紬「パラメーター」(358)

お婆さん「これそこの君」

紬「……私?」

お婆さん「眼鏡買わんかえ?」

紬「ごめんなさい……私目は良いんです」

お婆さん「不思議な眼鏡じゃかけてみなされ」

紬「で、でも……学校がありますから」

お婆さん「とりあえずかけてみなされ」

紬「わ、わかりました」

紬「…………」スチャ

お婆さん「どうじゃ?」

紬「レンズはガラスですか?視界が変わらないわ」

お婆さん「そうじゃ数字と文字が見えるじゃろ?」

紬「ほ、本当だ?好感度10?」

お婆さん「その眼鏡を大切な人の前でかけてみなされ本当の好感度が見れる」

紬「好感度って何ですか?」

お婆さん「お主に向けられている好感度じゃ」

紬「そ、そうなんですか……」

お婆さん「その眼鏡は貰っときなさい。ワシからの選別じゃ」

紬「い、いえ困ります」

お婆さん「いいから貰っときなさい」

紬「……わかりました」

お婆さん「それじゃあ友達と仲良くしなされよ」スタスタ

紬「い…行っちゃった」

学校

律「ムギーおはようー」

紬「おはようりっちゃん」スチャ

律「ん?どうしたんだ?眼鏡なんかかけて」

紬(りっちゃんとの好感度は……90!)

律「おいおーいムーギー?」

紬「はっ……!な、何?」

律「眼鏡なんかしてどうしたんだ?」

澪「律、ムギおはよう」

律「おはよう澪。ムギが眼鏡してるぜー」

澪「おお、本当だ」

紬(澪ちゃんとの好感度……80!)

澪「おーいムギ?」

紬「……はっ!な、何?」

律「何だかボーっとしてるなムギ。で、何で眼鏡してるんだ?」

紬「これは…えっと……」

紬「私、眼鏡つけてみたかったの!」

律「でもムギ目が悪かったか?」

紬「レンズはガラスよ~」

澪「そうなのか」

唯「みんなおはよーうー」

紬「唯ちゃんだわ!」

紬(唯ちゃんの好感度は……95!?)

唯「あれぇ?ムギちゃん眼鏡してる!」

律「眼鏡かけてみたかったんだって」

唯「ムギちゃんかわいい!」

紬「あ、ありがとう唯ちゃん」

紬(何だか好感度が高いと変に意識してしまうわ)

放課後

梓「あ、来ました来ました」

唯「あずにゃん先に来てたんだぁ~」

紬(梓ちゃんの好感度は……80)

梓「あれ?ムギ先輩。眼鏡……」

紬「私、眼鏡かけるのが夢だったの~」

梓「そうなんですかぁー」

紬(澪ちゃんと梓ちゃんの好感度が80)

紬(唯ちゃんが95りっちゃんが90……100にしてみたらどうなるのかしら?)

梓「先輩、練習しましょっか!」

唯「ティータイムの後にしようよ~」

梓「ダメですぅ!」

紬「唯ちゃん今日はケーキ持って来たから練習の後に食べましょ?」

唯「ケーキ!よーし頑張るぞー!」

紬「あら?」

紬(梓ちゃんの好感度が1上がってるわ!)

梓「あの、ムギ先輩。唯先輩を練習する気にしてくれてありがとうございます」

紬「いいのよ~」

紬(その人にとっていい事をしたら好感度が上がるのね!)

紬「みんな今日は練習頑張りましょう!」

澪「うん!そうだな」

紬(澪ちゃんの好感度が1上がったわ!)

ジャカジャカジャーン

律「つ、疲れたー!」

澪「少し休憩にするか」

梓「そうですね」

紬「私、紅茶入れてくるわね~」

ガチャ

憂「失礼します」

唯「あ、憂だぁ!」

憂「お姉ちゃんの練習を見ても良いですか?」

律「あ、いいぞー」

紬「…………」プルプル

唯「ん?どうしたのムギちゃん」

紬「…………」プルプル

唯「おーいムギちゃん?」

紬(憂ちゃんの好感度……20)

紬「20……」シュン

唯「にじゅう?ムギちゃんどうかしたの?」

紬「な、何でもないわ!紅茶作ってくるわね!」

紬(何で憂ちゃん私を嫌ってるの……)プルプル

唯「ムギちゃんプルプルしてるよ?大丈夫?」

紬「だ、大丈夫よ」

紬「あ、そうだ!紅茶……紅茶」

憂「私が作ります!」

紬「憂ちゃんが作るの?」チラッ

憂「……はい」プイッ

紬(目線を逸らしたわ……やっぱり嫌われてる)シュン

唯「憂は座ってなよ~ムギちゃんの紅茶美味しいよ~」

紬「い、いいのよ大丈夫よ!憂ちゃん一緒に紅茶作りましょう?」

憂「私に作らせて下さい!」

梓「憂どうしたの?」

憂「え?ど、どうもしてないよ」

唯「憂はお客さんなんだから座って座って」

憂「わ、わかった……」

・・・・・・

紬「紅茶よー」コトッ

唯「ありがとうムギちゃん」

律「ありがとうなムギ」

紬「澪ちゃんと梓ちゃん。憂ちゃんの分よ!」

紬(私が真心込めて作った紅茶……憂ちゃん喜んでくれるといいな)

唯「うまい!」

唯「やっぱりムギちゃんの紅茶は世界一美味しいよ~」

紬「ありがとう唯ちゃん」

紬(唯ちゃんの好感度が1上がったわ……でも憂ちゃんは)

憂「…………」シュン

紬(……2下がってる)

紬(きっと憂ちゃんの口に合わなかったんだわ)

・・・・・・

憂「あの……それじゃあ私はそろそろ帰りますね」

唯「えーもう帰るの?」

憂「ご飯の支度、しないと駄目だから」

澪「唯は相変わらずだな~」

唯「えへへ~いつもありがとう憂!」

憂「うん!大丈夫だよ!」

律「本当にいい妹だな~」

澪「そうだな~」

唯「えへへ~」

紬(なんで憂ちゃんの好感度20しかないの?)

梓「ムギ先輩?」

紬(確かにあまり話す事は無かったけど低く過ぎるわ……)

律「おーいムギー」

紬「あ、えっとごめんなさい」

澪「ムギ朝からずっとその調子だな」

唯「具合悪いの?」

紬「いいえ、悪くないわ……」

ガラッ

さわ子「来たわよー」

唯「あ、さわちゃん!」

さわ子「今日も疲れたわ~ムギちゃん紅茶お願いしてもいい?」

紬「はい、わかりました~」

紬(……さわ子先生の好感度は85だわ!)

さわ子「あ゛づいわー」

紬「どうぞ~」コトッ

さわ子「やっぱりムギちゃんが入れた紅茶は美味しいわ~」

紬「うふふ。ありがとうございます」

律「さわちゃんいいのか?こんな所でのんびりしてて」

さわ子「あら?毎度の事じゃない」

さわ子「そんな事よりムギちゃん眼鏡かけてるのね。びっくりしたわ~」

唯「似合ってるよね~」

さわ子「眼鏡似合うわね。私には敵わないけど」

律「おいこらー」

紬「ありがとうございます」

さわ子「じゃあ私は職員室に戻るわねー」

ガラッバタン

梓「飲むだけ飲んですぐに帰りましたね」

澪「まるで台風みたいだな」

梓「さてさて練習の続きを……」

和「唯ーアナタ筆箱落としてない?」

澪「あ、和」

和「急にごめんね」

唯「私の筆箱がどうかしたの~?」

和「筆箱落としてるでしょ?」

唯「ちょっと探してみるねー」ガサゴソ

紬「…………」ジーッ

和「…………」チラッ

紬「…………」ジーッ

和「……………………どうしたの?」

紬「な、何でもないの!うふふふふ」キラキラ

和「そ、そうなの」

紬(和ちゃんの好感度……88!)

唯「あ!本当だ鞄の中に無いよー」

和「だと思ったわ。職員室の前の落とし物BOXに唯が使ってる筆箱に良く似た奴があったから。はい、筆箱」

唯「私のふーちゃん!和ちゃんありがとう!」

律「筆箱にまで名前付けてたのか」

紬(でも何で和ちゃんの好感度高いの?)

律「唯、鞄にも名前付けてるのか?」

唯「鞄は……えっと。かあちゃん!」

律「それ、今考えただろ!それに何だかあちゃんって生みの親かぁー!」

紬(あまり話した事なんかないのに……うーん分からないわ)

唯「えへへー」

和「じゃあ私、そろそろ生徒会に行くね」

唯「バイバイー和ちゃん!」

和「うん、バイバイ」

ガチャバタン

唯「もう離さないからねふーちゃん」

澪「そんなに大事なのか?」

唯「だって小学生の時から使ってるもん!」フンス

梓「物持ちいいですね」

紬「唯ちゃん凄いわ~」

・・・・・・

律「ふぅ……今日は沢山、練習したしそろそろ帰るかぁ~」

梓「そうですね!明日もいっぱい練習しましょうね!」

唯「残念だよあずにゃん……」

梓「へ?」

唯「明日は練習お休みの日だよ!」

梓「そ、そんな日はありません!」

澪「ほらほら、早く帰るぞー」

紬「あれ?」

律「どうしたんだムギ?」

紬「好感度が元に戻ってるわ」

律「好感度?」

紬「あ、な…何でもないわ!帰りましょう?」

唯「そうだねー」

澪「じゃあ律一緒に帰ろっか」

律「おう!じゃあ三人共またなー!」

唯紬梓「さようなら~」

紬「それじゃあ私達も帰りましょうか」

唯「そうだねー」

梓「それじゃあさようなら」

唯「バイバイ~」

紬「気をつけてねー」

梓「ありがとうございますー」スタスタコテッ

唯「あーあずにゃんがこけた!」

紬「梓ちゃん大丈夫!?」

梓「あ痛ててててっ」

紬「大丈夫なの?怪我はない?」

梓「膝を少し擦りむきました……」ウルウル

唯「あ…あずにゃん。な、泣かないで」

梓「な、泣いてなんかいません」フキフキ

紬「確か鞄に絆創膏があったと思うわ!」ガサゴソ

唯「痛いの痛いの飛んでけー!」

紬「あったわ!」

唯「これでもう大丈夫だよ!」

紬「貼り付けるからジッとしててね」

梓「は、はい」

紬「よいしょ」ピトッ

唯「もう痛くない?大丈夫?」

梓「はい!大丈夫です。二人共ありがとうございます!」

紬(あら?好感度が5上がってるわぁ!)

梓「そ、それじゃあ…帰りますね。ムギ先輩、絆創膏ありがとうございます」

紬「いいのよ~」

梓「さようなら!」

紬「さようなら~」

唯「足元ちゃんと見るんだよ~」

スタスタスタスタ

唯「私達も帰ろっか~」

紬「そうね~」

唯「お腹減ったなぁー」グゥゥ

紬「私もお腹減ったわ~」

唯「帰ってから憂のご飯食べなきゃ!」

紬「そ、そうねー。あの、唯ちゃん?」

唯「なぁにー?」

紬「憂ちゃんの事何だけど。私に何か言ってなかった?」

唯「うーん……何も言ってないよ!どうして?」

紬「ううん、特に意味はないの」シュン

唯「あ!でもムギちゃんの事凄いって言ってたよ!」

紬「そうなの?」

唯「私がムギちゃんって凄いって憂に言ったら憂も凄いって言ってた!」

紬「私、凄いの?」

唯「ムギちゃんはしゅごいよ!」

紬「しゅごい?」

唯「あ、凄い!えへへ噛んじゃった」

紬「うふふ。ありがとう唯ちゃん」

唯「いえいえ~」

唯「あ、駅に着いたね」

紬「そうね。唯ちゃんさようなら」

唯「うん!バイバイ~」

紬「気をつけてね」

唯「うん!わかった!」

翌日

唯「雨で制服がびしょびしょだよ~」

澪「傘持って来て無かったのか?」

唯「だって途中で雨が降って来たんだもーん」

紬「唯ちゃんここに座ってー」

唯「ほいほーい」ストン

紬「かゆいところはございませんか~」ゴシゴシ

唯「ありませ~んってまたそれ~」

和「な、何やってるの?」

唯「ムギちゃんに髪の毛を拭いてもらってるの~」

紬「はーい終わりましたぁ~」

唯「ありがとー!」

律「また、髪の毛ボサボサだぞー」

ガラッ

さわ子「席に座りなさーい」

・・・・・・

唯「結局髪の毛ボサボサのまま授業受けちゃったよ~」

澪「みんな笑ってたぞー」

唯「みんなを笑わせる為に髪の毛ボサボサにしました!」

梓「見苦しいですよー!」

紬「はい紅茶よ~」

律「ムギありがとー」

澪「そう言えばムギ今日は眼鏡してないのな」

紬「あ!鞄の中に入れぱったしだったわ」ガサゴソ

律「ムギーちょっと眼鏡かしてくれ!」

紬「え?」

律「私も眼鏡かけてみたい」

唯「あ、私も私もー!」

紬(ど、どうしよう)

紬「えーと……眼鏡は」

律「どうした?」

唯「りっちゃんに眼鏡似合わないかもね~」

律「うるさーいー!」

紬(ど、どうしよう…………)

律「ん?ムギ固まってるぞ」

澪「あ!そう言えばみんな!」

唯「ほぇ?どうしたの?」

澪「バーベキューやらないか?」

唯「バーベキュー?」

澪「うん、もう夏だしみんなでお金出し合ってバーベキューやろう!」

紬(た、助かったわ~)

梓「楽しそうですね!」

紬(あれ?……バーベキュー?)

律「私もバーベキューやりたい!」

紬(バーベキュー!!)

唯「私も!私も!!」

紬「私もバーベキューやりたいわ!!!」ガタッ

律「うおっ!びっくりした~」

紬「私もみんなとバーベキューやりたいわ!」キラキラ

澪「じゃ、じゃあこれで決定だな!」

唯「ムギちゃん張り切ってるね~」

紬「えぇ!楽しみだわ~」

梓「バーベキューは何時にします?」

唯「うーん明後日にしない?」

律「よしっ!明後日に決定な!」

澪「他に和や憂ちゃんも誘わない?」

唯「うん!憂には私から言っておくよ!」

梓「あの~純も誘っていいですか?」

律「大丈夫だぞ~人数が多い方が楽しいしな!」

紬「早くバーベキューやりたいわ~」キラキラ

律「だな~あ、会費は一人2000円でいいか?」

一同「オッケー!」

・・・・・・

澪「じゃあ私と律がバーベキューに使う道具を持って来る係で……」

唯「私とムギちゃんが食料調達係!」

梓「私は炭を持って来る係ですね」

紬「楽しみね~」

律「……で何処でバーベキューするんだ?」

唯「私の家でいいよー」

澪「いいのか?」

唯「大丈夫!」フンス

律「あ、ムギ眼鏡机に置きっぱなしだぞ~」

紬「あ…忘れてたわ」

律「よーし装着!」スチャ

唯「おおっ!」

紬「あ…………」

律「あれれ?何か数字が見える」

律「唯が90に澪が200……?なんの数字だ?」

紬「りっちゃん…それは…」アセアセ

律「おっ、ムギも90か。梓は40……?」

律「……好感度95?」

紬(りっちゃんから見た私の好感度って高いのね!)キラキラ

紬(そ、そんな事より!)

律「あれ?澪を見たら何か数字が変わったぞ……好感度90だって」

唯「私は私はー?」

律「えーと……澪と同じ90だ」

唯「あずにゃんは?」

律「85だってさ~」

律「なんかおかしな眼鏡だなー」

紬「えっと……」

律「玩具の眼鏡か?」

紬「そ、そうよ~玩具の眼鏡よ!」アタフタ

唯「次は私にかして~」

律「いいぞー!」

紬(ゆ、唯ちゃん……)

唯「おぉー!100だぁ!」

唯「あずにゃんの好感度100だって~」

梓「な、何言ってるんですか!?」

唯「ムギちゃんこの眼鏡って好感度を計れるの?」

紬「そうよ!で、でも玩具だからあまり信憑性はないわ~」

紬(よくよく考えたら……何で私はこの眼鏡の事を鵜呑みにしていたの?不思議だわ)

唯「澪ちゃんは85りっちゃんは92ムギちゃんは93だぁ!」

紬「梓ちゃんが1番高いわね~」

澪「わ、私にもかして欲しいな……」

唯「いいよ~」

澪「おぉ100!が二人いるぞ律!100が二人もいるぞ!」

律「誰と誰だ?」

澪「梓と……り…律」

紬「澪ちゃん凄いわ~」

唯「あずにゃんの浮気者ー!」

梓「な、何言ってるんですか!」

澪「後の二人は85だ!面白いなコレ!」

唯「あずにゃんもつけてみなよ~」

梓「え、わ…私は」

律「いいからいいから~」

紬「楽しいわよ~」

梓「わ、わかりました。つけてみますね」スチャ

梓「唯先輩は95澪先輩は90です」

唯「おぉ!結構高い!」

梓「ムギ先輩と律先輩は85です」

唯「これおもろい!」

律「めちゃくちゃ自分の事を好きそうな相手に眼鏡をつけて、好感度を見たらどうなるんだろうなー」

唯「きっと爆発するんだよ~」

紬「こ、怖いわね……」

唯「う、嘘だよ!」

・・・・・・・

律「面白かったなーあの眼鏡」

澪「そうだなー」

唯「じゃあみんなバイバイー」

梓「さようなら~」

唯「ムギちゃん行こっか!」

紬「えぇ!」

唯「ムギちゃん?」

紬「どうしたの?」

唯「ムギちゃんから見た私の好感度。教えて欲しいなぁ~」

紬「えーと……95よ!」

唯「おおっ!高いね!」

紬「私もびっくりしたわ!」

唯「私もだよ!」

紬「じゃあ唯ちゃんさようなら」

唯「うんバイバイー!」

スタスタスタスタ

紬「……えっと電車の時間は」

お婆さん「これそこのお前」

紬「あ、この前の」

お婆さん「渡し忘れた物があったわい」

紬「渡し忘れた物?」

お婆さん「眼鏡の説明書じゃ」

紬「説明書……?」

お婆さん「ほれ」ガサ

紬「あ、あの……この眼鏡買います。タダで貰ってしまったら悪い気がしますし……」

お婆さん「いやいいんじゃよ。説明書受け取りなさい」

紬「は、はい……」

紬「聞きたい事があります。この眼鏡って玩具何でしょうか?」

お婆さん「玩具じゃないわい。NASAが作った高性能眼鏡じゃ。人の体温、微妙な顔の変化を読み取り好感度を表示する。これは玩具じゃないわい」

紬「で、でもそれって物凄く高いんじゃないでしょうか?やっぱりお金……」

お婆さん「じゃあ説明書よく読むんじゃよ」スタスタ

紬「あ、待って下さい!…………行っちゃった」

紬「はぁ……説明書」

紬「えっと……この眼鏡は好感度を計れる眼鏡です」

紬「0~10は無関心」

紬「お婆さんも私に無関心なんだ……何で私にこの眼鏡を渡したんだろう?」

紬「10~20は嫌い……憂ちゃん……」

紬「……85~99は信頼している」

紬「みんな私の事。信頼してるのね!」

紬「でも、憂ちゃん……何で私の事嫌いなのかな?」

紬「私、憂ちゃんに何かしたのかしら?」シュン

翌日

律「今日、買い出しに行くのか唯?」

唯「うん!ムギちゃんと憂と一緒に行くんだ~」

紬「………………」シュン

律「どうしたムギ?」

紬「ううん。何でもないわ……えっと何買えばいいの?」

律「とりあえず。お肉とジュースと野菜かな」

唯「ほうほう。花火は?」

律「ダーメ近所に迷惑かかるだろ?」

唯「あ!そっかそっか」

梓「食料調達は唯先輩にまかせていいんですか?」

律「その為のムギと憂ちゃんだ!」

紬「どんとこいで~す」

梓「な、なるほど」

・・・・・・

律「じゃあ行ってらっしゃーい」

唯紬「行ってきまーす」

ガチャ

紬「唯ちゃん憂ちゃんは?」

唯「肛門の前で待ってるよ~」

紬「そ、そうなの」

憂「あ!お姉ちゃんと……紬さん」

紬「憂ちゃんこんにちは!」

憂「こんにちは」プイッ

訂正

・・・・・・

律「じゃあ行ってらっしゃーい」

唯紬「行ってきまーす」

ガチャ

紬「唯ちゃん憂ちゃんは?」

唯「校門の前で待ってるよ~」

紬「そ、そうなの」

憂「あ!お姉ちゃんと……紬さん」

紬「憂ちゃんこんにちは!」

憂「こんにちは」プイッ

眼鏡が『感情値』に「マイナスの表記」をしないものなら、

 0:零段階『無関心』
 ・
 10:一段階『嫌い』
 ↓
 50:数段階『普通(予測)』
 ↓
 100:最終段階『大好き(予測)』

ってことかな?

唯「何処に行く?やっぱり近所のスーパー?」

憂「うん!あそこには何でもあるしね!」

唯「そうだね~じゃあムギちゃん行こっかぁ」

紬「そ、そうね」

憂「お、お姉ちゃん私にも行こっかぁ。って言って!」

唯「ほぇ?憂行っこっかぁ!」

憂「うん!」

唯「ムギちゃん明日が楽しみだね!」

紬「えぇ!それより買った食料は何処に置いておくの?」

唯「私の家の冷蔵庫だよー」

紬「邪魔にならない?」

唯「大丈夫だよー」

憂「…………」スタスタ

唯「一年生の時に一緒に合宿行った時の事。思いだすな~」

紬「そうね、とっても楽しかったわね~」

唯「みんなで作ったカレー美味しかったよね!」

憂「…………」スタスタ

紬「美味しかったわね」

唯「ムギちゃん料理も出来るから凄いよね~」

憂「…………」ムカムカ

唯「憂ームギちゃんカレーに珈琲入れるんだよ!」

憂「そ、そうなんだ…」

唯「これが美味しくてね~私、五杯も食べちゃった!」

憂「わ、私もカレーに珈琲入れるもん!」

唯「え?そうなの?」

憂「うん!隠し味だから言わなかっただけだもん」

紬「憂ちゃん凄いわ!」

憂「ありがとうございます……」

唯「料理上手で優しくて…やっぱりムギちゃんは凄いよ!」

紬「ありがとう唯ちゃん」

憂「…………」ポロポロ

唯「またムギちゃんのカレー食べたいなぁ~」

紬「機会があれば。また作るわ」チラッ

憂「うぅ……ぐすっ」ポロポロ

紬「う、憂ちゃん!?」

本物の優とはいったい…うごごごご

唯「う、憂……なんで泣いてるの?何処痛いの?」

紬「憂ちゃん大丈夫なの?」

憂「な…何でもないよ……ひっぐ」ポロポロ

唯「何でもないなら涙なんか出ないよ。どうしたの憂?」

憂「ううん……本当に何でもないよ」フキフキ

唯「本当に何でもないの?」

憂「うん……」フキフキ

紬(憂ちゃん……)

・・・・・・

唯「スーパー着いたね」

紬「えぇ……そうね」

憂「ごめんなさい。私のせいで空気悪くさせちゃって……」

唯「全然大丈夫だよ!」

紬「そ、そうよ!食材買いに行きましょう?」

唯「うん!」

紬「えーとお肉お肉」

唯「これ美味しそう!」

憂「でもこれ高いよ?」

紬「こっちのお肉の方がいいんじゃないかしら?」

唯「そうだねーじゃあこっち!」

紬「次は野菜ね!」

唯「お野菜はキャベツ!」

紬「りっちゃんキャベツ好きだもんね」

憂「お姉ちゃん南瓜の切ってある奴持って来たよー」

唯「おぉ!ありがとう」

紬「お野菜はこんな所でいいわね」

唯「あ……ましまろだぁ!美味しそう」

憂「お姉ちゃんましまろも買おっか!」

唯「え、いいの!?」

憂「ましまろを焼いて食べたらとっても美味しいんだよ!」

紬「憂ちゃん物知りね!」

憂「は、はい…」

唯「じゃあましまろも追加するねー」

憂「うん!」

紬「次はジュースね」

唯「ジュースどれにする?」

紬「やっぱり無難にお茶がいいわね」

唯「じゃあお茶ね~あぁっ!」

憂「お姉ちゃんどうしたの?」

唯「あれ見て!」

紬「西瓜がどうかしたの?」

唯「安いよ!買わない?」

紬「一玉780円ね」

唯「安いよ!買おうよきっとみんなも喜ぶよー」

憂「でも、あの西瓜を買ったらお金足りなくなるよ」

唯「じゃあ私のお小遣で買うよ!みんな喜んでくれると思うから」

憂「お、お姉ちゃん」ジーン

紬「私もお金だすわ!」

憂「私もだすよ!」

・・・・・・

唯「西瓜買っちゃったねー」

紬「みんな喜んでくれるといいわね!」ガサガサ

唯「うん!」

憂「じゃあお家に帰って食材を冷蔵庫に直さなきゃね」

唯「そうだね!」

紬「じゃあ唯ちゃんの家に行きましょうか」ガサガサ

唯「ムギちゃん力持ちさんだね~」

唯「重くないの?」

紬「えぇ!大丈夫よ~」

憂「!!……私、お姉ちゃんの荷物持つよ!」

唯「ほぇ?どーしたの?」

憂「お姉ちゃん荷物重いよね?私が持つよ!」

唯「うん、重いけど持って貰ったら憂に悪いよ~」

憂「私は大丈夫だよ!」

唯「う~ん。じゃあせっかくだから持ってもらおうかな」ガサガサ

憂「うん!」ガサガサ

憂「お、重い……」

唯「重いならやっぱり私が持つよー」

憂「ち、違うよ重くないって言おうとしたんだよ!」プルプル

紬「憂ちゃん力持ちね~」

唯「でも体がプルプルしてるよ~」

憂「は、早く家に行こうよ!」プルプル

唯「そうだね!」

憂「お姉ちゃん私凄い?」
プルプル
唯「憂は凄いよー!」

憂「えへへー……」プルプル

・・・・・・

唯「着いたー!」

紬「お邪魔しま~す」

憂「ふ、ふぅー……」ドサッ

唯「憂疲れたの?」

憂「う、うん、少しだけ疲れた」

唯「憂とムギちゃんは今日、沢山頑張ったから休んでてよ!私、一人だけで食材を冷蔵庫に直すから!」

紬「大丈夫なの?」

唯「うん!まかせて!二人は休んでてね!」フンス

憂「あ、お姉ちゃん」

すみません少し野暮用です
6時から7時までには帰ります
今日で全部終わると思いますので申し訳ありませんが待っていて下さい

九州民「このジュース冷蔵庫になおしとって」
ぼく「えっ」
九州民「やけんこのジュース冷蔵庫になおしといてっちゃ」
ぼく「冷蔵庫が壊れてるんですか」
九州民「えっ」
ぼく「えっ」
九州民「壊れとらんけど」
ぼく「えっ」
九州民「えっ」
ぼく「冷蔵庫を直すんですよね」
九州民「どういうことですか」
ぼく「冷蔵庫をなおす」
九州民「いやこのジュースを冷蔵庫になおしてもらいたいんっちゃ」
ぼく「なにそれこわい」
九州民「えっ」
ぼく「えっ」
九州民「仕方ないのでうちがなおすっちゃ」
ぼく「なにそれすごい」
九州民「えっ」
ぼく「えっ」
九州民「冷蔵庫は壊れとらんよ」
ぼく「えっ」
九州民「えっ」

安価ならスペエ

・・・・・・

憂「あの、お煎餅です」

紬「あ、ありがとう憂ちゃん」バリポリ

憂「…………」バリポリ

紬「…………」バリポリバリポリ

憂「…………」バリポリバリポリバリポリ

紬(何だか憂ちゃんが私の事嫌いってわかっていると気まずいわ)

唯「わわっ!」ガラガラガラ

憂「お、お姉ちゃん!」トタトタトタトタ

紬「ゆ、唯ちゃん!」トタトタトタトタ

唯「ご、ごめんなさい。冷蔵庫に食材が入らないから。無理矢理入れたらグチャグチャになっちゃった」

憂「お姉ちゃん大丈夫?怪我はない?」

唯「う、うん」

紬「みんなで冷蔵庫に食材入れましょう?」

唯「ありがとぉ!」

唯「よいしょ!」ガチャガチャ

憂「紬さんお肉取って下さい」

紬「わかったわ~」

憂「ありがとうございます。よいしょ」

唯「わぁー綺麗に入ったね!二人共ありがとう!」

憂「ううん。大丈夫だよ!」

紬「よかったわね~綺麗に入って」

唯「うん!」

修正された

紬「あの、もうそろそろ私帰るわね」

唯「もう6時だもんね。途中まで送って行こうか?」

紬「ううん。大丈夫よ」

憂「あ、あの紬さん!」

紬「どうしたの?」

憂「よかったら紅茶の入れ方教えてくれませんか?」

紬「……え?い、いいわよ」

憂「遅い時間なのにありがとうございます」

唯「憂、ムギちゃんに紅茶の入れ方を教えて貰うの?」

憂「……うん」

唯「私、憂の紅茶飲みたいなぁ!」

憂「みんなの分を作るよ」

唯「そっかぁー楽しみ!」

憂「それじゃあ紬さん紅茶の入れ方を教えて下さい」

紬「わかったわ!」

台所

憂「帰る前にすみません……」

紬「大丈夫よ!」

憂「あ、あの紬さん」

紬「なぁに?」

憂「ごめんなさい」

紬「な、何で謝るの?」

憂「紬さんにだけ悪い態度だったから……」

紬「い、いいのよ……」

憂「勝手に私、紬さんに嫉妬してました」

紬「嫉妬?」

憂「お姉ちゃんが紬さんの事ばかり話すから……あ!お姉ちゃんが悪いわけじゃないですよ」

紬「憂ちゃん……」

憂「馬鹿ですよね私、紬さんが何かしたわけじゃないのにあんな態度とって……」

紬「憂ちゃんは馬鹿じゃないわ!唯ちゃんの事大好きなのね」

憂「はい!あの本当にごめんなさい」

紬「大丈夫よ!さ、紅茶作りましょう唯ちゃんが待ってるわ」

憂「はい!」

紬「…………」ギュッ

憂「どうしてカップを抱き締めてるんですか?」

紬「こうやってカップを暖めておかないと紅茶の葉が開かなくなるのよ。それと……」

憂「それと?」

紬「こうやって私の愛情をカップに注いでるの」

憂「じゃあ私も……」ギュッ

・・・・・・

紬「唯ちゃん紅茶出来たわよー」

唯「…………」スースー

憂「ね、寝てますね」

紬「きっと疲れたのね」

憂「紅茶……お姉ちゃんが起きる頃には冷めてますよね」

紬「そうね、でも冷めた紅茶も結構美味しいのよ。それに憂ちゃんが作った紅茶なら、温かい紅茶も冷たい紅茶も唯ちゃんはきっと喜んでくれると思うわ」

憂「……はい!あ、お姉ちゃんにお布団被せなきゃ」

憂「よいしょ」バサッ

紬「ぐっすり寝てるわね~」

憂「お姉ちゃんの寝顔可愛いですよね」

紬「本当なんか癒されるわ~あ、私そろそろ帰らなきゃ」

憂「帰るんですか……」シュン

紬「また明日会いましょうね。バーベキュー楽しみね!」

憂「私も楽しみです!」

紬は実家を出て安月給の旦那と団地暮らしをして
「こういうアパートで生活するのが夢だったのー♪」とか言って
おいしくてデカい弁当とかティーセットで癒してくれて
休みの日には家族風呂のある健康ランドいったり
食べ放題で元をとるのが夢だったのーとかいって
3000円の焼肉バイキングや回転すしとかで喜んで
一番お嫁さんにしたい

>>306
紬「最強の私でもさすがに無理( ̄▽ ̄;) 」

紬「それじゃあさようなら憂ちゃん」

憂「はい、さようなら」

ガチャバタン

憂「紬さん……いい人だなぁ」

唯「ういー……」スースー

憂「……ん?」

唯「大好きー……」スースー

憂「お姉ちゃん……」

翌日

律「やったー放課後だぁー!」

唯「バーベキューだぁー!」

紬「楽しみだわぁー!」

梓「その前に練習だー!」

澪「そうだそー!」

唯「やっぱり練習しなきゃダメ?」

梓「そうですよ!」

唯「えー!すぐにバーベキューしたい!」

澪「練習の後に食べるバーベキューは格別だと思うぞ唯」

唯「うーん…わかった!練習しようよ!」

律「そうだなー練習するかー」

唯「そう言えばムギちゃん今日はあの眼鏡持ってかけてないね。どうしたの?」

紬「あ、あの眼鏡はもう無いわよ」

唯「えーどうしてー?」

紬「あの眼鏡はきっと私をダメにしちゃうから返したの」

律「誰にだ?」

紬「眼鏡の持ち主よ~」

唯「誰から貰った物だったの?」

紬「そうよ。ねぇみんな」

律「どーした?」

紬「みんなは私の事好き?」

澪「急にどうしたんだ?」

紬「ううん。一度みんなに聞いてみたかったのみんなは私の事好き?」

唯「うん大好き!」

澪「わ、私もムギの事大好きだぞ」カァァ

律「私も好きだぞー」

梓「私も大好きです」

紬「みんなありがとう!私もみんなの事大好きよ!やっぱりみんなの口からそう言われると嬉しいわ」

梓「私はそれほどでも」

・・・・・・

純「澪先輩こんばんわ!」

澪「こんばんわ」

律「おーい唯ー炭取ってくれー」

唯「はいはーい!」

和「あ、直接触ったら……」

唯「わわっ!手が真っ黒になっちゃった」

紬「唯ちゃんタオルよ!」

唯「ありがとー」フキフキ

憂「みなさーんお肉持って来ましたよー」

梓「野菜とましまろも持って来ました」

律「美味しそうだな!腹減ったーキャベツ食わせろーキャベツー!」ワイワイ

唯「わーりっちゃんがキャベツ星人になっちゃったー」キャイキャイ

憂「あの!皆さんに紅茶を作ってきました」

澪「憂ちゃんありがとう」

紬「美味しそうだわ~」

唯「美味しいよ憂!」ズズズ

純「本当だ美味しい!」

紬「美味しいわ憂ちゃん!」

憂「ありがとうございます!」

律「よーし美味しい紅茶もある事だしお肉焼こう!」

和「私がお肉焼くわ」

梓「あ、私も手伝います!」

唯は公式で池沼だからなぁ

憂ちゃんが作ってくれた紅茶を飲みながら、私はみんなの顔を一人一人ジーッと見た。
何だかみんな凄く楽しそう。

やっぱり好感度何か知らずに、みんなとこうしていた方が楽しい。

それにみんなが私に言ってくれた大好きって言葉。
この言葉はみんなの好感度を知らないまま聞きたかったなぁ。

唯「あ、このお肉貰うねー」

紬「あー!それ私が育ててるお肉なのー!!」


END

>唯「あ、このお肉貰うねー」

>紬「あー!それ私が育ててるお肉なのー!!」


おっぱいのことかと思った

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom