら今マサラに行ってみたらええことあるかもやで!」

そういいながらマサキは唯のほうへ振り向き声を張り上げた

そして

マサキ「実はな……タマムシ大学でこのイーブイってのが研究されとってんけど、一向に職員にも懐かんから研究もできないってことでワイがひきとってんや。でもな、そのイーブイがワイにも全然懐かんくて、最近オーキド博士のところに預けたんや」

「野生に逃がすにしても、マサラは一番適してるところやしな」


唯「……ねぇ、マサキさん、せめてこのポケモンのデータポケモン図鑑に写せないかなぁ?」

せめてデータだけでも、と言葉を紡いだとき

マサキ「なんやっ、ポケモン図鑑もっとんのかいなぁ!もしかして、唯はマサラの出かぁ?」

唯「?……そうだよ~」

マサキ「なんや、それやったら今マサラに行ってみたらええことあるかもやで!」

そういいながらマサキは唯のほうへ振りむき

そして

マサキ「実はな……タマムシ大学でこのイーブイってのが研究されとってんけど、一向に職員にも懐かんから研究もできないってことでワイがひきとってんや。でもな、そのイーブイがワイにも懐かんくて、最近オーキド博士のところに預けたんや」

「野生に逃がすにしても、マサラは一番適してるところやしな」


マサキはだから、と息を継ぎ

マサキ「今から、マサラにいったらイーブイに会えるかもしれへんで。懐きさえすれば、イーブイを仲間にできる可能性もあるっちゅうわけや」

唯「………」

黙って話しを聞いていた唯の顔に再びぱぁっと華が咲く

唯「よ~っし、いざマサラへっ!!」

おっー!!と張り切る唯にマサキは続けた


マサキ「こっから、マサラに行くんならクチバからディグダの穴を抜けていくのが一番はやいやろうなぁ」

「よしっ、とりあえず図鑑にデータは入れといたろ。ほら、図鑑だしや」

手を差し出したマサキに、図鑑を渡すため唯はカバンを探る。



唯「あれっ………」

ガサゴソとポケットにも手を突っ込んでみる

唯の額にたらりといやな汗が流れる

唯「…………図鑑どこかにおとしちゃった」テヘッ




「VSリザード」〆


――25ばんどうろ

キョロキョロとしながら、唯は走っていた

少女の後ろについたリザードもおちつきなくあたりを見渡しながら、後を追う

唯「あああ、どうしよおおお、あるとしたら25番道路か24番道路だと思うんだけど~」

情けない声を発しながらつい5分前のことを思い出す

………

……


――みさきのこや(5分前)

マサキ「ポケモン図鑑落としたやて!?」

小さな小屋がマサキの声で満たされた

唯「うわああ、どうしよう……どこに落としたんだろう……」

マサキ「それはまずいでえ、あれは相当な貴重なものやし、使いようによっては悪用だってできてしまう。
もし悪人に拾われたら……」

唯「マサキさん、どうしよう~~~!」

マサキ「とりあえず、落ち着くんや。そんで最後に使った場所をおもいだしてみぃ」


あたふたとしていた唯が、えっと、と考え込み

唯「ここに来るとき24番道路でヒー太が進化したときにはあったから……」

マサキ「なんやっ、24番道路の時点であったんなら、可能性があるんは、24番道路と25番道路だけや!」

「今から急いで探しながら、戻ってみぃ」

唯「うんっ!そうするよ。マサキさんいろいろありがとうね~!!」

言って、ドアの外へと走り出す。

その背中にマサキは

マサキ「お~、気をつけていきやー」


――24番道路(ゴールデンボールブリッジ)

風のように25番道路をかけぬけてきた少女が急に足を止めた

唯だ

唯は肩で息をしながら、地面にかがみこみ

それを拾い上げる

唯「あったああああ!!、よかったよぉ~」

地面から拾ったものはポケモン図鑑。


唯「本当によかったよぉ~!ヒー太が進化したときに、落としちゃってたんだ……」

ほっと、一息ついた唯の袖を傍らにいたリザードは引っ張った

なにかを伝えようとしている

唯「なに、ヒー太?なにかあったの?」

問いかけながら、リザードの視線を追う

その先

水辺を挟んだ草むらに人がいる


???「フーディン!!みらいよち」

髪の長い綺麗な黒髪の女性がいた。

唯「(なにかとたたかっている?)」

目を凝らし草むらをじっと見る

すると

???「ゴルバット、つばさでうて」

今度は男の声が飛び出た


唯「(この声は……どこかで……)」

思い出そうとしていると

草むらから口の大きく開いたコウモリのモンスターが飛び出した

そして黒髪の女性の目の前にいたモンスターに突撃をかける

黒髪の女性「フーディン!サイケコウセンでうちおとせ!」

少女の前で両手にスプーンを構えているポケモンから、攻撃がはなたれる

しかし

???「遅いっ!ゴルバットかわせ!」


空を自在に飛び回るゴルバットと呼ばれたポケモンは、体をすこしずらしただけでよけてしまう

そして、つばさをかまえフーディンに突撃をかけたところで

さらに軌道を変えた

その狙いは

黒髪の女性「――っ!!」

大きくひろげられた羽が指示を出していた女性のおなかにつっこんだ

唯「なっ!!」

傍で見ていた唯が、驚きの声をあげる

そして

唯「大変!!ヒー太。りゅうのいかりであのコウモリを狙って」


リザードの口から生まれた炎弾がゴルバットめがけて飛んでいく

その攻撃はコウモリのつばさをかすめ

???「――!!だれだっ!こいつの仲間か!?」

男が叫ぶ

???「ゴルバット!ひくぞ」

男の声がもう一度響くと、ゴルバットがもう一度草むらの中にもぐりこんだ

そして

コウモリの両足に捕まった男が草むらから空へと飛び出した


黒服にRと書かれた服を纏っているその男と目があう

男は唯を一睨みすると

???「今の攻撃はお前か………ふん、まぁいい目的のものは手に入った。飛べゴルバット」

どんどん高度を上昇させていく

黒髪の女性「―――」

なにか小声で呟き、そのことでフーディンが動きを見せる。

そして

黒髪の女性「」バタリッ

その場に倒れてしまった

唯「ヒー太っ、行くよ!!」

はっ、とした唯がリザードを連れ、川を大回りしながら草むらにダッシュした


――ハナダシティ(ポケモンセンター)

黒髪の女性「……んっ……ここは……」

寝かせられていた女性が目を覚ます

唯「あっ、よかった。目が覚めたんだ~」

そういって唯は上から覗き込んだ

黒髪の女性「えっ?」

まず顔が目の前にある状況に疑問がでた


そして意識がはっきりとしていくと共に

自分の今の状況が理解できていく

後頭部にやわらかい感触、そしてそれはあたたかく

黒髪の女性「……ひざまくら……?」

確認をこめた疑問の言葉を発しながら、ガバッと起き上がる

唯「うん、そうだよ。それにしても目覚めてくれてよかったよぉ~。もう少しで私の足も限界を迎えるところだったよー」

ニコニコしながら言う唯とその側にひかえているリザード、自分のモンスターであるフーディンを見て
女性は一息ついた


黒髪女性「……あのときの攻撃はあなたね。」

女性はあっ、といい

「自己紹介がまだだったわね、私の名前はナツメよ。あのときはありがとう助かったわ」

ナツメと名乗った女性が頭を下げた

唯「私は唯だよ。……ところでナツメさんはあんなところで何をしていたの?飛んでいったあのトレーナーは?」

聞きたいことはいくつもあるが、まず出てきた疑問はこの二つだった。

ナツメは少し困った顔をした。


その様子は話すか話すまいか決めかねているようだった

ナツメ「……そうね、あなたもアイツに姿を見られたんじゃ、無関係ではいられない……わね」

「いいわ、話しましょう。私が予知した未来ともに」

そういうと

ナツメ「唯、あなたは超能力って信じるかしら?」

唯「……?……昔テレビで見たことがあるよ。スプーンを曲げたり、物を浮かせたりする力でしょ?う~ん、あればいいなとは思うし、信じたいとも思うよっ」

目を輝かせて話す唯に

ナツメ「ふふっ、唯。あなたは変わってるわね」

ナツメの表情が柔らかくなった


ナツメ「私はね、その超能力が使えるのよ」

唯「えぇ~~、ナツメさんがっ!!」

素直に驚く唯にナツメはスプーンを出してみせる

そして

唯の目の前に浮かせ、曲げた

唯「わぁお、すごい!すごいね、ナツメさん!!」

キラキラとした目をみて、ナツメはもう一度ふふっ、笑い

ナツメ「やっぱりあなたは変わってるわね」

唯「えぇ~、そんなに変わってないと思うんだけど……」


ナツメ「あら、少し話が逸れてしまったわね」

唯「あっ、そうだった。それでさっきの続きは……」

ナツメ「私は見てのとおり、超能力が使えるの。それこそ遠くのものを動かしたり、箱や壁にかこまれた中を透視したり」

「そして、予知能力……とかね」

意味深に告げた言葉に唯が息を呑む

ナツメ「そう、その予知能力で、とあることを予知したの。唯、あなたロケット団は知っている?」

唯「えっと……たしかポケモンを犯罪に使ったり、実験を行っている組織だよね。
……でも、たしか何年か前に解散したって……」


ナツメ「そう、ヤツらは2年前私の住んでいる町、ヤマブキシティを襲い、大会社シルフカンパニーを占領した」

「だけど、一人の少年によって、街は開放されロケット団もボスがいなくなり壊滅した。ということになっていたの」

唯「なって……いた?」

ナツメ「えぇ。だけど、最近になりところどころでその残党が目撃されているの。……ジョウトのほうでも、どうやら目撃されているみたいだけど……」

そして、とナツメは繋ぐと

ナツメ「私はその噂が耳に入ってきたときに2つの夢を見た。その夢の一つはミュウと呼ばれるポケモンを捕えようとしていること。もう一つはあるものを手に入れようとしてハナダの洞窟に入っていく夢だった」


そこで唯は ミュウ……と口にすると

一つのこと思い出す

唯「あぁ!!さっきの人の声、おつきみやまで聞いた声だ!そのときもミュウって言ってた」

おつきみやまでのピッピの儀式、その時聞こえた声を思い出していた

ナツメ「……やっぱり、やつらはミュウを狙っているのね」

唯「でも、そのミュウってポケモンでなにをしようとしているの?」

ナツメ「やつらはね……人工的にポケモンを作ろうとしているの」

唯「人工的に……つくりだす……?そんなことができるの?」


首をかしげる唯にナツメは

ナツメ「……数年前にミュウの遺伝子からとあるポケモンが作り出されたことがあるの」

ポツポツと語るナツメの口調は重い

ナツメ「作り出されたポケモンは、最強と呼ぶにふさわしい力をもっていた」

だけど

ナツメ「そのポケモンは決して人に懐くことはなく、
暴れ回り、そしてハナダの洞窟の最奥に生息するようになったの」

唯「そんな……じゃぁ、さっきのたたかっていたあの場所の近くは……」


ナツメ「そうよ、今もそのポケモンが生息しているわ」

そして

ナツメ「やつらは、ボスのいない今、力を求めたんでしょうね。でも、あのポケモンは決して人には懐かず捕まえることはできない」

「だから、やつらは新たに、ミュウを捕獲し、今度は自分達に忠実なモンスターを作ろうとした」

そこで唯に疑問が生じる

唯「あれっ、でも捕まえられないなら、なんであの場所に……」

ナツメ「やつらの目的はそのモンスターじゃないのよ……」


そう、と告ぎ

ナツメ「やつらがほしかったものは、破壊の遺伝子」

「その最強のポケモンの遺伝子よ」

「やつらはその遺伝子をも、組み込んでポケモンを作るきなのでしょうね」

ナツメ、唯、ともに深刻な顔になり場が静まる

その沈黙を先に破ったのは唯だった

唯「……あの人、逃げる前に目的のものは手に入った って言ってた。それってつまり……」

ナツメ「ええ、やつは手に入れていたわ」


唯「そんな、じゃぁ、そのポケモンを作る計画っていうのが、進んじゃうんじゃ……」

ナツメ「いいえ、まだ大丈夫だわ。やつらはあの様子じゃまだミュウを手に入れていない」

それにね、とナツメは続け

ナツメ「これ」

そういってナツメが唯の目の前にちらつかせたのは小さな小瓶のような容器だった



「VSゴルバット」〆

とりあえず、投下した直後に2つ気付いた
ポリゴンさんごめんなさい。そういえばあなたも人工的に……ゲフンゲフン
あと、ゲームじゃ、ミュウツーってミュウから生まれたんだったな……

お前らいくらあずにゃんTシャツがほしいからって、午後ティーの飲みすぎには気をつけろよっ!!
絶対だぞ、絶対に飲みすぎるなよっ!!
おなか壊すぞ。ソースは俺


――どこかの空

ゴルバットの足に捕まり飛ぶ男がいる

???「くっ……あの女、やってくれたな……」

男の手には折れ曲がったスプーンが一本

――ランス、いっぱい食わされたようだな

男の腕につけられたポケギアとよばれるものから声が響く

ランス「あの女、覚えていろよ……そしてもう一人の女も……」

ランスの悪意は唯にも向けられようとしていた。


――5番道路

ナツメ「私は一度ヤマブキシティに戻るから、ここでお別れよ」

「あなたはクチバを目指すのだから、地下通路だったわね」

ハナダの南部にあるヤマブキゲートの前でナツメはそう言った

唯「うん、ナツメさんも気をつけてね!」

ナツメに背を向け、さよならを告げる

ナツメ「えぇ……唯あなたも気をつけてね」


そういったナツメは唯の背中を眺め、フーディンに手をつき

ナツメ「あなたとはまた会えるわ。ごきげんよう、唯」

フッと消える

唯がもう一度振り返ったときにはナツメの姿は消えていた

唯「いっちゃった……。よーし、わたしも頑張るぞーー」

手の中に握られた小さな容器を一度見つめ、それごと腕を振り上げた


さかのぼること一時間前

………

……

ハナダのポケモンセンターで、唯はナツメに尋ねた

唯「その入れ物は?」

唯の目の前に出された容器について尋ねる

ナツメ「これが、破壊の遺伝子よ」

その言葉に、唯はへっ?とまぬけな顔をした


そして

唯「ええっ~~~~!!あれ、でもさっきの男の人が持って行ったって……えっあれ?」

困惑している唯を傍目にナツメは楽しそうに笑う

ナツメ「あらっ、手に入れていた とは言ったけど、持って行ったとは言っていないわ」

唯「えっ、でもどうしてナツメさんがそれを」

ナツメ「この子と、そうね、あなたのおかげといってもいいかしら」

そういいながらナツメはそっとフーディンを撫でた

唯「?」


ナツメ「簡単な”トリック”よ。……そうトリックなの」

いまいち言っている意味を理解していない唯にナツメはフーディンに手を置き、言葉を続ける

ナツメ「この子はね、トリックって言う相手と自分の持っているものを取り替えられるの」

「つまり、ヤツが飛んでいったときにヤツの持っていた破壊の遺伝子とこのフーディンの持ち物と取り替えたってこと」

唯は思い出す。ナツメが倒れる前なにかを呟いていたことを

唯「あっ!あの時だね!」

でも

唯「ナツメさんはこれからどうするの?もしあの人にすり替えたことがばれたら……」


ナツメ「簡単な”トリック”よ。……そうトリックなの」

いまいち言っている意味を理解していない唯にナツメはフーディンに手を置き、言葉を続ける

ナツメ「この子はね、トリックって言う相手と自分の持っているものを取り替えられる技が使えるの」

「つまり、ヤツが飛んでいったときにヤツの持っていた破壊の遺伝子とこのフーディンの持ち物と取り替えたってこと」

唯は思い出す。ナツメが倒れる前なにかを呟いていたことを

唯「あっ!あの時だね!」

でも

唯「ナツメさんはこれからどうするの?もしあの人にすり替えたことがばれたら……」


ナツメ「そうね、私もヤマブキで今までのように ってわけにはいかないかもね」

「そこそこ名前も知れてしまっているし」

後半は小声で言ったので唯の耳には届かなかった

すると唯が

それなら と言い

唯「わたし一緒に行こうよ!これでもわたしバッチ2つも持ってるんだよっ」

エッヘンといいながら胸を張る

ナツメ「あらっ、唯はジムを巡っているの……ね」


ナツメは意外そうな顔をして、唯を見た

唯「あ~っ、今意外そうな顔をしたね~」

ごめんなさいとナツメは笑いながら言い、

ナツメ「そういうことなら、唯に守ってもらうっていうのもいいかもしれないわ」

そして、でも、と継ぐと

ナツメ「それならこっちを守ってもらおうかしら」

差し出したのは、さきほどの液体の満たされた容器に入った破壊の遺伝子だった


ナツメ「おそらく、私はこれから狙われ続ける……だから、これを唯に守ってもらいたいの」

そういって、ナツメは唯の反応をまつ

そして唯は

唯「……私にできるかな……?」

ナツメ「ええ、唯。私はあなたに託したいとおもったから頼んでいるの」

そして唯はナツメの手に己の手を伸ばし

唯「うん、わたしがきっちりこれを守るよ」


……

………

時は戻りヤマブキシティ

さきほど唯と別れたナツメはヤマブキシティの民家の中にいた

ナツメ「ごめんね、唯。危険なものを預けてしまって……。
でも、私はあまりにも皆に顔が知られてしまっている……」

そう呟いたナツメは、机の前まで歩いていき

ハサミを手に取った

そして自分の長い後ろ髪にあて、

ナツメ「こうすれば――」

バッサリと切った

ナツメ「多少はマシにもなるでしょう……。短くすると毛先がはねてしまうけど、しかたないわね」

そうしてナツメは祈る

ナツメ「唯、どうか無事で」


――クチバシティ(ジム前)

唯「さぁ、クズクズとしているというわけにもいかなくなったし、ジム戦も済ませてしまおう!」

オー と一人でいいながら、目の前の大きな施設を見る

唯はポケモンセンターでポケモンたちを回復させ、クチバジムの前

ここが電気タイプのジムということは、先ほどのポケモンセンターのジョーイさんから聞いていた

ジムの前に掲げられた看板を声にだしてよむ

唯「いなずま……あめりかん?」


唯「たのも~~~~!!」

いつもと同じようにジムに入る

そこには

???「オー……用心深い ミー としたことが…… 
なんて タイミング での挑戦者ネ!!」

ジム内を見渡してみれば、そこには大量のゴミ箱

そして、そのゴミ箱を漁るアメリカ人がいた


???「システムの調整中のタイミング に来るとは、ユーはラッキーガールネ」

「カモーン!! コート は こっちネ」

サングラスをかけたガタイのいいアメリカ人は唯を奥に招き入れた

唯「………」

唯はしゃべらない

なぜなら

唯「あわわわ、外人さんだよぉ~……英語…英語……」

???「ヘイ、ガール。早くコッチに来るといいネ!」


案内されたのは地面が土で固められたバトルフィールドだった

???「バトルのルールは ワン オン ワン いいネ?」

唯がコクリッとうなずくと

「オー……自己紹介がまだでしたネ、ミーの名はマチス。元アメリカの空軍少佐ネ」

名乗るマチスはサングラスをとりながら言う

マチス「ヘイ、リトルガール! ミー は センソウちゅう エレクトリック ポケモン を つかって 生き延びたネ!」

「ミンナ ビリビリ うごけない。 ユー の ポケモンも 同じ道を たどる。 ちがいない」

「さぁ、ゴー ネ! ライチュウ!!」

ライチュウ「ライライッ!!」


繰り出されるのは1mくらいのネズミのモンスター

オレンジ色の体毛と、長いしっぽが特徴的だ

唯「わぁ!!ライチュウってことは、トキワの森で見たピカチュウの進化系かな~」

「抱きつきたいよ~~」

フカフカしていそうなモンスターを見、いつもの唯のクセがでそうになる

唯「おっと、ジム戦を忘れるところだったよ……」

「今回も勝つよー!!行ってリュー太」ボンッ

ミニリュウ「リューー!」

ミニリュウをフィールドにだし、図鑑でライチュウの情報をチェックする

No.026 ライチュウ
からだに でんきが たまってくると 
こうげきてきな せいかくにかわる。
くらいところで ひかってみえる。


マチス「準備は イイみたいネ!なら、さっそくゴー ネ。 ライチュウ、でんこうせっか!!」

長い耳でその言葉を捕らえたライチュウは走り出す

そのスピードは体格に左右されず、速い

唯「リュー太、こっちも神速で対抗して!」

地を這う竜が、風を気って突撃した

両者ぶつかり合う

マチス「オー!ユー も なかなか の パワー ネ!」

そういったマチスにはどこか余裕がある

マチス「でも、ビリビリには 気をつけるネ!」


激突の反動とともに後ろに下がる2匹

だが、ミニリュウの様子がおかしかった

マチス「これは ラッキー だヨ!さっそく マヒ状態ネ。この勝負はミーが手にするネ」

唯「……」

痺れ、動かないミニリュウにライチュウの攻撃が襲い掛かる

マチス「ライチュウ、10万ボルトでさらに ビリビリ させてあげるネ!」

黄色い電気袋から、バチバチと音が鳴る

そして、尾を地面につけ

ライチュウ「ラーーイチュウウ!!!」バリバリ

放った。


その圧倒的な電撃がうごけないミニリュウを襲う

マチス「ドラゴン が 電気に 強いって言っても、さすがにこれは 大ダメージネ!!」

「さぁ、ライチュウこれで終わりにするネ」

マチスが指を鳴らすと、ライチュウの筋肉がふくれあがる

マチス「気合パンチ ネ!!」

出された命令に、ライチュウはミニリュウに近づき、パンチの構えを取る



その時、いままで黙っていた唯が呟いた

――……来たね


呟きの後に続くのはのは、叫び

唯「いまだよっ、リュー太!!りゅうのいかり」

下された指示にミニリュウは動き出す。

さきほどのしびれなどなかったかのように。

そして、パンチの構えをしているライチュウのおなかに青い衝撃波をぶち込んだ

隙だらけだったライチュウが吹き飛ばされ

マチス「ノー!! ユーのポケモンはさっきまでビリビリだったのネ! ワーイ!?」

唯「だっぴだよっ!前にピカチュウと戦ったときもビリビリしびれちゃったもんね、リュー太。今まで黙っていたの

もリュー太をだっぴに集中させたかったから」

マチス「ブラボー!! 今まで ユー を 少し 甘く 見ていたネ」

ライチュウはすでに起き上がっていつでも攻撃に移せるようにマチスの指示を待つ

ミニリュウもまだ勝つ気満々といった様子で唯の指示をまつ


そして一斉に指示が飛ぶ

唯・マチス「こうそくいどう!!」

まったく同じタイミングで同じ命令が下された

ライチュウは地を駆けるようにスピードにのり

ミニリュウは地を這うようにスピードにのる

2匹の姿がぶれる。

ゆらりっ と消えたかと思うと、シュンッ と消える

唯「神速!!」 マチス「でんこうせっか!!」

最初の激突が何倍ものスピードを得て再び繰り返されようとしていた

高速の世界で2匹はぶつかり合う。

――ドンッ

まずは音が響いた。そしてそこに残された結果は

マチス「オー ノー!!シット!!」

そこにはライチュウが目を回し、伸びていた

唯「やった……やったっ!勝ったよ、リュー太~!!」

決着のついたフィールドに、唯はかけよりミニリュウに抱きついた

ミニリュウ「リューー!」


――クチバジム

マチス「ユー の 強さ は トゥルース! つまり 本物 ネー!」

そういって、豪快に笑うマチスに唯は

唯「お~、さんきゅー、さんきゅー」

困り気味に、知っている基本的な単語を並べる

マチス「オッケー オレンジバッチ やるヨ!」

オレンジバッチをマチスから受け取り

唯「やった、これで3つめのバッチゲットネ!!」

「……あれ?口癖うつちゃったっ!?」


「VSライチュウ」〆


――1番道路

前日クチバのジムでバッチを手に入れた唯は

すでに、ディグダの穴を抜けマサラタウン目前にまで戻ってきていた。

半日前にクチバを出発してからずっと歩きっぱなしだが

唯の気分は上々で、ディグダの穴でついた頬の泥すらも気にならないようだ


そして

唯「わぁ!!見て、久々の帰還だよぉ~リュー太!!」

クチバからずっと出しっぱなしのミニリュウに首をむける

ミニリュウ「リュー♪」

ミニリュウの機嫌も上々だ

すでにマサラタウンが1人と1匹の目に捉えられていた


――マサラタウン

見慣れた道、懐かしい町を歩きながら唯は唸る

唯「う~ん、まずどうしよっか?先に憂のところに顔を出すべきか、
それとも先にオーキド博士の所へ行って、用事を済ませてから家でゆっくりするべきか……」

迷う唯にミニリュウが、リューー、と一度鳴く

唯「うん、そうだね。それじゃぁ、まずオーキド博士のところへ行きますかっ!」


――オーキド研究所

唯「おーい、博士~」

ドアノブに手をかけ、引きながら言う

中には白衣を纏う初老の男

オーキド博士だ

オーキド「おぉ!!唯じゃないか。どうじゃ、旅の調子は?」


尋ねるオーキドに唯が胸を張った

唯「じゃっじゃーん!すでにバッチも3つ手に入れて絶好調だよっ!」

オーキド「ほほぅ、そうかそうか」

孫を見るような暖かい目で微笑むオーキドに、唯は言葉を続けた

唯「それで今日は博士に2つほど用があって来たんだ」

「博士、ミュウってポケモン分かる?」

オーキド「!!」


オーキド「!!」

驚いた顔をすると、続けて

オーキド「そうじゃ、そのことでワシも話があったんじゃ」

と言った。

唯「……話?」

オーキド「そうじゃ。お月見山の件は、あのツインテールの娘、梓君といったかな?あの娘から聞いておる」

そして

「率直に言うと、君がお月見山でみたピッピに変身したモンスター、それはおそらくミュウじゃ」

唯「……あれが……ミュウ!…………そうなんだ」


そして、急に唯の顔が変わる

唯「――繋がったよ……」

なにかを確信した表情をし

唯「……あのとき、わたしとあずにゃんは岩陰で聞いた……あの人はミュウの目撃があったから足を運んだって……」

お月見山のこと思い出す

唯「やっぱり、あの場所にいたんだ……」

オーキド「なんじゃ?なにがあったんじゃ、唯。話してくれんかの?」

唯「博士はロケット団って知ってるよね」

少し暗い顔をしながら、今までに知った話をし始めた


――30分後

オーキド「つまり……ロケット団が再び復活しようとしているのじゃな」

説明されたオーキドは確認の意味をその言葉をつくった

唯「うん……それでナツメさんにこれ託されちゃった……」

そうしてオーキドに破壊の遺伝子を見せる

オーキド「そうか、これから君もナツメ君も大変じゃろうが、そいつを守らねばならんぞ、唯」

唯「うんっ!」

強くうなずいた


唯「あれっ?ところで博士はナツメさんを知っているの?」

今度は首をかしげた

オーキド「そりゃそうじゃ。なんたって彼女は――」

――バタン

その時、研究所の扉が開いた

そして

「博士ー!やっぱりどこにもいなかったみたいだ」

振り向いてみるとそこには

唯「りっちゃんっ!?」

律「唯っ!?」

互いに驚きの声を上げた


そして久しぶり会ったに律の腕には、一匹のポケモンが

唯「ああああああ!!博士、もう一つの用事、用事!あ、あの子!!」

律に抱えられていたイーブイを指さし唯が落ち着きなく言う

オーキド「なんじゃ?落ち着いて話をするんじゃ」

唯「あ、あの子、マサキさんから預けられたポケモンだよねっ?ね?」

「マサキさんにここへくればゲットできるかもって!」

律「なんだ唯、イーブイをゲットしにきたのか。でも残念だったな、すでにこのイーブイはこのりっちゃん隊長のポケモンなのだっ!」

そういって抱いているイーブイを頬ずりした


唯「えぇーー!りっちゃんずるいよぅ~~!」

律「へっへーん、いいだろうー。と言いたい所だけど、唯、安心しろ」

――「律ー、待ってよー」

もう一つ聞きなれた声が研究所にはいってきた

澪「あれ、唯っ!?」

唯「澪ちゃん!」

澪の呼びかけにこたえ、澪のほうへ振り返ってみると

そこには彼女の豊満な胸の前に抱えられているイーブイの姿がある

とある休日の公園に池沼の奇声が響きわたる―
唯「だめー!これゆいのー!(`p´)」
その声と共に、唯は砂場で遊んでいた幼稚園児らしき男の子からスコップを奪いとる!
男の子「かえしてよ~!」
男の子は半べそをかきながら自分のスコップを唯から取り返そうとするも、池沼の女とはいえ18歳のデブった唯に力で敵うはずもなく、唯が無造作に出した腕に突き飛ばされ、砂場に倒れ泣いてしまう。

男の子「え~ん!え~ん!返してよぉ~!」ヒックヒック
唯「むぅー! ゆいのいうこときかないこはおしおきでつ!!(`p´)」
泣きながらも必死に自分の足にしがみつく男の子が気にくわなかったのか、唯はあろうことか泣いている男の子を両手で叩きだしたのだ!
実はそれは唯がいつも妹の憂にお仕置きとしてされているビンタのまねなのだが、そこは重度の池沼、憂のように的確なビンタなどできるはずもなく、見様見真似で腕を無茶苦茶に振りまわすだけである。
しかし、幼稚園児にとってはそんな池沼攻撃でもシャレにならない。

唯「あう~♪ おすなばおすなば~♪キャッキャッ(^q^)」
泣いている男の子にはもう構わず、唯は奪ったスコップで意気揚々とお砂場遊びを始めた。

実は池沼唯がこのような事件を起こすことは、決して珍しいことではない。
池沼である唯は、しょっちゅう周囲に迷惑をかけ、そのたび憂にお仕置きされているのだが、池沼なりにそのことにストレスを感じているのか、自分に気に入らないことがあると「悪い子だからお仕置きする!」という思考になっているのだ。
もちろん憂のお仕置きは躾のためであり、やりすぎがあるとはいえ根本的には愛情があるのだが、
唯は「自分の思いどおりにならない=悪い子=お仕置き」という、なんとも自分勝手な図式ができ上がってしまっている。

しかし当然唯が気にくわないことがあっても、憂や大人が相手では返り討ちにあってしまうため、必然的に唯のターゲットは自分よりも弱い者、すなわち小さな子どもになってしまうのだ。
ある子どもはアイスを奪われ、ある子どもはおもちゃを壊され…今日も多くの子どもたちが、池沼唯の犠牲になっているのである。

しかしそんな池沼に天罰をくだすべく、5人の勇者が立ち上がったのである!


唯「あっ!!澪ちゃんもずるいよーー!」

唯「って……?あれっ?」

いいながら律と澪を交互にみる

いや、性格には律に抱えられたイーブイと澪に抱えられたイーブイだ

唯「……イーブイが2匹?」

唯の疑問に抱えられたイーブイたちが鳴く

イーブイ「ブイッ♪」

少年A「ほんとにあの池沼にやられたんだな!?」
男の子「うん…」ヒックヒック
少年C「くそ~あの池沼豚め! ゆるせん!」
唯にスコップを取られた園児が、泣きながら小学校の高学年であろう少年たちに今日起こった出来事を話している。どうやら少年たちの一人が園児の兄のようだ。

少年A「弟を泣かせやがって…!! 絶対痛い目に合わせてやる!」
その少年の目は子どもながら、大事な弟を泣かされたことによる怒りと正義感に燃えている。少年たちも散々遊びの邪魔をされた経験があるため、池沼唯には並々ならぬ恨みがるのだ。

少年E「でもよ~あのデブどうやってやっつけるんだ?」
少年B「任せとけ、いい考えがあるんだ。この公園の砂場にだな…」
ヒソヒソ
少年D「スゲェ~じゃんB! 明日はおもしろいことになるぞ~」
少年A「よーし! 見てろよクソ池沼」

次の日―
唯「あう~あう~♪ ゆいはおさんぽ~(^q^)」キャッキャッ

池沼唯はみっともなくヨダレを垂らしながら、池沼独特の珍妙な歌(?)を口ずさみながらご機嫌な様子で道を歩いていた。
ヨダレでべとべとになったTシャツには、「チャンピオン☆」と書かれている。
子どもたちをいじめて王者にでもなったつもりであろうか?
行き先はもちろんいつもの公園である。
公園で遊ぶのが好きというより、自分が好き放題にふるまえる公園という場所が大好きなのである。

公園に入り、お気に入りの砂場に目を向けると、そこには5人の少年たちがいた。
いつもと違った面子にも、池沼である唯は何も疑問に感じず、すぐに遊びに行こうとする。

唯「あ~う~! ゆいも~!(^q^)」ドダダダダッッ
池沼さん、太った体を揺らして砂場に向かって猛ダッシュする!

唯「ゆいもおすなば! するでつ(^q^)」
少年B「いいよ唯ちゃん。一緒に遊ぼうよ」ニヤニヤ

少年たちが自分を笑顔で迎え入れてくれたことに、池沼さんおおはしゃぎ!
興奮して息を荒くしながら、鼻を大きくふくらまして奇声をあげる。

唯「あうー♪ あうー♪ んひっんひっ(^q^)」


――オーキド研究所

唯「えぇー!?イーブイ3兄弟!?」

律「兄2匹と妹1匹だから、正確には3兄妹だけどな」

横から、律が補足のように言う

オーキド「そうじゃ。もともとこのイーブイ達は進化の研究のために、
丁度良いと言う理由でタマムシ大学にいたんじゃが、
一向に懐きもせず協力もしてくれないということで、マサキ君を通してワシの元にきたのじゃ……が」

「ワシのところに来たときに、3匹とも逃げ出してしもうたんじゃ」

少年E「うわ、なんか喜んでるぞw」ヒソヒソ
少年C「普段邪魔者あつかいされてるからな、嬉しいんだろ。
    それにしても近くで見たら、ますますキモイ顔だな」ヒソヒソ

少年たちは事が作戦どおりに進んでいることに満足しながらも、間近であらためて見る池沼の気持ち悪さに顔をしかめてしまう。
体はブクブクに太ったデブであり、半開きの口からはヨダレが、鼻からは鼻水が際限なくあふれている。
顔にも常に汗をかいているため、顔全体がテカっており気持ちが悪い!
おまけに臭い!服や体に染みついたウンチやゲロの跡が、残り香として服から漂ってきているのだ。

そんな生き物が息を荒げながら「あう~♪あう~♪」とご機嫌そうに唸っているのだ。
少年たちは、その顔を見て、これから行うことへの同情や後ろめたさは一切消えた。目の前にいるのは人間ではなく、倒すべき魔王なのだ!
子どもたちの小さな、しかし大切な世界を侵略する恐るべき魔王、その名も「いけぬ魔王」である!

少年B「じゃあ唯ちゃん、こっちでお砂遊びしようか」
唯「う~♪ する~♪(^q^)」
唯は興奮冷めやらぬまま、少年たちに導かれて砂場の真ん中に行く。そこで―。

ズボボ!!
唯「あう~!?(゚q゚)」

この音は、唯がいつものようにうんちをもらした音―ではなく、なんと唯の体が少年たちの作った大きな落とし穴に落ちてしまった音である。
そう、少年たちは唯を逃がさぬようにするため、前日から巨大な落とし穴を掘っていたのである。
これには池沼さん大慌て。
自身の体重が重すぎたため、落ちた際に落とし穴の底で足首をひねってしまい、お得意の池沼泣きをする。

唯「ビェェェ~ン!! ゆいいたい~(>q<)」
少年D「ギャハハハ! いい気味だ池沼めw」
少年A「泣いてる顔も気持ち悪いなww」

落とし穴の底は深く、唯のデブった体は胸から下がスッポリとはまってしまいぬけ出せない。
しかも唯の筋力は常人よりも遥かに劣っているため、とてもじゃないが自分の太った体を引き上げることなどできないのだ。
両腕と顔だけが出た状態で、唯はむぅむぅ呻きながらむせび泣く。
少年たちは大爆笑だ!

最初は何が起こったか分からずパニックになって池沼泣きをしていた唯だったが、しばらくすれば雰囲気で自分が少年たちにはめられたのだと流石の池沼ちゃんでも分かり、怒ったように唸る。

唯「んーひっく! ゆいいじめた! わるい! ひっく("q")」
少年A「お前が先に弟をいじめたんだろうが! 反省しろこのいけぬま!」
少年E「そうだそうだ! 謝れよこの豚!」
唯「う~! ゆいわるくないのにいじめた! おしおきでつ!("q")」

この後におよんで反省しないどころか「お仕置き」などと口走る池沼唯に少年たちは怒り心頭である。
しかし唯は昨日のことどころか、30分前のことも思い出せないほどのおつむしかないのである。
唯がこの状況で自分が悪いことをしていないと判断するのも、池沼である唯には無理なからぬことである!

だが、そんな唯の態度は、様々な被害を受けてきた少年たちにとっては許しがたいものであった。


唯「あれっ、でも3兄妹ってことは、あと1匹はどこに」

オーキド「逃げ出した3匹の内、2匹はこのとおり、律君と澪君に手伝ってもらい捕獲できたのじゃが……」

律「まぁ、私はジョウトへ、澪はホウエンへ連れてってもらうお礼ってことだったんだけどな」

律は腕に擦り寄っているにいるイーブイを撫でる

オーキド「それで、さっきまで律君と澪君に残りの1匹を探してもらっていたんじゃ」

唯「っ!!なら私がその一匹を探し出すよっ!!だから博士、その子を見つけられたら一緒に旅につれていってもいい?」

張り切って話す唯に

オーキド「あぁ、どうせこの研究所にいてもまた逃げられるじゃろうしな。
2匹のイーブイも澪君と律君に大変懐いとるから、二人に引き取ってもらったしのう」

少年たちは唯の池沼な態度にブチ切れる。

少年C「おしおきするのは俺たちの方だ!
    まずは武道家の俺からやるぜ!
    くらえいけぬ魔王、とびひざげりぃ~!」
少年がRPGの武道家になりきってはなった飛び膝蹴りは、身動きのとれない唯の顔面に直撃する!
かいしんのいちげき!
唯「びぃぃぃぃぃぃ!! いたいよ~(>q<)」

格闘技でも習っているのか、少年の蹴りは見事に唯の鼻に直撃し、鼻血が出る!
少年C「まだまだだぁ~! くらえ! 爆裂拳!!」
ズゴッバキッドガッ

唯「あぅ、あぅ、あぅ("q")」

少年の拳が唯の肉づきのいい頬に連続してあたる。
腰のひねりを活かしたいいパンチである。
小学生のパンチとはいえ、躱すことのできない連打に、唯は泣く暇すら与えられず、次第にあぅあぅという小さな悲鳴しか出なくなっていった。

少年C「ふう、どうだ魔王! これが正義の拳だ!」
唯「あぅ…("q")」ゲホォ…
少年が決めポーズをとるころには、唯はすっかりノビてしまっていた。

少年E「次は俺の番だぜ、この魔物使い、E樣のな!」
カッコをつける少年に、周りの少年たちが「ヒューヒュー」「待ってましたーw」と囃し立てる。

少年E「よーし、頼んだぞ、ケルベロス!」
少年Eは、家から連れてきた犬に声をかける。
その犬はドーベルマン。警察犬に使われるほど優秀な犬種である。
命令に忠実で、そして何より―圧倒的な獰猛さと強さを誇る。

一方の唯はと言うと
唯「あ、わんわんだ~♪(^q^)」キャッキャッ
自分の状況も忘れ、大好きな「わんわん」にご満悦である。

少年E「へへ、笑っていられるのも今の内だぜ。ケルベロス、ゴー!」
飼い主のかけ声とともに、猛犬が唯に襲いかかる!

少年E「いけ!ケルベロス! かみくだく!」
唯「オギャー!!("q")」

こうかはばつぐんだ!
これには流石の池沼唯もたまったものではない。
犬に手や顔に噛みつかれ、あっという間に血まみれになってしまった。

少年C「お、おいちょっとあれはまずくないか?」
少年B「や、やめさせろよE」
唯「("q")」

予想よりも遥かに強力な犬の攻撃に、少年たちも流石にこれはマズイと思ったのか、ストップをかけようとする。

少年E「ケルベロス! ストップだ! ストッーップ!!」
よく訓練されたドーベルマンは、ご主人樣の声で唯への攻撃をやめる。
少年たちは、恐る恐る血だらけの唯に近づく。
唯は頬や手の甲から出血しているものの、よく見れば少年たちから見ても致命傷はないようだった。

唯「("q")」
少年A「お、おい大丈夫か?」

流石に心配になったのか、少年は唯に声をかける。唯はショックで気絶しているようだった。

事態が事態だけに、少年も唯を叩き起こすことはせず、とりあえず起きるのを待とうとしたのだ。
普通ならここで逃げるところだが、少年たちの目的はこの池沼に謝らせ、二度と自分や周りの子どもに迷惑をかけさせないことである。
憎らしさや楽しさもあるとはいえ、根本的には彼らは、彼らなりの正義感と使命感で行動を起こしているのだ。

唯「…ぁ~ぅ?("q")」

唯は意識を取り戻したらしい。
さっそく少年たちは恐る恐る唯に声をかける。

少年A「おい、大丈夫かよ…?」
唯「あ~う…(?q?)」

唯には、心配そうな少年たちの様子がさっぱり理解できない。
先ほど言ったとおり、30分前の出来事などきれいに忘れてしまう唯なのだ。
しかし、少年たちの心配そうな様子と、自分がさっきまでされていたことが朧げにでも思い出されると…

唯「ゆるたない(>q<)」
少年A「…は?」
唯「あいすくれないとゆるたないでつ(`q´)」

なんとこの池沼、少年たちの心配そうな気配を感じとり、自分が優位にたったと勘違いし、調子に乗り始めたのだ!
この場合、気絶したのがいけなかった。
気絶しなければ、唯は少年たちから受けた痛みを覚えていたため、少年たちが謝罪を要求すれば、これ以上痛い目に会いたくないため、とりあえずは謝っただろう。
しかし一度寝たらすべてを忘れる池沼のこと、もうその痛みと恐怖をすっかりと忘れ、わがままを言いだす始末だ!

唯「ゆるたない~♪ ゆるたない~♪(^q^)」キャッキャッ
自分の言葉が気に入ったのか、いつのまにか歌まで歌いだす池沼。

少年たち「………」


澪「でも、いいんでしょうか……?お礼でやってたことなのに……」

そういうとオーキドは

オーキド「かまわんよ。君たちの旅にも仲間は必要じゃろう」

澪・律「ありがとうございますっ!」

イーブイ「「ブイッ!」」

律と澪が頭を下げたのを真似てイーブイも頭を下げた

唯「さぁ、そうと決まれば探すよ~!!」

オーっ!!とはりきる唯が扉の外へ駆けていった

律「おっ、おい、唯待てよー」

澪「わ、わたしも」

唯を追う二人に、さらにイーブイたちが続いた

一方の少年たちは唯の言葉に呆然としていたが、その意味が分かると、怒りに体を震わせ始めた。
この池沼は、自分たちや弟に謝るどころか、心配したことにつけこみ、アイスをねだっているのだ!
その幼稚さと身勝手さに、少年たちに最後に残っていた良心が粉々に砕けちった!

少年A「…ゅっるせねぇ」
少年C「もう泣いても許さねぇ! ボッコボコにしてやる!」

少年D「次は旅芸人の俺の出番だぜ!」
少年はそう言うと、自分の荷物から縄跳びを取り出した。
少年D「ムチスキルをマスターした俺の力、見せてやる!」

そういうと「あ~い~す~♪ あ~い~す~♪」と歌っている唯の元へと近づき…
少年D「くらえ、双竜打ち!」
ビシ、ビシィ!
無防備な唯の頬を、縄跳びで二回はたいた!

唯「ビーーーーーー!!(>q<)」

たった二発で泣きだす唯。しかし無理もなかろう。
冬場に縄跳びをしていて、半ズボンの足に縄が当たった時の痛さは読者諸君もご存知だろう。
勢いをつけてふるわれるそれは、想像よりも遥かに痛いのだ。
皮膚に直接ダメージを与えるそれは、池沼唯の太った頬でもガードできない。

少年D「オラオラオラ~」
ビシ、ビシィ!
唯「ぁぅ、ぃちゃぃ、ぁう!("q")」

少年は唯を数分間縄跳びでシバきつづける。
唯が漏らす声は池沼独特の声で、それが少年たちを苛立たせる。

少年D「とどめだ! 奥義! 地這い大蛇!!」
少年は縄跳びを勢いづけるようにヒュンヒュンまわすと、そのまま唯の顔面へと思いっきり振り降ろした!

バッチぃぃぃぃぃぃぃン!!
唯「ギャーーーーーーーー!!(TqT)」

もはや唯は顔中が赤く腫れており、ひどいところは何ヶ所もミミズ腫れのような筋が浮いている。
なんともあわれな池沼の姿である。


――マサラタウン

空はすでにオレンジ色。目線の高さまで太陽は移動している

唯「じゃぁ、あとは妹ちゃんが見つかってないんだね?」

2時間以上捜索した唯の顔には疲れが見える

律「あぁ。それにしてもおっかしいなぁ~。いつもは姿くらいは発見できるんだけどなぁ」

澪「そのあと見事に逃げられるけどな」

うーん、と伸びをした唯が

唯「とりあえず、今日は一度帰ろうか。憂にも会いたいしねっ!」

「そうだっ、りっちゃんもみおちゃんも泊まっていってよ」

澪「でも、いいのか?急にお邪魔して」

律「憂ちゃんにも迷惑かかるだろ」

唯「うーん、憂ならきっと喜んでくれるよ」

唯「…ぁ~ぅ…ぅ~ぃ("q")」
唯は消え入りそうな声で妹である憂の名を呼ぶが、少年たちにはその「う~い」はただの呻き声にしか聞こえなかった。

少年B「さ、次は俺の番だな」
少年D「お前職業なんだっけ?」
少年B「魔法使いだよ」

少年はそう言うと、鞄からゴソゴソ何かを取り出した。
このBという少年は落とし穴を思いついたように頭がよく、そのため周りの皆は彼がすることに期待していた。
果たして彼が取り出したものは…

打ち上げ花火であった。
それに火をつけ、狙いを唯に定めると…

少年B「くらえ!」
ボシュッ!!
音をたてて飛んでいった花火は唯の顔面に直撃する!
唯「んぎゃひひぃ~~!!("q")」

少年B「今のはメラゾーマではない…メラだ…」
少年A「それ魔王の台詞だろw」
唯「むひぃぃぃぃぃー! あちゅぃよぉー!("q")」ジタバタ

少年B「まだまだ、次は5連発だぁ!
    五指爆炎弾(フィンガーフレアボムズ)!!」
ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!

唯「んひぃぃぃぃぃぃぃ("q")」


――唯の家

唯「たっだいまー!!」

その声に反応し、キッチンのほうから慌てて人が出てくる

憂だ

憂「お姉ちゃん!?」

唯「う~い~~♪」

そう言って憂に抱きつき

唯「あぁん、憂に抱きつくのも久しぶりだよぉ~~」


そしてその後ろから

澪「憂ちゃん、こんばんは」

律「唯は相変わらずだなぁ」

とそれぞれ口に出し

憂「澪さんに、律さんまで!」

するとさっと、スリッパを出し

憂「どうぞ」

律・澪「「(あぁ、こっちも相変わらず出来た妹だ~)」」


それぞれが思い思いに家の中へ入っていく

唯「久々の我が家はいいねぇ~~」

そして

唯「あ、私の部屋も見てこようっと♪」

自宅の階段を軽快に上がっていく唯を横目に

憂「澪さんと律さんはどうぞリビングへ」

その言葉に従い、憂の後に続きリビングのほうへ歩いていった


――唯の部屋

唯の目にはぬいぐるみの山が写っていた

性格にはベッドの上

そこには、さまざまなポケモンの形をしたぬいぐるみがあった

唯「あぁそっかー。旅に出る前もって行こうとしたんだけど、憂に止められて部屋にそのまま投げ込んできたんだったっけ」

そうだったそうだった と気分よくうなずき

唯「あぁ~、みんなも久しぶりだよ~」

そういいながらぬいぐるみの山に両手を広げ小走りをする


唯「あぁ、カメール人形も、プリン人形もピッピ人形もひさしぶりだよ~」

ぬいぐるみの山に手を入れ、一つ一つ引き寄せる

次々に手にとっていくと

――むにゅ

唯「あれ?」

今手にとったものに違和感がある。

まず一つ目の違和感は熱だ。

今まで手に取ってきた人形よりはるかにあたたかい

そしてもうひとつは

呼吸をしている、ということ

それを確認してみると

唯「ああああああああっ!!」

次々と飛ばされる花火の命中率は7割といったところだが、それでも唯は顔中を火傷しもだえ苦しむ!
花火の温度が高いとはいえ、当たるのは一瞬だから致命的な火傷にはならないが、これでは治るのに数ヶ月はかかるだろう。

用意していた花火を数十発打ち終わり、少年はほっと一息をつく。
唯は再び気絶してしまったようだ。

唯「ゲフッ("q")」

少年A「さぁ~て、最後は勇者たるこの俺の出番だな」
少年が弟の仇をとるため、意気揚々と踏み出そうとしたその時…

ポツッ
少年A「…あ、雨だ」


――リビング

「ああああああああっ!!」

憂に出されたお茶を飲んでいた澪と律がなんだぁ?と首を傾けた

憂「お姉ちゃん、どうしたんだろう……」

不安そうに憂がしていると

「りっちゃん!!みおちゃん!!いたっ!ここにいたっ!!」

再び上の階から叫び声が聞こえる

はてな顔をし、唯の声がするほう皆で上がっていってみると

澪・律「ああっ!!」

憂「?」

雨はまだほんの数滴降ってきただけだった。
しかし、空に立ちこめる暗雲は、これから来るであろう夕立を予感させた。

少年E「あ~ケルベロスは雨嫌がるんだよなぁ~」
少年B「そろそろお開きにしようぜ」
少年A「ちくしょう、これからだってのに」チラッ
唯「(-q-)」スピースピー

少年Aは悔しそうに、寝ている唯を見る。
するとなんとこの池沼、いびきをかいて寝ているではないか!
先ほどまで散々痛い目にあっていたのにこの図太さ、これは日頃の憂の「お仕置」の賜物であったのかもしれない。

少年Aは腹立たしかったが、もう充分池沼を痛めつけたので、最後にほんの少し嫌がらせをして帰ろうとした。
少年Aは半ズボンのチャックを降ろすと、寝ている唯に小便をひっかけた。
ジョロロロ…

唯「あう!?(゚q゚)」パチクリ
唯が目を覚ます。
相変わらず周囲の状況はよく分からないが、何か臭いニオイのものをかけられてると分かり、抗議する。

唯「う”ー! くちゃい! だめー(`q´)」
少年A「うっせーよ! てめーの方が100倍くせーんだよ豚!!」
唯「うえぇ~くちゃいよ~("q")」
少年A「ほら、お前らもやれよw」ジョロロロ
少年C「まぁ、トドメの一撃は合わせ技だよな」シ”ィ~
少年D「みんなの心をひとつに~てかw」シ”ィ~

少年A「そ~れ、ミナデイ~ンwww」
ジョボボボボボボ…
唯「むヒぃ~ゲロゲロ ("q")」


――唯の部屋

律と澪と憂がそこで見たものはあちこちにちらばっているぬいぐるみと

唯に抱えられた寝息をたてるイーブイの姿だった

唯「あぁん、もうかわいいよぉ~~」

唯がフサフサの毛並みに頬を当てると

イーブイ「……」ピクッ

すぅーっと寝息をたてていたイーブイが過敏に反応した

そして

イーブイ「!!」

目を覚ました

が、その時!

ブブブブブー モワッ
少年B「…何、今の音?」
少年E「まさかコイツ…」

唯「うぇぇ~おむつきちゃない("q")」

なんと、このタイミングでお漏らしするとは!
今まで唯に小便をかけていた少年たちも、これには唖然。
嫌がらせのために小便をしていたら、なんと相手が大便を漏らしたのだ。
もちろん少年たちは、赤ん坊以外の人間が糞を漏らすところなど初めて見る。

少年C「…なんかもう、こいつマジきもくねぇ…?」
少年B「もう関わらない方がいいよな…」
少年A「…帰るか」

少年たちは最後に唯の頭を蹴っとばすと、公園を後にしようとする。
5人の勇者の小さな戦いは、こうして幕を閉じたのだ…。

唯「あう! ゆいもいっしょ~(>q<)」
唯は自分がこのまま少年たちに置いていかれると思い、自分も一緒に帰る!と主張する。
が、当然聞き入られるはずもない。

少年A「一生そこにはまってろ、デブ!!」
少年たちは糞尿まみれの唯を放置して、公園を出ていった。

ポツッ ポツッ
唯「あぅ…(>q<)」
雨足は次第に強くなっていく…。


唯「痛っ……!」

理解できない状況に目を覚ましたイーブイのとった最初の行動は唯の指に噛み付くことだった

澪「唯っ!?」

噛み付かれた唯の指からは、たらりっ と血が流れ、唯はその痛みからイーブイを手放してしまった

そしてイーブイは部屋の床に着地し、部屋の角へと交替する

律「大丈夫!?おねえちゃん!!」

心配しながら、駆け寄ろうとした憂を唯が手で制し

唯「大丈夫、大丈夫だから、憂はそこにいて」

ドドドドドドドドド…
唯「あ~ぅ…ゆぃ、ぃちゃぃょぉ…("q")」

少年たちが公園を去って30分。
夕立は滝のようになり、地面を打ちつけていた。
唯は相変わらず穴にはまったままである。
ついでに言うなら、穴の中はすでに唯が漏らしたウンチでいっぱいである。
さらに、ただでさえ痛いほどの強さで降る雨だが、今の唯は切り傷やミミズ腫れ、火傷などに雨が染みて余計に痛い。

唯「ぅ~ぃ~…たしゅけて…ぅ~ぃ("q")」
唯はかすれた声で、唯一の頼みの綱である憂の名を呼び続ける。
しかし運の悪いことに、雷が鳴り始める。
これがあわれないけぬ魔王の息の根をとめるギガデインになるのだろうか…。


そう言うと、ゆっくりとイーブイに近づいていくが、

イーブイは警戒し、体毛を逆立てる

唯「大丈夫……怖かったんだよね?知らない土地に急につれてこられて……ほらっ、大丈夫」

先ほどかまれた手をイーブイのほうへ伸ばす

唯「ちょっぴり、臆病なだけだよね?」

やさしく微笑んだ唯に、イーブイの毛が落ち着きをとりもどし

そして

イーブイ「ブイ……」ペロッ

しかしその時!
憂「お姉ちゃん!!」
なんと、いけぬ魔王の祈りが通じたのか、公園に憂があらわれたのだ。
憂は池沼な姉にかけ寄る。

唯「う~い~(^q^)/」キャッキャッ
唯は憂が自分を助けてくれると思い、キャッキャッとヨダレを垂らしながらはしゃぐ。しかし…

混乱した憂から見れば、唯は珍妙な格好ではしゃいでいるようにしか見えない。
散々自分に心配させておいて、あうあう~♪と笑っているその態度が、憂の脳内リミッターを解除する!

唯「う~ぃ?(゚q゚)」
憂「迷惑かけてんじゃ、ないわよ!!」クルンクルンッ バキィ!!
唯「オンギャァー!!("q")」
憂のムーンサルト!!
かいしんのいちげき!!
いけぬ魔王をやっつけた!!

お終い(^q^)♪


唯の指を流れる赤色を舐めた

イーブイはそのまま唯に近づいていき、唯の足へと擦り寄った

その仕草を見届けた唯がもう一度、イーブイを抱き上げ

唯「あぁん、フカフカだよぉ~~」

イーブイの体に顔をうずめた

憂「あっ、おねえちゃん指の手当てをしないとっ!」

そういって憂は救急箱をとるために、下の階に再び下りていった


――オーキド研究所前(翌日)

オーキド「おお!!とうとうイーブイを3匹とも保護できたか」

地面で互いにけづくろいをしている3匹を見てオーキドが言った

オーキド「これで、ようやく律君と澪君も旅立てるというわけじゃ」

律・澪「はいっ!!」

オーキド「それでは、さっそくだがジョウトへ向かおうかの」

と、言いながらモンスターボールを2つ取り出し

オーキド「でてくるんじゃ」

モンスターボールから出てきたのは2匹の大きな鳥ポケモン

その毛並みはとても美しい

小学校のとき、先生に知能に障害がある子のうちに遊びに行かされた
彼女は脇目もふらずにポケモンをやっていて、正直、「こいつでもポケモンとかわかるんだなあ」と思った
三十分ほど彼女のプレイを見ていて、とても悲しい事に気が付いた
彼女がそのゲームでやっているのは、マサラタウンの周りでポッポとコラッタを倒す、
ただそれだけだった。パーティにただ一匹のポケモンのLvは80を越えていた。
彼女は永遠、たいあたりでポッポを殺し続けた
とても楽しそうだった
先に進めてやろうと思いゲームボーイに手を伸ばしたら凄い剣幕で怒鳴られた。
なんて怒鳴られたか聞き取れなかったけれど、とにかく怒鳴られた
それを見て彼女の妹が「ごめんなさい、お姉ちゃんはゲームボーイ大好きのよ」と私に謝った
彼女はポケモン以外のソフトは持っていなかった

私はそれ以来、ゲームをやらなくなった。以前のようにゲームにのめり込めなくなってしまったのだ。
コントローラーを握るとやるせなくなった。
友達の家に行ってもみんながやるのを見ているだけだった
その間、私はゲームに興じる友達の背中だけを見るように努めた
本当にむなしかった
その内に、私はゲーム機を憎むようにさえなった。
今までの人生の中で、あんなに何かを憎んだことはない
それは真夜中に私を目覚めさせた
ゲームなんかこの世からなくなってくれと本当に願った
私はソフトを彼に全部あげて、本体は捨ててしまおうと思ったが、兄に怒られそれすらできなかった。
一人暮らしをしている今でもゲームは嫌いだし、もちろん家にも置いていない。

時々、彼女と、永遠に同じことばかりさせられたあろう彼女のトレーナーとポケモンの事を思い出すと、とても悲しくなる


唯「わぁ、おおきな鳥ポケモンだね~!名前はなんていうんだろう」

呟きながら図鑑を取り出し

No.018 ピジョット
うつくしい ハネを ひろげて 
あいてを いかくする。
マッハ2で そらを とびまわる。

図鑑をみて、へぇ~ と言っている唯に

オーキド「唯、お前さんも次はタマムシシティのジムじゃろ。少しここから距離があるから乗っていくといい」

そういってオーキドは1匹のピジョットの羽を撫で

オーキド「ピジョット、タマムシシティに行った後、ホウエンのオダマキ博士のところまで頼む」

ピジョットが羽を広げ、了解の意味を込めて鳴く

ピジョット「ピジョーーッ!!」

オーキド「さぁ、律君はこっちじゃ」


もう一匹のピジョットのほうへ、歩き大きな背に跨る

同じように、律も博士の後ろにまわり

唯ももう一匹ピジョットの背にのる

澪「こ、怖くないか?唯?」

震えながら、ピジョットに足をかけようとする澪が先に乗った唯に乗る

唯「大丈夫だよ、みおちゃん。このピジョットよく育てられてる」

ピジョットの頭を撫でながら、澪に向かって笑いかけた


すると

律「おーい、唯、澪、二人ともがんばれよー!!」

博士の後ろにまたがった律から檄がとんだ

唯「りっちゃんもねーーー!」

澪「お前も無茶するなよーー」

そして、ピジョットが羽を広げ、羽ばたいた

各々が飛び立っていく。

各々の舞台に向けて



「VSイーブイ」〆

すまん、今まで投下しては書き溜めし、でやってきたが
とうとう、書き溜め尽きちまったよ……
今度はきっちり書き溜めてカントーぐらい終わらせてから投下したいとおもってるから
以後、このスレは保守いらないです。もうそろそろこのスレも落ちるだろうしな
次は製作あたりに行ってほっそりとやろうと思う。
極力、早くしようともおもってる

いままで保守してくれてありがとう
また読んでくれるとうれしい。

読んでいてくれていた人本当にありがとう

そういえば、イーブイのニックネーム忘れてた

おまいら、なんかつけてくれると助かる…
いいのがあればそれにする

まだこのスレがあるだと……!?
ちょっと素直に嬉しかったから、閑話だけ投下してもいいかな?
いや、させてください


――タマムシシティ

背の高いマンションやデパートに囲まれた都市

人の賑わいもカントーで1、2を争うであろう大きな都市

その地面に大きな影ができる

鳥だ。

人を乗せ、鳥ポケモンが降下する

唯「と~~う~~ちゃ~~くっ!!っと」

乗り手が声を楽しげに発した


そして美しい羽をもつ鳥ポケモン――ピジョットはポケモンセンターの前に着地した

唯「うわぁ~、大都会だねぇ~。見て、大きなデパートもあるよ~」

唯は後ろでギュッと肩をつかんでいた澪に話しかけた

澪「地面だ……地面に足がついてる……高くないっ!」

そういって力が込められた手が緩んでいく

唯「澪ちゃんはまだまだ先は長いけどね~」

澪「うぅーー……」


唯「あぁーん、澪ちゃん元気だして。ほらっ、ちょっと休んでから行けばいいよ?ねっ?」

澪「でも、この子のモンスターボールを預かってないから、ボールに戻しておくってこともできないし……」

ピジョットのほうを眺める

唯「大丈夫だよっ。この子よく躾られていて、とても賢そう。ちゃんといいつけておけば待っててくれるよ」

ね~、とピジョットを撫でると

ピジョット「ピジョーーーッ!!」

返事に答えるように鳴き

唯「それじゃぁ、あの木にとまって待っててねっ」

指差した方向には、町外れの大木がある

ピジョットはもう一度鳴き、翼を広げ大木へとんでいく


澪「大丈夫かな……」

唯「だいじょうぶ、だいじょうぶっ。あそこの木からなら私達がここに戻ってきた時もすぐわかるよ」

そして澪の手を引き、

唯「さぁ、澪ちゃんとデートだぁっ!!」

澪「唯っ!おい、ひっぱるな、おい」

オッーと張り切る唯と少し困った顔はするものの嫌な顔はしない澪は街の中心へとまぎれていく

時はまだ午前、時計の針が午後を示すにはしばらくの猶予があった


――タマムシデパート

唯「わぁい、見て見て澪ちゃん、巨大カビゴン人形だよ~」

澪「こらっ、待て唯、私はまだピッピ人形の抱き心地をだな……」

そこはデパートの一角、ファンシーショップとまではいかないが、人形などで一コーナーが築かれている

デパート内をあちこち回った唯と澪は、そのぬいぐるみに囲まれたスペースに足をとめていた

澪「あ、そうだ。モンスターボールとかきずぐすり類を買っておこう……」


そしてカビゴン人形に抱きついている唯に告げる

澪「唯、私きずぐすりとか買いたいから、一度下の階に行くけど……」

唯「う~ん、それじゃぁ~~、買うもの買ったら一番上の階の自動販売機の前で待ち合わせしようか~~?」

今だにカビゴン人形から離れない唯の目は少しトロンとしている。

唯「私もちょっと買っておきたいものもあるしね」

澪「わかった。それじゃぁ、また後でな~」

澪、後ろでに手を振りエレベーターのほうへ歩いていった


>>606
澪、後ろでに手を振りエレベーターのほうへ歩いていった ×

澪は後ろでに手を振りエレベーターのほうへ歩いていった ○


――タマムシデパート(最上階)

澪「よっし、モンスターボールも買ったしキズグスリも買った。これで完璧だな」

一人呟きながら澪は最上階への階段を上がりきる

ベンチのほうを見てみれば、そこにはすでに唯の姿があった

唯「あ、澪ちゃんっ!買い物は済んだ?」

言った唯の手には目の前の自動販売機で購入したと思われるサイダーの缶

澪「あぁ、こっちは済んだよ。唯のほうは?」

言いながら澪も自動販売機に小銭を入れ、ミックスオレを購入する


唯「うん、バッチリだよっ!」

そして、横においていた、手のひらにすっぴろおさまるぐらいの水色の布袋を

唯「ハイ、澪ちゃんっ♪」

そのまま澪のほうへ差し出した

澪「これは……なに?」

唯「お守りだよっ!ちゃんと首にかけられるように紐も通してあるんだよっ!」

見るとそこには確かに柔らかそうな紐を通している

澪「ありがとう、唯っ!……でも、このお守りなんか妙に膨らんでる、というかなんかゴツゴツしてないか?」

「中に何が入っているんだ?」

そういって水色のお守り袋の中を見ようとする


唯「あぁん、まだ見ちゃだめだよぉ~」

唯が甘ったるい声で言う

澪「まぁ、いっか。それでどうして私にくれたんだ?」

唯「え?私が旅立つときにモンスターボールを貰ったから、そのお返しだよ!」

当然といった風な唯に澪が少しの間言葉を失った

澪「……唯……ありがとうな」

もう一度心からお礼を言う。


唯「さぁ、そろそろいこっか。いくらピジョットが速いって言っても、澪ちゃんの出発が遅くなっちゃうと到着に日が

くれちゃう」

澪「………」

黙りこくったあと

澪「……唯がこんなにしっかりしているなんて!。……これが旅の成果ってやつかな」

その言葉に唯が胸をはる

唯「えっへん!」

そうして二人はタマムシデパートを後にした



閑話 〆

あとは>>534 のとおりで、続きのタマムシジムからは製作へ行く

ほんと保守ありがたいけど、いらないから落としてくれ
てか、もうそろそろ落ちるはずだよね?日数的に

ほんとにここまで読んでくれてありがとう
また読んでいただけると幸いですお


もうイーブイの名前つけると、ネタバレになっちゃうけどいいよね

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