ジャン「今…何をすべきか…オレには分からない」(67)

--現在公開可能な注意事項--

 ※妄想・捏造・絶望♪
 ※11巻までのネタバレ有り

―――――オレ達はエレンとユミルの奪還に成功した…

―――――鎧の巨人と超大型巨人を仕留めるところまではいかなかったものの…

―――――燃料切れを起こしたあいつらにはもはや追いかける体力は残ってないだろう…

―――――オレ達は壁内に向けて馬を全速力で走らせた…

―――――あとは帰還するだけだった…

―――――ただそれだけだったはずなのに…



ジャン「なんだよ…これ…」

調査兵「奇行種めっ!よくも仲間を!」ギリッ

奇行種「…」ググッ

調査兵「許さん!調査兵団の力をっ!思い知れ!」パシュッ

アルミン「だめだ!そいつ相手に単騎決戦は不可能だ!」

―――――もう…遅い…

奇行種「あゎんっ!!」ダンッ

―――――オレは…この動きを見たことがある…

調査兵「うぐっ!?」グシャッ

奇行種「がぁあああ!」モグモグ ムシャムシャ グチャグチャ

調査兵「」

―――――美味そうに食いやがって…

奇行種「がうぅううう!」ドシンドシン

コニー「こっちに来たぞ!どうすればいい!?」

アルミン「あいつは奇行種だ!普通の巨人と違って仕留める必要がある!でも…」

エレン「アルミン!オレがやる!」スッ

アルミン「待って、エレン!ここで巨人化しては駄目だ!」

エレン「そんなこと言ってもよぉ!ここには障害物となるものがほとんどない!立体機動じゃ難しいぞ!」

エレン「オレがやる…!」

アルミン「確かに平地での立体機動は不利だ!でも君の巨人化はリスクが大きすぎる!」

アルミン「まず、巨人化した君のところに普通の巨人が寄ってくる!被害が大きくなる可能性がある!」

エレン「くっ…!」

アルミン「それと巨人化した君をどう分離すればいいんだ!今はリヴァイ兵長はいないんだ!」

アルミン「ミカサにもできるとは思うけどそもそも馬を止めている時間がない!」

アルミン「残念ながら選択肢は立体機動しかないんだ!わかってくれ!」

エレン「…アルミンがそういうなら…だけどあいつは一人じゃ難しいぞ?」

アルミン「わかってる…だから最低二人は必要だ…」

アルミン「直接うなじを狙う人…その補助をする人だ…!」

エレン「わかった!ならオレが…」

アルミン「話は最後まで聞いてくれ!さっきも言った通りこの作戦は平地のために立体機動が上手な人にしかできない!」

アルミン「この巨人に一番近いところにはいるのは…僕たちだ…」

アルミン「そして…おそらく増援は期待できない…どこも似たような状況なんだ!」

アルミン「だけど幸いにしてここには104期の中でも上位陣がそろってる!」

アルミン「いや…やっぱりあまり喜べないところだね…」チラッ

アルミン「まずエレン…君だ!」

エレン「なんだ?」

アルミン「君は体の修復で体力を使いすぎていると思う…正直巨人化どころか立体機動も使えないだろう…」

エレン「そんなわけないだろ!?」

アルミン「強がらないでくれ!みんなの命がかかっているんだ!」

エレン「くそっ…!」ググ

アルミン「ユミル!君もエレンと同じ理由だ」

ユミル「わかった…と言いたいところだが…クリスタはどうなる?」

クリスタ「!ユミル!今はそんなこと言ってる場合じゃ…」

ユミル「お前は黙ってろ…アルミン!私はクリスタの無事が保証されないんなら勝手にやるぞ」

アルミン「わかってるよ!クリスタ…君は壁に関して重要な役割を持ってる」

アルミン「前にも言ったけどできるだけ君には危険なことをしてほしくないんだ」

クリスタ「けど…!…うん…わかった……」シュン

アルミン「ユミル、これで大丈夫だよね?」

ユミル「ああ…」

アルミン「そして…僕なんだけど…ごめん…正直囮にも使えそうにないんだ…」

アルミン「だから…この作戦はミカサ、ジャン、コニーの三人にやってもらう…」

アルミン「さっきも言った通りこの作戦では立体機動の扱いが重要なんだ…」

アルミン「危険な役回りだってことはわかってる…でも今動けるのは君たちしかいないんだ…ごめん…」

コニー「誰かがやらなきゃいけないんだ…俺に任せろ!」ググ

ミカサ「大丈夫、アルミン、私はあなたを信じているから」

―――――冗談だろ…?

ジャン「待ってくれアルミン…オレは反対だ」

アルミン「え?」

ミカサ「…」

コニー「オイ、ジャン!今はそんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!」

ジャン「うるせぇ!オレはあいつと戦いたくねぇ!」

奇行種「あぁあああああ!」ドシンドシン

エレン「オイ!どんどん近づいてきてる!このままだと追いつかれるぞ!」

コニー「ジャン!お前…調査兵団に入団するとき巨人が怖くねぇって言ったよな!?」

ジャン「あぁ…」

コニー「まさか今怖いとか思ってるんじゃねぇだろうな!?今目の前に巨人がいるんだぞ!」

コニー「俺はお前が調査兵団に入るって言ったから!今!ここにいることができる!」

コニー「あの時のお前を見て調査兵団に入団した奴だって何人かはいるはずだ!」

コニー「きっとサシャだって…」

ジャン「コニー!!」

コニー「!?」ビクッ

ジャン「てめぇ…まさか調査兵団に入ったのはオレのせいだって言いたいのか?それだったら馬鹿だぜ」

コニー「なんだと…!」

ジャン「あの時俺はこうとも言ったはずだ…この仕事ばかりだけは自分で選ばなきゃ勤まらねぇ…ってな」

ジャン「お前がここにいるのは間違いなくお前自身が選んだからだ!」

ジャン「人のせいにするんじゃねぇよ」

コニー「うぅ…」

ミカサ「ジャン…戦わないとするなら…あなたはどうしたいの?」

―――――どうしたいかだって…?

―――――そんなの…わかるわけねぇだろ…

アルミン「ジャン…どうして戦いたくないんだい?せめて理由を教えてくれないか?」

ジャン「アルミン…お前もうっすらと気が付いてんじゃねぇのか?」

アルミン「…」

ミカサ「…アルミン?」

コニー「急に黙ってどうしたんだよ?」

ジャン「…最新の巨人についての報告書を読ませてもらった…そのうえで確認しておきたいことがある…いいか?」

アルミン「うん…」

ジャン「ユミル、お前たちは夜でも動くことができる巨人と遭遇したらしいな…どう思った?」

ユミル「…奇行種ってことか?」

ジャン「違う、オレが聞きたいのはそんなことじゃない…獣の巨人とでもいえばわかるか?」

ユミル「っ…!」

ジャン「この夜に動くことができる巨人…もしかして…つくられたものじゃないのか?」

エレン「お前!さっきから何が言いたいんだよ!?」

ジャン「アルミン…今オレ達お追い掛け回してるこの奇行種…なぜ奇行種だと判断した?」

コニー「そんなの決まってるだろ!動き方が並みの巨人とは違う!不規則で予測できないからだ!」

アルミン「そうだね…確かにそれもそうだ…でもね…違うんだよ…」

ジャン「ああ…お前らも見たはずだ…気づかなかったか…あるいは目に留めなかったか…」

アルミン「この巨人は…馬を…食べたんだ…」

ジャン「ああ…明らかに異常だ」

ジャン「本来人にしか興味を示さない巨人が馬を食った…」

―――――それはなぜか…?

ジャン「…なぁ…馬っておいしいのか?」

コニー「はぁ?頭でもイカレたのか?」

ジャン「教えてくれよ…人は美味しいのかよ?」

エレン「ジャン!てめぇ、こんな時に…!」

―――――だってよ…こいつ…こんなにも美味そうに食べるんだぜ…?

奇行種「ああぅ!!」ニタァ

―――――オレは知ってる…この笑顔を…

ジャン「こいつを見たときからずっと思っていたことがある」

アルミン「なんだい、それは?」

ジャン「巨人ってのは元の人間の特徴に似るらしいな?」

エレン「あ…ああ…確かに似ているとは思うぞ?」

ジャン「お前らはこいつを見て何も思わなかったのか?」

ミカサ「ジャン、さっきからあなたが言いたいことがわからない」

ジャン「…いつもは結んでるからわかりにくいけどお前もなかなか綺麗な髪だったよな」

ジャン「オレには分かるぜ?一緒に戦った仲間だからな」

ジャン「なぁ…そうだろ?」

奇行種「…」ドシン

―――――たとえ姿形が変わっても…



「サシャ」

とりあえずここまで
たぶん夜にまた来ます

コテハン音符くせぇと思ったけど面白い
期待

久々に進撃ssでわくわくした
期待

最近こういうの少ないよな、いいね

続き気になるな

先が気になる・・・!
ただ、調査兵団入団のときのジャンのセリフは
「巨人が怖くないから決めたわけじゃない」って言っていたから
コニー間違ってるぞ!って思ったw

期待

>>1です。今から続きを投下します。書き留めがあるので一気に終わらせます。

>>23
間違えたぁあああああ!ご指摘ありがとうございます!
×コニー「ジャン!お前…調査兵団に入団するとき巨人が怖くねぇって言ったよな!?」
○コニー「ジャン!お前…調査兵団に入団するとき巨人が怖くないことはねぇって言ったよな!?」

それでは再開します。

クリスタ「え!?」

ユミル「…」

コニー「馬鹿なこと言うなよ!サシャは巨人じゃねぇだろ!?」

ミカサ「…」

エレン「…本当なのか…アルミン?」

アルミン「…」

エレン「何とか言えよアルミン!あれは何なんだ!?」ガッ

アルミン「うぐっ!?」ググ

ミカサ「エレン!やめて!アルミンから手を離して!」

エレン「…すまねぇ」パッ

アルミン「はぁ…はぁ…ふぅ…」

エレン「サシャ…まさかお前まで巨人だったとはな…」スッ

ミカサ「エレン?何をする気なの?」

エレン「巨人化してぶっ殺す!」

アルミン「何を考えているんだ!?さっきも言っただろ!君の巨人化はリスクがあるんだ!」

エレン「アニも!ライナーも!ベルトルトも!皆巨人だった!あいつらはオレ達を裏切った!」

アルミン「待ってくれエレン!だからサシャも裏切ると思っているのか!?」

エレン「じゃあなんであいつはオレ達を攻撃するんだ!?」

アルミン「…それは」

ジャン「お前と同じだ…ただ制御できねぇのさ」

エレン「は?お前何ふざけたこと言ってんだよ?現にあいつは仲間を殺してるんだぞ?制御がどうとか関係ねぇだろうがっ!」

ミカサ「エレン、やめて…」

ジャン「エレン…お前は人を殺さなかったからそう言えるんだ」

ミカサ「…」

ジャン「でもな?一歩間違えたらお前も同じだったかもしれねぇぞ?」

ジャン「あの時はミカサが避けたから今お前はここで生きてられるんだ」

エレン「…っ!」

ジャン「頼む…サシャを信じてやってくれないか…?」

エレン「…」

アルミン「待ってくれジャン…あの奇行種をサシャだとする根拠はなに?」

ジャン「それは…見た目がサシャに似てるし…動き方…食い意地とか…」

アルミン「残念だけどそれだけではサシャだと断定することはできない」

ジャン「はぁ!?理屈とかそんなことは関係ねぇ!あいつはサシャだ!仲間だったらわかるだろ!?」

アルミン「…サシャだったとして…ジャンはどうしたいの?」

ジャン「もちろん助けるに決まってる!」

アルミン「どうやってさ?あれがサシャかどうかも分からない以上僕たちには何もできない」

ジャン「見捨てるっていうのか!?」

アルミン「それで被害を最小限に抑えられるならね」

ジャン「…考え直してくれよアルミン…もしサシャが巨人の力を制御できたら人類の戦力になるだろ…なぁ?」

アルミン「あの奇行種がおそらくサシャだ…もしサシャが巨人の力を制御できたら…」

アルミン「ジャン…さっきから話に根拠がない…君らしくもない…」

アルミン「それにこちらにはエレンとユミルの二人も巨人化能力者がいる…今ここで無理をする必要はない」

ジャン「っ!?アルミン!てめぇっ!」

アルミン「だったら!」

ジャン「あ?」

アルミン「仮にあれがサシャだと仮定しよう」

ジャン「お、おおぅ」

アルミン「まず…僕の見立てではサシャは助からない」

ジャン「はぁ!?なんでだよ!」

アルミン「多分ジャンはエレンの巨人化の時と同じようにサシャがうなじにいるんだろうと考えているかもしれないけど…」

アルミン「知性を持たない普通の巨人のうなじを削いで人が出てきたなんてことなんてあったかい?」

アルミン「おそらくそれが知性を持つ巨人と持たない巨人との違いなんだろう」

アルミン「だからあのうなじを削いでみてもサシャは出てこない」

ジャン「だったらエレンは!?エレンだって制御できなかった時があるだろ!」

アルミン「そうだね…でもエレンはあるものを持ってるんだ」

ジャン「あるもの?」

アルミン「エレンは僕たちよりもはるかに強靭な精神力を持っている」

アルミン「この強靭な精神力からくる意思がエレンを巨人に飲み込まれることから守ったんだ」

アルミン「エレンだけじゃない…ライナー達は故郷に帰ること…ユミルはクリスタを守ること…」

アルミン「皆明確な意思を持っていた…だから巨人にもなれたし制御もできたと思うんだ」

アルミン「エレンだって暴走しちゃうことがあるけど目標意識だけは誰よりも高いからね」

ジャン「オレは認めねぇぞ!こんなの…何か方法が…」

奇行種「がぁあああああ!」ググ

コニー「あの奇行種また突っ込んでくるつもりだぞ!」

ジャン「奇行種じゃねぇ!サシャだ!」

コニー「サシャは人間だろ!」

ジャン「馬鹿は黙ってろ!」

アルミン「もう時間がない!」

ミカサ「私がやる」スッ

ジャン「待ってくれミカサ!」

ミカサ「…」

コニー「ジャン!もういい!お前はそこで見てろ!こんなやつ二人で十分だ!俺が補佐をする…ミカサがうなじを削いでくれ!」

ミカサ「…わかった」

ジャン「オイ!」

コニー「行くぞ!」パシュッ

ミカサ「…」パシュッ

アルミン「頼んだよ二人とも!」

奇行種「あぁあああ!」ダン

コニー「うわっ!?危ねぇ…」

コニー「これでも…くらえ!」ザシュッ

奇行種「がぁあああ!!」バタン

アルミン「よし!体勢が崩れた!今だミカサ!」

ミカサ「…」ヒュッ

ミカサ「!?」スカッ

アルミン「え?」

奇行種「あぁあああう!」ガシッ

ミカサ「くふっ!」ググ

―――――体が…動かない…?

エレン「ミカサ!?なにやってるんだ!」

―――――違うのエレン…体を支配できないの…

―――――なぜ…?

―――――この巨人がサシャであろうとなかろうと今は仕留めなければならないのに…

―――――サシャだから動けないの…?

―――――ジャンが言ったことを信じているの…?

―――――わからない…

奇行種「がああああああ!」アーン

エレン「ミカサっ!!」

奇行種「がう!」グシャ

エレン「そんな…嘘だろ…ミカサ?」

ジャン「オイオイ…勝手に殺してやるなよ…可哀想だろ?」ザシュッ

ミカサ「っ!?」オロオロ

クリスタ「ジャン!」パァアアアアア

アルミン「よかった…ジャンがミカサを助けたんだ…」

ユミル「いつの間に立体機動に移ったんだ?まったく冷や冷やさせるなよ」

コニー「やるんだたら最初からやってくれよ…」

エレン「助かったぜ!ありがt…」

ミカサ「ジャン!あなた…右腕がっ!?」

エレン「え?」

ジャン「はぁ…はぁ…もってかれたようだな…なぁに…お前の命と比べたら安いもんだ」ニカッ

ミカサ「出血がひどい!手当てしないと!」

ジャン「そんなことは後回しだ…今はサシャをどうにかするぞ」

ミカサ「どうにかって…どうやって?」

ジャン「お前ら!積んである野戦食糧をありったけばら撒け!」

コニー「そんなことしてどうなるんだよ!」

ジャン「こいつがサシャだったら食らいつくはずだ!ついでに荷物も軽くなって馬の速度も上がる!」

アルミン「なるほど!皆!ジャンの言うとおりにしてくれ!」

クリスタ「これで本当に足止めできるの?」

ユミル「こいつがサシャで野戦食糧にでも食欲を示すことに祈ろうぜ」

ジャン「エレン!受け取れ!」ブン

エレン「おわっ!?ミカサ!?」ドサッ

ミカサ「…痛い」

奇行種「ぐぅううううう!」バタバタ

アルミン「やった!野戦食糧にもちゃんと興味を示してる!」

コニー「これで帰れるぞ!」

クリスタ「…ジャン?」

ユミル「オイ…なんであいつはまだあの奇行種の近くにいるんだ?」

アルミン「ジャン!君の作戦が成功したんだ!君も早くこっちに!」

ジャン「…」ピュィイイイイイ

コニー「なにやってんだあいつ?」

クリスタ「馬を…呼んでるの?」

馬「ヒヒーン」

ジャン「お!来てくれたか」

アルミン「まさか!?」

クリスタ「ジャン!お願い!戻ってきて!」

ジャン「クリスタ!口笛教えてくれてありがとうな!今回はちゃんと来てくれた」

クリスタ「っ!?」

アルミン「サシャを元に戻す方法がわからないんだよ!?なんでそこまでして…!」

ジャン「アルミン…いつか言ってたな…何かを変えることができる人は大事なものを捨てることができる人だって」

ジャン「オレには人間性までは捨てられなかったようだ…すまない」ニカッ

ジャン「でもまぁ…オレにだって譲れないものはあるんでね…サシャは絶対に助ける!」

アルミン「…行くんだね」

ジャン「エレン!」

エレン「なんだっ!?」ビクッ

ジャン「ミカサを…頼んだぞ?」

エレン「当たり前だ!ミカサは俺の大事な家族だぞ!」

ジャン「幸せにしてやれよ」

エレン「もちろんだ!」

ジャン「悲しませたらオレがゆるさねぇぞ」

エレン「だったらお前も約束してくれ!絶対に戻ってくると!」

ジャン「…ああ」

エレン「…」

ジャン「行け!」パシン

馬「ヒヒーン」ドドドドド

ユミル「…」チラッ

クリスタ「だめ…でも…いや…やっぱり…」プルプル

ユミル「…はぁ」スー

ユミル「ジャン!サシャを頼んだぞ!」

クリスタ「ユミル!?」

ジャン「任せろ!」グッ

クリスタ「…お願い」ジワァ

ジャン「サシャ!ついてこい!」ドドドドド

奇行種「あぅあ!」ドシンドシン

ミカサ「…」ズキン

―――――なんでこんな時に思い出す…

―――――トロスト区攻防戦…

―――――私は巨人化したエレンに助けられた…

―――――ガス切れを起こした私はアルミンにも助けてもらった…でも…

『オイ!! オレ達は仲間一人で戦わせろと学んだか!? お前ら!! 本当に腰抜けになっちまうぞ!!』

―――――あの時…あなたの言葉がなければガス切れを起こしたまま一人で勝手に死んでいたのかもしれない…

『ミカサ、頬の傷はかなり深いみたいだな、それはいつ負った傷だ?』

―――――エレンを追い込むための言葉…でも…

―――――なぜ…あなたはさびしそうに私を見るの…?

―――――なぜ…

『やるよ、これ…あったかいだろ?』

―――――二人が重なってしまう…

―――――どうか…無事に帰ってきてほしい…

--巨大樹の森--

ジャン「はぁ…はぁ…この辺なら木がいっぱい生えてるから立体機動もしやすいだろうな…」

ジャン「はは…片手で立体機動って…トロスト区での一件以来だな…」

ジャン「んじゃ…始めようか…」

奇行種「がぁあああああ!」

ジャン「サシャ…お前が燃料切れを起こして巨人化を解くまで…」



ジャン「遊んでくれよ?」ニヤリ

--後日 壁上--

駐屯兵「ん?なんだあれは?」

駐屯兵「馬?…の上に人がぐったりしている!?」

駐屯兵「周りに巨人はいないな!」

駐屯兵「開門!急げ!まだ生きてるかもしれない!」

--医務室--

クリスタ「サシャ!」ガラッ

ユミル「よう!無事だったんだな?」

サシャ「クリスタ!ユミル!」

クリスタ「大丈夫?意識はあるみたいだから安心したけど…」

サシャ「ええ!大丈夫です!心配かけてすみません」

ユミル「そうか…」

クリスタ「…」

サシャ「?どうしたんですかお二人とも…あまり元気がないように見えますけど…」

--調査兵団 本部--

コニー「オイ、お前ら!サシャが目を覚ましたってよ!」

エレン「本当か!ならお見舞いに行ってやらねぇとな!」

ミカサ「ええ…」

アルミン「…」

エレン「どうしたアルミン?」

アルミン「ごめん…僕今回のことでハンジ分隊長に呼ばれてるから…先に行ってて?」

エレン「ああ、わかった!」

コニー「行こうぜ!」

ミカサ「…」

―――――今更どの顔して会えばよいのだろうか…

アルミン「はぁ…」

―――――あの時の僕は仲間のためだと言ってサシャを見捨てたじゃないか…

―――――いや…あの奇行種がサシャだという確証はないのだけれども…

―――――結局あの奇行種とサシャとの関係性はまだ謎のままだ…

―――――そもそもあの奇行種をサシャだと言ったのはジャン一人だけだったわけだし…

―――――ただこのことをエルヴィン団長に報告したらサシャがハンジ分隊長の監視下に置かれることが決まった…

―――――幸いなことに憲兵団は今回のことで被害が大きすぎてサシャのことまでは嗅ぎつけていない様子だった…

―――――巨人の力をうまく使えるユミルはまだいいとしてエレンはリヴァイ兵長が監視しなければならないし…

―――――調査兵団で一番巨人に詳しいハンジ分隊長にサシャが託されるのは妥当だろう…

―――――少し目を覚ました時の取り調べによるとサシャが巨人化しているとみなされているときの記憶はやはりないらしい…

―――――サシャが言うには故郷で巨人に襲撃されてから意識を失っていたとか…

―――――その後…サシャは駐屯兵団によって発見された…

―――――ジャンの馬と一緒に…

―――――ジャン…君は今…どこにいるんだ…?

―――――サシャが今ここにいるのは君のおかげなのか…?

―――――例えそうであったとしても…僕はあの時の君の選択が間違っていたように思う…

―――――ジャン…君は自分の命を軽く見過ぎている…

―――――君が指揮をとることで失わずに済む命があるかもしれなかったのに…

―――――言い方は悪いけど兵士を育てることは簡単だ…

―――――もちろんリヴァイ兵長やミカサと言った例外はあるけれど…

―――――だけどね…指揮官を育てることは難しいことだと僕は思う…

―――――座学だけできたって指揮官に向いているとは限らない…

―――――現状を正しく認識したうえで何ができるかを考える能力が要求されるんだ…

―――――君はその能力を持っていたし…訓練兵時代では成績上位者だ…

―――――正直羨ましいと思ったよ…僕にはどれだけ作戦が思いついたとしても実行できる強さがないから…

―――――みんなと同じ目線で戦いと…どれほど思ったことか…

―――――ジャン…君の損失は人類にとって大きな痛手だ…

―――――ははっ…ちょっと過大評価が過ぎたかな…

―――――でも少なくとも僕はそう思っている…

―――――君がみんなの前から姿を消した後…君は自信が与えた影響力の強さを知らない…

―――――エレンは少し丸くなったと思う…

―――――言い争うことがなくなったこともあるだろうけど…きっとそれだけじゃないと思うんだ…

―――――クリスタは君とサシャの帰りをずっと強く祈ってたし…

―――――ユミルはそんなクリスタを気にしつつも好きなようにやらせていたよ…

―――――コニーは…相変わらずと言ったところかな…?

―――――あ…でも最近は訓練を前よりもがんばっていると思うよ…?

―――――ミカサは…

―――――心なしか…髪が伸びたような気がする…いや…伸びた…

―――――願掛けで伸ばすって言っていたような気がする…

―――――君にも見せてあげたいな…

―――――だからね…ジャン…

―――――早く帰ってきて…皆待っているから…

ミカサ「…」スタスタ

ミカサ(ジャン…私はあなたに命を助けられた…)スタスタ

ミカサ(だからこそわかる…あなたは決して弱くなどない…)スタスタ

ミカサ(私はあなたに一言お礼がいいたい…ので…待つことにした…)スタスタ

ミカサ(あなたがほめてくれたこの髪を伸ばしながら…)スタスタ

ミカサ「…」ピタッ

『すまない…とても綺麗な黒髪だ…』

ミカサ「ふふっ」ニコッ


「おーい!ミカサー!置いてくぞー!」


ミカサ「待ってエレン!今行く!」タッタッタッ





ジャン「今…何をすべきか…オレにはわからない」完

それぞれのキャラの性格をちゃんと踏まえてて良かった
>>1はだんだん上手くなってる気がする
また何か書いてくれ、乙

>>1です。レスつけてくださった方、ありがとうございます!
少し表現がしっかりと書けてない部分があり申し訳ありません…文才がほしいです…。

前半はサシャが巨人化したときジャンは人間性を捨て切れるのか?
後半はジャンは最後ミカサへの思いをエレンに託して死ぬんじゃないだろうか?
…という勝手な妄想から構想させていただきました。

>>61
ありがとうございます。そういっていただけると励みになります。正直ssは向いていないんじゃないかと思っていたところです。
今回ので最後にしようかと思いましたが自分はまだジャンとアニの絡みを書いてなかったのでいつか挑戦するかもしれません。

とりあえず過去作を張っていきます。お時間がある方は覗いて行ってください。

「ジャン×ベルトルト?」
 「ジャン×ベルトルト?」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1376886055.html)
ジャン「憲兵団に入って内地で暮らすためです」
 ジャン「…憲兵団に入って内地で暮らすためです」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1377056663.html)
ジャン「…お前…マルコ…か…?///」
 ジャン「…お前…マルコ…か…?///」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1377927014.html)
ジャン「混ぜるな」ユミル「危険」(打ち切り)
 ジャン「混ぜるな」ユミル「危険」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1378463902.html)

最後までお付き合いくださった方、ありがとうございました。それではノシ

また書いてください。乙。

こいつならこうなったらこうするかも、
その時がくればいずれこんな風になるかも…
って自分で考えてたのと合ったのもあって、
人物の行動と展開にすごく納得がいった!
過去作も全部読んだことあったわ。
>>1はジャン・キルシュタインが大好きなんだなぁ

ジャンがかっこよすぎてゾクゾクした
きっと帰ってくるって信じてるぞジャン!

過去作も全部読んでいたわwww
再度読み直したけど、今回のが特に好きだった
また読みたいからお願いします!

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