エレン「クリスタって本当に女神だったんだな」(346)

立ったら書く。
原作崩壊、キャラ崩壊、エレ×クリ、鬱ルート直行。
苦手な方は回れ右で。

アルミン「おはようエレン」

エレン「…あぁ、おはよう」

アルミン「最近、元気がないみたいだけど大丈夫かい?」

エレン「大丈夫だ…早く行こう」

アルミン「あっエレン!」

エレン「…」

エレン「(…)」

俺は病気になった。

病気になったといっても、風邪みたいなものじゃない。

むしろ、俺の周りがおかしくなっちまったんだ。

ミカサも。アルミンも。ジャンも、ライナーも、ベルトルトも。

みんなみんなおかしくなっちまった。

あの日、怪我をして。

意識を失って、目が覚めたら…



皆の顔が巨人に見えちまうなんて

ライナー「よぉ、大丈夫か?今日も元気ないみたいだが」

エレン「…ライナー?」

正直、一番会いたくない奴だった。

ライナーの顔なんて見たくも無い。

さっさと行っちまおう…。

ライナー「あっ、おい!」

アルミン「エレン!?」

エレン「…」

~食堂~
ミカサ「おはようエレン」

エレン「…」

ミカサ「一緒に食べてもいい?」

エレン「好きに、しろよ」

アルミン「あ、おはようミカサ!」

ミカサ「…おはようアルミン」

さっさと食べてしまおう。

一刻も早く。

こんなとこになんて居たくない。

誰とも話したくない。

誰の顔も見たくない。

もう吐き気を堪えながら食べる食事にも慣れてきた。

でも、もう嫌だ。

家族だったミカサも、親友のアルミンも、俺を気遣ってくれている。



正直、迷惑だ。そんな顔で俺を見るな。近づくな。


これ以上、俺の大事な人を汚すな。

訓練の時間になれば地獄だった。

サイズが小さいだけで、でも巨人にしか見えない奴らに囲まれる。

相手なんて誰でもいい。

さっさと終わらせたい。

こっちは今にもその首を絞めてやりたいのを抑えてるんだよ。

俺と同じくらいだから、首を絞めるのも簡単そうだ。


気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い


武器があれば削いでやりたい。

武器がなけりゃ、その顔を石かなんかで潰してやりたい。

でも出来ない。これは幻だ。

おそらくアニであろう巨人を…やっちまうわけにはいかない。

アニ「結構、やるようになったね」

エレン「…そうかよ」

アニ「でも、殺気は抑えなよ。私だからいいものを…」

エレン「(黙れよ、本気で黙れ。)」

エレン「(こっちはお前が比較的に喋らないから一緒に訓練してんだ)」

エレン「(それ以上そのツラで、仲間の声で、俺の中のアニを壊すんじゃねぇ!)」

アニ「聞い、」

エレン「うるせぇ、舌噛むぞ」

アニ「はぁ…分かった、よ!」


こんな世界、もう嫌だ。早く、治りてぇ。


早く…治りてぇよぉ…。

もう、自分が自分でないような。

そんな感覚が普通になっている。

嫌だ。嫌だ。嫌だ!

大事な約束が! 外の世界に行くって夢が!

もう、どうでも良くなっていくのが手に取るように分かっちまう…!

親友と一緒に見た夢が、その親友が、大事な家族の顔が、消えていく。

思い出が壊れていく。俺が壊れていく。

頼むよ、消えるな。消えないでくれ…。

アルミンにも相談できない。したくない。

違うのに! あれはアルミンなのに! 顔がっ! 髪がっ!


母さん……。

――――――――――
エレン「(また、飯の時間か…)」

エレン「うッ…ぶ、ぇ…っ」ハァー、ハァー

エレン「……」

エレン「…ッ」

エレン「っ畜生…畜生…!」


――――――――――
~食堂~
ユミル「疲っかれたなぁークリスター抱きつくぞー」

クリスタ「わぁ!もう、ユミル!?」


アルミン「…」

ミカサ「…」

クリスタ「…ねぇ、ユミル」

ユミル「んー?」

クリスタ「最近、ミカサとアルミン元気ないよね?」

ユミル「そうかー?」

クリスタ「ユミルっ!」

ユミル「だぁー、はいはい!分かったよ」

ユミル「最近あの死に急ぎ野郎が元気ないからだろうな」

クリスタ「死に急ぎ野郎って…エレン、だっけ?」

ユミル「そうそう。アイツがマジで死にそうな面してるからなー」

クリスタ「…心配だな」

ユミル「誰が?ミカサか?アルミン?それとも」

クリスタ「3人共だよっ!」

ユミル「(さっすが天使だな!)」

クリスタ「…よしっ」

ユミル「何を考えてんだか分かるけど、何を意気込んでんだ」

クリスタ「今日はエレンと一緒に食べよう!」

ユミル「ほぉー、ほぉー」

ユミル「(なんか癪に障るな…よぉし)」

ユミル「本当に大丈夫かー?」

クリスタ「え、何が?」

ユミル「死に急ぎ野郎と会話したことないだろ?」ニヤニヤ

クリスタ「ぅ…そ、そうだけど」

ユミル「あいつぁーヤバイぞ?」

クリスタ「え…」

ユミル「アイツ、気に喰わないことがあれば女でも構わず掴み掛かるような奴だぞー」

クリスタ「え、え?」

ユミル「でもまぁ、クリスタなら平気だよなー?そんだけ自信満々なんだし」

クリスタ「…」

ユミル「じゃ、絡まれたくないからパスで。一人で食べてくるぞー?」ニヤニヤ

クリスタ「ぇ、まっ!」

ユミル「ん?」

クリスタ「い、一緒に来てくれない…?」

ユミル「(ふはっ!)もちろんだとも可愛いクリスタァ!」

クリスタ「キャー!?ちょ、触りすぎぃ!」

ユミル「(天使の抱き心地最高ッ!)」

――――――――――
エレン「…」

ミカサ「(あ…)エレッ」

アルミン「ミカサ!」

ミカサ「アルミン、退いて」

アルミン「理由は分からないけど!エレンは僕達すら避けてる!」

ミカサ「ッ!…だからこそ」

アルミン「エレンは僕達の何!?」

ミカサ「そんなの…決まってる」

アルミン「そうだ、君の家族で、僕の親友!エレンだって悩みくらいある!」

アルミン「しばらく様子を見たけど、今はそっとしてあげるべきだと思う」

アルミン「大丈夫さ、エレンなら。本当に駄目な時は相談してくれる。そうだろ?」

ミカサ「…分かった。アルミンがそういうなら、きっと、それが最善…」

アルミン「(ホッ…)ありがとう」

アルミン「もし、エレンが助けを求めたら全力で助けよう」

アルミン「きっとそれが出来るのはミカサか、僕だから」

ミカサ「うん…(エレン、ごめんなさい)」



エレン「(良かった)」

エレン「(今日、は、巨人が、近づいてこない)」

エレン「…ちっとも美味くねぇ」



ユミル「よぉ、死に急ぎ野郎」

エレン「…」

エレン「(チッ)誰、だっけ…?」

ユミル「おいおい、そりゃないだろ?」

エレン「すまん…」

ユミル「ま、話したことはなかったか?ユミルだ、忘れるなよ」

エレン「(コイツの面…全然わかんないくらい違うから分かるかってんだ)」

エレン「で、後ろのは何だ」

ユミル「ご挨拶じゃないか。まぁ、飯でも一緒に食べようぜ?」

ユミル「天使のご所望だ、感謝しろよ」

エレン「天使?(確か皆がそう呼んでる奴が…いたっけか?)」

ユミル「いつまで隠れてんだクリスター?」

クリスタ「わ、わかってる、よ!」

クリスタ「は、はじめまして…だよね!?」

クリスタ「そ、その…今日は親睦でも深めようと思って…思いましてッ!」

クリスタ「だ、だからその、一緒にご飯食べようと思って…」

クリスタ「え、と…。だ、駄目で、すか?」

ユミル「(やべぇ、怯えるクリスタも可愛いな)」


――カランッ


クリスタ「あ、エ、エレン、スプーンが…」

エレン「…あ、あぁ」

世界は残酷だって、最近ずっと思ってた。

何でこんな酷いことをしやがるんだって。

もう、涙なんて枯れちまってた。

悲しかったんじゃない。吐き気と一緒に出てきた、嫌悪から来る自然な涙だ。

何度も飯を食って、吐いて、世界に一人ぼっちにされちまったって。

何度も駆逐してやりたくて、何度も我慢して、

いっそ、本当に巨人になればよかったんだって思えて、それに絶望した。

俺は自分がおかしくなったってのに、仲間を殺そうとしたんだって。

いっそ、喰われてしまえば、どれだけ楽になれただろう。

苦しかった。苦しかった。苦しかった。

もう、裏切られた世界なんてどうでも良かったのに。

あぁ…、あぁ…、俺にはまだ、まだ残ってたのか、こんなに近くに。

クリスタ「…エレン?」

エレン「あ、あぁ…ぅ」ポロポロ

ユミル「ちょ!?」

クリスタ「エエエエレンッ!?」

エレン「(あぁ、止まんねぇ、止まんねぇ、よ)」

エレン「(いた、いたんだ、本当に…ッ!)」

エレン「(もう、もう、嫌だった)」

エレン「(でも、本当だったんだ、天使だ、女神だって…!)」

エレン「(クリ、スタ。クリスタ。その名前を刻むんだ)」

エレン「(綺麗で、流れるような髪)」

エレン「(柔らかそうな、白い肌)」

エレン「(人だ。人なんだ。人間なんだ!)」

クリスタ「ど、どうしようユミル!?私、何かした!?」

ユミル「い、いやいや落ち着け。何もしてないから」

クリスタ「あ、あわわ!ご、ごめんねエレン!泣くほど嫌だったんだね!?」

エレン「ぇ…」

クリスタ「も、もう言わないから!あ、せ、せめて明日の訓練一緒にどうかな!?」

エレン「まッ…」

クリスタ「じゃあ、考えといてね!」

エレン「待ってくれッ!!」

クリスタ「ひぃ!?」

ユミル「てめぇ!クリスタの腕掴むなんていい度胸してんじゃねぇか!」

エレン「え、あ、や…違っす、すまない!」

クリスタ「…え?」

エレン「(馬鹿か俺は!何やってんだ!)」

エレン「い、いや、その…う、嬉しいんだ。うん」

エレン「だ、から…その!ご、ごめん。痛かった、よな?」

クリスタ「い、いや、大丈夫だから!大丈夫だよ!?」

エレン「あ…」ポロポロ

クリスタ「あああ!だから泣かないでぇ!」

ユミル「なんだこれ」


――――――――――
クリスタ「そ、そのクリスタ・レンズです…」

エレン「え、エレン…イェーガー」

ユミル「(見合いかよ!?)」

~男子寮~
エレン「(なんも、喋れなかった)」

エレン「でも…」

エレン「(クリスタ…女神、天使…)」

エレン「人間…」

エレン「今日は…良く、眠れそう、だ…」


アルミン「(クリスタとユミルとで何か話してたみたいだけど…)」

アルミン「(どうやら、エレンの支えになってくれたみたいだ)」

アルミン「(流石天使だ)」

アルミン「でも…なんか悔しい、かな」

~女子寮~
ミカサ「クリスタ」

クリスタ「わっ!?な、何ミカサ?」

ミカサ「エレンの、支えに、なってくれてありがとう」

クリスタ「え、えぇ?いや、私は何も…」

ミカサ「エレンのあの顔、本当に久しぶり」

クリスタ「あ…」

ミカサ「本当にありがとう。それだけ…」

クリスタ「う、うん」


クリスタ「(い、意外だった。ミカサがあんな事言うなんて…)」

クリスタ「(でも、家族…か)」

クリスタ「(そうだよね、心配だよね)」

クリスタ「(ふふ…でも、思ったより怖くなくてよかった)」

クリスタ「(明日から…また頑張ろう)」

クリスタ「ミカサとアルミンとエレンが、元気になりますように」

一旦小休止。沙耶の唄大好きです。
ところで、一日では書ききれないのですが、スレは書き込みなしでどれだけ持ちますか?

補足として、
エレンがクリスタだけまともに見えるというのに細かい設定はありません。
理由をこじつけるなら、実は数名はまともに見えていたけど、徐々に視覚が汚染された。
名前も知らない人は短時間で巨人に見えてきて、多少知っている人は数日で汚染されます。
エレンは目を背けていたので後半は殆ど顔を見ていません。
クリスタも名前は知っていたけど顔は知らなかったのでそう見えました。
でも当然汚染が進めば数日でクリスタも例外ではありません。

ので、ここから先は嫌いな人は回れ右です。

~訓練所~
クリスタ「エレーン」

エレン「あ…クリス、タ」

クリスタ「一緒に訓練する?」

エレン「お、おう」

ユミル「…」

ミカサ「…」

アルミン「(状況は良い方へ進んでるはずだ…だから耐えるんだ僕)」

クリスタも例外じゃないのか……少し残念

何日持つかは分かりませんが多分1~2週間は普通に大丈夫だと思いますよ

クリスタ「(あれから私はエレンと行動することが多くなった)」

クリスタ「(最初は私が緊張でギクシャクしてたけど、今ではどちらかといえば逆だ)」

クリスタ「(オドオドしてるエレンは小動物みたいでなかなか愛らしい…)」

クリスタ「(…じゃなくて、少しはエレンも私に話かけてくれるようになった)」

クリスタ「(でもまだ、ミカサやアルミンとは話を殆どしない)」

クリスタ「(言ったら教えてくれるかな?ううん、まだ言わなくてもいいよね)」

クリスタ「(あんなに仲が良かったんだからきっと理由があるんだ。二人に言えないくらいの)」

クリスタ「(なら私はエレンが言ってくれるまで待ってよう)」

クリスタ「(今は焦らなくても…いいよね?)」

クリスタ「あ、エレン大丈夫!?」

エレン「……うん」

>>37
ありがとうございます。
でもエレクリなので。勘弁してください。

――――――――――
エレン「(あれから数日がたった)」

エレン「(クリスタはあの日から積極的に俺に話しかけてきてくれる)」

エレン「(クリスタは俺を心配してくれてるんだ)」

エレン「(でも、正直言ってやっぱり世界は残酷かもしれない)」

エレン「(あんなに喜んだ。クリスタが普通で)」

エレン「(そうして久しぶりに周りを見れば、何人かはまだ人間がいたんだ)」

エレン「(嬉しかった。俺が目を背けていただけだったんだ)」

エレン「(でも…次の日には…)」

俺は気付いた。

クリスタにあって、俺の病気の正体を知ってしまった。

俺以外が巨人に見えるんじゃなかった。

少しずつ、少しずつ皆が巨人に見えてきてしまうんだって。

クリスタに出会った次の日、人間にすれ違った。

そいつが名前を呼ばれてた。初めて聞いた名前だ。

嬉しかったのに、声をかけそびれた。

次の日、吐き気を抑えてそいつの名前を聞いて、紹介してもらった。



そいつも、巨人になっていた。

なんで?

違う、こいつじゃない。

でも同じ名前はいなかった。

そこから先は残酷な現実しかなかった。

結局、遅かれ早かれ、数日もすれば俺の目には巨人として見えてしまうのだ。

最悪だ。

また俺は独りになってしまったのか?

違う。まだ女神が、クリスタがいる。

クリスタがいればそれでいい。

可愛いクリスタ。綺麗なクリスタ。素敵なクリスタ。

もう、俺の世界は、クリスタだった。クリスタしかいない。

全部を敵に回しても、俺は、クリスタの為に心臓を捧げられる。

そんな事だって、本気で思えていた。

そして気付いた。

俺の目になんでクリスタだけが普通に見えているのか。

違う。

『今は』普通に見えているだけだ。

いつかは、クリスタも、巨人に見えてしまう?

え?

嫌、だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。

もう独りは嫌だ。こんな世界で独りなんて嫌だ。

でも、もうどうしようもないのか?

もう…どうしようもないんだ。

皆、そうだった。皆、そうなった。

気付いたら、俺は動くと決めた。

ただ、もう話さないと言う、だけ……。

エレン「(また、言えなかった)」

俺は自分でも分かるくらい脆くなっていた。

初めて見つけた希望を、世界を、傷つけたくない。

…違う、自分が傷つきたくないんだ。

女神に嫌われたくない。否定されたくない。

結局、運良くクリスタはまだ、クリスタだった。

でも、いつまでそう見えるのかは分からない。

だから言わないといけないのに。離れないと傷つくのに。

女神の笑みは、俺の決断を鈍らせた。


…明日はまだ、クリスタだろうか?

もう限界だ。これ以上は、きっと待てない。持たない。

そうだ、言わなくていい。何も言わずに会わなければ良いんだ。


エレン「クリスタだけは、汚させない。守ってみせる」

~翌日~
クリスタ「あれ、エレンいないなぁ…」

クリスタ「(どうしたんだろう、休んでるって事はないと思うけど)」

クリスタ「いないなら、仕方ないかな。ユミルー」

ユミル「おしっ!久しぶりだなクリスター。今日は邪魔なしで、組んず解れつできるぜー」

クリスタ「ちょぉ!ユミルやめてー!!」

~翌日~
クリスタ「あ、あれ・・・またエレンいないのかな…?」

ユミル「それじゃあ始めようか天使様」

クリスタ「あ、う、うん」

ユミル「…(アイツ、何処行った?)」

~翌日~
クリスタ「ねぇアルミン、エレンは?」

アルミン「それが、僕も見失っちゃって…」

ミカサ「エレンはアニと組んでる」

アルミン「うわぁ!ミカサ!?」

ミカサ「相変わらず、私とはあまり話してくれない」

ミカサ「何、か…悪いこと、した…?」

ミカサ「エレ、ン…エレン…」

クリスタ「ミ、ミカサ…大丈夫だよ!きっとエレンなら大丈夫だよ!」

クリスタ「エレンが理由もなくミカサやアルミンを傷つけたりはしないよ!」

クリスタ「私だって、そう思えたんだから…」

アルミン「クリスタ…」

ミカサ「…うん」

クリスタ「(エレン、どうしちゃったんだろう…私、何かしたの?)」

~翌日~
クリスタ「エレン…また、見つからない」

ユミル「気にするなって、それより今日は立体機動の訓練だぞ?」

クリスタ「え、あ…うん。(そうだね、集中しないと)」

ユミル「もっと気合入れろよなー!」

クリスタ「わ、分かってるよぅー!」


―――――――――――
クリスタ「(ぐ…やっぱり上手く、出来ない)」

クリスタ「(エレンはもっと上手く出来てたのに)」

クリスタ「(エレンはもっと…)」

ユミル「おいッ!クリスタ!!」

クリスタ「(エレン…)エ?」




グシャァアアア………

おい!今、誰か!

クリスタァ!てめぇら邪魔だ!

今、顔からッ……

ヒィッ…!

見せもんじゃないぞテメェラァ!!

ユミル!どうしっ

いいから手伝えッ!早く!!


クリスタ「(エ、レ、ン)」

――――――――――





アルミン「ユ、ミル…クリスタ、は?」

ユミル「……命は、大丈夫だそうだ」

ミカサ「命は?」

ユミル「……」

ミカサ「ユミル?」

ユミル「…顔の怪我、自然には元に治らないんだとよ」

アルミン「え…」

ユミル「あの馬鹿…そういうわけだ。アルミン」

アルミン「わ、分かった」

ユミル「話が早くて助かる」

ミカサ「アルミン?何処へ…」

アルミン「…いや、だって」

ユミル「ミカサ、てめぇ顔がつぶれて、すぐにエレンやアルミンにその面見せられるか?」

ミカサ「あ…」

アルミン「そういうわけさ、ミカサ…僕の分もクリスタのお見舞い、頼んだよ」

ミカサ「うん…分かった」

ユミル「まだ、本人も自分の顔を見てないんだ」

ユミル「メチャクチャ嫌な役目だが、クリスタに」

ミカサ「伝えるの?」

ユミル「…付き合ってもらうぜ?」

ミカサ「…(アルミン助けて)」

アルミン「…(ごめんミカサ)」

~病室~
ヒュー、ヒュー……

コンコン

ユミル「クリスタ、入るぞ」

ミカサ「…お邪魔、する」

クリスタ「ぅ……」

ユミル「無理、しなくていい。まともに喋れないだろうが」

クリスタ「…」

ユミル「まぁ、まずは命に別状なくてよかったよクリスタ」

クリスタ「ん……」

ミカサ「(これは、想像したより、酷い)」

ユミル「で、単刀直入に言うぞクリスタ。覚悟しろ」

クリスタ「……」

ユミル「あんな落ち方で首が無事だったのが奇跡だ。」

ユミル「だけど奇跡はそれまでだ。」

ユミル「クリスタ………ッその、顔は。も、う…」

クリスタ「ッ……」

ミカサ「戻らないらしい」

クリスタ「…」

ユミル「お、おいっ!」

ミカサ「希望は、縋れば縋るほど、後が苦しい」

ミカサ「分かってることは、正直に伝える、べき」

ミカサ「……ので、クリスタ。その包帯を取るときは、覚悟をしていた方が、いい」

ミカサ「……アルミンも心配してた」

ミカサ「…私、も」

クリスタ「……」

ユミル「…そういう、事だ。クリスタ」

クリスタ「…」

クリスタ「……ッ」

クリスタ「ーーッ、ーーッ」

クリスタ「ッッッ~~~~~~……」

ユミル「ッ…クソ(ボソッ)」

ミカサ「邪魔、した……ユミル?」

ユミル「わかってる…わかってるよ」

ミカサ「……」

ガチャ…パタン。

――――――――――
私は馬鹿だ。

考え事をして、挙句怪我をした。

しかも、顔が戻らないと伝えられた。つまり、相当、酷いことになってるんだ…

こんなになっても生きてるなんて、私はいったい何なんだろう。

ユミルは相当前に帰った。今は私、独り。

いけない…また、涙が出てきちゃうッ…!

クリスタ「ッふ……ゥッ、うゥーーーッ!」


…もう、私は誰からも対等に扱ってもらえないのかな?

それとも、誰からも相手にされなくなってしまうのかな…?

嫌だ、嫌ッ!怖い、怖いよぉ!!

ユミルゥ! 誰かぁ……え、れんっ…!

エレン…助けてよぉ……ッ!

今日はここまで。
思いつきでやるんじゃないね、長くなってしまうわ。

――――――――――
エレン「クリスタが…怪我した?」

アルミン「…うん。エレンも、心配だろ?僕も行くからさ、その時は」

エレン「行かねぇ」

アルミン「ッ…エレン!?」

エレン「話はそれだけだろ…もう、寝る」

アルミン「ぐ、…待ってるからね!?絶対行くんだよ!!」

エレン「……」

エレン「…」

エレン「…誰が行くかよ」

エレン「(むしろ、会わなくて済む、絶好の機会じゃねぇか…)」

エレン「(クリスタ…)」


アルミン「(いったい、どうしちゃったんだエレンは…?)」

アルミン「(全然っ、分からないよ…ッ!)」

あの日から、クリスタの日常は変わってしまった。

エレンは変わらず、僕や、ミカサも避けている。

…クリスタも。

あんなに仲良くなっていたのに、あれは嘘だったのかい?エレン。

…面会の許可が正式に認められて数日の間は、クリスタのお見舞いに来る人はたくさんいた。

あまり、いい気持ちはしないけど…百の善意で集まった人ばかりではなかった。

中には好奇心や、単なる興味本位で来るような輩もいた。

言葉では心配してるようにしていて。

影でこっそりと、クリスタが怪我した事を喜んでいる、最低な奴らもいた。

日が経つに連れ、クリスタの所へと足を運ぶものは減っていった。

クリスタは療養という事になっている。

顔は包帯に覆われていて、その素顔は殆ど見えていない。

でも、その痛々しい姿や、所々の、包帯では隠し切れない部位から易々と想像出来る。

……クリスタは、もう。

……もう、包帯は、取らないかもしれない。

例え、その包帯を取ってもいいぐらいに傷が癒えても。

心が癒えない限りは。

そんな…そんな、眼を、していた。

僕では…クリスタの、支えには、なれない。

同情や、哀れみでは……こんな悲しい眼をしたクリスタを、絶対に救えない。

――――――――――
私の世界は、たったの一瞬で壊れてしまった。

今の私は、たった独り。

私の所に現れる人達は、皆、皆…。

私を…見てくれてはいない。

皆が見ているのは、死んだ私。

ここにいる、潰れてしまったクリスタの出来損ないじゃなくて。

皆が呼んでいた。女神のようなクリスタだ。

自惚れ…かも知れない。思い込みや…勘違いかもしれない。

…でも、皆からいろんな視線を受けていたから判る。

ここに来た人達は、誰一人として、今の、私を…。


心から、見てくれていない。

無理だって、我が侭だって解ってる。

でも、苦しい。

だから、苦しい。

そんな目で見ないでほしい。

そんな風に、気を遣わないで欲しい。

私は、私だよ。変わってなんかいないのに。

変わりたくなんて、なかったのに。


…未だに、私の所に、何度も来てくれる人がいる。

ユミルや、アルミン。サシャや、コニーとかも…こんな私の所に来てくれる。

ミカサや、ライナーとかは…最近来なくなった。

あとは…大体一回来て、来なくなった。

なんかID変わってる?けど本人です。

ユミルやアルミンが今日のことを話してくれたりする。

無理してないように振舞って、余計に、無理してるのが分かった。

そんな顔をして欲しくない。

そんな風に気遣うくらいなら、来て欲しくない。


ユミルがエレンに怒ってた。

アルミンも、エレンに怒ってるみたいだった。

未だに、仲が良かった人達の中で。

私の所へ来てくれなかったのは、エレンだけだったから。

でも、二人とも怒らないで欲しい。

怒りたいのは私だよ…。エレンは悪くない。

エレンは、こんなになっちゃった私に会ってくれない。

エレン『だけ』が、まだ。私を、見ていてくれてる。

同情や、哀れみの視線や、上辺だけの言葉をかけてくれない。

もしも、エレンにまで皆と同じような扱いをされたら……。

もう、本当に私は。私ではなくなってしまう。

今のクリスタを、認めなきゃ、いけない。


優しい言葉をかけてくれるアルミン。

本当に、優しくて、暖かくて、気遣ってるのが分かるから…苦しい。

何事もなかったように振舞ってくれるユミル。

いつもみたいに抱きついて来て、でも、いつもより力が弱いのが…痛い。

痛い、苦しい、うるさい、気持ち悪い!

もうッ…もう一人にしてよぉ!

もう嫌だ!助けて、誰かぁ…ッ。

エレン…エレンだけはっ、私を苦しめないよね!?

そうだ、そうだよ…エレンだけが私を虐めない。

あぁ、エレン…エレンエレンエレンエレン…すごく優しいよ、エレン。

エレン……………。

――――――――――
~数日後~
アルミン「(ギクシャクした日々から数日…)」

アルミン「(エレンはクリスタのところに来ない)」

アルミン「(もしかしたらクリスタが少しでも元気になってくれるかも知れないのに)」

アルミン「(正直、もう待てない)」

アルミン「(今日は、この歪な均衡を崩す)」

アルミン「(エレンは…教官に呼び出され、クリスタのところへ食事を運びに行く)」

アルミン「(そう、頭を下げた)」

アルミン「(どうか…どうか、エレンを、クリスタを救ってください)」

アルミン「はは…祈るなんてどうかしてるよ…」

アルミン「でも…均衡は崩れた。もう、後ろには、戻れない」

アルミン「どうか、良い方向へ…明日へ続きますように」

エレン「……」

エレン「…行きたく、ない」

エレン「(もしも、クリスタが、クリスタに見えなかったら)」

エレン「(俺は…明日から何に縋れば良い?)」

エレン「さっさと運んで…顔を見ないようにするしか、ない…か」


~病室前~
…………。

……コン。

――――――――――
クリスタ「(…今日、は……誰、だろう?)」

クリスタ「(昨日はユミル、だったから…アルミン、かな…?)」

エレン「………クリスタ、食事だ。寝てるなら、寝ていてくれ」

クリスタ「ッ!?(エ、レン…!?)」

クリスタ「(な、んで…?エレンは、エレンだけは、来ちゃ、駄目…なの、にッ!!)」

クリスタ「(出てって!早く!私をッ見ないでッッ!!)」

エレン「……」

エレン「…クリスタ?(布団なんてかぶって…)寝てる、のか?」

クリスタ「……(早く…!)」

エレン「……ここに、置いとくぞ?」

エレン「……」

クリスタ「……」

エレン「…ごめん、な」

クリスタ「…ッ!」

エレン「……」

エレン「……」

エレン「……」

エレン「…あぁ、そうか。本当は、ずっと…会いたかったんだ」

エレン「は、はは…それ、じゃぁな…」ポロポロ

クリスタ「…ぇ、ぅぁ…!ま、待っ、…てッ!!」ガバッ!

――――――――――
クリスタ。

クリスタ。

今、何も見えないけど、目の前にクリスタがいる。

ずっと、会いたくなかった。

俺の中で、クリスタが全てになった時から、ずっと。

会ったら全部が終わるって、思えて。

だから今日は、この世の終わりだと思った…。

でも、助かった。

…あぁ、顔、酷いことになったんだってな。

辛い、よな。きっと、俺と同じだ…。

クリスタも、俺と同じものを今、抱えてるのかも、な。

…せめて、謝ろう。

支えに、なってやれなくて。俺が、こんなんじゃなければ…。

「…ごめん、な」

ごめん…ごめん、か。

はは、なんだよそれ。今更、何言ってやがるんだ俺は。

あぁ、でも…ちょっと、ホッと、した。

なんで、こんな事、言って……

なんで、俺、こんなに苦しくて…

なん、で…?

………あ、あぁ…。

そっ、か。そうなんだ。

俺、ずっと…謝りたくて。

ずっと、それが言いたくて。でも、…怖くて。

堪えて、怯えて、でも、寂しくて、辛くて……悲しんでたんだ。

会いたくないなんて、嘘だ。

会いたいに、…決まってるッ。もしもッ…クリスタが、特別なら! 奇跡があるなら!

ずっと…、ずっと…ッ!

エレン「…あぁ、そうか。本当は、ずっと…会いたかったんだ」

エレン「は、はは…それ、じゃぁな…」

クリスタ「…ぇ、ぅぁ…!ま、待っ、…てッ!!」

――――――――――
気付いたら、私から声を出していた。

あんなに嫌だったのに、エレンの声に、泣きそうな声に、反応してしまった。

エレン「クリ、スタ…?」

クリスタ「あ、あぁ…っ」

嫌だ嫌だ、嫌われる!哀れまれる!嫌だッ!

エレンだけは、エレンにだけはそんな顔して欲しくない!

もう、エレンしかいないのにッ!!

こんな、包帯まみれの私なんて見て欲しくないッ!!!

クリスタ「あ、ああぁ…あ、アうゥぅぅううッああああアアア!!!!!」

エレン「クリスタッ!!?」

エレン「(クリスタが、叫びだした)」

エレン「(とりあえず、抑え付けたッ…けど!)」

エレン「ク、ソ…(力…強ぇ!本当にクリスタかよ…ッ)」

クリスタ「アアアッ!あああッ!!」

エレン「(どうにかしろッ俺!考えろ!)」

エレン「(力で、抑えるのは無理か!?)」

エレン「(なら…!体でッ、全部なら…っ)」

エレン「(呼びかけろッ!抑えろッ!落ち着かせるんだ!!)」

エレン「クリスタ!だい、丈夫だ!俺、だ……ッ!」

クリスタ「あああァア!!あぁああ!!!」

エレン「(諦めるな!)」

エレン「クリスタ!!」ギュっ!!

クリスタ「ぐ、う、うぅぅうう!!」

エレン「(苦しそうだ…けどっ!)」

エレン「離さない!俺は…絶対、離さ…ないッ!」

クリスタ「ぅ、ぅぅうう…!」

エレン「…落ち、着け……。落ち着いて、くれ、クリスタ…」

クリスタ「うッ…うぅぅぅ……」」

エレン「……(治まった、か?)」

エレン「クリスタ…とりあえず、今日は落ち着こう」

クリスタ「ぅ…」

エレン「大丈夫だ、望むなら…また明日も来るから」

クリスタ「ッ…!(じぃーっ)」

エレン「…」

エレン「…?」

クリスタ「……ぅん」

エレン「そ、か……」

エレン「…それ、じゃあ明日、だな」

エレン「包帯…歪んでるぞ」

クリスタ「ーーーッッッ!???!?」

エレン「大丈夫だ!!」

クリスタ「ッ」ビクッ

エレン「大丈夫だ…。また、明日」

クリスタ「ぁ……あし、た…」

パタン……

クリスタ「……」

クリスタ「……」ドサッ

クリスタ「(エ、レン…普通、だった…?)」

クリスタ「(私を、見ても?)」

クリスタ「(よく……分からなかった)」

クリスタ「明日、また…か」

クリスタ「あし、た…分かる…か、な…?」スゥー、スー…

クリスタ「(エ…レンは…本、当に、私の……特別…なの…?)」

クリスタ「(もし、…そうなら……私は)」スゥ……

―――――――――――
エレン「…」

エレン「(クリスタ…はは、はははっ)」

エレン「全然、顔…わかんなかった!」


なんだ。なんだなんだ!!

俺には顔を隠したクリスタにしか見えなかった!

あの下は巨人かもしれない?知るか!!

クリスタが包帯なら、包帯もクリスタだ!

顔が隠れてるだけであれはクリスタだったッ!

エレン「やり直せるのか?」

当たり前だ、決まってる。もう、世界を手放さない。

クリスタを離さない。

『いつもどおりのクリスタ』がいたんだ

良かった、本当に良かった。

もし、包帯をしてなかったら…もし、その下が巨人だったら…

どうなってただろうな……?

でも、包帯をしているクリスタも素敵だった。

あぁ、あぁ、絶対に守ってやるよ、クリスタ。

お前を傷つける奴からも。その顔も包帯も。

引っぺがそうとするなら駆逐してやる…。

『俺の』クリスタ、が、壊れないように……な。

今日はここまで。
頭の中では顔が崩れたからクリスタがまともに見えてエレン歓喜みたいなシナリオまであったというのに。
どうしてこうなったし。

起承転結で言えばおそらく承ぐらい。なげぇ…ぐだらん程度に多少は切り詰めます。
因みに処女作です。

すいません。昨日も今日もいつの間にか爆睡でした。
出来る限り書きます。

~男子寮~
アルミン「ねぇ、エレン…?」

エレン「…どうした?」

アルミン「その、…クリスタの具合、どうだった?」

エレン「アルミンのほうが、詳しいだろ」

アルミン「それは…!そうかも、しれないけど…」

エレン「……」

エレン「…明日も、会いに行く」

アルミン「…!」

アルミン「エレン、それって…!」

エレン「それだけ、だ」

エレン「そう、…それだけ、なんだよ」

アルミン「うん…、うん…!分かったよ!」

アルミン「(良かった!)」

アルミン「(どうやら、クリスタとは…悪い方へは行かなかったみたいだ)」

アルミン「(情けないけど…、もう少しだけ、クリスタとエレンの関係に期待させて欲しい)」

アルミン「(親友と、こんな関係になってもう随分と日が経った…)」

アルミン「(僕としても、早く元の関係に戻りたいんだよ?)」

アルミン「(ミカサも…これ以上は見てられない)」

アルミン「誰よりも…心配してるんだから(ボソッ)」

エレン「…」

エレン「(…)」

――――――――――
~翌日~
エレン「(クリスタのことが朝から離れなかった)

エレン「(ずっと、頭から離れないで)」

エレン「(いつの間にか、あっという間に時間は過ぎていた…)」

エレン「(最初に…なんて言えばいいんだ?)」

エレン「(避けて、ゴメン?)」

エレン「(見舞いに行かなくて、すまなかった?)」

エレン「(…やめよう)」

エレン「(もう一度、クリスタと始めるんだ)」

エレン「(だから…)」

エレン「取り繕った、言葉よりも」

エレン「明日の、約束が大事だ」

エレン「明日の。そう、明日も。その次も、その次の日も、明日も、明後日も」

エレン「ずっと、ずっとずっと…繋ぎ止めなきゃ」

エレン「(クリスタ…はは!クリスタっ、クリスタぁ…)」

~病室~
クリスタ「…」

クリスタ「エレン…来るの、かな?」ソワソワ

クリスタ「(私…期待してるんだ)」

クリスタ「あんなに、怖かったのに」

クリスタ「あんなに、エレンに会いたくなかったのに」

クリスタ「(でも期待してる)」

クリスタ「(正直、今でも…怖い)」

クリスタ「(本当に…私は臆病だ)」

クリスタ「怖いのに…本当は今すぐ隠れたいぐらいなのに…エレンが…、エレンに」

クリスタ「昨日の、エレンのせいで…心が期待してるんだ」

クリスタ「怖い(会いたい)」

クリスタ「会いたくない(触れて欲しい)」

クリスタ「(もしも、もしもが叶ったら…私のちっぽけな命を、存在を)」

クリスタ「心臓だって…エレンに捧げられる…」

――――――――――
エレン「…」スゥー

エレン「…」ハァー…

エレン「んッ」



コンコン

クリスタ「ッ……!」

クリスタ「ぁ…ど、どう…ぞっ……!」


クリスタ「(あ…き、ちゃった)」

クリスタ「(これで、全てが決まる)」

クリスタ「(全てが分かる)」

クリスタ「(終わるか、始まるか…)」ポロ

クリスタ「…あ」ポロポロ

クリスタ「ぅ…うぅ…(怖い!怖いよぉ…)」ポロポロ


クリスタ「で、も……」ぐしっ

クリスタ「(エレンを、信じたいっ…!)」ギュ…

ガチャ……パタン


エレン・クリスタ「…あっ」

エレン「…(クリスタ…)」

クリスタ「ぅ…(顔が、見れない)」

エレン「クリスタ」

クリスタ「ッ…(見なきゃ…確かめないとっ…)」

クリスタ「……エレン(じぃー)」

エレン「あぁ…その…」

クリスタ「…(じぃー)」

エレン「そ、のッ…避けるみたいな形になって…」

エレン「いや、クリスタを避けて…ごめん」

クリスタ「……」

エレン「でもっ…!俺は、…俺はッ!」

エレン「理由は、言えない…けどっ、クリスタと…ずっと話したくて!」ポロっ

エレン「ずっとっ…話して、いたくて……」ポロポロ

エレン「ぐすっ…また、話せて……だ、から…ッ…!」ポロポロ

クリスタ「っ……」

クリスタ「(エレン)」

クリスタ「(エレン、エレン…)」

クリスタ「(元はと言えば…エレンのせいかも知れない)」

クリスタ「(私が怪我をしたのも、こんなにっ…苦しんだのも…)」

クリスタ「(でも、エレンが…私に会いたがってた)」

クリスタ「(私が見ていたエレンが)」

クリスタ「(私を見ていたエレンが)」

クリスタ「(こんなに変わり果てちゃったのに…あの時と同じ)」

クリスタ「(どうしてそんな目で、見てくれるの?)」

エレン「……」

クリスタ「(エレンが何か言ってるのに頭に入ってこない)」

クリスタ「(エレンを怒ってた気持ちも)」

クリスタ「(エレンを恨んだ気持ちも)」

クリスタ「(今は、もう…ない…)」

クリスタ「(今…、私が抱いてるのは…何情、なんだろう?)」

クリスタ「こんなに苦しくて、こんなにも頭の中が乱れてるのに…)」


クリスタ「(私、喜んでる…?)」

クリスタ「(クリスタは……嬉しいの?)」

クリスタ「(クリスタ、は、エレン、を)」


ド ウ シ タ イ ノ ?

分からない、判らない、解らない。

でも、嬉しい。

でも、嬉しい!

エレン!

エレンはやっぱり特別だったんだねっ!

あぁ…泣かないでエレン…私も嬉しいんだよ?

そう、そうなんだよね、辛かったよね…?

私もエレンのこと考えると辛かった…でも…。

もう、抑えなくていいよね?堪えなくていいよね?

エレンと一緒にいたい。エレンと離れたくない。


エレンに全てを……捧げたい。

エレン…………エレン、エレン、エレン…

いったん打ち止めるなんて、なんて空気の読めない。

短いですが、いったんここまで。続きはまた夜。
か、可能であれば適当な時間に書くかもしれません。
思った以上に見てくれてる人や期待してる人がいてびっくり。こりゃ逃げられないや。終わりまで頑張ります。

ただいま

…………

……

それからの私とエレンの日々は幸せだった。

私が許してあげた時、エレンはまた泣いた。

こんな私のために泣いてくれる人がいた。

たまらなく嬉しくて、エレンが去った後は私も泣いていた。

世界は残酷だよ。

完璧に堕としてくれない。

どこかに救いを残して、それに縋りつかせて、それで、それだけでいっぱいにさせてくる。

私にとって…、それは勿論、エレンだった。

エレンのことが好き。

大事とか、大切とか、それ以上に。

何よりも、何者よりも、私の全てよりも。

体で表現してくれと頼まれたら、その場で髪の毛の1本1本から、臓器も、血液の全てだって捧げられる。

私は壊れてしまったんだ。

こんな事、普通は思わないと思う。

でも今は、壊れてしまうほどに、壊れていくことすら幸福に思えるほどに。

私は、クリスタは、エレンに溺れている事を、幸福に思ってる…。

エレンと毎日会えるようになって。

エレンと時間を共有するようになって。

また、私は何かを失ったのかも知れない。

エレンとの日々が、私を変えたから。



最近、エレンしか、私の所へ来なくなった。

ユミルもアルミンも来なくなった。

サシャもコニーも来なくなった。

皆、来なくなった。

でもエレンは来てくれる。エレンだけが来てくれる。

それだけでいいや。

結局、ユミルも無理してたんだ。解ってたから、悲しまなかった。

結局、アルミンも嫌だったんだ。知ってたから、何も思わなかった。

これで誰も苦しまなくて済むから、これでいいんだ。

私がエレンと素敵な時間を過ごしてたから、退いてくれたんだ。

自分より、適任な人が現れたから、自分より私が嬉しそうな顔をする相手がいるから。

ユミルも、アルミンも退いてくれた。

私が、苦しんでることを知ってたのかな?

私が、二人の話にちっとも関心がなかったのに気付いてたのかな?

でも、結局……。

自分より、上手く接せる相手が現れたぐらいで、来るのを諦めたんだ。

勝手に安心して、勝手に安堵して、勝手にいなくなるんだ。

二人とも、理由をつけて……本当は自分が気まずいから、来なくなった。

サシャやコニーは二人に比べたらまだ、良かったと思う。

二人は本当の善意で来てくれてた様に見えた。

でも、私の一言で二人は来るのをやめた。

私はエレンにも同じ事を言ったけど、エレンは毎日来てくれる。

私が怪我をして何日も経った。

エレンが来てから、私の表情も明るくなった…らしい。

だから、もうじき私は訓練に復帰する。

「私、もうちょっとしたら、また訓練に参加するね」

そういうと、二人は笑顔で、良かった、と言った。

分かっていたけど、二人は近しい仲間だからこそ来てくれてたんだ。

大丈夫だと確信すれば、自分が納得すればそれまでだ。

二人も善意で私の支えになりたかったんだと思う。

ユミルやアルミンみたいに、気遣う無理じゃなくて。

だから、二人のことはちょっと好きだった。

でも…私の一時の癒しに、助けになってくれただけ。

助けるだけで、エレンのように、私を救うには至らなかった。

だからここまで。

私にとって、どうでも良くなったものは、必然的に無くなった。

…ちょっとだけ、悲しかったけど、これで、皆、幸せになれると思って納得した。

悲しみはエレンが埋めてくれる。

本当っ…エレンには困っちゃうなぁ…。

これじゃあ、私の全部を捧げても、全然、足りないよ。

――――――――――
クリスタと会える時間だけが救いだった。

前みたいに、女神の顔を見れないのは少し残念だったけど。

でも、そんなものは重要じゃない。

会えなかった日々が、どれだけ地獄だったか。

会うたびに、俺が、此処に生きていると身体で、精神で感じられる時だった。


そういえば、最近クリスタと会うときは誰も来なくなった気がする。

…アルミンやユミルも、あれだけ来てたのに。

クリスタに聞くとやっぱり来なくなったらしい。

正直、怒りが込み上げたけど…クリスタがそれを止めた。

二人が無理をしていたのは承知だったから、と。

自分の事よりも、誰かを思いやるその姿は、本当に綺麗だった。

どんなに身体が朽ちても、心は変わらず、輝いている。

いつか、俺だけにそれを向けて欲しい。

我が侭だけど、でも、そうなったらいいなっていつも思う。


「私、もうちょっとしたら、また訓練に参加するね」

そう告げられたのはつい最近。

そっか、これで、もっともっと、クリスタに会えるのか。

このときの俺は、本当に浮かれていた。

嬉しさが溢れて。クリスタに気味悪がられてないよな?

もし、そうなら…気をつけよう。

ちょっと、とは言ってたけど、だからといって会いに行かないなんて選択肢はなかった。

次の日にクリスタに会いに行ったら、どこかホッとしたような顔をされた。

どういう事か分からなかったけど、次の瞬間には女神の微笑で俺の所へ歩み寄ってくれた。

嬉しさでどうにかなりそうだ。

クリスタ、クリスタ……。

あぁ、そうだ。訓練に出るならあの化け物達から、俺がクリスタを守ってやらないと。

そうだな…、視界が悪くならない程度の。顔がよく隠れるフードみたいなもの…。

うん、それだ。

今度、買ってきて、クリスタにプレゼントしてやろう。

包帯は、取る気はないらしい。から、それで完璧だ。

クリスタの顔をあんな奴らに見せてたまるか。

誰が、いつ何をしてくるか分からないからな…絶対に手出しなんてさせない。


…ついでに、持ってても邪魔にならない大きさのナイフでも探してくるか…。

~数日後、訓練場~
クリスタ「エレン!」

エレン「お、クリスタ。それ…」

クリスタ「う、うん。許可も貰えたし、せっかくエレンがくれたんだから…」

エレン「うん、似合ってるよ」スッ

クリスタ「ほ、本当っ?エレン…」ドキドキ

エレン「あぁ…クリス…」


コニー「おー!クリスタ復活してんじゃん!」

エレン・クリスタ「っ!」ガバッ!

コニー「ん?どうした?」

エレン「…何でもねぇ(チッ)」

サシャ「あー、クリスタ!お久しぶりですねぇ!」

クリスタ「う、うん…」ドキドキ

サシャ「大事に至らなくて良かったですねぇ」

コニー「まったくだ!命はあってこそだからな!」

エレン「…クリスタ。一緒に訓練しないか?」

クリスタ「えっ?…う、うん。勿論だよ!」

エレン「じゃ、そういうことだから…あんまサボってると怒られるぞ」スタスタ

あ、エレン待ってー!



サシャ「あの二人本当に仲良くなりましたね」

コニー「そうかー?」

ユミル「…」

アルミン「…」

ユミル「なんて言うか、情けないよな」

アルミン「そうだね…僕達は結局、二人の意思にまかせっきりで何も出来なかった」

ユミル「…相変わらず、なんだってな」

アルミン「うん…」

アルミン「こんなの初めてさ。まだ僕に相談の一つもしてくれないなんて…」

アルミン「もう、エレンにとって僕は…必要ないのかな」

ユミル「馬鹿言うな」

アルミン「……」

ユミル「そうなったらクリスタはアイツのものになんだろうが」

ユミル「そのうちあの馬鹿をどうにかして」

ユミル「そんで、元通りになってハッピーエンドだろ?」

アルミン「ユミル…」

アルミン「そうだ、そうだったね…悪かった。弱音なんて…」

ユミル「まったくだ。アルミンまで諦めたら誰がミカサ止めるんだよ」

アルミン「…は、はは…そう、だね……」

ユミル「悪いけどパスだからな。そっちは任せたぞ」

アルミン「うん、なんとか…やってみるよ」


――――――――――
エレン「ふっ!」

クリスタ「ぐッ!?」

エレン「よし、ここまでだなクリスタ」

クリスタ「はぁーっ、やっぱりエレン強いよ…」

エレン「おいおい、これで負けたら俺の立場がないだろ?」

クリスタ「それでも、だよっ」

エレン「はは」

クリスタ「もうっ」クスッ

エレン「…なぁ、クリスタ」

エレン「夜…さ、二人っきりで会えないか?」

クリスタ「え?」

エレン「いや、なんて言うか…もっと。そう、もっとクリスタと一緒にいたいっていうか…」

クリスタ「…見つかったら怒られちゃうね」

エレン「……」

クリスタ「でもっ……エレンが、そう思ってくれるなんて…嬉しい、な」

エレン「っ…クリスタ」

クリスタ「いいよ、もっと…私もエレンと一緒にいたい」

エレン「あ…」

クリスタ「ありがとう…貴方のおかげで…(ボソッ)」

エレン「クリスタ?」

クリスタ「うん、それじゃ…そろそろ、いこっか」

エレン「お、おう」

クリスタ「ふふっ…はいっ、手!」

エレン「んっ…うん……」ギュっ

クリスタ「~」

エレン「……」

エレン「俺の方だって…クリスタがいなきゃ(ボソっ)」

クリスタ「…?」






ミカサ「…」


――――――――――
クリスタガ復帰した後も、俺とクリスタは一緒に行動した。

あの日、クリスタが漏らした言葉。

クリスタも、俺と同じように思ってくれたことが、たまらなく嬉しかった。

それからは、更にクリスタと一緒にいる時間が多くなった。

朝から夜までクリスタのことで頭がいっぱいになって。

訓練も休暇も二人で隣を歩いた。

一緒に訓練して、夜はこっそりと馬小屋の傍で一緒にいる。

何を話すでもなく。

何かをするわけでもなく。

付かず離れず、二人で一緒に夜を過ごした。

幸せだった。

これだけで…たったこれだけで生きてるって感じることが出来た。

世界なんて要らない。希望のない外を見たくない。

ただ、クリスタがいてくれれば……本当に他に何もいらない。

クリスタ「エレン…エレン…エレン、エレン、エレン」

エレン「クリスタ…クリスタ、クリスタっ」

ギュっ………

この日は、いつもより少しだけ…離れなかった。

……………

……

クリスタ「(あぁ、エレン…エレンの肩、あったかい)」

クリスタ「(……)」

クリスタ「(私は…秘密を打ち明けるべきなのかな…)」

クリスタ「(エレンは私を裏切らない)」

クリスタ「(でも、私は?)」

クリスタ「(ううん、私も裏切らない)」

クリスタ「(エレンは私を、クリスタを大事にしてくれる)」

クリスタ「(なら、私はクリスタとして……死のう)」

クリスタ「(生涯をエレンの為に捧げ)」

クリスタ「(その人生をクリスタとして…エレンの為に誓おう)」

クリスタ「(怪我をしたあの日)」

クリスタ「(あの時の私は死んだんだ)」

クリスタ「(今の私は…本当のクリスタ、なんだ)」

クリスタ「(私は…クリスタは……)」

クリスタ「エレン……ずっと、一緒だから……っ」

クリスタ「ずっと、……ずっと……永久に……」

――――――――――
……なぁ、最近クリスタの周りってアイツだけだよな

……イェーガーだっけ?それがどうした。

……俺さ、クリスタのこと好きだったんだ

……マジか。でも……

……あぁ、でも俺、死ぬ前に一回ぐらい好きだった女とやりてぇんだよな

……おいっ……

……袋でも被せて顔を見なきゃ十分だと思うんだが、どうだ?

……俺、夜に二人が逢引きしてんの見たんだ

…………
……
――――――――――

よし、書きたいとこまでは書いた。今日はここまで。

次からはぶっ飛び壊します。転と結を上手くしめたい。

なかなか進まんが土日までには終わらせたい

ジャン「なぁ、アルミン。最近ミカサの元気がないと思わないか」

アルミン「まぁ、ね…」

ジャン「やっぱりアイツのせいなのか。そうなんだな」

アルミン「…」

ジャン「最近お前らが集まってるのを見てないと思ったら…」

ジャン「あの死に急ぎ野郎…」

アルミン「エレンにだって理由があると思うよ…」

ジャン「あろうが、無かろうが関係ねぇよ」

ジャン「アイツのせいでミカサが悲しんでるのが許せるか」

ジャン「明日一発言ってやる…」

アルミン「止めといた方が…」

~翌日~
クリスタ「エレン、今日も一緒だねっ!」

エレン「あぁ、そうだな」

クリスタ「もぅ、なんか素っ気無いよ?」

エレン「クリスタと二人っきり出ないのが嫌なだけだよ」

クリスタ「ぁ……じゃ、じゃぁ、今日も…夜に」

エレン「え、良いのかっ!?」

クリスタ「ちょ、ちょっと…声大きいよっ!」

エレン「あ、悪い…つい、嬉しくて…」

クリスタ「私も…だよ」


ヒソ…ヒソ…


ミカサ「…」

――――――――――
クリスタ「~」

クリスタ「エレン…早く会いたいな」

クリスタ「……」

クリスタ「少し早く行こうかな」

――――――――――
エレン「は?」

「だから、さっきクリスタから伝言貰ったんだって」

「そうそう、なんのことか知らないけど『やっぱり明日』だってよ」

エレン「……本当か?」

「何疑ってんだよ?」

エレン「……わかった」スタスタ


「…」

「…」ニヤ

~馬小屋~
クリスタ「エレンまだかなー」

クリスタ「…」

クリスタ「待ってるのがこんなに長いなんて…」

クリスタ「でも、嫌じゃない、かな?」

クリスタ「そういえば、この小屋だけ今は空き小屋なんだっけ」

クリスタ「静かだなぁ…」


スタスタ

クリスタ「!」

クリスタ「エレ…」くるっ

ガツッ……

ドサッ


………






…?

あれ…?

私、何で…横に……

「クリスタ起きたかー?」

ッ!?だ、だれ…!?

エレンじゃない…私…何これ…!?どうなって…

言い忘れましたが、今回からグロ注意です。

それよりも、さっきから何か、被らされてる…!?

息が、苦しいッ…何も、見えない…怖い…

「なぁーやるならさっさとやろうぜ?」

「…それもそうだな」

やる…やるって、なにを……

ガバッ


え?

な、なんかお腹の辺りが……エ?嘘、うそ、だよね…?

私、服を…?

嫌だ…

嫌だ、嫌だ!嫌だ!!!

この人達、私を……ッ!!

駄目、止めてぇッ!!

「ぅうーッ!!うーぅうーッッ!!!」

「あ、起きてたんだ」

「寝てりゃ良かったのになー」

嫌だァッ!! 助けてエレンッーーー!!!



「あ、そうそう、イェーガーの奴なら来ないから」

…………ぇ?

「さっきクリスタは来ないって嘘言っといたんだ」

……え?

「だからアイツを待っても、来ないよ?」

……う、そ?

エレン…来て、くれない?

わ、たし……エ、レン……?

あ、あぁぁぁ……ッ…

「ッふ…っぅぅ…ううぅ……」

「…あれ、泣いてる?」

「さぁ?顔は見えないしなー。見たくないし」


私…このまま、この人達に……ちゃうの?

本当に嫌…なの。本当に、嫌…だよッ!

エレンが良いっ!エレンじゃなきゃ嫌ァ……!!

「てか、お前はちゃんと見張ってろよ」

「いいじゃん、見せろよ」

「じゃあ、何のためにお前そんなもんまで持ってきたんだよ」

「あ?あぁ、このブレード?いや、なんか切れ味悪いような気がして…」

「気のせいだろ…で、そのまま戻さなかったのかよ…一人で怒られろよな?」

「えー、お前が急かすからそのまま来たんじゃないか」

「知るか」


「まぁ、いいや。どうせ誰も来ないだろ。それはそうと…」

さわ…

ひッ!!

「ンぅーッ!!」

「お、おー、すべすべだ…」

やだぁ…っ……やだぁぁ……気持ち悪い…

「やっぱ育ちって奴かねぇ…どんなに顔が潰れても、体は綺麗なまんまだ」

「どうせならそのままが良かったが…そうなると、こんな好機無かっただろうしなぁ」サワサワ


ひッ!…ひぃ…ッ!

たす、けてぇ……た゛すッけ…てよぉ……!

「さて、と。そろそろ胸ぐらい拝ませてもらってもいいよな?」

ッ!!??

嫌…嫌…嫌嫌々嫌嫌嫌、イヤ、イヤイヤ嫌いやいや!!!

「へへ…」

「お?俺も見せろよっ!」

「んぁ?馬鹿、近いって!」

「お、おぉ…!女の肌ってスゲェな…」

「何言ってんだ、これから最後までやんだぞ?」

「やべ、興奮してきた」

「結構、顔が見えないだけでいけるもんだな?」


……あぁ…あ゛ぁぁ………

「よっしゃ…やるぞ?」

「お、おぉ…!」

「やばい…心臓バクバクだ」

「俺もだって!俺も、もう後悔しないぞッ!」

「あぁ…ここまで来たんだ…俺も後のことなんか考えないぜっ」

「そっか、じゃあもういいよな」

「あぁ!じゃあ、そろそろ……」





「…?」



「じゃあ、もう…いいよな…?」

ザクッッ!

「ッご!…ぉ、ぉおご、…っぇ、げ?」

エレン「もう、イイヨナ?」

ズ…ズブッ…グジぃ……
ボタッ…ボタッ…

「……え?」

エレン「うなじ…うなじ…コイツ、邪魔だなぁ…」グりゅッ!

「ェ…ぇ、げ……」ビクッビクッッ!

エレン「なに、やってんだ」

エレン「なに、やってたんだ」

エレン「なに、しようとしたんだ」



エレン「応えろッ!よッッ!!」ブシャァ!!

ザクッ!ザクッッ!!グジャッッ!!!!

「ひぃ!、あ……あ……!」

エレン「…ッふぅ…」ドスッッ!!

ドサ……

エレン「…」

エレン「……」ジロり

「ヒッ!あ、あぁ…!…す、すまな…」

エレン「……」スタスタ

「ご、ごめんなさ……」



ブズッッ…………

ザグッ! ひぃ!!

グザッッ!! あぎぃぃい!!

グリュッ…ズブ… あ゛ァァ゛ァ゛ァ゛アア!!ゴメッなさい!!

ズパッ……ヒュッ……ドズッッ!!! ゴメンッ!!ご…ぇン!!ッッとぉ、にぃ!!

ブスッ!ザクッザクッ!!じゅぶッ…グちゃ…グちゃッ!! ひッ!…ヒッ!…ギ、ぎィィ、ィ゛、ィ゛ィ゛イ゛イ゛、イ゛゛!!!




グジャ…ッ……グジャッ……、ッ……


ボタ・・・ボタ…ボタ……

…………

……

音が聞こえた。

気持ち悪い声。吐き気のするような声。とても怖い声。

でも……一番安心する声が聞こえた。

私は…その声を聞いて安堵した瞬間、獣の声を聞いた。

恐怖と痛み、蛙のような…、豚のような…声だった。

何が起こってるんだろう。

あの声の主…エレンは無事なの?

緊張と恐怖から声が出なかった。

叫びたかった。でも出せない。

暫くして、音が消えた。

身構えた、次の瞬間……

「大丈夫だったか…?クリスタ…」

私の緊張は霧散し、力が一気に抜けた。

もう駄目だと思った暗闇の中。

明るさを取り戻した時に見たのは、この世で最も大好きな人の…泣き顔だった。

――――――――――
エレン「ごめんッ……!ゴメン…ッ!」ポロポロ

どうして泣くの…?

私は、エレンのおかげで、無事だったのに。

エレン「俺が…俺がもっと早くにッ…」ポロポロ

そんなことない…ほら、多分…時間通りだよ?私が…私が、自分で……

クリスタ「ッ…ぅ、ぅ゛ぅ”ーーーッ!!」

私達は泣いた。

私達は無事だった。

私達は怪我一つしなかった。

エレンは……見えない大きな傷を負った。

……



私達は寄り添って泣いた。

エレンの体は真っ赤になっていて、妙な肌触りになっていた。

けど、私は拒まなかった。

エレンを拒むなんて、頭に無かった。

エレンが泣き止むまで、私が泣き止むまで。

誰かが気付かないように、声を殺して、泣いた。

小屋の中は真っ赤で、エレンは体中真っ赤で、私もそんなエレンに抱かれて……

凄く、非道くて、凄く、残酷な世界。

でも私は、安堵している。

体で感じる、大好きな人の温もりに、抱かれているから…。

――――――――――
クリスタ「ねぇ、エレン…」

エレン「すぅ…すぅ…」

クリスタ「あ。……寝ちゃ、った?」

エレン「ん……クリス、タ……」

クリスタ「……」

クリスタ「(私は、怖い)」

クリスタ「(エレンが、怖い)」

クリスタ「(私の為に、エレンは過ちを犯した)」

クリスタ「(でも、私はエレンに何もしていない)」

クリスタ「(エレンに大事なものを背負わせて)」

クリスタ「(エレンが……遠くに行ってしまったようで)」

クリスタ「それが…怖いよ…エレン」


もう、エレンは後戻りなんて出来ない。

でも、私はエレンと永久に一緒にいると誓った。

だからこそ、私はエレンの為に、私の為に、傍にいる為に……

同じ所に立たなきゃいけないんだ。

……

…この人達が、私を…。

そして、エレンに殺されて、エレンを……

初めてだった。人をこんなに憎いと思ったのは。

初めてだった。こんな、こんな気持ちになるのは。


……気付いたときには、エレンの持っていたナイフを手に持っていた。

既に血で染まったナイフを、この……から引っこ抜いて。


顔を、裂いてやった。


何度も何度も何度も。

何度も何度も何度も。

何度も何度も何度も。

私と同じくらい。私よりももっと。エレンの痛みよりももっと…!



そしたら、もう人の形をしていない何かが、真っ赤な花を咲かせていた。

花は綺麗なものだけど、この花は、酷く汚い。

十分やった。たくさんやった。

でも足りない。

こんなんじゃ、エレンに置いて行かれるッ…!!

こんなの自己満足でしかない。

やるなら…追いつくなら…私がしないといけないのは……こんな死体漁りじゃない!

だから…だから…私はもう…ッ!




ジャン「なん…だよ、こりゃ…!」


クリスタ「……」

クリスタ「…」ニヤ…

――――――――――
俺は朝からイライラしていた。

あの死に急ぎ野郎が。エレンが見つからなかったことに。

昨日の夜に、文句を言ってやるって決めて、それでこれだ。

あぁ…クソが!

コニー「お、ジャンどした?」

ジャン「アァ!?……っなんだ、コニーか」

コニー「なんだとはなんだ!」

ジャン「悪いが、今は死に急ぎ野郎の奴を探してんだ。邪魔すん…」

コニー「エレンならさっき外に…」

ジャン「早く言えよッ!どっちだ!?」

……



死に急ぎ野郎は馬小屋の方へ向かったらしい。

なんだってこんな時間に…クソッ!

あぁ、暗くて視界が悪い!

俺は馬小屋を手当たりしだい覗きまわった。

そして……最後の小屋で。



ジャン「なん…だよ、こりゃ…!」

目の前には、鼻を摘まんでも臭ってくるような血の臭いと。

探していた死に急ぎ野郎と、包帯まみれの…クリスタ。

そして、人であった何かがあった。

クリスタ「ジャン……?」

ジャン「クリ、スタ…か…?な、何がどうなってッ…!?」

クリスタ「わかん、ないよぉ……いきなりっ…袋みたいなのを被せられて…」

ジャン「え…?」

クリスタ「乱暴ッ…、されそうに、なって……怖くて!」

クリスタ「でもっ!エレンの声が聞こえて…ッ!」

クリスタ「静かになったと思ったら…こんな…こんなッ…!!」

ジャン「わ、わかった!もういいッ!」

ジャン「と、とに…かく、人を呼んでくるから!ここで大人しくしてろよッ!!」

クリスタ「う、…うん」

ジャン「クッ…!」ダッ!



クリスタ「……」

なんだってんだ…!なんだってんだ…!!

とんだ、とばっちりだッ!!

死に急ぎ野郎…エレンに文句を言ってやろうとしたら…!クソ!

クリスタがやられそうになって!?

エレンが助けた!?

血まみれで!!二人とも!!犯人はずたずただっ!

ワケわかんねぇよッッ!!?


ッ!………ザッザッ…

ハァハァ…本当にクソッタレだ…!

エレンを探しに言ったら…アイツはクリスタを助けに行ってた!

…助、けに………?

エレンは…知ってたのか?クリスタのことを…

知ってたから…馬小屋に…。

そしたら、クリスタガピンチで…助けた……おそらく、最悪な方法で。

クリスタは…袋を被せられて、気付いたら皆倒れていたと言っていた…。



あれ…?

ジャン「じゃあなんで…クリスタの包帯、あんなに汚れてたんだ…?」





クリスタ「…」

ッ……ドゴッ!

ジャン「ガッ!?」

え…?

な、…んだ……ッ!!? 殴られ、た!?

ジャン「ッァ!がッぁぁ゛!!」

クリスタ「駄目だよジャン…後ろには気をつけないと…」

ジャン「ク、リス…ッ!っの、手の……!!」

クリスタ「わかんないの?」

クリスタ「私が、今、この石で、ジャンを殴ったんだよ?」

なんだ…!? どうなってんだ…!!?

俺が、あの、クリスタに殴られてっ…!!

目の前のクリスタが……!

クリスタ「ごめんね、ジャン」

クリスタ「私はジャンには何の恨みも無いけど」

クリスタ「ジャンは、エレンを良く虐めてたよね?」

なに…言って…?

クリスタ「でも、私は許すよ」

クリスタ「エレンの代わりに許す。だってジャンはとても大事な役割があるから」

ジャン「クリス…タぁ…!?」

クリスタ「私はエレンと同じ所に行く」

クリスタ「だから、私とエレンが幸せになれるように…ジャンには祝ってほしいんだ」

……駄目だッ…コイツはっ!!

クリスタ「だから、ジャンには踏み台になって、貰うよ?」チャキ…

知ってるクリスタじゃ…ねぇ!!早くっ…逃げ…

クリスタ「エレンと、私の、深いッ!絆で…ねぇッ!!」

ヒュッ、ゥ………



ジャン「ち、く…しょ゛ぉ……ッ!!」


  ザクッ…

今日はここまで。

もはや、終わりまで進むしかありません。
ので、最後まで見ていただけたらこれ以上の幸福は無いです。

ちょっと何処まで書けるか分かりませんが更新です。

―――――――――――
…………

……

僕には信じられなかった。

昨日、ジャンが帰ってこないことに対しての疑問は勿論あった。

でも……まさか、ジャンが…

なんで……



朝、僕達、訓練生の前で教官が昨日の出来事を話した。

何者かの手によって、訓練生が三人…殺されたらしい。

その痕跡や手口から、相手は獣でも、巨人でもなく。

同じ人間の手によって行われたと断定された。

いつもと変わらぬ風貌の教官。

しかし、拳は強く、固く握られていて、その心情を良く表していた。

犯人の特定には今は至っておらず、目撃情報も無い。

だから、今日の訓練は一先ず…中止になった。

明日以降はまた、再開する予定らしい。

最後に教官は、訓練用のブレードが一本、返却されていない事を僕達に告げた。

つまり犯人がまだ所持している可能性があるのだと、強く念を押す。

また、どんな些細な情報でも。知っていたら連絡するようにと言い残し、今日は、解散となった。

なんでこんな事になっているんだ…。

被害者の二人は良くは知らない相手だったが、噂と言うのはとてつもない伝達力を持つ。

なんでも、体中を刃物で刺され、ズタズタに裂かれていた所を発見されたらしい。

真意は不明だけど、それだけではく……その後、顔を、誰だか判らないくらいになるまで…されたとか。


ウっ……ぶ…ぇッ。

考えただけで、おぞましかった。

本当に、人の仕業なのかと疑いもする。それほどに……この異常な事態は誰もが信じがたかった。

…ジャンは、その二人からかなり離れた位置で発見されたらしい。

正直、ジャンほどに近い存在となるとショックが大きかった。

頭部への一撃と、背中に深く残った刺した痕。

おそらく…後ろから殴られ、逃げ延びようと必死で這っているところを容赦なく刺されたのだ。

ギリ…

いつの間にか僕も、怒りが込み上げている…。

ジャンを殺した犯人にも。

……そしてこの状況でもなお、クリスタと談笑しているエレンに怒っていた。

なんでこんなときに笑っていられるんだエレン。

なんでクリスタもそんなに普通でいられるんだ。

少なくともエレンは、ジャンとそれなりに近い間柄だったじゃないかッ…!

確かに喧嘩も絶えなかったけど…それでもッ…!

仲間が死んだってのに…!!

アルミン「エレン!!」

僕の恐怖心から来る怒りは、情けないことに、親友へと向かっていった。

エレンは訝しむような表情で、僕をにらんだ。

エレン「なんだよ…」

アルミン「エレンはッ…!ジャンが死んだってのに…仲間が殺されたのに何も思わないのっ!?」

エレン「あー…ジャン、ジャンね……」

エレン「(へらっ)」

アルミン「ッ!!?」

エレン…笑った…!?この状況で……エレン…君はいったい…ッ。

エレン「そうだな、悪かったよ。ごめんクリスタ、また後な」

クリスタ「むー…うん…」

…何だ、この状況は?

クリスタ「あっエレン!!」

エレン「ん?どうし…「(ボソッ)」…」

エレン「…いいよ、クリスタ」スッ

クリスタ「んぅっ……」

エレン「…」ナデナデ

クリスタ「く…ふ……っ」にへー

…………

……


アルミン「何だよ、あれはッ!!?」

見るに耐えなくて、僕は思わずその場を去っていた。

エレンも、クリスタも!前からおかしいと思ってたけどあれは異常だ…!!

もしかして、なにか…知っている?

でも、今の様子から見て…もし何かを知っていたとしたら…

アルミン「ッ!……駄目だッ!!何の根拠も無いのに!!」

そうだ、何の根拠も無い。

でも、僕は疑っていた。エレンが。ジャン……したんじゃないかって。



「(ブツブツ)」

アルミン「…?」

アルミン「あれは…、コニー…?」

アルミン「コニー!」

コニー「うわっ!?な、何だ!!?俺は…!!」

コニー「…って…アル、ミン?」

アルミン「どうしたんだよ、なんか…凄い悩んでるみたいだったけど」

コニー「分かるのか!?」

アルミン「いや、今のを見たら誰だって…」

コニー「そ、そうだ!!アルミンッ!!」

アルミン「な、なに…!?」

コニー「相談に乗ってくれよっ!なっ!?」

アルミン「わ、わかったから!どうしたのさ!?」

コニー「その…なんていうか……俺が…ジャンをッ!」

コニー「こ、殺しちまった…のかも……」

アルミン「は!?」

コニー「い、いや!勿論やったわけじゃねえよ!!?」

コニー「で、でも…昨日の晩…ジャンに…ッ」

アルミン「昨日……?」

コニー「俺がエレンが外にいるって伝えなきゃッ!ジャンは死ななかったのかも…」

アルミン「ッ……!」

アルミン「コニー…詳しく教えて」



コニーは全てを話してくれた。

ジャンが昨日、エレンを探しに外に出かけたのだと。

コニーは、エレンが外に出かけたのをジャンに伝えたのだと。

そして、おそらく。それがジャンの最後の姿だって事を…。

コニー「なァ!?俺、どうすれば……!」

アルミン「大丈夫、コニーは悪くないよ」

アルミン「こんなこと…起きるなんて誰も思わない」

アルミン「だから…大丈夫だよ、コニー…」

コニー「あ、あぁあ…ありがとうッ!!アルミ、ィン…」

アルミン「……」

アルミン「信じたくはッ、ない……!」

でも…コニーの発言が正しいなら。

やっぱり、エレンは……

――――――――――
クリスタ「エレェン…」ギュ…

エレン「ん……」ギュー

エレン「…クリスタ…本当に、大丈夫なのか?」

クリスタ「……あんまり」

クリスタ「でも、それはエレンだって同じだよ?」

クリスタ「だから…二人で半分っ!」

クリスタ「私がエレンを支えるから…エレンは私を離さないで……」

エレン「あ…う、うんッ…うん…!…ありが、とぅ……!」

……



タッタッタッ……

アルミン「ッ…ハ、ァッ……エレンッ!!」

エレン「……」

エレン「チッ…」

エレン「アルミン……しつこいぞ」

アルミン「ッ…エレン……!」

アルミン「君はッ!!昨日、ジャンを…!!」

エレン「……」

エレン「はぁー………、だったら何?」

アルミン「ッッ」

アルミン「…君、を…止めるッッ!!!」

エレン「……」

アルミン「……」

エレン「…ははっ、何あつくなってんだよアルミン。冗談に決まってるだろ?」

アルミン「……!」

エレン「あぁ…でも、もしかしたら……」

アルミン「…・・・・・・」

エレン「うんそうかも。なぁ、アルミン」

アルミン「な、に…・・・?」ジリッ

エレン「もしかしたら、役に立つことかもしれないんだけど」

エレン「ここじゃ、ちょっと誰に聞かれてるか、分からないから」

エレン「夜、馬小屋に来てくれないか?」

アルミン「…・・・ッ」

アルミン「それが、君の答えかい…?」

エレン「……」

アルミン「わかった……夜に、馬小屋だね?」

エレン「あぁ……事件があった場所」

エレン「ちょっと…気に、なることが、あってな…」

アルミン「……了解…だよ」

エレン「…じゃ、行こう、クリスタ」スタスタ


アルミン「…」

アルミン「……ッ…クソっ!!」ダンッ!

エレンは…嘘をついてるっ……そして、エレンが犯人なら…


疑ってる僕が、邪魔なんだ。

親友が、僕を邪魔だと思ってる。

エレンは……もう、僕の知ってるエレンではない。

何処で間違えたのか……

きっと、遅すぎたんだ。

………もう、エレンは過ちを犯した。

手遅れ……なんだ。



いや!違うッ!!

エレンを止められるのは親友の僕だけだ!!

そうだ…親友の過ちを、間違いを正してやらないといけない。

それが、僕のせめてもの……償いだ。

最後まで気付いてあげられなくて、ごめん。

力になってあげられなくて、ごめん……。

でも、きっと止めてみせる。

僕は、今でも君の……一番の親友なんだからっ…!!





ミカサ「アルミン」

アルミン「ッうわぁあァアっッ!!!」

ミカサ「……アルミン驚きすぎ」

アルミン「ミ、ミカサ!?いつから…ッ!?」

ミカサ「ずっと、いた」

ミカサ「ずっと、エレンを見てた」

ミカサ「エレンがクリスタと何度も抱き合ってるのを見てきた」

ミカサ「……アルミン」

ミカサ「エレンはどうやら…あの女に誑かされてる」

ミカサ「でも、エレンを止めるということは、私とエレンが離れ離れになるということ」

ミカサ「アルミン。私はそんなの嫌」

ミカサ「ので、アルミン…考え直してほしい」

アルミン「ッ!!」

駄目だ…ミカサまで敵に回したら…僕に勝ち目は無くなるっ…。

なんとか、ミカサをどうにかしないと…

ミカサ「…返答は?」

アルミン「…ごめん」

ミカサ「そう……残念。アルミンを倒さないといけないなんて」

アルミン「……!エレンはッ!!このままだと永遠に帰ってこない!!」

ミカサ「っ…でも、止めたら…エレンは遠くへ連れて行かれるっ」

ミカサ「それは…絶対にっ駄目ッ…!」

アルミン「そんなこと、させない!!」

ミカサ「…!」

アルミン「ミカサ。僕は今のままだとエレンがもっと壊れてしまうと思ってる」

アルミン「だから、何とか止めたいんだ」

アルミン「勿論…クリスタも」

アルミン「エレンを止めたら、命を賭けてッ…ミカサと離れ離れになんてさせないっッ!!」

ミカサ「……ッ!」

アルミン「脱走ってなんだって手伝う!だから!!お願いだミカサ!!」

アルミン「エレンを止めるのを認めてほしい……!!」

ミカサ「……」

ミカサ「分かった…でも、約束は守って」

アルミン「…っ!あぁ、勿論さ!!」

ミカサ「では…私も行く」

アルミン「……エ?」

ミカサ「エレンを止める、なら、私でないと、アルミンでは無理」

アルミン「……あの」

ミカサ「異論は認めない」

アルミン「はぁ……わかったよ、ミカサ。お願いだ。助けてくれ」

ミカサ「エレンと私とアルミンの仲。勿論協力する」

アルミン「(心強いけど…本当に大丈夫なのかな…)」

ミカサ「早速行こう」

アルミン「ちょ、ミカサ!?約束は夜だよっ!」

ミカサ「……忘れていた」

アルミン「はぁ…もう、しっかりしてよ…」

ミカサ「いつ頃?」

アルミン「……それなんだけど。少し早く行こう」

ミカサ「?…何か意味が?」

アルミン「うん。馬小屋の奥で、エレンとクリスタを迎え撃つ」

ミカサ「……クリスタも来るの?」

アルミン「うん…来ると思うよ(クリスタは多分協力者だから…)」

ミカサ「そう…それじゃあ時間まで何をす…」

アルミン「行く所がある」

ミカサ「何処に?」

アルミン「……ちょっと、助っ人を頼みに…ね」

――――――――――
~夜・馬小屋~
アルミン「…」

ミカサ「…」

ザッザッザッ……

エレン「…なんだ、やっぱりミカサも来たのか」

クリスタ「……」ギュっ

ミカサ「っ…」ギリ…

アルミン「…」

アルミン「あぁ。エレン。とても大事な話だろ?僕とミカサとエレンの仲だ…隠し事なんて可愛そうだろ」

エレン「……ははっ、それもそうだな……昔ならそう思ってたかもな」

アルミン「…?」

エレン「もう……察してるんだろ?アルミン……」

アルミン「……昨日の殺人犯は…君だ、エレン」

エレン「当たりだよ、アルミン」

エレン「…で?」

エレン「それで……どうすんだ?」

アルミン「素直に……罪を認めてほしい」

エレン「断るよ」

エレン「約束したんだ。クリスタと…永久に一緒にいるって」

エレン「だから、片時も離れない」

エレン「捕まったら、終わりだ」

エレン「だから…・・・邪魔するなら二人とも敵だ」

アルミン「捕まっても脱出させる!絶対に…!」

エレン「じゃあ捕まらなくてもいいだろうがッ!!」

アルミン「今のエレンには時間が必要だッ!!」

エレン「ッ………だめだな。やっぱり…」

エレン「やっぱ、話すだけ無駄だった」

エレン「もう、お前らなんて関係ない」



エレン「死んでくれ」

「そういうわけには、いかない」

ゴスッ!

エレン「……ッえ?」

クリスタ「エレン!!?」


アルミン「ごめん、交渉が決裂した時の為に…手を打っといた」

アルミン「ありがとう…・・・ライナー」

ライナー「なに…気にするな」


――――――――――
ライナー「俺に助けてくれだと?」

アルミン「うん。頼むよ、ライナー」

ライナー「…なんで俺なんだ?」

ライナー「俺なんかより、ユミルとかの方が協力するだろ?」

アルミン「ユミルじゃ…駄目だ」

ライナー「なんでだ?」

アルミン「確かに、クリスタのことが絡んでる以上、ユミルは進んで協力してくれると思う」

アルミン「でも、それはクリスタがあくまで最優先だ」

アルミン「僕はエレンも助けたい」

アルミン「その為には…ユミルじゃ不安な要素が多すぎる」

アルミン「エレンとクリスタ…両方を思ってくれていて、それでいて腕の立つ」

アルミン「……ライナーしか…いないんだ、頼むよ!」

ライナー「はぁ…よせよ。痒くなるだろ」

ライナー「俺も二人を助けたい」

ライナー「その為には、どうしたらいい?アルミン」

――――――――――
ライナー「(小屋の近くで待機して、エレンが敵意を見せたら後ろから殴る)」

アルミン「(僕とミカサが小屋の中で待っていれば、エレンは油断する)」

アルミン「(やっぱり二人で来たのか…って)」

アルミン「(でも実際はライナーを外に待機させておく)」

アルミン「(僕とミカサに注意が向いて、油断しているエレンなら…)」

アルミン「(後ろから安全に倒すことが出来る)」



ミカサ「(よし、エレンを…)」ダッ

クリスタ「…ッアァアアア!!」ガバッ!!

ミカサ「ッ!?この…離…!」

クリスタ「…ッ!…ッ!!」ギュウウゥ!

アルミン「ッ……ミカサ!?」

アルミン「(クリスタがミカサに飛びついた!?)」

アルミン「…!!ライナーッッ!!!」

ライナー「え?」

ドズッ!!

エレン「……やってくれるじゃねぇか、ライナー」ズブッ…

ライナー「ご、ボッ…!」トサ…

エレン「ちっ…鎧みたいな筋肉しやがって…あんまり刺さらなかったか…」

エレン「でもちょうど良かった」スタ…スタ…

スッ…

エレン「コイツなら…流石に刺さるよな?」

ライナー「(っ…ブレードだとッ!!?)」

アルミン「それはッ!?(無くなってた奴…やっぱりエレンが!!)」

エレン「一応…見つけたときに隠しといたんだよ。この小屋ん中に」

エレン「入り口の裏ってのは偶然だったけど…ツイてるな」

アルミン「(クソッ…!?なんとかしないと…!!)」

ミカサ「離せェェえええッッッ!!!」ガッ!

クリスタ「……」チャキ

サクッ…

ミカサ「…え?」

クリスタ「ナイフは…一本と思った?」

クリスタ「エレンが私のために買ってきてくれたの。」

クリスタ「どう?おそろいで、素敵でしょ?」

ミカサ「グッ」ポタッポタッ…

クリスタ「あはは…ミカサってすごいね、お腹にあんまり刺さらないなんて」

クリスタ「昨日の二人はもっと楽だったよ?」


アルミン・ミカサ・ライナー「!?」

アルミン「クリスタが…!?」

ミカサ「ま、さか…」

ライナー「ッぐ……」

クリスタ「ううん、私はゴミを刺しただけ」

クリスタ「殺してくれてのはエレンだよ?私を助けてくれたの!!」

アルミン「助・・・け?」

クリスタ「そう!!私、昨日あの二人にいやらしい事されそうになったの…」

クリスタ「でも、エレンが助けてくれた!自分がたくさん苦しんでるのにッ!!」

クリスタ「だから…私はエレンを追いかけたの」

クリスタ「エレンの為に、エレンの隣に立つために、ジャンを殺した」

アルミン「(ジャンは…クリスタだったのか…)」

アルミン「(でも…今のクリスタは、エレンは……ッ)」

クリスタ「あはっ!エレン!!やったよぉ…!」

エレン「あぁ…助かったよクリスタ…」

クリスタ「えへへ…」

エレン「じゃぁそろそろこのデカブツ…刻んで小さくしてやるか」

アルミン「(悪魔だッ……!!)」

アルミン「(助けるなんて無理だったのか…!?)」

アルミン「(こんなになってるなんて…)」

アルミン「もう…遅かったのか?」

クリスタ「クスッ……何言ってるのアルミン?」

クリスタ「とぉぉっくにッ!!……手遅れだよ?」

クリスタ「でも構わない…エレンがいてくれるの」

クリスタ「エレンがいてくれて、永久なの」

クリスタ「それだけで私…幸せだなぁー」うっとり

アルミン「(あぁ…)」

クリスタ「だからね、エレンが言ったとおり、ここにいる奴ら皆、邪魔なんだ」

アルミン「(もう、女神なんかじゃない)」

アルミン「(クリスタも……)」

クリスタ「ねぇアルミン……」ジリ、ジリ…

アルミン「あ、あぁ…」

ミカサ「ア、ルミン…にィッ!!近づくなァ!!」

クリスタ「くす…今のミカサ…全然怖くないなぁ…」

クリスタ「さて…アールミン!」クルッ

クリスタ「バイバイ♪」チャキ…


アルミン「あ…(クリスタの顔が…近づいてくるッ…)」

アルミン「(もう…逃げられない……)」

とりあえずここまで。
次回更新で、おそらく最後+エピローグで終わりになると思います。
約1週間ついてきた方には感謝です。

終わりまであと…少し…!

今回で終わらせるつもりで書きます。

アルミン「(ここで、僕は死ぬのか…?)

アルミン「(少し…気になってた女の子に…殺されるのか?)」



アルミン「う、あぁァアア!!(嫌だっ!死にたくないッ!!)」

ッ…パシィィン!

クリスタ「ッ………ぇ?」

アルミン「っ、ぁ……?」

クリスタ「…痛、ッ……!」

アルミン「(あ…)」

アルミン「(手が……、勝手に…)」

アルミン「そっ……か(思わず、平手をしちゃったけど…)」

アルミン「(そうだ、相手はエレンでも、ミカサでもない)」

アルミン「(クリスタだ)」

クリスタ「…ッ、ぅ…うぅ……」

アルミン「(…恐怖で、どうかしてたんだ)」

アルミン「(正面でのクリスタとなら、僕だって負けはしないんだ)」

エレン「ッ…アルミィィィィイイン!!!」

エレン「てめぇ…よくもクリスタを殴りやがったなァ!!」

アルミン「エ、レン……!」


ライナー「…(今、なら……!)」

ライナー「(傷は痛む…がッ!)」

ライナー「ッ…、ゥ…お、おぉおおおおお!!!」ガッ

ライナー「(足手まといには…ならん!)」グ、ジュ…


エレン「!?…こ、のッ…くたばりぞこないがぁアアア!!」バッ!

ライナー「(首筋のブレード……俺は人質だったんだろうが…)」

ライナー「(この状態からの攻撃は、一度手で無理矢理退かし、受ければ…!)」

ライナー「(振り上げるしか、ないよなぁ!)」

ライナー「おおお!!!」ドゴッ

エレン「…ご、ぉゥ…げ、ぇ」よろっ

エレン「!…がぁ!!」

ライナー「…ちィッ!(くそ、まだナイフが…!)」

ガシッ

エレン「フぅー…!、フゥー!!」グッ…

ライナー「ぐ、う…(く、そ…早く…何とか!)」

エレン「はっ…はぁ…!」

ライナー「こ、の馬鹿やろうッ…!」ギリッ!

ずりっ

エレン「!?…ぁ…」

ライナー「!??」

ザクッ……ズ、ブっ……

エレン「…、…ゥ…!」

ライナー「あ、あぁ…(俺、が…?)」

エレン「ぐ、ぅ……づ、ぅ…」

クリスタ・ミカサ「あ、あ…!!」

アルミン「エレン!!(エレンに、ナイフがッ!!)」

クリスタ「ぁあああ!!エレンッ!!エレンッ!!?」

ミカサ「ライナー早く!!」

ライナー「お、ぅお…おおっ!」

エレン「近づくなァああ!!!」ブンッ…!!

ライナー「おい!早く…手当てしないとッ!!」

エレン「ガァア!アァアア!!」ブンッ!ブンッ!

ライナー「(くそ、これじゃあ、近づけん!)」

アルミン「あ、あぁ…(エレンッ!!錯乱してる!!)」

ブンッ!!

…ボタッ…ボタッ…

ブンッ!!

…ボタッ…ボタッ、ボタッ…

アルミン「エレン!!止めるんだ、早く!血がッ止まってない!!」

エレン「(来るなっ!!近づくな!!)」

エレン「(この巨人共がァァアア!!!)」

ブンッ!!

エレン「(あ、あぁ…くそ…血が…ッ!)」

エレン「(巨人が…!来るッ…!!)」

エレン「寄るな!寄るなァ!!」

エレン「(クリスタ!クリスタは、無事か…!?)」

エレン「(くそ…視界がっ)」

エレン「クリ、スタぁ…」

クリスタ「エレンッ!!」

エレン「あ…」

エレン「(はは…いたッ!クリスタだ!)」

エレン「(待ってろ…今…)」

エレン「待って、ろよ…今、行く…から…っ」

クリスタ「エレン!!エレンッ!!」

エレン「(あぁ…)」

エレン「(ちょっと…これはもう、キツイ、な)」

エレン「(クリスタ…せめて、クリスタのところへ……)」

アルミン「エレン!」

エレン「くるな……巨人がッ(ボソッ)」ギロ…



アルミン「ぇ…あ……」

エレン「(もう、ちょっと…)」

エレン「…クリスタ……クリスタ…」

クリスタ「エレン!」バッ


ふらっ…


エレン「あ……」

エレン「(クリスタが…近づいてくる…)」

エレン「ぁ、ぁ……!」

エレン「(クリスタ…手を……)」

エレン「(手…)」

エレン「……」

クリスタ「……エ、レン?」

クリスタ「あ、あああ……」

クリスタ「嘘、嘘嘘ッ…!!うそだよねっ!!?」

クリスタ「エレン!!エレン!!?」

クリスタ「あ、あぁ……」



ミカサ「ッ…!」ギリ…ッ!

ミカサ「ぇ…の、せいだ」ぐっ…ぐっ…

ミカサ「お前の…せいだ」ズッ…ずり…

ミカサ「エレンに…触れるなァァああ!!!」ドゴォッ!

クリスタ「ご…ぉ!ぼ…ぉ…ッ」

アルミン「っ止めろ、ミカサ!!」

ミカサ「コイツの!せいだ!!」ドガッ!!ドゴッ!!

クリスタ「ぐ…!ぅぐ…っ!!」

クリスタ「え…れ、ん………えれ…ん…」ズリ…ずり…

ガスッ!ドゴ!!ガツッ!!!


アルミン「あ、ああ…」

アルミン「(ミカサの蹴りで、クリスタはエレンから離された)」

アルミン「(だというのに…ミカサに蹴られながら…エレンの元へまた行こうと、してる)」

アルミン「(クリスタは…エレンを本当に…!)」

クリスタ「エレン…エレン…」

ミカサ「近づくな!!離れろ!!」ガスッ!!

クリスタ「ッぉ…ご……!!」ビクッビクッ

クリスタ「…ぇン…エ…ぇ……」

クリスタ「(も、少…しだよっ)」

クリスタ「(エレン…もう…ッ少し…)」

ミカサ「ああああアアア!!!」

ライナー「もうやめろ!!」ガシッ

ミカサ「離せ!離せぇ!!エレンが!!こいつのせいで!!」

ライナー「これ以上は無意味だッ!!」

クリスタ「あ、ぁ…」ずっ…

クリスタ「(エレン、だ…エレンだ…着いたっ…着いたよ…?)」

クリスタ「(これで…ずっと一緒、言ったよ?ずっと…)」

クリスタ「(永久に一緒。どんなときも離れないって…)」

クリスタ「(…嘘つき…だよぉ…)」

クリスタ「ッ…はぁ…!」ぎゅぅ…

クリスタ「……」チャキ

クリスタ「す…き……っ、よ…」ズ…

ズブッ!!

クリスタ「……」

クリスタ「(これ…で…、ずっと…一緒、だよ…エレン…)」

――――――――――
何が起こってるのか、理解するまで時間がかかった。

僕の目の前で起きた、出来事。

エレンを救おうとして。

でも、救えなかった。

エレンは自分にナイフが刺さって……

クリスタは、エレンの体に寄り添うように。

エレンと手をつないで、自分のナイフで自分を刺した。

ミカサは興奮と、エレンのことで錯乱し、クリスタを何度も攻撃した。

でも、クリスタはそれを受けながらも、エレンの元へ這って行った。

その姿に、僕は言葉を失った。

その姿を、僕は忘れる事が出来ない。

最期の瞬間、クリスタはエレンに寄り添いながら…微笑んでいた。

安堵した笑み。

まるで自分が迷子になって、人ごみの中で、大事な人を見つけたときのような。

体中ボロボロになってもなお、エレンに辿り着いた事で…こぼれた表情。


僕は…親友を救うことが出来なかった。

そして、想いですらも、クリスタに負けていた。

最期の瞬間まで、僕達は、二人を止めることも、引き離すことも出来なかった。


僕達は…二人の繋がりに、完全に敗北したのだった。

…………

……

事件は、終わった。

ミカサとライナーはすぐに治療されることになった。

二人とも、血をだいぶ失ったけど、命には別状ないらしい。

エレンとクリスタは…やはり、手遅れだった。

二人は死に、僕達は生き延びた。


次の日、全てが公言された。

エレンとクリスタが、犯人だったこと。

そして二人はもう、死んでしまったこと。

それを聞き、皆、呆然としていた。

皆、信じられないという顔で…やがて事実を受け止める。

エレンとクリスタは悪魔の子だったと。

悪魔にとり憑かれ、人でなくなったのだと。

サシャやコニーも、信じられないといった顔つきで、泣いていた。


そして、僕は、ユミルに土下座をした。

救えなくてごめん。

助けてあげられなかった。

ユミルは、僕を一発殴って、去っていった。

もっといろいろ言われると思っていた。

もっとたくさん殴られると思っていた。

その方が…どれだけ、楽だっただろうか。


それから、僕はユミルとは口を利かなくなった。

やがて、事件のことは禁句となり、皆話題にしなくなった。

そして、ミカサとライナーは…戻ってきた。

正直、まるで別人だった。

ミカサはもはや食事すらまともに取っていなかったとしか思えないほど痩せて。

ライナーの目は完全に死んでいた。

僕だけが、傷すら負わなかった。

僕だけがのうのうと生き延びた。

僕だって、死んでしまいたかった。



最近夢を見る。

それは同じ夢で、僕は死ぬ。

仲間が死に、恐怖した僕は、抵抗すら出来ず、巨人に喰われる夢。

喰われて、体が引き千切れて、真っ暗になるまでその夢は続く。

助けは来なかった。

僕は一人で死ぬ。いつか、それが日常になった。

きっとこれは現実になるとすら思えてきて、疑わなくなった。




ある、噂を聞いた。

成績上位者が、あの事件で大幅に変わったのだと。

ミカサはもはや、動くことすら殆どしなくなった。

衰弱し、今も病室で寝ている。

絶対と言われていたミカサは、もう戦えない。

戦う理由がなくなったから、戦わない。


…僕は予感している。

人類は、やがて巨人に敗北すると。

ミカサやエレンのいないこの世界で、巨人に勝つ術があるのだろうか。




僕の不安は…生涯、塗り替えられることは無かった。

本編終了。

エピローグという名の補完。空白の時間始まります。

――――――――――
~???~
今日、おそらく俺は親友と殺しあう。

アルミンは、きっと気付いているから。

でも、負けるわけにはいかない。約束したんだ。

クリスタと一緒にいるって。

だから、たとえアルミンでも…殺す。

大丈夫だ…あれは、巨人だ。だから、心は痛まない。



俺は病気だ。

俺以外の人間の顔が、皆、巨人に見える。

でも…傍らにいる、クリスタだけは特別だった。

クリスタは、顔に包帯を巻いている。だから顔が見えない。


…でも、何度も俺達は互いに抱き合った。

だから分かる。

こんなに、顔が近づいてるんだ…その顔が崩れていないことくらい、分かってた。

確かに殆ど隠れているけど、クリスタは顔の形とかまで変わるほど酷い怪我をしたらしい。

でも、俺には…そんな風に崩れているように見えなかった。

包帯から覗かせる瞳や、口元。

あぁ…俺は、クリスタはやっぱり特別だったと確信していた。

クリスタのためなら、親友だって殺せる。

クリスタのためなら、家族だって手にかける。

俺の全ては、クリスタの為に捧げると誓った。

だから、俺は勝つ。

今日勝ったら、クリスタとずっと一緒になれるんだ。

もし、負けても…クリスタといっしょなら怖くない。

手をつなぐ感触が、心地良い。

クリスタが微笑んでくれる。

はは…クリスタって本当に女神だったんだな。

――――――――――
今日、エレンがアルミンと戦うらしい。

アルミンは私とエレンを引き離そうと考えていて、だから邪魔なんだって。

それを聞いたら、私だって無視できない。

エレンと永久にいるって誓ったんだ。

だから、アルミンが邪魔をするなら容赦しない。

私とエレンの未来の為に。

邪魔なものなんて、この世にいらない。

エレンと手をつなぎながら歩くのは私にとって至福だった。

大きな手。温かさが、私の心に届いてくる。

エレンの温もりも、エレンの微笑みも、私にとって生きる為に無くてはならないものだ。

今日が終われば、明日は何をしようかエレン?

明日になったら明後日も一緒にいようねエレン。

ずっとずーっと、一緒。

そして、最期は一緒に死ぬんだ。

寄り添って死ねたら、それだけで満足だ。もう未練なんて無い。

片時も離れず、最後の最期までずっと一緒。

私は今……幸せだ。

…………

……

クリスタ「ねぇ、エレン?」

エレン「ん?」

クリスタ「今日が終わったら、明日は何をしよっか?」

エレン「…わかんねぇけど…今日みたいにずっと一緒にいたい」

クリスタ「…っもう…私も、だよ?」

エレン「明日も明後日も、死ぬまでずっと、クリスタと一緒にいたい…」

クリスタ「……(エレンも同じだったんだ)」

クリスタ「(嬉しい…嬉しくて…あぁ…幸せだ)」

クリスタ「(もうっ…エレン以外何もいらない)」



クリスタ「ねぇ…エレン」

エレン「…うん」

クリスタ「私、エレンと出会えて、エレンと一緒にいられて…」

エレン「俺も…クリスタと出会えて、クリスタが特別で、クリスタと生きることが出来る今が…」


「とても……幸せだ」
「とても……幸せです」



私達は手を離さなかった。

ずっとずっと、最期まで離さない。

どんなに世界が残酷で。

今日で世界が終わってしまっても。

この繋がりだけは本当だって、信じることが出来るから。

だから……エレン。



大好きです。

「それじゃ、行こうかクリスタ」

「うん。エレンとなら何処までも……」

これにて終了。最後まで見てくださった方はありがとうございました。

エレクリが好きで、虫クリスタの話に強く衝撃を受けた自分に本人登場はまさにサプライズ。
報われないけど、ほんの少し救われる。そんなお話が大好きです。
最後のアルミンと、エレクリは鬱エンドが嫌という方がいたので考えた末、順番を変えました。
今更回避なんて出来なかったので、ちょっとでも後味が変われば幸いです。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月22日 (日) 18:01:49   ID: db8J22xG

あ、これサヤだ。俺、それ好きだよなー
人生初のギャルゲーだよ!

2 :  SS好きの774さん   2013年09月28日 (土) 08:57:57   ID: cfXfo6j2

おう、俺はエレンとクリスタだけが幸せならいいよ。
こいつら(アルミンたち)は何も知らない、何もしてないのに
自分らが正しいと思い込んでるだろ?
自分がさっきに聞いてもない、近づきもしない。
死んでも文句は言わないと思うよ

3 :  SS好きの774さん   2013年10月02日 (水) 13:54:44   ID: 4BHD8B5R

これだからエレクリ厨は・・・・
まじでゴミだな

4 :  SS好きの774さん   2014年04月22日 (火) 15:24:23   ID: sE0bAA7U

アルミンが余計な事しなきゃ、その後は誰にも迷惑かけずに二人で暮らしたかもね。
ただレイパー二人は殺されて当然でも、ジャンを殺っちまったのがなぁ。

5 :  SS好きの774さん   2015年10月04日 (日) 14:31:31   ID: uawQsLvo

↑こいつらキモすぎ

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