憧「きんたまモザイク」 (51)

阿知賀部室

霞「阿知賀の文化祭って明日なの?」トン

小蒔「……」ウトウト、トン

憧「えぇ明日なのよ。時間あるならぜひ遊びに来てよ」トン

晴絵「おおっ、ブルと来た!そろそろ神代さんが寝るのかな?」トン

霞「文化祭で何をやるのかしら?」

憧「私らはねー。コスプレ雀荘」

霞「なるほど、麻雀部らしくていい出し物ね。永水だと校則が厳しくて出来ないわね」

晴絵「永水の文化祭って関係者以外立ち入り禁止って感じだろうね」

霞「そうなんですよ。文化祭と言うより降臨祭ね。神を降ろす祭りなので」

小蒔「……」ウトウト

霞「そう言えば小蒔ちゃんが文化祭でたこ焼き食べたいって」

憧「たこ焼きはあったかな?」

晴絵「あるよ。灼のクラスでやるらしい」

憧「へえー、良かったね神代さん」

小蒔「いぇーい」グーグー

霞「新子神社での用事が午前には終わるので、午後からお邪魔してみようかしら」

憧「ぜひぜひ。二人が来たら玄が喜ぶから」

霞「阿知賀って女子校よね?ちょっとだけ残念」

晴絵「なになに?出会いとか期待してるわけ?」

霞「わ、わたしも17歳の女子高生なんですよ///恋の一つや二つ憧れます」

憧「女子校じゃ出会いないもんねぇ。永水なんて阿知賀以上に山に囲まれてそうだし」

晴絵「まぁこの辺は男の子少ないからな。阿知賀の周りはなぜか女の子しか生まれない」

憧「へぇー、そうなんだ。いいじゃん。男居なくてもさ。女だけしか居なくても恋愛出来るつーの」

霞「キャンプファイヤーやってフォークダンスとか憧れるのよ」

晴絵(今時、キャンプファイヤーやる文化祭とかあるのか)

霞「さて!赤土さんに私の力が通用するのかしらね?リーチ」→打、白

小蒔「……ポン」ウトウト

憧「早めに処理したいなぁ」→打、撥

小蒔「……ポン」ウトウト



憧「ぎゃあああああああ!」

霞(しまった)

プルルルル輝いてーココイチ番ー

晴絵「こりゃやべーわ。あっ、ごめん。仕事用の電話だ」

霞「どうぞ」



晴絵「これと、これとこれ」トン

晴絵「現物切ってあるから、これ捨てといて。ちょっと電話してくる」

憧「はいはい。降りたのね」


ガチャ、バタン


小蒔「カン」→打、中

憧「やっぱり!?」

霞「新子さん伏せて!何かが起きるわよ」

ビュー――ビュー―――、ギュオオオオオオ

憧「な、なによーこれぇ!?」

霞「小蒔ちゃんが何かの神様を降ろしたみたいね……。たまにあるのよ」

憧「私、神社の娘だからわかるけどすごい霊力感じる」

霞「私の後ろに隠れてなさい……。小蒔ちゃんがツモ上がりした時、何かが起きるわ」

憧「う、うん」ギュッ



小蒔「ツモ!大三元字一色!」



憧(体が吸い寄せられて……)


プチュン!

阿知賀男子麻雀部室

憧「うぅ~ん」ゴロン



穏乃「おーいおーい。そこの女子、お腹出して寝てたら風邪引くよ」


ガチャ

玄「穏乃君、何をしてますのだ?って女ァァァァ連れ込んだの!??!??!?!」

穏乃「い、いや!違います違います誤解ですよ!この女の子、俺が連れ込んだのではなくてですね」

玄「穏乃君!どこから連れて来たの!?まさかレイプ未遂!」ハッ

穏乃「いやいや、するわけないじゃないですか!」

憧「シズ、天一のラーメン代わりに食べてー」ゴロン



穏乃「あれ?俺の名前呼んだような……」

玄「ふぅーむ、なるほどなるほど。穏乃君の知り合いではないと?」

穏乃「はい。俺に女の知り合いなんて居ません」

玄「当然、僕の知り合いでもない。多分兄ちゃんの知り合いでもない」

穏乃「灼さんの知り合いかも」

玄「それは100%ないね。灼君、ホモだもん」キリッ

穏乃「ホモなの知ってますけど、女の知り合い居てもおかしくないですよ」

玄「ないよ。こんな派手な子、灼君が一番とっつきにくい子じゃないか」

穏乃「起こして聞けばいいですよ」

玄「えっ……、もう起こしちゃうの?」

穏乃「はい」

玄「穏乃君、性欲を持て余す男子高校生だよね?こんな若くて可愛い女の子が、部室で寝てるんだよ?」

穏乃「滅茶苦茶可愛いです」

玄「……おもちとかさ。そーーーと、ツンツンって」

穏乃「せーの」ボコッッ

玄「せせせせ、先輩を殴る子に育てた覚えはないよ」ビクンビクン

穏乃「玄さんのお腹柔らかいですねー。もう少し鍛えた方がいいですよ」



穏乃「おいお前」ヌッ

憧「むにゃむにゃ……」パチッ

憧(あのジャージはシズね。寝ぼけたふりして、じゃれついてみようっと)


憧「シズー。おはよーのちゅー」ギュッ

ドンガラガッシャン!

穏乃「いてて……急に抱きつくなよ…。いや、抱きつかないで下さいよ」

憧「ごめんごめん。寝ぼけてさ…、なんか顔に当たってる」



憧の頭は穏乃のジャージの股間部分にスッポリ収まってしまった


穏乃「わあああああああああ!?!??!?どこに頭、入れてんだよ!」

憧「なんだこれ?ムニムニする」

穏乃「やめてよぉ!辞めて下さいよ!?」ムクムク



憧「あーよっこいしょ」スッ

穏乃のジャージから頭を出す憧


憧「……」ツンツン

憧「……」ジーーー

憧「きんたま?」ゾッ

憧「なんで穏乃にきんたまが」カタカタ

憧「いや、これ穏乃じゃないし!?男の子だ」ゾッ

憧「シズのジャージ着た男。私、触ってしまった……。あーもう考えらんない」ブクブク

憧「あぅあぅあぅー」パタン、キュー



玄「白目剥いて倒れちゃったよ!?」

穏乃「口から泡吹いてるし、保健室に運びましょう!」



ガラガラ

霞「新子さーん、居るかしら?」

穏乃「また女の人が現れた!?」ビクッ

玄「ふおおおおおおおおお!?!??!?!?!」ジーーーーー

保健室

憧「……知ってる天井だ」ムクリ

赤土「おっ、起きたか」

憧「……」ジーー

憧「オッサン誰?」

赤土「は?俺がオッサン!?まだ26歳だよ」

憧「……おっちゃんじゃない。26歳って」

赤土「いやいやありえないから!まだ若手、って言うかお兄さん!」

憧「どっちでもいいや。じゃあお兄さんで。ここは阿知賀女子の保健室?」キョロキョロ

赤土「違う。阿知賀男子の保健室だ」

憧「阿知賀男子?」キョトン

霞「私が説明するわね」


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憧「男女が真逆の世界ですって!?」

霞「そうなのよ。私と新子さんは、小蒔ちゃんの神様の影響で世界を超えてしまったらしいわ」

赤土「とんでもないオカルトだよなぁ。向こうの小鍛治プロが女ってマジか?あんな化け物染みたプロが女で結婚出来るのかよ」

霞「永水女子も永水男子に変わってたわ。小蒔ちゃんも男の子に」

憧「はぁ~~~~~~、私のお姉ちゃんも男になったの?」

赤土「望は俺の幼馴染だぞ」

憧「……オッサン、あんたまさか」

赤土「お兄さんだ!赤土晴。阿知賀男子の顧問をやってるよ」

憧「言われてみれば面影があるわね」

赤土「望がもうすぐ迎えに来るよ。その前に紹介しておこうか」



赤土「おーい。入って来いよ」


ガラガラ

そして一通り自己紹介が終わり


憧「えー…、女の新子憧です。この世界では男だったのかな?」

玄「そ、そうですね。頭が良くて顔が良くて、男子にも女子にもモテモテで……」

憧「玄、敬語使わなくていいから。男の私も、女の私も根本的には変わらないし」

玄「わかったよ」



憧「で、シズで良かったわね?ジャージ男」

穏乃「そうだよ」ムスッ

憧「いつの間にか私より背が高くなったのかぁ」ウンウン

穏乃「男の憧は俺より高いよ。170cmあったし」

灼「これからも新子憧として仲良くして欲しい」スッ

憧「灼はあんまり変わってないなぁ」

赤土「灼って女っぽいよなぁ。おかっぱ頭だし」

灼「ハル君が坊主が好きなら坊主にしてくるよ!?」




憧の部屋

憧「まさか親の性別まで変わってたなんてびっくり」

霞「うふふ。私の家もそうだったわ」

憧「こっちの世界の私はどうなったのよ?」

霞「おそらくだけど、向こうの世界。私達が居た世界に私達の代わりとして居ると思うわ」

憧「やっぱりそうなんだ。ハーレムか」

霞「私達も逆ハーレムじゃない」

憧「男子校とかうれしくない」

霞「ふふふっ、私も今日学校歩いてたらジロジロ見られちゃって」

憧「玄とかガン見してたわね。ちょっと宥姉…じゃなくて宥兄にちくってお仕置きしてやる」ポチポチ



憧「で、明日鹿児島帰るんでしょ?私も着いて行くからもう一度神代さんと麻雀しよう」

霞「その事なんだけどね」

憧「神代家の男性は霊力を持たないですって!?」

霞「そうなのよ。昔から神を降ろすのは女性の役目だったの。だから神代家の男性は霊力を持たないの」

憧「じゃあ神代さんの不思議なオカルトパワーは?」

霞「ないわね。小蒔ちゃんはこの世界じゃ永水の一軍にも入れないらしいし」

憧「そんな…、戻れないじゃない…」ヘナヘナ

霞「神代家に女の子が生まれさえすれば……、それでも神を降ろすのに何年もかかるけど……」

憧「ずっとこのままか……」

霞「ごめんなさいね。私が小蒔ちゃんと結婚すれば女の子生むまで頑張るから」

憧「はぁ~~~、男のシズって何か余所余所しくて距離を感じるのよね」

霞「緊張してるのではないかしら?」

憧「私相手に緊張?子供の頃から一緒に居るのに?」

霞「やっぱり男と女では……ね。いつも通りと言うわけにはいかないのよ」

憧「そんなもんか。男の子の幼馴染は居なかったからなぁ~」

霞「で、高校なのだけど転校する?」

憧「……転校」

霞「阿知賀は男子校でしょ。女子校か共学の高校に転校しないと……」

憧「転校って言われても」ウーン

霞「今回起きた問題についてのお金は、神代家と石戸家で全面的にバックアップします」

憧「私の偏差値ならどこでも入れるしね」



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阿知賀男子部室


玄「やっぱり憧君、転校かな?」

灼「普通に考えて女子が男子校に居るのはまずいと思う」

宥「女子トイレもないからねー」

灼「男子校に女子一人。弘世さんの群れに宥兄を置き去りにするみたいな感じかな」

玄「ひゃー!?お兄ちゃんのお尻の穴がシャープシュートされちゃうよ」

宥「ふんっ!そのまま死ね!」ドゴッッ


玄「へへ・・・燃えたろ?」パタン



穏乃「はぁ……」ショボーン

穏乃「女のアコと、どんな顔して会えばいいのかわかんねぇよ」

宥「麻雀部的にも廃部の危機だよ。」

灼「憧が居ないと苦しいなぁ。新人入って来ないと大会すら出れないし」

玄「うーん。僕くらい恵まれた逸材の新人さんが欲しいよね」



ガラガラ

赤土「おーい。新入部員を紹介する。まぁ部員じゃ無くてマネージャーだけどな」

灼「マネージャー?」

赤土「そうそう大会には出られないからってさ」

憧「シズ、私を全国大会に連れてってね」ウィンク


灼「憧!?」

宥「憧ちゃん!」

玄「憧君……憧さんのおもち」ワキワキ



穏乃「アコ!転校したんじゃないのか!?」

憧「バカねぇー。晩成蹴って阿知賀来たのに、今更転校とか冗談じゃないわよ」

赤土「えー、阿知賀男子は来年から共学になった。憧は最初の女子だ」



憧「私がマネージャーやるからにはビシバシしごくわよ!」

次回
穏乃「俺の幼馴染がこんなに可愛いわけがない!」


に続かない。


終わり

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