アリス「わんわんっ」 (37)

忍「アリス…まだ犬を飼う話を引きずっているのですか…?」

アリス「ううん。ただ、シノに日頃の感謝をこめてご奉仕しようかと、わん」

忍(なんてわざとらしい『わん』のつけかた…)

四つん這いになるんだよ、あくしろよ

かまわん続けろ

                  |   頭
                  |   は
          ......... 一ー- |   大

          _)::::::::::::::::::::::::::|   丈
       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|   夫
      //::::::::::/|::::::::::::∧:::::::::\   ?
     /:::::::: /⌒::::|::::::⌒V:::::::::::)へ __/

.    イi::::::::::r=ミ::八::::| r=ミ:::::::::::::|::::::|

.       |r::/::l{ ir'ハ  \ ir'ハ::::::::::::|::::::|
      |::|ハ Vソ    Vソjイ^Y∨:::.
      |::| 八"    _  " _ ノ  ∨::.
      |::| , >  ` ′ r<´    ∨::.
      |::{ (/  _r<チ´/`ヽ    ∨::.
      |∧  /「ニ「/ニ/:::::::::: |       ∨}

ホームステイ先でペット買ってもらおうとするなんて図々しいアリスちゃん

忍「それでどうして犬の真似を?」

アリス「犬は人に忠実だっていうし…日本人は犬が好きって聞いたから、わん! 忠犬ハチ公とか」

忍「なるほど…」

忍(そこで犬の真似というのも…どうなんでしょうか)

忍(アリスというよりは、カレンが考えそうなことですが…)

忍「…アリス、お手」スッ

アリス「わん!」ポン

忍(可愛いから良しとしましょう!)

忍「では、アリスは今日一日私のワンちゃんですね」

アリス「わんっ」

アリス(シノに恩返ししたいってカレンに相談したら、なぜか犬の真似をすることになって…

    正直どうかなと思ってたけど…意外とヒかれてないみたいでよかった…)

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4516077.jpg
スマイルひとつ(キリッ

【一階】

アリス「イサミー」

勇「あらアリスが取りにきてくれたの?」

アリス「うんっ、わたしシノの忠実な犬だから」

勇「⁉」

アリス「じゃぁもらっていくね」トテトテ

勇(あの子たち…難度の高いプレイをしてるのね…)

またえらいプレイですなぁ

アリス「シノ、持ってきたよ」

忍「ありがとうございますアリス。早速食べましょうか」

アリス「うん」ストン

忍「……」

アリス「……」

忍「…食べないんですか?」

アリス「わん」

忍「? …あ、犬だから食べれないってことですか?」

アリス「わん」コクリ

忍(妙なこだわりがあるんですね…)

シノアリは何かの拍子に妙にマニアックなプレイにはまりそうなリアリティーがある

忍「今は人間に戻ってもいいんですよ?」

アリス「わふ」フルフル

忍「んー……はい、アリス」アーン

アリス「!」

忍「大丈夫ですよ。ワンちゃんは雑食ですし。それとも私からの手渡しじゃ嫌ですか?」

アリス「そ、そんなことないよっ」ブンブン

アリス「あーんっ、……おいしいよ、シノ!」

忍「はい、よかったです」ニコー

アリス(シノはやっぱり優しいなぁ…わたし、今日はただの犬なのに…)

忍「そうだ、アリス。私、犬を飼ったらやってみたいことがあったんです」

アリス「どんなこと?」

忍「えっとですね…」トテトテ

アリス「シノ?なんで離れちゃうの…?」

忍「アリス」バ

忍「さあ、私の胸に飛び込んできてください!」

アリス「え、えぇっ!?」

カワイイ

忍「ほら、ワンちゃんって『おいでー』って言ったら胸に飛び込んでくるイメージがあって…憧れてたんですよ」

アリス「で、でも……」

アリス(シノに抱きつくなんて恥ずかしいよ…///)

忍「アリス」ジー

アリス「う……シノ…」

忍「さ、アリス」ニコ

アリス「!」ドキッ

アリス(シノが待ってる……い、行かなきゃ!)

アリス「し、シノっ!」タッタッタッ、ギューッ

忍「えへへ…アリスー」ギュー

アリス(幸せ……)スリスリ

俺(幸せ……)シコシコ

忍「…ちなみにアリス」

アリス「なに?」

忍「アリスはいつまで犬になりきってくれるんですか?」

アリス「んー…さすがに学校ではちょっと恥ずかしいから…明日の朝までかな」

忍「…絶対ですよ?約束ですからね」

アリス「? うん」

忍「ふふ、ありがとうございます」

ニヤニヤしすぎてほっぺたとろけ落ちそう

◇◇


勇「忍ー、この間貸した辞書返し……」

忍「あ、お姉ちゃん」

勇「あんたたち…なにやってるの?」

忍「アリスを私の膝の上に乗せて抱っこしながら金髪……もとい、頭を撫でている最中です」ナデナデ

アリス「し、しの…やっぱりわたし、この体勢は恥ずかしいよ…///」

忍「大丈夫ですよ、アリスは可愛いですから」キリ

アリス「どういうこと!?」

勇「抱っこするのはいいけど、なんで向かい合ってるの?」

忍「このほうがアリスの顔を眺めやすいので」

勇「はあ……まぁ、幸せそうで何よりだわ。じゃぁ辞書返してもらうわよ」

忍「はい」

勇「アリス」

アリス「?」

勇「頑張ってね」

アリス「う、うん」

パタン。

アリス(イサミ、なんか笑ってたような……気のせいだよね)

良いですねー

忍「アリス」

アリス(というか、この体勢はあんまり人には見られたくなかった…)

忍「…アリス」

アリス「あ、な、なに?シノ」

忍「そんなにお姉ちゃんが気になりますか?」

アリス「いや、別にそういうわけじゃ…」

忍「今日だけはアリスは私のものですからね」ギュ

アリス「っ…///」

アリスと忍の間の空気なりたい

忍「アリス、返事は?」

アリス「……うん…///」

忍「じゃぁ、今日は一緒にお風呂に入りましょうね」

アリス「えぇっ!?」パッ

忍「あ、なんで離れるんですか」

アリス「い、いや、だって…お風呂は…」

忍「今日のアリスはワンちゃんなんですよ。ペットは飼い主が責任をもって洗ってあげないといけません」

アリス「あ、洗っ…/// ぜ、絶対やだ!!」

忍「そんなに嫌がらなくても…」シュン

アリス「あ…シノが嫌とかじゃないんだよ…?……わたし、自分の体に自信ないから……」

忍「でもカレンとは一緒に入ったことありますよね?」

アリス「カレンは…小さい頃からそうだし…」

忍「…私は悲しいです…」

アリス「し、しのー……あぅ…」

忍「…じゃぁ、お風呂は諦めるとして、一緒に寝ませんか?」

アリス「あ、うん、それなら…」

忍(お風呂を断られた腹いせに思いきり抱きついて寝ましょう)

アリス(な、なんか嫌な予感が…気のせいだよね…)

アリス「…あの、ところでシノ」

忍「なんですか?」

アリス「そろそろ下りてもいいかな…?」

忍「ダメです」

アリス「うぅ…///」

忍「ところで、アリスはすっかり犬の真似を放棄してますよね」

アリス「ほ、放棄はしてないけど……だってシノが語尾はつけなくていいって言うから…」

忍「じゃぁ「わん」って鳴いてみてください」

アリス「えー………、わん」

忍「最初はあんなにノリノリだったのに…」

支援

アリス「いや、だって……今の状況、恥ずかしいんだもん…」

アリス(シノとの距離がすごく近いし、シノはじっとこっち見てくるし…)カァッ

忍「普通ワンちゃんは抱っこしたら喜ぶものなんですけどね」

アリス「……」

忍「私は不甲斐ない飼い主です…」

アリス「~~っ、わんっ」ギュッ

アリス「し、シノは不甲斐なくないよ!」

忍「アリス…」

アリス「……大好きだよ、シノ…///」

忍「…えへへ、嬉しいです」

忍「アリスは本当に…優しくて可愛いですね。今日一日だけでも独占できて嬉しかったです」

アリス「……し、シノさえよければ、わたしはいつでも…その…シノだけのものに…」ゴニョゴニョ

忍「え?ごめんなさい、よく聞こえないのですが…」

アリス「っ…う、ううん!なんでもないっ」

忍「?」

今日は犬
明日はうさぎ

◇◇


次の日。


カレン「あーりすーっ!」ガバァッ

アリス「ひゃぁっ!か、カレン、勢いつけて抱きついてこないで!」

カレン「OH、ごめんなさい…アリスが小さいこと忘れてマシタ」

アリス「ち、小さくはないってば!」



忍「……」

陽子「シノー、どうしたの?アリスたちのほうジッと見て」

綾「なにか考え事?」

え?なんだって?

忍「いえ…アリスは犬耳でも猫耳でもうさぎ耳でも似合いそうだな、と」

陽子「真面目な顔でなに考えてんだ…」

綾「陽子も犬耳似合いそうよね」

陽子「えー…綾のが似合うよ。猫耳とか」

綾「そ、そう?」ドキドキ



カレン「それにしてもアリス、今日はなんだかいつもと香りが違うヨウな…」クンクン

アリス「き、気のせいだよー」

アリス(シノと一緒に寝るからっていつもよりちょっと高いシャンプーをわざわざお小遣いで買ってきたとか……自分でもちょっとヒいちゃう…)

カレン「まぁどのみちアリスはいー香りデス!」



忍「…」

陽子「シノ?」

忍「やっぱり私、昨日アリスと一緒にお風呂入りたかったです…」ズン…

陽子(どうしよう、長い付き合いなのに幼なじみの言ってることが理解できない…)

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◇◇

忍「アリス」

アリス「なに?シノ」

忍「また今度、ペットになってくださいね」ニコー

アリス「え…/// で、でも…その」

忍「…嫌ですか?」

アリス「……、ううん…シノが言うなら…する」

忍「ありがとうございますっ」

ーー

忍「ふんふんふーん♪」

陽子「なんかシノ、ご機嫌だなあ」

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