クレス「もう一度!あなたを救ってみせる!!」 (109)
テイルズシリーズのクロス作品です。
基本的にはアビスまでのシリーズ
P,D,E,D2,S,R,L,A
の各主人公で話を展開させていきます。
ここまでの作品しかやったことないのでヴェスペリアやハーツは分かんないんです。
もし私の描写するキャラクターたちに何かしら喋り方や行動に違和感があった場合は
教えて頂ければ幸いです。なるべく修整していくよう善処致します。
それでは、始めさせて頂きます。
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プロローグ
静かな午後、柔らかな日差しの中一人の男が草地に腰を下ろして一冊の本を読んでいた。
…「ここにいたのですか。ダオス」
ダオス「マーテルか」
マーテル「今日はいい日ですね。風も穏やかですし」
ダオス「あぁ、悪くはないな」
マーテル「……することがなくて暇ですか?ここは何もないですからね」
ダオス「読書をしている。……それに、私に何かを望む権利などない」
マーテル「またそんなことを言って。精霊になっても変わらないんですね。あなたは」
ダオス「私は私だ。何も変わらん。それで、何か用か?」
マーテル「まずはお茶でも、と思いましたが仕方ありませんね。そのままでいいですから聞いて下さい。最近、どうにも世界に怪しい気配を感じるのですが心当たりはありませんか?」
ダオス「知っている。だが何者かは分からん。突然気配が現れては消え、また別の場所で感じるというようにまるで居場所を突き止めさせん」
マーテル「やはり感じていましたか」
ダオス「だがその様な存在珍しくもないだろう?そのうち尻尾を出す。そのときに始末すればよい」
マーテル「えぇ、私もそう思います。ただ、最近この世界に現れる度に少しずつ気配が大きくなってる気がするんです。まるで他の世界から力を手に入れて来たかのように」
ダオス「ふむ、確かに…それは懸念すべき事だ。まだ私の力に届かぬうちに始末するとしよう」
マーテル「出来れば話し合いで解決したいので最初は私に任せて下さいね」
ダオス「やはり甘いな、君は。だが分かった。まずは任せよう」
マーテル「感謝します。その者はいつどこに現れるか分かりません。ダオスも気をつけて下さいね」
ダオス「あぁ分かっている。君もな」
マーテル「はい、それでは」
その時、マーテルの背後の空間が突然歪み始めた。奴だ。
突発的に現れた気配に身構え、その者と相対するダオスとマーテル。
マーテルは聖杖を呼び出し、ダオスは本を投げ捨てマーテルの盾になるように前に出た。
ダオス「こいつは!?」
マーテル「えぇ!どうやら現れたようです!ダオス、あなたは下がって!」
前へ踏み出すマーテル。そして彼女はその者を見た。空間の歪みから姿を現したそいつは人の形をしていなかった。黒く、暗く、球体の体にはどこまでも闇が広がっていた。
マーテル「私は精霊マーテル!あなたは何者ですか!?私はあなたと話がしたいのです!」
彼女の言葉も空しく、闇の一部が凄まじい速さで彼女に向かって行く。
ダオスはマーテルの前へと飛び出し、その魔翌力を持って闇を遮った。
ダオス「下がれマーテル!そいつに君の言葉は届いていない!私にはわかる。こいつは闇そのもの!言葉など通じないのだ!」
マーテル「ダオス!待って、話を!」
ダオス「下がれと言っているのが聞こえないのかマーテル!!」
……「……この…わた…が…」
ダオス「!?……今の声は!?」
ハッ!?
気を取られた。闇は一瞬にしてダオスを包み、そして浸食していった。そう、食われているのだとダオスは感じた。
マーテル「ダオス!?今、助けます!」
ダオス「いや、ダメだ!もう私のほとんどの力は奪われてしまった!君でももはや危ない!逃げるんだ!くあっ!?」
聖なる力を持ってマーテルはその者に杖を向けた。しかしその力は直前で見えない壁に阻まれはじかれてしまった。
マーテル「これは、この力は……!!」
もはやダオスの救出は間に合わなかった。闇はダオスを全て取り込み、そして尚も彼女を取り込もうと闇を延ばして来た。
……「……ねえ、さま……」
マーテル「!?」
もはやマーテルに逃げ出す事は叶わなかった。その決断をするには遅すぎたのだ。しかしこのまま取り込まれてしまう訳にはいかない。もしも自分が取り込まれてしまえば世界が崩壊してしまう。
マーテル「あなたに、取り込まれてしまうわけにはいきません」
彼女の体が光り始める。それは聖なる力の奔流。その者は光に阻まれ彼女に触れる事は出来ないようだった。
マーテル「もう、これしかありませんね」
封印術。彼女は自身を封印する事で硬い結界をその身に纏い、取り込まれることのないようにしたのだ。
マーテル「あとは……彼らを、呼ばなくては。彼らに助けを求めなくては……」
…………
…………
…………
第一章
一人の男が仰向けに倒れていた。その目には青い空が映っている。男は辺りを見回し、そこがどこかの平野であることを理解した。そして彼はそこに一人で倒れていたのではないことも知った。
自分の他に7人の男が倒れているのである。見たところ年齢は全員そう離れているようには見えなかった。皆十代半ばといったところであろうか。状況が何も分からない。何が起こっているというのだ。だが、とにかく彼らを起こしてみよう。何か知っているかもしれない。
……「おい!君!起きてくれ!」
手近の男に声をかける。赤い燃える様な色の髪の男だ。
……「んぅ〜…まだ眠たいんだって……」
……「いいから起きてくれ!困ってるんだ!」
……「……なんだってんだよ〜……」
赤髪の男は大きくあくびをしながらも体を起こし、彼に顔を向けた。
……「……は?お前、誰?」
……「僕はクレス。目を覚ましたら突然ここにいたんだ。君は何か知らないか?」
……「……ちょっと待ってくれ。まるで状況が分からない」
まだ寝ぼけ眼の赤髪の男は辺りを見回すと突然
……「はぁ!!?どこだここ!?」
クレス「やっぱり君も知らないんだね」
……「いやいやいや!何だよこれ!?どこだよここ!?ってお前誰!?ってかこいつらも誰だ!?」
「ん〜、うるせ〜な〜……叫ぶなよ〜……」
「もう少し…静かに……してくれ……」
「……太陽が気持ちいい、ぜ…………ん??」
「……何だ、ここは?」
クレス「君たちも起きてくれ!少し話がしたい!」
……「おい!無視すんなって!」
……「えぇ〜?まだ朝だろ?……って、え!?どこ!?」
……「な、何だここは!?」
……「……嘘だろ?はぁ、何に巻き込まれたんだ俺は…」
……「……お前たち、何者だ?」
クレス「多分誰もお互いについて知らないんだろうね。僕もさっき目が覚めたら突然ここにいたんだ。何かこの状況に心当たりのある人はいないか?」
……「…………誰も知らないようだな」
誰もが困惑していた。ツンツン頭の少年は立ち上がり辺りを見回し、白い髪の男は見知らぬ男たちを警戒して飛び退き、既に少し離れた場所に立っていた。チョーカーをしたまたもや赤髪の男はただただ座って頭をもたげている。そしてもう一人の赤髪の男はなおも叫んでいた。
……「何だよ!何が起こってんだよ!?」
クレス「落ち着いてくれ!とりあえず皆名を名乗ろう!僕はクレス・アルベインだ!」
……「何が起こってんのか分かんないけど、あんたら敵じゃないんだな?」
沈黙が流れる。彼はその反応から明確な敵意を持っているものはいないことを感じた。
……「分かった。とにかく相手が何者か全く分かんない状態は良くないよな。俺の名前はロイド・アービングだ」
……「……お前らが俺をここに連れて来たわけじゃないんだな?」
白い髪の男は近寄りこそしなかったが、警戒態勢だけは解いた。
……「俺はセネル・クーリッジだ」
……「はぁ〜、ま、とにかく名乗んなきゃ始まんないよな。リッド・ハーシェルだ」
……「……ヴェイグ・リュングベル」
完全に乗り遅れた赤髪の男は、上げていた両手の行き場を失い戸惑っていた。
クレス「ほら、君も名前を教えてくれないか?」
……「……ルーク・フォン・ファブレ……」
ロイド「へー!フォン・ファブレってなんかすげー貴族っぽい名前だな!かっけー!」
ルーク「え、いや、まぁそれほどでもねーよ……別に///」
ロイド「ところで、まだそこに二人寝転がってるんだけど起さなくていいのか?」
セネル「俺が起そう。おい、起きろ!こんだけ騒いで起きないとかどんな神経してんだ」
……「……これ以上は…もう…食えねーって…」
衝動的にセネルは蹴りを食らわしてしまった。しかしそれにも関わらず金髪の男は眠っている。その金髪の男を小さくしたような少年もまるで起きる気配はない。
セネル「……ホントは起きてんじゃないのか?俺も大概朝は弱いが…もう一発蹴ってみる。強めに」
ロイド「待て待て!もうちょっと穏やかに起そうぜ。俺がやってやるよ」
そう言ってロイドは腕まくりをして彼らに近づき、二人の耳元で
「起きろーーーーーー!!!!」
……「うぉぉぉぉぉ!??何だ!?何だ!?」
……「うわぁぁぁぁぁ!!?」
ロイド「おっし、起きた起きた」
セネル「……それが穏やかな起し方なのか?」
ヴェイグ「起きたのなら良い」
リッド「怖えーことするなーお前」
ルーク「俺にだけは絶対やんないでくれよそれ」
クレス「ま、まぁ結果オーライってことで…」
……「え!?いやちょっと待て待て!誰だお前ら!ってここは!?」
……「な、何だよここ!?お前たちが俺を攫ったのか!?」
ルーク「あーもう、この流れはさっきやったからいいんだよ。それで名前は!?」
クレス「とりあえず僕たちみんな同じ状況みたいなんだ。全員気付いたらここにいた。だからとにかくまずは名乗ってから話し合うことにしてるんだ。僕はクレス・アルベインさ」
「リッド・ハーシェル」「ヴェイグ・リュングベル」「ロイド・アービング」「セネル・クーリッジ」「ルーク・フォン・ファブレ」
……「ちょっと待てって!一遍に言われて分かるわけないだろ!
……んー、うん。まぁとはいえ確かに悪人はいなさそうだな。スタン・エルロンだ」
……「(なんだろう?この人といると安心する)……カイル・デュナミスだよ」
リッド「なんだそっくりだからてっきり兄弟か何かだと思ったけど名字が違うんだな?」
スタン「え?俺に弟なんていねーぞ」
カイル「うん、俺もこの人のことは知らないよ」
クレス「そうか、それじゃ本格的に皆お互いを知らない状態なんだな。まいったな……」
ロイド「とりあえず自分が何者かだけ話してこうぜ。俺は……俺は……あれ?」
セネル「どうした?」
ロイド「いや……何故か、何もわからないっていうか覚えてないっていうか……」
リッド「なーに言ってんだよ。じゃ俺から話すぜ?さっき言ったように名前はリッドだ。生まれは…………あれ……?」
クレス「……ちょっと待ってくれ。僕も、何も分からない…!何も覚えていない!誰か自分のことを話せる人は!?」
しかし答える者は誰もいなかった。皆にまたも混乱が襲った。誰一人、自分の名前以外何も覚えていないのだ。生まれも、歳も、家族、友達、そして仲間の事さえも。
ヴェイグ「馬鹿な!?ここにいる全員が記憶喪失だと?」
スタン「おいおい何が起こってんだ本当に!?」
カイル「俺は、俺は誰なんだ!?」
ルーク「知ってる……この感覚……記憶がないこの感覚を俺は知ってる……!!」
セネル「落ち着け!とにかくここに敵はいないんだ。状況を整理しよう!」
クレス「あ、あぁ。そうだね。すまない、つい取り乱してしまった」
カイル「状況を整理するっていっても何もわかってないじゃないか!?」
セネル「それでもするんだ!落ち着くために!」
スタン「カイル!取り乱すな!」
カイル「〜〜〜〜!!分かったよ……!」
とりあえず続きはまたあとで……
一応それなりのシーンまでは投下しますが、つまらなければそこで素直に終わる事にします。
乙
カイルのスタンに対する反応がアレ?って思ったが記憶喪失か、便利だよね記憶喪失
おかしいな、ふと思いついたスレに書こうとした覚えはあるが、書き溜めた覚えはないぞ?
乙! まだまだこれからだ! 頑張ってくれ!
ああそうだ。メール欄に「saga」っていれないとフィルターかかって大惨事になりかねないよ。サゲじゃないよサガよ
なんという剣士PT…
グミ嫌いの称号は絶望的だな
セネルが主夫枠だな
>>12ホント便利ですよね。重宝します。ただその分記憶回復イベントは丁寧にやらないと……
>>13ありがとうございます! やっぱり誰しもが考えた事ありますよねw
>>14そうなんですか。なるほど……
すいません初めてのSS投稿なのでルールなどggってから来たはずなのですが、それは知りませんでした。教えてくれてありがとうございます。
>>15まったくですよ!このメンバーでの回復手段がアイテム以外にルークの守護方陣だけっていう…
>>16確かに、恐らく自活力もこのメンバーの中じゃトップクラスですよね。
とりあえず、もう数レス程投下させていただきますね。
動揺は隠しきれない。自分に何が起きたのかもわからないのだから。だがそれでも何かしなければ始まらない。彼らは円になり座り込んで相談し合った。
クレス「まず、状況を確認しよう。僕らは皆目が覚めたら突然見知らぬ土地にいた。そしてその理由は誰も知らない。そうだね?」
ロイド「あぁ、そして全員が記憶喪失になっている。みんなどこまで覚えていないんだ?とりあえず名前までは忘れてないみたいだけど」
ヴェイグ「名前以外のほぼ全てだな。だが朧げに記憶している事がある。俺は誰か複数の人間とともに旅をしていたのだと思う」
スタン「あ、その旅をしてたって記憶は俺にもあるぜ!なんか結構大切な奴らだった気がするんだよな〜」
ルーク「俺も誰かと旅してた……というかもしかしてここにいる全員そういう経験あるんじゃないのか?」
全員がうなずいた。皆自分が経験したそれぞれの壮絶な旅について詳細は分からずとも完全に忘れる事など出来なかったのだ。しかし思い出せない。その仲間と、何のために旅をしたのかということこそが彼らにとって大切な事であるというのに。
クレス「ということはここで一つの共通点が出たね。全員が旅をしていた。それも複数人で」
カイル「あと今気付いたんだけど、ほとんど皆剣を持ってるよね?もしかして皆旅の剣士だったのかな?」
スタン「あれ?もしかして持ってないの俺だけか?」
セネル「俺も持ってないよ」
リッド「まぁでも確かにクレスやヴェイグ、ロイドなんかはもろに剣士っぽいよな。スタンだって多分剣士だろ」
スタン「何でわかるんだ?」
ヴェイグ「お前のその鎧と鎧についてる傷だ……それは剣でつけられたものだろう?普通そういった傷を受けるのは前衛の人間だ」
リッド「ま、そういうこった」
スタン「へー、なるほどね〜。でもそれがわかるってことはリッドも剣士なんじゃないのか?」
リッド「かもな。ま、どっちでもいいさ」
ルーク「で、セネルはどうなんだ?」
セネル「いや、俺は多分剣士じゃないよ。でも前で闘っていたように思う。この拳で」
ルーク「拳ぃ!?お前そのなりで筋肉馬鹿だったのか?」
セネル「おい!どういう意味だよ!お前こそ腹出して腹筋強調してるじゃないか!この筋肉ナルシスト!」
ルーク「俺のはファンションっつーんだよ!」
クレス「止めないか!そんなことで言い争ったって仕方ないだろう!
とにかく僕らのもう一つの共通点として前衛で闘っていた、ということでいいね?」
ヴェイグ「あぁ、それでいいだろう」
ロイド「あと他に何か……!?」
そこにいた誰もが気付いた。何か複数の気配が迫って来ていることに。
カイル「みんな!!」
ルーク「わかってるっつーの!」
スタン「とりあえず話し合いはまた後で、だな!剣は無くても拳がある!」
リッド「どうも囲まれたみたいだな……」
それはヴォルフの群だった。何十匹いるかも分からない。既に八方から迫って来ているモンスターに対し彼らは円を保ったまま背中合わせに構えた。
クレス「よし!とにかく目の前の敵を蹴散らそう!」
誰が合図を送った訳でもない。しかし全員まったく同じタイミングで駆け出した。
クレス「うぉぉぉぉ!!」
セネル「でやぁぁぁぁ!!」
彼らの記憶は失われていたが体は忘れていなかった。実にスムーズな動きでモンスターたちを蹴散らし、倒して行った。
ヴォルフ「ウォゥ!!」
一匹のヴォルフがカイルに背後から襲いかかる。
リッド「カイル!!魔神剣!!」
ヴォルフ「ギャン!!」
クレス「あの技は!?」
カイル「サンキュー!リッド!」
ヴェイグ「礼は後だ。さっさと終わらせるぞ」
リッド「いやお前が言うのかよ……」
3分後。そこには襲ってきたモンスターを全て返り討ちにした8人の男たちだけが立っていた。
スタン「何だあっけなかったな〜」
セネル「ま、こんなもんだろ」
クレス「リッド!さっきの技どうやってやった!?」
リッド「な、何だよクレス?いや、俺にもよくわからないんだよ。あの魔神剣って技だろ?気付いたら体が動いて使ってたんだ」
ロイド「クレスの言いたい事は分かるよ。実は俺もあの技に見覚えがあるんだ」
スタン「あ、俺も俺も!確か実際使ってたと思うんだよな。」
セネル「あぁ、俺もそうだ。拳でだがな。ヴェイグとカイルもそうなんじゃないのか?」
ヴェイグ「あぁ」
カイル「俺は、さっきの魔神剣っていうのは知らないけど似た様な技は使ってたように思う」
クレス「どうやら、僕らは思ったよりもずっと共通点が多いのかもしれないね」
リッド「はぁぁぁぁ……魔神剣!!……魔神剣!」
セネル「何やってるんだお前?」
リッド「何って練習だよ。忘れないうちにな。魔神剣!……魔神剣!お、出た!」
スタン「おー!すげー!あー、俺も剣があればなー!」
ルーク「何か俺にも出来そうな気がしてきた!
魔神剣!!ズバァ!!
おぉぉ!俺スッゲー!!」
クレス「多分これからもっと闘いの中で思い出せるだろうね。さっきの皆の闘いを見て分かったけど、全員相当な実力者のようだ」
ヴェイグ「あぁ、全員動きにほとんど無駄がなかった。あれは余程戦闘を経験した者でなければ出来ないだろう」
ロイド「皆すげーよ!これなら何が来ても安心だな!」
リッド「しかしこうなると本当に何かに巻き込まれたんだな俺たち……」
カイル「え、どういうこと?」
ヴェイグ「これだけの実力者を一つの場所に揃え、尚かつ剣技がこれだけ似ている者を集めるなど明らかに何者かによる作為的なものだということだ」
リッド「いやそういうことなんだけどよ。何でさっきから俺のセリフ持ってくのよお前……」
スタン「ま、何はともあれ実力者揃いだっていうなら嬉しいことだろ?」
セネル「その先に何が待ってるかは分からないけどな」
ルーク「それで?どーすんだよこれから。やることが分からなきゃしょうがないだろ」
クレス「うん、これ以上議論してもあまり有益な情報は出てこないだろうね。それだったらまずはどこか街を探すっていうのはどうかな?
ロイド「あぁ、俺もそれがいいと思う」
セネル「全員一緒にか?」
ヴェイグ「それがいいだろう。別れるメリットが少な過ぎるし、こう見知らぬ場所ばかりではどこかで待ち合わせることも出来ん」
セネル「ま、それもそうだな」
スタン「おっし!それじゃ早速出発しようぜ!北か?南か?」
カイル「こっちの方角でもいいんじゃないかな!」
ルーク「おいおいちょっと待てよ。闇雲に進んだって仕方ないだろ。ちゃんと決めようぜ」
リッド「へぇ……」
ルーク「なんだよへぇって」
リッド「いや、案外常識的な考えも持ってんだなルークも」
ルーク「おい、一体どんな目で俺を見てたんだ」
ヴェイグ「ちゃらけたお調子者だな」
ルーク「そんな目で見てたのかよ!」
リッド「だからなんでお前は……あーもういいよ。はぁ」
クレス「まぁそうはいってもルークの言ってる事は間違ってないんだ。とりあえずこれからは太陽を目印に東に向かうとしよう」
ロイド「よし!出発だ!」
一行は歩いた。何かを目指して歩くという行為は彼らに記憶を失っていることへの不安を和らげさせた。道中モンスターに襲われる事は決して少なくなかったが、彼らを手こずらせる様なモンスターはいなかった。
ルーク「あーもう!うぜーっての!」
リッド「そうこぼすなルーク。もうあと2、3匹だろう」
スタン「なんて言ってるうちにあと1匹だ!」
カイル「よし!最後の1匹は俺が!」
ズバァ!!
そこでカイルは倒したモンスターの先にそれを見た。道だ!あれは人が整備した道だ!
カイル「みんな!あれを見てくれ!」
セネル「?……街道か!」
ロイド「やりぃ!これで街に行けるぜ!」
クレス「どうやらそのようだね。皆疲れてないかい?少し休もうか?」
ヴェイグ「いやその必要はないだろう。先の戦闘でも息を切らしてる者もいない。街へ急ごう」
スタン「異議なーし!」
半時ばかり歩いたところに、その村は姿を現した。
スタン「なーんだ。街じゃなくて村だったな」
セネル「それでも人がいる場所来られたんだ。上出来だよ」
クレス「この、村は…」
ロイド「……?クレス、この村を知ってるのか?」
クレス「……分からない。何か僕にとって重要な場所な村のような気はするけれど……」
リッド「ふーん、どうやらここはトーティス村っていうらしいな。そこに書いてある」
クレス「トーティス、村……」
ズキン!
クレス「うぅ!!」
突然うめき声を上げて倒れたクレスはそのまま地面に伏し、ゆっくりと意識を失っていった。
…………
次に目を覚ました時、彼はベッドの上にいた。どこか見覚えのある天井だった。
……「……レス、おいクレス!起きたのか!?」
クレス「……父、さん?」
ロイド「はぁ?誰が父さんだよ。ロイドだよ」
クレス「ロイドか……僕は、いったい……?」
ロイド「突然うめき声を上げたと思ったらそのまま気絶しちゃったんだよ。その後この家に移動したんだ。まだどこか痛むか?」
クレス「いや……もう大丈夫だ。それより、他のみんなは?」
ロイド「隣の部屋にいるよ。あんまり無理するなよ?」
クレス「ありがとう……この家の人に迷惑をかけてしまったね。謝らなくちゃ」
ロイド「いや、それが……ん、まぁとりあえず隣の部屋に行こう」
扉を開けるとそこにはまさしく他の6人がそこにいた。それぞれイスに座ったり端に立っていたり好きずきにしている。階段がある。どうやらここは2階のようだ。
カイル「クレス!もう大丈夫なの?」
クレス「うん、もう大丈夫。心配をかけてすまない」
リッド「気にすんなよ。誰にだってそういうことはあるさ」
クレス「ところでこの家の人はどこだい?迷惑をかけてしまったし、一言謝りたいんだけど」
ヴェイグ「……この家は無人だった」
クレス「え、そうなのかい?……でもそれにしては生活感が残りすぎてる気が……」
そう、この家には無人にしては何もかもが揃いすぎていた。ベッドはもとより、台所にはフライパンに鍋、包丁がある。食器棚にはお皿とコップもあれば、部屋の角には暖炉用の薪も置いてあった。窓の外には花をさした花瓶まである。
セネル「この家だけじゃないんだ。さっきこの村を一軒ずつ回ってみたんだがどこにも人は住んでいなかった。それでいて家具も何もかも揃いすぎてるんだ」
クレス「……一体、どういうことなんだ?」
スタン「きっと近くでお祭りでもあるんじゃないか?それで村中の人が出払ってるとか!」
ルーク「それでも人っ子一人いないのはおかしいっつーの」
ヴェイグ「あぁ、数件しかないとはいえ老人の一人もいない。さすがにこれは異常だ」
ロイド「どうする?このままここにいてもしょうがないならすぐに出発しちゃうか?」
クレス「いや……ちょっと待ってくれ。この村には何かがある気がするんだ。もう少し探索してみて
クレス「いや……ちょっと待ってくれ。この村には何かがある気がするんだ。もう少し探索してみてもいいかい?」
カイル「クレスがそういうならそれでいいよ。別に急いじゃいないしね!」
クレス「ありがとう。そんなに時間はかけないから」
リッド「ま、好きなだけ探索してくれ。俺たちも何かヒントはないか探してみるさ」
クレス「あぁ、とりあえずこの家を拠点にしておこう。何か見つけたらここに戻ってくること。もちろんここの住人が帰って来たらすぐに謝って明け渡すこと」
ルーク「うっし!じゃもう一度まわってみよーぜ!」
クレスは村を歩き回った。確かに彼には見覚えがあった。いや、ありすぎた。一つの家にかけてある武器屋の看板、もう一つには雑貨屋の看板だ。宿屋と教会もある。村の中央を流れる川には魚が泳いでいる。そしてこの家……何度も訪れた様なこの家は……ここはただ昔立ち寄った一つの村なんてものじゃない。もっと身近な……そう……まるで故郷のような……
その時、クレスの周りの空気が変わった。いや違う、空気だけじゃない。先ほど見た雑貨屋の家が崩れている。武器屋には火の手が上がっていた。建物だけじゃない、人がいる!どこから現れたのか、逃げ惑う人々がクレスの目の前に現れ始めたのだ。
クレス「なんだ……いったい!何が起こっているんだ!!」
村の入り口に黒い鎧を着た兵士たちの集団がいた。
……「探せ!!ペンダントを持った者がどこかにいるはずだ!探せ!住民は皆殺しにしろ!一人も生かすな!」
クレス「こいつらは……!!僕は知っている……こいつらを知っている!!!」
兵士たちは村に侵入し虐殺を始めた。武器を持たない村人たちは抵抗も出来ず斬り殺されている。ただ泣き叫んでいた子供ですら、何のためらいもなく黒い兵士は一刀の元に斬り捨てた。
クレスは走った。ただただ目の前の虐殺が許せなかった。
クレス「やめろ!!この人たちが何をした!!」
クレスは二人の男女に手をかけようとした兵士の攻撃を受け止め、弾き、蹴り飛ばした。
クレス「魔神剣!」ズバア!
兵士はまともに攻撃をくらった。それは強力な一撃だった。本来ならば鎧は砕け、中の人間に致命傷を与えるはずであった。しかしくらったはずの兵士が突然消えたのだ。目の前から突然煙に変わったかのように敵はいなくなった。
クレス「な、なんだ?」
男「うわぁぁぁ!?」
女「きゃぁぁぁ!?ぁっ!」
クレスが振り向いた時、そこには黒の兵士が立っていた。先ほどと同じ兵士か?わからない。ただ一つ分かった事は、自分はこの二人を助ける事が出来なかった事だけであった。
クレス「うぁぁぁぁ!!!」
黒い兵士に向かって剣を振り向いた。しかしまたしても、攻撃を当たった瞬間煙のように目の前から消えてしまう。
リッド「クレス!!」
スタン「クレス!なんだこれ!?突然目の前に人が現れたと思ったら今度は家が攻撃されたんだ!」
ロイド「みんな!!バラバラになるな!とにかく外に出て……なっ!?この惨状は!?」
次々に仲間たちがそれぞれの探索場所から飛び出して来た。どうやら自分だけがこの不可思議な現象に陥っているわけではないらしい。不思議とクレスはそんなことを冷静に考えていた。
カイル「村が……人が襲われてる!!」
セネル「助けるんだ!皆で村人を助けるんだ!!」
ルーク「なんだよこれ!?なんなんだよ!!この人たちが何したっていうんだ!!」
ヴェイグ「ルーク、落ち着け。とにかくこいつらを倒せばいい。」ギリッ
クレス「待ってくれ!こいつら普通の敵じゃない!」
全員が敵に向かって行く。だがしかし結果はクレスと変わらない。どうしても攻撃が当たらないのだ。いや、ともすれば当たっているのかもしれない。煙にすることで数を減らしているのかもしれない。だからこそ彼らは攻撃の手を止めない。しかし一向に敵の攻撃の手が止む事はなかった。
クレス「これは……そうだこの光景は!!」
ロイド「クレス!!」
クレスは走り出した。彼は記憶を取り戻したわけではない。しかしそれでも行かなければならない場所は分かっていた。
クレス「父さん!母さん!!」
勢い良く扉を開けたのは最初にクレスが運び込まれた家だった。一階の開けた場所、クレスはそこが道場なのだと理解していた。そこに三人の人物がいた。一人の壮年の男性に対面して黒衣の騎士が女性を人質に、剣を構えていた。
……「ペンダントはどこにある?答えよ!さもなければこの女はここで死ぬだろう」
男性「答えるとでも思っているのか……?私はもとより妻とて覚悟は既に出来ている!」
女性「……えぇ!あいつを、ダオスを復活させるわけにはいかない!」
……「ならばここで息絶えるが良い……」
ダオス……?知っている……でもそいつはもう……
違う!!今やらなきゃいけないことは……!!
クレス「やめろぉぉぉぉぉ!!!!」
男性「うぉぉぉぉぉ!!」
壮年の剣士は最後の特攻をかけた。しかし黒衣の騎士はその手に捕まえていた女を前に突き飛ばすや、女ごとその強烈な一撃を壮年の剣士に与えた。
クレスは間に合わなかった。全力で駆けたはずなのにその死の一撃を止める事ができなかったのだ。二人の体が重なったまま崩れて行った。
クレス「父さん!!母さん!!」
父と母が崩れて行く。クレスの頭にかつての光景が突然浮かび上がって来た。
家の前で血を流す父……家から出て来た母も又、もはや助からぬ傷を負っている……
何も出来ず、ただ叫ぶ事しか出来ない自分がそこにいた。
……「愚か者が……」
黒衣の兵士「マルス様!この家でもペンダントを発見する事は出来ませんでした!」
マルス「あぁ、ないだろうな。次の村だ……急ぐぞ」
クレス「父さんと……母さんの仇!!!」
クレスは剣を振りかぶり渾身の力を込めて黒衣の騎士に一撃を放った。
ガキィ!!
だがその一撃は黒衣の騎士の剣に受け止められてしまう。そして騎士は煙に変わる事もなく、そこにあり笑った。
マルス「くくく……そうだ、俺がお前の仇だクレス……両親が殺されるところを見るのはどうだ?」
クレス「なんだと……!?貴様何のためにこの村を襲った!」
マルス「さぁて、確かに役柄で言えばペンダントを奪うためだが……俺自身の目的は別にある……」
クレス「役柄……?一体、何を言っているんだ!」
マルス「俺の目的はお前だよ。お前を殺すためだけに俺はここにいる。その為に奴に魂までも売ったのだ。しかし……クレスよ。何のためになど聞くとは……もしや記憶を失っているのか?」
クレス「貴様に何の関係がある!」
マルス「ふふふ、そうか。それは残念だな。記憶のないお前を殺してもつまらないじゃないか。それにお前にはまだ生き地獄を味わってもらわねば……」
黒衣の騎士が剣を振り抜く。その力に抗う事も出来ずクレスは吹き飛ばされ壁に激突した。
クレス「カハッ!!……くっ……う……」
マルス「クレスよ、この私が殺すときまでに記憶を取り戻す事だ。そうすれば死をもって苦しみから解放してやろう……十分に苦しめた上で、だがな……さらばだ、弱き者よ」
クレス「ま、て……」
黒衣の騎士はそこで姿を消した……
仲間たちは外で闘っていた。そこで彼らは聞いた。クレスのもはや声とはいえない叫びを。そしてその叫びを彼らは全員知っていた。それが何を意味するのかを。
一人の壮年の男性が家から出て来た。重傷を負っている。数歩と保たず彼は膝をついた。
彼に続いて、クレスが出て来た。
クレス「と、父さん……」
ミゲール「クレス……母さんは……無事か……」
クレス「父さん!!」
家からまた一人、女性が現れた。ひどい怪我をしている……あれはもう助からない……
クレス「母さん!!母さん、しっかり!」
マリア「クレス……逃げなさい…!叔父の住む北の都ユークリッドに……あいつらはお前のペンダントを……」
クレス「母さん!もういい!しゃべらないで!」
マリア「父さんは……私が人質にとられなければ…………」
クレス「母さん!母さん!!目を、開けてよ……母さん!」
クレス「うわあああああ!!!」
…………
一体何が起こったのか、誰にもわからなかった。誰もいない村で突然火の手があがり、住民が現れたと思えば黒衣の軍隊が現れ虐殺していった。必死に守ろうとしても誰一人倒す事も出来ず、守る事も出来ず、ただただ殺されて行くのを目の当たりにしていくだけだった。
全員が無力だった。何も出来ない自分にただ打ち拉がれていた。敵はもはやいない。だが、住民たちも一人残らず殺されてしまっていた。
クレス「……あの家に……行かなきゃ……」
クレスは立ち上がり、目の前にある家に入っていった。
その家もひどい有様だった。全てが破壊され、蹂躙されていた。
二階に行くとクレスはそこで床に伏し、血を流す一人の少女を見た。
クレス「……アミィちゃん……」
名前が口をついて出てきた。クレスはこの少女を知っていた。そしてここにいるはずの男のことを。何故今ここにあいつはいないんだ?分からない。だがこの少女を放っておく事は出来ない。
そこでクレスは一つの人形を手にした。クレスの姿をしている。自分はこれを知っている。いや知らなければいけないものだ。何故だ!何故僕はまだ思い出さない!?何故肝心の事は出てきてくれないんだ!
リッド「クレス……」
仲間たちはクレスを追って部屋に入ってきていた。
スタン「ここは……お前の村だったんだな…」
クレス「あぁ、どうやらそうみたいだ……笑ってくれ……こんなになっても僕はまだ全部を思い出せない。ここに大切なものがあるのにそれが何なのか分からないんだ!」
ロイド「笑えるわけないだろうが!お前がどれだけ苦しんでるか、俺には、俺たちにはわかる!俺たちも同じようにその涙を経験したはずだから!!」
ヴェイグ「そうだ、なのに思い出す事が出来ない。こんなにも大切なことを……」
カイル「だからこそ俺たちにはそれがどんなに辛い事か分かるんだ!クレス!俺たちは一緒だ!」
セネル「お前は一人じゃない。お前がこれからしようとしてること、俺たちにも手伝わせてくれ」
ルーク「クレス……まずは皆のお墓を作ろう。あいつらを止めるのは、それからだ」
クレス「みんな……ありがとう……」
クレスは泣いた。彼だけではない。全員が涙していた。自分の無力さに、不甲斐なさに、だが何よりも友の為に彼らは泣いた。
…………
クレス「よし…!こんな感じでいいかな?」
リッド「あぁ、いーんじゃねーの?結構ちゃんとした墓になってるよ」
スタン「こんな良い場所に作ったんだ!みんな気持ちよく眠れるさ!」
セネル「次に来る時は奴らを倒した後だ。その時は皆でここへ報告しに帰ってこよう」
ロイド「あぁ!必ずだ!」
ルーク「…………よし、っと、これで終わりだ」
カイル「何やってんだよルーク?」
ルーク「近くの花壇にまだ無事な花が結構あったからさ、それをここに移し替えてたんだ。ほら、これで大分寂しくなくなったろ?まぁ気休めかもしれねぇけど、しないよりはいいかなってさ」
ヴェイグ「……優しいな、お前は」
ルーク「あん?なんか言ったかヴェイグ?」
ヴェイグ「いや、何もいってないさ……」
クレス「ありがとうみんな!死の間際母さんは北の都ユークリッドに行けと言っていた。この世界は恐らく普通じゃない。だから本当にその都があるかは分からない。でも僕は母さんの最後の言葉を信じたいんだ!これから向かう方角は、北だ!」
スタン「異議なーし!」
ロイド「ガンガン行こーぜ!」
クレス「よし!それじゃ早速出発だ!」
第一章完
とりあえず今日はここまでで……
続きはまた書き溜めてから投下しますので2、3日後ぐらいになるかと思います。
まさに思いつきで作ったようなSSなので出来にはかなり不安がありますが、生暖かい目で見守って下さい。
それでは、また。
乙
見た感じそれぞれの世界が混じってんのかな? スパロボZみたいに
乙乙。スタンの口調がちょっと変なの以外は気にならないよ。そして彼は「ぜ」口調じゃないぜ
そして集気法ディスるとはいい度胸してるなメーン!
マイソロ3じゃ集気法あるか無いかで結構違ったな
ていうかクレスが強すぎた…格闘家並みの攻撃スピードと剣士のリーチとトップクラスの防御力
集気法による自己回復が可能、技の性能も高く使いやすい…
燃費さえどうにかすれば隙無しだったな
>>33そういう設定です。一応場所としてはマーテルのいた精霊たちの世界をイメージしています。場所が混ざっているのにも理由はありますがそれはおいおい。
>>34いやごめんなさい。集気法は忘れてないです!ただ他の人間も回復させることが出来るのはルークの守護方陣だけだったと思うのでそういう意味で回復出来るのは、と書いたんです!
あぁぁぁ、スタンの口調ミスりました…とりあえずもっかいスタンggってきます!
>>35クレスのパフォーマンスはぶっちぎりですよね…正直それぞれの秘奥義抜きで闘ったらクレスに勝てる奴いないんじゃないですかね?
全員のトラウマやるのかな?
……セネルだけ本編開始前になるな
この中で流派としてしっかりと剣術を習ったのはクレスぐらいかな
テイルズ主人公は師匠はいたりするが、専門じゃなく独学や趣味とかで鍛えてるのが多いよな
セネルはガチの軍仕込み殺人拳だぞ
良く考えたらカイル凄いよな
小さい頃に剣の師である父親を亡くしてるから殆どどころかほぼ完全に独学で剣を覚えてアレなんだから
それいったらロイド君だって
二刀流は二倍の攻撃翌力なんて考えだもんな
ルークはアルバート流剣術とかでガイもそうだけど貴族が習うような由緒ある流派じゃなかったっけ?
というか独学ならスタンもリッドもであってだな
カイルはルーティに多少は教えてもらってた可能性もあるんじゃ?
まぁそれでもほぼ独学だろうけど
ちゃんばらごっことかで技術磨いてそう
今更だけど
ロイド・アーヴィング
>>37とりあえず全員不公平がないようにはストーリー展開していきます!
>>38->>44
流派があるなしで言えば、あるのはクレスとルーク、セネルも軍隊で鍛えてたという事であるとしていいと思います。
逆になしでいえば、スタン、リッド、カイル、ロイド、ヴェイグでしょうね。
まぁカイルは>>44で書かれてる様にルーティに多少は仕込まれてる可能性はあるでしょうが
それにしては手癖の悪さは受け継いでないですしwやっぱり独学の部分が多いとは思います。
>>45はい、僕も投稿してから気付きました!お恥ずかしい…次名字も出す時があれば訂正させて頂きますね!
それでは続きを投稿します。
第二章
道中
一行は北へ向かっていた。もう既に日は跨いでいる。彼らは野宿をしながら更に歩き続けた。傍には川が流れている。黒衣の騎士団に襲われ壊滅したトーティス村を後に彼らは後ろを振り向く事無く進んでいる。その心には悲しみと怒り、奴らへの憎しみが渦巻いていたが彼らの目はまるで死んでいなかった。この世界に来たばかりの時とは違う。明確な目標を持って歩くその足取りには迷いは無かった。
ヴェイグ「クレス……ちょっといいか?」
クレス「あぁ。なんだい?」
ヴェイグ「お前はさっきの村でこう言ったな。まだ全部を思い出せない、と」
その事は誰もが気にしていた。しかし誰も言い出す事が出来ないでいた。
ルーク「ヴェイグ!」
ヴェイグ「俺たちにはどうしても必要な情報だ」
ロイド「でも今じゃなくたって!」
クレス「いや、いいんだ。ありがとうルーク、ロイド。確かにこれは話しておかないとね」
リッド「ま、無理だけはすんなよ。きつかったら言え」
クレス「あぁ。……確かに、僕は一部分だが記憶を思い出す事が出来た。ただ最初に断っておくけど、どうしてここにいるのか、どうやって帰れるのかは全く分からない。僕が思い出した事は、旅の目的さ。あの黒い騎士……あいつはユークリッド独立騎士団の団長だ。あの村で君たちが見たように、僕は過去奴らに村を滅ぼされた。そして僕は同じく助かった親友とともに復讐を誓ったんだ」
セネル「騎士団か……確かに奴らはよく統率された動きをしていた。それにあの装備、そこらの山賊が揃えられる様なものじゃなかったからな」
クレス「奴らの目的は、僕が持っていたペンダントさ。今はもうない。……ただ、あいつは僕にこう言ったんだ。俺の目的はお前だ、と」
ヴェイグ「その言葉も気になるが……まずはペンダントについて聞こう。どんなアイテムなんだ?」
クレス「確か、何かを封印する為の封具だったはずなんだ……すまない、まだ全てを思い出せない。その封じられていた者こそ僕にとって最大の敵だったと思うんだけど……」
リッド「いや、それだけでも十分な情報だぜ。つまり何か黒幕がまだいるってことだろ?その騎士だけを倒せばいいって話でもなさそうだ」
スタン「ついでにそいつも退治だな!」
セネル「それで?その後の言葉はどういうことなんだ?奴の目的はクレスだというのは」
クレス「ここがおかしなところなんだけど、あいつはこう言ったんだ。ペンダントを奪う事が俺の役柄だが俺自身の目的はお前にある、その為に奴に魂を捧げた。と……」
カイル「役柄〜?なんだよそれ?」
ロイド「奴に捧げた?それが黒幕なのか?」
ヴェイグ「……もう一つ気になる事があるんだが、誰かあの村で村人と話せた奴はいるか?」
ルーク「……いや、俺は話せてねぇ」
スタン「俺もだ」
リッド「声をかけたんだけどな。まるで気付かれなかった。俺がそこには存在してなかったんじゃないかって思ったくらいだぜ」
セネル「いや……あながち間違っていないかもしない」
カイル「どういうこと?」
セネル「最初村人たちはどこにもいなかったのにどこから現れたんだ?俺には黒い奴らの攻撃とともに突然出てきたように思えるんだ」
ヴェイグ「恐らくその通りだろう……あれは本物の人間ではなかった」
スタン「おいおいちょっと待てよ!あの人たちの体は透けたりしなかったし、触れる事も出来た!あれが偽物だってのか?」
リッド「確かにな……俺の目にも全員が全員何か役割があって動いてるように見えた」
ルーク「役割……作られたってことか?あの黒い奴もそうだったってことか?」
ロイド「だけど誰がそんなことを……?それにどうやってクレスの過去を作り出したんだ?」
カイル「クレスの記憶を再現したとか?」
クレス「いや……昔村が襲撃された時、僕は村にいなかった。狩りに出てたんだ……確か、親友と一緒に。帰ったときには既に村は破壊されてた。だから僕があの村で起きた事を知りようがないんだ」
ヴェイグ「だがどちらにしてもクレスの過去を知る者の仕業だろう。あれは明確なクレスへの攻撃だ」
セネル「となるとこれから用心した方がいいな。もしかしたらクレスだけじゃない。俺たちもああやって攻撃される可能性がある」
ルーク「敵はあの黒い奴らだけじゃない……あいつらを作り出した奴がいる……レプリカを……!」
カイル「レプリカ?」
ルーク「!?……いや、何でもねぇ」
ルークは不意に出たこの言葉に驚いた。この言葉が何か重要な言葉だった気がする……だけど知りたくない……彼はそう思った。
スタン「よし!とりあえずこの話はこれで終わりにしよう!腹が減ったし飯だ!」
…………
セネル「で、誰が料理するんだ?というか食材さえないぞ?」
リッド「何か狩ってくるしかねーだろうよ。実際腹減ったし……」
クレス「それじゃ皆で準備しようか。実は村を出る前に僕の家から調味料や簡単な器具を一通り持ってきててね。さすがに食材はなかったけど調理する分には問題ないはずだよ!」
スタン「さすがクレスだな。じゃ料理する係と食材を調達してくる係に別れようぜ。俺は狩りの方だ!」
ヴェイグ「俺は料理する方に回ろう」
リッド「そんじゃ俺は何か狩ってくるよ」
ルーク「おっし!俺は料理やるぜ!」
カイル「俺も料理をしてみたいかな」
スタン「調達班は誰が早く獲物を狩ってくるか競争だ!」
セネル「止めてくれ…とりあえず何か調達してくればいいんだろう?」
クレス「じゃ僕は料理にしてみようかな」
ロイド「料理班はこれで4人か……じゃ俺は狩り側だな」
クレス「それじゃこっちは料理の準備をしてるから狩りが終わったらここに戻って来てくれ」
ロイド「わかった。30分で帰ってくる!」
スタン「それじゃ俺は20分だ!」
リッド「何分でもいいだろうがよ……とりあえず行こうぜ」
セネル「あぁ」
料理班はまず、森へと入り薪をと石を集め始めた。調達班の方は獲物を求め更に森の奥へと入って行く。
[料理班]
カイル「クレスは料理も出来るなんて凄いな。何でも出来て羨ましいよ。」
クレス「ははは、僕なんて大したことないよ。料理だって普段あんまりやらないから挑戦してみようかなって思ってこっちに来たんだ。それで、この中で料理が得意な人っているかい?」
ヴェイグ「……」
ルーク「は?いや俺料理なんてしたことないぜ」
クレス「え、じゃなんでこっちに?」
ルーク「だって狩りとかだるいじゃん」
クレス「……カイル、君料理出来る?」
カイル「…………」プイッ
ヴェイグ「大ピンチって奴だな」
ルーク「はー!?どうすんだよー!?」
カイル「ってゆーかヴェイグ他人事じゃないんだからな!ヴェイグだって料理出来ないんだろ?」
ヴェイグ「する必要がなかったんだから仕方ないだろう。だが狩りも面倒。そう思っただけだ」
クレス「いやでもなんとかしないと……」
カイル「もう皆が帰って来たら素直に謝ろうよ!料理出来ないんだって」
ルーク「んなみっともねーこと出来るかよ!」
カイル「クレス!」
クレス「………いや、カイルよく考えるんだ。確かに僕らはみんな料理が出来ないかもしれない。でもだからこそ新しい道を切り開く事も大事だと僕は思うんだ!!」
カイル「!?」
ヴェイグ「一理ある」
クレス「何事もまず挑戦だ!僕たちだけで最高の料理を作ってやろうじゃないか!」
カイル「……クレス!!わかった!そうだよね、まずは挑戦だ!英雄への道はいつだって挑戦なんだ!」
ヴェイグ「その道は険しいぞ、カイル…」
カイル「大丈夫!!乗り切れるさ!」
クレス「よーしその意気だ!やるぞー!」
「「「おー!!」」」
ルーク「……やっべー乗り遅れちまった……」
その頃、調達班は
[調達班]
リッドたち4人は料理班が入った森の更に奥を歩いていた。木々の合間から射す斜陽、葉を揺らす緩やかな風。離れた場所には小川もあるのだろう。水の音が聞こえる。全てが穏やかだった。
リッド「この狩りで入る森の空気、懐かしいぜ」
スタン「なんだリッド、お前狩人だったのか?」
リッド「あぁきっとそうなんだろうな。俺は剣士だの騎士だのそういう疲れる人生送りたくないんだよ」
ロイド「のんびりしてるもんなぁリッドは。でもそういう生活もいいよな」
リッド「楽しいぜ〜。一日中雲を見てたり昼寝したり、たまに狩りして夜には仲間と一緒に朝まで騒ぐんだ」
セネル「随分気楽な生活だな」
リッド「これが俺の幸せってやつなんだよ」
ロイド「まぁ確かに楽しそうだよな。セネルはどんな風に生きたいと思ってるんだ?」
セネル「どうって言われてもな……俺は今もこれからも静かに暮らして行きたいと思ってるよ」
リッド「それって俺みたいにか?」
セネル「リッドみたいに人生を楽しみたいって思ってる訳じゃないさ。俺はただ、もうこれからは穏やかに生きたいんだ。俺の中の記憶がそれを望んでいる」
スタン「なんかその若さで仙人みたいなこと言うなセネルは」
セネル「誰が仙人だよ。そういうスタンはどうなんだ?」
スタン「俺か?俺はそうだな……世界中を回ってみたいかな」
セネル「……リッドとは真逆だな」
スタン「俺はさ、困ってる人を見たらほっとけないんだ。だから世界中回って人助けがしたい」
セネル「その上とんだお人好しだな」
スタン「だってそうだろ?悪い事した奴なら因果応報ってやつだけど、何も悪い事をしてない人がただ苦しむなんて、そんなのはおかしいじゃないか」
ロイド「うん……そうだよな。俺もそう思う。助けられる人がいるなら助けたい、それが普通だ。スタンお前って良い奴だな!」
スタン「あはは、だから俺は誰かを助ける為の力を手に入れたんだと思う。力が無いと何も出来ないもんな」
リッド「か〜、疲れる人生送ってそうだなお前ら。でもそういう考え嫌いじゃないぜ」
セネル「あぁ、お人好しだが、お前らは正しい。ただ、その為にまずは剣を見つけないとな」
スタン「う、、、それを言うなよ〜」
「「「ハハハハハ!」」」
その時、先頭を歩いていたスタンの前方離れた場所に2匹のボアが現れた。
スタン「……いた!獲物だ!!」
リッド「(バカ、大きな声を出すな!逃げるだろうが)」
ズザザザザ!!
スタンたちに気付いたボアは直ぐさま進路を変え逃げ出した。
その速さたるやさすが野生の動物である。あっという間に姿が見えなくなってしまった。
スタン「待て!!逃がすかーー!!」ダダダダッ!!
ロイド「スタン!もう無理だ!おーい!」
野生動物よろしくスタンもまた追いかけて走り出してしまい数秒後には背中も見えなくなっていた。
リッド「あ、の、馬鹿!!俺たちがはぐれたら仕方ないだろうが!」
セネル「こうなったら仕方ない。とにかくスタンを追おう。真っ直ぐ行けばいいだろう。急がないと完全に見失うぞ!走れ!」
三人に呆れられながらも尚もスタンは走り続けていた。もはや完全にボアは見失っている。何の為に全力疾走しているのか。そろそろ止まろう、そう思い始めたスタンは前方に光の筋を見た。どうやら開けた場所があるようだ。あそこに行ってみよう。彼はラストスパートをかけた。
スタン「〜〜〜〜〜ッ!!ップハァ!!やっと抜けた!!」ゼェゼェ
スタン「……ここは」
美しい。そこはまさしく広い草原だった。どこまでも続く草の大地。青き空に対し緑の草原のこの単純なそれでいて完璧なコントラスト。これが真の芸術というものなのだろうか。スタンはしばらく見入っていた。
スタン「…………こんなところがあったなんて……ん?」
緑の大地の中に何か別の色を彼は見つけた。近付いてみると…それは本だった。銀色の装丁でいかにも高そうな本である。
あいつが喜びそうなアイテムだな。何が書いてあるんだろう?読めない……字らしき物はあるけどまるで分からない。別の言語のようだ。こんな文字見たこと…………
スタン「……?いや、この単語だけ知ってるぞ……これ、どこかで……?」
お〜〜〜ぃ…!!スターーン…!
誰かが俺を呼んでいる。誰だ?決まっている仲間たちだ。スタンはその本を懐にしまいこんだ。後で皆に見せてみよう。誰か知ってるかもしれない。
ロイド「あ、スタン!!ここにいたのか!返事くらいしてくれよ!」
セネル「あまり勝手な行動をしないでくれ!はぐれたら二度と合流出来なくなってしまうかもしれないんだぞ!」
リッド「ハァッハァッ……勘弁してくれ、全力疾走なんてしたくないんだ……」
スタン「あー……はは、悪かったよ。すまない!次からは気をつけるさ」
ロイド「ま、何はともあれ見つかって良かった。さっさと獲物見つけて帰ろうぜ」
リッド「い、異議なーし…」ハァハァ
10分後、今度こそスタンに大声を出させる間もなくリッドの一撃により大型のボアを狩ることに成功した。
セネル「ようやく食材の調達が済んだな。あとは運ぶだけだ」
リッド「これが大変なんだよな……」
ロイド「よーし!帰ろう!」
スタン「あ!そういえば競争忘れて……
全員の目がスタンを見ていた。
スタン「はい……」
道を戻り、森を抜け集合場所が見えてくると料理班の4人は既にそこに集まっていた。どうやら自分たちを待っているらしい。急いで届けなくては。
スタン「?……なんか様子がおかしくないか?」
ロイド「気のせいだろ?待ちくたびれてんだよきっと」
セネル「……だが何か異様な気配を感じるんだが……」
リッド「なーんか嫌な予感が……」
それもそのはず、近付いてみるとクレス、カイルが腕組みをして待っており、その後ろでヴェイグが石に腰掛けながら厳しい目でこちらを見ているのである。ちなみにルークは更にその後ろで薪を組んでいた。
クレス「待っていたよ!!」
カイル「遅かったじゃないか!待ちくたびれたよ!!」
ヴェイグ「言ってやるなカイル。狩りをするのも大変なことなのだ」
ルーク「えーっと……こんなもんでオッケーかな?」
3人(+1人)のあまりのプレッシャーに気圧されながら調達班の男たちは確実に引いていた。その暑苦しさに。
リッド「……おいおいおい、何が起こってるんだ……?」
セネル「この暑苦しさは一体……」
ロイド「」
スタン「うぉぉぉ!どうしたお前ら!何でそんなに燃えてるんだ!?」
「「「お前もか……」」」3人の心はまさしく一つ。
カイル「スタン!俺は気付いたんだ!何かを為すにはまず何事にも全力で取り組まなきゃいけないってことを!」
クレス「そうだ!だから僕らはこの料理に命を、全てをかける!!!」
ヴェイグ「何者にも俺たちの邪魔はさせない……」
ルーク「あーもう薪組むのめんどくせー!」
スタン「おぉ、おぉぉおおおおお……!!」
彼の頬をとめどなく涙が流れる。スタンは感動のあまり泣いていた。
リッド「あ、じゃあ俺らあっちで待ってるからよろしくー」
セネル「出来たら呼んでくれ」
ロイド「ま、まぁ程々にしてくれよー?」
スタン「俺はここから全力でお前たちを応援する!!」
「「「うおおおおおおおお!!!」」」ガンバレー!!ウオー!! ウゼー!!
………………
……………
…………
………
リッド「うん、で?言い訳は?」
「「「すいませんでした」」」ダリー
セネル「挑戦する事が悪いとは言わない。しかし時と場合を選べ」
ロイド「だから程々にしろって言ったんだ……」
そこに出来ていたのはまさしくダークマター。触れれば全てが溶けてしまうかの様に音をあげている。匂いは既に気を抜けば気絶するレベルにきている。何だこれは……?元がなんだったのかすらもはや判別出来ない。かの××料理人でさえこの物質を作る事がはたして出来るのか!?
スタン「アッハッハ!!まぁこういうこともあるさ!」
3人の視線が刺さる。
スタン「すいませんでした」
セネル「全く……で、どうするんだ?全員飯抜きか?それともこれ食うか?死ぬぞ?」
ルーク「……ハァ……たく、ほらよ」
クレス「……え?これは?」
カイル「ルーク……これ何?」
ルーク「何って肉をただ焼いただけの料理だよ。お前ら全部使わなかったろ?だから残りで焼いておいたんだ」
その日、一番の歓声が起こった。誰もが喜んだ、狂気した。諸手を上げハイタッチをした。肉が食える。ただそれだけで幸せだったのだ。
リッド「はぁ〜これでやっと飯にありつけるぜ。ありがとなルーク」
カイル「もうお腹が空きすぎて死にそうだよ」
セネル「あ、お前ら4人はそのダークマターをちゃんと食べろよ。食べ物を粗末にすることだけは許さん」
クレス「」
ヴェイグ「」
カイル「」
スタン「え、俺も!?」
ルーク「自業自得だ。バカ」
ロイド「ははは、頑張れー」
…………
そして数分後、そこには4つの屍が出来上がっていた。
セネル「ところで、さっきの狩りの時たまたまこれも見つけたんだ」
ロイド「これは?」
リッド「グミ…だな。グミの木でも見つけたのか?」
セネル「あぁ、結構いっぱい生ってたからな。それなりに詰んできといた。こういう知識は失われてなくて助かるな」
ルーク「でも何でこれ食うと体力回復したりするんだろうな?」
リッド「んー、確か魔力がこのグミの中に詰まってるとか何とか……それで種類ごとのグミを食う事で体内にそれぞれの効力を吸収させる、だったか?昔どこかの頭でっかちに教えてもらったような気がする……」
ロイド「へー、随分頭の良い友達を持ってるんだな」
クレス「……う……」
ルーク「お、起きたか?」
クレス「……まだ頭がガンガンする……」
カイル「……頭痛い……」
セネル「全く、今後は気をつけるんだぞ。ほら、グミでも食べろ」
ヴェイグ「……助かる」
スタン「……もう二度とあんなの食べてたまるか」
ルーク「よし、もう少ししたら出発しようぜ!随分時間くっちまったしな」
一行は再び歩き出した。既に太陽は西に傾きだしている。何とか今日中にはどこかしらの村にはたどり着けないだろうか。皆がそう考えていた。地図も土地勘も無く歩くというのがこんなにストレスになろうとは……
スタン「あ、そうだ。みんなこの本について何か知らないか?」
スタンはあの時草原で拾った本を全員に見せた。銀色の装丁、別の言語で書かれたタイトルと内容。
クレス「?スタン、ちょっと良く見せてくれ」
スタンから受け取ったクレスはその本をマジマジと見た。どこかで見かけたような……?でもどこだったか……長い時間考えたが思い出す事は出来なかった。
クレス「ダメだ。思い出せない。どこで見たんだったかな……スタン、とりあえず返すよ」
スタン「そうか〜、他に誰か見覚えある奴いないか?」
ヴェイグ「俺は見た事無いな」
リッド「俺もないなぁ」
結局誰一人その本について知る物はなく、諦めたスタンは再び懐に本をしまいこんだ。
そういえばこの本を見つけた時、あいつが喜びそうな本だなとか思ったんだ。誰かひどくケチで欲深い、だがとても大切な仲間がいた気がするのだが……それ以上、スタンの頭には何も思い浮かぶことはなかった。
すいません、とりあえず一旦ここまでで。また今日中には投下しますのでよろしくお願いします。
コレはアレだな、ナタリアのアレの経験が体に染み付いて自然に出た自衛策だwww
もしかして実力的に一番劣るのはスタンか?
技とかソーディアンだよりみたいなところあるし
どうだろうね
飛天翔駆とFOFを見てからあくまでも技+S.Dの火(リメDだとほぼ全属性だけど)ってイメージになったし
このSSの現状ならスタンなのは間違いないだろうけど
人質さえいなければ普通の剣でも穴子倒せるぐらい強いんだぞ!
あとはほら、キュアフラ剛招来とかさ…
>>61その通りですねwそういえばふと思い出しましたが、もしやEには飯まずはいなかったですよね?めずらしく。
>>62->>64剣技自体は他のメンバーと遜色ないでしょうが、何せ今は剣すらないので……
では続きです。とりあえず第二章の終わりまで投下していきたいと思います。
程なくして彼らは視線の先の彼方に建物が建っているのを発見した。
大きい、どうやらかなりの規模の街のようである。街の奥には一際大きな建物がある。あれは城か?
クレス「随分と大きい街だね……」
カイル「ねぇほらあそこ!あれお城じゃないか?」
ヴェイグ「あぁ、どうやらそうみたいだな」
スタン「…………」
セネル「珍しいなスタン。お前がそんな仏頂面してるなんて」
ロイド「……まさかスタン。ここはお前の街か?」
スタン「……分からない。でも確かに見覚えはあるんだ」
……スタン……こ…だ
スタン「!?(今のは声は!)」
リッド「とりあえず街中廻ってみようぜ。何か思い出すかもしれないしな」
ルーク「しかしでけー街だな。城もすげーし、あんなとこに住んでみてーなー」
ヴェイグ「…………どうやらここも前回の村と同じようだな」
そう、これだけ大きい街であるにも関わらず静寂だけがその街を支配していた。彼らには分かった。恐らくこの街にも住人は1人も存在しないであろう事を。そしてこの後何かが起きるであろう事も。
セネル「……とにかく、どこか休める場所を探そう。何にしても休息は必要だ」
スタン「……みんなすまない。先に宿屋にでも行っててくれないか?少し行きたい場所があるんだ」
リッド「?なんだよ、みんなで行きゃいいだろうがよ」
スタン「いや、少し1人で廻りたいんだ。すまない」
クレス「……分かった。でもすぐに合流しに来てくれ。何が起こるか分からないからね」
スタン「あぁ」
リッド「そういえばここの街、ダリルシェイドっていうらしいぜ。ってスタンはもういなくなっちまったのか」
…………
スタンは仲間と別れた後、とある場所へ向かった。街に入ったときから囁かれる声に導かれ彼は進む。そこにあったのは一軒の家だった。とても立派な家だった。玄関前の庭にはテーブルとイス、奥にはベンチが置かれてある。良く晴れた日にここで昼食を食べればさぞや気持ちいいだろう。
スタン「ここは……知ってる……」
……扉を…けろ…タン
その声のままにスタンは扉に手をかける。……いる。この扉の先に誰かが。
スタンは意を決しその扉を開いた。
スタン「……お前は……」
扉を開けた先は居間となっていた。テーブルにソファなど高価であろう調度が置いてある。そしてその部屋の奥には1人の男が立っていた。全身をフード付きのコートで覆っており顔には仮面を着けている。
……「……スタン・エルロンだな」
こいつは……!
言葉が出なかった。全身から汗が噴き出しているのを感じる。
目の前の男が誰かは分からない。だが自分にとって重要な人物であるだろうことは理解していた。
……「……お前の話は聞いている。記憶を失っているのだろう?」
スタン「あ……う……」
……「お前は覚えていないだろうが……この家にはかつての僕の命とも言える人が住んでいた…僕は彼女を救えたのだろうか……」
スタン「お前、は……」
……「僕が分からないのだろう?それでいい、お前は僕を知る必要などない!」
突如その男はスタンに向かって駆け出し、剣を突き出してきた!
スタン「うわっ!」
寸でのところで躱すが、その男は尚も攻撃の手を緩めない。
スタン「うおっと、っと!待て!うぉぉ!?ちょっと待ってくれって!…うわっ!」
仮面の男「待てだと?この軟弱物が!戦場でそんな言葉が通じるものか!」
このままではいつか斬られてしまう!
スタンは相手の剣撃をかいくぐると扉を蹴破り外へと飛び出した。
何か、武器を探さなければ!スタンはそのまま通りを駆け出した。
スタン「何で俺を攻撃するんだ!?」
仮面の男「……それが僕の役目だからだ」
スタン「役目?お前もやっぱり誰かに作られたのか!?」
仮面の男「それを教える理由は無い。どこまで逃げるつもりだ?見失いなどはしないぞ」
スタン「くっ……!!」
どこかに……どこかにあるはずだ。……あった!あそこだ!
このまま店の中に入るんだ!
仮面の男「ふん、覚悟は出来たか?デモンズランス!!」
上空へと跳躍したその男はその手から闇につつまれた巨大な槍を出現させ、投げつけた。その間約2秒である。
闇の槍が地面に接触した瞬間、巨大な爆発が生み出された!
スタン「ぐぁあああ!!」
直撃こそしなかったもののその爆風はスタンを吹き飛ばし目の前の店を破壊した。あたりを土煙が舞っている。
仮面の男「こんなもので終わりはしないだろう?
……?ここは、武器屋?」
その時、目の前の土煙の中からスタンが飛び出して来た。その手には剣が握られている!
スタン「はぁぁああ!!」
ギィン!!
二人の剣が交差する。
仮面の男「ふん、これで少しは闘いになるか」
スタン「……少しは理由くらい話してくれたっていいだろ!?」
仮面の男「話す事など何もない!」
二撃、三撃、彼らの間で剣戟が交わされる。
ギィン!
スタン「(まずい!?剣先が欠けてきた!)くそ!」
横払いの一閃!その瞬間仮面の男の姿が目の前から消える!違う、下だ!潜り込まれてる!
仮面の男「これで終わりだ!」
下から上へ払い上げる仮面の男の一撃!
スタン「っ!!」
その時スタンは足を踏み込み前へと体を投げ出した!
仮面の男「なっ!?」
襲撃者の動きが止まった。彼の右腕はスタンの体によって押さえつけられ、振り抜く事が出来ずにいた!
スタン「うぉぉおおお!」
接触の余波で彼らの間に空間が生まれた瞬間、スタンは素早く蹴りをくらわしその男を吹き飛ばす。
ドォン!!
背後の壁に叩き付けられた男はそのまま膝を付いた。
仮面の男「…………」
スタン「ハァ…ハァ……なぁ……俺には本当に、お前が俺を狙う理由が分からないんだよ。訳くらい教えてくれないか?」
仮面の男「くどいぞ。それが僕の役目だと言っただろう。さぁ行くぞ!」
……「待て」
仮面の男の背後から二人の人物が歩いてきている。一人は顎髭の生えた長髪の男性、その手には剣を手にしている。そしてその後ろを美しい菫の花を思わせる髪をした女性が付き従っていた。
仮面の男「……ヒューゴ、様」
ヒューゴ?……この男も俺は知っているぞ……それにあの女性のことも……
ヒューゴ「……ふふふ、久しいなぁスタン・エルロン。……あぁ、今は記憶を失っているんだったか?マルスから聞いているぞ」
なんだ……この気持ちは……!!このヒューゴと呼ばれる男を見ていると腹の底から怒りが湧いてくる……!
スタン「お前…!!何者だ!答えろ!!」
ヒューゴ「くく、どちらの名前で名乗るべきだろうなぁスタン・エルロン?ヒューゴ・ジルクリストと名乗ろうか……それともミクトランと名乗るべきかな?」
瞬間。スタンの脳裏に鋭い痛みが走るとともに一つの記憶が映し出された。
白き装束に黒く禍々しさすら感じる剣を持ち、大きな球状の物体を背後に自分たちに立ちはだかる金髪の男の姿を……
スタン「……俺にはお前が誰なのかまだわからない……でも一つ分かった事がある!お前は俺の敵だ!!」
ヒューゴ「嬉しいよスタン・エルロン。それだけでも思い出してくれたようで。私にとってもお前は敵だ。この下賎な地上の民め」
ヒューゴの言葉が終わるか終わらないかの瞬間、スタンは剣を握りしめ既に彼に向かって走り出していた。
ヒューゴに斬り掛かる間際、そこに後ろにいた女性がスタンの前に立った。
!?ダメだ!もう攻撃は止められない!!
ガッ!!パキィン!
しかしスタンの一撃はヒューゴはおろかそこに立つ女性にすら届く事なく弾かれ、その衝撃に剣を折られてしまった。
……「……久しぶりね、スタン君。君は結局、誰も憎しみ合う事なく、皆が笑い合える世界は作れたのかしら……?」
スタン「あなたは……!?」
仮面の男「よくやった、イレーヌ。……魔神剣!!」
ドゴォ!!
スタン「ぐっ!?」
仮面の男の一撃をまともにくらったスタンはそのまま数メートル吹き飛ばされてしまった。
イレーヌ「スタン君、あなたは私にこう言ったわね。できなくったってやるんだって、それが理想を目指すってことだって」
スタン「う……ぐっ……何を、いってるんだ……」
イレーヌ「それがどう?出来たの?私は知ったわ、あれからどうなったか!結局差別はなくならない、貧困も苦しみも!!」
スタン「違う……俺はまだ……何を……?イレーヌさん……」
スタンの頭は既に正常に働いていなかった。記憶を失っているにも関わらず過去の出来事がフラッシュバッグしてくるのだ。スタンは強烈な吐き気を覚えた。
イレーヌ「私は決めたわ。もう一度世界を無にする。やり直すのよ。いいえ、やり直せなくても良い!こんな苦しみばかりの世界なんてない方がいいの!」
スタンの脳裏には何度もとある記憶がフラッシュバックしていた。
あれは……あの女性……イレーヌ……さん?何をしてるんだ。やめろ!死なないでくれ!!行くなあああああ!!!
スタン「うぁぁあああ!!やめてくれ!!何も分からない、分からないんだ!!」
スタンは膝をついた。もはや彼に立ち上がる気力は失われていた……
イレーヌ「無様ね。スタン君。そんなあなたを、見ていたくないわ。……さようなら」
ヒューゴ「スタン・エルロン、貴様にはここで死んでもらおう。ふふふ、こういう死に方はいかがかね?」
パチン!
ヒューゴが指を鳴らした時、その周囲から次々と機械の兵器が現れてきたのだ。どれも雑魚じゃない……スタンは一目でそれを感じた。しかしスタンは立ち上がる事が出来ずにいた。
ヒューゴ「さぁソーディアンの無いお前がどこまで闘えるかな!おっと、もはや腑抜けか!ふはははははは!!」
……「そのソーディアンとやらがなくても、スタンには俺たちがいるんだぜ」
「魔神剣・双牙!」
突如スタンの後ろから二つの衝撃波が現れ敵の群を蹴散らして行った!
誰だ!?決まっている!スタンの仲間たちだ。
リッド「大丈夫かスタン?……ちっ、こりゃ何か敵にされたか」
クレス「スタン!しっかりするんだ!」
ヴェイグ「……あいつらがお前の敵か。スタン、お前は少し休んでいろ」
スタン「みんな、何でここに……?」
ロイド「あれだけ大きい音がしてれば嫌でも気付くさ」
ヒューゴ「……仲間がやってきたか。お前たち、相手をしておけ。私は戻ろう」
セネル「おっと、敵の親玉がさっさと逃亡か?情けない奴だな。鷹爪脚!!」
ドガッ!
その空中からの一撃はヒューゴがその手に持つ剣により防がれたが彼の顔色を変えた。
ヒューゴ「ぬぅ……!!」
セネル「ちょっとはやるみたいだな」
イレーヌ「ヒューゴ様!」
仮面の男「くっ…………」ダダッ
ヒューゴの元へと向かう二人の前に、同じく二人の男が立ちはだかった。
カイル「へへ、お前の相手はこの俺だ!」
仮面の男「……ふん、身の程を知れ!」
ルーク「女を斬る趣味はないんだけど、な」
イレーヌ「ご心配には及びません。私は負けませんので」
戦況は拡大していく。既に街中に現れた機械兵士たちを相手にリッド、クレス、ヴェイグ、ロイドが応戦している。セネルはヒューゴを、カイルは仮面の男、ルークがイレーヌを相手していた。
リッド「ちっ、こいつら案外しぶといな。……烈空斬!!」
クレス「リッド!あまり離れて闘うな!囲まれるぞ!」
ロイド「数が多過ぎる!何とかしないと!」
ヴェイグ「絶氷刃!……引き際を見極めないと全滅するぞ」
スタン「みんな……みんなが闘ってる。俺も闘わないと……」
しかし彼の足が動く事はなかった。動かせなかったのだ。彼の頭には先ほどから同じ場面ばかり繰り返されている。その記憶が彼の足をすくませる。
…………
カイル「(こいつ、どこかで見た様な気がする……)」
仮面の男「中々の腕前だがまだまだだな。砕け!ストーンウォーリィ!!」
カイル「うわわ!お返しだ!爆炎剣!!」
仮面の男「むっ!甘い!!」
ルーク「(カイル……少し押され気味だな。クレスたちの方の機械兵士もこっちに集まって来てるし…あんまりちんたらしてらんねーな)」
イレーヌ「よそ見などして、余裕そうですね」
ルーク「別に、余裕ってわけじゃねーよ」
イレーヌ「……私には目的があります。ここであなたに倒されるわけにはいかないのです」
ルーク「それはこっちも同じだ。いくぜ!双牙斬!」
イレーヌ「コム・レーベン!行きます!アイスウォール!」
…………
セネル「お前さえ倒せばあの機械兵士はいなくなるんだろ?」
ヒューゴ「ならばどうする?私を倒すというのか。劣等民族が」
セネル「あぁ、それでみんなが助かるならそうするだけだ」
ヒューゴ「愚か者が……引導を渡してやろう」
セネル「行くぞ!ふっ!はっ!くらえ!!」
ヒューゴ「ふははは!その程度か!!」
…………
ジリジリと、だが確実に全員が押されていた。あまりにも多勢に無勢。全滅も時間の問題となっていった。
クレス「くっ…!!(撤退しようにもカイルたちを置いてはいけない…!!どうすれば!?)」
スタン「(みんなが押されてる……俺も闘わなきゃいけないんだ……!!)動けよ!動いてくれよ!!俺はこんなに弱かったのかよ!?」
リッド「くそっ!何とかしねーと!!うぉぉぉ!虎牙破斬!!」
ヴェイグ「……っ!リッド!!前に出過ぎだ!下がれ!!」
リッドは気付かぬうちに前へ出ていた、それは焦りからか、自身の戦闘範囲を見誤らせるほどに……リッドの周りを既に機械兵士が囲みつつあった。
このままではやられる!
だがこれだけ離れてしまったら間に合わない!!
スタン「リッド!!!(ダメだ……!!)」
……『あきらめるな』
スタン「……この声は!?」
どこだ、どこから聞こえる!?……鎧の中?これは、本が……光っている……
スタンが本を取り出すと、輝くその本は宙に浮き、ひとりでにページを開いていった。
クレス「……そうだ……!!あの本はやっぱり僕が昔見た本だ!!あの人の……あれは!クラースさんの魔術書だ!」
……『お前の名を告げよ』
懐かしい……この声を俺はいつだったかずっと傍らに聞いていた……
スタン「スタン…エルロン…」
……『そうだスタン、我はお前に再び力を貸そう。だからお前も我を信じろ。我を強く握りしめろ』
スタンの腕に力がこもる……
……『そして、我の名を唱えるがいい』
スタン「聞こえる……」
思い出が溢れ出してくる……
……『我が名は』
スタン「お前の名は!!」
「ディムロス!!」
機械兵士の一撃が一斉に四方から放たれる。
リッド「しまっ……!?」
その時!銀色に輝くその本から聖なる光の奔流が流れ出した!いや光だけじゃない、炎だ!光と共に炎が溢れ出している!!
その炎は瞬く間に周囲の機械兵士を飲み込み燃やし尽くしていった。
……………………
仮面の男「あれは!?」
イレーヌ「そう……立ち上がったのね。スタン君」
ヒューゴ「……ディムロス……!!」ギリッ!!
……………………
リッド「うぉぉぉおお!?あっt……くない?」
そう、リッドの体を聖なる光の奔流が包み込んでおり、その光が炎を遮断しているのだった。それは他の仲間も同様である。
クレス「これは……?」
ロイド「すっげー!何だこれ!傷も治ってく!!」
ヴェイグ「癒しの……光か」
カイル「優しい光だ……」
セネル「まったく、タイミングが良すぎるな……スタンの奴」
ルーク「た、助かった〜」ハァ…ハァ…
スタン「皆、悪い!待たせた!!これからは俺も役に立つから許してくれ!!」
ディムロス『まったく……お前という奴はどこまで心配をかけさせるのだ……』
スタン「悪かったってディムロス、久しぶりの再会なんだ。もうちょっとは喜んでくれよ」
ディムロス『こんな場でなければそうするんだがな。何はともあれ、まずはこいつらを一掃するぞスタン!』
スタン「あぁ!!」
スタンは戦場を駆け抜けた。いまだ残っている敵に向かいその炎の剣をふるった。
スタン「うぉぉおおお!」
クレス「スタンに続こう!これならいける!」
ロイド「よし!もう一踏ん張りだ!」
スタンの炎は彼らの指標となった。勢いを手にした彼らは次々と機械兵士を撃破し、進んでいく。
カイル「へっへー!これでもうこっちのもんだ!」
仮面の男「…………」
イレーヌ「……ヒューゴ様」
ヒューゴ「……退くぞ」
ルーク「な、逃げるのか!?」
その時、機械兵士たちを蹴散らし突破してきたスタンがそこにたどり着いた。
スタン「待て!逃がすか!!」
仮面の男「グランドダッシャー!!」
ゴゴゴゴッ!!
轟音と共に地割れが起こり巨大な岩が隆起する。彼らの姿は完全に覆い隠されてしまった。
スタン「くっ、逃げるな!俺と闘え!」
ディムロス『待てスタン、深追いはするな!』
土煙の中、彼らの声をスタンたちは確かに聞いた。
仮面の男「ようやくこれで対等というやつだ……スタン・エルロン」
イレーヌ「スタン君。私は再び覚悟を決めたわ。あなたにまた私の前に現れる覚悟はあるの?」
ヒューゴ「次こそは必ず始末してくれる……憎き英雄どもよ」
スタン「……!!お前たちが何をしようとも、俺は俺の大切な人たちを守る!それだけは絶対に守ってみせる!」
土煙が晴れたそこには、もはや隆起した岩以外なにも残されてはいなかった。
スタンの目には涙が流れていた。彼は、大切な人を守る、そう言いつつも救えなかった人のことを想った。淡き恋を抱いた相手と、武器を向け合うことしか出来なかった自分を思い出し、また同じ事をしなければならない運命を呪った。俺はあの人を救う事は出来ないのか……!!
スタン「(それに……あの仮面の剣士、あいつは一体?)」
「おーい!!」
離れた場所から声が聞こえる。あれはロイドの声だ。涙を拭かなければ……
ロイド「スタン!無事か!?」
スタン「ロイド!あぁ大丈夫だ。心配かけてすまない」
クレス「スタン!君はすごいな!あんな強力な炎を出せるなんて!」
リッド「いや本当助かったぜ!サンキューな!スタン!」
ルーク「美味しいところ全〜部持ってかれちまったぜ」
セネル「泣き言言ってたくせによく言うな」
ルーク「な!聞いてたのか!?」
カイル「俺も聞いてたよ!「た、助かった〜…ハァ…ハァ」って!」
ルーク「そ、そんなかっこ悪く言ってねーっつーの!」
ヴェイグ「……スタン、それが新しいお前の剣か?」
スタン「あぁ、ディムロスっていうんだ。俺の昔からの相棒さ」
ディムロス『スタン、こいつらは何者だ?』
スタン「あとで話すよ」
カイル「後で?」
スタン「あぁごめん、今のはディムロスに言ったんだ。こいつは自分の意思がある剣で、俺とだけ会話が出来るんだよ」
クレス「へ〜!それは面白い剣だね。僕たちとは会話出来ないのかい?」
スタン「どうも素質ってやつがいるらしいんだけど、今のところディムロスとは俺だけしか会話出来ないみたいなんだ」
ロイド「そっかー、ちょっと話してみたかったけど仕方ないな」
ルーク「……何だこいつら……ピュアかよ?簡単に信じるなって、んな話。眉唾もんじゃねぇか。大体喋る剣なんて気持ち悪いだろ」
ディムロス『何だと!?貴様もう一度言ってみろ!!』
ルーク「あぁん!?何度でも言ってやるよ!気持ち悪いっつーの!!」
スタン「え?」
ディムロス『一度ならず二度までも……もう許さん!叩き斬ってやる!!やれスタン!』
スタン「ちょ、ちょ、ちょ、ストーップ!ディムロス!!お前気付いてないのか!?」
ディムロス『気付く……だと?……………ハッ!?貴様!この私の声が聞こえているのか!?』
ルーク「こんな大声で喋ってて誰が気付かないっつーんだよ!!……て、あん?何だよみんなして俺の方見て……」
ヴェイグ「……お前も気付かないのか?誰に向かって喋ってるのか」
ルーク「誰って……え……?……!?! は!?嘘だろ!?マ、マジで言ってんのか!?」
ディムロス『まさかスタン以外に我が声を聞ける者がいるとは……』
ルーク「う、うぉお……ほんとに剣から声が聞こえる……」
ディムロス『このようなものが我が適格者とは嘆かわしい……』
スタン「お、おーいディムロス、でもマスターは俺だよな……?」
ディムロス『心配するな、この小僧が私を扱う資格ありとしても我が相棒はお前だけだ』
スタン「ディ、ディムロス〜〜」
ルーク「いやいやこっちだって願い下げだっつーの……」
セネル「何て言うか……傍から見てると二人の頭がおかしくなってるようにしか見えないな」
リッド「ま、どっから見ても変人だよな」
ルーク「ちょ、勘弁してくれよ〜」
クレス「いいじゃないか、こういうのも夢があって!」
カイル「うん!人格を持った剣と一緒に闘うなんてすげーかっこいいと思う!」
クレス「そうだスタン!その剣が出る時、君が持ってた本が光ってたよね?あれ今も持ってるかい?」
スタン「ん?あぁあるよ。これだろ。俺もびっくりしたよ、突然光りだすんだから」
クレス「……やっぱりだ。これ僕が昔旅の最中に見つけた本だよ」
スタン「え、そうなのか?」
クレス「うん、僕の仲間のクラースさんって言う人が使っててね。さっき突然思い出したよ。彼はそれを精霊の召還の為に使ってたんだ」
スタン「あ、だからこれでディムロスが召還出来たのか!?」
ディムロス『うむ、私は既に精霊となっている。もちろん我が仲間たちもな。それ故に、その本を媒介にここに顕現することが出来たのだ。ほら、このページに私の名前も書いてあるだろう?』
スタン「あ!この単語!そうか〜どうりで見覚えあるとおもったよ。ディムロスの名前だったんだな!何となくあの文字だけ分かったんだ!」
ディムロス『ちなみにこの本の名前は《トゥルーマジック》だ」
スタン「へぇ、《トゥルーマジック》っていうのかこの本」
クレス「そうそう、そう言う名前だった!役に立ってよかったよ!」
スタン「あぁ、ありがとな!クレス!」
ヴェイグ「……ところでだ。スタン」
スタン「?なんだよヴェイグ」
ヴェイグ「……記憶が、戻ったのか?」
スタン「…………あぁ、戻った」
クレス「ほ、本当に!?」
スタン「まだ少し混乱はあるけどな。ほとんど思い出したよ。ディムロスを手にした瞬間にだ。だけど、ここがどこでとかそういうのはやっぱり分からない……」
セネル「混乱ってどのくらいあるんだ?」
スタン「まだ記憶が飛び飛びになってるんだ。穴がぽっかり空いてるみたいに。でもすぐに全部思い出すと思う」
ロイド「でも何はともあれ記憶復活第一号なんだ!よかったじゃないか!」
クレス「まぁ記憶に関する事はまた後で質問するとして!とりあえず今日はもう休もう!」
カイル「そうだよ!宿屋の方向は被害ほとんど出てないしここで寝ていこう!」
セネル「ま、それがいいだろうな」
ロイド「よし!じゃみんな宿屋に向かおう!」
皆、疲れきっていた。きっと彼らはこのままベッドへと直行しそのまま朝まで寝続けるであろう。未だ記憶の戻らない7人にとっては、記憶を取り戻したスタンは希望であった。自分もすぐに記憶を取り戻せる。そう思う事が出来た。彼らの心に、確かな光が灯った瞬間であった。
そして、スタンは一人佇み自身の相棒に語りかける。
スタン「なぁ、ディムロス……イレーヌさんはさ、もうどうしようもないのかな……あの人は二度もこの世に絶望してしまったんだ、俺のせいで……。また、あの人と戦うしかないのかな……」
ディムロス『……あの女にはあの女の考えがあり、その思考の結果奴はそこに行き着いたのだ。スタン、お前がとは相容れぬ人間だったというだけだ。だが、ふん、何を難しく考える事がある。お前はルーティに何と言われたのだ。それを思い出せ』
スタン「そうか……そうだよな……」
スタンは顔を上げる。そこには既に決意が秘められた表情があった。
スタン「わかったよ、ディムロス。俺は俺の出来る事をやる。……ついて来てくれるか?」
ディムロス『何を今更……俺はお前の相棒なのだろう?』
スタン「あぁ!これからまたよろしくな!」
第二章完
今回はここまでです。とりあえず第二章まで。
次回の投下はなるべく早いうちにしようとは思っていますが、今週はあまり時間がないので次の週末ぐらいになるかもしれません。
何か質問などありましたら答えられる事はなるべく答えますのでどんどん聞いて下さい。
それでは、また。
乙
仮面の男…一体何者なんだ…
乙
何ーダス……いったいどんな仮面なんだ……
>>82>>83
一体何者なのかはさっぱり分からないっすね。乙ーダスとかとりあえずありがとうございますとしか返せないっすね。
とりあえず仮面のイメージとしてはこのバルログが着けてる仮面をイメージしてます。
ttp://emihonot.up.seesaa.net/image/img_894294_9756706_0.jpeg
だってあの某仮面剣士さんのあの仮面とか……自己主張の塊ですよあんなの。
むしろ隙間から凝視するわ。
もしかしてサブノックだったりして…
あぁ聖なる焔か
そういやこのルークはどんな見た目なんだろ
初期か断髪後かED後のどれかだよなあ
乙
正直、何オンが「この軟弱物が!」って言った瞬間、若本にしか見えなかったです……はい
>>85いやむしろシンクさんの可能性も……
>>86本から出たディムロスの炎のことですか?一応光とディムロスの炎は別に噴き出してるものとして考えてます。トゥルーマジックは一応光属性の魔術書なのでありかなと。ただ融合して聖なる焔になるってのもありですね!!
>>87それは今のところ皆さんのご想像にお任せします。
>>88すいませんorz 私の表現ミスでしたね。申し訳ないです><
>>89
いや、ルークの名前が【聖なる焔】だから炎のソーディアンと牽かれたのかと思ったんだ……違ったみたいだね
>>90
あぁ、なるほど。どちらかというと決め手は性格ですかね。最初は別の奴にと思ってたんですが、どうもディムロスはルークの方がしっくり来る気がしたんです。
まだなんとも言えないから今後の展開次第だな
>>88のせいでジューなんとかの仮面被ったバル様が頭に浮かんだ
>>93
やれやれ、仮面はムシムシ蒸しますなぁ…
>>94
でもアナゴグミ編のだと蒸すはずないんだよな……
もしかしてルークがディムロスと話せるのって、
TOVSネタなのかな?
スタンルートでルークのレプリカがディムロスに話してたし・・・。
だめだ
やっぱテイルズは派生させてはならない
>>97
一応TOVSではディムロスの声は誰にでも聞こえる設定みたいですよ。
なので特にバーサスをネタにした訳じゃないです><
>>98
面白くないとしたらそれは書き手として、僕が未熟なせいなのでとりあえず今のところは生暖かく見て下さい。
短めのを書いたのでとりあえずそれを幕間として投下していきます。
幕間〜
彼らはヒューゴたちとの戦闘の後真っ直ぐ宿屋へと向かった。宿屋には変わらず誰もいない。無人のカウンターを通り過ぎ彼らは二組に分かれ4人用の部屋へと入っていった。
カイル「ベッドだ〜〜…………ボフッ、はぁ〜気持ちいい〜」
スタン「こらカイル、そんな格好で寝るな。ちゃんと装備を外して寝ないと体が休まらないぞ」
カイル「ん〜〜…………」
セネル「まったく……ほら起きろ。……まるで手のかかる息子みたいだ、これじゃ」
カイル「ありがと〜……セネルぅ」
ルーク「ってことはお母さんだなセネルは」
セネル「馬鹿言うな。大体そう言うときは父親じゃないのか?」
ルーク「いやだってどう見ても父親はスタンだろ」
スタン「げ、それじゃ俺とセネルが夫婦か……」
カイル「あはは〜……セネルがお母さんか〜……」ムニャムニャ…
セネル「止めてくれ……ほら、これでいいからちゃんと布団被って寝ろ」
カイル「うん……おやすみ〜……」
ルーク「……セネルマジお袋」
スタン「おやすみ、カイル」
ルーク「…………なぁ、スタンってマジでカイルとは何の関係もねーの?」
スタン「あぁないよ。俺には妹が一人いるだけだ。でも……確かにカイルを見てると他人には思えないんだよな。……きっと昔の俺に似てるんだよ」
ルーク「ふーん……で、ところでさ。スタンって恋人とかいるのか?」
スタン「は!?な、何の話だよ突然…!」
ルーク「いやいや単に気になっただけだって!記憶も戻ったし分かんだろそれも?」
セネル「……お前ら、ちゃんと寝ろよ?今日は戦闘だってしたんだ。ちゃんと休まないと明日に響くぞ」
ルーク「わーかってるって。だからちょっとだけ!セネル、お前も一緒に聞こうぜ」
セネル「……俺は別にいいよ」
ルーク「何だよノリわりーな。で?どうなんだよスタン」
スタン「いや、どうって言われてもな〜……まぁ、確かにそんな感じの奴はいる、かな?」
ルーク「なんだよそれ。付き合ってんじゃねーの?」
スタン「分かんないんだよ。何となく一緒にはいるんだけど、あいつが俺のこと好きかどうか自信ないんだよ……友達みたいに思われてそうで」
ルーク「そう言う時はガツンといけばいいんだって!言っちゃえよ、俺はお前が好きだー!って」
スタン「それが言えたら苦労しないって……お前はどうなんだよルーク」
ルーク「俺は記憶ねーからわかんねーもん」
スタン「あ、ずり!」
ルーク「セネル、お前はどうなんだよ?好きな人のタイプとかさ」
セネル「……さぁね。どんな奴が現れようと俺は恋なんてする気ないよ」
ルーク「またまた〜。すっげー美人がセネルに告白したらどうすんだよ?」
セネル「……俺には、一つだけ忘れてない事がある。それは、俺はもう誰も愛する事は出来ないってことだ」
ルーク「あ……ごめん……」
スタン「……寝よう」
カイル「ぐーZzz…」
同じ頃、隣の部屋
クレス「ふぁ〜……今日は疲れたね……」
ヴェイグ「あれだけの敵と戦い続けたのだからな」
ロイド「もう一歩も動けねー……」
リッド「ようやく一日が終わるぜ……」
ヴェイグ「……明日のためにも十分に休息を取るべきだな」
ロイド「さんせー……それにしても、俺たちのリーダーはすっかりクレスだよなー」
クレス「え?」
リッド「ま、一番落ち着いててリーダーって顔もしてるしな」
クレス「ちょっと待ってくれよ。そんなこと言ったらヴェイグやセネルだってそうじゃないか」
ヴェイグ「いや、お前は俺たち以上の冷静な判断力と決断力、そして何よりカリスマ性を持っている。第一俺はリーダーなんて向いてる人間じゃない」
ロイド「ヴェイグやセネルはクレスの右腕と左腕って感じだよな!」
クレス「だからって僕がリーダーなんて……」
リッド「別にいいんじゃねーの?押し付けるわけじゃないし、自然とこういう形になってるんだから。それが本当にいやだってんなら俺たちだって無理強いはしねーよ」
ロイド「クレスは何て言うか優しいけどその中に芯があって、絶対ぶれないものを持ってるって思うんだ。だから強い」
リッド「多分自分じゃ気付いてないだろうけど、みんなクレスの背中についていってるんだぜ?自然とな」
ヴェイグ「お前は恐らくそういう気質を持った人間だというだけだ」
クレス「……僕は、みんなが思ってる様な人間じゃないよ。もっと利己的で技も心も何もかも未熟な人間だ。でもそうやって皆が望んでくれるならば、僕はそれに答えたいとは思う」
ロイド「ホント真面目だよなークレスって!でもそういうところ俺は結構好きだぜ」
クレス「な……//やめてくれよ//」
リッド「でもま、言っといて何だがあんまり深く考えすぎんなよ。俺たちは何もクレスにおんぶに抱っこしようとは思っちゃいない。辛いならいつでも助けてやる」
ヴェイグ「今のところ俺たちは運命共同体、というわけだ」
クレス「みんな、ありがとう……」
リッド「礼なんていらねぇって、それじゃもう寝ようぜ」
クレス「あぁ、明日も頑張らないと!」
リッド「やっと寝れるぜ〜っと!ボフッ!!……ハッ…ハッ……ヴェックシ!!」
クレス「ははは!クッションにダイブしてハクッション!っだね!」
ロイド「え?」
リッド「え?」
ヴェイグ「え?」
クレス「よし、みんなおやすみ!」
リッド「あ、あぁ……おやすみ」
ロイド「おやすみ……」
ヴェイグ「……(今のは一体……)」
まぁ、スキットの様なものだと思って下さい。
第三章はまた週末にアップします。
それでは
セネルは仙人モードか……狂犬モードは来るか?
相変わらずの親父ギャグで安心した
すいません、週末にと言っておきながら投下出来ませんでした;;
ちょっと僕の通ってる大学で先週火事が起きてしまいこれからのこととか色々ごたごたしてまして、SS書く時間がありませんでした。
ようやく色々落ち着いて来たのでまた続きを書き始めようと思います。
いつ投下出来るか分かりませんがなるべく早めに投下出来る様に頑張りますので、よろしくお願いします。
このSSまとめへのコメント
ヤベェ、続き気になる。
てか、ルークが、ディムロスと、会話できるのは、ローレライと完全同位体だからじゃあねえの?
ディムロス、精霊の分類でしょ?
この作品では。
早く続きが見たいですね♪
というか、まだ続けているのでしょうか?
続け