一方通行「はじめてのおつかいィ……?」(227)

打ち止め「そう! ってミサカはミサカは元気良く頷いてみる!!」

一方通行「小さな幼女が頼まれた物を買いに行くっていうやつだよなァ? 結構好きだぜ」

一方通行「幼女がたった一人で自分の小さな世界から出て、勇気を出して外の世界に小さな一歩を踏みだしてよォ」

一方通行「いろンな障害があってさァ、挫けそうになりながら、それでも幼女は涙目のまま頼まれたものを買いに行くンだよ」

一方通行「思いがけない助けとかあったりしてよォ、家族と自分だけだった幼女の世界がどんどん広がっていって……」

一方通行「新しい自分と世界を知った事で成長して、最後に幼女の家族からの『おかえりなさい』の言葉で終わるンだ……」グスッ

打ち止め「そこまで熱弁を振るうとは思ってなかった……ってミサカはミサカは精神的にも物理的にも引いてみたり……」

一方通行「で、その『はじめてのおつかい』がどォしたっていうンだ?」

打ち止め「それをやってみたいってミサカはミサカはお願いしてみたり」

一方通行「ンなもん、わざわざ俺に聞かなくても、好きに行けばいいじゃねェか。いつも勝手にほっつき歩くくせに」

打ち止め「ミサカじゃなくてアナタに行ってほしいの!!ってミサカはミサカはお願いしてみる」

一方通行「あァ!? 俺はいつも自分で買いに行ってるだろうが。オマエの分のメシまでよォ」

打ち止め「いっつもおんなじコンビニだもん!ってミサカはミサカは見上げながら訴えてみたり」

一方通行「それが悪いかよ。ちゃんとした買い物だろうが」

打ち止め「アナタは、あの店員さんから、陰で悪趣味ゼブラの常連って呼ばれてるんだよ!ってミサカはミサカはアナタの服を凝視しながら言ってみたり」

一方通行「そンなくっだらねえコト言ってやがるのか……。二度と行かねェ。くそォ」

打ち止め「それよりも! たまには違うお店で買い物してほしいの! ってミサカはミサカは服を引っ張ってみたり」

一方通行「うるせェなあ……。つまりコンビニで売ってないものが欲しいンだろ? 遠まわしに言いやがって……」

打ち止め「うっ……! ってミサカはミサカは図星を指されてみたり」

一方通行「まどろっこしいンだよォ。クソガキは素直におねだりしてろっての」

打ち止め「素直に頼んでも聞いてくれないのに、ってミサカはミサカは憤慨してみる!!」

一方通行「それで? 何が欲しいんだァ?」

打ち止め「……下着……、ってミサカはミサカは顔を赤らめてみたり」

一方通行「はァ!? 馬鹿ですかァ!? なンで俺がそんなモンを買いに行かなきゃなンねェんだよ。自分で行け。自分で」

打ち止め「ミサカは研究所で調整を受けなきゃいけないの!ってミサカはミサカは理由を説明してみたり」

一方通行「なら他の日で良いじゃねェか。後で連れて行ってやるからおとなしく我慢しやがれ」

打ち止め「先着五名の希少品なの! ってミサカはミサカは限定物に弱い女の悲しいサガを吐露してみたり!」

一方通行「なら、妹達に命令しろよ」
                        シスターズ
打ち止め「今日は、ミサカネットワークの調整だから妹達も一緒に研究所なのってミサカはミサカは物分りの悪いアナタに解説してみたり」

一方通行「なら、芳川か黄泉川に頼め」

打ち止め「ヨシカワは研究所に一緒に行くし、ヨミカワは仕事が忙しいって言ってた! ってミサカはミサカは往生際の悪いアナタに解説してみたり」

一方通行「ならアレだ……。エーと……天井……とか……」

打ち止め「そんな生死不明の人間まで出すなんてありえない!! ってミサカはミサカは飛び跳ねながら怒ってみたり!!」

一方通行「オマエ……、知り合い少ねェンだなァ……」

打ち止め「アナタにだけは言われたくない!!ってミサカはミサカは声の限りに叫んでみる!!」

芳川「小さな子供の交際範囲は、保護者のそれと似るものよ」


黄泉川「その通りじゃん」

一方通行「芳川! 黄泉川! 居たのかよ……」

芳川「打ち止めを迎えに来たわ」

一方通行「今の言葉、どォ言う意味だ?」

黄泉川「言ったとおりの意味じゃん。小さな子供は保護者の影響が強いって事じゃんよ」

芳川「つまり、打ち止めの頼みを聞いてくれる人が少ないのは、キミの社交性のなさにも原因があるってことよ」

一方通行「チッ……」

黄泉川「小さな子の頼みくらい聞いてあげればいいじゃんかよ」

打ち止め「ワーイ!ワーイ!3対1で形成ぎゃくてーん!!ってミサカはミサカは小躍りしてみたり」

一方通行「そォ言う事じゃねェンだよ! 男が女の下着売り場に行くってのに無理があるンだろォが!!」

芳川「それなら問題ないわ。ちゃんと用意してあるから」

一方通行「あァ……?なンだそりゃ」

芳川「見て分からない? ウィッグよ。俗にカツラとも言うわね。服も白のワンピースを用意してあるわ」

一方通行「お、おい。それをどうするってンだ?」

黄泉川「決まってるじゃん。一方通行が着るんじゃんよ」

一方通行「」

一方通行「はア!? オマエら、頭湧いてンじゃねェのか?」

芳川「嘘……! そんな事も知らないの?」

一方通行「あン?」

芳川「キミ、世の女性下着売り場を観察したことがある?」

一方通行「そんなもン、あるワケねェだろ」

芳川「やっぱりね……」

一方通行「なンだよ、その自分の糞を食ってるウサギを哀れむような目は! ちゃんとした理由があるんだからな! ウサギにはよォ!」

芳川「じゃあ、なんとなく女性下着売り場には女性しか居ないなと思った事はある?」

一方通行「いや考えた事もな……」

芳川「…………。(ハァ」

一方通行「その目をやめろ!! あるよ! そういえば女しかいねェなと、いつも思ってました!!」

芳川「でしょう? それには理由があるの。女性下着売り場には女性と女装した男性しか入ってはいけないという決まりがあるのよ」

一方通行「なン……だと……?」

芳川「まあ、明文化された法ではないけれど。言うなれば、社会のマナーと言うものね」

一方通行「マジかよ……」

芳川「誰でも知っていることよ。まさか……学園都市第一位ともあろう人間が知らなかったの?」

一方通行「…………!!」

一方通行「知ってるよォ! 知ってたに決まってンだろ!!」

芳川「そう。よかったわ。こんな一般常識すら知らないような人間だったらどうしようかと思ったわ」

一方通行「…………」

芳川「じゃあ、これに着替えてくれるかしら。そろそろ研究所に行かなきゃならないから」

一方通行「じ、常識じゃあしょうがねェな」

ガサガサゴソゴソ

打ち止め「い、いいの……? 子供でも分かる嘘を教えたりして、ってミサカはミサカは一方通行の常識に不安を抱いてみたり……」

黄泉川「だいじょーぶだいじょーぶ。人間皆、失敗して成長するじゃん。間違いに気付いた時、人は大きくなるもんじゃん」

打ち止め「それは、間違いを訂正しないヨミカワが言っていい台詞じゃないってミサカはミサカは大人の汚れた考えに戦慄してみたり……」

――着替え終了

一方通行「お、終わったぞ……」

芳川「おや……」

黄泉川「へぇー、似合うじゃん。一方通行」

打ち止め「カワイー! ってミサカはミサカは黄色い声をあげてみる!!」

芳川「線が細いし、色白だから似合うとは思っていたけど……、想像以上だわ」

黄泉川「地毛にくっつけるウィッグにしたから、真っ白でいい感じじゃん」

一方通行「どォでもいいンだよ」

打ち止め「スゴイッ! 本物の髪の毛が腰まであるみたい! ってミサカはミサカは後ろに回りながら言ってみたり!」

芳川「スカートの裾を杖で突かないように気をつけてね」

黄泉川「白いワンピース……。麦藁帽子が似合いそうじゃん」

芳川「しかも杖つき。こういうのを怪我っ娘萌えというのかしら? それとも、病弱萌え?」

打ち止め「綾波レイ! ってミサカはミサカはネットの知識を披露してみる!!」

一方通行「三人そろってキモイ反応してんじゃねェよ」

芳川「この格好なら、キミが学園都市第一位だって見破るのは難しそうね」

芳川「さて、そろそろ行かなくてはいけないわね」

一方通行「オイ、とっと何買うか教えやがれ。クソガキ」

打ち止め「一方通行、これを買ってきてほしいのってミサカはミサカは恥らいながらメモを手渡してみたり」

一方通行「はン。ガキが一人前に恥ずかしがってンじゃねェよ」

打ち止め「せっかく綺麗なのに言葉遣いで台無し!ってミサカはミサカは叱ってみたり!」

一方通行「そこまでやってられるかよ。俺ァもう行くぞ」

芳川「貴女は?」

黄泉川「私は市内巡回警備でここから直接仕事に行くから、もう少ししたら出るじゃん」

一方通行「あァ、そうですかァ」
バタン

シスターズ
調整  ってなっててすごい驚いた

>>24 ズレてた……orz
芳川「それじゃ後はよろしくね」

黄泉川「任せとくじゃん。たまたま市内巡回で、たまたま一方通行の後をつけて、たまたま下着売り場まで行っちゃっても、仕方のない事じゃん」

芳川「たまたまビデオカメラを持って……ね?」

黄泉川「そうじゃん。そうじゃん」

芳川「後で、ちゃんと見せてもらうわよ」

打ち止め「くっふっふっふー。これぞ『はじめてのおつかい』だね!ってミサカはミサカは姦しく笑いあってみたり」

一方通行「おおィ。ガキとババア共、置いてくぞ。」

打ち止め「あ、待って待ってー! ってミサカはミサカはドアを開けて後を追ってみたりー!」
バタン

一方通行(クソッ!なァンでこんな事しなきゃならねェンだ。くだらねェ……)

一方通行(クソガキ達とは分かれたからこのまま帰っちまうのもアリなんだが……)

一方通行(なんだか見られてる気がするんだよなァ……。この格好のせいか?)

不良「お姉さーん、スゴイ綺麗だね。俺らとお茶しない?」

一方通行「あァ?オマエ、誰に話しかけてンのか分かってンのか?」

不良「え、お姉さんだけど……。ってか口悪いねw それもいーけどw」

一方通行「いいぜェ。喧嘩なら買ってやるよ」

不良「喧嘩じゃなくてナンパなんだけどwww」

一方通行(コイツら、俺が学園都市第一位だって分かってねェのか……)

一方通行「まァいいや。どっちにしろ同じ事だろ。くたばりやがれ」

不良「」

――大通り

一方通行(なンだろうなァ。服が違うだけで世界が違って見える……)

一方通行(誰も俺が学園都市第一位とは思ってねェようだな)

一方通行(不良どもも喧嘩を売るんじゃなく、ナンパしてきやがるしよォ。まあ全員ブチのめしたけどなァ)

一方通行(こうも簡単に、俺が堂々と表を歩けるとは思ってなかったンだが……)

一方通行(いや別に気に入ってねェよ?全然気に入ってねェけど……)

一方通行(まあ、下着売り場に入るのに必要なんじゃあしょうがねェよなァ。)

一方通行(ああ、しょうがねェ。だから、歩き方が女らしくなってもおかしくねェンだ)

一方通行(……っと、考えながら歩いてたら下着屋にもう着いちまったか……)

一方通行(確か、ここだったな。見た感じ、女しかいねェ……。いや、ああ見えて男もいるのか?)

一方通行(そういえば、服の摩擦をベクトル変換してゼロにするとどォなるンだろうな?)

一方通行(やっぱり脱げちまのか? そうすれば男か女か分かるンだろうなァ)



一方通行(自分で思ったが、くだらねェ事すぎるな……)

一方通行(にしてもガキが下着を欲しがるなんて世も末だな……)

一方通行(ったく、ガキがませたこと考えやがる……。ガキは真っ白なのをはいてりゃいいんだよ)

一方通行(下着に凝ろうなンてのは、穢れた考えだ。誰かに見せるって事前提じゃねェか)

一方通行(とりあえず買ってってやるが、この事はよォーく教えとかねェとな)

一方通行(エーっと、打ち止めの欲しいのは……
                      ポン 
                        ッ!!いきなり肩を触られた!? なんでだ!?)

???「あのー、すみません。ちょっといいですか?」

一方通行「オマエは……!」

???「うわっ! ……怒ってます?やっぱりいきなり肩を叩くのは、まずかったか……」

上条当麻「いやー、悪い。何度か声をかけたんだけど、考え事してたみたいで……」

一方通行「」

上条当麻「いや、怪しい者じゃないんだ。こんな所で声かけるのもどうかと思ったんだけど……」

一方通行(気付いてねェのか……?俺が一方通行だって事に……)

上条当麻「ナンパとかでもなくて、ちょっと事情があって話を聞いて欲しいんだ」

一方通行「あ、あ……」

上条当麻「ん……?ああ、俺は上条当麻。見た感じ同い年かな?」

一方通行「あ……、オ、いや私は鈴科百合子っていィます。」

一方通行(しまったァァァ! パニくってつい普通に答えちまったァァァ!!無視しろよォォォ!俺!!)

上条当麻「そっか。綺麗な名前だな。実は人に頼まれて、下着を買ってきてくれって頼まれたんだけど……」

一方通行(イエアアア! 気付いてねぇ! オマエにボコボコにされた第一位だって気付いてねェぞ!!)

上条当麻「さすがに男一人で下着売り場には入りづらくて……。買うまでの間でいいから一緒に居てくれないか?」

一方通行「そ、そうですかァ。大変ですねェ。」

一方通行(フッザケンじゃねェェェ!!オマエなンかと一緒に居てたまるかァァ!!でも人とあンまり話した事ないから、体のいい断り方がわかンねェェェェ!!)

一方通行「どんな物を探してるんですかァ?」

上条当麻「これなんだけど……」

一方通行「これは……」

一方通行(オイオイ!! 打ち止めの欲しがってるやつと同じじゃねェか。頼んだやつってひょっとして……)

一方通行「誰に頼まれたんですかァ?」

上条当麻「御坂妹っていうんだ。どうしても外せない用事で、頼める奴も俺しかいないって言われてさ」

一方通行(やっぱりな……。同じDNAだから嗜好も思考も似るのか?)

一方通行「か、変わった名前ですねェ」

一方通行(人の事言えねェけどなァ!! ヤベェ、三下と会ってからテンションがおかしくなってやがる)

一方通行「でも、これって、幼女用なんじゃ?」

上条当麻「いや詳しくは知らないけど、学園都市の科学で、いかなるウエストにも対応する伸縮自在の繊維で出来てるらしいから、誰でも着けられるんじゃねえかな」

一方通行(面倒な事しやがって……。貴重な素材だから数が少ねェのか?)

一方通行(待てよ……。先着五名って言ってたな……。もし一つしかなかったらコイツと気まずくなるじゃねェか!)

一方通行(男と下着の譲り合いなンか想像しただけで反吐が出そうだ……)

一方通行(駄目だ駄目だ。耐えられねェ。これ以上一秒たりとも三下と一緒に居たくねェ。さらに気まずくなるなンて考えたくもねェ。さっさと買って離れちまおう)

一方通行「私もこれを買いに来たんですけど、これって先着五名までなんですよねェ」

上条当麻「マジか!? 不幸体質の上条さんなら目の前で売り切れって事もありそうだ」

一方通行「そういう事だったらとっとと買ってしまいましょうよォ」ニヤァッ

上条当麻「あ、ああ……。そうだな」

上条当麻(この人、凄絶な笑顔するな)

一方通行「あ、そういえば……」

上条当麻「え、なんか落としたか?」

一方通行「いェ、そうじゃなくて……」

一方通行「下着売り場行くのに、女装しないンですかァ?」

上条当麻「え?」

一方通行「え?」

上条当麻(女装!? 下着売り場でそんな事するような決まりはなかったよな!?)

上条当麻(俺の記憶喪失は一般常識は覚えてるはず……!)

上条当麻(だがもし学園都市だけの特別なルールがあったとしたら!? それを覚えていないって事はあるのかもしれない)

上条当麻(駄目だ! 記憶がないから正しいのかどうかも分からねえ)

上条当麻(そういえば下着売り場には女性しか居なかった気がする……。皆女装してたのか!!)

一方通行(な、なンだァこの反応は!? まさかそんなルールはなかったって言うのか!?)

一方通行(騙しやがったなァァァ!! あのクソババアども!!)

一方通行(信じてた……! 信じてたのに……!! 打ち止めも知らずに騙されてたんだろうなァ)

一方通行(じゃあアレか?俺がここに来るまで意気揚々としてたのもクソババアの皺だらけの手の内だったってことか!? クソがあァァァ!!)

一方通行(今なら怒りで翼でも生やせそうだぜェ……!! くかきけこかきかかかかか!!!)

上条当麻(とりあえず、自信ないけど言われたとおりにしておくか。この人いい人そうだし)

上条当麻「お、俺、女装してくる!!!!」

一方通行「!?」

一方通行(なンだァ……!? 正しいのか? ならさっきの反応はおかしい気がするが……)

???「こんな大勢の人の前で、なに変態宣言してんのよ!! 」

ドガーーーン!!パキーン!!

一方通行「!?」

上条当麻「ビ、ビリビリ……」

御坂美琴「ビリビリ言うなっつってんでしょーがーー!!」

上条当麻「それは分かったけど、危ねーじゃねーか!! 無関係の人も近くに居たんだぞ!!」

御坂美琴「えっ!? ウソ!? ごめんなさい。大丈夫でしたか!?」

一方通行「あァ……、大丈夫ですよォ」

御坂美琴「ってまた新しい女と一緒なの!? アンタって男はーーー!!!」ビリビリ!!

上条当麻「ぎゃああああああ」パリーン!!

御坂美琴「しかもこんな綺麗な人と一緒なんて……」

上条当麻「無実だ! この人は何の関係もないんだって!!」

一方通行「エーと、私はたった今この人と知り合ったばかりなんですよォ」

一方通行(またメンドクセェのが……、ってかこの口調にも慣れてきたな……)

御坂美琴「そうなんですか……。よかった……。あの大食いシスターや妹たちならまだしもこんな綺麗な人が相手じゃ敵わないじゃない……」

上条当麻「なにか言ったか?」

御坂美琴「う、ううん、なんでもない!! ってそれよりもさっきの言葉は何なのよ!?」

上条当麻「さっきの……ってなんだ? お前が出てきたから分かんなくなっちまったよ。何だっけ?」

御坂美琴「そ、その……じょ、女装してくるって言った事よ!」

上条当麻「ああ、そうだった。丁度いいや。教えてくれよ。下着売り場に行くのに女装って必要なのか?」

御坂美琴「そんなわけないじゃない!? どうしてそんなのが必要なのよ!!」

上条当麻「だよなあ。あれ? なんでそんな話になったんだっけ?」

一方通行「さァ? なんででしたかねェ?」

一方通行(やっぱり間違ってンじゃねェェェェェェか!! ヌカ喜びさせやがって!!!)

上条当麻「最近、物忘れが酷くてなあ。あの居候が頭をよく噛むから」

御坂美琴「ちょっと大丈夫? ていうか、居候って何よ?」

上条当麻「え!? ネ、ネコだよ。凶暴なんだよ」

御坂美琴「頭を噛むネコって凄いわね……」

上条当麻「いや、ホント食費もバカにならねーし。不幸だよなあ」

御坂美琴「なら面倒見るのやめちゃえばいいんじゃない?」

上条当麻「そういうワケにはいかねえよ。上条さんはこれでも男だからな。途中で放り出したりしねえよ」

御坂美琴「それにしても、女装する事を信じるなんて頭おかしいんじゃない?」

一方通行「ぐっ……」

上条当麻「そうかあ? 有り得なくはないと思うけど」

御坂美琴「ないない(笑)本当に女装しちゃう人間なんて居たら、笑い死にする自信があるわ(笑)」

一方通行「ぐはっ……!」

御坂美琴「だってそんなの子供でも分かる事じゃない。常識よ。常識!!」

一方通行「ごふっ……!!」

上条当麻「……?」

一方通行(も、もう嫌だ……。一刻も早く家に帰りてェ。)グスッ

上条当麻「なんか目真っ赤だぞ。どうかしたか?」

一方通行「元からだよォ!! 泣いてねェ!泣いてねェからな!!」

上条当麻「!?」

御坂美琴「!?」

一方通行「あ……、じゃなくて……」

一方通行「あのォ……」

上条当麻「ん?」

一方通行「お知り合いがいたよォですしィ、さっきの話はこの人にお願いすればいいンじゃないでしょうか?」

上条当麻「そっか。それもそうだな。付き合わせて悪かった」

一方通行「いェ……。大丈夫ですよ」

御坂美琴「ちょっと! 付き合うってなによ! アンタやっぱり……!!」

上条当麻「何がだよ!? 今の何にキレる要素があった!?」

一方通行「それじゃ私はこれで……」 

一方通行(ウゼェ……。何もかもがウゼェ……。幼女以外皆いなくなればいいのに……)

一方通行(これだ……これを買って家に帰ろう)

御坂美琴「あ! ちょっとそれ……!」

一方通行「あン?」

御坂美琴「そ、それ買うの?」

一方通行「えェ。そうですけど何かァ……?」

御坂美琴「え、えっと、べ、別になんでもないけど……」

一方通行(? 待てよ……。そういやコイツ、打ち止めのオリジナルだったな……)

一方通行(そうかァ……! 同じ物を買いに来たってワケだな)

一方通行(さっき散々罵ってくれたからなァ。たっぷりお礼してやるよ)ニヤァ

一方通行「そうですかァ。てっきりこの子供っぽいのが欲しいのかと思いましたよ」

御坂美琴「そう言うアンタだって買おうとしてるじゃない!」

一方通行「私は幼女に頼まれたんです。まさか幼女と同じ趣味してるわけありませんよねェ?」

御坂美琴「あ、あったり前でしょ。だ、だれがそんな……」

一方通行「ですよねェ! こんな変なカエルがプリントされたのを幼女以外が穿いてたら犯罪ですよォ!」

御坂美琴「ゲコ太よ」

一方通行「え?」

御坂美琴「変なカエルじゃなくてゲコ太!」

一方通行「おやおやァ? 随分お詳しいですねェ?」

御坂美琴「な、なによ……」

一方通行「やっぱりこれを買いに来たンじゃないンですか?」

御坂美琴「違うわよ!!」

一方通行「そうですか。なら私とこの人が買って売切れみたいですねェ」

上条当麻「お!本当か!? 俺の分もあったのか! ラッキーだな!」

御坂美琴「!? アンタもこれを買うの!?」

上条当麻「ああ。御坂妹に頼まれたんだ」

御坂美琴「そ、そう……」

一方通行「その御坂妹さんっておいくつなんですかァ?」

上条当麻「んー、見た目はビリビリと同じだけど、精神年齢はもっと幼い……のかな?」

一方通行「こういうのを欲しがるのは子供だけだと思いますよ。ちなみにアナタはお幾つですかァ?」

御坂美琴「14よ」

一方通行「精神年齢は?」

御坂美琴「14よ!!!」

一方通行「へェ。ならお洒落には興味ある年頃ですよねェ。こんな幼い下着じゃなく」ニヤァ

御坂美琴「ちょっと……。アンタ私に恨みでもあるの!?」

一方通行「いいえ。全然何もないですよォ」ニヤニヤァ

御坂美琴「……ッ!!」ビリビリッ!!

上条当麻「お、おい!? 普通の人に電撃放つなよ!」

一方通行「…………!!」

一方通行「…………」

御坂美琴「え!?」

上条当麻「ってなんだ……。ちゃんと逸らしてたのか」

御坂美琴「ち、違うわよ。私は軽く当てるつもりで……」

上条当麻「ホント御坂は見境ねーな。あれ? でもこの人普通に立ってるぞ?」

御坂美琴「コイツ……、私の電撃を『反射』したわ!」

一方通行(チィィィ。煽りすぎたか……! 沸点低すぎだろォがこのババア!)

上条当麻「ど、どういう事だ?」

御坂美琴「私は学園都市第三位なのよ!? それより上を行く能力者なんてほとんどいないわ!」

御坂美琴「それにその目、その髪の色には嫌って程見覚えあるわ!!」

上条当麻「ま、まさか……」

御坂美琴「そうよ! コイツは『一方通行』よ!!!」

一方通行「……ッ!」

一方通行「…………」

上条当麻「…………」

御坂美琴「…………」





御坂美琴「アハハハハハ!! 学園都市第一位が何で女装してるのよ(笑)」

御坂美琴「何それ!? 趣味!? 趣味なの!? アハハハ!」

一方通行「…………」

御坂美琴「ヤバイ(笑)笑いすぎてお腹痛い(笑)」

一方通行「…………」

御坂美琴「まさか、一方通行にそんな趣味があったなんてね。 最強(笑)」

御坂美琴「ないわー。それはない。そんな変態嗜好、理解できないわ」

一方通行「クッ…………」

一方通行(分かってるンだよォ……そンなコトは。ババアどもに騙されたンだ……)

御坂美琴「しかもわざわざウィッグまでつけて(笑)やる気出しすぎじゃない!?」

一方通行(こうなったらコイツ等全員、殺して口を封じるしかねェ……)

御坂美琴「ねえ、アンタも何か言うことあるでしょ?」

上条当麻「……悪いのかよ……」

一方通行「え?」

御坂美琴「え?」

上条当麻「……女装しちゃ悪いのかよ……!!」


上条当麻「お前に、コイツの趣味を笑う資格があるのかって言ってるんだよ!」

一方通行「…………!」

御坂美琴「な……、だって女装よ!? こんな公衆の面前で女装なんておかしいじゃない!?」

一方通行「女装して誰かを傷つけたか!? コイツはただ女の格好してただけだろ!!」

御坂美琴「そうだけど……」

上条当麻「俺の友達にもな、義妹にしか興味ないっていう奴や、あらゆる嗜好を併せ持つ奴がいるよ」

上条当麻「でもな、そいつらだって普通に学校行って、俺とくだらない事ばかり話して笑ったりしてるんだよ」

御坂美琴「だ、だから何よ……」

上条当麻「あいつらやコイツが誰かに迷惑掛けたか!?」

御坂美琴「それは……」

上条当麻「他人と違う趣味ってだけで馬鹿にされるなんておかしいじゃねえか!!」

上条当麻「どんな変態嗜好だろうと、人に迷惑掛けたりしない限りは許されるべきじゃないのか!?」

一方通行(……三下ァ!!)

御坂美琴「そ、そうだとしてもコイツは一方通行よ!!悪い奴なのよ!!」

一方通行(……その通りだ……。俺のような悪党を庇ってどうするんだよ……)ショボーン

上条当麻「だからどうした!!!」

御坂美琴「…………!!」

一方通行「…………!!」

上条当麻「確かにコイツは御坂妹達をたくさん殺した奴だ。最悪の人間だ」

御坂美琴「で、でしょう?」

上条当麻「でもなあ、だからってコイツの趣味を笑っていい理由にはならねえだろうが!!」

御坂美琴「!!」

一方通行(ヒーローォ……!!)パアァァ

上条当麻「それとも、お前は、悪人には何をしてもいいと思ってるのか?」

上条当麻「悪党には人権すらないって言うのかよ?」

御坂美琴「そんな事、ないけど……」

上条当麻「だよな。ならいいじゃねえか。コイツが女装好きでもさ」

御坂美琴「で、でも女装よ。しかも普通の人よりも綺麗なのよ? な、納得できないわ」

上条当麻「まだこだわるのか。なら……」

上条当麻「……いいぜ……」

一方通行「!!」

御坂美琴「!!」

上条当麻「お前が、男は女装しちゃいけないっていうなら――――」




上条当麻「――――まずは、その幻想をぶち殺す!!」


御坂美琴「…………///」

一方通行「…………!!!!!」

上条当麻「分かってくれたか……」

御坂美琴「い、今のってつまり……///」

上条当麻「ん?」

御坂美琴「もし、わた、か、彼女が子供っぽい趣味だったとしても構わないってコトよね?……///」

上条当麻「ああ、もちろん。俺は相手がどんな趣味だろうと、それだけで嫌ったりしないぜ」

御坂美琴「そ、そう……///」

上条当麻「あれ? どうした? ボーッとしちまって」

上条当麻「もしもし? ビリビリ? 御坂さん? 超電磁砲? ツンデレ? 美琴?」

御坂美琴「…………」

上条当麻「何の反応もねえ……」

一方通行(あの女、幻想殺し(説教)くらって、イってやがる……)

上条当麻「どうすっかな……。早く帰らないと居候が餓死しちまうし……」

一方通行「オマエ…………」

上条当麻「あ、一方通行……、リベンジならまた今度にしてくれ! こっちもいろいろ忙しいんだ」

一方通行「誰がこんな格好で復讐するかよ。そ、その……」

上条当麻「ん?」

一方通行「な、なんでもねェよ!! とっととどっか行け!!」

上条当麻「ああ、やっぱ知ってる奴に見られると恥ずかしいか。でも、その服似合ってるぜ」

一方通行「…………ッ!!」

上条当麻「じゃあ俺はコレ買って帰るよ。それじゃあ」

――30分後

御坂美琴「あ、あれ!? 私、何を……?」

御坂美琴「アイツも一方通行もいない!! どうなったの?」

店員「お客様? お気分でも悪いのでしょうか?」

御坂美琴「あ、あの! 私と一緒にいた二人を知りませんか?」

店員「あのお二方でしたら限定品の下着をご購入なさってお帰りになりましたけど……」

御坂美琴「え、ええええ!!!」

御坂美琴「アイツ!! 放置して帰んなやーーーーー!!!」

御坂美琴(ま、まさかそういうアレ? ヤダ……/// 黒子の持ってる本でしか読んだことないけど……)

店員「お、お客様? 精神安定剤は他の売り場ですが……?」

御坂美琴「あ、いえ頭は大丈夫です! あれ? 買って帰ったって事はゲコ太の下着は……」

店員「そちらでしたら大変好評につき、完売いたしました」

御坂美琴「」



???「…………」

一方通行(やっと手に入った……。長かった。いろンな邪魔が入ったからな)

一方通行(…………)

一方通行(幻想殺しの野郎、まるで俺が好き好ンで女装してると勘違いしやがって)

一方通行(そンなワケねーじゃねェか。後でお礼参りに行ってやるからなァ!)

一方通行(ただ、まあ今日のところは許しておいてやる。コイツをさっさと打ち止めに渡さないといけないからな)

???「…………」

一方通行「誰だ!?」

???「そのパンツをこっちに渡してください」

一方通行「海原ァ……、何言ってやがる?」

海原「そのパンツをこっちに渡してくださいと言ったんです」

一方通行「オイオイ、いつから海原クンは人の下着奪うような通り魔に成り下がったンですかァ?」

海原「相変わらず失礼な人だ。人を人間の屑みたいに……」

一方通行「なら何で、コイツを狙ってンだ?」

海原「順を追って説明しましょう。自分は今日も元気よく御坂さんの後をつけていたんです」

一方通行「屑じゃねェか」

海原「女装している貴方に言われたくないですね」

一方通行「グッ……」

海原「そして貴方と、御坂さんの想い人を見つけたんです」

海原「まあ、女装している貴方を見た時は、魔術師の仕業かと思いましたけど」

一方通行「…………」

海原「ロリコンの風上にも置けぬ変態が」

一方通行「黙りやがれ! 誰にも迷惑掛けてねェだろォが!!」

海原「もちろん会話も聞いていました。貴方の目的も、御坂さんの欲しい物もね」

一方通行「そォいうことか。やっぱりあの女コレが欲しかったのか」

海原「ええ。ですからそのパンツを渡してください。自分は御坂さんの喜ぶ顔が見たい」

一方通行「はン。無理だな。こっちは死ぬ思いして手に入れたンだよ」

海原「でしょうね。それも見ていたから知っています」

一方通行「なら分かってんだろォな」

海原「戦ってでも奪い取ります」

一方通行「だがよォ、コレが欲しいンなら俺を狙わなくてもいいンじゃねェのか」

一方通行「コイツは五枚あったンだ。わざわざ学園都市第一位を狙うより他のを探したほうが簡単だろうが」

海原「その理由は簡単ですよ」

一方通行「あン?」

海原「自分は貴方が、大嫌いだからです」

一方通行「へェ。そいつは分かり易い理由だな」

海原「でしょう? それに、自分は貴方が羨ましかった……」

一方通行「あァ? なンだそりゃ?」 

海原「これ以上語る気はありません。では力ずくでパンツを頂きます」

一方通行「いいぜェ。だが気をつけろよ。こっから先は『一方通行』だからなァ!!」


海原「いきます!! トラウ(ryの槍!!!」


ドカーーン!!!

海原「ぐふっ……。負け……ましたか……」

一方通行「俺は光のベクトルも操れる。オマエが勝てるワケねェだろ」

海原「それでも……貴方が許せなかった……。御坂さんの隣で普通に話している貴方が……」

海原「自分がどれだけ貴方と代わりたいと思ったか……」

一方通行「意味不明な事言ってンじゃねェ」

海原「貴方は御坂さんや、その想い人とあんなに楽しそうにパンツの話をしてたじゃないですか」

一方通行「どこがだよ。オマエの目、節穴すぎンぜ」

海原「貴方は……あんなにも簡単に表の世界を歩く事が出来るのに……」

海原「それなのに、自分を裏の人間だと思い込んでいる。」

一方通行「…………」

海原「影の中でしか生きられない人間にとって、光の下を歩ける人間が、わざわざ影の中に残っているのは気に食わないんですよ!」

一方通行「…………」

海原「貴方は……こっち側に居ちゃいけない人……なんです……」

海原「……………」

一方通行「気絶したか……」

一方通行(さて、どうするかァ……。このまま放っておいてもいいンだが)
                       
一方通行(こンな路地裏に転がしておいたら、ジャッジメントなンかよりも不良どもの方が先に見つけるだろうな)

一方通行(そうなったら、身包み剥がされて殺されるって事も……)
                     
一方通行(それに、海原は裏の世界の人間だ。アンチスキルに通報もできねェ)



――――海原「それに、自分は貴方が羨ましかった……」

一方通行「…………」

一方通行「ぐっ……!こいつ意外と重ェ……」

一方通行(ベクトル操作してもバッテリーの時間が足りねェ。せめて人の多い所に運ばねェと)

一方通行(しっかし、どぉしてこう次から次へと面倒が転がってきやがるンだか)

???「うん? これはなかなか面白い事が起こってるな」

一方通行「!!」

一方通行「土御門……」

土御門「海原と連絡が取れないから来てみたが……なんだこれは」

一方通行「…………」

土御門「一方通行の女装とか、なんでその女装一方通行が海原を運んでいるのか、とか聞きたいことはいろいろある。だが……」

土御門「なにより気になるのは……なんで海原はカエルプリントの下着を頭に被ってるんだ?」

一方通行「仕方ねェだろォが。杖つきながら海原運ンだら、下着が持てなかったンだよ」

土御門「そういう事を聞いたわけじゃ……」

一方通行「大丈夫だ。後で汚れをベクトル変換して、塵を一つ残らず弾き飛ばして新品に戻せる」

土御門「便利だな。お前……。ってかそういう事でもない」

一方通行「あァ!?」

土御門「そもそもこの状況自体が異常だ。アレイスターの奴、また何か企んでやがるのか……!」

むき出しで持ち歩いてたのかよ
店は袋に入れてくれなかったのか?

>>181 袋は海原との戦いで破れました

一方通行「ワケわかンねェ事言ってンじゃねェよ! オマエも義妹の為にコレを狙いに来たのか?」

土御門「舞夏に男が被った下着を穿かせるかよ!」

一方通行「だからァ、ベクトル変換で汚れを……」

土御門「いやその話はもういい」

一方通行「じゃあ何だってンだ!? さっさと目的を吐きやがれ!海原ぶつけンぞ!!」

土御門「目的と言われてもなにがなんだか……」

土御門「……そうだな。なんで海原を運んでる?」

一方通行「あァ?」

土御門「オレ達『グループ』はお互い不干渉を貫く決まりのはずだ」

土御門「オレはお前達の間に何があったのか、興味はない。だが一方通行に、その決まりを破らせる程の何があったのか気になる。説明しろ」

一方通行「大した事じゃねェよ。ただ、哀れに思っただけだ」

土御門「哀れ?」

一方通行「ああ、海原の野郎ォ、俺が羨ましいって言いやがった」

一方通行「こんなクソったれで悪党の俺が羨ましいだとよォ。あまりに哀れなンで運ンでやっただけだ」

土御門「なるほどな。まあなんとなく分かった」

一方通行「ならとっとそこを退け。邪魔なンだよ」

土御門「いやだ」

一方通行「あァ!?」

土御門「こっからはオレが海原を運ぶにゃー」

一方通行「!?」

土御門「ほらほら、とっととよこすにゃー。汗ダクの一方通行クン」

一方通行「オマエ……、その口調、ふざけてンのか?」

土御門「巫山戯てるが本気だぜい。これはオレの表の世界での口調だ」

一方通行「どォいうことだ?」

土御門「今のお前なら、裏の世界以外の場所で、ツルんでもいいと思ったんだにゃー」

一方通行「はン。馴れ合う気はねェ」

土御門「こっちだってそんな気はないにゃー。ただな、今までの一方通行だったら、馴れ合いなんて頼まれても、こっちがお断りだったぜよ」

一方通行「頼むかよ」

土御門「けど、今のお前ならアリだと思ったんだにゃー。この差は大きいぜい」

一方通行「…………」

土御門「ほら、さっさと海原をよこすぜよ。」

一方通行「……ほらよ」

土御門「男を抱えるとか本能的に嫌な感じにゃー」

一方通行「……じゃあ、俺ァ行くからな」

土御門「……おい、一方通行」

一方通行「あァ?」

土御門「もし、お前がこっち側の世界に来たいと思った時は、相手してやるにゃー」

一方通行「ありえねェ」

土御門「…………」

土御門「いやー、面白い物が見れたぜい。一方通行がああなるとは……」

土御門「これも一方通行がたまに会っている子供が関係あるのか?」

土御門「やっぱりロリの力は偉大だにゃー」

土御門「それにしても……」

土御門「……女装少年とは、ロリなのか、ショタなのか? 難しい命題ぜよ」

土御門「またあいつらと一晩中語り明かせそうな議題ができたにゃー」

一方通行(どいつもこいつも、くだらねェ事ばかり言いやがって……)

一方通行(俺のような悪党がそう簡単に変わるわけないだろうが)

一方通行(今日の俺は一方通行じゃねェ……、ただの鈴科百合子だ)

一方通行(表の世界を歩けたのは、俺が俺じゃなかったからだ)

一方通行(勘違いしてんじゃねェ。クソッタレどもが……)

打ち止め「あー! やっと来たっ!! ってミサカはミサカはピョンピョン跳ねてみたり!」

一方通行「また動き回りすぎて、マンションから締め出されたのか。クソガキ」

打ち止め「ちがうよ、アナタを待ってたんだもん!ってミサカはミサカはアナタに向かって走りながら酸欠気味に声を出してみる!」

一方通行「おいおい、欲しい物が手に入ったからって喜びすぎだろ。やっぱガキ……だっ!?」

ゴンッ!!!

打ち止め「そうじゃないもん!! ってミサカはミサカはダイビングアタックしながら抗議してみたり!」

一方通行「イテェな! 頭打ったじゃねェかよォ!」

一方通行「こっちは疲れてる上に杖ついてンだぞ! 支えられるか!」

打ち止め「変な事言うアナタがわるいの! ってミサカはミサカは胸の上に馬乗りになりながら訴えてみる!」

一方通行「じゃあ何を喜ンでンだァ!?」

打ち止め「アナタが……! ミサカのお願いを! こんなに必死になって叶えてくれた事が嬉しいの! ってミサカはミサカは全身で喜びを表現してみる!!」

一方通行「…………ッ!!」

打ち止め「…………」

一方通行「…………」

打ち止め「…………ねえ」

一方通行「…………あン?」

打ち止め『おかえりなさい』

一方通行「…………」



打ち止め「……ってミサカはミサカは新妻の如く囁いてみたり! キャーーー!!」




一方通行「……くっだらねェ」

                                               おわり

ここまでお読みくださりありがとうございました。最後に>>1を読んでもらってこの話は終わりとなります。

初めてのSSだったのでいろいろ足りない部分が多かったです。台詞ですべて説明するのは難しいですね。

次は一方さんのお礼参りか、美琴か五和の上条さんとのイチャイチャが書けたらいいなと思います。このスレは落としちゃってください。

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