苗木「朝日奈さんとの恋人ごっこ」 (52)

朝日奈「な、なーえぎ!」

ぎゅっ!

苗木「わわっ、あ、朝日奈さん、いきなり飛びついたら危ないよ」

朝日奈「で、でもほら、こんな風に甘えるのって女の子らしい……よね?」

苗木「そ、そうだね、朝日奈さんだからかわからないけど、今のはすごく可愛かったよ」

朝日奈「ほ、本当に? えへへぇ」

朝日奈「ところでさ」

苗木「うん、なにかな?」

朝日奈「んー……くんくん」

ぎゅうう

苗木「あ、朝日奈さん?」

朝日奈「苗木から、苗木からドーナツの匂いがする!」

苗木「えぇっ、そんなにわかる匂いだったかなぁ?」

朝日奈「ずるいよ苗木ぃっ! ドーナツ一人占めは犯罪だよ! 裁判だよ!」

苗木「ち、違うよ、食べてはいないよ」

朝日奈「本当に? 嘘は強盗殺人犯の始まりなんだよっ!?」

苗木「朝日奈さんって、本当にドーナツに関しては変わるよね……」

朝日奈「当たり前だよ! だってドーナツだよ!?」

苗木「あはは……とりあえずボクの部屋に来てよ、そしたらわかるからさ」

朝日奈「? う、うん」

苗木「朝日奈さん、これ、どうかな?」

朝日奈「ほぉぇー……ドーナツ、机いっぱいのドーナツ……こ、これは食べていいの!?」

苗木「うん、むしろ是非食べて欲しいな」

朝日奈「えっへへー、これだから苗木って大好き! はむっ!」

苗木(あ、いつもみたいに否定しない)

朝日奈「んむ、もぐ……? 学園のとなにか違う?」

苗木「うん、ボクの手作りだからさ」

朝日奈「手作り? 苗木の?」

苗木「朝日奈さんが喜んでくれるかはわからないけどさ、君のために作ったんだ」

朝日奈「わ、私のために?」

苗木「うん、喜んでくれたかな?」

朝日奈「うん、うんっ! すごく嬉しいよ苗木ぃっ!」

ぎゅうう!

苗木「ねえ、朝日奈さん」

朝日奈「うん、なぁに苗木ぃ?」

ぎゅうう

苗木「えっと、朝日奈さんっていつもその髪型だしさ、たまには変えてみない?」

朝日奈「髪型?」

苗木「髪は女の子の象徴だしさ、髪型変えたらより女の子らしい女の子になるんじゃないかな?」

朝日奈「女の子らしく、なれる?」

苗木「うん、きっと可愛いだろうなぁ」

朝日奈「そ、そう? それじゃあ変えてみよう、かな?」

朝日奈「んー、でもなぁ、どんな髪型が良いかなぁ……」
しゅる……ぱさっ

苗木「」

朝日奈「ねえ苗木、苗木は」苗木「可愛い!」

ぎゅっ!

朝日奈「ええっ!? な、苗木!?」

苗木「朝日奈さん、髪を下ろした朝日奈さん、すごく、その……色っぽいよ」

朝日奈「い、色っぽいって、お、女の子らしい?」

苗木「うん、今の朝日奈さんは、すごく、女の子だよ」

朝日奈「え、えっへへー、な、なんだか恥ずかしいなぁ……」

苗木「朝日奈さん、少しだけ、静かにしてて」

朝日奈「……?」

苗木「…………」

朝日奈「な、苗木?」

苗木「まずいな、今の朝日奈に見惚れちゃって、目が離せないよ……」

朝日奈「み、見惚れっ、は、恥ずかしいよ苗木ぃ……」

苗木「あ、朝日奈……」

ぎゅっ

朝日奈「な、苗木ぃ……」

ぎゅうう

苗木「ね、ねぇ、恋人ごっこ、だったよね?」

朝日奈「う、うん」

苗木「これからさ、君のこと、葵って呼んで良いかな?」

朝日奈「あ、葵って、あんまり呼ばれないから、ちょっと、嬉しいかも……」

苗木「葵、可愛いよ……」

朝日奈「う、あ、あのさ、私も苗木のこと、誠って呼んじゃダメ、かな?」

苗木「い、良いよ、ボクも誠って呼ばれ慣れてないから、ちょっと緊張するな……」

朝日奈「ま、誠」

苗木「あ、葵」

朝日奈「え、えへへ……なんだか」

苗木「は、恥ずかしいね、あはは……」

苗木「せ、せっかくの恋人ごっこだし、なにか恋人っぽいこと……」

朝日奈「えっと……んと……」

苗木「あ、葵、あのさ」

朝日奈「な、なに!?」

苗木「て、手を繋ごう!」

朝日奈「う、うんっ!」

きゅっ

苗木「ちょっと、ドキドキするね」

朝日奈「う、うん、緊張する……で、でもさ?」

苗木「な、なにかな?」

朝日奈「ゆ、指を交互にする、恋人繋ぎのが、恋人っぽい、かな?」

苗木「し、してみるね?」

きゅっ

朝日奈「ま、待って! 予想以上にドキドキして死にそうだよ!」

苗木「あ、葵、一回、は、離そっか!」
朝日奈「そ、それはやだ!」

苗木「あ、朝日奈さんの手、暖かいね」

朝日奈「ち、違うよ苗木、朝日奈じゃなくて、葵、だよ?」

苗木「な、苗木じゃなくて、誠、だよ葵」

朝日奈「あ、えっと、えっと……ま、誠の手、暖かいよね」

苗木「暖かいのは、あ、葵の手だよ?」

朝日奈「ま、誠の手の方が、暖かいもん!」

苗木「あ、葵の手の方が暖かくて気持ちいいよ!」

朝日奈「き、気持ちいいのは誠の手だよ!」

苗木「それは違うよ!」

朝日奈「違わないもん!」

苗木「と、ところでさ」

朝日奈「な、なに?」

苗木「や、やっぱり葵って、すごく女の子らしいし可愛いよ」

朝日奈「なっ! そ、それを言ったら誠だって可愛いよ!」

苗木「ち、ちがっ、そうじゃなくてさ、葵が悩んでた悩みって、葵が自分で女の子らしくないって思ってただけだと思うんだよね」

朝日奈「そ、そう、なのかな?」

苗木「だ、だからさ」

朝日奈「う、うん」

苗木「ボクたち、その、別れよっか」

朝日奈「……え?」

朝日奈「な、なんで?」

苗木「ボク達は、葵が女の子らしくなるために恋人ごっこしてたんだしさ、十分女の子らしいのはわかったからさ」

朝日奈「いや……」

苗木「だ、だから、恋人ごっこはもうおしまいだよ、葵、いや、朝日奈さん」

朝日奈「いや、嫌だよ! もうちょっと、もうちょっとだけで良いから待ってよ誠ぉ!」

苗木「い、嫌だ、ボクは、朝日奈さんとはこんな関係嫌だ、ほら、苗木って呼んで?」

朝日奈「う、うぅぅ……な、なえ、ぎ」

苗木「……ありがとう、朝日奈さん」

朝日奈「うぅ、ぐすっ……」

苗木「それじゃあ朝日奈さん」

朝日奈「う、うん、手、離すね……」

苗木「それは違うよ!」

ぎゅっ!

苗木「朝日奈葵さん! ボクと、ボクと正式に付き合って下さい!」

朝日奈「…………ふぇっ?」

苗木「ボクは、葵、君のことが、本当に好きになっちゃったんだよ」

朝日奈「え、え?」

苗木「だから、君と付き合いたいんだ、ダメかな?」

朝日奈「手、離さなくて良いの?」

苗木「うん、付き合ってくれるなら、ね?」

朝日奈「苗木、ううん、誠、誠ぉっ!」

ぎゅうう!

苗木「あはは、ちょっと、苦しいよ」

朝日奈「だって、だって嬉しいんだもん!」

苗木「そ、それじゃあ、さ」

朝日奈「?」

苗木「本当の恋人だから……良いよね?」

朝日奈「う、うん……」

苗木「行くよ……んっ」

ちゅっ

こうしてボクらは、晴れて、正式に付き合うことになった。

お互いに経験が全くないのもあり、まだキスする度に死ぬほどドキドキするけれど、この気持ちはずっと忘れずにいようと思う。

ちなみにまだ誰もコロシアイをしてはいないけど、なんだか葵との時間が長くあった気がするのは、ボクが持ってるバットとかよくわからないアイテムが関係しているのかな?

でもこれから、コロシアイが起きても起きなくても、ボクは朝日奈葵を、ボクの彼女を守り抜いて見せるんだ!

おしまい

朝日奈さん可愛いよね
おっぱいだし純情だしおっぱいだし下ネタ苦手だし、可愛いのに女の子らしくないって悩んでるし、その上おっぱいだし
ゲームでも話せば話すほど可愛い

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月27日 (金) 08:11:05   ID: OznbweDp

こんな凄まじいssに文句ある人は屑

2 :  SS好きの774さん   2014年05月30日 (金) 21:34:51   ID: vdfGky7T

朝日奈さん好きの俺得

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