梓「唯先輩ってヘアピン外すと雰囲気変わりますね」(221)

唯「そうかなあ?」

梓「はい、なんか大人っぽくなるというか…」

律「まあ確かに片目ガ隠れてる唯は雰囲気違うな」

紬「可愛い系から急にクールな美人系に変わるというか」

澪「そうそう、ヘアピンしない唯も…か、かわいいな」

唯「そうなんだ、なんだか照れますなあ」

梓「ちょっとここで外してみてください」

唯「えっ…なんか改めて言われると恥ずかしいよ~」

律「じゃあ私もカチューシャ外すからさ!」

唯「なんですと!それならば私も外さざるを得ないようだね」

律「ほら」ファサ

唯「ほい」パチッ

澪「はう…」キュン

梓「はう…」キュン

紬「2人とも急に大人っぽくなるね」テカテカ

律「そう?そんなことないよ。おかしいでしょ?」

澪「お、おかしくない!」

律「どうしたの?澪、顔が赤いよ。熱でもあるのか?」

澪「(か、顔が近いよ…ドキドキしちゃうじゃないか!)」カァァ

律「はは、変な澪。」

澪「(なんでそんなにクールになってんだよお…照れるじゃないか~…)」

紬「澪ちゃんたら、もう骨抜きにされてるわね」

唯「ふふ、澪ちゃんうつむいちゃって、可愛いね」

梓「」

唯「…?どうしたの?あずにゃん」

梓「な、なんでもないです!」

唯「なんであずにゃんもうつむいてるの?」

梓「(言えない…唯先輩が色っぽくて直視できないなんて言えない…)」

唯「あずにゃん」クイッ

梓「!」ドキッ

梓「(顎から!?キスをするときみたいに…!)」

唯「どうしたの?ふふ、変なあずにゃん」

梓「」ドキドキドキドキ

紬「唯ちゃん…あれが故意じゃないとしたら…恐ろしい子っ」

澪「…」

梓「…」

律「やっぱり前髪が邪魔で視界が悪いな、これ」

唯「そうだね、ヘアピンつけようかな」

律「あ、そうだ。唯、ヘアピンとカチューシャ交換してみない?」

唯「あはは、面白そうだね、やってみようか」

紬「(なんなの…?話し方まで急に大人っぽく…これが本当の2人の姿なの!?)」テカテカ

律「いたた…」パチッ

唯「んしょっと」

律「あはは、唯、なにそれ~」

唯「なんだよ~りっちゃんこそ新鮮じゃんか」

紬「(!!また雰囲気が変わった…!)」キラキラ

澪「…」

梓「…」

唯「あちゃ…2人ともショートしちゃってるなあ」

律「なんでかな?とりあえず目覚めさせよっか」

紬「(心なしか…2人の性格が入れ替わった感があるわ)」ピコーン

律「ムギも手伝って~」

紬「あ!う、うん!」

唯「あずにゃん、ほら、練習するから起きなっ」

律「澪もほら、起きてよ~」

紬「み、澪ちゃん、梓ちゃん!」チラチラ

紬「(なるほど…あのアイテムが性格を変えてるのかもね)」

澪「はっ…!唯?」

律「違うってば、私だよ、律だよー」

澪「そ、そうか…ってなんでヘアピンを?」

梓「!り、律先輩!」

唯「違うよ、何いってんのさ、あずにゃん!」

梓「え?あ…良く見たら唯先輩でした…。でもなんでカチューシャを?」

唯「へへ、りっちゃんと交換したんだ」

律「そうそう、なんか面白くなってきちゃってさー」

澪「(その割には話し方まで若干変わってたような…気のせいかな)」

梓「(カチューシャした唯先輩…なんだか喋り方まで律先輩ぽくなってたなあ)」

紬「…アリね!」ドーン

律・唯「ん?」

澪「と、とにかく練習するからそれ戻そう!な!」

梓「そ、そうですよ!そうしましょう!」

唯「どしたの?変な2人だな~」

律「まあ、取りあえず戻そっか」

唯「んっ」パチッ

律「よっと」スチャ

紬「おかえりなさーい!」

唯「うむ、今帰った!」

律「はは、なにしてんだ、お前ら」

紬「(2人とも元に戻ったみたい。残念だけど…)」

紬「…やっぱりこれもアリね」

律・唯「ん?」

澪「よ、よし、練習するぞ!」

梓「そ、そうですね!」

澪・梓「(やっと直視できる…)」

律「やっぱカチューシャが一番しっくりくるな!」

唯「私もヘアピンがないと違和感があるよ~」

律「だよな!」

澪「チューニングもokっと…」

律「じゃあいくぞ」



律「…どした?澪、梓」

唯「2人がミスするなんて珍しいね!しかもたくさん!」

澪「ご、ごめんごめん!」

梓「すみません…!」

紬「大丈夫よ、もう1回やろう?」

紬「(完全にやられちゃってるわね…)」

律「あはは、やっぱりミスってるな~」

澪「ごめん!ほんとにごめん!」

律「気にすんなって!こんな澪ちゅわんもいいですわよ?」

澪「なっ…!!」カァァ

唯「あずにゃんもまだ少し間違ってたね!」

梓「す、すみません…」

唯「えへへ、落ち込んでるあずにゃんもかーわいいっ」ギュッ

梓「はうっ…!」ドキッ

紬「(ここは天国ですか?)」

律「ムギ、鼻血」

唯「あ、もう外暗くなり始めてる!」

律「んじゃ、帰るか!」

律「んじゃ、私達はここで」

澪「また明日な、唯、ムギ、梓」

紬「ばいばい…じゃあ、私もこっちの道だから、またね」

唯「うん、ばいばい!」

梓「おつかれさまです」

紬「またね(もうちょっと見ていたかった…)」

紬「(名残惜しすぎるわ…)」シュン

澪のケース

律「なあ澪、今日はどうしたんだ?」

澪「な、何が?」

律「部活だよ、途中からおかしかったぞ~?」

澪「は、はは…夏ばてかな?」

律「えっ!?なんだよ!無理して部活やってたのかよ!」

澪「え、いや、そういうわけじゃ…!」

律「澪のばか!熱はないのか?」

ピトッ

澪「ふぁ…(律の手がおでこに…)」ドキ

律「熱はない…かな?」

サワッ

澪「ひゃう!(ほっぺたも!?)」キュン

律「なんだか熱いな…やっぱり熱あるのか?」

澪「だ、大丈夫!(律のせいだろ…っ)」カァァ

梓のケース

唯「あずにゃん、悩み事でもあるのー」

梓「へっ?」

唯「なんだか様子が変だったからさ…悩んでるなら相談してね?」

梓「だ、大丈夫です!」

唯「…やっぱり私じゃ頼りにならないよね~…」シュン

梓「ち、違います!そういうことじゃなくて…」

梓「悩み事とかないから大丈夫です!って意味です!」

唯「…ほんとに?」

梓「はい!(やめて!その上目遣いやめて!)」キュン

唯「よかった!」ギュゥ

梓「はう(…反則だよ…)」

澪の家

澪「なんだよー…律の奴」

澪「普段はあんなに騒いでて子供っぽいのに」

澪「なんでカチューシャ外したとたんにクールになるんだよ…」

澪「あれで顔近づけられたら…そりゃドキドキもしちゃうだろ!」

澪「もー!なんで私、こんなに律のこと考えてるんだよ!」

澪「だめだめ!律は小学校からの親友なんだから!」

澪「…変な感情もっちゃだめ」

梓の家

梓「唯先輩の手が…私の顎に」サワ

梓「なんであんなことしたのかな…」

梓「唯先輩は何の気なしにしたんだろうけど」

梓「だめだ…どうしても意識しちゃうよ」

梓「今まではこんなことなかったのに」

梓「私、唯先輩に特別な感情…抱いてるのかな」

梓「…引かれるよね、こんなの」

ちょっとリトルジェイコブにブツの配達を頼まれた
待ってて

翌日

律「おはよ、澪」

澪「おはよ…って律!?どうしたんだ?!」

律「ん?なにが?」

澪「か、カチューシャしてないじゃないか!」

律「ああ、珍しく忘れちゃってさ」

律「…おかしい?」

澪「お、おおおかしくない!」

律「そう?よかった。澪が言うなら安心だな」

澪「(どうしよう…ドキドキがおさまってくれないよ…)」

律「…澪?やっぱり体調悪いんじゃない?熱が上がって」スッ

澪「だだ、大丈夫!私用事思い出したから先に学校行くな!」

タタタッ

律「う、うん」

律「…どうしたんだろ、澪?」

憂「お姉ちゃん、そろそろ行こうか?」

唯「うん、今行くよ」

カチャ

憂「カギもかけたし、ガスも止めたっと…あれ?」

憂「お姉ちゃん、今日はヘアピンしてないの?」

唯「ん~?あ、忘れちゃった」

憂「じゃあカギ開けるから、持ってきて?」

唯「大丈夫だよ、憂。一日くらいどうにかなるよ」

憂「そ、そう?」

唯「さ、学校いこっか」

憂「う、うん!(お姉ちゃん…大人っぽくなった?)」


唯「でさ、あずにゃんが動かなくなっちゃってね、大変だったよ~」

唯「ま、可愛いからいいんだけどね」

憂「そうなんだ~(梓ちゃん…わかる、わかるよ)」

教室

唯「おはよう、みんな」

澪「お、おはよう!唯」

律「ん、おはよ、唯」

紬「おはよう~(唯ちゃんも…!?今日は澪ちゃんと梓ちゃん…大変ね)」テカテカ

律「どうした、唯?今日はヘアピンしてないの?」

唯「あはは、ちょっと忘れちゃったんだ」

律「奇遇だな、私も今日は忘れてさ」

唯「りっちゃん、忘れんぼだな~」

律「はは、唯もね」

澪「(律…なんか綺麗だな…はっ!)」

澪「(違う…ギャップがあるから驚いてるだけ。…それだけ!)」

2年生のケース

憂「おはよう!梓ちゃん、純ちゃん」

梓「おはよ~」

純「zzz...」

憂「あはは…純ちゃん今日も寝てる」

梓「昨日は遅くまでゲームしてたんだってさ…」

憂「そうなんだ~…あっ、梓ちゃん」

梓「ん、なに?」

憂「今日、お姉ちゃん…ヘアピンしてないの」

梓「!」

憂「梓ちゃんの気持ち、すごくわかるよ!」

梓「え!?い、いや…そういうわけじゃ」

憂「…がんばるんだよ、梓ちゃん!」

梓「(憂、目が輝いてるよ…)」

紬「(梓ちゃんも澪ちゃんも、恋に落ちそうになってるわ)」

紬「(唯ちゃんやりっちゃんも少なからず2人に好感は抱いているはず…)」

紬「(でもこれは…さすがに踏み切りづらいわよね…女の子同士だもの)」

紬「(だから、私が背中を押してあげなくちゃ)」

紬「(私が守るの!軽音部という名のオアシスを!)」

紬「(さて、どうしよう)」

紬「(あ、今週末に夏祭りがあったはず!)」

紬「よーし」」

梓「あ、ムギ先輩からメールだ」

―――――――――――――――
from ムギ先輩
―――――――――――――――
title 今週末、夏祭りに行かない?
―――――――――――――――
本文
私、浴衣を着るのが夢だったの♪
でもね、澪ちゃんとりっちゃんは都合
が悪くてこれないみたい…。
だから唯ちゃんと梓ちゃんの3人で
一緒にお祭り回ろう?
―――――――――――――――

澪「ん?ムギから?」


―――――――――――――――
from ムギ
―――――――――――――――
title お祭りがあるんだって!
―――――――――――――――
本文
ねえねえ、行こう!
唯ちゃんと梓ちゃんは予定が入って
いるみたいだから今回はいいって…
できたらりっちゃんと澪ちゃんと私で
行きたいなあ~♪
―――――――――――――――

紬「(これで予定は大丈夫…と)」

紬「(そして…)」


―――――――――――――――
to  斉藤
―――――――――――――――
title 週末のお祭りなんだけど
―――――――――――――――
本文
斉藤、お疲れ様
唯ちゃんと梓ちゃん、りっちゃんと
澪ちゃんがそれぞれ別行動するの
各ペアにそれぞれ2人ずつ監視を
つけて欲しいんだけど、できるかしら
もちろんカメラも用意してね♪
―――――――――――――――

帰り道

梓「(ふう…なんとか乗り切ったよ…部活)」

梓「(顔真っ赤なの、バレてなかったかな?)」

梓「(お祭りか…唯先輩は行けるのかな?)」

梓「あの…唯先輩」

唯「ん?なーに?」

梓「(子供を諭すような目…こんな顔もできるんだ…)」ドキ

梓「その…ムギ先輩からメール届きました?」

唯「うん、届いたよ」

梓「ゆ、唯先輩は都合悪くないですか?」

唯「私は休みの日は一日中ゴロゴロしてるからね、大丈夫」

梓「(なに?言ってる事はアレなのに、大人っぽいからそれを感じさせない)」

梓「よ…よかったです」

唯「3人ってなんかしんせ…ん?」ピロピロ

唯「ムギちゃんからだ」

澪「はあ…(またミスしちゃったよ…)」

律「どした、まだ気にしてるの?」

澪「んっ!なんでもない!大丈夫!(顔を覗き込むな~…)」

律「そっか、よかった」

律「てっきりまだ引きずってるのかと思ったよ」

澪「あ、ありがとう…(律、女の子っぽいな…かわいいな)」

律「あ、そうだ!澪は週末のお祭り、いける?」

澪「うん!もちろんいく!(律の浴衣…見てみたい!)」

律「はは、よかった。澪とムギは浴衣で来るのかな?」

澪「あ…私は…その…律がそうして欲しいなら…」

律「…へへ」

律「じゃあ私も…って、あれ」ピロロロ

律「ムギからメールだ」

―――――――――――――――
to   唯ちゃん
Bcc りっちゃん
―――――――――――――――
title お祭りなんだけど…
―――――――――――――――
本文
ごめんね…私急用が入っちゃって、
週末は一緒にいけないんだ…

また、お祭りがあるときは一緒にいこ
うね!

ps.トロピカルジュースってなーに?
―――――――――――――――

紬「(送信完了っと…)」

紬「(さあ、思う存分遊んできてね、みんな)」

紬「(きっとうまくいくよね!)」

紬「(トロピカルジュースってなんだろう?)」

紬「(広島焼きも気になるな~)」

紬「(白たい焼き…はっ!)」

紬「(今はみんなのことを優先しなきゃ!)」

律「だってさ。残念だな、ムギ…」

澪「多分、一番楽しみにしてたんだろうな…」

律「そうかもね…ま、まだお祭りはたくさんあるから大丈夫でしょ」

澪「うん…(今回は、ナシかな…)」

律「じゃあさ、澪」


唯「2人でいこっか?」

梓「へっ?」

唯「せっかくの機会だもん、あずにゃんとデートしたいな」

梓「う…(なに?クールな顔して"デートしたいな"なんて…)」

梓「そ、そんなに言うなら仕方ないです!」

唯「…ふふ、ありがと」


梓「(唯先輩と…)」

澪「(2人きりで…)」

梓「そうだ…唯先輩」

唯「どうしたの?」

梓「お祭りの時…その」

唯「んー?」

梓「(やめて!その微笑!すごくドキドキするから!)」

梓「あの…今日みたいに」


澪「カチューシャ、外して来てくれないか…な」

律「え?どうして?」

澪「いや…ほら…せっかく浴衣で来るんだからさ」

律「…」

律「…あはは、なにそれ!理由になってないじゃん!」

澪「んんー(その髪型でそんな満面の笑顔浮かべるな…!胸が…)」キュン


律「うん、わかった。澪が言うなら、そうする」

梓「ほんとですか!?」

唯「うん、ほかならぬあずにゃんのお願いだもん、聞かないわけにはいかないよ」

梓「あ、ありがとうございます!」

唯「そのかわり」

梓「は、はい!」

唯「あずにゃんは」


律「ポニーテールにしてくること」

澪「えっ…なんで?」

律「私ばっかり恥ずかしいかっこしてるでしょ」

澪「恥ずかしくなんか…!」


唯「いいの!とにかくポニーテールだからね?」

梓「わ、わかりました!」

唯「ふふ、楽しみだね」

梓「はい!」

律の家

律「って事で、週末はお祭りにいくから、ご飯、適当に食べててな」

聡「え~俺は連れてってくれないの?」

律「2人きりのデートを邪魔するもんじゃないぞ!」

聡「姉ちゃんに彼氏が…!?」

聡「姉ちゃん…大人になったんだな」

律「こら、勘違いしてるぞ!澪だ、澪」

聡「なーんだ」



律「ま…彼氏っていうか彼女って言うか…」

律「そういう関係になれたら…とは思ってるけどな」

律「えーっと…浴衣はまだあったかな?」

律「何年ぶりだろ?またこんなの着るなんて思ってもいなかったからな~」

律「あったあった」

律「へへ…なんか、浴衣なんてガラじゃないよな」

律「でも澪が着て欲しいって言ったんだから、着るしかないだろ!」

律「澪、喜んでくれるかな?」

律「それとも、似合わないって笑われるのかな?」

律「…どっちでもいいや、2人でお祭りいけるんだから」

律「さて、寝ようっと」

唯の家

唯「憂~、私の浴衣どこ~?」

憂「あっちの部屋のタンスにしまってあるはずだよ」

憂「お姉ちゃん、お祭りいくの?」

唯「えへへ…まあね~!」

憂「ふふ…相手は梓ちゃんかな?」

唯「な、なぜそれを…!」

憂「わかるよ~!だってお姉ちゃん、梓ちゃんの話してるときすごく幸せそうだもん!」

唯「さすがは憂だよ…」

憂「2人で行くの?」

唯「うん!なんだかデートみたいでしょ?」

憂「ふふふ、よかったね!お姉ちゃん」

唯「えへへ…」

夏祭り前日

紬「ついに…ついに明日よ!」

紬「頑張ってね、みんな!」

紬「勝負をかけるなら明日しかないわ!」

紬「だって…さすがに何回も監視は送れないもの…」

紬「ううん!ちがうちがうちがう!」

紬「私達が受験勉強で忙しくなるから…」

紬「特に梓ちゃんはみんなとの距離ができちゃうもの」

紬「…ホントに頑張ってね」

夏祭り当日

澪のケース

律「澪~、きたよ」

澪「い、今行く!」

律「2人でお祭りなんて、中学校以来だね」

澪「う、うん(は、恥ずかしい…)」

律「浴衣着てみたよ、どうかな?似合ってる?」

澪「うん!うん!すごく似合ってるぞ!」

律「…よかった、浴衣にこの髪型じゃ、私じゃないみたいだからね」

澪「!(悩ましげな表情…律、こんな顔もするんだ…)」

澪「そんなことない!律は律だよ!」

律「ほんと?ありがとう、澪もすごく可愛いよ」

澪「!!」カァァ

律「さ、行こう!」

梓のケース

梓「…もうすぐシャトルバス来ちゃうよ…」

梓「唯先輩…ちゃんと来るかな」

サワッ

梓「ひゃっ!」

唯「あずにゃん、待った?」

梓「いえっまま待ってないです!!」

梓「(急に後ろから頭なでないで~…ホントにやばいから!)」

唯「ふふ、あずにゃんの言うとおり、ちゃんとヘアピン外してきたよ」

梓「あ、ありがとうございます」

唯「どうかな?やっぱり片目、隠れちゃってるけど」

梓「き…綺麗…です」カァァ

唯「ふふ、ありがと。あずにゃんの浴衣とポニーテールも似合ってるね」

梓「っ!」ドキ

唯「可愛いねー、じゃあ…行こ?」

>>73
唯と律に同時送信とかだめだろ…別々にしないとバレるぞ…

律のケース

律「花火までまだ時間あるね、どうしようか?」

澪「お、お店でも回ろう」

律「わかった…って澪、どうしてそんなに恥ずかしがってるの?」

澪「は、恥ずかしがってなんか…」

律「でも、顔赤いよ?」

澪「…律の浴衣なんて珍しいし…その、髪型も…可愛いから」

律「…ありがとね、澪」

律「(澪の方がずっと可愛いっての)」

律「じゃ、おなか減ったし、何か食べ物買おうか?」

澪「う、うん!」

>>120
CCは同時送信者がわかるけど、BCCは見えないようになってるのさ

澪「あ…私大判焼食べたい!」

律「澪はあんこ派?」

澪「クリーム!」

律「そっか、じゃあちょっと待ってて」


律「クリーム2つと、あんこ1つください」

おじちゃん「あいよ!300円ね」

律「どうも」


律「はい、買ってきたよ」

澪「あ、ありがと…あれ?律、あんこだよね?」

律「うん?そだよ」

澪「クリーム2つ入ってるぞ?」

律「ああ、私は1個でいいから、澪食べなよ」

律「(澪の食べてる姿…可愛いからさ)」

BCCでも律には唯に送ってるのは見えるよね、とツッコミ入れてみる

>>1ごめん気にしないで

>>127
そうなんだ、参考になった

澪のケース

澪「はむ…おいひいよ、りふ」

律「そっか、よかったね」

澪「うん!…はっ!」

澪「(私…律に甘えてた?)」

澪「(だって、律がこんなにかっこよくて可愛いから…)」

澪「…律が悪いんだぞ」

律「ん?なにが?」

澪「なっ、なんでもない!律はどこ回りたい?」

律「うーん、金魚すくいかな」

律「んー…またダメだった…おっちゃん、もう1回!」

おじちゃん「あいよ、ほら」

律「今度こそー」

澪「(こういう所は変わらないんだな…)」

澪「あんまり熱中するなよ?お金なくなるぞ」

律「わかってるけど…なんか悔しいからさ」

澪「(そっか…昔から負けず嫌いだったっけ、律)」

澪「はいはい、じゃあそれで最後な」

律「えー」

澪「えーじゃない」

澪「そろそろ花火も始まるしな」

律「うん、わかった」

―――
律「取れなかった…」

澪「律は昔から金魚すくい下手なんだよな」

律「はは…そうだね、いつもおじちゃんにおまけしてもらってるな」

澪「あ…もうすぐ打ち上がるぞ」

律「じゃあ…あそこの高台、が少なそうだから、行こうか」

澪「う、うん」


澪「…」

澪「(どうしよう…言うべきかな?)」

澪「(…もしダメだったら律との関係が崩れちゃうかも…)」

澪「(でも…大学に行ったら律が離れちゃう…)」

澪「(…怖いよ…どうしよう)」


ドーン


律「あ、始まったみたいだね」

ドーン

澪「(やっぱり…言わない方がいいのかも…)」

澪「(律はこれから大学に行って…彼氏も作って…)」

澪「(…考えたくない)」

ドーン

澪「(あ…律の横顔…花火の光に照らされて…すごく綺麗)」

澪「…」

澪「(うん…やっぱり…)」


澪「(この気持ちは言うべきじゃ…ない)」

ドーン

律「(澪は今、何を考えてるんだろう)」

律「(進路のこと…?将来のこと…)」

律「(私のこと…?)」

律「(…なんてね)」

ドーン

律「(ここで私の気持ちを伝えたら…どうなるのかな)」

律「(馬鹿だな、で済まされちゃうのかな…)」

律「(でも…伝えたい。澪に知っていてもらいたい。)」


律「(伝えるべき…だよな!)」

律「澪」

澪「…ん」

律「…私のこと、どう想ってるの?」

澪「え…?」

澪「…大事な親友…かな」

律「そっか…」

ドーン

澪「…」

律「…あのさ」

律「…」


律「…それ以上の関係になりたい…て言ったら?」

澪「それ…以上…?」

律「なんていうか…その」

律「こういうのはどうかと思うんだけど…恋人…かな」

澪「…」

律「…はは、やっぱりおかしいよね、私」

澪「…馬鹿」ポロッ

律「澪…?」

澪「律のばか!」

律「ごめん…」

澪「ずっと…ずっと不安だったんだぞ…」

澪「律がいつ遠くに行っちゃうか…私から離れちゃうか…」

律「…澪」


澪「…律のこと…大好きなんだから…」

律「…私もだよ、澪」

澪「どこへも…行かないでよ」

律「うん…ずっと澪の隣にいるよ」


律「ほら、そろそろ花火もクライマックスだぞ」

ドーン


ドンッドンッ


パラパラ





澪「終わっちゃったみた」

チュ

澪「んむ!?」

律「ん…」

律「…私のファーストキス、澪にあげる」

澪「…ばか」

梓のケース

唯「やっぱり人が多いね」

梓「は、はい…」

唯「あずにゃん小さいから、はぐれないようにね?」

梓「なっ…だ、大丈夫です!」

唯「うーん…」

ギュッ

梓「えっ」ドキ

唯「手、繋いでればはぐれないもんね」

梓「(唯先輩と手繋いでる…夢みたい)」

唯「さ、あずにゃんはどこに行きたい?」

梓「あ、あの…唯先輩が行きたいところでいいです」

唯「うーん…じゃあ、取りあえず何か食べようか」

唯「そういえばあずにゃん、たい焼き好きだったよね」

梓「は、はい!」

梓「(抜けてるようで、些細なことまで覚えててくれるんだよね…)」

唯「ほら、あそこにたい焼き屋さんがあるよ」

梓「た…食べたいです」

唯「あずにゃん猫さんみたい」

梓「…」カァァ

唯「じゃあちょっと買ってくるから、待ってて」

梓「…手、離しちゃうんですか?」

唯「…ふふ、じゃあ一緒に行こうか?」

梓「…はいっ」

梓「このたい焼き…白いですね」

唯「うん、白たい焼きって言うんだよ」

梓「へえ…」パク

唯「どう?」

梓「おいひい…」

唯「でしょ」

唯「まだまだあるからいっぱい食べていいよ、あずにゃん」

梓「あ、ありがとうございます」

唯「あ、あっちには焼きそば屋さんがあるよ、行こう!」

ギュッ

梓「ちょ、ちょっと待ってください!」

梓「(食いしん坊なところは変わってないんだからっ)」

唯のケース

梓「あ、射的ですよ」

唯「ほんとだ、面白そうだね。あずにゃんやってみたら?」

梓「はい!」


梓「い、意外と重いです…この鉄砲」

唯「がんばれ、あずにゃんっ」

梓「きょ、距離も思ったより遠い…!」

唯「多少身を乗り出しても大丈夫だよ」

梓「こ、こうですか?」グググ

梓「わわっ!」ヨロ

唯「あずにゃん!」

ガシ

梓「あ、ありがとうございます」

唯「あはは、さすがに乗り出しすぎだよ」

唯「(あずにゃん…シャンプーのいい香りがする)」

唯「私が押さえてるから、よく狙ってね」

梓「…」

唯「…あずにゃん?」チラッ

唯「(わっ…顔が真っ赤だよ、あずにゃん)」

唯「(もしかして…私が押さえてるから…照れてるのかな?)」

唯「(あはは…そんなわけないよね…自惚れすぎだな、私)」

梓「…てください」

唯「え?」

梓「ちゃ、ちゃんと押さえててください」

唯「…まかせなさい!」

梓「よーし、あの猫のぬいぐるみを…!えいっ!」

ポンッ

ポトッ

唯「やったね、1回で命中したよ!」

梓「やった…!」



梓「これ…唯先輩にあげます!」

唯「えっ…?」

梓「唯先輩にもらって欲しいです!」

唯「…ありがとね、あずにゃん」


ドーン


唯「花火、始まったね」

梓「どこも人が多くて…あ、あそこに2人分くらいのスペースがあります!」

唯「うん、じゃあ座って見よう」
―――
ドーン

梓「綺麗…」

唯「うん、迫力あるね」

梓「(目にかかったほうの髪を耳にかける仕草…それだけなのに)」

梓「(なんでこんなに綺麗に見えるんだろう…)」

梓「(わかってる…唯先輩の全てが愛しく見える理由)」

梓「(でも…言葉にして伝えるのはやっぱり不安)」

梓「(伝えなければ…これからも今までどおりの軽音部…唯先輩)」

梓「(どうしよう…どうしよう…)」

ドーン

梓「唯…先輩…」

唯「んー?」

梓「あ、あの…」

唯「どうしたの?あずにゃん」

梓「…」

ドーン

梓「(だめ。やっぱり怖い…唯先輩に嫌われるのが怖い)」

梓「…ぬいぐるみ、大事にしてくださいね」

唯「…うん、もちろん」

唯「…」

ドーン

唯「(なに考えてるんだろう、私)」

唯「(告白…なんてあるわけないよね)」

ドーン


ドンッドンッ


パラパラ





唯「…終わっちゃったね」

梓「…はい」

唯「そろそろ帰ろうか」

梓「…はい」

唯「ねえ…歩いて帰らない?」

梓「…そうですね」

唯「…」


梓「…」


唯「…」


梓「…」


唯「…じゃあ、ここでお別れだね」

梓「…はい」

唯「また明日、部活でね」

梓「はい…さようなら」

唯「…ばいばい、あずにゃん」

梓「…」

梓「(やっぱり言えなかった…)」

梓「(好き…ただその2文字なのにね…)」

梓「…やっぱり弱虫だな…私」

梓「(…唯先輩たちが卒業して、1人になるのは辛い)」

梓「(軽音部がなくなるのは辛い…)」

梓「(でも…)」


梓「(唯先輩が離れていくのが一番辛い)」

梓「(これからも…唯先輩と一緒の時間を過ごしたい)」

梓「(引かれるかも知れない…嫌われるかも知れない)」

梓「(それでもいい…伝えなきゃ!)」

梓「(勇気を振り絞れ!私!)」

タタッ

唯「…」

唯「(あずにゃん…何か言いたそうだったな)」

唯「(…思い込みかな)」

唯「(卒業したら…あずにゃんと離れ離れになっちゃうんだ…)」

唯「(あずにゃんはギターも上手いし…きっと違うバンドを組んで…)」

唯「(きっと私のことなんか…いつか忘れちゃうよね)」

唯「(あずにゃん…あずにゃん…)」


ギュッ


唯「…え?」

梓「…」

唯「あず…にゃん?」

梓「…いつもの…仕返しです」

唯「…」

梓「唯先輩…引くかもしれないですけど…聞いてください」

梓「私…唯先輩のことが好きです…大好きです」

唯「…」

梓「何度も思いとどまろうとしました」

梓「でも…やっぱりこの気持ちだけは伝えたかった」

梓「自分の気持ちに…唯先輩に嘘つきたくなかった」

唯「あ…ずにゃ…ん」

梓「(唯先輩…ふるえてる…?)」

唯「わだ…し…だって…ずぎ…だっだんだからあ…」

唯「ちっちゃくて…可愛くて…私の面倒見てくれて…」

梓「唯先輩…」

梓「(一日中クールだった唯先輩が…泣いてる)」

唯「でももうすぐ卒業で…あずにゃんと離れなきゃいけなくて」

唯「ずっと…ずっと一緒にいたいんだからぁ…」

梓「良かった…私も同じ気持ちでした」

唯「絶対…離れちゃいやだよ」

梓「離れるもんですか…唯先輩こそ…一緒にいてくれなきゃ嫌です」

唯「うん…うん…」



梓「唯先輩…好き…大好き」

唯「私も…あずにゃんが大好き」

梓「じゃあ…帰りましょうか。家まで送ります」

唯「うん…」

梓「どうしたんですか?」

唯「私達、付き合うことになったの?」

梓「えっ…?そう…だと思いたいです…」

唯「じゃあ、キスして?」

梓「!こ、ここでですか?」

唯「うん、ここで」

梓「でも…」

唯「…いや?」

梓「そんなことないです!」

梓「…やってやるです!」

唯「んー」

梓「(この唯先輩の顔…ずっと見てたいなあ)」

唯「…」

梓「(先輩の顔がこんなに近くに…吐息がかかるくらい)」ドキドキ

梓「…」ドキドキ

梓「(ええい!勇気を出せ!梓!)」

梓「んっ…!」


チュッ


唯「…えへへ」

梓「…ドキドキしました…ホントに」

唯「私もだよ、あずにゃん」

唯「これで私達、恋人同士だね!」

梓「は、はい!」

唯「ずっと一緒だからね…あずにゃん」

梓「じゃあ…今度こそ送ります」

唯「うん…ってあれ?」


律「澪…あれって」

澪「見たことあるシルエットだな」


唯「りっちゃん!澪ちゃん!」

澪「やっぱりそうだったか」

梓「でも、お祭り来れなかったんじゃ…?」

律「?私達は、唯と梓が来れないって聞いてたけど?」

『なるほどね…』

唯「あ、それはそうと、2人に報告することがあるんだ」

律「お、奇遇だな、私達もだ」



唯・律「私達、恋人同士になりました!」

おわり

おまけ

紬「りっちゃん…なんて大胆な告白なの…」

紬「えっ!?このタイミングでキスを…あらあらあらあら」

紬「唯ちゃんたちも…この沈黙が…」

紬「きっと色々な葛藤があったのね…!」

紬「あ…!梓ちゃんから…!?」

紬「…みんな、素敵♪」

紬「本当によかったわ、上手くいって」

紬「お幸せに♪」

斉藤「紬お嬢様、鼻血が出ております」

見てくれてありがとう
最初の方の性格入れ替わりは伏線だと思っておいてくれ

んじゃGTAやって寝る

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