喜多見柚「珍しいねー」双葉杏「そう?」 (28)


柚「うん。アタシ杏サンが事務所にいるとこ初めて見たかも」
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杏「大げさだよ。そんな杏が怠け者みたいな」
http://i.imgur.com/FGKnE6e.jpg

柚「へへっ。冗談冗談♪けど、珍しいなーって思ったのはホントだよ」

杏「まあね。たまには杏だって働くよっ」

柚「おおっ。こたつから顔だけ出してる人の放つ台詞の勢いじゃないねっ」

杏「てへ」

P「てへじゃねえよ」

杏「あて」



*「フツウの日常」とかいう短編完結式のシリーズです。なので初見の方でもお気軽に
*柚かわ。ゆるい


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杏「暴力反対ー」

P「無気力に反対したいよ、俺は」

杏「ぶー」

柚「Pサンおはー」ニパー

P「おはよう」

柚「うんっ。へへー」

柚「…それにしても」

P「うん?」

柚「うん。杏サンにおこたに、」ポンポン

柚「これだけでも今日はなんだか事務所の雰囲気がいつもと違う感じがするね」

杏「杏はいるだけで意味のある癒し系だから」フフー

P「堕落系の間違いだな」

杏「ひどい」

柚「ゆるふわかな!」

P「ふわがないな」

杏「セクハラだー」

P「いやそれはたぶん誤解」


柚「けど、杏サンとこたつの組み合わせで、事務所がなんだかゆるーってしてるのは、本当かも」

P「まあな。少なくとも、それは素直にいいことだ、とは言えないが」

杏「一緒にこたつに入ってるプロデューサーの台詞とは思えないね」

P「あらかた仕事は片付いてるしな。あと今日中にやらなきゃいけないのは、お前の送迎ぐらいだよ」

杏「明日のことも考えて行動するのが社会人だよ」

P「正論だがそれこそお前の台詞とは思えないな」

杏「杏もそう思う」

柚(仲良しだなー)フフ


柚「アタシも入っていいかな」

P「もちろん」

杏「これ杏のこたつなのに…。まあべつにいいけど」

柚「えっこれわざわざ家から持って来たの?杏サンが?」

杏「そんなパーカーのフードを取られたかのような顔しなくても」

P「なにその例え」

柚「フードを取られたら柚は生きていけないから、驚く表情も見せらんないかも…」

P「なにその設定」


杏「あて」

P「持って来たのは俺だよ。それももうずいぶん前だ。埃を被ってたのを引っ張り出して、きれいにしたのも俺だ」

杏「恩着せがましいなあ」サスサス

P「感受性の乏しい杏のために言葉を尽くしているだけだ」

杏「生まれつきなにかが欠落してるって格好いいよね」

P(なんか分かるのが悔しい)

柚「生まれつきフードを欠いてるのをパーカーで補ってる的な!」

P「生まれつきフードつきとかちょっと怖いけどね?」


モゾモゾ


柚「あったかい」

杏「ね」

P「どう考えても早いと思ったけど、なんだ、入ってるだけでちょっと落ち着くもんだな」

柚「だねー」

杏「ね!」

P「べつに杏の功績ではないけどな」

杏「でも提案者は私だから!その分はラジオのお仕事を一回休みで手を打とう!」

P「人生ゲームか」

柚「あー。こたつでみんなで人生ゲームとかいいねぇ」

杏「やる?」ニョワ

P「どっから、というかどうやって出した?」

杏「内緒だにぃ☆」

柚「わーい。ゲーム、ゲーム♪」


柚「でもせっかくだから四人でやりたいね」

P「そうだな」


ガチャ


仁奈「おはよーごぜーます!」
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柚「仁奈チャンだ!おはよっ」

P「おはよう。仁奈は今日も元気いっぱいだな」

仁奈「はい。今日はキグルミの調子がいいんでごぜーますよ!」モフモフ

P(きぐるみの調子ってなんだろう)

柚(もふり具合ってことじゃないカナ?)

P(それもなにか分かんねえよ)

柚(あれー)

杏(アイコンタクトですらない…だと……。…仲良きことはどーのこーの)

仁奈「??」

杏「ん」


仁奈「……なんだか見知らぬおねーさんがいやがります」ボソ

杏「えっ」

P「えっ」

杏「いやまあそんなもんか」

P「諦め早いな」

杏「普段本当に事務所にいないからね、私。えへへ」

P「なぜちょっと照れ気味で」


仁奈「ふふ」モフ

仁奈「なーんて、いまのは冗談ですよ!騙されやがりましたか!?」

杏「ああ冗談だったかー」

P「ごく自然に信じちゃったな」

杏「仕方ないね」ウン

P「仕方ないな」ウン

仁奈「てへー♪」

杏「あら可愛い」

柚「てへっ」

P「便乗てへは禁止だぞ」

柚「ふに」


仁奈「杏おねーさん、ご無沙汰してるです!」

杏「久し振りー」

仁奈「ですー」ニコー

仁奈「しかしおねーさん、今日はキグルミを着やがってねーですね」

杏「へ?」

仁奈「以前はいつもキグルミでやがったです。今日はそうじゃねーので一瞬分からなくなっちまったですよ。どうかいつもの姿にお戻りくだせー」モフモフッ

杏「この子はなにを言ってるのかな」

P「仁奈は最近隙を見ては適当な口実できぐるみを着せようとしてくるから気をつけろ」

仁奈「てへっでごぜーます」モフモフ

杏「あー」モフモフッ

仁奈「いい感じですよ!」

P「遅かったか……」

杏「まあ暖かいからいいや」モフモフ

P「ポジティブだな」

杏「杏はいつだって前向きだよ」

P「後ろ向きに前向きってとこか」

柚「???なぞなぞかな?」


仁奈「?おおっ。そういえばこたつが出てやがりますね」

杏「みんなこたつより先に杏の存在にびっくりするね」

柚「杏サンはレアアイドルだからねー」

P「いつまでも特訓はしそうにないな」

杏「プラスになる日は遠いかー」

仁奈「仁奈も混ぜてくだせー」モゾモゾ

仁奈「えへへ。あったけーです!」

P「そうだな」

杏「そうだね」

柚「そーだねー」


仁奈「でも、こんなところに急にこたつを出したりしたら、」ポンポン

仁奈「ちひろおねーさんに怒られたりはしねーですか?」

P「さあ。まあこれ杏のこたつだし」

杏「げ。だ、出したのはプロデューサーでしょ。裏切るのかー」

P「てへ」

杏「きもい」

P「ひどい」


杏「仁奈も言ってたけどなにそれ流行ってるの?」テヘー

P「杏も言ってたような」

杏「そうだっけ」

P「実際流行ってるみたいだぞ」

杏「そーなの」

P「うん。この前、柚やありすたちが料理番組に出たんだけど」

杏「あー知ってる。ついこないだだ」

P「そうそう。それで……な」

杏「あ……うん」

P「てへと笑顔でごまかす健気な柚の姿は、人びとの心を揺さぶった」

杏「アイドルの鑑だね。さすがプロ」

P「杏もアイドルだけどね?」

杏「私、柚のことは一生忘れないよ…」

P「殺すなよ」

柚「??よ、よく分かんないけど、ありがとっ。へへー」ニパー


ニパー


杏(柚は天使だなあ…これがアイドルか)

P「ということでいまちょっと注目のキーワードではある。てへ」

杏「まあ柚は可愛いからねえ。てへ」

柚「ふ、二人して、もぉ。照れるなあ。てへてへ」

杏「おお。やっぱり本家は違うね」

P「そうだな」

仁奈「柚おねーさん可愛いですよ!」

柚「へへっ。ありがとー仁奈チャン」モフモフ

仁奈「はい!…ですがキグルミを着るとその可愛いがさらに――」

P「仁奈はちょっと大人しくしような」


P「さて。四人揃ったことだし」ゴソ

仁奈「?」

P「始めるか。人生ゲーム」

柚「おっ。Pサンやる気だねー。いいねー」

仁奈「ボードゲームでごぜーますか。仁奈にもできやがりますか?」モゾモゾ

P「うん。べつに難しいことはないから、大丈夫だよ」

仁奈「そうですか。じゃーやったりやがります!」ゴゴゴ

柚「へへっ。アタシもがんばるぞー」オー

P(ほどほどにがんばろう)

杏(……そろそろ出ないといけない時間のはずだけど…。へっへ、まいっか。てへ)


ガシッ


杏「うおぅ」

P「?」

小梅「……そ、そうは、いかないよ…」
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杏「あ、小梅いいね。手ひんやり気持ちいい。そのままよろしく」アー

小梅「あ、あ……も、もたれかからないで…潰れちゃう……」アー…

P「なにしてんだ」

輝子「フヒッ…ぷ、プロデューサー。よ、呼びに来たよ」
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P「呼びに?」

柚「輝子チャンだー。はろはろー」

仁奈「おはよーですよ」

輝子「う、うん……お、…おはよ」フヒヒ

杏「あー」ダラー

小梅「あう…」ドサー


P「あ、そっか。もうそんな時間か…すまん。のんびりしすぎてた」

杏「もう。プロデューサーは頼りないなあ」

P「く…杏のせいでだらーりとしちゃったとはいえ、それ自体俺の責任だからなにも言い返せない…」

杏「ふっふっふー」

小梅(いやいまの台詞には言い返してもいいんじゃないかな…)

輝子(べ、べつに言い返してもいいような気も…)フヒ…


P「すまん。続きはまた今度な」

柚「分かったー。ちょっと残念だけどねー」

杏「うちのプロデューサーがごめんよ」

P「はいはい。行くぞ」

杏「ぐぇ」

輝子「ま、またね……二人とも」フヒ

小梅「ね」

柚「うんっ。お仕事がんばって来てねー」

仁奈「今度はみんなで、ゲームしやがりましょう!」

輝子「……そ、それも……いいね」


杏「この人数だと予定を合わせて集まるのが大変そうだね」

P「いやたぶんお前が事務所に顔を出せばそれで――」

杏「いやーざんねんだなー」

P「聞けよ」

仁奈「それもそうでごぜーますね…」

杏「うん」


ポン


仁奈「?」

杏「だから仁奈たちがこっちの仕事に遊びに来るといいよ。それでゲームでもなんでもしよう。働きながら遊べる!うわあ一石二鳥だぁ!」

P「後半本音が漏れてるぞ」

杏「てへ」

仁奈「あ…えへへ…」

仁奈「ぜひ!お願いします!」

柚「じゃーアタシも呼んでね!へへー楽しみだなー」

輝子「……ふ、フヒヒ…お、大勢で、わいわいは……いいね」

小梅「…そうだね。た、……楽しそうで、いいかも」コクコク

P(局の方に相談してみるか)


P「よし。まあその話もまた今度な」

P「行くぞ。二人は留守番よろしく。すぐちひろさんが戻って来ると思うけど」

柚「りょーかい♪」

仁奈「分かりやがりました」

輝子「じゃ…ま、またね」

小梅「また」

杏「ねー…なにも引き摺ることはないんじゃないかなー……」

柚「杏サーン。約束だよー」

杏「うーい」

P「おっさんか」

杏「ニートだよ」

P「胸を張るな」

柚「へへ」


柚「あ…」

柚「ねね、あと一つだけ、いいかな」

杏「?うん。なに」

柚「うん」

柚「…えと、うちのって、杏サンは言ってたけど」

柚「Pサンはアタシたちのだからね!」ボソ

杏「……ああ」

杏「ふふふ…なるほどねー…うん…」

杏「まあさっきのは冗談みたいなものだよ。とにかく、柚が気にするような台詞じゃないよ」

柚「うん」

杏(…分かってて言ったのかー。柚はあれだね、)

P「じゃあまたあとでな」

仁奈「またですよー」

杏「だから引き摺るなぁー」

P「じゃあ立って歩けよ」

杏「そいつは無理な相談だー」

P「じゃあ知らん」

杏「あー」

柚「……」クス


柚「またねー」

杏「うん」



杏「乙女だねぇ」

P「?なんか言ったか」

杏「ううんなにも。ただ人を引き摺るような男のなにがいいのかってね」

P「よく分からんがひどいこと言われてる気がする」

杏「てへ」

以上でおわりです。ちょっとアイプロの休憩がてら
杏とラジオ云々な設定はあからさまに某SS様に影響を受けたものです。勝手に大変申し訳ありません。嬉しくて
お読み頂きありがとうございました。三連休戦々恐々ですが柚Pはがんばりましょう

おっつー

某ラジオ番組でも、こっちと勝手にゆるリンクしてるしね、仕方ないね。
あまり露骨で過剰干渉にならなかったらいいんじゃないかな

杏と柚とか超俺得。
ありがとうございました。

うおおお杏ちゃんや
ありがとうございますありがとうございます
最初にこっちが勝手にやり始めたことなので
むしろこんな風に設定を使って頂けるなんて大変うれしゅうございます

>>27
好きで、なによりいつもすげーなぁと心底思っているシリーズだったので、本当に嬉しい出来事でした
勝手にと言いますが勝手にやられたからこそ本当に嬉しかったです
三人でラジオをしているよ、という本当にその部分だけは設定に使わせて頂きました。その設定は今後も残るかと思いますが、これ以上そちらのシリーズを意識するようなことは控えますので許してください

ありがとうございます。これからも、お互いぼちぼち書いて行けるといいと思います

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