上条「常盤台女子寮の代理ですか・・・」(819)

たったら、書く。

どうぞどうぞ

どうぞどうぞ。

上条「常盤台女子寮の僚艦の代理ですか・・・?」

俺「ちなみに、俺も代理ですから。いろんな意味で。ってことで代理の仕事は終わりました。」

続きまだー?

上条「というわけで廊下を進撃中の上条探検隊である」

美琴「暗いわね……雰囲気出てるわー」

A「どうやらポルターガイスト現象で電気系統が麻痺したようですわ」

D「私の能力で照らそっか?」

Z「私、今赤い蝋燭持ってますけど使います?」

美琴「………?なんで蝋燭が赤いのよ?」

上条「深く考えるな御坂。……とりあえず、原因究明より先に変電室探さなきゃな」

美琴「それなら、地下にあるわよ」

A「地下ですの……」

D「ますます雰囲気あるね」

Z「地下……監禁……拷問…………いや、むしろ調教?」

上条「全部ねーよ」

上条「ここが階段か?」

美琴「廊下の一番端っこにある階段だけが地下に続いてるから」

D「地下って、食料品を保存する貯蔵庫とか、備品の倉庫とか、避難用シェルターとかあるのよね」

A「なんだか、戦争くらいなら凌げそうな感じですわね」

Z「戦争……敗残……敵兵によって慰み者にされる私…………あ、ダメだ。上条先生じゃないと萌えない」

上条「じゃ、降りるぞ。足元に気を付けてな」

A「足元が見えませんの」

D「気温も変わるわね」

美琴「うぅ……ちょっと怖いかも」

Z「……はっ!敵兵を全部上条先生に変えれば!!ヒャッハー!!」

上条「結構長い階段だな……」

美琴「シェルターも兼ねてるからね。二階層分は降りなきゃいけないもの」

A「ここで転げ落ちたら大惨事ですわね」

D「大丈夫。上条先生ならきっと受け止めてくれるわよ」

上条「む、無茶言うな!」

Z(…………転げ落ちる。危険とは言え、やれば美味しいイベントであることは明白)

Z(残る踊り場は二つ。被害を最小限に食い止めるため、二つ目の踊り場でわざとコケる)

Z(そうすれば不可抗力で上条先生とくんずほぐれつ)

Z(上条先生のあんなところに私の顔を埋めたり、その逆もまた然り)

Z(完璧な計画だ)

Z(……とはいえ、他の連中を巻き込む恐れもある)

Z(………………ま、いいか。他の連中は)

上条「寮監……ですか」
上条「寮監……ですか」 - SSまとめ速報
(http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267119197/l50)
上条「寮監…ですか」
上条「寮監…ですか」 - SSまとめ速報
(http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267624842/l50)

上条「本当に足元が頼りないな」

美琴「落ちたら受け止めてね」

A「うう……怖いですわ」

D「やっぱ照らそっか?」

美琴「火事になったらマズイでしょ。っていうか、寮則違反よ」

Z「……………」

Z(………まだだ)

Z(まだ堪えるんだ)

Z(上条先生と絡み合いたい)

Z(上条先生のあんなところに顔を埋めたい)

Z(色々なところをクンカクンカしたい)

Z(っていうかされたい)

Z(でも、まだだ)

Z(まだ堪えるのですよ!Z!)

上条「もうこの辺まで来ると完璧に見えないな」

美琴「手探りで行くしかないわね」

D「やっぱ寮則違反とか言ってる場合じゃないって。照らした方が良いよ」

A「あなたばかりに良いカッコはさせませんよ?」

Z「…………」

Z(手すり伝いに歩くしかない)

Z(でも、手すりのカーブとかで判断は出来る)

Z(踊り場は、後……一つ)

Z(………………ここだ)

上条「お、踊り場だな。段差に気を付けろよ」

Z(今こそあなたにアタックチャァ~ンス)

Z(受け止めてください!上条先生!)ガバッ

いきなりだがID:l+vdP71p0はもう書く気ないのかい?
前スレの後日談を非常に見たいのだけれど
というか勝手に設定使って挙げ句に好き勝手改変してスマン

上条「あ、」

気にせんといてー

土御門「やっぱ中止」
上条「もう第七学区出ちゃったんだけど」
土御門「禁書が飛行機見て体調崩したらしい」
上条「調整ちゃんとやり直せ」

飛行機=超音速旅客機

っていうくだらん繋ぎネタ

Z「あ~んバランス崩しちゃいました~♪」ガバッ

ドスッ

美琴「あ、」

A「へ?」

上条「がっ」

D「お?」

Z(あー……なんか余計なものまでついてきた……)

上条「うわわわわわわわわ」ズルッ

美琴「きゃあああああああ!」グラッ

A「ひゃあああああああっ!」グラッ

D「おおおおおおおおう!?」グラッ

Z「あはぁぁぁぁああああん!」ズルルルッ



ドタタタタタタッ
ドサッ

誰かしらのおっぱい

美琴「うー……重い」

D「失礼な!私は重くないわよ!」

A「上三人とも重いです……」

Z「私は、胸があるからちょっと重いですよ?」

美琴「……喧嘩売ってんのかしら?」バチッ

上条「……………俺が一番キツい………って、ん?」モニュモニュ

「ひゃっ!?」

上条「………左手に妙な感触が……って、アレ?俺の下にいるのだれだ?」モニュモニュ

「ぁ……ぅ……う、動かさないで下さい上条さん……」

上条「……この豊満な柔らか夢物体は………まさか……」

風斬「お久しぶりです……上条さん」

上条「かざ……きり?」

美琴「……とりあえず、みんな降りない?」

美琴「……で、この女の子は誰かしら?」バチッバチッ

風斬「ひっ……」

上条「なんで御坂が半ギレなんだよ……風斬が怯えてんじゃねーか」

A「見ない制服ですね……」

D「立派なモンもってるわねー」

Z「メガネ臆病爆乳…………思わぬ伏兵か」


風斬「えと……か、風斬氷華、です……よろしくお願いします……」

上条「風斬、どうしてここに?」

風斬「あの……えと……インデックスちゃんを……探してて……」

上条「インデックス?」

風斬「また『出てこれる』ようになったから……インデックスちゃんとお話ししたくて……」

上条「ああ、なるほど」

風斬「貴方の傍を探せば多分見つかるかと思ってて……でも見つからなくて……」

上条「……最近目撃されてる幽霊って、風斬だったのか……」

風斬「今日も探してたら、上から皆が降ってくるから……せめて受け止めなきゃって……」

上条「そうか、サンキューな風斬」

風斬「それで……インデックスちゃんはどこに……?」

上条「……実は、今は学園都市から離れて、イギリスに居るんだ」

風斬「…………そんな……」

上条「インデックスも会いたがってるとは思うけど……こればかりは、な」

風斬「……いいんです。私も、今の学園都市を取り巻く環境はよく分かってますから」

上条「風斬……」

風斬「ありがとうございました、上条さん。私はまた、街をさ迷うことにします」

上条「……」

風斬「そんな顔しないでください……私は、上条さんに会えただけでも嬉しいですから」

上条「……」

風斬「それじゃあ、またいつか。その時は、インデックスちゃんも一緒に、ね?」

上条「……ああ。そん時は、また三人でゲームセンターに行こうな」

風斬「ふふ………約束ですよ?」スー……

美琴「……きえ、た?」

A「……ひっ」

D「ゆ………幽、霊?」

Z「メガネ臆病爆乳に加えて幽霊……なんたる難敵」

上条「さ、変電室行くぞ………って、なんで皆固まってんだ?」

美琴「だって、今の子……え?」

Z「明らかに幽霊だった。乳がでかい眼鏡っ娘の萌え系の」

A「上条先生……除霊もできたんですね」

D「しかも会話だけで……」

上条「え?いや、風斬は幽霊じゃ」

美琴「…………私、今ものスゴいもの見ちゃったの?」

A「流石は上条先生です……」

D「幽霊さえも手懐ける……」

Z「もはやその守備範囲に敵はない」

上条「…………」

こうして、翌日から「除霊師・上条当麻」の噂が寮内に流れることになるのだった

上条「さて変電室か」

D「地下階だけは別枠の電源があって助かったわ」

美琴「ブレーカー入れてもダメみたいね」

A「機械の中がぐちゃぐちゃなんでしょうか?」

Z「私のナカをぐちゃぐちゃにして貰えるのはいつでしょうか?」

上条「ちょっと待ってろ。中を見てみる」ガコン

美琴「……特に異常は見当たらないわね。電子回路がバグってるのかしら」

D「違うわよく見て。ここのコードが千切れてるのよ」

A「じゃあ、私が能力で繋ぎますから御坂先輩は溶接をお願いします」

Z「私と上条先生が繋がるのはいつですか」

御坂「任せて。じゃあ、頼むわね」

上条「なんかさっきからノイズが聞こえる」

ううむ

なんだがダレてきている感がいなめない

ポルターガイスト編なんですが、やっぱいちゃいちゃはあった方がいいですか?

ここは五和を・・・

五和はイギリス清教女子寮編でお届け出来ればいいのに

ということでいちゃいちゃは一応入れときます
がその前にちょっと頭を冷やしてきます
19:00くらいに戻れたらいいな

それだったら五和ルートにいけんではないか

とりあえず展開がダレて来たので全力で反省してきました

今頭を冷やすためにネクタイと靴下とメガネのみを装着しております

今からファミレスに行くようなので、またしばらくお待たせします……

インクルーシブさんは新たな魔導書の暗記のため旅立ちました

職質くらって遅くなりました

ということ再開します
ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございます

A「それじゃあ繋ぎますね」

美琴「おっけー」

ギギ………

D「……な、なに今の音……」

A「え?」

美琴「は?」

ギギギギ……

上条「何かが……軋んでる」

Z「うふふへへへへ……無視されんの気持ち良いです……」クネクネ

上条「こいつは相変わらずか」

ギギギギ……ギシッ……

美琴「ななな、なによ!なんなのよぉ!?」

A「まさか……ポルターガイストですの……!?」

D「なんか……嫌なカンジ……」

ガタガタガタガタ ガコン
   ギギギギ ギ ギギ

  カタッ カタカタカタカタ カカカカカカカカカ
コキン  カカカ キン

美琴「もうやだぁ!」ブルブル

A「あちらこちらから音が……」

D「………こ、怖い……よ……」ガタガタ

上条「み、皆とりあえず一ヶ所に固まれ!」

キョキョキョキョキョキョ
        ガタッ
  カカカカカカカカカ シュコン
    ガタガタガタガタカカカカカカカカカ
カンカンカンカンカンカン

美琴「や、やだやだやだ囲まれてるぅ!」ブルブル

上条「落ち着け!音があちこちでなってるだけだ!」

A「まるで……私たちの周りを何かが這いずってるみたいですわ……」フルフル

D「暗いよ周りになんかいるよ怖いよ!」ガタガタ

Z「うへへうふうへあは上条先生に密着してぁあんもうなんて素敵なスメル」スーハー

上条「やっぱお前だけ離れろ」

ガタンッ!

美琴「ぴぃ!?」ガバッ

A「ひゃっ!」ガバッ

D「キャ――――ッ!」ガバッ

Z「今だ―――――ッ!」ガバッ

上条「うわわわわわわ苦しいっ!」バターン!

  カカカカカカカカカ
 キキキキキ
     コキン
カカカ キン

……

上条「……収まった、か?」

美琴「……ひっく……ぐす……怖いよぉ……」ムギュー

A「……まだ……不安ですの……」ムギュー

D「ぅぅぅ……えぐっ……ひうっ……」ムギュー

Z「ふへへへ密着気持ち良いっすなぁ」スリスリ

上条「頼むから離れてくれよZ」

上条(にしても、マズイですよこの状況は!?女の子のあんなとこやこんなとこと上条さんは今密着しているわけでして!ああ、女の子って柔らかいな……じゃなくて!
本日二度目の柔らかマシュマロ素敵物体の感触を楽しんでる場合じゃねぇ!とにかくなんとかコイツらを立ち直らせなきゃ…………あー、血流が……)ドキドキ

上条(とはいえ……どうしようか……)

ムギュー

美琴「……やだぁ……離れちゃやだぁ……」ブルブル

ギュッ

A「もう少しだけ…………まだ怖いですの」フルフル

ムニュムニュ

D「……うえぇ………ひっく……」ガタガタ

サワサワ

Z「うぇっヘッヘッへ……」クンカクンカ

上条「よし、お前は大丈夫っぽいから離れやがれ」グィ

Z「あ~ん!痛いです上条先生~」グググッ

上条「……ほら、もう音もしねえし大丈夫だって」

美琴「う………うん………」グスッ

上条「ほらAも。お前らしくねーぞ?」

A「……はい。もう大丈夫ですわ…」スーハー

上条「ほらD。もう泣き止めって。大丈夫だから」

D「ぁぅ……ぅ……うん……」グスッ

上条「よし、皆無事だな。とりあえず、電気は後回しだ。……にしても、さっきのはなんだったんだ?」

A「ポルターガイストでしょうけど……さっきの幽霊さんは無関係だったんでしょうか?」

上条「だからあれは幽霊じゃ…………まあ無関係に変わりはないからいいか」

上条「…………」

上条(冷静になって考えろ、上条当麻!幽霊の正体は風斬だった、ということは心霊現象ではないということは判明したワケだ)

A「御坂先輩、大丈夫ですか」

美琴「うん……なんとか」グスッ

上条(となると能力者……念動能力か、或いは……気圧や温度を変えられる能力?)

A「とりあえず電気をつけちゃいましょう。お願い出来ますか?」

美琴「……うん、もう大丈夫だから」グシグシ

上条(いや、それはない。それだと物体の動きを操るなんて不可能だ。となると、やはり念動能力か?)

D「……ひっく……ぅ……で、でんきが………ついたの………?」グスッ

Z「ああん、暗闇の方が興奮するのにぃ」

上条(だが念動能力でこれだけのことが出来る人物には犯行は不可能!……そういえば、白井が言っていたあの言葉)

A「これで、やっと原因究明に戻れますね」

美琴「あ~あ……みっともないとこ見られちゃったな……」

D「……ぅう……怖かったよぅ……」グスッ

Z「あ~……暗闇での妄想は楽しかった」

上条「『レベル・アッパー』……」ポツリ

美琴「……どうしたの?幻想御手なんて、随分と懐かしい名前じゃない」

上条「知っているのか御坂?」

美琴「まあ、それに関しては色々あったし……っていうか、聞いたことないの?」

上条「………………ああ」

美琴「……ああ、そっか。あのね、幻想御手ってのは要するに、能力のレベルを楽して上げるアイテムなの。方法は省くけど、一時期それで急に力をつけた能力者があちこちで暴れたりしたのよ」

上条「急に力をつけた能力者……なるほど」

美琴「もっとも、色々あって幻想御手は完全に消滅。使用者もみんな元のレベルに下がったけどね」

上条(……幻想御手は現存しない。なら、別の方法で能力を急に上げることは出来ないか?)

上条(思い出せ…………何かあったハズだ)

上条(その片鱗を、俺は見たことがある)

上条(…………風斬?)

上条(いや、アレは確か外部から無理矢理変質させられた姿のハズだ)

上条(違う………もっと間接的な………片鱗)

上条「…………御坂、レベルアッパーの他に、能力を上げる、あるいは上がってしまう現象ってあったか?」

美琴「……あるわよ。幻想御手の事件の発端もその現象だったからね。……それに、アンタも少しは見たことがあるはずよ」

上条「………」

美琴「アンタがアレを止めてくれたから、黒子は今も私のルームメイトなのよ?」

上条「……テレポート?」

美琴「正確には座標移動。……彼女が能力の限界を行使できた理由。…………能力の、暴走よ」

上条「……それだ」

上条(あの日の惨状)

上条(何もかもがごちゃ混ぜに吹き飛ばされていて)

上条(挙げ句に空間を歪ませるほどの物体移動)

上条(………暴走、だ)

上条(……だとするならば)

上条(……犯人の可能性のある人物は一気に増える!)

上条(そして、能力を暴走させる危険性を孕み)

上条(能力自体が安定しないブラックボックス……)

上条(…………恐らく犯人は……)

上条「―――Z、ちゃん」

Z「はい?」

上条「……Zは確か、原石だったよな。それもレベル3の念動能力者」

Z「……そうですよ。まあ、微弱な能力ですが」

上条「だが、原石の能力は普通じゃないハズだ。能力自体が希少だったり、能力の幅が安定しなかったり。使用者のメンタルに左右されまくったり。
……俺自身が原石だからな。それくらいは分かる」

Z「…………」

上条「……昨日の罰則、厨房でなにがあった?」

Z「………」ギリッ

上条「……頼む。教えてくれ」

Z「……………フフ」

Z「フフフ………ハハハハハ」

Z「そうですよ……今回の発端のポルターガイスト現象」

Z「私の能力が暴走したことが原因です」

Z「……………………あれは、悪夢だった」

Z「生命とは、あるがままが美しいというのに!!」

Z「…………アレは、生命を侮辱していた」

Z「………………お教えします。昨日の厨房で、何があったか」

A「……」

D「……」

美琴「……」

上条「…………」ゴクリ

Z「……私は、白井黒子に連れられて厨房へ移動した」

Z「だが、厨房は誰もおらず」

Z「昼食のシチューの鍋がグツグツ煮えているだけだった」

Z「…………だが、換気扇や蒸気や鍋の音に混じって、聞こえてきたんだ」

Z「………あれは、声」

Z「泣き叫ぶような、助けを請うような、悲痛な声」

Z「それは厨房奥の事務室から聞こえてきた」

Z「私は、一歩一歩近付いて」

Z「中を…………そっと覗き見た」

Z「そこには……………」

Z「料理長………」

Z「そして……」

Z「青い髪の少年…………」

Z「奥の窓から入る逆光で、シルエットしか見えなかったけど……」

Z「……………二人が、抱き締めあってキスを………」

上琴AD「―――――ッ!!??」



Z「あれは、生命のやることではない!」

wktk








と同時にgkbr

Z「世界は必ず二元によって形作られねばならないんだ!」

Z「正と負、光と闇、右と左上と下!!」

Z「男と、女!」

Z「あっちゃいけないんだ!」

Z「同性同士で愛し合う?」

Z「ありえない!」

Z「あっちゃいけないんだよそんなものは!!」

Z「どちらが涙を流し、受け入れたかは知らない」

Z「そもそも、受け入れてはならない光景だったんだ!!」

黒子発狂レベルwwwwww

Z「…………ハァッ………ハァッ!」

美AD「…………」gkbr

上条「………それから、どうしたんだ?」

Z「フフ、私は静かに扉を閉めました。……そして、あの光景をそっと胸に閉じ込めた」

Z「その後の手伝いも、何事もなかったかのようにこなしました」

Z「…………でも、ダメだった」

Z「目をつぶっていると、どうしても浮かんでしまうんです」

上条「…………」

Z「……私は、生命だ」

Z「だから私は、本能に忠実です。気持ち良いことは好きだし、好きな男の種を受け止めたい」

Z「だからこそ、あれは許せなかった」

上条「……そして、その光景に堪えきれなくなり、暴走が起きた」

Z「………」コクッ

あれFどこいった

SSってどのタイミングで読むのがいいかな
今はまだ11巻しか・・・

上条「………Z」スッ

Z「……ッ!」ビクッ

ギュッ

上条「……辛かったな」ギュゥ

Z「……………ヒック」ジワッ

Z「うぅ、うえぇ………」

Z「う、う、う、うあああああああああ――――」

美琴「………」

A「………」

D「………」

上条「…………」ギュゥ

うぇぇぇぇぇえええええん……
ああぁぁぁぁぁああああああ……―――
――




 
 
 
 
こうして、ポルターガイスト事件は、その幕を閉じた………▽

 
 
 









Z「計画通り」










       

上条「……ってちょっと待て?」

Z「はい?」

美琴「なによ?」

AD「?」

上条「今回の発端のポルターガイスト現象が、Zの仕業ってことは分かった」

美琴「うん」

Z「間違いないですね」

上条「…………じゃあ、変電室でのラップ音は?」

美琴「だからそれもZさんが」

Z「いえ、それは私じゃないですよ?」

美琴「……へ?」

Z「私が関わってるのは発端のポルターガイスト現象で、変電室のは知りません。そもそも、私の能力は物を動かすだけで音だけを鳴らすなんてことはありませんから」

A「じ、じゃあ……」

Z「そういえばなんだったんでしょうね?私は、上条先生に甘えるチャンスだと思って気にしませんでしたが」

D「あれは…………」

上条「…………本物?」



上琴AD「………………いっ!」

いやぁぁぁぁあああああああ―――――…………



ポルターガイスト編マジで糸冬

というわけで無理矢理エンドなポルターガイスト事件ですた
gdgdで申し訳ない

さーZさんが素敵な光景を目撃したワケですが、事の真相を究明すべく上条さんがインタビューに行ってくる模様です

本編に戻る前にそちらをどうぞ



ちなみに、SSはしっかり13巻と14巻の間
SS2は一巻以前から16巻までの長い時系列の裏側を語るストーリーです

翌日

上条「青髪ピアス」

青ピ「……なんやねん」

上条「……お前、昨日の昼前、厨房で何してた?」

青ピ「……調理の準備やけど?」

上条「……その時、事務室で何してた?」

青ピ「……………!?」

上条「……やっぱり何かあった顔だな。……洗いざらい喋って貰おうか」

青ピ「……な、なにもあれへん。調理の準備しかしてへんねや」

上条「……あくまでシラを切るのか、青髪ピアス……」

一応言っとく最後の最後に台無しにしてすまん
保守 

>>204
むしろ俺は尊敬する

上条「青髪ピアス」

青ピ「なんやねんな」

上条「実は、その時の様子を目撃したらしい少女がいてな」

青ピ「!?」

上条「その時の様子を、よく語ってくれたんだ………」

上条「はい再現VTR、ドン」

上条「……私は、白井黒子に連れられて厨房へ移動した」

上条「だが、厨房は誰もおらず」

上条「昼食のシチューの鍋がグツグツ煮えているだけだった」

上条「…………だが、換気扇や蒸気や鍋の音に混じって、聞こえてきたんだ」

上条「………あれは、声」

上条「泣き叫ぶような、助けを請うような、悲痛な声」

上条「それは厨房奥の事務室から聞こえてきた」

上条「私は、一歩一歩近付いて」

上条「中を…………そっと覗き見た」

(↑全部裏声)

上条「そこには……………」

上条「料理長………」

上条「そして……」

上条「青い髪の少年…………」

上条「奥の窓から入る逆光で、シルエットしか見えなかったけど……」

上条「……………二人が、抱き締めあってキスを………」



上条「はい再現VTR終了!」

青ピ「全部カミやんやがな」

よかった
やったらいかんもんかと思った
じゃあこれから遠慮無しに行くわ

上条「再現VTRだからな。本人じゃない」

青ピ「……で、この証言の出来事があったんちゃうんかと」

上条「そういうわけですな」

青ピ「…………」

上条「…………」

青ピ「…………」

上条「…………」



上条「…………で、どうなの?」

青ピ「ありえへんことくらい分からんかドアホ」ズビシ

青ピが「男」にデレる瞬間が見れる    

上条「なんだなかったのかよ」

青ピ「ボクとお前は一回友情のあり方を確認したほうが良さそうやな」

上条「まあそれは置いといて。じゃあ、この目撃情報の真相はなんなんだよ?」

青ピ「気になるんか、やっぱり」

上条「上条さんは気になりすぎて夜しか寝れませんのことよ」

青ピ「ぶっちゃけどうでもいいんやな」

上条「うん」



青ピ「なにはともあれ再現VTR、ドン」

前日・厨房

青ピ「おい青髪!ちゃっちゃと昼食の準備すんぞ!」チャッチャッ

青ピ「はい料理長!……ってあら?上手くエプロンが結べへんな……」ワタワタ

青ピ「ああん?お前、そんなんでようここのバイトやる気になったなぁ」

青ピ「す、すんまへん」ワタワタ

青ピ「あ~もうじれったい!貸してみろ!」

青ピ「うわわわわっ!料理長!近いですって!」ゾワッ

青ピ「うるせぇ!テメェがエプロンを背中で結べねえのが悪いんだろうが!」グイグイ

青ピ「だからって正面から手を回してやることあらへんやないですかぁ」ゾワゾワ

青ピ「黙らんか!」

ガチャ

青ピ「――――ッ!?」

バタン

青ピ「はい再現VTR終了!」

上条「本人出演かよ」

青ピ「よく芸能人の体験談とかの再現VTRであるやん」

上条「ああ、あのタイプな」

青ピ「そうそう。…………まあとにかく、こういう真相なワケやな」

上条「なんだよ。源蔵×青ピは無いのか」

青ピ「見たくもないやろそんなん」

上条「半々くらいかな」

青ピ「なんやと」

上条「あちらに源蔵×青ピを楽しみにしていた方々が」

E「久々の登場ですけど、なんだBLは無いのか……」

F「やはり源蔵さんはアレで奥手!?」

G「いやいやきっと!いずれは!」

上条「こんな感じでして」

青ピ「ないわ」

上条「ないか」

青ピ「だっていくら広い守備範囲でも、性別男で受け付けんのはショタだけやし」

上条「そこに兄貴を追加したりとかは」

青ピ「ないわ」

上条「………」

青ピ「………」



上条「それではまた来週」

Zとの出会いがあったからそれでいい

というわけでインタビュー終了っす

まあグダってきたのは分かってる
文句がでるのもしかたがない
だが自己主張激しすぎというか、読み手とのコミュニケーションをとるのまで文句を言われる筋合いはないと思いますの
決まったストーリーはなく設定だけの半ば安価スレに近いのだから
のんびりムードでやらせてくれよ
ついでにモブの名前については前スレをよく読んでくれとしか


まあそれはさておき
なんとかgdgdを抜けて調子を取り戻したい
ちょい地の文に入ります

上条が二度目の寮監代理に就任してから、早くも一週間が経とうとしていた。
様々な出来事があったが、基本的には平和そのもの。
上条を慕う寮生たちと協力しながら、彼はのんびりとした管理人ライフを送っていた。

今日は平日。寮生たちは既に学校へ行っており、諸事情により特別な休暇を得ている上条はといえば、箒片手にせっせと玄関前を掃いていたのである。

上条「………あー、爽やかだな」

なにやらキラキラとした汗を流しながら、上条は爽やかな笑みで空を仰いだ。
日常的に不幸だなんだと騒いでいた面影はそこにはない。クラスメートが見たら衝撃のあまり固まるであろう、幸福感を全面に押し出したオーラを纏っていた。

もうちょい
美琴ハァ━━━━(´Д`)━━━━ン
な要素がほしい。

それもそのハズである。
かねてより上条の悩みの種であった暴飲暴食少女インデックスは、只今イギリスにて調整中。
このところは右手が呼び寄せる不幸なイベントや事件もなくなり、人並みの幸せを彼は噛み締めているのだ。

もっとも、インデックスの処遇については喜び半分不満半分といったところである。
数週間前に撃破したローマ正教の『神の右席』のトップである右方のフィアンマによって酷使されたインデックスは、奪還したときには既に衰弱しきっていた。
そこで戦地からすぐさまイギリスのロンドンへと飛んだ上条は、イギリス清教にインデックスを預け、彼女の命が助かるまでの数日を聖ジョージ大聖堂で寝ずに過ごしたのだ。
結果として彼女は一命をとりとめ、後遺症などのチェックや調整のためにイギリスに残ることになり、上条は学園都市側からの招集を受けて再び日本へ。

そんな経緯があるからこそ、またインデックスと話したい。笑って生活したい。
そんな思いもあったりするのだ。

が、そこは頭の軽いおバカ少年上条当麻である。
そういった思いは胸の奥に仕舞い込み、彼は寮監代理としての生活を全力で過ごしていた。
恐らく、近い内に再び何か事件が起こるに違いない。
その時までの、つかの間の休息。
それくらいはあったっていいじゃねーか、等と思ったりもするわけである。

しかし、上条はやはり不幸の申し子であった。

上条「ふぃー。掃除は気持ち良いですなー」

のんびり額の汗をぬぐうその姿を、物陰から見つめる人物がいたのである。
結局、その時に彼が人影に気が付くことはなかった。
そして、夜が来る。

なんか、話が・・・・
とか思ったら、20巻読んでない orz

源蔵「おら!寮監代理!飯が冷める前に早く早く!!」

上条「分かりましたよ源蔵さん。……えー、皆さん手を合わせて…………いただきます!」

「「「いただきます!」」」

一斉に手にフォークを持つ寮生たち。どの寮生も、長テーブルにぎっしりと用意された食事のうちサラダから食べ始めていた。どうやら、淑女のたしなみであるらしい。

上条「あー飯うめえ」

淑女ではない上条はというと、今日の疲れを夕飯で癒すべく大好物の肉からガツガツと食べ始める。
不幸によって大好物を逃さないがための、彼なりの生活の知恵であった。

黒子「……寮監代理、お夕食は逃げませんのよ。もう少し落ち着いてお食べになったらどうですの?」

美琴「そうよ。一応は寮の模範たる寮監の代理なんだから。ちゃんと味わって食べなさいよ」

上条「えー。だって美味いんだからしょーがねえじゃんか」

>>278
おいまて、まだ出てないだろ

そう言って子供のように肉を頬張る上条を見て、寮生たちはクスクスと笑った。
バカにしているわけではなく、やんちゃな子供を見守る母親のような笑みである。

美琴「まったくもう……」

美琴は、静かに自分の食事に手をつける。
活発な美琴には似合わず、優雅で気品に満ちた動作だった。
お嬢様学校のエースの座は、決して能力だけの伊達ではない。

黒子「……そんなこといいつつお姉様。お肉を残してはなりませんのよ?」

美琴「……うっ」

見れば、美琴の食事は綺麗に肉ばかりが残っていた。
メインディッシュのリブロースはもちろん、サラダのベーコンまでが端に寄せられて、手をつけられることなく冷めるのを待っていた。

黒子「まさか、お姉様……」

黒子は、そこで良い止まる。
淑女にとって、ささやかながらも重要な闘い―――すなわちダイエットを大勢の前で直に指摘されるのは、晒し者になるということに他ならない。
それは淑女にとってプライドを傷つけられる行為であり、淑女たちにとっては暗黙の了解だったのだが……

上条「なんだ御坂、ダイエット?」

淑女などという言葉とは無縁の、普通の男子高校生である上条には分からなかった。
そして、ピシッと張り詰める空気。

上条(……あれ?もしかして上条さんは地雷をふみました?)

後悔先にたたず。恐る恐る美琴の顔を伺う上条は、聖母のような笑顔を浮かべる美琴の唇が無言で動くのを捉えた。

美琴(……ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね)

…ま……づ…らぁ……

さて、夕食後。
寮内での能力の使用は厳重に禁止されているため、仕方がなく回し蹴り(日々自販機相手に訓練済み)を上条寮監代理にお見舞いした美琴だったが、ふと有ることに気が付いた。

美琴「アンタって寮則を守らなきゃいけない人?」

上条「ああ、まあ一応は寮監代理なわけだし。寮則は守らないとダメじゃないか?」

美琴「……じゃあ、アンタが私や他の寮生の能力を打ち消すのって、寮則違反じゃない?」

上条は顎に手を当てると、しばらくうーんと考え込み、

上条「……まあその話は置いといて」

美琴「都合が悪くなったからって話をそらすんじゃないわよバカ」

再び炸裂する美琴の回し蹴り。
地味に響く痛みを腰に感じながら、上条は言った。

上条「そもそも、お前らが寮則を違反して能力を使うからダメなんだろ?それによる被害を食い止めるために能力を使ったって良いだろ」

上条にとっては精一杯の正論。だが、万年補習生の上条よりも名門中学のトップたる美琴のほうが、やはり頭の出来は良い。

美琴「それだと、発火能力者を止めるために水流操作系や気流操作系の能力者が能力を使うのもアリになるけど」

上条「……」

黙り込む上条。
そして、ポツリと口を開く。

上条「……御坂様は何をお望みでせうか」

美琴「別に。なにも」

美琴の返答に釈然としないものを感じた上条は、再び問いかける。

上条「……あの、本当になんでもないんですか?」

美琴「な、ないわよ……。本当になんとなく」

上条は懐疑的な表情を浮かべると、すぅと息を吸い込み、

上条「ま、まさか御坂さんはわたくし上条当麻に再び愛玩奴隷上条当麻になれとおっしゃるつもりでせうか!?」

美琴「だからなんとなくだって言ってんでしょーがっ!!」

ズバーン!と爽快な打撃音を奏でる美琴の突っ込み。
頭を思いきり叩かれた上条は、頭を擦りながらぼやいた。

上条「……だったら、なんだよその封筒は」

美琴「………っ!?」

美琴のスカートのポケット、その右側からは、小さな茶封筒が顔をのぞかせていた。

美琴「こっ、これは――」



話は、昼まで遡る。

D「白井さ~ん」

常磐台中学。学園都市の第七学区に存在する『学舎の園』という場所に門を構える、名門お嬢様学校。
学園都市中の少女から羨望の眼差しを受ける学校の廊下を、黒子はなんの気取りもなくサクサク歩いていた。

黒子「あら、D先輩ですの」

呼び止められ振り向くと、同じ学生寮で顔馴染みの発火能力者であるDがたっていた。

D「白井さんさ、明日とか暇だったりする?」

黒子「風紀委員の仕事が入らなければ、予定はありませんわね」

Dは溌溂とした笑みを見せると、黒子に小さな茶封筒を差し出した。

支援。

D「これ、映画のチケットなんだけど。私も友達も明日外せない用事が入っちゃってさー。代わりに、どう?」

Dは中身を取り出して、黒子の眼前に広げて見せた。
それは、人気俳優の一一一が主演の、今もっとも話題になっている恋愛映画だった。
妙なことに、邦画であるにも関わらず、監督はビバリー=シースルーという外国人らしいのだが。

黒子「私にですの?」

D「うん。あ、お金は良いわよ?ほら、最近は何かとお喋りしたりするじゃない。たまには、こんなやりとりも、ね」

黒子は、屈託のないDの笑顔を眺めると、にこやかに言った。

黒子「それでは、ありがたく頂戴しますわ」

D「ありがとう。見たら、感想を教えてね」

それからしばらく経って、放課後。

黒子「というわけで、三枚の映画のチケットがありますの」

美琴「アンタが行けば良いじゃない。初春さんとか佐天さんとか呼んでさ」

目を輝かせながらチケットを突き出す黒子に、美琴はつれない態度をとっていた。

黒子「……なぜそんなに冷たいんですの?」

美琴「だって、映画館なんて暗い場所で恋愛映画なんて見てみなさいよ。アンタに何されるか分かんないじゃない」

うっ、とたじろぐ黒子。
様々な前科があることは自覚しつつも、懲りないのが彼女である。
冷たくあしらわれようとも、彼女はめげずに続けた。

黒子「な、なにもしませんわよ?」

美琴「…………」

果てしない疑いの目線を向ける美琴。硬直した笑みを浮かべ続ける黒子。やがて、美琴はため息混じりに口を開いた。

美琴「……っていうか私、恋愛映画って苦手なのよねー」

黒子「なんですと!?」

窓から夕焼けを眺める美琴にバレないように、黒子は小さく唇を噛んだ。

黒子(このままでは、お姉様と恋愛映画を見て良い雰囲気になり、そのムードを保ったまま夜は寮の部屋でベッドイン作戦が早くも頓挫してしまいますの!)

黒子はお姉様の為ならば限界を易々と超える脳をフルに使い、別のアプローチを探る。
恋愛映画嫌いなお姉様に、恋愛映画を見させる方法……
やがて、黒子は他人に譲ろうと考えていた三枚目のチケットを眺め、腹をくくった。
肉を斬らせても骨を絶つ!そういった気概である。

黒子「お・ね・え・さ・ま~ん♪」

美琴「……なによ、急に猫撫で声なんて出して。気色悪いわね……」

その程度の暴言であれば快楽に変換することも出来なくもない黒子である。
美琴の耳元に口を近付けると、美琴の心を鷲掴む魔法のセリフを唱えた。

黒子「じ・つ・は、あの殿方を誘おうとも思ってますの」

美琴「………!」

効果覿面。というのが黒子にはちょっぴり悔しかったが、とにかく美琴の興味を惹くことには成功したようだった。

美琴「なによ黒子、まさかアンタまでアイツを狙ってるわけじゃないわよね……?」

黒子「黒子はお姉様一筋ですのよ」

黒子「やはり、男女の間柄をぐっと近付ける簡単な方法は、一緒に恋愛映画を見ることですの!
共に恋愛映画を見た男女は、やがてその映画に感情移入を始め、そのまま二人はお互いを意識するようになり、そして結ばれる―――!!
……なーんていうのは、決して夢物語ではありませんのよ」

美琴は、熱烈に説明を始める黒子をしばらく意外そうに見つめて言った。

美琴「アンタもしかして、アイツとの、その、恋、愛……を、応援してくれんの?」

実際のところ、当日は上条が映画館で飲むドリンクに下剤を仕込んで即退場、と企んでいるのだったが、そんな腹黒さは微塵も出さず。

黒子「お姉様の幸せこそ、黒子の幸せですの」

ぬけぬけと言い切った。

美琴ハァ━━━━(´Д`)━━━━ン
のボルテージが高まってきましたな。支援!

さて、場面は巻き戻る。
そんな経緯を経て、美琴は夕食後の上条が一人になるタイミングを狙ってやってきたのだったが、やはり勇気が出せずに回り道ばかりしていたのだった。

美琴「こっ、これは、その……」

上条「?」

頬に朱を差しながらもじもじとする美琴に、そんな乙女の感情の機微などどこ吹く風の鈍感少年上条。
これは誰かが助太刀をしなければならないか、と思われる状況だったが、やがて美琴が顔を林檎のように真っ赤にしながら封筒を突き出した。

美琴「く、黒子と私とアンタの三人で、映画でも見に行かないかって誘いに来たのよ!!」

上条「なぜ御坂さんはお怒りになられているのでせうか!?」

黒子の名が最初に出たのは、照れ隠しか、ささやかな誤魔化しか。
だがとにかく、美琴は見事に上条を映画に誘うことに成功したのだった。

さて、そんな美琴の一世一代の勇気ある誘いに対する上条の返答は

上条「は?映画?」

と至ってシンプルなものだった。
封筒を突き出したまま熟れたトマトのようになって動かない美琴と、ポカンとアホ面をぶら下げて棒立ちな上条の間に、しばし沈黙が訪れる。
そして、美琴は小さくプルプルと震えると、プシュー、と顔から蒸気を出してうつ向いた。

上条「み、御坂?」

心配そうに声をかける鈍感少年。
そして、ガバッと顔を上げた美琴は、猛り吼えながら電撃をほとばしらせた。

美琴「だから、行くとか行かないとか言いなさいよぉぉぉぉぉおおおっ!!!」

上条「うおっ!?あぶねっ!」

前髪から凄まじい勢いで弾ける紫電。
そしてその雷撃は、上条の突きだした右手に触れた途端に消滅した。

上条「おい御坂!寮内での能力の使用は寮則違反だってさっき会話したばっかじゃねえか!」

美琴「じゃあアンタも寮則違反じゃない!」

上条「だって消さなきゃ上条さん死んでましたよ!?」

美琴「避けなさいよ!!」

上条「無茶言うな!っていうか、映画の内容とか時間も知らないのに行くとか行かないとか答えられるかっての!!」

美琴「あっ……」

それもそうである。美琴は緊張のあまり、重要な情報を伝え損ねていたらしい。美琴は急に大人しくなると、恥ずかしそうにチケットを取り出して、内容を読み上げていった。

美琴「えっとぉ……タイトルは『鳴宮ナツヨの憂鬱』でぇ」

上条「なんですかそのギャル口調!?」

美琴「内容は一一一主演の恋愛映画……でぇ、開演は朝の10:00で、二時間半の映画みたいねー……」

読み終わるとチケットを静かに封筒にしまうと、美琴は顔を赤くしたまま、小動物のような面持ちで首をかしげた。

美琴「どう、かな?」

上条「……別に映画に行くのは構いませんが」

美琴「ほ、ほんと!?」

美琴は目をキラキラと輝かせると、テンション高く小さく跳ねながら

美琴「えっと!じゃあ明日は朝の9:00には寮を出て、それからしばらく街をフラフラ歩いて、時間になったら映画見て、ご飯食べて、また街をフラフラして、いろんなお買い物したりして!」

上条「ち、ちょっと待った御坂さん!一気にそんな予定を捲し立てられても上条さんは覚えきれませんことよ!?っつーか初耳な予定ばっかなんだが!!」

美琴「じ、じゃあ今から予定を紙に書いてくるからちょっと待ってなさい!」

言うやいなや、美琴は猛烈なダッシュで寮の廊下を駆けていった。

上条「廊下を走るなー御坂」

寮監代理として一応注意は呼び掛けるが、もはや耳には届かず。

上条「……まったく」

上条は小さく笑うと、寮監室へと入っていった。

そして―――事件は、起こる。

寮監室に戻った上条が、机に向かって雑務をしていた時である。

「―――きゃぁぁぁぁあああっ!」

―――叫び声っ!?
上条は慌てて椅子を吹き飛ばして立ち上がる。
今の叫び声には、聞き覚えがあった。

上条「―――御坂っ!!」

上条は扉のノブを回す手間さえ惜しく、勢いに任せて飛ばし開けた。
そこには―――

御坂「い、いや!離してよ!」

「へっへっへっ、そうはいくかっての」

虚ろな目線をさ迷わせるメガネの痩せぎすの青年と、腰で履いたジーンズにジャージと金ネックレスの坊主頭の男と、タンクトップにスウェットといういでたちの金髪の男。
そして、金髪の男に成す術なく華奢な腕を掴まれ動けなくなっている、学園都市第三位の御坂美琴がいた。

上条「なっ、なにしてやがる!御坂を離せ!」

金髪「あぁ?聞こえねぇよカス」

金髪はヘラリと笑うと、美琴の腕を高く上げて美琴を吊り下げるようにした。

美琴「いっ……痛い……」

上条「御坂ぁ!」

金髪「お前だろ?寮監代理さんってのは。随分とチョロそうな奴が寮監代理になったもんだなぁオイ」

上条「その手を離しやがれクソ野郎!」

金髪「はぁ?テメェは自分の置かれているポジションって奴が、分かってねぇのかぁ?」

そう言うと、更に高く美琴の腕を吊り上げる金髪。同時に、美琴は苦痛に顔を歪めた。

美琴「ぁあ……ぅ……」

金髪「はっは!良いねぇ女の苦痛に喘ぐ声ってのはよ!」

上条は思わず飛びかかりかけた。が、寸前で踏み止まった。

上条(なんで……御坂は能力を使わない?)

疑問が顔に出ていたのか、金髪はニヤリと口の端を歪めた。

金髪「気になるか?なんか小細工をしてんじゃねえかって思うと掴みかかれねえってか?
…………だぁ~いせぇ~いかぁ~い♪」

そのまま、後ろに待機していた坊主頭に目配せをすると、坊主頭がニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら、上条に歩み寄る。
続いて、金髪は空いている方の手でポケットを探ると、小さなナイフを取り出した。

金髪「……タネは明かさねぇよ。もっとも、どんなネタ仕込んでるか予想がついてんのかは知らねえけどな」

坊主頭が上条の前に立つ。

金髪「お前は黙って殴られてろよ。変な真似したら、首切るぜ?」

そして、一撃。

上条「――がはァっ!!」

鳩尾に向けて放たれたアッパーは、無抵抗な上条の腹に突き刺さった。

上条「あ……が……っ!」

坊主「オラ、立てよ」

膝をついた上条に対し、そのまま髪を掴んで無理矢理引き上げると、二撃。

上条「―がふっ!――がヒュっ!!」

再び腹に向けての、今度は膝蹴りである。
鈍い音が二回続き、上条は地面に倒れ伏しかける。
しかし、髪を掴まれているせいでそれは叶わなかった。

上条「―――ゼェ、ゼェ」

金髪「……もうそろそろ良いか?」

金髪は、優越感に浸りながら口を開く。

金髪「昔、能力の暴走が起きる法則を掴もうって実験があってな。
その発展で、逆に能力を暴走させたらどんなプラスの結果が出るのか調べる実験があったんだよ」

上条「――?……いきなり……何、を……?」

上条が口を開くと、再び腹に蹴りが入る。

金髪「タネ明かしだよ、タネ明かし。どうせ破ることは出来ねぇし、冥土の土産にってな」

金髪は、余裕の態度を崩さずに告げた。

金髪「その実験で、色々な能力者が生まれた。大体は強力な力を得たんだ……が」

ナイフをしまうと、代わりにポケットから小さなガラス瓶を取り出した。

金髪「……『体晶』、って言ってな。コイツを使わなきゃ、能力が発動出来なくなっちまった。そして、この『体晶』は使い続けると自我を壊しちまう」

上条は霞みかける視界の奥に映る、今まで動きもせず喋りもせず、ただ虚ろな目線を天井にむけるだけ青年を見た。
彼が、被験者なのか。

金髪「そいつの能力は『能力阻害(AIM・ジャマー)』。
能力を発動しているコイツを基点とする半径100mの球体の中では、どんな能力もAIM拡散力場から阻害されて発動出来ねぇ」

もはや機材として扱われている青年は、なにも語らない。
その分、金髪は饒舌に「おもちゃ自慢」をしているようだった。

金髪「……つまり、この寮にいる連中の殆どは能力を使えない。ついでに、寮の外にいる連中もな」

いつの間にか、ロビーには寮生が集まってきていた。
騒ぎを聞き付けてやってきたのだろう、恐らく全員だ。

金髪「……コイツの能力の射程外に行くには、どんぐらいかかる?……もはやお前らには……」

金髪は瓶をポケットにしまい込み、再びナイフを取り出した。

金髪「……黙って俺らの言うことを聞いてる他ねぇんだよ。はっは!」

上条は、金髪の言葉を黙って聞きながら、静かに歯を食いしばる。
腹には未だに鈍い痛みが走り、呼吸も荒かった。
髪は依然として坊主頭に掴まれたままで、抵抗も出来ないハズである。

だが、上条は頭が良くなかった。

上条「…………そうか、それだけか?」

金髪「……はぁ?」

金髪は怪訝な顔をした。
そして、寮生たちにも戦慄が走る。
この状況で普通なら選択しない「挑発」を、彼は敢えて選んだ。
それは、美琴に危害が加わる可能性を孕んでいるのに。
だが、上条は愚かだった。

上条「……それだけか、って言ったんだゲス野郎……」

再び腹に鈍い一撃。
衝撃で、上条の体は一瞬だけ宙に浮く。

だが、その程度で彼の芯は、愚直なまでの正義は、折れたりはしなかった。

上条「……なんだ、要するにお前は、他人の力にすがって有頂天になってるだけじゃねえか……」

上条は、髪を掴まれたままで、無理矢理うつむかされていた顔を上げる。
その表情は、苦しそうに笑っていた。

金髪「なんだと……?」

金髪は不機嫌そうにナイフを構え、坊主頭は空いている方の拳を振りかざす。

上条「……俺や、御坂は……」

風切り音。そして、打撃音が続く。

上条「…………お前らみたいな奴には、絶対に負けたりはしない。借り物でキャンキャン吠えんなよ」

直後、坊主頭の拳を受け止めた左手を握り締め、上条は右拳を引く。

上条「―――歯ぁ食いしばれ、バカ野郎!!」

支援。

坊主頭の死角となる真下から撃ち込まれた右アッパーは、綺麗に坊主頭の下顎に吸い込まれた。

坊主「―――がッ!?」

強かに骨を打つ音がロビー中に響き渡り、坊主頭はその身を宙に舞わせ、やがて倒れて動かなくなった。

金髪「―――なっ!て、テメェこの女がどうなってもいいのかよ!?」

美琴の喉に当てがわれたナイフが、歪に光を反射する。

上条「一つ、テメェは勘違いしてる」

肩で息をしながらも余裕を崩さない上条に気押されるかのように、金髪はたじろいだ。

金髪「……は、ハァ?」

上条「……御坂は、能力を使えない。だが、使えるんだ」

金髪「い、い、い、意味が分かんねぇよ!?」

そして、上条は言い放つ。

上条「――御坂!……今だけ寮則違反に目を瞑る。だから――

そいつの幻想を、ブチ殺してやれ!!」

美琴「……言うのが……遅いのよ!!」

そして

金髪「あ……がぁぁぁあああああああああっ!!!」

壮絶な電撃を一身に浴び、金髪はあえなく床に沈んだ。

美琴「……今のは、腕の分も含めてよ」

美琴はフンと鼻を鳴らすと、そのまま上条の元へ歩み寄った。

美琴「――でも、寮監代理さんは暴力ふるって罰則じゃないの?」

上条「じゃ、御坂が罰則決めてくれ」

美琴は、小さく微笑んだ。

美琴「……じゃあ、明日は目一杯楽しんで―――
『不幸だー』、なんて絶対に言わないこと」

上条「……そりゃキツいな」

二人は、寮生たちの声援のなか、静かに笑いあった。

以上、gdgd飛ばしの地の文付きSS完了です
前スレの映画のチケットネタ、侵入者ネタをしっかり使わせていただきました
もちろん映画ネタはまだまだ続きますが……

やっぱ台本のがいいですかね?

支援。

あ、そういえばSS中で解説忘れてた
ということで事の顛末を解説

なぜ『能力阻害』が無効化されたかといえば、『能力阻害』のAIM拡散力場の範囲に上条さんの右手が含まれていたからでして
つまり初めから能力は使用可能でした

ちなみに御坂さんは寮則のやりとりを気にしていて能力を使えなかったという事ですね

で、どんなネタが仕込まれてるか分かんない上条さんは手だしできず
種明かしでやっと茶番だと気が付いて、一件落着と

多分分かってましたね
一応参考までに

ちなみに、賊の侵入経路に関する突っ込みは無しね

とりあえず、スタイルは今まで通りでいきます

台本メインで、グダりかけたら地の文で
まあ題材ごとに区切らなきゃいけませんが

後、俺のSSの内容に関する批判には反論しないでいただけると幸いです
力不足は重々に理解していますので

後、スレストとか来たら多分制作速報に立て直します
参考までに

ということで今日は寝ます
また明日も昼過ぎに
お休みなさい

寮則を気にして上条さんがボコられるのをただ見てた美琴クズ過ぎね?
って突っ込んだら巻けな気がする

>>348
上条さんとのデートが心配だったのと、上条さんを信じていた

とかじゃダメですかねやっぱ

>>348
じゃあ実際は当麻がぶん殴るまで解けてなかったとか
当麻とした「約束」だから雑魚の一人や二人ごときのせいで破りたくなかったとか
ちょっとヒロイン気分に浸りたかったが引き際を誤ったとか脳内保管すりゃいいじゃん

映画ネタ拾ってくれて感謝

プロット無しのぶっつけとノリと思い付きで書いていったのでやっぱり突っ込みは出ますね、申し訳ない

茶番ってのは、上条さん的に「なぁんだ、寮則を気にして電撃を使わないだけか」ってことだったので茶番

寮に殴り込んだ理由については、常日頃から寮に入って強姦なり人質にして身代金の請求なりしたかったんだけど、鬼寮監が怖くて攻めあぐねていたところ、どうやらチョロそうな奴が寮監代理っぽいということで、実行に移したと
上条さんをボコボコにしたのは、その腹いせとか
そんな感じで脳内保管お願いします

まだ再開までにはしばらくかかります

ここらで一応設定の再確認をば

あらすじ
無事にフィアンマを退け、インなんとかを奪還した上条さんはインなんとかをイギリス清教に預け日本へ
その後、一度寮監代理を努めた実績から再び寮監代理に抜擢された上条さんの運命やいかに?

上条さん : 寮監代理。学校は特別な休暇を得ているので行かなくておk
御坂 : ビリビリ
黒子 : 風紀委員ですの!お姉様一筋
源蔵 : 常磐台学生寮料理長。ムキムキの坊主頭。青ピとフラグ成立済み
青ピ : パン食を増やす際にバイトとして雇われる。基本的に朝晩の料理の準備に参加。休日は昼も
舞夏 : 時々出没するメイド見習い
寮監 : 只今出張中。ゲコ太趣味。上条さんが気になっちゃう、行き遅れたお姉さん
A : 一年生。金縛りの念動能力者。お慕いしてますわ上条先生。意外に強か。前々スレのバナナ
B : 一年生。ウワサ好き女子。影が薄い
C : 三年生。Dと仲良い真面目系女子。影が薄い
D : 三年生。レベル4の発火能力者。大好きです上条先生。サバサバしてる。意外に臆病で泣き虫
EFG : あれこれ有らぬ予想をする腐女子ども
Z : 二年生。原石の念動能力者。ドMで年齢を無視した変態性。折檻してください上条先生。策士だがバカ野郎

それでは再開しますの
なお、支援レスのみってのはちょっと味気ないですの
適当に雑談なり反応なりなさっていてくださいませ

5:00

上条「……ふぁ~……。あー、やっぱこのソファー欲しいなぁ。なんでこの時間ぴったりに起きれんだろ」

上条「さー、朝の内に雑務は済まさねえとな」コキコキ

上条「…………映画か」

上条「映画なんて、初めてじゃないか?……記憶をなくしてから」

上条「前の俺は見たことあんのかな……まぁ、いっか」

上条「御坂も楽しみにしてたしな。……今日は目一杯楽しまなきゃな」

上条「さー、上条さんは頑張っちゃいますよっと!」

上条「」カリカリ

コンコン

上条「?……はい」

ガチャ

美琴「あ、あの、とー…………あ、アンタ、なんか手伝うこととかない?」

上条「御坂……?まだ5:30じゃねえか。随分と早起きだな」

美琴「た、たまたまよ!……で、なんかないわけ?事務とか雑務とか」

上条「んー、一応は寮監代理としての作業だからな……御坂に手伝って貰うべき作業とかはないな」

美琴「ち、違うわよ!私がしなきゃいけないとかじゃなくて、その……き、今日は映画見に行くでしょ?私が誘ったんだし、それで寮監代理としての作業が終わんなかったら嫌じゃない。
だから、作業効率を上げるために手伝うって言ってんの!」

上条「朝から元気だなぁ、お前……。そっか、じゃあそういうことなら、この書類にハンコ押していってくれよ」

美琴「ま、任せなさい!」

上条「」カリカリ

美琴「」ペタッペタッ

上条「」カリカリ

美琴「」ペタッペタッ

上条「」カリカリ

美琴「……」プルプル

上条「」カリカリ

美琴「ち、ちょっと」

上条「……んー?」カリカリ

美琴「……なんか、喋んなさいよ」

上条「……はい?」カリカリ

美琴「……だから、黙りっぱなしじゃなくて、なんか喋ってよ……。いつもベラベラ喋るアンタらしくないじゃない」

上条「んー、これ終わったらな」カリカリ

美琴「…………っ!」プルプル

美琴(うう……緊張のせいで寝れなかったから思わずこっち来ちゃったけど……。まさか、こんな無言の時間が続くなんて……!)

上条「」カリカリ

美琴(……うー……どうせならもっとお喋りしながら過ごしたかったなぁ……ずっと無言なんて……やだな……)ペタッ ペタッ

上条「……」カリカリ

美琴(……どーせ、この朴念仁にはそういう乙女の気持ちなんて分からないんでしょうけど)ペタッ ペタッ

美琴(大体、いつもそうよコイツは。私の気も知らないで、いっつもマイペースで。……そりゃ、私だって素直になれないけどさ)ペタッ ペタッ

美琴(……今日の映画も、多分黒子の作戦なんて完全にどこ吹く風で、見終わった後に『あ~、面白かったな』とかいうおざなりな感想でハイ終了、に決まってんのよ)ペタッ ペタッ

美琴(……まあ、一緒に映画見たり遊んだりっていうのが重要なんだろうけど……)ペタッ ペタッ

美琴(……大体、コイツは……)

コトッ

美琴「……?」

上条「コーヒー入れて来たぜ。ほら、御坂の分」

美琴「……あ」

上条「ん?」カタッ

美琴「……あの、その……ありがと」

上条「いや、手伝ってもらってんのこっちだしさ。ありがとな、御坂」

美琴「………うん」

上条「」カリカリ

美琴「……」ギュッ

美琴(……でも、あったかいんだよなぁ……とーまは)ポカポカ

初春ーはやくきてくれー

美琴「……」ブルッ

美琴「ちょっと寒い……かも」

上条「ああ、そういや暖房つけてなかったか。もう冬だしな」

カチッ ヴィーン

美琴「ありがと」

上条「いやごめんな。俺はホラ、厚着してっけど、お前はパジャマにカーディガン羽織ってるダケじゃんか」

美琴「あと靴下にスリッパ」

上条「微々たるもんだろその差」

美琴「ふふっ、まあね」

カリカリ カリカリ カリカリ

美琴「……ねえ、ちょっとそっちよっていい?」

上条「んー?作業しづらいぞ」

美琴「だって、寒いんだもん」

上条「……あ、そっか。暖房ってしばらく時間かかんだっけ」

美琴「そ。だから、いいでしょ?」

上条「えー……でも、なぁ」

美琴「いいじゃんいいじゃん……それとも、恥ずかしいの?」

上条「ばっ……!そ、そのようなことは断じてあ、ありえませんよ!?」

美琴「じゃーいいでしょ」

スッ ストッ

美琴「……アンタって、すごぉくあったかいんだもん」

上条「……厚着してっからだろ。というか人を暖房扱いするなよビリビリ」

美琴「だからビリビリいうなって言ってんでしょうが」

上条「へいへい」

美琴「へいじゃなくてはい。それと、はいもへいも一回でよろしい」

上条「ほいほい」

美琴「……なによ、ケンカ売ってんの?」

上条「いやいや」

上条「……」

ジー

美琴「?……なに上着のファスナー下げてんのよ?寒いでしょ?」

パサッ

上条「寒がってんのはお前だろ。ほら、貸してやるから」

美琴「アンタは寒くないの?」

上条「俺は…………いいんだよ」

美琴「……ちょっと、こっちに体を寄せなさい」

パサッ

美琴「……二人で羽織れば、どっちもあったかいわよ?」

上条「……作業できねーよ」

美琴「邪魔?」

上条「……そんなことはねえけど」

上条「……」カリカリ

美琴「……」ペタッ ペタッ

上条「……やっぱ作業しづらくないか、これ」カリカリ

美琴「んー、私は平気かな。ハンコ押すだけだし。……むしろ、作業効率上がるかも」ペタッ ペタッ

上条「……何故」カリカリ

美琴「ひみつ」ペタッ ペタッ

上条「……ま、いいけどさ」

美琴「そうそう、気にしないのきにしないの。細かいことを気にする男はモテないのよ?」

上条「……年下にモテない呼ばわりされる俺って……そりゃモテたためしがございませんけど……」ズーン

美琴「ほらほら、落ち込まないの」

美琴「あ、そういえば」

上条「ん?」

美琴「昨日、渡しそびれちゃった今日の予定」ピラ

上条「ああ、そういえば……って、なんかところどころ焦げてるんですが」

美琴「ポケットに入れてたからね。電撃の名残でしょ」

上条「……昨日は大変だったなぁ」

美琴「ホントよねー」

上条「……というか、寮則を気にして上条さんを見捨ててた御坂さんは少々薄情ではありませんでせうか?」

美琴「別にー。アンタなら大丈夫だと思ってたし。それに……嫌だったのよ」

上条「……なにが」

美琴「また寮則だなんだで揉めて、今日のが無しになったら」

上条「……なるわけねえだろ、バカ」

美琴「でも、昨日のアンタはカッコよかったわよ?」

上条「そりゃまるで上条さんが普段カッコ悪いみたいないいぐさだな」

美琴「え?カッコ悪いじゃない」

上条「……」ズーン

美琴「だから落ち込むなって。……いいのよ。男の子だからって、いっつもカッコつけなくて」

上条「……はぁ」

美琴「……アンタは、どんなになってもアンタなの。普段はダサいけど、いざってときには誰よりも頼りになるヒーローなの。……私の妹たちや、私自身を救ってくれた、カッコいいヒーロー」

上条「……」

美琴「……だから、いいのよ。普段カッコ悪くても。私は、アンタがカッコいいってことを知ってるから」

上条「……なんだか、照れるな」

美琴「……まあもっとも?アンタのことだから、なんだかんだ言って数えきれないくらいの女の子を助けてヒーローになってるんでしょうけど」

上条「なぜ女の子限定なんですか、というかなぜそんなにトゲのある言い方に?」

美琴「……そういえば、お腹、大丈夫?」

上条「はっはっは!あの程度でダウンするほどヤワな上条さんではありませんのですよ!あの程度は屁の河童です!」

美琴「……」ピトッ

上条「はぅッ!?」ズギューン!

美琴「……やっぱ痛いんじゃない。無理しないでよ」

上条「……うぅ……」

美琴「……」ギュッ

上条「え!?み、御坂さん!?」ワタワタ

美琴「……ありがと、とーま。……私のために、またこんなになってくれて。……昨日の、『御坂を離せ!』って怒ってくれたの、凄く嬉しかった」ギュゥ

上条「……あ、あれは、その、寮監代理としての職務でありまして……」ドキドキ

美琴「それでもいいの。……本当に、ありがとう」

上条「…………おう」

上条さんって基本男には厳しいよね
オルソラとアニェーゼの言うことは信用できても建宮の主張は疑ってかかるっていう
建宮の話聞いた後でもルチアとアンジェレネの言い分を信じたいっていう
かんざきさんじゅうはっさいとつっちー、ステイルの扱いも差がある気がするし

美琴「……」スッ

上条「………?……?(は、離れた……?)」ドキドキ

美琴「……あーあ、上着落ちちゃって。埃ついちゃうわ」パサパサ

上条「み、御坂……」ドキドキ

パサッ

美琴「……今の話はおしまい。さ、作業に戻ろ?」

上条「……あ、ああ……」ドキドキ



美琴「……そろそろ、皆起き出す時間ね」

上条「本当だ。もうこんな時間か」

美琴「……もう、寒くないね」

上条「いつの間にか、あったかくなってたな」

美琴「……」

上条「……」


「「ま、いっか」」

てなわけで美琴と当麻のいちゃらぶ編終了
ダブルミーニングに関しては察してくだされ

ということで映画編スタート

ちなみに、俺が思うに上条さんは微妙に女卑だよね
女は男が守るもの、女は弱いって考えてる節があるような気が

9:07

上条「晴れて良かったなー」

美琴「気温はそれなりに低いけどね」

黒子「天気予報では、降水確率10%でしたの……まったく、樹形図の設計者が壊れてからというもの、非常に不便に感じますわ」

上条「そういうなよ」

美琴「でも本当、未だに不思議なのよねー。なんで壊れちゃったんだろ」

黒子「噂は色々ですの。隕石やスペース・デブリに衝突したとか、攻撃衛星からの標的にされたとか」

上条「ま、噂は噂なんだろうけどな。隕石ってのがリアルっちゃあリアルか?」

黒子「それはそれで、ネット上では反証の嵐ですのよ。……まあ、そもそも様々な説は飛び交ってますけれど、どれも憶測に過ぎませんもの」

美琴「アンタも大概に噂好きねえ」

黒子「風紀委員の職務の性質上、様々な噂も調べなければなりませんもの。幻想御手の時も、事件解決の糸口となったのは噂でしたでしょう?」

美琴「ああ、そういえばそうだったわね」

上条「へえ、この前御坂が言っていた『色々』って、お前が解決したってことだったのか」

黒子「正確には、お姉様と初春が……ですが。ちなみに初春というのは私の同僚ですの」

美琴「黒子だって解決の立役者でしょ。アンタが体を張って情報を集めなければ、解決してなかったんだから」

黒子「……そうですわね。それじゃあ、あの時の分のご褒美を今ここでぇ~♪」ピョーン

美琴「やめなさい」ゲシ

黒子「ああん」

上条「……まあその話は置いておいて。今日見る映画ってどんなストーリーなんだ?」

黒子「『鳴宮ナツヨの憂鬱』ですの?ちょっとお待ちあそばせ」ゴソゴソ

黒子「『期待の新鋭・ビバリー=シースルーが送る、近未来SFアクションホラー青春人情ラブコメディー!』……だ、そうですの」

上条「内容に触れてねえし詰め込みすぎだろそのジャンル。っていうか、邦画じゃなかったのか?」

美琴「邦画よ。主演は一一一なんだけど、私ってこの手の俳優嫌いなのよねー」

黒子「そうですの?初春や佐天さんたちはお好きなようですが」

美琴「えー。なんか薄っぺらくない?」

黒子「見た目で判断し過ぎですのよ。……もっとも、女性関係ではかなりスキャンダラスなようですけれど」

上条「おいおい、男ならスバッと一本に筋を通せよなー」

美琴「……」じぃー

黒子「……」じぃー

上条「………な、なんでせうか?」

美黒「なんでもない(ですの)」

美琴「にしても、映画までは時間があるのよね。どっかフラフラするつもりで来たけど、考えたら朝なんて店開いてないじゃない」

黒子「軒並みシャッターは閉まってますわね。街を往く人々は結構いるようですけれど」

上条「とりあえず、どっかでゆっくりしちゃおうぜ。……といっても、開いてる店なんてコンビニくらいか?」

黒子「別に外だっていいじゃありませんの」

美琴「そうよ。このくらいの寒さなんて寒いに入らないわよ。……あ、いつもの公園行こっか」

上条「えー、さみいだろー」

美琴「根性ないわねー」

黒子「殿方ならシャキッとしなさいな」

上条「うー……寒ー」

美琴「そんなに寒いの?……じゃあ、自販機でなんか飲み物手に入れてくるわ」スタスタ

黒子「……お姉様、普通にお金を払って買ってきてくださいませ?」

美琴「……は~い」スタスタ



黒子「……まったく、お姉様ったら」

上条「あれでお嬢様なんだよなー。しかもお嬢様の中のエース」

黒子「お姉様の生きざまは、まさに淑女の鑑ですのよ。あんなラフなようで、その実全ての動作や作法は基本的な事項を遵守しながら崩してありますの。
淑女の模範でありながら、自分のスタイルを持つお姉様は、私たち常磐台生の絶対の憧れですのよ?」

上条「お前って御坂のことになると途端に饒舌になるよな。……っていうか、その話は前にも聞いたぞ」

黒子「何度だって聞かせて差し上げますわ。お姉様の素晴らしさが分かるまで」

上条「へいへい」

黒子「………」

上条「………」

黒子「……実際のところ」

上条「ん?」

黒子「お姉様のこと、どう思ってらっしゃいますの?」

上条「御坂のこと?」

黒子「そうですの」

上条「……そうだなあ」

黒子「………」

上条「…………分かんねえ」

黒子「……なんですの、そのおざなりな回答は」

上条「いや、本当に分かんねえんだ」

上条「手間のかかる妹なような気がするし、頼りがいのある姉のような気もする」

黒子「………」

上条「長い付き合いの知り合いなだけな気もするし、沢山の修羅場を一緒に潜り抜けてきた戦友な気もする」

黒子「……本当に、良く分かってませんのね」

上条「だから言っただろ」

黒子「黒子は半信半疑でしたのよ」

上条「……ああ、そういえば」

黒子「?」

上条「白井みたいに、御坂を慕ってる奴がいたんだ」

黒子「……ライバル出現ですの」

上条「ある経緯から、俺とソイツは……まあ、殴り合いをしたんだ。で、俺はソイツに勝った」

黒子「………」

上条「そん時に、ソイツは御坂を守ってくれるか?って訊いてきたんだよ」

黒子「……なんて答えましたの?」

上条「……    ……ってな」

黒子「…………最悪の答えですの」

上条「ソイツも同じこと言ってたよ」

上条「まあそれが本心だよな。少なくとも、俺はその約束を破る気はないしさ」

黒子「……なるほど。その方の気持ちが、黒子には痛いほど分かりますの」

上条「どんな?」

黒子「……こればかりは、黒子から申し上げることではございませんわ。
……きっと、その答えが持っている大事な意味に、貴方は気が付かないでおっしゃっているのでしょうから」

上条「………」

黒子「ま、自分でお気づきになることですわね。その程度は殿方の役目ですのよ」

上条「……頑張ります」

黒子「精々努力なさいませ」

タッタッタッ

美琴「お待たせー。ごめんごめん、今日は何回やっても出なくってさー」

黒子「……お・ね・え・さ・ま?それは黒子が風紀委員と知っての狼藉ですの?」ギロッ

美琴「あ、アハハハハハやーねえ!ちゃんとホラ、普通に買ってきてるから、ね?」

黒子「まったく……。しかもイチゴ大福サイダーなんて……。なんというか、お子ちゃまですわね、色々と」

美琴「むっ、どういう意味よー」

黒子「なんでもありませんわ」

支援

黒子「大体、寒いのに冷たいサイダーってどうなんですの?」

美琴「え?ホットよ?ホラ」ピトッ

黒子「……尚更どうかと思いますわね」

美琴「いいじゃんいいじゃん。ホラ、アンタは黒豆練乳おでん」ポイ

上条「なんで俺は飲み物じゃねえんだよ」パシッ

美琴「細かいこと気にしないの。……あー、暖かいのって美味しいわー」

黒子「そうですわねー……まあ、味はともかく……」

上条「……卵が……取れねえ……っていうか、御坂は何を買ったんだ?」

美琴「へ?私?」

黒子「そういえばそうですわね。お姉様だけマトモな飲み物だったら流石の黒子も許しませんのよ?」

美琴「…………ケロヨンサイダー」

上黒「キャラものかよ」

美琴「……別に良いじゃないキャラものだって……」

黒子「まあお姉様らしい趣味ですけれど、黒子は些か心配ですのよ?」

美琴「な、なによ」

黒子「……14歳にもなってキャラもののパン」

バキャッ

黒子「…………」ヒリヒリ

美琴「……ち、ちょっと黙ろっか黒子」

黒子「……はいですの」ヒリヒリ

上条「なにやら上条さんには想像もできない水面下の闘いが……」

美琴「それ使い方間違ってるわよ」

黒子「思いきり見えてますものね」




黒子「あら、もうすぐ上映時間ですのよ」

美琴「いつの間に」

上条「まあ、移動時間とかあったしな」

黒子「じゃあ行きますのよ?普通にチケットを渡せば入れるそうですの」

上条「分かった」

美琴「はーい」

黒子「それから、飲み終わった缶はちゃんとゴミ箱に捨ててくださいませ」

上条「分かってるよ」

美琴「まるで引率の先生ね」

上条「もう人がいっぱいだな」

美琴「ポップコーンとか飲み物を買わなきゃいけないしね」

黒子「それでは、黒子が三人分買ってきますので、お二人は座席を確保していてくださいませ」

美琴「自由席なの?」

黒子「そうですの。真ん中の通路近くの席がベストですのよ」

美琴「は~い」

上条「大丈夫か?」

黒子「心配には及びませんわ。お任せ下さりませんこと?」

上条「じゃあ、頼むわ」

美琴「ほら、席を取りにいくわよ!」

上条「おいおい御坂腕掴むなって!」



黒子「行きましたのね……」

黒子「うぇへ、うぇっへっへっへ……」

黒子「黒子の……勝ちですの!」

黒子「鞄に忍ばせた下剤……」

黒子「あの類人猿に飲ませてやれば……」

黒子「あとは黒子とお姉様のパラァ~ダイス♪」

黒子「おねぇぇぇぇええさまぁぁぁぁぁあああ!黒子はやりますのよぉぉぉぉぉおおおっ!」

黒子「ウェッヘッヘッヘッヘッへ!!」

「何あれ」「風紀委員呼べよ」「つかむしろ警備員呼べよ」「あれ絶対に危ないって」

黒子「……ゴホン」

黒子「とにかく、完遂までもう少しですのよ黒子!」

黒子「黒子ならやれますわ!しっかり!ファイト!」グッ

「オツギノオキャクサマドウゾー」

黒子「……なに買うか聞くの忘れてましたわ」

美琴「丁度三つ空いててよかったわねー」

上条「ああ。ここなら見やすいな」

美琴「……ねえ、そういえば黒子になに買うか言った?」

上条「……いや、言ってないな」

美琴「私もなのよね。あの子なに買って来る気かしら?」

上条「……やっぱ俺、白井を手伝ってくる。そのついでに伝えるわ」

美琴「ホント?じゃあ私はウーロン茶とポップコーンのMで」

上条「おっけー。じゃ、待っててくれよ」

美琴「は~い」



上条「白井~」

黒子「……ゲッ。でも、ナイスタイミングですの」

上条「御坂はウーロン茶とポップコーンのM。俺はコーラとポップコーンのMで。
俺少し離れた位置で待機してっから、商品受け取ったら呼んでくれ」

白井「はいですの」

白井(……まだ運は向いていますのよ、黒子!商品を受け取ってから類人猿に引き渡すまでに混入すれば……ふひ、ふひひひひ)

「あの、お客様?……ご注文を」

白井「あ、すいませんですの。えっとー……」

白井(ウェッヘッヘッヘッヘッへ…………この後が楽しみですのよ……あら涎が)ジュルリ

「お待たせしましたー」

黒子「ありがとうございますの」

黒子(……誰も見てませんわね……今ですの!)

サラサラサラ……

黒子(……ミッション……コンプリート!!)

黒子「お待たせいたしましたのー♪」

上条「嫌に上機嫌だな白井。ほら、自分の分は自分で持つって」スッ

黒子「あら、親切ですのね――――ってああっ!?」

上条「わっ!?」

ストーン  バシャァッ!

「だ、大丈夫ですかお客様!?」

上黒「ふ、不幸―――だぁ(ですの)―――――っ!!」

「お、お客様!?」

もうすでに寮監である必要性はない 内容だな

黒子(うう……見つかるリスクを抑えるために下剤を一包しか持ってこなかったのが仇になりましたの……)

上条「ああ……コーラが……まあポップコーンは無事だし良いか。すいません係員さん」

係員(女)「あっ……いえいえ///」

黒子(こんなところでも無差別にフラグ立ててますの……見境のないお猿さんですのね)

黒子(まったく……悪運の良い……)

上条「悪いな白井、とりあえず今あるやつを座席まで持っていこう」

黒子「私一人で大丈夫ですの……貴方はご自分の飲み物をお買いになりあそばせ」

上条「悪いな」

黒子(はぁ……欝ですの……)

上条(なんだか急にテンション下がったな白井……思春期か?)

美琴「やっときたわねー……って、どうしたの黒子」

黒子「なんでもないですわ……」

美琴「?……そういえばアイツは?」

黒子「コーラぶちまけて、今新しいのをお買い求めになっているところですの」

美琴「ふーん、なんだか間抜けね。まあ良いわ。ウーロン茶貰えるー?」

黒子「はいですの」スッ

美琴「……そういえば、アンタは何を頼んだの?」

黒子「私もウーロン茶ですの」ゴクッ

美琴「ふーん」ゴクッ

黒子「…………!?」

黒子(何やら……違和感が)

黒子(まさか……これは)

上条「悪いなお待たせ」

美琴「アンタ、コーラぶちまけたんだって?間抜けねー」

上条「はいはい言われると思ってましたよ」

黒子(この喉で弾ける感触……これは)

美琴「でもアレねー。私のウーロン茶とアンタのコーラって見た目全然変わらないわよね」

上条「一緒に買うと結構間違うよな」

黒子(コーラ、ですの………)

黒子「……うっ!」ズギューン

美琴「……?どうしたのよ黒子?」

黒子「あっ……あは、は……黒子は……その、おは……なを摘みに………行って……参りますの……
※訳 : トイレに行ってきます」ダラダラ

美琴「ちょっと黒子ー、映画始まっちゃうわよ?」

黒子「うふ……えへあは……黒子は今……お花畑が……うーいはーるー……」ダラダラ

美琴「ま、マジで大丈夫……?」

黒子「いっ、……行って、きますの!!」シュンッ!

上条「?……白井、急にどうしたんだ?」

美琴「……お花を摘みに行ったわ」

上条「はぁ?」

>上条「ああ……コーラが……まあポップコーンは無事だし良いか。すいません係員さん」

>係員(女)「あっ……いえいえ///」

どんだけイケメンなんだよ・・・福山雅治レベルじゃねーか?

ビ――――

「――只今より、『鳴宮ナツヨの憂鬱』を……上映いたします……――」

美琴「あ、始まるわね」

上条「結局、白井戻ってこなかったな」

美琴「ほんと…………ねぇ」

美琴(うわわわわわ気が付かなかったけど今私コイツと二人きり!?)

上条「うわー超暗いな。手元見えにくいぞ」シャクシャク

美琴(どどどどどどうしよう急に緊張してきた!!黒子~はやく戻ってきてよ!!)

上条「ポップコーン美味いな」シャクシャク

支援。

『――ここ、笑うとこ?結果から言うと、これはギャグでも――』

上条「………」シャクシャク

美琴(あううぅぅ……緊張しすぎて映画の内容が頭に入んないよぉ……結局黒子戻ってこないし!)

上条「………」ゴクッ

美琴(なんでコイツはこんな余裕そうなのよ!?ちょっとは緊張とかしてくれないわけ!?)

上条「………」シャクシャク

美琴(あう……これじゃ私が馬鹿みたいじゃない……でも緊張するものはするし……ううう)

上条「……うわ、ヤバいポップコーンが歯の裏に引っ付いた……」シャクシャク

>>434
まあ原作だってタイトルが「とある魔術の禁書目録」である必要がない気がする巻もあったから気にすンな

『――愛感情なんてのはね、一時の気の迷いよ、精神病の――』

美琴(もうどのくらい経ったのかしら……?うう、もうなんか頭がパンクしそう……)フラフラ

上条「……あ、取れた」シャクシャク

美琴(ポップコーン……ポップコーン何処かしら……)サワサワ

上条「……?」シャクシャク

美琴(あ……なんかあったかい………………あったかい?)

ギュッ

上条「………」

美琴「………」

上条「…………シャクッ」



美琴(て、て、て、手手手手手手手手手ててて―――っ!!思わず握っちゃってるし―――!?)

ちょっと休憩してきます

上条(な、なんだなんだ!?御坂さんがなにやらご乱心にあらせられておりますで候!?うわわわわわわ御坂の手ってなんか華奢で可愛いなって違う違う違う!!
とにかく……手、手をずらさなきゃヤバい俺の精神がヤバい!!!)ドキドキ

美琴(あわわわわわわわどうしよう握っちゃったけど手を離したくないってそうじゃなくて!!でもやっぱり男の子の手って逞しいなって違くて違くて違くて!!
とにかく……手、手を離さなきゃ私パンクしちゃちゃちゃちゃ)ドキドキ

ムギュウウウウウ

上条(ええええええええっ!?なぜ御坂さんは更に強く握りしめるのでせう!?いやいやいやいやダメですダメでしょダメだろ三段活用!?
でもなんつーか御坂の手って柔らかくてあったけえってだから違う違う違う!?
……頼む!恥ずかしくて死んじまう!!)ドキドキドキドキ

美琴(うえええええええんなんで私の手は強く握るのよぉぉぉぉぉおおおお!?なに電撃使いなのに生体電気が見事に誤作動起こしてるの!?
ダメダメダメ離したくないっていやいやいや離さなきゃだめでしょ御坂美琴!!離せ!離すのよ!)ドキドキドキドキ

>>461
前というかもうなんだかんだで
3スレ目だぞ

>>463
知ってる
2スレ目の途中から見てないんだ

>>463
http://www.geocities.jp/mirrorhenkan/
コレ使って見れねえか?

上のミス
>>464

>>466
探し方がわからねぇ

すまない、誰かおしえてくれ

>>95のdatがあるURLなら大丈夫だと思う

http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267624842
スレタイぐぐればでるだろう、つか出た
うrl入れて変換→その6、その6a、その7どれか

これなら確実に見れる
上条「寮監……ですか」
http://dat.vip2ch.com/read.php?dat=02186
上条「寮監…ですか」
http://dat.vip2ch.com/read.php?dat=02187

>>468
>>471>>472の方が楽だな



支援・・・って、延々と支援し続けるのも退屈だな
レスも勿体無いし

                    .. -- .__
                 /´ . . .   . :ミ 、
                   .イ . . : : : : .   . :<: \
                / . '´, . : :/ : : . . : : : < :ヽ:i
                  /./:/ ./  ′ :i   .i ∨.ヽ '.
               ' く\ ′': :!.: i:|: .i :}: .|ミ、l:|
             i :|:!:|`|i:/|:.,イ:../}/|: ,イ ハ: }ヽ: |:.|

             } :iム!:从 \|:/ノ }/ }/ ,レ |: .|:.!

                 ノ.:{f八|,.ィテ.iミー ノ'ー≦ミ、 j:.ノ:.′    
           /ィ人ヽ.{`.ヒ::ヅ    ´{.:rソ,ノ/}: /              こっ、これ食べさせてあげるから早く書きなさいよっ///
             ノム|.i`f i `///  ,  `7/ /イ/:
           /´ .|.|.:|人          人:|:{:.ヽ
          ′   人N、{:{\   '⌒ . イ  V}:.ト\
           /    ヽ >'⌒ヽ`ーi:チ‐'    }:V
        /´}^`^`ヘ,jイ  入 r`=ミ:/   ノ/´ ̄>ァ ,、 ri、人,、ノヽ
      rーf7彡ヘィ、,/. {_ ` く`ー‐く  / /`ー<_ノ{ {_人 )く{__)彡}

     /Vノ/⌒>チ{:. :(/`ー-- ..>、\_ム:.:./.:.:.ノ)ノ {⌒フ二二  イ
    ≦///i:/´. . .:八:.:.:>ー----‐ァ'入__彡>く_彡' ノフ(_シ__(_:シ-}ミヽ
     }/ ノ/,.{:.......:.:.:.:.:.:>廴二 ァ≦>f^ヘ-~^チ  (´ヒ二二  == ≦ ノ
     '⌒/.:廴:>‐<_;: ≦,く ̄  乂,、,、,、メ\  ` 丁)777アア ̄
     ,.:: : . . :.`^'ヘィ,、,、,ィ~ァ^ハ    }:.>:=弋}_}_rァ'__r{ 'ノ/>′
.    /:.. : i:. : . ` ミ _ .....:.:.:彡: ,: .∧   ∨´: : . .  . :/{ '   /´
    {:.:.. : 乂 、:.. .  . : .:.:.//:. . . :,   ` ー――‐ー`ー '
   /:.:.. . . : 、\:.:....:.:彡'./:.. . . :.廴

  ,ィ{:.:.:... .  . :ミ: .¨¨: .:.::.:.. . .  . : ノ 爻
 爻 ^ーヘ,、,ィ,、 : .  . : /:.:.:.:.. . ,、ィ^′ ,丈
 乂,      ´^'^ヘィィィィ'^'^゙′  ,、メ
   '^'ーiヘィ、ィ、ィ、,_,    ,、,ィ、トト'^ヘ
     八      「^`´ 廴 _ .. 人
       ト---- :彡{   V.:::::::::.:.:.:.:.:}

・・・暇つぶしに誰か俺に説教してくれ

っ旦

就職はもうしとるわい!!
・・・孫の顔は不可能だけど
・・・・・つーか多分、俺の一族は俺で打ち止め
まさに『ラスト・オーダー』な俺OTL

>>483
そげぶ

>>486
俺はなんの幻想を殺されたんだよwww

>>487
前略
いいかげん始めようぜ魔術師的な意味じゃね

何だかんだでこんな続くとは思わなかった

>>488
これまでの人生=プロローグ
・・・本編始まるのは来世かな

すいません、お待たせしました
再開します

支援保守レスなんですが、俺個人としてはただ支援や保守と書かれるよりも、反応や雑談があったほうが書きやすいです
レス数はそこまで気にしなくても結構ですので、よろしくお願いいたします

美琴(ととととととりあえず深呼吸!落ち着くのよ御坂美琴!!まずは自分だけの現実を再構築!はい息吸ってー)

上条(ととととととりあえず息を吸え!あ違うぞ深呼吸!ヒッヒッフーってそりゃラマーズ法だ!!ボケてる場合じゃねえよ手を手を手を離さねえと!!)

美琴「………」ヒッヒッフー

上条「………」

上条(なななななななんで御坂さんがラマーズ!?)

美琴(まままままままま間違えたー!?私は子供でも産むんかーっ!!?)

上条(もうダメだ!なんだこの状況!手もなんやかんやで繋ぎっぱなしだし上条さんはどうすればばばばばばば)

美琴(もうダメ!なんかもう色々とダメ!あああああああどうしちゃったのよ私なんでこんなパニックなのよーっ!!)

『―――反則なまでに似合ってたぞ――』
『――バカじゃないの?―――』
チュッ―――


上条(なななななななななななな)ガタガタガタガタ

美琴(なななななななななななな)ガタガタガタガタ

上条(キキキキキキキキッスですよなんだよコレ今このタイミングでかよなになになに神様がタイミングでも操ってんのかよだとしたらまずはその幻想をブチ殺す!!!)バクンバクンバクンバクン

美琴(あわわわわわわわわ今めっちゃチューしてたよ良いなぁ私もしたいじゃないわよ何なのよコレもう意識しちゃうじゃないのよ誰か助けて!!!)バクンバクンバクンバクン

上条(おおおおおおお落ち着かねえスゲエ落ち着かねえなんだよ周りの連中どんな反応でコレ見てんだよキッスまでするとかエロ映画かこの映画はぁぁぁぁああああっ!!!)キョロキョロ

美琴(もうやだどっかスクリーンとコイツ以外に意識を持ってかなきゃ私絶対に倒れるパンクする気を失うもう誰かお願いマジで助けて!!!)キョロキョロ

キスぐらいで・・・どんだけ初心なんだコイツらww

上条・美琴(全然落ち着かねええええええええええええってか見なきゃよかったぁぁぁぁぁぁあああああっ!!)


上条(スゲエよ周りみんなキスしてるよなんだよコレなんだよこの状況なんだよ神様助けてお願いマジで心から)

美琴(もうイヤなんで周りみんなキスしてんのよなになにここはそういう場所なのラブホテルなのだとしたら映画なんて二度と見るかあああああああああっ!!!)

上条(っていうかなんで御坂は手を離さないんだよ離せよ頼むよ離してくれよ心臓が口から出そうなんだよ!!)チラッ

美琴(っていうかコイツはなんで無反応なのよお願いなんとか反応示して私の手を振りほどいて心臓が口から出そうなのよ!!)チラッ


上条・美琴「……………ッ!?」バクンバクンバクンバクン


上条・美琴(目が合ったぁぁぁぁぁぁぁああああああっ!!?)

その手の映画を見に行ってるヤツらで、そういった人種はいないと思うがwww

クル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!???

上条(あわわわわわわわわヤバいヤバいヤバい今がっつり目線あってるよ向かい合ってるよ見つめあってるよ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!)

美琴(はにゃにゃにゃにゃにゃにゃなによなんでよなんでアンタまでコッチ見てんのよっていうか見つめないでよ胸が苦しいの唇が恋しいのもうダメなの無理無理無理無理!!)

上条(うわわわわわわ御坂の目がうるんで頬も耳も真っ赤でうわスゲエ可愛いってそうじゃない違うヤバいっていうかなんで御坂さんは目をつぶってらっしゃるの!?)

美琴(もうダメもうダメもうダメ心臓が破裂しちゃうもう我慢なんて出来るわけないじゃんいいよもうムードに流されていっちゃいます大人の階段五段飛ばし!!!)プルプル

上条(これはしろってか!求められてんのか上条当麻!ええいままよ!据え膳食わぬはなんとやらごめん父上母上俺はいってきます大人の階段五段飛ばし!!!)プルプル



黒子「―――――風紀委員ですのー!!」

上条・美琴「ぴぃ!?」

コネ━━━━━━('A`)━━━━━━ !!!!!

上条「あわわわわわわわわ」プルプル

美琴「ほああああああああ」プルプル

黒子「……まったく、私が地獄の苦しみから解放されてきてみればこのザマですの……不純異性交遊は許しませんのよ!!」

上条「わわわ……わ、悪かった御坂」ドキドキドキドキ

美琴「あああ、あ、うん私もごめんなんか気が動転してた」ドキドキドキドキ

黒子「―――まったく、とりあえず映画館を出ますのよ」

黒子「まったく、周りの空気に当てられ過ぎですのよお二人とも」

上条「そそそそそうかもな(ヤベエいつの間にか映画終わってた内容覚えてねえええええ)」

美琴「きききき気を付けるわ(あああどうしよう今日はコイツの顔をまともに見れない!)」

黒子「とりあえず昼食にしますわよ。近くにフルーティ・キスという美味しいカフェレストランが……」

上条・美琴「!?」ビクゥ!

黒子「………」

黒子「後はキスの美味しい寿司屋が」

上条・美琴「!?」ビクビクゥ!

黒子「………」

黒子(なんだかバカらしくなってきましたわ)

――ピリリリリリリリ
ピッ

黒子「はいですの!」

黒子「――は?事件ですの?」

黒子「今日は非番ですのに、まったく……はい」

黒子「分かりましたわ。すぐに応援に参りますの」ピッ

黒子「……だそうですので、申し訳ありませんけれど後は二人でどうぞお楽しみあそばせ」

黒子「くれぐれも、行き過ぎた真似はなさらないように!」シュンッ



上条「………」

美琴「………」

上条・美琴(……気まずい……)

上条「………」

美琴「………」

上条(どうしよう……お互い無言だ……)

美琴(ヤバい……気まずいし何か喋んなきゃ……)

上条(とりあえず……なんか……なんか……)

美琴(っていうか無理よ……あんな……あんな……うぅ)



Z「――あれですか、二人でしっぽりハメちゃおう的な計画ですか」

上条・美琴「ぴぃ!?」

上条「ぜ、ぜ、ぜっ……Z!?」

美琴「な、なんでZさんがここに!?」

Z「ここって、休日に街をフラフラするのが何か不思議ですか?」

上条「いやぁまさか会うとは……ハハハ」

美琴「ホントよホントよ……アハハ」

Z「二人はまさか、二人っきりでノー下着で徘徊したあと、存分に昂った気持ちを腰と腰で思いきりぶつけ合う予定だったんですか?
なんて不純な」

上条「違う違う違うそれ全部お前の妄想!」

美琴「っていうかさっきまで黒子もいたから!」

Z「ああ、3Pですか」ポム

上条「その発想から離れて!?」

美琴「っていうか、Zさんは何してんの?」

Z「一人でノーパンにスカートを履いて歩き回るのを楽しむのが毎休日の過ごし方です」

上条「ノー下着って体験談かよ!」

美琴「もうアンタは早々に風紀委員に捕まった方が良いわね……」

Z「嘘です。一人じゃなくて友達と来てます」

上条「なんだ嘘か……」

美琴「多分この嘘にノーパンは含まれてないわね」

Z「はい」

美琴「やっぱり」

キャラが濃すぎてホボレギュラーじゃねえか『Z』www
名前あげたら?www

Z「じゃ、私は友達を近くの店で待たせてますので」ビシッ

上条「おう、また後でな」

美琴「なんてキレの良い手の上げ方……」

上条「………」

美琴「………」

上条「とりあえず、飯食いますか」

美琴「うん」

上条・美琴(……サンキュー、Z……)

龍球 空子 あだ名が『Z』

第七学区・「フルーティ・キス」

上条「なんだか可愛い店だな」

美琴「やたらと柄もカラフルでポップね」

「イラシャイマセー」

上条「なんか店員も女の子ばっかだな」

美琴「客層も女の子を狙ってるからね。基本的にデザートが有名なお店だし」

上条「あれ?この店知ってたのか」

美琴「私だって女子中学生よ?」

上条「………」

美琴「……忘れてた、とは言わせないわよ?」

上条「……はい」

      /\___/ヽ
     /       :::::::\
    .|          .::::|
    |  ''''''   ''''''   .:::|
    .|(●),   、(●)、::::|
     \ ,,ノ(、_, )ヽ、,,.:::::/
     /``ーニ=-'"一´\
   _/((┃))_____i |_ キュッキュッ

.. / /ヽ,,⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ (,,ノ   \
/  /_________ヽ..  \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


       /\___/ヽ               
     /''''''   '''''':::::::\
    . |(●),   、(●)、.:| +
    |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
  .   |   `-=ニ=- ' .:::::::| +
     \  `ニニ´  .:::::/     +
     /ヽ、ニ__ ーーノ゙\_

    .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|  トン
   _(,,)  五和隠れ   (,,)_

.. /. |..   巨乳説     |  \
/   .|_________|   \

ちょっとやらなきゃいけないことが出来ました……
日付が変わる前には戻ります

あとZさんはZさんですから!

合間を縫ってどうしても聞きたかったことが一つ

皆さんZちゃんをどんな感じでイメージしてます?

>>543
みた目めちゃくちゃ清純お嬢様風で中身がどM
清楚な制服の下は荒縄が・・・みたいな?

なるほど
結構イメージバラバラですね

ちなみに、お察しの方もいらっしゃるようですが、俺は氏家ト全先生の作品が大好きです

じゃ、ちょっと席を外します

五和・・・20巻で出番があるのかどうかが心配なんだが

前スレで五和が理想のヒロインって決まっただろ!
だから後半は出番だらけなはずなんだ!

>>563
そげふ

おまた

五和さんと神裂さんは要望多数ですので、後ほど日本に出張させます
そこで常磐台編は一旦区切られるかと
とはいえ、イギリス清教編はそんなに長くやるつもりもないので、またそのうち常磐台に戻りますが

Zちゃんにモデルはないっす
氏家さん的なエロネタをばら蒔くキャラなので、強いて言えば氏家作品の全キャラでしょうか
ちなみに、Zちゃんはもう俺のレギュラーキャラにしようかと思ってます

?『あ、うわ繋がった!? あ、あの、もももももしもし!!』

上条「この声、五和か?」

美琴「ま、また女の声……」

五和『あ、はい! 完全にお酒はやめましたこんばんは五和です!』

上条「えーと。……はい?」

何も思いつきませんでしたの。

あれ、帰ってきてたー。支援

上条「にしても、メニューは結構しっかりしてんのな」

美琴「人気のお店だもの。メインではパスタやサラダが特に美味しいのよ」

上条「へぇ。やっぱ普通の店にあるようなパスタはないのな」

美琴「店名の通り、果物を使った創作料理が沢山あるの。ちなみに果物は学園都市産ね。
デザートのようなメインディッシュっていうのが売り文句だったかしら?」

上条「ま、いいや。俺はそういう事前情報より自分の舌で確かめたいタイプだし。
……にしても、なんだか品揃えがあの自販機を彷彿とさせるな……」

美琴「私はー……これ!『レモンスカッシュシーザーサラダ』!」

上条「味が意外と想像できるな……。じゃあ俺は……『ポンカンゴルゴンゾーラ』にするかな」

美琴「んじゃ、店員さん呼ぶわね。すいませーん」

「はい、お待たせいたしましたー」

上条「えっと、『ポンカンゴルゴンゾーラ』と……」

美琴「『レモンスカッシュシーザーサラダ』を下さい」

「はい、かしこまりましたー。当店只今カップルサービスを行っておりまして、カップルのお客様にはデザートを一品、サービスしておりますー」

上条「かっ、カップルですか……。学園都市ってなんでそんな意味の分からないカップル系サービスをしたがるんだ……」

美琴「カップル……と、とりあえず、今は良いです!」

「かしこまりましたー」

上条「………ま、男女でいたらそりゃカップルに見えますわな」

美琴「……うん」

美琴「………ど、どうする?」

上条「は?」

美琴「その……か、カップルサービス……」

上条「ああ、上条さんは全然構いませんよ?御坂さんがよろしければ」

美琴「……!……そ、そっか、私と、カップルに見られても、別に平気か~………えへへ」モジモジ

上条「……?御坂さん、下向いてるから全然聞こえないんですが」

美琴「あ、ううんなんでもない!……じゃあ、アンタが好きなの頼んでよ」

上条「いやいやいいですよ上条さんは。御坂が好きなのを選んでくれ」

美琴「い、いや、アンタが選んでよ」

上条「上条さんはそんなにデザートを食べないから、御坂頼むって」

美琴「アンタが」

上条「御坂が」

美琴「アンタ」

上条「御坂」

上条・美琴「……ぐぅ~」

上条(なんでだ?御坂はアレか、意外に甘いものがダメなタイプなのか?……いや違うな、だって朝からサイダー飲んでたしな)

美琴(本当にこの朴念仁は……私はアンタの好みが知りたいのに……なんで大人しく選ばないのかなー)

上条「んー……」

美琴「むー……」

上条「……じゃあ、アレだ、じゃんけんにしよう」

美琴「じゃんけんなら確かに後腐れ無いわね」

上条・美琴「せーの、じゃんっ、けんっ、ぽい!」

上条「……負けた……。そういえば、生まれてからじゃんけんで勝ったことないの忘れてた……」

美琴「やったー!ほらほら、ちゃっちゃと選びなさい?」

「――クスクス、仲良いカップルねー――」「――和むなー――」「――ああ、リア充死ね――」

上条「……ちょっとはしゃぎすぎだな」ドキドキ

美琴「……うん、なんか恥ずかしい……」ドキドキ

上条「じゃあ決めるぞ……そうだな…………個人的には、この『塩昆布イチゴアイス』が気になる……」

美琴「アンタ、自分が好きなのじゃなくてチャレンジ精神で選んでるわね?」

上条「そうだけど……ダメか?」

美琴「……まあいいわよ。じゃあそれにしましょ」

上条「はいよ。……でも、これ失敗だったらどうしよう」

美琴「大丈夫よ、一応は人気店なんだから」

上条「……信じてますよ御坂さん」

「――キャッキャ」「――エー、マジデェ?―」「――デサー、ソノカレガー――」

上条「……にしても、本当に女の子ばったかだな」

美琴「なに?どの女の子を引っ掻けようか考えてるわけ?」

上条「それが俺のキャラじゃないことは分かってんだろ」

美琴「冗談よ」

美琴「で、なんで急に女の子ばっかりだって?」

上条「いや、なんか居づれーなって」

美琴「……女の子の輪の中にいても違和感無さすぎるヤツな癖してよく言うわ……」

上条「ん?」

美琴「なんでもないわよ。……今は私が一緒にいるでしょ。別にアンタ一人で入ってるワケじゃないんだから、そんなに気にしなくても良くない?」

上条「……そうだな。サンキュー御坂」

美琴「この程度でお礼言われても……。っていうか、アンタって女友達と遊んだりとかしないの?」

上条「んー、精々がクラスの集まりくらいか?後はたまにインデックスと。ま、元々女っ気のない上条さんですから」

美琴「インデックスってあのシスターよね。まあ、あれは一般的じゃないから女の子に含めないとして……ってことは、アンタって意外に女っ気がない?」

上条「だからそういったでせう……」

「お待たせしましたー」

美琴「あ、来た来た♪」

上条「お、スゲー美味そう」

「ごゆっくりどうぞー」

美琴「じゃ、寮監代理さん。食事の挨拶をお願いします」

上条「はいはい。手を合わせてー」

「「いただきます」」

上条「うおー、なんか不思議な味だ。甘酸っぱい」

美琴「私のも甘酸っぱいわね。なんていうか、レモンが意外に甘くしてくれてるみたい」

上条「へー」

美琴「あー、これは流行るわよねえ。今度源蔵さん連れて来ようかしら?」

上条「客が減るな、確実に」

上条「……なあ、御坂」

美琴「なにー?」

上条「そのサラダ一口くれないか?」

美琴「!?……あ、アンタなに言ってんの!?」

上条「え、ダメか?」

美琴「ダメっていうか……ダメじゃないけど……ダメ、というか……」

上条「……ごめんなさい御坂さん、お馬鹿な上条さんにはイマイチ理解できませんのですが」

美琴「り、理解しなくていいわよ!……ホラ!食べれば良いじゃない!」ズビシ

上条「……いやあの、御坂さん」

美琴「なによ」

上条「……フォークは別に自分のを使いますが」

美琴「……」

上条「……」

美琴「………パクッ」

上条「御坂さん、何事もなかったかのようにサラダを食べ始めないで下さい反応に困ります」

美琴「………」シャクシャク

上条「………」モグモグ

美琴「……アンタ」

上条「な、なんでせうか……?」

美琴「……アンタのも一口寄越しなさい」

上条「……フォークは」

美琴「自分のを使うわよ!バカ!」

上条「はいすみません!どうぞお召し上がりくだされぇー!」ササッ

美琴「……」クルクル パクッ

上条「………」

美琴「……ん。美味しい」

上条「さ、さいですか……」

美琴「……悪かったわよ、私が早とちりしただけなのに逆ギレして」

上条「み、御坂さん……っ!突然大人になられて!上条さんは感激のあまり涙がとまりませんの!!」

美琴「やっぱ前言撤回するわ。だってアンタムカつくもん」

美琴「ふう、美味しかった」

上条「じゃ、手を合わせまして……ってその前にデザートか」

美琴「食器下げて貰うときに注文しちゃいましょ。すいませーん」

「はいお待たせいたしましたー」

美琴「カッ……か、カップルサービスの……『塩昆布イチゴアイス』をお願いします」

「はいかしこましましたー」

上条「カップルサービスって、そんなに噛みやすいか?」

美琴「た、たまたまよ!悪かったわね、噛んで!!」

上条「そんなにお怒りになられなくても……」

美琴「……バカ」

上条「すいません」

美琴「バカ」

上条「おっしゃる通りで」

美琴「バカ!」

上条「……それ以上は流石の上条さんも落ち込むぜ……」

上条「塩昆布イチゴアイス……美味いな」

美琴「確かに美味しいわよね」

上条「なんか、半分安心半分残念だ」

美琴「良いじゃない。アタリだったんだし」

上条「まあな。……とはいえ、デザート一品にスプーン二つとは思わなかったな」

美琴「カッ……カップルサービスだし、それくらいは普通なのかもしれないけどね」

上条「うむ。……でも上条さんは気になるんですよ」

美琴「ん?」

上条「……アイスを両サイドから削っていった場合、最後に残る山脈みたいなのはどうするのか」

美琴「……」

上条「……」

美琴「あ、アンタが食べて良いわよ?」

上条「いやいや、御坂さんこそ」

上条・美琴「………」

上条「……で結局、どちらも食べることなくお店を出てしまったわけですが」

美琴「まあ、お会計は普通にしたし良いじゃない」

上条「……ごめんな、原材料の塩と昆布とイチゴとアイス」

美琴「アイスは原材料じゃないわよ。っていうか、じゃあアンタが食べたらよかったじゃない」

上条「……まあそれはそれ、これはこれ」

美琴「なによそれ」

上条「さ、予定表だとこの後買い物だそうですが――とりあえず、どうします?」

美琴「んー、そうね―――」

シュンッ!

黒子「お姉様!上条さん!急いで寮にお戻り下さいませ!」

美琴「は?」

上条「え?」

黒子「警備員から、第一級警報が出されましたの!もうすぐアナウンスが入りますわ!」

美琴「な、なによそれ!」

黒子「上条さん。私は先にお姉様を寮にお運びしますの。上条さんはご自分でお願いできますかしら?」

上条「……ああ。御坂を頼む」

美琴「ち、ちょっとアンタ!」

黒子「お姉様!今度ばかりはお姉様のわがままを聞いて差し上げられませんの―――飛びますわよ!?」

美琴「じ、じゃあ私とのお買――」

シュンッ!

上条「……今度はどんな魔術師だってんだ?」

ヴィ―――――――
   ヴィ―――――――
 ヴィ―――――――
『―――第一級警報が発表されました。一般の皆様は、お近くの風紀委員や警備員の指示に従い、速やかに避難してください。繰り返します―――』

上条「………」

ピリリリリリリリ ピッ

上条「……土御門か?」

元春『にゃー、カミやん。その分じゃ第一級警報が出たことはもう分かってるにゃ?』

上条「ああ。また魔術師なのか?」

元春『まあそうなんだが……今回はカミやんが思ってるのとはちょっと違うんだにゃー』

上条「は?」

元春『まあ詳しくは迎えがそっちに行くからそいつから聞くといいにゃ。カミやんも知ってる人物だから心配には及ばんぜよ』

上条「おい、土御門!?どういうことだ?おい!」

元春『がんばれカミやん!じゃあな!』

ガチャッ ツ―― ツ――

上条「……なんだ?何が起きているんだ?」

ブロロロロロロ……キィィィィッ!

上条「うわあっ!……ば、バイク?」

五和「上条さん!後ろに乗ってください!」

上条「は?」

五和「いいから!!」

上条「お、おう」ドスッ

五和「――しっかり掴まっててください!」ギャルルルルルルブォオン!

上条「う……わっ!」ギュッ

ギャギャギャギャギャギャ
  ギャルルルルルル
    ブロロロロロロ……


上条「――な、なにがどうなってんだ!?」

五和「詳しくは後ほど!今はスピード出しますから――舌を切りたくなかったら口を閉じていてください!」

上条「は、はい!」

『第一級警報(コードレッド)』。それは、学園都市でもっとも危険度が高い警報である。
その警報は、普通ならばまず発動しない。基本的に、学園都市の警備体制は強固で、学園都市外から学園都市内に侵入者が来ることはないからだ。
そして、もしもその警報が発動した場合。警報が意味するのは――『テロリストの侵入が完全に確定した状態』。

五和「―――クッ!やっぱり学園都市の警備システムは手強いですね!」

大型のバイクを颯爽と駆る赤いライダースーツの少女は、天草式十字凄教の魔術師・五和である。
そして、その後部座席にはヘルメットを被ったごく普通の少年―――上条当麻がいた。
彼らの乗るバイクの後ろには、幾つもの装甲車やバイクが追いすがり、今彼らの置かれている状況を表していた。
それはもちろん、学園都市に侵入したテロリストこそが彼女だと示していることに他ならない。

『――大人しく少年を解放して投降するじゃん!』

猛スピードで道路を疾走する装甲車からは、拡声器で警備員からの呼びかけが聞こえてきていた。

『――これ以上の抵抗を見せるなら、こちらにも考えがあるじゃん!』

ギギ、と上条の背後で金属同士の擦れる歪な音がした。
嫌な予感がする、と上条が冷や汗をかいたところで

『――《拡散捕縛弾》発射じゃん!』

ドシュドシュドシュ!背後から迫る弾丸が風を切る音が、上条の背筋に冷たいものを走らせる。

五和「少し無茶しますけど――耐えてください!」

先ほど五和に釘を刺された上条は、無言を貫く。そして、不意に妙な浮遊感を覚えた。

上条「――――ッ!!」

五和の駆る大型のバイクは突然車体を大きく傾け、そのままスリップして大きく回転し、そのすぐ真上を幾つもの砲弾が通過していった。

上条「――!?」

砲弾はまっすぐ進んでいき、遥か前方で着弾。
五和は回転の勢いを受け流しながら再び車体を起こすと、再び猛スピードで道路を駆ける。

『あっ!くそっ、第二撃準備じゃん!』

なにやら背後が慌ただしくなるが、五和はもはや止まらない。アクセルを緩めることなく、道路を猛進する。
そして、今までは6車線の大きな道路を走っていた五和だが、急にカーブすると細道に入る。

『バイク隊追うじゃん!空いてるのと近くに待機してる部隊はフルでこの道の出口を塞げ!』

後ろからはバイク隊。そして、前方の道からは

上条(――前からもバイク来てんじゃねえか!どうすんだよコレ!?)

前門のバイク隊、後門にもバイク隊。もはや道路は完全に封鎖され、五和と上条は逃げ場を失っていた。

五和「――上条さん!もっと強く私にしがみついてください!!」

五和が鬼気迫る声で、上条に指示を飛ばす。
上条は必死に五和にしがみついた。それはもはや腰にしがみつくという次元ではなく、もっとも力を入れてしがみつける位置―――五和の胸部に手をガッチリ回していた。
が、普段ならドキドキ焦る二人も、この時ばかりはそうもいかず。二人揃って必死の形相である。

上条「―――!」

前方のバイク隊は、もはや眼前に迫っていた。上条の脳裏には、嫌な想像がチラつく。
……まさか、バイク隊に突っ込む気じゃないよな?

そして。救世主は現れる。

上条「――――!?」

五和のバイクと前方のバイク隊。その真ん中に突如として現れた人影は、両サイドから迫り来るバイクに恐れをなすことなく、凛と立っていた。
そして、静かに腰を落とし、日本刀の切っ先が地面に向くように刀を振り上げるその人物は。

上条(――――神裂!?)

五和「――女教皇様……行きます!!」

五和のバイクは神裂、というよりは神裂の構える日本刀に向けて猛進する。
その神裂の日本刀の構え方は、日本刀と神裂を含めた全体的な形として上条にある物を連想させた。
それは、ジャンプ台。

五和「はぁぁぁぁああああああっ!」

五和のバイクは神裂の持つ2mの刀身を踏み越え、そのまま宙を舞った。
そして、その真下を警備員のバイク隊が通過していく。

上条「―――!」

後ろはもはや見えなかった。だが、激しい衝撃音が聞こえることにより想像はついた。何台ものバイクが折り重なるようにクラッシュする音が。

上条「――――神裂ぃ!!」

五和「大丈夫です!それより舌を噛みますから口を開かないで下さい!!」

直後、バイクが地面に着地する衝撃が五和と上条を襲った。しかも、それは着地の衝撃などというよりは、バイクごと地面に叩きつけられる衝撃といった方が正しい。
そして、衝撃に頭をクラクラさせた上条の視界には、バイクの隣を並走する神裂の姿が入った。

神裂「壁まではもうすぐです!壁の向こう側には天草式のメンバーが待機しています!そちらに合流したら、彼らと共に行動してください!」

言うやいなや、神裂は軽々と疾走するバイクを追い抜き、遥か前方へと駆けていった。

上条(―――壁って、たしかここの壁には出口なかったぞ?)

五和「――上条さん。絶対に、私にしがみつく力を緩めないで下さい!」

後ろからはなにも聞こえない。追っ手の危機は去ったらしい。だが、上条はもっと強い危機を感じていた。

五和「――飛びますから!振り落とされたら助かりません!!」

残念ながら、いくら学園都市製と言えども空を飛ぶバイクは開発されていない。ということは。
上条の視界の奥に、静かに片膝をついて構える神裂の姿が見えた。

上条(――どうせ、さっきの方式なんだろーなー……)

半ば諦めに近い境地に至る上条。
しかし、現実はもっと破天荒だった。

五和「女教皇様!行きます!」

五和は、バイクの頭を持ち上げる。所謂ウィリーである。

そして、浮き上がった前輪は片膝をつく神裂に迫る。普通ならばこのまま前輪に頭を砕かれお陀仏だが、世界に一握りの選ばれた人間・聖人としての能力を持つ神裂はその限りではない。

神裂「はぁぁぁああああああっ!」

気合い、一閃。
神裂は持ち上がった前輪を掴み、そのまま野球の投球の如くバイクを投げ飛ばした。
上条の視界が、瞬く間に地面から離れていく。
ほぼ垂直に打ち上げられたバイクは、そのまま壁の最上部を見下ろし流すと、次第に勢いを無くして壁の向こう側へと落下を始めた。

上条「――――~~~!!?」

五和「――大丈夫、ですっ!下では天草式の皆さんが待機してます……上条さん!失礼します!」

五和はバイクのハンドルから手を離し、そのまま前に回されていた上条の腕を掴むと――

上条「――――~~っ!!!?」

バイクを蹴り飛ばした。その勢いで、五和と上条の体もやや前進し、バイクはあっという間に離れた位置に吹き飛んでいった。そして―――

―――うさん!

上条「―――ぅ――」

――みじょうさん!

上条「―――うぁ――」

かみじょうさん!
上条さん!上条さん!

上条「うっ……ここは、どこだ?」

目を開けた上条の視界に映ったのは上条を見下ろす何人もの人影。そしてその頭上で揺れる錆びたクレーンに、穴だらけのトタン屋根。そこは、寂れた廃工場だった。

五和「よかった……目が覚めたんですね」

上条「五和……ここは?っていうか、今何時?」

五和「ここは、学園都市の外周近くの廃工場、今は23:55分です」

上条「俺は……どうなって……」

五和「気を失っていただけです。まあ、あんな落下を体験したんだから無理もないですけど」

上条「………で、今何してんの?」

五和「『縮図巡礼』の準備です。もっとも、移動するのは私たちじゃありませんが」

上条「は?」

五和「とりあえず、上条さんは工場の外へ。右手があると儀式に影響がでますから」

上条「ああ、悪い悪い」

上条は慌てておき上がり、五和に連れられ外へ出た。空は満天の星が輝いていた。

上条「……で、なにがなんなの?」

五和「あの……まず先に謝ります!本当にごめんなさい!!」

ズバッ!とキレのある直角の礼に気押されながらも、上条は努めて冷静に返す。

上条「いや、謝ってもらうよりも、俺は状況が知りたいんだって。一体、なんで俺は学園都市から連れ出されたんだ?何が起きているんだ?」

五和「………」

いつも快活な彼女にしては珍しく、表情を暗くするとうつむいて黙りこくった。そして、ポツリと呟く。

五和「……実は、私たちも詳しくは知らないんです」

上条「?」

五和「……『上』からの命令で、上条さんを学園都市から連れ出せ、と。それだけ言われました」

五和は、言葉を慎重に選びながら、少しずつ語る。

五和「……そして、貴方にこれだけは必ず、伝えろと。そう……言われました……」

五和は、泣きそうな顔で、ポツリと呟いた。

五和「……禁書目録と再び会いたいのなら、大人しく指示に従え、と」

上条「―――っ!?」

上条はしばらく自分の耳を疑った。だが、五和と彼の間を吹き抜ける冷たい風が、どうしようもなく現実だと知らしめた。

上条「――そっか。……ありがとな、五和」

上条は、涙を流して崩れ落ちた五和を静かに抱き寄せた。

上条「……お前のせいじゃねえ。だから、大丈夫だ五和。お前が泣く必要なんかねえんだ」

五和「……でもっ………私は………」

上条「安心しろ五和。……俺もインデックスも、必ず笑って帰ってくる。そして、必ずいつもの日常を取り戻す」

上条は、記憶のあるこの半年を思い浮かべた。インデックスと笑いあった記憶。インデックスに噛まれた記憶。インデックスと遊んだ記憶。インデックスに困らされた記憶。
そして、その周りある、様々な人間との出会い。そのどれもが、かけがえなく。
そして、上条は決意する。

上条「――これが、こんな誰かが泣かなければいけないのが俺の日常だっていうのなら」

上条「まずは、その幻想をぶち壊す」



そして、上条当麻は飛ぶ。
日本を離れて、遥か海の向こうの島国―――イギリスへと。



常磐台編、一旦終了

なんだかシリアスなムードで常磐台編に区切りが付きました
ぶっつけとノリで書いているので、突っ込み所は多々ありそうですが、目をつぶっていただければ幸いです

さあ、それではイギリス清教女子寮編に参りたいと思います
といってもプロローグ的な触りの部分だけです
本編は明日以降になります

それから、もう面倒なんで批判レスはスルーしてください
別に俺はなんとも思わないので、個人的な意見を言いたい人には言わせてさしあげましょう

それでは、起きている方がいらっしゃるかは分かりませんが、もうしばらくお付き合い下さい

ロンドン・聖ジョージ大聖堂


上条「……ここに来るのは、いつぶりだろう」

上条「……最後にインデックスに会って、学園都市に帰ったとき以来か」

上条「……まさか、こんな形で戻るハメになるなんてな」

上条「…………待ってろ、インデックス」

上条「俺は、必ずお前と再会してみせる」

上条「そしたら、また狭い寮で暮らそう」

上条「風斬だって会いたがってるんだ」

上条「……絶対に、またお前と……」

上条「……うし」

ガチャ ギィィィィィ

「あら、随分と早く来たるのね、幻想殺しの少年」

上条「ローラ……最大主教さん。お久しぶりです」

ローラ「そんなに無理をして呼びなれぬ名で呼ぶことはいらねけりなのよ。ローラさんで構わぬわ」

上条「はい」

ローラ「……やはり警戒しておるわね?まあ、無理もなきよね」

上条「………」

ローラ「そなたを拉致したのは他でもない、ただアレイスターとの交渉の駒が欲しかっただけよ」

上条「………」

ローラ「その分、そなたには充分な待遇を約束したるわ。住居、食事、衣類、その他生活に必要な物は全てきちんと提供したるし、なにより……」

上条「俺は!……俺は、そんな待遇で心を揺らがされたりはしない。……決めたんだ。俺は必ずインデックスとまた生活するって」

ローラ「………」

上条「……待遇とかはどうでもいい。とにかく、どうなれば俺は学園都市に帰れるのか、どうなればインデックスとまた暮らせるのか。それだけ教えてくれ」

ローラ「……人の話は最後まで聞きたるものよ、幻想殺しの少年。……貴方は、なにかを勘違いしたるようね」

上条「……?」

ローラ「……衣食住の確保。それからもう一つは……禁書目録との生活。それが貴方に与えられし待遇よ」

上条「!?……ま、まさか、インデックスと……また、一緒に暮らせるのか?」

ローラ「当たり前よ。私とて、右方のフィアンマを打ち破ってくれた恩人にそのような仕打ちはしないわ」

上条「……そうか、五和のあれは……」

『禁書目録と再び会いたいのなら、大人しく指示に従え』

上条「……このことだったのか。……ハハッ、なんだよ紛らわしい……」

ローラ「……どうやら誤解は解けたるようね」

ローラ「まあ学園都市にいつ帰せるかは分からぬが……とにかく、そういうことよ」

上条「……はい」

ローラ「聞き分けのよい子は利口なりけるわね。……それでは、まずは住居の相談になりけるのだけど……」

ガチャッ

神裂「上条当麻!……よかった、無事でしたか」

ローラ「なによ、その言いぐさは。まるで私が幻想殺しの少年になにかするようではないか」

神裂「……信用できないことが貴方を貴方たらしめているものですよ、最大主教。
……上条当麻、住む場所を決めるのでしたね?扉を開けるときに聞こえました」

上条「ああ、まあそうだな」

神裂「……いつか交わした話を、覚えていますか?」

上条「えーっと……寮の管理人、だっけ?」

神裂「はい。………いかがですか?」

上条「は?」

拉致られたとはいえバイトを途中放棄
こりゃ次に寮監にあった時が怖いな

神裂「今、あの子が住んでいるのもあそこですし、なにより寮の皆さんも喜びます。丁度良い機会ですから、この際いかがです?」

上条「……たしかに、それがいいのかもな。よし、そうしよう」

神裂「ありがとうございます上条当麻。……ということでよろしいですね、最大主教」

ローラ「構わぬわよ。そちらに任せたるわ」

神裂「はい。……それでは、参りましょう上条当麻」

上条「あ、ああ」



こうして、上条当麻の人生三度目の寮監の仕事が、幕をあげる



イギリス清教女子寮編 スタート

というわけでプロローグ終了

じゃ、今日は寝ます
明日も例によって昼過ぎです

お休みなさい


>>693
寮監とはフラグ成立済みなんで、多分心配されてなんやかんやで大丈夫なんじゃないですかね?

むぅ…
しばらくは美琴ハァ━━━━(´Д`)━━━━ン
が見れないのか。
ならば火織ハァ━━━━(´Д`)━━━━ン
を堪能させてもらうとしようか

どうも、お待たせいたしましたー
ぼちぼち再開します

スレの雰囲気に関しては、特に変える気はないです
馴れ合いがキモいという方はいらっしゃるでしょうが、ネタを皆さんからいただいて即興で書くこのSSの性質上、この方が書きやすいのです
見ていただけるのは嬉しいですし批判レスも構いませんが、それだけは絶対ですのであしからず

尚、次スレは制作速報でいいですかね
残念ながら携帯の専ブラで板追加がないので投下しにくいのですが
まあ日中はPCも使いつつで行きます

ちなみに、学園都市での上条さんの扱いはローラとアレイスターがあれこれ手を回してますの
そんなわけで上条さんには心ゆくまでイギリスを楽しんでいただきます
あとインデックスはしっかり登場するんだよ!

神裂「こちらが、寮です」

上条「はあ、意外にボロいな」

神裂「まあ先のクーデターでも攻撃を浴びていますから。ですが機能的にもそんなに不便はありませんし、魔術的な補強もされていますから大丈夫でしょう」

上条「いや、別に悪い意味じゃなくてさ。久しぶりに元の生活レベルに戻るから、なんだか懐かしくて」

神裂「?……よくわかりませんが、とにかく中に入りましょう」

上条「ああ」

コンコン ガチャ

オルソラ「あらあら、おかえりなさいでございます神裂さん」

神裂「ただいま戻りました。今日から上条当麻が寮監代理を勤めますので、皆さんを食堂に呼んでいただけませんか?」

オルソラ「あらあら上条さんでございますね。」

上条「久しぶりだなオルソラ。そういうことだからよろしくな」

オルソラ「ふふふ、上条さん。お夕飯はまだでございます」

上条「ああ、久しぶりだなこの脈絡のなさ……」

オルソラ「ところで今日はどうしてこちらにいらしたのでございますか?」

神裂「ですので、上条当麻が寮監代理を勤めることに……」

オルソラ「ああ、今日のお夕飯は私が腕を奮って作るのでございますよ」

上条「話を聞けって……」

オルソラ「でも、本当にお久しぶりでございますね。これからよろしくお願いします……ところで、今日はどうしてこちらに?」

神裂「ですので、上条当麻が……」

オルソラ「皆さんを食堂にお呼びすればよろしいのでございますね。皆様~」カンカンカン!

神裂「はあっ……疲れます」

上条「フライパンにおたま打ち付けるっていつの時代だよ……」

ドヤドヤ「なになに?」「なんだよ人が削り出しに入ろうって時に」「食事出来たの?」
「まだ早いわよ」「あれ?」「あの子、クーデターの時にいたわよね」「あ、上条さん!」バタバタ

上条「スゲエな……なんつーか、常磐台とは空気が真逆だ……」

神裂「とりあえず玄関では人が溢れますから皆さん食堂に!」

ドヤドヤ「「「は~い」」」ガヤガヤ

オルソラ「うふふ、皆さんお喜びでございますね」

上条「歓迎してもらえてるなら嬉しいな」

「でも、どうしたのかしら」「神裂さんが恩返しするんじゃない?」「そして、五和が参戦したりして!」「次はルチアよルチア!」
「私は参戦しません」「えーオルソラはよろこんで参戦するわよ?」「ですから……」

上条「……なんだか歓迎のされ方が不穏な気がする」

神裂「戯言はお気になさらず」

食堂

神裂「えー、といわけで……本日より寮監代理を勤めていただきます上条当麻さんです。皆さん挨拶を」

「「「よろしくおねがいしま~す」」」

上条「は、はい。よろしくお願いします……。えっと、分かんない事だらけなので色々と教えていただけると幸いです」

神裂「では、その辺りの注意事項は後々私がお教えします」

「お?とうとう神裂いっちゃう?」「まさか、再び堕天使エロメイド降臨か!?」「土御門に報告よ!」「五和にも連絡入れておきなさい!」
「オルソラ!アンタの出番よ!!」「おい。まさかあのゴシックなめてる衣装着る気じゃねえよな?」「ここは……小悪魔ベタメイドの参戦を希望」「しないで下さい」

神裂「出ません!ありえませんから!!」

「ホントはどーなのよ?」「案外あっさり行っちゃうんじゃない?夜とか」「キャッ!私たちは神に仕える身なのにー♪」「でも…体は正直なの!」「そこ、うっさい」
「……やっぱり、ここは我が部隊からも尖兵を」「出さないで下さい」「っていうか、五和への連絡は?」「今、鳩をとばしたわ」「古っ!携帯使えよ」

神裂「………」プルプル

上条「……か、神裂さ」

神裂「ガタガタやかましいんだよこのド素人が!!」

「「「「――――!?(やばい、怒らせたー!?)」」」」

神裂「人が黙ってりゃあガタガタ好き勝手なことヌかしがって!大体テメェらは―――」

ガチャ

オルソラ「うふふ、神裂さん。ただ今彼女が帰って来ましたのでございますよ」

上条「……彼女?」

神裂「……ごほん。失礼しました……。とりあえず、彼女をこちらに」

オルソラ「わかりましたのでございますー」パタパタパタ

(((た、助かったー)))

上条「神裂……彼女って、まさか」

神裂「……ほら、もうすぐ入ってきますよ。きちんと迎えてあげたらどうですか、上条当麻」

パタパタ「ほらほら、こちらでございますよー」
「ねえ!何の集まりなのかな!ちょっぴりワクワクしてるんだよ!!」

上条「……この、まるでガキみたいにはしゃぐ声……」

「開けてもいいよね!?いいんだよね!?」「大丈夫でございますよ」

ガチャ キィィ

上条「……インデックス」

禁書「……とうま?……本当にとうま、なの?」

上条「インデックス……インデックス!」

禁書「とうま……とうまとうまとうま!!」タタタッ

ギュッ

禁書「ずっと会いたかったんだよ、とうま!!」ムギュウ

上条「ああ!俺だってそうさ!……本当に、夢じゃないんだよな……」ギュウ

禁書「私の頭の中の10万3000冊の中には、こんな魔術は載ってないんだよ!!」

上条「学園都市にだってこんな最高の能力なんてありゃしねえよ!……インデックス。また、一緒に暮らせるんだな」

禁書「……うんっ!きっと、そうなんだよ……!……ふぇ…とう、まぁ……」グスッ

上条「泣くなよインデックス。……俺だって…泣きそうに…クソ」グスッ

「なんかいい話ねー」「思わぬ感動シーンだわ」「見ててほんわかするわね」「あ……だめ、涙が」「アンタって泣き上戸だったの?」「うるさいわねっ」
「あ……抱き合う二人見てたらアソコから涙が」「それ涙じゃねえし」「感動的なシーンを壊すな変態シスター」「うるさいわねっ!男と関係もてないんだから溜まるっつの!」「うわ、開き直った」

神裂「………」

オルソラ「ふふふ。ちょっぴり妬いているのでございましょう、神裂さん?」

神裂「……どちらにですか?」

オルソラ「両方に、でございます。どちらも好いているのでしょう?」

神裂「……まったく、貴方とは本当に会話がしにくいです、オルソラさん」

その後・解散後食堂

神裂「というわけでですね、今からこの寮の説明をしたいのですが」

上条「ああ、頼むよ神裂」

禁書「私も一緒に行くんだよ!」

神裂「……構いませんよ。それでは、まずは一階からなんですが」

ガチャ

神裂「廊下がここ、そして」ガチャ

神裂「こちらが、脱衣所とお風呂場です。基本的に炊事洗濯掃除など、この寮の家事はここの住人が行います」

上条「なんだ、いやに楽だな」

神裂「しかし、有事の際には寮から全員が出払うことも多いですから、そのときには貴方におねがいします」

上条「おう……って、洗濯機ってコレ一台?学園都市製みたいだけど、これ結構古い型だよな」

神裂「……この子は、とても出来る子です!!そんな言い方をしないで下さい!!」

上条「……お、おう…なんか、悪い」

神裂「あっ……すいません。私としたことが、つい」

すいません
VIPで携帯とPCが両方とも規制を食らってしまったので、どなたか↓のスレに

上条「常盤台女子寮の代理ですか・・・」
上条「常盤台女子寮の代理ですか・・・」 - SSまとめ速報
(http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267855702/)

スレは制作速報に移動するという旨をレスしていただけますでしょうか?
ちなみに新しいスレは↓です

上条「寮監……Zさんやる?」

よろしくお願いします

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