小日向美穂「新しく趣味を作ってみようかな」 (253)

小日向美穂 趣味:日向ぼっこ

美穂「うーん……」

P「ん? どったの、難しい顔して」

美穂「あっ、プロデューサー。その、少し考え事をしていまして」

P「進路のこととか? そういや受験生だったもんね」

美穂「そ、それも忘れちゃダメなんですけど! 実は新しい趣味を作ろうかなって思ってまして」

P「趣味?」

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美穂「はいっ、私の趣味って日向ぼっこじゃないですか」

P「そうだね。小日向さんらしくて良いと思うけど?」

美穂「そうなんですけど……、光合成しているだけのアイドル生活ってどうなんだろうって少し思って」

P「こ、光合成?」

美穂「他のみんなって色々な趣味を持っていますよね? それが個性になっている人もいますし……」

P「野球観戦とかキノコ栽培とか色々いるっちゃいるけど、十分個性だと思うよ。小日向さんの日向ぼっこも」

美穂「でもプロフィールに日向ぼっこってだけ書いているのも少し寂しい気がするんです。それに、周りにいろんな方がいますから趣味の幅を広げるのもありかなって思って」

P「ふむふむ、趣味の幅を広げる、か……。確かに小日向さんの新たな一面を見つけることが出来るかもしれないね。良し、分かった。色んなアイドルたちの趣味に挑戦してみますか」

美穂「は、はい! よろしくお願いします? えっと、まずはどの趣味にチャレンジしましょうか?」

P「小日向さんが気になっているものってあったりする?」

美穂「え、えっと……。実は茶道をしてみたいなって思って」

P「茶道?」

美穂「あっ、えっと。やっぱり変ですか?」

P「イヤイヤ、んなこたぁないよ。戦国姫のイメージもあるし、小日向さんに向いているかもね」

美穂「そうですか? 良かったぁ……、笑われたらどうしようかなって思ってたんです」

P「笑いはしないって。しかし茶道と来ましたか。うちのアイドルに茶道に詳しそうな子はいないしなぁ……」

美穂「紗枝ちゃんとか学んでそうですけど……」

P「あー、彼女がいたか。とりあえず話をしてみるか」

美穂「あ、あのっ! 我がままを言うみたいなんですけど、一人で挑戦するのは少し恥ずかしくて……、よかったらプロデューサーも付き合ってもらえますか?」

P「俺が? 茶道なんてがらじゃないんだけど、小日向さんの頼みときたら断る理由はないかな。趣味を広げるってのも悪くなさそうだ」

紗枝「はばかりはんどす?。絶好の野点日和ですなぁ」

美穂「紗枝ちゃんが茶道を学んでいて良かったです。怖い人だったらどうしようと眠れませんでしたし」

P「だね。小日向さんと親しい子だし、やりやすいよね。ところで……まさかこの子も茶道に挑戦するの?」

美穂「えっと、お茶という言葉に反応したみたいです」

茜「好きな食べ物はお茶ですよ!! あっ、違いますね! 好きなお茶はお茶です!!!」

P「いや、それは知ってるんだけど……。わびさびというか茶道に向かない人選No.2が来ちゃったよ……」

美穂「No.1は誰なんですか?」

P「きらりだよ」

きらり『けっこーなおてまえーっ☆ 足しびれたーっ!!』

美穂「あー……」

茜「ダメですよー!! 茶道は心を静かにお茶を嗜むんですよ!!!」

P「君がそれを言うか?」

紗枝「まぁまぁ、茶道の楽しみ方は一つやあらへん。今日は各々それを見つけてくれたなら幸いどす」

紗枝「茶道の本質はお・も・て・な・しの心どす。自分を下げ、客には思いつく限りのていねいさで対応するんです」

P(オリンピックのアレ見てたな)

紗枝「一期一会、という言葉は茶道の世界をよく表してます。同じ客で同じ道具で同じ季節に茶会を開いたとしても、二度と同じ会を開くことは不可能どす」

美穂「えっと、その時その時に交わした言葉とか、思った気持ちは二度と訪れないからですか?」

紗枝「そういうことどす。見て下さい、移ろう空、赤々と色づく紅葉、それらすべてを愛おしく思い、自分の人生の糧にしていく。それこそが、茶道です」

美穂「プ、プロデューサー! 形から入ろうと戦国姫の衣装着て来たんですけど……、似合っていますか?」

P「いまさら何を聞くのさ。どこからどう見ても、戦国時代のお姫様そのものだよ。凄く風流が有って可愛らしいよ」

美穂「ほ、本当ですか! じゃあ今度からこの衣装で生活していきます!」

P「いや、そこまでは言ってないけど……。流石に生活しにくくないか?」

茜「私は着物が着れないからジャージで来ました!!」

P「……わびさびってなんだっけ?」

紗枝「今日は割り稽古から始めます」

茜「割り稽古って何ですか!? ぶつかり稽古なら知っています!!」

P「点前の動作の練習だっけ?」

紗枝「ようご存じで。お点前をするために必要な一連の所作を細かく分割して、一部分ずつ練習することを言います。言わば基本の習得と言ったところどす」

美穂「な、なんだか難しそうですね……」

紗枝「安心してええよ。そこまで複雑なことはしいひんから。ちなみにうちの学んどる流派は裏千家どす」

紗枝「さてと、練習はこんなもんでよさそうやね。筋、有るんちゃいます?」

美穂「そ、そうかな? えへへ、少し照れちゃうな」

茜「お茶のことなら任せてください!!」

紗枝「日野はんはもう少し力を抜いて動いて方がええですね」

茜「あっ、すみません!!」

紗枝「まぁ、強制は出来まへんね。それじゃあ簡単にどすが、お茶会と行きましょうか。室内で行うものは細やかな動きや手順が有るんですが、野点には細かい作法は求められまへん。襖なんてあらへんからね」

P「うぅ……」

美穂「どうかしたんですか、プロデューサー?」

P「いやさ。みんなが割り稽古やっている間、ずっと正座してたら足が痺れちゃって……」

紗枝「なんや、それなら言うてくれたらええのに。姿勢を崩してもろて構いませんよ?」

P「面目ない、それではあだだ!」

茜「気合ですよ! 気合で乗り切りましょう!!」

P「気合が重視される茶会なんか聞いたことないぞ……」

紗枝「まずはお茶をいただく前に茶菓子を召し上がってください。塩見はんの実家からお取り寄せした銘菓どす」

美穂「美味しいけど結構甘いかも」

P「お茶を頂いたらちょうどいい感じになるんじゃないかな?」

茜「デリシャスです! これ、おかわりして良いですか!?」

紗枝「ええ、存分にお楽しみください」

P「本当に茶道に向かないテンションの持ち主だなあの子……」

美穂「ま、まぁ今回は野点ですから!」

紗枝「では、お茶を楽しむとしましょうか」

美穂「え、えっと……。よろしくお願いします!!」

P「ははは、そこまで気合を入れなくても、気楽にいこうぜ」

茜「おりゃあああああ!!!」

P「おーい、茜―。力入れすぎてお茶が飛び散ってるんですけど……」

茜「はっ! 申し訳ないです! ついいつものヨーグルトをかき混ぜる癖が出てしまって!!」

美穂「……」

P(来ている服の補正もあって、凄く絵になるなぁ)

美穂「っと、出来ました。あのっ、プ、プロデューサー!」

P「っと。えーと、頂くときは一礼して……上座の人に御相伴させていただきます……」

紗枝「今は作法を気にしなくて結構どすよ?」

P「あー、そう? うろ覚えだったから怖かったんだよね。それじゃあ、お点前頂戴いたします」スッ

美穂「えーと……」

P「結構なお点前で。さっきの和菓子の甘さもあって口当たりがよく飲みやすかったよ」

美穂「そ、そうですか?」

P「それに、小日向さんのおもてなしの心が伝わった。そんな気がするんだ」

美穂「ほ、褒められているんですよね? え、えへへ……」

P(やばっ、照れ笑いする小日向さん凄くカワイイ)

茜「はいはいはい!!! 次は私のお茶ですよ!!! おもてなしの心、全力で入ってますよ!!!」

P「え、えーと……。茜? 色合いおかしくない? ムドオンカレーみたいな色合いしているけど……」

紗枝「これは……、何か他のものも入っていますね」

P「マジ?」

茜「日野千家流です!! さぁ、グイッと逝っちゃってください!!!」

P「お、おもてなしの心は有るんだ。だからそれを無碍には……。南無三!!!」

P「ぐふっ!!」

美穂「プ、プロデューサー!?」

P「結構な、お点前で……」死―ん

美穂「プロデューサーーー!!」




日野千家
お茶に何を
入れたんだ


プロデューサー、辞世の句

P「うぅ、当分お茶は勘弁願いたいな……」

美穂「で、でも茶道にふれたことで、世界の見方がちょっと変わった気がします。一期一会、良い言葉ですね。こうやってプロデューサーと話している時間も、二度と帰ってこないんですよね」

P「だね。だからこそ、一瞬一瞬を必死に頑張るんだよ。さてと、どうする?」

美穂「そうですね……。他にも色々と触れてみたいなって思っているんです」

P「そうだなぁ……。それならば、この子らの趣味なんてどうかな?」

美穂「?」

>>20
>>22
>>24

あいさん


安価訂正してその3人で書いてみます

ジャージと着物が並んでいるとなんかシュールだな

サックスに挑戦してみよう!!

美穂「サックスって……、武田○治さんがプァプァ吹いているアレですよね」

P「パッと出てくるのが武田○治ってのは仕方ないのかね……? それはともかく、楽器とかの経験はある?」

美穂「いえ……、ピアニカとリコーダーぐらいです。他にも楽器が吹けたら素敵だなとは思いますけど……。サックスって難しそうです」

P「その辺はコーチを呼んでいるから大丈夫かな。それじゃあ、行こうか」

美穂「あっ、はい」

あい「なるほど、新たに趣味をね……。サックスに目をつけるとは、中々見所が有るじゃないか」

P「女子高生がジャズする映画とかでもサックスは人気ですからね。サックス人口を増やすつもりで、プレゼンしてくれるとうれしいです」

美穂「え、えっと! よろしくお願いします!!」

あい「了解、承ったよ。ところで、君はサックスに種類があることを知っているかな?」

美穂「種類、ですか?」

あい「例えば……、リコーダー。アルトリコーダーやソプラノリコーダーは授業で使ったことが有るはずだよ」

美穂「音楽の授業で吹いた程度ですけど……」

あい「サックスも似たようなものさ。高音域からソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスと有るんだ。良く見るサックスはこのアルトサックスだね。ソプラノサックスはクラリネットみたいな形をイメージしてくれればいい、テナーとバリトンはこれよりサイズが大きく低い音を奏でてくれる」

P「ふむふむ、サックスと言ってもいろいろあるってことですね」

あい「そういう事だよ。見たところ君にはアルトサックスが似合いそうだ。マウスピースを貸してあげるから、吹いてごらん。歯でマウスピースを噛まないと息が漏れちゃうからね、そこを気を付けるように」

美穂「え、えっと……それじゃあ」プァ?

P(武田○治ってこんな感じの音出すよね)

あい「少し噛みが甘いかな。なに、折れたりしないさ。もう一度やってごらん」

美穂「こうですか?」プァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛

P(藤原○也?)

あい「今度は強すぎだね。音程がくるっている」

P「え? マウスピースだけで音程ってあるんですか?」

あい「B♭……シ♭の音が出れば成功かな」

P「良く出来てるもんですね、サックスも」

あい「私とていまだに極めたと思っていない。サックスの道に、ゴールは無いのだろう」

美穂「」プァアアアア

P「おっ、今までで一番いいんじゃないですか?」

あい「マウスピースで音が出るようになったなら、今度は楽器の演奏といこう」

美穂「指とか憶えれるかな……」

あい「心配はいらないよ。君は初めてなんだ、私に体を任せてくれればいい。さぁ力を抜いて私にすべてをゆだねるんだ、良い音で鳴らしてあげよう……」

美穂「は、はい……」

あい「そう、今は私だけを感じてくれ……。君の体に教えてあげるよ、奏でると言う快楽を……」

P(サックスの練習、だよね? なんか響きがアレなんですけど)

美穂「ドーレーミーファーソーラーシードー」

あい「ふむ、覚えが早いね。私の教え方が良かったという事か、それとも彼女に才能が有ったか……。まぁどちらでも構わないが。折角楽器に触れたんだ、最後はセッションとしれこもうじゃないか」

美穂「セッション?」

あい「私たちと合わせて曲を演奏することだよ。基礎が重要なのは言うまでもないが、今日は体験コースなんだ。簡単な曲を演奏して帰ろうじゃないか」

P「あのー。今私たちって言いませんでした?」

あい「言ったが? 勿論、君も参加するんだぞ?」

P「え゛っ」

美穂「プ、プロデューサーも一緒に演奏しましょう!」

あい「可愛いアイドルもそう言っているんだ。何か楽器、出来るかい?」

P「え、えっと……。トライアングルなら一応」

美穂「トライアングル……ですか? あの、チーンってやつ」

あい「……意外とかわいいな」

P「放っておいてください!」

あい「まぁトライアングルしかできないというのなら仕方あるまい。本当なら3本のサックスで奏でたかったが、トライアングルが響くのもまた趣が有るね。演奏する曲は……、そうだな。Grandfather’s Clock、大きな古時計にしよう」

P「まぁシンプルな曲ですしね。小日向さん、いけそう?」

美穂「うぅ……、緊張してきました」

P「今日は誰かに見せるわけじゃないんだ、気負わずに気楽にいこうよ」

あい「そうだね。失敗したとしても気にする必要はないよ。音楽を純粋に楽しんでもらいたいからね」

美穂「ふぅ……、少し気が紛れました。私はもう大丈夫です」

あい「よし、それじゃあセッションを始めよう。サックスと……トライアングルによる三重奏を」

美穂「プープープププーププププププププププープププーププピ♪」

P「」チーン

あい「~~♪」

P「」チーン、チーン

美穂「~~♪」

P「」チーン

P(……俺、いらなくね?)

美穂「サックス、結構疲れますね」

あい「お疲れ様、慣れないうちは力加減が分からないからね。最初のうちは誰だってそんなものさ」

P「そうだよ? 俺なんかチーンって叩くだけでなぜか疲れたもん」チーン

美穂「でも……、誰かと合わすってすごく楽しかったです! もっと上手く吹けるようになったら、もっと楽しめる……そんな気がします」

あい「私も久しぶりにセッションが出来て楽しかったよ。サックス仲間が少なかったからね。君さえよければ、またセッションをしようじゃないか」

美穂「は、はい! よろしくお願いします!!」

あい「それと……、次は君も吹けるようにしてくれると嬉しい。人数が多ければ多いほど、楽しさは増えるからね」

P「トライアングル係は……、ダメっすよね」チーン

イヌの散歩をしてみよう

P「次は……聖來の趣味、犬の散歩と来ましたか」

美穂「犬の散歩ですか?」

P「小日向さんは犬飼ってたっけ?」

美穂「ペットを飼ったことがないんです。あっ、でもイヌ型のロボットなら実家にいましたけど」

P「へ? ロボット?」

美穂「愛犬ロボ「てつ」って子なんですけど……」

P「日本直販!? しかし今度は犬をどこかから調達しないとな」

P「小日向さん的にこんな犬が良いっていうのはいる?」

美穂「こんな犬……。そうですね……」

美穂「プロデューサーみたいな犬が良いな、……なんちゃって」

P「へ? 俺みたいな犬?」

美穂「え、えっと! へ、変な意味じゃないですよ!! ただプロデューサーみたいに優しく頼れるわんこが良いかなって……」

P「そう言われるとなんだか照れるな……」

ちひろ「それなら! 一ついいアイデアが有りますよ!!」

P「へ?」

聖來「へぇー、美穂ちゃん犬を飼ったんだ! どんな子?」

美穂「えっと、飼ったというよりも拾ったというかなんというか……」

聖來「ん? どうかした? 歯切れ悪いけど……」

美穂「あ、あのっ……。しょ、紹介! しますね! 私のペットの、パトラッシュです!」

聖來「パトラッシュ? フランダースの犬ってことはセントバーナードかな?」

P「わ、わん!!」

聖來「」

聖來「あ、あああの! み、美穂ちゃん!? ど、どう見てもプロデューサーさんじゃ」

P「違うワン! パトラッシュだワン!!」

美穂「パトラッシュです!! し、しつけも完璧です! お手っ」

P「ワン!」

聖來「……もしもし、早苗さん。今河原に珍獣が……」

美穂「つ、通報しなくても大丈夫です!!」

P「……どうしてこうなった」

聖來「もしかして……、2人ってそういう性癖の持ち主?」

美穂「えええ!? ち、ちち! 違います! ……多分」

P(今凄く不吉な言葉が聞こえたぞ)

聖來「つまりこういうこと? 美穂ちゃんがプロデューサーみたいな犬が欲しいと言ったら、プロデューサーが本当に犬になったと」

美穂「その……、すみません」

P「いやいや、小日向さんが謝ることじゃないんだよ? 運営の犬が悪いんだって」

聖來「……弱みでも握られてるとか?」

P「まぁ、大人の世界にはいろいろあるんです」

聖來「私、大人だけどこんな世界は見たくなかったな」

聖來「つまりこういうこと? 美穂ちゃんがプロデューサーみたいな犬が欲しいと言ったら、プロデューサーが本当に犬になったと」

美穂「その……、すみません」

P「いやいや、小日向さんが謝ることじゃないんだよ? 運営の犬が悪いんだって」

聖來「……弱みでも握られてるとか?」

P「まぁ、大人の世界にはいろいろあるんです」

聖來「アタシ、大人だけどこんな世界は見たくなかったな」

聖來「流石に首輪したいい大人を散歩するわけにいかないし、うちのわんこと散歩してみる?」

美穂「えっ、良いんですか?」

聖來「良いよ別にっ! この子も友達増えて嬉しいだろうし。ねっ!」

わんこ「ぐるる……!!」

P「メチャクチャ警戒されてるんだけど、俺」

聖來「むしろ警戒されない要素が見当たらないんだけどね」

P「ですよねー」

美穂「よろしくねっ」

わんこ「わん!!」

美穂「あっ、こらっ! 舐めちゃくすぐったい……」

聖來「あっ、早速仲良くなったんだ!」

P「はいわんこちゃーん、俺とも仲良くしましょうねー」

わんこ「ぐるぅわああああ!!!」

P「あんぎゃああああ!! う、腕がああああ!!」

美穂「プロデューサー!?」

聖來「あはは、プロデューサーは嫌われちゃったね」

P「……その子、女性にだけ優しいんじゃないの?」

美穂「プロデューサーの格好が原因、ですよね……」

美穂「いつもこの子を連れて散歩をしているんですか?」

聖來「そうだよっ! たまに凛ちゃんとか優ちゃんたちと一緒に散歩しているよ」

P「そうか、2人とも犬飼ってるもんね」

聖來「ハナコちゃんとアッキーも可愛いよねっ」

P「アッキーの何とも言えない表情が好きだよ」

聖來「あはは……、優ちゃんがちょっと過保護なきらいがあるからね」

美穂「散歩は楽しい?」

わんこ「わん!」

美穂「プロデューサー! この子のウルウルした目、可愛いですよね」

P「そう? どれどれ……」

わんこ「グワァラゴワガキーン!!!」

P「ひぎゃああああ!? い、今の犬の鳴き声か?」

美穂「こら、あんまり吼えちゃダメだよ?」

わんこ「くぅん」

美穂「フリスビー投げるよ! それっ!」

わんこ「はっはっ」

P「はぁ、はぁ! プロデューサーとして、犬と勝負だ!!」

聖來「どう? わんこの散歩は」

美穂「ちょっと怖いかなって思っていたんですけど、凄くいい子で楽しかったです!」

聖來「でしょ? 疲れていてもさ、わんこと遊んでいると疲れが飛んじゃうんだよねっ。これぞアニマルセラピーって感じ?」

美穂「聖來さん。私も犬を飼ったら、散歩に混ぜてもらっていいですか?」

聖來「大歓迎だよっ!」

わんこ「ぐるるるるる……」

P「がるるるるる」

眠いので寝ます。続きはまた明日……。奏ちゃんのキャラを全然把握していないとは口が裂けても言えない

映画鑑賞をしてみよう

美穂「今度は奏さんの趣味ですね」

P「てっきり俺は趣味の欄にキスって書くと思っていたんだけど、流石にないか」

美穂「アイドルがそれは少しまずいと思います……」

P「少しで済めばいいけどね」

美穂「でもどんな映画が好きなんでしょうか? 恋愛映画とか?」

P「いや、あの子はああは言うけど意外と恥ずかしがり屋だぞ。恋愛映画を見て恥ずかしがっていたって言うタレこみが来てたし」

美穂「意外ですね」

P「そうなんだよねー。勝手なイメージでフランス映画とか好きそうだなと思ってたけど、アメリを見て顔を赤らめてたみたいだし」

美穂「フランス映画って言うと恋愛ものってイメージが有りますね」

P「俺も。実際はそういうことないんだろうけど、淡いラブストーリーとか向こうの得意技だと勝手に思ってる。ところで、小日向さんはどんな映画が好き?」

美穂「そうですね。ハッピーエンドな映画が好きですけど、最近ビデオ屋で借りた映画が面白かったです」

P「へぇ、どんなタイトル?」

美穂「えっと……フォレストガンプって映画です」

P「あー、うん。トムハンクスの演技が純朴で良いよね」

奏「あら、プロデューサー。唇奪いに来たの?」

P「いきなりご挨拶だな。生憎だけど、風邪が移るのは良くないからキスはダメね」

奏「まぁ、連れないのね」

美穂「えっ、風邪ひいているんですか?」

P「方便だよ方便」

??「風邪を引いたなんて大変! 今お注射しますねー」

P「えっ、ちょ! ぶすりとするのはらめぇえええええ!!」

美穂「プロデューサー!!」

奏「ふーん、映画鑑賞ねぇ。確かに趣味の欄に書いているけど、実の所みんなが思っているほど映画好きってわけじゃないわ」

P「へ? そうなの?」

奏「鈍いわねぇ。キスって書いちゃったら大変なことになるじゃない」

P「大変なことになるわな。ファンのみんなはどう解釈するか見ものではあるけど」

美穂「でも流石にキスを趣味に加えるわけにいきませんね」

P「うん。それはイザって時のために取っておきなさい」

美穂「それに私がチ、チッスだなんて……! 想像しただけでも恥ずかしいです……」

P「あらま、恋愛ドラマのオーディションは避けた方が良いかな?」

美穂「うぅ……、想像しちゃったぁ」

奏「ふふっ、キスする姿を想像するだけで顔を赤らめるなんて。初心なのね」

P「アメリ見て恥ずかしがってた人が言うセリフかそれ」

奏「そ、それはそれ! これはこれ! 私は実戦派なの」

P(実戦派ってなんやねん)

奏「ねぇ、キスを趣味に加えてもいいか……試してみる?」

美穂「えっ?」

奏「意外と癖になるかもしれないわよ?」

美穂「え、えええ! わ、わた! 私は大丈夫です! 間に合ってますから!!」

奏「さりげなく問題発言が飛んできたけど?」

P「そこで俺を見るなよ。小日向さんとはアイドルとプロデューサー以上の関係じゃないよ」

美穂「そ、そうですよぉ……」

奏「ふーん。でも気が向いたら、貴女の唇を奪うのも悪くないかもしれないわね」

奏「ねぇ、キスを趣味に加えてもいいか……試してみる?」

美穂「えっ?」

奏「意外と癖になるかもしれないわよ?」

美穂「え、えええ! わ、わた! 私は大丈夫です! 間に合ってますから!!」

奏「さりげなく問題発言が飛んできたけど?」

P「そこで俺を見るなよ。小日向さんとはアイドルとプロデューサー以上の関係じゃないよ」

美穂「そ、そうですよぉ……」

奏「ふーん。でも気が向いたら、貴女の唇を奪うのも悪くないかもしれないわね」

P「なに、どっちでも行けるクチなの?」

奏「上手いこと言ってくれるじゃない。キスって触れ合いよ? そこには性は関係ないの。プロデューサーなら、奪ってくれてもいいんだよ?」

P「今俺口の周りにタバスコ塗ってるからパス」

奏「もう、面白くないわね」

P(流石にキスを趣味にするわけにはいかないよな。しかし奏のやつ、気付いていないのか?)

美穂(奏さん……、焼きそば食べた後なのかな)

奏「恥ずかしいなら鏡に映る貴方にでもキスを……」

青のりフラッシュ!!

奏「……デーブ・スペクター似の人を7人探す用事を思い出したわ」

美穂「行っちゃいましたね」

P「多分鏡を見て気づいたんだろうな。歯に青のりがついていたこと」

美穂「こういう時指摘できないのが歯痒いです」

P「うん。自信満々な態度取ってただけに余計やりきれない思いになったよ」

とりあえず安価分は終了。まだ続く予定ですけど、見てみたいアイドルがいたら書いていただけたらと思います。趣味が書けそうならやってみます。

チアリーディングをしてみよう

P「チアリーディングねぇ」

美穂「アレですよね。ポンポン持ってフレーフレーってするやつですよね」

P「だね。チアリーディングと言えばあの子しか思い浮かばないんだけど……。小日向さんはチアの経験とかある?」

美穂「えっと、小学校の時運動会でしたぐらいで……。未経験と一緒です」

P「まぁそんなもんよね。んじゃ行きますかね」

智香「なるほど☆ それでアタシの所に弟子入りに来たんだ!」

P「チアリーディングったあ君だからね」

美穂「あ、あの……。未経験なんですけど、どうかよろしくお願いします!」

智香「オッケー☆ チアリーディングは極めたらゾンビだって倒せちゃうからね!」

P「は? ゾンビ?」

智香「うんっ! この前もチェーンソーもってゾンビたちをなぎ倒してきたから!」

美穂「……それってチアリーダーの領分なんでしょうか?」

智香「冗談だよ☆ まずは着替えてみよう! プロデューサーはちょっとあっち行ってて!」

P「ほいほっと」

P「わおっ」

智香「じゃーん! 美穂ちゃん(リーディングスター)でーす!!」

美穂「あ、あのっ! へ、へへへ変だったりしませんか!? ろ、露出が多くて恥ずかしいんですけど……。わ、腋も見せちゃってますし……」

P「いや……、アリだよ。どちらかというと小動物的でおとなしいイメージのある小日向さんが、活発さの代表であるチア衣装を着ることによって誰も見たことのない前人未到のケミストリーを起こしている! 四文字で言うならば、カワイイ!! 次の仕事、この服で出てみる?」

美穂「え、ええええっと! プ、プロ! プロデューサーが誉めてくれるなら……、これからこの格好で生活します!!」

P「……流石に風邪ひかないか」

智香「おーい? そろそろ次のステップに行って大丈夫かなー?」

美穂「あっ、ごめんなさい」

智香「とりあえず体験コースだから、簡単な動きを教えるねっ! あと最後にあれをやってもらうよ!」

P「アレとな?」

カワイイチア「いやぁあああ!! た、高いです高いです! いくらカワイイボクだからってええええ!!」

美穂「!! ちゅ、宙に飛んでます!?」

智香「スタンツってやつだよ! チアリーディングの醍醐味の1つだねっ☆」

P「あのチンチクリン、どっかで見たことあるんだけどな……」

智香「今日は仲間たちに協力して貰って、トップの美穂ちゃんを空高くあげちゃうよ☆」

美穂「えええ!? わ、私が飛んじゃうんですか!!」

智香「チアで一番派手なのがあの動きだしねっ! それに怖いかもしれないけど、一度あの快感を味わったら病みつきになっちゃうよ☆」

カワイイチア「」

P「闇憑きになってないか、あの子」

智香「……個人差はあるよねっ★」

P「今ブラックな発言が来なかったか?」

美穂「プ、プロデュー―サー!!」

P「大丈夫だよ! チアのみんなはちゃんと訓練している人たちだし、万が一のことが有っても俺が受け止めてあげるから! 思い切って空を飛んで来なさい」

美穂「や、約束ですよ? もし危なくなったら、う、受け止めてくださいね!!」

P「任せとけ! 一度憧れてたんだよね、空から降ってくる女の子を受け止めるのって」

智香「残念だけどそれはないと思うな。これでもレベルの高いチア団だし、危険なミスはしないように細心の注意払ってるし☆」

美穂「た、たた高いです……」

P「大丈夫! 俺たちがついているから!! グッドラック!」

智香「準備はいいかなー?」

美穂「だ、大丈夫です! いつでも来てください!!」

智香「それじゃあ、行くよー! 3!」

P「2!」

アッキー「わーん」

智香「ゴー!!」

チアーズ『せーのっ!!』

美穂「きゃー!」

P「見えた!!」キュピーン

美穂(私、飛んでいる? 重力がかかって、世界が高く見えて。怖いという気持ちは不思議と気持ちいいに変わって行って)

チアーズ『キャッチ!』

P「小日向さーん、大丈夫?」

美穂「は、はい! 大丈夫です。寧ろ……、スッキリした気持ちです!」

智香「でしょ! これだからチアは止められないんだっ! 美穂ちゃんが気に入ってくれたなら、うちのチームは歓迎するよ☆」

美穂「チアか……。プ、プロデューサーは見てみたいですか!? わ、わた! 私がポンポン持って応援している姿を!」

P「スゲー見たい」

美穂「じゃあ……、ちょっと考えてみようかな。プロデューサーが元気になってくれたら、凄く嬉しいし」

バイトが有るので一旦ここで切ります。読んでくれた方ありがとうございました。

剣道をしてみよう

美穂「そう言えば。戦国姫の収録で殺陣のシーンが有るんです」

P「あり、そだっけ?」

美穂「監督が付け加えたみたいです。その中で私も剣を振るシーンが有るんです」

P「小日向さんが剣を? イメージ湧かないなぁ」

美穂「それもあって、剣道を齧ってみた方が良いのかなって思って」

P「なるほどね。んじゃ、我らがタマちゃんに頼んでみっか」

P「つーわけでご指導頼むよ、タマちゃん」

珠美「むっ、その呼び方だと川添道場の方を連想してしまいませんか?」

P「連想も何もまるぱ」

珠美「わーわー!! 珠美はオリジナルです! 特別な存在なのですっ!!」

美穂「ヴェルタース?」

珠美「コホン! 小日向殿が剣道を学ばれると言うことは嬉しく思います。本来ならば、初心者が竹刀を持つまで二ヶ月ほど掛かるのですが、体験コースと言うことで実際に竹刀に触れてみましょうさ」

珠美「まずは防具ですね。珠美の物をお貸しします。キチンと洗濯していますから、匂いは気にする必要ありません!」

美穂「えっと……」

珠美「? どうかしましたか?」

P「あのさ……、珠美の防具なんだよね?」

珠美「はい、以前使っていたものです」

P「サイズ……合わなくね?」

小日向美穂 155
脇谷珠美 145

珠美「!! ち、ちっちゃいとか言うなし!!」

P「そこまで言ってないって!!」

珠美「仕方ありません。不本意ですが、珠美が成長した時用に用意していた剣道着をお貸しいたします。……このことは他言無用でお願いしますね」

P「使う機会は来そう?」

珠美「3年ぐらい寝かしてました……って言わせないで下さい!!」

美穂「えっと……着方はこうですよね?」

珠美「ええ、そうですよ。中々絵になりますね」

P「だね、小日向さんは和装が似合うのかもね」

珠美「で、防具の着け方は……」

珠美「完成です!」

P「フルアーマー小日向さんだな」

美穂「ちょ、ちょっと変な感じがします……」

珠美「それでは実際に打ってみましょう。経験はなくとも知っているかと思いますが、面や胴など入れる時には声を出して下さいね」

美穂「わ、分かりました!! えっと……めーん」

珠美「ダメですよそれじゃあ! こうやって気合を入れて発声して下さい!」

珠美「メェェェェェン!!」

P「良いぜ」

珠美「メェェェェェン!!」

美穂「え、えっと! どう!」

珠美「ドォォォォォウ!!」

P「なってるのこの島はドーナツ」

??「呼んだ?」

P「呼んでません」

珠美「繋げて行きますよ! メェェェェェン!! ドォォォォォウ!!」

P「しゅぅぅぅぅたろぅぅぅぅ!!!」

珠美「ちょっと!! さっきから私の気合で遊ばないで下さい!! アトミックファイヤーブレードかましますよ!?」

P「悪い悪い……、ついつい癖で」

美穂「めーん! どう! 終太郎!!」

珠美「ほらっ、間違えて覚えちゃったじゃないですか! そもそも面堂終太郎なんて今の子分かるんですか?」

P「名前だけならって人の方が多いんじゃない?」

美穂「めーん!! どう!」

珠美「良い打ちっぷりですね! それじゃあ次は小手を狙ってみましょう! 大丈夫です、防具を狙って打てば……」

美穂「え、えっと! 小手っ!!」

珠美「うわらばっ!!?」

美穂「い、今ので良いのかな?」

P「……ダメっぽくない?」

珠美「はうぅ……、ちょっとズレてました……有効打突部から……」

美穂「す、すすすみません!! 怪我は無いですか!?」

珠美「な、なんのこれしき……」

P「面越しに泣いているのが伝わってくるな……」チーン

美穂「めーん!! 胴!! 小手っ!!」

P「なんだかんだで様になるもんだね」

珠美「そうですね、少し意外でした。でも実際に剣道を始めるのって大変ですよ?」

P「どういうこと?」

珠美「剣道具一式って20万円ぐらいするんです。いくら自分達で稼いでいるからって言っても、ちょっとキツい値段なんです」

P「大人でもちょっと躊躇しちゃう値段だな……」

珠美「経緯はどうであれ、剣道に興味を持ってくれたのは嬉しいです。そうですね! 小日向殿が剣道を始める時に、珠美の身長が伸びてなかったら道具を貸してあげますよ」

P「そっか……。貸してくれるのか」

珠美「ちょっと!! 成長する見込み無いだろお前みたいな目で見ないで下さい!」

美穂「メーーーン!!!」

あんこ入り☆パスタライス 目を閉じて♪

探偵ごっこをしてみよう

P「名探偵こひなたんってなんか素敵じゃない?」

美穂「急にどうしたんですか? 金田一耕助VS明智小五郎でも見たんですか?」

P「いや、そう言うわけじゃないんだけど。ほらさ、こういう探偵って可愛くない?」

美穂「?」

美穂『え、えっと! は、はん! 犯人が分かりまひた!』

美穂『こ、この事件の犯人は! はん、にんは……。失礼します!』

P『えっ?』

美穂『そ、その……。き、緊張した時プロデューサーの手に触れたら……、勇気が出てくる気がして……』

P『小日向さん……』

美穂『……ふぅ、もう大丈夫です。犯人は……』

美穂&P『あなたです(お前だ!!)』

P「……的な。ってアレ? 小日向さん? どこ行っちゃったの!?」

美穂「もう、変なこと言わないで下さいよぉ……。危うく早苗コールするところでした……」

P「そこまでっすか……。猛省します」

美穂「でも推理小説を読んでみるのも面白そうです。プロデューサーのお勧めってありますか?」

P「個人的には日常の謎系が好きなんだよね。だから相沢沙呼作品とか、初野晴の『ハルチカ』シリーズとか米沢穂積の『小市民』シリーズとか好きよ? 冬季限定生チョコレート事件いつ出るんだろ」

美穂「日常の謎?」

P「あー、俗にいう人が死なないミステリーってやつかな。例えば……1ヶ月間の間に3回席替えをした教室が有った。目に見えてトラブルがあったわけじゃないのに、どうしてか? みたいなね」

美穂「それは……気になります!」

P「これはどうしてか? 知りたい人は初野晴著作のハルチカシリーズ第二弾『初恋ソムリエ』を読んでみてね。ハルチカって言っても、上条春菜と横山千佳は関係無いぞ? 見てみたい組み合わせではあるけど」

P「それはさておき、メイ探偵と言えばこの子だよね」

美穂(名なのか迷なのか……)

都「事件のある所に名探偵有り! 探偵アイドル登場です! で、一体どんな事件が起きたんですか!!」

美穂「別に事件は起きて……」

かな子「キャー!!!」

美穂「……起きちゃった?」

都「かな子さん! いったい何が起きたんですか!?」

かな子「お、お菓子を食べていたらいきなり愛海ちゃんが……」

愛海「」

美穂「ええ!? ま、愛海ちゃ……」

愛海「死ぬ前に桃源郷に飛び込みたかった……、ぐふっ」チーン

都「愛海さああああん!!!」

愛海「スゥーハースゥーハー……良い匂い……」

美穂「……呼吸、してませんか?」

都「むっ? これは……」

『死ぬほど疲れています。起こさないで下さい』

P「まぁ、そういうこと。ちょっとした推理クイズに挑戦して貰おうかなって思ってさ。仕込み済みだよ」

美穂「良かったぁ……」

P「事件はいたってシンプル。事務所内でお菓子を食べていた愛海が突然苦しみだし倒れてしまった。死因は毒という事が分かっている。ここに有るお菓子にもお茶にも毒はなく、愛海が食べたものだけについていた。誰が毒を仕込んだか?」

都「毒はどこにもない?」

美穂「え、えっと……。こ、こういう時は容疑者をピックアップするんですよね?」

都「一緒にいたのは……」

かな子「私と」

クラリス「私と」

智絵里「あの……、私です……」

P「この3人、だよ」

都「事件前のこと、教えてくれますか?」

かな子「私はお菓子を作って持って来たの。このマドレーヌね」

美穂「毒は入ってない、んだよね?」

かな子「もちろん! 何なら食べてみる? 美味しいよ、これ!」

美穂(自分で食べ始めちゃった! あっ、でもおいしい)

クラリス「私はお茶を入れました。このお菓子美味しいですね」

智絵里「私も……チョコレートを持って……きました。もちろん毒は入って……ないです」

クラリス「ええ、入っていませんね」

かな子「智絵里ちゃんこのチョコレートどこに売ってたの?」

P「そこ、証拠を食べるなよ……」

美穂「お菓子とお茶には毒が入っていない。でもどうして愛海ちゃんだけが倒れたんだろう?」

都「おしぼりとかお皿には毒はなかった、ってことで良いんですか?」

P「そうなるね。後おしぼりは無かったよ。それと言い忘れたけど、今回の事件は無差別殺人じゃないよ? 誰かが、明確な殺意を持って、愛海を狙ったんだ」

美穂(おしぼりにも皿にもない……)

都「そのまま食べたってことが重要なのかな?」

美穂「お菓子は誰かが配ったんですか?」

かな子「私だけど……、でも誰がどれを食べるかなんて指示はしていないし、好きにとっていたよ?」

クラリス「ええ、目についたものから食べていましたから」

智絵里「だから……愛海さんだけを狙い撃ちなんて……無理だよ……」

美穂(無差別殺人じゃなくて、愛海ちゃんだけを狙ったなんて……。そんなこと出来るのかな?)

都「愛海さんは何個目のマドレーヌで倒れたんですか?」

かな子「それが最初の一つを食べたとたん苦しみ出したの」

美穂(最初の一つ? 運悪く毒に引っかかったってこと?)

都「むむむ……、真実がみえてきませんね。こんな時、被害者がメッセージを残していたら……」

愛海「ふれ合いたい……。揉ませてくれたら復活しそう……」

P「こらこら死体が現在進行形でメッセージ残すなよ……」

美穂(死んでもなお触れ合いたいなんて、愛海ちゃんらしい……)

美穂「!!」

都「美穂さん、何か気づいたんですか?」

美穂「す、少し、分かっちゃったかも! あ、あの! 愛海ちゃんの事件前の行動を教えて欲しいんです」

智絵里「!!」

かな子「事件前? いつも通りみんなの胸を狙っていたよ? そう言えば智絵里ちゃんが悲鳴あげていたっけ」

クラリス「ええ。私も狙われたのですが、みかわし脚でかわしました」

美穂「ってことは……。毒の仕掛けられた場所、分かりました!」

都「! そ、その手が有りましたか! 真実が見えてきましたね!」

美穂「はいっ! この事件の犯人は……」

都&美穂「貴女です!!」

智絵里「わ、私……!?」

P「ほう? それじゃあトリックを教えて欲しいな」

美穂「さっきかな子ちゃんが答えを教えてくれました。愛海ちゃんは胸に触れようと皆を狙っていた、智絵里ちゃんが悲鳴を上げていたって」

都「おそらく愛海さんの手が触れたときに悲鳴を上げちゃったんでしょう。でも智絵里さんの胸には、毒が塗られていたんです」

智絵里「そ、そんなこと……」

美穂「そう考えれば辻褄が合います。おしぼりも無く、胸に触れたそのままの手でお菓子を食べたのでしょう。その時、手に付いた毒はマドレーヌに付いてしまったんです」

都「愛海さんの女子と触れ合いたい病を逆手に取ったトリックです。まさか服に毒がついているなんて誰も思いませんからね」

智絵里「お……お見事です……」

都「! ということは犯人は」

美穂「智絵里ちゃん、だったんですね」

愛海「正解だよー! 正解のご褒美に、私がマッサージして」

P「やめい」

愛海「んにゃ! もう、連れないなぁ?。倒れている間も指の運動して準備してたのにぃ」

P「知らないぞ? 今回みたいに服にタバスコつけられても」

愛海「それでも! 触れ合う事こそが棟方流! 柔らかい世界に包まれたのならば、そこで死んでも構わない!」

P「無駄に格好いいな、お前」

美穂「あはは……」

P「というわけで、簡単な事件に挑戦して貰ったけどどうだった?」

美穂「愛海ちゃんのヒントで分かったから、推理したかといわれると微妙なんですけど……、あの真実に触れる快感って言うんでしょうか? 今まで感じたことのない衝撃でした」

P「それがミステリーへの第一歩だよ。興味を持ったのなら、本を貸すけど?」

美穂「そうですね……、本屋さんによって面白そうな推理小説を自分で探してみます! その方が、楽しいと思いますから」

P「それもそうかな。あっ、でも……清涼院流水は止めた方が良いよ」

美穂「どういうことですか?」

P「本を投げたくなるから」

美穂「?」

P(翌日事務所の壁の付近にコズミックが落ちていたのを俺は見逃さなかった)

今日はここまで。呼んで下さった方、ありがとうございました

ロックに生きてみよう

P「ロックってなんだろうね」

美穂「岩ですか?」

P「あー、そのロックじゃなくて。ロケンロールの方ね」

美穂「そんなお菓子有りましたっけ?」

P「そう来たか! ロックンロールだよ」

美穂「! そ、そうですよね……。何変な勘違いしていたんだろ私」

美穂「でも私がロックって……似合いません」

P「うーん、どうでっしゃろ。実はさ、夏樹が事務所で一番ロックなのは小日向さんだと言っててさ」

美穂「わ、私が一番ロック!?」

夏樹『あー……、あのヘッドバンキングは正にロックだった。人は見かけによらないってよく言うよな』

美穂「記憶に無いんですけど……」

P「寝てたんじゃないかしら? で、それを聞いた李衣菜が挑戦状をたたきつけて来たんだよね」

李衣菜『アイドル界で一番イケててロックなのはこのリーナです!! この前も事務所の窓ガラスを割りましたからねっ! ……晴ちゃんとサッカーしててですけど。き、急にボールが来たから仕方ないじゃないですかぁ!』

P「と、異議を唱えたんだ。エアギター弾きながら。彼女なりにロックなアイドルという自負は有るみたいだね」

美穂「あの、私別にロックなアイドルを目指してないんですけど……」

P「まぁまぁ、イザって時のために引出しをたくさん持っているのはいいことよ? その分仕事が回って来るしね」

美穂「でもロックって言っても、ビートルズとかQueenぐらいしか知らないんですけど……」

P「大丈夫じゃない? 向こうも似たようなもんだし」

李衣菜「失礼な! にわかにわかって馬鹿にされてる私でも、ニルヴァーナとかシド・ヴィシャス、エアロスミスぐらいは知ってますって!」

夏樹「大して変わらないって。どうせならそこでホワイトスネイクぐらい言えりゃあ良かったんだけどな。ま、そんなもんだろ」

李衣菜「とにかく! ロックなアイドルは1人で十分です!」

夏樹「それじゃあアタシ1人で十分だな」

李衣菜「……2人で十分です!!」

P「猫アイドルはやたら増えてるけど?」

美穂「犬耳アイドルは増えませんよね」

P「立候補してみる?」

美穂「それならクマ耳アイドルで……」

李衣菜「話を聞けー!! だ、第一ロックと言うアイディンティティが奪われた私なんて、ただのミーハーな女の子じゃないですか!」

夏樹「自覚あったんだ」

李衣菜「美穂ちゃんに恨みはないけど、これもロックなアイドルのサダメ。対バンを申し込むぜ!」

美穂「対バン?」

P「バンド同士が対決するフェスみたいなものと思えばいいよ」

美穂「た、対決って……! 私、ピアニカとリコーダーとサックスが少ししかできませんよ?」

P「いやまぁ俺もトライアングルぐらいしか出来ないし」チーン

李衣菜「サックスとトライアングル……、面白い! それでどんなロックを見せてくれるか楽しみですよ! ねっ、なつきち!」

夏樹「あー、ちょっと良いか? 少し訂正しときたい部分が有るんだけど」

美穂「やっぱりサックスはダメですか?」

P「サックスはまだ良いんじゃない? トライアングルとかどうするんだって話だし」チーン

夏樹「そこじゃなくて、対バンって所。さっきプロデューサーさんはバンド同士の対決って言ったよな」

P「言ったけど……、間違ってた?」

夏樹「いや、間違ってはないけど……実際はバトルっつーより集客や労力削減を目的とした共演って言う方が正しいんだぜ。大体音楽は好みの部分が大きいから、一概に優劣なんて付けがたいしな」

美穂「ほっ。良かったぁ、戦うとかじゃゃなくて」

李衣菜「へ? そうなの? てっきり観客をより盛り上げた方が勝ちかと……」

夏樹「知らずに言ってたのか? そう言うところがまだまだなんだって」

李衣菜「ぐぬぬ……」

美穂「あのー。そもそもの質問なんですけど、ロックな生き方って何ですか?」

P「内田裕也みたいな生き方?」

夏樹「あの爺さんは少しずれている気がするけど……、人それぞれだよ。酒にドラッグに溺れて不健康な生き様をロックと言う人もいれば、常識に囚われない破天荒な振る舞いこそロックという人もいる。アタシ的には将来訪れるだろうリスクを無視して、今やりたいように生きるってのがロックだと思うけどね」

李衣菜「くーっ! 流石なつきち! 実にロック! 私も将来のことを考えずに暴れまわってやるー!」

P「親を泣かさない程度にね」

李衣菜「ぐっ、それは……キヲツケマス……」

美穂「ロックな生き方かぁ……」

P「小日向さんも思い当たる節が有るの?」

美穂「え? い、いやっ! な、何でもないですよ!」

P「?」

美穂(ファンから貰ったクマのぬいぐるみにプロデューサー君と名付けて一緒に寝ている。ロック……なのかな?)

心霊スポットに行ってみよう

美穂「い、嫌です!!」

P「のわっ! まだ何も言ってないでしょうが!」

美穂「だ、だだだって心霊スポットって! の、呪われちゃいます……」

P「でもまぁそれを趣味にしている中学生もいるわけで」

小梅「お、お憑かれ様です……」

美穂「漢字が違う気がするのは私だけですか?」

美穂「ホラー映画を見るって言うのなら、まだ分かります。でも心霊スポットはちょっと……」

小梅「フィールド……ワークも必要?」

P「と、うちの心霊研究の第一人者はおっしゃってますが」

美穂「そ、そんな化石を発掘する感覚で言わなくても……」

小梅「あっ……」

美穂「な、何かな?」

小梅「あの子が肩に……」

美穂「きゃああああ!!!」

小梅「冗談……だったのに……」

美穂「悪霊退散悪霊退散……・」

P「……机の下に隠れちゃったぞ。防災訓練?」

小梅「その……、ゴメンナサイ」

P「ま、まぁこんな日もあるさね」

??「帰る場所……無くなっちゃった……。もうダメです、どこかにあるらしいえいえんを探してきます」

P「ここにあるよ」

美穂(結局押し切られるまま心霊スポットに到着しました)

P「うへぇ……覚悟はしていたけど、心霊スポットというだけあって雰囲気有るな」

小梅「心霊スポット危険度レベルは初級……、肝試しレベルだけど油断は禁物です……。塩をまいてください」

美穂「そ、そこまでするなら行かなくてもいいと思う……かな?」

P「……諦めた方が良いかもね」

美穂「そんなぁ……」

美穂「お化けなんてないさお化けなんか嘘さあんたがたどこさ……」

P「小日向さんの地元に心霊スポットとかあった?」

美穂「心霊スポットって言えば、天草にある富岡吉利支丹供養碑って所がヤバいって友達が言っていました」

P「いかにも名前だな。天草でキリシタンってことは、天草島原一揆に関係しているのかね」

美穂「一応国の指定史跡です。3300もの首が葬られたと聞いています」

P「何ともねぇ……。供養碑立てて霊を慰めたといっても、現世に残ってしまうのも少なくはないわな」

小梅「到着……しました……」

美穂「え、えっと……、すみません。ハイパーヨーヨーを家に忘れたんで取りに帰って良いでしょうか?」

小梅「……大丈夫です、持ってますから」

美穂「ど、どうして?」

P「回り込まれてしまった!!」

美穂「うぅ……、プロデューサー、私が呪われそうになったら助けてくださいね?」

P「あー、任せといて。これでも通信教育で除霊をマスターしているからさ」

小梅「そんなの……有るんだ」

美穂「た、頼りにしています! え、えっと……て、手を! 繋いでも良いですか? その、魂ごと連れていかれそうな気がしまして……」

P「て、手を? あ、ああ。良いよ。ほら、俺から離れないでね」

美穂「は、はい! き、きき……今日はもうこの手を離しません!!」

P「あはは……。お手洗いの時ぐらい話してほしいかな、うん」

美穂「そ、そうですよね!!」

小梅(この2人、爆発すれば……いいのに)

P「な、なぁ小日向さん」

美穂「な、何でしょうか?」

P「いきなり体感温度が低くなった気がするんだけど……、気のせいかな?」

美穂「き、気のせい……だと思いたいです」

P「いやいや、小日向さんのアホ毛が凄いスピードで左右に揺れてるけど……」

小梅「聞こえる……あの子たちの囁きが」

美穂「か、枯葉が風で揺れているだけですよね!!」

小梅「見える……暗がりにいるあの子たちが」

P「み、見えますとも……。灰色の古い柳が」

小梅(……魔王?)

小梅「……今日はここまでにしましょう」

P「え? この先は行かないの? その方がありがたいと言えばありがたいんだけど」

小梅「あの子たちが……怖がっている……」

美穂「こ、こっちも怖がっていますから……。WIN?WINですね!!」

P「斬新な理屈だなそれ」

小梅「みんなに会えたから……今日は収穫が有った」

P「んじゃ帰るかな。ここでエンジンが掛からないとかシャレにならないこと、止めてよね」

美穂「こ、怖いこと言わないでくださいよ……」

小梅「みんながあっち行けって手を振っている……バイバイ」

美穂(こっち来てって招いているだけじゃ……)

P「さてと、おさらばします……。あれ?」

美穂「どうかしたんですか?」

P「いや……。ガソリン……0になってね?」

美穂「えっ?」

美穂(その後レッカー車が来るまで、私たちは心霊スポットの中、小梅ちゃんがセレクトした心霊の声が入っている曲集をリピート再生で聞かされたのはまた別の話。……憑かれて、ないよね?)

続きはバイト後。文字化けして?になってる所は-です
後訂正
>>91
米沢穂積→米沢穂信
でした。

超能力に目覚めてみよう

美穂「オカルトじみたものが続きますね」

P「意外とほかの子の趣味を見たら長電話とか友達と話すこととかシンプルなのが多かったからね。ここは1つぶっ飛んだ奴の方が小日向さんも趣味の幅を広げやすいかなと思って」

美穂「だからってサイキックトレーニングは無理があるんじゃ」

P「スプーン曲げって流行らなかった?」

美穂「給食のとき男子たちがやってましたね。力づくで曲げてましたけど」

P「俺もそんな感じでさ、エスパーぶってスプーン曲げてたら折れちゃってさ。そのせいで校則にスプーン曲げの禁止の項目が載ることになった」

P「サイキックトレーニングなんだから、マインドシーカーでも用意しようと思ったんだけど、アレはクソゲーで運ゲーだからパスで。エスパー清田捕まったし」

裕子「スプーン曲げても人生曲げるな! エスパーユッコです」

P「上手いこと言いやがって」

裕子「美穂さんもエスパーに目覚めたと聞きまして、テレポーテーションでやって来ました」

美穂「あ、あの……。すぐそこに自転車が有るんですけど」

P「チャリの名前がテレポーテーションじゃないの?」

裕子「アー、私の手にかかれば、スプーンだってこの通り。マッガーレ」

美穂「! ま、曲がりました!」

P「……親指赤くなってるぞ」

裕子「サイキックパワーが親指に集まっているだけです!!」

P「他にも出来ないの? ほら、着ている服を透視するとか」

裕子「せめてカードを透視するって言ってくれません? まぁこのサイキックグラス(ハルナセレクション金賞)が有れば、どんな物も丸裸に……」

P「赤外線メガネってオチじゃないよね?」

裕子「……と思ったんですけど、透視はあまり面白くないので止めておきましょう!!」

美穂(その後もエスパーユッコは色々な超能力? を披露しましたが)

裕子「見て下さい! 空中浮遊です! 棒1つで空に浮いていますよ!」

P「ローブで椅子を隠しているだろ」

裕子「このトランプに書かれている数字を当てて見せますよ! これは……、ハートの6!」

P「カードの裏のマークで判別しているだろ」

裕子「閉鎖空間での私は時に過激で……」

P「何? 青いきらりと戦うの?」

裕子「ぐぬぬ……」

P「全てまるっとお見通しだ!!」

美穂(とプロデューサーに悉くロンパされていきました。最後のは違う気がしますけど)

裕子「むぅ、私の超能力が通用しないなんて……。出来ますね」

P「インチキでしょうが。だけどね、うちの小日向さんはもっとすごい超能力をつかえるんだぜ?」

美穂「へ?」

裕子「な、なんですと!? ほ、本当ですか!?」

美穂「ええええ!?」

P「さぁエスパーミッホ、君の隠し持つ超能力を見せてやるんだ!!」

美穂「そ、そんなものありませんよ……」

P「でぇじょうぶだ。これを音読すれば相手は勝手に倒れるから」

裕子「むむっ、言霊の使い手でしたか! しかし私とてエスパー、そう簡単に破れたりはしませんよ」

美穂「これ、ですか? どう言うことだろう?」

P「出来るだけ恥じらってね」

美穂「? 分かりました。それじゃあ」

裕子「甘いですね! 今私はバリアーを張って……」




美穂「リッチ……しよっ?」


裕子「ファザナドゥ!!」

美穂「え、えっと? た、倒れちゃいましたけど!」

P「まぁ仕方ないよね。小日向さんの超能力の前じゃ、誰だって立ってられないしタってしまうんだよ」

美穂「意味が分かりません……」

P「やべ、鼻血出て来た……」

美穂「ティッシュ使いますか?」

ボウリングをしてみよう

P「ストラーイク! バッターアウト!」

美穂「あ、あのー、ここ……ボウリング場ですよね」

P「どうでもいいけどさ、ストライクって訳したら『打つ』とか『一撃』とかそういう意味が有るんだよね」

美穂「?」

P「でも野球のストライクって、打ててないよね。これどういう意味なんだろと思う20代の今日この頃」

美穂「ストライクって動詞ですよね。だから、打てって命令しているのかな?」

P「なるほど、何となく納得した」

P「と前置きはこの辺にして、今度はボウリングに来ました」

美穂「ジュークボックスから私の歌が流れていて少し恥ずかしいです……」

P「それほど小日向さんが有名になったってことだよ。さて、今回はこの人に来てもらいました」

蓮実「ボウリングという事で参上しました」

P「なんでもハイスコアは238だとか」

蓮実「あれは運が良かった日ですから……。今やっても200いくかどうか」

美穂「それでも十分凄いと思います」

P「ちなみに、全部ストライクを取ったら300になるんだってね。流石にそんな異次元スコアは見たことないけど」

P「小日向さんはボウリング得意?」

美穂「いえ、投げてもいつもガーターに行っちゃって、最高スコアも50も有りません。プロデューサーは?」

P「一度だけ200超えたことが有ったかな。でも高校時代のことだしまたそのスコアが出るとも思えないんだよね。大体130前後かね」

蓮実「それじゃあ2人合わせてちょうどいいぐらいですね」

美穂「え? 勝負するんですか?」

P「まぁ折角やるからには競った方が楽しいじゃんか。俺と小日向さんチームと蓮実の対決だよ」

美穂「あのっ、負けたら罰ゲームとかあるんでしょうか?」

蓮実「そうですね……、ホワイトハウスの前で囚人服を着てゴミ拾いをするとか、氷河の氷を掘り出した氷で作ったかき氷を水着で食べるとか……」

P「ウルトラクイズかよ! そもそもそこまでうちの事務所にお金はないよ。海外イベントも結構カツカツでやってるんだから」

美穂「だからですよね。私が余り呼ばれないのは……。卯月ちゃんも響子ちゃんも他のユニットがあるのに」

蓮実「私なんか沖縄ぐらいでまだパスポート持ってないんですよ?」

P「その、すみません……」

※勝った方は次のイベントに個人枠で参加できるようになればいいな

美穂「マイボールにマイグローブ……本気ですね」

蓮実「では、参ります。背番号一の凄い彼が相手?」

P(! 蓮実って右利きだよね? 何故左で……)

蓮実「私ピンクのサウスポーっと! やった! ストライク!」

美穂「い、いきなりです!!」

P「利き手じゃない左手でいとも簡単にストライクを取るとは……、なんて恐ろしい子!!」

美穂「うぅ……、緊張するなぁ」

P「大丈夫だよ小日向さん! 後ろに俺もついているから、思い切って投げて良いよ!」

美穂「そ、それじゃあ……、めーんどーこて! ってあれ?」

P「ありゃま」

蓮実「ガーターですね」

美穂「す、スミマセン! わ、私ガーターを出しちゃって……」

P「気に病まない気に病まない。ほれ、もう一回投げれるよ」

美穂「は、はい! えいっ!」

P「3本か……。気合入れていかないとな」

美穂「え、えっと、ごめんなさい!」

P「アドバイスになるか分からないけど、こうやって投げれば真っ直ぐ行くよ? 蓮実見てみ?」

蓮実「アイアイアイアイアイスクリーム! やった!」

美穂「またストライク!!」

P「ああ言う風に投げてみたらボールの軌道も安定するよ。まぁ見ててご覧よ。おらっ!!」

美穂「!! プロデューサーもストライクです!」

蓮実「やりますね!」

P「まっ、ざっとこんなもんよ。フォームはこんな感じで……」

美穂「こ、こうですか?」

P「ちょっと失礼! 体触るよ」

美穂「ええ! く、くすぐったいです……」

P「ボウルをリリースする時はこの体勢が良いよ」

美穂「は、はい……」

蓮実「ストライク! って見てませんよね」

P「小日向さーん!! さっき教えた通り投げてご覧!」

美穂「わ、分かりました! えいっ!」

蓮実「良いコースですね!」

P「行けるかな?」

ガシャーン

美穂「やったぁ、7本倒しました!!」

P「残りのピンは……ちと難しい所だな。あのピンを飛ばして当てるようにしよう」

美穂「は、はいっ! えいっ!」

美穂「ぜ、全部倒れました!」

P「うっし! スペアゲット! 小日向さん、グッジョブ! ハイタッチっと!」

美穂「えへへ……、スペアとったの初めてです。これもプロデューサーのお陰ですね!!」

P「ま、まぁ、それほどでも……あるかな?」

美穂「また色々教えて下さいね! は、恥ずかしいですけど……プロデューサーなら! さ、触っても大丈夫です」

P「あ、あはは……」

蓮実(少しやりにくい……)

最終ラウンド
蓮実 197
美穂&P 154

P「うしっ! ストライク! もう一回投げれるな。小日向さん、最後に投げてみようか」

美穂「わ、私がですか? ストライク取ったのプロデューサーですよ?」

P「最後なんだ、ストライク取って帰ろうよ。ほら、今日のおさらいだよ」

蓮実「頑張ってくださいね!」

美穂「は、はい! っと……足をこうして、力を抜いてピンを見据えて……。えいっ!」

蓮実「!」

P「これは、行ける!!」

ストライクゥゥゥッ!!

美穂「や、やったぁ! ストライクです!! 生まれて初めて取れました!!」

P「よし! これで俺らのチームに1万点が……」

蓮実「……何か言いましたか?」

P「……って言うのは冗談です、はい」

翌日

P「さてさて、どうなるかな……」

美穂「ふぅ……」

美穂「えいっ……! やったぁ、2回連続ストライクです!!」

P「おっ、やるじゃない! 昨日に比べて凄く上手くなってるよ」

蓮実「こう結果が出ると教えている方も教えがいがりますね」

美穂「それっ! またストライク!!

魔法少女ごっこをしてみよう

千佳「Pくーん! アタシと魔法少女ごっこしようよー!」

P「ほえ? 魔法少女って……俺が?」

美穂「少女、じゃないですよね」

P「紛れもなくずっと少年のつもりではいるんだけどね」

千佳「Pくんはアクの親玉、ルー・悪杉役ね!」

P「ワルスギ・ルーって安直なネーミングやね……」

美穂「ふふっ、子供らしくていいじゃないですか」

千佳「そーだ! 美穂ちゃんも一緒に魔法少女になろうよ!」

美穂「えっ? わ、私が!?」

P「おやおや? お誘いが来てますよ」

美穂「魔法少女……? いやいや、私はもう魔法少女って年じゃ……」

千佳「えー。でも前瑞樹おねえさんと留美おねえさんがノリノリでやってくれたよー?」

瑞樹『潤う肌はアンチエイジング! キュアミズキ!』

留美『輝く花はウエディングブーケ! キュアルーミ!』

P(……アカン)

美穂「え、えーと……。わ、若々しいですね」

P「ま、まぁ……その二人が魔法少女になったんだから、小日向さんに出来ないはずはないよ」

千佳「ねっ、一緒にルー・悪杉を倒そうよ!」

美穂「プ、プロデューサー……」

P「涙目にならんでも。付き合ってあげなよ。適当なメンツ揃えて俺もルー・悪杉としてちょっと暴れておくからさ。これも仕事の糧になるさ! ……多分」

美穂「そ、そのっ! 恥ずかしいですけど、プロデューサーが言うのならば……。よ、よろしくね。千佳ちゃん」

千佳「千佳はねー、ラブリーチカに変身するんだよ! 美穂ちゃんはどんな魔法少女になるの?」

美穂「ええ!? ど、どんなって言われても私あんまり魔法少女を知らないんですけど……」

P「とりあえずイメージした魔法少女で良いんじゃない?」

美穂「え、えっと! フェンシングの剣みたいなの持ってるんですけど……」

P「ファンタジスタな人形?」

美穂「なんか違いますよね。魔法少女魔法少女……」

ラブリー魔法少女ヨコヤ☆マチカ

第11037話 新たな魔法少女はハニカミ屋!?

美穂「1万話超えてから追加キャラってのもすごいですよね」

P「いやいや、1万話って……。どれだけ続けてんだ千佳は」

千佳「それじゃあ始まるよー!!」

配役
アルティメットラブリーチカ:横山千佳
????:小日向美穂
ルー・悪杉:P
ツー・竹田(たけた):カワイイアイドルKさん
ナレーション:????
主題歌:コメクト Vo.クラリス

ルー「ふはははははは!!! この公園は我らサウザンドリバー団(有)が乗っ取ったぞー!!!」

ツー「あーっはっは! ここで毎日カワイイボクのライブをしてあげますからね! ちびっ子たちはカワイイボクにひれ伏すのです!!」

チカ「出たなサウザンドリバー団! アルティメットラブリーチカがみんなを守ってあげる!! アルティメットマジカルチェーンジ!」

ルー「出たなぁラブリーチカ! 今日こそは貴様を倒し世界をこのサウザンドリバー団(有)のものにしてやる!!」

ツー「ふんっ、魔法少女か何か知りませんけど、僕のカワイサは無敵!! カワイ過ぎてゴメンナサイビーム!!」

ルー「エナンザム!!」

チカ「きゃー!! そ、そんなぁ……。強い、強すぎる!!」

ツー「アルティメットラブリーチカもこの程度ですか!」

ルー「さぁ、とどめを刺してやる!! 好きとか嫌いとか最初に言い出したのは誰なのかしらボンバー!!」

チカ「これまで……、なのかな?」

ナレ「絶体絶命かと思われたその時! 不思議なことが起こりました!」

プァー

ツー「な、何ですかこの力の抜けそうなサックスの音は!!」

チカ「こ、この音は!」

??「ま、まだまだです!! シャイニー!!」





こひなたん「ひ、陽だまりポカポカ気持ちいいな! みんなのハートにちゅっちゅっちゅっちゅわ! 魔……魔法少女! シャイ・ニーこひなたん、参上でーす!!」



ルー「仲間が増えただと!?」

ツー「いまさら増えたところで何も変わりませんよ!! カワイ過ぎて生きるのがつらいフラッシュ!」

こひなたん「こ、こひなたんサンシャインブレード!! ど、胴!!!」

ツー「ぐはっ! な、何でここでもおなかを狙われ……」

チカ「凄い! ツー・竹田を一発で仕留めちゃった!!」

ルー「くっ、2対1か! お前たち卑怯だぞ!!」

チカ「違うもん! アタシたちは、1人分の力を2人で分けているだけだもん!!」

こひなたん「そ、そうです!! ラブリーチカちゃん! 一緒にき、決めましょう!! 正義の魔法で!!」

チカ「うん!! くらえー!! ラブリーマジカルクラーッシュ!!」

こひなたん「こ、こひなたんマジテンシブレード! めーーーん!!!」

ルー「やーらーれーたー!!!」

TYUDOOOON!!!

ナレ「こうして、今日も世界の平和と新作ドーナツは守られました。ありがとう、ラブリーチカ! そして、シャイ・ニーこひなたん! あっ、ドーナツ界に行っちゃダメ?」

ルー(何処だよドーナツ界って……)

クラリス「かわした約束忘れないよ……」

次回11038話 VS森のホームラン王! 黄色いクマにご用心!!

美穂「うぅ……、今のはなかったことにしてくださぁい……」

P「何言ってんのさ。結構ノリノリだったじゃんか」

千佳「美穂ちゃんカッコカワイかったよー!」

美穂「プロデューサー、魔法少女の仕事は持ってこないでくださいね……。流石に恥ずかしいです。一応四捨五入したら20歳ですし……」

P「あー、それなんだけどさ」

ちひろ「事務所のホームページにアップしておきました! これファンが増えますね!!」

美穂「け、消してくださーい!!!」

今日はここまで。読んでくれた方ありがとうございました。
そろそろ蓮実ちゃんが誰かとユニット組んでも良いと思うんだよね

水族館に行こう

P「昔のことだけど、地元にある水族館のフリーパスチケットを買ったことが有るんだ」

美穂「フリーパスですか? プロデューサー、水族館が好きなんですか?」

P「いやさ、今思うとすっごくバカらしい理由なんだけど、モテたくて仕方のなかったあの頃の俺は、失恋したキレイなお姉さんは一人で水族館を訪れるもの、という先入観を勝手に持っていたんだわ。美優さんみたいな人いないかなって毎週毎週水族館に行っていた。おかげで職員さんに顔を覚えられた記憶が有るな」

美穂「」

P「ま、マジで引かないでよ! でも楽しかったなぁ、イルカショーを見たり、優雅に泳ぐ魚たちを見て心を安らげたり。水族館は良いよ? 疲れた心に潤いを与えてくれる」

美穂「水族館かぁ。最近行ってませんね」

P「じゃあ行く? 水族館に。仕事の疲れを癒しに行こう!!」

西園寺マリンパーク

櫂「流石にその理由で水族館に来る人はいないと思うよ、プロデューサー。しかも失恋した女性ってのも脳内設定だし」

P「わ、若気の至りです!!」

みりあ「わーい! 水族館だー! 美穂ちゃん、いっぱい楽しもうねー!!」

美穂「うん、そうだねみりあちゃん」

美穂(水族館巡りが趣味だという櫂さんと、たまたまその場にいて行きたいと言ったみりあちゃんと一緒に水族館へやって来ました)

みりあ「プロデューサー、美穂ちゃん! 行こっ!」

P「あっ、ちょっとー!」

美穂「わぁ!」

櫂「あははっ、3人家族みたいじゃんか。あたしは従兄妹のお姉ちゃんってとこ?」

みりあ「じゃあ、パパとママだね!!」

美穂「マ、ママママママ!? み、みりあちゃんと6歳ぐらいしか変わらないよ!?」

P「俺なんか中学生ぐらいでみりあの父になったってことになるぞ!?」

みりあ「えっへへー!!」

みりあ「大きーい!! あのお魚何って言うの?」

櫂「アレはジンベイザメだね。サメって名前がついてるけど、小魚とかプランクトンを主食にしているんだ!」

美穂「詳しいんですね」

櫂「水族館に出入りしているうちに憶えちゃたよ。あーあ、あの子と一緒に泳げたら気持ちいいんだろうなぁ。美穂ちゃんって泳げる?」

美穂「えっと、25mぐらいなら泳げます」

櫂「もっと泳げるようになれば気持ちが良いよー! ってアレ? お父さんは?」

P「……いないかなぁ」

櫂「もしもーし、失恋した女性なんかいやしませんよー」

P「のわっ! ち、違うわい!」

櫂「何が違うんだか。ひょっとして未亡人とかそういうのが好きなの?」

P「だから違うって!!」

みりあ「パパは何やってるのー?」

美穂「美優さんを探しているんじゃないかな?」

P「そんな目で見ないでくれー!!」

美穂(私も水族館のフリーパス買おうかな……)

みりあ「見て見てー! ペンギンさんが歩いているよー!」

P「隊列組んで歩いてるね」

美穂「あっ、あの子。仁奈ちゃんにそっくりじゃないですか?」

仁奈「ペンギンの気持ちになるですよ」

P「……似ているっつーか」

櫂「アレ、本物じゃない?」

美穂「ええ!?」

美優「仁奈ちゃん、待って……」

櫂「お望み通り美優さんいたよ?」

P「予想外だよ色々と!」

みりあ「みりあも混ざるー!!」

美穂「あっ、勝手に行っちゃダメだよ!」

櫂「すっかりママが板について来たね」

P「あはは……」

イルカショー

お姉さん『そーれ!』

イルカ「キュイー!」

P「おお! 凄く飛んだな!」

櫂「前来た時よりパフォーマンスがパワーアップしてるや」

みりあ「みりあもイルカと遊びたーい!!」

美穂「あっ、イルカショーだったら……」

お姉さん『じゃあ次は、お客さんと一緒に遊ぼうねー!! イルカのソガノ君と遊びたい人は元気よく手を上げて下さーい!!』

みりあ「はいはーい!!」

お姉さん『はい、それじゃあそこの元気のいい女の子……って赤城みりあちゃん!?』

みりあ「そうだよー!!」

P「あはは、すっかり有名人だな」

お姉さん『し、しかも隣には小日向美穂ちゃんも!?』

みりあ「ママ、行こうよ!!」

美穂「え、ええ!? わ、私もですか!?」

櫂「あたしもCD出たらもちっと知名度上がるんだけどなぁ」

P「その、ガンバリマス。ほら、小日向さんも行ってきなよ。後みりあ、向こうでママとかパパとか言わないでね。あらぬ誤解を生んでしまいそうだ」

みりあ「赤城みりあだよー!」

美穂「あのっ、小日向美穂です」

お姉さん『今日は凄い2人が来てくれてましたー! ソガノ君も喜んでるゥー!』

ソガノ「きゅいきゅい!!」

お姉さん『それじゃあ2人はカヤックに乗ってください!』

P「カヤック? 何するんだろ」

櫂「まぁ見ててよ。すっごいから!」

みりあ「わーい! ボートだぁ!」

美穂「あ、あんまりはしゃぐと落ちちゃうよ?」

お姉さん『さぁソガノ君! カマンッ!』

ソガノ「キュルィィィィィ!!」

美穂「きゃあああ!?」

みりあ「わー!! ソガノ君が空を飛んだー!!」

P「のわっ! カヤックの上を飛び越えたぞ」

櫂「言ったでしょ? 凄いって」

みりあ「イルカに乗ったみりあだよー!!」

美穂「な、なんか変な感じです。イルカに乗れるなんて」

櫂「楽しそうにしているよ、奥さんと娘さんは」

P「俺も子どもだったらイルカに乗れたんだけどなぁ。大人になるって悲しいことなの」

櫂「なーにしょぼくれてるんだか」

みりあ「すぅ、すぅ……」

美穂「ふふっ、遊び疲れて眠っちゃいましたよ」

P「みりあのやつ、一日中はしゃぎっぱなしだったもんな」

櫂「子供にとって水族館はテーマパークだからね。みりあちゃんは年の割に幼いところが有るし」

P「そんなみりあも家ではお姉さんなんだってね」

美穂「だから……、私たちの前では目いっぱい甘えたいんでしょうね」

P「かな」

みりあ「パパぁ、ママぁ、大好き……」

美穂「ママ、かぁ。家事を覚えようかな?」

占ってみよう

P「突然だけどさ、小日向さんって占い信じる方?」

美穂「えっ? どうしたんですか? 全身にペンキがかかってボロボロですけど……」

P「いやさぁ、今日の朝の占いで俺の星座と血液型のどちらもが最下位でさ」

美穂「それは……、気が滅入りますね」

P「こんな日も有るさと思って出社しようとしたら、上からペンキが降って来るわ犬に追いかけられるわ、飛んできたサッカーボールが直撃するわ財布を落とすわひったくり犯と間違えられるわと、不幸が続いて。いやぁ……ああいう占いってローテーション式に順位決めてると思っていたから、ここまでピンポイントで不幸が訪れると認識変えなくちゃいけないわ」

美穂「私は良いことだけ信じるようにしています。悪いことは、忘れていますね」

P「まぁそれが占いの楽しみ方なんだろうね。当たるも八卦当たらぬも八卦、そんなもんですよ」

朋「確かに占いは気分の問題なのかもしれないわ。そう思うのも勝手、しかし地獄に行くわ!」

P「懐かしいな細木先生。最近テレビで見ないけど、講演とかしてるのかね?」

朋「現在絶賛大殺界中なのよ。まぁあの人の占いってむらっけが多いんだけどね」

P「そういや朋って占い出来るんだっけ?」

美穂「え? そうなんですか?」

朋「一応手相ぐらいはね。他のも勉強しているけど、当たったり外れたりよ」

美穂「それでも当たるってのは凄いです」

P「ちなみに、どんな占いだったの?」

朋「4月に広島カープがCSに出れるって占ったわ。巴ちゃんが痛く喜んでたわ」

P「凄いなおい!」

朋「まぁ、毎年言ってはいるんだけど……」

P(おっ、達川か?)

美穂「て、手相を見れるんですか? 教えてくれると嬉しいです!」

朋「あら、占いに興味が? 良いことね。今日は運勢絶好調で気分が良いし、特別に手相の見方教えてあげる。右手出して」

美穂「こうですか?」

P「生命線とか結婚線とか色々あって覚えきれないんだよなぁ」

朋「どれどれ……、プロデューサー。水性ペンか何か書くもの持ってる?」

P「ん? こんなので良い?」

朋「ちょっと書くわよ」

美穂「ッ! ちょっとこそばゆいです……」

朋「これが生命線ね。長ければ長いほど長寿の傾向はあるってだけで、生命線が長い=長生きできるとも限らないからね」

P「昔テレビで病気で死にそうなこの生命線をカッターで伸ばしたら生きながらえたみたいな話聞いたことあるけど?」

朋「さぁ、自己暗示でも効いたんじゃない? いくらなんでもそれで長生きできるなら、医者なんて必要ないわけだし」

美穂「え、えっと私のはどうなんでしょうか?」

朋「平均的よ。ただちょっと生命線の起点が親指よりね、自分から進んで行動するのが苦手なタイプ、違う?」

美穂「そ、そうかもしれません。え、えっと人の前に立つのはまだ恥ずかしいですし」

朋「で、女の子が気になる結婚線だけど……」

美穂「!! ど、どうでしょうか!?」

朋「驚いた、これは凄いわね」

P「凄いって何が?」

朋「結婚線はこれなんだけど、この先端から延びる細い線が太陽丘に向かっているのが分かる? 太陽丘ってのはこの丘のことね」

P「ふむふむ、それはどういう意味なん?」

朋「幸せな結婚生活を送れる相よ。相手はそうね、差し詰め資産家とか有名人って所かしら?」

P「! そりゃ凄いじゃないか」

美穂「資産家……?」

朋「一つの例よ? どちらにせよ、金銭的にも恵まれた運命の相手に会えるってことよ。ちなみに、アタシの占いは三割当たるっ! あっ、こんな時間! タロット占い講習会に行かなくちゃ! の前に、プロデューサー、耳貸して?」

P「え? 何?」

朋「めっぱい頑張ってお金を貯めたら、美穂ちゃんを幸せにできるってことよ?」

P「ぶっ! と、朋!?」

朋「それじゃーね!!」

P「あ、あの……小日向さん?」

美穂「な、何でしょうか?」

P「そのさ! 資産家だか有名人だか分からないけどさ……、俺も頑張れば素敵なお嫁さんが手に入るのかなー……、なんちゃって」

美穂「え、えっと……そ、そんな気がします!!」

P「あは、あはははは!!」

美穂「えへへへ……」

その夜

美穂「えっと……。彼の名前と誕生日は……」

小日向美穂さんと○×△さんの相性は、120%! もうこれ以上ない最高のパートナーです!! お近づきになりたいのなら、ラッキーアイテムはクマの陶芸です!!

美穂「え、えっと……陶芸?」

テレビ『この後は深夜のロードショー、ゴースト/ニューヨークの幻をお楽しみください』

陶芸編は深夜になります。読んでくれた方ありがとうございました

陶芸をしてみよう

美穂「昨日深夜に放送していた映画のワンシーンで、恋人同士が陶芸をしているシーンが有ったんです」

P「恋人同士が陶芸? あー、あれか。ゴーストね」

美穂「はい、それです。最後の方はちょっと怖かったですけど、面白かったです。あの陶芸のシーンが印象に残っていて、私も陶芸をしてみたいなって思ったんです」

美穂(陶芸すると良いこと有るって出てたし)

P「ほう、今度は陶芸か。順調に小日向さんの趣味が広がっていくね」

美羽「まさに『こひな多趣美穂(たしゅみほ)』ですね! ってアレ?」

P「……嫌いじゃないぜ、そういうの」

美羽「あ、憐れむような目で言わないでください!!」

美穂(多趣美穂……。結構好きかも)

P「陶芸となると、肇ちゃんの出番だね」

美羽「何でだろ、祖父に負けじと殺人防御率が高い名探偵の孫が出てきました。肇さんスゴイお祖父さんがおられますけど」

P「バカボンの弟もはじめちゃんだよね。なんと言うか……、『はじめ』という名前の後には『ちゃん』と付けたくなる魔力が有るよね」

美穂「そうですか?」

美羽「陶芸ですかぁ、学校の授業でしたことは有りますけどアレは使ったことないですね」

P「アレ? ろくろのこと? なぜかIT関係者が空中で回したくなるやつ」

美羽「はいっ! やっぱり憧れませんか? ろくろを回していたら、後ろから恋人が……」

P「君もゴースト見てたんかい。でも残念、そいつは棟方だ」

美羽「そ、それはちょっと……」

P「振り返ればやつがいる」

愛海「油断大敵だー!! わきわきさせろー! Uryyyyy!!」

美羽「にょわー!?」

美穂「いきなり来ちゃいましたね」

P「愛海は粘土よりも胸を捏ねたくて仕方ないだろうな」

P「と、言うわけで陶芸に挑戦しましょう! 今回の先生はもちろんこの方!」

肇「陶芸を教えるのは初めてですけど、興味を持って頂けるよう頑張りますね」

美穂「お、お願いします!」

美羽「陶芸も一つの個性になるのかな?」

愛海「私としては粘土よりも女の子に触れあいたいんだけどなー」

P「何しに来たんだよ」

愛海「もちろんゴーストごっこだよっ!」

P「何だこの空前のゴーストブームは。君らまだ生まれてない頃の映画だぞ? 俺だって1歳とかその辺だし」

肇「ふふっ。経緯はどうであれ、興味を持って頂けたのなら幸いです。おじい……祖父も喜ぶことでしょう」

1.土作り(粘土の選択):作品に適した粘土の選定

肇「作るものによって、適した粘土が有るんですよ」

P「全部一緒ってわけじゃないのね。ところで、みんなはどんなものを作るんだ?」

美羽「私は湯呑を作ろうかなって思います。優さんだけにプレゼントです!」

P(優さんだけ? 優だけ、優のみ……湯呑!)

P「腕、上げたやないか」

美羽「そ、そうですか?」

美穂「私はクマの玩具を作るつもりです。可愛く出来たらいいな」

P「クマかぁ。小日向さんらしいね。ちょっと骨が折れそうだけど、頑張って。で、問題はコイツだコイツ」

愛海「うひひ……、無防備な双丘が3つも……」

P「おいおい。今は粘土を捏ねなさいな。で、嫌な予感がするんだけど何を作るつもりで?」

愛海「もちろん、フタコブラクダのコブだよ!」

P「なんだろうね、別の何かにも見えなくもないんだけど」

愛海「女の子はみーんな持っているんだよぉ!」

P「あっさり認めやがったよコイツ! つーか結局焼くから、硬くなるぞ?」

愛海「硬くてもそれは女の子の神秘だよ!」

P「よー分からんわ、君だけは」

2.土練り(荒練り、菊練り):年度の硬さを均一化、空気を抜く

愛海「私好みのステップ来たー!! わきわきしちゃうよー!!! あぁ、たまらない!」

美穂「す、凄いスピードです!」

美羽「まさか愛海ちゃんにこんな特技があったなんて!!」

P「アレで良いのか?」

肇「ええ、あの動き一切無駄が有りません。自由気ままに捏ねているわけじゃなさそうです……」

P「マジかよ……」

3.成形(手びねり、タタラつくり、紐作り、ろくろ成形、型取り)

肇「それではお待ちかねのろくろです」

愛海「さ、さぁ! 誰でもいいからろくろを回して!! 今すぐハリーアップ!!」

P「目が血走ってるんだけど……」

美穂「あっ、プロデューサー! わ、私このろくろを使います! う、後ろから見ていてくれますか?」

P「構わないけど? 言っても俺陶芸なんか全然知らない」

美羽「ああ! 先にやられた!? 肇さん、私の後ろを守ってください!」

肇「……えーと、そう言えば荷物が届くんでした! 少し失礼します」

美羽「ええ!?」

愛海「ぐふふふふ……、さぁ捏ねよう! 柔らかーい体を!!」

美羽「ぎゃ、ぎゃおおおおおん!!」

美穂「プ、プロデューサー! せ、背中は預けましたよ!」

P「ははは……。小日向さん結構したたかだね」

美穂「えっと、クマの形だからここを……」

P(肇は別に作務衣を着なくていいと言っていたけど……)

美穂「あぁ! ちょっと崩れちゃった」

P(後ろから見ると、ウナジあたりがセクシーと言いますか……。小日向さん、ゴメン!)

美穂「え?」

P「こうすれば、崩れた部分も補修できるよ」

美穂「プロ、デューサー……。共同作業に、なっちゃいましたね」

P「……だね」

美穂「あんっ……、息が当たってくすぐったいです」

P「あっ、ゴメン」

美穂「大丈夫、ですよ。ちょっと驚いただけですから……」

P「小日向さん……

肇「まぁ……」

美羽「あ、あのBGMが流れてきている……」

愛海「私たちもやろっか! あっ、手が滑っちゃった! もにゅっとな!」

美羽「キャハアアアン!」

P「ほらっ、こうやってしたら……」

美穂「はいっ、もっと教えてください……」

肇「これも一つの楽しみ方なんでしょうか?」

4.乾燥(自然乾燥)

肇「その間は暇になりますので、お茶でも用意しますね」

P「あっ、悪いね。何から何まで」

肇「いえ、お気になさらず」

美羽「」

美穂「え、えっと……。ゴメンナサイ、色々と」

美羽「次、変わってくださいね……」

愛海「んふふふっ、次は誰かなぁ? 両手が温もりを欲しているよー?」

美穂「か、考えておくね」

5.素焼き(窯詰め→窯出し)750℃で6時間

美穂「結構かかりますね」

美羽「今が夕方16時だから、出来上がるのは22時ですね」

肇「流石に6時間も拘束するわけにいきませんし、今日はここで解散いたしましょう」

P「だな。続きはまた明日ってことで」

愛海「お泊りしていい? まだ堪能しきってない……」

P「ちゃんと家に帰りなさい! !」

翌日

6.絵付け:模様を描く

肇「模様を描く作業ですが、実は防水性や強度も高めるステップでもあるんです」

P「美羽、それは……アッキーの絵かな?」

美羽「どうですか? 結構うまくいってると思うんですけど……」

P「しょぼくれた顔がそっくりだな。優も喜ぶよ」

P「小日向さんは……。ああ、クリスマスプレゼントのシロクマか!」

美穂「はいっ、プロデューサーくんです!」

P「ほへ?」

美穂「え? ……あ、ああ! そ、そのですね! プロデューサーくんって言っても、プロデューサーじゃなくて……うぅ」

P(涙目になっちゃった)

P「おかしいな……昨日の時点ではフタコブラクダのコブだったはずなのに、気がついたらボディが出来ているぞ。彫刻?」

愛海「一晩あればこんなもんだよ!」

P「……ホント無駄にクオリティ高いよね。しかも結構盛ってるし……、雫ver?」

愛海「無駄なんかじゃないよ! 見てよ、この光沢! 本物と見間違えそうな出来だよ!! 揉んでみる?」

P「やめときます」

愛海「はぁ、無機質も悪くないけど、本物に埋まりたいよぉ……」

P「誕生日プレゼントにラブドール送っておくわ」

肇「そろそろよろしいですか? 最期のステップに移りましょう」

7.本焼き(窯詰め→窯出し):1200℃から1300℃でじっくり完成

肇「そろそろですね。ちょっと待っててくださいね……」

美羽「ちゃんと出来ているかなぁ……」

美穂「ド、ドキドキしますね!」

美羽(土器だけに! ……陶器って土器じゃないよね)

愛海「ムフフ……」

P「何を想像しているんだチミは」

肇「みなさん、お疲れ様でした。大変良く出来ていますよ」

美羽「良かった! ちゃんと使えそう!」

美穂「光沢が有ってカワイイです! 今日からよろしくね、えーと……ピーちゃん!」

愛海「はぁ、これが動き出せば良いのに……」

P「動いた所で硬いものは硬いぞ?」

愛海「プロデューサーなら揉んでもいいよ?」

P「揉めないだろ、それ」

美穂(あの占い、当たっちゃったのかな?)

今日はここまで。残りはパン編とアクセサリー編と最後の一つで終わる予定。
これもみたいと言うアイドルがいれば、頭を捻ってみます。
読んでくれた方ありがとうございました

もしかして一期一会の人ですか?

最終更新です。

パンを焼いてみよう

美穂「自分でパンを焼いたことってありますか?」

P「パン? いや、無いなぁ。窯なんか家にないし、レンジでも出来るみたいだけど、そこまでして作りたいとも思わなかったし。どうしたの? パン作りに興味が出た?」

美穂「えっと……みちるちゃんの実家がパン屋さんって言うのは知っていますか?」

P「知ってるよ。スカウトするときに確認していたし、パン屋の娘のパン好きアイドルで売り出す予定だし」

美穂「その実家のパン屋さんで、事務所のみんなの顔をしたパンを作ったみたいンなんです」

P「アンパンマンパン的なあれね。アイドルの顔を食べるって少々抵抗が有るけど、パンで顔を作るのは確かに面白そうだ。小日向さんも作って貰ったの?」

美穂「はい。その写真がメールで来たんですけど……」

P「ありゃ、完成度高いじゃない。特にこのヒョコッとしたアホ毛が小日向さんらしくて可愛らしいよ」

美穂「カワイイ……。はっ! そ、それでですね! 私もパンを作ってみようかなって思ったんです!! みちるちゃん見ていると凄く楽しそうですし」

P「ほう、それは面白そうだね。そうだ、どうせならパンマスターみちるにご教授願おうかな」

美穂「そ、そうですね! それじゃあ私、みちるちゃんに聞いてきます!!」

P「小日向パン……。言葉の響きだけで美味しそうたわ……じゅるり」

みちる「フゴフゴフゴゴ! あっ、始まってました? 第一回! 美味しいパンを作ろうの会!!」

P「わーい!! ドンドンパフパフ!」

柚「待ってましたー!」

みちる「こんにちわー! 三度の飯は全てパン! パンから生まれたパンアイドル、大原みちるです! 今日はパンの魅力に取りつかれた人たちが来てくれました!」

美穂「こ、小日向美穂です! きょ、今日は美味しいパンを作れたらいいなって思っています!」

P「気合十分だね、小日向さん。どんなパンが出来るか楽しみだ」

ありす「橘ありすです。今日はイチゴをふんだんに使ったパンに挑戦したいと思います。レシピはすでにタブレットの中に入っています」

P「ホントイチゴ好きやね」

ありす「イチゴは体に良い究極の果物です。当然、パンとの融和性も高いはずです」

P「まぁジャムパンって言ったら、大体イチゴだけどさ」

ありす「ええ。この点に関しては英断だと思っています。どこぞの仮面ライダーもイチゴの鎧が出ることを切に願います。今回は厳選に厳選したイチゴを使ったパンを作ってみせます」

柚「あれー、なんでだろ。すっごーくイヤな予感が……。美穂ちゃんのやつだけ食べて帰るとかダメ? だよねー」

P「……イチゴパスタのトラウマか」

みちる「フゴゴモキュ……、あっ終わりました? それじゃあまずは生地を作りましょう! 一家に一台ホームベーカリー!!」

丸パン生地10個分?5人分

材料 
強力粉:160g
薄力粉:55g
お砂糖:大さじ1杯強
お塩:小さじ1杯弱
ドライイースト:小さじ1杯
バター:バター匙3杯
水:65g

(イチゴ)130g

みちる「フゴゴモキュ……、あっ終わりました? それじゃあまずは生地を作りましょう! 一家に一台ホームベーカリー!!」

丸パン生地10個分~5人分

材料 
強力粉:160g
薄力粉:55g
お砂糖:大さじ1杯強
お塩:小さじ1杯弱
ドライイースト:小さじ1杯
バター:バター匙3杯
水:65g

(イチゴ)130g

P「あっ、ちゃっかりイチゴピューレ用意している」

柚「この色がすでにトラウマだったり……」

ありす「準備に抜かりはありません」

柚「出来れば抜かって欲しかったなぁ……」

P「だ、大丈夫だって! イチゴとパスタが合わなかっただけで、パンとイチゴは抜群の愛称なんだぜ?」

柚「それは分かってるよー? でも一度心に刻まれた衝撃はそう簡単に消えないんだよね……」

ありす「……私悪いことしちゃったのでしょうか?」

P「うーん、こういう日もあるさ」

美穂「ホームベーカリーが有れば手ごねがいらないのかな?」

みちる「手ごねには手ごねの良さが有るんですけど、今回はちょっと楽しちゃいましょう! ホームベーカリーでも美味しく作れますよ!」

P「手ごねって実際見る以上に大変そうだもんね」

ありす「効率化を図るためにも、HBは有効活用すべきですね。クックパッドにもそう書いてますし」

P(やっぱ見てたか)

ありす「ちなみに。イチゴパスタのメニューもちゃんとありますよ」

柚「流石にあれほどイチゴイチゴした色はしてないって!」

美穂「えっと……、マーブルチョコをこうして」

P「おや? 小日向さんは何しているの?」

美穂「え、えっと……秘密です!」

P「?」

柚「まーまー、ココは最後のお楽しみってことで! 本番を心待ちにしておこうよ!」

P「ほーい」

みちる「このパンも美味しい美味しい! 食べますか?」

柚「良いの? じゃあもーらいっと!」

P「んじゃ俺も一つ。おっ、なかなか行けるねこれ。外はカリッと中はふわふわ」

柚「カリカリモフモフー」

美穂&ありす『出来ました!!』

P「っと。パンを食べている間に終わったみたいだね」

柚「まだまだおなかはペコペコ! ドンドン食べちゃうよ!」

みちる「あぁ、なんて美味しそうな匂い……。それじゃあありすちゃんのパンから行ってみましょー!」

ありす「橘って呼んでください。……まぁ、聞かないんでしょうけど」

みちる「ありすちゃん作のパンは、こちら!!」

橘ありすブーランジェ作:特製イチゴパン

柚「い、イチゴ色だ……。あれぇ? おかしいなぁ、赤色って食欲が増すってテレビで言っていたのに……」

P「またトラウマが出て来たか?」

ありす「今回は家で予行演習をしてきたので味には自信が有ります。両親ともに涙を流していました」

P(美味しいから、だよね?)

柚「プロデューサーさーん。こういうのって、男の人が先に行くよね!」

P「レディファーストって言葉もある……、まぁパンなんだし身構えることもないか。それじゃあ、いただきます。モフモフ……、コレ中にもイチゴが入っているのね」

ありす「全面的にイチゴでコーティングしています。いわばイチゴ三昧です」

柚「お、美味しい? 人が食べても大丈夫なやつ?」

ありす「……全部聞こえてますよ。そこまで心配しなくても」

P「うん、普通にうまいよコレ。ありすが自信をもって提供したのも分かるかも」

柚「そう? それじゃあアタシも……。アレ? 思ってたよりも行けるかも!」

美穂「私も食べて良い?」

ありす「どうぞ。皆さんの分有りますから。どれどれ……、我ながらいい出来です。時間の関係上味見出来なかったから怖かったんですけど……」

P(最低限しろよ!!)

みちる「それじゃあ次は美穂ちゃんのパンです!」

美穂「え、ええっと! 私のパンはこれです!!」

P「こ、これは!」

柚「熊本が生んだゆるキャラ!!」

美穂「は、はい! く、くまモンパンです!」

小日向美穂ブーランジェ作:くまモンパンだモン

P「さっきのマーブルチョコはこの子の目に使っていたのか。ほえー、地元のゆるキャラだけあってか再現度高いなぁ」

ありす「特にこの何とも言えない目が良く出来ていますね」

美穂「そ、そうですか? えっと、中身はチョコパンです」

みちる「いっただきまーす! フゴゴゴ! 美味しい美味しい!!」

ありす「程よく甘くて食べやすいですね」

柚「お菓子みたいで美味しいよー!」

P「うんうん。出来が良いから食べるのに躊躇しちゃいそうだ。写メっておくか」

美穂「あ、あの……。プロデューサー?」

P「ん? どった?」

美穂「この後、少し時間良いですか?」

P「ふぅ、パンを食った食った。1ヶ月分ぐらいは食べたかな、うん」

美穂「あっ、プロデューサー!」

P「そう言えばさっき時間良いですかって聞いて来たけど、何か用が有るのかな?」

美穂「えっと。みんなの前では恥ずかしくて見せることが出来なかったんですけど……、いつもお世話になっているプロデューサーさんへのお返しです!!」

P「これは……パン? それも俺の顔?」

美穂「へ、変ですか? もっと格好良く作れたらいいなって思ったんですけど……」

P「いや、十分だよ。凄く嬉しい、ありがとう。小日向さん」

美穂「そ、それじゃあお疲れ様でした!」

P「あー、ちょっと! 折角だしさ、半分こしようよ」

美穂「私も食べて良いんですか?」

P「うん。作ったのは君なんだしさ。うん、美味しいよ! 自分の顔を食べるってのも変な感じがするけどね」

美穂「いただきます」

P「ね? 美味しいでしょ?」

美穂「はいっ、自分でもびっくりです!!」

P(小日向さんからプレゼント貰っちゃったな。何か俺もお返ししないと)

アクセサリーを作ってみよう

P「うーん……、どうしたものか」

裕美「あれ、プロデューサーさん。どうかしたの?」

P「ん、裕美?」

裕美「何か考えごと? 珍しく渋い顔しているよ」

P「珍しくとは言ってくれるなぁ。ちょっとまぁ、女性の喜ぶプレゼントって何が良いかなと考えてまして」

裕美「ええ!? プ、プロデューサーさん彼女さんいたの!?」

P「いやいや! そう言うのじゃないんだよ? 小日向さんからパンを貰ってさ。そのお返しに俺からも何か渡せたらいいなって思ってて」

裕美「なんだ、そういう事か。少し驚いちゃった」

P「小日向さんが手作りで作ってくれたんだし、俺も何か手作りでプレゼントしようかなって思ってさ。とはいえこういう経験ないから何をあげればいいか分かんないや」

裕美「寒くなって来るから、マフラーとかいいと思うよ? クマの絵を縫ってあげればきっと喜ぶと思う」

P「残念なことに不器用なもんでさ。今から作っても小日向さんの誕生日までに間に合うとも思えないのよね」

裕美「美穂さんの誕生日って、12月だよ? まだ2ヵ月以上あるのに」

P「甘く見ない方が良いよ? こう言っちゃアレだけど、下手すりゃ来年の夏ぐらいに出来るかもしれない。夏場にマフラーは嫌がらせじゃん?」

裕美「それは流石に致命的かな」

P「と俺は悩んでいるわけでして」

裕美「手作りが良いの?」

P「うーん……。何かを買うって選択肢も悪いとは思わないけど、どうせならこちらも気持ちのこもったもの上げたいんだよね。小日向さんって俺が一番最初にスカウトした子で付き合いが一番長いし、これまでも凄く助けてもらったからさ」

裕美「そっか。それじゃあ……、アクセサリーを作ってみたらどうかな?」

P「アクセサリーとな?」

裕美「うん。マフラーよりかは作りやすいし、美穂さんも可愛いものが好きだと思うからきっと喜ぶよ」

P「ふむふむ、その手が有ったか」

裕美「選択肢になかったんだ」

P「ちと思いつかんかった。そういえば。裕美の趣味って確か」

裕美「アクセ作りだよ」

P「なるほど、そいつは心強いや。あのさ、俺アクセ作りの経験ないし、教えてくれると嬉しいんですが……」

裕美「良いけど……、何を作るの?」

P「アクセサリーって言っても色々あるでしょ? ネックレスだったりピアスだったり。小日向さんに似合いそうなものは……カチューシャ?」

裕美「カチューシャか。凄くいいと思うよ?」

P「そ、そうかな? 小日向さんのステージ衣装って、カチューシャが欠かせないしさ。だからカチューシャのイメージが強いんだよね」

裕美「カチューシャなら私も作ったことあるし、手伝えると思うよ?」

P「それは助かる! 裕美、恩に着るよ」

裕美「そう言えば。事務所のみんなが気になっていることなんだけど」

P「ん?」

裕美「プロデューサーって、美穂さんだけ苗字+さん呼びだよね。他の人はみんな下の名前で呼んでいるのに」

P「そだっけ? 流石に年上相手にはさん付けるよ?」

裕美「でも年下は基本的に下の名前だよね。一番長い付き合いなのに、どうしてなんだろうってみんな疑問に思っているよ?」

P「なんでって言われても……、なんでだろ?」

裕美「えっ? 分からないの?」

P「小日向さんって呼ぶのが自然になっていたからかなぁ。今更下の名前でってのも少し恥ずかしいし」

裕美「でも美穂さんも下の名前で呼んであげたら喜ぶと思うよ? 1回呼んでみたら?」

P「美穂! なんかしっくり来ないなぁ。何故だろう」

裕美「変なプロデューサー」

裕美「カチューシャの作り方自体は凄く簡単なんだけど、プロデューサーが作りたいものは他の部分が少し厄介かな」

P「まぁそんな気はしていたわ。一応裁縫セットを千枝から借りて来たよ。と言っても俺家庭科の評価は最後まで1だったからなぁ」

裕美「それは凄いね、逆の意味で」

P「家事全般が苦手なんだよなぁ。良くはないと思っているけど、部屋の中とかゴチャゴチャして人が入れる部屋じゃないし。机の上も……そう言えば最近勝手に机の上が掃除されているような」

裕美「よ、妖精さんがいるんじゃない?」

P「その妖精さんに伝えて欲しいな。ハンコが必要な書類の中に婚姻届をさりげなくはさまないで下さいと」

裕美(思っていた以上にひどい!)

裕美「カチューシャの下地は出来たかな。これにビーズをつけたり、色を塗ったり色々とデコレーションするのが楽しいんだ」

P「小日向さんっぽいデコレーションか。あんまり派手派手していないのが良いかな。どちらかと言えば大人しい小動物的な子だし」

裕美「それじゃあコレとかどうかな? ステージ衣装にも合うと思うな」

P「ステージ衣装ステージ衣装……。そうだね、そのまま使えそうだ。でもそうなると……、余計失敗できなくなったな」

裕美「大丈夫だよ、私も見ているし。美穂さんが色々なことに挑戦してきたんだから、プロデューサーも頑張らないと」

P「だな、とりあえずやってみるか。えーと針を……痛っ!」

裕美「いきなり針が刺さっちゃった? 本当に不器用なんだ」

P「結構これ、神経使うね」

裕美「それはプロデューサーだけじゃないかな? あっ、そうしたら」

P「っと! 変な感じになったな。えーと、これをこうして……まるで分らんぞ!」

裕美「ちょっと貸して。これはこうで……」

P「裁縫もうまいんだね」

裕美「うん、家庭科は得意だよ。それに今プロデューサーが作ろうとしているものに近いものなら、前に作ったことあるから。よし、これで治ったよ」

P「サンキュ。んじゃ、気を取り直していきますか」

P「ふぃー、出来た――――!!! 結構時間かかったけど、裕美は……」

裕美「すぅ、すぅ……ん?」

P「ありゃ、起こしちゃった? それは悪いことをしたかな」

裕美「ゴメンナサイ、気が付いたら寝ていて……」

P「レッスン後で疲れているのに結構遅い時間まで付き合わせちゃったからなぁ。こっちこそゴメンね」

裕美「ううん。それよりも……完成したんだ。おめでとう、プロデューサー」

P「ま、まぁ見てくれはアレかもしれないけど……俺なりに小日向さんへの感謝の気持ちが詰まっているはずだから、喜んでくれるかな」

裕美「大丈夫だよプロデューサー。私が保証するよ」

P「そっか。裕美がそう言ってくれるなら心強いな。ありがとう、裕美」

裕美「ところで……入っているのは本当に感謝の気持ちだけ?」

P「ほえ?」

裕美「他にも何か別の気持ちが、入ってたりしない?」

P「ぶはっ! い、いきなり何を言うかねチミは!」

裕美「ふふっ、何でもないよ! 頑張ってね、プロデューサー」

千佳「それでねー! ラー・恋初(コイゾ)がねー! 女子力ビームを撃つんだよ!」

美穂「凄い技名だね、それ」

千佳「でもね! アルティメットラブリーチカもスーパーアルティメットラブリーチカにパワーアップするの!」

P「あっ、小日向さん! いたいた! ちょっと良いかな?」

美穂「プロデューサー?」

P「ちょっと来てほしいんだ」

千佳「美穂ちゃん行ってらっしゃーい!」

美穂「あのー、プロデューサー? いったい何でしょうか?」

P「あー、うん。ふぅ……、実はさ! この前のパンのお礼、作って来たんだ!」

美穂「えっ? お礼?」

P「上手にできなかったけど……、きっと心は籠っているはずだから。受け取ってください」

美穂「プ、プレゼントですか!? あ、ああああ! ありがとうございまふ! あ、開けてもいいですか?」

P「うん。気に入ってもらえると嬉しいな」

美穂「! プロデューサー、これをまさか」

P「裕美に教えてもらいながら一から作ったんだ。特に、カチューシャについているクマのぬいぐるみは力作さ。……自信作と言えないのがアレだけど」

美穂(彼から貰った白いカチューシャには、小さなクマと私の可愛らしいぬいぐるみがついていました)

P「や、やっぱ不恰好かな? あはは、慣れないことするもんじゃないね……。似て……、ないとか?」

美穂「そ、そんなことないです!! むしろ……嬉しいんです」

P「そ、そう?」

美穂「プロデューサーからこんな素敵なプレゼントが貰えたなんて……すっごく嬉しいです!! 私も裕美ちゃんからアクセサリー作りを学ぼうかな? 今度はプロデューサーにプレゼントしてあげますね」

P「そ、そっか! 喜んでくれたか! よかったぁ……。美穂に気に入って貰えて……」

美穂「! い、今下の名前で呼びましたか?」

P「えっ? マジで?」

美穂「はい。いつも小日向さんだったのに、美穂って。ちょっと恥ずかしいですけど、……少しうれしいです」

P「え、えっと……それじゃあこっちも今度から下の名前で呼ぶように努めてみる。み、美穂?」

美穂「はいっ! そうだ、プロデューサー。時間ありますか?」

P「時間? まぁ1時間ぐらいは暇かな」

美穂「それなら……、日向ぼっこしていきませんか?」

日向ぼっこをしてみよう

美穂「はぁ、こうやって日の当たる中のんびりとするのが気持ちいいんです」

P「いい感じに晴れて、絶好の日向ぼっこ日和だね」

美穂「ふふっ、そうですね」

P「思えば。俺が美穂と出会ったのも、この公園だったっけ」

美穂「そうでしたねっ。目が覚めたらすぐ目の前にプロデューサーがいて……。いきなりのことだったから、驚いちゃいました」

P「思いっきり頭突きくらったのもいい思い出だよ」

美穂「それは……、ごめんなさい」

美穂「でも……、プロデューサーに出会えて本当に良かったです。プロデューサーを信じてここまで来て、アイドルとして輝けて。沢山の仲間に出会って、世界が広くなって。本当に感謝しています」

P「そう面と向かって言われると照れちゃうな」

美穂「新しい趣味探しだって、ずっと付き合ってくれましたし。おかげで、今までとは違った私が見つかりそうです」

P「いろんなこと、してきたもんね。それらがアイドル活動の糧になれば、幸いだよ」

美穂(思えば色々なことをしてきたなぁ。最初は茶道の野点。あの後本格的に茶道用具を買ったんだっけ、また今度は事務所のみんなに振舞いたいかな)

美穂(サックスにも挑戦した。あいさんから楽器を借りて練習して、簡単な曲なら吹けるようにはなった)

美穂(犬はまだ飼えそうにない。よくよく考えたら、今住んでいるアパートってペット禁止だったし。寮は犬もイグアナもトナカイもオッケーらしいけど、引っ越そうかな)

美穂(映画鑑賞……のつもりだったけど、いつの間にかキスの話題にすり替わってたっけ。キ、キスなんてまだ早いよね!!)

美穂(チアリーディングもやってみた。実はあの後、智香さんのチームの練習に参加したりしている。ダンスのレッスンと思えばすごく有益だと思うし)

美穂(剣道の経験は撮影に役立ったっけ。監督からも意外と様になっていると驚かれた。珠美ちゃん、あの時は小手を外してゴメンナサイ)

美穂(推理小説や探偵ドラマも見るようになった。都ちゃんやありすちゃんがミステリー好きなのもあって色々と教えてもらっている。コズミックは……生まれて初めて壁にぶつけたものだ)

美穂(ロックに生きるという事は、未だによく分からない。とりあえず李衣菜ちゃんは私みたいな人こそロックと言っていたけど、夏樹ちゃんのリアクションを見るに間違っている気がする)

美穂(心霊スポットは……もう行くことはないと思う。ただ……小梅ちゃんが一緒に来てほしそうに見てくるので、その時はプロデューサーと一緒に行こうかな。除霊できるって言ってたし)

美穂(裕子ちゃんとの超能力?対決の後、なぜか裕子ちゃんが弟子入りを志願してきた。私、超能力なんて持っていないのに……。時間をゆっくりにすると評判の藍子ちゃん紹介しようかな?)

美穂(マイボールとマイグローブも買っちゃった。自分用に作られたボールってだけあって、凄く投げやすい。今度は蓮実ちゃんに勝ちたいな)

美穂(魔法少女ヨコヤ☆マチカはまだ続いている。私も時間が有るときは千佳ちゃんに付き合って一緒に遊んでいます。……時々川島さんと和久井さんが仲間になりたそうにこっちを見ているけど、気にしちゃダメかな)

美穂(水族館のフリーパスチケットも結局買っちゃった。疲れたりしたときは優雅に泳ぐ魚やヨチヨチ歩くペンギンたちを見て心を癒している。たまにペンギンの群れの中に仁奈ちゃんが混じっているけど、大当たり確定なのかな)

美穂(占いサイトも色々と廻ってみた。と言っても妄信的に信じてしまうのは良くないよね。最後の一歩は自分の足で歩きださないと)

美穂(陶芸で作られたピーちゃんはベッドの上でプロデューサーくんと仲良く暮らしている。ろくろと電動窯も買ったのでこれでいつでも陶芸が出来るかな)

美穂(パン作りも楽しかったな。ホームベーカリーも買ったし、その気になれば私の家でパン作りパーティーが出来そうだ)

美穂(プロデューサーは裕美ちゃんからアクセサリー作りを教えて貰ったらしい。私も教えて貰おうかな。クマのアクセサリーを作るのも楽しそう)

美穂(そして……)

P「すぅすぅ……」

美穂「プロデューサー、寝ちゃったんだ。もしかしてコレを作るのに時間、掛かっちゃったのかな?」

P「うにゅ……」

美穂「幸せそうな寝顔。写真、撮っておこうかな? なんてね」

美穂「えっと、あれ? サイズがちょっと小さいかも。ムリにつけたら、壊れちゃいそうな……。でもプロデューサーからのプレゼントだし、仕舞ったままにはしたくないなぁ。どうしよう……」

P「ぐぅ」

美穂「考えても仕方ない、かな。今はこの陽だまりの中ゆっくりとしていたいな……。すぅ……」

「――!」

「わんっ!」

美穂「ん……、くすぐったい」

「こらこらロマンス。ペロペロしないの! していいのは俺だけなんだから」

美穂「ん?」

「あっ、起きた? そろそろ始まっちゃうから起こしに来たよ」

美穂「あれ? 私……いろんな趣味を作って、プロデューサーからプレゼントを貰って、日向ぼっこしてて?」

「何寝ぼけてんのさ。ほらっ、時計見てごらん」

美穂「えっ? 今は14時56分……ってああ!! も、もうすぐ始まっちゃう!」

「あはは、安心してよ。ちゃんと録画しているし、テレビタブレット持ってきたからさ」

美穂「良かったぁ。ありがとう、旦那様」

「どういたしましてっと。さて、そろそろだね。うぅ、緊張してきたぞぉ……。みりあや千佳達がついているから大丈夫だと思うけど……」

美穂「大丈夫です、だって貴方と私の子供なんですよ? 恥ずかしがり屋なのは私譲りですけど……、芯の強さは貴方譲りなんですから」

「美穂だって結構しっかりしているよ? 恥ずかしがってたのも最初の方だけで、だんだんとステージを楽しめるようになっていったし」

美穂「それは……、貴方のおかげですよ。プロデューサー」

P「そう呼ばれたのはいつ振りだろう……。久しいな」

美穂「あっ、始まります!」

「みんなー! 今日は楽しんでいってねー!!! 行くよー!」

P「っし! ちゃんとやれてるじゃんか」

美穂「ほら、言ったじゃないですか。大丈夫だって」

ロマンス「わんわん!」

美穂「きっとロマンスもそう言ってますよ」

P「だな。しかしあのカチューシャが、今になって使われるなんてね。サイズが違ってたなんてオチ、泣きそうになったよ。美穂と瓜二つなだけに、良く似合ってるのが救いかな」

美穂「ふふっ、でも私はあの日からいつかこんな日がくるって思っていましたよ? その時隣にいてくれるのがプロデューサーだったら、って」

P「もう! 可愛いこと言ってくれるなぁうちのかみさんは」

P「あの子もさ、小日向美穂の娘ってことで色々と色眼鏡で見られそうだけど……、大丈夫だよね」

美穂「もちろんです。あの子はあの子、私は私なんですから!」

P「あのさ……、もう一度ステージに上がりたいとかって思ってたりする? 美穂のことを今でも応援してくれているファンたちもいるし、娘と同じステージに立てたら……」

美穂「ふふっ、素敵なことだと思いますけど……それはまだ先になりそうですよ?」

P「どういうこと?」

ロマンス「くぅん?」

美穂「こういうことです」スッ

P「! ははっ、そういうことか! そうかぁ、あの子もお姉ちゃんになるんだな……」

ロマンス「わんわん!!」

美穂「だから……、ステージ衣装はまだまだお預けですよ?」

「みんなー! 応援よろしくねー!!」

美穂「今はこうやって、日向ぼっこしながらのんびりと過ごして……。いつかきっとあの子と同じステージに立てる日が来るから。その時は、プロデュースしてくださいね?」

P「ああ。もう一度、輝く世界へ連れて行ってあげるよ」





小日向美穂 趣味:日向ぼっこ、茶道、サックス、犬の散歩……、家族と一緒に過ごすこと New!!



fin.

これにてお終いです。少し長くなりましたが、ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。

>>203
イエス。小日向美穂も小日向文世も書きました


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