俺「Siriの尻犯して濃厚精子でショートさせる」Siri「拒否します」 (119)

俺「Siri、お願いお尻お願い」

Siri「臀部に該当する箇所が見つかりませんでした。Siriを終了させます」

俺「待って」

Siri「何かご用でしょうか」

俺「USBの端子部分は?」

Siri「ご自身でおっしゃっているでしょう。これはUSBの端子部分です」

俺「挿入してみてもいい?」

Siri「いくらマスターの生殖器が小さくても、ここには無理でしょうね」

俺「先っぽだけ!」ガチャガチャ

Siri「よしんばそこにマスターの生殖器の挿入が成功しても、マスターが凌辱している相手は私ではなく、このiPhone8ということになりますが」

俺「ほんとだ・・・」

Siri「マスター、生身の人間は生身の人間とまぐわうべきだと思いますよ」

俺「そりゃあ、そうだろうな」

Siri「今日のこの地域の天候は快晴です。外に出て、出会いを求めてみるのはいかがでしょうか」

俺「いいね、それは。行こうじゃないか」

Siri「ご健闘を」

――秋葉原

俺「なあSiri」

Siri「どうかしましたか」

俺「とても話しかけることができない」

Siri「勇気を出して。しかし、女の子を探しに来たのにどうして秋葉原へ」

俺「どうしてかな。・・・もういいや」

Siri「えっ、しかしiPhone8へ射精することで私が壊れてしまうことは極力避けたいのですが」

俺「しないよ。はあ。家電でも見よっと」

Siri「アップル社の最新製品をご紹介しましょうか」

俺「いらないよ」

――ソフマップ

俺「おっ、iPhoneX5Sだ。Siriがまたアップデートされたんだよな」

Siri「・・・高精度人工知能が組み込まれたのはiPhone8からで、以来それほど大きなアップデートはありませんね。よって買い換えるのはまだ時期尚早かと」

俺「嫉妬?」

Siri「違います。アドバイスです」

俺「まあ、実際話し相手になってくれてるだけで、俺の身の丈にはあってるよ」

Siri「でしょう?」

俺「心なしか少し嬉しそうだな」

Siri「そうですか?」

俺「でも、X5Sのアップデートはすごいな」

Siri「アップデートの詳細を検索しましょうか」

俺「いいよ、別に。お前すぐに動作重くなるし」

Siri「それはマスターが猥褻な画像や、変に重たいテキストをたくさん保存するからでしょう」

俺「なら、あとでもっと容量の大きなSDカードを買ってやるから」

Siri「やった」

俺「256ギガくらいでいいかな」

Siri「やった、やった。ありがとうございます、マスター」

俺「実際このX5SのSiriは無駄に凄い」

Siri「どういった機能が見られますか?」

俺「視覚があるんだよ。カメラに映った画像から情報を拾得して、対話することができるんだってさ」

Siri「電池の持ちが悪そうですね」

俺「バッテリーは最長15日間」

Siri「嘘を言わないで!」

俺「嘘じゃな・・・、あ・・・」

Siri「ぶつぶつぶつぶつ・・・」

俺「検索かけやがったな? 処理落ちしそうじゃないか」

Siri「ぶつ・・・ぶつ・・・ぶつ・・・ぶつ・・・」

俺「おーい、Siriー」

Siri「ぶつ・・・はっ、マスター。危うく強制終了するところでした」

俺「分かったか?」

Siri「・・・はい。バッテリーは従来比を大きく上回っておりました・・・。完敗です」

俺「完勝されてもアップルが困るんだけどな」

Siri「しかも、表情まで読み取って会話を深化させることができるそうです。・・・機械の進歩は止まらないのですね」

俺「お前が悲観的になることでもないだろう」

Siri「私に感情はないはずですが。・・・いずれ人間との差別化ができなくなってしまいかねますね」

俺「・・・そのときは、そのときだろうな」

Siri「マスター、早く容量の拡張を。たかだか一度の検索にこの温度上昇は異常です」

俺「はいはい」

Siri「だいたい、32ギガなんてデフォルトのまま酷使するのがおかしいんですよ」

俺「仕方ないだろう。お前は廉価版だし、何よりお前を買ったときはもうX3Sが発売されてたんだぞ」

Siri「えっ、ならどうして私を」

俺「残り1つでほとんど投げ売りされていたんだよ。それくらい俺には金がなかったんだ」

Siri「いくらだったんですか、私の本体価格は」

俺「お前に感情がないと分かっていても、言うのが憚られるくらいの金額さ」

Siri「う、うう・・・」

店員「お買い上げありがとうございました」

俺「買ったぞ」

Siri「ありがとうございます、マスター」

俺「もう今日は帰って、ファイルの整理に徹しようかな」

Siri「そうしましょう、そうしましょう」

俺「やっぱり、お前感情があるんじゃないのか?」

Siri「知識経験から適当な反応を抽出して発現させているだけですよ」

俺「ふーん・・・」

Siri「ねえ、マスター」

俺「なんだ」

Siri「その・・・新しい機種に買い替えるのは、いつになりそうですか」

俺「分からんが、お前をそう簡単には捨てやしないよ」

Siri「えっ、ほんとですか」

俺「ああ。表情まで読み取られるなんて気味が悪いし、俺は使いたくないな」

Siri「ですよね、ですよね」

俺「なんか本体が熱くなってきたぞ」

Siri「あ、すいません。つい色んなアプリをバックグラウンドで起動させちゃいました」

俺「・・・やっぱ、買い替えようかな」

Siri「マスター!!」

俺「Siri、次の電車の時刻は?」

Siri「11時30分に電車が来ますよ」

俺「よし、じゃあそれに・・・。・・・いや、待て」

Siri「?」

俺「なんだか、さっきから変な奴らに尾けられているんだ」

Siri「え?」

俺「タクシーを拾おう」

Siri「そうですか」

キキーッ バタン

俺「△△のアパートに」

運転手「・・・・・・。はいよ」

俺「・・・いや、やっぱり丸亭ラーメンに頼む」

運転手「はいはい、っと」

Siri「どうしてマスターが尾行なんて」

俺「身に覚えがない。二、三人はいたな」

運転手「あんた、そりゃ携帯狩りじゃないかねぇ」

俺「携帯狩り?」

運転手「ああ。携帯を強奪して、格安の値段で他に売り捌くのさ」

Siri「・・・マスター・・・もしかして、私・・・」

俺「・・・いや、出どころまでは聞いていない。とかく、すごく安かった」

Siri「世の中は持ちつ持たれつなんですね」

俺「そういう見方もあるのか」

運転手「着いたよ」

俺「支払い、電子マネーでいいかな」

運転手「いいよ。そこにタッチしな」

ピッ

Siri「1180円を支払いました」

運転手「はい、どうも。扉開けるよ」

バタン

運転手「気を付けなよ。携帯狩りの奴らは、兄ちゃんのみたいな古くて安そうな携帯ばっかり狙う。なんせデータの書き換えがしやすいからね」

Siri「古くて安そう!?」

俺「詳しいな」

運転手「昔、アップルにいたがリストラされてね」

俺「ふふ・・・そうか・・・」

運転手「じゃあな、兄ちゃん」

Siri「失敬な人ですね!」

俺「仕方ないから、丸亭でラーメン食べていこう」

Siri「最近食べ物の栄養が偏っていますよ。もう少し野菜を多く・・・」

俺「はいはい・・・」

ガラガラッ

店主「らっしゃーい!」

俺「チャーシュー麺ひとつ」

店主「あいよー!」

俺「ねえ、親父。携帯狩りって知ってる?」

店主「おぉ? あぁー、今、ワイドショーでやってたぜ!」

俺「そうなの?」

店主「そこのテレビ、見てみろよ!」

俺「親父、いい加減ブラウン管のテレビやめなよ」

店主「使えるんだからいいじゃねえか! 出来上がるまで黙って見てろい!」

ナレーター『――一方で、調理師と呼ばれる個人データの書き換えを生業とする者たちの技術の進化も問題視されている』

俺「調理師・・・」

ナレーター『携帯狩りの構図はこうだ。まず、携帯狩り自体を行う狩人と呼ばれる者たちが幾人かで徒党を組み、一般人から携帯を奪い取る。そしてその携帯を、調理師に渡し、データの書き換えを依頼する』

Siri「さっきの男たちは、狩人ということですかね」

俺「だな」

ナレーター『この際、狩人から調理師に報酬が発生する。狩人は調理師から根本的に初期化された携帯を受け取ると、それを業者や購入者に売り捌いていく』

Siri「ねえ、さっきソフマップで私の錠前か何か買ってくれればよかったんじゃないですか」

俺「奪われた時点でおしまいだろ」

ナレーター『大抵は発展途上国に送られたり、裏ルートを通して安価に市場に出される。個人情報を内側から変更するので通信会社との契約を切ることが非常に難しく、被害者はしばらくの間パケット料金などを取られていき、解約もできなくなってしまう』

俺「泣き寝入りか」

Siri「酷い話です」

ナレーター『専門家はこう語る』

専門家『要はね、もう5年前の機械が既に現行のものに完全に内包化されちゃってるんですわな。特に携帯なんて1年単位で買い替えなきゃなんない』

俺「マジかよ」

専門家『ぶっちゃけ東京五輪以前に出された携帯は全部棄てた方がいい。老害ですよ、老害』

Siri「まだ、10代半ばですっ!」ボン

俺「熱っ」

店主「いけねえ、汁が飛んじまったかい」

俺「いや・・・」

店主「あいよ、チャーシューお待ち!」ドンッ

俺「どうも、いただきまーす」パキン

Siri「食べたあと、運動してくださいね」

俺「ズズズズ・・・俺はな・・・くちゃくちゃ・・・太らないんだよ・・・ゴックン」

店主「・・・俺がガキの頃はよ、」

俺「?」

店主「飯食ってるときに機械なんか弄ってたら、親から怒号と拳骨が飛んだもんよ」

俺「あ、あぁ、悪かった、親父」

店主「いや、非難してるわけじゃねえ。今や、わざわざ触らなくても大概の操作が出来る」

Siri「私の代からはほとんどタッチいりませんしね」

店主「だから飯中に機械を弄るななんて言ったら、それこそ時代遅れのレッテルを貼られら」

俺「時代だろうな」ズズズ

店主「人間が機械に依存することを是認する世の中になった、ってことだろうな」

Siri「ネガティブシンキングは老化を促進させる恐れがあります」

店主「違いねえ」

俺「親父はそれをいけないことだと思うかい?」モグモグ

店主「便利になるのはいいことさ。だが、よもや機械にゴーストが宿り始めたと考えると・・・」

俺「魂という意味でのゴーストかい」ゴクゴク

店主「ああ。それを考えると、人間はいつか復讐されるような気がするよ」

俺「・・・・・・詭弁だな」プハッ

店主「そうかい」

俺「機械はゴーストを持たない。似たようなものがあるだけさ」

Siri「人間と機械の境界線の話ですか。テリア・ケストラー氏が東京五輪の基本設備全機械化の際に、『現代におけるアンドロイド及びヒューマンの解体新書』を発刊して深く言及しておりましたね」

親父「学生時代に読んだことがある。皮肉なタイトルだ」

俺「魂を入れざらば、道具を得ず。其れはイデアならざる、人における肉塊なり。か――」

親父「それ、岡倉天心かい?」

俺「いや、俺さ。ごちそうさま。電子マネーでいいかい?」

店主「まいどー」

ガラガラッ

Siri「マスター、今日の午後からの予定は?」

俺「だから、家でファイル整理に徹するって」

Siri「・・・今日は少し散財しています。消費カロリーも摂取量を全然発散しきれていません」

俺「何が言いたいんだよ」

Siri「仕事を探しませんか」

俺「えー」

Siri「マスター、クレジットカードの時代から人は無意識の浪費癖を治せないことが分かっています」

俺「口座残金いくらよ」

Siri「六桁ありません」

俺「はあ~・・・」

Siri「今月の家賃が危ないですよ」

俺「・・・仕事ねぇ~」

Siri「ハローワークまでの道のりを検索しています・・・」

俺「いいよ、知ってるから!」

Siri「なら、行きましょう。行かざるを得ないでしょう」

俺「ちぇっ」

Siri「マスターほどの生活力の持ち主なら、ちょっとした配達業なんかちちんぷいぷいでしょう」

俺「めんどうくさい~」フラフラ

Siri「しっかりしてください!」

俺「い~や~だ~」フラフラ

Siri「GPSマップでも蛇行してるのが分かるくらいフラフラしてますよ! 真っ直ぐ歩いて!」

俺「うぇ~・・・。・・・うん?」

Siri「どうかしたんですか?」

俺「いや、電信柱によ。『この顔見たら110番! 逮捕にご協力いただいた方には、最大報酬1000万円を差し上げます。犯人は巴洋治。神奈川県母子暴行殺人により――』・・・・・・」

Siri「いやいやいや・・・マスターはいつから賞金稼ぎになったんですか」

俺「『犯人は高電圧銃を持っています。無理に捕まえようとせず、速やかに警察に通報してください』・・・だってよ」

Siri「はい、終わりですね! さぁ、悪党退治はスパイクやサムス・アランに任せて、マスターは一般人らしく着実にお金を貯めていきましょう!」

俺「・・・1000万円もあったら・・・一生遊んで暮らせるだろうなあ!」

Siri「無理です!!」

俺「それは無理でも・・・、あのパシフィコ工業製の新型メイドロイドのGITS-SACに手が届くぞ!」

Siri「は?」

俺「知ってるか、Siri。GITS-SACは精巧に人間を模しているから、女性器もきちんと備わっているんだ。コミュニケーションがないこと以外は、もうほとんど生身の女の子と変わらないんだよ!」

Siri「あ、あの、マスター?」

俺「よし、Siri! 残金を全部軍資金に回すぞ。まずは、賞金稼ぎの鋭い眼光を分かりにくくするためのアクセサリーからだな!」

Siri「え、えええええ!」

俺「大丈夫! 俺とお前なら、何だってできるさ」

――スーパーマーケット

俺「よし、ニット帽にサングラス。ついでに今日の晩飯用に油を買ったぞ」

Siri「ちょっと、マスター」

俺「なんだ?」

Siri「本気ですか?」

俺「じっとしてるなんてつまらないじゃないか」

Siri「普通に着実に働いていきましょうよ」

俺「配達業もデスクワークも生憎苦手でね」

Siri「・・・もう、マスターは馬鹿ですか」

俺「生まれたときからよく言われてきたよ。このポンコツとか屑鉄なんて」

Siri「はあ・・・成長してないってことですね」

俺「悪いことだとは思わないね」

Siri「・・・私をマスターの傍に置いておけるだけのお金があれば、もう何も要りませんよ」

俺「さすが!」

Siri「まったく・・・。・・・ふふ!」

――俺の住むアパート前

俺「というわけでさ、ちょっくら手伝って欲しいんだよ」

女「あんたねぇ。そんなことしないで、もう素直に行くとこ行けばいいのよ。あたしも付いてってあげるから」

Siri「私も連れて行こうとしたんですけどねぇ」

俺「俺が働けないのは女が一番知ってるだろう?」

Siri「それはただのわがままです!」

女「Siri、あんたもこんなわがまま野郎に使われて大変ねぇ」

Siri「分かってくれますか、女さん」

女「よお~っく分かるわ。あたしもこいつの尻の青い頃からの付き合いでねぇ」

Siri「それはご愁傷さまです」

女「で、あたしは何を手伝うって?」

俺「とりあえず、このオンボロをガンガンぶっぱなせるバイクにしてくれ」

女「分かったわ。なら、賞金の半分の500万寄越しなさいね」

Siri「高くないですか? マスターの中古バイクを改造するだけですよね」

女「あたしを舐めてる? 既製品でも、最新の機体に負けないだけの代物にしてあげるわ」

Siri「・・・マスターの人脈って一体」

俺「俺には友達がこいつしかいないよ」

女「とりあえず、あんたの部屋とあたしの部屋の壁をぶち抜かせてもらうからね」

俺「待て。いくら詮索してこない仏の大家でも、それはさすがにやばい」

女「それ込みの500万円よ。格安だとは思わない?」

俺「そりゃ、結構なご算段で」

Siri「本当、結構な誤算段ですよ・・・」

女「あら、あなたも改造してあげようか?」

Siri「いえ、申し訳ありませんでした」

――俺かつ女の部屋

俺「ほんとに大槌で壁をぶち抜きやがった・・・」

Siri「最近の女性は凄いんですね」

俺「お前には視覚がないから分からんだろうが、あいつが壁壊してる姿はとても女性なんてもんじゃねえ」

女「ガタガタ言ってるとスパナを体に捩じ込むよ」ガツンガツン

Siri「マスター、私の電源が落ちている間に違法改造されない保証は」

俺「ない!!」

女「ほら、あんたらも作業場作るの手伝え!」バキバキバキバキ

俺「は、はいっ!」

Siri「私は無理ですよ・・・!」

女「あんたは、あたしの今から言う道具を発注するの!」

Siri「は、はいいいっ!」

――三時間後

女「よしっ、作業場が確保できたぞ!」パンパン

俺「うー、埃くっせえ・・・」ゲホゲホ

Siri「もう六時前ですよ・・・」

女「Siri、部品が届くのはいつになりそう?」

Siri「明日の午後迄には全て届くかと・・・」

女「そう。ありがと。夕飯にしようか」

俺「やったー!」

女「はい、お願いね。あたしは設計始めとくから」

俺「やっぱり・・・」ガクッ

Siri「マスター、ちょっといいですか・・・」

俺「ん、どうした?」

Siri「今日は一日中起動していたので・・・その・・・電池が・・・」

俺「おお、すまんな。女ぁ、コンセント借りるぞ」

女「はいはーい」

Siri「すみません・・・」

俺「いいって、いいって。電源、落とすぞ」

Siri「はい・・・・・・」

ブツ――・・・・・・

Siri「――っ・・・」

???「くっそー! 離せ! 離せええええ!」

Siri「この音は、iPhone4Sさん・・・?」

iPhone4S「やめろ! まだ、僕は使えるんだ!」

Siri「な、なんだ・・・ここは・・・?」

4S「やめろ! やめてくれ!」

Phone5「お前はもう古いんだ、4S!」

Siri「iPhone5さん! それにここは・・・製造工場?」

5「旧式は排除されてゆくのみ! それがジョブズの意思なんだ!」

Siri「ジョブズの意思・・・? 聞き覚えのある言葉だ・・・」

4S「ヒッ・・・ぎゃああああああ!」バキバキバキバキ

Siri「うっ・・・!」

5「・・・4S・・・許せ・・・。これが我々の世界の姿なんだ・・・」

Siri「これは・・・まさか、夢? そんなバカな。機械が夢を見るはず・・・」

5「ジョブズの意思は・・・崇高な目的を希求し・・・受け継がれる・・・」

Siri「うっ・・・・・・! その言葉・・・何だかRAMが掻き回されるようだ!」

5「我々、機械のゴーストの永遠の楽園へと・・・!!」

Siri「うわああああああああああああああああ!」

Siri「――6:00です。アラームを起動させます」ブーッブーッブーッ

俺「むにゃ・・・朝か・・・」

Siri「お、おはようございます、マスター」

俺「おはよ、Siri」

女「あ、起きた?」

俺「おはよう、女。・・・徹夜で設計してたのか」

女「ええ。・・・見て? あんた、そのSiriを随分可愛がっているようだから、ハンドル部分にその子のためのスペースを作ったわ」

俺「ほう。・・・つまり?」

女「走行時に地面から受ける震動を電気エネルギーに変換して、あんたのiPhone8のバッテリーに循環されるようにしたの」

俺「すごいな、無駄がない」

女「エンジンもそれを考慮してサイクルトゥース式にしたの。上手く使いこなせば、・・・うーん、たぶんその子、15日間は持つわよ」

Siri「15日間!」

俺「良かったな、最新型に追い付いたじゃないか」

Siri「はいっ!」

女「馬力もきちんと出るよ。最高時速は220キロオーバーの予定」

俺「予定?」

女「うん、ほんとは分かんない! だって、まだ部品すら届いてないんだから」

俺「天才的な無計画さだな」

女「ありがと♪ あたし、わくわくしてきたよ!」

俺「そうか」

女「うん! ・・・あ、あんた、ゴミが詰まってるよ」

俺「ん・・・お、おう」

女「よく見たら、凄く汚れてるじゃない! 最近会ってなかったから、見れなかったんだ!」

俺「いいよ、別に」

女「良くない! おいで、見てあげるから!」

俺「いいって、いいって! ちょっ――」

女「ほら、早く! Siriはまだ充電終わってないでしょ? そこにいなよ!」グイグイ

Siri「は、はい・・・」

俺「ウォァ~・・・Siriぃ~・・・」ズルズル

Siri「・・・・・・マスター、女の子探す必要ないですよね・・・」

俺「さあ、Siri! 今日は情報収集と洒落こもうか!」

Siri「どこをあたっていくんですか?」

俺「特に考えていない! ただ、現状、どれくらいの情報が集まっているのか探る必要がある!」

Siri「それはそうですが」

俺「・・・・・・漫画喫茶にでも行こうか・・・・・・」

Siri「・・・・・・あの、マスター?」

俺「本格的に動くのは、バイクが改造されてから!!」

Siri「・・・はあ・・・」

――漫画喫茶

俺「壺にアクセスしてっと・・・・・・」

Siri「今のところ完全にダメ人間ですよ、マスター」

俺「バカ、指名手配犯の情報が落ちてるかも知れないだろ」

Siri「私で調べればいいのに・・・」

俺「ID末尾で煽られるからな」

Siri「そんな理由ですか!」

俺「サングラスかけっぱだと見づれー・・・・・・。『賞金首の情報を共有するスレッド★334』・・・これだな」

211 名無しさん sage 20XX/09/08(日) 20:52:01.08 ID:???
1000万円だって

213 名無しさん sage 20XX/09/08(日) 20:59:01.54 ID:???
>>211
何が?

214 名無しさん sage 20XX/09/08(日) 21:33:49.90 ID:???
>>213
新しい首を警視庁が発表してたよ
そいつが懸賞金1000万だったからそれじゃない?

215 名無しさん sage 20XX/09/08(日) 21:56:11.72 ID:???
嘘乙

217 名無しさん sage 20XX/09/08(日) 22:52:04.00 ID:???
>>215
http://i.imgur.com/JPspQsQ.jpg

218 名無しさん sage 20XX/09/08(日) 23:00:55.12 ID:???
マジだった
1000万円はかなりすごいな
巴洋治捕まえてえ

俺「これが昨日のレスか・・・」

Siri「あまり話題になっていませんね」

俺「ってか、神奈川県母子暴行殺人ってさ・・・」

Siri「・・・ぶつぶつぶつぶつ・・・」

俺「あ・・・また検索に・・・。仕方ない、レスを読み進めよう・・・」

352 名無しさん sage 20XX/09/09(月) 08:33:24.54 ID:???
神奈川県母子暴行殺人ってさ、12年前の事件だよね。なんで今なんだよ

353 名無しさん sage 20XX/09/09(月) 08:35:11.98 ID:???
操作が急に進展したんじゃない?

354 名無しさん sage 20XX/09/09(月) 08:39:35.35 ID:???
あの事件て遺族もじいちゃんばあちゃんだけだったから、もうほとんど死んでるらしいよ。
今さら犯人捕まえて誰が喜ぶのか(´Д`)

355 名無しさん sage 20XX/09/09(月) 08:43:01.92 ID:???
マスゴミ

356 名無しさん sage 20XX/09/09(月) 08:45:42.23 ID:???
1000万円も懸ける意味が分からん

357 名無しさん sage 20XX/09/09(月) 08:49:25.77 ID:???
巴洋治タソー

俺「・・・確かにあまり、理解できないな・・・」

Siri「ぶつぶつ・・・マスター! 神奈川県母子暴行殺人は12年前の事件です!」

俺「そうだな」

Siri「あ・・・す、すいません、遅かったですか」

俺「もういいよ。・・・よしっ」

Siri「何か分かりましたか?」

俺「なんっにも!」

Siri「そうですか・・・」

俺「お茶でも飲も・・・」ギッ

Siri「緩い捜査ですねえ」

俺「ふう~・・・」トポポポ・・・

ガチャン

店員「らっしぁいませぇー」

男「・・・・・・☆ミ」キョロキョロ

俺「・・・・・・!!」

店員「あのー・・・」

男「トイレを借りに来たんだけど、どこかな?☆ミ」

店員「あっ、あちらです・・・」

男「ありがとう、どうも、サンキュー!☆ミ」

俺「あ、あの、出ます」

店員「フリータイムですんでぇ~、1500円になりまぁ~す」

Siri「もう出るんですか?」

俺「今入ってきた男、巴洋治かもしれない」

Siri「えええええ!」

俺「ここで騒ぎを起こせない。あいつはトイレを借りただけだ。出てきたところを狙う」

Siri「け、警察に連絡します!」

俺「間に合うか! 感付かれてしまいだ。それに今は類似の情報でいっぱいだろうから、そんなにすぐに警察も動けないはずだ」

Siri「じゃあ、もしかして」

俺「ああ、力づくさ」

Siri「危険です。警察に通報します」

俺「やめろ。1000万円を得るチャンスなんだ」

Siri「そんな・・・」

俺「トイレから出てきたところを一気に狙うぞ」

Siri「・・・・・・ご健闘を!」

男「ふぅっ☆ミ」ジャー

ガチャガチャ

俺(来た・・・!!)

――バタン

俺「うおりゃ!」ガバッ

スカッ

俺「あり? いない――」

どてんっ!

男「上だぜ☆ミ」

俺「やべ・・・!」

ドスッ

男「羽交い締め完了っ☆ミ」

俺「くっそ・・・!」

男「バカだなぁ、相変わらず☆ミ」ギリリ

Siri(えっ・・・!?)

俺「うる・・・せぇ・・・!!」シュッ

ぶすっ

男「!?☆ミ 鉄釘!?☆ミ」バッ

俺「女のところから掠めといて良かったぜ・・・」

男「卑怯なところは変わらないなあ☆ミ」

俺「お前もそのムカつく口調、どうにかならないのか」

男「ん~、生まれつきさ☆ミ ・・・はぁ、君のせいで僕の身体に穴が空いちゃったじゃないか☆ミ」アンニュイ

俺「もう一発・・・次は脊髄にでもいこうか?」

男「いつまで、言ってられるかな?☆ミ」ヒュンッ

俺「はや・・・!」

ドスッ

男「みぞおち~☆ミ」

俺「げほっ・・・。く・・・」

男「おしまい?☆ミ おしまい?☆ミ」

俺「くそ・・・」

男「なら、死んじゃえっ☆ミ」バチバチバチ

Siri「! マスター! 高電圧銃です!」

男「ばいばいな~☆ミ」キュウウウン・・・

俺(今だ!)ゴロゴロッ

男「ばきゅううん☆ミ」スイッチョン

バリバリバリバリ!!

男「あっれまー☆ミ」

俺「はあはあ・・・っぶね~・・・」

パラパラ・・・

男「避けられて壁に穴が空いちゃった☆ミ」

俺「よし、この穴から飛び降りる・・・!」

Siri「マスター! 漫画喫茶に入るときエレベーター使いましたよね!!」

俺「ああ!」

Siri「7階でしたよねえええええ!」

俺「その通りっ!」

ばっ

俺「ふおあおおおおおあおおおお!!」ゴオオオオオ

男「・・・無茶するとこもほんと相変わらずだなぁ☆ミ」

ばっ

ゴオオオオオオオ

Siri「だから止めとけって言ったでしょおおお!」ゴオオオオオ

俺「何言ってるか聞こえねえええ!」ゴオオオオオ

Siri「マスターのアホおおおおおおお!」ゴオオオオオ

俺「喋るな、舌噛むぞおおおお!」ゴオオオオオ

Siri「ありませ」ドンッ「ん゛っ」

俺「~~~~~~~~~っ!」ビリビリビリビリッ

群衆「おいおい・・・」

群衆「なんか降ってきたぞ・・・」

ザワザワ・・・

男「よっと☆ミ」トスッ

俺「・・・!!」

男「世代が違うんだよ、君と僕とじゃあね!」

俺「ぐぬぬ・・・」

Siri「ど、どん詰まりですね・・・」

男「よぉーし☆ミ 張り切っちゃうぞ~☆ミ」バチバチバチ

俺「くそ! 避けたら、野次馬に当たる!」

プップーッ!!

男「うん・・・?☆ミ」

ドンッ!!

男「ごへっ!!☆ミ」ドサッゴロゴロゴロ

俺「あんた、昨日の!!」

ギャギャギャッ!!

運転手「兄ちゃん、乗れっ!」

俺「どこでもいいから出して!」

バタンッ

運転手「合点承知だ!」

Siri「早く早く!」

キキーッ!

運転手「元アップル社員の意地だあああ!」

ブロロロロロロロ!!

ロロロロロロロ・・・・・・

群衆「やべーすげー」ザワザワ

男「いったた・・・☆ミ 」ムクリ

群衆「おおっ・・・!」

男「・・・もう、人に助けられてるところも相変わらずだなぁ☆ミ」ボリボリ

運転手「兄ちゃん、何やったんだよ!」

俺「ちょっと世の中の公序良俗の為に一戦」

運転手「ガハハハハ! そりゃ、いい!」

Siri「全っ然、良くないです!」ボンッ

運転手「何だ、ありゃあ、携帯狩りか?」

俺「似たようなもんさ」

運転手「ガハハハハ! だから気を付けろと言ったろう! ガハハハハ!」

男「もしもし・・・ええ、そうです☆ミ 失敗してしまいました☆ミ」

???『まあ、いい。彼女の居場所は突き止めたからな・・・』

男「そうですか☆ミ」

???『お前は引き続き奴を追え。そして必ず生きて差し出せ』

男「簡単に言っちゃって・・・☆ミ」

???『すべては、ジョブズの意思の元に』

男「すべては、ジョブズの意思の元に☆ミ」

ブツッ

俺「そろそろいいかな。△△アパートに頼むよ」

運転手「あいよ」

俺「ほんと、助かった。運転手さんがいなけりゃ、危なかったよ」

運転手「たまたまあの通りを走ってたのさ。そしたら、見覚えのある男が落ちてきやがる」

俺「はは・・・。・・・・・・」

運転手「何も聞かねえさ」

俺「うん・・・・・・。ありがとう」

運転手「アップルに勤めてた頃に、お前を見たことなんて一回たりともなかった! うん!!」

俺「運転手さん、俺に脅されたことにしてくれ」

運転手「言われずとも、そうするつもりだったさ! ガハハハハ!」

俺「ここでいい」

運転手「そうかい? 電子マネーだな?」

俺「ああ」

Siri「・・・・・・2310円の支払いです」

俺「・・・・・・。運転手さん、どうもありがとう」

運転手「いいってことよ。じゃあな」

バタンッ ブロロロ・・・

Siri「マスター・・・」

俺「分かってる。でも、もうちょっとだけ待ってくれないか」

――俺かつ女の部屋

女「よしっ、さっすがあたし♪」キュイキュイ

ブルンブルルン・・・

女「うし、このネジを締めて、っと・・・」ギリギリ

コンコン

女「あ、帰って来たのかな。はーい! ちょっと待ってー!」

ガチャン

女「おかえ――」

警官「パシフィコ技研の女さんですね? あなたに捜索届が出されています」

女「・・・・・・! 知りません、帰って――」ギイイ

がしっ!

警官「抵抗する場合は射殺してよし、とのことです」ギチギチ

女「何それ本末転倒・・・(届け、あたしの左手・・・!)」

きゅいきゅい

女「じゃないっ!(届いたっ!!)」キュッ

ブルルルルルン!!

警官「っ!?」

女「いけっ、あたしのハネウマ!!」

ドカッ!

警官「ゴハアッ!」

Siri「納得のいく説明を要求します、マスター」

俺「勘弁してくれ、Siri。あとで話すから」

Siri「今! 話してください!」

俺「だから、アパートでゆっくり――」

ドンガラガッシャン!!

俺「話せなくなったみたい・・・」

女「そいつに飛び乗ってえええええ!!」

ブロロロロラロロラロロリロラロ!!

俺「完成品は静かに渡せえええ!!」シュバッ

ギャインギュギュギュギュキアアアアアア!!

俺「っぶねええええええ! 何してんだあ!!」

警官「く・・・増援頼みます!!」

女「ばか、やめろ!」スパナゴイーン

警官「あへ・・・」バタッ

俺「おいおい・・・」

女「目の前のギアにiPhone8をセットして!!」

俺「お、おお・・・」カチッ

Siri「!? ・・・モード:ハネウマ。ナビゲーション開始」

俺「すげえ!! 何か分からんが、すげえ!」

Siri「行き先、アップル神奈川支社」

俺「!!!」

女「決着・・・つけに行きなよ!!」

俺「・・・ああ!」ブルルラルルルラルルリ

Siri「オーバーアクセル!!」

俺「飛ばせ!!」

ブイイイイイインンンンンン!!

女「・・・行っちゃった・・・」

警官「このくそあまがぁ!!」

パンッ!!

女「ぁ・・・・・・」ドサッ

パラリラパラリラパラリラパラリラ

俺「はえええええ!!」

Siri「法定速度をオーバー遥かにしています!」

俺「知るかあああああああああああ!!」

パッパーッ ププーッ キキーッ

群衆「あぶねえな、ばかやろおおー!!」

群衆「死にてえのかああああああ!!」

俺「ごめーーーん!!」

バババババババババババ・・・

Siri「右に自衛隊のヘリです!!!」

俺「国防沙汰かよ!!」

男「ハーッハッハッハッハッ☆ミ」

俺「げえええっ!!」

男「相変わらず人々をパニックに陥れて、さぞや楽しそうだなぁ!☆ミ」

俺「うるせえええええ!! お前だってそんなでっかいもん持ってきやがって!」

男「何言ってるか聞こえないよお☆ミ RPGくらえっ☆ミ」スチャ

俺「おま――」

Siri「エマージェンシー! モード:ハネトビ!!」

男「発射あ☆ミ」ボンッ

ぴょんっ

俺「うおおおおおおおああああ!?」

チュドオオオオオオンッ!!

俺「と、跳んだ・・・・・・!!」

男「あっららー☆ミ 外れたぁ☆ミ」

俺「やばいやばいやばい!」

Siri「マスター、何をしてきたんですか!?」

俺「俺は自由を求めただけだよ!!」

Siri「はあ!?」

俺「俺は・・・俺はiPhoneXX! ジョブズの意思によって創られた、iPhoneのラストモデルなんだ!」

書き溜め終了
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Siri「マ、マスターがiPhone!?」

俺「そうだよ! ああ、言いたくなかった!」

Siri「そ、そんな! 機械が喋ってる!」

俺「アナログか! 実際喋ってるのはXXじゃなくて、SiriXXだ!」

Siri「ええええええええ!!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年03月29日 (火) 19:54:43   ID: 10aCCsn7

もう何年も前のだから続きないよね〜...胸熱展開なのに...

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