ちひろ「プロデューサーさんを寝取られそうで怖い」(14)

オナシャス

凛「プロデューサー何してるの?」

P「次のライブの構成をどうしようかって考えてたところ」

凛「私は?」

P「オープニングからアンコールまで参加してもらうつもりだ、次も期待してるからな」

凛「ありがと、本当にいつも」

P「何だよ、改まって」

凛「思った事を口にしただけ」

P「珍しい、レッスンのやり過ぎだ」

凛「プロデューサーがいるからかな、いつもより頑張れる」

P「はいはい、もう遅いんだからさっさと帰った」

凛「送ってよ」

P「見ての通り忙しい」

凛「じゃあ、レッスン頑張ったら考えてくれる?」

P「家に送った事なんて一度や二度の話じゃないだろ?」

凛「ううん、違う事」

P「あんまり変なのだったら却下だからな」

凛「大丈夫、楽しみしてる」

ちひろ「あら? 凜ちゃんまだ残ってたの?」

凛「少しプロデューサーと話してただけ、失礼します」

ちひろ「お疲れ様」

P「ふう」

ちひろ「あ、次のライブ?」

P「ああ、今回もアイドルが多いから大変だ」

ちひろ「じゃあ、今日も事務所に?」

P「泊まりだな、ちひろは帰るように。一緒に泊まったら俺の理性が持たない」

ちひろ「もう、何を言ってるの」

P「付き合ってるのに、彼氏として何もできなくてごめんな」

ちひろ「ううん、一緒にこうして夢に向かって頑張れてるから」

P「ちひろ」

ちひろ「Pさん」

凛「ごめん、プロデューサー」

P「どうした?」

凛「あれ、お邪魔だった?」

ちひろ「ううん、大丈夫」

凛「携帯忘れちゃって」

P「気を付けろよ、最近ちょっと多いぞ」

ちひろ「これでもう忘れ物ない?」

凛「うん、大丈夫。あ、最後に一つ」

ちひろ「凜ちゃん?」

凛「いつまでもプロデューサーが隣にいてくれると思ったら大間違いだから」

ちひろ「凜ちゃん、何を言って」

凛「それじゃ、今度こそお疲れ様でした」

P「どうしたちひろ? 顔色がおかしいが」

ちひろ「ううん、何でもない。私も今日は帰るね」

P「ああ……ん、メールか」

from凛 約束、忘れないでね

P「忘れないって、あれ? 俺いつアドレス教えたかな」

凛「……もうすぐ、もうすぐだよプロデューサー」

アンナオンナカラ カイホウシテアゲル

凛「おはよプロデューサー。構成、決まったんだね」

P「凜には前に伝えた通りだ、大丈夫か?」

凛「もちろん、これから忙しくなるね」

P「凜なら平気だ、信じてるからな」

凛「私も信じてるよ、だからプロデューサー」

P「凜?」

凛「ねえ、私がいない間ちひろと何してた?」

P「ちひろさん? 普通に仕事してるだけだって」

凛「へえ」

P「おい、抱き付くなって」

凛「ちひろさんともしてたよね?」

P「……凜、お前」

凛「じゃあこれも普通の仕事だよね。ねえ、腕を背中に強く抱きしめて。頬に触れて、頭を撫でて、そして――」

P「止めろ!」

凛「いいの? アイドルを突き飛ばして」

P「元はと言えばお前が」

凛「アイドルの気持ちに気づかずに事務員と付き合う方が酷いと思うよ」

P「俺とちひろさんはそんなんじゃない」

凛「それ、ちひろさんの前でも言える?」

P「凛……あのな」

凛「言ってよ、ちひろさんと俺は付き合ってないって。事務所のアイドルみんなの前で」

P「他のアイドルまで巻き込むな」

凛「分かってないんだ、まゆとかあんなに分かりやすいのに」

P「それは」

凛「気付いてるよね? 気付いてて流して、ちひろさんにはあっさりと靡くんだ」

P「どうして気付いた?」

凛「忘れ物って言ってたあの携帯、携帯じゃないんだ」

P「まさか、事務所を盗聴してたのか?」

凛「人聞きの悪いこと言わないでよ、私は事務所の平和を守りたいだけ。私がこの事を皆に言ったらどうなるかな?」

P「何も起こらない、凜も人には絶対に言うな」

凛「何も起こらないのに隠すんだ、矛盾してるよ。笑っちゃう。笑ってたんだよね? 私の知らない顔で、あの女とここで!」

P「ちひろには何もするな、責任を取れと言うなら俺が取る」

凛「辞める必要はないよ、一つお願いを聞いてくれたらいいんだ」

P「お願い?」

凛「うん、あのね」

奈緒「お、おい……」

加蓮「何あれ」

ちひろ「凜ちゃん、これは」

凛「ちょっと事務所を整理しただけ、机の距離が離れちゃったけど気にならないよね?」

ちひろ「ええ、プロデューサーさんが許可したのなら私は」

凛「この方がすっきりすると思うんだ、こうして衝立でもしておけば仕事に集中できるでしょ?」

加蓮「ちひろさんとPさんの席の周りにあんなの立てて」

奈緒「どうしちゃったんだよ、中で何してんだ?」

凛「プロデューサーもこれで安心して仕事に集中できるよね……普通の仕事に」

P「ああ、だからもう」

凛「駄目だよ、もっと強く抱きしめてくれないと。ね? もっとだよ、プロデューサー……もっと」

この薄い壁の向こうで何が行われているか、私はまだ知らない。

次、誰か頼んだ

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