かぐや姫(5歳)「まだ月には帰りたくないよぉ」てるてる坊主「任せとけ」 (8)


かぐや姫(0歳)「うっかりおまんじゅう盗み食いしちゃって地球に送られて来ちゃったよ……」

かぐや姫(0歳)「それにしても、今回は無駄に遮光性のある材質の柱っぽいものの中だよぉ」


コンクリートの柱←Now!


かぐや姫(0歳)「かるく詰んでるよぉ……。ミイラエンドだよぉ……」グス

てるてる坊主「おや?クソボロい建物の柱から声がするぜ……」


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てるてる坊主「あらよっと」スパン!

建物<ぶっ潰れるぜー!

ズドドォォォォォォォォオン......

かぐや姫(0歳)「凄い……。あんなに無駄に硬そうな柱が……」

てるてる坊主「中にいたのはお前さんかい?」

かぐや姫(0歳)「あう!」

てるてる坊主「今更取り繕う必要はないぜ?」

かぐや姫(0歳)「そうだよぉ」

てるてる坊主「はぁ、見た感じかぐや姫と言ったところか?」

かぐや姫(0歳)「よくわかったね」

てるてる坊主「だってここ、昔翁住んでたとこだし」

かぐや姫(0歳)「死んじゃったの?」

てるてる坊主「月の都のゾンビ野郎とは違って人間の寿命なんぞたかがしれたもんだろ?」

かぐや姫(0歳)「薬……、帝も死んだの?」

てるてる坊主「死んだよ。あいつはその薬を富士山の頂上で燃やさせたよ……」

かぐや姫(0歳)「そっかぁ……」

てるてる坊主「で、どうする?どうせまたあのクソに送られてきたんだろ?」

かぐや姫(0歳)「どうしよう……。肝心の翁と嫗がいないと何も出来ないよぉ……」

てるてる坊主「なら俺の家に罪が償えるまでの期間住んどかないか?」

かぐや姫(0歳)「いいの?」

てるてる坊主「このままほっとく訳にもいかないだろ?」

かぐや姫(0歳)「お世話になります」ペコリ

てるてる坊主「おっし、俺がこのまま持ち上げて帰る事にするか」グワッ

かぐや姫(0歳)「頭の下の方は全部ひらひらしてる紙なのに凄いね」

てるてる坊主「浮くぞ!」

かぐや姫(0歳)「すごーい!高ーい!」

てるてる坊主「それより高い所に住んでいるやつが何を」

こうして、私と紙と輪ゴムだけで出来た人形との生活がはじまったのです!


それから5年後、

かぐや姫(5歳)「今日も平和だね」

てるてる坊主「俺がいるお陰で雨も降らないしな」

かぐや姫(5歳)「台風はこの前きたよね?」

てるてる坊主「痛い所をつくなよ……」

かぐや姫(5歳)「んふふー♪」

バン!

月の都の王「迎えに来たぜぃ!?かぐや姫さんよぉ!」

かぐや姫(5歳)「少しは空気を読んでよ!まだ真昼間だよ!」

月の都の王「て、言われてもなぁ!」

てるてる坊主「誰こいつ」

かぐや姫(5歳)「王様だと思う」

月の都の王「疑問系かいぃ!!」

てるてる坊主「あのバカにも息子がいたんだな。ま、馬鹿そうな息子だが」

かぐや姫(5歳)「馬鹿以外の何者でもないよ?」

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