のび太「ミサカちゃん…ここすっごく固くなってるよ…?」(289)


―長点上機学園学生寮・のび太の部屋―

ドラえもん「ふぁぁああ…うぉ寒いさぶい…」

2月の中旬
いつも通り押し入れで眠っていたドラえもんは
あまりの寒さに目が覚めてしまった

ドラえもん「温かくして寝ようっと…ん?何か騒がしいなぁ」

押し入れの外から声が聞こえる

のび太『―――…?』

打ち止め『――ん…ぁん!』

ドラえもん「そうだ今日はミサカちゃんが泊まってるんだ」

ミサカちゃん

それはのび太の小学生の時からの友人である“打ち止め”という少女のことだ

とある事情により身よりの無い彼女だったが
今は御坂家の養女となり常盤台中学校に通っている

のび太と打ち止めは男女の仲というわけではないのだが
こうして打ち止めがのび太の家に泊まりに来ることは珍しくない

ドラえもん「それにしても何してるんだろう?」

ドラえもんはふすまに耳を当て、会話を聴くことにした

のび太「ミサカちゃん…ここすっごく固くなってるよ…?」

打ち止め「ぅん……んぁ…ん…っぁん!…」

のび太「…気持ちいい?」

打ち止め「いいよぉ……凄く気持ちいいよぉのび太ぁ…ってミサカはミサカは…ぁん!」

………

ガタァン!!

ドラえもん「いいい…いったい何をしてるんだ君たちはぁ!!!」

のび太・打ち止め「!?」

ドラえもん「ってあれ?」

のび太「何って肩もみだけど…どうかしたのドラえもん?」

打ち止め「…目覚めちゃったの?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

ドラえもん「ああごめんごめん寝ぼけてたみたいだ
        疲れてるから僕は寝――」

ドラえもん(…待てよ?)

ドラえもんは時計を見る
時刻は21:00

ドラえもん(…ぼくは何でこんなに早くに眠くなったんだ?)

今日の出来事を振り返る

今日は統括理事の仕事も無く暇であった
昼はスフィンクスやミィちゃんと遊び、夕方は家でごろごろしていた
そこでのび太と打ち止めが来たのだ

打ち止めはのび太と一緒に買って来た食材でカレーを作った――それはそれは美味しいカレーだった

カレーを食べたあと急に眠くなり
打ち止めが「門限過ぎたから泊めて」と言ったのだ

ドラえもん(ん?)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
カレーを食べたあと急に眠くなり

ドラえもん(ま…まさかっ!?)

打ち止めを見る

ケロッとしながら肩を揉んでいるのび太とは裏腹に――

ドラえもん(み…ミサカちゃんが女の顔に!?)

烈火の人か?

>>6 YES 今回もギャグをいくつか

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ドラえもん(のび太くんは一方通行との“約束”があるから
        ミサカちゃんとの関係に一線を引いている…)

のび太は師匠である一方通行と「打ち止めを守る」という約束をしたため
のび太は打ち止めを女の子として見ていない節がある

ドラえもん(だが…のび太くんは基本的に欲望に忠実なエロ男…!!
        もしミサカちゃんからアクションを仕掛けたら…?)

打ち止め「眠れないのドラえもん?

             ・ ・ ・ ・ ・ ・
       そうだ!カレー食べる?まだまだいっぱいあるよ!ってミサカはミサカは――」

ドラえもんは冷や汗が止まらない

ドラえもん(何とかしなければ…!!)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
野比のび太 “レベル5” “射程圏内”

長点上機学園中等部2年
一方通行との特訓の末レベル5になった
打ち止めを守るという約束をしている

ドラえもん

学園都市統括理事会
のび太と2人で同居している

打ち止め “レベル4”

のび太との特訓の末レベル4になる。通称“電脳妖精”
今は御坂家の二○○○二女で“美里”という名を貰ってる
常盤台中学2年生。のび太にホの字

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(打ち止め「…いいよ?」)

――あァ

打ち止めの体を支えながら優しくベッドに倒す
打ち止めの服を脱がし、ブラに手をかける

(打ち止め「ひゃっ…」)

――怖いか?

(打ち止め「ううん…続けて…」)

ブラを外す、膨らみかけの白い胸が露わになる
その胸は意外と大きかった

――………

(打ち止め「しよ…?――」)

――あァ

(打ち止め「――のび太」)

ガバッ!
午前5時、あまりの悪夢に一方通行は飛び起きた

一方通行「ハァ…ハァ…なンて夢見てンだ俺は…」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一方通行 “レベル5”

元“第一位”(一度死んだとされたので除名)

今は“とある花火工場”で上条当麻とともに勤務している
しかしそれは表の姿で裏では情報屋をやっている

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一方通行は悪夢を振り払うよう顔を洗う

一方通行「俺は見守る系だ俺は見守る系だ俺は見守る系だ俺は見守る系だ
       俺は見守る系だ俺は見守る系だ俺は見守る系だ俺は見守る系だ
       俺は見守る系だカキ…クケカキコキカカクカクケカカカカ」

ピリリリリリリリ


一方通行「あァ?」

突然携帯電話が鳴る
表示は『登録8』――これはドラえもんだ

ドラえもん『…まずいことになっているかもしれない
        今日は暇かい?一方通行』

―第七学区―

休日で人がにぎわっている街中
そこに2人の怪しい男がいた

片や全身黒ずくめで黒いニット帽子とサングラス、オマケに杖を付く男―― 一方通行
片やずんぐりむっくりした青い体にこちらもサングラス――ドラえもん

2人はデート中の打ち止めとのび太を尾行している

ドラえもん「しかしまぁ…何て格好だい一方通行
        とてもオシャレに精通している君だとは思えないよ」

一方通行「俺の容姿は目立つンだよ…つーかオマエに言われたくはねェなァ青狸」

ドラえもん「ぼ…僕はネコ型ロボットだ!
        それに現役の情報屋が目立ってちゃダメじゃないか」

一方通行「あァ?俺は武力行使要員なンだよ」

ドラえもん「何だ力ずくの能無しか」

一方通行「喧嘩売ってンのかこの青達磨!!」

ドラえもん「何を!?この白髪ロリコン!!」

………

一方通行「…無駄な争いはやめねェか?」

ドラえもん「…そうだね。それにしても尾行にぼくら2人は目立ちすぎるなぁ
        あっ!そうだ」

チャカチャカチャン♪

ドラえもん『石ころ帽子ぃ~』

ドラえもん「この帽子をかぶるとね、(略)」

一方通行「そォいうものはさっさと出せ」

2人は石ころ帽子をかぶって尾行を開始した

石ころ帽子をかぶっているため、
目と鼻の先まで近づいてもバレない2人だが
やはり後ろめたい感情があったので10mぐらい後方で尾行をしていた

のび太と打ち止めはどうやら買い物をしているらしい

一方通行「…つーか今日の目的は何なンだ?」

ドラえもん「実はあまり考えていないんだよ…ただあの2人の関係は近すぎる

        中学生ならもっと節度を持った関係にならないと
        何かまずいことになったら即座に駆けつけ説教をする!」

一方通行「そォいうことなら大賛成だ…あの馬鹿弟子は一途って言葉を知らねェ」

ドラえもん「何だ静香ちゃんのことも知ってるのか

        そういう面でものび太くんはみっちり説教しないと
        それにミサカちゃんの行きすぎたアタックも注意しないといけない」

一方通行「…そっちはオマエに任せた」

ドラえもん「じゃあ一方通行はのび太くんの説教係りで」

ドラえもん「買い物が終わったみたいだね
       しかしまあ…あの2人はこうやって外から見るとどこから見ても――」

一方通行「…カップルにしか見えねェなァ」

一方通行の声はどこか寂しげだった

ドラえもん「おや?のび太くんトイレに行ったみたいだね」

気が付けば打ち止めが1人でのび太を待っている。…とそこに

不良A「おいおい常盤台のお嬢さまが1人でいるぜ」
不良B「ひゅー!可愛いねー君」
不良C「俺たちと一緒に遊ぼうYO!」

6人の不良が打ち止めにナンパしてきた

ドラえもん「この時代にあんなコテコテな不良がまだいただなんて」
一方通行「ったく…のび太のやつはまだ戻りそォにねェな」

一方通行が電極のスイッチに手を――

打ち止め「何よアンタたち?私人待ってるからよそ当たってくんない?
       つーかアンタたちみたいなのについていく女の子なんていないと思うけどね」

不良D「な…何だと!?」

一方通行「…おいおい何だよあのキャラは」

ドラえもん「学校ではあのキャラらしいよ」

打ち止めは美琴お姉さまモード(黒子仕込み)で対応する
この手の不良には弱気でいればいるほど漬け込まれると知っているからだ

打ち止め「だからぁ~アンタたちじゃ私相手に力不足だってんの!
       人間に生まれ変わってから出直しなさい」

不良E「言わせておけば…このガキぃ…」
不良F「啼かせてやろうぜ…はぁはぁ…」

打ち止め(うーん効果無しかぁ…仕方ないなぁ)

バチバチ

打ち止めが電気で撃退しようと準備したそのとき

のび太「い…いや~待てせてごめんミサカちゃん!さあ行こうか!」

打ち止め「う…うん!」

のび太が不良グループを縫ってやってきた
打ち止めの手を引いてその場から抜け出そうとする
その手は震えている

のび太「いやー僕の連れが迷惑かけてごめんなさい
      ってわけでここ通してくださーい…」

不良C「通すわけないだろうYO!」

一方通行「あァ!?何してンだのび太のやつ?
       のび太ならアンナ雑魚ども1秒かからないだろ」

ドラえもん「ぼ…ぼくにもわからない。何で能力を使わないんだのび太くん?」

………

のび太「み…ミサカちゃんには手を出させないぞ!」

打ち止め「の…のび太」

不良A「おうおうガキが粋がっちゃって~」
不良B「彼女守ろうとカッコいいでちゅね~」
不良F「このガキも啼かせてやろうぜ…はぁはぁ…」

不良どもが臨戦態勢に入る

一方通行「ちィ…殺らないなら俺が――」
ドラえもん「ちょ…ちょっと早まるな一方通行!」

通行人A「おいおいあの不良たち…“射程圏内”相手に喧嘩売るって勇気あるなぁ」
通行人B「ウソ!?射程圏内と一度戦ったら10km逃げないと狙われ続けるんでしょ?」
通行人C「つーかあの女の子も“電脳妖精”じゃん…手出したら姉の“超電磁砲”に殺されるぞ…」

不良たち「………」

不良A「今日のところは許してやる」
不良C「その勇気に免じてやるYO!」

打ち止め「何で能力使わなかったの?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

のび太「いや~だって向こうはまだ攻撃して来なかったし
      こっちから攻撃したらまた復讐に来るかもしれないだろ?」

打ち止め「うーん…“レベル5”ののび太なら不良が何千人束になっても負けないのでは?
       とミサカはミサカは冷静な戦力分析をしてみたり」

のび太「僕はね…でもミサカちゃんが人質に取られたりしたら?

      僕は何があってもミサカちゃんを守るって師匠と約束したんだ!
      だから危ないことはしないって決めてる」

打ち止め「のび太…」

のび太「でもミサカちゃんが危ない目にあったら別だよ?
      徹底的にやっつけてやる!」

打ち止め「うん!」

………

ドラえもん「だってさ…一方通行」

一方通行「…ったく、あの馬鹿弟子はたまに核心突きやがる
       もう尾行はヤメだ」

ドラえもん「…そうだね」

続編かどうか迷ったじゃねーかw
支援

>>24 やはりスレタイミスだっただろうか
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

翌日

―第三学区・とある高級ホテル―

高級ホテルの最上階
打ち止めと一方通行は高級料理のフルコースを食べていた
月に二度ご馳走するという約束なのである

打ち止め「それでねーお姉さまが小さくなってのび太とね――」
一方通行「あァ、そりゃ大変だったな」

打ち止め「一昨日はね、のび太とドラえもんにカレーを作ったんだよ」
一方通行「あァ、今度俺にも食わせろ」

打ち止め「昨日はね!不良に絡まれたところをのび太が助けてくれたんだよ」
一方通行「あァ…」

のび太のび太のび太
今日ものび太の話ばかりである

一方通行(意地張ってねェでそろそろ認めるべきか…?)


打ち止め「ちゃんと聞いてる?ってミサカはミサカは手をひらひらしてみたり」

一方通行「あァ悪ィ…のび太がどうしたって?」

打ち止め「今はのび太の話じゃないよ!ってミサカはミサカは憤慨してみたり!
       今日は何の日かわかる?ってミサカはミサカは再度聞いてみる」

一方通行「あァ?」

今日は確か…2月14日

一方通行「あァバレンタインか今日は…チョコくれンのか?」

打ち止め「チョコもだけど…ハイこれ」

一方通行「これは…?」

打ち止め「いいから開けてみて!ってミサカはミサカはわくわくしながら促してみる!」


箱を開けるとそこには腕時計があった

打ち止め「のび太と半分ずつお金を出して買ったんだよ!ってミサカはミサカは報告してみたり」

一方通行「オマ…これって結構高いやつだろ!?オマエ金ねェンじゃ…」

9970人の養女と実娘を養っている御坂家は大変生活苦なのだ

打ち止め「お金持ちののび太に借りたのだ!ってミサカはミサカは24回払いの地獄に足を踏み入れてみたり
       って一方通行?…泣いてるの…?」

一方通行「!?馬鹿泣いてねェよ!これはアレだ…花粉症だ!」

打ち止め「泣いてたもん!ってミサカはミサカは痛たたたたたたた!何でほっぺたつねるの!?」

金曜からスレ検索してたけど。まさかのタイトルだった。


翌日。一方通行はのび太と会う約束をしていた
場所はのび太とよく修行していた河原

一方通行は『もう約束に縛られるな。打ち止めと普通に接してやれ』とのび太に言うつもりだった

一方通行「のび太になら任せられるか…おっ…のび太のやつもォ来てやがる」

待ち合わせ場所には――のび太と3人の女の子
「た…助けていただいてありがとうございます!」
「あのー…この後、暇でしょうか?お礼がしたいので」

のび太「えっ!?ホント!?この後ちょっとした用事があるけど…その後なら暇だよ~」

「ダメだよ…この人常盤台の“電脳妖精”の彼氏だよ?」

のび太「ミサカちゃんの彼氏だって!?ないない(笑)そんなこと無いってぇ~!
      …あっ!!師匠!こんにちは!今日は何の用ですか?」

一方通行「のび太…銃を取れ…」

のび太「えっ!?何で杖を引っ込めるんですか?何で電極のスイッチ入れるんですか?」

一方通行「カキ…クケカキコキカカクカクケカカカカカケコキククカカカ」

のび太「うわァァァアアアア」

のび太は抵抗したが10秒しか持たなかった


えーと・・・これすげぇおもしろいんだが
続編なのか?
前作さがしてくる

ってなわけでこの後も短編をいくつか


3月  燃えろ!侍ジャイアンズ
    とある2人の空力学会
    みせかけモテモテバッジ
8月  とある姉妹の姉妹喧嘩

こんな感じの時系列で
ネタがあれば参考にしたいのでお願いします

>>41
上条「…“レベル5”の転校生?」
上条「…“レベル5”の転校生?」 - SSまとめ速報
(ttp://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1266062727/)

のび太「打ち止め?変な名前だなぁ」
のび太「打ち止め?変な名前だなぁ」 - SSまとめ速報
(ttp://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1266662030/)

のび太「ミサカちゃんは…僕が守る!」
のび太「ミサカちゃんは…僕が守る!」 - SSまとめ速報
(ttp://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267251192/)

のび太「ミサカちゃんに出会ってもう3年か…」
のび太「ミサカちゃんに出会ってもう3年か…」 - SSまとめ速報
(ttp://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267861433/)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
剛田武 “レベル1” 音波操作系

柵川中学2年生

マイクを持ったときだけ“レベル3”に相当する力を発揮する
今は“対能力者用野球チーム侍ジャイアンズ”を結成。エースで4番
そこそこの成果を発揮している


骨川スネ夫 “レベル4” “心理定規(メジャーハート)”

長点上機学園中等部2年
のび太と同じ中学で仲がいい

ちょっとレアな心理定規の持ち主
女性の心は覗かない・変更しないというポリシーを持つ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

チャカチャカン♪

ドラえもん『燃えろ侍ジャイアンズ!』

―第二○学区・とある野球場―

ジャイアンズの4番でエースの剛田武――ジャイアンはかつてないピンチに立たされていた

学園都市少年野球大会―第七学区予選決勝

九回の裏 4-3
ノーアウトランナー満塁
一打サヨナラの大ピンチ

ジャイアン(く…くそぉ…あと少しだったのに…)

この回を3人で抑えたら勝てるはずだった――“あいつ”さえ出さなければ
「“あいつ”さえ出さなければ勝てる」――その慢心がジャイアンに投球に隙を生み、結果三連打を浴びてしまったのだ

余地(ここまで追い詰められるとは思わなかった…正直負けたと思ったぜ
    だが最後の最後で油断したな!剛田!)

バッターボックスに立つ彼の名は余地見栄春(よち みえはる)
ジャイアンと同じ柵川中学校の2年生で第七学区で最強の少年野球団―柵川サイキックスの4番兼キャプテンである

余地(俺の“未来写生”(シャッターチャンス)にはどんな球も通じない!)

余地見栄春は“レベル2”の予知能力者であり最大2秒先の視界を写真のような一枚絵として予知できる
余地はたゆまない努力を重ね、相手ピッチャーの投球を予知~バッティングまでの流れを完璧にマスターしている

余地「しかしお前らはすごいよ剛田…“無能力者”の集まりでここまで来たチームなんて聞いたことが無い」

支援

学園都市

ここでのスポーツは能力の使用を認められている(もっとも能力ごとに細かいルールは制定されているのだが)

学園都市をあげて行われるスポーツ大会は全て高位能力者を有するチームが勝つ
これは必然的な流れであるのため、レベル0にとってスポーツとは敷居の高いものとなってしまっている

今では“能力あり”の大会と“能力なし”の大会が分けられているほどだ

ジャイアン「そんなもん野球じゃねえ!」

その一声で立ち上がった少年野球団――侍ジャイアンズ

そのチームの理念はただ1つ

“能力を使わないで能力者をギッタンギッタンのケチョンケチョンにする”

実際にはレベル1以上の能力者もいるが彼らは能力を一切使わずに野球をやると誓った

チーム創成期は惨めの一言に尽きた

いくら練習しても念動力者の変化球は打てない
どれだけ守備を固めても空力使いの打球は捉えきれない

能力無しに能力者を倒す
それが馬鹿げた理念であるということに気づき、一人、また一人とメンバーがやめていった
ジャイアンズのメンバーはたったの9人しか残らなかった

能力者チームからは
「侍(笑)、竹やりの間違いじゃねえの?」
「つーか侍ジャイアンツのパクリじゃんwww」

などと嘲笑もされた

それでも虚仮の一心で努力・対策を重ねた

晴れの日はひたすら練習して基礎体力・基礎技術・チームワークの向上
雨の日は苦手な勉強までして各能力を研究し、対応策を練った

その結果、チームが出来て1年が経った今では“鉄砲殺しの侍”と呼ばれるまでのチームとなったのだ

そんな彼らは本試合で夢の学区内優勝が目前まで迫っていた…のだが

余地「さあ…勝負だ剛田!」

ジャイアン「く…くそぉ!!」

本試合でのジャイアンと余地の戦績――3打席3被本塁打
つまりこの試合、サイキックスの全得点が余地のホームランによるものなのだ

ジャイアン(す…すまんみんな…最後の最後で俺がしくじってしまった)

ジャイアンは諦め、キャッチャーを見る

…しかし

スネ夫(諦めるなジャイアン!!)

キャッチャーであるスネ夫の目は死んでいなかった
その目が見据えるもの…それは“勝利”の二文字のみ

そしてスネ夫はサインを出す

『渾身のストレートでねじ伏せろ!』

ジャイアン(ははは…そうだよなぁスネ夫…
        どうせ読まれるんなら小細工は無しだ!!)

ジャイアンが大きく振りかぶり――投げる

支援



       `゙"''― ..,,,,_           `゙'''ー ..,,、          ヽ、     ヽ.   l  .|     . /     /
                  ´゙"''―- ..,,,_           `゙''ー ,,_        `'-、   \  l  |    . /   . /
.,,,___、                   ̄''''― ..,,,_     `゙''ー ,,_     `|\     /\     / |   //  /
     ̄ ゙゙゙゙̄'''''''¬―---..........,,,,,,___、       `゙゙''''― ..,,,_、  `'''ー .._|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
                          ̄ ゙゙゙̄"''''''¬―---___゙―   \                     /
_____________________________∠   喰らいやがれ!!    >
                                           /_                 _ \
                                _,,,,.. -ー'''''゙゙,゙,, -‐ ̄ / /∨| /W\  /\|\  .| ̄
                           _,,,.. -ー'''''"゙´  _,,.. -‐'''"゛ ._.. ‐''″ //   |/     \/     \|
                  _,,.. -──‐- .、.._.   ._,,.. -‐'''"゛   ._,, -'"゛  .,..ー ./゛    .l  .| ヽ   、.\.
       _,,,.. - ,.;:‐''"´.:.:.:.:.:        ``'‐.、    _.. -''゙゛_,,. ,..-'´ /    ,   .l゙ ...l ヽヽ ヽ  `-、
... -ー''''''"´    ,.‐´γ´.:.:.:.:.:            `‐.、"゛ _..-'"゛._..‐″ /     /    /  .| .l  .l..ヽ .ヽ.  ..\
          /;:;:;:γ´.:.:.:.:                \ ,/゛ . ,/     ./   .,  !  ,!  !  .ヽ ヽ ヽ   `
   ._,,,.. -,i´;:;:;:;:γ´               、ヽヽヽ丶`:、 .,/   .,. /   ./   l  ゚ぐ'i゙l゙i   .l ヽ .ヽ
''''"´   /;:;:;:;:;:γ´               、 νヽヽヽ丶 ヽ.     ./ 、     _,.,、‐゙'x゙l,,|l,,| l   . l, .ヽ  .ヽ.
    ,i;:;:;:;:;:;:γ´              、 ν´        i、 ,./  /  [''~''''"~` __  ‘┐. !   ヽ ヽ  ヽ
    .i;:;:;:;:;:;:γ´              、ν´           i../  /   ヽ .,,.-‐''"`.|  ,i´   |    l, .ヽ
   .i;:;:;:;:;:;:γ´             、ν´           l  ./     .``’    |  |       |^ll.  ヽ
. _,, -|;:;:;:;:;:.γ´:::::           、ν´             |/     /  /  l  ト  .|    /'''',,,," 彡.  ヽ
   |;:;:;:;:.γ´.:::::::::            、ν´             |     /  ./  . l  |  |    `゙^ _,| │ ._,,,、 r‐'l .r、、
 ._.. |;:;:;:;:γ´:::::::::::          、ν´             |    ./   !   !  〕  .}    .,/,_ | .} .゙l.| ゙l / l゙
.   l;:;:;:.γ´::::::::::::::::        、ν´              l.   / ゎ,,,,,,、-ー''''"′ ゙l、   l_,'" | .| │ ゙l | |/ l゙
.    i、γ´::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:     、ν´            ,i    / .゙l,      __,l゙      {_,l゙ . : ゙l,,ノ '"│ /
.    i、´;:;:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:   、ν´          ::::::,!   ./    /\,、ー'''"``: ``            ´  .l゙ l゙
. ;:;:;:;:;: ヽ;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、ν´       :::::::::::::::/   ./    !   l    !   .|     !      ,l゙ /
.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:`:、;:;:;:;:;:;: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 丶υ´  ::::::::::::::::::::::::,‐'   ./    /   l   │   l     .l      \,l゙
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\;:;:;:;:;:;:;:;:;: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶υ´::::::::::::::::::::::::/   /     /   . l    .l゙   │     !

135km/h

文字通り渾身のストレートはうねりをあげてスネ夫のミットへと突き進む

余地(ど真ん中の豪速球!?だが甘い!!)

余地のバットが正確に真心を捉えた

余地(こ…これは!?)


                                 "'''‐- ,.         \
                   ''''''-- ,,,,,,___             "'''‐- ,.      \
                           ''''''-- ,,,,,,___         "'''‐- ,.

                                   ''''''-- ,,,,,,___      "'''
                                            ''''''--
               _ ___________                     ο

                                 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      ,、.                                         ___,
    ,l |                                  ,,, ―''''       /

     ,! L.-ヾi=,'                         ,,, ― '''           /
  _,.-'´  _, - '_´                   ,,, ― '''               /   /
  |_,.- '´| L-'´_|          .  ___,,,,,, ― '''            ,.        /    /
   ,.-'´  ,.-'"        ,,,,, ―''''                 , - '"     /     /
  |,.- '´| |    />                       , - '"       /      /
     |,i   / r´  __                 , - ' / /
         く/Ll  //               , - / /
             レ'!_l            , - '"  / /
          /|           , - '"     / /
         //   __     _               /           /
        / ィ'  /__ノ   /丿            /            /
       く/レ         / /            /             /
             ,____,. - '´ /            /              /
            /____,/            /               /

ジャイアン「セ…センタァアアアアア」

打球はセンター寄りの右中間に大きく弧を描いた

余地(クソッ…何て重い球だ!!だがこれはフェンス直撃!
    あのセンターの足じゃ間に合わない!!俺たちの勝ちだ!!)

ジャイアン「ち…ちくしょぉおおおおおおおおおおお」

余地の思惑通りセンターの足では間に合わない

ランナーはタッチアップは狙わずに離塁し、3塁ランナーが帰還
そして2塁ランナーも帰還し、3塁ランナーと勝利の抱擁を――

余地「も…戻れお前らぁぁぁぁああああ!!
       ・ ・ ・
    またあいつだ!!」

余地の“未来写生”は見てしまった…2秒後にフェンス直撃の球を捕球する“ライト”を


スネ夫「の…のび太ァ!!」

のび太「だぁぁぁあ!」

のび太が体をフェンスにぶつけながらもキャッチ――アウトだ

即座に体勢を整えてサードに矢のような送球を放った

2塁ランナー「う…ウソだろ!!」

喜びに浸っていた2塁ランナーが気付いたころにはもう遅かった

のび太が投げたボールは数回バウンドするも
吸い込まれるようにサードのグローブへ突き刺さった

審判「ス…スリーアウト!!ゲームセット!!」

ジャイアンズ「や…やったぁあああああああああああああ優勝だぁぁぁあああああああああああ」

ジャイアンズの一同がマウンドの上に集まり歓喜する

ジャイアン「お…俺たちは本当に優勝したのか…?
        俺は夢を見ているんじゃないのか…?
        おいスネ夫…俺のほっぺをつねって…」

ズブッ!

スネ夫がジャイアンの鼻に指を突っ込んだ

ジャイアン「痛ぇ!!」

スネ夫「何言ってんだよジャイアン!!のび太がやったんだよ!
     のび太のやつ…この状況でスリーアウト取りやがった!!」

ジャイアン「そうだ…のび太のやつはどうした?」


のび太「ジャーイアーン!スネ夫~」

のび太が遅れてマウンドにやってくる

ジャイアン「よ…よくやったぞ心の友よぉぉおおおお
        お前がいなければ…俺たちは終わりだった!!」

のび太「そんなことないよ!ジャイアンの豪速球が無ければあの球はホームランだったさ!」

センター「そ…それでもあのプレイはすげえよ助っ人!!」

本日のび太は助っ人としてジャイアンズに参加している

先日行われた準決勝で正規のライトはクロスプレーの際に足を骨折したためである
その結果勝ち越しサヨナラ勝利をしたジャイアンツであったが
ジャイアンツには控えの面子がいない

誰もが絶望した、試合には登録している選手しか参加できないからである

スネ夫「あ…そういやのび太が登録したままだよ!」

ジャイアンズ設立時、無理やり名前を使われたのび太は選手登録がされていたのだ

のび太「今日はミサカちゃんと遊ぶ約束だったんだけど…
      久しぶりの野球も楽しいね!ジャイアン!」

ジャイアン「な…何ぃ!?」

打ち止め「おーい!のび太~!」

観客席の最前列から手を振る少女――打ち止めだ

打ち止め「カッコよかったよ!ってミサカはミサカは惜しみない賛辞を送ってみたり!
       で…さっきので何点目?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

のび太「そういうルールじゃないよミサカちゃん…」

セカンド「おい…あのこめちゃくちゃ可愛くない?助っ人の彼女?」
サード「馬鹿お前知らないの?あれ常盤台の“電脳妖精”だよ」
レフト「えっ!?電脳妖精って長点上機の“射程圏内”の彼女じゃなかった!?」

ジャイアン「あれ?言ってなかったか?あの助っ人が――」

スネ夫「あいつこそが長点上機の“射程圏内”だよ
      ああ見えて我が校のエースさ…もっとも電脳妖精と付き合ってるってのは間違いだけどね」

一同「!!!!!?」

ショート「すげーよ助っ人!流石レベル5は野球も上手いんだな!」

ジャイアン「そういやのび太…お前いつの間にあんなセンター寄りのシフトしてたんだ?」

素直な疑問だった

のび太は3年前、一方通行の死(勘違い)、ドラえもんの別れから改心し、努力をした
その結果、運動神経もずば抜けて向上したのだが――

スネ夫「いくら足が速くてもあれは間に合わないだろ?
      もしライト線ギリギリだったらどうしたのさ?」

ジャイアン「今日の試合やたら気の利いたシフトばかりだったな」

のび太「ああアレね。弾道予測しただけさ」

ジャイアン「…ダンドーヨソク?」

スネ夫「ゲェっ!?」

のび太「うん。僕の能力…というかただ演算だけどね
      あいつがバット振り始めた瞬間からボールがどこに落ちるかわかったわけ
      スタートが早かったからギリギリ間に合ったよ」

ジャイアン「…つまりアレかのび太…?お前は能力を使ったのか…?」

のび太「うーん…直接風を操ったわけじゃないけど…そういや感知はしてたなー
      共同研究は弾道予測関連ばかりだから能力と言えば能力になるのかな?」

スネ夫「ジャ…ジャイアン!!のび太は難しい言葉ばかり使ってるけど能力じゃないよ?
     決して風でボール操ったとか未来を予知したとかそんなのじゃないからね!?
     言ってみればすごい勘みたいなものだよ!勘!」

スネ夫は必死にフォローに入る

打ち止め「勘っていうのは失礼だよ!あそこまで完璧な弾道予測は他のレベル5にはできないんだよ
        ってミサカはミサカは訂正を求めてみたり!」

スネ夫のフォローも虚しく
のび太を待ち切れなかった打ち止めが降りて来るなりジャイアンの火に油を注いだ

打ち止め「そんなことより早く遊びに行こうよ~
       ってミサカはミサカは腕を引きつつ周囲にアピールしてみたり!」

のび太「うん!じゃあ行こっか!…ってどうしたのジャイアン?
      そんなにわなわなと震えて?」

ジャイアン「の…のび太てめぇぇええええええええええええええ
        神聖な侍ジャイアンズに泥を塗りやがってぇぇえええええ
        それにミサカちゃんとそんなにイチャイチャしやがってぇぇぇぇぇえええええ」

のび太「何で!?僕何かした…ってうわぁぁぁあああああああああああああああああ」

ジャイアンにぼこぼこにされるのび太

打ち止め「…ミサカ何か悪いこと言った?ってミサカはミサカは確認を取ってみる」

スネ夫「…やれやれだよ」

ジャイアン「お前なんか…お前なんかギッタンギッタンのケチョンケチョンにしてやるぅぅううううううううう」

ジャイアンはジャイアンズのたった1つの理念を掲げ、それを達成した

―燃えろ侍ジャイアンズ! 完―

パー速でやるのが筋だっただろうか

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
野比のび太 “レベル5” “射程圏内”  “第六位”

正式な区分は“空力使い”

大気操作、風の扱いはお手のもの
のび太はモデルガンに“空気の弾”を詰め込み、射出する
その最高射程は6km(10kmというのは噂の誇張表現)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『とある2人の空力学会』

―第五学区・とある大学―

3月上旬

年度末で来年度への準備が慌しいこの季節
ここでは空力能力者による学会が行われていた

のび太「トホホ…」

メガネを掛けた中学生――野比のび太は落ち込んでいる
原因は先程行った学会発表にある

『誘導装置を必要としない弾道ミサイル迎撃システムの開発』

というテーマで発表を行ったのだが…

一方通行「…学会発表するっつうから学会入会費払ってまで見にきたのによォ?
       ンだァ?あの無様なプレゼンは」

のび太を説教しているのは――“元第一位”の一方通行

今は学園都市暗部から身を引き、民間の極秘諜報機関で働いている
同時に、のび太の能力を開発した師匠でもある

のび太「…そんなにダメでしたか?」

一方通行「ありァ聞いてたやつらは全く理解してなかったぞ?
       わかってたのはオマエと共同研究してる科学者か俺ぐらいだ
       典型的なオナニープレゼンってヤツだなァ」

のび太「うう…やっぱり発表は苦手だなぁ…」

レベル5となり急激に天才へと変貌したのび太であるが
やはりまだまだ中学生、発表能力が不足していた

一方通行「落ち込ンでねェで他の発表聞いて上手い部分は吸収しろ
       次の学会ではちったァマシなプレゼン聞かせろよ」

のび太「…師匠の言う通り他の能力者の発表でも聞こうかな」

パンフレットを覗き、今行っている発表で面白そうなものを探す
ふと自分と同じ兵器部門に興味深いタイトルを見つけた

『“窒素装甲”の原理解明と兵器運用への展望』

のび太「窒素装甲って確か…?」

発表者の名前を見る

霧ヶ丘女学院1年 絹旗最愛

のび太「キヌハタ…モアイ?」

―とある講堂―

霧ヶ丘女学院の制服を着た少女、絹旗最愛は淡々と発表をしていた

窒素装甲
絹旗最愛が所有するレベル4の能力
空気中の『窒素』を自在に操り、圧縮した窒素の塊を制御することで
自動車を軽々と持ち上げるパワーや、直撃した銃弾を逆に潰す程の頑丈さを発揮する

今はそれの原理を説明し、それを機械によって再現する…という発表を行っている

絹旗「…以上で発表を終了させていただきます」

座長「ただいまの発表について何か質問はありますか?」

数名の科学者が鋭い質問をする
絹旗は慌てることなくそつなく対処。短いながらも的確で有意義な受け答えが続いた

のび太「ほえー凄いなぁモアイちゃんは」

聴衆が皆キョトンとし、曖昧な質問しか来なかった自分の時とは大違いだ
質疑応答が終わり、絹旗が退室する

のび太「あっ!!ちょっと話を聞こう!!」

のび太は慌てて後を追った

しえん!

絹旗「まったく…表でのお小遣い稼ぎとは言え
    学会発表ってのは相変わらず超面倒臭いですね
    超早く帰って映画にでも――」

のび太「モアイちゃ~ん!」

絹旗「っ!?あなたはあの時の“レベル5”?」

のび太は3年前、暗部である絹旗に命を狙われ、戦ったことがある
ちなみに勝負の結果はのび太の勝利

のび太「やっぱりあのときの君だね!久しぶり!
      モアイって名前だったんだ!」

絹旗「『さいあい』です
    何ですかその鼻が超高そうな名前は」

のび太「サイアイちゃん…言いにくいからモアイちゃんでいいや!
      ねーねーモアイちゃんお腹空かない?一緒にご飯食べようよー」

―とある大学・食堂―

のび太「凄いねーモアイちゃんは
      僕あんな上手な発表出来なかったよ」

のび太はラーメンを啜りながら言う

絹旗「ああ…『何だが凄そうなこと言っているけど超難解でよくわからない発表をした中学生』
    って君だったんですね。私も初めての発表は超緊張してそうなりましたよ」

絹旗はサンドイッチをつまみながら適当に答える

のび太「ホント!じゃあ僕もモアイちゃんみたいになれるかな?」

絹旗「さあ?超努力すれば出来るんじゃないですか?」

絹旗(それにしても警戒心が超薄いお子様ですね
    昔殺し合ったこと超忘れているのでは?)

のび太「そういやさぁ~
      今日はみんなとは一緒じゃないんだね」

絹旗の手がぴたっと止まる
のび太が言う『みんな』とはおそらく“アイテム”を指すのだろう

絹旗「滝壺さんは…君はあったことありませんでしたね」

のび太「うん、麦野さんとフレンダちゃんしか知らないや
     2人とも元気?」


絹旗「…2人とも超昔に死にましたよ」

のび太「…え?」

絹旗「超付け加えますとフレンダを殺したのは麦野です
    そんな麦野もアイテムの下部組織の超アホに殺されました

     ・ ・ ・ ・ ・
    そんな世界です

    わかったら私に超馴れ馴れしく話かけないことですね」

絹旗は2人分の伝票を持ちその場を去った
のび太は絹旗を見ながら呆然としている

絹旗(あの子は学園都市の“暗部”を超知らなさ過ぎる)

絹旗は何故か若干の苛立ちを覚えていた

支援!

―とある大通り―

絹旗「まったく…超純粋なお子様ほど困ったものはないですね」

絹旗は大学を出てすぐの道路で呟く

すると、絹旗のすぐ側に黒いワンボックスカーが止まりその中から黒ずくめの男が出てきた
その手に持つものは…銃

ドガガガガガガガ

絹旗「!?」

白昼堂々、男は銃を乱射してきた
周りにいた通行人は悲鳴を上げて一斉に逃げ出す

絹旗は窒素装甲で守られるも銃弾の衝撃を殺し切れず地面に叩きつけられていた

絹旗「それは…軽機関散弾銃」

軽機関散弾銃
学園都市製の速射が可能な散弾銃であり
近距離での威力は窒素装甲でも防ぎきることが困難な代物だ

襲撃者「この間はよくもうちの組織を潰してくれたな…絹旗最愛」

どうやら先日潰したテロ組織の残党らしい

絹旗(…またですか)

絹旗はそう思った
アイテムが崩壊して3年。それ以降絹旗は誰とも組まずに仕事をし続けた
標的を殺しては逆に命を狙われる毎日…そんな毎日に疲れきった絹旗は任務中での死を望むようになっていた

しかし“暗闇の五月計画”の被験者である絹旗は
一方通行の演算パターンを参考に最適化された自動防御能力を持つためそれが許されない
いくら狙撃をされようが窒素装甲は絹旗の身を守るのだ…しかし

絹旗(軽機関散弾銃ですか…アレなら私を殺すのは超簡単ですね)

襲撃者が倒れている絹旗に銃口を向ける

絹旗「親に超捨てられ、モルモットになり、暗殺者となって、仲間を超失い、1人さびしく死ぬ
    …いかにもB級映画の雑魚役みたいですね。まったく…超クソッタレな人生でした」

襲撃者「わかってるじゃねえか」

襲撃者が引き金を引いた

支援

やはりこのスレタイはアウアウだったか…
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

絹旗「…え?」

襲撃者「なっ何故死なねえ!?」

絹旗の窒素装甲は作動していない
ふと絹旗は左方を見る――10m先のアスファルトが抉れていた

のび太「昼間っから女の子相手にはしゃいでンじゃねェよロリコン」

絹旗の右方にいたのはのび太――両手にはエアガンを持っている

襲撃者「な…何したんだてめえ!!」

のび太「オマエの銃弾を全て撃ち落しただけさ」

襲撃者「くっ…!!」

男が銃を構える――しかしのび太の早撃ちの前にあっけなく敗れ気絶した

絹旗「…メチャクチャなこと超簡単に言ってのけますね」

のび太「無事でよかったよモアイちゃン」

絹旗「超勝手なことを言ってくれますね
    …まあ一応超ありがとうと言っておきます」

―死ぬのが今日じゃなかっただけのことです

のび太「ン?何か言った?」

絹旗「…言ってませんよ」

絹旗がスカートに手を伸ばす
現れた白い太ももにあるホルスターから小型の銃を取り出した
狙う先は――気絶している襲撃者

のび太「っ!?何すンだ!!」

絹旗「何って超殺すに決まってるじゃないですか
    相手も超その気だったんですし」

のび太「ンなことしたらまた仕返しが来るじゃねェか!!
      いつか本当に死ぬぞォ?」

絹旗「…そんなこと超判りきっていますよ!
    超殺して、超仕返しにあって、超返り討ちにして
    それを超繰り返していくうちにいつか死ぬ
    それが暗部の末路ってものです」

サルったか・・?支援

サルってましたorz
保守ありがとうございます
どのぐらいの間隔だとアウトなんですかね
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

のび太「…だったら暗部を辞めればいい!!」

絹旗「そ…そんなことが超簡単に――」

のび太「出来る!!俺の師匠はそォやって生きてるンだ!
      その先は俺が守る!」

絹旗「暗部を…辞める…」

そのとき絹旗は気づいた
襲撃者が意識を取り戻しこちらに軽機関散弾銃を向けていることを

絹旗(っ!?この子だけは!!!)

サルって連投しなければセフセフ?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
絹旗がのび太と襲撃者の間に割って入ろうとしたそのとき

のび太「…試してみるか!」

のび太が絹旗の腕を掴み自分の後ろに放り投げる

絹旗「ばっ…馬鹿――」

ドガガガガガガガガァン

のび太の身体が宙に舞う――傷一つなく

のび太「痛ェな!!」

宙に舞ったままの体勢でのび太は発砲
鼻・顎・鳩尾…空気の弾で襲撃者の急所を的確に撃ち今度こそ完全に気絶させた
しばらくは目が覚めないであろう

受身も取れず、二回、三回とバウンドするのび太―しかし無傷

絹旗「お…窒素装甲(オフェンスアーマー)?」

銃をブレザーの内ポケットにしまいながらのび太が答える

のび太「さっきのモアイちゃんの発表を聞いて仕組みがわかったんだ
     同じ空力使いだから絶対に出来るって確信があった
     でもまだモアイちゃんみたいに重いもの持ち上げたりとかは出来ないかな…だからさ!」

絹旗「??」

のび太「これからも窒素装甲の使い方教えてよ!それに学会発表のやり方も!
      暗部なんてやめてさ!その代わり今みたいなやつが来たら僕がモアイちゃんを守る!」

絹旗「…こっちの都合は超お構いなしですか
    いいですよ。超教えてやろうじゃないですか
    …その代わり私は知り合いに超依存するタイプですよ?」

のび太「お互い様さ!」

2人は笑いあった

―長点上機学園学生寮・のび太の部屋―

絹旗「…というわけでお隣に超引っ越してきた絹旗最愛です。超よろしく
    超可愛いロボットがいるんですね。超シュール系なんで滝壷さんが超好きそうです」

ドラえもん「シュ…シュール系だって!?」

のび太「何でモアイちゃんがお隣に!?ここ長点上機の学生寮だよ!?」

絹旗「霧ヶ丘から超転校したんですよ
    長点上機の編入試験は超難関と聞きましたが
    私の超頭脳を持ってすれば超余裕でしたね
    今日から長点上機学園高等部の1年生です」

のび太「暗部はどうしたのさ?」

絹旗「ああアレね…昨日、超正規な手順を踏んで退職しましたよ
    それでも口封じは超怖いですが…超守ってくれるんでしょう?」

のび太「もちろんさ!ってもう一方の約束なんだけど…

      僕の学会発表のどこが悪かったか教えてよモアイちゃぁぁん」
                                        ・ ・ ・
絹旗「まったく…能力は超天才のくせに頭は超悪いんですねのび太

    まずはその糞発表をお姉さんに超聞かせてから――」

ドラえもん「いつの間にか…のび太くんがフラグ体質に!?」

―とある2人の空力学会 完―

チャカチャカチャン

ドラえもん『みせかけモテモテバッジ』

―長点上機学園学生寮・のび太の部屋―

絹旗「だーかーらー!何でそこで話が超飛ぶんですか
    前後の繋がりが超曖昧でしょう?
    超流れ良くするために間の説明を入れないと」

のび太「えー?そんなことまで説明しないといけないのー?」

のび太は今日もお隣さんの女子高生―絹旗最愛に学会発表のいろはを教えてもらっていた

絹旗「学会ってのは自分の研究を超売り込みする場ですよ
    超バカなやつにでも超丁寧に教えないと意味が無いんです
    のび太がやってるのは超オナニーってやつですね」

のび太「そ…そんなぁ」

絹旗「その超足りない頭で超想像してみなさい
    ――のび太は超美少女絹旗サマの超天才的な研究発表を聞きに来ました
    そこで超始まったのは私のオナニー――ほら?超どん引きでしょう?」

のび太「いやぁ…モアイちゃんがやるならある意味うれし――」

絹旗「黙れ!超黙れこの超のび太!
    そして私の下腹部を超ガン見するな超気持ち悪い
    …今のは例えが超悪かったけどだいたいそういう意味なんです」

のび太「…はぁ~い」

絹旗「…ったく、今日の授業は超終了です
    今日言ったところは明日までに超訂正しておきなさい」

のび太「モアイちゃんもう帰るの?」

絹旗「いえ今日もご飯を超いただきます」

のび太「えー、またー?」

絹旗「超依存するタイプと言ったでしょう?
    …ご飯の前に映画見ませんか?」

絹旗は一つのDVDを取り出す


タイトルは『トラえもん、こび太と鉄人兵団』

絹旗「見てくださいよこのパッケージ!
    ゆるキャラ狙ってるのかってぐらい超ふざけたマスコットの超キリッとした顔!
    そして超ダメダメなオーラを纏った少年がここぞとばかりにヒロイン風の少女を超庇うその姿!
    挙げ句の果てには○式のカラーチェンジでしかないパクリ超丸出しなロボット!
    これは超ガチで名作を狙ったもののこけてしまった天然物B級映画の匂いがします!!」

絹旗は拳を握り力説する
こう言ったB級映画には目が無いのだ

のび太「いーや違うね!

      これはそう言ったミスマッチを狙ったギャップある作品だと僕は見た!
      きっと全人類の存亡をかけた戦いにまで発展するよこれ
      そして謎の女性との出会いが少年を強くする感動巨編に違いない!」

絹旗「のび太のくせに超生意気言いますね
    B級映画の深淵に超誘ってあげますよ!」

のび太「望むところだ!」

絹旗「じゃあプレーヤー借りますね」

立つのが面倒だった絹旗は四つん這いでプレーヤーのもとへ向かう

のび太「も…モアイちゃん!す…スカート危ないよ!」

のび太にお尻を突き出した状態の絹旗は非常に悩ましい姿であった
下着が見えるか見えないかギリギリのラインであり、眩しいぐらいの白い太ももが見える

絹旗「見えないよう超計算してるんで。そこらへんのビッチとは超違うんです
    だいたい何が悲しくてのび太なんかに今夜のずりネタを超提供しなきゃいけな――あれ?」

絹旗はプレーヤーに既にDVDが入っていることに気づく

絹旗「前に見たDVDを超出し忘れてますよのび太」

のび太「○×△□☆!!!!!!?????」

絹旗「何をそんな超慌てて…ってうわぁ」

絹旗がDVDを手に取る
タイトルは『シスター×巫女 ~魔術と科学が乱交するとき~』――先日上条から借りたAVである

のび太「ちょ…それは!!違うんだよモアイちゃん!!それは知り合いに――」

絹旗「あーはいはい別に超どうでもいいですよ。それとも『きゃーのび太のえっち!』って答えを超期待してましたか?
    そんな性癖があったとは超知らずにどうもごめんなさい」

のび太「そ…そんなわけないじゃないか!!返して!」

のび太が手を伸ばすも絹旗は渡さない

絹旗「しっかしまあ…こんな超くだらない企画モノで夜な夜な超サカっていると考えるとお姉さんは悲しいですよ
    そんなのだといつまで経っても彼女が超出来できないですよ?」

のび太「ぐぅ…モアイちゃんに僕の何がわかるんだい!」

絹旗「ほぅ…それはあれですか?のび太は超モテモテなイケメン少年だとでも?」

のび太「ああそうさ!何てったって僕は“レベル5”の“第六位”だからね!
      長点上機の女の子は僕に憧れているに決まってる!」

絹旗「へー、転入してきて一週間も経つ私はそんな話、超初耳ですけどね」

のび太「ちゅ…中等部では超人気なんだよ!」

絹旗「じゃあ私の前に超たくさん連れて来てくださいよ」
のび太「ああいいとも♪」

絹旗「明日の17時、公園に連れてきてくださいね」
のび太「ああ!いいともぉ♪」

―1時間後―

ドラえもん「ふーやっと統括理事の仕事が終わった
        やっぱ年度末はいろいろと忙しいなー」

のび太「ドラえもぉぉぉぉおん!」

ドラえもん「…どうしたんだいのび太くんそんなにあわてて」

のび太「女の子にモテモテになる道具出してよぉぉぉぉぉおおおおおお」

ドラえもん「っ!?何ぜいたくなこと言ってんだこのフラグ男め!!
        きみは上条当麻にでもなりたいのか!?」

のび太「かくかくしかじか」

ドラえもん「何でまたそんな約束したんだい君は
        万年ドベでグズな君がモテるはずが無いじゃないか」

のび太「言ってくれるじゃないかドラえもん

      君が眠っていた三年間で僕は変わったんだ!
      ホントに学園ではモテモテなんだぞ!?」

のび太が言っていることは本当である――いや本当であった

のび太が長点上機学園中等部に入学したてのとき
のび太は嘘のように女の子にモテた

「野比くんって可愛い顔してるよねー」
「でも能力使うときキリッとしてて凄くカッコいいんだよ!」
「それなのに天才!って感じな嫌味さが無いよねー
 勉強も普通!…ってぐらいだし」

などともてはやされ、数人の女の子からはラブレターも貰った
これも一重に“レベル5”の“第六位”というネームバリューがあったためである
いわば芸能人と同じ学校になったようなニュアンスだ

しかし、長点上機に入って1年、非日常であった“レベル5”は日常となり、のび太も正当な評価をされ始める

「野比くんって…さえないというかパッとしない顔だよねー」
「能力使うときさ…変な言葉遣いになってちょっと痛々しいよ…」
「レベル5ってみんな頭いいんでしょ?…それなのに野比くんの成績って何であんなに微妙なの?」

女の子なんてこんなものである

のび太「何でクラスの女の子に全員電話しても誰も捕まらないのさ!!」

ドラえもん「だからモテモテになる道具を出せと?」

のび太「そうそう!モアイちゃんをギャフンと言わせてやるんだ!!」

ドラえもん「そういう道具は無いことはないけど…」

チャカチャカチャン♪

ドラえもん『みせかけモテモテバッジ』

のび太「うお!いかにもモテそうな名前だぞ!」

ドラえもん「使い方を説明するね
        まずこのバッジについてるカメラでね、女の子の写真を撮るんだ」

のび太「そしたらその女の子が僕のこと好きになるの?
      1人じゃ意味ないよー!僕はモテモテになりたいんだ」

ドラえもん「まあまあそんなにあわてないで最後まで聞いて

        その女の子の前でこのバッジをのび太くんがつけるとね
        バッジからモテモテ電波が発生してのび太くんはモテモテになるんだ
        ただし写真を記憶した女の子には効果がない」

のび太「うん?凄い道具だけど何でその女の子には効かないの?」

ドラえもん「…要するにね、モテモテになることで意中の女の子の嫉妬心を煽る道具ってわけ」

のび太「なるほど!すごーい!!」

ドラえもん「正直…モテない男が気休めに使うみじめな道具だけど…ホントにいる?」

のび太「いいから。それかしてよドラえもん!」

ドラえもん「君はプライドってものがないなー」

―翌日・とある公園―

絹旗「で?超誰も来ないんですがやっぱり嘘ですかのび太?」

のび太「今に見てなモアイちゃん!」

既に絹旗の写真は盗撮済み
あとは女の子が近くに通るのを待つのみである

「ねえ…アレ見てよ!長点上機の“射程圏内”よ!」
「ええ!?あのレベル5の!?」
「サインもらいましょう!」

キャーキャー

絹旗「なっ!?」

のび太「ぐへへ…困るなぁ~君たちぃ。ちゃんと順番守ってよぉ~。写真?いいよいいよ一緒に撮ろうか」

「いやんもう!肩に手なんて伸ばしちゃてぇ~」
「いいなぁー私も写真一緒にお願いします!」
「素敵な笑顔…」

気が付けばのび太の周りは人だかりが出来ていた

美琴「の…のび太…この前のデートだけどさ…楽しかったわよ。ドッキリ仕掛けちゃってごめんね」
のび太「み…美琴ちゃん!?」

気づけば美琴がのび太の腕を抱いていた

御坂妹「お姉さまだけずるいです…とミサカは対抗して反対の腕を攻めます」
のび太「美紀ちゃんも!?」(※美紀=御坂妹の御坂家での名前)

2人の高校生に両腕を取られる

のび太「ふ…2人ともしょうがないなぁ~、あは…あははははは
      どうだいモアイちゃん?これでわかっただろう?」

絹旗「の…のび太のくせにホントに超モテモテだったとは…超迂闊でした」

絹旗が肩をわなわな震わせている

のび太「わかればいいんだよわかれば。わっはっはっはっはっは」

上条「い…いったい何ですか?この人だかりは?」

のび太「あっ!上条さん」

するとのび太を取り囲む女の子たちに異変が起きた

「あなたは、この間は不良に絡まれているところ助けていただいてありがとうございました///」
「足を怪我したときに病院に送っていただきありがとうございました///」
「公園で1人、失恋で落ち込んでいたときに相談に乗っていただき――」
「重い荷物を運んでいただき――」
「道案内していただき――」

上条「うおっ…そういやそういうこともあったような…って多っ!!」

のび太「えっ?ええ!?」

気が付けばのび太の取り巻きは全て上条の周りに集まっていた

美琴「ちょ…ちょっとアンタ女の子に囲まれて何デレデレしてんのよ!?」

美琴ものび太の前を離れ、上条の腕を引っ張る

御坂妹「あなたは歩くたびにフラグを立てているんですか
      とミサカは呆れつつもお姉さまに追従します」

のび太「ちょっと!…2人とも待って!」

上条「と…とりあえず逃げろ!!」

「ちょっと待ってくださ~い」

上条は走り去り、女の子たちは上条を追っていった

のび太「僕の幻想…ぶち殺された…ガックシ…」

絹旗「…どうやら彼の方が超モテモテだったみたいですね
    のび太ごときがモテようなんて超早いんですよ」

のび太「グスン…何でそんなに元気なのさ?」

のび太はバッジを取りつつたずねる

絹旗「さあ~?それより昨日見る予定だった映画でも超見るとしましょう」

打ち止め「のび太ぁ~」

のび太「あれ…?今日テストじゃなかったの?ミサカちゃん?」


打ち止め「早く終わったからのび太ん家で遊ぼう思ったの!ってミサカはミサカは活動指針を述べてみたり!
       こんな公園で何してたの?ってミサカはミサカは隣にいるお姉さんをチラリと見ながら質問してみる」

絹旗「…何ですか?この超媚びキャラは」

空気が凍りつく

打ち止め「こ…媚びてなんかないよ!ってミサカはミサカは否定してみたり
       というかあなたは誰なの?ってミサカはミサカはたずねてみる」

絹旗「その喋り方なんてまさに超媚びキャラじゃないですか
    私はのび太の部屋のお隣に住んでいる超お姉さん的存在ですよ」

打ち止め「ちょ…超超つけてキャラ付けしてるあなたに言われたくないもん!ってミサカはミサカは憤慨してみたり!」

絹旗「私のこれは超口癖です。対してあなたのその喋り方は口癖を通り越して超狙っているとしか――」

のび太「ちょ…ちょっとモアイちゃんもミサカちゃんも喧嘩しないでよー!」

………

タケコプターで上空から様子を見ていたドラえもんがしみじみ述べる

ドラえもん「やれやれ…道具なんて使わなくてもモテモテだと気づけばいいのに」

―みせかけモテモテバッジ 完―

ストックは@1
サルになったらすみません
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『とある姉妹の姉妹喧嘩』

―とある学生寮・電磁姉妹部屋―

8月15日
夏休み真っ只中のクソ暑い日に
2人の姉妹は喧嘩していた

美琴「アンタねぇ!!そういうのを贅沢って言うんでしょうが!」

御坂妹「贅沢ではありません。とミサカは間髪入れずに訂正を求めます」

喧嘩の原因は御坂妹の買い物
本日夕ご飯の当番であった御坂妹は食材の買い出しに行ったのだが…

美琴「この牛肉やケーキのどこが贅沢じゃないって言うのよ!?
    アンタ家の経済状況わかってる?」

打ち止めを含む妹達9970人を新たに娘として迎えた御坂家はたいへん生活苦なのだ

御坂妹「ですから特売品を買ったので無駄遣いではありません
      とミサカは自己の正当性を主張します」

美琴「だーかーらー!特売品でも豚肉や鶏肉買えばその分お金が浮くでしょうが!!
    それにケーキに関しては完全な無駄遣いじゃないの!…ったく今日は何の記念日でも無いのに」

御坂妹「…覚えていないのですか?」

美琴「ん?アンタの誕生日は5月でしょ?…私の誕生日も違うし」

御坂妹「…もういいですよ。とミサカはお姉様の記憶力に幻滅します」

美琴「はぁ!?何でアンタが逆ギレしてんのよ!怒ってるのは私の方よ!」

御坂妹「…ミサカたちがいなければお姉様はお金持ちお嬢様でしたものね
      とミサカは言い残して家を出ます」

美琴「ちょ…!?何もそこまで言って無いでしょ!?なに拗ねてんのよ戻りなさい!」

御坂妹「…買い忘れがあったので出かけるだけです。夕方には戻ります」

美琴「ちょっとまだ何か買う――」

バタン!

御坂妹はドアを締めて走り出した

御坂妹(今日は…お姉様と“ミサカ”が初めて会った日ですよ…)

―第七学区・とあるスーパー―

御坂妹(ここにも無い…)

御坂妹はスーパーの入り口に置いているであろう“とある物”を探していた――これでもう4件目だ

御坂妹(やはり絶版になったのでしょうか…)

のび太「あっ!美紀ちゃんだ!こんにちはー」

御坂妹「どうも」

のび太「“こんなもの”見て何してるの?まさか欲しいの?意外だなー」

御坂妹「いえ…欲しいものはもうないみたいです
      とミサカは落胆します…っ!!」

御坂妹がのび太を見てハッとする

のび太「どうしたの美紀ちゃん?」

御坂妹「ミサカを過去に連れて行って下さい
      とミサカは両手を握り懇願します」

―長点上機学園学生寮・のび太の部屋―

ドラえもん「別にいいけど…いったいいつにいくのさ?」

御坂妹「4年前の…8月15日」

ドラえもん「その日はまだ…!!

        …歴史を変えるのは許されないよ?
        何があっても後悔しないね?」

御坂妹「…はい」

のび太「何?何かあるのその日?僕も行く!」

ドラえもん「…いいの美紀ちゃん?」

御坂妹「構いません」

ドラえもん「美紀ちゃん…じゃあのび太くんをお願いね
        あと一応この石ころ帽子渡しておくね」

御坂妹「感謝します」

―4年前・8月15日―

のび太「着いたー!あれ?美紀ちゃんどこか行くの?」

御坂妹「用事を済ませに…“探し物”がありますので

      20:00までにはここ戻るので適当にぶらついていて下さい
      とミサカは約束を取り付けます」

約束するなり御坂妹は走ってどこかへ行ってしまった

のび太「あ!ちょっと待っ――うーん…あの強引さ

      なんだかんだ言って姉妹全員そっくりだなー
      …暇だしどこか行くか」

―とある公園―

のび太「ああ暇だ…3年前の僕にあっても仕方ないしな~
      …っ!?あれ?あんなところにミサカちゃんが2人いる!?」

のび太の視線の先には2人の“打ち止め”がいた――いや

のび太「そっかそういやここ4年前か~

      じゃああれは美琴ちゃんと美紀ちゃんってことだ
      しっかし三人揃ってほんとそっくりなもんだ」

のび太はこっそり草むらに隠ながら様子を見る

美琴と御坂妹は2人でしゃがみ込み黒い子猫を見ている

美琴「――私の体から出る微弱な電波に反応されちゃうの」

美琴の手の先には黒い子猫がビクビクしている

ミサカ「…ミサカもダメなようですね」

美琴「はぁ…」
ミサカ「………」

のび太「ふふふ、2人で子猫とじゃれてるんだ」

美琴「そぉぉぉぉじゃなくってぇぇぇぇぇええええ!!!!!
    アンタ私の…クローンなわけ?」

ミサカ「はい」

そこから2人の言い合いが始まった

のび太「そっか、2人が初めて会った日なんだね
      おっ?動いたぞ!ちょっと様子を見てみよーっと!」

のび太はこっそり後をつけることにした

美琴と御坂妹は相変わらず言い合いを続け――
というより美琴が一方的につっかかっている

通行人「あっ!常盤台の双子が喧嘩してる」
美琴「こ…こいつは妹なんかじゃない!!」

のび太「あっはっは!美琴ちゃんったら照れてやんの」

その後も御坂妹が「紅茶飲みたい」だの「ハンバーガー食べたい」だの言い散々美琴を連れまわしていた
その姿はまるで――

のび太「まるで本当の双子みたいだ。2人は昔から仲良かったんだな~」

午後19:30
気がつけば辺りは暗くなっていた

のび太「そろそろ集合場所に行かないとな~
      ん?美琴ちゃん何してるんだ?」

美琴は屈みながら御坂妹の服に何かを取り付けている

ミサカ「何でしょう?」

美琴「いいからジっとしてなさい…出来た!」

御坂妹の服には“ゲコ太の缶バッジ”が付けられていた
本日美琴が苦労の末、ガチャガチャで手に入れたものである

美琴「うん!鏡で見るよりわかりやすいし客観視できるわね
    こうして見ると結構アリな気も…」

                ____
               /=======ァ^ト┐
               ト=======扣z<ヽ
               人二二二二式 |:.:',   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 /:/:{/-|/}/}/-ヾ :l|.:.:|  |  いやいやねーだろ
             |イ:i:代ナ 弋ナ Ⅶ .:| <   とミサカは

         /}}}    Nリ  __   rjノ :|  |     お姉さまのお子様センスに
       f爪n |jノif}    }ゝ.└─┘イ:i.:|:i.:.|  |       愕然とします
    -={  j.{=|' ノ   /イ:.i:|`r斤ー'>、:|:|八  \__________
      ヽ ノ三 |     jィT∨ヘ/} /\{ \
      -= ヘ王│  _/V,' {」/ / {/ハ

        ',-ヘ! |∠、 V |  |/ 〈†〉 }ノ  '、
        ヽ 乂 } │ {│    │ イ   〉
            \__,xくl /} |     |   |   /
                ∨/ ,'     |  └rー|
              }./      |   l'| │
             /{」=ー   -|=彡〈.| │
             {>,、-==ニ 了   `| │
            /((゚v゚))   |   〈|  |
             〈r┬== 〒===r≧|  |
             /::::|::::::::::: i|::::::::::: |i:::::|  |

美琴「なっ…何おう!!」

美琴「じょ…冗談よ冗談ちょっと試しに付けてみただけ」

美琴が缶バッジに手を伸ばす

スパァン!

御坂妹の手が美琴の手をはたいた
…美琴が反対の手を伸ばす

スパァン!

美琴の手がじんじんと痺れる

美琴「……………」
ミサカ「……………」

スパパパパパパパパパァン

美琴「いってぇ!何すんのよっ!」

ミサカ「ミサカに付けた時点でこのバッジの所有権はミサカに移ったと主張します
     お姉さまの行為は強奪であるとミサカは訴えます」

美琴「何だその屁理屈――」

ミサカ「屁理屈ではありません…それにこれはお姉様からいただいた初めてのプレゼントですから」

美琴「!…」

すみませんまたサルってたorz 本当に保守ありです
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ミサカ「もうちょっとマシなものはなかったのかよ
     という本音を胸にしまってミサカは嘆息します」

美琴「やっぱ返せぇぇええ!!」

のび太「あははは!面白いな~あのやりとり…ってあれ?美紀ちゃん?」

気がつけば御坂妹(現代)ものび太と同様に隠れながら2人を見ていた
気のせいだろうか?いつもポーカーフェイスな御坂妹がどこか悲しげな目をしているように見える

のび太「あれ?探し物は見つかったの?」

御坂妹「はい…では帰りましょう」

のび太「もう少し見ようよ~。それとも自分を見るのは恥ずかしい?」

御坂妹「そんなところですかね…ちょっと向こうを見てもらえませんか?」

のび太「こう?」
のび太が御坂妹に背を向ける

バチチチチチィ!!

のび太「ぎゃんっ!!」

のび太は御坂妹の電撃を浴び意識を失った

サル解除まで暇すぎて作った産物
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org725608.bmp.html
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
御坂妹「…すみません。あなたにこれから起こることを見られたく無いもので」

気を失ったのび太を背負い、御坂妹は2人を――

        ・ ・ ・ ・・・・ ・
――美琴とミサカ9982号を見る

美琴「何…?何かまだあんの?」

               ・ ・ ・ ・ ・
ミサカ9982号「いえ…さようなら、お姉さま」

美琴「うん、じゃあね」

そう言って美琴と9982号は別れた

今から約2時間後――ミサカ9982号は死ぬ

―第一七学区・とある操車場―

御坂妹「………」

操車場が見わたせる橋の上
御坂妹は気絶しているのび太をおんぶしていた――2人とも石ころ帽子を被っている

御坂妹は操車場で行われている“ある光景”を見ていた

ミサカ9982号「はぁ…はぁ…はぁ…」

9982号は頭から出血しながらもなお走っている

一方通行「はっはァ!逃げろ逃げろ
       その分だけ長生き出来っからよォ
       こいつは命がけの追いかけっこだからなァ」

――絶対能力者進化実験…一方通行による妹達の虐殺の一部である

一方通行「追いつかれたら
       ゲームオーバーだぜェ」

その後も、一方通行と9982号の戦いを御坂妹はただただ見続けた


ズドォォォォォン…

9982号が発動させた地雷が一方通行を襲う

ミサカ9982号「…目標は…完全に…沈黙?」

………

御坂妹「ダメです!彼はまだ…!!」

そんなことを言っても一方通行は止められない
ましてや9982号に声は届かない

御坂妹(…!!ミサカネットワークに無理やり侵入し信号を――)

( ドラえもん「…歴史を変えるのは許されないよ?何があっても後悔しないね?」 )

ドラえもんの声が頭を過ぎる

御坂妹(わかっていたはずなのに…覚悟していたはずなのに…!)

グシャァ

ミサカ9982号「ああああああッ!!」

一方通行が9982号の足を引きちぎり、無造作に投げ捨てた

ミサカ9982号「ぐッ…!!」

バチィ!

9982号が放つ電撃…それが捉えたのは一方通行では無く、9982号自身であった
一方通行の反射である

カランカラァン…

ゲコ太の缶バッジが弾け、転がる

………

御坂妹「アレは…そうですアレはあの時に…
      …っ!?」

そこで御坂妹はある気配が近づいていることに気づいた
その気配の正体は――実験を止めに来た美琴であった

ミサカ9982号「ヒュー…ヒュー…」

9982号は片足を失いながらも地面を這い、弾けた缶バッジへと向かう

一方通行「…もォいいやオマエ
       終わりにしてやンよ」

一方通行が機関車に触れる

………

9982号はようやく缶バッジに辿りつき、それを握り締める

初めて美琴に貰った大切なプレゼント
少しの間だけでも“姉妹”を実感できた証であるその缶バッジを――胸に抱きしめる

………

美琴「うそ…うそっ!…そんな
    やめ――」

ドゴォォォン

9982号は機関車に潰され、絶命した


一方通行「本日の実験、しゅーりょォー」

一方通行「帰りにコンビニにでも寄って――」

バリバリバリバリバリバリ!!!

一方通行を雷撃が襲う

一方通行「!?」

美琴「うあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」

………

御坂妹「…お姉さま」

あらゆる攻撃を防がれても美琴は止まらない
まるで獣のように一方通行に牙を剥く

クローンが死んだことによりあんなにも傷つき、悲しんでいる
そんな気持ちも判らずにこの数分後、自分は…妹達は姉の助けを拒んでしまう
それがどれだけ美琴を傷つけただろう

御坂妹「…お姉さま…ごめんなさい…」

ドラえもん「…やっぱりここまで『見ちゃった』んだね」

御坂妹「あなたは…何故ここに…?」

ドラえもん「用事が終わった後にね

        やっぱり君のことが気になって妹のドラミに頼んで過去に来たのさ
        そしたら案の定ここまで見ちゃってたわけだ」

御坂妹「…すみませんでした」

ドラえもん「僕のほうこそごめんなさいだよ
        …それにのび太くんにこれを見せないでくれてありがとう」

御坂妹「…彼は一方通行を尊敬していますからね」

ドラえもん「…これ以上は君に酷だよ。さあ帰ろうか?」

御坂妹「はい…」

御坂妹(今は何も出来なくてすみません。お姉さま
      でも、きっと“彼”は助けてくれます。それまでどうか無理をしないでください)

―とある学生寮・電磁姉妹部屋―

御坂妹「ただ今帰りました…」

美琴「遅かったじゃないの」

御坂妹「すみません…今から夕飯の支度をします。とミサカは速やかに準備を――」

美琴「その前に、ごめん!」

美琴は両手を合わせて深々と頭を下げた

御坂妹「???」

美琴「今日のことよ…今日ってアンタと――というかアイツと私が初めて会った日だったわね…
    去年までは何もしなかったからつい…」

御坂妹「いえ…“彼”が死んだと勘違いしていてお互いそれどころじゃありませんでしたので仕方ありません
      とミサカはお姉さまには非が無いと断言します。ミサカのほうこそ、勝手に怒ったりして申し訳ありませんでした」

美琴「いーやそれでも私が悪いって言ってんの!ってなわけでお詫びにこれあげるわ」

美琴が取り出したもの――それはゲコ太の缶バッジであった

御坂妹「…これは…!」

ところでさここ見てモアイちゃん知って興味もったんだけど
脳内で再生されるのがモアイ像にワカメちゃんヘアーの女の子なんだ。
どうにかしてもらえんだろうか?

美琴「覚えてる?アンタでは無いけど…死んだアイツに初めてあげたプレゼントと同じやつ
    探すのに苦労したのよー…苦労って言うよりこれ持ってた知り合いの女の子に頼み込んでもらっただけだけど
    ハイこれ!仲直りの印ってことで…許してくれる?」

御坂妹「お姉さま…ミサカからも…コレを」

御坂妹が取り出したもの――それもまたゲコ太の缶バッジであった
これを探すために過去へ戻り、ガチャガチャをしたのである

美琴「アンタ…これどうやって手に入れたの?もう絶版になってたはずよ?」

御坂妹「…今日一日ずっと探していたんです…探してよかったです」

美琴「ははは…あーなんだろ涙腺弱いわ最近…グズッ…ありがとね…ってアンタどうしたの!?」

御坂妹は泣いていた――生まれて初めての涙である

御坂妹「お姉さまぁ…お姉さま…」

美琴の胸に顔を埋めて思いっきり泣く
――まるで今までの悲しみが一気に溢れ出たかのように

美琴「ちょっと何でアンタが泣くのよ!?ちょっとどうなってんのよー!」

その後、一時間もの間、御坂妹は泣き続けた

ドラえもん「ふふふ、やっぱり2人は紛れもない“姉妹”だよ」

―とある姉妹の姉妹喧嘩 完―

というわけで終了です
保守ありがとうございました
そしてgdgdしてすみませんでした

>>175
絹旗でググれば一番上に出てきます

打ち止め「無理だよ…のび太」

のび太「そ…そんなぁ!!」

打ち止め「ミサカも…こんなことになるだなんて思ってなかった」

のび太「去年も一緒に頑張ったじゃないか!!」

打ち止め「のび太…去年とは違うよ…?いつまでもミサカがのび太の味方だなんて思わないで」

のび太「くそ!…なんでこんなことになってしまったんだ!!」

………

打ち止め「だってミサカは『紅組』だもん。ってミサカはミサカは現実を突きつけてみたり」

【紅組】 打ち止め

【白組】 のび太

保守ありがとうございます  >>162の相関図って色々ミスあったんであんまキニシナイでください
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大覇星祭

学園都市に所属する全学校が合同で行う超大規模な体育祭
言ってしまえば能力使用可の超能力スポーツ大会である

学園都市外部にも公開しているイベントでもあり、世界からの注目度はかなり高い
各学校ごとに【紅組】と【白組】に分かれ、紅白戦を行う他、学校部門、個人部門での表彰もある

のび太「何で今年は常盤台が紅組なのさ?去年は白組だったのに」

打ち止め「さすがに去年1位の長点と去年2位の常盤台が同じ組ってのは問題あったんじゃない?
       ってミサカはミサカは冷静な分析を行ってみたり」

のび太「そっかー、一昨年まで長点のトップは崩れてたもんね
      むしろ去年まで常盤台と一緒だった方が変だったってことかー」

大覇星祭での『常勝』と言われていた超エリート学校――長点上機学園の伝説は3年前に崩れた

『原石』であるレベル5――“八岐火竜”を有するあまりに平凡な高校によって
圧倒的カリスマ性を誇った“第五位”はレベル0~2中心の学生を完璧なまでの統率力で従え、
平均レベル3~4の長点上機や常盤台を2年も退けるという大挙を成し遂げたのだ

のび太「まあ今年も長点の余裕優勝かな?何てったって“第六位”の僕がいるからね
     高等部の先輩たちも強い人たちばかりだし…あーあミサカちゃんと一緒に頑張りたかったんだけどなー」

打ち止め「…その発言は聞き捨てならないわね…長点なんかコテンパンにしてやるわよ!」

のび太「な…何おぅ!?それに何で美琴ちゃんモードになってんの!?」

打ち止め「常盤台の力があれば白組の雑魚なんて軽く吹っ飛ばしてやるんだから!!」

のび太「言わせておけば…!!常盤台なんて軟弱お嬢様学校なんかにエリート長点が負けるわけないじゃないか!!
     万が一負けることがあったら罰ゲームでも何でも受けてやるさ」

打ち止め「言ったわね!…ホントに何でも聞くの…?」

のび太「ああいいともぉ♪何でも言うこと聞いてやるさ!
     ただしそっちが負けたらミサカちゃんが僕の言うこと何でも聞くんだぞ!」

打ち止め「望むところよ!!罰ゲーム忘れないでよね!」

………

のび太「ってなわけで頑張るぞ!スネ夫にモアイちゃん!」

スネ夫「のび太に言われるまでもないさ!長点上機の誇りを見せ付けてやろうよ!」

絹旗「長点の誇りや罰ゲームなんて超どうでもいいですがあの超媚びキャラに負けるのは超癪ですね」

【紅組】打ち止め 【白組】 のび太 スネ夫 絹旗

20001:ってなことがあったんだけど下位個体やお姉さまは何組?

12053:そんなくだらないことで信号を使わないでくださいチビっ子
17403:だいたい御坂家に入った時点で私たちはあなたの“お姉さま”だと何度言えば

10050:何かりかりしてるんですか?
17009:大覇星祭に来れない個体では?

19090:ミ…ミサカの前には…お母様がいるので喧嘩しないでください
13577:また19090号のお母さま自慢が始まりましたよ
10501:そんな僻んだ言い方しなくても―――
11899:――!!
15113:―!

一度始まれば収まらない大喧嘩が始まった

10032:ちなみにミサカとお姉さまは【紅組】ですよ

【紅組】 美琴 御坂妹 打ち止め

【白組】 のび太 スネ夫 絹旗

のび太「く…くそぅ…!美琴ちゃんが紅組だなんて!
     学園都市の第一位が敵なのは大きいぞ…」

出木杉「お~い!のび太く~ん!」

のび太「おっ!出木杉じゃないか!」

のび太(確か出木杉はジャイアンたちと同じ柵川中学だったよな…
     もし第七位の出木杉が白組だったら心強いぞ!!)

出木杉「のび太くんは何組だい?」

のび太「僕?長点上機は白組だよ!」

出木杉「ホントかい!?やったぁ!!」

のび太「ってことは出木杉も――」

出木杉「僕たち柵川中学は【紅組】だよ!のび太くんと戦えるなんて光栄だよ!
     正々堂々と勝負しよう!のび太くん!」

のび太「……………」

【紅組】 美琴 御坂妹 打ち止め 出木杉 ジャイアン 静香

【白組】 のび太 スネ夫 絹旗

すごパの人はどこにいったんだ

>>212 すごパは繰り上がり4位です
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
黒子「まったく…今は巡回中ですよ出木杉」

初春「まあまあお祭りなんだしいいじゃないですか~白井さん」

出木杉「すみません黒子さんに飾利さん
     またねのび太くん!僕は巡回に戻るよ」

のび太「ちょ…ちょっと待って黒子さん!
     黒子さんは高校どこでしたっけ?」

黒子「?わたくしは霧ヶ丘女学院ですが」

のび太「霧ヶ丘は何組!?」

黒子「【紅組】ですけど何か?」

のび太「……………」

初春「のび太くんのび太くん!私は【白組】ですよ~」

【紅組】 美琴 御坂妹 打ち止め 黒子 出木杉 ジャイアン 静香

【白組】 のび太 スネ夫 絹旗 初春

のび太「御坂姉妹に出木杉に黒子さんが【紅組】だって…!?
     僕の知る高位能力者の殆どが【紅組】だぞ…!!」

のび太「そ…そうだ秀才だ!未来サイド“第三位”の出木杉秀才なら」

秀才『この時代に戸籍の無い僕が出れるわけが無いじゃないか』

のび太「やっぱりか…マズイぞ…このままじゃミサカちゃんの罰ゲームが…」

秀才『ミサカくんがどうかしたのかい?』

のび太「負けた方が罰ゲームってことになってるんだよ」

秀才『…正式に参加しなくても妨害ぐらいなら出来るよ』

のび太「!?ってことは出木杉は僕の味か――」

秀才『僕はミサカくんの味方だ…全力でのび太くんの妨害をするよ
    決着をつけようじゃないか』

のび太「……………」

【紅組】 美琴 御坂妹 打ち止め 黒子 出木杉英才 出木杉秀才(?)
      ジャイアン 静香

【白組】 のび太 スネ夫 絹旗 初春

のび太「もうダメだ…【紅組】には“レベル5”が実質3人も…
     師匠や烈火さんはもう学生じゃないし…」

上条「諦めるのは早いぞのび太!お前には俺がついている!」

のび太「か…上条さん!でも…上条さんはもう学生じゃないし」

上条「ふっふっふ…裏で巨大情報屋をやっているうちの会社は偽IDを取得することなんて簡単なんですよ
    これを見ろのび太ぁあああ!」

のび太「こ…これは!?」

○○高校(【白組】の高校だ)3年 特別学級 上条当麻

のび太「やったぁぁあああ!幻想殺しの上条さんがいれば百人力だい!」

【白組】 のび太 上条 スネ夫 絹旗 初春

のび太「あれ?ってことは同じ情報屋に所属している師匠も出れるってこと!?」

一方通行「…俺はあのガキの味方なンだよ…悪ィな」

のび太「……………」

【紅組】 一方通行 美琴 御坂妹 打ち止め 黒子 出木杉英才 出木杉秀才(?) ジャイアン 静香

上条「諦めるなのび太!俺とお前ならきっとやれる!」

のび太「う…うん!」

美琴「諦めたほうが懸命なんじゃないの?」

上条「み…御坂ぁ!!お前何しに来た!」

美琴「アンタが出るって聞いたからね!さあ今回も勝負よ!負けたらもちろん罰ゲームよん♪」

上条「な…何ぃ?」

美琴「アンタ4年前の罰ゲームをなあなあに済ませたじゃないの!今回はきっちり1日中付き合ってもらうわよ!」

上条「はっ!面白いこと言ってくれるじゃねえか御坂ぁ!4年前は確かに負けたけどなあ
    俺は3年間地獄のような修羅場を潜ってきたんだよ!今回は負けませーん!」

御坂妹「今回はミサカとも罰ゲームをかけてもらいます」

上条「えっ!?」

打ち止め「のび太も連帯責任で追加罰ゲームよ!」

のび太「ぼ…僕も!?」

美琴「ふっふっふ…私たち“電磁三姉妹”のチームワーク…思い知るがいいわ!!」

こうして大覇星祭が始まった

すみませんちょっと休憩します

>>229
ていとくんが冷蔵庫になる直前に会ってる

>>230 この話では別人がその場所持って行きました 詳しくは>>43の三番目です 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第一種目―棒倒し―

棒倒しのルールは単純、クラスで一つずつ7mほどの棒を立て
自軍の棒を守りつつ相手の棒を倒すというものだ

長点上機中等部・高等部vsとある中高一貫校

紅組生徒A「ダメだぁぁああ早く“射程圏内”をどうにかしろぉぉぉおおおおおお」
紅組生徒B「どうにかしろって…ぐへぇッ!!」

一定ラインに進入した敵軍の攻撃部隊を残さずのび太が撃退する
その守備範囲は10クラス分に及ぶ

紅組生徒C「射程圏内の守備範囲は諦めろ!あっちのチビを狙うぞ」
紅組生徒D「うぉぉぉおおおおお!…ってあれ?何で攻撃できない?」
紅組生徒E「そんなやつ無視しろ!…ってあれ?何故か無視もできない」

スネ夫「悪いね君たち。君たちの“敵意”と“興味”の距離を弄らせてもらったよ
     僕の“心理定規”に弄れない感情なんてないのさ」

紅組生徒F「守備!守備を固めろぉぉぉお!何だこの怪力女!」

絹旗「怪力とは超心外ですね。敵の能力も把握できないだんて超雑魚もいいところです」

こんな感じでエリート学校・長点上機の棒倒しは圧勝に終わった

第二種目―借り物競争―

これは学校ごとの勝負ではなく、紅白戦である

つまり…

美琴「さっそく直接対決ね」

上条「はっ!女の子になんか負けませんよ!それにこれは純粋な体力勝負!
    お前の電撃にアドバンテージは無い!」

美琴「あら?出るのは私じゃないわ」

上条「何だって?」

御坂妹「ミサカと――」

打ち止め「ミサカが出るんだよ!負けないんだから!
      ってミサカはミサカは宣戦布告をしてみたり!」

上条「どっちにしろ負けねえぞ!」

ヨーイ…パァン!

スタートと同時に御坂妹と打ち止めが全力疾走する

上条「ゲェ!?そういや御坂ってめちゃくちゃ足速ぇんだった!!こいつらもですか!?」


打ち止めと御坂妹は借り物の書かれたメモを取る
それを見るなり、再度全力疾走で去っていく

上条「クソっ!遅れを取ってしまった!」

上条がメモを取り、その内容を見る

『レベル5』

上条「…はい?」


美琴「あの子たち大丈夫かしら…って何でアイツがこっちに走ってきてるのよ!?」

上条「御坂ぁ!お前体重何キロだ!?」

美琴「ちょ…乙女になんてこと聞いてんの!?」

上条「ええい見た感じ軽いだろお前は!お姫様抱っこさせろ!」

美琴「きゃあ!何すんの///」

上条「スタートで遅れを取ったが借り物は早く見つけた!後はゴールするのみ!」

美琴「ちょ…ちょっとぉぉぉぉおおおお」

上条「うぉおおおおおおおお」

上条は美琴をお姫様だっこしてゴールを目指した

上条がゴールに近づいたとき、打ち止めと御坂妹も同時にやってきた

打ち止めの借り物は――のび太

のび太「何で僕まで走ってるの!?」

打ち止め「いいからついてきて!」

御坂妹の借り物は――シャチホコの置物

上条「お前そんなものどこで見つけたんだ!?」

御坂妹は軽く笑った

上条「まっ…まさかミサカネットワークを使いやがったんですか!?」

美琴「いいからアンタは私を降ろしなさいよ///」

上条「うるせぇ!!ここまで来て負けてたまるか」

しかし持ち物の軽い御坂妹の足の方が速かった

御坂妹・上条・打ち止めの順にゴールのある競技場に入る

アナウンス『一位は【白組】の初春飾利さんです。皆さん拍手をお願いします』

上条「へっ?」

三人が会場についたころには初春がゴールしていた

続いて御坂妹・上条・打ち止めの順にゴールする

打ち止め「のび太の足が遅いから負けちゃったよ!ってミサカはミサカは憤慨してみたり」

打ち止めが『メガネ少年』というカードを持ちながらのび太に八つ当たりする

のび太「はぁ…はぁ…無茶言うなよ…僕は第一種目終わったばっかりなんだぞ…」

上条「負けた…あんなに早く見つけたのに…」

美琴「う…初春さん何でそんなに早かったの!?」

初春「えへへ~借りものが早く見つかった上に軽かったもので」

初春がカードを裏返す

『温かい飲み物』

すみませんサルってたorz
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その後も白組と紅組の戦いは熾烈を極めた
しかし、高位能力者を多く有する紅組の地力は高かった

ジャイアンの歌や静香のヴァイオリンでの音波攻撃
こちらの攻撃をものともしない出木杉の念動粘土
お手玉ではチートすぎる黒子のテレポート

妹達のミサカネットワークによる情報網の広さ
初春の情報撹乱を物ともしない打ち止めの処理能力
打ち止めを狙えば一方通行や未来出木杉に殺されそうになる始末

今は常盤台中学のお嬢様たちやその他エリート校から自然災害のような猛攻を浴びていた

のび太「上条さん助けて!」

上条「すまん!上条さんは自分で精一杯なんです!!」

のび太「も…モアイちゃん!」

絹旗「窒素装甲ぐらい自分で超張れるでしょう?」

のび太「す…スネ夫!」

スネ夫「悪いなのび太…僕の“心理定規”は一人用なんだ」

のび太「ど…ドラぁぁぁえもぉぉぉぉぉぉん」

こうして、のび太たちの健闘虚しく白組は敗れた
学校対抗も常盤台中学が1位で長点上機は2位だ

美琴「また私が勝ったわねぇ♪」

打ち止め「罰ゲーム♪罰ゲーム♪」

上条「…では麗しき御坂美琴お嬢様にその妹君、この愛玩奴隷上条当麻になんなりとお申し付けください」

のび太「今なら愛玩奴隷野比のび太も付いてます」

上条とのび太は土下座する

美琴「な…だからそのキャラは――」

御坂妹「ミサカたちを旅行に連れて行きなさい
      とミサカは蔑んだ目で見下しながら命令します」

美琴「なんでアンタはそんなにノリノリなのよ…でも旅行はいいわね~」

打ち止め「わ~い旅行だ旅行だぁ~ってミサカはミサカは期待を膨らませてみたり」

上条「あの~…旅行代はもしかして…?」

美琴「流石に全額は請求しないわよ。ただちょっとぐらいはそっちが出してよね
    じゃないと罰ゲームにならないじゃない」

上条・のび太「ふ…不幸だぁぁぁぁぁぁぁああああああ」

―大覇星祭 完―

長編はもうないのかい?
あと初春メインはないのかい?

>>254
長編か…のび太を強くしすぎた節があって若干難しいです
ネタも思い浮かばない

当初の予定ではハーレム系を書こうと思い絹旗を出したが
自分にそんな実力は無かった

保守ありがとうございます
若干烈火色の強い長編でもいいだろうか…主人公はあくまでものび太
設定なんかは随時補則する予定です

まあとりあえず書いてみるか…すみませんが18:00ごろスタートになると思います

すみません今日は無理になりました
書き溜めたら後日スレ立てをするかもしれないので
本スレは落とすなり適当に使うなりしてください

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom