ライナー「ミカサ、もう限界だ」(226)

~対人格闘訓練中~

ライナー「毎回毎回、八つ当たりされる俺の気持ちになってみろ」
ミカサ「口答えは必要な」ガシッ
ミカサ「っ!?」
ライナー「お前がエレンを愛しているのは分かっている。建て前は家族だが、恐らくそれが恋愛対象に向けられる類のものだってこともな。
だから、お前にはあれが気に食わないんだろう。俺も気持ちは分かる」ユビサシ

アニ「」グググググ
エレン「あにやめてかおちかいむねあたってる」ブクブクブク

ミカサ「………」

ミカサ「分かっているようだ。
私には女狐を駆除する義務がある。
ライナー、あなたは私の対人格闘の成績を知っているはず」
ライナー「ああ。いつも嫌と言う程味わっているからな」
ミカサ「逆らわない方が身のため」
ライナー「…ミカサ。
お前には言っても無駄かもしれないが、寝技は対人格闘訓練の一環として認められている。
その証拠に、教官が注意しに来ないだろう。アニは、何も間違ったことはしていないはずだ」
ミカサ「違う。あなたは分かっていない。そんなことは重要ではない。
このままではエレンの体に女狐の匂いがついてしまう。
それこそが一番の問題」

ライナー「はあ…。
お前のエレンへの執着心の強さはお墨付きだからな。百歩譲って、アニは女狐発言は目を瞑るとしよう。
だが、何故そこから俺が投げ飛ばされることに繋がるんだ」
ミカサ「あなたには関係ない」
ライナー「お前に投げ飛ばされる張本人に向かって、関係ないってのはないんじゃないのか?」

ミカサ「ライナー、無駄口を叩かないで欲しい。あなたが長々と話している間に、アニとエレンが離れてしまった。
これでは私がライナーを投げつける理由がない。ので、戻る」スタスタ

ライナー(…ふう。何とか今回は助かった…のか)
ライナー(ミカサの気持ちも確かに理解はできるんだが、あいつはそれが行き過ぎているふしがあるな)

ベルトルト(ライナー…。
君は正真正銘の戦士だ…!!)

改行してるつもりなんだけど、もしかして反映されてない??

ライナー「毎回毎回、八つ当たりされる俺の気持ちになってみろ」
ミカサ「口答えは必要な」ガシッ
ミカサ「っ!?」

じゃなくて

ライナー「毎回毎回、八つ当たりされる俺の気持ちになってみろ」

ミカサ「口答えは必要な」ガシッ

ミカサ「っ!?」

みたいにもう一行空白挟んでってことだと思う。

指摘してくれてありがとうございます!!

~10分後~

アニ「ぁん//」

エレン「ばっ!?今のはそのわざと触ったわけじゃなくてそのあばばばばば」

アニ「………おしおき」グググググ

エレン「ゆるしてあにやめてかおちかいむねあたってる」ブクブクブク

ライナー(デジャブ…完全再現…そして背後に殺気を感じる…)

ミカサ「ライナー、出番」ダダダダダ

ライナー(…ハァ。10分前に真心込めて送り出した俺の願いは、どうやら砂埃と一緒に塵になったらしい)

ライナー(それにしてもなんつー速度で走って来るんだあいつは)

ライナー「おい、ミカ

ミカサ「ライナー。私に情を求めるのは間違っている。なぜなら、今は心の余裕と、時間が無い」

バキッ ボキッ ドゴォッ メキッ
ギャアアアアアアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!!

ベルトルト「ライナアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!!」

ヒュウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
ドゴオォォ

エレン「何でライナーが飛んでくるんだよ!?…ってか、大丈夫かアニ!?」

アニ「いたた…」

エレン「おい、血が出てるじゃねえか!!あ、ミカサ丁度いい所にいた、教官に知らせてきてくれ!!」

ミカサ「その必要はない。
そこにいるのはあなたを騙そうとする女狐、然るべき報いを受けただけ。
ので、エレンは私と組むべき」

エレン「ハァ!?意味がわからねぇよ!!怪我してるんだから、教官を呼びに行くのは当たり前だろ!?」

ミカサ「エレン」ゴゴゴゴゴ

エレン「いや、圧力かけても駄目だから」

アニ「………エレン、私のことはいいから、ミカサと組んできな」

エレン「で、でも、血が………」アセアセ

アニ「これくらいの傷、私一人で何とかできるよ」

エレン「アニがそう言うなら…」

ミカサ「そう、それでいい」スタスタ

ライナー「………おいアニ、本当に大丈夫か?」

アニ「ああ、あんた生きてたんだ」

ライナー「勝手に殺さないでくれ」

アニ「………今日は、かなりまともに命中したね。日に日にミカサのコントロールが良くなっている気がするよ」ハァ

アニ(エレン、私に怪我をさせた張本人のミカサに、何のためらいも無く付いて行ったな………。
分かってはいたけど、やっぱりエレンの中では何があろうとミカサが一番か………)グスッ

ライナー「………あいつ…さすがに………許さんぞ………」ギギギギギ

アニ(えっ!?ライナー何か凄い怒ってるんだけど!?どう見ても怒ってるよねこれ!?
ライナーがこんなに凶悪な顔してるの初めて見た!?えっ!?私何かした!?)ガクガクガク

~夕食時~

ライナー(初めの頃はエレンの母親含む多くの人類を殺した、そしてこれから殺してしまう罪悪感も手伝って、ミカサの暴力を許容していた)

ライナー(………だが、さすがにもういいだろう。かれこれ半年は続いている。俺に身体再生能力がなかったら、とっくに死んでいてもおかしくない)

ライナー(それにそもそも、俺達は悪いことをやっている訳ではないからな。
人間だって巨人を殺す。それと何ら変わりはない。
善悪の基準なんて、立場と場面によってコロコロ変わるんだ、あてにならない)

ライナー(勿論訓練兵はいい奴ばかりだし、こいつらを殺してしまうのは良心が痛む。
だがこれは俺達に与えられた義務だ。不可抗力だ。仕方がないことなんだ。それにグチグチ言っても仕方がない)

ライナー(つまり、俺は兵士であり、巨人を残らずブチ殺せばいいわけだ………あれ?何か矛盾してるような)

ライナー「」シンキングタイム

ベルトルト(ライナーが見たこともないような表情で、無言でパンを頬張ってる)

ベルトルト(普段明るくて頼れる兄貴分の君がそんなんだから、食堂は完全にお通夜ムードだよ。君は気付いているのかい………?)

サシャ「パァン!!!!!blood!!!!!」ヒョイッ バクッ

コニー「それは!!!!!俺の!!!!!パァン!!!!!お前のは!!!!!そこの!!!!!パァン!!!!!」

ユミル「………うるせえ。空気読め」

クリスタ「………サシャ、一応訂正しておくけど、パンはbreadだよ」

ベルトルト(………あの二人は除いて、だけど)

ベルトルト(………ああ、そうか。ライナーは、戦士としての自覚を取り戻したんだ!!そうに違いない!!
それで、兄貴分キャラをリセットしようとしてるんだね)

ベルトルト「ライナー…。
僕は君を誤解していたみたいだよ。
疑った僕が間違っていた」

ライナー「………何の話だ?」ジロッ

ベルトルト(ヒィ!!………やっぱり、あんまり機嫌は良さそうじゃないな)

アニ(怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いライナー怖いライナー)ガクガクガク

ライナー(巨人とて痛覚はある、ことあるごとにミカサにバキボキやられるのがどれだけ痛みを伴うか……)

ライナー(いや、割と本当に痛いんだぞ!?女型の巨人にワイヤーヒュンヒュンされて、遠心力で全身複雑骨折するのを日課にしてるようなもんだからな。
あれ?意外と魅力的かも)ハユン

ライナー(いや、断じて俺はマゾじゃないぞ。ちなみにホモでもない、俺はちゃんとノンケだ。オカズはちゃんと女だ)

ライナー(というか俺はさっきから誰に向かって話してるんだ)

ダズ「空気重過ぎオロロロロロロロロロロ」

ジャン「デリケート過ぎるだろあいつ……」

ライナー(自分で言うのも何だが、大した精神力だと思う。毎日あれに耐えるなんて)

ライナー(………真面目な話、身体を再生するのには結構なエネルギーを使う。
この調子で理由のない暴力を振るわれ続けるようだと、俺の体が持たない)

ライナー(………いや、一番の理由はそこじゃない)

ライナー(ミカサはアニを傷付けた。
おそらくアニは、エレンのことが好きだ。ミカサと違っていつもエレンとべたべたしている訳ではないし、感情が表に出ないから分かりにくくはあるが………。
俺は確信を持ってそう言える。
アニが、あの氷の女が、エレンといるときだけ、昔のような笑顔を見せるんだ。
俺やベルトルトではもはや役不足だ。エレンの独特の素直さ、幼さがそれを引き出しているのかもな)

(とにかく、俺はアニには心から、幸せになって欲しいと思っている。それはベルトルトも同じだろう。アニは俺達の同郷であり、幼馴染みであり、何よりかけがえのない友人なんだからな)

ライナー(ミカサは殆どいつもエレンにべったりなのに対して、アニがエレンとまともに関わる機会は、対人格闘訓練の時間くらいしかない)

ライナー(いくら独占欲が強いといっても、アニのほぼ唯一のチャンスを、力づくで奪いに来るってーのは、さすがにフェアじゃないんじゃないか?)

ライナー(そもそもアニは対人格闘のルールの範囲内でやっている訳で、
とやかく言われる筋合いはない)

ライナー(それに、ミカサはエレンと交際している訳ではないんだろう?
エレンとミカサの間に何があったのかは知らないが、少なくとも俺にはミカサが感情に任せて行動しているようにしか見えない。ただ単に、気に食わないから暴れている、としか映らない。
それはいくらなんでも、自分勝手過ぎると思うんだがなあ)

ライナー(………まあ、ミカサの気持ちも分からないことはないがな)

ライナー(もしクリスタが他の男に寝技かけられてたら、俺はそいつをトマトスープにしちまうだろうな。その後でクリスタの胸を触ったそいつの手でしごいたそいつの超大型巨人が触れたそいつのパンツを貰えばいい」ブツブツ

アニ「」

ベルトルト「ライナー、さっきのは取り消すよ。忘れてくれ。忘れろ」ドガァッ

ライナー「ファッ!?」

~翌日~

エレン「クリスタ!!また馬術教えてくれねぇか!?」

ミカサ「エレン、私が教え

クリスタ「いいよ~。馬術は軽視している人が多いけど、エレンはいつも真剣にやってくれるから教えがいがあるなあ」ニコッ

ユミル(天使)

ライナー(結婚しよ)

ミカサ「」

ミカサ「」ゴゴゴゴゴ

ライナー(………来る)ゾクゾクッ

ミカサ「ライナー」ダダダダダ

ライナー「おい、ミカ

バキッ ボキッ ドゴォッ メキッ
ギャアアアアアアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!!

ベルトルト「ライナアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!!」

~さらに翌日~

ミカサ「エレン、頬に食べかすがついている」ヒョイッ パクッ

エレン「ばっ!!だからそれくらい自分で取るっていつも言ってるだろ!!」

エレン「それに人の食べかす取って食べるとかどんな神経してんだよ、
汚ねーだろ」

ミカサ「」

ジャン「おい死に急ぎ野郎!!!!!黙って見てれば羨ましいんだよこの野郎!!!!!」ガタッ

エレン「ハァ!?意味分かんねーよ!!!!!この馬面野郎が!!!!!」ガタッ

ミカサ「」イラッ

ライナー(あっ、ジャン死んだな)

ライナー(ところでミカサは何で俺の方を見ているのだろうか、
物凄いスピードで俺に接近してきているのは気のせいだろうか)

バキッ ボキッ ドゴォッ メキッ
ギャアアアアアアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!!

ベルトルト「ライナアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!!」

~そのまた翌日~

ライナー「………そしたらよ、そいつのケツが急にパックリ開いて、俺にミルクをくれ!!ってしゃべったんだよ」

アルミン「ブフゥwwwww」

ベルトルト「ブホォwwwww」

コニー「なあお前ら、ライナーが何を言ってるのか分からないのは、俺が馬鹿だからじゃねぇよな!?」

ライナー「だから俺は………ん?」

ダダダダダダダダダダ

ライナー「」

ミカサ「ライナー」ダダダダダ

ライナー「おい!!!!!せめて理由を言え!!!!!今俺は状況を全く理解できていな

バキッ ボキッ ドゴォッ メキッ
ギャアアアアアアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!!

ベルトルト「ライナアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!!」

~あの対人格闘の日から6日が経過し、立体機動訓練~

キース「今日の立体機動訓練は、3人1組の班を作って行う」

キース「いくら個人の技量が高かろうと、集団行動の出来ない者は足枷以外に成り得ん。そんな兵士は、一刻も早く巨人の餌になって貰う方が、我々人類の為だ」

キース「心して励むように」

一同「「はっ!!!!!」」バッ

ライナー(最近、疲労が取れにくくなってきている)

ライナー(毎日のように身体再生を行っているツケが回ってきたか)

ライナー(俺の班はトーマスと………うっ、よりによってミカサか)

ライナー(エレンとアニは同じ班になったと聞いたし、修羅場は逃れられそうにないな)ハァ…

トーマス「ライナー、ミカサ、よろしくな!!
それにしても、中間成績発表で1位と2位の奴がいる班に、平凡な成績の俺が突っ込まれちまうとは……。
ごめんな、多分足を引っ張ることになると思う」

ライナー「気にするな、それに今回の訓練は、そういう訓練でもある。
そもそも俺だって立体機動でミカサに付いて行くのは無理なんだ、似たようなもんだ」ポンポン

トーマス「そりゃあ、立体機動でミカサについていけるのはジャンくらいだぜ」アハハ

ミカサ(ジャン……ジャンふぜいが私についてこれるはずがない……)ギロッ

トーマス(ヒィ!!!!!何か俺悪い事言ったか……?)ガクガクガク

トーマス「お、俺これでも立体機動の点数が一番いいんだぜ!!
と、とにかく遅れないように精一杯やるぜ!!」

ライナー「ミカサ」

ミカサ「なんで私がエレンと同じ班じゃないの、おかしいこんなことは許されない」ブツブツ

ライナー「分かっているとは思うが、今回の訓練は集団行動だ、
勝手な単独行動は許されない」

ミカサ「班を決めたのは誰?あの禿げで超大型巨人にちょっと顔が似ている教官?ケウスとかいう名前の?」

ライナー「お前だけじゃない、俺達の成績も、安全も懸かっているんだからな。
あと教官の名前はキースだ」

ミカサ「おまけにエレンとあの女狐が同じ班だと聞いた。あってはならないこと。あの教官には然るべき報いを」

ライナー(駄目だ、言葉が通じる気がしない)

キース「第13班、訓練開始!!」

ライナー「よし、行くぞ!!」パシュッ

トーマス「よっしゃあ!!」パシュ

ミカサ「」シュパシュパシュパシュパシュパシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ

ライナー「」

トーマス「」

ライナー(やはりか……。
まあ、急いでいる理由は大方予測がつく。
この訓練は、直線状のコースに班ごとに決められた数の巨人が設置されている、
言わばタイムレース形式だ)

ライナー(アニとエレンがいる第7班は、15分前にスタートしている。
いくらミカサと言えども、追いつくことは出来ないだろう。一刻も早くゴールして、2人っきりでいる時間を出来るだけ減らそうって魂胆だろうな)

ライナー(だがミカサ、それは決して賢明とは言えない行動だ。
巨人は数が多く、配置のされ方もバラバラ。1人でその全てを討伐しようとすれば、まずガスが持たない上ブレードの消耗も激しい)

ライナー(3人で協力しながら行動する方が圧倒的に早く、結果的に安全性も成績も高くなるはずだ)

ライナー(………だが、ミカサにそう言った所で通じる訳が無いし、
そもそももはや声が届かない所まで行ってしまった)

ミカサ「」ズババババババババババザクザクザクザクザクザク

ライナー(人間の動きじゃねえ)

ライナー「……トーマス、ミカサは気にするな。俺達は焦らず自分のペースで行くぞ。
ミカサが見落としている巨人がいないかどうか確認しながら行こう」パシュン

トーマス「……ああ、そうだな」パシュウウゥ

~出発から20分経過~

ヒュウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥン……………
ドゴオオオオオオオオオオォォォォォ……………グシャッ!!

ライナー「トーマス……。
今物騒な音が聞こえてきた気がするんだが、俺の気のせいだろうか」パシュウゥゥ

トーマス「いや、俺も確かに聞こえた。
嫌な予感がする。急ごう」キュイイイィィン

ライナー「ああ」バシュッ シュンッ

ライナー「………おい、これ」

ミカサ「」チ-ン

トーマス「お前……ミカサ……か……?」

ライナー「ガス欠で墜落したのか……。
ミカサの事だ、これくらいで死ぬことはないだろうがな」

トーマス(いや、普通の人間なら死ぬって。どう見ても手足変な方向に曲がってるし冷静に考えなくてもやばいでしょこれ)

ライナー「取りあえず訓練は中止だな。
怪我人を医務室に運ぶのが先決だ。
トーマス、お前は教官にこのことを報告してくれ、俺がミカサを運ぶ」ヒョイ

トーマス「なあ、ライナー……。
何でこの状況でそんなに冷静でいられるんだよ、どう見てもミカサ死んでるだろ!!」バッ

ライナー「………へ?
いや、ミカサが死ぬはずねえだろ。ほら」

ドク……ドク……ドク……ドク……ドク……

トーマス「」

トーマス「普通に脈あってワロタ」

ライナー「ミカサだからな」

トーマス「分かった……。
俺は教官に報告してくるよ」パシュッ…

ライナー「ああ、頼む。
俺は後から行くぜ」

ライナー(ミカサ……。
ついにボロが出たか、自業自得だ)

ライナー(入団した当時は、
今時珍しい東洋顔の美少女ってイメージだったんだがなあ………寡黙な方ではあったが他の女子とも割と話していたし、何より冷静で周りを見れる奴だった)

ライナー(それで成績が良かったから、人望も厚く、あいつをリスペクトする輩も少なからずいたと記憶している)

ライナー(それが……なあ)

ライナー(どうして、いつからこんなになっちまったんだ)

ライナー(今回の件も、
ミカサ、お前じゃなかったらまず死んでいる致命的な事故だ)

ライナー(………というか実を言うと俺もトーマスと同じ意見だ、
何でお前普通に生きてるんだよ……)

ライナー(………ミカサだからか、そうだよな)

~訓練終了後、医務室~

ライナー「ミカサ、入るぞ……って、さすがにまだ意識は戻ってないか」コンコン ガチャッ

ベルトルト「両手両足骨折、肋骨にヒビ、全身数ヶ所打撲、そして軽めの脳震盪だもんね……」スタスタ

ミカサ「何か用?ライナー、ベルトルト」ムクッ

ライナー「」

ベルトルト「」

ミカサ「そうだライナー、ちょうどいいところに来た」ギギィ… スタッ

ライナー「………俺はお前が………そうかミカサだもんな、仕方ないか」キリッ

ベルトルト「ミカサ、両手両足を骨折したんじゃなかったのかい?
見た感じ、何の問題もなく立てているように見えるけど………」

ミカサ「私は自分の肉体を意のままにコントロールできる。ので、あの程度の怪我なら30分もあれば完治できる」

ライナー「お前もう人間としての域を越えてるだろ」

ライナー(それに、自分をコントロールできるなら始めからこんな事故起こすなよ……)

ミカサ「あなたには関係ない。
それよりも、ライナーあなたとトーマスが遅過ぎるせいで、女狐にエレンと2人きりになる時間を与えてしまった。
どうするつもり」ジリジリ

ライナー「」ムカッ

ライナー「ミカサ、それはお門違いってやつだぞ。
そもそも訓練に、そういった私情を持ち込む事自体が間違っているんじゃないのか?」

ミカサ「ライナー、黙って」ゴゴゴゴゴ

ライナー「それにだ。
あくまで結果論ではあるが、
お前が俺とトーマスと協力して動くことによるタイムロスと、お前が単独行動をした結果こうして医務室に閉じ込められているタイムロスでは、圧倒的に後者の方が
ミカサ「ダマレ」ニコォッ

バキッ ボキッ ドゴォッ メキッ
ミカサ「~♪」スタスタ

ライナー「」

ライナー「」…ブチッ

ベルトルト「………」

~夕食時~

アニ「エレン、隣いいかい?」

ミカサ「いい訳がな
エレン「いいぜ、座れよ」

ミカサ「」

アルミン(ああ……もはや胃が痛いよ)キリキリ

アルミン(ミカサがいない間に、エレンが立体機動中にバランスを崩したとは言え、アニがエレンをお姫様抱っこしてゴールしたなんて……口が裂けても言えないよ……)キリキリ

コニー「おっ!!カップルの2人じゃねえか!!!!!」ババ-ン

アルミン「」

アルミン「ちょっ……コニー!!」

コニー「いやー、まさかエレンとアニがそういう関係だったなんてな!!」ハ-ッハッハッハ、シラナカッタゼ

ザワザワ オイマジカヨ ハツミミダゼ

サシャ「意外ですよねー!!!!!
今日の立体機動訓練で、アニがエレンをお姫様抱っこしてるのを見た時は目を疑いましたよ!!!!!」ベベ-ン

サシャ「まあ、お似合いでしたけど」シレッ

ワ-ワ- ヒュ-ヒュ- マジカヨ オヒメサマダッコトカカクテイジャン

アニ「//」カアァ

エレン「ばっ!!ちげーよ!!それはただ……」アセアセ

オイ、エレンモアニモカオアカイゾ コリャモウカクテイダナ キ-スシネ

アルミン「」チ-ン

ミカサ「アルミン」

アルミン「」

ミカサ「アルミン」ゴゴゴゴゴ

アルミン「ハッ!!!!!何でございましょうか!!!!!」ババッ

ミカサ「さっきの話は本当?」

アルミン「ああいい天気だなー明日は馬術だからなーこのまま晴れるといいなー」

ミカサ「アルミン」

アルミン「ラッタララッタッタララララララララッタララララララララララララララッタララッタッタラララララララタララララララララララララ-」

ミカサ「アルミン」ゴゴゴゴゴ

アルミン「ヒィ!!!!!ほ、本当なんじゃないかなあ!?アハハハハハハハ……」ガクガクガク

ミカサ「そう。アルミン、話がある」

アルミン「内容は火を見るよりも明らかだけどね」ハァ…

ミカサ「エレンのこと。
アルミンはその場にいたの?」

アルミン「まあね。もう1人がダズだったのが原因で、第7班はゴールがやや遅れたんだ。僕は第5班だったから、とっくにゴールしていたからね」

ミカサ「アルミンが、止めるべきだった。
私はその場にいなかった。いたらあの女狐を素麺より細く切り刻んでやったのに」

アルミン(この人真顔でこういうこと言うからなあ……。多分冗談じゃなく本気でそう思ってるんだろうな。イカレてるよ)

アルミン「あの場面でアニの邪魔が出来るような野暮は君くらいだよ……」ハァ…

ミカサ「アルミンはエレンに女狐の匂いがついてもいいの?」

アルミン「……ミカサ」

ミカサ「今回の件はアルミン、あなたのせい。責任をとるべき。
ので、あなたはエレンと私が確実に恋人同士になれる方法を考えるべき。
私がエレンを女狐から守る」

アルミン「ミカサ」

ミカサ「削がれたくないのなら、大人しく私の言う事を聞いた方がいい」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

アルミン「………ミカサ!!!!!!!!!!」

アルミン「ライナー…

    何故あの時何故ミカサを殺さなかったんだ?」

アルミン「そのせいで今こんなにも追い詰められているというのに」

ミカサ「アルミン、そんなに大きな声で呼ばなくても聞こえている。
私が聞こえない振りをするのは、ジャンが私の名を呼んだ時くらい」

ジャン「!?今ミカサが俺の名前を呼んだ気がする」ガタッ

マルコ「そう思うんなら、あと2日はミカサに近付かない方がいいね、
特に君の場合は」

ジャン「どういうことだよ………」ズ-ン

マルコ(全く……、ミカサに名前を呼ばれて喜ぶのなんて、君くらいのものだよ……)

ミカサ「………アルミン、用件を早く言って欲しい。手早く済ませて」

アルミン「………ミカサ、
僕はもう疲れたんだ、君の相手をすることに」

ミカサ「………え?」

アルミン「君にとって、エレンが大切な人であるのは分かっている。
母親を亡くした君にとっては、血は繋がっていないとはいえ、たった1人の家族だからね」

アルミン「でも僕は勝手に、僕もその中に……君の言う~家族~の中に、入っているんだと思っていたんだ。
おこがましいよね」

ミカサ「………アルミン?」

「小さい頃苛められていた僕を助けてくれるのは、いつも君とエレンだった」

「僕達はどんな時も一緒に行動した。ウォールマリアが破られて、船でここトロスト区に向かった時に僕の隣にいたのも、僅かな訓練所での休暇を共に過ごすのも、こうして毎日の食事を一緒にとるのも、君とエレンだった」

アルミン「だから……、
僕はてっきりそう思い込んでいたんだ。
君はエレン同様、僕の事も家族として認めてくれているんだって」

ミカサ「………アルミン………」

アルミン「それは僕が身の丈に合った考え方をしていなかっただけだ。
僕は君達よりも弱い。2人に追いつけるように日々努力はしているけれど、身体的にも精神的にも、君達には到底かなわない」

アルミン「僕は昔から、君やエレンに守られてばかりだ。僕が君達を守ったことは、ただの一度もない。
これからもきっとそうだ。
そんな僕が、君達の家族になんて、なれる訳がなかったんだ。
対等な関係ですら無いというのに」

ミカサ「アルミン……それは……違う……違うの……」

アルミン「それでも、まさか君が」

アルミン「まさか君が僕の事を、1人の親友とすら思ってくれていなかったなんて、思ってもみなかったよ、ミカサ」

アルミン「君にとって僕は、エレンと自分が近づく為の道具でしかないんだ」

アルミン「ライナー、ベルトルト、サシャ、コニー、アニ、クリスタ、ジャン、マルコ、トーマス、ミーナ、ハンナやフランツ、それに………ユミル」

アルミン「もっと沢山いる。
104期生はどれも、僕の大切な仲間だ……でも、君にとっては違う。
君にとって彼らは、使い捨ての道具だ。
僕は以前から、君のそういった考え方に辟易していたよ。
それでも僕だけは、違うと思っていた………君の親友であり家族だと。その慢心が、僕を今まで君に付き合わせた」

アルミン「でもある時、気付いたんだ。
僕にエレンの事を相談する君の目が、彼らに対し向けられる目と、何ら変わりがないって事に」

アルミン「対人格闘訓練の時のアニ、食事中に君の隣に座ろうとするジャン、そして事あるごとに君の八つ当たりの犠牲になっているライナー。
彼らに対して君は、まるで感情を有していない視線を投げるよね。君にとって、彼らはヒトではなく、モノだ」

アルミン「僕もその~彼ら~の例外では無かったってことさ」

アルミン「ミカサ、君はいつからか変わってしまったよ」

ミカサ「違う……違うの……アルミン………許して……」ポロポロ

アルミン「当分、僕に関わらないで欲しい。僕も心の整理をつけたいんだ」

ミカサ「ア……アルミン………」ポロポロ

アルミン「それじゃ、
僕はもう食べ終わったし、戻るよ」スタスタ

ミカサ「」ポロポロ

ミカサ(アルミン……ごめんなさい)グスッ

ライナー(ミカサ……、
ついにアルミンにも見捨てられたのか。
これが、あいつにとって自分を見つめ直すいい機会になればいいんだが……)

ベルトルト(………)

ライナー(まあ、無理だろうな。
あいつはもう手遅れだ………、あいつが更生することを、俺はもはや望んじゃいない。それは高望みってもんだ)

ライナー(俺は……、ミカサから他の訓練兵を守る)

ライナー(天使クリスタ、アニやベルトルトは勿論、コニーやサシャ、アルミン、場合によってはジャンも。
そしてエレン、お前もだ。ミカサがお前に対して抱く愛情は、余りに盲目的だ。
エレン、お前がミカサに対しどんな感情を抱いているのかは知らないが、お前があいつと結ばれて幸せになることは………無いとは言い切れないが、大きな危険が伴う)

ライナー(いくら主席様だろうと、俺の大切な仲間をこれ以上傷つけることは許さない。その為には、実力行使も辞すつもりはない。
一兵士として、当然の行動だ)

ライナー(もしも殺してしまったら……あの日壁の下で、いや夢だ。血みどろ、人が潰れる、骨の折れる音。俺は助けられない、潰れる、死体、滴る」ブツブツ

コニー「お……おい……、
ライナー最近、たまに怖くねえか……?」ゾクッ…

サシャ「お腹がすいているんでしょうか……」モグモグ

~その翌日、
あの対人格闘訓練から1週間が経過し、再び対人格闘訓練~

エレン「アニ、また相手頼むぜ!!!!!」

アニ「あんたも懲りないねえ、いいよ、ぶちのめしてやるからかかって来な」スッ…

エレン「おう!!よろしくな!!」バッ

ライナー「………」

ライナー(……対人格闘訓練。
この日に俺が暴力を振るわれなかったことはない)

ライナー(今日とて例外ではないだろう。
………だが俺も今日は、そうやすやすと投げられたりはしない。
アニを守る意味でも、な)

クリスタ「ちょっとライナー!!
よそ見してたら危ないよ!!もしかして私が相手だからって手を抜いてるの……?
隙だらけだよ……、それじゃあ、遠慮なく……!!」ダダッ

ライナー「」スッ

クリスタ「キャン」ステ-ン

ライナー(天使クリスタ程度の力なら、技をかけられてからでも対応できてしまうんだなこれが……結婚しよ)

ユミル(クリスタの奴、急にライナーと組みたいなんて言い出しやがって……。
案の定実力に差があり過ぎて訓練になってねぇじゃねーか……)

ユミル(ったく、あの変態ゴリラ、私のクリスタに何するか分かったもんじゃねぇ。
心配でみすみす目が離せねーよ)

ユミル(………だが、本当に心配なのはそこじゃない。
ライナーがああ見えて意外に紳士なのは知ってるしな)

ユミル(そんな事より、
ライナーは、あの女の………)

エレン「隙ありっ!!!!!」ズドッ

アニ「」スッ ドガッ

エレン「っ!?」ビタ-ン

アニ「まだまだ甘いね、そんな大振りじゃ当たる物も当たらないし、カウンターの恰好の標的だよ」グググググ

エレン「あにやめてかおちかいむねあたってる」ブクブクブク

ライナー「………」

クリスタ「………ライナー?」

ライナー「お、おおう、クリスタ。
すまん、続きをやろう」ケッコンシタイ

クリスタ「………ライナーは、アニのことが好きなの?」

ライナー「へっ!?どうしてそうなる!?」ケッコンシタイ

クリスタ「だって今、アニとエレンの事、ずっと見てたから……」

クリスタ「私何回もライナーの名前呼んでたんだよ!!」プンスカ

ライナー(かわいい、結婚しよ)

ライナー「あ、いや、アニに対してそういう気持ちはないぞ。
あいつはあくまで親友だ」

クリスタ「……ただの友達なのに、訓練中にあんなに見とれてたの?」

ライナー「見とれる?いや、違うぞ?
……ただ、あいつらが心配でな」ケッコンシタイ

クリスタ「………心配?」

ライナー「ああ、まあこっちの話だ。
それより何でクリスタはそんなにそこを追求したがるんだ?
俺は今フリーだし、結婚まで考えてる奴がいるからな、今俺の目のま
ミカサ「………ライナー、出番」スタスタ

ライナー(………来たか)

クリスタ「ミ、ミカサ……?
今ライナーは、私と組んでるんだけど……」オズオズ

ミカサ「関係ない。
ライナーは借りていく」

クリスタ「あ…あ……、でも訓練が……」

ミカサ「うるさい」ギロッ

クリスタ「あ…あうう……」ガクガクガク

ライナー「………おい、ミカサ」

ミカサ「ライナー、前に言ったはず。
私には、あなたの無駄口に付き合っている時間も、心の余裕もない」ガシッ

ライナー「」ブンッ

ミカサ「!?」バシッ…

ミカサ「……ライナー、どういうつもり。
私には反抗しない方がいいと、これも以前言ったはず」ゴゴゴゴゴ

ライナー「………ミカサ、1つだけ確認させてくれ。
お前は昨日アルミンに言われた事を、忘れたのか?それとも、はなから聞き入れるつもりがないのか?」

ミカサ「………っ!?」

ミカサ「………」ズキッ…

ライナー「どうなんだ、ミカサ?」

ミカサ(アルミン………、
本当にごめんなさい……)ズキズキ

ミカサ「………っ」

ミカサ「………関係ない」

↑トリップ外れていますが、1です。

ミカサ「……アルミンは親友。
でも、だからと言って私の行動に枷を嵌める事は出来ない」

ライナー「……それがお前の出した答えか、ミカサ」

ミカサ「私は私の思うようにやる。
それだけのこと」

ライナー「………」

クリスタ(あわ……あわわ………)アセアセ

ライナー「………まあ、そんな事だろうとは思ってたがな。
ほんの少しでも、お前に期待した俺が馬鹿だったってことだ」

ミカサ「あなたはもう少し、身の程を知って話すべき」ギロッ

ライナー「身の程、か」ハァ…

ライナー「そうだよな、
アルミンが言っていた通り、お前にとって俺はモノか下僕かそこらなんだろうよ」

ライナー「だが残念だな、
俺はそうは思っちゃいないんだ。
むしろお前とは、どこまでも対等な関係だと思っている」

ミカサ「調子に乗らないで」ゴゴゴゴゴ

ライナー「何のつもりか知らないが、
物事全てがいつまでもお前を中心に回り続けると信じているのなら、大間違いだ。
今まではそうだったのかもしれん。だが、必ずどこかでボロが出る。
そしてお前はもう既に、ボロを出しつつあるんだ」

ライナー「冷静になって周囲を見渡してみるんだ。お前の事を心から慕っている奴がどれだけいるか……」

ミカサ「………っ」

ライナー「誰もがお前の強さにひれ伏しているだけだ。違うか、ミカサ」

ミカサ「……エレンが……エレンがいる!!エレンは私を心から愛している。
これは動かせない事実………!!」

ライナー「さあな。
そのエレンすら、今のミカサではどうなのか……俺には分からんな」

ミカサ「エレンが私を愛していないと言うの………?
……やはりあなたは、痛い目に逢わないと分からないようね」ギリギリギリ…

クリスタ「や、やめてよぉ!!!!!
喧嘩しないでよぉ………」グスッ

ライナー「ク、クリスタ……すま
ミカサ「うるさい、死んで」ドカッ

ライナー「っ!?」

クリスタ「キャ……あうぅ………」ペタン

クリスタ「うえぇ……うわあああぁぁん!!!!!うわあああぁぁん………ぇぐっ………ぇぐっ………邪魔しないでよ……!!せっかく……ぇぐっ……ライナーと、組めたのに………!!」ポロポロ

クリスタ「ライナーは人気者だから………ぇぐっ……次組めるのはいつか……分からないし………ぇぐっ……私は弱いから……もう………組んで貰えないかもしれないのに……ぇぐっ………最初で最後かもしれないのに………」ポロポロ

ミカサ「泣き声がうるさい。煩わしい。
どこかに行って」

クリスタ「………そ、そんな……」ポロポロ

ユミル「………おい!!!!!てめえミカサ!!!!!」ダダダダダ

ミカサ「何、ユミル?
あなたまで私の邪魔をする気?」シレッ

ユミル「違ぇ!!!!!てめえ私のクリスタを泣かせやがったな!!!!!しかも黙って見てりゃ暴力まで振るいやがって!!!!!」ガルルルルル

ミカサ「今は対人格闘訓練の時間。
あなたの言う“暴力”は認められている。
それに、クリスタは少し前までライナーから同じ仕打ちを受けていたはず。
何がおかしいの?」

ユミル「違え……、そういう事じゃねぇんだよ、お前は………」

ミカサ「それに、この程度でひっくり返って泣き出すようでは、兵士としての存在価値が危ぶまれる。
下手に生き残って足を引っ張るくらいなら、さっさと巨人に食われるべき」

ユミル「………てめえ、
本気で言ってんのか……」ワナワナ

ユミル「殺してやる………!!!!!
何なら私が、今ここで………
ライナー「ユミル、いい」

ライナー「俺がやる」

ユミル「………ライナー?」

ライナー「ミカサ、今まで俺はお前のなすがままにされてきた。
だが、それが俺の本来の実力だと思っているのなら、舐められたもんだ」

ライナー(巨人化能力者は、通常の人間と比べて身体能力が飛び抜けて高い。
それは俺にも、ベルトルトにも、アニにも当てはまる)

ライナー(俺達が本気で訓練を行えば、
その身体能力が成績に如実に反映されてしまう……この対人格闘訓練は、特に)

クリスタ「だ……だめだよ……、ミカサが相手じゃ、いくらライナーでも……」
ユミル「クリスタ、黙って見てな。
ライナーはどこぞの駆逐野郎とは違う。
死に急いだりはしない……あいつが自分からそう言うってことは、それなりに勝算があるんだろうよ」

ライナー(俺達は飛び抜けた成績を残す必要は無い……むしろそれは避けるべき事態だった。身体能力だけではどうにもならない立体機動や馬術、座学はまだしも、対人格闘は、普通にやればどうしても俺達巨人組の成績が頭1つ抜けてしまう)

ライナー(幸い対人格闘は配点が高くない。俺達はこの分野に関しては、大いに手を抜いてきた……エレンと訓練している時のアニは、ややそれを忘れかけているが)

クリスタ「……でも………」

ユミル「いいからこっち来い」ズルズル

ライナー「おかしいとは思わないのか。
お前は確かに筋肉質で、身長も体重も格闘技に適したものを持っている。
だがそれはあくまで、“女性”という括りの中での話だ」

ライナー「俺は見ての通り、男性の中でもかなり恵まれている部類の体格だ……身長こそベルトルトには劣るがな」

ライナー「そんな俺が、毎度毎度あっさりお前に負かされる事に、違和感を抱いた事はないのか?」

クリスタ(ライナー………、
最近たまに怖い顔してる時があって心配してたけど、今の顔は今までの比じゃないよ………)

クリスタ(やっぱり私は何の力にもなれなかった……。
ライナーはエレンとアニが気になるみたいだったし、私邪魔だったかな………)グスッ

ミカサ「ライナー、どういう事?」

ライナー(いくらミカサでも、俺が本気を出せば相手にはなるはずだ……。
勿論こいつの能力は様々な面で超人的だ、簡単に勝てる相手じゃないのは分かっている……いつものように負かされる可能性もあるってことも………)

ライナー「俺が痛めつけられるのは百歩譲って構わない。だがミカサ、お前が傷つけるのは俺だけじゃない」

ライナー「お前のことを未だに好いて近寄ってくるジャン、お前の事を家族だと信じながら裏切られ続けてきたアルミン。
それに今日はクリスタ……他にもいる。
お前は日々、口を開けば誰かを傷つける。何かある度に他人に当たる」

ライナー「俺達は、迷惑しているんだ。
だがお前は強い……それは認める、強いから誰も言い出せなかっただけだ」

ライナー(だが、戦士には……いや、1人の男として、引けない時がある。
それが今だ………!!)

ミカサ「………」

ミカサ(……もう、嫌だ………)グッ…

ミカサ(みんな……もうこれ以上、私を痛めつけないで………)プルプル

ライナー「それに、アニ……。
あいつは俺のかけがえの無い親友だ」

ライナー「対人格闘訓練の度にお前は俺を投げ飛ばす………それがお前の単なる八つ当たりなら、俺は何も言わん。
それで気が済むならパンチでもキックでも受けてやる、俺は元来体が丈夫だからな」

ライナー「だが、それによってアニが、俺の親友が傷つくと言うなら………」スッ…

ライナー(それに今日ミカサはクリスタまで傷つけた……しかも暴力で。
その敵は必ず取る……!!!!!
…その後で結婚しよ)

ライナー「せっかくの対人格闘訓練だ……この機会を逃す手はないだろう?
勝負だ、ミカサ。俺は一切手を抜かない、全力でお前を負かしに行く」ググ…

ミカサ「………っ」グッ…

ミカサ(……仕方ない………仕方ないんだ………。これが私の選んだ道……)スッ…

クリスタ(……!?
何だろう、今の……。
ミカサが一瞬だけ見せた、全てを諦めたような、達観した表情は………)

ユミル(………)

ミカサ「………了解した。相手になる。
私も手加減はしない。こうなることを選んだのは、私」ググッ…

ライナー「………始めよう。
行くぞ………!!!!!」ダッ

ベルトルト(………ライナー、やるんだね!?
今、ここで………!?)

アニ(あんたは戦士だ、ライナー………。
そいつは強い、健闘を祈るよ………)グググググ

エレン「あにやめてかおちかいむねあたってる」ブクブクブク

ジャン「………おい、ありゃあ、どういうことだ……?」

ライナー「」ズババババババババババ
ミカサ「」シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ

クリスタ(ライナー、凄い………。
ミカサが押されてるように見えるよ……)

ワイワイガヤガヤ

モブA「我らがライナーニキがあんなに強かったなんて………」ポカ-ン…

モブB「おいおい……、ミカサに勝っちまうんじゃねぇのか!?」ギャ-ギャ-

トーマス「ライナーいけぇ!!!!!負けんなよライナー!!!!!」ワ-ワ-

マルコ「ライナーいけえーー!!!!!勝てるぞ!!!!!その調子だーー!!!!!」ワ-ワ-

クリスタ「………!?よしっ!!」

クリスタ「ライナー負けないでーーっ!!!!!ミカサなんて負かしちゃえーーっ!!!!!」ワ-ワ-

アニ(いいよライナー、その調子だ)グッ…

アルミン(………ミカサ)

ベルトルト(………)

ユミル(………)

ライナー(ミカサ……やはり流石だな。
何より素早い。少しでも欲を出して大振りになると、その僅かな隙に的確にカウンターを滑りこませてくる……。
行動をコンパクトに留めれば攻撃を当てる事は出来るが、この程度の攻撃ではミカサ相手に大きなダメージを与える事は出来ない……。
手数は俺が上回っているから、はたから見れば俺が押しているように見えるかもしれないが、結局はスタミナ勝負だ。
ミカサのスタミナが切れてくる頃に、俺にその隙を見逃さず強力な一撃を見舞うだけの体力が残っているかだ………!!)スュババババババババババ

ミカサ(………っ!!
ライナーにこれほどの力が隠されていたなんて……。普段手を抜いているのは本当だったようだ。
稀に来る大振りの攻撃は回避できる、その隙に攻撃に転じる事も可能……。
だがライナーもそれは理解している、これだけのスピードでこの手数を繰り出されては、全てを回避する事は出来ない。
それでいて全くと言っていい程に隙が無い……流れるような、効率的な攻撃。
単調で模範的ではあるけれど、動きが読めてもそのパワーとスピードに圧倒されて、私はよけるのが精一杯……まともな反撃が出来ていない……。
ライナーのスタミナが先に切れればそこから反撃に転ずる事もできるが、こうも断続的に攻撃を当てられては、私のスタミナも危うい……!!)シュンシュンシュンシュンシュン シュパパパパパ

アニ「」グググググ

エレン「あにやめてかおちかいむねあたってる」ブクブクブク

ズバババババ シュンシュンシュンシュンシュン
ザワザワザワ ナンダナンダ ライナ-ガンバレ キ-スシネ

アニ「………」

エレン「あにやめてかおちかいむねあたってる」ブクブクブク

アニ「………ねえ、エレン」

エレン「あにやめてかおちかいむねあたってる」ブクブクブク

アニ「………エレン、私はもう何もしてないんだけど」

エレン「あにやめてかおちかいむねあたってる」ブクブクブク

アニ「………だから、今はもう顔も近くないし胸も当たってないから」

エレン「あにやめてかおちかいむねあたってる」ブクブクブク

アニ「」

アニ「」ニコォ

バキッ ボキッ ドゴォッ メキッ
ギャアアアアアアアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!!

アニ「………エレン、言っておくけどこれは理由のある暴力だからね」

エレン「………はっ!?」

エレン「あれっ……ここはどこだ?」

アニ「………ハァ……。
やっと目を覚ましたのかい。今は対人格闘訓練中だよ」

エレン「………そうだったな、
よしアニ、もう1度だ!!!!!次は負けねえぞ!!!!!ただ、寝技は勘弁してくれ!!!!!」

アニ「それは構わないけどさ……、
エレンあんたあれを見ても何も思わないのかい?」ユビサシ

エレン「あれって……?」

ライナー「」シュババババババババババ
ミカサ「」シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ

エレン「」

エレン「……何だあれ………ライナーとミカサが……どういう事だよ……」

アニ「今はあんたと訓練なんかしてるよりもあっちを見ていたいよ……」

エレン「………いやおいおい!!!!!
そういう問題じゃなくねぇか!?
2人とも、いくら何でも本格的に戦い過ぎだろ!!!!!危ねーよ、あれじゃ!!!!!
よし、俺止めてくる!!!!!」ダッ

アニ「よしな」ガシッ

アニ「今あんたが行った所で、返り討ちにあうだけさ。あの2人は、あんたよりずっと強いからね」

エレン「………くっ……何も言い返せねぇ………」

アニ「それに、あんたも少しは空気ってものを読みなよ……。
見てみな、あのギャラリーの数を」

ワイワイガヤガヤ ライナ-ガンバレ- キ-スシネ

アニ「あの前であの2人を止めなんかしようものなら、あんたこれから卒業までずっと周りから白い目で見続けられることになるよ」

アニ「それに、今は対人格闘訓練の時間だ……あの2人はルールから外れた事は一切やっていない。そもそも、他の奴のレベルが低いだけで、本来ならばああいう事をするための訓練じゃないのかい。
あんたはあの2人のように強くなる為に私に格闘術を教わってるんだろう?
それならあの2人の戦いっぷりを、今のうちに目に焼き付けておくんだね」

エレン「………ぐっ……確かにそうだ……俺は昔から考えるより先に行動する癖があるんだ……忠告してくれて助かったぜ」

アニ「ばっ!!そんなんじゃないよ//」

アニ(エレンに感謝された//)

エレン「………にしても、
これだけ訓練中に一箇所に人が集まってると、色々とやばくないか……?
もし教官に見つかったりしたら、罰則を食らうどころか、あの2人の戦闘も強制的に終了させられるかもしれない……」

キース「」スタスタ

エレン「………!!
言わんこっちゃねえ……、教官が近付いて来てるぞ……」ナイシンチョットキョウカンニトメテホシイ

ワイワイガヤガヤ ライナ-ガンバレ キ-…ホルダ-ナクシタ

キース「………何事だ……?
今は訓練中の……」

ライナー「」シュババババババババババ
ミカサ「」シュンシュンシュンシュンシュン

キース「はず………だ……が……」

キース「」

キース「なにこれすごい」

エレン「キイイイィィスウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!」

アニ(………それにしても、ライナーの本気なんて久々に見たかもね)

アニ(あいつは怒ると怖いんだよ。
普段は若干ヘタレ入ってて、ホモ臭くて、変態ゴリラで……。
その癖に優しくて、リーダーシップあって、みんなからの信頼も厚くて……。
普段怒った顔なんか誰も想像出来ないような奴だから、尚更迫力あるんだよね)

アニ(あいつは優し過ぎる所があって、
だからこそ脆い所もあって、たまに心配になるけど………)

アニ(小さな頃からいつだって、物事を最終的に決断するのはライナーだった。
本当に私達が追い詰められた時に一番頼りになるのは、いつだってあいつだった)

アニ(………私がエレンの事をどうやら好きになってしまった事も、あいつにはお見通しみたいだったな。
……エレンは、幼い頃の私に似てるんだ。
ちょっと向こう見ずで、自分の考えを強く持ち過ぎているからこそ対立も多くて)

アニ(何かあるたびに勇んで先陣切って出て行くけど、基本的に後先を考えてないからすぐに詰まる。
いざとなると口だけで実力が伴ってなくて、結局何もできなくなる)

アニ(毎日のようにライナーに助けられてたもんだよ。あいつがいなかったら、私はとっくに死んでるかもね)

アニ(私はあれから色々あって……、
感情を抑える術も、そこそこの実力も身につけて。あの頃よりは冷静に、世界を見られるようになった)

アニ(………だからこそ、
エレンを守ってやりたくなるのかな。
あいつは私と違って、幼さを残したまま……いや、前面に押し出して生きてるから……)

アニ(私に昔ライナーがしてくれたように……救ってやりたいと思うのかな)

アニ(おかしいよね。
私はいずれエレンも、その仲間も、殺さなくてはならないと言うのに)ズキッ…

アニ(都合のいい話だよね。
自分でも分かってるよ……でも………)

エレン「すげー!!ライナーすげー!!
あいつあんなに強かったのか!!今度ライナーにも教えて貰いてぇな……!!」キラキラ

アニ(今は……今この瞬間を、幸せに生きたいんだ……)

アニ(………それにしても)

ライナー「フンッ!!!!!」ゴキィッ!!
ミカサ「…クッ……」ズザァ…

アニ「先週までミカサに投げ飛ばされてた奴と、同一人物とは思えないね……」ハァ…

エレン「………!?」ガバッ

エレン「おい、アニ!!……今何て言った……!?」

アニ「………?
先週も、その前の週も、ミカサがライナーの事投げ飛ばしてただろ?
ライナーはその他にも、毎日のようにミカサの八つ当たりの標的になってたし、
ミカサの為すがままだった昨日までのあいつとは、似ても似つかないねって言ったんだよ」

エレン「………おい、それ本当かよ」

アニ「………え?」

エレン「対人格闘のたびにライナーが降ってくるなーとは思ってたけど、まさかミカサが犯人だったなんてな……」

アニ(えっ!?えっ!?知らなかったの!?
てかそんなのって有りうる!?)アセアセ

エレン「ライナーは必ずアニに寝技かけられてる最中に降ってくるから、全く前が見えなかったんだよ……」

アニ(ああ、なるほど………。
ミカサはそこまで計算してやってたって事か……、さすがだな………)

アニ(ってな訳ないだろ!!!!!
投げられる瞬間見てなくても、その後の雰囲気とか会話で普通分かるって!!!!!
………そうだった。エレンにその場の空気を読むなんて芸当が出来るはずが無かった………)ハァ…

エレン「てっきりライナーは雨みたいに勝手に降ってくるもんだと思ってたぜ……」

アニ「………あんたもしかしてコニーよりよっぽど馬鹿なんじゃない?」ズ-ン

エレン「………思えばライナーが降ってくる時はいつもミカサが近くにいた。
あいつは過保護だから、心配して見に来てるんだと思ってたが、まさかな……」ブツブツ

エレン「先週の訓練ではついにアニが怪我をした……。深い傷では無かったが確かに血が出ていた……。
あれもミカサの仕業だったってのか……」ブツブツ

エレン「………許せねぇな」ギリッ…

アニ(………/////)ドキッ…

アニ(………そうか、そうだよね。
エレンは知らなかったから……か。
前の訓練でエレンがすぐミカサの方に行ってしまった時は少し落ち込んだけど、
私の知っているエレンなら、例えそれがミカサであっても、自分の信念のもとそれを拒絶するはずだった。
エレンがあんな事をあっさり許すようなタイプには見えないしね………)ホッ

アニ(好きな人を信じられなかったなんて………最低だね、私は。
知った今、エレンはこんなにも私の事を考え優先してくれているというのに)

エレン「………それだけじゃねぇ!!!!!」バッ

アニ「んひゃあっ!?」ビクッ

エレン(!?何だよ今の声……!?
クッソ可愛いんだけど……)ムクムクッ

エレン(おい!!俺のイェーガー!!静まれ!!静まれ!!アニ可愛いアニ可愛い)ムクムクムクッ

イェーガー「」フルボッキ-ン

アニ(エレンが……下向いたままプルプルしてる……。そんなに私の事で怒ってくれてるなんて……)ドキドキ

エレン「………アニ!!!!!それに………だ………ライナーが………毎日………ミカサに………!!」ダラダラ

イェーガー「」フルボッキ-ン

エレン「やつあた………り………されてるって………本当………かよ………!?」ダラダラ

イェーガー「」フルボッキ-ン

アニ「あ……ああ、
もしかしてあんた、それも気付いてなかったのかい……?ライナーが傷だらけで夕食を食べているのは日常茶飯事だったはずだけど………」

アニ(エレン……脂汗が凄い………。
でも冷静に考えて、エレンが知らなかったって事は私やらかしたよね)

アニ(私の為に怒ってくれているのは嬉しいけど、エレンとミカサの関係に水を差してしまうのは……嫌だな)

イェーガー「」シナシナ

エレン「………本当かよ。
確かにライナーは最近疲れてるように見えた……。傷だらけだったのは訓練を一生懸命やってる証拠だと思っていたけど、そんな事があったとはな………」ゴゴゴゴゴ

アニ(あわわわ………)アセアセ

エレン「そりゃあそうだよな……。
訓練を一生懸命やってるって意味では俺も同じだが、ライナーのボロボロさ加減は俺の比じゃなかった……。
今まであれだけミカサの側にいながら気づかなかった俺も悪いな……。
くそっ、俺の知らない所でそんな事が………俺のイェーガーもショックで干からびてやがるぜ……」

アニ(………イェーガー?俺の……?)キョトン

~ライナーとミカサが戦闘を開始してから40分後~

ミカサ「……ハァ……ハァ……」ドサッ
ライナー「……ゼェ……ゼェ……」ガクッ

ミカサ「……ライナー、
私は……もう戦えない………、
私の負け………」ハァ…ハァ…

ライナー「………ミカサ、
それは俺も……同じだ………、
やはり………お前は……強いな……」ゼェ…ゼェ…

ミカサ「どうやら、同時ノックアウトのようね………」ヨロヨロ…

ライナー「ああ……引き分けか………」ボロ…

ジャン「………終わった……のか……?」

モブA「ライナー!!大丈夫か!?」ダッ

モブB「ライナーニキ!!愛してるぜ!!」ダダッ

マルコ「ミカサ相手に堂々と渡り合うなんて……、いや、どちらかと言えばライナーが押しているように見えたよ。
お疲れさん、ライナー」ポンポン

ライナー「ああ……、お前らありがとな………。やっぱりミカサは強いぜ、最後まで決定的な一打を与えられなかった………」

クリスタ「ライナー……こんなにアザだらけになって……!!
大丈夫?1人で立てる……?」サスサス

ライナー「Oh……honey………」

ワイワイガヤガヤ オツカレライナ- ライナ-ヨクヤッタ キ-スシ… ナンダ キョ…キョウカン!!キスシヨッテイオウトシタンデス!!(マダイタノカヨコイツ…)


ミカサ「」ポツン…

ミカサ(……やっぱり、私の所にきてくれる人はいない………)

ミカサ(当然の事……分かりきった事だ………でも………)

ミカサ(いざこうして目の前にすると……やはりつらいものがある………)

ミカサ(でも仕方ない……私はこうするべき………これが、私の選んだ道………)

ミカサ(………)

エレン「ライナー……!!立てるか!?」ダダッ

エレン(俺のは勃ってたが)

ライナー「おう、エレン……。
心配してくれるのは嬉しいが、お前はこっちより先にミカサの所に行ってやった方がいいんじゃないか?」

ライナー「………それと、俺の事は心配するな。痛みには慣れてるからな」スクッ…

エレン「………ライナー、すまん!!!!!
そのミカサの事だ……!!
毎日ライナーがミカサに暴力を振るわれているって……気付いてやれなかった!!
ミカサと一番長く一緒にいる俺が気付くべきだった!!本当にすまない!!!!!」ドゲザ-

ライナー「………エレン」

ライナー「その件に関してはお前のせいじゃない……謝る事はない。
ただ、エレンお前………そうやって、根本の責任は全部ミカサに押し付けるつもりか……?」

エレン「………え?」

ライナー「ミカサがおかしくなってるのは、一目瞭然だった……。いくらお前でも流石に気づいていただろう?」

ライナー「なら何で……、ミカサの話を聞いてやらなかったんだ。
お前達は家族なんだろう?家族ってもんが何の為にいるのか、考えてみろ」

エレン「………」

ライナー「友達と家族の一番の違いが、何か分かるか……?
いいか、エレン。友達ってのはな、所詮口約束に過ぎないんだよ。
ただその場凌ぎでつるんで遊んでるだけの奴等も、お前がそう思えば友達だ。逆に、幼い頃から仲が良くて、いつも一緒に遊んでいた奴だって、お前がそう思っていないのなら、友達じゃないんだ」

ライナー「ちょっと喧嘩して“お前なんか友達じゃねぇ!!”って言った途端、そいつは友達じゃなくなる。いくら古くからの親友だったとしても、な。だが、お互いに少し歩み寄って仲直りすれば、2人はその瞬間からまた友達に戻る事ができる」

ライナーがメインだから仕方ないけどエレとミカがクズ過ぎないかね?
特定のキャラageの為他を屑扱いってのはさ
言いにくいがそれは書き手の無能を意味しないか?

と、同調圧力に負けない俺が言ってみる

ライナー「友達ってのは、所詮そんなもんだ。悪く言ってる訳じゃない。
ただ、良くも悪くも軽くて脆いんだ。
その気になれば、一晩のうちに全ての友達を他人に変える事もできるんだ」

ライナー「ただな、家族は違う。
家族ってのは、そいつらがどんな関係だろうと、お互いの事をどう思っていようが、死ぬまで、いや、死んでも消えない称号なんだよ。
例えお互いに心から嫌いあっていて、どちらもが“家族でありたくない”と願っていたとしても、消せないもんなんだ」

ライナー「だからこそ、家族ってのはそいつにとって……最後の砦になる。
それは、家族って称号だけは誰にも奪われる事がないし、汚される事もないからだ」

エレン「……ライナー………」

誤解している方がいたら申し訳ないので、
今のうちに言っておきます!!
かなりの長編です。
それと、個人としても特定のキャラsageはしない主義ですので、
最終的にはどのキャラがsageられる事もないようにするつもりです。
これ以上言うとこの先のネタバレになるので詳しくは言えませんが、
もうストーリーは大体決まっているので、キャラsageはありませんよ。
おこがましい限りですが、読んで下さっている方々は、安心して読んで下さい。
エレンが若干ギャグ要員っぽいのは見逃して頂けると有り難いです。

「読んだ上でなら批判もOK」と明記されている訳ですから、
>>149のような意見を持つ方がいても構いませんよ。
それによっていじけて執筆をやめたりはしませんから、思った事をどんどん書いて頂いて構いません!!

ライナー「………エレン、
お前はミカサの家族なんだろう?
血は繋がっていないのかも知れないが、お前は普段から、ミカサの家族を名乗っているじゃねえか!!そしてミカサもそれを認めているじゃねえか!!
それならもっとその自覚を持て……!!」

ライナー「今のミカサに語りかけられるのは、家族であるお前しかいないんだよ!!
ミカサだけじゃない、目を覚ますべきは………お前もだ、エレン!!!!!」

エレン「………」

コニー「おーい、ライナー!!!!!
そろそろ昼食だ!!行こうぜー!!!!!」フリフリ

ライナー「………そうだな。
エレン、俺は行くぞ。心配してくれてありがとうな」スタスタ

ミカサ「………」

ミカサ「ラ………ライナー!!」

ライナー「………ん」ピタッ

ミカサ「………っ!!」

ミカサ「ライナー……、私はあなたを見くびっていた……!!。
ありがとう、戦ってくれて……!!」

ライナー「………」

ライナー「………ああ……」

ライナー「………そうだな」

エレン(……俺はミカサの家族………)

エレン(確かに、ライナーの言う通りだ。
最近ミカサの過保護っぷりがエスカレートしたような気はしていた……。
それに今思えば、いつも暗い顔して、必要以上にカリカリして、怒りっぽくなっていたような気もする)

エレン(俺は鈍感だから分からなかったが………、ミカサなりに俺にサインを出していたんだろうか……)

エレン(……助けてくれ、って………)

ミカサ「………」スクッ…

エレン「………」ゴクッ…

エレン「………おい、ミカ
ミカサ「関わらないで」

エレン「………え?」

ミカサ(私と関わっては、エレンまで嫌われてしまう……。それは駄目。
エレンは何も悪い事をしていない。ただ、自分の事をよく知らないだけ……。
それには、こうするしかない………)

ミカサ「関わっては駄目。
もう話しかけないで」ダッ…

エレン「………!?
あっ……おい、ミカサ………」

エレン「………」


アルミン「………」

ベルトルト「………」

ユミル「………」

ライナー(……これで、兵士としての役割は果たした………)スタスタ

ライナー(………それにしても、
ミカサの奴……。あいつがああもおかしくなってしまったのは、エレンに対する恋心だけが原因ではないのかもしれないな………)スタスタ

>>1荒れてたみたいで・・・・
意見を言うにしても無能はいい過ぎだわな
シカトここうかと思ったけどどうしても詫びたかった
すいませんでした。

>>165
お気になさらずに……
色んな考え方の人がいますから
良ければこの先も読んでいって下さいな!!

~対人格闘訓練終了後、夕食時間~

ミカサ(………)トボトボ

オイ、アイツガハイッテキタゾ ザワザワ ヒソヒソ

ミカサ(……視線が、痛い)トボトボ

ミカサ(本当はいつものようにエレンの隣に座りたいけれど、あれからエレンとは口をきいていない……あんな事を言ったのだから当然……)トボトボ


エレン(ミカサ………)

エレン(あれから、結局一度も話しかけられなかった………。
あいつが考えている事は分かる。俺が大衆の反感を買ってるミカサと関わる事によって、俺まで嫌われるのが嫌なんだろ、あいつは。馬鹿な俺にだってこれくらいは分かるさ。あいつはお節介だから。本当に、本当にお節介だから……)

エレン(……このままでいいのか?
答えは分かりきってるよな。いい訳がないもんな……俺達は家族だ)

モブA「おい、お前行けよ」ヒソヒソ

モブB「い……嫌だよ……ライナーニキだからこそ立ち向かえたんだ。
俺にはまだ………」コソコソ

モブC「………俺が行ってやる!!
ライナーが勇敢に立ち向かったんだ、ここで尻込みするようじゃ男じゃねぇ!!!!!」

モブC「おい、ミカサ!!!!!」バ-ン

モブC「よくも……ライナーを傷つけてくれたな!!こっちはいっつも迷惑してるんだよ!!ちょっと成績がいいからって………いい加減調子に乗るんじゃねぇ!!!!!」

ヨクイッタ ソウダソウダ ヤットイエタナ、ライナ-ニキノオカゲダ

ミカサ「………っ」グッ…

エレン「………なっ!!てめ……」ガタッ
ライナー「……やめておけ。ここは俺に任せろ」ガシッ

ライナー「………おいお前ら、
気持ちは嬉しいが……、ミカサだってあれだけ戦って疲れてるんだ、
そっとしておいてやれ」ガタッ

モブC「………ちっ、
まあ、ライナーがそう言うなら仕方ねえな……」スッ…

ライナー「………そんなことより、
お前ら、昨日の続きやろうぜ!!ほら、UNOトーナメントまだ途中だっただろ?」

ソウイヤソウダナ ヨッシャ、マケネエゼ!! パンハオレノモンダ
ゼッタイワタサネエ ワイワイ ガヤガヤ

ライナー「……じゃあ、俺は行くぞ」スタスタ

ミカサ「………」

モブD「あっれ~、ミカサちゃん?
いっつもイェーガー君にべったりなのに、今日は独りぼっちなのぉ~?」ニヤニヤ

モブE「もしかして、見捨てられちゃった、とかぁ~?」クスクス

ミカサ「………っ!!そんなこと……」ギリッ…

モブD「あれ?あれれ?怒ったらすぐ暴力?残念だけど、あんたの味方はもういないんだよぉ~?」ニヤニヤ

モブE「ちょっとでも私達に触ったら過大に報告して、開拓地送りにしてあげるか~ら~ねぇ~?」クスクス

モブD「残念だねぇ~、いくら成績良くなっても、開拓地送りじゃ意味がないわよねぇ~ミカサちゃん?」ニヤニヤ

モブE「イェーガー君とも一緒に暮らせないよぉ~?家族(笑)なんでしょ?」クスクス

ミカサ「………っ」ギリギリ…

アニ「……ねえ、あんたら」スタスタ

モブD「………なによ」

アニ「さっきあそこで大口叩いてた男にも言えることだけどさ、あんたら昨日まで、ミカサの顔見るたびにビクビクしてたんじゃないのかい?」

アニ「それが、今日ライナーがミカサに大々的に宣戦布告して、世論が自分に味方したと思った途端に態度豹変。
卑怯にもほどがあるよ……」

モブE「………あんたはいいのかよ。
あんたは、こいつのせいで嫌な思いしたことないのかよ」

アニ「そういう問題じゃないんだ。
別にミカサの肩を持つ訳じゃない……。
ただ、今日実際にミカサと戦ったのはライナーだけで、私もあんたらも何もしてないだろう。
ライナーは考えを伝える為に体をはったんだ……。それに安い感情で便乗しないでくれるかな。これ以上、ライナーの行動を汚さないでくれるかい」ギロッ

モブD「………チッ……」スタスタ

モブE「………さっすが氷の女。
優等生は考えることが違うよ」スタスタ

アニ「………」スタスタ

ミカサ「………」

ミカサ(………誰もいなくなった。
食堂には私1人………)ポツン…

ミカサ(私は1人……これからも、こうして1人で生きていかなければならない……)

ミカサ(覚悟はしていたはず……。
なのに、どうしてこんなに苦しいの……?)

ミカサ(エレンだけは……エレンだけはそばにいてくれると思ったから?
……違う。私はエレンの幸せを願っている……あのまま私と一緒にいれば、エレンは幸せになれない……)

ミカサ(………それにエレンとも離れなくてはならなくなる覚悟もしていたはず……)

ミカサ(なら………なんで……?)ポロポロ

タタタタタ… スタスタ…

ミカサ(……誰かがこっちに向かってきている……。教官?いや、まだ消灯時刻まではかなり時間があるはず……)

スタスタスタスタスタ…

ミカサ(………!?あれは……!?)ガタッ

アルミン「………ミカサ!!
やっぱりまだここにいたんだね」タタ…

ミカサ(………アルミン……!!)

アルミン「………ミカサ、
昨日はあんな事言ってごめん。良ければまた友達に戻ってくれないかな」

エレン「アルミン、それは違うぞ!!」タタタタタ

ミカサ「エ………エレンっ!!」

エレン「アルミン……お前は俺達の家族じゃねーか……!!血は繋がってないけど、それはミカサと俺も同じだ!!」

エレン「家族ってのは、離れたり戻ったりするもんじゃねぇだろーが!!
友達は口約束に過ぎないが、家族は違う。死んでも消えない称号なんだよぉ!!!!!」バ-ン!!

エレン(決まった……!!
今俺かっこいいぞ……!!)キリッ

アルミン「あ、それ今日ライナーが言ってたやつだよね。僕も聞いてたよ」

エレン「」

アルミン「………でも、ありがとうエレン」ニコッ

エレン「………あったりめーだろ!!」

ミカサ「………あの……あの……」オロオロ

ミカサ「2人が心配してくれるのはとても嬉しい……でも……」

ミカサ「私はとても嫌われ者。
今日強く実感した……。今まではみんな遠慮していただけ。でも今日、ライナーの勇気が伝染した……世論という後ろ盾が出来た以上、私に対する恐怖心は消えた」

ミカサ「私は今までしてきた事のツケを払わなくてはならない。2人をそれに巻き込みたくない……」

エレン「………だから、話しかけるなってか?」

トリップ消えてるのに気付きませんでした……。>>178>>1です

エレン「あのなあ、ミカサ……。
お前は俺達の幸せを願ってくれているみたいだが、今とっている行動でそれが叶うと思っているのか?」

ミカサ「………」

エレン「俺達は小さな頃からずっと一緒だった……こんな形でお前がそばからいなくなって、幸せなんか有り得るかよ!!」

エレン「確かにミカサにも非はあるのかもしれねぇ……。でも、だとしても俺がお前から離れる事はねえ。
それで俺が嫌われるとしても、だ!!
死んでも消えない、家族という関係を捨てるくらいなら……俺は所詮口約束の友達から嫌われる方を選ぶ」

アルミン「だからエレンそれライ
エレン「アルミン、ちょっと黙れ」ニッコリ

アルミン「」

ミカサ「……っえっ、れん……」ポロポロ

エレン「それから、ミカサ……。
悪かったな」

エレン「今日ライナーに言われて、気付かされたよ。俺とミカサは血は繋がっていない……でも俺達はお互いに、家族を名乗り合ってきた。それがどれだけ責任を伴う行為なのかって事を」

エレン「ミカサ、お前はいつも俺の事を守ろうとしてた。いつも俺の傍にいた。
正直、鬱陶しいと思う事もあったよ……過保護が過ぎるってな」

エレン「でもお前は、やり方はどうであれ、俺に対して家族としての責任を全うしようとしてきたんだ……。
俺は何もしてこなかった。口ではミカサを守りたいやら何やらと言っていたが、実際は何も……。目の前でお前が明らかに悩んでいるのに、それに対して何もしようとしてこなかった」

エレン「だから、ごめん。
俺は、気安く使い過ぎていたんだ、家族って言葉を。
ミカサ、お前は家族だ……。これは絶対に変わらない事実だ。
だから、俺はこれからそれを自覚してお前に接するようにするよ。お前を本当に守れるようになるよ」

ミカサ「エレン……本当に……」ポロポロ

アルミン「ミカサ、僕からもいいかな」

アルミン「僕は……、昨日で君に愛想が尽きたと思った。だからあんな事を言ったし、それだけの覚悟もあった。
……でも今日、ライナーがミカサと戦っている時、気付いたんだ。
僕はどうしたって、ライナーの側には行けないんだって」

アルミン「もう君には愛想を尽かしたはずなのに……、君から離れようと思ったはずだったのに。周りがあれだけ揃いも揃ってライナーの側についているというのに。僕はミカサ、君を応援してしまうんだ。
正しいのはライナーだった、君は確かに間違っていた……それでも僕は、ライナーの事を応援する事が出来なかった」

アルミン「ライナーが攻撃を繰り出すたびに胸が痛むんだ。今すぐに止めに入りたいと思うんだ。勿論僕の実力では、それは不可能だったけれど」

アルミン「考えた……。考えて、分かった気がしたよ。
やっぱり、僕の中で君は家族だったんだよ、ミカサ。ライナーは友達だ。言い方は悪いけれど、ライナーの言葉を借りれば、それは所詮友達なんだよ。
友達を悪く言う訳じゃない。ただ、“家族”という関係を前にしては、些かその効力は薄過ぎた……僕にとっては」

「それから、ミカサ。
僕も君に謝らなくちゃいけない」

アルミン「僕も……気付いていたよ。君が何かに悩んでいた事に。
僕は毎日君の相談に乗っていた。それはいつだって、君の過保護さゆえのやや無理のある相談だった。
僕はそれで満足していた。君の全てを受け止めている気になっていた」

アルミン「僕は、一番肝心な所を抜かしていたのに……いや、避けていたのかな。
怖かったんだ、ミカサが。他の訓練兵と同じように。君の目と口調が余りに本気だったから……下手に逆らったら、殺されるんじゃないかと思った。
でもそれは、裏を返せば君の事を信用していなかった証でもある」

アルミン「僕は昨日、勇気を振り絞って君に反発した。でも、僕達が本当に家族なら……僕は、その勇気をもっと別の所に使うべきだったんだ」

アルミン「僕は君を疑っていた。そして、君ときちんと向き合おうとしてこなかったんだ……これでよく、家族がどうとか言えたものだよね」

アルミン「………僕もライナーに気付かされた口だよ。ごめんね、ミカサ」

ミカサ「………エレン、アルミン。あなた達は家族。今日、あなた達がいない生活を久し振りに思い知った。
エレン、さっきの言葉を撤回させて欲しい……これからも傍にいて欲しい」

エレン「………ああ、勿論だ!!」

ミカサ「それから、アルミン……」

ミカサ「あなたを傷つけたのは私。あなたを信じていなかったのも私……。
あなたは悪くない。私達が家族失格だとするならば、原因は全て私……」

ミカサ「それでも、アルミンは私に向き合おうとしてくれる。私は……、家族としてあなたを信じたい。それでいい?」

アルミン「………!!」

アルミン「勿論だよ、ミカサ……!!」

アルミン「僕達だけじゃない。
104期の訓練兵達はみんな、君の味方であるはずだよ。
今でこそああだけど、みんな本当はミカサが元に戻る事を望んでる。
なんたって君は、訓練兵団に入った当初は絶大な信頼と人望を得ていたんだから」

ミカサ「……私は2人には、特にアルミンには、謝らなくてはならないことが沢山……数え切れないほどある。
今からそれを羅列するよりは、私はそれを行動で示す事にする」

アルミン「それがいいよ、ミカサ」

アルミン「……ミカサ。
君はもしかしたら、僕の知らない何か大きなものを抱えているのかもしれない。
もしそうだとしても、無理に聞き出すつもりはないよ。今まで僕にもエレンにも言って来なかったような秘密があるのだとしたら、それは大変な事だと思うから。簡単に話せるような事じゃないんだと思うから。
だけど君がその気になったら、僕でよければ、いつでも相談に乗るからね。
これだけは伝えておくよ」

エレン「ミカサ、俺もだぞ。
俺達は家族だからな。本当は隠し事はして欲しくねぇが、アルミンがそう言うなら仕方ねぇや」

ミカサ「……ありがとう、2人とも。
2人の言葉、胸に刻み込んでおく。
でも大丈夫、隠し事はしていない。それは2人が考え過ぎているだけ。
私はあまり人を信じられなかった……。それだけ。心配しないで」

エレン「……だよな!!良かったぜ」ホッ

アルミン「……それなら良かったよ」

ミカサ(………ごめんなさい)

スタスタスタスタ…

ライナー「よう、ミカサ」スタスタ

ミカサ「………ライナー……?」

ライナー「2人とも、今お取り込み中か?そうでないなら、少しミカサと2人きりで話したいんだが……」

アルミン「構わないよ、ライナー」サッ

エレン「いいぜ!!今ちょうど終わった所だったからな!!」サッ

ミカサ「……私も構わない」

ライナー(いい雰囲気だな。雨降って地固まるってやつか……。ミカサの雰囲気も随分と柔らかくなった気がする。以前は所構わず振り撒いていた殺気も、今は感じない。気のせいじゃなきゃいいが……)

アルミン「……それじゃ、僕達は行くね」スタスタ

エレン「おう、お休み、ライナー、ミカサ」フリフリ スタスタ

皆気が付いてるライミカの流れですね
そして倉庫の奥でスレタイ回収
ハッピーエンド

ミカサ「……ライナー、さっき言ってたあれは……いいの?」

ライナー「ああ、UNO大会か」

ミカサ「そう」

ライナー「瞬殺されたぜ……なんでドロー2×13とドロー4×3が全部俺の所に回ってくんだよ……」ブツブツ

ミカサ「……38枚引き!?」

ライナー「ああ。山札がなくなりかけたぜ……」

ミカサ「それはご愁傷様……」

ライナー「………」

ミカサ「………」

>>192
気持ち悪いっすね

まぁとりあえずライミカだったら萎えるな、カプ注意くらいは書いて欲しいもんだ。

ミカサ「ライナー……、その……ごめんなさい……。私は盲目的だった……現実から目を背けていた。奢っていたのかもしれない、でも私は弱かった……」

ライナー「俺も、今日は冷静じゃなかった。カッとなっちまってな。
いくら主席で対人格闘の成績がいいミカサとはいえ、女相手に本気で暴力を振るうなんてな……。
俺は兵士として、その辺のコントロールは出来ると思っていたんだが、まだまだだったみたいだな。兵士失格だ」

ライナー「………なあ、ミカサ。
俺はずっとお前のエレンへの強い執着心と嫉妬心がああいった行動を起こしてるんだと思っていた……実際にお前も、そんなような態度を取っていたよな」

ライナー「……実際は、違うんじゃねぇのか……?俺はお前が、怒り狂うと思ってた。俺がエレンとお前の関係を否定し、宣戦布告した時の話だ」

ライナー「俺はあの時、完全に冷静さを失っていたから、お前の反応を気にもとめなかった。後から考えて、もしやと思ったんだ」

>>192>>196
そもそも恋愛SSではないので……。
恋愛要素はありますけどね。
ミカサとくっつくことが許されるのはジャンとエレンだけだと思っています!
ジャンミカは叩かれやすいですがジャンもたまには報われていいジャン?
原作ではイケメンなんだし

ライナー「確かにお前は一度俺の挑発に乗りはした……。だが、すぐに冷静さを取り戻したよな。
もしお前がエレンだけに執着しているのだとしたら、俺が知っている最近のミカサなら……その場で俺に攻撃を開始していただろうし、少なくとも俺の長い話を聞くような心の余裕はなかったはずだ」

ライナー「それに、あの時一瞬お前が見せた諦めに近い表情……。
まるで初めからこうなることが分かっていたかのようだった……。俺はお前に、自分が他者の反感を買う行動をしているという自覚はないのだと思っていた。追求されたらまた“エレンを守る為”だのとほざくのかと思っていたぜ」

ライナー「でも、違った……お前には自覚があったんだな。
だがお前が、それが分かるような常識的な人間なのだとすれば、矛盾が生じるだろうが……そう、少し考えれば浮かんでくるはずだろう?
過保護が過ぎてエレンに嫌われる可能性ってやつがさ」

ミカサ「………」

ライナー「………ミカサ、
お前がもし何か重大な秘密を抱えていて、それがエレンやアルミンに嫌われるリスクを犯してでも守らなくてはいけないものなのだとしたら……」

ライナー「お前がこのまま潰れちまうんじゃないかって、心配なんだ」

ライナー「さっきまで戦ってた俺が言うのもなんだが……力になれる事があるなら、言ってくれよ」

ミカサ(………)

ミカサ「………ライナー。それはあなたの考え過ぎ。私はエレンを愛している。それだけのこと」

ミカサ「………それに」

ミカサ「もしそんなものがあるとしても、エレンにもアルミンにも言えないようなことを、あなたに言うことは、きっと出来ないと思う……」

ライナー「………そりゃそうだな」ハハ…

ライナー「まあ、あんまり気に病むんじゃないぞ。誰にだって、人には言えない秘密の1つやふた………」ピクッ

ライナー(………待て)

ライナー(俺は何か、凄く重大な事を忘れているような……)

ミカサ「そう。心配しないで………ライナー?どうしたの?」

ライナー(………気のせいか)

ミカサ「………そうだ。
私もライナーに聞きたい事が1つある」

ライナー「?……何だ?」

ミカサ「……あなたは、今までどうして、対人格闘訓練の手を抜いていたの?」

ライナー「ああ、それは勿論女の子相手に暴力なんて………
ミカサ「でもあなたは、エレンやコニー、ベルトルトのような、男子相手に組む時も手を抜いていた。
特にエレンは、あなたに手加減しないよう頼んでいたはず……そしてあなたはエレンに負けていた」

ミカサ「あなたは、手を抜けば勝てない相手との訓練も、手を抜いてみすみす負けていたいたということになる。
あなたはそういう事をする人に見えない……何か理由があるの?」

>>202
ミカサ「いたいた」
自分で書いたのにワラタ
割とシリアスなシーンなのに……。
脳内訂正でお願いします

ライナー「ああ、それはだな………」ズキッ…

ライナー(………!!)ガクッ…

ライナー(待て………どうしてだ………何故俺は………エレン相手に手を抜いた………!?思い出せない………いや、思い出そうとすると吐き気が………)ブルブル…

ライナー(………何かがおかしい………何かがある………だが、俺の脳が思い出すことを拒否している………)ガクガクガク…

ミカサ「………ライナー?」アセアセ

ミカサ「ライナー、顔色がとても悪い………ごめんなさい、私はそんなつもりで言った訳じゃ………純粋な好奇心で………」オロオロ

ライナー「………いや、気にするな」スクッ…

ライナー(……なんだったのだろう)

ライナー(つい最近……それも数時間前ほどに、このことを考えた気がする……。
なのに今は………うっ、またも吐き気が………)ガクッ…

ミカサ「……ライナー、嫌な事を思い出させたのなら本当にごめんなさい!!
無理しないで、落ちついて……。
今日はもう寝た方がいい……」オロオロ

ライナー「……いや、構わん。
せっかくだから、もう少し話そう」スクッ…

ミカサ「………ライナーがそう言うなら、構わないけれど」

ライナー(……きっと気のせいだ)ブンブン

ライナー「……それにしても、
やっぱりミカサ、お前は強いぜ。
勝つ気満々だったんだがなあ……」フゥ…

ミカサ「………それはあなたも。
攻撃をコンスタントに当てられた。あなたのスタミナが切れるまで耐えるつもりだったけれど、持たなかった……」

ライナー「俺もだぜ。いつまで経っても仕留め切れないから、途中からお前の体力切れを狙った戦法にシフトしたんだが、結局最後まで持ちこたえられてしまった……」

ミカサ「私達は40分間も戦っていたらしい……さすがに疲れた……」

ライナー「………そんなに!?
道理でくたくたなわけだ……」ハァ…

ライナー「だが、収穫もあったぜ。
ミカサ、お前本気になった時はそのマフラー外すんだな。お前の首が露出してるの初めて見たかもしれん……」ギャップガアッテチョットエロカッタゼ、ナイショダナイショ

ミカサ(なんかライナー、呼吸が荒い。絶対変な事考えてる)

ミカサ「……これはエレンから貰ったもの。外そうか迷ったけれど、戦闘で傷ついては困るし、装飾品をつけたまま戦うなんてライナーに失礼」

ライナー「……そうか。
いや、なかなかレアだったぜ」ニヤニヤ

ライナー「どうせなら、腕のそれも外せば良かったのになあ……。
それは着けたままだったよな」

ミカサ「………!!」ギクッ…

ライナー「ほら、それだ、それ。
左腕につけている………リストバンドって言うのか、それ?
ミカサと言えばマフラーとそのリストバンドだからな……どうせなら両方外して無防備な姿を俺の前に
ミカサ「ライナー」
ライナー「調子に乗り過ぎました、どうもすみませんでした」ドゲザ-

ライナー「そのリストバンドも、マフラーと同じくらい大切にしているようだが、それもエレンに貰ったのか?」ニヨニヨ

ミカサ「え……ええ。これはここに来る前にエレンが誕生日プレゼントとしてくれたもの……。
あれから週に一度洗う以外は、寝る時も含め一時も外したことはない」

ライナー「お……おお、そうか……」

ライナー(Oh……臭そう)

ミカサ「………」

ライナー「………」

ライナー「………それで、
お前はどうするんだ?」

ライナー「エレンとアルミンとは仲直り出来たみたいだが、現状他の104期生がお前を好いているとは言い難いぞ」

ミカサ「………ライナー、私は今まで彼らを信用してこなかった。あなたも、アルミンも、その例外ではない。エレンですら、私は心から信用してはいなかったかもしれない……」

ミカサ「でも、私は2人と約束を交わしたた。私はエレンを、アルミンを信用することに決めた。勿論そんなに単純なことではない……全てをさらけ出すことだけが信用の形態とは限らない、と思う。それでも、出来る限り全面的に……」

ミカサ「そのアルミンが、あなたを、他の104期生を信じるよう言ってくれた。
アルミンには正解を導く力がある……ので、私はそれに従う」

ミカサ「口で言うのは簡単。私は、明日からそれを行動で示す」

ライナー「………」

ライナー「……そうだな、それがいい。
俺も手伝うぞ」ニコッ

ミカサ「………あ、ライナー」

ライナー「ん?」

ミカサ「……今度、また勝負したい。
病みつきになった……もうあなた以外と対人格闘はできそうにない」

ライナー(いや、もういいわ俺は)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年10月20日 (日) 00:34:11   ID: Tv6qTL3p

なんか俺が書きたかった内容のSSだ、面白いから期待

2 :  SS好きの774さん   2013年12月20日 (金) 20:37:09   ID: F5c3ZJi4

これ続きはないのか…?

3 :  SS好きの774さん   2014年01月01日 (水) 19:24:49   ID: 18CGeZlC

ミカサとライナーのからみが大好きなんだが

よかったらまた恋愛ものライミカかいてくれ

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