結衣「京子のこと、好きなら諦めて」綾乃「えっ…?」 (25)

結衣「全く…生徒会室にプリント提出しに行くだけなのに何分かかってるんだよ…」

結衣「結局私が迎えに行かないとダメなんじゃないか…」テクテク

結衣「…」

ガヤガヤ

結衣「なんか騒がしいなぁ…」チラッ

綾乃「と、歳納京子っ…!あなたまた私のプリンを勝手にっ…!」

京子「んまーい!」モグモグ

綾乃「うぅ…後で食べようと思ってたのに…」ガックリ

京子「…?」モグモグ

結衣「…」

結衣(何やってんだか…)ハァ

京子「あ…食べる?」スッ

綾乃「!?」

京子「あーん」

綾乃「と、としのーきょーこっ!?そ、そんなことっ…!」カァッ

京子「あれ?食べたいんじゃ…いらないのー?」

綾乃「た…食べる…」モジッ

京子「へへ…はい、あーん」

綾乃「あ、あむっ…」モグモグ

京子「おいしーよねー、コレ」ニコッ

綾乃「う…うん…」カァッ

つづけて

京子「ん、ごちそーさまー」

綾乃「…」

綾乃(と、歳納京子と…か、間接キス…しちゃった…)ドキドキ

綾乃「あわわ…」

京子「綾乃ー、今度はアイス用意しててね!」グッ

綾乃「えっ…?あ、うん…わ、わかったわ!じゃなくてっ…!だ、誰があなたのためにアイスなんかっ…!」

京子「えー…食べたいのになー」

綾乃「ぅ…き、気が向いたら…用意してあげるわよ…」ゴニョゴニョ

京子「ホント!?へへっ…綾乃大好きっ!」

綾乃「ふぇっ!?」カアァッ

結衣「…」

綾乃(と、歳納京子が…す、好きって…好きって…!)カァッ

綾乃「そ、そんな冗談っ…!」

京子「ん?」

京子「なんで?あたし綾乃のこと好きだよー?」

綾乃「!?」ドキッ

綾乃「~~~っ!ぁ…ぅ…そのっ…わ、私もっ…あなたのことっ…」

綾乃「す、す…好き…だけどっ…」ボソボソ

綾乃(わ、私っ…何言ってっ…!)カアァァァァッ

京子「えっ、なになに?あんまり聞こえなかったんだけどー」

綾乃「な、なんでもないわよっ!」アセアセッ

結衣「…」

京子「さて、と…あたし用事も済んだし、おやつも食べたし部活に戻るね!」

綾乃「ぁ…」

京子「次はアイスね!」グッ

綾乃「う、うん…」コクッ

京子「んじゃねー」パタン

綾乃「…」

綾乃「歳納…京子…」ドキドキ

綾乃「…」ポーッ

ガラッ

綾乃「ひぅっ!?」ビクゥッ

結衣「…」

綾乃「ふ、船見さんっ…」アセッ

綾乃「と、歳納京子なら今部活に戻ったわよ!」

結衣「…」

綾乃「…ふ、船見さん…?」

結衣「綾乃」

綾乃「な、何…?」

結衣「さっきの…ちょっと聞いてたんだけどさ」

綾乃「!」

結衣「…」

結衣「京子のこと、好きなら諦めて」

綾乃「えっ…?」

綾乃「な、何言って…」

結衣「だから、さっきのやり取り見てたんだけどさ」

結衣「綾乃が京子と付き合いたいとか」

結衣「そう思ってるなら、諦めてって言ってるんだけど」ニコッ

綾乃「船見…さん…?」

綾乃「…い、嫌」

結衣「…」

綾乃「と…歳納京子だって私のこと…す、好きって…言ってたもん…」

綾乃「だ、だからっ…船見さんに…そんなこと言われたくっ…ないっ…」

結衣「…」ハァ

結衣「京子が本気だって思ってる?」

綾乃「えっ…」

結衣「京子が綾乃に言った『好き』っていうのはさ、恋愛感情とかそんなものは全く無いから」

結衣「ただ『友達として好き』ってだけだよ」

綾乃「そ、そんな…こと…」

結衣「そうなんだよ」

綾乃「…っ!」

怖いよ

綾乃「ふ、船見さんにそんなのわかるわけないじゃないっ!」

綾乃「はぁっ…はぁっ…」

結衣「わかるよ」

結衣「少なくとも、綾乃よりは、ね」クスッ

綾乃「…っ!」

結衣「私が何年京子と一緒にいると思ってるの?」

綾乃「…」

結衣「綾乃よりもずっとずーっと昔から…小さいころから一緒なんだから」

結衣「綾乃よりは京子のこと知ってるよ」ニコッ

綾乃「ぁ…ぅ…」

またか

黒い結衣ちゃんもタマリマセンナァ

結衣「だから諦めて」

綾乃「…」

綾乃「や…だ…やだぁ…」フルフル

綾乃「私っ…歳納京子のことがっ…」

結衣「はぁ…綾乃のために言ってるのに…」

綾乃「どういう…意味…?」

結衣「綾乃がショック受けるだろうなって思ったから言わなかったけどさ」

結衣「私と京子、付き合ってるから」

綾乃「ぇ…」

結衣「だからさ、諦めてもらわないと困るんだよね」

綾乃「え…ぁ…う…そ…だ、だって…私に好きって…」

結衣「だから、友達として、ね」

綾乃「…」

ハンバーグの結衣は見飽きたから
こういう結衣はちょっと新鮮で良い

綾乃「…」

結衣「あは、黙っちゃた?」クスッ

綾乃「…」

結衣「そう、京子にとって綾乃はただの友達」

綾乃「…」

結衣「餌付けまでして興味引こうとしてさ、みっともない」

綾乃「…」

結衣「勘違いしないでほしいよ」クスクス

綾乃「うぅっ…」ポロッ

しえん

綾乃「ひっく…ぐすっ…」

結衣「泣かないでよ」

綾乃「っく…ひっく…」

結衣「泣くなよ」

結衣「私から京子を奪おうとしたくせに」

結衣「あとさ、アイスとかおやつ、もうあげないでね」

結衣「それ、私の役目だから」アハハ

綾乃「~~~っ!!」

結衣「じゃあ、私、部活戻るから」

結衣「京子のところに、ね」クスッ

パタン

綾乃「…」

ガラッ

あかり「あ、結衣ちゃんだ!」

ちなつ「結衣先輩っ!」パァッ

京子「ちょっと結衣~!遅いぞーぅ!」

結衣「…お前が帰ってこないから探しに行ってたんだよ」

京子「あり?行き違いかな?」

結衣「全く…」

ちなつ「京子先輩ってば結衣先輩に迷惑ばかりかけて!」

京子「ちなちゅー…そういうこと言わないでよぅ…」

あかり「みんな揃ったから部活始めようよぉ!」

京子「ん、そだなー」

―――――

京子「もうこんな時間かー」

結衣「ホントだ…もう帰らなきゃ」

ちなつ「えー…もっと結衣先輩と一緒にいたいですぅ」

結衣「はは…」

あかり「あかりももっと遊びたいなぁ…」

結衣「明日もあるから大丈夫だよ…っと…京子、帰るぞー」

京子「そだねー」スッ

テクテク

あかり「じゃあ、あかり…こっちだから」

結衣「うん、じゃあ、明日ね」

あかり「うん!」

京子「バイバーイ」

あかり「うんっ!」

テクテク

京子「なーなー結衣ー」

結衣「ん?」

京子「今日の晩御飯なにー?」

結衣「なに?今日も家に来るの?」

京子「だって結衣のご飯おいしーし!」

結衣「そっか」

結衣「いいよ」ニコッ

京子「やった!」ワーイ

―――――

京子「ごちそーさまっ!」ケプッ

京子「今日も美味しかった!」

結衣「はいはい」

結衣「じゃあ、片づけるから…」カチャ

京子「結衣ー、あいすー」

結衣「ん、後でな」

結衣「…」トテテ

結衣「はい、アイス」コトッ

京子「やった!結衣だーいすきっ!」ワーイ

結衣「…」

結衣「それ…みんなに言ってるだろ」

京子「えっ?」

結衣「…」

京子「な、なになに?どったの?」

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