モバP「現実は甘くなかった」 (143)


モバP「おはよーござーます」

ちひろ「おは、忙しいから早く手伝ってください」

モバP「うす」

ちひろ「今日のスケジュールは皆に伝えました?」

モバP「あ、伝えました。」

ちひろ「ならいいですけど。もうすぐ、アイドルたちも来ますから早く終わらせましょう」

モバP「うす」

モバP「(たとえ、事務所に男が俺と社長だけでも俺がモテるとは限らないということを教えましょう)」

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モバP「……」カタカタ

ちひろ「……」カタカタ

モバP「(業務中には一切の私語は無く仕事に集中しておりコミュニケーションをはかる事はまず不可能)」

モバP「(下手に話しかけるとうるさいので黙って下さいと一蹴されることが実証済みである)」

ちひろ「……」カタカタ

ちひろ「……はぁ」カタカタ

モバP「(このため息は危険信号である。ここで要らぬことを言った場合、最悪パソコンが飛んでくる)」

ちひろ「さっきから何ジロジロ見てるんですか? 気持ち悪いですよ?」

モバP「……すみません」

モバP「(日ごろの行いが悪いわけではない。この男が少ない仕事場で男の肩身が狭いのは当然の事である。故に言い返すことはできない)」

ちひろ「私の分は終わりましたから、もう一度スケジュール確認してきます」

モバP「はい、分かりました」

モバP「(こうして俺の何事もない一日は幕を開ける)」

ガチャ

幸子「おはようございます。今日もボクはカワイイですね」

モバP「おはよう。輿水」

モバP「(俺は担当アイドルを名前で呼ばない。否、呼べないのだ。呼んだ場合鉄拳制裁。もしくはそれ以上の苦痛が待っている)」

幸子「はい、おはようございますプロデューサーさん。早速仕事に向かいましょうか」

モバP「まだ、時間はあるけど」

幸子「いいんです」

モバP「じゃあ用意するから待っててくれ」

幸子「分かりました」

モバP「じゃあ、行こう。車に乗ってくれ」

幸子「はい」

モバP「(幸子が座るのはもちろん後部席である。助手席に乗るアイドルなど見たことがない。ましてや膝の上など考えられない。ちなみに心の中ではアイドルは皆、名前で呼び捨てである)」

幸子「……」ピッピ

モバP「……」

モバP「(移動中の会話もまずない。俺は気まずさに押し潰されそうだが幸子は全く気にせず携帯をいじっている。メールで他のアイドル達にプロデューサーキモいなどと一斉送信しているのだろうか)」

幸子「……あ」

モバP「(幸子が口を開いたときは大抵お腹がすいたである)」

幸子「プロデューサーさん、お腹がすきました。コンビニに行きましょう」

モバP「(予想通り)」

モバP「分かったよ。俺が買ってくるから何がいい?」

幸子「何でもいいです」

モバP「(何でもいいと言いつつ買ってきたらこれじゃないとか言われるのは腹が立つので俺は完璧な買い物を行う。ちなみにこのコンビニ代は俺のおごりである)」

胃が痛くなるからやめて差し上げろ

現実の芸能事務所もこんな殺伐としてるんだろうなあ

モバP「(レジで並ぶ時間の間も幸子のイライラメーターはたまり続ける。車に入った途端に『遅いです、プロデューサー。今回はボクがカワイイので許してあげますが次はないですよ』と言うことだろう)」

店員「ありあっしたー」ピンポーン

モバP「輿水、これでいいか?」

幸子「遅いです、プロデューサー。今回はボクがカワイイので許してあげますが次はないですよ」

モバP「(ここまで単純だとこっちも怒る気にならない)」

幸子「じゃあ、改めて出発しましょう」モグモグ

モバP「……はいはい」

モバP「(そろそろ親愛度が足りてないと思う人がいるかもしれないが、考えてみてほしい。逆にこの状況でどうすれば親愛度が上がると言うのか。この前だってアイドルを名前で呼んでみたが必死に一年かけてためた親愛度が一瞬にしてマイナスにまで下がった)」

モバP「(人生は課金ゲーなのだ)」

モバP「(幸子を仕事場へ送り届けると次の仕事が俺に舞い込む)」

偉いっぽい人「~~~~」

モバP「(そう、アイドルの仕事の確保である)」

モバP「すみません、今お時間宜しいでしょうか」

偉いっぽい人「はい、何だね?」

モバP「私、シンデレラプロダクションのモバPいう者でして、はい、誰か良い子がいれば使って頂けないかと」

偉いっぽい人「あー、はいはい。えっとシンデレラプロダクションね。機会があったらね、考えておくよ」

モバP「ありがとうございます。何卒よろしくお願い致します」ペコペコ

モバP「(俺は小娘のために何度も頭を下げて仕事をもらわなければいけないのである。しかしこの現実的な光景はアイドル達に見せることはできない)」

モバP「(テレビ局に用がなくなれば事務所へ戻る……というわけではない)」

モバP「(雑誌、ラジオ、スポンサー会社。ありとあらゆる場所へ赴き一つでも多くの仕事を取らなければならない。いくつとっても足りることはないのだから)」

モバP「……」

愛梨「……」

モバP「(愛梨か。挨拶はしておかなければな)」

モバP「十時、おはよう。ちひろさんに送ってもらったのか?」

愛梨「え? ああ、おはようございますプロデューサー。ええ、ちひろさんに送ってもらいました。それじゃあ」

モバP「(おわかりいただけただろうか。俺と愛梨が言っていることがほぼ同じだという事に。愛梨は俺の質問にオウム返しで答えただけなのである。世間話のひとつもなく彼女はテレビ局の廊下を走り去って行った)」

モバP「(大方の仕事が終わるとちひろさんから電話が来る。ようするにパシリである。断ることはできないのでメモ取って電話を切る。このお金も俺のおごりである)」

モバP「ふぅ、こんなものか」

店員「ありあっしたー」ピンポーン

モバP「ただいまでーす」ガチャ

ちひろ「あ、プロデューサー。意外と速かったですね。さあさあ、こっちに買ってきたものを持ってきて下さい」

モバP「はい」

モバP「(俺が買ってきたのは主に酒とつまみ。ちひろさんをと楓、礼子さん、志乃さんの四人は俺から酒だけを奪って宴会を始める。俺はまだ、袋に入っているつまみを抜き取り一人で少しずつ食べる。寂しくなんかない。決してだ)」

モバP「(当たり前のことだが、四人からこっちに来ませんか? などと言われることはない。女子会というやつだからだ。俺は椅子に体育座りでパソコンの画面を開き、ギャルゲーの実況プレイを見漁っていた。今日もつまみはうまかった)」

俺は椅子に体育座りでパソコンの画面を開き、ギャルゲーの実況プレイを見漁っていた。今日もつまみはうまかった)」
これがだめなんじゃないですかね…

モバP「(こうして今日も一日が終わる。深夜二時、眠いのをこらえて家で明日が楽になるようにと仕事をするのは日常茶飯事)」

モバP「……メアド欄寂しいなぁ」

モバP「(俺のメアド欄に登録されているアイドルの数は実に0。一人もいない。登録されているのは家族と社長だけである。ちひろさんに一度言ったがうやむやにされたままだ)」

モバP「(一体自分の何がダメなのか考える。顔か。何事もイケメンに限るなのか。性格か。何事にもイケメンタルは必要なのか。体型か。そこまで悪くはないと思うがもっとなのか)」

モバP「ダメだ、寝よう」

モバP「(こうして俺は一日を終える)」

モバP「(俺は当たり前のように朝を迎える。綺麗に整頓された部屋を乱さないようにベットから転がりキッチンまで転がる。そこでようやく立ち上がり、簡単な朝食を作って歯を磨いてから食べる。そうした方が料理が少し冷めるので効率的だ)」

モバP「よし、仕事に行こう」

モバP「(仕事場につけばまたいつもの生活が始まる)」

ちひろ「おは、今日はそこまで無いから手伝わなくていいですよ」

モバP「(当たり前である。俺が今日の二時までやっていたのだから忙しかったら困る)」

ガチャ

ありす「おはようございます」

モバP「おはよう橘」

ありす「今日はレッスンだけですよね?」

モバP「ん、ああそうだな。まだ時間はあるけどどうする?」

ありす「もう行きます」

モバP「(アイドルには俺と喋るという選択肢はない。仕事、レッスンに行くか、事務所で他のアイドルと話す、いなければ雑誌を読む。この三択だ)」

ありす「じゃあ、行ってきます」

モバP「気をつけてな」

ありす「……」

ガチャン

まだ救いはある
あたし知ってるよ。普通の女の子は突き刺さるくらい冷たいことがあるけどギャルは優しいって。
唯ちゃんとか里奈ちゃんはまだ時間かかりそうですかねー

モバP「(おわかりいただけただろうか。皆が思っている程現実は甘くないということを。しかし、私がこの仕事を続けているのにはちゃんと理由がある。というかなければとっくにやめている)」

ガチャ

まゆ「Pさん、おはようございます」

モバP「(彼女、佐久間まゆである)」

モバP「(俺がここに来て以来唯一俺を名前で呼んでくれる人物。必然的に親愛度も他のアイドルと比べると比較的高い。否、ぶっちぎり高い)」

まゆ「もぉ、返事してくださいよぉ」

モバP「あ、すまない。佐久間」

まゆ「佐久間、じゃなくてまゆです」

モバP「だが、しかし」

モバP「(俺はまゆを名前で呼ぶことを恐れている。この親愛度を失うのが恐いのである。同じ過ちを繰り返す程俺もバカではない)」

モバP「(こいつは名前を呼ぶことを願っているいるのだからいいだろうという心とまた同じことを繰りかえすのかという心で迷いが生じている)」

まゆ「Pさん?」

モバP「ま、ま、佐久間。今日はレッスンだろう。早く行ってこい」

モバP「(この状態が三カ月は続いている)」

まゆ「わ、わかりましたぁ。じゃあ行ってきますねぇ」

ガチャン

モバP「(俺はいつになったら名前で呼べるのだろうか)」

モバP「まゆと会ったら名前で呼ぼう。嫌われてもいい」

モバP「(もし、嫌われたら一人でひっそりとこの仕事をしよう。表向きの仕事は新しい人を雇ってもらって)」

ガチャ

比奈「おはようございまス」

モバP「おはよう、ひ……」

モバP「荒木」

比奈「今、ひって聞こえたんスけど何スか?」

モバP「何でもない。ちょっとミスっただけだ」

比奈「ならいいんスけど」

モバP「(危なかった。また親愛度を掘り下げるところだった)」

モバP「(まゆが帰ってくるまでじっとしておこう)」

モバP「まゆと会ったら名前で呼ぼう。嫌われてもいい」

モバP「(もし、嫌われたら一人でひっそりとこの仕事をしよう。表向きの仕事は新しい人を雇ってもらって)」

ガチャ

比奈「おはようございまス」

モバP「おはよう、ひ……」

モバP「荒木」

比奈「今、ひって聞こえたんスけど何スか?」

モバP「何でもない。ちょっとミスっただけだ」

比奈「ならいいんスけど」

モバP「(危なかった。また親愛度を掘り下げるところだった)」

モバP「(まゆが帰ってくるまでじっとしておこう)」

あーこれは叩かれるな(こういうものだと思って割り切って読めば楽しめそうなのでガンバ)

ガチャ

まゆ「もどりましたぁ」

モバP「おかえり、まゆ」

まゆ「……」

まゆ「や、やっぱり、佐久間でお願いします」

モバP「(よし、引退しよう。超イケメン&イケメンタル&モデル体型のプロデューサーを連れてこよう)」

モバP「(そうしよう)」

モバP「(まゆの三年かけた親愛度も底に落ちた。俺はどうすればいい。他のアイドルと親交を深めればいいのか)」

モバP「(俺には失うものは何も無くなった。今の俺には何だって出来る)」

モバP「(そうだ、俺は嫌われてる訳じゃないんだ。話は普通にしてくれるんだ。逆に考えよう。俺がどれだけ頑張ってきたかを分からせればいい)」

モバP「(まずは近辺調査からだ。仮眠室に忍び込もう)」コソコソ

みく「プロデューサーは悪い人じゃにゃいけど何か好きになれにゃいにゃ」

凛「そうなんだよね、嫌いじゃないけど普通でもないっていうか」

加蓮「そうかなぁ、私は普通にいい人だと思うよ。口数は少ないけどさ」

みく「一番の理由はずっと名字で呼んでることにゃ。みくは名前で呼ばれても構わないにゃ」

凛「確かにそれはあるよね。ていうか、あの人は皆名字で呼ぶよね」

加蓮「あ、それ理由知ってるよ。確か、前に担当してたアイドルに名前で呼んで嫌われちゃったんだって」

凛「名前を呼んだだけで嫌われるってすごいね。そもそもあり得ないんじゃ」

みく「プロデューサーも困ってるってことなのかにゃ」

モバP「(そうだ、だからこんなことしてるんじゃねーか。皆とわいわい出来ることにこしたことはないよ)」

モバP「(だが、嫌われているわけではなさそうだ。評価は微妙だが)」

モバP「(とりあえず、一番安心できそうな加蓮を名前で呼んでみよう)」

モバP「(まずはきっかけをつくる)」

モバP「……」バシャ

モバP「あ、お茶こぼした(棒」アッツ

みく「大丈夫かにゃ?」

凛「雑巾持ってくるね」

加蓮「プロデューサー、大丈夫?」

モバP「ああ、大丈夫だよ加蓮」

加蓮「っ!? あ、あの名字で……」

モバP「……北条、ごめん」

加蓮「プロデューサーじゃ悪くないよ。私の方こそごめん」

モバP「(ダメか)」

凛「プロデューサー、はい」つタオルと雑巾

みく「みくも手伝うにゃ」フキフキ

モバP「皆、ありがとう」

凛「……」

みく「……」

加蓮「あ、あのプロデューサー。あとで仮眠室来て」

モバP「(何だ、名前で呼んだことへの報復か?)」

モバP「分かった」

ギャルゲー実況←うーん
仮眠室に忍び込む←誤解を招きかねない怪しい行動
名前で呼んだことの報復か?←被害妄想

友達にはしたくないですねえ

加蓮「あのさ、何でいきなり名前で呼んだの?」

モバP「仲良くなりたかったから」

加蓮「別に仲悪いわけじゃないじゃん」

モバP「そ、そうだけど」

加蓮「じゃ、じゃあもう一回名前で呼んでよ……」

モバP「何でだよ、さっき名字で呼べって」

加蓮「いいから」

モバP「……加蓮」

加蓮「っ! やっぱり何かドキッとする。いつも名字だからかもしれないけど」

加蓮「私以外に名前で呼んだ?」

モバP「まゆは呼んでほしいって言うから呼んだけど嫌われた」

加蓮「それ多分嫌われてないよ。今からでも間に合う。行こう!」

モバP「行くって、まゆのところに?」

加蓮「そうだよ、プロデューサーは嫌われてなんかいない。ていうか、この事務所でプロデューサーが嫌いな人なんていないよ」

モバP「ほんとかよ、じゃあ何で俺はこんなに苦しいんだ」

加蓮「それは……」

モバP「確かに期待しすぎてたよ。可愛い女の子と喋れるすごい職場だって。でも現実見れば全然違った。話すことは仕事関連。それでも可愛い女の子たちと同じ職場にいるだけで幸せなんだって思ってきた。でも最近苦しいんだよ。いくら頑張っても俺の頑張りは認められない」

加蓮「そんなことないよ。皆仕事が増えてプロデューサーに感謝してるよ」

モバP「ありがとう。それだけで当分は頑張れるよ」

モバP「じゃあ、行こうよ。証明しよう。まゆが俺を嫌ったことを」

加蓮「分かった。嫌ってなかったらパフェおごってよね」

モバP「何でもしてあげるよ」

モバP「(平凡な毎日に転機が訪れた。この分岐がどちらに転ぶかに人生掛かってる。心のどこかで嫌われたくないとかパフェをおごってあげたいとか考える俺もいる)」

モバP「(平凡な毎日に転機が
多分平凡じゃなかったと思うんですけど

P「佐久間、佐久間はいるか?」

まゆ「は、はい」

P「ちょっと来てくれるか?」

まゆ「分かりましたぁ」

P「北条、連れてきたぞ」

加蓮「うん、じゃあ聞こうよ」

P「ああ。佐久間、お前は俺が名前で呼んだことで俺を嫌ったか?」

まゆ「え、あ、嫌ってなんかいませんよぉ。その恥ずかしくていてもたってもいられなくてPさんを悲しませてしまいましたぁ」

P「う、うう」

加蓮「ほら、ね。皆、プロデューサーのことを嫌ってなんか無いよ。もっと自信持っていこう」

P「じゃあ、何で俺は鉄拳制裁をくらったんだ……」

まゆ「それは見る目がちょっとエッチな目だったからじゃないですかぁ?」

P「バカな。俺がアイドルを……」

加蓮「さっき、プロデューサーも言ってたじゃん。女の子と喋れるすごい職場だって。それでテンションあがっちゃたんじゃない?」

P「確かにまだ、日が浅い時だったけど」

まゆ「それにPさん。暇があると恋愛ゲームしてますよねぇ? イヤホンをつけてるから音は聞こえませんけどぉ」

P「い、いや俺がプレイしてるわけじゃない。他の人がプレイしてるのを見てるだけなんだ。だって自分のプロデューサーが恋愛ゲームとか嫌だろ?」

加蓮「私はどっちかというと他の人のを見てニヤニヤしてるプロデューサーの方が嫌かな。別に恋愛ゲームとか家でやればいいじゃん」

P「いや、俺がやってるとたまに俺、社会人なのに何やってんだろって思うからであって」

まゆ「言い訳はダメですよぉ。私の前では恋愛ゲームを見るのは遠慮してほしいですねぇ」

P「う、分かったよ」

P「じゃ、じゃあ俺からもお願いがあるんだ」

まゆ「なんですかぁ?」

P「えっと、その過ぎた願いかもしれないけどさ、まだ時間に余裕があったりしたときは雑誌ばかりじゃなくて俺と話してくれないか? プライベートとは言わない。仕事がどんなだったとかでいいからさ」

まゆ「分かりましたぁ。皆にもPさんが皆と話したがってるって伝えときますねぇ」

加蓮「確かに私達も悪かったよ。今思い返せばプロデューサーとは話すことなんてほとんどなかったのに私達の仕事がなくて困るなんてことはなかったし、それもプロデューサーのおかげなんだよね」

P「そ、そうだぞ! 俺は頑張ってるんだ。それを……皆に認めてもらいたいだけなんだ」

まゆ「そうですよねぇ。私達を一人で支えてくれてるんですもんねぇ。それが当たり前……なんて言えないですよねぇ」

加蓮「じゃあ、もう皆を名前で呼べばいいじゃん」

P「そ、それは無理だ」

加蓮「皆と仲良くなりたいならそれは大事だよ?」

P「まだ恐いし」

まゆ「ふふふ、Pさんを嫌う人なんていないですよぉ。好く人はいてもね」

P「う、うん。俺、頑張ってみるよ」

 


 翌日

P「じゃ、じゃあまずは誰にしよう。>>88



突然の安価ですいません

P「まずは十時、いや、愛梨で行こう」

P「それよりも布団から出るか」

P「よし、今日からバラ色職場だ」

P「おはようございます」

ちひろ「あー、おはようございます」

P「っ十時いやあ、あああ、愛梨いますか?」

ちひろ「どうしたんですか。イメチェンですか?」

P「こ、この期に皆のことを名前で呼んでみようかなーっと」

ちひろ「別にかまわないですけど。その顔で言ったら多分逃げられますよ」

P「え」

ちひろ「まずは表情筋をほぐしましょうか」

P「ふぁ、ふぁい」グニグニ

P「これでどうですか?」キリッ

ちひろ「いいんじゃないですかね」

P「よし、じゃああ、ああああ愛梨を待ちます」

ちひろ「次は一発で愛梨って言えるようになりましょう……」

P「十時なら言えるんですけどね。あ、あああああ愛梨となると」

ちひろ「愛梨の対象が愛梨ちゃんだからダメなんでしょ。見知らぬ人と思えばいいですよ」

P「それはダメです! 俺は愛梨に面と向かって名前で呼びたいんです!」

ちひろ「言えたじゃないですか。それじゃあ給湯室に行きますね」

P「え、あ、ああ」

ガチャ

P「!?」

愛梨「おはようございますー」

P「お、おう、おはよう。愛梨」

愛梨「はい、おはよう……ございます?」

P「どうした? あ、愛梨」

愛梨「そ、その何で名字じゃなくて……その名前なんですか?」

P「それはそのこれからは皆ともっと話して行こうと思って、まずは名前で呼ぼうかなって」

愛梨「えっともう一回呼んで下さい」

P「あ、愛梨」

愛梨「なんだか、変な気持ちです。呼ばれ方の違いだけでこんなに違うんですね。えへへ」

P「(可愛い)」

P「(おい、いい感じだぞ。イケんぞ)」

愛梨「じゃあ、早速何か話しましょう。あ、あと、ケーキの試作品があるんですけどプロデューサー食べますか?」

P「い、いいのか?」

愛梨「? はい、いいですよ」

P「あ、ありがとう愛梨。本当にありがとう。それしか言う言葉が見つからない」

愛梨「な、何で泣くんですかぁ!?」

P「(勤めてこのかたプレゼントなんて初めてだ。嬉しすぎる)」

P「おいしい、おいしいよ。愛梨」モグモグ

愛梨「ほ、ほんとにおいしいですか? 泣いたまま言われても分からないですよぉ!」

P「いや、嬉しくて。ありがとう愛梨」

愛梨「じゃあ、今度またケーキ作ってきますから一緒に食べましょう」

P「……」ブワッ

P「ありがとうううううううう!!」

愛梨「じゃあ、私は仕事に行くので失礼しますね」

P「ふぅぅぅ」スッキリ

P「よし、落ち着いた。次は>>103だ」

三船

P「次は三船さん、否、みみみみみ美優さんだ!」

P「練習しとこ。美優さん、美優さん。美優さん。よし、イケる!」

美優「……」ジー

P「……」

P「みみみみみみ美優さん。どうしたんですか?」

美優「いえ、その、プロデューサーさんが私の名前を連呼していたので」

P「それはそのすいませんでした」

美優「別に謝ることじゃないです」

P「その、嫌でしたか? 俺から名前で呼ばれるの」

美優「そんなことないです。いつもと違って少し恥ずかしい……ですけど」

P「じゃあこれからはその名前で呼ばせてもらってもいいですか」

美優「はい、そのよろしくおねがいしますね……Pさん」

P「それは反則ですね」

美優「だって、私がプロデューサーのことをPさんって呼べば対等ですよね」

P「そうですけども」

美優「じゃあこれでいいじゃありませんか」

P「あのその俺に出来ることがあったら何でも言って下さいねっ!」

美優「え、は、はい」

P「じゃ、じゃあ俺はこれで」

今日はもう寝ます

P「ちひろさん」

ちひろ「そういえば、私はずっと名前で呼んでましたね。で、何ですか?」

P「今まで俺がおごっていた酒代を返してもらいますよ」

ちひろ「別にいいですよ。はい。流石にいつまでも持っとくと使っちゃいそうですし大台に乗ったら渡そうと思ってたんですけどね」つ通帳

P「何ですか。これ」

ちひろ「貴方に借りてたお金です。違う言い方をすれば酒代です。お金にうるさい私が人から金欲しさに金を奪うわけないじゃないですか」

P「そ、それじゃあ、今までの分は」

ちひろ「ええ、飲み会に参加した人で割り勘でお金を入れてます。全額あると思いますよ」

ちひろ「別にお金を奪おうってわけじゃないですよ。いくら私でもね」

P「(俺は結局皆を名前で呼び始めた。皆、最初はいつもとの違いに戸惑いを見せていたが、それでも名字呼びの時よりも俺と話してくれるようになった)」

P「(それがきっかけでか動画を見る機会もなくなり、空き時間はアイドル達と話す時間で埋まっていた。さすがに仕事関連の話題ばかりだが、それでも昔のような寂しさはない)」

まゆ「Pさん、どうしたんですかぁ?」

加蓮「前の事でも思い出してんたんでしょ」

P「え、ああうん。現実は甘くなかったなって。でも今はお前達のおかげでだんだん甘くなっていってるよ。ありがとう」


おわり

はい、今から時間の許す限り空き時間のアイドルの名前呼びのところをやります。

>>137 どうぞ

岡崎先輩

P「岡崎か。リスク高めだがやるしかねえ」

P「岡崎、ちょっと来てくれるか?」

泰葉「分かりました。どうしたのですか」

P「えっとだな、お前の事はこれから泰葉と呼ぶ。嫌なら嫌と言ってくれ」

泰葉「ふふ、なんだか不思議ですね。Pさんも覚悟ができた。だから頑張るのですね。もちろんいいですよ」

P「ほんとか!? ありがとう、泰葉!」ギュッ

泰葉「あ、そ、それはダメです」ペチ

P「うーん、じゃあこれも許されるように頑張るから宜しく頼むよ」

泰葉「はい、頑張りましょう。私の理想とこの状況がぴったり合っててとても幸せです」

P「ああ、これからはもっと忙しくなるかも、いや忙しくなる。だから仕事の事でも何でも俺に話してくれ。どんなことでもいいから。寂しいからとかでもいいからさ」

泰葉「そこまで子どもじゃないですよ。でももしそういう時があったら甘えることを許して下さい」

P「ああ、存分に甘えていい。泰葉は先輩とか言われるけどまだ十六歳の女の子なんだ。全然甘えていい」

泰葉「じゃあ、早速いいですか?」

P「ああ、何でもいいぞ」

泰葉「私に一人でできないこと。お喋りがしたいです。いっぱい笑って笑いあって、そんなお喋りがしたいです」

P「よし、任せとけ。俺の短い人生の中でもえりすぐりのエピソードを話してやろう」

泰葉「じゃあ、私も楽しかったことをお話しますね」

P「なら今日は二人で仕事は忘れて満足するまで話していよう」

泰葉「はい、今日はお仕事忘れます!」

おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年08月01日 (月) 04:13:54   ID: CLKMxQqZ

現実でもこんな事が起きれば良いな~と思ってしまいますね

2 :  SS好きの774さん   2016年12月07日 (水) 22:00:12   ID: 7YYGCKwY

急激に流れ変わったな。別に前の感じで、一つだけ喜びみたいな感じでよかったと思うぜ

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