ハゲ「絶対に、生き延びてやる……!!!!」 (6)

西暦20XX年。
世界は、狂気の独裁政権『鼻毛キングダム』に完全に支配された。鼻毛キングダムは人種差別政策を開始し、一部の人間への弾圧を開始した……
ハゲと天パは受精卵の段階で識別され、『国定毛髪異常者』に認定される。毛髪異常者に認定されたものは、人権を剥奪され、一部の隔離地域に追いやられ、地獄の様な生活を一生強いられるのだ……
反対する者も出たが、すぐさま警官隊に容赦無く鎮圧され、たちまち反対派は消え失せてしまった。
この絶望の世界で、一体彼らはどう生き延びれば良いのか……


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ーーーートーキョーシティ、シンジュク

一人の男が、ひたすら走っていた。何の当てもなく。ただただ逃げ続けていた。

ハゲ「ハァ、ハァ、クッ!!!」

警察A「待て!!このハゲ野郎があ!」

彼は国定毛髪異常者の中でも、最も重度の異常者であると見なされているM型毛髪異常者<M字ハゲ>であり、昨日トーキョーシティ郊外に位置する多摩第二健康管理センターから脱出してきた。
この世界では夜九時以降の外出が一般人でも硬く禁じられており、それどころか外出するにもIDカードが無ければ厳しく罰せられる。
郵便物は開封され、電話・インターネットも盗聴される。
街には無数の監視カメラと警備ロボットが徘徊し、多数の警官と協力して鉄壁の監視体制を整えている。
毛髪異常者が脱出を試みる事は最早自殺行為である。そう、通常の毛髪異常者なら不可能だ。しかし、彼は違った。

彼は卓越した情報網と持ち前のハッキング技術を駆使して、ここまで監視をなんとかくぐり抜けて来た。しかし、小さなミスが災いし当局に完全にマークされてしまったのだ。
彼は完全に包囲されてしまったのだ。逃げ道はもう残されていないであろう。しかし、彼は走り続ける。この絶望の世界を……

ハゲ「ふぅ……ここならバレねえか……?」

警官B「クソッ!見失ったか…すばしっこいハゲ野郎め!!」

警官A「まあ落ち着け。これを使う………」

警官Aが取り出した物……それは小さなパラボラアンテナがついた小型のレーダー。
これから投射されるレーダー波はハゲ頭に反射し、ハゲがいる座標をくっきり指し示すのだ。

警官B「ふへへ…これでてめーを炙り出してやんよ!!つるっぱげ野郎があ!!!」

ハゲ(……クッ、これまでか……)

ハゲも諦めた、その次の瞬間!

バリカン「ぶいーんwwwwwwwwwwwwぶいーんぶいーんwwwwwwwwwwwwwwwwww」

警官A「ん?!何の音だだ?!」

警官B「…え……っておい!!お前……!!!!」

警官A「なんだ?!どうしたんだ?!」

警官B「ハ、ハ、ハゲてるぞ?!!!」

警官A「……お、おいおい。悪い冗談はよしてくれよ。俺はこの通りフサフサ……」

ハゲ頭「つるりーん」

警官A「……え?え?え?えええ?」つるっつるっ

警官B「……気の毒だが、お前はハゲている……手を地面に付けて、IDカードを提示しろッ……」

ハゲ警官A「うわああああああああああああああああああああああああああああああ」


ハゲ「…ん?どうやら助かった……のか?
誰かがアイツの髪を刈って……一体誰が刈ったんだ?
一体、誰が……」

???「よっ!」

ハゲ「……?」

???「あいつの毛を刈ったのは俺だが……呼んだか?」

ハゲ「ーーーーッ?!」ババッ

???「おいおい、ビビんなって。ほらよ!」カポッ

アフロ「俺も毛髪異常者さ!ハゲジジイ!」

これは期待しかない


おもしろい

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