妹「兄ちゃん、今朝から腰押さえてどうしたの?」兄「痛めた…」 (10)

妹「え……まさか昨日の…」

兄「そう。まさかあれほど腰を使うとは思わなかったから」

妹「それでずっと寝込んでるのか」

兄「ちょっと妹ちゃん。湿布貼ってくれない?」

妹「いいよ。それもこれも私が無理言ったからだし」

兄「他でもない妹ちゃんの頼みなんだ。断れる訳ないじゃん」

妹「だからってあそこまで頑張らなくても」

兄「いやいや。男たるもの、いついかなる時でも手加減は出来ないもの」

妹「その結果動けなくなると意味ないじゃん」

兄「うんち」

兄「あー……もう今日は動けないわー」

妹「今日のとこは安静にしてなよ」

兄「そうさせてもらおう」

妹「まったく……にしてもよく考えたら分かるもんでしょ」

兄「あぁ、運動不足の癖にあれだけ激しい運動を急にやるとな」

妹「そりゃ腰も痛くなるよ」

兄「ましてや、あれだけ腰に負担のかかる運動だしな」

妹「でもごめんね。私が頼まなければ……」

兄「だから良いって。妹ちゃんは気にすることない」

妹「そう?」

兄「だから腰揉んで」

妹「やだ」

兄「……なんで?」

妹「さぁ?」

兄「さぁって……兄ちゃんがせっかく妹のために一肌脱いだってのに」

妹「湿布貼ったよ?」

兄「妹ちゃんのマッサージも欲しいなー」

妹「………」

兄「妹ちゃんのマッサージがあればすぐ治りそうなんだけどなー」

妹「ふーん」

兄「……なー?」

妹「」

兄「あー……妹ちゃんのために酷使した腰が痛いなー」

妹「ふわぁ……」

兄「いたたたたー。この腰の痛みは尋常じゃないなー」

妹「ちょっと兄ちゃん。背中借りるよー」

兄「やっとマッサージしてくれる気になったかー」

妹「枕代わりにさせてー」

兄「え」

妹「いやぁ。私も昨日の疲れが取れてなくて眠いんだよー」

兄「それで枕?」

妹「そうそう」

兄「……あい」

妹「ん……よいしょっと」ゴロン

兄「あ、ホントに寝ちゃうんだね」

妹「んん………」

兄「………」

妹「……兄ちゃん、湿布臭い」

兄「あれー」

妹「そこんとこいい加減にしてほしい」

兄「はい。ごめんなさい」

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