勇者「姫様を返してもらうぞ!」 魔王「来るのが遅いわああああああああああ!!」 (112)

魔王「私がどれだけ貴様らを待ったと思ってるんだ!!」

側近「魔王様、落ち着いてください」

戦士「何だこのオッサン・・・」

僧侶「いきなり怒鳴られても・・・」

勇者「旅を始めて、まだ一カ月しか経ってないんだけど・・・」

魔王「一か月もだ!!」


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魔王「この一か月、私がどんな思いでいたか・・・」

魔王「貴様らに分かるか!?」

魔王「うぅ・・・」グスッ

側近「よしよし」ナデナデ

戦士「このオッサン泣き出したぞ」

僧侶「だめですよ、勇者様。魔王いじめちゃ」

勇者「えっ、俺が悪いの?」

魔王「そうだ、貴様が悪い!」


勇者「まあ、こんなオッサンほっといて」

魔王「おい」

勇者「姫様を返してもらうぞ」

魔王「さっさと持って帰れよ!あんな女こっちから願い下げだわ!!」

勇者「何だと!」

魔王「だいたい、あのクソ女はなあ」

姫「誰がクソ女なの?」

魔王「」

戦士「姫様、ご無事で」

僧侶「助けに参りました!」

勇者「さあ、城に帰りましょう!」

姫「やだ」

勇者「へ?」

戦士「姫様、今、なんと?」

姫「だ~か~ら~、やだって言ったのよ!」

僧侶「な、なんで・・・」

姫「まあ、それはおいといて」

姫「おい、魔王」

魔王「」ビクッ

魔王「な、なんでございましょうか」ビクビク

姫「さっき、私のことクソ女って言ったよね?」

魔王「い、言ってません・・・」

姫「い・っ・た・よ・ね」ゴゴゴ

魔王「・・・はい・・・」

勇者(何これ)

姫「だったら、言うことがあるよね」ニコ

魔王「・・・い、いや、勇者の前だし。魔王の威厳というかなんというか・・・」

姫「いいからさっさと謝れよ!!クソ魔王が!!」ギリギリ

魔王「ぐああああああああああああああ!?」メリメリ

魔王「ごめんなさい、ごめんなさい!」

魔王「だから、ア、アイアンクローはやめてーーー!!」メリメリ

姫「反省しろ、ボケがぁ!!」



戦士「」

僧侶「」

側近「姫様、その辺で許してあげてください」

魔王「」ブクブク

姫「え~、まあ側近ちゃんがそういうなら」パッ

魔王「」ドサッ

勇者「側近ちゃん!?」

姫「あ?なんか文句あんの?」

勇者「イエ、ナイデス(姫様コエぇ~・・・)」

戦士「あの、姫様?」

姫「なに、戦士ちゃんだっけ?」

戦士「え、なぜ私の名を?」

姫「側近ちゃんにあなたたちの活躍は聞いていたからね」

僧侶「なるほど」

戦士「コホンッ、まあ、それはともかく。姫様はなぜ、城へ帰るのを拒否なさるのですか?」

戦士「それと、魔王城の異様な状況についてお聞きしたいのですが」

姫「えっとね~、あ~、ごっめ~ん、説明すんのめんどくさいわ」

戦士(この女!)ブチッ

僧侶(マズイ、戦士ちゃんがキレそう・・・)

側近「姫様、ちゃんと説明されたほうがよろしいかと」

姫「ちっ、しょうがないなぁ」

姫「まず、帰りたくない理由だけど、この魔王城ならあたしの夢を叶えられるからかな」

勇者「夢?」

姫「そう、ここでしか叶えられない夢」

姫「あのクソ親父の元だと、絶対反対されるんだもん」

戦士「その夢とは何ですか?」







姫「この魔王城に女の子だけの楽園、私のハーレムを築くの!!」





勇者・戦士・僧侶「」

姫「既にこの魔王城の女の子は全て私のものよ」

勇者「そんなご冗談を・・・」

魔王「いや、こいつの言ってることは本当だぞ」

勇者「うぉ!?(魔王、生きてたのか・・・)」

魔王「こいつのせいで私の部下が・・・」

僧侶「一体、何をしたんですか?」

姫「別に~、ただ女性型の魔物は手篭めにして、男性型や気味の悪い魔物は追い出しただけよ」

勇者・戦士・僧侶「」

魔王「くそっ」

勇者「たかが、女一人にやられんなよ・・・」

魔王「私だって、抵抗した・・・」

魔王「しかし、側近がいつの間にかあいつの手に堕ちてしまって・・・」

姫「側近ちゃん可愛かったよ~、普段はクールなのにベットの上じゃあんなに乱れちゃって」

側近「///」

勇者「あ、やべっ、考えたら鼻血が・・・」タラー

魔王「くっ、側近は私に匹敵する力を持ってる」

魔王「情けないことに、部下だと思うとつい本気を出せず、気づけばやられていた・・・」

僧侶「それで今に至ると・・・」

魔王「姫さえ倒せれば良いのだが、側近がいつも近くにいて手が出せん・・・」

魔王「しかも、姫自身もめちゃくちゃ強い。というか恐い・・・」

士「では、姫様は自分のハーレムを築くために城へお戻りにならないと?」

姫「ええ、そうよ」

僧侶「そんな、王様がお許しになるはずがありません!」

姫「だから、戻らないんじゃん」

戦士「しかし、王様も姫様の身を案じておられます」

姫「それなら大丈夫よ。向こうは向こうで楽しくやってるみたいだし~」

戦士「どういう意味ですか?」

姫「っていうか、私が戻りたくないもうひとつ理由でもあるんだけどね」

姫「言葉で説明するより見てもらう方が早いと思う」

姫「側近ちゃん、アレ用意してもらえる?」

側近「既にこちらに」

姫「さっすが、側近ちゃん。仕事が早~い」

姫「後でご褒美あげるからね」

側近「ありがとうございます///」

勇者「あっ、また・・・」ハナヂタラー

側近「では、皆様こちらをご覧ください」

僧侶「何ですか、これ?」

勇者「水晶?」

姫「ええ、これがあれば、どんな場所でものぞき放題ってわけ」

戦士「これでなにをのぞくのですか?」

姫「あのクソ親父の様子をちょっとね」

姫「じゃあ、側近ちゃん、お願い」

側近「承知しました。では始めます」


水晶ピカー

僧侶「おお、水晶の中に何かが見えますよ」

勇者「これは、王様の部屋か?」

戦士「これは・・・」

王様「んほぉおおお、騎士団長のアツいのがワシの奥まで届いとるぞおおおおお!!」

騎士団長「まったく、娘がさらわれているというのに恥を知りなさい!」

大臣「ほら、王様、しゃべる暇があったら私のを加えてください!」

王様「んぶぅ!?」

騎士団長「罰として中に出して差し上げましょう!」




戦士「もういい!やめてくれえええええええええええ!!」

姫「・・・もう止めていいわよ」

側近「承知しました」

僧侶「」

勇者「何だよ、これ・・・」

姫「相変わらず、気持ち悪いわね・・・あのクソ親父どもは」

戦士「そんな騎士団長様が・・・」ガクッ

姫「わかった?これが私が戻りたくないもう一つの理由よ」

姫「小さい時からあんなの見せられたらトラウマもんよ・・・」

勇者「何というか、その、ドンマイ!」

姫「・・・」グッ

姫「ふんっ!」ドスッ

勇者「うごぅっ!?」

僧侶「腹パン!?」

魔王「今のは、勇者が悪い」

姫「私、クソ親父のあの姿を見て決めたの・・・」

姫「汚い男なんか排除した、女の子だけの楽園をつくるって!!」

僧侶「なんか、あんまり関係ない気が・・・」

魔王「要するに自分の女好きを親父のせいにしただけだな」

勇者「あの親にしてこの子ありってことか」

姫「ふんっ!ふんっ!!」ドスッドスッ

魔王「ふぐぅ!?」

勇者「おぼぉ!?」

側近(二人とも学習しませんね・・・)

姫「と・に・か・く、私はこの魔王城でハーレムを築くから邪魔しないで!」

僧侶「って、言ってますけど、どうしますか?」ボソボソ

勇者「どうするって言われても・・・」ボソボソ

魔王「強引にでも連れ戻した方がいいって」ボソボソ

戦士「騎士団長様・・・」ズーン

勇者「戦士ちゃん、すげー落ち込んでるし」ボソボソ

僧侶「好きな人のあんな姿見せられたら当然ですよ」ボソボソ

魔王「えっ、戦士って、そうなの?」ボソボソ

僧侶「はい、無事に帰ったら騎士団長に告白するんだって」ボソボソ

勇者「そんな、戦士ちゃん・・・」ズーン

勇者=男、戦士と僧侶=女ってことでOK?

>>41 はい、それで合ってます。

勇者「魔王倒したら戦士ちゃんに僧侶ちゃん、姫様のハーレムだと思ったのに」ボソ

魔王「勇者も大概だな」

僧侶「あなたもですよ・・・」

勇者「はあ、もうどうでも良くなってきた・・・」

勇者「というわけで、俺たち国に帰ります」

僧侶「ちょっと、勇者様!?」

戦士「」ブツブツ

魔王「お願いだから、姫連れて帰ってくれよ・・・」



姫「何言ってんの?ここまで来てあんたたちを返すわけないじゃ~ん」フフフ

勇者「はい?」

僧侶「どういう・・・」

姫「あんたたちを人質にして、クソ親父から色々巻き上げるんだから♪」

勇者・僧侶「」

魔王「ご愁傷様です」チーン

僧侶「ははは、じょ、冗談ですよね?」

姫「本気だよ」ニコッ

僧侶「」

勇者(ちっくしょう、笑顔が可愛い・・・)



魔王「元気出せって、な?」ポンポン

戦士「いいんだ、私なんて・・・」

勇者「・・・残念ですが、いくら姫様と言えど、これ以上の勝手は許すわけにはいきません」

僧侶「おお、勇者様が本気モードです!」

魔王「勇者・・・かっこいいな」キュン

魔王(なんだ、急に胸が熱く・・・)

勇者「二人とも茶化さないでくれるかな・・・」

姫「ふーん、で?・・・やるの?」

勇者「姫様のお考えが変わらないのなら」

姫「私は、別にいいけど~」

姫「勝てると思ってんの?」ゴゴゴ

勇者「くっ!」

僧侶(すごい威圧感です!)

側近「私がいることもお忘れなく」

勇者「・・・」チラッ

戦士「はあ・・・」イジイジ

勇者(戦士が使い物にならない今、こちらが不利か・・・)

勇者「魔王!!」

魔王「わっ!?」

魔王「な、なんだ?」

勇者「非常に不本意だが手を貸してくれないか?」

魔王「え・・・」

勇者「この二人に勝つには、お前の力が必要なんだ!!」

魔王「え・・・」キュン

魔王(まただ、胸がキュンって・・・)

勇者「返事は!?」

魔王「・・・い、いいだろう」

僧侶「本当ですか?」

魔王「ああ、この悪女を倒し、部下を取り戻すために力を貸してやろう」

魔王「あ、あくまでも、一時的に手を貸すだけなんだからな!」

勇者(協力はありがたいけど・・・オッサンのツンデレは余計だなあ・・・)

とりあえず、今夜の投火はここまでで寝ます。

見てくださった方、感想を書いてくださった方ありがとうございました。

今日中には、続きを投火すると思います。

勇者「とにかく、これで形勢逆転ですね」

姫「あっそ」

姫「というか、勇者と魔王が手を組んで言いわけ?」

魔王「巨悪を倒すためだ。一時的とはいえ仕方なかろう」

側近「姫様、どうなされますか・・・」

姫「じゃあ、こっちも助っ人呼ぼうかな~」フフフ




姫「みんな、出てきていいわよ~」





魔物「ワイワイガヤガヤ」ズラー

勇者・僧侶・魔王「」

姫「どう、私のハーレムは?」エッヘン

勇者「わー、女の子がいっぱいだー(棒)」

僧侶「」

魔王「え?ええ!?」

姫「サキュバス、スライム娘、エルフ、アラクネなど、ありとあらゆる女性型魔物よ!!」

勇者「そんな・・・」

魔王「こ、これでは・・・」

僧侶「何であなたまで驚いてるんですか・・・」

魔王「だって、私の部下、昨日までこんなにいなかった・・・」



姫「ちょっと、そこ!あんたの部下じゃなくて私のガールフレンドたちよ!!」

姫「勇者が来るとわかって急いで各地から強そうなのかき集めたんだから」

おっしゃ、出番や!いけ、オーク将軍!触手元帥!ゴブリン突撃部隊!

>>71

魔王「あいつら、イイ奴らだったなあ」

魔王「でも、あいつらはもう・・・」

姫「まあ、ほとんど側近ちゃんのおかげだけど」

側近「いえ、全ては、姫様がこの者たちを籠絡したからでございます・・・」ツンッ

姫「あれ、側近ちゃん・・・もしかして妬いてる?」

側近「そっそんなことは・・・」アセッ

姫「もう、可愛いんだから~」チュッ

側近「ひっ姫様!?皆様に見られて・・・」顔真っ赤

姫「気にしない♪気にしない♪」


魔王「勇者、鼻血を拭け・・・」

勇者「ふぅ・・・」フキフキ

姫「それで、まだ続ける?」

勇者(俺と魔王はどうなってもいいけど、僧侶ちゃんと戦士ちゃんを死なすわけには・・・)

勇者「わかった、降参するよ」

僧侶「勇者様!?」

魔王「むぅ、仕方ないか・・・」

姫「そう、無駄な戦いをせずに済んで良かったわ」

姫「それじゃ、さっそく」

姫「こいつら使って、食料と金品、それから女の子100人を要求しましょうか」ニコッ

勇者・僧侶「」

側近「では、そのように」

姫「うん、お願い」

魔王「こいつ、私よりよっぽど魔王らしいのではないか?」

魔王「もう、貴様が魔王になればいいんではないか?」

姫「いやよ!魔王なんてダッサイの!!」

魔王「なっ!」

姫「それに、私は表向き、さらわれた姫何だから!」

姫「あんたには、魔王でいてもらうわ」

姫「もちろん、形だけだけどね~♪」

魔王「」

姫「さてと、勇者たちの処遇だけど・・・」

勇者「まだ何か・・・」

姫「一応、人質って形だけど、別に拘束したりするつもりはないから」

僧侶「そ、そうなんですか?」

姫「これからこの魔王城で暮らしてもらうことになるんだけど~」

姫「もし、ここから、逃げだそうとすれば死ぬより酷い目に遭うから」フフフ

勇者(何て、邪悪な笑顔だ・・・)

姫「まっ、逃げたり、私に逆らったりしなければ、身の安全は保証してあげるわ」

魔王「・・・とても、信じられんな・・・」

姫「あっ、魔王、あんたは私に逆らったから罰を与えてあげるね」ニコッ

魔王「ふえぇ」


姫「じゃあ、側近ちゃんは、勇者たちを各自の部屋まで連れてってあげて」

側近「わかりました」

勇者「・・・部屋まで用意されてるのか・・・」

僧侶「ほら、戦士ちゃんも元気出して」

戦士「・・・」イジイジ

姫(・・・これは、チャンスかな・・・)ニヤリ

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