翔太郎「学園都市?」(534)

木山「我が学園都市に『ガイアメモリ』がいくつか確認されている」

美琴「か、怪物がレールガンを撃ったの!?」

インなんとかさん「うー、とうまー。この人私とキャラ被ってるんだよ」

当麻「その幻想をぶち殺す!」

この街にはいつも風が吹く。
どこからか吹いた風はこの風都に辿り着き、そしてまたどこかへ流れていく。
この街を泣かす奴は許さない――そう心に誓って戦っている俺だ。
だが本当にこの街だけでいいのか? 時にそう思うことがある。
けど俺には大した力はない。自分の手の届く範囲の小ささに嘆くしかない。

翔太郎「なあフィリップ。最近あまりに暇過ぎないか?」

フィリップ「ここのところガイアメモリの被害がゼロだからね。まあミュージアムがなくなった今、当然ではあるけど」

亜樹子「どーすんのよ! このままじゃ赤字よ! あ・か・じ! くーっ、ドーパントがいないってのも困ったものね!」

翔太郎「おい亜樹子! そんな不謹慎な事を言うな! 俺たちが頑張って勝ち取った平和だろうが!!」

亜樹子「それとこれとは別物よ! というか翔太郎君はガイアメモリ絡みじゃないと全然無能なんだから!」

翔太郎「おいてめぇ! それどういうことだ! 俺は完璧にハードボイルドな探偵だろうが!」

フィリップ「そうやって自称するところが半人前、ハーフボイルドの由縁だねえ」

翔太郎「おいフィリップ! お前まで……!!」

木山「……騒がしいところすまないが、よろしいか?」

亜樹子「お客さん!? いらっしゃいませー!! 翔太郎君、コーヒー用意して!!」

翔太郎「うおっ、すっげぇ美人! んーっゴホン。さ、そこに掛けてください。フィリップ、コーヒーだ」

フィリップ「そうやって仕事をたらいまわしにするのはやめてくれないかな」

木山「いや構わないでくれ。少し急ぎの事なんだ。早速用件にはいっていいかな?」

翔太郎「わかりました。お聞きしましょう。あなたの為ならこのハードボイルドな探偵、左翔太郎が解決してみせましょう」

木山「助かる。用件なんだが……『ガイアメモリ』――これの意味は知っているか?」

翔太郎「……ええ、まあ、そこそこ」

木山「それなら話は早い。我が『学園都市』でその『ガイアメモリ』がいくつか確認された」

翔太郎「学園都市?」

フィリップ「学園都市。名前の通り学生の為の都市で、東京西部に位置する巨大都市だ。そこでは様々な研究がされており、特に『能力開発』に力を注いでるそうだ」

木山「詳しいのだね。説明の手間が省けて良いのだが……」

フィリップ「詳しい説明はここでは省こう。基本的に部外者の僕らでは関係のない場所だ」

木山「だが、今回の件では関わってもらおうと思っている。『ガイアメモリ』に関しては我々の手でどうにかできる問題ではないからな」

翔太郎「わかりました。引き受け――」

フィリップ「それはおかしな話だね。とても胡散臭い」

翔太郎「おいフィリップ! 胡散臭いってなんだ、胡散臭いって。こんな美人に……」

フィリップ「言っただろ翔太郎。学園都市は『能力開発』に力を入れていると」

フィリップ「その能力者というのは、冗談ではなく『ガイアメモリ』以上の力を持っている者もいる」

フィリップ「そんな彼らが暴徒と化す事無く、表向きには真っ当な学園都市として成り立っているのはそれ以上の抑止力があるからだ」

フィリップ「例えば風紀委員<ジャッジメント>、警備員<アンチスキル>などだね」

フィリップ「僕らがわざわざ出向かずとも、彼らの力でなんとかできると思うのが普通だと思うのだけれど?」

木山「……本当に詳しいのだね、君は。正確に言おう。我々の手で『ガイアメモリ』の件を解決したくないのだよ」

亜樹子「それってどういう……」

木山「ガイアメモリは外部の物だ。我々の産物ではない。ということは、外部の人間が学園都市にガイアメモリを流しているものがいる」

翔太郎「なるほど。その経路を見つけ出し、潰せば良いわけですね。任せてください、そんなの簡単――」

フィリップ「まだ納得は出来ない。それも君たちがやればいい事だ。何故僕たちに……」

翔太郎「おいてめぇフィリップ! さっきからグチグチと! こんな美人が助けを求めてきてるんだぞ!」

フィリップ「だから君はハーフボイルドなんだよ、翔太郎」

翔太郎「んだと!?」

木山「話を続けよう。我々はあまり外部と接触したくはない。実の所、こうして君らに内情を話すのもかなりアウトだ」

木山「しかし、外部からの問題は外部の者を使って解決する。それが暗黙のルールみたいなものなのだ」

木山「おかしな話だと思うかな? 外部の人間を遮断しておいて、問題が起きれば外部に頼る。確かにおかしな話だ」

木山「ただ『外部から勝手に持ってきたガイアメモリを外部の者が勝手に排除した」という口実が欲しいのだ」

フィリップ「あまり論理的でないけれど、言いたい事はわかった。納得しよう」

翔太郎「では改めて、その依頼を受けましょう。マドモアゼル」

木山「では君たち3人を学園都市へ案内しよう」

亜樹子「よーし、それじゃ翔太郎君! フィリップ君! 行くわよ!」

木山「いや、すまない。君はお留守番だ」

亜樹子「え? 私所長なのに? ていうか今『君たち3人』って言ったよね!?」

木山「我々が必要なのは戦力なのだよ。そして出来る限り部外者を入れたくない。つまり――」

照井「3人目は俺だ、所長」

亜樹子「竜君!?」

照井「超常犯罪捜査課にも直々に捜査協力を求められた。いや、正確には『俺』だ」

フィリップ「『戦力』という言葉、そして『僕たち3人』。あなた、知ってますね? 『仮面ライダー』を」

木山「……ああ、色々調べさせてもらったよ」

翔太郎「別に構いはしませんよ。まああまり言いふらされるのは困りますけど」

翔太郎「ってーことで! お前はお留守番だ亜樹子!」

亜樹子「なにそれ! 私の出番これだけ!? 私聞いてない!」

照井「所長はゆっくり休んでいてくれ。この一件、どうもきな臭い」

照井「できれば所長は安全な場所で俺達の帰りを待っていて欲しい」

亜樹子「竜君……」

木山「……、さて下で車を待たせてある。行こうか」

木山「都市に入る際、色々チェックや登録をさせてもらった。学園都市中では常時監視されていると思ってくれ」

照井「呼び出しておいてこの扱いはどうなんだ?」

木山「それに関してはすまないとしか言いようがない。だが逆に言えば学園内での安全が保障されたと考えて欲しい」

翔太郎「ここが学園都市!? すげぇ! なんだここ!」

フィリップ「まるで未来都市だ! そう……まるで未来へタイムスリップしたような気分だ! わくわくするねぇ!」

翔太郎「おいフィリップ。あんだけごちゃごちゃ言ってた癖に偉くご機嫌じゃないか」

フィリップ「それとこれとは話が別だよ、翔太郎! 見てごらんあの自販機! 僕の知らない飲み物ばかりだ!」

翔太郎「おっ、すっげぇ! ちょっと飲んでみようぜ! あれ、この小銭使えるのか?」

木山「……まあ、楽しんでくれてなによりだ。ちなみに通貨は日本貨幣で構わない」

照井「子供の遠足か……!」

木山「君たちが部外者だということはなるべく伏せてくれ。必要な時は私から話す」

フィリップ「なんだい、あの変なロボットのようなものは!?」

翔太郎「ぐはっ、なんだこの不味いジュースは!!」

木山「あの……聞いているか?」

照井「すまない。あとで言い聞かせておく。あいつらは放っておいてくれ」

黒子「ジャッジメントですの!」

翔太郎「だが妙に癖になるな、このジュース。もう一本買っておくか」

フィリップ「見てごらん翔太郎! あのロボット! ゴミを自動で回収している!」

黒子「そこの不審者! 無視しないでくださいな!」

翔太郎「不審者だと!? どこだ!! いきなり犯人か!?」

黒子「あなた達の事ですの!! 人を馬鹿にしないでもえらますの!?」

とりあえず最後まで書ききる事を目標にしてもらいたい

翔太郎「俺たちが不審者……? あー、すまないお嬢さん。君は何か勘違いをしている」

黒子「勘違いも何も、ジャケットにソフト帽を被った男」

黒子「それとシマシマのロングTシャツにノースリーブのロングパーカー男がはしゃいでて気持ち悪いと通報があったんですの」

翔太郎「気持ち悪いって……。んんっ、いや確かに少しはしゃぎすぎたようだ。ハードボイルドな俺がつい取り乱しちまった」

フィリップ「ここまで高度なAIが既に実用段階まできてるなんて! 今後のツール開発の参考に一つバラしていいかい?」

翔太郎「落ち着けフィリップ! どうやら俺たち、色々勘違いされてるようだ」

黒子「ともかく、身分を証明してくださいまし。ID見せてくださいな」

>>17
けいおん終わるまで頑張るわ

翔太郎「ID? ああ、これか?」

フィリップ「入るときにもらったパスのことだね」

黒子「ぶ、部外者の方……!?」

木山「あー、遅かったか……」

木山「ということで、一連の事件について彼らに協力してもらうことになった」

翔太郎「ハードボイルドな探偵、左翔太郎だ。よろしく」

照井「風都警察署、超常犯罪捜査課の照井だ」

初春「よ、よろしく……」

黒子「納得できませんわ! この程度の事件、私達ジャッジメントだけで事足りますの!」

黒子「なのにジャッジメント内部にまで入れるなんて!」

翔太郎「そう熱くなるなよお嬢さん。この件はプロの俺たちがなんとかするさ」

黒子「プロですって? こんな半人前っぽい人が偉そうな風に言わないでくれますの」

翔太郎「半人前だと!? てめぇこそさっきから偉そうに!」

木山「まあまあ。こっちも色々あるんだよ、白井君」

照井「落ち着け左、子供相手にムキになるな」

黒子「子供だと思って舐めてると、ここでは痛い目を見ますわよ?」

照井「それはこちらのセリフだ。この件、あまり舐めていると痛い目を見る」

翔太郎「お前も十分熱くなってるっての」

初春「あの……そういえば外部者は3人って聞きましたけど、もう一人は?」

木山「ああ、彼ならフラフラとどこかへ行ってしまったようだよ」

黒子「って部外者を放置しないでくださいまし!」

木山「いや、大丈夫だ。監視役……というよりは案内役として御坂君を付けている」

黒子「お姉様をですって!? なんて羨ま……コホン、あの人は今回無関係なのですよ!?」

木山「たまたまの話さ。それに今回、完全に無関係とは言えないしな……」

照井「……」

美琴「なんで私がこんな変人を……!」

フィリップ「実に興味深い。あらゆる面において現代都市の数歩先を行く設計がされている!」

美琴「さっきからブツブツと喋ってるし。ああもう、なんで悪いタイミングであの人に会っちゃったのかしら」

フィリップ「ねえ君。一つ質問していいかな? どうしても出ない答えがあるんだ」

美琴「えっ、ああ何? わかる事なら答えてあげるけど?」

フィリップ「どうして科学が進歩した都市でも、行き倒れになる人間がなくならないのだろうね?」

インなんとかさん「」

インデックス「ぷはーっ、助かったんだよ! あのままだったら餓死するところだったんだよ」

フィリップ「凄い。この小さな体のどこにあれだけの量が入るんだ。実に興味深い」

美琴「あんた、会うたびに行き倒れてる気がするんだけど。ていうか人のお金でファミレスのメニュー制覇しないでくれる?」

インデックス「むー、全部とうまが悪いんだよ! 最近いっつも帰りが遅いから困ってるんだよ!」

美琴「あいつが? ……また変な事に首突っ込んでるのかしら」

フィリップ「そうだ君の名前は?」

インデックス「インデックスっていうんだよ!」

フィリップ「インデックス――珍しい名前だね」

フィリップ「禁書目録……ふむ、実に興味深い。僕の『地球の本棚』では全てを閲覧できない」

フィリップ「地球の記録にない存在? いやそれはおかしい。本はいくつか見つかる。なら誰かがセキュリティをかけている?」

インデックス「ねー、なんでこの人さっきから一人ブツブツいってるの?」

美琴「私に聞かないでよ……。さっき知り合ったばかりなんだから」

フィリップ「魔道書、10万3000冊……、必要悪の教会。どれもこれもオカルトな単語が引っかかるな」

インデックス「!?」

フィリップ「やはり核心になるところがぼかされている。いや単にキーワードが足りてないのか?」

フィリップ「ねえ君。その名前は本当に君の名前なのかい?」

美琴「ちょっと、何変な事聞いてるの!」

インデックス「そ、それは……」

美琴「ほら困ってるじゃない!」

フィリップ「じゃあ君は彼女の名前が『インデックス』なんて名前で不思議と思わないのかい?」

美琴「お、思わないわよ! 人の名前にケチつけてんじゃないわよ!」

フィリップ「ふむ……この都市ではありふれているネーミングセンスなのかな」

美琴「あんただってどう見ても日本人なのにフィリップって名前じゃないの」

フィリップ「……、そうか、すまない。こういうのをデリカシーがないというらしいね。謝るよ」

美琴「きゅ、急に素直になったわね……」

インデックス「その……あまり『こちら』には踏み込まない方がいいんだよ。忠告だけはしておくんだよ」

フィリップ「ありがとう。けど僕はそれを我慢できない。なるべく君に迷惑がかからないように真実を見つけるよ」

美琴「なんなのこの人たち。凄く痛い人なんだけど」

当麻「こらー、インデックス! 留守番しろっていつも言ってるでしょうが! しかもビリビリに保護されるなんて!」

美琴「ビリビリ言うな! 折角保護して連絡までしてやったのに、この恩知らず!!」

当麻「ほら! こうなる!! 今思いっきり電撃飛ばした! 上条さんとしては出来るだけビリビリさんとは関わりたくないんですよ!」

フィリップ「これが噂の能力者の力。電撃、御坂美琴……。レベル5、第三位。そしてそれを打ち消す…、幻想殺し?」

美琴「表へ出なさい! 今日こそ私の『超電磁砲』で泣かせてあげるわ!」

当麻「そんなもん食らったら消し飛ぶわ!」

インデックス「とうまー。お腹空いてきたんだよー」

フィリップ「上条当麻。レベル0……? ダメだこれも閲覧が出来ない。学園都市、思っていた以上に興味深い」

当麻「で、結局こうなるわけですか? わざわざ人気のない河川敷まできて決闘? もうこういうのコリゴリなんですけど」

美琴「じゃああそこの会計、あんたが払ってくれるの?」

当麻「うう……、それを引き合いに出されると何もいえない上条さんですよ」

美琴「それじゃあまずは小手試しに……」

レールガン!!

美琴「えっ?」

当麻「い、いきなり本気!? いくらなんでも下手するとマジで死ぬぞ!?」

美琴「今のは私じゃ……、だ、誰!?」

ドーパント(?)「……今のを受けて無傷だと? くそっ、何が『これを使えばレベル5になれる』だ!」

美琴「か、怪物!? 怪物がレールガンを撃ったの!?」

当麻「い、色々経験してきたけど本物の怪人に出会うなんて、不幸だ!」

翔太郎「結局のところ、俺はこのお子様達と協力すればいいのか?」

木山「ああ、そうなるな。……できればひっそりと事を終わらせたかったのだが」

照井「別に全てを明かす必要はなかったのではないか? なぜ今さら協力などする。学園都市の力を借りるなら俺たちは不必要ではないか」

木山「まあ迂闊だったとしか言いようがない。あの子達はあれでとても優秀だ。糸口一つ掴まれれば必ず食いつかれる」

翔太郎「ふっ、俺のような優秀な探偵にはわかるぜ。ちょっとでも怪しい事があればつい調べつくしてしまう」

黒子「あら、自分が怪しいとお認めになるんですの?」

翔太郎「い、今のは言葉の綾だよ! 俺は決して怪しくねえ!」

ピピピ ピピピ

翔太郎「悪い、フィリップからだ。もしもし、どうした」

フィリップ「ドーパントが現れた。どうやらガイアメモリ流出は本当だったようだね」

翔太郎『マジかよ……。で、何処にいる?』

フィリップ「いやそれを伝える必要はないよ翔太郎。変身だ」

翔太郎『変身って。ファングはいるのか?』

フィリップ「ああ、問題ないよ」

美琴「あ、あんた! 前に出てきちゃ危ない!」

当麻「さすがの俺でも庇いきれないぞ!!」

ドーパント(?)「レールガンは使えない、か。ならこれで!」

ファング「ギャーーオ」

フィリップ「僕が危険になれば必ず来る。それは既に証明済みさ」

翔太郎『それじゃあ行くぜフィリップ』

ジョーカー!

フィリップ「ああ、行くよ翔太郎」

ファング!

翔太郎  「変身!」
フィリップ「変身!」

ファング!ジョーカー!

当麻「と、特撮ヒーローきちゃったー!?」

美琴「嘘……なんなのあいつ!?」

黒子「左さんが、なにやらカッコ付けた途端に意識を失ったんですの……」

初春「お、お医者さん呼ばないと!!」

照井「いやいい。そこらに寝かせておけ。それより俺も現場へ行く。足が欲しい」

木山「初春君。フィリップ君たちのいる場所はわかるかい?」

初春「丁度ジャッジメントに出動要請が来ました! 恐らくここの河川敷だと思います!」

木山「なら白井君。照井君と一緒に向かってくれ」

初春「ちょ、ちょっと待ってください! もう一件出動要請が! こちらも怪物に襲われたという通報です!!」

照井「ならば俺はそちらへ行こう。河川敷の所は左達がなんとかするだろう」

黒子「ちょっとあなた! 勝手に話を進めないでくださいの! ここはジャッジメントの管轄ですの」

照井「四の五の言わず行くぞ。時間が惜しい。それより足だ、できればバイクがいい」

初春「ここからバイクですと、20分ほどかかりますよ?」

照井「……どれだけ広いんだこの都市は! そのくせジャッジメントとやらの規模が小さすぎないか!!」

木山「ああ……、ドーパント絡みはこっちに回すように手回ししているからだ。本来なら別のジャッジメントが動いている」

照井「だがあまりに時間がかかりすぎる! 被害が増すだけだぞ!」

初春「あ、大丈夫ですから! そんな怒らないでください!」

黒子「そうですの。このわたくしがいるんですの!」

照井「……、テレポートか。話に聞いていたがいざ実感すると不思議な気分だ」

黒子「どうですの? わたくしの空間移動は!」

照井「それよりドーパントだ。何処にいる」

黒子「この学園都市の人間でも驚くレベル4ですのに……、なんなんですの、この人」

ドーパント(?)「待っていたぞジャッジメント。……? お前は誰だ?」

照井「俺に質問をするなあ!!」

黒子「ひぃ!」

アクセル!

照井「変……身!!」

アクセル!!

照井「さあ、振り切るぜ」

フィリップ「翔太郎。あのドーパントの左腕に注意しよう」

翔太郎『あのバズーカみたいのか。けど一度も撃ってこないな、なんでだ?」

フィリップ「さっき奴は『レールガン』と言った。加えて『使えない』とも言った」

翔太郎『なら問題ないんじゃないか?』

フィリップ「まだ使えない、つまり一定の充電時間が必要だと僕は予想している」

フィリップ「それに僕は一度レールガンの威力を見た。かなりやばいね」

翔太郎『レールガンってーと、あれか。リニアモーターカーの原理で撃つ鉄砲、だよな」

フィリップ「おや意外だ。君にそんな知識があるなんて。概ね正解だ」

翔太郎『おいおい、そんなもんぶっ放してくるなんて相当ヤバいぜ』

フィリップ「できれば彼に打ち消して欲しいんだけどね」

当麻「うおー! すげぇ! 本物のライダーだー!! 今日ばかりは幸福かもしれないぞ!!」

フィリップ「まあ、そんな良いタイミングなんて見計らえないし、僕らでなんとかしよう」

ファング! ファング! 

ショルダーファング!

翔太郎『よくわかんねーけど、とりあえず倒せばいいんだろ!」

ドーパント(?)「くっ、なんだよあいつ!」

翔太郎『えっ、逃げた!? おい! 逃げるな!!』

フィリップ「やめよう翔太郎。追跡は学園都市に任せたほうがいい。それに僕らにはバイクがない」

エンジン!

照井「くらえ!」

ドーパント(?)「こいつもガイアメモリを使うのか!」

スチーム!

ドーパント(?)「しかも俺たちのより、なんかカッコいいぞ! ずるいぞ! 俺たちはこんな化物なのに!」

照井「知るか!!」

アクセル!! マキシマムドライブ!!

ドーパント「溶けろおおおお」

照井「!? 白井!!」

黒子「……っ!!」

ドーパント(?)「……ちっ、使いづらいなこの『メルトダウナー』は。辺り全部溶けちまう」

木山「報告を聞こう」

翔太郎「なんかいつの間に俺達の上司になってない?」

フィリップ「うちの所長よりは圧倒的に有能だから、良しとしようじゃないか」

黒子「……、まずわたくし達のところから。恐らくドーパントと呼ばれる怪物による被害でしたの」

黒子「結論から言いますわ。……負けましたわ。そして照井さんが負傷しました。相手はジャッジメントを待ち伏せていた素振りでしたの」

初春「照井さん、背中に大火傷を負ってしまいました。今は病院で手当を受けています」

黒子「わたくしを咄嗟に庇ったからでしょう……。わたくしがもっと早く空間移動の判断ができれば!!」

初春「とはいえ、あの程度で済んだのは奇跡的です。報告ではある地点から半径5Mが融解していました。恐らく中心点はドーパントでしょう」

フィリップ「次に僕たちだ。こちらも取り逃がす形になってしまった。だが僕らの出会ったドーパントのガイアメモリは検討がついている」

翔太郎「『レールガン』のメモリらしい。俺は見てないが、フィリップがその威力を確認している」

フィリップ「運良くその場に幻想殺しの少年が居たから被害はゼロだ」

フィリップ「もし普通に撃たれたら照井の所ほど酷くはないが、まあ焼け野原になってもおかしくなかったね」

木山「幻想殺し……?」

フィリップ「おっとすまない、気にしないで。……そうか、内部でもやはり情報が……」

美琴「まーたブツブツ言ってるし」

翔太郎「ああー、気にしないでくれ。こいつの癖だ。ってまたお子様が増えてる!?」

美琴「だーれがお子様だ!」

黒子「お姉様になんてことを!!」

翔太郎「痛てえ! なーにしやがんだ! ていうか電気はねーだろ電気は! こちとら今生身なんだぞ!!」

美琴「あら失礼。けど無敵の仮面ライダーさんも変身しなければただの人間なのね」

翔太郎「お前、なんで仮面ライダーの名前を!?」

美琴「……あのツンツン頭があんた達を見て」

当麻『すげぇ! 仮面ライダーだ!! うっそ! 本物ってありかよ!! うっひょー!』

美琴「とか言って凄くはしゃいでいたからよ」

翔太郎「ふっ、さすがは俺達。こんなところでも有名人……か」

あ、けいおん始まる。こんな事してる場合じゃねえ!

けいおん時間にこんな駄スレ見る奴いないだろうし
というかけいおん見届けないと生きていけない

永遠のK/笑顔の卒業式

おいなんで俺が寝てるときに盛り上がってるんだちくしょう

フィリップ「では次の議題だ。この一連の流れをどう見るか」

木山「一見計画性がないようにも見える。それに彼らが暴れる理由もわからない」

黒子「スキルアウトの連中だってもう少し理性的に動きますわ。しかもお姉様を狙うなんて命知らずもいいところですわ」

フィリップ「そこだ、白井君。何故彼らは御坂君を狙ったのか。そこがキーになると僕は思っている」

初春「あのー、たまたまってのは無しですか?」

フィリップ「出来ればその可能性は消したい。でないと糸口がゼロになってしまうからね。

翔太郎「まあガイアメモリによって凶暴化し暴走、たまたまフィリップ達がそこにいた、が一番辻褄が合うんだけどな」

フィリップ「けどあのドーパントは言ったんだ『これを使えばレベル5になれる』ってね」

美琴「私の超電磁砲をパクっておいて何て言い草かしら。そんな簡単にレベル5になれれば誰も苦労しないっての」

フィリップ「そう、それだ。君は『超電磁砲』が撃てるからレベル5なのかい?」

美琴「そういう風に聞かれると困るわね。あれは名刺みたいなものよ、本当は『電撃使い』ですもの」

翔太郎「だからビリビリしてるんだな……ってだから電気飛ばすんじゃねえ!!」

美琴「ビリビリ言うな!」

フィリップ「少し纏めよう。レールガンのドーパントに関しての情報は3つ」

フィリップ「一つ、レールガンが撃てる。まあ基本的な情報だけれど、非常に重要だ。あれはとても危険な攻撃だ」

フィリップ「二つ、レールガン以外の攻撃は大したことがない。軽い電気を飛ばすぐらいだ」

美琴「そう聞くと大したことない奴に思えるわね」

黒子「そもそもお姉様の能力は応用力がウリですもの」

フィリップ「三つ、犯人は低能力者、ないしは能力を持たないものである」

美琴「えらく自信有り気だけど、どうしてそう断定するのかしら?」

フィリップ「レールガン以外の攻撃が凄くお粗末だからさ。もしそれなりの能力者ならそれも織り交ぜてくるはず」

翔太郎「まあ足が付かないようにわざと隠してたって線もあるが、あの様子だとそこまでの頭はなさそうだったぜ」

フィリップ「何より力ない者は力に縋りたくなるもの。ですよね、木山さん」

木山「……。ああ、それは身を持って知っている」

黒子「けど結局足取りが付きませんの」

美琴「最初から疑うのも気が引けるけど、スキルアウトの連中で条件を絞ったら?」

初春「それでも山ほど該当者がいます……それにリストは完璧ではないですし」

黒子「スキルアウトの動向はどうなってるんですの?」

初春「この一件を引き受けてから他の事件は他所に回してもらってるんですが、報告によると普段通りらしいです」

翔太郎「普段通りってーと……平和ってことか?」

黒子「普段通り、おバカさんが好き勝手してるってことですの」

翔太郎「おっかねえ街だ。さて、埒が明かねえ。俺は行くぜ」

美琴「えっ、ちょっと何処に?」

翔太郎「さあ、風の向くままに、かな」

美琴「勝手な行動するなー!!」

黒子「い、行っちゃいましたわ」

フィリップ「ここは翔太郎に任せよう。彼の勘とてもいい。なにより一つの仮定の証明にもなる」

初春「ううー、やっぱりこの人もなんか変だよ……」

黒子「って! 左さんったらお姉様と二人っきりでお出かけですの!? 許しませんわ!!」

初春「ちょ、ちょっと黒子さん! 落ち着いてください! 黒子さんがいないともしもの時に困るんです!」

木山「……彼らに任せたの、失敗だったかな」

美琴「ちょっと! なーにふらふら歩いてるのよ!!」

翔太郎「情報が欲しい。ここは風都じゃないから顔も利かない。かなり収集しづらいが、それでも何もしないよりマシだ」

美琴「情報なら初春に任せれば」

翔太郎「事件の鍵ってのは、自分の足で見つけるものさ。まあデジタルな情報が便利なのは認める。ならあの頭に花咲かせてる子に任せよう」

翔太郎「だがその一方で俺はアナログで攻める。情報は多いほどいい。人から伝わる生の情報はいつだって人生の糧になるからな」

美琴「なにカッコつけてんのよ!」

翔太郎「だからビリビリはやめろって!! くっそ、まだ亜樹子のスリッパのほうがマシだぜ」

???「……居たぞ。恐らく例の奴だ」

アクセラレーター!!

???「仕掛けるぞ」

翔太郎「っ!? ドーパント!? 情報より先に本命かよ。いくぞフィリップ」

ジョーカー!

フィリップ「やっぱり来たね」

サイクロン!

翔太郎  「変身!」
フィリップ「変身!」

サイクロン! ジョーカー!

フィリップ『御坂君。初春君と連絡を取ってくれないか。あのドーパントが照井たちと出会ったのと同じかどうかを聞いてくれ」

美琴「わ、わかった! ……って私が戦ったほうが早いんじゃないの!?」

フィリップ『いや、それはあとにしよう。もし照井と戦ったドーパントならさっさと逃げた方がいいからね』

翔太郎「おい無駄口叩いてないでいくぞ!」

ドーパント(?)「……」

翔太郎「……なんで棒立ちなんだ?」

フィリップ『さあ。もしかすると何かしらの為に充電しているのかも? 例えば、周囲を融解させるための』

翔太郎「おいそれってすっげぇヤバイんじゃないか?」

美琴「黒子から聞いてみたわ! まったく別物だそうよ!」

翔太郎「なら問題ねえ。いくぜ!!」

ドーパント(?)「……」

翔太郎「ってパンチが効かないぞ!」

フィリップ『それどころか、少し手が痛むね』

翔太郎「どういうことだよフィリップ。どうすりゃいい。なんかバリアみたいなの張ってるんじゃないか?」

フィリップ「色々試してみればいい。メモリーチェンジだ」

メタルゥ! 

サイクロン! メタルゥ!

美琴「い、色が変わった!? ていうかセンターマンってやっぱりダサい」

翔太郎「おいてめぇセンターマンとか言うな! ああもう、これでどうだ!」

ドーパント(?)「……」

翔太郎「くっそー、やっぱり効かねえ。腕もなんか痺れてくる。まるでビリビリの攻撃食らったみてーだ」

美琴「ビリビリ言うなー!!」

フィリップ『これで最後の攻撃にしよう。もし効かなければ全力で撤退だ』

翔太郎「おい何弱気な事言ってんだよ。まだエクストリームが……」

フィリップ『いやいいんだ。情報は揃ってきている。無理する必要はないよ』

翔太郎「……オーケー相棒。信じるぜ」

トリガー! 

サイクロン! トリガー!

翔太郎「食らえ」

ドーパント(?)「……」

翔太郎「うおっ! 撃った弾が戻ってきたぞ!?」

フィリップ「やっぱりね。奴に僕らの攻撃は効かない。引こう翔太郎、御坂君」

美琴「反射って……そんなのありえない!」

翔太郎「おいあいつ何してんだ!?」

フィリップ『本物の超電磁砲か……ぞくぞくするね』

美琴「喰らえええええええ!!」

翔太郎「このバカ!」

ルナ!ジョーカー! 
ルナ!ジョーカー! 

木山「報告を聞こう」

翔太郎「すっかり定位置ですね、そこ」

木山「くっ……わかっていたとは言え出番の少なさに泣けてくる」

フィリップ「先ほど遭遇したドーパントのメモリは『アクセラレーター』と予測される」

美琴「くっ……!」

フィリップ「全ての攻撃が無条件で反射された。それは御坂君の超電磁砲すら跳ね返した」

だが無意味だ

翔太郎「ただあえて条件を付けるなら、100%返す訳じゃなさそうだ。でなきゃ超電磁砲の反射に俺たちの手が間に合う訳ねえ」

フィリップ「だからといって反射できない分が貫通するわけではないようだ。可能な限り反射して、あとは雲散する、という感じだね」

黒子「それって……無敵じゃないんですの?」

フィリップ「いやあのドーパント自体は脅威じゃない。何故なら身動きが取れないからね」

初春「反射しかできないなら、歩く時の運動エネルギーが自分の足に倍かかるから、ですか?」

フィリップ「その通り。かといって反射を切ればただの頑丈な怪人。僕らにかかれば簡単に倒せる相手だ。そもそも攻撃しなければいい」

フィリップ「さて、僕らは合計3種類のドーパントと遭遇した。ここで結論を出そう。彼らは一つのグループである可能性が高い」

翔太郎「フィリップはたまたま、照井は自分から会いに行った。そのあと俺を狙うかのように現れたアクセラレーターのドーパント」

フィリップ「恐らく情報収集だろうね。仮面ライダーというものの情報が欲しいから、鉄壁の壁を明かしてまで現れた」

黒子「けれど、たったそれだけじゃまるで糸口が……」

翔太郎「大丈夫だ。キーワードは揃ってる」

フィリップ「さあ、検索を始めよう

翔太郎「まず照井と遭遇したドーパントを絞り込もう。一番危険なドーパントだからな」

黒子「えっと……何をするんですの?」

翔太郎「地球の本棚ってのがあってフィリップはそこから地球の記録を閲覧する事ができるんだ」

美琴「……はあ?」

翔太郎「詳しい話は後だ。フィリップ、キーワードだ。ひとつは『学園都市』

翔太郎「ふたつ目『能力開発』

フィリップ「最後に『レベル5』だ。……複数の検索結果が出たけれど、十分かな」

フィリップ「照井たちと遭遇したドーパントのメモリは「メルトダウナー」と予想される」

黒子「レールガン、アクセラレーター、そしてメルトダウナー」

美琴「全部レベル5の能力じゃない!!」

木山「となると、他のドーパントがいるならば同じくレベル5の能力か……」

初春「それって凄く大変な事じゃ……」

フィリップ「いや、レベル5のメモリはこの3つだけだと推測される」

翔太郎「あー、フィリップ。すまねえレベル5について説明してくれ。俺にはさっぱりだ」

美琴「それなら私がするわ。レベル5っていうのは、能力者のレベルの事ね」

美琴「0から5まであって、それぞれ能力の強弱でランク分けされるの」

黒子「しかしただ単に攻撃力が高い、とかだけでは割り振られませんの。わたくしの空間移動もレベル4ですから」

美琴「当然だけど、レベルが高いほど人数が限られてくるわ。特にレベル5はたった7人しか確認されてないの」

フィリップ「上から順に『一方通行』『未元物質』『超電磁砲』『原子崩し』『心理掌握』……あとは僕でも閲覧できなかった」

美琴「第七位に関しては『未解明』といったところかしら。なんだかよくわからないけど、凄いのよ」

翔太郎「どう凄いんだ?」

美琴「噂でしか聞いたことないけど、音速の二倍で動いたり七色の煙をだして爆発したり念動弾を撃ったりするらしいわ」

翔太郎「なんだそりゃ。なんでもありっつーか、本当に訳わかんねーな」

フィリップ「レベル5の能力の情報がこの学園都市でどこまで流れているかは僕にはからない」

フィリップ「けど一連のドーパントはレベル5のなぞった能力であると断定しよう」

翔太郎「だがその割にあんま強くなかったな。まあメルトダウナーってのだけ別格なんだろうが」

フィリップ「だが本物の『原子崩し』は第四位だ。その上を行く『一方通行』『超電磁砲』が格下なのは不自然だ」

美琴「あの……ちょっといいかしら。『原子崩し』とメルトダウナーの能力、ちょっと食い違いがあるような」

フィリップ「いいところに気づいたね。その通りだ」

フィリップ「『原子崩し』の能力は電子を操る能力だ。決して周囲を融解させる能力じゃない」

翔太郎「あー、難しい話はよくわかんねーけど、つまりどういうことだ?」

フィリップ「『原子崩し』を英字に訳してメルトダウナーとする。そしてその意味は炉心融解」

美琴「……レベル5をなぞってるだけで、完全再現しているわけではないってことね」

フィリップ「その通りだ。レールガンもアクセラレーターも「一部の有名な部分」だけを取り出しているんだ」

美琴「『一方通行』はベクトル操作の能力よ。普段は危害を加えてくるものはオートで反射してるらしいけど」

美琴「触れた者の血液や体内電流だって自由に操れるし、やろうと思えば空気や風向だって操ってくるわ」

翔太郎「他のレベル5の能力はどんなんだ?」

フィリップ「まず『未元物質』これはこの世界に存在しない物質を作り出す能力だ」

フィリップ「レールガンやアクセラレーターがレベル5の能力を完全再現できなかった点を考慮すると、このメモリは存在しない」

美琴「なるほど……。確かに漠然とした能力すぎて再現しづらいかもね」

黒子「『心理掌握』は精神操作系の中でもトップクラスですから、それも再現できるとは思えませんの」

フィリップ「そうだね。いいところ念話ができたり、相手の心を読むぐらいだろうね」

翔太郎「けどそれじゃあドーパントの能力としては微妙になるか」

フィリップ「ドーパント自体が脅威になる風都とは違って、ただの怪人では無意味だからね」

黒子「それで、結局どういうことですの? 犯人の目星は付いたんですの?」

フィリップ「結論を言おう。わからない」

美琴「ちょっと! キーワードは揃ったとか言ったじゃないの!」

翔太郎「まあ落ち着け。相手の最大戦力がメルトダウナーだってわかった以上、あとはゆっくり捜査を続ければいい」

フィリップ「恐らく最上位だろう3つのドーパントに対してとれる対策を立てよう」

フィリップ「まずレールガン。このドーパントにはわかりやすい弱点がある」

美琴「一発撃ったら二発目がないってことね」

フィリップ「少し訂正をいれよう。再充電にとても時間がかかると。それに初発を必ず回避できる保証はない。気をつけよう」

黒子「アクセラレーターのドーパントに対してはどうするんですの?」

翔太郎「あー、こいつは基本無視だな。ていうか多分もう出てこないだろうぜ」

フィリップ「その通りだ。それに攻略法も考えてある。ただ、これは照井に任せるしかないので彼の回復を待とう」

初春「メルトダウナーのドーパントはどうするんですか?」

フィリップ「非常に難しいところだね。正直勝ち目がない。ただ……向こうもあまり使いたくないんじゃないかな?」

木山「……メルトダウナーの被害は今回は初めてだ。レールガンのドーパントは何度か確認されているが」

フィリップ「アクセラレーターは能動的な能力じゃないから当然として、あの高威力のドーパントを何故出し惜しみしていたのか」

黒子「相応のリスクがあるのでは? いくらガイアメモリとはいえノーリスクで周囲を融解させるなんて不自然ですの」

翔太郎「リスクと言えるかわからねーが、ガイアメモリには中毒性がある。あまり使わせて制御しきれないと面倒なんだろうぜ」

フィリップ「僕もその線を押そう。それに君や照井を倒すためだけに周囲全てを融解させるのは少し不自然だ」

翔太郎「つまりあまりに威力が高すぎて細かい制御がしづらいんだろうぜ。発動させるたびに融解させまくっちゃ不都合があるんだろう

フィリップ「メルトダウナーが暴走されると困る。加えて都市を破壊しすぎても困る。その点から見るとメルトダウナーの上に黒幕がいる」

翔太郎「さらにアクセラレーターを使って俺達に牽制をしてきた。確実に組織的な犯行だろうぜ」

黒子「……なんか案外優秀な方々なんですのね、意外ですわ」

美琴「けど結局、その黒幕がわからないんじゃ意味がないじゃない」

初春「この件に関しては他のジャッジメントやアンチスキルに頼れませんし、情報も人も足りません」

フィリップ「そこでだ、僕達はこれから別行動を取ろうと思う」

木山「……いや待ってくれ。それは困る。言っただろ、あまり内部の者と接触されると困ると」

木山「それに私は既にこの場を任されてしまった。とても不本意なのだが、ここを離れられないんだ」

木山「最初に言ったが、君らだけを野放しにはできない。かといってジャッジメントも人手不足なんだ」

美琴「私もできれば黒子たちの援護に回りたいわ。黒子や初春じゃ戦闘には向いてないし」

黒子「お、お姉様! わたくし感激ですわ! お姉様に想っていただけるなんて!」

美坂「ちょっと抱きつくくな!!」

フィリップ「一人だけ、いや二人かな。既に僕と接触してしまった人物がいる」

美琴「それって、もしかして……」

フィリップ「そう、上条当麻さ」

御坂は初春をさん付けするし、初春は黒子の事は白井さんって呼ぶよ

支援や保守してくれてる方ありがとうございますううううう。

言い訳をさせてください。
>>147の指摘があるように、実は超電磁砲については疎いのです。漫画だと2巻までしか持ってません。
なのに気づいたら超電磁砲メンツばかりになってます。これはいけない。
だから魔術サイドに移行しようと思いました。
つまり風呂敷を広げすぎてたためない状態です^p^
ある程度書き終えて、それでもスレが残ってたら続けます^p^

家にある禁書がどこかに行った。一冊も手元にない、なぜだ。
呼び方とか細かい設定はうろ覚え+脳内補完だけど、それでいいなら続けるぜい。

これまでの仮面ライダーWは!

木山「我が学園都市に『ガイアメモリ』がいくつか確認されている」

黒子「レールガン、アクセラレーター、そしてメルトダウナー」

美琴「全部レベル5の能力じゃない!!」

初春「この件に関しては他のジャッジメントやアンチスキルに頼れませんし、情報も人も足りません」

フィリップ「そこでだ、僕達はこれから別行動を取ろうと思う」

木山「……いや待ってくれ。それは困る。言っただろ、あまり内部の者と接触されると困ると」

フィリップ「一人だけ、いや二人かな。既に僕と接触してしまった人物がいる」

美琴「それって、もしかして……」

フィリップ「そう、上条当麻さ」

当麻「不幸だ!! い、いや仮面ライダーさんと会えて幸運なのか!? わかねえ!!」

翔太郎「ハードボイルドな探偵、左翔太郎だ。よろしく」

フィリップ「僕とはさっき会ったよね、よろしく」

当麻「よ、よろしく!! うおー!! なんか燃えてきた!!」

翔太郎「な、なんか変な奴だな」

フィリップ「確かにね。実に興味深い少年だよ」

当麻「それで、そのガイアメモリを使ってる連中を見つけ出せばいいんですか?」

フィリップ「いや、それはジャッジメントに任せよう。僕達は別の目的があるんだ」

翔太郎「えっ? そうなのか?」

フィリップ「疑うわけじゃないけれど、木山さんの言動がいまいち現状と一致しないんだ」

翔太郎「おいおいそりゃないぜ相棒。あの人はとても良い人だ。でなきゃあのお子様たちから信頼されるわけねえ」

フィリップ「言っただろ? 疑うわけではないと。どちらかというと……、彼女も利用されてる、というべきかな」

フィリップ「翔太郎、彼女からの依頼を思い出すんだ」

翔太郎「えっと『学園都市でガイアメモリがいくつか確認されたから――』  !?」

フィリップ「そう、僕らの遭遇した3種類のドーパントだけではないはずなんだ」

フィリップ「ここ最近に起きた学園都市の事件を閲覧させてもらった。ドーパント絡みと思われる事件がいくつかある」

当麻「あのー、上条さん話についていけないんですけど」

インデックス「とうまー、そういう時は大人しく話を聞いておくんだよ」

フィリップ「共通点は『怪人が現れた』つまりドーパントだ。そのうちの多数はレールガンの仕業と思われるものだ」

フィリップ「だが先にも言ったけどレールガンドーパントはレールガン以外に取り得はない」

フィリップ「なのにドーパント被害の内に『火事』『ビルが突然砕けた』といったようなものも存在した」

翔太郎「火事はレールガンの二次被害、ビルもレールガンでぶっ壊したんじゃないのか?」

フィリップ「いや、学園都市の撮影した衛星写真にはっきり残っているんだ。僕らの遭遇した以外のドーパントがね」

翔太郎「おいおい、何でそんな重要な情報を教えてくれないんだよ!」

フィリップ「さあ? だからどうもこの件は胡散臭い。けど安心したまえ、木山さんは完全に白だ」

フィリップ「この情報は地球の本棚で入手したものだ。だがごく一部しか閲覧できなかった」

フィリップ「地球の本棚ですら閲覧できない情報を木山さんにまで流れてくるとは思えない」

翔太郎「おい待て。地球の本棚ですら閲覧できない情報だと? そんな事ってあるのかよ!」

フィリップ「僕としても驚いている。だがこの都市に関わる様々なところに検閲がかかっているのは事実だ」

フィリップ「例えば、そこの二人とかね」

インデックス「へ?」

当麻「いきなり話を振らないでもらえますか!?」

翔太郎「どういうことだフィリップ。どう見てもただの学生とその妹だぞ」

インデックス「い、妹だなんて失礼なんだよ! がぶっ!」

翔太郎「ああああ! てめぇなんで噛み付くんだよ!!! つか超痛てええええ!」

当麻「ああ……この人、俺と同類かもしれない」

フィリップ「上条当麻。記録上はレベル0の無能力者。けれどその右手には『幻想殺し』を持つ」

当麻「な、なんでそれを!?」

フィリップ「インデックス、禁書目録。完全記憶能力により10万3000冊の魔道書をその頭に記憶している」

インデックス「!!?」

翔太郎「魔道書? なんかオカルトな話だな。ここは学園都市だろ? 科学が最も発達してるこの都市には無関係なんじゃないのか?」

フィリップ「僕も半信半疑けどね。しかし魔術に関する記録はとても古い時代から存在している」

フィリップ「そしてそれを証明することは僕にはできない。有るとも無いとも言えない。まるで悪魔の証明さ」

フィリップ「だがここは一旦有るという前提で話を進めよう」

インデックス「あ、あの! だからあまり『こちら』には来ないほうが!」

フィリップ「言っただろ? まさか君ともあろうものが忘れたのかい? 『僕はそれを我慢できない』ってね」

翔太郎「こちら? よくわかんねーけど話を進めようぜ」

フィリップ「翔太郎、最初に言っておこう。もしかすると僕らはここから先に踏み込んだら、もう戻ってこれないかもしれない」

翔太郎「はあ? お前何を言って――」

当麻「あの、俺からも。魔術とかそういうオカルトはあまり関わらない方がいいです」

翔太郎「……フィリップ、一つ質問だ。その魔術とやらに関わらないと、この事件は解決できないのか?」

フィリップ「そうだね……。表向きな解決はできるかもしれない。とりあえず今確認されているドーパントを倒せば、一応の解決になる」

翔太郎「それじゃあダメだ。きちんと解決しないと、ここに住む人たちが安心して暮らせない」

フィリップ「だけど彼らは僕らよりずっと強い力を持っているよ? ここは風都じゃないんだ、彼らは彼らの力で事を解決するべきだ」

翔太郎「フィリップ。ガイアメモリの事件は俺たちが解決しないといけねえ。これはケジメだ」

翔太郎「それに風都じゃなくても、この街に涙は似合わねえ。あのお子様たちにも笑顔で居て欲しいんだ」

フィリップ「さすがはハーフボイルドだ。実に甘い。だが、それでこそ翔太郎だ」

当麻「あのー、この話に上条さんって必要なんですかー? もしもーし」

フィリップ「では話を進めよう。インデックス君、この街に魔術師が来ることはあったかい?」

インデックス「本当に、『こちら』へ来ちゃうの? 知らないほうが良い事もたくさんあるんだよ?」

当麻「インデックス、話してやろうぜ。この人たちは仮面ライダーで、本物の正義の味方なんだ」

インデックス「仮面……ライダー?」

翔太郎「その話はあとだ。そもそも魔術ってなんだ?」

インデックス「しょうたろうはゲームとかやったことある?」

翔太郎「いきなりなんだよ。まあ、あるぞ、それなりに」

インデックス「RPGとかに出てくる魔法の事を魔術っていうんだよ」

翔太郎「そのまんまかよ! ていうか魔法って!」

フィリップ「落ち着きたまえ翔太郎。それで、具体的にはどうすれば魔術が使えるんだい?」

インデックス「例えば魔術書に書かれている通りの事をする。例えば呪文を唱える。例えば魔方陣を描く。色々な方法があるんだよ」

翔太郎「おいおい本当にファンタジーそのままだな。じゃあなんだ? 俺でも使えるのか?」

インデックス「うん。しょうたろうが異能者じゃなければ、きっと使えるよ」

翔太郎「マジで!?」

フィリップ「異能者じゃなければ、か。それはどういう意味かい?」

インデックス「えっとね。さっき言った方法はつまり『正しい手順』を行うというルールなの」

インデックス「けどそれは一般人が使用する場合を想定して編み出されたものなの」

インデックス「だから異能者、根本的に一般人とは違う人間がそれを使った場合『正しい手順』を踏む事ができないの」

インデックス「……本当はもっと複雑なんだけど、とりあえず噛み砕くとそんな感じなんだよ」

当麻「学園都市の能力開発の一環で薬やら手術やらで色々体や頭をいじくってるからな」

翔太郎「ちょっと待てさらっとグロい事言ってないか?」

当麻「そうでもないですよ。能力開発のカリキュラムは安全が確保されてます。ただ……一部は無理してるところもあるらしいですが」

フィリップ「能力開発に関しては閲覧が可能だった。一見非人道的だけど、それは科学が遅れてる僕らの価値観だろうね」

翔太郎「ってことは、あのビリビリとかも……。つーかお前もか?」

当麻「ええ、一応カリキュラムは受けてます。けど、まあ意味ないんですけどね」

フィリップ「幻想殺しの所為で全ての異能は打ち消されるからね。加えて学園都市のスキャンすら回避してしまっている」

翔太郎「お前実はすごい奴なのか?」

フィリップ「話を戻そう。魔術師はこの学園都市に来たことはあるかい? 公式非公式は問わない」

インデックス「うん、何度かあるよ。まずはわたし自身。そしてわたしを追いかけてきた魔術師が2人」

当麻「……うーん、考えてみると結構いるなあ。アウレオルスは勝手に来たけど、その時のステイルは呼ばれて来たらしいし」

フィリップ「ありがとう、十分だ」

翔太郎「フィリップ。お前はこの件にその魔術師ってのが絡んでると思うのか?」

フィリップ「そうだね。いや……むしろ魔術師も利用されてるんじゃないかな?」

フィリップ「魔術とガイアメモリは非常に近しい。ごく普通の人間が特殊な力を得られるという意味でだ」

当麻「それなら異能者もなんじゃないですか?」

フィリップ「そうだね。ただ得やすい力かどうかという点では異能よりは魔術寄りと考えて良い」

翔太郎「ああ。事実、大多数の人間はそこまで強い異能は得られないんだろ?」

インデックス「でもでも、魔術師はとても面倒というかプライドが高くて、ガイアメモリなんかに力を貸さないと思うんだよ」

フィリップ「そう、宗教的な問題やらで魔術師の価値観はガチガチだ。だから利用されている。その力の性質だけをね」

フィリップ「さて、僕たちが今手にしている情報はこれだけだ。では翔太郎、こういう時はどうするべきだい?」

翔太郎「決まってる。自分の足で情報を掴みに行くのさ」

当麻「ちょっとー、あのー、一応大人しくさせてくれって言われてるんですけどー」

翔太郎「おい坊主、今この街に危機が訪れている。それを知って、お前はじっとしていられるのか?」

当麻「っ!」

フィリップ「上条君。君のここ最近の事柄は断片ならが閲覧させてもらった。君も翔太郎と同じような人間じゃないのかな?」

当麻「俺、行きます!」

インデックス「とうまが簡単に乗せられちゃったよー!?」

当麻「といっても、学園都市は凄く広いですよ? こうして歩いてるだけでいいんですか?」

翔太郎「だからってじっとしてても仕方ないだろうが」

当麻「あと学生じゃ入れない地区とかもありますよ。もし何かあるならそういうところなんじゃ……」

フィリップ「仮にそうだとしても、まずは尻尾を掴まないと乗り込む意味はない。まあ今は地道な調査が必要だよ」

翔太郎「そういやフィリップ。珍しく付いてきたんだな。いつもは事務所にこもるくせに」

フィリップ「さすがにあの子と二人でお留守番は僕には辛いよ」

翔太郎「……うん、まあ、噛みついてくるしな」

フィリップ「最後には多分彼女の知識が必要になるだろうけど、それ以外はあまり不用意な接触はしたくないんだ」

翔太郎「お前がそこまで警戒するなんてな……。一体何者なんだ、あのシスターもどき」

フィリップ「彼女自身はさほど危険ではないよ。ただ……」

翔太郎「ただ?」

フィリップ「ちょっと僕とキャラが被ってないかい? 説明キャラ的な意味で」

土御門「おー! カーミやーんの後姿発見!」

青ピ「そしてお隣に二人の人影! このパターンだと美少女!!」

土御門「まーたカミやん病ですかにゃー。どれどれからかってやりましょ」

青ピ「カミやーん。ボクたちと女怪人の素晴らしさについて語ろうぜーい!!」

当麻「げっ、土御門に青髪ピアス!?」

翔太郎「なんか、凄く個性的なお友達だな、おい」

フィリップ「けどあまり興味は沸かないねえ」

土御門「って美少女じゃないやん! ただのイケメンやん!」

青ピ「も、もしかしてカミやんそっちもいける系……!?」

当麻「何の話だよ! ちょっと色々あるんだよ!!」

土御門「カミやんまた厄介事に巻き込まれてるにゃ? そういえば最近怪人騒ぎが多発してるっていうし」

青ピ「しかもそれを退治に仮面ライダーが出たなんて噂まであるんよ?」

当麻「へ、へえ……。俺も見てみたいなー……」

土御門「カミやん……、そういうわかりやすい所、好きだぜい」

青ピ「うん? なんで告白してるん? まさかこのイケメンに嫉妬した土御門が……!?」

土御門「にゃー、俺は義妹命だぜい! それじゃあカミやん、がんばってにゃー」

翔太郎「なんなんだ、あいつら」

当麻「えっと……サングラスの奴には多分バレました。二人が仮面ライダーって」

フィリップ「今の会話でその情報が漏れた……? ふむ、少し興味があるねえ」

当麻「あれで結構訳ありな奴なんですよ。まあ邪魔とかしてこないと思いますから、とりあえず放っておいてください」

御坂妹「おや、奇遇ですね。とミカサは見慣れないイケメンに警戒しながら爽やかな挨拶をします」

翔太郎「げっ、ビリビリ!?」

御坂妹「その反応はまるで上条当麻そっくりですね。とミサカは感嘆しながら呟きます」

御坂妹「ミサカはお姉様の妹です。とミカサはかなりざっくりと説明します」

当麻「まあ、色々あってあのビリビリのクローンなんだ」

フィリップ「クローン技術まであるのかいこの都市は! 凄い科学技術だ!」

御坂妹「さて、買い物の途中なので失礼します。とミサカは最初で最後の出番に胸打たれながら別れを告げます」

翔太郎「何故出てきた! めっちゃ話関係ない人ばっかり出てきやがって!」

当麻「といったって、そもそも当てがあるわけでもないし。そう簡単に話は――」

ステイル「進ませてもらおうか。いい加減ダラダラしてきてるしね」

当麻「げっ、ステイル! なんでお前がここに!!」

翔太郎「おいおい今度はなんか怖えー面の神父さんかよ」

フィリップ「なんだいあの目の下のバーコード! おかしなセンスだねえ! 興味深い!」

ステイル「まったく。君はどうして人に好かれるかな。人払いをする前にどんどんと人が君に集まってきたよ」

ステイル「面白いからつい眺めていたけどね。いやー君は本当に色んな変人に好かれているね」

当麻「この悪趣味が……」

ステイル「さて、本題だ。恐らく君らの欲してる答えのヒント……になるかもしれない」

翔太郎「神父ってタバコ吸っていいのかよ」

フィリップ「さあ? というか彼が神父なのかも怪しい」

ステイル「……。先日、こんな苦情が僕に来たんだ『お前のイノケンティウスが学園都市で暴れてる、なんとかしろ』ってね」

当麻「イノケンティウスって、あれか?」

ステイル「そう、僕の魔術だ。バカもほどがある。イギリスにいる僕に対して言いがかりもいいところだ」

フィリップ「イノケンティウス。ふむ、ただのローマ教皇の名前だね」

フィリップ「追加ワード『ステイル』『魔術』……。検索結果、魔女狩りの王。なるほど、ルーンを介して発動する人型の炎だね」

フィリップ「意味は『必ず殺す』 かなり物騒な魔術だね」

ステイル「……上条当麻。君は本当に変な奴に好かれるな」

当麻「その変な奴にお前も含まれてるからな! なんだよ、こっちも忙しいんだよ、手は貸さないぞ!」

ステイル「いや今回は君に用はないよ。あるのはそちらの仮面ライダーさ」

翔太郎「あん? 俺たち?」

ステイル「一応騒動の概要は聞いている。恐らくイノケンティウスの偽者もガイアメモリとやらだ」

ステイル「だがガイアメモリを破壊するのは僕には無理だ。だから力を借りたい」

ステイル「もっとも、ただ殺せばいいってなら話は別なんだけどね。でもなるべく殺すなと言われている」

フィリップ「話を聞こう。というより、君の持っている情報が欲しい。なるべく全て」

ステイル「うん? そんな大した話しではないよ?」

翔太郎「いや構わない。今の俺たちにはろくな情報が回ってこないんだ、なんでもいい」

ステイル「魔術をコピーした術式をガイアメモリという媒体で復元し、それが学園都市内で流通されている、という話だけど?」

フィリップ「翔太郎、一歩前進だ。僕たちの知っているガイアメモリはレベル5のコピーだけだった」

当麻「け、けど魔術までコピーなんてできるのかよ!?」

フィリップ「超能力を再現するよりは簡単なんじゃないかな。あくまで魔術は一定の法則に則ってるに過ぎないからね」

翔太郎「だがわからねーことがある。魔術って誰でも使えるんだろ? なんでガイアメモリなんかにするんだ?」

フィリップ「異能力者に魔術は使えない。同じように魔術師には異能が使えない」

フィリップ「けどガイアメモリなら?」

翔太郎「そうか、どっちの人間でも別の力が得られる!!」

ステイル「なんだが規模の大きな話になってきたね。僕はイノケンティウスの紛い物さえぶっ殺せればそれでいいんだけど」

当麻「わざわざ顔出してきやがったってことはそのコピー品のある場所に目星ついてるのか?」

ステイル「もちろん。というか、でないと人払いなんてしないよ」

イノケンティウス!

イノケンティウスドーパント「―――!!」

ステイル「ここにいるのは僕たちと、あいつだけさ。ふん、確かに見た目だけならイノケンティウスにそっくりだな」

当麻「結局巻き込まれるのかよおおおお」

翔太郎「いや、向こうからやってきてくれるなら好都合だ。いくぜフィリップ」

ジョーカー!

フィリップ「上条君。僕の体、よろしく」

サイクロン!

翔太郎  「変身!」
フィリップ「変身!」

サイクロン! ジョーカー!

当麻「うわっ、フィリップさんが気を失った!?」

ステイル「ふーん、あれが噂の仮面ライダーか」

フィリップ『翔太郎。ヒートで行こう。あれがイノケンティウスドーパントならきっと炎を扱ってくる」

翔太郎「つーか見たまんま炎タイプって感じだな。体が真っ赤だぜ」

ヒート!

ヒート! ジョーカー!

ステイル「気をつけてね。一応僕のイノケンティウスなら炎の温度は3000℃まで達するよ」

翔太郎「ってそれじゃいくらヒートでも防ぎきれねーぞ!」

フィリップ『大丈夫だよ翔太郎。本来イノケンティウスはルーンを介する事で発揮できる魔術だ」

ステイル「その通り。もしルーン無しでそこまでの炎が出せるなら、もはやルーンの価値はゼロになるだろうね」

翔太郎「じゃあなんで茶々入れるんだよ! つーかお前も戦えよ!」

ステイル「うん? だって僕じゃメモリは破壊できないし」

翔太郎「ああもう、なんかこの神父ムカつく!!」

イノケンティウスドーパント「―――!!」

フィリップ『気をつけて。奴の飛ばす火球はそれなりに厄介だよ」

翔太郎「ならこれだ!」

メタルゥ!

ヒート! メタルゥ!

翔太郎「打ち返すぜ!!」

フィリップ『まあ、全身が炎なんだから打ち返しても意味ないよね』

翔太郎「とはいえ真っ直ぐ返さねーと建物に当たっちまう」

フィリップ『……この威力なら扱いやすいし、炎という極めて単純な能力。レベル5のドーパントに比べてかなり実践的だ』

イノケンティウスドーパント「―――!!」

フィリップ『けど、攻撃があまりに単調だ。何かあるのか?」

イノケンティウスドーパント「―――!!」

フィリップ『なるほど。既に毒素にやられているようだね。翔太郎、気にせずメモリブレイクだ』

翔太郎『オーケー!』

メタルゥ! マキシマムドライブ!!

翔太郎  「メタルブランディング!!」
フィリップ『メタルブランディング!!』

翔太郎「ジャッジメントに連絡しておいた。すぐに来てくれるそうだ」

フィリップ「けどイノケンティウスのガイアメモリ所持者は意識不明のままだね」

当麻「あの、この人はどうなるんです? このままってことは……」

フィリップ「さあ。それは僕にもわからない。どこまで毒素が回っているかによるけど、まあ当分は目がさめないだろうね」

翔太郎「だが、下手をすると2度と……」

当麻「そんな!?」

翔太郎「ガイアメモリは危険な物だ。やっぱり根本から解決しねーとな……」

ステイル「いやー、ご苦労。これで僕もイギリスに帰れるよ」

翔太郎「てめーはなんもしてねーだろうが! なんだその態度!」

ステイル「うん? うんうん。そうだね、労働には正当な対価が必要だよね」

当麻「労働って、お前!」

ステイル「いやいや、人の話は最後まで聞こうよ。実はかなり凄い話かもよ? あんなザコ倒したぐらいじゃ手に入らない情報だよ?」

翔太郎「あーもうめんどくせー奴だな。さっさと言えよ!」

当麻「そして帰れ!!」

ステイル「なんて扱いだ。まあいい、そのイノケンティウスのガイアメモリなんだけどね」




ステイル「――この学園都市で作られたものなんだよ」

はい魔術サイドおーわり。

超期待
一つだけ訂正するとフィリップは照井のことを「照井竜」とフルネーム呼びするよ

>>226
サンクス。次からちゃんと呼ばせる。

あー、明日の夜までここ残ってたら完結編やるよー。
W的には前後編でやるべきなんだろうけど、禁書的には魔術と科学を交差させたかったんよー。
ちょっと欲張りすぎかしら。ちゃんと終わるのかねこれ。

フィリップが上条に支えられたら……

『幻想殺し』で『地球の本棚』の閲覧能力が破壊されたりとかそーいう可能性を考慮しなかったんだろうかwww

アギトや電王は解けそうだけど昭和組とかは解けなそう

分からないのが555やBLACK系とかだよな

龍騎系・響鬼系もヤバイなww
龍騎は変身してミラーワールドに入ろうとした所を掴まれて強制解除喰らって鏡に激突とかやらかしそう。

昭和組はアマゾンがヤバイw

SS投稿って規制と罵倒に耐えながらやる苦行だと聞いてたんだけど。
何ここ、治安よくね? どうしちゃったの?
あ、規制とは戦いました^p^

今書いてる自分が言うのもなんだけど、変身って異能なのかね。

変身の成り立ちの設定次第だろ?

昭和ライダーの多くは「改造人間」だから自販機にコインを入れてボタンを押せばジュースが出てくるくらい科学的な物
G3とかも普通に科学的な物だから幻想殺しではどうにもできないのは明確。

超能力や魔法に近い変身は幻想殺しの対象になる。
>>237が電王が解けそうってのは、ベルトは平気でもイマジン在り方がイノケンティウスに近いからと思われる。
響鬼の変身は、そもそも「鬼になる」とかの辺りで魔術っぽいからアウトだと思う。

Wの変身とかガイアメモリがどうかってのは、このスレに限ってID:IxSgCmXw0の判断でいい。
執筆の邪魔になりそうだから考察はしない。

>>173 ひつまぶし改変

フィリップ「上条当麻。記録上はレベル0の無能力者。けれどその右手には『幻想殺し』を持つ」

当麻「な、なんでそれを!?」

フィリップ「インデックス、禁書目録。完全記憶能力により10万3000冊の魔道書と2億40万冊のBL同人及び6500冊の格闘漫画、2冊の公文式と1987年度版新宿区ハローページの前から3ページをその頭に記憶している」

インデックス「///」

ごめん、俺が悪かった

保守ついでに誰が黒幕か当てようぜい

落ち付け!これは>>1が何を黒幕にするか思いつかなかったから
予想と偽りつつネタを集めてるだけだ!

>>276
うん、まあバレるよね。いつだってノープランさ。
んじゃ適当に始めるよー。連投して規制喰らったら続きを書くって感じになります。
んだから投稿が止まったら規制されたと思ってください。

仮面ライダーW 今回の依頼は!

木山「我が学園都市に『ガイアメモリ』がいくつか確認されている」

当麻「不幸だ!! い、いや仮面ライダーさんと会えて幸運なのか!? わからねえ!!」

インデックス「本当に、『こちら』へ来ちゃうの? 知らないほうが良い事もたくさんあるんだよ?」

フィリップ「魔術とガイアメモリは非常に近しい。ごく普通の人間が特殊な力を得られるという意味でだ」

ステイル「一応騒動の概要は聞いている。恐らくイノケンティウスの偽者もガイアメモリだ」

イノケンティウスドーパント「―――!!」

翔太郎  「メタルブランディング!!」
フィリップ『メタルブランディング!!』

ステイル「そのイノケンティウスのガイアメモリなんだけどね――この学園都市で作られたものなんだよ」

一方通行「ハア? 俺のニセ者だァ?」

土御門「ガイアメモリとやらを使うと特殊な力を得る事ができるらしい」

海原「その一つに『アクセラレーター』というのが確認されました。能力は『攻撃を反射する』だそうです」

一方通行「まンま劣化コピーじゃねーか! つーか何? この俺に喧嘩売ってンですかァ!?」

土御門「この一件『グループ』は手を出すなと釘を刺された」

一方通行「チッ、あー別に構わねーけど? どうせそンなパチモン、すぐボコされンだろ」

海原「ただ、ちょっときな臭い話もありましてね」

一方通行「あン?」

黒子「ジャッジメントですの!」

フィリップ「ああ、いいところに来たね。この子をよろしく。保護的な意味でも、身元的な意味でも」

黒子「わかりましたわ」

翔太郎「おー、パっと現れてパっと行っちまった。すげぇな」

フィリップ「テレポート、空間移動だったかな? 実に興味深い」

当麻「教えてください、翔太郎さん! ガイアメモリを使った人間はみんなああなるんですか!?」

翔太郎「皆が皆というわけじゃない。俺たちのようにドライバーを使えば毒素はほとんどない」

フィリップ「だが逆に依存し強い毒素に当たり続ければ最悪死にも至る。とても危険な物だよ」

当麻「そんなものを……この学園都市が作ってるなんて……」

フィリップ「なるほど、良く考えれば簡単な答えだったようだね」

翔太郎「何かわかったのか? フィリップ」

フィリップ「そもそもこの都市で確認されたガイアメモリは全てこの都市に関わったものだ」

フィリップ「イノケンティウスに関しては詳しくはわからないのだけど、レベル5のメモリの時点で気づくべきだった」

フィリップ「翔太郎。なんでレベル5のメモリなんだろうね?」

翔太郎「はあ? そりゃ強くて……有名だからだろ?」

フィリップ「でもね、それはこの都市に限っての話だ。事実、君は御坂君から説明を受けるまでレベル5の存在を知らなかった」

フィリップ「僕は残念ながら可能な限り閲覧をしたから、感覚が学園都市寄りになってしまったけどね」

フィリップ「そんなもの、どうしてミュージアムが作るのかい? いや作れたのかい?」

翔太郎「そう言われればそうだな……。じゃあやっぱり学園都市がガイアメモリの製作を?」

フィリップ「ある意味でそれが一番納得のできる結論だと僕は思うよ」

翔太郎「けどなんでだ? ここは能力開発のメッカだろ? どうしてガイアメモリになんて頼る」

フィリップ「木山さんは言っていた。『ガイアメモリは外部の物』だから排除して欲しいと」

フィリップ「逆に言えば、学園都市の産物ならばそれは容認されると言える」

フィリップ「加えて、能力開発の一環に『多重能力』『絶対能力進化』という研究があったそうだ」

フィリップ「『多重能力』はそのままの意味だね。基本的に異能者は一つしか能力を持てない」

フィリップ「どうにかして複数の異能を持てないか、という研究だね」

翔太郎「なるほど。ガイアメモリなら自分の能力と合わせてそのデュアルスキルってのになれるな」

当麻「ちょっと待ってください! 多重能力についてはわかりました。けどなんで『絶対能力進化』の話しが!?」

フィリップ「ミュージアムがガイアメモリの新開発が出来なくなったのは僕がミュージアムを抜け出したからなんだ」

フィリップ「けど学園都市では独自にメモリを開発した。という事は今後色んなメモリが作られるだろうね」

翔太郎「さらに魔術までメモリ化してるってことは、かなり研究が進んでやがるな」

フィリップ「それでね。イノケンティウスドーパントと戦ってわかったことがあるんだ」

フィリップ「やろうと思えば汎用性の高い能力にできるという事だ」

フィリップ「残念ながらイノケンティウスのメモリ所持者は中毒者になってしまったけどね」

翔太郎「んじゃ、レールガンとかアクセラレーターってのは失敗作って事か? ありゃ使いづらいメモリだぜ」

フィリップ「アクセラレーターに関しては不明だ。鉄壁の盾という意味では究極の能力だしね」

翔太郎「じゃあレールガンは? 一発撃って終わりだなんてかなりおざなりだ」

フィリップ「そう、レールガンは『レールガン』でなくて『電撃』にするべきはずなんだ」

フィリップ「仮に失敗作だったとして、どうして頻繁にレールガンドーパントが現れると思う? 失敗作なら早めに消去すべきだ」

当麻「……データ収集。もしくはレールガンの精度を上げる」

フィリップ「ご名答、その通りだ」

翔太郎「確かに、ガイアメモリは使えば使うほど適合率が上がる。能力自体の性能も上がるかもしれねえ」

フィリップ「さて、そして蓄積されたデータを元にさらに精度の高いレールガンメモリを作ってみよう」

翔太郎「メモリの複製? そんなことまでできるのか?」

フィリップ「さあ、これはあくまで仮定の話だ。けど上条君、君はこれに近い状況を知ってないかい?」

当麻「二万人の妹達……!?」

翔太郎「に、二万!? なんだ!? なんで二万人も妹がいるんだ!?」

フィリップ「先ほど御坂君の妹に会っただろう? 彼女が妹達の一人だ」

当麻「元々はレベル5のビリビリを量産する『量産能力者』っていう計画で生み出されたんです」

フィリップ「だが量産は失敗。レベル2程度の『欠陥電気』しか得られなかった」

当麻「けど質でだめなら量でって、たくさんクローンとして生み出して……」

フィリップ「そして第一位に宛がい、その約半分が殺されてしまっている」

翔太郎「おいおい……、いきなりヘビーは話じゃねーか……」

翔太郎「クローンとは言え一つの命だろ? しかもここは学生の街だ。なんでそんな殺すだなんだって話しがでてくるんだよ!?」

当麻「さっきうちで、能力開発に対して一部無理してるって言いましたよね」

翔太郎「あー、言ってた気がする。だがここまで物騒な話になるとは思ってもなかったぜ……」

フィリップ「実のところ『絶対能力進化』に検閲はかかってなかったんだ。だから僕はその全容をほぼ知っている」

フィリップ「翔太郎にもわかりやすく例えると、経験値稼ぎだね。あまりいい例えではないけど」

翔太郎「あのビリビリ妹で経験値稼いで、結局どうなるっていうんだよ!?」

フィリップ「レベルがあがるのさ。前人未到のレベル6になるんだ」

翔太郎「そのままかよ……。レベル6って凄いのか凄くないのかさっぱりだ」

フィリップ「あらゆる状況で2万回の戦闘を行えば第一位ならば次のステップに上がれる、そういう計画のようだ」

当麻「最終的には、失敗という形で収まりました。さらに色々あって『絶対能力進化』も断念されたと聞きました」

翔太郎「人の命を犠牲にして、どうしてそこまで力を欲するんだ! 許せねえ!」

当麻「ああ……そんな馬鹿げた事、絶対に許せない!」

フィリップ「落ち着きたまえ二人とも。客観的に考えよう。学園都市が能力開発に力を入れているというのは周知の事じゃないか」

翔太郎「だからって!!」

当麻「命を犠牲にするなんておかしい!!」

フィリップ「まず翔太郎、君は情報でしかレベル5を知らない。その上で更なる高み、レベル6への羨望がわからないんだ」

フィリップ「上条君。君は幻想殺しがあるからレベル6だろうがその更に上だろうが関係なく優位に立てる。だから価値観がズレているんだ」

フィリップ「……もちろん僕もその計画の実行についてはとても賛同できるものではない。だが高みを目指すという理念は理解できる」

翔太郎「悪い、ついカっとなっちまった。とりえず今はガイアメモリだ」

フィリップ「犯人たちはレールガンのガイアメモリを複製し、再び『絶対能力進化』の計画を実行するつもりなんじゃないかな?」

当麻「またあんな悲劇を起こすつもりなのか!?」

フィリップ「いや妹達を使った『絶対能力進化』よりははるかに効率的で人道的かもしれないよ。必ず殺される必要はないからね」

翔太郎「それにいくらレベル5とはいえメモリブレイクまでできるとは思えない。最悪、育ったレールガン一本で実行可能、か」

フィリップ「さらに言うなら、そのメモリブレイクの領域にまで昇らせるつもりなんじゃないかな? ある意味でゴールと言える」

当麻「けど、ガイアメモリには中毒性があるんすよね? 使い続けたらレールガンメモリの所持者だって……」

フィリップ「いずれ毒素にやられて廃人化してしまうだろうね。そしたら別の能力者にメモリを持たせるだろう」

翔太郎「恐らく、今は実験段階だろう。だから能力の低い奴にメモリを使わせてるんだろうぜ」

フィリップ「ある程度のリスクがあるとは言え、レベル5と同等の力が得られるとなれば引き手数多だろうからね」

翔太郎「だがフィリップの推測が正しければ、完成したレールガンメモリやそれの複製品は……」

フィリップ「そう、次はかなり優れた能力者に使われるだろう」

フィリップ「レベル3やレベル4の人だって、その絶大な力には惹きつけられるだろうしね」

翔太郎「さっき言ってたデュアルスキルってのにもなれるだろう。そのデータも取れるだろうぜ」

フィリップ「例えに出すのは気が引けるけど、もし白井君がレールガンメモリを使用したとしよう」

翔太郎「テレポートしながらレールガンを撃つ。かなり厄介になるな」

フィリップ「レールガンは充電時間が弱点だけど、撃ち逃げをすればその弱点はほぼ克服される事になるね」

翔太郎「元の能力と組み合わせ次第じゃ、まさに究極の能力を目指せるな」

当麻「……ガイアメモリを使えば、能力開発が一気に進むのはわかりました」

当麻「けど、そんな危険物を持ち出してまで目指すものなんですか!?」

当麻「さっきフィリップさんに価値観がズレていると言われましたけど、それでも俺は納得できません!」

翔太郎「よく言った坊主。既にガイアメモリによって事件は起きちまってる。ならそれはもう街を泣かせる悪魔の道具だ」

当麻「なら……!」

翔太郎「ああ。きちんと黒幕をとっ捕まえて研究をぶっ潰してやる」

フィリップ「さて、その黒幕にそろそろ目星を付けよう」

当麻「『絶対能力進化』が目的なら、ある程度機関は絞れると思います」

フィリップ「いや『絶対能力進化』はあくまで例として挙げただけだ。一応その計画は無期凍結扱いだ」

翔太郎「じゃあ一体誰が? 学園都市には能力開発をしてる研究所なんていくらでもあるんだろ?」

フィリップ「そうだね。ガイアメモリ製造自体はここの科学技術ならわりと容易い事かもしれない」

フィリップ「けどね、そもそもガイアメモリという概念をどこから築いたんだろうね?」

フィリップ「研究を重ねた結果、ガイアメモリと似たようなものを開発できたというのなら話はわかる」

フィリップ「けどガイアメモリとほぼまったく同じものを作り出すのは不自然だ」

翔太郎「確かに名前までガイアメモリだしな。それに木山さんは外部から流出してきたって言ってたし」

フィリップ「ガイアメモリの開発に成功したところは3つある。一つはミュージアム。けど目的が合致しない」

翔太郎「あとはシュラウド。俺達のメモリを作った人だ。だがあの人がこの都市に手を貸したとは思えない」

フィリップ「最後にT2ガイアメモリを開発したNEVER。だがここは既に崩壊している」

翔太郎「おいおい、やっぱ外部の人間じゃないんじゃないか?」

フィリップ「いや、直接的ではないけどもう一つ組織がある。そしてそこなら学園都市にすら影響を与えられるだろう」

翔太郎「……! まさか!?」

フィリップ「キーワードは揃ったね。ジャッジメントと合流しよう」

木山「……おや、戻ってきてくれたのかい。君たちなら勝手に解決してしまうと思ったのだが」

フィリップ「この件に関しては僕らの行動は制限されすぎている。ジャッジメントの力を借りないと身動きができないんだ」

翔太郎「まあ、お子様達の力を借りるのは気が引けるけどな」

美琴「またそうやって……」

翔太郎「お前、ジャッメントじゃないんだろ? なのにこうして待機してくれてる。なんでだ?」

美琴「なんでって……黒子達が心配だし……。それに街に危険が迫ってるのに、黙ってるわけにいかないもの!」

翔太郎「ふっ、いい目だ。いいぜ、頼りにしてるぞ、御坂美琴」

美琴「い、いきなり名前で呼ばないでよ!」

黒子「ただいま戻りましたの。あらお二人とも戻ってらっしゃったのですね」

翔太郎「ああ、そろそろ事件も終盤だ。キーワードも揃ってる。あとは犯人を見つけ出して叩き潰すだけだ」

フィリップ「一応聞いておこう。さっきのメモリ所持者の身元は?」

初春「ごく普通の学生でした。スキルアウトでもなく、能力レベルは2の発火能力者でした」

フィリップ「メモリと異能が合致している……。多重能力とはズレるが、逆に言えば適合率が高くなるんだろうね」

翔太郎「普通の学生にメモリが流れてるってなると、他のメモリ所持者の目星は付けづらいな」

フィリップ「そうだね。犯人の組織に目星は付けられても、メモリ所持者だけは特定が難しい」

美琴「じゃあどうするのよ。まさか相手がやってくるのを待つつもり?」

フィリップ「その通りだ御坂君。残念ながら受身になるしかない。だが次に出てくるのは恐らくレールガンのメモリで間違いない」

翔太郎「そこでだ。レールガンドーパントは御坂、お前に頼みたい」

黒子「そんな! 危険ですの!」

フィリップ「さらに白井君。君も同行してくれないか?」

翔太郎「お前ら二人ならそこまで危険じゃねえ。作戦もある。少し荒っぽいけどな」

初春「だ、第六学区にドーパント出現です! 出動要請が来ました!!」

翔太郎「おいでなすった。簡単に作戦を伝えるぞ」

美琴「作戦、ねえ」

黒子「レールガンを撃ったあとなら隙だらけだからそこを叩け。こんなもの作戦と呼べるんですの?」

美琴「で、私はどうすればいいのかしら? あの目の前にいるパクリ怪人に超電磁砲をぶっ放せばいいのかしら?」

レールガンドーパント「な、第三位!? ちっ!」

黒子「って逃げましたの!」

美琴「追いかけるわよ!!」

翔太郎「はあ……汚ねえ大人になっちまったぜ。あんなお子様を利用するなんてな」

フィリップ「割り切りたまえよ、翔太郎。相手はそれなりに大きな機関だ。陽動の一つや二つを入れないと全容は把握しづらい」

フィリップ「それに魔術絡みになると、あの子達まで巻き込むわけにはいかないよ」

インデックス「あの! なんで二人だけがとうまの家に戻ってきてるの!? とうまは!?」

翔太郎「え? あの坊主帰ってないのか? 俺らがジャッジメントに向かうとき、真っ直ぐ帰るように言ったんだが」

フィリップ「恐らく一人で飛び出していったんだろうね。まあ予想できる範疇だが、なるべく急ごう。彼も危険だ」

フィリップ「では、検索を始めよう」

翔太郎「一つ目のキーワードは『科学』」

フィリップ「二つ目のキーワードは『魔術』」

翔太郎「最後のキーワードは『財団X』」

フィリップ「検索結果が出た。やはり正解だったようだね。この都市内で財団Xによって様々な機関が統合している」

フィリップ「主な機関は能力開発に足踏みしているところだね。中には凍結を受けたところもそのまま引き抜かれている」

翔太郎「さっき言ったデュアルスキルだレベル6シフトとかか。けど学園都市では外部の組織は入れないはずじゃ」

フィリップ「それだけ財団Xの力が強い、もしくは元々財団Xの一部が学園都市にあったのかもしれないね」

翔太郎「魔術に関してはどうなんだ? 一件無関係に見えるが」

フィリップ「学園都市の価値観と財団Xの目的は大きくズレている。学園都市はあくまで脳開発、『自分だけの現実』の研究が目的だ」

フィリップ「ただ財団Xとしては魔術だろうが異能だろうが関係ないんだろうね。ただ強い力を精製し、それをビジネスとして成立させる」

フィリップ「魔術に関してはほぼ検閲がない。全て閲覧できたよ」

フィリップ「そしてこの学園都市で使用された魔術が学園都市に記録されてることも閲覧できた」

翔太郎「おいおい、学園都市と魔術は無関係なんじゃないのかよ」

フィリップ「あくまで記録として保存しているだけだろうね。それを利用するつもりは学園都市としてはないんじゃないかな?」

翔太郎「その記録を財団Xに利用されたってことか。能力開発の研究記録もあれば魔術の記録もある。棚から牡丹餅ってやつだな」

フィリップ「ミュージアムが崩壊してからガイアメモリから手を引いたと思っていたけど、まさかこんな所で開発を進めていたなんてね」

翔太郎「それで、そいつらの居場所は特定できたのか?」

フィリップ「ああ、閲覧は可能だった。これは予想だけど、学園都市に関わる部分には多くの検閲がかけられていた」

フィリップ「つまり学園都市の何者かが意図的に隠蔽したといえる。だが財団Xに関しては、あくまで外部という扱いにしたいんだろうね」

翔太郎「変な話だな。容認してるくせに外部扱いってのは、いまいち納得できねえ」

フィリップ「いや辻褄は合うよ。だからこそ木山さんを通して僕らが呼ばれたんだ。外部の物を外部者が排除する、ってことさ」

翔太郎「ならそもそも財団Xに好き勝手させなければいいんじゃねーのか? 地球の本棚にすら検閲をかけられるようなところだろ?」

フィリップ「さっき君は言ったね、棚から牡丹餅と。この件に関して学園都市としても能力開発の一環としてある程度恩恵は受けたはずだ」

翔太郎「あー、好きなだけ甘い汁吸って、手に負えなくなってきたからそのままぶん投げたってことか」

フィリップ「さて、インデックス君。君の知識を借りたい。君は今までこの都市で使用された魔術をどこまで知ってるかい?」

インデックス「えっ、いきなりわたしに話を振らないんで欲しいんだよ!」

インデックス「ごめんなさい。ほとんど知らないの。わたしが関わる事はあまりなかったの」

フィリップ「質問を変えよう。『竜王の殺息』『瞬間錬金』『黄金練成』『天罰術式』これらの魔術で再現が可能なものはあるかい?」

インデックス「全部可能なんだよ。けど、どれもこれも下準備にとても時間がかかるの。だから簡単に再現することは無理だと思うの」

インデックス「それと道具とかも必要になるかな。多分この学園都市では全てをそろえることは不可能だと思うの」

フィリップ「なるほど。ではイノケンティウスドーパント程度の魔術のメモリしかないと考えて良さそうだね」

フィリップ「というより『発火能力』を魔術っぽく再現した、というべきかな。イノケンティウスはもっと厄介な魔術だ」

翔太郎「てことは、やっぱ魔術はあまり関係ないってことか?」

フィリップ「いや今挙げたのは再現されていたら勝ち目がない魔術なんだ。それの心配をしないでいいなら、あとは普通のガイアメモリだ」

翔太郎「それじゃあ早速乗り込むか!」

フィリップ「いや敵本陣にはアクセラレーターがいる。この攻略には照井竜が不可欠だ。だからまずは御坂君の援護を――」

照井「いや、問題はない。御坂美琴の件については俺がこの目で見届けてきた。無事にレールガンメモリをメモリブレイクした」

翔太郎「照井! お前大丈夫なのか!?」

フィリップ「大火傷と聞いていたけど、まだ一日と経ってないじゃないか」

照井「俺も驚いている。だが目が覚めたら傷はほぼ癒えていた。ただ……」

翔太郎「ただ?」

照井「目覚めた瞬間、カエル顔の老人がドアップというのは……、かなり心臓に悪かった」

照井「一応報告しておこう。御坂美琴とレールガンドーパントについて」


美琴「待ちなさい!!」

レールガンドーパント「くそっ、こっちはまともに攻撃できねーのに、ビリビリと!」

美琴「あんただって電撃使いの端くれでしょうが! レールガンばっかりに頼ってるんじゃないわよ!」

レールガンドーパント「はんっ! その電撃だって俺にはそんなダメージはねーんだぞ!!」

美琴「人が手加減してあげてるのに……! ちょーっと威力を上げるわよ!!」

レールガンドーパント「痛てえけど……だが!!」

黒子「お姉様!? 危ないですの!!」

レールガンドーパント「そーれ!!」

美琴「れ、レールガン!?」

レールガンドーパント「ああもう移動系能力者までいんのかよ! まーた充電しねーと」

美琴「二発目には時間がかかるんじゃなかったの!?」

黒子「どうしますの? 一旦引いてフィリップさんたちに助言を求めるべきでは?」

美琴「けどここで逃がしたらいつ出てくるかわからないでしょ! やるっきゃないのよ!」

美琴「それに、あのレールガンは所詮パクリの劣化コピー品よ。見せてやるわ、本物の超電磁砲を!!」

レールガンドーパント「あー怖えー!! けど大丈夫って言われてるしー。あーくそー、なんで俺はこんな役目なんだよ!!」

美琴「喰らいなさい!!!」

美琴「よし! 直撃だわ!」

黒子「ってお姉様の超電磁砲を直撃させたら死にますの!!」

レールガンドーパント「と・こ・ろ・が! 全然効いてないけどなー!」

美琴「嘘……」

レールガンドーパント「さらに! お返しだ!」

エレクトリック!!

照井「くっ、ある程度は軽減できたがやはり威力が高いな」

黒子「照井さん!! 大丈夫なんですか!?」

照井「ああ。まだ少し痛むが問題はない」

美琴「あのレールガンドーパント、さっきからポンポンとレールガンを撃ってきてるの! どうして!?」

黒子「それにお姉様の超電磁砲でも傷一つないんですの!」

照井「簡単な話だ。御坂美琴、君の電撃を吸収してるんだ」

黒子「け、けど吸収できたところで、お姉様の超電磁砲を耐え切るのはおかしいですの。あれはコインによる物理攻撃ですのに!」

照井「それだけ頑丈だということだ。さらに着弾前に電撃を吸収して威力も抑えたのだろう。俺がエレクトリックで軽減したのと逆にな」

照井「恐らく御坂美琴と戦闘をする事を想定されていたのだろう。君とあのドーパントとは相性が悪い。だから俺が行こう」

ジェット!

レールガンドーパント「はっ、そんなの効かねーよ!」

照井「だろうな。超電磁砲でも攻撃が通じないなら、小手先など無意味だろう」

照井「だが……倒させてもらう!!」

美琴「ちょっと……照井さんに勝算なんてあるの?」

黒子「見てるところ、どちらも決め手に欠けると言った所ですわ」

美琴「私が下手に攻撃をしなければ、あのドーパントのレールガンは再発できない」

黒子「けど頑丈っぷりだけは相変わらずのようですの!」

美琴「どうすれば……。私の超電磁砲をもっと至近距離で、それでもっと電流を流せば……」

黒子「そんな事をしてもコインのほうが耐えられませんわ!」

美琴「他に手立ては……。って黒子! 後ろ!?」

???「――!!」

黒子「ま、またドーパントですの!? さすがに2体相手は分が悪すぎですの!!」

???「ドーパント? 違うな、あれはヤミーだ」

???「おいアンク! またふらふら歩き回って。こんな変な街に来ちゃうし、どうするんだよ」

アンク「映司、この街はいいぞ。いい感じに欲望が渦巻いている。奴らも目を付けたらしいな、ヤミーもそこそこ育っている」

映司「ともかく、変身するぞ。あの子達が危ない!」

タカ! トラ! バッタ!
タ・ト・バ! タトバ タ・ト・バ!

美琴「新しい仮面ライダー!?」

黒子「なんなんですのあの歌!?」

アンク「歌は気にするな。映司、さっさと蹴りを付けよう。メダルを横取りする連中が来る前にな」

映司「わかってる! そいやー!!」

     .A         .\ \/ ̄::||:: ̄\/ ∠
   .A (n,) A     \\ \::::::::||:::::::/ /∠    めだる~

   (n,) 〉〈 ,(nノ A    ヽ ヽ_ヽ./ \△/ヽ/ / /
   .(_,ΛΛ,ノ_(nノ    \_|   | | ⊂二二)
 A ./,-;二;-,\ノ      l l|:::::ヽ─'| |`─'\::::|
 ヾ( ( ((W)) ) )>    ∪|//::::山:::::: \\|

   \'-'∇'-'/\       |:::::::::::,|_|::::::::::::::::/
    [◎)(◎] ̄ ̄       ヽ:::::::::/  \::::::::/
     i  〈 i        __ヽノ__ . ` ´

黒子「切り口からメダルが出てきたんですの!?」

美琴「……! あ、あのメダルなら分厚いし、頑丈そう!!」

アンク「お、おい! それは俺のメダルだ! 横取りするな!!」

美琴「お願い! 少しでいいの! それにちゃんと返すから!」

映司「いいじゃないかアンク。返してくれるっていうし。おっと、こっちも倒さないとな」

タカ・カマキリ・バッタ!

アンク「いいだろう。何に使うかわからんが、ちゃんと返せよ」

美琴「喰らえええええええ!!」

照井「超電磁砲!? いや、先ほどのものとはまるで威力が違う!」

レールガンドーパント「なっ……俺に……超電磁砲は効かないんじゃねーのかよ……話しが違げぇ……」

美琴「凄いわこのメダル、あの出力を耐え切ってる。けど、あんたも中々頑丈ね」

黒子「か、体にメダルがめり込んでますわ!」

レールガンドーパント「だ、だが俺はオリジナルの超電磁砲と同等のレールガンが撃てると言われている!」

照井「左腕の形状が変化した? レベルがあがったのか。気をつけろ、奴のレールガンも威力が上がったはずだ!」

レールガンドーパント「お前の超電磁砲のおかげで充電も出来てる! 喰らえよ!」

美琴「ふんっ!」

黒子「そ、相殺されましたの!」

照井「いや見ろ、もう一枚のメダルがレールガンドーパントに食い込んでる」

レールガンドーパント「なんだよソレ……。強すぎるだろうが……」

美琴「あら、私の超電磁砲に合わせてあんたのレールガンも強くなるんじゃないだっけ? 左腕もちゃんと変形したわよ」

美琴「充電も出来たでしょ? さあ、このまま撃ちあう?」

レールガンドーパント「ざけんな! 無理に決まってるだろうが!」

美琴「無理? そんな簡単に根をあげるくせに、レベル5を目指してたの? 笑っちゃうわ」

美琴「ふ、ふふふっ。一度でいいから、全力で撃ってみたかったのよね……」

レールガンドーパント「ちょ、タイム! お前今めっちゃ顔怖いぞ!」

美琴「これが! 私の! 全力全開!!」

アンク「お、おい俺のメダルがあんな事に使われてるぞ! ていうか割れたり溶けたりしないのか!?」

映司「セルメダルについてはお前の方が詳しいだろ。あれって壊れるものなのか?」

アンク「規格外だ! なんだあれ! ヤミーでもグリードでもオーズでもない生身の人間があんな技使えるのか!?」

レールガンドーパント「――」

黒子「完全に気絶してますわ」

美琴「ほんとに頑丈ね。あれ喰らって原型留めてるなんて」

照井「……この街の子供は本当に物騒だな」

美琴「さあ、今ならメモリブレイクできるんじゃないですか?」

照井「気絶してる相手にやるのも気が引けるが……」

アクセル! マキシマムドライブ!

照井「絶望がお前のゴールだ」

黒子「もうとっくに絶望を味わってますの……」

照井「以上がレールガンドーパントの結末だ」

翔太郎「もうビリビリって呼ぶのやめよう……。いつか殺される」

フィリップ「色々質問があるがまずはその仮面ライダーだ。そのあとどうしたのかい?」

照井「ドーパントもどき、ヤミーというらしいが、それを倒したらどこかへ行ってしまった」

フィリップ「まあその変な歌からして、NEVERの時に現れた仮面ライダーと同じだろうね。今回もスルーしよう」

照井「メモリ所持者についてだが、毒素はほとんど回っていなかった。すぐに目を覚ましたので尋問をした」

フィリップ「素直に口を割ったのかい?」

照井「ああ、御坂美琴が直々に尋ねたからな。……メダルを片手に」

翔太郎「そりゃー……素直になるだろうなあ」

照井「身元はスキルアウトの末端だ。いや、だったというべきか。ガイアメモリを入手してから独断で活動していたらしい」

照井「だがあまり有益な情報はなかった。週に一回メモリの調整のためにある人物と会い、そのついでに指示を受けてたようだ」

フィリップ「ある人物とは?」

照井「不明だ。どこかの研究者らしい風貌だそうだが特定はできなかった」

翔太郎「次レールガンメモリの所持者とそいつが会う場所に乗り込むってのはどうだ?」

照井「いや、昨日に受けた指示が最後になるということらしい。指示は『オリジナルを倒せ。そのあとは自由だ』とのことだ」

フィリップ「恐らくレールガンメモリの開発はほぼ完璧といったところだね。オリジナルにあわせて進化してるというのも興味深い

フィリップ「さて、照井竜。早速だけどアクセラレータードーパントについては聞いているかな?」

照井「ある程度は。攻撃を反射するそうだな。かなり厄介だな」

フィリップ「だけど君にはアクセラレータードーパントの相手をしてもらおうと思う。これは君にしかできない」

照井「聞こう」

フィリップ「まず必要なものはトライアルメモリだ」

翔太郎「トライアルで高速攻撃? いや結局反射されるんじゃないか?」

フィリップ「そう、触れたものを反射してしまう。だが触れた瞬間に手を引いたら?」

照井「逆に反射、つまり引き寄せる」

翔太郎「おいおいそんなバカな攻撃があるかよ。無茶苦茶だ」

フィリップ「だがこの攻略法は本物の『一方通行』にも通じたらしい」

照井「にわかに信じられない。レベル5の力は先ほど見てきた。そんな幼稚な方法が通用するとは思えない」

フィリップ「実を言うと僕もだ。だが事実として地球の本棚に載っている。それを信じるしか他に手立てはない」

フィリップ「ちなみにその攻撃方法は『木原神拳』と言うらしいよ」

翔太郎「木原……」

照井「神拳……」

フィリップ「……」

翔太郎「すっげぇだせーな……」

照井「俺が最初に出会ったドーパントはどうする。メルトダウナードーパントだったか」

フィリップ「正直に言おう。攻略法がない」

翔太郎「んじゃあどうすんだよ!」

フィリップ「見つけた瞬間メモリブレイクを仕掛けるしかないだろうね。恐らく融解以外の能力はゼロのはずだ」

フィリップ「もしくはプリズムビッカーでメモリの効果をキャンセルするか……。こちらは成功する保証がないけれど」

翔太郎「つまりだ。能力を発動させたら負けってことか?」

フィリップ「勝算は五分五分と言ったところだね」

翔太郎「案外高いな。かなり不利に思えるぜ?」

フィリップ「敵の本陣だからさ。むしろメルトダウナーは使ってこない可能性すらある」

照井「問答無用で周囲を融解するなら、自陣ではあまり使いたくないだろうな」

フィリップ「それらも踏まえて五分五分という結論を僕は出した。まあかなり相手の判断に身を任せているけどね」

翔太郎「んじゃあ行こうぜ。フィリップ、場所は?」

フィリップ「第一九学区の一角が財団Xの本拠地と思われる。結構広いから、そこからさらに絞り込むのは現地に乗り込んでからになるね」

翔太郎「ここからどのくらいかかる? 俺たちには足がねえ。かといって白井に頼むわけにもいかない」

フィリップ「大丈夫、足ならあるさ。ねえ照井竜」

照井「……仕方ない。かなり不本意な使われ方だが、文句も言ってられない」

アクセル!

インデックス「あの、しょうたろう! フィリップ! あと……てるいりゅう!」

翔太郎「ん? どうした?」

インデックス「きっとそこにとうまもいるんだよ。あの人、そういう人だから。だから、とうまの事、よろしくなんだよ!」

翔太郎「ああ、任せろ。その依頼、受けたぜ」

当麻「俺には……ガイアメモリをどうにかする力はねえ!」

当麻「翔太郎さんやフィリップさんみたいな正義の味方になれるとも思ってねえ!」

当麻「こうやって当てずっぽうに走りまわすしか俺にはできない、けど!」

当麻「俺は! 俺のできる限りの事をしてやる!」

土御門「そーんなカミやんに朗報だぜい」

当麻「つ、土御門!?」

土御門「にゃー、もう適当に走り回る癖やめたらー? 見つけ出すの大変だったにゃ」

土御門「ほら、一回呼吸を整える。あとこれ、ドリンクだ。水分補給も大事だぜい」

当麻「そんな暇は!」

土御門「カミやん……。カミやんは右手以外は普通の人間なんだにゃ、無駄に体を酷使させても意味ないにゃ」

当麻「けど、俺にはそれしかできないんだよ!

土御門「落ち着けカミやん。目的の場所は俺が把握してる。そしてカミやんが相手にするべき相手もだ」

当麻「本当か!?」

土御門「第一九学区の一角に本拠地があるらしい。ちゃんと裏を取った、間違いない」

土御門「敵の戦力は……残念ながらほぼ未知数だ。だが最悪の敵だけは掴んだ。メルトダウナーという能力だ」

土御門「名前の通り、炉心融解を引き起こす能力だ。残念だが仮面ライダーでも太刀打ちできないだろう」

当麻「そ、そんな……。じゃあどうすればいい!? あの人たちで無理だなんて……」

土御門「そこでカミやんだ。メルトダウナーの発動は極めて魔術に近い。自分の周囲に魔方陣のようなものを組み、その内を融解するんだ」

土御門「本来なら発動し陣が組まれた瞬間終わる。だが幻想殺しなら発動、陣の形成、そして融解というプロセスのほんの一瞬に介入できる」

土御門「魔術は正しい手順でないと発動しない。ほんの僅かでも欠ければ不発になる」

土御門「カミやんの右手が発動の瞬間、術式のほんの僅かにでも触れれば連鎖的に崩れるはずだ」

当麻「お、俺でも役に立てるのか!! サンキュー土御門! 俺は行くぜ」

土御門「まだ話は終わってない。メルトダウナーのキャンセルはカミやんがその場に居れば自動で行われるから問題じゃない」

土御門「問題は能力をキャンセルしたところで、相手は怪人に変わりないということだ」

土御門「カミやん……。お前はただの人間だぜ? メルトダウナーについてはカミやんは必須だけど、戦う必要はないんだぜい?」

当麻「だからって、誰かに任せっぱなしになんて出来ない」

当麻「俺は、俺のできること全部をやりたい。それでも仮面ライダーには届かないけれど」

当麻「けどあの人たちだってメルトダウナーに太刀打ちできないとわかってて、それでも俺達のために戦おうとしてくれている!」

当麻「だから、俺は行く! そして戦うんだ! 負けてもいい。けど、戦う前から逃げ出したくない!!」

土御門「うんうん、それでこそカミやんだね」

土御門「そんなカミやんに一つだけ助力するにゃー。今から敵陣にカミやんを飛ばす」

当麻「は? 飛ばすって、魔術を使うのか!?」

土御門「イエース。俺の陰陽ならその程度訳ないぜい」

当麻「けどお前、魔術を使ったら……!」

土御門「親友がこれから死地に向かうって時に、俺はのうのうと傍観してなきゃならない」

土御門「ならちょっとぐらいカッコ付けさせてくれい」

当麻「土御門……」

土御門「大丈夫にゃ。死にはしないから。さあ、方陣も組んだ。行ってこいカミやん!」

土御門「俺だってな。憧れてるんだぜ、仮面ライダーに」

土御門「正義の味方、良い響きだ。俺もできればそうなりたかったさ」

土御門「けど俺からしたらカミやん。お前も十分正義の味方だぜ」

土御門「……体中ビキビキするにゃー。こりゃ当分おねんねかにゃー」

翔太郎「ここが敵さんのアジトか」

フィリップ「廃ビルだなんてベタもいいところだね」

照井「だが建物はいくつかあるぞ。どうする? 一つ一つ見ていくか?」

???「いや、お前らはここから先へは行かせない」

アクセラレーター!

アクセラレータードーパント「待っていたよ、仮面ライダー」

翔太郎「早速おでましか」

フィリップ「待っていた? 不自然だ。まるで僕らの動向が全て見抜かれているようだ」

照井「簡単な話だ。俺らは常に学園都市から監視をされている状態だ」

翔太郎「そうか。一応財団Xもこの都市の機関扱いだもんな。なら情報が流れててもおかしくねえ」

フィリップ「じゃあ手筈どおりに。頼むよ、照井竜」

照井「ああ、任せておけ」

アクセル!

照井「変……身!!」

アクセル!!

照井「さあ、振り切るぜ」

アクセラレータードーパント「お前らの目論見は大体検討が付く。だが、最初からそれを否定しよう」

翔太郎「う、動いたぞあいつ!」

フィリップ「しかも早い!」

照井「なるほど。アクセラレーターのメモリも調整されたか。だがやる事は変わらない!」

???「ハーイ、ストップゥ! てめェら解散だァ」

照井「新手か!?」

???「だーれの許可得てベクトル操作パクってンですかァ? 訴えンぞ?」

???「仮面ライダー。正義の味方ねえ。ハッ、眩しくて見てらンねえぞォ?」

翔太郎「敵か? どうするフィリップ。変身するか?」

フィリップ「いや待とう。もしかすると彼は……」

???「行けよてめェら。ここは俺が引き受けてやる。闇は無法地帯だからよォ、訴えるなら相手の体にしかできねえンだ」

アクセラレータードーパント「お、お前は……!?」

フィリップ「行こう照井竜。ここは手間が省けたと喜んでおこう。動けるアクセラレータードーパントは厄介だ」

照井「……わかった。くそっ、邪魔ばかりはいる。俺は今回ちゃんと戦えるのか!?」

???「さーて、偽者くン。俺と遊ぼうかァ」

アクセラレータードーパント「お前ら『グループ』は今回動くなと言われてなかったのか? 話しが違うぞ!」

???「あン? あー、そンな話もあったかなァ。ンじゃあいいさ。俺は今から一歩も動かないでやるよ」




一方通行「だが、ここから先は一方通行だ」

照井さん死なないからって出番の心配ばっかりして

照井「しかしいいのか? 奴は杖を付いたモヤシだったぞ。アクセラレータードーパントとやり合えそうにもない」

フィリップ「確証はないけど、言動から恐らく本物の『一方通行』だろうね。容姿などは閲覧できたがそれに一致した」

翔太郎「でもなんで奴が俺らの手助けをする? あいつは1万以上の妹達を……!」

フィリップ「翔太郎、それは過去の事だ。誰にだって過ちはあるし、彼の本意ではなかったかもしれない」

フィリップ「しかし事実として、彼は僕らに力を貸してくれた。素直に感謝するべきだと僕は思う」

翔太郎「……わかった。すまねえ」

リメンマグナ!

リメンマグナドーパント「おいおい、アクセラレーターが門番やってれば俺らの出番ないって話だぞ?」

照井「新しいドーパント! ここは俺に任せろ、お前らは先に行け!」

フィリップ「おや、やる気満々だねえ」



ディケイド「大体わかった。この世界での役割はリメンマグナドーパントとやらを倒せば良いんだな」



>>396
お前出てきちゃらめえええええええええええええ




あと差し出がましいけど

>翔太郎  「メタルブランディング!!」
>フィリップ『メタルブランディング!!』より

翔太郎&フィリップ「「メタルブランディング!!」」

とかの方がより同時に喋ってる感がすると思う

エンジン!

照井「うおおおお!」

翔太郎「ひょー、あんな張り切ってる照井を見るのは久しぶりだぜ」

フィリップ「一つだけ忠告だ、照井竜。リメン=マグナは瞬間練金を意味する。錬金術を超高速に行う魔術だ」

照井「錬金術だと……?」

フィリップ「けどインデックス君の意見を信じるならそれは100%再現できてないはずだ。恐らく数種類の錬金術しか行えないと考えられる」

リメンマグナドーパント「なんでいきなり弱点バレてんだよ……。つか行かせねえよ!」

照井「それはこちらのセリフだ。二人の邪魔はさせない!」

スチーム!

インデックス「ねースフィンクス。今回もとうま、無事に帰ってくるよね?」

インデックス「……いつもわたしはお留守番」

インデックス「なんでとうまはいっつも危ないところに行っちゃうんだろう」

インデックス「今回だって、しょうたろう達に任せてればいいのに」

インデックス「うん、それがとうまなんだって理解してるよ?」

インデックス「だから……わたしはとうまに付いていく! お留守番じゃ嫌なんだよ!」

木山「……、翔太郎君たちの居場所がわかったぞ。第一九学区にいるそうだ」

黒子「なんでそんなところに……。あそこにはほとんど何もありませんの」

初春「あって蒸気や真空管を調べる機関、あとは寂れたビルぐらいしか……」

美琴「まさかと思うけど、敵のアジトっていうベタなオチだったりするのかしら?」

黒子「行って確かめてきますわ。そのほうが手っ取り早いですの」

美琴「ちゃんと連れて帰ってきなさいよ。また勝手に居なくなって……、一発殴ってやろうかしら」

黒子「……。飛べませんの。演算が行えない? いえどちらかというと、次元そのものが歪んでるというか……」

美琴「怪しさ満点ね。黒子、なるべくその区画に近いところへ飛びましょう。私も行くわ」

黒子「けどお姉様は既に疲労が……」

美琴「そうね、ちょっとはっちゃけ過ぎて残り電力は手加減したいつもの超電磁砲一発ってところかしら」

美琴「でもね。だからってあいつらだけに任せておけないわ!」

黒子「……わかりましたの。では行きますの!」

一方通行「ほォらどーしたー? 俺は一歩も動いてねーぞォ? 早くしねーと仮面ライダー様がてめぇのボスにご対面だァ」

アクセラレータードーパント「どの攻撃も反射してくる……、しかもそれをこちらは反射できない!?」

一方通行「なンだよ、なンなンだよ、なンなンですかァ? さっきから単調な肉弾戦しか挑んでこねーとか舐めてるンですかァ?」

アクセラレータードーパント「それしか出来ないからだよ! 何故だ、反射ならこちらも行ってるのに!?」

一方通行「はァ? てめぇの反射なんざとっくに解析して無効化してるっつーの。ていうか反射のベクトルってどンなのか知ってンのかァ?」

アクセラレータードーパント「し、知るか! これはメモリが勝手に……」

一方通行「ンだから三下なんだよテメェは! ふざけてンのか!? ああもういいめんどくせェ。とっととくたばれ」

アクセラレータードーパント「体が吸い寄せられ――」

一方通行「体内にあるメモリとやらの位置を解析してェ、そっからァ無理矢理引っこ抜いてェの!」

一方通行「はいメモリを解析、回路を破壊。メモリブレイクっと。チッ、ほんとに三下じゃねーか!!」

照井「鎖のついた鏃か。しかも黄金色とはな、趣味が悪い」

リメンマグナドーパント「俺だってメモリの種類ぐらい選びたかったさ! けどよ!」

照井「なっ、体が黄金に……」

リメンマグナドーパント「慣れると結構便利だぜ? こいつで傷ついたところは一瞬で灼熱の黄金に変わる!」

照井「……、それで?」

リメンマグナドーパント「……え?」

照井「確かにその鏃の速度は早い。そしてそこから黄金に至るまでも早い。だからなんだ?」

トライアル!!

テ・テ・テ・テー!

照井「本当の速さを教えてやる」

トライアル! マキシマムドライブ!!

照井「4秒、それがお前の絶望までのタイムだ」

疲れた、規制と戦うのに。

一方さんの能力をちゃんとわかってる作者の場合の一方さんの便利さは異常

>>413
分かってないとどうなるの?

インデックス「しょうたろう達の言っていた第一九学区は、多分このあたりなんだよ」

ドラゴンブレス!

ドラゴンブレスドーパント「お嬢ちゃん、こんな寂れたところになんのようだい?」

インデックス「ひっ……、ド、ドーパント!?」

ドラゴンブレスドーパント「ここに来る奴はねえ、全員ぶっ殺せって言われてるんだあ。ごめんねえ」

???「待ちたまえ」

ドラゴンブレスドーパント「銃弾!?」

???「そんな小さな子に乱暴だなんて、感心しないなあ」

ドラゴンブレスドーパント「な、何者だあ!」

???「僕かい?」

カメンライドゥ ディッエーンド!

大樹「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておきたまえ」

黒子「ここから先が第一九学区ですの」

美琴「……誰かいるわね」

アルスマグナ!

アルスマグナドーパント「そりゃあ本拠地だもの。見張りぐらいいるわ」

アルスマグナドーパント「……レベル5、第三位とはまた大物ね、だけど残念。私のメモリは最強よ」

アルスマグナドーパント「砕けよ」

???「いいや、砕けない。悪いがもうこの世界はお前の知っている世界じゃない。その程度の黄金練成では世界を歪められない」

???「ふん、外へ出てみればいきなり修羅場か? このパターンは初めてかもな。だが面倒じゃなくていい」

アルスマグナドーパント「だ、誰だ!?」

???「俺か?」

カメンライドゥ ディケ-イド!

士「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

自分で言うのもなんだが、やっちゃいけない事をやらかしたのかもしれない

てことはディケイドも出てくるのか…

なんだったら禁書のラスボスも倒しちゃいそうで困る

と思ったらもう出てきてた

ユウスケ「皆危ないっ!」ダッ
バンッ!
皆「ユウスケっ!ユウスっ……」

そしてこの世界も救われた

やべぇ、書ききった。
こんな時間までなにやってんだろ俺……。後は規制と戦うだけか……。

ファイナルアッタクライドゥ ディディディディエーンド!

大樹「なんだいこのドーパントは。あまりに弱すぎる」

インデックス「ドラゴンブレスなんてそう簡単に再現なんて無理なんだよ! だから実質ビームを撃つぐらいの力しかないんだよ」

大樹「なるほど、つまりただの未完成品か。それより君、この世界には10万3000冊の魔道書があると聞いたんだけど、何か知らないかい?」

インデックス「そ、それは……」

大樹「おや、適当に聞いてみただけなんだけどな。その反応はいきなりビンゴってことかな?」

インデックス「それを手にしてどうするつもりなのかな?」

大樹「何もしないよ? ただお宝を手元に持っておきたいだけさ」

インデックス「なら……諦めた方がいいんだよ。その魔道書の大半はもうこの世にないんだよ」

大樹「それはおかしな話だ。10万3000冊しっかりと存在すると聞いているんだ」

インデックス「本の内容、つまり情報だけなら存在するの……私の頭の中に」

大樹「……君の名前は?」

インデックス「イ、インデックスっていうんだよ」

大樹「なるほど、君自身がお宝か。残念だ、物として愛でられないんじゃあお宝にならない」

大樹「それじゃあ行こうか、インデックス君」

インデックス「えっ、どこに?」

大樹「君は今どこかへ向かおうとしてたのではないのかな? 僕もついていこうと思うんだ」

インデックス「連れて行ってくれるの!? とうまのところに!」

大樹「とうま? さあ、それがお宝じゃないなら興味はないけど、君の向かう先にお宝の匂いがするんだ」

ファイナルアタックライドゥ ディディディディケイド!

士「まあ能力が使えないドーパントなんて所詮こんなものか」

黒子「ま、また仮面ライダーですの……」

美琴「流行ってるの……? なんで一日にこんなたくさん会うのよ……」

士「おいお前ら! びくびくしてないで出て来い!」

美琴「や、やる気なの!? 不調とは言えまだ超電磁砲の一発は撃てるわよ!?」

士「はあ? とりあえず行くぞ。さっさとやる事終わらせてやる」

黒子「何処へですの?」

士「お前らが向かおうとしていた所だ。経験上、最初にあった奴に付いていくのが一番手っ取り早いんだ」

当麻「――ここは?」

???「なっ、テレポートか!?」

メルトダウナー!

メルトダウナードーパント「だが出てくる場所を間違えたな。ここでなら溶かしていいと言われている!」

当麻「い、いきなり戦闘かよ! 土御門め……ピンポイントすぎるだろ!!」

メルトダウナードーパント「溶けろ!」

当麻「溶けねえよ!!」

メルトダウナードーパント「発動しない? メモリの不調か?」

当麻「そーれ上条パンチだあ!」

メルトダウナードーパント「チッ、ドーパントになっても身体能力があまり上がらないのがこのメモリの欠点だな。痛いぜちくしょう」

当麻「ドーパントに触ればメモリブレイクできかなってちょっとぐらいは期待してたけど、そう簡単にはいかないか!」

メルトダウナードーパント「乗り込んできたわりには能力者じゃないのか? ただ殴ってくるだけとはな」

当麻「能力が使えないなら条件は同じだあ! さあ、戦おうぜえええ!!」

メルトダウナードーパント「くそっ、やっぱ能力が発動しねえ。まあいいドーパントが生身の人間と殴り合って負ける訳ねえ」

当麻「おいお前、ガイアメモリが危険な物だって知って使ってるのかよ!?」

メルトダウナードーパント「ああ、ある程度は理解してる。だがいつかドライバーも開発してくれるって話だ」

当麻「ドライバー……?」

メルトダウナードーパント「知らないのか? 仮面ライダーが使ってる奴だ。あれなら毒素に対してフィルターがかかる」

メルトダウナードーパント「安全に、それでいて簡単に強い力が手に入るって寸法だ。いい話だろ? 今はちょっとリスク高いけどな」

メルトダウナードーパント「どうだ? お前もこっちに来ないか? 見たところ無能力者じゃないか。強い能力ってのはいいもんだぞ」

当麻「断る!! それの所為で色んな人が危険に晒された! 今でも危ない目に会ってる人がいる!」

当麻「そんなもの、この世に必要ねえ!!」

メルトダウナードーパント「じゃあ、死ねよ」

メルトダウナードーパント「はあ……はあ……。おいそこのツンツン頭。ボロ雑巾みてーじゃねえか」

当麻「まだ……だ!」

メルトダウナードーパント「いい加減諦めようぜ……。こちとら能力が発動できねえからただの怪人だけどよお」

当麻「まだ、俺は……戦える!!」

メルトダウナードーパント「怪人に人間が勝てるわけねーだろ?」

当麻「俺はまだ負けてないぞ……! 何処の誰が……人間が怪人に勝てないと決めた!?」

規制か寝たのか
両方か

メルトダウナードーパント「事実だろうが。俺はちょっと疲労してるだけ、お前はボロボロだ。なんでそこまで立ち上がる」

当麻「俺は……仮面ライダーじゃない。けど、正義の味方になるのを諦めてねぇんだよ!」

メルトダウナードーパント「力もねえ能力もねえ、メモリもドライバーもねえ。そんなお前が正義の味方だあ? 笑わせるな」

当麻「力がなければ正義の味方になれない、そんな風にお前が思ってるのなら」






当麻「――俺がその幻想をぶち殺す!!」

ごめん寝る。そげぶだけは書き込んでおきたかった。もう規制はこりごりだよ。

今更だけど土御門が大砲のように上条さんを吹っ飛ばしたのかと思ったらテレポみたいに出現ってどういうことなんだ?
解説頼む

メルトダウナードーパント「てめえ! 本当に……人間かよ……!」

当麻「最初殴った時、てめえは痛いと言った……。ダメージが通るのなら、勝ち目のない戦いじゃねーんだよ!!」

当麻「何度でも! 何度でも!! てめぇを殴ってやるよ!! てめえの目が覚めるまで!!」

当麻「そんなメモリなんかに頼っていい気になってるてめえの目を覚まさせるまで――」

当麻「俺はてめえを殴り続ける!!!!」

メルトダウナードーパント「―――」

当麻「メ……メモリが取り出された……?」

???「一定以上のダメージが蓄積されるとメモリが強制解除されるというケースがあると聞いてましたが、まさか本当にあるとは」

当麻「だ……誰だ……」

???「テレスティーナ=木原=ライフライン、と言っても君には伝わらないでしょうね」

テレス「わかりやすく言いましょう。私が黒幕ですよ」

テレス「と言っても、ほとんど私の自我なんてないんですけどね。ガイアメモリの毒素のせいで」

インデックス!

インデックスドーパント「それじゃあ!! てめぇの幻想もぶっ殺してやろうかあああ!!」

レールガン! ドラゴンブレス!

当麻「なんだこいつ!! さっきから色んな能力を!?」

イノケンティウス!

インデックスドーパント「へえ、幻想殺しなんて何かの冗談かと思ってたけど、まさか本当にあるとはね!!」

当麻「くっ……打ち消しはできるが、これじゃ近づけねえ……。それに、もう体が……!」

インデックスドーパント「結局なあ、この世界は力がある奴が偉いんだよお!さっきはメルトダウナーの奴に偉そうに説教してたけどよお」

インデックスドーパント「てめぇはひぃこら逃げ回って能力打ち消して? それで何ができるんだあおい!」

当麻「……いまだ!」

アクセラレーター!

インデックスドーパント「ちっ、これも打ち消すのかよ。だがメルトダウナーと違ってこちとらきっちり身体能力も強化されてんだよ!」

当麻「ぐはっ……!」

インデックスドーパント「今はこんな格好だけどよお。あの仮面ライダーとかいうのが使ってるドライバー使えばよお」

インデックスドーパント「私も仮面ライダーになれんじゃねえの?」

当麻「!?」

インデックスドーパント「そしたらさ、私が名乗ってやるよ。正義の味方、仮面ライダーってな!」

当麻「……そんな事、させない!!」

当麻「仮面ライダーは……仮面ライダーはそんな簡単に名乗っていい名前じゃねえ!!!」

翔太郎「その通りだ、当麻。仮面ライダーは街のみんなが付けてくれた名前だ」

フィリップ「ああ、君みたいな醜い化物が名乗っていい名前ではない」

当麻「翔太郎さん……! フィリップさん……!」

翔太郎「よくがんばったな。俺たちが来るまでよく耐えた」

フィリップ「君の体は右手以外ごく普通の人間だ。なのに果敢に立ち向かった勇気は素直に賞賛するよ」

当麻「この街を……お願いします……」

翔太郎「っと。気絶しちまったか」

フィリップ「無理もない。見るからに体がボロボロだ。今まで意識があったほうが不思議なぐらいだ」

翔太郎「それじゃあ、行こうぜ相棒。当麻からの依頼を果たそうぜ」

ジョーカー!

フィリップ「行こう、翔太郎。この街を救おう」

サイクロン!

翔太郎  「変身!
フィリップ「変身!」

サイクロン! ジョーカー!

翔太郎&フィリップ『さあ、お前の罪を数えろ!』

翔太郎「出し惜しみはしねえ。最初から全力でいくぜ」

エクストリーム!

フィリップ「まずは解析だ」

プリズム!

フィリップ「相手のメモリは『インデックス』のメモリだ」

翔太郎「インデックスって、あのシスターもどきのことか?」

フィリップ「そうだね。彼女自身が魔術そのもの、という解釈がある」

フィリップ「あのメモリは彼女の持つ完全記憶能力、そこから引き出せる知識、というのを真似ているんだ」

翔太郎「というと、あいつは10万冊以上の魔道書が使えるってことか!?」

フィリップ「いやそうじゃない。メモリに記録されているのは現在確認されている全てのメモリの技だ」

フィリップ「例えばレールガンやイノケンティウスの炎、さらにミュージアムの作り出したメモリも使えるだろう」

フィリップ「そして残念なお知らせだ」

翔太郎「どうした?」

フィリップ「アクセラレーターの反射も恐らくそれに含まれている。僕らでは対処できない」

翔太郎「プリズムビッカーで無効化するってのはどうだ?」

フィリップ「試してもいいけど、無駄だと思う。あくまであのメモリはインデックスのメモリだ」

フィリップ「上手くいけば一時的にインデックスの効果を使用不可にできるかもしれないが、そこから引き出される技までは無効化できない」

翔太郎「八方ふさがりかよ!」

レールガン! レールガン! ドラゴンブレス! ヒート! ウェザー! エナジー!

インデックスドーパント「くそっ、ちょこまかとおおお」

フィリップ「だが技の威力は格段に落ちてるね。軌道もわかりやすい。メモリ使用者の理性がほとんどない分攻撃も単調だ」

翔太郎「んじゃアクセラレーターももしかすると?」

フィリップ「こちらが攻撃するのにリスクはほとんどない、試そう」

インデックスドーパント「効かないなあああああ」

アクセラレーター!

フィリップ「ほとんど反射はできないようだね。だけど反射できなかった分を雲散するという特性はそのままだ」

翔太郎「待てよ、あいつは攻撃を受ける時にわざわざアクセラレーターを起動したよな」

フィリップ「そうか、良く気づいたね! さっきからうるさいガイアウィスパーはそのためだね!」

翔太郎「攻撃を続けてりゃ奴はアクセラレーターを起動し続けるしかねえ。攻撃が最大の防御だ!!」

インデックスドーパント「気づきやがったか! でもなあ!」

レールガン! レールガン! レールガン!

翔太郎「ぐうっ、こいつ……防御を捨てた!?」

フィリップ「悔しいけど、いい判断だね……!」

インデックスドーパント「攻撃が最大の防御、いい言葉だなああ! 大好きさああ!!」

イノケンティウス! ドラゴンブレス! リメンマグナ!

インデックス「炎は風に溶け。竜の首は落ち。黄金は曲がる」

フィリップ「!? ガイアウィスパーが鳴っているのに技が発動してない?」

インデックス「割り込めるものなんだね、ガイアメモリの魔術でも!」

翔太郎「シスターもどき! お前どうしてここに!?

大樹「うん、ここが目的地? でもお宝はまだないようだね」

フィリップ「君は……見覚えがあるような……」

大樹「ああ、僕の事は気にしないでくれたまえ。さ、続けてくれ」

インデックスドーパント「変なのが増えやがって……!」

イノケンティウス! イノケンティウス! イノケンティウス!

インデックス「炎は沈む。炎は下る。炎は朽ちる――強制詠唱がある限り、そんなお粗末な魔術は通用しないんだよ!」

インデックスドーパント「べっつに魔術なんか使えなくても困らないんだよおお」

レールガン! レールガン! レールガン!

美琴「そんなチャッチな弾で、超電磁砲を名乗るのは100年早い!!」

インデックスドーパント「レールガンが掻き消され――」

黒子「やりましたの! 直撃ですの!!」

士「……おいおい、最近の中学生はあんなもんぶっ放すのか」

翔太郎「白井にビリビリ……なんでお前らまで……」

美琴「ビリビリ言うなー!!」

翔太郎「うお!? ……って電撃がこねえ」

美琴「うん、ごめんね。私が役に立てるのはここまで、かな――」

黒子「お、お姉様!?」

士「気を失っただけだろう、大丈夫だ」

翔太郎「ん? お前は……」

大樹「やあ士! 君もここに用事かい?」

士「……なんとなく予想はしてたが、やっぱりお前もいるのか。そして、この流れだと」

???「おのれディケイド!」

士「大体わかった。とりあえず鳴滝が悪いんだろ?」

大樹「投げやりだねえ。まあその通りだよ。財団Xと学園都市のパイプを作ったのは彼だ」

鳴滝「この世界は破壊されてしまった!」

士「常々言いたいことがあったんだ。お前、それ言いたいだけだろ?」

カメンライドゥ ディケーイド!

大樹「こっちはこっちでなんとかしよう。頑張りたまえよ。仮面ライダーダブル」

カメンライドゥ ディッエーンド!

インデックスドーパント「くそおっ。痛てえよおぉ!」

フィリップ「ん? ダメージを受けてる?」

黒子「さっきのお姉様の超電磁砲ですわ!!」

翔太郎「レールガンの発動に合わせて撃ったからアクセラレーターを発動する暇がなかったんだろうな」

フィリップ「ということは相手の技に合わせて攻撃を当てれば……」

レールガン!

翔太郎「そこだ!」

インデックスドーパント「がはっ!!」

フィリップ「実はあまり強くないかもしれないね、このドーパント」

翔太郎「人の真似したってどうしようもなんねえのは最初からわかってただろうが」

フィリップ「そういえばそうだね。そもそも『自分だけの現実』から生み出されたのが異能力だ」

翔太郎「人様の現実を利用しようなんざ無駄だってことさ」

インデックスドーパント「まだだ! まだだ!!」

アクセラレーター! アクセラレーター! アクセラレーター! アクセラレーター!

翔太郎「はあ!? なんでここでアクセラレーターなんだ!?」

アクセラレーター! マキシマムドライブ!!

フィリップ「マキシマムドライブだって!?」

翔太郎「ここに来てメモリのレベルが上がりやがった!!」

インデックスドーパント?「ハ、ハハハ! お前らはほンと良い事言いやがるなァ」

インデックスドーパント?「そーだな! 能力は『自分だけの現実』から生み出されたモノだ」

インデックスドーパント?「なら、成りきればいいンだろ?」

アクセラレータードーパント「第一位『一方通行』によォ!!!」

翔太郎「なんかー、あのモヤシみたいな言動になったぞおい」

フィリップ「記憶は時に人格形成にも影響を及ぼす場合がある。まあこの説は卵が先か鶏が先かの議論になるんだけどね」

フィリップ「迂闊にも自分で言ってしまったよ。能力は『自分だけの現実』によって生み出されるって」

フィリップ「という事はメモリには単純に技だけを記憶してるのではなく、『自分だけの現実』を丸々複製しているのかもしれない」

フィリップ「それをマキシマムドライブ、つまりほぼ100%の記憶を引き出し自分自身とすれば……」

翔太郎「あのモヤシになりきって『一方通行』を完全に扱おうってか!?」

翔太郎「その『一方通行』ってのを相手にして、俺たちに勝算は?」

フィリップ「ゼロだ。アクセラレーターの反射ですらてこずった僕らにベクトル操作に対しての回答はない」

翔太郎「そっか、なんとなーくわかってたぜ。けど……」

フィリップ「ああ、諦めという言葉は僕らには似合わない」

翔太郎&フィリップ「だって『俺/僕』たちは――」





翔太郎&フィリップ&当麻「仮面ライダーだから!!!」

当麻「出会えたんだ! 初めて見れたんだ!! 本物の正義の味方に!!!」

当麻「そして今! この街を救おうとしてくれている!!」

当麻「だから! 俺はこんなところで寝てられねえええ」

当麻「打ち消せよ、幻想殺し!! 打ち消してみろよ!! あの人たちを!! できねえだろ!!!」

当麻「だって本物だから! あの人たちは幻想なんかじゃねえ!!」

当麻「届け……この右手ええええええ!!」

フィリップ「彼の幻想殺しが『一方通行』のベクトル操作を打ち消している! 今だ翔太郎!!」

翔太郎「さすがだぜ、当麻! おめえも立派な正義の味方だ!!」

プリズム! マキシマムドライブ!!

翔太郎&フィリップ『ダブルエクストリーム!!』

インデックスドーパントを倒したあと、なし崩しに事件は解決に向かった。
財団Xと学園都市のパイプとなっていたらしい男はディケイドと名乗る仮面ライダーによって退治された……のか?
実のところディケイドに関してはよくわかってはいない。
ただ言うには彼らの干渉がなくとも既に財団Xが学園都市に目をつけていただろうということだ。
そして二つの組織が共同に至る進行を早めたのが鳴滝という男の仕業、とのことだ。実に迷惑な話だ。
そしてディケイドはと言うと――

士「この世界でのするべきことは終わった」

とか言って早々に引き上げてしまったのだ。

話を戻そう。
財団Xとそれによって纏められていた数々の機関はジャッジメントとアンチスキルによって解体された。
木山さんが裏で動き回ってくれていたらしい。影の功労者だ。

木山「最初はなんか私が黒幕っぽい感じだったけどね。その役は……2度はごめんかな」

なんて、元々濃かった隈を更に濃くしつつも照れながら言ってくれた。
美人の照れ笑いは良いものだ。

ガイアメモリの研究記録も学園都市内での財団X解体と同時に破棄された。
ただ事件の騒動の規模から、いずれどこかの機関が近しい物を作り上げる可能性があるそうだ。

黒子「もしガイアメモリ事件が起きても、今度はジャッジメントだけで解決してみせますの!」

と白井たちジャッジメントは意気込んでいた。

メモリブレイクが可能かどうか、その議論がジャッジメント内で起こったらしい。
確かに本来ならメモリブレイクができるのはメモリを使っている俺たちだけだ。
かといって彼女らがメモリに手を出しては本末転倒だ。

美琴「けど、なんかアクセラレーターのメモリがあんた達の方法とは別の形で壊されてたらしいわよ」

解決の糸口が見つかったらしい。

美琴「あと! ビリビリっていうな!!」

やっぱりビリビリしていた。

インデックスメモリの所持者はというと――
メモリの過度な使用による本来の中毒に加え、数多くの他人の記憶を頭にぶち込まれた為、自我がほとんどない状態らしい。

カエル顔の医者「大丈夫、治してみせるよ」

照井の言っていた老人だろうか。確かに目覚めてこの顔はあまり心臓に良くないかもしれない。

学園都市のヒーロー、上条当麻はあの後すぐ倒れた。
白井がビリビリと一緒に急いで病院へ搬送してくれた。
次の日にはわりと元気になっていて驚いた。

当麻「やっぱり病院送り!?」

インデックス「とうまは心配かけすぎなんだよ!! がぶ!!」

当麻「いつもの展開!? 不幸だああああ!!」

どうやらいつもの事らしい。
俺と違ってハードボイルドではないが、熱いハートを持った良い少年と出会えたことに感謝を。

そして学園都市に再び平和が訪れた――

翔太郎「っと。ん? おいフィリップ、何飲んでるんだ?」

フィリップ「これかい? 学園都市で君が買ったジュースだよ。実に興味深い味わいだ。不味いのに、癖になる!」

翔太郎「あー!! それ最後の一本!! 大事に取っておいたのに!!!」

亜樹子「ていうか! 私の出番は!? ほんとにもうないの!? 私聞いてない!!」

翔太郎「お前の出番なんてどーでもいいんだよ!! 俺のジュース! 返してくれよ!! もうそれ買えないんだぞ!?」

???「と、君が欲すると思ってケースで持ってきたよ。お土産だ」

翔太郎「き、木山さん!? どうしてまた……。まさかまた事件!?」

木山「いやちょっとした遠足だよ。その引率さ」

黒子「来ちゃいましたの!」

美琴「おー、なんかちゃんと探偵事務所っぽいわね」

インデックス「とうまー、お腹空いたよー」

当麻「あー、こらこら我慢しなさい。お弁当はあとですよー」

翔太郎「お、お前ら!!」

木山「前回はあまり長居はできなくてね、この街の地理には詳しくないんだ」

美琴「だから、案内してくれる?」

黒子「なるべく退屈しないところがいいですわ。翔太郎さんのセンスが問われますの」

インデックス「美味しいものが食べたいかな!」

当麻「俺、風都タワーが行きたいです!!」

翔太郎「するする! 案内する! さあ行こうぜお前ら!!」


この街にはいつも良い風が吹く。
良い風が流れ着き、良い風が吹き去っていく。それが風都だ。

次回の仮面ライダーWは!

唯「なんか変な人にこんなものもらったの」

梓「これなんですけど……」

フィリップ「MとKのメモリ?」

律「なんか最近物騒なんだぜー。怪人が出るって噂が!」

澪「ひぃ!! 怪人!!」

翔太郎「秋山澪ファンクラブ?」

照井「ドーパント被害にあった者の共通点として、皆彼女のファンクラブに所属していた」

紬「それよりお茶にしましょう♪」

絶対に書かない。

いくつか補足。
>>453
土御門の大砲について。
メモリ所持者は基本的にモブかつレベル0~1。テレポートの細かい理論を知らない。
突然飛んできたからテレポートと勘違いした。ということで。

木山さんを美人と強調した理由。俺が好きだから。

土御門を出した理由。俺が好きだから

一方通行を出した理由。俺が好きだから。あと『絶対能力進化』を再開させたくないから。

トライアルマキシマムドライブが4秒なのはそれだけ相手が弱いから。
ぶっちゃけ1秒とか2秒でいいけど、鬱憤を晴らすためオーバーキル。

幻想殺しでドーパントを解除できない理由。根源のメモリが体内にあるから。インデックスの首輪的なノリで

呼び方や必殺技の名称ミスは完全にケアレスミス。
けど「いやそのりくつはおかしい」というのは勢いとノリで。なんか禁書っぽいかな、と。
後付けや言い訳になるけど、疑問点があるなら一応答えるよ! スレも半分残ってるし!

>>519
一方通行好きならもうちょい出せよちくしょう。乙

検閲が厳しかったり雑だったりするのはご都合主義ですねわかりません

唯のアイスドーパント書いた人だったのか

メルトダウナーは発動すらできないのに土御門の魔術で飛んできたのはどういうことなの?
一応足元の地面ぶっとばしたという解釈したけども

>>522
一方さん介入させると電池半分も使わないで事件解決できるから大人しくさせておいた。
MNWと暗部の情報まであるとやりたい放題だし……

>>523
学園側がわざとリークしてると思ってください。

>>526
そもそもここに書き込むのすら初めてなんだぜい

>>532
土御門は足元に二次元的な術式を組んだのに対し、メルトダウナーは自身を中心に半円、つまり三次元的な術式を組んだ。
ということにしてください。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom