サーニャ「エイラ、クロコダイルって知ってる?」 (26)

エイラ「なんだソレ?」

サーニャ「これよ」ゴソッ

エイラ「ちゅ、注射器?」

サーニャ「これをね……。こうやって」プスッ

エイラ「さ、サーニャ! 急になにやってんダヨ!」

サーニャ「あ……やばい……」

エイラ「サーニャ! こ、こんなもの危ないぞ」ガシッ

サーニャ「エイラ……?」クラッ

エイラ「サーニャ! どうしたんダ!? 大丈夫なのカ!?」

サーニャ「エイラ……このままあの山の向こうまで飛んでイケそう……」

エイラ「なに言ってるンダ……目を覚ますんだサーニャ!」

サーニャ「ああ気持ちいい……」

エイラ「サーニャ?」

サーニャ「エイラ、これ凄いの。エイラもやってみない?」

エイラ「わ、私はいいんダナ……。それよりもう大丈夫なのかサーニャ?」

サーニャ「ええ。でも今もとっても幸福な気分なの」

エイラ「よくわかんないけど……。何かの薬なのカ? どこか体が悪いんなら宮藤にでも……」

サーニャ「心配ないわエイラ。これを打つと気持ちよくなれて……」

エイラ「そうか……。サーニャが問題ないって言うなら別にいいんダナ。でもさっきはちょっとびっくりして」

サーニャ「ふふ、エイラは心配性なんだから。これは最近オラーシャで流行ってるおクスリなのよ」

エイラ「そ、そうなのか」

エイラ「ちょっと私はそこらへん散歩してくるんダナ」

サーニャ「わかったわ」

エイラ「……。あとあんまりそれ……」

サーニャ「?」

エイラ「なんでもないんダナ! それじゃ!」

バタン

エイラ「はあ……」

エイラ「(本当に大丈夫なのかアレ……?)」

エイラ「(ていうか腕まくったサーニャの皮膚が変色してたぞ)」

エイラ「(いっぱい注射跡あったし何回もやってるのか?)」

エイラ「(最近部屋で変なにおいするのもあれから漂ってきてるみたいだしな)」

エイラ「なんでもないといいんだケド……」ハァ

坂本「はっ! やっ! はっ!」ブンブン

坂本「ふう……。疲れたな、水でも飲むか」

坂本「いやその前に……」ゴソゴソ

坂本「これを一発打っておこう」

坂本「サーニャにもらったこのクスリはどうも精神を向上させる効果があるみたいだ」

坂本「これがあるとより訓練に集中できて本当にいいものだ」

坂本「今度宮藤とリーネにも薦めてみるか! はっはっは!!」

食堂

エイラ「あー、宮藤」

宮藤「エイラさん! ご飯ならもうすぐできるから待ってくださいねー」

エイラ「違うんダ。ちょっと話があるんだけどいいか?」

宮藤「ごめんなさい……。今お料理中なので」

リーネ「あとは私がやるから大丈夫だよ芳佳ちゃん」

エイラ「あいや、料理作りながら聞いてもらっても構わないんダ」

宮藤「そうですか? エイラさんがいいならそれでいいですけれど。それで話ってなんですか?」

エイラ「うん。クロコダイルって薬知ってるか?」

宮藤「くろこ……? えっとごめんなさい、わかんないです」

エイラ「そっか。知らないなら別にいいんだ」

宮藤「それがどうかしたんですか?」

エイラ「サーニャがその薬を注射器で打っててさ」

宮藤「もしかしてサーニャちゃんどこか体が悪いんですか!?」

エイラ「そうじゃない。どこも悪くないらしいんだけどそれ打つとなんか気持ちよくなれるらしくてサ」

宮藤「よくわかんないですけど、そういう理由でお薬を使うのはよくないですよ」

エイラ「だよナ……。わかった、サーニャにそう言ってくる」

宮藤「はい! ところでサーニャちゃんはそのお薬を前から使っているんですか?」

エイラ「今日はじめて私に薬のことを教えてくれたんだ。でも腕にある注射痕を見た感じもう何回も使ってるみたいだったケド」

エイラ「それになんか皮膚が緑に変色しててサ……正直気持ち悪くて、そんなのサーニャの肌に悪いし」

宮藤「そうですね……。私も後でサーニャちゃんの腕見せてもらって治してあげますよ」

エイラ「助かるんダナ宮藤」

宮藤「いえ!」

エイラ「サーニャー」

コンコン

エイラ「寝てんのカー? 入るゾー」

ガチャ

サーニャ「エイラ……?」

エイラ「サーニャ、毛布なんて被ってどうしたんダ。眠いのか? それとも寝るとこだったら、悪いんダナ」

サーニャ「ううん違うのエイラ」

エイラ「……?」

サーニャ「なんだか……むかむかっていうか変な感じがするの」

エイラ「サーニャ?」

サーニャ「エイラお願い。もう一度あれを打たせて」

エイラ「サーニャ! それは駄目なんダナ。実は今宮藤に聞いてきたんダヨ」

エイラ「体のどこも悪くないのに薬を使わないほうがいいッテ」

エイラ「それに薬ってそんなハイペースで使うもんじゃないと思うゾ……」

サーニャ「お願いエイラ……」

エイラ「駄目だって言ったら駄目なんダナ……。これもサーニャのことを思ってなんダ。これは私が処分しておくから――」

サーニャ「うるさい!! 早くソレを寄こして!」ガバッ

エイラ「サーニャ落ち着けッテ! うわ、駄目だって取るなサーニャー!!」

サーニャ「はあはあ……」

プスッ

エイラ「あっ……」

サーニャ「ふぁああ……」

サーニャ「凄い……本当にすごいわこれ……」

エイラ「サーニャ……」

サーニャ「エイラ、やっぱりエイラもこれを使うといいわ」

エイラ「……っ。サーニャのバカ! もう知らないんダナ!!」

ガチャ

バタン!

サーニャ「エイラ……」プスッ

ミーナ「はあ……」

ミーナ「こうやって椅子に座ってるのも疲れるものね」

ミーナ「肩も凝るし……。あ、そういえばサーニャさんにもらったあの薬を使ってみようかしら」

ミーナ「あれでこんな疲れも吹っ飛ぶわ」

ミーナ「どこにあったかしら……」ゴソゴソ

ミーナ「……」ゴソゴソ

ミーナ「どこ……どこなの」ゴソゴソ

ミーナ「ない! 切れてるじゃないの!!」バン

ミーナ「いらいらするわね。サーニャさんにもらいに行くしかないわね」

ミーナ「早くアレ使わないと……」

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